説明

画像記録装置及びその制御方法

【課題】ロール紙の取り付け向きを判定し、誤った向きで取り付けられたロール紙がそのまま搬送されることを防止する。
【解決手段】本発明の画像記録装置は、ロール紙Rを装置本体に対して回転可能に保持する保持手段と、保持手段によって保持されているロール紙Rから繰り出された該ロール紙Rが送り込まれる給紙口37と、給紙口37から送り込まれたロール紙Rが搬送される搬送路Bと、搬送路Bに設けられ、ロール紙Rを搬送する第1の搬送ローラ対9、10と、保持手段によって保持されているロール紙Rの回転方向を検出する回転検出手段36と、回転検出手段36の検出結果に基づいて、装置本体に対するロール紙Rの取り付けの向きを判定する判定手段と、判定手段により、装置本体へのロール紙Rの取り付けの向きが誤っていると判定された場合にこれを報知する報知手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置及びその制御方法に関し、特に記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させて記録を行う画像記録装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような画像記録装置の一つとして、記録媒体の表面または裏面に予め設けられているマークの有無を検出することで、記録媒体の表裏が正しいか否かを判断する画像記録装置が知られている。
【0003】
また、ロール紙の支持機構をロール紙が正しくセットされたときにだけ回転させ、ロール紙が正しくセットされていないときには給紙が行われないようにした画像記録装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、画像記録装置にセットされているロール紙が該装置から取り外される際に、該ロール紙の先端に取り付け方向を示す情報(マークや文字)を印字する画像記録装置が知られている。かかる画像記録装置によれば、ロール紙を次にセットするときに、上記情報を目視で確認することにより、ロール紙の正しい向きを判断することができる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−52645号公報
【特許文献2】特開2006−167948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、ロール紙の巻き方には、記録面を外側に向けて巻いた外巻きと、記録面を内側に向けて巻いた内巻きの二通りがある。汎用の画像記録装置に使用されるロール紙としては外巻きのロール紙が一般的である。よって、通常の画像記録装置は、外巻きのロール紙が所定の向きでセットされたときに用紙搬送が正常に行われるように構成されている。すなわち、外巻きのロール紙が所定の向きでセットされると、記録面が記録ヘッドと対向するように該ロール紙が画像形成部へ送り込まれる。一方、ロール紙を逆向きにセットしてしまうと、記録面ではない裏面が記録ヘッドと対向することになり、画像形成が正常に行われなくなる。
【0007】
また、画像記録装置には、種類やサイズが異なる様々なロール紙に対して良好な品位で画像を記録することが求められる。そこで、画像記録装置は、様々なロール紙を安定して搬送するための構成を備えている。例えば、ロール紙を画像記録装置にセットするときには、スプールと呼ばれる部材がロール紙の紙管に挿入され固定される。一方、画像記録装置には、上記スプールを回転可能に支持する支持部材が設けられている。そして、ロール紙の紙管に固定されたスプールを画像記録装置の支持部材に積載することによって、ロール紙が画像記録装置にセットされる。そこで、ロール紙が巻き解かれる際に、スプールに対して所定のバックテンションを与えるトルクリミッタを設けて搬送の安定化を図っている。なお、ロール紙が巻き取られる際にテンションを与えることは無用な負荷を与えることになる。そこで、トルクリミッタは、ロール紙が巻き解かれる方向へ回転するときにのみ作用するように設定されるのが一般的である。
【0008】
ここで、逆向きにセットされたロール紙が下流方向に搬送されると、ロール紙は巻き解かれる方向に回転するが、スプールは本来とは逆方向に回転する。したがって、上記バックテンションが発生せず、安定した搬送が行われなくなる。
【0009】
本発明の目的は、ロール紙の取り付け向きを判定可能であり、かつ、誤った向きで取り付けられたロール紙がそのまま搬送されることを防止可能である画像記録装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画像記録装置は、ロール紙を装置本体に対して回転可能に保持する保持手段と、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙から繰り出された該ロール紙が送り込まれる給紙口と、前記給紙口から送り込まれた前記ロール紙が搬送される搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記ロール紙を搬送する第1の搬送ローラと、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙の回転方向を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段の検出結果に基づいて、前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合にこれを報知する報知手段と、を有する。
【0011】
