説明

画像記録制御装置及びプログラム

【課題】複数の判読者の個々の判読能力に応じた画像を被記録媒体に記録する場合の画像記録装置に対する設定の手間を軽減すると共に生産性の向上に寄与する、画像記録制御装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】読み手1の設定情報において、“モノクロ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手1に割り当てられた色相差規定値項目の“3”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出され、“トナーセーブ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“○”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手1に割り当てられたコントラスト規定値項目の“1”との非NG規定値からテーブルa2に対応付けられているテーブルa1を用いて導出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ページ単位に区分された入力画像に含まれる複数のページを単一のページに集約して出力画像を生成する画像処理装置であって、出力画像における文字の大きさが確認される状態で、出力画像における文字サイズについてのユーザ設定を受け付ける設定受付手段と、入力画像を出力画像に集約したときの文字サイズがユーザ設定を満たすように、集約に係るパラメータを決定する決定手段と、を備え、設定受付手段が、ユーザ別にユーザ設定を記憶する手段と、入力画像から出力画像の生成を指示するユーザを特定する手段と、ユーザの特定に応答して、記憶されているユーザ設定のうち対応するユーザ設定を読み出す手段と、を有し、決定手段が、読み出されたユーザ設定に基づいてパラメータを決定することを特徴とする画像処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、文字を含む画像データを入力する入力手段を備え、該入力した画像データに基づき縮小印刷が可能な画像形成装置であって、縮小印刷時に判読可能な文字サイズを基準文字サイズとしてユーザ毎に記憶する記憶手段と、入力手段によりユーザが入力した画像データに対して縮小印刷時の変倍率を設定する変倍率設定手段と、変倍率により縮小された画像データに含まれる文字の文字サイズの中で最小となる最小文字サイズを判定する最小文字サイズ判定手段と、判定した最小文字サイズと記憶手段に記憶されたユーザの基準文字サイズとを比較する文字サイズ比較手段と、を備え、文字サイズ比較手段により比較した結果、最小文字サイズが基準文字サイズよりも小さい場合に、変倍率設定手段で設定した変倍率を変更可能としたことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、アプリケーションからの描画命令に基づき、1物理ページ上に複数の論理ページをページレイアウトした印刷データを生成可能な印刷制御装置であって、描画命令中に含まれる描画種別が異なるそれぞれの描画命令に対するレイアウト制限情報を設定する設定手段と、設定手段により設定される各レイアウト制限情報に基づいて、1物理ページ上にレイアウトすべき論理ページ数を決定する決定手段と、決定手段により決定される論理ページ数に基づいて複数ページが縮小レイアウトされた印刷データを生成する生成手段と、を有することを特徴とする印刷制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−272049号公報
【特許文献2】特開2010−278822号公報
【特許文献3】特開2006−185307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、複数の判読者の個々の判読能力に応じた画像を被記録媒体に記録する場合の画像記録装置に対する設定の手間を軽減すると共に生産性の向上に寄与する、画像記録制御装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像記録制御装置を、各々画像記録装置によって被記録媒体に記録された画像を判読する判読者を示す複数の判読者情報と、該判読者情報毎に定められており、前記画像記録装置に対して設定されると共に前記被記録媒体に記録された画像の判読性に影響を与える設定情報に対応する対応値の許容範囲を規定する規定値とを対応付けて記憶した記憶手段と、指定された前記対応値である指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御し、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、該許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0008】
請求項2に記載の画像記録制御装置を、請求項1に記載の発明において、前記制御手段が、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する複数の前記判読者情報の各々を対象にして、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0009】
請求項3に記載の画像記録制御装置を、前記設定情報が複数の設定項目毎に設定され、前記制御手段が、前記複数の設定項目のうちの特定の設定項目について、前記記憶手段に記憶されている前記判読者情報の各々を対象にして強制的に、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0010】
請求項4に記載の画像記録制御装置を、請求項3に記載の発明において、前記複数の設定項目から前記特定の設定項目を指定する指定情報を受け付ける指定受付手段を更に含むものとした。
【0011】
請求項5に記載の画像記録制御装置を、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記制御手段が、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する複数の前記判読者情報の各々を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0012】
請求項6に記載の画像記録制御装置を、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する複数の前記判読者情報を含む第1判読者群と前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する複数の前記判読者情報を含む第2判読者群とに仕分け、仕分けた前記第1判読者群及び前記第2判読者群毎に共通の前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0013】
請求項7に記載の画像記録制御装置を、請求項6に記載の発明において、前記制御手段が、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた占有率範囲に含まれる場合に、前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分け、仕分けた前記第1判読者群及び前記第2判読者群毎に共通の前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0014】
請求項8に記載の画像記録制御装置を、請求項7に記載の発明において、前記制御手段が、仕分けた前記第1判読者群に含まれる前記判読者情報の各々を対象にして、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御し、前記第2判読者群に含まれる前記判読者情報の各々を対象にして、該判読者毎に、前記記憶手段に記憶されている対応する前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0015】
請求項9に記載の画像記録制御装置を、請求項7又は請求項8に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記占有率が前記占有率範囲に含まれず、かつ該占有率範囲の上限値以上の閾値を超えた場合に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分けずに、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0016】
請求項10に記載の画像記録制御装置を、請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記占有率が前記占有率範囲に含まれず、かつ該占有率範囲の下限値以下の他の閾値未満の場合に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分けずに、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0017】
請求項11に記載の画像記録制御装置を、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた閾値を超えた場合に、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0018】
請求項12に記載の画像記録制御装置を、請求項11に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記占有率が前記閾値よりも低い他の閾値未満の場合に、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0019】
請求項13に記載の画像記録制御装置を、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記制御手段が、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた閾値未満の場合に、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御するものとした。
【0020】
請求項14に記載の画像記録制御装置を、請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の発明において、前記設定情報と該設定情報に対応する前記対応値とが対応付けられて構成された設定関連情報を記憶した設定関連記憶手段と、前記設定情報を受け付ける設定受付手段と、前記設定関連記憶手段に記憶されている前記設定関連情報を用いて前記設定受付手段によって受け付けられた設定情報に対応する前記対応値を導出する導出手段と、を更に含み、前記指定対応値を、前記導出手段によって導出された前記対応値としたものとした。
【0021】
請求項15に記載のプログラムを、各々画像記録装置によって被記録媒体に記録された画像を判読する判読者を示す複数の判読者情報と、該判読者情報毎に定められており、前記画像記録装置に対して設定されると共に前記被記録媒体に記録された画像の判読性に影響を与える設定情報に対応する対応値の許容範囲を規定する規定値とを対応付けて記憶した記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に指定された前記対応値である指定対応値が含まれている該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する手段、及び前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、該許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0022】
請求項1及び請求項15に係る発明によれば、指定対応値が許容範囲に含まれている規定値に対応する判読者情報を対象にして、指定対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定され、指定対応値が許容範囲に含まれていない規定値に対応する判読者情報を対象にして、許容範囲に含まれる対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読者の個々の判読能力に応じた画像を被記録媒体に記録する場合の画像記録装置に対する設定の手間を軽減すると共に生産性の向上に寄与する、という効果が得られる。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、指定対応値が許容範囲に含まれてない場合に複数の判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された許容範囲の何れにも含まれる対応値に対応する設定値が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定される、という効果が得られる。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、特定の設定項目について、各判読者情報を対象にして強制的に、判読者情報の各々に対応する各規定値によって規定された許容範囲の何れにも含まれる対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、特定の設定項目を対象にした複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定される、という効果が得られる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、複数の設定項目から特定の設定項目を指定する指定情報を受け付ける指定受付手段を有しない場合に比べ、利用者の要求に応じた設定項目が特定の設定項目として容易に採用される、という効果が得られる。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、指定対応値を許容範囲に含む規定値に対応する複数の判読者情報の各々を対象にして、指定対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報として指定対応値に対応した設定情報が容易に設定される、という効果が得られる。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、指定対応値が許容範囲に含まれない規定値に対応する複数の判読者を含む第1判読者群と指定対応値が許容範囲に含まれる規定値に対応する複数の判読者を含む第2判読者群とに仕分けて第1判読者群及び第2判読者群毎に共通の設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定され、かつ複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が高精度に設定される、という効果が得られる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、複数の判読者情報のうち、指定対応値が含まれない規定値に対応する判読者情報の占有率が予め定められた占有率範囲に含まれる場合に第1判読者群と第2判読者群とに仕分けて、第1判読者群及び第2判読者群毎に共通の設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定され、かつ複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が高精度に設定される、という効果が得られる。
