説明

画像記録装置

【課題】レーベル面の中心に対してずれた画像が記録された見栄えの悪い記録ディスクのレーベル面に輪形画像を記録することにより、記録ディスクのレーベル面の見栄えを良くすることができる画像記録装置を提供すること。
【解決手段】メイン処理において、レーベル面全体が読み取られ(S6)、ステップS6の読み取り結果から、内輪形画像の幅の設定と(S7)外輪形画像の幅の設定と(S8)が行われ、ステップS7で設定された輪形幅で内輪形画像が生成され(S9)、ステップS8で設定された輪形幅で外輪形画像が生成される(S10)。ステップS9及びS10で生成された内輪形画像及び外輪形画像が記録ディスクに記録される(S15)。このため、記録ディスクのレーベル面の見栄えを良くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録装置に関するものであり、より詳しくは、CD(Compact Disc)等の記録ディスクのレーベル面(表面)に画像を記録することが可能な画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)等の円形状に形成された記録ディスクをトレイに載置し、その記録ディスクのレーベル面に画像を記録可能な画像記録装置が知られている。
【0003】
この種の画像記録装置に関し、例えば、特許文献1には、記録媒体であるCDをCDトレイに載置し、そのCDトレイを記録用紙等と同様には搬送手段により搬送することで、CDのレーベル面に画像を記録することが可能であった。上記CDトレイ及び上記画像記録装置には、CDトレイを画像記録装置に対して主走査方向に位置決めさせるためのガイド部が備えられている。また、CDトレイにマークを形成しておき、画像記録装置に備えたセンサによって、そのマークを検出することで、CDトレイを画像記録装置に対して副走査方向においても位置決めを行っている。これにより、画像を記録する位置を設定し、CDのレーベル面の適切な位置に画像を記録することが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−112458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている画像記録装置において、ガイド部の製造誤差等により、記録されるべき適切な位置とはずれた状態でレーベル面に画像が記録される場合があった。また、画像記録時の装置本体の振動により、画像記録中にCDトレイと画像形成装置との位置関係にずれが生じてしまう場合もあった。このように、CDトレイと画像記録装置との位置決め精度をいかに向上させたとしても限界があり、画像記録の位置ずれをなくすことは困難であった。そのため、画像がCDのレーベル面の中心に対してずれて記録されてしまい、そのレーベル面の内周領域及び外周領域の一部に余白が発生してしまい見栄えが悪くなることがあった。また、予め余白を残すように画像をレーベル面に記録した場合であっても、余白の幅が不均一となり見栄えが悪くなることがあった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、レーベル面の中心に対してずれた画像が記録された見栄えの悪い記録ディスクのレーベル面に輪形画像を記録することにより、記録ディスクのレーベル面の見栄えを良くすることができる画像記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1に記載の画像記録装置は、記録ディスクを載置する載置部を有するトレイと、前記トレイを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記トレイの載置部に載置されている前記記録ディスクのレーベル面に画像を記録する記録部と、前記記録部を搭載して前記記録ディスクの搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、前記キャリッジに搭載され、前記トレイ及び前記記録ディスクに対し照射光を発する発光部、及び、それらから反射された反射光を受光し、前記反射光の強度に応じた値の受光出力信号を変換生成する受光部を有する検出センサと、前記検出センサの走査結果に基づいて、前記記録ディスクの中心位置を演算する中心演算部と、前記搬送部によって前記トレイを搬送し、且つ、そのトレイに載置された記録ディスクのレーベル面上を前記キャリッジに搭載された前記検出センサを複数回走査させ、前記記録ディスクのレーベル面の画像が記録されていない非記録領域を抽出する領域抽出部と、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記中心位置を基準とする前記記録ディスクの縁塗りのための輪形の輪形画像を生成する輪形画像生成部と、前記中心演算部によって演算された前記記録ディスクの中心位置を基準として、前記記録ディスクのレーベル面に前記輪形画像生成部によって生成された前記輪形画像を前記記録部によって記録させる制御部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記輪形画像生成部は、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記輪形画像の生成内容を算出する算出部を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記算出部は、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて前記輪形画像の幅を算出する輪形幅算出部と、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記中心位置からの前記輪形画像の内半径及び外半径を算出する半径算出部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記輪形画像生成部は、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像と外周領域に記録される外輪形画像との少なくとも一方を生成し、前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出することを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の画像記録装置は、請求項4に記載の画像記録装置において、前記半径算出部は、前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さとして算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さとして算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載の画像記録装置は、請求項4または5に記載の画像記録装置において、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在するか否かを判断する領域判断部を備え、前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って記録領域と非記録領域とが存在すると判断された場合は、前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出し、前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在すると判断された場合は、前記輪形幅算出部は、内周領域及び外周領域のそれぞれにおいて、最大の非記録領域の長さと最小の非記録領域の長さとの差を前記内輪形画像及び前記外輪形画像の幅として算出することを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載の画像記録装置は、請求項6に記載の画像記録装置において、前記半径算出部は、前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在すると判断された場合は、前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さと前記内周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの和として算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さと前記外周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの差として算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の画像記録装置によれば、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されていない非記録領域に基づいて、前記輪形画像の生成内容が算出され、その算出された生成内容に基づいて、前記記録ディスクに記録される輪形画像が生成される。