説明

画像記録装置

【課題】どのような向きに記録用紙がセットされたとしても、紙詰まりの発生を抑制して画像を記録可能な画像記録装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体を給紙する給紙部50と、被記録媒体に画像を記録する記録部72と、被記録媒体を記録部に搬送する第1搬送部66と、第1搬送部の作動を制御する制御装置90とを備えた画像記録装置において、制御装置が、搬送される被記録媒体の方向を検出する搬送方向検出部120と、搬送方向検出部によって検出された被記録媒体の方向に応じて、第1搬送部による被記録媒体の搬送速度を変更する搬送速度変更部126とを有する。これにより、例えば、紙詰まりの発生確率が高いと考えられる姿勢で被記録媒体が搬送される際に、被記録媒体の搬送速度を通常の速度より遅くすることが可能となり、どのような向きに被記録媒体がセットされたとしても、紙詰まりの発生を抑制して画像を記録することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置は、通常、記録用紙を搬送するための搬送部を備えており、搬送部によって搬送される記録用紙に、画像が記録される。搬送部によって搬送される記録用紙には、搬送方向によって、紙詰まりの発生する確率が異なるものがある。具体的には、例えば、封筒にはフラップ部があり、フラップ部を搬送方向の下流側として封筒が搬送される場合の紙詰まり発生確率は、フラップ部を搬送方向の上流側として封筒が搬送される場合の紙詰まり発生確率より高いことが知られている。このため、特許文献1に記載の印刷装置は、封筒への印刷時において、フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−119953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の印刷装置では、フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送されることで、紙詰まりの発生を抑制することが可能となっている。しかしながら、フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送されるように、ユーザーは封筒をトレイにセットする必要があり、不便である。一方で、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送されると、紙詰まりが発生する虞が高い。
【0005】
また、封筒以外の記録用紙にも、搬送方向によって、紙詰まりの発生確率が異なるものがある。詳しく言えば、記録用紙には、紙の繊維の流れる方向、所謂、紙の目の方向がある。この紙の目の方向に沿って、記録用紙が搬送される場合には、記録用紙は紙の繊維に沿って搬送されるため、紙詰まりが発生し難い。一方で、紙の目の方向とは異なる方向に沿って、記録用紙が搬送される場合には、記録用紙は紙の繊維に逆らって搬送されるため、紙詰まりが発生し易い。
【0006】
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、どのような向きに記録用紙がセットされたとしても、紙詰まりの発生を抑制して画像を記録可能な画像記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に記載の画像記録装置は、被記録媒体を給紙する給紙部と、該給紙部によって給紙される被記録媒体に画像を記録する記録部と、前記給紙部と前記記録部との間に配置され、前記給紙部によって給紙される被記録媒体を前記記録部に搬送する第1搬送部と、該第1搬送部の作動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、搬送される被記録媒体の方向を検出する搬送方向検出部と、該搬送方向検出部によって検出された被記録媒体の方向に応じて、前記第1搬送部による被記録媒体の搬送速度を変更する搬送速度変更部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に記載の画像記録装置では、記録用紙等の被記録媒体の搬送方向に応じて、搬送速度を変更することが可能である。これにより、例えば、紙詰まりの発生確率が高いと考えられる姿勢で被記録媒体が搬送される際に、被記録媒体の搬送速度を通常の速度より遅くすることが可能である。したがって、本発明に記載の画像記録装置によれば、どのような向きに被記録媒体がセットされたとしても、紙詰まりの発生を抑制して画像を記録することが可能となる。
【0009】
特に、被記録媒体としての封筒への印刷時に、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送される際の搬送速度を遅くすることで、紙詰まりの発生を好適に抑制することが可能となる。これにより、封筒がいずれの方向に搬送された場合であっても、紙詰まりの発生を抑制して宛名等を印刷することが可能となる。
【0010】