【0029】
請求項8に係る発明によれば、第1判読者群に含まれる各判読者情報を対象にして、強制的に定められた設定情報が画像記録装置に設定され、第2判読者群に含まれる各判読者情報を対象にして、判読者毎に、対応する許容範囲に含まれる対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定され、かつ複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が高精度に設定される、という効果が得られる。
【0030】
請求項9に係る発明によれば、占有率が占有率範囲の上限値以上の閾値を超えた場合に第1判読者群と第2判読者群とに仕分けずに、各判読者情報に対応する各規定値による許容範囲の何れにも含まれる対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定され、かつ生産性を向上させる、という効果が得られる。
【0031】
請求項10に係る発明によれば、占有率が占有率範囲の下限値以下の他の閾値未満の場合に第1判読者群と第2判読者群とに仕分けずに、強制的に定められた設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、生産性を向上させる、という効果が得られる。
【0032】
請求項11に係る発明によれば、指定対応値が許容範囲に含まれていない規定値に対応する判読者情報の占有率が予め定められた閾値を超えた場合に、各判読者情報に対応する各規定値による許容範囲の何れにも含まれる対応値に対応する設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、複数の判読対象者の判読能力に応じた設定情報が容易に設定され、かつ生産性を向上させる、という効果が得られる。
【0033】
請求項12に係る発明によれば、占有率が他の閾値未満の場合に、強制的に定められた設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、生産性を向上させる、という効果が得られる。
【0034】
請求項13に係る発明によれば、許容範囲に含まれていない規定値に対応する判読者情報の占有率が予め定められた閾値未満の場合に、強制的に定められた設定情報が画像記録装置に設定される構成を有しない場合に比べ、生産性を向上させる、という効果が得られる。
【0035】
請求項14に係る発明によれば、設定情報と対応値とが対応付けられて構成された設定関連情報を記憶した設定関連記憶手段と、設定情報を受け付ける設定受付手段と、設定関連記憶手段から、設定受付手段によって受け付けられた設定情報に対応する対応値を導出する導出手段と、を更に含む構成を有しない場合に比べ、利用者が指定した設定情報に対応する対応値が容易かつ高精度に導出される、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態に係る画像記録システムの全体構成の一例を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る画像記録システムの電気系の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係るサーバ装置の二次記憶部の主な記憶内容の一例を示す模式図である。
【図4】第1の実施形態に係るサーバ装置の二次記憶部の図3に示す記憶内容以外の主な記憶内容の一例を示す模式図である。
【図5】第1の実施形態に係る画像記録制御指示処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係るクライアント装置の表示部に表示された設定画面の一例を示す模式図である。
【図7】第1の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例を示す模式図である。
【図9】第1の実施形態に係る画像記録処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例を示す模式図である。
【図12】第3の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施形態に係る設定情報確定処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例を示す模式図である。
【図15】第4の実施形態に係る画像記録制御指示処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】第4の実施形態に係るクライアント装置の表示部に表示された共通設定項目画面の一例を示す模式図である。
【図17】第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】第4の実施形態に係る第1設定情報確定処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図19】第4の実施形態に係る第2設定情報確定処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図20】第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例を示す模式図である。
【図21】第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図22】第5の実施形態に係る第3設定情報確定処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図23】第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって設定情報が得られるまでの過程の一部の一例を示す模式図である。
【図24】第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[第1の実施形態]
【0038】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の第1〜第5の実施形態では、利用者がクライアント装置を用いてサーバ装置を経由して画像記録装置を制御する画像記録システムを例に挙げて説明する。
【0039】
図1は、本第1の実施形態に係る画像記録システム10の全体構成の一例を示す構成図である。図1に示すように、画像記録システム10は、画像記録装置12、サーバ装置14、クライアント装置16及び伝送路18を含んで構成されている。なお、本第1の実施形態に係る画像記録システム10では、伝送路18として、LAN(Local Area Network)を適用しているが、これに限らず、VAN(Value Added Network)、電話回線網、エコーネット(ECHONET)、HomePNA等の各種通信手段を単独又は組み合わせて適用しても良い。また、伝送路18は有線のものであっても良いし、無線のものであっても良い。
【0040】
画像記録装置12は、記録用紙に記録すべき画像を示す画像情報に基づいて記録用紙に画像を記録するものである。なお、本第1の実施形態に係る画像記録装置12は、所謂インクジェット方式のプリンタを含んで構成されているが、これに限らず、サーマル方式のプリンタやゼログラフィ方式のプリンタなどの画像情報に基づいて記録用紙に画像を記録する機能を有するプリンタを含んで構成されていても良い。
【0041】
サーバ装置14は、伝送路18を介して特定の外部装置から受け付けた指示に応じて画像記録装置12の動作を制御するものである。また、クライアント装置16は、前述の特定の外部装置として機能する汎用のパーソナル・コンピュータを含んで構成されており、例えば画像記録システム10の利用者によって用いられるものである。
【0042】
画像記録装置12、サーバ装置14及びクライアント装置16は、伝送路18を介して相互に接続されている。従って、サーバ装置14は、クライアント装置16との各種情報の授受と、画像記録装置12との各種情報の授受と、画像記録装置12の動作の制御と、を各々行う。
【0043】
図2は、本第1の実施形態に係る画像記録システム10の電気系の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、画像記録装置12は、画像記録装置12全体の動作を司るCPU(中央処理装置)12Aと、CPU12Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)12Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM(Read Only Memory)12Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)12Dと、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部12Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを含んで構成された表示部12Fと、伝送路18を介してサーバ装置14及びクライアント装置16に接続され、サーバ装置14との各種情報の授受を司る通信インタフェース(I/F)12Gと、前述のプリンタに相当するものであって、画像情報に基づいて記録用紙に画像を記録する画像記録部12Hと、を含んで構成されており、これら各部はシステムバス12Iにより電気的に相互に接続されている。
【0044】
従って、CPU12Aは、RAM12B、ROM12C及び二次記憶部12Dに対するアクセスと、受付部12Eによって受け付けられた各種情報の取得と、表示部12Fに対する各種情報の表示と、通信I/F12Gを介したサーバ装置14との各種情報の授受と、画像記録部12Hの動作の制御と、を各々行う。
【0045】
一方、サーバ装置14は、サーバ装置14全体の動作を司るCPU14Aと、CPU14Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM14Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM14Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)14Dと、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部14Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを含んで構成された表示部14Fと、伝送路18を介して画像記録装置12及びクライアント装置16に接続され、画像記録装置12及びクライアント装置16との各種情報の授受を司る通信I/F14Gと、を含んで構成されており、これら各部はシステムバス14Iにより電気的に相互に接続されている。
【0046】
従って、CPU14Aは、RAM14B、ROM14C及び二次記憶部14Dに対するアクセスと、受付部14Eによって受け付けられた各種情報の取得と、表示部14Fに対する各種情報の表示と、通信I/F14Gを介した画像記録装置12との各種情報の授受と、通信I/F14Gを介したクライアント装置16との各種情報の授受と、を各々行う。
【0047】
一方、クライアント装置16は、クライアント装置16全体の動作を司るCPU16Aと、CPU16Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM16Bと、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM16Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、一例としてハードディスク装置)16Dと、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部16Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを含んで構成された表示部16Fと、伝送路18を介して画像記録装置12及びサーバ装置14に接続され、画像記録装置12及びサーバ装置14との各種情報の授受を司る通信I/F16Gと、を含んで構成されており、これら各部はシステムバス16Iにより電気的に相互に接続されている。
【0048】
従って、CPU16Aは、RAM16B、ROM16C及び二次記憶部16Dに対するアクセスと、受付部16Eによって受け付けられた各種情報の取得と、表示部16Fに対する各種情報の表示と、通信I/F16Gを介したサーバ装置14との各種情報の授受と、を各々行う。
【0049】
ところで、本第1の実施形態に係る画像記録システム10では、サーバ装置14が、被記録媒体としての記録用紙に記録された画像を判読する各判読者の判読能力(例えば視力の大きさや色覚異常障害に起因する画像の認識能力)に応じて、画像記録装置12に対して記録用紙に画像を記録させる機能を有している。この機能を実現するために、本第1の実施形態に係る画像記録システム10では、一例として図3に示すデータベースA,B及び図4に示すデータベースCがROM14Cに予め記憶されている。
【0050】
図3に示すように、データベースAは、テーブルa1とテーブルa1に対して一意に定められたテーブルa2とを含んで構成されている。テーブルa1は、複数の判読者に対して画像が記録された記録用紙を提供する画像提供者(以下、「出し手」と言う。)によってクライアント装置16を介して画像記録装置12に対して設定される設定項目のうち判読性に影響を及ぼす設定項目と設定項目に割り当てられた値(以下、「設定値」と言う。)とが対応付けられて構成されている。図3に示す例では、設定項目として、“モノクロ印刷”、“トナーセーブ印刷”、“Nup集約印刷”、“製本印刷”及び“縮小印刷”が示されている。また、各設定項目に割り当てられた設定値の例としては、“モノクロ印刷”の設定項目には、モノクロ印刷を画像記録装置12に対して指示することを示す“○”との設定値及びモノクロ印刷を画像記録装置12に対して指示しないことを示す“×”との設定値のうち、“○”との設定値が割り当てられ、“トナーセーブ印刷”の設定項目には、トナーセーブ印刷を画像記録装置12に対して指示することを示す“○”との設定値とトナーセーブ印刷を画像記録装置12に対して指示しないことを示す“×”との設定値のうち、“○”との設定値が割り当てられ、“Nup集約印刷”の設定項目には、1〜4up集約印刷のうちの4up集約印刷を画像記録装置12に対して指示することを示す“4up”との設定値が割り当てられ、“製本印刷”の設定項目には、製本印刷を画像記録装置12に対して指示することを示す“○”との設定値及び製本印刷を画像記録装置12に対して指示しないことを示す“×”との設定値のうち、“×”との設定値が割り当てられ、“縮小印刷”の設定項目には、縮小印刷を画像記録装置12に対して指示することを示す“○”との設定値及び縮小印刷を画像記録装置12に対して指示しないことを示す“×”との設定値のうち、“×”との設定値が割り当てられている。