よって、レーベル面の見栄えが悪い原因である非記録領域に基づいて、輪形画像が生成され、その輪形画像を記録ディスクのレーベル面に記録することで、レーベル面の見栄えを良くすることができる。
【0015】
請求項2に記載の画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記輪形画像の生成内容が算出されるので、その生成内容に基づいて生成された輪形画像を記録ディスクに記録することで、レーベル面の見栄えを良くすることができる。
【0016】
請求項3に記載の画像記録装置は、請求項2に記載の画像記録装置において、前記非記録領域に基づいて前記輪形画像の幅が算出され、前記非記録領域に基づいてレーベル面の中心位置からの前記輪形画像の内半径及び外半径が算出される。よって、記録ディスクに輪形画像が記録される場合に、非記録領域に基づいた適切な幅、内半径及び外半径の輪形画像が記録される。
【0017】
請求項4に記載の画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、前記輪形画像生成部は、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像と外周領域に記録される外輪形画像との少なくとも一方を生成し、前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出する。よって、非記録領域を全て塗りつぶすことができる前記内輪形画像及び前記外輪形画像を生成するので、その生成された内輪形画像及び外輪形画像を記録ディスクのレーベル面に記録することで、記録ディスクのレーベル面の見栄えを良くすることができる。
【0018】
請求項5に記載の画像記録装置は、請求項4に記載の画像記録装置において、前記半径算出部は前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さとして算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さとして算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出する。よって、記録ディスクのレーベル面の見栄えが良くなる適切な位置に記録される内輪形画像及び外輪形画像の内半径及び外半径を算出でき、その内輪形画像及び外輪形画像を記録ディスクのレーベル面に記録することで、レーベル面の見栄えを良くすることができる。
【0019】
請求項6に記載の画像記録装置は、請求項4または5に記載の画像記録装置において、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って記録領域と非記録領域とが存在する場合は、前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在する場合は、前記輪形幅算出部は、内周領域及び外周領域のそれぞれにおいて、最大の非記録領域の長さと最小の非記録領域の長さとの差を前記内輪形画像及び前記外輪形画像の幅として算出する。よって、記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域の記録領域及び非記録領域の存在状況に応じて、適切な内輪形画像及び外輪形画像の幅を算出することができるので、記録ディスクのレーベル面の見栄えを良くすることができる。
【0020】
請求項7に記載の画像記録装置は、請求項6に記載の画像記録装置において、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在する場合は、前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さと前記内周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの和として算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さと前記外周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの差として算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出する。よって、記録ディスクのレーベル面の見栄えが良くなる適切な位置に記録される内輪形画像及び外輪形画像の内半径及び外半径を算出でき、その内輪形画像及び外輪形画像を記録ディスクのレーベル面に記録することで、レーベル面の見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態における画像記録装置の外観的構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタ部の内部構造の縦断面図である。
【図3】図1に示すディスクトレイの平面図である。
【図4】画像記録装置の電気的構成を示すブロック部である。
【図5】画像記録装置のメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】画像記録装置のレーベル面読取処理を示すフローチャートである。
【図7】画像記録装置の内輪形幅設定処理を示すフローチャートである。
【図8】画像記録装置の外輪形幅設定処理を示すフローチャートである。
【図9】画像記録装置の内輪形画像生成処理を示すフローチャートである。
【図10】画像記録装置の外輪形画像生成処理を示すフローチャートである。
【図11】ディスクトレイ上に記録ディスクが載置された状態を示す平面図である。
【図12】記録ディスクのレーベル面を、光学センサを介して読み込んだ際に、内周領域及び外周領域に記録領域と非記録領域が存在する場合のレーベル画像データを概念的に示す図である。
【図13】記録ディスクのレーベル面を、光学センサを介して読み込んだ際に、内周領域及び外周領域全体に非記録領域がリング状に存在する場合のレーベル画像データを概念的に示す図である。
【図14】レーベル画像データと輪形画像とが合成された合成画像の内容を概念的に示す図である。
【図15】レーベル画像データと輪形画像とが合成された合成画像の内容を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を多機能型の画像記録装置に適用した実施形態について、添付資料を参照して以下に説明する。多機能型の画像記録装置は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等を備えており、公知なものである。
【0023】
<外観的構成>
図1は、本実施形態の画像記録装置10の外観的構成を示す斜視図である。以下の説明において、図1の画像記録装置10の手前側を前側とし、矢印左右で示す方向を左右方向(主走査方向)とし、矢印前後で示す方向を前後方向(副走査方向)とし、矢印上下で示す方向を上下方向とする。