本発明の画像記録装置の制御方法は、ロール紙を装置本体に対して回転可能に保持する保持手段と、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙から繰り出された該ロール紙が送り込まれる給紙口と、前記給紙口から送り込まれた前記ロール紙が搬送される搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記ロール紙を搬送する第1の搬送ローラ対と、を有する画像記録装置の制御方法であって、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙の回転方向を検出する工程と、検出された前記ロール紙の回転方向に基づいて、前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定する工程と、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合にこれを報知する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置本体に対するロール紙の取り付け向きを判定可能であり、かつ、誤った向きで取り付けられたロール紙がそのまま搬送されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る画像記録装置の外観斜視図である。
【図3】実施形態1に係る画像記録装置がカット紙を給紙しているときの縦断面図である。
【図4】実施形態1に係る画像記録装置がロール紙を給紙しているときの縦断面図である。
【図5】ロール紙およびスプールを示す斜視図である。
【図6】正しい向きでセットされたロール紙の搬送状況を示す模式的断面図である。
【図7】誤った向きでセットされたロール紙の搬送状況を示す模式的断面図である。
【図8】実施形態1に係る画像記録装置において実行される用紙搬送処理を示すフローチャート図である。
【図9】画像記録装置に代わって画像記録のための画像処理機能その他の機能を実行するコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【図10】図9に示すプリンタドライバの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
次に、本発明の画像記録装置およびその制御方法の実施形態の一例について説明する。図1は、本実施形態に係る画像記録装置100の基本構成を示すブロック図であり、図2は外観斜視図である。尚、本実施形態に係る画像記録装置100は、画像記録に必要な画像処理機能を備えている。もっとも、画像記録装置100とは別体のコンピュータなどによって画像処理機能や以下に説明する機能の一部を実現してもよい。この場合、画像形成装置100は、コンピュータから送られてくる画像データやその他のデータに基づいて記録動作を行う。かかるコンピュータの一例については後に詳述する。
【0015】
再び図1を参照する。図1に示すように、画像記録装置100は、全体の動作を制御する制御部101と、制御部101から出力される画像データに基づいて記録ヘッド11(図2)を駆動して記録を行うヘッドドライバ102とを有する。また、図1に示すモータドライバ103、104は、それぞれ対応するキャリッジモータ106、LFモータ(ラインフィードモータ)107を回転駆動する。図1に示す入力部108は、外部機器から画像データを入力して制御部101へ出力する。
【0016】
図1を参照して制御部101についてより具体的に説明する。制御部101は、例えばマイクロプロセッサ等のCPU110、CPU110により実行されるプログラム等を記憶しているプログラムメモリ111を有する。また、RAM115、CPU110の動作時に各種データを記録するワークエリア、画像データを格納するプリントバッファ116を有する。プリントバッファコントローラ(PBC)112は、プリントバッファ116からプリントすべき画像データの取り出しを行う。補正用テーブル113には、画像データを補正するためのデータが記憶されている。マスクデータ114は、記録ヘッド11の各走査時において記録すべき画像データを決定するために使用される。
【0017】
図2を参照して画像記録装置100の機械的構成について説明する。画像記録装置100は、記録ヘッド11と、記録ヘッド11を搭載して往復移動するキャリッジ12とを有する。記録ヘッド11及びキャリッジ12により画像形成部80が構成されている。記録ヘッド11の記録媒体と対向する面には吐出面が設けられている。吐出面には複数の吐出口列が形成され、それぞれの吐出口列からは異なるインクが吐出される。各吐出口列は、所定ピッチで配列された複数の吐出口から構成されている。画像記録装置100にはインクタンク14が装着されており、インクタンク14から記録ヘッド11の各吐出口列に対し、各色ごとのインク供給チューブ13を通して各色のインクが供給される。
【0018】
キャリッジ12は、ガイド部材であるガイドシャフト16及びガイドレール(不図示)に沿って摺動可能に案内支持されている。ガイドシャフト16及びガイドレールは、フレーム15等に互いに平行に固定されている。紙等のシート状の記録媒体が画像形成部80まで搬送されてくると、キャリッジ12を往復移動させながら記録ヘッド11から記録媒体へ向けてインクを吐出することにより、記録媒体に画像が形成される。なお、キャリッジ12の動きは、キャリッジモータ106(図1)、タイミングベルト(駆動伝達手段)及びリニアエンコーダなどにより制御される。この記録(画像形成)を行うときは、キャリッジ12の速度を一定に保つ必要があり、リニアエンコーダの信号に基づいて常に速度が監視されている。キャリッジ12の移動中に何らかの負荷によってリニアエンコーダの信号が変化すると、速度を一定にするためにキャリッジモータ106への供給電流が増減される。
【0019】
図3は、カット紙Pが搬送されるときの画像記録装置100の縦断面図である。図4は、ロール紙Rが搬送されるときの画像記録装置100の縦断面図である。図5は、ロール紙供給用のスプールの分解斜視図である。次に、図3〜図5を参照して画像記録装置100の給紙搬送機構について説明する。
【0020】
本実施形態に係る画像記録装置100には、装置本体の底部に装着されたカセットからカット紙Pを給紙する給紙機構と、装置本体の後部に回転可能に保持されたスプールからロール紙Rを給紙する給紙機構とを有する。まず、カット紙Pの給紙機構について説明する。