封筒が搬送される方向の検出は、例えば、ユーザーによるスイッチ操作等によって行われてもよく、センサ等を利用した測定値に基づいて行われてもよい。センサ等を利用した測定値に基づいて搬送方向の検出が行われる場合には、封筒の搬送方向に直交する方向の端部を検出可能なセンサを採用することが好ましい。これにより、そのセンサによって検出された封筒の両端位置の間の距離、つまり、封筒の幅を測定することが可能となる。そして、封筒の搬送方向下流側端部の幅と、その端部から搬送方向上流側に向かって所定量離れた箇所の幅とを比較することで、容易に封筒の搬送方向を確定することが可能となる。具体的には、封筒の搬送方向下流側端部の幅が、その端部から搬送方向上流側に向かって所定量離れた箇所の幅より狭い場合に、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送されていることが確定される。
【0011】
上述したように封筒の2箇所の幅を比較して搬送方向を検出する際に、封筒の画像を記録すべき部分が、記録部によって画像を記録可能な範囲を通りすぎる場合がある。このような場合には、封筒を上流に向かって逆送することが好ましい。これにより、封筒の適切な位置に宛名等を印刷することが可能となる。
【0012】
封筒を上流に向かって逆送する際にも、封筒の搬送速度を、搬送方向に応じて変更することが好ましい。これにより、逆送時においても、紙詰まりの発生を抑制することが可能となる。
【0013】
記録部の下流側には、通常、第2搬送部が配置されており、被記録媒体が、第2搬送部にまで搬送された場合には、紙詰まりの発生確率は相当低くなる。このため、被記録媒体は、第2搬送部に搬送されるまで、遅い速度で搬送されることが好ましい。これにより、必要な箇所でのみ、遅い速度での被記録媒体の搬送を行うことが可能となり、画像記録時間の短縮を図ることが可能となる。
【0014】
紙詰まりの発生確率は、被記録媒体の搬送方向だけでなく、被記録媒体の幅、つまり、搬送方向と直交する方向の長さにも依拠している。具体的には、被記録媒体の幅が広いほど、紙詰まりの発生確率は高くなる。そこで、被記録媒体の幅が広いほど、被記録媒体の搬送速度を遅くすることが好ましい。これにより、さらに、紙詰まりの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】複合機10の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】制御装置90の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】封筒の搬送方向に応じた印字制御プログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図4】封筒の搬送方向に応じた印字制御プログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【図5】図3に示すプログラムにおいて実行される用紙方向判定サブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】記録用紙の目の方向に応じた画像記録制御プログラムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例及び変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0017】
<複合機10の構成>
図1及び図2を参照し、本発明の複合機10について説明する。複合機10は、ファクシミリ機能,プリンタ機能,スキャナ機能,コピー機能等の種々の機能を有している。複合機10は、ケーシング20の内部にプリンタ部22を備えており、プリンタ機能を発揮するプリンタ部22が、本発明の画像記録装置の一例である。つまり、ファクシミリ機能,スキャナ機能,コピー機能等を発揮するための機能部は、本発明を実現するために必須の構成でないことから、それらの説明は省略する。尚、本実施例では、図1の左側、右側、表側、背面側、上側、下側は、それぞれ、複合機10の前側、後側、右側、左側、上側、下側である。
【0018】
複合機10のケーシング20の前側の側壁には、開口24が形成されており、給紙トレイ30が、その開口から前後方向に挿抜可能である。給紙トレイ30は、各種の記録用紙(本発明の被記録媒体の一例)を載置可能であり、ケーシング20内に挿入された状態で記録用紙をプリンタ部22に給紙する。記録用紙は、普通紙,インクジェット紙,封筒,ハガキ等が挙げられる。
【0019】
プリンタ部22は、給紙トレイ30に加えて、給紙トレイ30から記録用紙を後方に向かって給送する給紙部32(本発明の給紙部の一例)と、給紙部32によって給送された記録用紙に画像を記録するインクジェット方式の記録部36(本発明の記録部の一例)と、画像が記録された記録用紙を収容する排紙トレイ38とを備えている。プリント部22には、記録用紙を給紙トレイ30から記録部36を経由して、排紙トレイ38まで搬送するための搬送路40が形成されている。
【0020】
給紙部32は、給紙トレイ30内に載置された記録用紙等を搬送路40へ向けて給送するためのものである。給紙部32は、給紙ローラ50と、給紙アーム52とを備えている。給紙アーム52は、軸54を回動軸として、給紙トレイ30の上方に設けられており、軸54を中心に回動する。給紙アーム52の先端部には、給紙ローラ50が回転可能に支持されている。給紙ローラ50は給紙トレイ30内に載置された記録用紙に接触する。
【0021】