【0024】
画像記録装置10は、記録ディスクDのレーベル面に、インクジェット方式で画像を記録可能に構成されている。記録ディスクDのレーベル面に画像を記録する場合には、図1に示すように、着脱式のディスクトレイTRに記録ディスクDが載置された状態で、そのディスクトレイTRがユーザによって、開口部13に副走査方向(前後方向)に挿入される。尚、記録ディスクDとしては、例えば、Compact Disk(以下、「CD」と称す)や、Digital Versatile Disk(以下、「DVD」と称す)や、Blu−ray Disk(以下、「BD」と称す)などが該当する。この様な記録ディスクDは、直径120mmの円形型のディスクであり、中心部には回転駆動を行うための開口穴が設けられている。このサイズが最も広く普及しているが、更に小さい直径80mmのサイズのものも流通している。尚、本実施形態では、記録ディスクDのサイズを直径120mmとして説明する。また、記録ディスクDのレーベル面とは、後述する記録ヘッド33により、画像が記録できる領域のことである。また、内周領域とは、後述する図11に示す記録ディスクDの内周縁SE1に近いレーベル面の領域とし、外周領域とは、後述する図11に示す記録ディスクDの外周縁SE2に近いレーベル面の領域とする。
【0025】
この画像記録装置10は、特に、記録ディスクDのレーベル面に、後述する輪形画像を記録することで、記録ディスクDのレーベル面の見栄えを良くすることができるものである。
【0026】
図1に示すように、画像記録装置1は、主に、下部に設けられるプリンタ部11と、上部に設けられるスキャナ部12と、正面上部に設けられる操作パネル部14とを備えている。プリンタ部11は、記録用紙Pに画像を記録するインクジェット方式のプリンタで構成されており、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用して、カラー印刷を行うものである。構成の詳細については、図2を参照して後述する。
【0027】
プリンタ部11の正面には、開口部13が形成されている。この開口部13に給紙トレイ20及び排紙トレイ21が上下2段に設けられている。給紙トレイ20は、記録用紙Pを積載するためのものである。この給紙トレイ20に積載された記録用紙Pは、プリンタ部11の内部へ給送され、所望の画像が記録された後に排紙トレイ21へ排出されるようになっている。
【0028】
スキャナ部12は、フラットベッドタイプのスキャナである。原稿カバー12aは、画像記録装置10の天板として設けられている。その原稿カバー12aの下には、図示しないプラテンガラスが配置されている。原稿を読み取る場合は、原稿は、プラテンガラス上に載置され、原稿カバー12aに覆われた状態でスキャナ部12に読み取られる。
【0029】
操作パネル部14は、プリンタ部11やスキャナ部12を操作するためのものであって、操作キー部15とLCD等の表示部16とで構成されている。操作キー部15は、数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンを備えている。表示部16は、ユーザが実行する機能を指示するための機能選択画面を表示することができる。
【0030】
ユーザは、操作キー部15の各種ボタンを操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。例えば、画像を記録する媒体の種類(記録用紙P又は記録ディスクD)及びサイズの設定や、解像度(ドラフトモード又はフォトモード)の設定を、操作パネル部14を介して指示することができる。
【0031】
<内部構成>
次に、プリンタ部11の内部構成について、図2を参照して略述する。図2は、図1に示すプリンタ部11の内部構造の縦断面図である。
【0032】
プリンタ部11には、給紙トレイ20内に積載されている記録用紙Pに当接して搬送路25へ搬送する給紙ローラ28が配置されている。その記録用紙Pを給紙ローラ28に圧接させるホッパ27が、給紙トレイ20内に設けられている。
【0033】
排紙トレイ21の上方には、排紙トレイ21上に載置されたディスクトレイTRを搬送路25へ搬送するトレイ搬送ローラ29が配置されている。トレイ搬送ローラ29の後方には、トレイ搬送ローラ29によって搬送されたディスクトレイTRを矢印A方向にさらに搬送する搬送ローラ31、32と排出ローラ38、39とが配置されている。搬送ローラ31、32と排出ローラ38、39との間には、搬送ローラ31、32によって搬送されるディスクトレイTR(又は記録用紙P)を支持するプラテン35が配置されている。
プラテン35の上方には、記録ヘッド34が配置されている。記録ヘッド34は、左右方向(主走査方向)に往復移動可能なキャリッジ33に装着されている。また、キャリッジ33には光学式の光学センサ36が搭載されている。光学センサ36は、記録媒体に向けて光を照射する発光部と、その発光部により照射された光が記録媒体に反射した反射光を検知して電気信号に変換する受光部とを備え、記録ディスクDの中心位置を算出したり、記録ディスクDのレーベル面全体を読み取ったりするための光学センサとして使用することができる。キャリッジ33は、ガイド軸41、42によって主走査方向に移動可能に支持されている。プラテン35の下方には、記録ヘッド34に供給するインクが貯留されるインクカートリッジユニットが配置されている。
【0034】
(ディスクトレイTRの構成)
ディスクトレイTRの構成について、図3を参照して説明する。図3は、記録ディスクDを載置するディスクトレイTRを示す平面図である。
【0035】
ディスクトレイTRは、樹脂材料等を成型した平板状のトレイであり、直径120mmの記録ディスクDを載置するための第1ディスク載置部としての第1の円形凹部41が上面に形成されており、第1の円形凹部41の中央部にさらに80mmの記録ディスクDを載置するための第2ディスク載置部としての第2の円形凹部42が形成されている。
【0036】
また、このディスクトレイTR上には、光学センサ36の走査によって検知されることで、記録ディスクDの中心位置を算出するための、トレイ検出マークMK1、MK2、MK3、MK4(以下、MK1〜MK4と称す)が形成されている。両位置マーク間を主走査方向走査ラインTSCN1に並行に結ぶ線分の垂直2等分線がディスクトレイTRのディスク載置部41の中心を通過するように配設されている2個のトレイ検出マークM1、M2と、副走査方向(前後方向)における光学センサ36の副走査方向走査ラインTSCN2上に位置する2個のトレイ検出マークであって、両位置マーク間を副走査方向走査ラインTSCN2に並行に結ぶ線分の垂直2等分線がディスクトレイTRのディスク載置部41の中心を通過するように配設されている2個のトレイ検出マークM3、M4とから構成されている。
【0037】
記録ディスクDの中心位置の算出方法の詳細については後述するが、このプリンタ部11では、記録ディスクDのレーベル面に画像を記録する場合、ユーザがディスク載置部41に直径120mmの記録ディスクDを載置して、そのディスクトレイTRを開口部13に挿入し、排紙トレイ21上に載置する。すると、ディスクトレイTRがトレイ搬送ローラ29により、図2に示す矢印A方向にそって搬送路25に搬送される。
【0038】
その後、搬送ローラ31、32によって、ディスクトレイTRがプラテン35と記録ヘッド34との間まで搬送されると、まず始めに、ディスクトレイTRを走査して、キャリッジ33に搭載された光学センサ36により、トレイ検出マークMK1〜MK4が、読み取られる。
【0039】
この光学センサ36による走査の結果に基づいて、記録ディスクDの中心位置を算出することができる。
【0040】
<電気的構成>
次に、図4を参照して、画像記録装置10の電気的構成について説明する。図4は、画像記録装置10の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像記録装置10は、CPU81、ROM82、RAM83、プリンタ部11、スキャナ部12、及び、操作パネル部40を主に有している。