【0021】
図3に示すように、装置本体の底部には、記録媒体であるカット紙Pを収納したカセット2が着脱自在に装着されている。カセット2のシート送り出し部には、カット紙Pを1枚ずつ分離して送り出すための給紙ローラ5及び分離ローラ6からなるローラ対が配置されている。カセット2には、複数枚のカット紙Pを矢印方向に押圧可能に積載支持するための圧板3と、複数枚のカット紙Pの側端及び後端を規制するための端縁規制板(不図示)が設けられている。圧板3は、カセット2に揺動可能に取り付けられ、不図示のバネにより矢印方向に付勢されている。圧板カム等による規制を解除することにより、圧板3上のカット紙Pは給紙ローラ5に圧接される。不図示のモータにより給紙ローラ5が図示反時計回りに回転することにより、圧板3上のカット紙Pの最上層の1枚が送り出される。この際、2枚目以降の下位のカット紙Pは分離ローラ6の摩擦抵抗により搬送を阻止される。
【0022】
分離ローラ6の内部には、所定の回転負荷トルクを発生するトルクリミッタが設けられている。このため、分離ローラ6は、回転負荷トルクを超えたトルクが発生した場合に、給紙ローラ5とともにカット紙Pを挟持して搬送力を発生するニップローラとして機能する。すなわち、給紙ローラ5とシートPの間の摩擦力をF1、シート同士の間の摩擦力をFp、シートPと分離ローラ6の間の摩擦力(回転負荷トルクの接線力)をF3とすると、これらの関係は「F1>F3>Fp」となっている。よって、最上位のカット紙Pのみがカセット2から搬送路Aへ送り出され、やがて搬送路中の搬送ローラ7aとピンチローラ7bのニップに到達する。
【0023】
さらに、カット紙Pは、搬送ローラ対7a、7bの搬送力を得て搬送され、画像形成部80の上流側近傍に配置された搬送ローラ9及びピンチローラ10のニップに到達する。なお、搬送ローラ対9、10の上流側には、後述するロール紙Rの搬送路との切り替えを行うためのフラップ18と、ロール紙Rを給紙するための搬送ローラ対8a、8bが配置されている。フラップ18及び搬送ローラ対8a、8bは、カット紙Pを給紙搬送するときは、図3に示す退避位置にあり、カット紙Pの搬送路が確保される。記録ヘッド11と対向する位置にはプラテン19が配置されており、カット紙Pは搬送ローラ9、10に挟持された状態でプラテン19上へ搬送される。そして、カット紙Pの記録面に対する画像形成(記録)が開始される。具体的には、キャリッジ12の移動に同期した記録ヘッド11による1ライン分(1走査分)の記録が終了すると、一旦記録動作を中断し、プラテン19上に位置するカット紙Pを搬送ローラ9により所定量だけ搬送する。そして、再び記録ヘッド11をガイドシャフト16に沿って移動させながら次の1ライン分の画像を記録する。このような1ライン分の記録とカット紙Pの搬送を繰り返し実行することで、カット紙Pの全体に対して画像記録が行われる。記録されたカット紙Pは、搬送ローラ20a及び拍車20bからなる2組のローラ対を通して排紙トレイ22上へ排出される。
【0024】
次に、ロール紙Rの給紙機構について説明する。まず、図5を参照して、ロール紙供給用のスプールについて説明する。スプール32は、ロール紙Rの巻き中心にある紙管Sに挿通される。スプール32の一端には、ロール紙ホルダ30が固定され、ロール紙ホルダ30の内側にはロック部30aが設けられている。挿通されたスプール32は、ロック部30aを紙管Sの内面にバネ力によって食い込ませることにより固定される。次いで、スプール32の他端にロール紙ホルダ31が固定される。これにより、スプール32とロール紙Rとが一体化される。つまり、装置本体が有する保持手段によってスプール32を回転可能に保持することにより、ロール紙Rも装置本体に回転可能に保持される。
【0025】
なお、ロール紙Rの搬送動作においては、ロール紙自身による慣性力を考慮する必要がある。このため、スプール32にトルクリミッタ33を設け、ロール紙Rの回転(巻き出し及び巻き取り)に一定の負荷トルクを与えている。かかる構成によれば、図4に示す搬送ローラ9の回転によってロール紙Rが自転(回転)を始めた後、搬送ローラ9が停止した際、トルクリミッタ33による負荷トルクにより、慣性力による自転が早急に収束する。すなわち、搬送中のロール紙Rに慣性力による弛みが生じないように配慮されている。
【0026】
装置本体に対して図4に示すようにセットされたロール紙Rは、給紙口37(図6)から搬送路Bへ送り込まれる。搬送路Bへ送り込まれたロール紙Rは、フラップ18を押し下げるとともに、ニップ解除された第2の搬送ローラ対(搬送ローラ8a、8b)の間を通過して、第1の搬送ローラ対(搬送ローラ9、10)の手前に配置された用紙検出手段(不図示)まで送り込まれる。本実施形態では、搬送ローラ8aは振り子アーム式のフラップ8に軸支されている。ここまでのロール紙Rの送り出しは、ユーザの操作で行ってもよい。用紙検出手段によってロール紙Rが検出されると、フラップ8が回動し、搬送ローラ8aがピンチローラ8bに圧接されることでロール紙Rをニップ(挟持)する。そして、搬送ローラ8aが回転駆動することで、ロール紙Rが搬送ローラ9へ向けて自動的に繰り出していく。図4は、このときの搬送機構の状態を示している。次いで、ロール紙Rは搬送ローラ対9、10に挟持された状態でプラテン19上へ搬送され、ロール紙Rに対する画像形成(記録)が開始される。画像形成動作は、カット紙Pに対するそれと実質的に同一である。記録されたロール紙Rは、搬送ローラ20a及び拍車20bからなる2組のローラ対を通して搬送され、その後端をカッター21で裁断されることで排紙トレイ22上へ排出される。なお、ロール紙Rの場合は、裁断及び排出を終了した後、搬送ローラ対9、10及びスプール32を逆回転させて巻き取り動作を行い、ロール紙Rの先端を所定の位置まで後退させることにより次の画像形成に備える。
【0027】