給紙ローラ50は、搬送用モータ56(図2参照)の駆動力が駆動伝達機構(図示省略)を介して伝達されることで回転する。給紙ローラ50が記録用紙に接触した状態で回転すると、最上位置の記録用紙が後方に向かって送り出される。給紙トレイ30の後側の端部には、分離傾斜板58が形成されており、分離傾斜板58によって、記録用紙が搬送路40へガイドされる。
【0022】
搬送路40は、分離傾斜板58の上端付近から記録部36の後方に渡って延設された湾曲状の湾曲路60と、記録部36の後方から排紙トレイ38に渡って延設された直線状の直線路62とに区分けされる。記録用紙は、給紙部32から、湾曲路60を経由して、ケーシング20内の下方から上方へUターンして、記録部36の上流側に搬送される。記録部36の後方には、第1搬送部64(本発明の第1搬送部の一例)が配置されている。
【0023】
第1搬送部64は、第1搬送ローラ66及びピンチローラ68を備えている。ピンチローラ68は、第1搬送ローラ66に接近離間する方向にスライド可能とされており、コイルばね(図示省略)によって、第1搬送ローラ66に密着するように付勢されている。第1搬送ローラ66とピンチローラ68との間に、湾曲路60を経由して搬送されてきた記録用紙が挿入される。第1搬送ローラ66は、搬送用モータ56(図2参照)の駆動により回転し、記録用紙を、ピンチローラ68と協働して記録部36に向かって搬送する。
【0024】
第1搬送部64によって搬送された記録用紙は、第1搬送部64の前方に配置されたプラテン70に支持される。プラテン70の上方に、記録部36が配置されており、プラテン70と記録部36との間に、記録用紙が搬送される。
【0025】
記録部36は、記録ヘッド72を搭載するキャリッジ74を備えており、キャリッジ74は、キャリッジ用モータ76(図2参照)の駆動によって、主走査方向へ往復動する。ここで、主走査方向は、記録用紙の搬送方向と直交する方向である。記録ヘッド72には、インクカートリッジ(図示省略)からシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(K)の各色インクが供給される。記録ヘッド72の下面には、各色インクに応じて複数のノズル(図示省略)が設けられており、各ノズルから各色インクが微小なインク滴として吐出される。これにより、プラテン70上に支持された記録用紙に画像が記録される。尚、記録部36は、インクジェット方式に限られず、電子写真方式等の種々の記録方式のものが適用可能である。
【0026】
キャリッジ74の前方側の下面には、光センサ78(本発明のセンサの一例)が配置されている。光センサ78は、光センサ78の下方に記録用紙が有るか無いかを判定するためのものであり、記録用紙の幅、つまり、記録用紙の搬送方向に直交する方向の長さを測定する際に利用される。
【0027】
また、記録部36及びプラテン70の前方には、第2搬送部80(本発明の第2搬送部の一例)が配置されている。第2搬送部80は、第2搬送ローラ82及び拍車ローラ84を備えている。拍車ローラ84は、第2搬送ローラ82に接近離間する方向にスライド可能とされており、コイルばね(図示省略)によって、第2搬送ローラ82に密着するように付勢されている。第2搬送ローラ82は、搬送用モータ56(図2参照)の駆動により回転し、画像が記録された記録用紙を、拍車ローラ84と協働して前方に搬送する。これにより、画像が記録された記録用紙が、第2搬送部80の前方に配置された排紙トレイ38に排出される。
【0028】
さらに、プリンタ部22は、図2に示す制御装置90(本発明の制御装置の一例)を備えている。制御装置90は、CPU92、ROM94、RAM96、EEPROM98を有しており、バス100を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)102に接続されている。
【0029】
ROM94には、CPU92が複合機10の各種動作を制御するためのプログラムが記憶されている。RAM96には、プログラム実行時に用いられる各種データが一時的に記憶される。EEPROM98には、電源オフ後も保持すべき設定等が記憶されている。
【0030】
ASIC102には、ヘッド制御回路104、駆動回路106、駆動回路108、ロータリーエンコーダ110,111、リニアエンコーダ112、及び、上記光センサ78が接続されている。
【0031】
ヘッド制御回路104は、ASIC102から入力されるCMYK形式の印刷データに基づいて、記録ヘッド72を駆動制御する。駆動回路106は、ASIC102から入力される信号等に基づいて、搬送用モータ56を駆動させ、搬送用モータ56の駆動力は、給紙ローラ50、第1搬送ローラ66、及び第2搬送ローラ80に伝達される。駆動回路108は、ASIC102から入力される信号等に基づいて、キャリッジ用モータ76を駆動させ、キャリッジ用モータ76の駆動により、キャリッジ74が主走査方向に往復移動する。
【0032】
ロータリーエンコーダ110は、第1搬送ローラ66の回転数を測定して記録用紙の搬送量を検出するものであり、ロータリーエンコーダ111は、第2搬送ローラ82の回転数を測定して記録用紙の搬送量を検出するものである。制御装置90は、ロータリーエンコーダ110,111の検出結果に基づいて搬送用モータ56の作動を制御する。リニアエンコーダ112は、主走査方向へ往復移動するキャリッジ74の移動量を検出するものである。制御装置90は、リニアエンコーダ112の検出結果に基づいてキャリッジ用モータ76の作動を制御する。
【0033】