【0041】
CPU81、ROM82、及び、RAM83は、バスライン84を介して互いに接続されている。また、プリンタ部11、スキャナ部12、操作パネル部14、及び、バスライン84は、入出力ポート(ASIC)85を介して互いに接続されている。
【0042】
CPU81は、ROM82やRAM83に記憶さている固定値やプログラムに従って、画像記録装置10が有している各機能の制御や、入出力ポート85と接続された各部を制御するものである。
【0043】
ROM82は、画像記録装置10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。例えば、図5のフローチャートに示す記録ディスクDのレーベル面に輪形画像を記録するメイン処理、図6の記録ディスクDのレーベル面を読み取るレーベル面読取処理、図7の内輪形画像の幅を設定する内輪形幅設定処理、図8の外輪形画像の幅を設定する外輪形幅設定処理、図9の内輪形画像を生成する内輪形画像生成処理、図10の外輪形画像を生成する外輪形画像生成処理を画像記録装置10に実行させるプログラムは、このROM82に格納されている。
【0044】
RAM83は、CPU81が各プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域として、また作業領域として用いられる。またRAM83には、ディスク中心位置メモリ83a、レーベル画像データメモリ83b、ディスクサイズメモリ83c、内輪形幅メモリ83d、外輪形幅メモリ83e、内半径メモリ83f、内輪形画像生成データメモリ83g、外半径メモリ83h、外輪形画像生成データメモリ83i、合成画像データメモリ83jの各記憶領域が割り当てられている。
【0045】
ディスク中心位置メモリ83aは、ディスクトレイTR上に載置された記録ディスクDの中心位置を一時的に記憶する領域である。レーベル画像データメモリ83bは、記録ディスクDのレーベル面全体の画像を一時的に記憶する領域である。ディスクサイズメモリ83cは、記録ディスクDの直径を一時的に記憶する領域である。内輪形幅メモリ83dは、記録ディスクDの内周領域に記録される内輪形画像の幅を一時的に記憶する領域である。外輪形幅メモリ83eは、記録ディスクDの外周領域に記録される外輪形画像の幅を一時的に記憶する領域である。内半径メモリ83fは、内輪形画像の半径を一時的に記憶する領域である。内輪形画像生成データメモリ83gは、内輪形幅メモリ83dに記憶されている内輪形画像の幅と、内半径メモリ83fに記憶されている内輪形画像の半径とで生成された内輪形画像を一時的に記憶する領域である。外半径メモリ83hは、外輪形画像の半径を一時的に記憶する領域である。外輪形画像生成データメモリ83iは、外輪形幅メモリ83eに記憶されている外輪形画像の幅と、外半径メモリ83hに記憶されている外輪形画像の半径とで生成された外輪形画像を一時的に記憶する領域である。合成画像データメモリ83jは、レーベル画像データメモリ83bに記憶されている記録ディスクDのレーベル面全体の画像と、内輪形画像生成データメモリ83gに記憶されている内輪形画像と、外輪形画像生成データメモリ83iに記憶されている外輪形画像とを合成した合成画像を一時的に記憶する領域である。
【0046】
入出力ポート85は、CPU81からの指令に従い、接続されているプリンタ部11等の周辺機器を制御するものである。
【0047】
プリンタ部11は、入出力ポート85からの画像記録指令信号により、記録媒体(記録用紙P又は記録ディスクD)に画像を記録する。スキャナ部12は、入出力ポート85からの読取指令信号により、原稿の画像を読み取り、読み取った画像データを入出力ポート85に出力する。操作パネル部14は、入出力ポート85からの検知指令信号により、操作パネル部14の操作キー部15の操作状態を検知し、その検知された操作データを入出力ポート85に出力する。また、操作パネル部14は、入出力ポート85からの指示命令信号により、表示部16に画像表示データを供給する。
【0048】
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の画像記録装置10の動作について、図5乃至図15を参照して説明する。ここで、図11は、ディスクトレイTR上に記録ディスクDが載置された状態を示す平面図である。図12は、光学センサ36によって読み取られて、RAM83のレーベル画像データメモリ83bに記憶されている、記録ディスクDのレーベル面の内周領域及び外周領域に記録領域KRと非記録領域HRが存在する場合のレーベル画像データRG1を概念的に示す図である。図13は、光学センサ36によって読み取られて、RAM83のレーベル画像データメモリ83bに記憶されている、記録ディスクDのレーベル面の内周領域及び外周領域に非記録領域HRがリング状存在する場合のレーベル画像データRG2を概念的に示す図である。図14は、合成画像データメモリに記憶されている、レーベル画像データR1と輪形画像とが合成された合成画像の内容を概念的に示す図である。図15は、合成画像データメモリに記憶されている、レーベル画像データR2と輪形画像とが合成された合成画像の内容を概念的に示す図である。
【0049】
(メイン処理)
まず、図5を参照して、画像記録装置10のCPU81により実行されるメイン処理について説明する。図5は、画像記録装置10のメイン処理を示すフローチャートである。
【0050】
このメイン処理は、ユーザによる操作パネル部14の操作を介して、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能等の各種機能、プリント機能が選択された場合に実行される処理である。特に、メイン処理では、レーベル面の中からずれて画像が一度記録された記録ディスクDの内周領域または外周領域に対して、輪形の輪形画像を形成することで、記録ディスクDのレーベル面の見栄えを良くするための処理を含んでいる。
【0051】
このメイン処理では、まず、レーベル再記録モードが選択されたかが判断される(ステップ1、以下ステップをSと記す)。本実施形態では、ユーザによってプリント機能が選択されると、表示部16には、レーベル再記録モード、レーベル記録モード、通常記録モード等のプリント種別を選択する要求が表示され、その中からレーベル再記録モードが選択されたかが判断される。レーベル再記録モードが選択されない場合には(S1:NO)、メイン処理は終了する。
【0052】
一方、レーベル再記録モードが選択されると(S1:YES)、まず、排紙トレイ21上に載置されているディスクトレイTRを取り込む(S2)。そして、光学センサ36がトレイ検出マークMK1〜MK4の読み取りを行う所定位置まで、ディスクトレイTRを取り込んだら、ディスクトレイTR及び光学センサ36の走査によりディスクトレイTR上のトレイ検出マークMK1〜MK4を読み取る(S3)。読み取ったトレイ検出マークMKから、記録ディスクDの中心位置Tを算出する(S4)。ステップS4は、本発明の中心演算部の一例である。
【0053】
ここで、記録ディスクDの中心位置Tを算出する過程を図3を参照して示す。まず、主走査方向走査ラインTSCN1に沿って光学センサ36によるディスクトレイTRの走査を行い、主走査方向走査ラインTSCN1上に位置するディスクトレイTRのトレイ検出マークMK1及びMK2のX座標(主走査方向座標)TX1、TX2を検出し、且つ、トレイ検出マークMK1とトレイ検出マークMK2とを結ぶ線分の中点のX座標TX=(TX1+TX2)/2を算出する。
【0054】
また、主走査方向走査ラインTSCN1に直交する副走査方向走査ラインTSCN2に沿っても同様に光学センサ36によるディスクトレイTRの走査を行い、副走査方向走査ラインTSCN2上に位置するディスクトレイTRのトレイ検出マークMK3及びMK4のY座標(主走査方向座標)TY1、TY2を検出し、且つ、トレイ検出マークMK3とトレイ検出マークMK4とを結ぶ線分の中点のX座標TY=(TY1+TY2)/2を算出する。
