説明

画像読み取り装置

【課題】色分解数の不足を解消し、対象となる画像パターンの分光分析を行うことを可能にする画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】画像読み取り装置(100)は、画像パターンから反射した反射光(500)を3つの光(501,502,503)に分光し、当該3つの光を相互に異なる方向に出力する分光プリズム(110)と、3つの光の各々を受光する第一乃至第三の4ラインCCD(121,122,123)と、を備え、第一乃至第三の4ラインCCDの各々は、予め指定された波長を有する光のみを通過させる干渉透過膜が施された3個のラインセンサと、干渉透過膜が施されていない1個のラインセンサと、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象物(例えば、印刷物)上に施されている画像パターンを読み取る画像読み取り装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
分光画像の画像情報を収集するための装置としては、例えば、2次元分光器とモノクロCCDとを組み合せたハイパースペクトルカメラがある。
【0003】
このようなハイパースペクトルカメラにおいては、2次元分光器の測定視野をCCDのX軸、分光スペクトルをCCDのY軸に結像させる必要があるため、測定視野に対する光学系と分光スペクトルに対する光学系は同一の光学系とすることが必要となる。
【0004】
また、分光スペクトルはある程度の分解能が必要となるため、それらの光学系は分光スペクトル結像に重点を置いたものとならざるを得ない。このため、測定視野はピントの甘い画像となり、低い鮮明度しか得ることができない。
【0005】
また、分解能を上げるため、現状では、モノクロCCDとして、画素の大きいVGA2/3インチCCDが使用されることが多い。このため、撮像スピードが遅く、高速用のモノクロCCDであっても1秒間に60フレーム程度の速度である。
【0006】
測定視野の間欠的な分光検査は、上記のハイパースペクトルカメラを用いても、問題なく行うことが可能である。
【0007】
しかしながら、インライン上の高速で搬送される印刷物を連続的に分光検査する場合には、問題が生じる。すなわち、モノクロCCDの撮像スピードが遅いため、印刷物の搬送速度が撮像スピードを上回ると、分光検査は不可能となる。
【0008】
また、高速で分光検査を行う装置として、入射光をRGB(赤・緑・青)の3つの波長に分光する三板式カメラがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−255004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
RGBの3つの波長に分光する三板式カメラは、例えば、40MHzの周波数で駆動される。このため、この周波数に対応するRGB信号を利用して、高速カラー画像を得ることが可能である。
【0011】
三板式カメラは、分光プリズムと、分光プリズムの下流側に配置された3個のCCD(赤(R)用CCD、緑(G)用CCD及び青(B)用CCD)とから構成されている。分光プリズムに入射した白色光はRGBの三色に色分解され、それぞれR用CCD、G用CCD、B用CCDに結像される。
【0012】
しかしながら、三板式カメラでは、色の分解数が3個しかないため、分光分析を行うには、色分解数が不足している。
【0013】
本発明は、このような従来の画像読み取り装置(特に、三板式カメラ)における問題点に鑑みてなされたものであり、色分解数の不足を解消し、対象となる画像パターンの分光分析を行うことを可能にする画像読み取り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明は、計測対象物の画像パターンを読み取る画像読み取り装置(100)であって、前記画像パターンから反射した反射光(500)を3つの光(501,502,503)に分光し、当該3つの光を相互に異なる方向に出力する分光プリズム(110)と、前記3つの光(501,502,503)の各々を受光する第一乃至第三の4ラインCCD(121,122,123)と、を備え、前記第一乃至第三の4ラインCCD(121,122,123)の各々は、予め指定された波長を有する光のみを通過させる干渉透過膜が施された3個のラインセンサ(121A,121B,121C)と、干渉透過膜が施されていない1個のラインセンサ(121D)と、を有するものである画像読み取り装置(100)を提供する。
【0015】