また、光センサ78、及びリニアエンコーダ112によって、記録用紙の幅、つまり、記録用紙の搬送方向に直交する方向の長さが測定される。具体的には、光センサ78によって、記録用紙の主走査方向の両端が検出され、両端の間の距離、つまり、記録用紙の幅が、リニアエンコーダ112によって測定される。
【0034】
<プリンタ部22による画像の記録>
プリンタ部22では、上述された構成によって、記録用紙に画像が記録される。記録用紙への画像の記録は、公知の技術であることから、簡単に説明すると、まず、記録用紙が、給紙部32によって、搬送路40の屈曲路60に向かって給送される。屈曲路60を経て送られてきた記録用紙は、第1搬送部64によって、記録部36とプラテン70との間に搬送される。光センサ78によって、記録用紙の搬送が検出されると、記録用紙の搬送方向下流側端部に印字データの上方が記録されるように、記録部36の作動が制御される。そして、画像の記録された記録用紙が、第2搬送部80によって、搬送され、排紙トレイ38に搬出される。
【0035】
このように、給紙部32、第1搬送部64等の作動が制御されることで、画像が記録用紙に記録される。ただし、封筒への宛名等の文字の記録、つまり、印字に関しては、封筒の上下に応じた特殊な印字制御が行われる。この制御では、搬送される封筒の方向に応じて、封筒の搬送速度、印字データの向きが変更される。この制御に関して、以下に詳しく説明する。
【0036】
封筒は、フラップ部と呼ばれるのりしろ部分を有しており、フラップ部は、折り曲げられることで、封筒の蓋として機能する。まず、フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送された場合の印字制御について、説明する。フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送される場合には、フラップ部の開口は搬送方向上流側を向くことから、封筒が、搬送路40内で引っ掛かる可能性は低い。このため、フラップ部を搬送方向上流側として封筒が搬送される場合には、第1搬送部64は、予め設定された速度、具体的には、封筒以外の普通紙等の記録用紙を搬送する際の速度で、封筒を搬送する。ただし、このように封筒が搬送される場合には、封筒のフラップ部とは反対側の端部から印字されるため、その端部に印字データの下方が印字されるように、記録部36の作動が制御される。つまり、180°回転された印字データに従って、封筒に宛名等が印字される。尚、封筒がフラップ部を搬送方向上流側として搬送される方向が、本発明の設定方向の一例である。
【0037】
一方、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送された場合には、フラップ部の開口が搬送路40内で引っ掛かり、ジャム、つまり、紙詰まりが発生する虞が有る。特に、第1搬送部64を封筒の下流側端部、すなわち、フラップ部が通過した後、封筒に印字が行われ、そのフラップ部が第2搬送部80で挟持されるまでは、いずれにも挟持されることがない。そのため、第1搬送部64をその端部が通過した後、速い速度で搬送されることによりフラップ部から封筒内に空気が入り込む可能性がある。かかる場合、フラップ部がプラテン70から乖離してしまい、適切に第2搬送部80に挟持されない可能性がある。そこで、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送される場合に、第1搬送部64は、前述の予め設定された速度より遅い速度で、封筒を搬送する。このように遅い速度で封筒が搬送されることで、ジャムの発生を抑制することが可能となる。
【0038】
ちなみに、遅い速度での封筒の搬送は、封筒が第2搬送部80に搬送されるまで行われる。これは、搬送路40の終端部付近に配置された第2搬送部80の第2搬送ローラ82と拍車ローラ84とに、封筒がニップされると、搬送路40内で封筒が引っ掛かる虞が低くなるためである。このように、必要な箇所でのみ、遅い速度での封筒の搬送を行うことで、印字時間の短縮を図ることが可能となる。
【0039】
また、搬送される封筒の方向の判定は、光センサ78及びリニアエンコーダ112によって測定される封筒の幅に基づいて、行われる。具体的には、封筒が下流に向かって搬送され、封筒の搬送方向下流側端部が光センサ78によって検出された位置において、まず、封筒の幅W1が、光センサ78及びリニアエンコーダ112によって測定される。次に、封筒が、その位置から所定量L下流に向かって搬送され、その搬送先の位置において、封筒の幅W2が、光センサ78及びリニアエンコーダ112によって測定される。そして、第1の測定値としてのW1と第2の測定値としてのW2とが比較される。W1とW2とが同じである場合には、封筒の搬送方向は、封筒がフラップ部を搬送方向上流側として搬送される方向である。一方、W1がW2より小さい場合には、封筒の搬送方向は、封筒がフラップ部を搬送方向下流側として搬送される方向である。これにより、適切に封筒の搬送方向を判定することが可能となる。尚、所定量Lは、封筒の搬送方向の長さより短ければ、どのような値でもよいが、本実施例では、例えば、角2封筒の場合には50mm、長3封筒の場合には、20mmとされている。
【0040】
