説明

画像記録装置

【課題】ローラ間を連結するベルトが緩んだ状態でローラが駆動されることのない画像記録装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体を載置可能なメディアトレイ71を搬送路65へ進入可能に支持する第1姿勢、及び第1姿勢から退避された第2姿勢に姿勢変化可能なトレイガイド72と、トレイガイド72を第1姿勢側へ付勢するコイルバネ82と、メディアトレイ71を搬送路65に沿って搬送可能なローラ60、62、45と、各ローラ60、62、45を連結するベルト123、125と、前後方向に移動可能な可動部材130とを備えている。ローラ62、45は、可動部材130の前向きへの移動により、下方へ案内される。可動部材130はトレイガイド72と連結されており、トレイガイド72の第2姿勢から第1姿勢の姿勢変化に連動して、前向きに移動する。コイルバネ82の付勢力は、可動部材130の前向きへの移動に要する力よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラの回転によって被記録媒体を搬送する画像記録装置に関し、特に、各ローラに設けられたプーリがベルトで連結された画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラの回転によって被記録媒体を搬送する画像記録装置が知られている。画像記録装置は、記録用紙などのシート状の被記録媒体を搬送路に沿って搬送するローラ対、及びシート状の被記録媒体に画像を記録する記録部などを備えている。シート状の被記録媒体は、ローラ対に挟持されながら搬送路を搬送される。シート状の被記録媒体は、記録部を通過する際に所定の画像が記録される。ここで、ローラ対は、シート状の被記録媒体を挟持して搬送するために、相互に当接されている。
【0003】
また、画像記録装置の搬送路はある程度の長さを有している。そのため、搬送路には、複数のローラ対が設けられていることが多い。また、画像記録装置には、各ローラ対を構成する少なくとも一方のローラに当該ローラと一体に回転するプーリが設けられ、これらのプーリ間にベルトが架け渡された構成を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、一のローラから他のローラにベルトを介して駆動力が伝達される。よって、1個の駆動源によって複数のローラを駆動させることが可能となる。
【0004】
また、上述した画像記録装置において画像記録が行われる被記録媒体には、記録用紙などの他、CDやDVDなどの剛性の高い被記録媒体も提案されている。剛性の高い被記録媒体に画像記録が行われる際、当該被記録媒体は厚みのあるトレイにセットされる。トレイは画像記録装置に設けられたトレイガイドに支持されながら挿入口から挿入される。そして、当該トレイは搬送路を搬送される。
【0005】
ここで、トレイが搬送路を搬送されるためには、トレイはローラ対によって挟持される必要がある。よって、ローラ対は、相互に当接されてシート状の被記録媒体を挟持可能な状態から、相互に離間されてトレイを挟持可能な状態に姿勢変化される必要がある。例えば、特許文献2に開示されている記録装置は、トレイガイドの動作に連係して、従動ローラを駆動ローラから離間させるレリース装置を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−123381号公報
【特許文献2】特開2005−104136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、各ローラに設けられたプーリがベルトで連結された画像記録装置(特許文献1に開示された画像記録装置)に、トレイガイドの動作に連係してローラ対を構成するローラが相互に離間する機構(特許文献2に開示された記録装置のレリース装置)が適用された場合、以下のような問題が生じてしまう。
【0008】
上述したように、搬送路には、複数のローラ対が設けられていることが多い。そして、複数のローラ対を構成する複数のローラが複数のベルトで連結されている場合、当該複数のベルトの張力を維持しつつ、当該複数のローラを移動させることは困難である。例えば、3つのローラ(第1ローラ、第2ローラ、及び第3ローラ)のうち、第1ローラ及び第2ローラが第1ベルトで連結され、第2ローラ及び第3ローラが第2ベルトで連結されている場合、第1ベルト及び第2ベルトの双方の張力を維持しつつ、第1ローラ、第2ローラ、及び第3ローラを移動させることは困難である。
【0009】
よって、トレイガイドが動作されることによって複数のローラが移動される場合において、トレイガイドが途中で停止された場合、ローラ間を連結しているベルトの張力が減少しており、ベルトが緩んでいるおそれがある。そして、ベルトが緩んだ状態で、ローラが駆動を開始すると、ローラ間の駆動力の伝達が適正に行われず、被記録媒体の搬送力が不安定になるおそれがある。また、ベルトがプーリから外れてしまうおそれもある。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ローラがベルトで連結されている場合に、ベルトが緩んだ状態でローラが駆動されることのない画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 本発明の画像記録装置は、記録部によって画像が記録される第1被記録媒体を載置可能なトレイと、シート状の第2被記録媒体または上記トレイが搬送される搬送路と、上記トレイを上記搬送路へ進入可能に支持する第1姿勢、及び上記第2被記録媒体が上記搬送路において搬送可能であって、上記搬送路と交差する方向において上記第1姿勢と異なる位置である第2姿勢に姿勢変化可能なトレイガイドと、上記トレイガイドが上記第1姿勢及び上記第2姿勢の間の状態において、上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する付勢部材と、駆動源からの駆動伝達によって回転する第1プーリと、上記搬送路において上記第1プーリよりも上記トレイの進入向きの上流側に設けられた第1ローラと、上記第1ローラと同軸に設けられており、上記第1ローラと一体に回転する第2プーリと、上記第1プーリ及び上記第2プーリに架け渡されており、上記第1プーリ及び上記第2プーリ間で周運動可能な第1ベルトと、上記搬送路において上記第1ローラよりも上記トレイの進入向きの上流側に設けられた第2ローラと、上記第2ローラと同軸に設けられており、上記第2ローラと一体に回転する第3プーリと、上記第2プーリにおいて上記第1ベルトが架けられている位置と軸方向に異なる位置で上記第2プーリに巻回されるとともに、上記第3プーリに巻回されることによって、上記第2プーリ及び上記第3プーリに架け渡されており、上記第2プーリ及び上記第3プーリ間で周運動可能な第2ベルトと、第1位置及び第2位置の間で移動可能に設けられており、上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ローラと当接して上記第1ローラを下方へ案内する第1ガイド面、及び上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第2ローラと当接して上記第2ローラを下方へ案内する第2ガイド面が形成された可動部材と、を備えている。上記可動部材は、上記トレイガイドの上記第2姿勢から上記第1姿勢への姿勢変化に連動して上記第1位置から上記第2位置へ移動するように、上記トレイガイドに連結されている。上記付勢部材が上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する付勢力は、上記可動部材が上記第1ローラ及び第2ローラを下方へ案内しつつ移動するために必要な力よりも大きい。
【0012】