前記分光プリズム(110)は、例えば、前記反射光(500)の入射方向(X)と直交する入射面(111A)と、前記反射光(500)の入射方向(X)と平行な第一の出射面(111B)と、前記反射光(500)の入射方向(X)に対して45度の角度をなす第二の出射面(111C)とを有する第一プリズム(111)と、前記反射光(500)の入射方向(X)に対して45度の角度をなす入射面(112A)と、前記反射光(500)の入射方向(X)と直交する第一の出射面(112B)と、前記反射光(500)の入射方向(X)に対して45度の角度をなす第二の出射面(112C)とを有し、前記入射面(112A)が前記第一プリズム(111)の第二の出射面(111C)と接している第二プリズム(112)と、前記反射光(500)の入射方向(X)に対して45度の角度をなす入射面(113A)と、前記反射光(500)の入射方向(X)と直交する出射面(113B)とを有し、前記入射面(113A)が前記第二プリズム(112)の第二の出射面(112C)と接している第三プリズム(113)と、前記第一プリズム(111)の第二の出射面(111C)と前記第二プリズム(112)の入射面(112A)との間に挟まれた第一干渉膜(114)と、前記第二プリズム(112)の第二の出射面(112C)と前記第三プリズム(113)の入射面(113A)との間に挟まれた第二干渉膜(115)と、から構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像読み取り装置における第一乃至第三の4ラインCCDの各々は、予め指定された波長のみを通過させる干渉透過膜が施された3個のラインセンサと、干渉透過膜が施されていない1個のラインセンサと、を備えている。このため、本発明に係る画像読み取り装置によれば、1個のラインセンサ(干渉透過膜が施されているもの)につき、3波長のスペクトルに分光したカラー画像を取り出すことができるため、3個のラインセンサ(干渉透過膜が施されているもの)によって、計9個のスペクトルを取り出すことができる。さらに、干渉透過膜が施されていないラインセンサを介して得ることができる画像(カラー画像)をも加えることにより、3個の4ラインCCDによって、計12個のスペクトルを取り出すことができる。
【0017】
従来のハイパースペクトルカメラは測定視野をCCDのX軸、分光スペクトルをCCDのY軸に結像させる必要があるため、測定視野及び分光スペクトルの双方に対して同一光学系を使用する必要があった。このため、得られたカラー画像はピンボケとなりやすかった。
【0018】
これに対して、本発明に係る画像読み取り装置によれば、4個のラインセンサから得られる画像は全て同一の光軸に結像させるため、ピントの合った画像となる。また、入射光は各4ラインCCDにおいてRGBの3色に色分解されるので、ハイパースペクトルカメラと比較して、色収差の影響も極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置の概略的な斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置の平面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置における分光プリズムの波長−透過特性(波長と透過率との関係)を示すグラフである。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置における4ラインCCDの概略的な構造を示す平面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置における4ラインCCDの波長−透過特性(波長と透過率との関係)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一の実施形態)
図1は本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置100の概略的な斜視図であり、図2は画像読み取り装置100の平面図である。
【0021】
本実施形態に係る画像読み取り装置100は、計測対象物(例えば、印刷物)の画像パターンから反射した反射光500(具体的には、白色反射光)を3つの光501、502、503に分光し、それぞれ異なる方向に出力する分光プリズム110と、3つの光のうちの第一の光501を受光する第一の4ラインCCD121と、3つの光のうちの第二の光502を受光する第二の4ラインCCD122と、3つの光のうちの第三の光503を受光する第三の4ラインCCD123と、から構成されている。
【0022】
分光プリズム110は、第一プリズム111と、第二プリズム112と、第三プリズム113と、第一干渉膜114と、第二干渉膜115と、から構成されている。
【0023】
第一プリズム111は、反射光(すなわち、分光プリズム110への入射光))500が分光プリズム110に入射する方向Xと直交する入射面111Aと、反射光500の入射方向Xと平行な第一の出射面111Bと、反射光500の入射方向Xに対して45度の角度をなす第二の出射面111Cとを有している。
【0024】
第一プリズム111に隣接して第二プリズム112が配置されている。第二プリズム112は90度の頂角(従って、二つの底角はそれぞれ45度)を有する二等辺三角形の形状をなしている。
【0025】
具体的には、第二プリズム112は、反射光500の入射方向Xに対して45度の角度をなす入射面112Aと、反射光500の入射方向Xと直交する第一の出射面112Bと、反射光500の入射方向Xに対して45度の角度をなす第二の出射面112Cとを有している。