ここで、搬送路Bはロール紙Rだけでなく、カット紙Pを搬送することも可能である。上述のロール紙Rの搬送と同様に、装置内セットされたカット紙Pは搬送路Bを通して送り出される。以降、ロール紙Rの搬送と同様にしてプラテン19上へ搬送される。そして、プラテン19上に搬送された以降は、図3におけるカット紙Pの搬送と同様に画像形成と排出がされる。搬送路Bは、搬送路A(図3)に比べて緩やかな形状で構成されているので、比較的厚手のカット紙を搬送することが可能である。また、カセット2に収まらないような長尺のカット紙を搬送することも可能である。
【0028】
図2において、キャリッジ12の移動範囲内であって記録領域外の位置(ホームポジション)には、記録ヘッド11のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット23が配設されている。記録動作の待機中、記録の前後、もしくは1ライン分の記録の合間に、記録ヘッド11を回復ユニット23と対向する位置へ移動させ、所定の回復動作が行われる。回復動作としては、記録ヘッド11の吐出口をキャップで密閉するキャッピング、吐出口からインクを吸引する吸引回復、記録ヘッド11の吐出面をクリーニングするワイピングなどがある。これらの回復動作により、吐出口の目詰まり等を防止し、記録画像の画質を維持することができる。
【0029】
図6及び図7は、図4に示す画像記録装置100の搬送路Bをロール紙Rが搬送される様子を模式的に示した図である。
【0030】
図6は、正常な取り付け向きでセットされたロール紙Rが搬送されている様子を示している。ロール紙Rをセットする際には、ロールカバー34を開け、ロール紙Rの紙管S(図5)に挿通されているスプール32の両端部を、ロールカバー34内の保持手段(スプール軸受け部)に積載する。
【0031】
次に、ロール紙Rの先端を巻き解き、巻き解かれた先端を給紙口37に送り込む。送り込まれたロール紙Rの先端が搬送路上に設けられている用紙検出手段であるPEセンサ38によって検出されると、フラップ8(図4)が回動し、搬送ローラ8a(図4)がピンチローラ8b(図4)に圧接されることでロール紙Rがニップ(挟持)される。なお、図6、図7では、フラップ8、搬送ローラ8aおよびピンチローラ8bの図示は省略してある。その後、搬送ローラ8aが回転駆動されることで、ロール紙Rの先端が搬送ローラ9(以下、“LFローラ”と呼ぶ)とピンチローラ10とからなる第1の搬送ローラ対(以下“LFローラ対9、10”と呼ぶ)に突き当たるまで送り込まれる。このとき、ロール紙Rの先端がPEセンサ38の位置を通過し“紙有り”が検出されると、ロール紙Rの先端がLFローラ対9、10に到達するのに先立ってLFモータ107(図1)が駆動され、LFローラ9が回転を開始する。よって、LFローラ対9、10のニップに突き当ったロール紙Rの先端は、そのままLFローラ対9、10に噛み込まれ、下流の画像形成部80へ向けて搬送される。
【0032】
以後、ロール紙RがLFローラ9の作用で下流に搬送されるに従って、その搬送量に応じた分だけロール紙Rが図中の矢印方向に回転する。このとき、回転検出手段によってロール紙Rの回転方向および回転量が検出される。具体的には、ロール紙Rが回転すると、該ロール紙Rの紙管Sに固定されているスプール32も一体となって同方向に回転する。スプール32の回転は、不図示のギア列を介してエンコーダ36のコードホイールに伝達されるように構成されており、このコードホイールの回転によって発生する状態変化がエンコーダ36から電気信号として出力される。よって、エンコーダ36の出力を監視することによって、間接的にロール紙Rの回転状況(回転方向および回転量)を検出することができる。
【0033】
図7は、誤った向きでセットされたロール紙Rが搬送されている様子を示している。具体的には、ロール紙Rが誤った取り付け向きでスプール32に通された状態で、画像記録装置100のスプール軸受け部に積載されている。この場合、ロール紙Rが巻き解かれるときの該ロール紙Rの回転方向は、図中の矢印方向となる。すなわち、図6に示す場合と逆向きになる。このため、ロール紙Rの回転に従って回転するスプール32及びエンコーダ36のコードホイールも図6に示す場合と逆向きに回転することになる。したがって、エンコーダ36の出力を監視することによって、誤った取り付け向きのロール紙Rが搬送されていることを検出することができる。
【0034】
次に、図8を参照して給紙搬送処理をより詳細に説明する。図8は、画像記録装置100におけるロール紙Rの給紙搬送処理の流れを示すフローチャートである。ロール紙Rの給紙搬送処理は、図7に示す給紙口37へ送り込まれたロール紙Rを図4に示す搬送路Bを通して画像形成部80のあるプラテン19上まで搬送して画像記録動作ができる状態にする処理である。
【0035】
ロール紙モードが選択されている状態で、給紙口37から送り込まれたロール紙Rの先端が搬送路上のPEセンサ38によって検知されると、図8のロール紙給紙処理が開始する。なお、図4、図6から明らかなように、第2の搬送ローラ対である搬送ローラ8aとピンチローラ8bは、第1の搬送ローラ対であるLFローラ対9、10よりもロール紙Rの搬送方向上流に設けられている。また、用紙検出手段であるPEセンサ38は、第1の搬送ローラ対であるLFローラ対9、10と、第2の搬送ローラ対である搬送ローラ8aとピンチローラ8bと、の間に設けられている。
【0036】
図8を参照すると、まず、搬送ローラ8aとピンチローラ8bによって、ロール紙Rの先端がLFローラ対9、10のニップに突き当たるまでロール紙Rが引き込まれる(ステップS101)。続いて、以降の給紙動作及び画像記録動作などの装置動作を最適に行なうために、ユーザに対して用紙種別の選択を促す。具体的には、操作パネルの表示部に、利用可能な用紙種別が列挙表示される(ステップS102)。ユーザは、列挙表示された中からセットした用紙に合致した用紙種別を操作パネル上のキーを操作して選択する(ステップS103)。なお、ユーザは、キャンセルキーなどの所定キーを操作することで、給紙動作を中止させることが可能である(ステップS104)。この時点で、ユーザが給紙口37に送り込んだ用紙がロール紙でないことに気が付いたならば、この給紙キャンセル操作によって給紙動作を中止できる。
