説明

画像記録装置

【課題】装置内部の配置構成が複雑にならず、しかも装置の筐体を大きくすることなく、センサを装置内部に取り付ける。
【解決手段】搬送路31は、給紙カセット14の後方から上方へ延びる湾曲状の第1搬送路32と、第1搬送路32の終端から記録部20側へ延びる第2搬送路33と、第2搬送路33の接続口34Bから第1搬送路33の接続口34Aに延びる反転搬送路34とにより構成されている。これら3つの各搬送路によって囲まれた空間49は、接続口34B側よりも第1搬送路32側の領域49Aが上下方向7に対して広い。この領域49Aに光センサ93が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方のローラに対して他方のローラが接離可能に構成された搬送ローラ対を有する画像記録装置に関し、特に、ローラの姿勢を検知するためのセンサの取付機構に関する。
【背景技術】
【0002】
記録用紙に画像を記録することが可能なインクジェット方式の画像記録装置においては、用紙トレイから記録部へ向けて記録用紙が搬送され、搬送された記録用紙に対して記録部が画像記録を行う。片面記録時は、片面に画像が記録された後に記録用紙が外部に排出される。一方、両面記録時は、片面に画像が記録された記録用紙が記録部の下流側から記録部の上流側へ接続された反転搬送路を通って再び記録部へ送られ、その後、他方の面に画像が記録される。
【0003】
ところで、ハガキや光沢紙のような厚みのある記録用紙(以下「厚紙」という)に画像記録する場合は、画像記録中に厚紙の後端が搬送ローラ対のニップ点を抜け出すときに、搬送ローラ対の圧接力が厚紙を送り方向へ押し出し、厚紙を過剰に搬送する。このため、厚紙に記録された記録画像には、インクが乗っていない横一筋の白線が現れる。この白線の発生を防止する手段として、厚紙の後端が搬送ローラ対のニップ位置を抜け出すときに搬送ローラ対の各ローラを離間させて圧接を解除する機構が公知である。
【0004】
また、従来より、記録用紙やハガキのみならず、CDやDVDなどのディスクメディアのラベル面に画像記録が可能なインクジェットプリンタなどの画像記録装置が知られている(特許文献1参照)。この種の画像記録装置は、記録後の記録用紙を排出する排出口から記録部の排出方向上流側まで直線状に形成された案内経路(以下「直線経路」という。)を有している。ディスクメディアのラベル面に画像記録する場合は、排出口から直線経路へ向けてディスクトレイが進入し、ディスクトレイ上のディスクメディアが記録部よりも上流側にセットされる。この際、ディスクトレイを記録部の上流側へ進入可能とするために、直線経路に設けられた搬送ローラ対の各ローラを離間させて、ディスクトレイが搬送ローラ対を通過可能な隙間が確保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−76421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画像記録装置において、搬送ローラ対の各ローラを離間させる機構が正常に動作しなかった場合は、ディスクトレイが装置内に押し込まれることによりディスクトレイと搬送ローラ対とが衝突して、ディスクトレイやディスクメディアが破損したり、その破片が細部に混入して画像記録装置が故障したりするおそれがある。また、記録画像に横一筋の白線が生じてしまい、所望しない画像記録が行われることによってインクが無駄に消耗される。このような問題を解決するために、センサを設けて、搬送ローラ対が離間したかどうかを事前に検知することが考えられる。搬送ローラ対を離間させる機構が実際に正しく作動しているかどうかを検知する場合は、当該機構の可動部の動きをセンサで検出する方法が採用される。しかしながら、上記反転搬送路を有する従来の画像記録装置においては、反転搬送路があるために装置内部の空きスペースが狭い。そのため、センサを取り付けようにもセンサが配置可能なスペースを容易に確保できず、その結果、装置内部の配置構成が複雑になり、装置の筐体を大きくせざるを得なくなる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置内部における上記センサやその他の部材の配置構造を工夫することにより、装置の筐体を大きくすることなく、センサを装置内部に取り付けることが可能な画像記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の画像記録装置は、記録部と、トレイと、案内経路と、搬送ローラ対と、支持部材と、第1センサと、第1検出子と、を具備している。記録部は、記録媒体に対して画像記録を行う。トレイは、上記記録部の下側に設けられ、記録媒体の表面を上方に向けた状態で記録媒体を収容する。案内経路は、上記トレイの一方端から上方へ延びる湾曲状の第1経路、この第1経路の終端から上記記録部側へ延びる直線状の第2経路、及びこの第2経路に設けられた分岐点から上記第1経路の途中に設けられた合流点に接続された第3経路を有する。搬送ローラ対は、上記記録部による記録時に上記第2経路を搬送される第1送り方向に対して上記記録部よりも上流側に設けられている。この搬送ローラ対は、上記第2経路を挟んで互いに接触可能な状態で対向配置された駆動ローラ及び従動ローラで構成されている。支持部材は、上記第2経路の下側に設けられている。この支持部材は、上記従動ローラを軸支するとともに上記従動ローラを上記駆動ローラに接触させる第1姿勢と上記駆動ローラから離間させる第2姿勢との間で移動可能に構成されている。第1センサはセンシング部を有する。第1検出子は、上記支持部材の位置に応じて上記センシング部による検出可能位置に進退する。この構成において、上記第1センサは、上記第1経路、上記第2経路、及び上記第3経路によって囲まれた空間において上記支持部材よりも上記第1経路側の第1領域に設けられている。