封筒の搬送方向を判定する際に、上述したように、封筒が所定量L下流に向かって搬送されることで、封筒の印字領域が、記録ヘッド72のノズルの位置を通りすぎる場合がある。つまり、封筒の宛名を印字すべき部分が、記録ヘッド72によって印字可能な範囲を通りすぎる場合がある。このような場合には、封筒が上流に向かって逆送される。この逆送の量は、上記所定量Lと同じである。
【0041】
また、搬送方向の判定時に封筒が所定量L下流に向かって搬送されることで、封筒が第1搬送部64から搬出される場合がある。このような場合において、封筒は、第2搬送部80によって逆送されるが、逆送時に、第1搬送部64においてジャムが発生する虞がある。そこで、封筒の逆送時においても、封筒の逆送方向に応じて搬送速度の変更が行われる。具体的には、フラップ部を逆送方向下流側として封筒が逆送される場合、つまり、逆送時の搬送方向下流側にフラップ部が位置するように封筒が搬送される場合に、第2搬送部80は、前述の予め設定された速度より遅い速度で封筒を逆送する。これにより、逆送時においても、ジャムの発生を抑制することが可能となる。
【0042】
ちなみに、封筒の搬送速度の変更時には、第1搬送部64の第1搬送ローラ66若しくは、第2搬送部80の第2搬送ローラ82を駆動する搬送用モータ56への通電量が低減されることで、封筒の搬送速度が遅くされる。また、搬送速度の変更方法は、モータへの通電量を調整する方法だけでなく、種々の方法を採用することが可能である。具体的には、搬送用モータ56の駆動力を第1搬送ローラ66若しくは、第2搬送ローラ82に伝達するための機構として、ギヤ比を変更可能な機構を採用し、ギヤ比の変更により、封筒の搬送速度を変更することが可能である。
【0043】
さらに、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送、逆送される際の搬送速度は、封筒の幅が大きいほど、遅い速度とされる。つまり、フラップ部を搬送方向下流側として封筒が搬送、逆送される際に、幅広の封筒は、幅狭の封筒と比較して、遅く搬送、逆送される。これにより、ジャムの発生をより確実に抑制することが可能となる。
【0044】
<制御プログラム>
上述した封筒の搬送方向に応じた印字制御は、図3〜図5にフローチャートを示す制御プログラムが、CPU92において実行されることによって行われる。以下に、封筒の搬送方向に応じた印字制御について、図に示すフローチャートを参照しつつ、詳しく説明する。
【0045】
制御プログラムでは、封筒への印字処理の指令が制御装置90に送信されると、給紙部32によって、給紙トレイ30に収容された封筒が搬送路40に向かって給紙される(ステップ(以下、「S」と略す)1)。そして、給紙された封筒が、CPU92の制御により第1搬送部64によって、通常の速度、つまり、前述の予め設定された速度で搬送される(S2)。
【0046】
次のS3では、図5に示す用紙方向判定サブルーチンが実行される。このサブルーチンでは、封筒が、封筒の搬送方向下流側端部の幅を測定可能な位置にまで搬送されたか否かが、CPU92によって判断される(S21)。つまり、光センサ78からの信号に基づいて、封筒がプラテン70上に有るか否かがCPU92によって判定される。尚、封筒の測定位置までの搬送の判断は、例えば、ロータリーエンコーダ110の検出値、つまり、第1搬送部64による封筒の搬送量に基づいて判断してもよい。
【0047】
封筒が、封筒の搬送方向下流側端部の幅を測定可能な位置にまで搬送されたと判断されると(S21のYES)、光センサ78及びリニアエンコーダ112からの信号に基づいて、封筒の幅W1がCPU92によって測定される(S22)。続いて、封筒が、封筒の幅W1が測定された位置から所定量L搬送されたか否かがCPU92によって判断される(S23)。この判断には、ロータリーエンコーダ110の検出値が用いられる。
【0048】
封筒が、所定量L搬送されたと判断されると(S23のYES)、光センサ78及びリニアエンコーダ112からの信号に基づいて、封筒の幅W2がCPU92によって測定される(S24)。そして、封筒の幅W1とW2とがCPU92によって比較される(S25)。W1がW2より小さいと判断されると(S25のYES)、CPU92によって用紙方向フラグFのフラグ値が1に設定される(S26)。そのフラグFは、封筒の搬送方向を示すフラグであり、そのフラグFのフラグ値が1とされている場合には、封筒がフラップ部を搬送方向下流側として搬送されていることを示し、0とされている場合には、封筒がフラップ部を搬送方向上流側として搬送されていることを示している。
【0049】
一方、W1がW2より小さくないと判断されると(S25のNO)、CPU92によって用紙方向フラグFのフラグ値が0に設定される(S27)。用紙方向フラグFのフラグ値が決定されると、このサブルーチンは終了し、メインルーチンに戻る。
【0050】