【0037】
用紙種別が選択されると、ロール紙RがLFローラ対9、10の間を通過してプラテン19上まで搬送されていることを確認する(ステップS105)。ロール紙Rが搬送路Bの途中などで紙詰まりを起こしていたり、給紙口37からの送り込みが不十分でLFローラ対9、10に届いていなかったりする場合があるためである。ここでの用紙位置の確認は、LFローラ対9、10の下流側のプラテン19上方に配置された光学センサ(不図示)を利用する。光学センサは、プラテン19の上方に、プラテンの方向を向いて設置されている。ロール紙Rがプラテン19上まで搬送されていない場合は、表面が黒色に形成されたプラテン19によって光が反射され、ロール紙Rがプラテン19上まで搬送されている場合は、表面が白色の用紙によって光が反射される。そして、前者の場合には、相対的に反射光量が少なく、後者の場合は、相対的に反射光量が多くなる。そこで、光学センサへ入力される反射光量レベルの違いによって光学センサ配置位置におけるロール紙Rの有無を識別する(ステップS106)。ロール紙Rがプラテン19上に無かった場合には、操作パネルの表示装置に「用紙が詰まりました。」などのメッセージを表示し(ステップS107)、給紙動作を中断する。
【0038】
ロール紙Rがプラテン19上まで搬送されていたら、該ロール紙Rの先端を予め定められた蛇行補正開始位置39(図6)に移動させる(ステップS108)。この蛇行補正開始位置39を起点にして、後述する蛇行補正および紙姿勢検知を行なうことで安定した給紙動作が行なえるように構成されている。
【0039】
続いて、判定手段による判定処理が開始される。具体的には、判定手段は、後述する蛇行補正処理の開始に先立ってスプール32(ロール紙)の回転監視を開始する(ステップS109)。より具体的には、図6及び図7を参照して説明したように、スプール32の回転方向および回転量は回転検出手段であるエンコーダ36によって検出される。よって、判定手段は、回転検出手段の検出結果、すなわちエンコーダ36の出力を監視することでスプール32の回転監視を行う。
【0040】
スプール32の回転監視の準備ができたら、“蛇行補正”と呼ぶロール紙の紙姿勢を矯正する処理が実施される(ステップS110)。“蛇行”とは、搬送するにつれて主走査方向に用紙が移動して位置が定まらない状態であって、この状態を解消する方法としてロール紙を下流に大きく引き出す方法が知られている。本実施形態においては、ロール紙Rの引き出し量を300mmに設定している。300mm引き出せば直径100mmの大径ロールであっても、ロール紙Rおよびスプール32がほぼ1周回転するので、スプール32の回転監視には十分な距離である。
【0041】
ここで、ロール部分でロール紙Rが弛んでいる状況を想定してみる。ロール部分に弛みが生じていると、前記蛇行補正によるロール紙Rの引き出しをしても、搬送によるロールからの巻き解きの作用がロール部分の弛みの解消に使われてしまうので、ロール紙R自体は回転しない。しかしながら、通常想定される弛み量は100mm程度なので、搬送後半の200mmのときには弛みが解消されている。よって、判定手段は、搬送前半でのスプール32の回転量を破棄し、搬送後半でのスプール32の回転量のみを有効なものとして判定を行う。具体的には次のようにして判定を行う。まず、搬送量検出手段によって検出される搬送量に基づいて、所定の搬送量(100mm)の搬送がなされているかを確認する(ステップS111)。具体的には、LFローラ9は、搬送量検出手段であるエンコーダ(不図示)と共に構成されており、LFモータ107(図1)の駆動によってどれだけLFローラ9が回転したか、すなわちLFローラ9、10によるロール紙Rの搬送量が随時フィードバックされる。
【0042】
所定量の搬送がなされたことが確認されると、判定手段は、これまでのスプール32の回転監視によって取得されたスプール32(ロール紙R)の回転量を破棄する(ステップS112)。こうすることで、所定の搬送量を超えた後に検出されたスプール32の回転量のみが、後述のスプール32の回転監視停止時に残る。
【0043】
そして、前記蛇行補正のための搬送(300mm)が完了するのを待って(ステップS113)、スプール32の回転監視を停止する(ステップS114)。ここで、判定手段は、スプール32の回転監視によってサンプリングされたエンコーダ36の出力(パルス数)、スプール32の回転量を取得する(ステップS115)。エンコーダ36のコードホイールは所定のギア比でスプール36と連結されているので、エンコーダ36のパルス数、コードホイールの解像度およびギア比から、スプール32の回転量を算出することができる。
【0044】
続いて、判定手段は、所定のしきい値(回転判定しきい値)をメモリから取得し(ステップS116)、算出された回転量と回転判定しきい値とを比較する。次いで、上記比較の結果に基づいて、スプール32(ロール紙R)が回転していたか否かとその回転方向が正回転であったか否かを判定する(ステップS117)。本実施形態においては、スプール32の1/4回転に相当する回転量を回転判定しきい値としてある。これだけ回転していれば、搬送中のロール紙Rの回転量を判定に利用できる。また、判定では、正常な取り付け向きのロール紙Rを巻き解いたときに発生する回転方向を正回転と定義して、検出された回転の方向が正回転であるか否かも合わせて考慮する。
【0045】
スプールが正回転していなかったときは、搬送しているロール紙Rの取り付け向きが誤っていると推定されるので、ロール紙の搬送を中断するとともに、報知手段によるユーザに対する報知が行われる。具体的には、操作パネルの表示部に「用紙の取り付け向きを確認して下さい。」などのメッセージが表示され(ステップS118)、ロール紙Rの取り付け向きが誤っていることがユーザに報知される。続いて、確認手段によってロール紙Rの搬送を継続するか否かが確認される(ステップS119)。具体的には、操作パネルの表示部に「給紙を継続しますか?」などのメッセージが表示され、ユーザに対して、ロール紙Rの搬送を継続するか否かの選択が促される。一般的な外巻きのロール紙Rを利用することを想定して画像記録装置は構成されているが、ユーザが内巻きのロール紙を利用する場合もある。そこで、取り付け向きが誤っていると判定された場合でも給紙を継続するか否かをユーザが選択できるようにしている。