第2姿勢のトレイガイドが操作されると、トレイガイドが第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化する。これにより、トレイガイドに連結されている可動部材は、第1位置から第2位置へ移動する。当該移動の過程において、第1ローラ及び第2ローラがガイド面によって下方に案内される。そして、当該移動の過程において、第1ベルトまたは第2ベルトの張力が減少し、ベルトが緩んだ状態となるおそれがある。
【0013】
本構成においては、トレイガイドは、第1姿勢及び第2姿勢の間の状態において、付勢部材によって第1姿勢側に付勢されている。これにより、トレイガイドは、第2姿勢から第1姿勢へ停止することなく姿勢変化する。ここで、付勢部材がトレイガイドを第1姿勢側に付勢する付勢力は、可動部材が第1ローラ及び第2ローラを下方へ案内しつつ移動するために必要な力よりも大きい。よって、トレイガイドの姿勢変化によって、トレイガイドに連結された可動部材も、第1位置から第2位置へ停止することなく移動する。これにより、可動部材は、第1ベルトまたは第2ベルトの張力が減少している状態で停止することなく、第1位置から第2位置までの移動を完了できる。
【0014】
(2) 上記第2ガイド面は、上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ガイド面による上記第1ローラの案内前または案内後に上記第2ローラと当接して上記第2ローラを下方へ案内する。
【0015】
本構成においては、可動部材の移動過程において、第1ローラまたは第2ローラの一方がガイド面によって下方に案内され、次に第1ローラまたは第2ローラの他方がガイド面によって下方に案内される。第1ローラまたは第2ローラの一方が下方に案内され、他方が下方に案内されていない状態では、第1ベルトまたは第2ベルトの張力が減少し、ベルトが緩んだ状態となるおそれがある。しかし、本構成によれば、上記の(1)と同様に、可動部材は、第1ベルトまたは第2ベルトの張力が減少している状態で停止することなく、第1位置から第2位置までの移動を完了できる。
【0016】
また、本構成においては、可動部材は、第1ローラ及び第2ローラを、一つずつ下方に案内する。よって、可動部材の移動において、可動部材には、同時に2つのローラによる負荷がかからない。換言すると、移動において可動部材にかかる負荷を、1つのローラによる負荷に抑えることができる。つまり、移動において可動部材にかかる最大負荷を少なくすることができる。
【0017】
(3) 本発明の画像記録装置は、上記トレイガイドを、上記進入向きの下流側を軸として、上記第2姿勢から上記進入向きの上流側が上記搬送路側に回動した第3姿勢に姿勢変化させる第1手段と、上記トレイガイドの上記進入向きの下流側を、上記第3姿勢のときよりも上記搬送路側に移動させることによって、上記トレイガイドを上記第1姿勢に姿勢変化させる第2手段と、を更に備えている。上記付勢部材は、上記トレイガイドが上記第2姿勢及び上記第3姿勢の間の状態において上記トレイガイドを上記第2姿勢側に付勢し、上記トレイガイドが上記第3姿勢の状態において上記トレイガイドを上記第2姿勢側に付勢し、上記トレイガイドが上記第3姿勢及び上記第1姿勢の間の状態において上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する。
【0018】
第2姿勢のトレイガイドは、第3姿勢へ回動された後に第1姿勢側へ少しでも移動されるまでの間においては、付勢部材によって第2姿勢に戻される。これにより、トレイガイドを操作するユーザが、トレイガイドを誤って第2姿勢から姿勢変化させたときでも、トレイガイドが第3姿勢を超えて第1姿勢側へ移動されるまでの間においては、トレイガイドが元の姿勢に戻ることが可能である。よって、第1ローラ及び第2ローラがユーザの誤操作によって下方へ案内されてしまう可能性が低減可能である。
【0019】
(4) 上記付勢部材は、コイルと、上記コイルの両端から延びた2本のアームとを備えたトーションバネである。上記2本のアームのうちの一方の先端は、上記トレイガイドに連結されている。上記2本のアームのうちの他方の先端は、上記トレイガイドを支持する支持部材に連結されている。このような構成とすることにより、上記(3)の作用及び効果を好適に実現できる。
【0020】
(5) 上記可動部材の上記第1ガイド面は、上記可動部材が上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ローラと当接した状態で、上記第1位置から上記第2位置への移動の向きと同じ向き又は逆向きの一方の向きの力の成分を発生させる。上記可動部材の上記第2ガイド面は、上記可動部材が上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第2ローラと当接した状態で、上記一方の向きとは逆向きの他方の向きの力の成分を発生させる。
【0021】
本構成によれば、第1ガイド面によって発生される力の成分と、第2ガイド面によって発生される力の成分とが、逆向きである。これにより、可動部材を移動させるために必要な力を低減することができる。その結果、トレイガイドが第1姿勢から第2姿勢へ戻されるとき、トレイガイドの操作に必要な荷重を低くすることができる。また、トレイガイドが第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化されるとき、トレイガイドの操作に必要な荷重も低くすることができる。このため、付勢力が弱い付勢部材を用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、各ローラは第1ベルト及び第2ベルトによって連結されている。また、可動部材は、第1ベルトまたは第2ベルトに与えられている張力が減少している状態で停止することなく、第1位置から第2位置までの移動を完了できる。よって、本発明においては、ローラがベルトで連結されている場合に、ベルトが緩んだ状態でローラが駆動されることない。これにより、被記録媒体の搬送力を安定させることができる。また、ベルトがプーリから外れることが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態の一例である複合機10の外観斜視図である。
【図2】プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】メディアトレイ71の外観斜視図である。
【図4】トレイガイド72及びその周辺部の外観斜視図であり、(A)にはトレイガイド72が第2姿勢の状態が示されており、(B)にはトレイガイド72が第3姿勢の状態が示されており、(C)にはトレイガイド72が第1姿勢の状態が示されている。
【図5】第3姿勢のトレイガイド72及びその周辺部の外観斜視図である。
【図6】左ガイド部材91を左側から見た場合を模式的に示す縦断面図であり、(A)にはトレイガイド72が第2姿勢の状態が示されており、(B)にはトレイガイド72が第3姿勢の状態が示されており、(C)にはトレイガイド72が第1姿勢の状態が示されており、(D)には変形例2の場合の左ガイド部材91が示されている。
【図7】第2姿勢のトレイガイド72及び第1位置の可動部材130の左側面図である。
【図8】第3姿勢のトレイガイド72及び第1位置の可動部材130の左側面図である。
【図9】第1姿勢のトレイガイド72及び第2位置の可動部材130の左側面図である。
【図10】可動部材130及びその周辺部の右側面図であり、(A)には可動部材130が第1位置の状態が示されており、(B)には可動部材130が第2位置の状態が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、ベクトルにおいて矢印を考慮して起点から終点に向かう進みが「向き」と表現され、ベクトルにおいて矢印を考慮せずに起点と終点とを結ぶ線上の往来が「方向」と表現される。また、以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
【0025】
[複合機10]