【0051】
なお、本実施形態において、“モノクロ印刷”とは、画像記録装置12によってブラック以外のトナーを現像剤として用いずに記録用紙に画像を記録することを示し、“トナーセーブ印刷”とは、画像記録装置12によって通常時よりも現像に用いるトナーの量を少なくして記録用紙に画像を記録することを示し、“Nup集約印刷”とは、画像記録装置12によって1枚の記録用紙についてN(自然数)枚分の画像を記録することを示し、“製本印刷”とは、画像記録装置12によって記録用紙に画像を記録してから製本することを示し、“縮小印刷”とは、画像記録装置12によって記録用紙に画像を縮小して記録することを示している。
【0052】
一方、テーブルa2は、テーブルa1の設定項目から一意に導かれる画像の特性を表す画像特性項目とテーブルa1の設定項目に割り当てられた設定値から一意に導かれる値(以下、「対応値」と言う。)とが対応付けられて構成されている。なお、図3に示す例では、画像特性項目として、“境界部色相差”、“境界部最小コントラスト”、“最小文字サイズ”及び“最小線幅”が示されている。“境界部色相差”は、テーブルa1の“モノクロ印刷”との設定項目から一意に導かれる画像特性項目である。“境界部最小コントラスト”は、テーブルa1の“トナーセーブ印刷”との設定項目から一意に導かれる画像特性項目である。“最小文字サイズ”及び“最小線幅”の各々は、“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目から一意に導かれる画像特性項目である。また、図3に示す例では、“境界部色相差”に“1”との対応値が割り当てられ、“境界部最小コントラスト”に“5”との対応値が割り当てられ、“最小文字サイズ”に“9”との対応値が割り当てられ、“最小線幅”に“2”との対応値が割り当てられている。
【0053】
また、図3には、データベースBの一例が示されている。図3に示すように、データベースBは、判読者(読み手)を示す判読者情報と、判読者情報毎に対応付けられ、かつ画像特性項目毎の対応値の許容範囲を規定する規定値とが対応付けられて構成されている。規定値としては、例えば、対応する判読者情報により示される判読者によって予め要求された最低限の対応値や出し手が判読者の判読能力を考慮して定めた対応値などを用いれば良い。なお、図3に示す例では、データベースBには、判読者としての読み手1〜5の各々を示す判読者情報の各々に対して、テーブルa2の画像特性項目に対応する規定値項目が割り当てられており、テーブルa2の“境界部色相差”との画像特性項目に対応する“判読可能な、境界部の最小色相差”との規定値項目(以下、「色相差規定値項目」と言う。)、テーブルa2の“境界部最小コントラスト”との画像特性項目に対応する““判読可能な、境界部の最小コントラスト”との規定値項目(以下、「コントラスト規定値項目」と言う。)、テーブルa2の“最小文字サイズ”との画像特性項目に対応する“判読可能な、最小文字サイズ”との規定値項目(以下、「文字サイズ規定値項目」と言う。)、及びテーブルa2の“最小線幅”との画像特性項目に対応する“判読可能な、最小線幅”との規定値項目(以下、「線幅規定値項目」と言う。)が示されている。
【0054】
一方、図4には、データベースCの一例が示されている。データベースCは、規定値項目及び規定値から予め定められた設定項目及び設定値を一意に導くために用いられるものである。データベースCは、規定値項目、規定値、設定項目及び設定値を含んで構成されており、規定値項目に割り当てられた規定値により規定される許容範囲に含まれる対応値から一意に導かれる設定項目及び設定値が定められている。図4に示すデータベースCの一例では、データベースCの内容の一部が例示されている。具体的には、色相差規定値項目に対しては“1”〜“4”との各規定値が割り当てられ、コントラスト規定値項目に対しては“5”及び“6”との各規定値が割り当てられ、文字サイズ規定値項目に対しては“10”及び“8”との各規定値が割り当てられ、線幅規定値項目に対しては“1”及び“3”との各規定値が割り当てられている。また、色相差規定値項目に対しては“モノクロ印刷”との設定項目が割り当てられ、コントラスト規定値項目に対しては“トナーセーブ印刷”との設定項目が割り当てられ、文字サイズ規定値項目及び線幅規定値項目の組み合わせに対しては“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目の組み合わせが割り当てられている。そして、色相差規定値項目に対する“1”及び“2”との規定値に対しては“モノクロ印刷”との設定項目について“○”との設定値が割り当てられており、“3”との規定値及び“4”との規定値に対しては“モノクロ印刷”との設定項目について“×”との設定値が割り当てられている。また、コントラスト規定値項目に対する“5”との規定値に対しては“トナーセーブ印刷”との設定項目について“○”との設定値が割り当てられ、コントラスト規定値項目に対する“6”との規定値に対しては“トナーセーブ印刷”との設定項目について“×”との設定値が割り当てられている。また、文字サイズ規定値項目に対する“10”との規定値及び線幅規定値項目に対する“1”との規定値の組み合わせに対しては“Nup集約印刷”との設定項目について“2up”との設定値が、“製本印刷”との設定項目について“×”との設定値が、“縮小印刷”との設定項目について“×”との設定値が各々割り当てられている。更に、文字サイズ規定値項目に対する“8”との規定値及び線幅規定値項目に対する“3”との規定値の組み合わせに対しては“Nup集約印刷”との設定項目について“1up”との設定値が、“製本印刷”との設定項目について“×”との設定値が、“縮小印刷”との設定項目について“×”との設定値が各々割り当てられている。
【0055】
以上のように構成された画像記録システム10によって画像記録装置12に対して記録用紙に画像を記録させる機能を実現するための各種処理は、ソフトウェア構成によって実現される。その一例としては、コンピュータを利用してプログラムを実行する形態が挙げられる。しかし、このようなソフトウェア構成による実現に限られるものではなく、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現しても良いことは言うまでもない。
【0056】
以下では、本第1の実施形態に係る画像記録システム10が上記プログラムを実行することにより画像記録制御指示処理、画像記録制御処理及び画像記録処理などの各種処理を実現する場合について説明する。この場合、上記プログラムをROM12C,14C,16Cに予め記憶させておく形態や、記憶内容がコンピュータによって読み取られる記録媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等を適用しても良い。
【0057】
次に、本第1の実施形態に係る画像記録システム10の作用について説明する。先ず、図5を参照して、画像記録装置12によって複数の判読者の各々の判読能力に応じた画像を記録用紙に記録するに際し、画像記録装置12に対して設定項目毎に設定値を設定するためにクライアント装置16によって実行される画像記録制御指示処理について説明する。図5は、クライアント装置16において画像記録制御指示処理の実行の開始を指示する条件(例えば受付部16Eによって画像記録制御指示処理の実行の開始を指示する操作が受け付けられたとの条件)を満足した際にクライアント装置16のCPU16Aによって実行される画像記録制御指示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
同図のステップ100では、出し手が画像記録装置12に対して設定する設定値を指定するための設定画面を表示部16Fに表示した後、ステップ102に移行し、設定値の受付が終了するまで待機する。図6には、表示部16Fに表示された設定画面の一例が示されている。同図の示すように、設定画面の上部には“設定値を入力して下さい。”との出し手に設定値の入力を促すメッセージが表示される。また、このメッセージの下には、設定項目が表示されると共に、設定項目毎に設定値を入力するための空欄(設定値入力欄)及びプルダウン・ボタンが表示される。プルダウン・ボタンは設定項目毎に対応して設けられており、例えばマウスを介してポインティング指定すると、設定値入力欄に入力される設定値の候補がプルダウン・メニューとして表示される。例えばプルダウン・メニューに表示された設定値の候補の何れかが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、指定された設定値の候補が設定値として設定値入力欄に入力されて対応する設定項目に付与される。図6に示す例では、“モノクロ印刷”の設定項目に対しては“○”との設定値が割り当てられ、“トナーセーブ印刷”の設定項目に対しては“○”との設定値が割り当てられ、“Nup集約印刷”の設定項目に対しては“4up”との設定値が割り当てられ、“製本印刷”の設定項目に対しては“×”との設定値が割り当てられ、“縮小印刷”との設定項目に対しては“×”との設定値が割り当てられている。
【0059】
また、設定画面には、“クリア”ボタンが表示されており、例えば“クリア”ボタンが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、現時点で設定値入力欄に設定値が入力されている場合には設定値が消去される。また、設定画面には、“確定”ボタンが表示されており、例えば“確定”ボタンが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、現時点で設定値入力欄に設定値が入力されている場合には対応する設定項目に対する設定値の付与が確定し、現時点で設定値入力欄に設定値が入力されていない場合には各設定項目に対する予め定められた設定値(デフォルト設定値)の付与が確定する。設定画面の“確定”ボタンが例えばポインティング指定されて各設定項目に対する設定値の付与が確定するとステップ102は肯定判定となってステップ104に移行する。
【0060】
ステップ104では、上記ステップ102の処理によって受け付けられた設定値を設定項目毎に対応付けて構成した設定情報をサーバ装置14に送信した後、本画像記録制御指示処理プログラムを終了する。
【0061】
次に、図7を参照して、画像記録装置12によって複数の判読者の各々の判読能力に応じた画像を記録用紙に記録するに際し、画像記録装置12に対して設定項目毎に設定値を設定するためにサーバ装置14によって実行される画像記録制御処理について説明する。図7は、サーバ装置14において画像記録制御処理の実行の開始を指示する条件(例えば電源が投入されたとの条件)を満足した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される画像記録制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
同図のステップ150では、上記画像記録制御指示処理プログラムのステップ104の処理によって送信された設定情報の受信待ちを行う。ステップ150の処理によって設定情報が受信されるとステップ150は肯定判定となってステップ152に移行する。ステップ152では、データベースAから、上記ステップ150の処理によって受信された設定情報に相当するテーブルa1を検索し、検索して得たテーブルa1に対応付けられているテーブルa2を取得する。
【0063】
次のステップ154では、データベースBから、本画像記録制御処理プログラムの以降のステップが未処理の1つの規定値項目を注目の規定値項目(本第1の実施形態では、「注目規定値項目」と言う。)として取得した後、ステップ156に移行し、上記ステップ154の処理によって取得された注目規定値項目について、データベースBから未処理の判読者情報を取得する。
【0064】
次のステップ158では、上記ステップ154の処理によって取得された注目規定値項目について、上記ステップ156の処理によって取得された判読者情報に割り当てられている規定値を取得した後、ステップ160に移行し、上記ステップ158の処理によって取得された規定値が、現時点で取得されている注目規定値項目(上記ステップ154の処理によって取得された注目規定値項目)に対応する画像特性項目に割り当てられた対応値が含まれない許容範囲を規定している規定値でないか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ162に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ164に移行する。
【0065】
上記ステップ160では、例えば、色相差規定値項目に割り当てられている“3”との規定値により規定される対応値の許容範囲は、“3”以上の値であるので、テーブルa2の“境界部色相差”との画像特性項目に割り当てられている“1”との対応値は、色相差規定値項目に割り当てられている“3”との規定値により規定される対応値の許容範囲に含まれないと判定し、この場合は否定判定となってステップ164に移行する。また、上記ステップ160では、例えば、コントラスト規定値項目に割り当てられている“1”との規定値により規定される対応値の許容範囲は、“1”以上の値であるので、テーブルa2の“境界部最小コントラスト”との画像特性項目に割り当てられている“5”との対応値は、コントラスト規定値項目に割り当てられている“1”との規定値により規定される対応値の許容範囲に含まれると判定し、この場合は肯定判定となってステップ162に移行する。また、上記ステップ160では、例えば、文字サイズ規定値項目に割り当てられている“6”との規定値により規定される対応値の許容範囲は、“6”以上の値であるので、テーブルa2の“最小文字サイズ”との画像特性項目に割り当てられている“9”との対応値は、文字サイズ規定値項目に割り当てられている“6”との規定値により規定される対応値の許容範囲に含まれると判定し、この場合は肯定判定となってステップ162に移行する。また、上記ステップ160では、例えば、線幅規定値項目に割り当てられている“1”との規定値により規定される対応値の許容範囲は、“1”以上の値であるので、テーブルa2の“最小線幅”との画像特性項目に割り当てられている“2”との対応値は、線幅規定値項目に割り当てられている“1”との規定値により規定される対応値の許容範囲に含まれると判定し、この場合は肯定判定となってステップ162に移行する。なお、以下では、規定値項目に割り当てられた規定値のうち、対応する画像特性項目に割り当てられた対応値が含まれない許容範囲を規定している規定値を「NG規定値」と言う。