【0055】
主走査方向走査ラインTSCN1上におけるトレイ検出マークMK1とトレイ検出マークMK2とを結ぶ線分の垂直二等分線と、副走査方向走査ラインTSCN2上におけるトレイ検出マークMK3とトレイ検出マークMK4とを結ぶ線分の垂直二等分線との交点座標を特定すると、その交点がディスクトレイTRのディスク載置部41の中心ということになる。
【0056】
このディスク載置部41の中心位置の座標は、トレイ検出マークMK1とトレイ検出マークMK2とを結ぶ線分の中点のX座標TX=(TX1+TX2)/2と、トレイ検出マークMK3とトレイ検出マークMK4とを結ぶ線分の中点のY座標TY=(TY1+TY2)/2とを組み合わせたものである。
【0057】
従って、上述のように、主走査方向走査ラインTSCN1上に位置するディスクトレイTRのトレイ検出マークMK1及びMK2のX座標TX1、TX2、並びに、副走査方向走査ラインTSCN2上に位置するディスクトレイTRのトレイ検出マークMK3及びMK4のY座標TY1、TY2を検出することにより、ディスク載置部41の中心位置の座標を算出することができる。
【0058】
そして、ディスク載置部41の中心位置の座標を記録ディスクDの中心位置の座標とみなして、記録ディスクDの中心Tとして決定する。決定した記録ディスクDの中心位置Tの座標は、レーベル面を記録する際の位置制御の基準として使用する。その決定された記録ディスクDの中心位置がディスク中心位置メモリ83aに記憶される(S5)。
【0059】
尚、主走査方向走査ラインTSCN1の走査と副走査方向走査ラインTSCN2の走査は、いずれを先に行ってもよく、順不同である。主走査方向走査ラインTSCN1に沿った光学センサ36による走査は、ディスクトレイTRを停止させた状態で、光学センサ36が搭載されているキャリッジ33を主走査方向に駆動することによって行う。また、副走査方向走査ラインTSCN2に沿った光学センサ36による走査は、光学センサ36が搭載されているキャリッジ33をトレイ検出マークMK1とトレイ検出マークMK2とを結ぶ線分の中点位置に停止させ、トレイ搬送ローラ29、搬送ローラ31、32及び排出ローラ38、39によって、ディスクトレイTRを副走査方向(図2でA方向)に移動させることにより行う。
【0060】
記録ディスクDの中心位置Tを算出する形態においては、上述したものに限らず、ディスク載置部41の中心位置を、光学センサ36の走査により検出可能なものであればよい。例えば、光学センサ36によって、ディスク載置部41に載置された記録ディスクDを直接走査することにより、ディスク載置部41の中心位置を算出するようにしてもよい。
【0061】
記録ディスクDのレーベル面の画像が記録されている記録領域と画像が記録されていない非記録領域とを抽出するために、図6に示すとおりレーベル面全体を読み取るレーベル面読取処理が実行される(S6)。レーベル面読取処理の詳細については、後述する。
【0062】
ステップS6の読み取り結果から抽出された非記録領域に基づいて、図7に示すとおり記録ディスクDのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像の幅を設定する内輪形幅設定処理が実行される(S7)。内輪形幅設定処理の詳細については、後述する。内輪形幅設定処理は、本発明の輪形幅算出部の一例である。
【0063】
ステップS6の読み取り結果から抽出された非記録領域に基づいて、図8に示すとおり記録ディスクDのレーベル面の外周領域に記録される外輪形画像の幅を設定する外輪形幅設定処理が実行される(S8)。外輪形幅設定処理の詳細については、後述する。外輪形幅設定処理は、本発明の輪形幅算出部の一例である。
【0064】
次に、図9に示すとおり、記録ディスクDのレーベル面に記録される内輪形画像を生成する内輪形画像生成処理が実行される(S9)。内輪形画像生成処理については、後述する。内輪形画像生成処理は、本発明の輪形画像生成処理の一例である。
【0065】
次に、図10に示すとおり、記録ディスクDのレーベル面に記録される外輪形画像を生成する図10に示す外輪形画像生成処理が実行される(S10)。外輪形画像生成処理については、後述する。外輪形画像生成処理は、本発明の輪形画像生成処理の一例である。
【0066】
こうして、ステップS6で読み取った記録ディスクDのレーベル面全体の画像と、ステップS7〜S10で設定された設定内容に基づいて生成された内輪形画像と外輪形画像とを合成した合成画像が作成される(S11)。図14及び図15に示すような合成画像が合成画像データメモリ83jに記憶される(S12)。
【0067】
次に、合成画像データメモリ83jに記録されている合成画像が表示部16に表示される(S13)。ユーザが操作パネル部15を介して「記録OK」を入力したが否かが判断される(S14)。「記録OK」の入力がない場合には(S14:NO)、ステップS7からの処理が繰り返され、「記録OK」の入力があった場合には(S14:YES)、ディスク中心位置メモリ83aに記憶されている記録ディスクDの中心位置Tを基準として、記録ディスクDのレーベル面に黒色の内輪形画像と外輪形画像とが記録される(S15)。
【0068】
画像記録が開始されると、記録ヘッド34から記録ディスクDのレーベル面に向かってインクが吐出されつつ、キャリッジ33が主走査方向(左右方向)に移動される。これにより、記録ディスクDのレーベル面における主走査方向(左右方向)に、1ライン分の画像が記録される。そして、この搬送ローラ31、32によるディスクトレイTRの搬送と、インクの吐出とが繰り返されて、記録ディスクDのレーベル面全体に画像が記録される。尚、ディスクトレイTRが排出ローラ38、39まで到達すると、ディスクトレイTRは、搬送ローラ31、32及び排出ローラ38、39の各ローラによって搬送される。
【0069】
記録ディスクDのレーベル面全体に画像が記録されると、排出ローラ38、39、搬送ローラ31、32及びトレイ搬送ローラ29がそれぞれ逆転駆動され、ディスクトレイTRが搬送路25を矢印B方向に搬送され、排紙トレイ21上に排出される(S16)。そして、メイン処理が終了する。
【0070】
(レーベル面読取処理)
画像記録装置10のレーベル面読取処理の詳細について、図6を参照して説明する。図6は、ステップS6にて実行されるレーベル面読取処理の詳細を示すフローチャートである。
【0071】
このレーベル面抽出処理では、まず、ディスクトレイTRを副走査方向に搬送し、且つ、キャリッジ33を主走査方向に所定範囲にわたって複数回往復移動させる(S21)。キャリッジ33に搭載された光学センサ36により、レーベル面全体が読み取られる(S22)。
【0072】
ここで、ステップS22において行われるレーベル面の読み取り方法について詳述する。光学センサ36の発光部から出射された照射された照射光は、記録ディスクDにより反射され、その反射光の拡散反射成分が受光部に到達する。受光部は、検出した反射光の強度に応じた電気信号を発生し、出力信号として出力する。
【0073】
例えば、図11に示す記録ディスクDがディスクトレイTR上のディスク載置部41に載置された場合に、ディスクトレイTRを副走査方向に搬送し、且つ、キャリッジ33を主走査方向に所定範囲にわたって複数回往復移動させていくと、光学センサ36が記録ディスクD周囲のディスクトレイTRの表面を走査している間は、出力信号がV1として出力される。光学センサ36の走査が記録ディスクDのレーベル面の位置まで移行すると、記録ディスクDのレーベル面からの反射光の強度はディスクトレイTRからの反射光の強度と異なる。すなわち、記録ディスクDのレーベル面の画像が記録されていない非記録領域HRでは、出力信号がV2として出力される。また、記録ディスクDのレーベル面の画像が記録されている記録領域KRにおいては、ディスクトレイTR及び非記録領域HRとは異なった出力信号V3が出力される。
【0074】