【0009】
第3経路は第2経路の分岐点から分岐して第2経路から離れ、第1経路の途中の合流点に接続されている。したがって、第1経路、第2経路、及び第3経路で囲まれた空間(囲み空間)は、合流点に近い側が上下方向に最も広く、分岐点に近づくにつれて上下方向に狭くなっている。支持部材が第2経路の下側の上記囲み空間内に設けられている。これにより、上記囲み空間が支持部材を境に分岐点側と第1経路側とに分けられる。上述したように、支持部材よりも分岐点側は空きスペースが小さく、支持部材よりも第1経路側の第1領域は空きスペースが大きい。つまり、第1領域のほうがセンサの設置自由度が高い。この第1領域にセンサが設けられている。このため、内部の配置構成が複雑にならず、しかも装置筐体を大きくする必要もなく、センサを装置内部に取り付けることができる。
【0010】
(2) 本発明の画像記録装置は、駆動源からの回転駆動力を受けて上記支持部材を上記第1姿勢から上記第2姿勢へ移動させる移動機構を更に備える。上記支持部材は、上記従動ローラを上記駆動ローラの下方で支持するものである。この場合、上記移動機構は、上記支持部材に対して上下方向に連結され、駆動源からの回転駆動力を伝達する上記従動ローラの中心軸に平行なカム軸と、上記支持部材を上方へ弾性的に付勢する付勢部材と、上記カム軸に固定されたカムと、上記カム軸の上側に設けられ、上記カムに当接して上記カム軸を下方へ押しつけるカム受け部と、有することが好ましい。この構成では、上記第1センサは、上記カム軸よりも上記第1経路側に設けられている。また、上記第1検出子は、上記第1センサによって検出される被検出部が上記第1センサの検出可能位置を通過するように上記カム軸に固定されている。
【0011】
(3) 本発明の画像記録装置は、支軸と、第2検出子と、第3検出子と、第2センサとを更に備える。支軸は、上記第1領域において上記従動ローラの中心軸に平行に設けられており、回動可能に支持されている。この支軸は、上記案内経路の幅方向の中心位置から上記案内経路の幅方向の一方端の外側へ延びている。第2検出子は、上記支軸の上記中心位置側の第1端部に固定されている。この第2検出子は、上記第2経路を交差する第3姿勢を保持可能に構成されている。第3検出子は、上記支軸の上記第1端部とは反対側の第2端部に固定されている。第2センサは、上記支軸の回動に伴い回動する上記第3検出子を検知するものである。この構成では、上記第1センサは、上記支軸の上記第1端部よりも上記第2端部とは反対側に設けられている。
【0012】
(4) 本発明の画像記録装置は、連結部材を更に備える。連結部材は、上記支軸の上記第1端部に連結され、上記第2検出子を上記第3姿勢に保持するとともに、上記第2検出子に外力が加えられたときに上記支軸の周方向のいずれにも回動可能なように上記第2検出子を支持する。この構成では、上記第1センサは、上記連結部材よりも上記第2端部とは反対側に設けられている。
【0013】
(5) 本発明の画像記録装置は、ガイド部材を更に備える。ガイド部材は、上記記録部の下方に設けられ、上記記録部による記録時に記録媒体を支持し、且つ上記第2経路の下側ガイド面を形成する。本発明の画像記録装置は、上記第2経路を搬送される記録媒体の厚みに対応して、上記記録部に近接する第4姿勢と上記第4姿勢から下方へ移動して上記第2経路を拡張する第5姿勢との間で上記ガイド部材を上下方向へ移動可能に構成されている。
【0014】
このような構成では、ガイド部材の配置スペースとその移動範囲を確保しなければならないため、上記囲み空間においてガイド部材の下方の領域に空きスペースがなくなる。したがって、このような構成においては、第1センサは上記第1領域に設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、装置内部の配置構成が複雑にならず、しかも装置の筐体を大きくすることなく、センサを装置内部に取り付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】複合機10の外観を示す斜視図である。
【図2】プリンタ部15の構成を模式的に示す模式断面図である。
【図3】搬送装置30の構成を示す斜視図である。
【図4】カム移動機構88の構成を示す斜視図である。
【図5】ケース69内の構成を示す斜視図である。
【図6】第1検知機構52の構成を示す斜視図である。
【図7】第2検知機構99の構成を示す斜視図である。
【図8】第2検知機構99の動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、適宜図面を参照して本発明の一実施形態に係る複合機10について説明する。なお、以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として複合機10の上下方向7が定義され、操作パネル16が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義されている。
【0018】