図1に示されるように、複合機10は、薄型の直方体に概ね形成されており、下部にインクジェット記録方式のプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。なお、プリント機能以外の機能の有無は任意である。また、本実施形態において、複合機10はプリント機能として片面画像記録機能のみ有しているが、複合機10は両面画像記録機能を有していてもよい。
【0026】
プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有し、給紙トレイ20及び排紙トレイ21(図2参照)が、開口13から前後方向に挿抜可能である。給紙トレイ20には、各種サイズの記録用紙(本発明の第2被記録媒体の一例)が収容される。また、排紙トレイ21は、給紙トレイ20に支持されて、給紙トレイ20の上方に配置される。
【0027】
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から記録用紙を給送する給紙部15と、記録用紙にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24(本発明の記録部の一例)などを備えている。また、記録部24はインクジェット方式に限られず、電子写真方式などの種々の記録方式のものが適用可能である。
【0028】
プリンタ部11は、外部機器から受信した印刷データなどに基づいて、記録用紙に画像を記録する。また、複合機10は、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録メディア(本発明の第1被記録媒体の一例)の盤面上に記録部24によって画像を記録する機能を有する。この機能については後述される。
【0029】
[給紙部15]
図2に示されるように、給紙部15は、給紙トレイ20の上側に設けられている。給紙部15は、給紙ローラ25、給紙アーム26、及び駆動伝達機構27を備えている。給紙ローラ25は、給紙アーム26の前端部で軸支されている。給紙アーム26は、軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給紙ローラ25は給紙トレイ20に接離可能である。給紙ローラ25は、複数のギヤが噛合された駆動伝達機構27によって、給紙用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して、搬送路65へ供給する。
【0030】
[搬送路65]
搬送路65(本発明の搬送路の一例)は、給紙トレイ20に設けられた分離傾斜板22の上側から上方且つ複合機10の正面側へ曲がり、さらに後述される各ローラ対58、59、44による挟持位置を通過して排紙トレイ21へ通じている。
【0031】
記録用紙は、搬送路65を搬送向き(図2において矢印付きの一点鎖線で示される向き)に案内される。つまり、給紙トレイ20から給送された記録用紙は、搬送路65を下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に至る。記録用紙は、記録部24により画像が記録された後、排紙トレイ21に排出される。搬送路65は、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって区画されている。
【0032】
[記録部24]
記録部24は、記録ヘッド38を搭載して主走査方向(図2の紙面に垂直な方向)へ往復移動するキャリッジ40を備えている。記録ヘッド38には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド38は、下面に設けられたノズル39から、インクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ40が左右方向9へ往復動することにより、記録ヘッド38が記録用紙に対して走査され、記録部24の下方に記録部24と対向して設けられているプラテン42上を搬送される記録用紙に画像が記録される。
【0033】
[第1ローラ対58、第2ローラ対59、及び第3ローラ対44]
搬送路65における記録部24よりも搬送向きの上流側には、第1搬送ローラ60及びピンチローラ61よりなる第1ローラ対58が設けられている。第1搬送ローラ60は搬送路65の上側に設けられており、ピンチローラ61は搬送路65の下側に設けられている。ピンチローラ61は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第1搬送ローラ60のローラ面に圧接されている。第1ローラ対58は、搬送されてきた記録用紙を狭持して搬送路65に沿ってプラテン42上へ搬送する。
【0034】
搬送路65における記録部24よりも搬送向きの下流側には、第2搬送ローラ62(本発明の第1ローラの一例)及び第1拍車63よりなる第2ローラ対59が設けられている。第2搬送ローラ62は搬送路65の下側に設けられており、第1拍車63は搬送路65の上側に設けられている。第1拍車63は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第2搬送ローラ62のローラ面に圧接されている。第2ローラ対59は、記録部24から搬送されてきた記録用紙を狭持して、搬送路65に沿って搬送向きの下流側へ搬送する。
【0035】
搬送路65における第2ローラ対59より搬送向きの下流側(図2に示された矢印73の向きの上流側)には、第3搬送ローラ45(本発明の第2ローラの一例)及び第2拍車46よりなる第3ローラ対44が設けられている。第3搬送ローラ45は搬送路65の下側に設けられており、第2拍車46は搬送路65の上側に設けられている。第2拍車46は、バネなどの弾性部材(不図示)によって第3搬送ローラ45のローラ面に圧接されている。第3ローラ対44は、第2ローラ対59から搬送されてきた記録用紙を挟持して、搬送路65に沿って排紙トレイ21上へ搬送する。
【0036】
第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、及び第3搬送ローラ45は、搬送用モータ(不図示、本発明の駆動源に相当)から後述されるベルト機構120(図5参照)を介して駆動力が伝達されて回転される。
【0037】
なお、複合機10は、両面画像記録機能を有する場合、図2に二点鎖線で示されるような両面搬送路67を有する。この場合、第3ローラ対44は正転及び逆転可能に構成されていてもよい。これにより、第3ローラ対44は、正転または逆転の一方で回転することによって、第2ローラ対59から搬送されてきた記録用紙を、搬送路65に沿って排紙トレイ21上へ搬送し、正転または逆転の他方で回転することによって、第2ローラ対59から搬送されてきた記録用紙を、両面搬送路67へ案内可能となる。
【0038】
[ピンチローラ61の姿勢変化]
図2に示されるように、第1ローラ対58のピンチローラ61は、第1搬送ローラ60に当接した図2に実線で示されている当接姿勢と、第1搬送ローラ60から離間した図2に破線で示されている離間姿勢とに姿勢変化可能である。ピンチローラ61が当接姿勢をとっている場合、記録用紙の挟持が可能である。これにより、第1ローラ対58は、記録用紙を搬送路65に沿って搬送させる。一方、ピンチローラ61が離間姿勢をとっている場合、第1ローラ対58のローラ間の間隔は、メディアトレイ71を挟持するのに適した間隔となる。これにより、第1ローラ対58は、メディアトレイ71を搬送路65に沿って搬送させる。
【0039】
ピンチローラ61の下方への移動は、例えば、ピンチローラ61の下方に設けられた偏心カム150及びローラ支持部材149によって実行される。偏心カム150は、左右方向9を軸方向として複合機10の筐体14を構成するフレーム(不図示)に回転自在に支持されている。偏心カム150は、軸148からの径が周期的に変化する円盤である。ローラ支持部材149は、偏心カム150に載置されるようにして支持されている。ピンチローラ61は、ローラ支持部材149に回転可能に支持されている。
【0040】