この異なる出力信号V1〜V3により、各領域が区別でき、記録ディスクDのレーベル面を読み取ることができる。尚、記録領域KRに記録されている画像が様々な色により記載されている場合があるが、ディスクトレイTR及び非記録領域HRの強度は常に一定であるため領域を区別できる。よって、出力信号V1、V2以外の出力信号V3、V4・・・が記録領域KRと判断できる。
【0075】
読み取った記録ディスクDのレーベル面をレーベル画像データとしてレーベル画像データメモリ83bに記憶する(S23)。レーベル面全体の読み取りにより、記録ディスクDのサイズが検知され、記録ディスクDのサイズがディスクサイズメモリ83cに記憶される(S24)。こうして、記録ディスクDのレーベル面全体が読み取られ、レーベル面読取処理が終了する。
【0076】
(内輪形幅設定処理)
画像記録装置10の内輪形幅設定処理の詳細について、図7を参照して説明する。図7は、ステップS7にて実行される内輪形幅設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0077】
この内輪形幅設定処理では、まず、ユーザによって自動幅設定が選択されるか否かが判断される(S31)。自動幅設定が選択されると(S31:YES)、レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データから、レーベル面の画像が記憶されていない非記録領域のみが記録ディスクDのレーベル面の内周領域に沿って存在するかが判断される(S32)。レーベル面の内周領域に沿って記録領域と非記録領域とが存在すると判断されると(S32:NO)、記録ディスクDのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像の輪形幅が、非記録領域の最大の長さに設定される(S33)。
【0078】
ここで、図12を参照して、内輪形画像の輪形幅が非記録領域の最大の長さに設定される場合について説明する。例えば、レーベル画像データメモリ83bに、図12に示すレーベル画像データRG1が記憶されている場合に、レーベル面の中心位置Tを原点として座標をとると、まず、レーベル面の中心位置Tからレーベル面の外周までの直線中におけるレーベル面の内周上の点Mと画像が記録されている記録領域KRの内周上の点Nとを結ぶ直線M−N線(M1−N1線、M2−N2線、M3−N3線等)が抽出される。このM−N線が抽出されれば非記録領域HR1が存在することが分かり、そのM−N線の長さが非記録領域HR1の幅として認識される。そして、抽出されたM−N線がレーベル面の内周領域全てに沿ってリング状に存在するか否かが判断される。このレーベル画像データRG1は、レーベル面の内周領域において、点Mと点Nとが重なる領域がありM−N線が抽出されない箇所がある。このとき、ステップ32において、レーベル面の内周領域に沿って記録領域KRと非記録領域HR1とが存在すると判断される(S32:NO)。このような場合にレーベル面の見栄えを良くする為には、非記録領域HR1を全て無くすように内輪形画像を記録すればよい。よって、抽出されたM−N線の中で長さが最大の直線がM1−N1線だとすると、非記録領域HR1の最大の幅がM1−N1線の長さとなる。非記録領域HR1の最大の幅をL1と定義すると、内輪形画像の輪形幅はL1に設定される。尚、抽出されるM−N線は上述した3線以外にも抽出されており、抽出される間隔は内周上において点Mが5mm間隔となるようにM−N線が抽出される。
【0079】
ステップS33によって設定された内輪形画像の輪形幅が内輪形幅メモリ83dに記憶され(S34)、内輪形幅設定処理が終了する。
【0080】
レーベル面の内周領域全てに沿って非記録領域が存在すると判断されると(S32:YES)、記録ディスクDのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像の輪形幅が、非記録領域の最大の長さと最小の長さとの差として設定される(S35)。
【0081】
ここで、図13を参照して、内輪形画像の輪形幅が非記録領域の最大の長さと最小の長さとの差に設定される場合について説明する。例えば、レーベル画像データメモリ83bに、図13に示すレーベル画像データRG2が記憶されている場合に、レーベル面の中心位置Tを原点として座標をとると、まず、レーベル面の中心位置Tからレーベル面の外周までの直線中におけるレーベル面の内周上の点Mと画像が記録されている記録領域KRの内周上の点Nとを結ぶ直線M−N線(M4−N4線、M5−N5線、M6−N6線等)が抽出される。このM−N線が抽出されれば非記録領域HR1が存在することが分かり、そのM−N線の長さが非記録領域HR1の幅として認識される。そして、抽出されたM−N線のみがレーベル面の内周領域全てに沿ってリング状に存在するか否かが判断される。このレーベル画像データRG2は、レーベル面の内周領域全てに沿ってM−N線が抽出される。このとき、ステップ32において、レーベル面の内周領域に沿って非記録領域HR1のみが存在すると判断されると(S32:YES)。このような場合にレーベル面の見栄えを良くする為には、非記録領域HR1の最大の幅を最小の幅と同じになるように内輪形画像を記録してあげればよい。よって、抽出されたM−N線の中で、長さが最大の直線がM4−N4線、最小の直線がM5−N5線だとすると、非記録領域HR1の最大の幅がM4−N4線の長さ、非記録領域HR1の最小の幅がM5−N5線の長さとなる。非記録領域HR1の最大の幅をL3、最小の幅をL4と定義すると、内輪形画像の輪形幅は(L3−L4)に設定される。尚、抽出されるM−N線は上述した3線以外にも抽出されており、抽出される間隔は内周上において点Mが5mm間隔となるようにM−N線が抽出される。
【0082】
ステップS35によって設定された内輪形画像の輪形幅が内輪形幅メモリ83dに記憶され(S34)、内輪形幅設定処理が終了する。
ステップS31において、ユーザによって自動幅設定が選択されなければ(S31:NO)、ユーザが操作パネル部14を介して内輪形画像の輪形幅を設定する(S37)。このときユーザは、内輪形画像の輪形幅の大小を調節できる。設定された内輪形画像の輪形幅が内輪形幅メモリ83dに記憶され(S34)、内輪形幅設定処理が終了する。
【0083】
(外輪形幅設定処理)
画像記録装置10の外輪形幅設定処理の詳細について、図8を参照して説明する。図8は、ステップS8にて実行される外輪形幅設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【0084】
この外輪形幅設定処理では、まず、ユーザによって自動幅設定が選択されるか否かが判断される(S41)。自動幅設定が選択されると(S41:YES)、レーベル画像データメモリ83bに記憶されているレーベル画像データから、レーベル面の画像が記録されていない非記録領域が記録ディスクDのレーベル面の外周領域に沿って存在するかが判断される(S42)。レーベル面の外周領域に沿って記録領域と非記録領域とが存在すると判断されると(S42:NO)、記録ディスクDのレーベル面の外周領域に記録される外輪形画像の輪形幅が、非記録領域の最大の長さに設定される(S43)。
【0085】
ここで、図12を参照して、外輪形画像の輪形幅が非記録領域の最大の長さに設定される場合について説明する。例えば、レーベル画像データメモリ83bに、図12に示すレーベル画像データRG1が記憶されている場合に、レーベル面の中心位置Tを原点として座標をとると、まず、レーベル面の中心位置Tからレーベル面の外周までの直線中におけるレーベル面の外周上の点Oと画像が記録されている記録領域KRの外周上の点Pとを結ぶ直線O−P線(O1−P1線、O2−P2線、O3−P3線等)が抽出される。このO−P線が抽出されれば非記録領域HR2が存在することが分かり、そのO−P線の長さが非記録領域HR2の幅として認識される。そして、抽出されたO−P線のみがレーベル面の外周領域全てに沿ってリング状に存在するか否かが判断される。このレーベル画像データRG2は、レーベル面の外周領域において、点Oと点Pとが重なる領域がありO−P線が抽出されない箇所がある。このとき、ステップ42において、レーベル面の外周領域に沿って記録領域KRと非記録領域HR2とが存在すると判断される(S42:NO)。このような場合にレーベル面の見栄えを良くする為には、非記録領域HR2を全て無くすように外輪形画像を記録してあげればよい。よって、抽出されたO−P線の中で長さが最大の直線がO1−P1線だとすると、非記録領域HR2の最大の幅がO1−P1線の長さとなる。非記録領域HR2の最大の幅をL2と定義すると、外輪形画像の輪形幅はL2に設定される。尚、抽出されるO−P線は上述した3線以外にも抽出されており、抽出される間隔は外周上において点Oが5mm間隔となるようにO−P線が抽出される。