[複合機10の概要]
図1に示されるように、複合機10は、プリンタ筐体11と、このプリンタ筐体11の上側に設けられたスキャナ筐体12と、このスキャナ筐体12の上側に設けられた原稿カバー13と、LCD16Aを有する操作パネル16とを備える。原稿カバー13は、スキャナ筐体12に開閉可能に支持され、閉じられることでスキャナ筐体12と共に原稿を挟む。原稿の画像は、スキャナ筐体12に収容されたフラットベッドスキャナなどの不図示のスキャナにより走査されて取り込まれる。スキャナが収容されたスキャナ筐体12は、プリンタ筐体11に開閉可能に支持されている。
【0019】
プリンタ筐体11は、給紙カセット14(本発明のトレイの一例)が収容される収容空間18を下部に備える。収容空間18は、プリンタ筐体11の前面に形成された開口17から後方奥部に渡って設けられている。給紙カセット14は収容空間18において前後方向8へ挿抜可能に支持されている。給紙カセット14は、シート状の記録媒体の表面を上方に向けた状態で複数の記録媒体を収容している。給紙カセット14は、所謂普通紙と呼ばれる記録用紙のみならず、ハガキや光沢紙などの厚みのある記録用紙(厚紙)も保持可能である。
【0020】
収容空間18の上方にトレイガイド45が設けられている。トレイガイド45の上面でディスクトレイ(不図示)が前後方向8へ挿抜可能に支持される。ディスクトレイは、例えばCDやDVDなどのディスクメディアを保持する厚さ3mm程度の平板状部材である。このディスクトレイにディスクメディアが保持された状態でトレイガイド45にディスクトレイが挿入されると、記録部20によって記録可能な位置にディスクメディアがセットされる。
【0021】
プリンタ部15や上述のスキャナの制御は制御部(不図示)により行われる。制御部は、図1の操作パネル16やパソコンなどの外部機器から入力された信号やデータに基づいてプリンタ部15を駆動させて、画像を記録媒体に記録させる。また、制御部は、搬送中の記録用紙の有無や搬送位置を検知する処理や、後述のローラホルダ74の位置を検知する処理も行う。
【0022】
[プリンタ部15]
プリンタ部15は、搬送される記録媒体に画像を記録するものであり、図2に示されるように、主として、記録用紙19を保持する給紙カセット14と、記録用紙19を搬送する搬送装置30と、記録用紙19に対して画像記録を行う記録部20(本発明の記録部の一例)と、プリンタ部15の背面側を開閉するためのカバー24と、を備える。
【0023】
[記録部20]
記録部20は、給紙カセット14の後部の上方に配置されており、記録ヘッド21と、記録ヘッド21を保持するキャリッジ23と、キャリッジ23とともに記録ヘッド21を左右方向9にスライド可能に支持するレール(不図示)と、駆動力をキャリッジ23に伝達する駆動伝達機構を含む駆動部(不図示)と、を備える。
【0024】
[記録ヘッド21]
記録ヘッド21は、吐出口を有するノズルを備える。このノズルが圧電素子などにより変形されることで吐出口からインク滴を下方のプラテン22に向けて吐出する。記録用紙19がプラテン22上を前方に向かって搬送される過程において、左右方向9へ往復動する記録ヘッド21からインクが吐出されることにより、記録用紙19の表面のほぼ全面に画像が記録され得る。
【0025】
[搬送装置30]
図2及び図3に示されるように、搬送装置30は、給紙ローラ41(図2参照)と、搬送ローラ対35(本発明の搬送ローラ対の一例)と、排出ローラ対36と、スイッチバックローラ対37と、両面ローラ対38と、搬送路31を形成する後述の各部材と、搬送路31内の記録媒体の有無や位置を検知する第1検知機構52と、ローラホルダ74の姿勢(位置)を検知するための第2検知機構99(図7参照)と、カム駆動機構88(図4参照)と、これらを支持する一対のフレーム25と、を有する。
【0026】
[フレーム25]
プリンタ部15の後方側に、左右方向9へ所定間隔を隔てられた状態で互いに対向するように一対のフレーム25が設けられている。フレーム25は、金属板で形成されており、その下方に配置されたベースフレーム39に固定されている。詳細には、ベースフレーム39は、金属板で形成されており、フレーム25の後方側の下端がベースフレーム39に連結されている。
【0027】
[給紙ローラ41]
図2に示されるように、給紙ローラ41は、給紙カセット14に載置された記録用紙19を搬送路31に送り出すものである。給紙ローラ41は、給紙カセット14の後部の上方に配置され、支軸42を中心に回動するアーム43の先端で回転可能に支持されている。支軸42は、フレーム25などにその中心軸を中心に回転可能に支持されている。駆動力が支軸42に伝達されると、支軸42から複数の伝達ギア44を介して伝達された駆動力によって給紙ローラ41が回転する。給紙ローラ41が記録用紙19に接触した状態で回転されることにより、記録用紙19が搬送路31へ送り出される。
【0028】
[搬送路31]