本実施形態では、偏心カム150は、給紙用モータ(不図示)から駆動伝達されて回転される。偏心カム150が回転されると、その周面がローラ支持部材149に対して摺動される。偏心カム150の周面は、軸148からの径が周期的に変化する。これにより、ローラ支持部材149が上下方向7へ移動する。ローラ支持部材149の上下方向7への移動によって、ピンチローラ61が上下方向7へ移動される。
【0041】
[メディアトレイ71]
上述したように、複合機10は、記録メディアの盤面上に画像を記録する機能を有する。記録メディアに画像が記録される場合、記録メディアは、メディアトレイ71(本発明のトレイの一例)に載置される。図3に示されるように、メディアトレイ71は、薄板形状の樹脂板である。メディアトレイ71の上面71Aには、円形状の凹みであって記録メディアが載置されるメディア載置部70が設けられている。
【0042】
図2に示されるように、メディアトレイ71は開口13に設けられたトレイガイド72(本発明のトレイガイドの一例)に載置されつつ、搬送路65に沿って、搬送向きと逆向き、つまり矢印73の向き(本発明の進入向きに相当)に挿入される。これにより、メディアトレイ71は、後述される可動部材130によってローラ間の間隔が大きくされたローラ対59、44に挟持されて、搬送路65を通過可能となる。記録部24は、記録用紙の場合と同様にして、直下を通過するメディアトレイ71に載置された記録メディアにインク滴を吐出する。これにより、記録メディアに画像が記録される。
【0043】
[トレイガイド72]
図2に示されるように、搬送路65における搬送向きの最下流端の前側には、トレイガイド72が設けられている。図5に示されるように、トレイガイド72は、概ね薄型の平板形状の部材である。トレイガイド72は、メディアトレイ71が載置される底板74と、底板74の左右方向9の右端部から右側に突出する2本の軸棒(第1軸棒77及び第2軸棒78)と、底板74の左右方向9の左端部から左側に突出する2本の軸棒(第3軸棒79及び第4軸棒80(図6参照))とを備えている。底板74の上面にはメディアトレイ71が載置される。
【0044】
第1軸棒77及び第3軸棒79は、底板74の前端に近接する位置に設けられている。第1軸棒77及び第3軸棒79は左右方向9における同一線上に配置されている。また、第2軸棒78及び第4軸棒80は、底板74の後端に近接する位置に設けられている。第2軸棒78及び第4軸棒80は左右方向9における同一線上に配置されている。
【0045】
図4に示されるように、プリンタ部11において、トレイガイド72の右端に対向する位置に、右ガイド部材90が配置されている。また、プリンタ部11において、トレイガイド72の左端に対向する位置に、左ガイド部材91が配置されている。また、プリンタ部11において、トレイガイド72の上側に、上ガイド部材92が配置されている。なお、図5において、各ガイド部材90、91、92は省略されている。
【0046】
図6に示されるように、右ガイド部材90における第1軸棒77に対向する位置、及び左ガイド部材91における第3軸棒79に対向する位置に、前側長孔93が設けられている。右ガイド部材90における第2軸棒78に対向する位置、及び左ガイド部材91における第4軸棒80に対向する位置に、後側長孔94が設けられている。なお、図6において、右ガイド部材90の前側長孔93及び後側長孔94は省略されている。
【0047】
図6(A)に示されるように、前側長孔93は、トレイガイド72が第2軸棒78及び第4軸棒80を軸として回動する場合における第1軸棒77及び第3軸棒79の回動経路に沿って延びた第1長孔151と、第1長孔151の下側の端部から前方へ延びた第2長孔152とが連続して形成されている。第1長孔151は円弧状の長孔である。当該円弧は、トレイガイド72の回動軸(第2軸棒78及び第4軸棒80)を中心とする円において、上端部107と下端部108の間で連続する円弧である。第2長孔152は、下端部108と前端部109の間で概ね前後方向8に沿って連続する直線状の長孔である。後側長孔94は、後上端部110を一方の端部として後方から前方にかけて概ね斜め下向きに延びた直線状の第3長孔153と、第3長孔153の他方の端部から前方に向かって前下端部111まで延びた直線状の短孔154とが連続して形成されている。
【0048】
前側長孔93には第1軸棒77及び第3軸棒79が貫通され、後側長孔94には第2軸棒78及び第4軸棒80が貫通されている。これにより、トレイガイド72は、右端部を右ガイド部材90によって支持され、左端部を左ガイド部材91によって支持される。つまり、右ガイド部材90及び左ガイド部材91は、本発明の支持部材の一例である。
【0049】
[トレイガイド72の姿勢変化]
各軸棒77〜80は、各長孔93、94に沿って移動可能である。これにより、トレイガイド72は、各軸棒77〜80の各長孔93、94における位置によって、異なる姿勢をとることが可能である。本発明におけるトレイガイド72は、メディアトレイ71を搬送路65へ進入可能に支持する第1姿勢(図2実線、図4(C)参照、本発明の第1姿勢に相当)、記録用紙が搬送路65において搬送可能であって、搬送路65と交差する方向(本実施形態では上下方向7)において第1姿勢と異なる位置(本実施形態では上側の位置)であって、且つ第1姿勢より後方の位置である第2姿勢(図2実線、図4(A)参照、本発明の第2姿勢に相当)、トレイガイド72において矢印73の向き(図2参照)の下流側に設けられた第2軸棒78及び第4軸棒80を軸として、第2姿勢から矢印73の向きの上流側(前側)が搬送路65側(下側)に回動した第3姿勢(図4(B)参照、本発明の第3姿勢に相当)に姿勢変化可能である。
【0050】
図4(C)、図5、及び図6(C)に示されるように、第1姿勢は、底板74の上面が前後方向8に沿った姿勢である。また、図2に実線で示されるように、第1姿勢においては、底板74の上面の上下方向7の高さが、装置の背面側から正面側へ延出されている搬送路65と略同じ高さである。また、トレイガイド72が第1姿勢の場合、第1軸棒77及び第3軸棒79は、前側長孔93の前端部109に位置し、第2軸棒78及び第4軸棒80は、後側長孔94の前下端部111に位置している。以上より、第1姿勢のトレイガイド72に載置されたメディアトレイ71は、記録用紙の搬送向きと逆向きに搬送されることにより、搬送路65へ進入可能である。
【0051】
図4(A)及び図6(A)に示されるように、第2姿勢は、第1姿勢と同様に、底板74の上面が前後方向8に沿った姿勢である。しかし、図2に破線で示されるように、第2姿勢においては、底板74の上面の上下方向7の高さが、装置の背面側から正面側へ延出されている搬送路65よりも高い。また、第2姿勢のトレイガイド72の前後方向8の位置は、第1姿勢のトレイガイド72よりも後側である。また、トレイガイド72が第2姿勢の場合、第1軸棒77及び第3軸棒79は、前側長孔93の上端部107に位置し、第2軸棒78及び第4軸棒80は、後側長孔94の後上端部110に位置している。
【0052】
図4(B)及び図6(B)に示され、図2に一点鎖線で示されるように、第3姿勢のトレイガイド72は、後方から前方にかけて斜め下向きに傾倒している。トレイガイド72が第3姿勢の場合、第1軸棒77及び第3軸棒79は、前側長孔93の下端部108に位置し、第2軸棒78及び第4軸棒80は、後側長孔94の後上端部110に位置している。
【0053】
トレイガイド72の第2姿勢から第3姿勢への変化は、以下のようにして行われる。複合機10のユーザが、第2姿勢のトレイガイド72の前端部分を下向きに押すと、トレイガイド72が、第2軸棒78及び第4軸棒80を軸として回動する。つまり、第1軸棒77及び第3軸棒79が、第1長孔151に沿って上端部107から下端部108へ移動する。その結果、トレイガイド72は第3姿勢となる。以上より、トレイガイド72を第2姿勢から第3姿勢へ変化させるために使用されている構成要素、つまり各軸棒77〜80、及び前側長孔93の第1長孔151が、本発明の第1手段の一例である。
【0054】