メインルーチンのS4では、封筒の印字領域が、記録ヘッド72による印字可能な範囲を通りすぎているか否かがCPU92によって判断される。具体的には、封筒が所定量L搬送された場合、その所定量Lに対応する封筒の領域に印字すべき印字データが存在するか否かがCPU92によって判断される。S27でフラグFのフラグ値が0と設定された場合であって、印字データの上方がその領域に存在する場合に肯定判断され、一方、S26でフラグFのフラグ値が1と設定された場合であって、印字データの下方がその領域に存在する場合に肯定判断される。封筒の印字領域が、記録ヘッド72による印字範囲を通りすぎていると判断されると(S4のYES)、用紙方向フラグFのフラグ値が1に設定されているか否かがCPU92によって判断される(S5)。用紙方向フラグFのフラグ値が1であると判断されると(S5のYES)、CPU92の制御により、封筒が、第1搬送部64および第2搬送部80によって、上流に向かって、通常の速度、つまり、前述の予め設定された速度と同じ速度で逆送される(S6)。一方、用紙方向フラグFのフラグ値が0であると判断されると(S5のNO)、CPU92の制御により、封筒が、第1搬送部64および第2搬送部80によって、上流に向かって、通常の速度より遅い速度で逆送される(S7)。尚、S7での速度は、S24において測定された封筒の幅W2に応じて設定される。この速度は、封筒の幅W2に応じて予め定められた速度であり、幅W2が大きくなるほど遅い速度が設定される。尚、逆送する際に、通常の速度よりも遅い速度に設定するため、フラップ部が第1搬送部64を通過し、封筒が第2搬送部80のみによって挟持されている場合においても、逆送によりフラップ部がプラテン70から乖離してしまい、適切に第1搬送部64に挟持されない可能性を低減することができる。
尚、第1搬送部64および第2搬送部80の両方によって封筒が挟持されている場合には、封筒は、その両搬送部によって逆送されてもよいし、いずれか一方のみに挟持されている場合には、その挟持している搬送部のみによって逆送されてもよい。さらに、封筒が両搬送部によって挟持されている場合においても、第1搬送部64のみを駆動し、封筒を逆送してもよい。
【0051】
続いて、逆方向への封筒の搬送が、所定量L行われたか否かがCPU92によって判断される(S8)。この判断には、ロータリーエンコーダ111の検出値が用いられる。逆方向への封筒の搬送が、所定量L行われていないと判断された場合には(S8のNO)、S5〜8の処理が繰り返し実行される。
【0052】
一方、逆方向への封筒の搬送が、所定量L行われたと判断された場合(S8のYES)、若しくは、封筒の印字領域が記録ヘッド72による印字範囲を通りすぎていないと判断された場合には(S4のNO)、用紙方向フラグFのフラグ値が1であるか否かがCPU92によって判断される(S9)。用紙方向フラグFのフラグ値が1であると判断されると(S9のYES)、CPU92の制御により、封筒が、第1搬送部64によって、下流に向かって、通常の速度より遅い速度で搬送される(S10)。ちなみに、S10での速度は、S24において測定された封筒の幅W2に応じて設定される。一方、用紙方向フラグFのフラグ値が0であると判断されると(S9のNO)、CPU92の制御により、封筒が、第1搬送部64によって、下流に向かって、通常の速度で搬送される(S11)。
【0053】
次に、CPU92によって、用紙方向フラグFのフラグ値が1であるか否かが判断される(S12)。用紙方向フラグFのフラグ値が1であると判断されると(S12のYES)、封筒の搬送方向下流側端部に印字データの上方が印字されるように、記録部36の作動がCPU92によって制御される(S13)。つまり、宛名が、それの上方から下方に向かって封筒に印字される。一方、用紙方向フラグFのフラグ値が0であると判断されると(S12のNO)、封筒の搬送方向下流側端部に印字データの下方が印字されるように、記録部36の作動がCPU92によって制御される(S14)。つまり、印字データが180°回転され、宛名が、それの下方から上方に向かって封筒に印字される。
【0054】
続いて、CPU92によって封筒が第2搬送部80まで搬送されたか否かが判断される(S15)。この判断は、所定量搬送した場合に、肯定判断される。封筒が第2搬送部80まで搬送されたと判断されると(S15のYES)、CPU92によって用紙方向フラグFのフラグ値が1であるか否かが判断される(S16)。用紙方向フラグFのフラグ値が1であると判断されると(S16のYES)、CPU92の制御により、第1搬送部64および第2搬送部80による遅い速度での封筒の搬送が終了され、封筒が、通常の速度で搬送される(S17)。なお、封筒が第2搬送部80まで搬送されていないと判断された場合には(S15のNO)、S12〜15の処理が繰り返し実行される。
【0055】
封筒の通常速度での搬送が開始された場合(S17)、若しくは、用紙方向フラグFのフラグ値が0であると判断された場合には(S16のNO)、封筒への印字が終了したか否かがCPU92によって判断される(S18)。封筒への印字が終了したと判断された場合には(S18のYES)、本プログラムの実行が終了する。なお、封筒への印字が終了していないと判断された場合には(S18のNO)、CPU92によってS12〜18の処理が繰り返し実行される。
【0056】
<制御装置90の機能構成>
上記制御プログラムを実行する制御装置90のCPU92は、それの実行処理に鑑みれば、図2に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、CPU92は、搬送方向検出部120(本発明の搬送方向検出部の一例)と、測定部122(本発明の測定部の一例)と、逆方向搬送部124(本発明の逆方向搬送部の一例)と、搬送速度変更部126(本発明の搬送速度変更部の一例)とを有している。
【0057】