図2に示されるように、プリンタ部15内に搬送路31(本発明の案内経路の一例)が形成されている。搬送路31は、一端が給紙カセット14の後端部の上に位置し、そこから上方へ延出されて、他端がプラテン22の後方に位置する断面弧状(湾曲状)の第1搬送路32(本発明の第1経路の一例)と、第1搬送路32の終端から記録部20へ延びてプラテン22と記録ヘッド21との間を通る断面直線状の第2搬送路33(本発明の第2経路の一例)と、プラテン22の下側を通過し第1搬送路32と第2搬送路33とを繋ぐ反転搬送路34(本発明の第3経路の一例)と、で構成されている。第1搬送路32は、それぞれ弧状に形成され径方向に互いに対向する内側ガイド部材32Aと外側ガイド部材32Bとで形成されている。内側ガイド部材32Aには、反転搬送路34の一端が接続する接続口34A(本発明の合流点に相当)が設けられている。反転搬送路34は、記録用紙19の両面印刷用であって、プラテン22の下側に配置されたガイド部材34Cにより形成されており、後方側の端部は、第2搬送路33に接続されている。この反転搬送路34にローラ面が露出するように、両面ローラ対38が設けられている。給紙カセット14から送り出された記録用紙19は、第1搬送路32及び第2搬送路33によって案内されて記録部20へ到達し、その後、第2搬送路33を抜けて排紙部14Aに排出される。
【0029】
[第2搬送路33]
第2搬送路33は、記録ヘッド21と、記録ヘッド21に対向するように記録ヘッド21の下側に配置されたプラテン22(本発明のガイド部材の一例)とによって形成された直線状の経路である。第2搬送路33の下側ガイド面は、プラテン22の上面によって形成される。この第2搬送路33には、給紙カセット14からの記録用紙19のみならず、開口17から挿入されたディスクトレイも通る。記録部20よりも後方側、言い換えると、記録時に記録媒体を搬送する方向の上流側には、第2搬送路33を挟むようにして一対の搬送ローラ対35が設けられている。また、記録部20よりも前方には、第2搬送路33を挟むようにして一対の排出ローラ対36が設けられている。また、排出ローラ対36の前方にはスイッチバックローラ対37が設けられている。第2搬送路33の途中、具体的には、スイッチバックローラ対37と排出ローラ対36との間には、反転搬送路34の後方側の端部が接続される接続口34B(本発明の分岐点に相当)が設けられている。第2搬送路33は、搬送ローラ対35からスイッチバックローラ対37に渡って直線状に形成されている。上述したように、第2搬送路33には、記録用紙19のみならず、ディスクトレイ(不図示)も通る。したがって、本実施形態では、ディスクトレイが装置内に挿入されたときに、プラテン22と記録ヘッド20との間をディスクトレイが通過可能なように、プラテン22が、上下方向7移動可能に構成されている。具体的には、記録部20の下面に近接する上方位置(図2において実線で示す位置、本発明の第4姿勢に相当)と、この上方位置から下方へ移動して第2搬送路33を拡張する下方位置(図2において波線で示す位置、本発明の第5姿勢に相当)との間で、プラテン22が移動可能なように構成されている。
【0030】
このように搬送路31が形成されているため、図2に示されるように、プリンタ部15の内部には、第1搬送路32と第2搬送路33と反転搬送路34とによって囲まれた空間49(本発明の空間に相当)が形成される。この空間49の上下方向7の間隔は、接続口34B側が狭く、後方の第1搬送路32に近づくにつれて広くなっている。本実施形態では、空間49内に後述するローラホルダ74、第1検知機構52、第2検知機構99などが配置されている。
【0031】
[カバー24]
プリンタ部15の背面にカバー24が設けられている。カバー24の下端に支軸24Aが設けられている。支軸24Aは、図示しないフレームに回転可能に支持されている。カバー24は支軸24Aを中心にして、プリンタ部15の背面を覆う姿勢(図2の実線で示す姿勢)と、プリンタ部15の背面から後方へ離れてプリンタ部15の内部を露出する姿勢(図2の波線で示す姿勢)との間で回動する。カバー24の内面に外側ガイド部材32Bが設けられている。外側ガイド部材32Bは、カバー24と一体に構成されている。したがって、カバー24が回動すると、外側ガイド部材32Bもカバー24の回動方向と同方向へ回動する。
【0032】
[搬送ローラ対35]
図2に示されるように、第2搬送路33において、記録部20よりも後方側、言い換えると、記録時に記録用紙19を搬送する方向(本発明の第1送り方向に相当)の上流側には、搬送路31を挟むようにして一対の搬送ローラ対35が設けられている。図3に示されるように、搬送ローラ対35は、上側の搬送ローラ35A(本発明の駆動ローラの一例)と下側の押さえローラ35B(本発明の従動ローラの一例)とで構成されている。上側の搬送ローラ35Aは、フレーム25にその中心軸を中心に回転可能に支持されており、搬送用モータ(不図示)の駆動力を受けて回転される。下側の押さえローラ35Bは、後述のローラホルダ74にその中心軸を中心に回転可能に支持されている。
【0033】
[排出ローラ対36]
図2に示されるように、記録部20よりも前方には、第2搬送路33を挟むようにして一対の排出ローラ対36が設けられている。排出ローラ対36は、上側のピンチローラ36Aと下側の排出ローラ36Bとで構成されている。上側のピンチローラ36Aは、フレーム25などにその中心軸を中心に回転可能に支持されている。下側の排出ローラ36Bはプラテン22に回転可能に支持されている。
【0034】
[ローラホルダ74]