トレイガイド72の第3姿勢から第1姿勢への変化は、以下のようにして行われる。複合機10のユーザが、第3姿勢のトレイガイド72の前端部分を摘んで前方へ引っ張ると、トレイガイド72が移動する。つまり、第1軸棒77及び第3軸棒79が、第2長孔152に沿って下端部108から前端部109へ移動する。これと同時に、第2軸棒78及び第4軸棒80が、後側長孔94に沿って後上端部110から前下端部111へ移動する。これにより、トレイガイド72の矢印73(図2参照)の下流側が、第3姿勢のときよりも下側、つまり搬送路65側に移動される。その結果、トレイガイド72は第1姿勢となる。以上より、トレイガイド72を第3姿勢から第1姿勢へ変化させるために使用されている構成要素、つまり各軸棒77〜80、前側長孔93の第2長孔152、及び後側長孔94が、本発明の第2手段の一例である。
【0055】
なお、以上の説明においては、トレイガイド72が、第2姿勢から第3姿勢を介して第1姿勢に姿勢変化する場合について説明したが、トレイガイド72は、上記と逆の動作をすることで、第1姿勢から第3姿勢を介して第2姿勢に姿勢変化可能である。
【0056】
[コイルバネ82]
図4、図5、及び図7〜図9に示されるように、第1軸棒77及び第3軸棒79には、コイルバネ82(本発明の付勢部材の一例)が取り付けられている。本実施形態においては、コイルバネ82としてトーションバネ(本発明のトーションバネに相当)が用いられる。コイルバネ82は、コイル83(本発明のコイルに相当)、コイル83の両端のうちの一端から延びた第1アーム84(本発明の2本のアームのうちの一方に相当)、及びコイル83の両端のうちの他端から延びており、第1アーム84と同じ長さの第2アーム85(本発明の2本のアームのうちの他方に相当)で構成されている。
【0057】
第1アーム84の先端は、第1軸棒77及び第3軸棒79に連結されている。第2アーム85の先端は、各ガイド部材90、91の下端部108(図6参照)よりも下方に設けられた突起96に連結されている。各アーム84、85の先端は、コイル83よりも前方となるように、第1軸棒77及び第3軸棒79並びに突起96に取り付けられる。
【0058】
コイルバネ82は、トレイガイド72が第1姿勢及び第2姿勢の間の状態において、トレイガイド72を第1姿勢側に付勢する。本実施形態においては、コイルバネ82は、トレイガイド72の第2姿勢と第3姿勢との間の姿勢変化において、トレイガイド72を第2姿勢側へ付勢する。
【0059】
また、コイルバネ82は、トレイガイド72が第3姿勢をとっている場合に、トレイガイド72を第2姿勢側へ付勢する。また、コイルバネ82は、トレイガイド72の第3姿勢と第1姿勢との間の姿勢変化において、トレイガイド72を第1姿勢側へ付勢する。つまり、トレイガイド72が第3姿勢と第1姿勢との間に位置しているとき、コイルバネ82は、トレイガイド72を第1姿勢へ姿勢変化させる向き、つまり前向きの力の成分F3(図9参照)を発生させている。トレイガイド72は、当該力の成分F3を受けることによって、第1姿勢に姿勢変化する。
【0060】
なお、コイルバネ82の付勢方向は、コイルバネ82の強さ、第1アーム84と第2アーム85の長さ、及びコイル83の取り付け位置などによって決まる。なお、コイルバネ82が上記のような付勢を行うのであれば、コイルバネ82の取り付け態様は、上述したような態様に限らない。
【0061】
[ベルト機構120]
図5及び図7〜図9に示されるように、プリンタ部11には、ベルト機構120が設けられている。ベルト機構120は、第1プーリ121(本発明の第1プーリの一例)、第2プーリ122(本発明の第2プーリの一例)、第1ベルト123(本発明の第1ベルトの一例)、第3プーリ124(本発明の第3プーリの一例)、及び第2ベルト125(本発明の第2ベルトの一例)を備えている。
【0062】
第1ギヤ118(図5参照)が、搬送路65よりも左側において、第1搬送ローラ60の軸54に取り付けられている。第2ギヤ119(図5参照)が、搬送路65よりも左側において、複合機10のフレーム(不図示)に回転可能に支持された軸(不図示)に取り付けられている。第2ギヤ119は、第1ギヤ118に対向して設けられており、第1ギヤ118と噛合している。
【0063】
第1プーリ121は、搬送路65よりも左側において、第2ギヤ119が取り付けられている軸に、第2ギヤ119に隣接して取り付けられている。第1プーリ121の周面に沿って、第1ベルト123が架けられる。第1プーリ121は、第1ギヤ118及び第2ギヤ119を介して搬送用モータから駆動伝達される。つまり、第1プーリ121は、搬送用モータからの駆動伝達によって回転する。
【0064】
第2プーリ122は、搬送路65よりも左側において、第2搬送ローラ62の軸56に取り付けられている。つまり、第2搬送ローラ62は、搬送路65において第1プーリ121よりも前側(図2に示される矢印73の向きの上流側)に設けられている。第2プーリ122は、軸56を中心として第2搬送ローラ62と一体に回転する。第2プーリ122の周面は、右側と左側の2領域に区画されている。右側の周面に沿って第1ベルト123が架けられ、左側の周面に沿って第2ベルト125が架けられる。
【0065】
第1プーリ121及び第2プーリ122に、無端環状の第1ベルト123が張った状態で架け渡されている。第1ベルト123は、一方を第1プーリ121の周面に巻回され、他方を第2プーリ122の右側の周面に巻回されている。第1ベルト123は、第1プーリ121が回転すると周運動する。第2プーリ122は、第1ベルト123が周運動すると回転する。つまり、第1ベルト123は、第1プーリ121及び第2プーリ122間で周運動可能である。また、第1プーリ121の回転駆動力は、第1ベルト123を介して第2プーリ122に伝達される。なお、第1ベルト123は、第1テンショナー126によって張力を与えられている。
【0066】
第3プーリ124は、搬送路65よりも左側において、第3搬送ローラ45の軸57に取り付けられている。第3プーリ124は、軸57を中心として第3搬送ローラ45と一体に回転する。第3プーリ124の周面に沿って、第2ベルト125が架けられる。
【0067】
第2プーリ122及び第3プーリ124に、無端環状の第2ベルト125が張った状態で架け渡されている。第2ベルト125は、一方を第2プーリ122の左側の周面に巻回され、他方を第3プーリ124の周面に巻回されている。第2ベルト125は、第2プーリ122が回転すると周運動する。第3プーリ124は、第2ベルト125が周運動すると回転する。つまり、第2ベルト125は、第2プーリ122及び第3プーリ124の間で周運動可能である。また、第2プーリ122の回転駆動力は、第2ベルト125を介して第3プーリ124に伝達される。なお、第2ベルト125は、第2テンショナー127によって張力を与えられている。
【0068】
[可動部材130]
図5、及び図7〜図10に示されるように、プリンタ部11には、2つの可動部材130(本発明の可動部材の一例)が設けられている。可動部材130は、概ね薄板形状である。可動部材130は、左右方向9において、トレイガイド72の右端の右側(図5及び図10参照)、及びトレイガイド72の左端の左側(図5及び図7〜図9参照)に隣接して配置されている。
【0069】
可動部材130は、複合機10のフレーム(不図示)によって支持されており、前後方向8に沿って第1位置(本発明の第1位置に相当)と第2位置(本発明の第2位置に相当)の間を移動可能に構成されている。ここで、第1位置は、可動部材130が移動可能な範囲のうち、可動部材130が最も後方に配置された状態の位置(図7、図8、及び図10(A)に示される位置)である。また、第2位置は、可動部材130が移動可能な範囲のうち、可動部材130が最も前方に配置された状態の位置(図7、図8、及び図10(B)に示される位置)である。
【0070】
図10に示されるように、可動部材130には、第1ガイド面131(本発明の第1ガイド面の一例)、第1ガイド面131よりも前方に形成されている第2ガイド面132(本発明の第2ガイド面の一例)、及び第1ガイド面131よりも後方に形成されている第3ガイド面143が形成されている。
【0071】