搬送方向検出部120は、上記制御プログラムのS21〜S27の処理を実行する機能部、つまり、搬送される封筒の方向を検出する機能部である。測定部122は、上記制御プログラムのS22,S24の処理を実行する機能部、つまり、封筒の幅を測定する機能部である。逆方向搬送部124は、上記制御プログラムのS4〜S8の処理を実行する機能部、つまり、封筒の印字領域が記録ヘッド72による印字範囲を超えた場合に、封筒を逆搬送する機能部である。搬送速度変更部126は、上記制御プログラムのS5〜S7,S9〜S11の処理を実行する機能部、つまり、封筒の搬送方向に応じて搬送速度を変更する機能部である。
【0058】
<変形例>
上記実施例では、封筒の搬送方向に応じて搬送速度を変更しているが、普通紙等の記録用紙の搬送方向に応じて搬送速度を変更することも可能である。例えば、記録用紙の搬送方向が、その用紙を構成する繊維の流れる方向、所謂、紙の目の方向と同じであるか否かによって、搬送速度を変更することも可能である。記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と同じである場合には、繊維の流れる方向に記録用紙が搬送される。このため、記録用紙は搬送路40内で引っ掛かり難い。そこで、記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と同じである場合には、記録用紙を通常の速度で搬送する。尚、紙の目の方向が、本発明の設定方向の一例である。
【0059】
一方、記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と異なる場合には、繊維の流れる方向と異なる方向に記録用紙が搬送される。このため、記録用紙は搬送路40内で引っ掛かり易い。そこで、記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と異なる場合には、記録用紙を通常の速度より遅い速度で搬送する。これにより、普通紙等の記録用紙でのジャムの発生を抑制することが可能となる。
【0060】
記録用紙の目の方向に応じた画像記録制御は、図6にフローチャートを示す制御プログラムが、CPU92において実行されることによって行われる。以下に、記録用紙の目の方向に応じた画像記録制御について、図に示すフローチャートを参照しつつ、説明する。ただし、図3〜図5に示す封筒の搬送方向に応じた印字制御と同じ処理の説明に関しては、省略する。
【0061】
S101の処理は、図3におけるS1の処理と同じである。そして、給紙された記録用紙の搬送方向が記録用紙の目の方向と同じであるか否かがCPU92によって判断される(S102)。変形例のプリンタ部には、ユーザーにより操作されるスイッチ(図示省略)が設けられており、ユーザーは、記録用紙を紙の目の方向に沿って搬送させる場合に、そのスイッチを操作する。つまり、記録用紙が紙の目の方向に沿って搬送されるように、記録用紙が給紙トレイ30に収容されている場合に、ユーザーは、スイッチを操作する。しがたって、スイッチが操作されている場合には、記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と同じであり、スイッチが操作されていない場合には、記録用紙の搬送方向が紙の目の方向と異なるとCPU92によって判断される。そして、スイッチが操作されていると判断された場合には、用紙方向フラグFのフラグ値が0と設定され、スイッチが操作されていないと判断された場合には、フラグ値が1と設定される。
【0062】
次に、S109〜111の処理は、図4におけるS9〜11の処理と同じである。記録用紙が記録部36に搬送されると、記録用紙の搬送方向下流側端部に印字データの上方が記録されるように、記録部36の作動がCPU92によって制御される(S112)。つまり、画像が、それの上方から下方に向かって記録用紙に記録される。そして、S115〜118の処理は、図4におけるS15〜18の処理と同じであり、S118において、記録用紙への画像の記録が終了したと判断された場合に、本プログラムの実行が終了する。
【0063】
ちなみに、上記制御プログラムのS102の処理を実行する機能部が、搬送方向検出部120に相当し、上記制御プログラムのS109〜S111の処理を実行する機能部が、搬送速度変更部126に相当する。
【0064】
なお、本発明は、上記実施例及び変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、複数枚の封筒に対して印字が行われる際に、1枚目で、フラップ部が封筒の搬送方向下流側であると判断された場合に、予め設定された速度よりも遅く変更した搬送速度で2枚目以降を搬送することが可能である。そうすれば、光センサ78等によって封筒の搬送方向が検出されるまでの搬送路40においてもジャムの発生を抑制することが可能となる。
【0065】
また、上記実施例及び変形例では、CPU92によって図3〜6に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU92に限らず、ASIC102や他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU92やASIC102、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【0066】