【0086】
ステップS43によって設定された外輪形画像の輪形幅が外輪形幅メモリ83eに記憶され(S44)、外輪形幅設定処理が終了する。
【0087】
レーベル面の外周領域全てに沿って非記録領域がリング状に存在すると判断されると(S42:YES)、記録ディスクDのレーベル面の外周領域に記録される外輪形画像の輪形幅が、非記録領域の最大の長さと最小の長さとの差に設定される(S45)。
【0088】
ここで、図13を参照して、外輪形画像の輪形幅が非記録領域の最大の長さと最小の長さとの差に設定される場合について説明する。例えば、レーベル画像データメモリ83bに、図13に示すレーベル画像データRG2が記憶されている場合に、レーベル面の中心位置Tを原点として座標をとると、まず、レーベル面の中心位置Tからレーベル面の外周までの直線中におけるレーベル面の外周上の点Oと画像が記録されている記録領域KRの内周上の点Pとを結ぶ直線O−P線(O4−P4線、O5−P5線、O6−P6線等)が抽出される。このO−P線が抽出されれば非記録領域HR2が存在することが分かり、そのO−P線の長さが非記録領域HR2の幅として認識される。そして、抽出されたO−P線のみがレーベル面の外周領域全てに沿ってリング状に存在するか否かが判断される。このレーベル画像データRG2は、レーベル面の外周領域に沿ってO−P線が抽出される。このとき、ステップ42において、レーベル面の外周領域に沿って非記録領域HR2のみが存在すると判断されると(S42:YES)。このような場合にレーベル面の見栄えを良くする為には、非記録領域HR2の最大の幅を最小の幅と同じになるように内輪形画像を記録してあげればよい。よって、抽出されたO−P線の中で、長さが最大の直線がO4−P4線、最小の直線がO5−P5線だとすると、非記録領域HR2の最大の幅がO4−P4線の長さ、非記録領域HR2の最小の幅がO5−P5線の長さとなる。非記録領域HR2の最大の幅をL5、最小の幅をL6と定義すると、外輪形画像の輪形幅は(L3−L6)に設定される。尚、抽出されるO−P線は上述した3線以外にも抽出されており、抽出される間隔は外周上において点Oが5mm間隔となるようにO−P線が抽出される。
【0089】
ステップS45によって設定された外輪形画像の輪形幅が外輪形幅メモリ83eに記憶され(S44)、外輪形幅設定処理が終了する。
ステップS41において、ユーザによって自動幅設定が選択されなければ(S41:NO)、ユーザが操作パネル部14を介して外輪形画像の輪形幅を設定する(S47)。このときユーザは、内輪形画像の輪形幅の大小を調節できる。設定された外輪形画像の輪形幅が外輪形幅メモリ83eに記憶され(S44)、外輪形幅設定処理が終了する。
【0090】
(内輪形画像生成処理)
画像記録装置10の内輪形画像生成処理の詳細について、図9を参照して説明する。図9は、ステップS9にて実行される内輪形画像生成処理の詳細を示すフローチャートである。尚、ここでは、ステップS31において自動幅設定が選択された(S31:YES)として、生成される内輪形画像について説明する。
【0091】
この内輪形画像生成処理では、まず、内輪形画像の半径が設定される(S51)。例えば、図12に示すような記録ディスクDのレーベル面の場合は、非記録領域HR1が全て無くなるように内輪形画像を記録するので、内輪形画像の半径は非記録領域HR1の最大の長さL1に基づいて決定する。つまり、記録ディスクDの中心Tから記録ディスクDの内周縁SE1までの距離がR1とすると、内輪形画像の半径は(R1+L1)と設定される。また、図13に示すような記録ディスクDのレーベル面の場合は、非記録領域HR1の最大の長さL3が最小の長さL4と同じになるように内輪形画像を記録するので、内輪形画像の半径は非記録領域HR1の最大の長さL3に基づいて決定する。つまり、記録ディスクDの中心Tから内周縁SE1までの距離がR1であるので、内輪形画像の半径は(R1+L3)と設定される。ステップS51は、本発明の半径算出部の一例である。
【0092】
このようにして設定された内輪形画像の半径を内半径メモリ83fに記憶する(S52)。
【0093】
内輪形幅メモリdに記憶されている内輪形画像の輪形幅と内半径メモリ83fに記憶されている内輪形画像の半径とに基づいて内輪形画像を生成する(S53)。生成される内輪形画像は、半径が内半径メモリ83fに記憶されている半径で、その半径から中心方向(内側)に幅が内輪形幅メモリdに記憶されている輪形幅の大きさの内輪形画像である。例えば、図12の記録ディスクDでは、中心Tからの半径が(R1+L1)で、その半径から中心方向に幅がL1の大きさの内輪形画像が生成される。この記録ディスクDに生成された内輪形画像を記録すると、図14に示すような、中心Tからの距離で内径R1、外径(R1+L1)、幅L1の輪形の内輪形画像WG1が記録される。また、図13の記録ディスクDでは、中心Tからの半径が(R1+L3)で、その半径から中心方向に幅が(L3−L4)の大きさの内輪形画像が生成される。この記録ディスクDに生成された内輪形画像を記録すると、図15に示すような、内径(R1+L4)、外径(R1+L3)、幅(L3−L4)の輪形の内輪形画像WG3が記録される。
【0094】
生成された内輪形画像を内輪形画像生成データメモリ83gに記憶され(S54)、内輪形画像生成処理が終了する。
【0095】
(外輪形画像生成処理)
画像記録装置10の外輪形画像生成処理の詳細について、図10を参照して説明する。図10は、ステップS10にて実行される外輪形画像生成処理の詳細を示すフローチャートである。尚、ここでは、ステップS41において自動幅設定が選択された(S41:YES)として、生成される外輪形画像について説明する。
【0096】
この外輪形画像生成処理では、まず、外輪形画像の半径が設定される(S61)。例えば、図12に示すような記録ディスクDのレーベル面の場合は、非記録領域HR2が全て無くなるように外輪形画像を記録するので、外輪形画像の半径は記録ディスクDの半径に基づいて決定する。つまり、記録ディスクDの中心Tから記録ディスクDの外周縁SE2までの距離がR2とすると、この場合の外輪形画像の半径はR2と設定される。また、図13に示すような記録ディスクDのレーベル面の場合は、非記録領域HR2の最大の長さL5が最小の長さL6と同じになるように外輪形画像を記録するので、外輪形画像の半径は非記録領域HR1の最小の長さL6に基づいて決定する。つまり、記録ディスクDの中心Tから外周縁SE2までの距離がR2であるので、この場合の外輪形画像の半径は(R2−L6)と設定される。ステップS61は、本発明の半径算出部の一例である。
【0097】
このようにして設定された外輪形画像の半径を外半径メモリ83hに記憶する(S62)。
【0098】