図3及び図4に示されるように、ローラホルダ74(本発明の支持部材の一例)は、搬送ローラ対35の少し後方であって、第2搬送路33の下側に設けられている。ローラホルダ74は、プラテン22とは別部材として構成されている。ローラホルダ74は、4つのブロックが左右方向9に連結されることにより、左右方向9に長い形状となっている。各ブロックの前方上端部に押さえローラ35Bが回転可能に支持されている。本実施形態では、ローラホルダ74は、左右方向9に沿って一直線状に配置された8個の押さえローラ35Bを支持している。ローラホルダ74の後方上端部に複数の支軸76(図6参照)が設けられている。この支軸76が後述のサブフレーム26に設けられた軸受け溝26C(図7参照)に軸支されている。この構成により、ローラホルダ74は、支軸76を中心に回動可能である。具体的には、ローラホルダ74は、押さえローラ35Bが上側の搬送ローラ35Aに接触する第1姿勢(図2の実線で示す姿勢、本発明の第1姿勢に相当)と、押さえローラ35Bが搬送ローラ35Aから下方へ離間した第2姿勢(図2の波線で示す姿勢、本発明の第2姿勢に相当)との間で支軸76を中心に回動可能である。
【0035】
図4に示されるように、ローラホルダ74の下側には金属板で形成されたサブフレーム26が設けられている。サブフレーム26は、空間49内に配置されている。サブフレーム26はその両端がフレーム25に固定されている。ローラホルダ74とサブフレーム26との間にコイルバネ78(本発明の付勢部材の一例)が設けられている。コイルバネ78は、押さえローラ35B寄りの位置に伸縮方向が上下方向7となるように設けられている。具体的には、コイルバネ78の上端は、ローラホルダ74の上壁の裏面(下面)に設けられたバネホルダ78Aに収容されており、コイルバネ78の下端はサブフレーム26に取り付けられている。コイルバネ78は、設定された付勢力を搬送ローラ35Aに付与するように、予め収縮された状態でローラホルダ74とサブフレーム26との間に設けられる。これにより、コイルバネ78が伸びようとする上向きの付勢力がローラホルダ74に付与されてローラホルダ74は第1姿勢を維持する。コイルバネ78の上向きの付勢力は、ローラホルダ74を介して押さえローラ35Bに作用し、押さえローラ35Bは搬送ローラ35Aに上記付勢力で圧接する。なお、後述のカム駆動機構88によって上記付勢力に抗してローラホルダ74の前端部が下方に下げられると、ローラホルダ74は第1姿勢から第2姿勢に移動し、押さえローラ35Bも搬送ローラ35Aから離れて下方へ移動する。
【0036】
[第1検知機構52]
第1検知機構52は、記録部20へ向けて搬送される記録用紙19の搬送路31における位置や、装置内に挿入されたディスクトレイの後端の位置を検知する機能を実現するためのものである。図3に示されるように、第1検知機構52は、搬送ローラ対35よりも後方(記録時の搬送方向の上流側)に設けられている。第1検知機構52は、ローラホルダ74の後部を覆うと共に第1検知機構52の各構成要素を収容するケース69と、ケース69の左端部の外側に設けられた光センサ68(本発明の第2センサの一例)とを有する。ケース69は、左右方向9に長い形状であり、その前方端に設けられた複数の爪(不図示)がサブフレーム26と係合することによりケース69がサブフレーム26に固定されている。ケース69の後方側の面に内側ガイド部材32Aの一部、具体的には、接続口34Aから第1搬送路31の終端に至る部分のガイド部材がケース69と一体に形成されている。
【0037】
図5に示されるように、ケース69内には、左右方向9の中央付近から左端部の外側まで延出された回転軸57(本発明の支軸の一例)が回転可能に支持されている。回転軸57にアーム状の回転子67(本発明の第2検出子の一例)が固定されている。ケース69の左右方向9の中央部にスリット59が形成されており、回転子67は回転軸57から上方へ突出し、スリット59を通ってケース69の内部から外部へ露出している。回転軸57の左端に検出子54(本発明の第3検出子の一例)が設けられている。検出子54は、回転子67と同方向へ突出している。回転子67及び検出子54は、回転軸57に固定されている。したがって、回転子67に回転方向の力が加えられると、検出子54は回転子67に連動して同方向に回転する。
【0038】
[光センサ68]
光センサ68は、発光素子及び受光素子が対向配置された透過型のフォトインタラプタである。光センサ68は、発光素子から出射された光を受光素子が受光し、その受光量に応じた電気信号(センサ信号)を出力する。発光素子及び受光素子は、光センサ68の先端に配置されており、当該部分が光センサ68のセンシング部68A(図4参照)であり、発光素子から受光素子に至る光の通路(光路)がセンシング部68Aの検出可能位置である。光センサ68は、検出子54の回動範囲にセンシング部68Aの光路が配置されるようにフレーム25に取り付けられている。本実施形態では、記録用紙19やディスクトレイが搬送路31に存在しないときは、検出子54の先端部54Aがセンシング部68Aの光路に進入して光路を遮っている(図4参照)。このとき、光センサ68からLOWレベルのセンサ信号が出力される。複合機10の制御部は、センサ信号がLOWレベルのときに、先端部54Aがセンシング部68Aの光路に進入していると判定する。また、記録用紙19やディスクトレイが搬送路31を案内されて回転子67を押し倒すと、それに連動して検出子54が回動し、その先端部54Aがセンシング部68Aの光路から退避する。このとき、光センサ68からHIGHレベルのセンサ信号が出力される。制御部は、センサ信号がLOWからHIGHに変化したときに、記録用紙19またはディスクトレイが回転子67を通過したと判定する。
【0039】
[回転規制機構80]