さらに言えば、上記実施例では、キャリッジ74に設けられた光センサ78及びリニアエンコーダ112によって記録用紙の幅W1,W2が検出されているが、光センサ78及びリニアエンコーダ112に替えて、記録用紙の幅を検出するセンサを第1搬送部64よりも上流側に設けてもよい。そして、そのセンサによって検出された幅に基づいて封筒の搬送方向を判断してもよい。また、上述のように、ユーザーによるスイッチ操作などで、封筒の搬送方向が判断されてもよい。かかる場合、光センサ78に基づく幅W1,W2の検出は不要となり、ユーザーによるスイッチ操作に従って、搬送速度が設定される。これらの場合、図3のS4〜S8の処理は省略される。
さらに、上記実施例では、S6において、前述の予め設定された速度と同じ速度で封筒が逆送される例を説明したが、これに限られることはなく、S6における逆送時の速度は、前述の予め設定された速度より速くても遅くてもよい。かかる場合、S7における逆送時の速度は、その速度よりも遅いとよい。これによりジャムの発生を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0067】
22:プリント部(画像記録装置)
30:給紙部
36:記録部
64:第1搬送部
78:光センサ(センサ)
80:第2搬送部
90:制御装置
120:搬送方向検出部
122:測定部
124:逆方向搬送部
126:搬送速度変更部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体を給紙する給紙部と、
該給紙部によって給紙される被記録媒体に画像を記録する記録部と、
前記給紙部と前記記録部との間に配置され、前記給紙部によって給紙される被記録媒体を前記記録部に搬送する第1搬送部と、
該第1搬送部の作動を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
搬送される被記録媒体の方向を検出する搬送方向検出部と、
該搬送方向検出部によって検出された被記録媒体の方向に応じて、前記第1搬送部による被記録媒体の搬送速度を変更する搬送速度変更部と、
を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記搬送速度変更部は、
搬送される被記録媒体の方向が予め設定された設定方向と異なる場合に、前記第1搬送部による被記録媒体の搬送速度を、搬送される被記録媒体の方向が前記設定方向である場合よりも遅くすることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記搬送方向検出部は、
搬送される被記録媒体としての封筒の方向を検出し、
前記設定方向は、
封筒のフラップ部を搬送方向上流側として封筒を搬送する方向であることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
当該画像記録装置は、
被記録媒体の搬送路に配置され、封筒の搬送方向に直交する方向の端部を検出するためのセンサを備え、
前記制御装置は、
前記センサにより検出された搬送方向に直交する封筒の両端の位置に基づいて、封筒の搬送方向に直交する方向の長さを測定する測定部を備え、
前記搬送方向検出部は、
封筒の搬送方向下流側端部における前記測定部による第1の測定値と、該第1の測定値が測定されたときの封筒の位置から所定量封筒が搬送された際の前記測定部による第2の測定値とに基づいて、搬送される封筒の方向を検出することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記搬送方向検出部は、
前記第1の測定値に基づく長さが前記第2の測定値に基づく長さより短い場合に、搬送される封筒の方向が前記設定方向と異なる方向であると検出することを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項6】
当該画像記録装置は、
前記記録部の下流側に配置され、前記第1搬送部から搬送された被記録媒体を搬送する第2搬送部を備え、
前記制御装置は、
封筒が前記所定量搬送された際に、画像を記録すべき部分が、前記記録部によって画像を記録可能な範囲を通りすぎた場合に、前記第1搬送部と前記第2搬送部との少なくとも一方によって、封筒を搬送方向上流側に向かって逆送させる逆方向搬送部を備えたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記搬送速度変更部は、
前記逆方向搬送部により逆送される封筒の方向が、前記設定方向と異なる場合に、封筒の搬送速度を、前記逆方向搬送部により逆送される封筒の方向が前記設定方向である場合よりも遅くすることを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
当該画像記録装置は、
前記記録部の下流側に配置され、前記第1搬送部から搬送された被記録媒体を搬送する第2搬送部を備え、
前記搬送速度変更部は、
被記録媒体が前記第2搬送部に搬送されるまで、被記録媒体の搬送速度を遅くすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記搬送速度変更部は、
被記録媒体の搬送速度を遅くする場合に、被記録媒体の搬送方向に直交する方向の長さが長いほど、被記録媒体の搬送速度を遅くすることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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