第1ガイド面131は、水平面133と、後側において水平面133と連続しており後方斜め下に傾斜している傾斜面134と、傾斜面134よりも後側に位置する水平面135とで構成されている。ここで、水平面133及び傾斜面134は、可動部材130の一部である軸支持部材139に形成されている。軸支持部材139は、コイルバネ140に取り付けられている。コイルバネ140は、上端が軸支持部材139に取り付けられており、下端が可動部材130に設けられた凹部142の底面に取り付けられている。第1ガイド面131は、下側から第2搬送ローラ62(詳細には第2搬送ローラ62の軸56)と当接して、第2搬送ローラ62を支持している。
【0072】
第2ガイド面132は、傾斜面136と、後側において傾斜面136と連続している水平面137とで構成されている。第2ガイド面132は、上側から第3搬送ローラ45(詳細には第3搬送ローラ45の軸57)と当接している。
【0073】
第3ガイド面143は、傾斜面で構成されている。第3ガイド面143は、下側からプラテン42と当接して、プラテン42を支持している。
【0074】
図5に示されるように、可動部材130の前端付近には、上下方向7に延びたガイド溝138が形成されている。ガイド溝138には、後側長孔94(図5では省略されている。)を貫通された第2軸棒78及び第4軸棒80が係入されている。第2軸棒78及び第4軸棒80は、ガイド溝138に沿って摺動可能である。以上より、可動部材130は、トレイガイド72と第2軸棒78及び第4軸棒80を介して連結されている。
【0075】
[可動部材130の移動]
図10(A)に示されるように、可動部材130が第1位置に位置しているとき、第2搬送ローラ62の軸56は水平面133に支持されており、第3搬送ローラ45の軸57は傾斜面136と当接されており、プラテン42は第3ガイド面143の頂上部と当接されている。このとき、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45、及びプラテン42は、図2に実線で示された位置である。
【0076】
ここで、第2搬送ローラ62の軸56は、コイルバネ140によって上方へ付勢されている。また、第3搬送ローラ145の軸57は、トーションバネ141のアームの端部によって支持されている。これにより、第3搬送ローラ145の軸57は、トーションバネ141によって上方へ付勢され、傾斜面136に押しつけられている。なお、トーションバネ141は、可動部材130の右側に隣接して設けられており、図示しない複合機10のフレームに取り付けられている。
【0077】
可動部材130が第1位置から第2位置に移動される場合、第2搬送ローラ62の軸56は、水平面133に支持された状態から、傾斜面134に支持された状態を介して、水平面133よりも下方の水平面135に支持された状態(図10(B)参照)となる。このとき、第2搬送ローラ62は、図2に破線で示された位置である。つまり、第1ガイド面131は、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する過程において第2搬送ローラ62と当接して第2搬送ローラ62を下方へ案内する。
【0078】
ここで、軸56の状態が、図10(A)に実線で示されるように、水平面133に支持された状態の場合、軸56及び水平面133の接点から下向きの力の成分が発生している。一方、軸56の状態が、図10(A)に破線で示されるように、水平面133に支持された状態から傾斜面134に支持された状態に変わると、軸56及び傾斜面134の接点から前方斜め下向きの力の成分が発生している。ここで、当該前方斜め下向きの力の成分の一部は、前向きの力の成分である。以上より、第1ガイド面131は、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する過程において、第2搬送ローラ62(詳細には第2搬送ローラ62の軸56)と当接した状態で、前向き、つまり第1位置から第2位置への移動の向きと同じ向きの力の成分F1を発生させている。
【0079】
可動部材130が第1位置から第2位置に移動される場合、第3搬送ローラ45の軸57は、傾斜面136と当接された状態から、傾斜面136よりも下方の水平面137と当接された状態(図10(B)参照)となる。このとき、第3搬送ローラ45は、図2に破線で示された位置である。つまり、第2ガイド面132は、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する過程において、第3搬送ローラ45と当接して第3搬送ローラ45を下方へ案内する。
【0080】
ここで、軸57の状態が、図10(A)に実線で示されるように、傾斜面136に当接して傾斜面136を押しつけた状態の場合、軸57及び傾斜面136の接点から後方斜め上向きの力の成分が発生している。当該後方斜め上向きの力の成分の一部は、後向きの力の成分である。そして、可動部材130が第1位置から第2位置に向かって移動開始すると、傾斜面136は、図10(A)に破線で示されるように、より下方の位置において、軸57と当接するようになる。すると、トーションバネ141が軸57を上方へ付勢する付勢力が大きくなる。これにより、上記の後向きの力の成分も大きくなる。以上より、第2ガイド面132は、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する過程において、第3搬送ローラ45(詳細には第3搬送ローラ45の軸57)と当接した状態で、後向き、つまり第1位置から第2位置への移動の向きと逆向きの力の成分F2を発生させている。なお、図10(A)においては、力の成分F1、F2のベクトルは同じ大きさで記されているが、異なる大きさであってもよい。
【0081】
可動部材130が第1位置から第2位置に移動される場合、プラテン42は、第3ガイド面143と当接された状態から、複合機10のフレーム144と当接され、フレーム144によって支持された状態(図10(B)参照)となる。このとき、プラテン42は、図2に破線で示された位置である。
【0082】
なお、本実施形態においては、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する場合、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45、及びプラテン42は同時に下方へ案内される。
【0083】
[トレイガイド72の姿勢変化と可動部材130の移動との連動]
図6(A)、(B)、図7、及び図8に示されるように、トレイガイド72が第2姿勢及び第3姿勢の間で姿勢変化される場合、第2軸棒78及び第4軸棒80は移動しない。よって、可動部材130も移動しない。しかし、図6(B)、(C)、図8、及び図9に示されるように、トレイガイド72が第3姿勢及び第1姿勢の間で姿勢変化される場合、可動部材130は第1位置及び第2位置の間で移動する。以下に詳述する。
【0084】
トレイガイド72が第3姿勢から第1姿勢に姿勢変化される場合、第2軸棒78及び第4軸棒80は、後側長孔94の後上端部110から前下端部111に移動される。同時に、第2軸棒78及び第4軸棒80は、ガイド溝138に沿って下向きに摺動する。第2軸棒78及び第4軸棒80は、当該摺動の過程において、ガイド溝138の前側の側面を押す。
【0085】
ここで、本実施形態においては、以下の条件を満たすコイルバネ82が使用されている。つまり、コイルバネ82がトレイガイド72を第1姿勢側に付勢する付勢力、つまり上述した力の成分F3(図9参照)は、可動部材130が第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45を下方へ案内しつつ移動するために必要な力よりも大きく構成されている。可動部材130が第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45を下方へ案内しつつ移動するために必要な力は、上述した力の成分F1及びF2(図10(A)参照)の差分、及び可動部材130を移動させるために必要な力である。ここで、可動部材130を移動させるために必要な力は、例えば、可動部材130及びフレーム144(図10参照)の間に生じる摩擦力である。