【0066】
ステップ162では、上記ステップ152の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうち、現時点で取得されている注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値に対応する設定項目及び設定値を、上記ステップ152の処理によって取得されたテーブルa2に対応付けられているテーブルa1から導出した後、ステップ166に移行する。
【0067】
上記ステップ162では、例えば、現時点で取得されている注目規定値項目が色相差規定値項目の場合、色相差規定値項目に対応する“境界部色相差”との画像特性項目に割り当てられている“1”との対応値に対応する設定項目として“モノクロ印刷”との設定項目を導出すると共に、“モノクロ印刷”との設定項目に割り当てられている“○”との設定値を導出する。また、上記ステップ162では、例えば、現時点で取得されている注目規定値項目がコントラスト規定値項目の場合、コントラスト規定値項目に対応する“境界部最小コントラスト”との画像特性項目に割り当てられている“5”との対応値に対応する設定項目として“トナーセーブ印刷”との設定項目を導出すると共に、“トナーセーブ印刷”との設定項目に割り当てられている“○”との設定値を導出する。また、上記ステップ162では、例えば、現時点で取得されている注目規定値項目が文字サイズ規定値項目の場合、文字サイズ規定値項目に対応する“最小文字サイズ”との画像特性項目に割り当てられている“9”との対応値に対応する設定項目として“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目を導出すると共に、“Nup集約印刷”との設定項目に割り当てられている“4up”との設定値、製本印刷”との設定項目に割り当てられている“×”との設定値及び“縮小印刷”との設定項目に割り当てられている“×”との設定値を導出する。また、上記ステップ162では、例えば、現時点で取得されている注目規定値項目が線幅規定値項目の場合、線幅規定値項目に対応する“最小線幅”との画像特性項目に割り当てられている“2”との対応値に対応する設定項目として“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目を導出すると共に、“Nup集約印刷”との設定項目に割り当てられている“4up”との設定値、製本印刷”との設定項目に割り当てられている“×”との設定値及び“縮小印刷”との設定項目に割り当てられている“×”との設定値を導出する。
【0068】
ステップ164では、データベースCを参照して、上記ステップ158の処理によって取得された規定値により規定された許容範囲に含まれる対応値として予め定められた対応値に対して一意に定められた設定項目及び設定値を導出した後、ステップ166に移行する。上記ステップ164では、例えば、現時点で取得されている注目規定値項目が色相差規定値項目であり、上記ステップ158の処理によって取得された規定値が“1”の場合、データベースCから色相差規定値項目に割り当てられた“1”との規定値に対応する設定項目及び設定値(図4に示す例では、“モノクロ印刷”との設定項目及び“○”との設定値)を導出する。
【0069】
ステップ166では、上記ステップ162,164の処理によって導出された設定項目及び設定値と現時点で取得されている判読者情報とを対応付けて構成した設定情報を二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶した後、ステップ168に移行する。
【0070】
図8には、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報の一例が示されている。なお、図8に示す例では、出し手が指定した設定値及び規定値と異なる設定値及び規定値が網掛けされて示されている。
【0071】
図8に示す例では、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報のうち、読み手2を示す判読者情報以外の判読者情報に割り当てられた設定情報が、データベースAのテーブルa1(上記ステップ150の処理によって受信された設定情報)と相違している。また、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手1の設定情報、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手3の設定情報、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手4の設定情報、及びデータベースBに含まれる判読者情報により示される読み手5の設定情報がデータベースAのテーブルa1と相違している。具体的には、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手1の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“モノクロ印刷”との設定項目に“×”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手1の設定情報において、“モノクロ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手1に割り当てられた色相差規定値項目の“3”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出されたものである。
【0072】
また、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手3の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“モノクロ印刷”との設定項目に“×”との設定値が割り当てられている点及び“Nup集約印刷”との設定項目に“2up”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手3の設定情報において、“モノクロ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手3に割り当てられた色相差規定値項目の“3”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出されたものであり、“Nup集約印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“2up”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手3に割り当てられた文字サイズ規定値項目の“10”とのNG規定値及び線幅規定値項目の“1”との規定値からデータベースCを用いて導出されたものである。
【0073】
また、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手4の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“Nup集約印刷”との設定項目に“1up”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手4の設定情報において、“Nup集約印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“1up”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手4に割り当てられた文字サイズ規定値項目の“8”との規定値及び線幅規定値項目の“3”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出されたものである。
【0074】
更に、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手5の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に“×”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手5の設定情報において、“トナーセーブ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手5に割り当てられたコントラスト規定値項目の“6”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出されたものである。
【0075】
ステップ168では、現時点で取得されている注目規定値項目の全ての判読者情報について上記ステップ156〜166の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ156に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ170に移行する。ステップ170では、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ156〜168の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ154に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ172に移行し、上記ステップ166で二次記憶部14Dに記憶された設定情報を画像記録装置12に送信した後、本画像記録制御処理プログラムを終了する。
【0076】
次に、図9を参照して、記録用紙に画像を記録する場合の画像記録装置12の動作について説明する。図9は、画像記録装置12の電源が投入された際にCPU12Aによって実行される画像記録処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
同図のステップ200では、前述の画像記録制御処理プログラムのステップ172の処理によって送信される設定情報の受信待ちを行う。ステップ200の処理によって設定情報が受信されるとステップ200は肯定判定となってステップ202に移行し、上記ステップ200の処理によって受信された設定情報に従って画像記録部12Hを制御した後、本画像記録処理プログラムを終了する。上記ステップ202では、例えば、上記ステップ200の処理によって受信された設定情報から判読者情報毎に設定項目及び設定値を抽出し、抽出した設定項目に対して、抽出した設定値を設定してから記録用紙に画像を記録する。これにより、上記ステップ200の処理によって受信された設定情報に含まれる判読者情報により示される判読者の判読能力に応じた画像が記録用紙に記録される。
【0078】
[第2の実施形態]
【0079】
上記第1の実施形態では、画像が記録された記録用紙を各読み手に提供するために画像記録装置12において読み手の各々について個別の設定を行う場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施形態では、画像記録装置12において複数の読み手について共通の設定を行う場合の形態例について説明する。なお、本第2の実施形態では、上記第1の実施形態で説明した画像記録システム10の構成と相違しない構成の画像記録システム10を適用しており、上記第1の実施形態に比べ、上記第1の実施形態とは異なる画像記録制御処理を実行する点が相違している。そのため、ここでは、図10を参照して、本第2の実施形態に係る画像記録制御処理について、上記第1の実施形態との相違点を主に説明する。
【0080】
図10は、サーバ装置14において本第2の実施形態に係る画像記録制御処理の実行の開始を指示する条件(例えば電源が投入されたとの条件)を満足した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第2の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
同図のステップ250では、上記画像記録制御指示処理プログラムのステップ104の処理によって送信された設定情報の受信待ちを行う。ステップ250の処理によって設定情報が受信されるとステップ250は肯定判定となってステップ252に移行する。ステップ252では、データベースAから、上記ステップ250の処理によって受信された設定情報に相当するテーブルa1を検索し、検索して得たテーブルa1に対応付けられているテーブルa2を取得する。
【0082】
次のステップ254では、データベースBから、本第2の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの以降のステップが未処理の1つの規定値項目を注目の規定値項目(本第2の実施形態では、「注目規定値項目」と言う。)として取得した後、ステップ256に移行し、上記ステップ254の処理によって取得された注目規定値項目について、データベースBから、以降のステップが未処理の判読者情報を取得する。
【0083】
次のステップ258では、上記ステップ254の処理によって取得された注目規定値項目について、上記ステップ256の処理によって取得された判読者情報に割り当てられている規定値を取得した後、ステップ260に移行し、上記ステップ258の処理によって取得された規定値がNG規定値であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ262に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ264に移行する。なお、以下では、NG規定値以外の規定値を「非NG規定値」と言い、NG規定値と非NG規定値とを区別する必要がない場合は単に「規定値」と言う。
【0084】
ステップ262では、上記ステップ258の処理によって取得された規定値がNG規定値であることを特定するNG符号を上記ステップ258の処理によって取得された規定値に付加した後、ステップ264に移行する。
【0085】
ステップ264では、上記ステップ258の処理によって取得された規定値を二次記憶部14Dの一時記憶領域に上記ステップ256の処理によって取得された判読者情報毎に記憶した後、ステップ266に移行する。なお、本ステップ264では、上記ステップ260において肯定判定となった場合には上記ステップ258の処理によって取得された規定値をNG符号が付加された状態で二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶する一方、上記ステップ260において否定判定となった場合には上記ステップ258の処理によって取得された規定値をNG符号が付加されない状態で二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶する。これにより、規定値にNG符号を付加しない場合に比べ、一時記憶領域に記憶された規定値の各々がNG規定値であるのか非NG規定値であるのかが容易に特定される。