外輪形幅メモリeに記憶されている外輪形画像の輪形幅と外半径メモリ83hに記憶されている外輪形画像の半径とに基づいて外輪形画像を生成する(S63)。生成される外輪形画像は、半径が外半径メモリ83hに記憶されている半径で、その半径から中心方向(内側)に幅が外輪形幅メモリeに記憶されている輪形幅の大きさの外輪形画像である。例えば、図12の記録ディスクDでは、中心Tからの半径がR2で、その半径から中心方向に幅がL2の大きさの内輪形画像が生成される。この記録ディスクDに生成された内輪形画像を記録すると、図14に示すような、内径(R1−L2)、外径R2、幅L2の輪形の外輪形画像WG2が記録される。また、図13の記録ディスクDでは、中心Tからの半径が(R2−L6)で、その半径から中心方向に幅が(L5−L6)の大きさの外輪形画像が生成される。この記録ディスクDに生成された外輪形画像を記録すると、図15に示すような、内径(R2−L5)、外径(R2−L6)、幅(L5−L6)の輪形の外輪形画像WG4が記録される。
【0099】
生成された外輪形画像を外輪形画像生成データメモリ83iに記憶され(S64)、外輪形画像生成処理が終了する。
【0100】
本実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0101】
例えば、本実施形態では、図13に示すような記録ディスクのレーベル面だった場合に、内周領域及び外周領域に非記録領域HR1及びHR2を残すように内輪形画像及び外輪形画像を生成したが、非記録領域HR1及びHR2を全て塗りつぶすように内輪形画像及び外輪形画像を生成してもよい。
【0102】
例えば、本実施形態では、記録ディスクDのレーベル面に記録される内輪形画像及び外輪形画像を黒色としたが、これに限定されない。例えば、ユーザが内輪形画像及び外輪形画像の色を設定できるようにし、青色や赤色等の黒以外の色を記録できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0103】
10 画像記録装置
11 プリンタ部
12 スキャナ部
14 操作パネル部
29 トレイ搬送ローラ
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
36 光学センサ
81 CPU
TR ディスクトレイ
D 記録ディスク
MK トレイ検出マーク
KR 記録領域
HR 非記録領域
WG 輪形画像
S9 内輪形画像生成処理
S10 外輪形画像生成処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスクを載置する載置部を有するトレイと、
前記トレイを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記トレイの載置部に載置されている前記記録ディスクのレーベル面に画像を記録する記録部と、
前記記録部を搭載して前記記録ディスクの搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジに搭載され、前記トレイ及び前記記録ディスクに対し照射光を発する発光部、及び、それらから反射された反射光を受光し、前記反射光の強度に応じた値の受光出力信号を変換生成する受光部を有する検出センサと、
前記検出センサの走査結果に基づいて、前記記録ディスクの中心位置を演算する中心演算部と、
前記搬送部によって前記トレイを搬送し、且つ、そのトレイに載置された記録ディスクのレーベル面上を前記キャリッジに搭載された前記検出センサを複数回走査させ、前記記録ディスクのレーベル面の画像が記録されていない非記録領域を抽出する領域抽出部と、
前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記中心位置を基準とする前記記録ディスクの縁塗りのための輪形の輪形画像を生成する輪形画像生成部と、
前記中心演算部によって演算された前記記録ディスクの中心位置を基準として、前記記録ディスクのレーベル面に前記輪形画像生成部によって生成された前記輪形画像を前記記録部によって記録させる制御部と、
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記輪形画像生成部は、前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記輪形画像の生成内容を算出する算出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて前記輪形画像の幅を算出する輪形幅算出部と、
前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、前記中心位置からの前記輪形画像の内半径及び外半径を算出する半径算出部と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記輪形画像生成部は、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域に記録される内輪形画像と外周領域に記録される外輪形画像との少なくとも一方を生成し、
前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記半径算出部は、
前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さとして算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、
前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さとして算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出することを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記領域抽出部によって抽出された非記録領域に基づいて、記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在するか否かを判断する領域判断部を備え、
前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って記録領域と非記録領域とが存在すると判断された場合は、
前記輪形幅算出部は、前記記録ディスクの内周縁から中心方向とは反対方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記内輪形画像の幅として算出し、前記記録ディスクの外周縁から中心方向において、記録ディスクのレーベル面の画像が記録されている記録領域に達するまでに存在する前記非記録領域の最大の長さを、前記外輪形画像の幅として算出し、
前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在すると判断された場合は、
前記輪形幅算出部は、内周領域及び外周領域のそれぞれにおいて、最大の非記録領域の長さと最小の非記録領域の長さとの差を前記内輪形画像及び前記外輪形画像の幅として算出することを特徴とする請求項4または5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記半径算出部は、
前記領域判断部によって、前記記録ディスクのレーベル面の内周領域または外周領域に沿って非記録領域のみが存在すると判断された場合は、
前記内輪形画像の内半径を、前記記録ディスクの中心位置から内周縁までの長さと前記内周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの和として算出し、前記内輪形画像の外半径を、前記内半径の長さと前記内輪形画像の幅との和として算出し、
前記外輪形画像の外半径を、前記記録ディスクの中心位置から外周縁までの長さと前記外周領域に存在する前記最小の非記録領域の長さとの差として算出し、前記外輪形画像の内半径を、前記外半径の長さと前記外輪形画像の幅との差として算出することを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−221453(P2010−221453A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69559(P2009−69559)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】