【0086】
よって、トレイガイド72の第3姿勢から第1姿勢への姿勢変化によって生じるコイルバネ82の第1姿勢側への付勢力によって、可動部材130は、途中で停止することなく前方へ、つまり第1位置から第2位置へ移動する。以上より、可動部材130は、トレイガイド72の第3姿勢から第1姿勢への姿勢変化に連動して第1位置から第2位置へ移動するように、トレイガイド72に連結されている。
【0087】
[記録メディアへの画像記録]
以下、複合機10にメディアトレイ71が挿入され、メディアトレイ71に載置された記録メディア69に画像が記録される手順が説明される。図1及び図2に示されるように、ユーザの操作によってトレイガイド72が第2姿勢から第3姿勢を介して第1姿勢へ姿勢変化されると、トレイガイド72の第3姿勢から第1姿勢への姿勢変化に連動して、可動部材130が第1位置から第2位置に移動する。これにより、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45、及びプラテン42が下方に移動される。つまり、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45、及びプラテン42の状態は、図2に実線で示される状態から破線で示される状態に変わる。ユーザは、記録メディアが載置されたメディアトレイ71を、トレイガイド72に支持されるようにセットする。ここで、本実施形態において、第3搬送ローラ45は、その上端がトレイガイド72にセットされるメディアトレイ71の下面よりも下方となる位置まで、下方に移動される。よって、下方に移動された第3搬送ローラ45は、メディアトレイ71と接触しない。メディアトレイ71は、複合機10への挿入側の先端が第3ローラ対44よりも挿入向きの奥側にある第2ローラ対59に当接した状態で、トレイガイド72にセットされる。
【0088】
次に、複合機10の正面上部に設けられた操作パネル18(図1参照)の操作により、記録メディアへ画像を記録する機能が選択されると、給紙用モータが駆動されて、偏心カム150が回転する。これにより、ピンチローラ61が当接姿勢から離間姿勢へ姿勢変化される。つまり、ピンチローラ61が下方へ移動される。
【0089】
その後、操作パネル18の操作によって、記録メディアへの画像記録が指示されると、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、及び第3搬送ローラ45が逆転駆動される。これにより、メディアトレイ71は、第2ローラ対59によって後方に搬送される。搬送されるメディアトレイ71は、記録部24の下側を通過して、第1ローラ対58に挟持される。
【0090】
その後、2つのローラ対58、59に挟持されたメディアトレイ71は、記録メディアが記録部24よりも後方となる位置まで、更に後方に搬送される。この状態において、第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、及び第3搬送ローラ45の回転方向が逆転から正転に切り換えられる。これにより、メディアトレイ71が前方に搬送され、メディアトレイ71に載置された記録メディアが記録部24の下方を通る。このとき、搬送される記録メディアに対して、記録ヘッド38からインク滴が吐出される。これにより、記録メディアの盤面上に画像が記録される。その後、メディアトレイ71は開口13から複合機10の外部に排出される。
【0091】
[実施形態の効果]
第3姿勢のトレイガイド72が操作されると、トレイガイド72が第3姿勢から第1姿勢へ姿勢変化する。これにより、トレイガイド72に連結されている可動部材130は、第1位置から第2位置へ移動する。当該移動の過程において、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45がガイド面131、132によって下方に案内される。そして、当該移動の過程において、第1ベルト123または第2ベルト125の張力が減少し、ベルトが緩んだ状態となるおそれがある。
【0092】
そこで、本実施形態においては、トレイガイド72は、第3姿勢及び第1姿勢の間の状態において、コイルバネ82によって第1姿勢側に付勢されている。これにより、トレイガイド72は、第3姿勢から第1姿勢へ停止することなく姿勢変化する。ここで、コイルバネ82がトレイガイド72を第1姿勢側に付勢する付勢力は、可動部材130が第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45を下方へ案内しつつ移動するために必要な力よりも大きい。よって、トレイガイド72の姿勢変化によって、トレイガイド72に連結された可動部材130も、第1位置から第2位置へ停止することなく移動する。これにより、可動部材130は、第1ベルト123または第2ベルト125の張力が減少している状態で停止することなく、第1位置から第2位置までの移動を完了できる。
【0093】
よって、本実施形態においては、ローラ60、62、45がベルト123、125で連結されている場合に、ベルト123、125が緩んだ状態でローラ60、62、45が駆動されることない。これにより、記録用紙やメディアトレイ71の搬送力を安定させることができる。また、ベルト123、125がプーリ121、122、124から外れることが防止できる。
【0094】
また、本実施形態において、第2姿勢のトレイガイド72は、第3姿勢へ回動された後に第1姿勢側へ少しでも移動されるまでの間においては、コイルバネ82によって第2姿勢に戻される。これにより、トレイガイド72を操作するユーザが、トレイガイド72を誤って第2姿勢から姿勢変化させたときでも、トレイガイド72が第3姿勢を超えて第1姿勢側へ移動されるまでの間においては、トレイガイド72が元の姿勢に戻ることが可能である。よって、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45がユーザの誤操作によって下方へ案内されてしまう可能性が低減可能である。
【0095】
また、本実施形態によれば、第1ガイド面131によって発生される力の成分と、第2ガイド面132によって発生される力の成分とが、逆向きである。これにより、可動部材130を移動させるために必要な力を低減することができる。その結果、トレイガイド72が第1姿勢から第3姿勢へ戻されるとき、トレイガイド72の操作に必要な荷重を低くすることができる。また、トレイガイド72が第3姿勢から第1姿勢へ姿勢変化されるとき、トレイガイド72の操作に必要な荷重も低くすることができる。このため、付勢力が弱いコイルバネ82を用いることができる。
【0096】
[実施例の変形例1]
上述の実施形態においては、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する場合、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45は同時に下方へ案内される構成が、説明された。しかし、可動部材130が第1位置から第2位置へ移動する場合、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45の一方が先に下方へ案内された後、他方が下方へ案内されるように構成されてもよい。つまり、第2ガイド面132は、第1位置から第2位置へ移動する過程において第1ガイド面131による第2搬送ローラ62の案内前または案内後に第3搬送ローラ45と当接して第3搬送ローラ45ローラを下方へ案内してもよい。
【0097】