【0046】
給紙を継続しないと選択された場合は、直ちにロール紙給紙処理を終了する。給紙のやり直しになるので、ロール紙を巻き取るなどした方が操作は減る。しかし、取り付け向きが誤っているロール紙を搬送すると記録面を傷める可能性があるので、この状況では敢えて何もしない方がよい。ユーザは、画像記録装置にセットされているロール紙を手動で一旦取り外して、ロール紙からスプールを抜き取り、正しい向きに挿し直してから、改めてロール紙の取り付け手順を最初からやり直す。
【0047】
給紙を継続すると選択された場合と、前記ステップS117のスプールの回転状況の判定で正回転していたときは、搬送しているロール紙Rが正常な取り付け向きであると推定されるので、ロール紙給紙動作を継続する。前記蛇行補正動作によって引き出したロール紙Rを、段階的に引き戻しながら用紙姿勢の検知を行う(ステップS120)。このときの引き戻し動作では、ロール紙Rのロール部分に弛みが発生しないように、LFローラ9に同期しながら巻き取り手段(不図示)によって巻き取りを行う。ここでは、ロール紙Rの先端、左右端の各端部を、プラテン19上方に配置した用紙端部検知手段(前述の光学センサと同一)にて検出する。これら検知結果によって、用紙位置(搬送方向および主走査方向)、斜行量、用紙幅が得られる。最後に、ロール紙Rの先端を所定の印字待機位置に移動して印字開始に備える(ステップS121)。本実施形態においては、印字待機位置をLFローラ対9、10の下流3mmの位置として、印字領域をニップし続けないようにしている。
【0048】
冒頭に述べた通り、本実施形態に係る画像記録装置は、画像記録のための画像処理機能を有しているが、かかる機能やその他の機能を別体のコンピュータによって実行してもよい。そのようなコンピュータの構成の一例を図9に示す。図示されているコンピュータ200は、各種アプリケーションプログラム220及び画像記録装置100用のプリンタドライバ221等を不図示のハードディスクに記憶している。プリンタドライバ221は、CD−ROM等の記憶媒体に格納され、画像記録装置100のメーカから提供され、コンピュータ200のハードディスクにインストールされる。そして、実行時にはコンピュータ200のRAM223にロードされ、CPU222の制御の下に実行される。
【0049】
画像記録装置100は、プリンタドライバ221から送られてくる画像データを受信し、指示された記録方法、例えばマルチパスにより画像を記録する。尚、この画像記録装置100は、各走査において記録するドット位置を決定するためのマスク情報を備えており、このマスク情報に従って、各パスで記録するドット位置(ノズル)を決定している。但し、このマスク情報をコンピュータ200に設け、画像記録装置100は単に受信した画像データに基づいて記録するように構成してもよい。
【0050】
図10は、図9に示すプリンタドライバ221における画像処理を説明するための構成を示すブロック図である。図10に示す入力補正部301は、例えばアプリケーションプログラム220などから入力されるRGB各8ビットで表される画像データを入力し、記録で使用するC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)それぞれ8ビットデータに変換する。色調補正部302は、入力補正部301で補正されたCMYデータに基づいてCMYK(黒)データを生成して出力する。出力補正部303は、画像記録装置100で記録する際、各パスで記録される画像データの値を決定している。この場合、補正用テーブル113の補正データに基づいて、各パスで記録するデータを補正してもよい。量子化部304は、出力補正部303から出力されるCMYK各8ビットの画像データを、例えば誤差拡散法などを用いて量子化し、その量子化結果であるCMYK各1ビットデータ(画像データ)を出力している。
【0051】
(実施形態2)
実施形態1では、LFローラ対9、10にロール紙Rが噛み込まれた後にロール紙Rの取り付け向きの判定を行っているが、本発明はこれに限られるものではない。
【0052】
例えば、用紙が搬送路Bに送り込まれたことが検知されてからLFローラ対9、10に到達するまでの間の、搬送ローラ8aおよびピンチローラ8bによる搬送距離を十分に確保する。具体的には、図7に示す搬送路Bの給紙口37に近い位置に、用紙の有無を検出する検出手段を新たに設けるか、図6、図7に示すPEセンサ38をより給紙口37に近い位置に移動させるなどする。このようにすれば、LFローラ対9、10にロール紙Rが噛み込まれる前にロール紙Rの取り付け向きの判定を行うことができる。
【0053】
ロール紙Rが誤った向きで取り付けられている場合、ロール紙Rの記録面がLFローラ対9、10やプラテンに接触しながら搬送される。よって、コート紙などのように記録面に特殊なコーティングが処理されている場合には、該コーティングが傷んで印字品位が低下する虞がある。そこで、ロール紙RがLFローラ対9、10に噛み込まれる前に取り付け向きの誤りを検出して、給紙動作を中断することで、記録面のダメージを低減することができる。
【0054】
また、図3、図4に示す搬送ローラ8aやピンチローラ8bを省略することもできる。この場合、用紙は、ユーザの操作によって、該用紙の先端がLFローラ対9、10に突き当たるまで送り込まれる。搬送ローラ8aおよびピンチローラ8bの作用によって用紙が送り込まれる場合も、ユーザの操作によって送り込まれる場合も、ロール紙R(スプール32)は同様に回転する。さらに、送り込まれたロール紙Rの先端は、PEセンサやその他の検出手段によって同様に検出される。