【0086】
ステップ266では、現時点で取得されている注目規定値項目の全ての判読者情報について上記ステップ256〜264の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ256に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ268に移行する。ステップ268では、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域にNG規定値が記憶されているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ270に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されているNG規定値から、上記ステップ252の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうちの注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値との差が最大のNG規定値を(本第2の実施形態では、「最大NG規定値」と言う。)を取得した後、ステップ272に移行する。ステップ272では、データベースCを参照して、上記ステップ270の処理によって取得された最大NG規定値により規定された許容範囲に含まれる対応値として予め定められた対応値に対して一意に定められた設定項目及び設定値を導出した後、ステップ274に移行する。
【0087】
一方、ステップ268において否定判定となった場合にはステップ276に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されている非NG規定値から最大の非NG規定値(以下、「最大非NG規定値」と言う。)を取得した後、ステップ278に移行する。なお、上記ステップ270の処理によって導出された最大NG規定値及び上記ステップ276の処理によって導出された最大非NG規定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される規定値であるので、本第2の実施形態において以下では、「共通適用規定値」と言う。
【0088】
ステップ278では、上記ステップ252の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうち、現時点で取得されている注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値に対応する設定項目及び設定値を、上記ステップ252の処理によって取得されたテーブルa2に対応付けられているテーブルa1から導出した後、ステップ274に移行する。なお、上記ステップ272,278の各処理によって導出された設定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される設定値であるので、本第2の実施形態において以下では、「共通適用設定値」と言う。
【0089】
ステップ274では、上記ステップ272,278の処理によって導出された設定項目及び設定値と現時点で取得されている(ステップ256の処理によって取得された)判読者情報とを対応付けて構成した設定情報を二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶した後、ステップ280に移行する。ステップ280では、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ254〜274の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ254に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ282に移行し、上記ステップ274の処理によって二次記憶部14Dに記憶された設定情報を画像記録装置12に送信した後、本画像記録制御処理プログラムを終了する。
【0090】
図11には、本第2の実施形態に係るデータベースA,B2、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報、共通適用規定値及び共通適用設定値の一例が示されている。なお、図11に示す例では、出し手が指定した設定値及び規定値と異なる設定値及び規定値が網掛けされて示されている。
【0091】
図11に示すように、上記ステップ270,276の各処理によって取得された共通適用規定値としては、色相差規定値項目に対して“3”との最大NG規定値が割り当てられ、コントラスト規定値項目に対して“2”との最大非NG規定値が割り当てられ、文字サイズ規定値項目に対して“16”との最大NG規定値が割り当てられ、線幅規定値項目に対して“3”との最大NG規定値が割り当てられている。また、上記ステップ272,278の各処理によって取得された共通適用設定値としては、“モノクロ印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に対して“○”との設定値が割り当てられ、“Nup集約印刷”との設定項目に対して“1up”との設定値が割り当てられ、“製本印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられ、“縮小印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられている。つまり、“モノクロ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する色相差規定値項目の共通適用規定値がNG規定値であることから、このNG規定値に従ってデータベースCから一意に導出され、“トナーセーブ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応するコントラスト規定値項目の共通適用規定値が非NG規定値であることから、この非NG規定値に従ってテーブルa1から対応する設定項目の設定値が一意に導出され、“Nup集約印刷”との設定項目に割り当てられた設定値、“製本印刷”との設定項目に割り当てられた設定値及び“縮小印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する文字サイズ規定値項目の共通適用規定値及び線幅規定値項目の共通適用規定値の各々がNG規定値であることから、これらのNG規定値の組み合わせに従ってデータベースCから一意に導出される。
【0092】
従って、上記ステップ282の処理によって画像記録装置12に送信される対象となる設定情報は、データベースBに含まれる全ての判読者情報の各々により示される読み手1〜5に対して設定項目毎に共通の設定値が対応付けられて構成される。同図に示す設定情報の一例では、読み手1〜5の各々に対して、“モノクロ印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に“○”との設定値が対応付けられ、“Nup集約印刷”との設定項目に“1up”との設定値が対応付けられ、“製本印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられ、“縮小印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられている。
【0093】
[第3の実施形態]
【0094】
上記第2の実施形態では、設定情報として、各設定項目に対して全ての読み手に共通の設定値を対応付けて構成したものを適用した場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施形態では、読み手を2つの集合に分別して集合毎に各設定項目に対して全ての読み手に共通の設定値を対応付けることによって設定情報を構成する場合の形態例について説明する。なお、本第3の実施形態では、上記第1及び第2の実施形態で説明した画像記録システム10の構成と相違しない構成の画像記録システム10を適用しており、上記第1及び第2の実施形態に比べ、上記第1及び第2の実施形態とは異なる画像記録制御処理を実行する点が相違している。そのため、ここでは、図12を参照して、本第3の実施形態に係る画像記録制御処理について、上記第1及び第2の実施形態との相違点を主に説明する。
【0095】
図12は、サーバ装置14において本第3の実施形態に係る画像記録制御処理の実行の開始を指示する条件(例えば電源が投入されたとの条件)を満足した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第3の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、上記第2の実施形態で説明したフローチャートと相違する点を説明し、相違しないステップについては相違しない符号を付してその説明を省略する。
【0096】
同図のステップ266において肯定判定となった場合にはステップ300に移行し、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ254〜266の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ254に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ302に移行する。ステップ302では、上記ステップ264の処理によって二次記憶部14Dの一時記憶領域から判読者情報を取得した後、ステップ304に移行し、上記ステップ302の処理によって取得された判読者情報について、全ての規定値項目に対して非NG規定値が割り当てられているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ306に移行する。
【0097】
ステップ306では、上記ステップ302の処理によって取得された判読者情報に対して、その判読者情報により示される読み手が第1判読者群に属することを示す第1判読者群情報を付加し、第1判読者群情報が付加された判読者情報を二次記憶部14Dの一時記憶領域に再記憶した後、ステップ308に移行する。一方、ステップ304において否定判定となった場合にはステップ310に移行し、上記ステップ302の処理によって取得された判読者情報に対して、その判読者情報により示される読み手が第2判読者群に属することを示す第2判読者群情報を付加し、第2判読者情報が付加された判読者情報を二次記憶部14Dの一時記憶領域に再記憶した後、ステップ308に移行する。
【0098】
ステップ308では、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されている全ての判読者情報について上記ステップ304の処理の実行を行ったか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ302に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ312に移行し、設定情報確定処理プログラムを実行する。図13は、設定情報確定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。同図のステップ350では、二次記憶部14Dの一時記憶領域から第1判読者群情報が付加された判読者情報を取得した後、ステップ352に移行し、上記ステップ250の処理によって受信された設定情報を、上記ステップ350の処理によって取得された判読者情報に対応付けて二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶することによって画像記録装置12への送信対象として設定情報を確定する。
【0099】
次のステップ354では、二次記憶部14Dの一時記憶領域から第2判読者群情報が付加された判読者情報を取得した後、ステップ356に移行し、データベースBから、本画像記録制御処理プログラムの以降のステップが未処理の1つの規定値項目を注目の規定値項目(本第3の実施形態では、「注目規定値項目」と言う。)として取得した後、ステップ358に移行する。ステップ358では、上記ステップ354の処理によって取得された判読者情報にNG規定値が割り当てられているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ360に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されているNG規定値から、最大NG規定値を取得した後、ステップ362に移行する。ステップ362では、データベースCを参照して、上記ステップ360の処理によって取得された最大NG規定値により規定された許容範囲に含まれる対応値として予め定められた対応値に対して一意に定められた設定項目及び設定値を導出した後、ステップ364に移行する。
【0100】
一方、ステップ358において否定判定となった場合にはステップ366に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されている非NG規定値から最大非NG規定値を取得した後、ステップ368に移行する。なお、上記ステップ360の処理によって取得された最大NG規定値及び上記ステップ366の処理によって取得された最大非NG規定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される規定値であるので、本第3の実施形態において以下では、「共通適用規定値」と言う。
【0101】
ステップ368では、上記ステップ252の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうち、現時点で取得されている注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値に対応する設定項目及び設定値を、上記ステップ252の処理によって取得されたテーブルa2に対応付けられているテーブルa1から導出した後、ステップ364に移行する。なお、上記ステップ362,368の各処理によって導出された設定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される設定値であるので、本第3の実施形態において以下では、「共通適用設定値」と言う。
【0102】