上記のような構成が実現されるためには、例えば、可動部材130が、以下の条件を具備するように形成されればよい。当該条件は、可動部材130が第1位置の場合において、第2搬送ローラ62の軸56が傾斜面134(図10参照)から前側に離間され、第3搬送ローラ45の軸57が傾斜面136(図10参照)から前側に離間されることである。この場合において、可動部材130は、上記の2つの離間の距離に差が生じるように形成されればよい。これにより、第2搬送ローラ62の軸56が傾斜面134に支持されるタイミングを、第3搬送ローラ45の軸57が傾斜面136と当接するタイミングよりも早く或いは遅くすることができる。
【0098】
本実施形態においては、可動部材130の移動過程において、搬送ローラ62、45の一方がガイド面131、132によって下方に案内され、次に搬送ローラ62、45の他方がガイド面131、132によって下方に案内される。搬送ローラ62、45の一方が下方に案内され、他方が下方に案内されていない状態では、第1ベルト123または第2ベルト125の張力が減少し、ベルトが緩んだ状態となるおそれがある。しかし、本実施形態によれば、上述の実施形態と同様に、可動部材130は、第1ベルト123または第2ベルト125の張力が減少している状態で停止することなく、第1位置から第2位置までの移動を完了できる。
【0099】
また、本実施形態においては、可動部材130は、第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45を、一つずつ下方に案内する。よって、可動部材130の移動において、可動部材130には、同時に2つのローラによる負荷がかからない。換言すると、移動において可動部材130にかかる負荷を、1つのローラによる負荷に抑えることができる。つまり、移動において可動部材130にかかる最大負荷を少なくすることができる。
【0100】
[実施例の変形例2]
上述の実施形態においては、トレイガイド72が第1姿勢及び第2姿勢の間において第3姿勢をとる構成が、説明された。しかし、トレイガイド72は、第3姿勢をとることなく第1姿勢及び第2姿勢の間を姿勢変化してもよい。
【0101】
上記のような構成が実現されるためには、例えば、図6(D)に示されるように、前側長孔93の形状が、後側長孔94と同形状に形成されればよい。そして、コイルバネ82は、トレイガイド72を、第2姿勢以外の位置において第1姿勢側に付勢するように、配置されればよい。これにより、トレイガイド72は、第2姿勢の状態から少しでも前方斜め下に引き出されることにより、第1姿勢へ姿勢変化可能となる。なお、図6(D)においては、第2姿勢のトレイガイド72が一点鎖線で示されており、第1姿勢のトレイガイド72が破線で示されている。
【符号の説明】
【0102】
10・・・複合機
45・・・第3搬送ローラ
62・・・第2搬送ローラ
65・・・搬送路
71・・・メディアトレイ
72・・・トレイガイド
82・・・コイルバネ
121・・・第1プーリ
122・・・第2プーリ
123・・・第1ベルト
124・・・第3プーリ
125・・・第2ベルト
130・・・可動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録部によって画像が記録される第1被記録媒体を載置可能なトレイと、
シート状の第2被記録媒体または上記トレイが搬送される搬送路と、
上記トレイを上記搬送路へ進入可能に支持する第1姿勢、及び上記第2被記録媒体が上記搬送路において搬送可能であって、上記搬送路と交差する方向において上記第1姿勢と異なる位置である第2姿勢に姿勢変化可能なトレイガイドと、
上記トレイガイドが上記第1姿勢及び上記第2姿勢の間の状態において、上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する付勢部材と、
駆動源からの駆動伝達によって回転する第1プーリと、
上記搬送路において上記第1プーリよりも上記トレイの進入向きの上流側に設けられた第1ローラと、
上記第1ローラと同軸に設けられており、上記第1ローラと一体に回転する第2プーリと、
上記第1プーリ及び上記第2プーリに架け渡されており、上記第1プーリ及び上記第2プーリ間で周運動可能な第1ベルトと、
上記搬送路において上記第1ローラよりも上記トレイの進入向きの上流側に設けられた第2ローラと、
上記第2ローラと同軸に設けられており、上記第2ローラと一体に回転する第3プーリと、
上記第2プーリにおいて上記第1ベルトが架けられている位置と軸方向に異なる位置で上記第2プーリに巻回されるとともに、上記第3プーリに巻回されることによって、上記第2プーリ及び上記第3プーリに架け渡されており、上記第2プーリ及び上記第3プーリ間で周運動可能な第2ベルトと、
第1位置及び第2位置の間で移動可能に設けられており、上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ローラと当接して上記第1ローラを下方へ案内する第1ガイド面、及び上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第2ローラと当接して上記第2ローラを下方へ案内する第2ガイド面が形成された可動部材と、を備え、
上記可動部材は、上記トレイガイドの上記第2姿勢から上記第1姿勢への姿勢変化に連動して上記第1位置から上記第2位置へ移動するように、上記トレイガイドに連結されており、
上記付勢部材が上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する付勢力は、上記可動部材が上記第1ローラ及び第2ローラを下方へ案内しつつ移動するために必要な力よりも大きい画像記録装置。
【請求項2】
上記第2ガイド面は、上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ガイド面による上記第1ローラの案内前または案内後に上記第2ローラと当接して上記第2ローラを下方へ案内する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記トレイガイドを、上記進入向きの下流側を軸として、上記第2姿勢から上記進入向きの上流側が上記搬送路側に回動した第3姿勢に姿勢変化させる第1手段と、
上記トレイガイドの上記進入向きの下流側を、上記第3姿勢のときよりも上記搬送路側に移動させることによって、上記トレイガイドを上記第1姿勢に姿勢変化させる第2手段と、を更に備え、
上記付勢部材は、上記トレイガイドが上記第2姿勢及び上記第3姿勢の間の状態において上記トレイガイドを上記第2姿勢側に付勢し、上記トレイガイドが上記第3姿勢の状態において上記トレイガイドを上記第2姿勢側に付勢し、上記トレイガイドが上記第3姿勢及び上記第1姿勢の間の状態において上記トレイガイドを上記第1姿勢側に付勢する請求項1または2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記付勢部材は、コイルと、上記コイルの両端から延びた2本のアームとを備えたトーションバネであり、
上記2本のアームのうちの一方の先端は、上記トレイガイドに連結されており、
上記2本のアームのうちの他方の先端は、上記トレイガイドを支持する支持部材に連結されている請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記可動部材の上記第1ガイド面は、上記可動部材が上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第1ローラと当接した状態で、上記第1位置から上記第2位置への移動の向きと同じ向き又は逆向きの一方の向きの力の成分を発生させ、
上記可動部材の上記第2ガイド面は、上記可動部材が上記第1位置から上記第2位置へ移動する過程において上記第2ローラと当接した状態で、上記一方の向きとは逆向きの他方の向きの力の成分を発生させる請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−152916(P2012−152916A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11455(P2011−11455)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】