【0055】
よって、搬送ローラ8aおよびピンチローラ8bを省略した上で、LFローラ対9、10にロール紙が噛み込まれる前にロール紙の取り付け向きの判定を行えば、搬送ローラ8aやピンチローラ8bとの接触による用紙表面のダメージも回避することができる。
【0056】
(実施形態3)
実施形態1では、ロール紙Rの取り付け向きが誤っていると判定された場合でも、ユーザによって給紙処理の継続が選択されると、それ以降の搬送動作は、ロール紙取り付け向きが正常な場合と同様であったが、本発明はこれに限られるものではない。
【0057】
ロール紙Rをバックフィードで搬送するときには、ロール部分に弛みが発生しないように、LFローラ9の駆動に同期させて不図示の巻き取り手段(ロール紙巻取りモータなど)を作用させて、巻き取り処理を行うのが一般的である。しかしながら、通常利用される外巻きのロール紙を巻き取るためのロールの回転方向と、内巻きのロール紙を巻き取るためのロールの回転方向は異なる。そのため、通常利用を想定されていない内巻きのロール紙のときには、ロール紙が巻き取られないのみならず、かえって巻き解かれてしまうことになる。
【0058】
ロール紙の巻き取り動作を実施するときに、事前に判定されたロール紙の取り付け向きの結果に基づいて巻き取り手段によるロール紙の回転方向を切り替えることで、何れの巻き方向のロール紙の搬送であっても弛みを発生させないようにできる。巻き取り手段がモータであって、スプールに正逆両方向の回転駆動を伝達させられるように構成されているのであれば、判定されたロール紙の取り付け向きに応じて、モータの回転方向を選択することで実現できる。
【符号の説明】
【0059】
7a 搬送ローラ
7b ピンチローラ
8a 搬送ローラ
8a 搬送ローラ
18 フラップ
9 搬送ローラ(LFローラ)
10 ピンチローラ
32 スプール
36 エンコーダ
37 給紙口
38 PEセンサ
100 画像記録装置
P カット紙
R ロール紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙を装置本体に対して回転可能に保持する保持手段と、
前記保持手段によって保持されている前記ロール紙から繰り出された該ロール紙が送り込まれる給紙口と、
前記給紙口から送り込まれた前記ロール紙が搬送される搬送路と、
前記搬送路に設けられ、前記ロール紙を搬送する第1の搬送ローラ対と、
前記保持手段によって保持されている前記ロール紙の回転方向を検出する回転検出手段と、
前記回転検出手段の検出結果に基づいて、前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合にこれを報知する報知手段と、を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記回転検出手段は、前記第1の搬送ローラ対による搬送に伴って生じる前記ロール紙の回転の方向を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記判定手段により、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定されると、前記第1の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送が停止されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記回転検出手段は、前記ロール紙の回転方向に加えて回転量を検出し、
前記判定手段は、前記回転検出手段によって検出された前記ロール紙の回転量と所定のしきい値とを比較し、前記回転検出手段によって検出された前記ロール紙の回転量が前記しきい値を超えている場合に限って、前記回転検出手段によって検出された前記ロール紙の回転方向に基づいて前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記第1の搬送ローラ対の回転量に基づいて該第1の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送量を検出する搬送量検出手段を有し、
前記判定手段は、前記回転検出手段によって検出された前記ロール紙の回転量のうち、前記搬送量検出手段によって検出される前記ロール紙の搬送量が所定量を超えた後に前記回転検出手段によって検出された前記ロール紙の回転量を前記しきい値と比較することを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記搬送路上であって、かつ、前記第1の搬送ローラ対よりも前記ロール紙の搬送方向上流に設けられた第2の搬送ローラ対と、
前記搬送路上であって、かつ、前記第1の搬送ローラ対と前記第2の搬送ローラ対との間に設けられた用紙検出手段とを有し、
前記回転検出手段は、前記ロール紙が前記用紙検出手段によって検出されてから該ロール紙が前記第1の搬送ローラ対に到達するまのでの間の、前記第2の搬送ローラ対による搬送に伴って生じる前記ロール紙の回転の方向を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記判定手段により、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定されると、前記第2の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送が停止されることを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記回転検出手段は、ユーザによる前記給紙口への前記ロール紙の送り込みに伴って該ロール紙に生じる回転の方向を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記判定手段により、前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合に、ユーザに対して、該ロール紙の搬送を継続するか否かの選択を促す確認手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記保持手段によって保持されている前記ロール紙を回転させて該ロール紙を巻き取る巻き取り手段を有し、