ステップ364では、上記ステップ362,368の各処理によって導出された設定項目及び設定値と現時点で取得されている(ステップ354の処理によって取得された)判読者情報とを対応付けて構成した設定情報を二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶することによって画像記録装置12への送信対象として設定情報を確定した後、ステップ366に移行する。ステップ366では、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ356〜364の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ356に戻る一方、肯定判定となった場合には本設定情報確定処理プログラムを終了して、画像記録制御処理プログラムのステップ314に移行する。
【0103】
図14には、本第3の実施形態に係るデータベースA,B、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報、共通適用規定値及び共通適用設定値の一例が示されている。なお、図14に示す例では、出し手が指定した設定値及び規定値と異なる設定値及び規定値が網掛けされて示されている。
【0104】
図14に示す例では、データベースBに含まれる判読者情報が、全ての規定値項目に非NG規定値が割り当てられた読み手1〜3を示す判読者情報の集合と、規定値項目の少なくとも1つにNG規定値が割り当てられた読み手4,5を示す判読者情報の集合とに分別されている。この分別は、上記ステップ306,310の各処理によって第1判読者群情報又は第2判読者群情報が付加されることで実現される。これにより、第1判読者群情報が付加された判読者情報により示される読み手1〜3が第1判読者群として取り扱われ、第2判読者群情報が付加された判読者情報により示される読み手4,5が第2判読者群として取り扱われる。
【0105】
また、図14に示す例では、第2判読者群において、上記ステップ360,366の各処理によって取得された共通適用規定値が、色相差規定値項目に対して“1”との最大非NG規定値として割り当てられ、コントラスト規定値項目に対して“6”との最大NG規定値として割り当てられ、文字サイズ規定値項目に対して“10”との最大NG規定値として割り当てられ、線幅規定値項目に対して“3”との最大NG規定値として割り当てられている。また、第2判読者群において、上記ステップ362,368の各処理によって取得された共通適用設定値としては、“モノクロ印刷”との設定項目に対して“○”との設定値が割り当てられ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられ、“Nup集約印刷”との設定項目に対して“2up”との設定値が割り当てられ、“製本印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられ、“縮小印刷”との設定項目に対して“×”との設定値が割り当てられている。つまり、“モノクロ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する色相差規定値項目の共通適用規定値が非NG規定値であることから、この非NG規定値に従ってテーブルa1から対応する設定項目の設定値が一意に導出され、“トナーセーブ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応するコントラスト規定値項目の共通適用規定値がNG規定値であることから、このNG規定値に従ってデータベースCから一意に導出され、“Nup集約印刷”との設定項目に割り当てられた設定値、“製本印刷”との設定項目に割り当てられた設定値及び“縮小印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する文字サイズ規定値項目の共通適用規定値及び線幅規定値項目の共通適用規定値の各々がNG規定値であることから、これらのNG規定値の組み合わせに従ってデータベースCから一意に導出される。
【0106】
これに対し、第1判読者群には、上記ステップ250の処理によって受信された設定情報が割り当てられる。つまり、“モノクロ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値、“トナーセーブ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値、“Nup集約印刷”との設定項目に割り当てられた設定値、“製本印刷”との設定項目に割り当てられた設定値及び“縮小印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する各規定値項目に割り当てられた規定値が何れも非NG規定値であることから、この非NG規定値に従ってテーブルa1から対応する設定項目の設定値が一意に導出される。
【0107】
従って、上記ステップ314の処理によって画像記録装置12に送信される対象となる設定情報は、第1判読者群に属する読み手1〜3に対して設定項目毎に共通の設定値が対応付けられて構成され、第2判読者群に属する読み手4,5に対して設定項目毎に共通の設定値が対応付けられて構成される。同図に示す設定情報の一例では、第1判読者群に属する読み手1〜3の各々に対して、“モノクロ印刷”との設定項目に“○”との設定値が対応付けられ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に“○”との設定値が対応付けられ、“Nup集約印刷”との設定項目に“4up”との設定値が対応付けられ、“製本印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられ、“縮小印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられている。一方、第2判読者群に属する読み手4,5の各々に対して、“モノクロ印刷”との設定項目に“○”との設定値が対応付けられ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられ、“Nup集約印刷”との設定項目に“2up”との設定値が対応付けられ、“製本印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられ、“縮小印刷”との設定項目に“×”との設定値が対応付けられている。
【0108】
[第4の実施形態]
【0109】
上記第3の実施形態では、読み手を2つの集合に分別して集合毎に各設定項目に対して全ての読み手に共通の設定値を対応付けることによって設定情報を構成する場合の形態例を挙げて説明したが、本第4の実施形態では、複数の設定項目を2つの集合に分別し、一方の集合については各設定項目に対して全ての読み手に共通の設定値を対応付け、他方の集合については各設定項目に対して個々の読み手毎に個別に設定値を対応付けることによって設定情報を構成する場合の形態例について説明する。なお、本第4の実施形態では、上記第1〜第3の実施形態で説明した画像記録システム10の構成と相違しない構成の画像記録システム10を適用しており、上記第1〜第3の実施形態に比べ、上記第1〜第3の実施形態とは異なる画像記録制御指示処理を実行する点及び上記第1〜第3の実施形態とは異なる画像記録制御処理を実行する点が相違している。そのため、ここでは、図15,17〜19を参照して、本第4の実施形態に係る画像記録制御指示処理及び画像記録制御処理について、上記第1〜第3の実施形態との相違点を主に説明する。
【0110】
図15は、クライアント装置16において画像記録制御指示処理の実行の開始を指示する条件(例えば受付部16Eによって画像記録制御指示処理の実行の開始を指示する操作が受け付けられたとの条件)を満足した際にクライアント装置16のCPU16Aによって実行される画像記録制御指示処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、上記第1の実施形態で説明したフローチャートと相違する点を説明し、相違しないステップについては相違しない符号を付してその説明を省略する。
【0111】
同図のステップ102の処理を実行した後、ステップ400に移行する。ステップ400では、全ての読み手に対して共通の設定値を割り当てる設定項目(以下、「共通設定項目」と言う。)を指定するために用いる共通設定項目指定画面を表示部16Fに表示した後、ステップ402に移行し、共通設定項目が指定されて確定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ404に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ406に移行し、本画像記録制御指示処理プログラムを終了するための予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ402に戻る一方、肯定判定となった場合には本画像記録制御指示処理プログラムを終了する。
【0112】
図16には、表示部16Fに表示された共通設定項目指定画面の一例が示されている。図16の示すように、共通設定項目指定画面の上部には“共通設定項目を指定して下さい。”との全ての読み手に対して共通の設定値を割り当てる設定項目の入力を出し手に促すメッセージが表示される。また、このメッセージの下には、設定項目が表示されると共に、設定項目毎にラジオ・ボタンが表示される。出し手は、例えばマウスを介して何れかのラジオ・ボタンをポインティング指定すると、ラジオ・ボタンにチェック印が付与され、チェック印が付与されたラジオ・ボタンに対応する設定項目が共通設定項目として指定される。図16に示す例では、“モノクロ印刷”の設定項目が共通設定項目として指定されている。また、共通設定項目指定画面には、“スキップ”ボタンが表示されており、例えば“スキップ”ボタンが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、共通設定項目が指定されずに共通設定項目指定画面が非表示される。また、共通設定項目指定画面には、“クリア”ボタンが表示されており、例えば“クリア”ボタンが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、現時点で共通設定項目として設定項目が指定されている場合にはその指定が解除される。更に、共通設定項目指定画面には、“確定”ボタンが表示されており、例えば“確定”ボタンが出し手によってマウスを介してポインティング指定されると、現時点で共通設定項目として設定項目が指定されている場合にはその指定されている設定項目が共通設定項目として確定し、現時点で共通設定項目として設定項目が指定されていない場合には予め定められた設定項目(デフォルト設定項目)が共通設定項目として確定する。共通設定項目指定画面の“確定”ボタンが例えばポインティング指定されて共通設定項目が確定するとステップ402は肯定判定となってステップ404に移行し、共通設定項目指定画面の“スキップ”ボタンが例えばポインティング指定されるとステップ406は肯定判定となって本画像記録制御指示処理プログラムを終了する。
【0113】
ステップ404では、上記ステップ102の処理によって受信された設定値を設定項目毎に対応付けて構成した設定情報及び上記ステップ402の処理によって確定された共通設定項目をサーバ装置14に送信した後、本画像記録制御指示処理プログラムを終了する。
【0114】
図17は、サーバ装置14において本第4の実施形態に係る画像記録制御処理の実行の開始を指示する条件(例えば電源が投入されたとの条件)を満足した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第3の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、上記第1〜第3の実施形態で説明したフローチャートと相違する点を説明し、相違しないステップについては相違しない符号を付してその説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、本第4の実施形態に係る前述の画像記録制御指示処理プログラムのステップ404の処理によって設定情報及び設定項目が送信された場合について説明する。
【0115】
同図のステップ450では、本第4の実施形態に係る画像記録制御指示処理プログラムのステップ404の処理によって送信される設定情報及び設定項目の受信待ちを行った後、ステップ452に移行する。ステップ452では、データベースAから、上記ステップ450の処理によって受信された設定情報に相当するテーブルa1に対応付けられているテーブルa2を取得する。
【0116】
次のステップ454では、データベースBから、本画像記録制御処理プログラムのステップ456以降が未処理の1つの規定値項目を注目の規定値項目(本第4の実施形態では、「注目規定値項目」と言う。)として取得した後、ステップ456に移行し、上記ステップ454の処理によって取得された注目設定項目が上記ステップ450の処理によって受信された共通設定項目であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ458に移行し、第1設定情報確定処理プログラムを実行した後、ステップ460に移行する。一方、ステップ456において否定判定となった場合にはステップ462に移行し、第2設定情報確定処理プログラムを実行した後、ステップ460に移行する。
【0117】
図18は、本第4の実施形態に係る第1設定情報確定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。同図のステップ500では、上記ステップ454の処理によって取得された注目規定値項目について、データベースBから、以降のステップが未処理の判読者情報を取得した後、ステップ502に移行し、上記ステップ454の処理によって取得された注目規定値項目について、上記ステップ500の処理によって取得された判読者情報に割り当てられている規定値を取得した後、ステップ504に移行し、上記ステップ502の処理によって取得された規定値がNG規定値であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ506に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ508に移行する。
【0118】
ステップ506では、上記ステップ502の処理によって取得された規定値がNG規定値であることを特定するNG符号を上記ステップ502の処理によって取得された規定値に付加した後、ステップ508に移行する。
【0119】
ステップ508では、上記ステップ502の処理によって取得された規定値を二次記憶部14Dの一時記憶領域に上記ステップ500の処理によって取得された判読者情報毎に記憶した後、ステップ510に移行する。ステップ510では、現時点で取得されている注目規定値項目の全ての判読者情報について上記ステップ500〜508の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ500に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ512に移行する。ステップ512では、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域にNG規定値が記憶されているか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ514に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されているNG規定値から最大NG規定値を取得した後、ステップ516に移行する。ステップ516では、データベースCを参照して、上記ステップ514の処理によって取得された最大NG規定値により規定された許容範囲に含まれる対応値として予め定められた対応値に対して一意に定められた設定項目及び設定値を導出した後、ステップ518に移行する。