図5及び図6に示されるように、回転軸57の右端部(本発明の第1端部に相当)には、回転規制機構80(本発明の連結部材の一例)が取り付けられている。回転子67にはねじりコイルバネ58(以下「バネ58」と略す。)が取り付けられており、このバネ58は、回転子67が図6に示される姿勢から後方へ回動しようとする付勢力F1を回転子67に付与している。回転規制機構80は、バネ58の付勢力F1による回転子67の回動を規制するものである。回転規制機構80は、回転軸57の右端部に連結される継ぎ手83と、継ぎ手83に固定された規制部材81と、規制部材81に取り付けられたねじりコイルバネ82(以下「バネ82」と略す。)とを有する。継ぎ手83は、回転軸57と同軸回転可能なように回転軸57の右端部に連結されている。この継ぎ手83は、規制部材81に対して回転子67が図6に示される姿勢から前方へ回動しようとするのを許容し、後方へ回動しようとするのを規制するよう構成されている。
【0040】
図5に示されるように、規制部材81は、回転軸57に対して垂直方向に突出するストッパー85を有する。ストッパー85は、規制部材81から後方へ突出している。バネ82は、バネ58よりも大きい付勢力F2を規制部材81に付与している。この付勢力F2によって規制部材81はバネ58の付勢方向へ回動しようとする。つまり、付勢力F2は、付勢力F1の方向と逆の方向へ作用している。ストッパー85は、例えばケース69と係合することにより、回転子67がスリット59から上方へ垂直に突出した姿勢(図5及び図6参照)で保持するように、規制部材81の回動を規制するものである。このうように構成されているため、各部材に付与される力の均衡がとれて、回転子67は、図5及び図6に示される姿勢、つまり、回転軸57から上方へ突出して第2搬送路33を交差する姿勢(本発明の第3姿勢に相当)を保持する。一方、回転子67が記録用紙19によって後方から前方へ押し付けられると、回転子67は、バネ58の付勢力F1に抗して前方へ倒れるように回動する。また、回転子67がディスクトレイによって前方から後方へ押し付けられると、回転子67はバネ82の付勢力F2に抗して後方へ倒れるように回動する。つまり、回転規制機構80は、回転子67を図6に示される姿勢(第3姿勢)に保持するとともに、回転子67に外力が加えられたときに回転軸57の周方向のいずれにも回動可能なように構成されている。
【0041】
[カム駆動機構88]
カム駆動機構88は、給紙用モータ(不図示)からの駆動力を受けてローラホルダ74を上述の第1姿勢と第2姿勢との間で移動させる機構である。図4に示されるように、このカム駆動機構88は、主として、軸受け部89と、カム軸90(本発明のカム軸の一例)と、2つのカム91(本発明のカムの一例)と、シャフトガイド75と、リンク部材92とを有する。軸受け部89は、ローラホルダ74の前端部に一体に設けられている。軸受け部89は、カム軸90の外径よりも大きい輪が形成された環状部材である。シャフトガイド75は、ローラホルダ74の下側に設けられたサブフレーム26の両端それぞれに設けられており、サブフレーム26の上面から上方へ向けて立設している。各シャフトガイド75は、カム軸90を回転可能に支持すると共にカム軸90を上下方向7へ移動可能に支持するものであり、縦長のガイド溝75Aと、シャフトガイド75の上端から左側へ庇状に突出したカム受け部75B(本発明のカム受け部の一例)とを有する。カム軸90は、軸受け部89の輪に通された状態でその両端がサブフレーム26のシャフトガイド75のガイド溝75Aに挿通されている。これにより、カム軸90がガイド溝75Aに沿って上下方向7へ移動可能に支持される。カム軸90にカム91が固定されている。カム91は、シャフトガイド75のカム受け部75Bの下方に位置するようにカム軸90に固定されている。リンク部材92は、給紙用モータからの駆動力を受ける部分であり、カム軸90の右端部に固定されている。
【0042】
リンク部材92が図4に示される姿勢にあるときは、カム91はフリーの状態となっている。このとき、カム軸90は、軸受け部89の下部で支えられている。また、ローラホルダ74は、コイルバネ78による上方の付勢力によって押さえローラ35Bを搬送ローラ35Aへ圧接させる第1姿勢に保持されている。一方、リンク部材92に給紙用モータの駆動力が入力されて、カム軸90が回動すると、カム91も回動する。カム91の回動によってカム91の外縁部がカム受け部75Bに当接すると、カム軸90が下方へ押しつけられ、カム軸90が下方へ移動する。カム軸90が下方へ移動すると、カム軸90に引っ張られるようにして軸受け部89と共にローラホルダ74の前端部がバネ78の付勢力に抗して第1姿勢よりも下方の第2姿勢へ移動する。これにより、搬送ローラ35Aから押さえローラ35Bが離間する。なお、カム駆動機構88によって、本発明の移動機構が実現される。
【0043】
[第2検知機構99]
第2検知機構99は、上下方向7へ移動するローラホルダ74の位置を検知する機能を実現するためのものである。図7に示されるように、第2検知機構99は、サブフレーム26の右端部に設けられている。第2検知機構99は、ケース69内に収容された光センサ93(本発明の第1センサの一例)と、検出子95(本発明の第1検出子の一例)とを有する。
【0044】