前記巻き取り手段は、前記判定手段によって判定された前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きに応じて、前記ロール紙を巻き取るために該ロール紙を回転させる方向を切り替えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項11】
ロール紙を装置本体に対して回転可能に保持する保持手段と、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙から繰り出された該ロール紙が送り込まれる給紙口と、前記給紙口から送り込まれた前記ロール紙が搬送される搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記ロール紙を搬送する第1の搬送ローラ対と、を有する画像記録装置の制御方法であって、
前記保持手段によって保持されている前記ロール紙の回転方向を検出する工程と、
検出された前記ロール紙の回転方向に基づいて、前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定する工程と、
前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合にこれを報知する工程と、を有することを特徴とする画像記録装置の制御方法。
【請求項12】
前記ロール紙の回転方向を検出する工程では、前記第1の搬送ローラ対による搬送に伴って生じる前記ロール紙の回転の方向を検出することを特徴とする請求項11に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項13】
前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合に、前記第1の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送を停止する工程を有することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項14】
前記ロール紙の回転量を検出する工程と、
検出された前記ロール紙の回転量と所定のしきい値とを比較する工程と、を有し、
前記ロール紙の回転量が前記しきい値を超えている場合に限って、前記ロール紙の回転方向に基づいて前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きを判定する前記工程を実行することを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1の搬送ローラ対の回転量に基づいて該第1の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送量を検出する工程を有し、
検出された前記ロール紙の回転量のうち、前記ロール紙の搬送量が所定量を超えた後に検出された前記ロール紙の回転量を前記しきい値と比較することを特徴とする請求項14に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項16】
前記画像記録装置は、前記搬送路上であって、かつ、前記第1の搬送ローラ対よりも前記ロール紙の搬送方向上流に設けられた第2の搬送ローラ対と、
前記搬送路上であって、かつ、前記第1の搬送ローラ対と前記第2の搬送ローラ対との間に設けられた用紙検出手段とを有し、
前記ロール紙の回転方向を検出する前記工程では、前記ロール紙が前記用紙検出手段によって検出されてから該ロール紙が前記第1の搬送ローラ対に到達するまのでの間の、前記第2の搬送ローラ対による搬送に伴って生じる前記ロール紙の回転の方向を検出することを特徴とする請求項11に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項17】
前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合に、前記第2の搬送ローラ対による前記ロール紙の搬送を停止する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項18】
前記ロール紙の回転方向を検出する前記工程では、ユーザによる前記給紙口への前記ロール紙の送り込みに伴って該ロール紙に生じる回転の方向を検出することを特徴とする請求項11に記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項19】
前記装置本体への前記ロール紙の取り付けの向きが誤っていると判定された場合に、ユーザに対して、該ロール紙の搬送を継続するか否かの選択を促す工程を有することを特徴とする請求項11乃至請求項18のいずれかに記載の画像記録装置の制御方法。
【請求項20】
前記画像記録装置は、前記保持手段によって保持されている前記ロール紙を回転させて該ロール紙を巻き取る巻き取り手段を有し、
判定された前記装置本体に対する前記ロール紙の取り付けの向きに応じて、前記ロール紙を巻き取るために前記巻き取り手段が前記ロール紙を回転させる方向を切り替える工程を有することを特徴とする請求項11乃至請求項19のいずれかに記載の画像記録装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−126529(P2012−126529A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280374(P2010−280374)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】