【0120】
一方、ステップ512において否定判定となった場合にはステップ520に移行し、現時点で取得されている注目規定値項目について、二次記憶部14Dの一時記憶領域に記憶されている非NG規定値から最大非NG規定値を取得した後、ステップ522に移行する。なお、上記ステップ514の処理によって導出された最大NG規定値及び上記ステップ520の処理によって導出された最大非NG規定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される規定値であるので、本第4の実施形態において以下では、「共通適用規定値」と言う。
【0121】
ステップ522では、上記ステップ452の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうち、現時点で取得されている注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値に対応する設定項目及び設定値を、上記ステップ452の処理によって取得されたテーブルa2に対応付けられているテーブルa1から導出した後、ステップ518に移行する。なお、上記ステップ516,512の各処理によって導出された設定値は、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される設定値であるので、本第4の実施形態において以下では、「共通適用設定値」と言う。
【0122】
ステップ518では、データベースBに含まれる全ての判読者情報の各々に対して上記ステップ516,522の各処理によって導出された設定項目及び設定値を対応付けて構成した設定情報を二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶した後、本第1設定情報確定処理プログラムを終了する。
【0123】
図19は、本第4の実施形態に係る第2設定情報確定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。同図のステップ550では、上記ステップ454の処理によって取得された注目規定値項目について、データベースBから、以降のステップが未処理の判読者情報を取得する。次のステップ552では、上記ステップ454の処理によって取得された注目規定値項目について、上記ステップ550の処理によって取得された判読者情報に割り当てられている規定値を取得した後、ステップ554に移行し、上記ステップ552の処理によって取得された規定値がNG規定値であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ556に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ558に移行する。
【0124】
ステップ556では、データベースCを参照して、上記ステップ552の処理によって取得された規定値により規定された許容範囲に含まれる対応値として予め定められた対応値に対して一意に定められた設定項目及び設定値を導出した後、ステップ560に移行する。
【0125】
ステップ558では、上記ステップ452の処理によって取得されたテーブルa2の画像特性項目のうち、現時点で取得されている注目規定値項目に対応する画像特性項目に割り当てられている対応値に対応する設定項目及び設定値を、上記ステップ452の処理によって取得されたテーブルa2に対応付けられているテーブルa1から導出した後、ステップ560に移行する。
【0126】
ステップ560では、上記ステップ556,558の処理によって導出された設定項目及び設定値と現時点で取得されている(ステップ550の処理によって取得された)判読者情報とを対応付けて構成した設定情報を二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶した後、ステップ562に移行する。ステップ562では、現時点で取得されている注目規定値項目の全ての判読者情報について上記ステップ550〜560の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ550に戻る一方、肯定判定となった場合には本第2設定情報確定処理プログラムを終了する。
【0127】
一方、本第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ460では、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ454以降の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ454に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ462に移行し、上記ステップ458,462の各処理によって二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報を画像記録装置12に送信した後、本画像記録制御処理プログラムを終了する。
【0128】
図20には、本第4の実施形態に係るデータベースA,B、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報、共通適用規定値及び共通適用設定値の一例が示されている。なお、図20に示す例では、出し手が指定した設定値及び規定値と異なる設定値及び規定値が網掛けされて示されている。
【0129】
図20に示すように、データベースAでは、テーブルa1によって示される設定項目が2分され、テーブルa2によって示される画像特性項目もテーブルa1の設定項目に対応するように2分される。同図に示す例では、“モノクロ印刷”との設定項目が属するX群と、“トナーセーブ印刷”との設定項目、“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目が属するY群とに分別されており、共通設定項目として指定された設定項目がX群に属し、共通設定項目として指定されなかった設定項目がY群に属している。
【0130】
また、データベースBでも、規定値項目がデータベースAの設定項目及び画像特性項目に対応するように2分される。図20に示す例では、X群に属する色相差規定値項目と、Y群に属するコントラスト規定値項目、文字サイズ規定値項目及び線幅規定値項目とに分別されており、共通設定項目に対応する色相差規定値項目がX群に属し、共通設定項目として指定されなかった設定項目に対応するコントラスト規定値項目、文字サイズ規定値項目及び線幅規定値項目がY群に属している。
【0131】
また、図20に示す例では、X群において、ステップ514の処理によって取得された共通適用規定値が、色相差規定値項目に対して“3”との最大NG規定値として割り当てられており、ステップ516の処理によって取得された共通適用設定値が、“モノクロ印刷”との設定項目に対して“×”との設定値として割り当てられている。つまり、“モノクロ印刷”との設定項目に割り当てられた設定値は、対応する色相差規定値項目の共通適用規定値がNG規定値であることから、このNG規定値に従ってデータベースCから一意に導出される。
【0132】
これに対し、図20に示す例では、Y群において、二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報のうち、読み手1〜5の各々を示す各判読者情報のうちの読み手4,5の各々を示す各判読者情報に割り当てられた設定情報が、データベースAのテーブルa1(上記ステップ450の処理によって受信された設定情報)と相違している。具体的には、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手4の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“縮小印刷”との設定項目に“×”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手4の設定情報において、“縮小印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手4に割り当てられた文字サイズ規定値項目の“8”とのNG規定値及び線幅項目の“3”とのNG規定値の組み合わせからデータベースCを用いて導出されたものである。また、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手5の設定情報は、データベースAのテーブルa1に比べ、“トナーセーブ印刷”との設定項目に“×”との設定値が割り当てられている点が相違している。この読み手5の設定情報において、“トナーセーブ印刷”との設定項目及びこの設定項目に割り当てられた“×”との設定値は、データベースBに含まれる判読者情報により示される読み手5に割り当てられたコントラスト規定値項目の“6”とのNG規定値からデータベースCを用いて導出されたものである。
【0133】
以上のように、上記ステップ462の処理によって画像記録装置に送信される対象となる設定情報は、特定の設定項目(図20に示す例ではX群に属する“モノクロ印刷”との設定項目)に属する全ての読み手(図20に示す例では読み手1〜5)に対して設定項目毎(図20に示す例では“モノクロ印刷”との単一の設定項目)に共通の設定値(“×”との設定値)が対応付けられて構成され、上記特定の設定項目以外の設定項目(図20に示す例では、Y群に属する“トナーセーブ印刷”との設定項目、“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目)に属する全ての読み手(図20に示す例では読み手1〜5)の各々に対して個別に設定項目毎に設定値が対応付けられて構成される。
【0134】
[第5の実施形態]
【0135】
上記各実施形態では、全ての読み手の各々に割り当てられている規定値のうち、NG規定値がどの程度占めているのかに拘わらず、全ての読み手に共通の設定値を割り当てたり、或いは全ての読み手の各々に個別に設定値を割り当てる場合の形態例を挙げて説明したが、本第5の実施形態では、全ての読み手の各々に割り当てられている規定値のうち、NG規定値が占める割合に応じて各読み手に割り当てる設定値を調整する場合の形態例について説明する。なお、本第5の実施形態では、上記第1〜第4の実施形態で説明した画像記録システム10の構成と相違しない構成の画像記録システム10を適用しており、上記第1〜第3の実施形態に比べ、上記第1〜第3の実施形態とは異なる画像記録制御処理を実行する点が相違している。そのため、ここでは、図21を参照して、本第5の実施形態に係る画像記録制御処理について、上記第1〜第3の実施形態との相違点を主に説明する。また、本第5の実施形態でも、上記各実施形態のように、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される規定値を「共通適用規定値」と称し、注目規定値項目について全ての判読者情報の各々により示される各読み手に対して共通に適用される設定値を「共通適用設定値」と称する。
【0136】
図21は、サーバ装置14において本第5の実施形態に係る画像記録制御処理の実行の開始を指示する条件(例えば電源が投入されたとの条件)を満足した際にサーバ装置14のCPU14Aによって実行される本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、上記第1〜第3の実施形態で説明したフローチャートと相違する点を説明し、相違しないステップについては相違しない符号を付してその説明を省略する。
【0137】
同図のステップ254の処理を実行した後、ステップ600に移行する。ステップ600では、上記ステップ254の処理によって取得された注目規定値項目について、データベースBに含まれる全ての判読者情報の各々に割り当てられている規定値のうちのNG規定値が占める割合(以下、「占有率」という。)を導出した後、ステップ602では、上記ステップ600の処理によって導出された占有率が予め定められた高閾値以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ604に移行し、本第5の実施形態に係る第1設定情報確定処理プログラムとして上記第4の実施形態に係る第1設定情報確定処理プログラムに相当するプログラムを実行した後にステップ606に移行する。なお、本第5の実施形態に係る第1設定情報確定処理プログラムを実行する場合、上記第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ450に代えて本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ250が適用され、上記第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ452に代えて本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの252が適用され、上記第4の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ454に代えて本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムの254が適用される。
【0138】
一方、ステップ602において否定判定となった場合にはステップ608に移行し、占有率が予め定められた低閾値(前述の高閾値よりも低い値)以上であるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ610に移行し、第2設定情報確定処理を実行した後、ステップ606に移行する。上記ステップ610で実行される第2設定情報確定処理とは、例えば、上記ステップ250の処理によって受信された設定情報とデータベースBに含まれる全ての判読者情報とを対応付けて二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶する処理が挙げられる。
【0139】
一方、ステップ608において否定判定となった場合(上記ステップ600の処理によって導出された占有率が高閾値よりも大きくかつ低閾値よりも小さいと判定した場合)にはステップ612に移行し、本第5の実施形態に係る第3設定情報確定処理プログラムを実行した後にステップ606に移行する。
【0140】