光センサ93は、上述の光センサ68と同じ構成を有するものであり、発光素子及び受光素子が対向配置された透過型のフォトインタラプタである。発光素子及び受光素子は、光センサ93の先端に配置されており、当該部分が光センサ93のセンシング部93Aであり、発光素子から受光素子に至る光の通路(光路)がセンシング部93Aの検出可能位置である。光センサ93は、図5に示されるようにケース69内に収容されている。具体的には、ケース69において、回転軸57や第1検知機構52、回転規制機構80が設けられていない右端部の内壁に固定されている。つまり、光センサ93は、図2に示される空間49において、最も第1搬送路32に近い領域49A(図2において波線で囲まれた領域)に設けられている。
【0045】
サブフレーム26の後端には垂直上方へ起立する垂直壁26Aが設けられている。垂直壁26Aの右端部には上方が開放された長方形状の切り欠き26Bが形成されている。図7にはケース69やローラホルダ74等が示されていないが、ローラホルダ74やケース69、サブフレーム26が組み立てられると、図7に示されるように、光センサ93のセンシング部93Aが切り欠き26Bから前方へ挿通される。本実施形態では、光センサ93は、センシング部93Aの光路がカム軸90と平行になるように、また、カム軸90の中心軸と光路とが同じ高さ位置になるように配置されている。
【0046】
検出子95は、カム軸90の右端部に固定されている。したがって、カム軸90が回転すると、検出子95もカム軸90の回転方向と同じ方向へ回動する。検出子95は、カム軸91から垂直に突出しており、側面から見た形状が概ね扇形の板部材である。検出子95は、カム軸90の回転に伴い検出子95が回動したときに、検出子95の先端部95A(本発明の被検出部に相当)が光センサ93のセンシング部93Aの光路を通過可能なように設けられている。上述したように、カム軸90が回転するとローラホルダ74が上下動する。したがって、検出子95は、カム駆動機構88によってローラホルダ74が上下方向7へ移動されると、その移動位置に応じて、先端部95Aがセンシング部93Aに進入し、又はセンシング部93Aから退避する。
【0047】
次に、図8を参照して、第2検知機構99の動作、詳細には、検出子95の動作と位置関係について説明する。図8は、プリンタ部15の左側から第2検知機構99を見たときの断面図であり、図8の(A)には、検出子95がセンシング部93Aの光路に進入している状態が示されており、(B)には、(A)の状態からカム軸90が時計回転方向へ90°回転した状態が示されており、(C)には(A)の状態からカム軸90が時計回転方向へ180°回転した状態が示されている。
【0048】
図8(A)に示されるように、検出子95がセンシング部93Aの光路に進入すると、検出子95の先端部95Aが光路を遮る。このとき、光センサ93からLOWレベルのセンサ信号が出力される。先端部95Aが光路に進入しているときは、カム軸90は、ガイド溝75A(図7参照)の上端に位置し、ローラホルダ74は第3姿勢を維持し、押さえローラ35Bは搬送ローラ35Aに圧接した状態を維持する。複合機10の制御部は、光センサ93のセンサ信号がLOWレベルのときに、検出子95の先端部95Aがセンシング部93Aの光路に進入していると判定し、ローラホルダ74が第3姿勢にあると判定する。
【0049】
図8(A)に示される状態からカム軸90が時計回転方向へ90°回転すると、検出子95も同方向へ回動し、先端部95Aがセンシング部93Aの光路から退避する(図8(B)参照)。また、カム91がカム受け部75Bに当接して、カム軸90を下方へ押し下げる。これにより、ローラホルダ74は、押さえローラ35Bとともに徐々に下方へ移動する。このとき、光センサ93からHIGHレベルのセンサ信号が出力される。複合機10の制御部は、光センサ93のセンサ信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化したときに、検出子95の先端部95Aがセンシング部93Aの光路から退避したと判定し、ローラホルダ74が第1姿勢から第2姿勢へ向けて動き始めたと判定する。
【0050】
そして、カム軸90が時計回転方向へ更に90°回転すると、カム軸90がガイド溝75Bの下端まで下げられる(図8(C))。これにより、ローラホルダ74は第1姿勢から第4姿勢となり、押さえローラ35Bは下方へ移動して搬送ローラ35Aから離間する。複合機10の制御部は、光センサ93のセンサ信号がLOWレベルからHIGHレベルに変化したときからカム軸90の回転量をエンコーダなどによって算出し、その回転量が90°に達したときに、ローラホルダ74が第2姿勢に到達したと判定する。
【0051】
[本発明の効果]
上述のように、搬送路31によって形成された空間49において、最も第1搬送路32に近い領域49Aに光センサ93が設けられている。この領域49Aは、空間49において最も上下方向7の間隔が広いので、光センサ93の設置自由度が高い。この領域49Aに光センサ93が設けられることにより、装置内部の配置構成が複雑にならず、しかも装置筐体を大きくする必要もなく、光センサ93を装置内部に取り付けることができる。
【0052】
また、上述の実施形態では、回転軸57、回転子67、回転規制機構80、及び光センサ93がケース69内において左右方向9に沿って配置されており、これにより、これらの部材がケース69内にコンパクトに収容され得る。また、プラテン22が下方へ移動して第2搬送路33が上下方向7へ拡張する構成では、プラテン22の移動範囲を空間49内で確保しなければならないため、空間49においてプラテン22の下側に空きスペースがなくなる。したがって、このような構成においては、光センサ93を空間49の領域49Aに設けると、空間49内の各部材の配置構成が複雑にならない。
【0053】
なお、上述の実施形態では、センサの一例として光センサ93を使用した例が説明されたが、光センサ93に代えて反射型のセンサや、磁気センサや接触式のセンサなどを用いることも可能である。
【符号の説明】
【0054】
10・・・複合機(画像記録装置)
15・・・プリンタ部
19・・・記録用紙(記録媒体)
20・・・記録部
30・・・搬送装置
31・・・搬送路(案内経路)
32・・・第1搬送路(第1経路)
33・・・第2搬送路(第2経路)
34・・・反転搬送路(第3経路)
33・・・搬送ローラ対
52・・・第1検知機構
54・・・検出子(第3検出子)
58・・・ねじりコイルバネ
67・・・回転子(第2検出子)
68・・・光センサ
74・・・ローラホルダ(支持部材)
80・・・回転規制機構
81・・・規制部材
82・・・ねじりコイルバネ
88・・・カム駆動機構(移動機構)
93・・・光センサ(センサ)
95・・・検出子(第1検出子)
99・・・第2検知機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して画像記録を行う記録部と、
上記記録部の下側に設けられ、記録媒体の表面を上方に向けた状態で記録媒体を収容するトレイと、
上記トレイの一方端から上方へ延びる湾曲状の第1経路、この第1経路の終端から上記記録部側へ延びる直線状の第2経路、及びこの第2経路に設けられた分岐点から上記第1経路の途中に設けられた合流点に接続された第3経路を有する案内経路と、
上記記録部による記録時に上記第2経路を搬送される第1送り方向に対して上記記録部よりも上流側に設けられ、上記第2経路を挟んで互いに接触可能な状態で対向配置された駆動ローラ及び従動ローラからなる搬送ローラ対と、
上記第2経路の下側に設けられ、上記従動ローラを軸支するとともに上記従動ローラを上記駆動ローラに接触させる第1姿勢と上記駆動ローラから離間させる第2姿勢との間で移動可能な支持部材と、
センシング部を有する第1センサと、
上記支持部材の位置に応じて上記センシング部による検出可能位置に進退する第1検出子と、を具備し、
上記第1センサは、上記第1経路、上記第2経路、及び上記第3経路によって囲まれた空間において上記支持部材よりも上記第1経路側の第1領域に設けられている画像記録装置。
【請求項2】
駆動源からの回転駆動力を受けて上記支持部材を上記第1姿勢から上記第2姿勢へ移動させる移動機構を更に備え、
上記支持部材は、上記従動ローラを上記駆動ローラの下方で支持するものであり、
上記移動機構は、
上記支持部材に対して上下方向に連結され、駆動源からの回転駆動力を伝達する上記従動ローラの中心軸に平行なカム軸と、
上記支持部材を上方へ弾性的に付勢する付勢部材と、
上記カム軸に固定されたカムと、
上記カム軸の上側に設けられ、上記カムに当接して上記カム軸を下方へ押しつけるカム受け部と、有するものであり、
上記第1センサは、上記カム軸よりも上記第1経路側に設けられており、
上記第1検出子は、上記第1センサによって検出される被検出部が上記第1センサの検出可能位置を通過するように上記カム軸に固定されている請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記第1領域において上記従動ローラの中心軸に平行に設けられ、上記案内経路の幅方向の中心位置から上記案内経路の幅方向の一方端の外側へ延びる回動可能な支軸と、
上記支軸の上記中心位置側の第1端部に固定され、上記第2経路を交差する第3姿勢を保持可能な第2検出子と、
上記支軸の上記第1端部とは反対側の第2端部に固定された第3検出子と、
上記支軸の回動に伴い回動する上記第3検出子を検知する第2センサと、を更に備え、
上記第1センサは、上記支軸の上記第1端部よりも上記第2端部とは反対側に設けられている請求項1又は2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
上記支軸の上記第1端部に連結され、上記第2検出子を上記第3姿勢に保持するとともに、上記第2検出子に外力が加えられたときに上記支軸の周方向のいずれにも回動可能なように上記第2検出子を支持する連結部材を更に備え、
上記第1センサは、上記連結部材よりも上記第2端部とは反対側に設けられている請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
上記記録部の下方に設けられ、上記記録部による記録時に記録媒体を支持し、且つ上記第2経路の下側ガイド面を形成するガイド部材を更に備え、
上記第2経路を搬送される記録媒体の厚みに対応して、上記記録部に近接する第4姿勢と上記第4姿勢から下方へ移動して上記第2経路を拡張する第5姿勢との間で上記ガイド部材を上下方向へ移動可能に構成された請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−76269(P2012−76269A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221272(P2010−221272)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】