図22は、本第5の実施形態に係る第3設定情報確定処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。同図に示すように、本第3設定情報確定処理プログラムでは、先ず、上記第2の実施形態で説明した画像記録制御処理プログラムのステップ256〜266の処理に相当する処理を実行した後、上記第2の実施形態で説明した画像記録制御処理プログラムのステップ302〜ステップ312の処理に相当する処理を実行して本第3設定情報確定処理プログラムを終了する。
【0141】
本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムのステップ606では、データベースBの全ての規定値項目について上記ステップ254以降の処理の実行が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ254に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ608に移行し、上記ステップ604,610,612の各処理によって二次記憶部14Dの予め定められた記憶領域に記憶された設定情報を画像記録装置12に送信した後、本画像記録制御処理プログラムを終了する。
【0142】
図23には、本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって設定情報が得られるまでの過程の一部の一例が模式的に示されている。また、図24には、本第5の実施形態に係る画像記録制御処理プログラムが実行されることによって得られた設定情報とデータベースとの相関の一例が模式的に示されている。図23,24に示す例では、出し手が指定した設定値及び規定値と異なる設定値及び規定値が網掛けされて示されている。
【0143】
図23,24に示す例では、データベースBに読み手0〜99の各々を示す各判読者情報が含まれており、色相差規定値項目に割り当てられた読み手0〜99の全ての規定値におけるNG規定値の占有率が97%と導出され、コントラスト規定値項目に割り当てられた読み手0〜99の全ての規定値におけるNG規定値の占有率が2%と導出され、文字サイズ規定値項目に割り当てられた読み手0〜99の全ての規定値におけるNG規定値の占有率が53%と導出され、線幅規定値項目に割り当てられた読み手0〜99の全ての規定値におけるNG規定値の占有率が53%と導出されている。
【0144】
ここで、上記ステップ602の処理によって用いられる高閾値を90%(=0.9)とし、上記ステップ608の処理によって用いられる低閾値を60%(=0.6)とした場合、色相差規定値項目については、上記ステップ604の処理において全ての読み手に対して共通適用規定値として“3”との最大NG規定値が割り当てられ、コントラスト規定値項目については、共通適用規定値が割り当てられず、文字サイズ規定値項目については、上記ステップ612の処理において第2判読者群に属する読み手に対して共通適用規定値として“9”との最大NG規定値が割り当てられ、線幅規定値項目については、上記ステップ612の処理において第2判読者群に属する読み手に対して共通適用規定値として“3”との最大NG規定値が割り当てられる。従って、色相差規定値項目に対応する“モノクロ印刷”との設定項目については、上記ステップ604の処理において全ての読み手に対して共通適用設定値としてデータベースCによって一意に導出される設定値が用いられ、“×”との設定値が割り当てられる。また、コントラスト規定値項目に対応する“トナーセーブ印刷”との設定項目については、上記ステップステップ610の処理において全ての読み手に対して共通適用設定値としてテーブルa1の設定値が用いられ、“○”との設定値(出し手によって指定された設定情報)が割り当てられる。更に、文字サイズ規定値項目及び線幅規定値項目に対応する“Nup集約印刷”との設定項目、“製本印刷”との設定項目及び“縮小印刷”との設定項目については、上記ステップ612の処理において第2判読者群に属する読み手に対して共通適用設定値としてデータベースCによって一意に導出される設定値が用いられ、順に“2up”との設定値、“○”との設定値、及び“×”との設定値が割り当てられ、上記ステップ612の処理において第1判読者群に属する読み手に対して共通適用設定値としてテーブルa1の設定値が用いられ、順に“4up”との設定値、“×”との設定値、及び“×”との設定値が割り当てられる。
【0145】
上記第5の実施形態では、上記ステップ602の処理で用いる高閾値を90%(=0.9)との固定値とし、上記ステップ608の処理によって用いられる低閾値を60%(=0.6)との固定値とした場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、閾値は条件に応じて変更しても良い。この条件とは、例えば受付部14Eによって閾値の変更指示が受け付けられたとの条件や、データベースBに判読者情報が追加されたとの条件、データベースBから判読者情報が削減されたとの条件などが挙げられる。また、閾値調整用のスイッチを設け、そのスイッチを操作することによって閾値を変更しても良い。
【0146】
上記各実施形態では、データベースBに含まれる判読者情報の全てを画像記録制御処理の対象としたが、これに限らず、特定の判読者情報(図24に示す例では、例えば、読み手1〜読み手5)を画像記録制御処理の対象にしても良い。この場合、サーバ装置14及びクライアント装置16の少なくとも一方で受付部14E,16Eを介して判読者情報を指定することによって特定の判読者情報を決めれば良い。
【0147】
上記各実施形態では、クライアント装置16の指示に応じてサーバ装置14が画像記録装置12に対して設定値を設定する場合の形態例を挙げて説明したが、この他にも、画像記録装置12にサーバ装置14の機能を付加することによって、クライアント装置16が伝送路18を介して画像記録装置12に対して設定情報を付与する形態例や、画像記録装置12にサーバ装置14及びクライアント装置16の機能を付加することによって利用者が画像記録装置12に対して設定情報を付与する形態例が挙げられ、上記各実施形態で説明した分散型処理の形態例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0148】
12 画像記録装置
14 サーバ装置
14A,16A CPU
14C ROM
14D 二次記憶部
16 クライアント装置
16E 受付部
16F 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々画像記録装置によって被記録媒体に記録された画像を判読する判読者を示す複数の判読者情報と、該判読者情報毎に定められており、前記画像記録装置に対して設定されると共に前記被記録媒体に記録された画像の判読性に影響を与える設定情報に対応する対応値の許容範囲を規定する規定値とを対応付けて記憶した記憶手段と、
指定された前記対応値である指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御し、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、該許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する制御手段と、
を含む画像記録制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する複数の前記判読者情報の各々を対象にして、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1に記載の画像記録制御装置。
【請求項3】
前記設定情報は複数の設定項目毎に設定され、
前記制御手段は、前記複数の設定項目のうちの特定の設定項目について、前記記憶手段に記憶されている前記判読者情報の各々を対象にして強制的に、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1に記載の画像記録制御装置。
【請求項4】
前記複数の設定項目から前記特定の設定項目を指定する指定情報を受け付ける指定受付手段を更に含む請求項3に記載の画像記録制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する複数の前記判読者情報の各々を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1又は請求項2に記載の画像記録制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する複数の前記判読者情報を含む第1判読者群と前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれている該規定値に対応する複数の前記判読者情報を含む第2判読者群とに仕分け、仕分けた前記第1判読者群及び前記第2判読者群毎に共通の前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像記録制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた占有率範囲に含まれる場合に、前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分け、仕分けた前記第1判読者群及び前記第2判読者群毎に共通の前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項6に記載の画像記録制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、仕分けた前記第1判読者群に含まれる前記判読者情報の各々を対象にして、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御し、前記第2判読者群に含まれる前記判読者情報の各々を対象にして、該判読者毎に、前記記憶手段に記憶されている対応する前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項7に記載の画像記録制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、更に、前記占有率が前記占有率範囲に含まれず、かつ該占有率範囲の上限値以上の閾値を超えた場合に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分けずに、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項7又は請求項8に記載の画像記録制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、更に、前記占有率が前記占有率範囲に含まれず、かつ該占有率範囲の下限値以下の他の閾値未満の場合に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報を前記第1判読者群と前記第2判読者群とに仕分けずに、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項7〜請求項9の何れか1項に記載の画像記録制御装置。
【請求項11】
前記制御手段は、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた閾値を超えた場合に、該判読者情報の各々に対応付けられている各規定値によって各々規定された前記許容範囲の何れにも含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって少なくとも判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像記録制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、更に、前記占有率が前記閾値よりも低い他の閾値未満の場合に、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項11に記載の画像記録制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、更に、前記記憶手段に記憶されている複数の判読者情報のうち、前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報の占有率が予め定められた閾値未満の場合に、強制的に定められた前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって判読対象者の人数分の前記被記録媒体の各々に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像記録装置。
【請求項14】
前記設定情報と該設定情報に対応する前記対応値とが対応付けられて構成された設定関連情報を記憶した設定関連記憶手段と、
前記設定情報を受け付ける設定受付手段と、
前記設定関連記憶手段に記憶されている前記設定関連情報を用いて前記設定受付手段によって受け付けられた設定情報に対応する前記対応値を導出する導出手段と、を更に含み、
前記指定対応値を、前記導出手段によって導出された前記対応値とした請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の画像記録制御装置。
【請求項15】
コンピュータを、
各々画像記録装置によって被記録媒体に記録された画像を判読する判読者を示す複数の判読者情報と、該判読者情報毎に定められており、前記画像記録装置に対して設定されると共に前記被記録媒体に記録された画像の判読性に影響を与える設定情報に対応する対応値の許容範囲を規定する規定値とを対応付けて記憶した記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に指定された前記対応値である指定対応値が含まれている該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、前記指定対応値に相当する前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する手段、及び
前記指定対応値が前記記憶手段に記憶されている前記規定値によって規定された前記許容範囲に含まれていない該規定値に対応する前記判読者情報を対象にして、該許容範囲に含まれる前記対応値に対応する前記設定情報が設定された前記画像記録装置によって前記被記録媒体に画像が記録されるように前記画像記録装置を制御する手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−203883(P2012−203883A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71127(P2011−71127)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】