【0026】
第二プリズム112の入射面112Aは第一プリズム111の第二の出射面111Cと接している。
【0027】
第三プリズム113は、反射光500の入射方向Xに対して45度の角度をなす入射面113Aと、反射光500の入射方向Xと直交する出射面113Bとを有している。
【0028】
第三プリズム113の入射面113Aは第二プリズム112の第二の出射面112Cと接している。
【0029】
第一プリズム111の第二の出射面111Cと第二プリズム112の入射面112Aとの間には第一干渉膜114が挟まれている。すなわち、第一プリズム111と第二プリズム112とは第一干渉膜114を介して結合されている。
【0030】
第二プリズム112の第二の出射面112Cと第三プリズム113の入射面113Aとの間には第二干渉膜115が挟まれている。すなわち、第二プリズム112と第三プリズム113とは第二干渉膜115を介して結合されている。
【0031】
図3は、分光プリズム110の波長−透過特性(波長と透過率との関係)を示すグラフである。
【0032】
図3に示すように、分光プリズム110は、約400乃至約500nmの範囲の波長を有する青色光(B)に対して50%以上の透過率を示し、約500乃至約600nmの範囲の波長を有する緑色光(G)に対して50%以上の透過率を示し、さらに、約600nm以上の波長を有する赤色光に対して50%以上の透過率を示す。
【0033】
図1及び図2に示すように、第一の4ラインCCD121は第一プリズム111の第一の出射面111Bに対向して配置されており、第一プリズム111の第一の出射面111Bから出射される光501は第一の4ラインCCD121に入射する。
【0034】
第二の4ラインCCD122は第二プリズム112の第一の出射面112Bに対向して配置されており、第二プリズム112の第一の出射面112Bから出射される光502は第二の4ラインCCD122に入射する。
【0035】
第三の4ラインCCD123は第三プリズム113の出射面113Bに対向して配置されており、第三プリズム113の出射面113Bから出射される光503は第三の4ラインCCD123に入射する。
【0036】
第一の4ラインCCD121、第二の4ラインCCD122及び第三の4ラインCCD123とは同一の構造を有している。
【0037】
このため、第一の4ラインCCD121についてのみ、以下に、その構造を説明する。
【0038】
図4は、第一の4ラインCCD121の概略的な構造を示す平面図である。
【0039】
図4に示すように、第一の4ラインCCD121は、第一ラインセンサ121A、第二ラインセンサ121B、第三ラインセンサ121C及び第四ラインセンサ121Dを備えている。
【0040】
第一ラインセンサ121A、第二ラインセンサ121B及び第三ラインセンサ121Cの各々には、予め指定された波長を有する光のみを通過させる干渉透過膜が設けられている。このため、例えば、第一ラインセンサ121Aは赤色光のみを取り込み、第二ラインセンサ121Bは青色光のみを取り込み、また、第三ラインセンサ121Cは緑色光のみを取り込むように構成することができる。
【0041】
一方、第四ラインセンサ121Dにはそのような干渉透過膜は施されていない。このため、第四ラインセンサ121Dは、従来の三板式カメラと同様に、波長の制限なく、全ての波長の光を取り込む。
【0042】
第一ラインセンサ121A、第二ラインセンサ121B、第三ラインセンサ121C及び第四ラインセンサ121Dの各々は、取り込んだ光をその色濃度を示す信号に光電変換し、出力する。
【0043】
例えば、第一ラインセンサ121A、第二ラインセンサ121B及び第三ラインセンサ121Cは上からこの順に配列され、また、第一ラインセンサ121A、第二ラインセンサ121B及び第三ラインセンサ121Cの各々は10μmの幅(図4の上下方向における長さ)の中に4000画素を有しており、また、20μmの間隔(中心線間の間隔)を空けて相互に平行に等間隔に配列されている。
【0044】
さらに、第四ラインセンサ121Dは、10μmの幅の中に8000画素を有しており、第三ラインセンサ121Cから20μmの間隔(中心線間の間隔)を空けて第三ラインセンサ121Cに平行に配列されている。
【0045】
図5は第一乃至第三の4ラインCCD121−123の波長−透過特性(波長と透過率との関係)を示すグラフである。
【0046】
図5に示すように、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々に施されている干渉透過膜は、分光プリズム110の青色光に対する透過率に対応して、約400乃至約500nmの範囲の波長帯において、透過率が50%以上(具体的には約50乃至約70%)である3つの波長帯域B1、B2、B3を有している。すなわち、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々は、第一乃至第三ラインセンサを介して、3つの波長帯域B1、B2、B3にある波長を有する青成分(B)の光を50%以上の透過率で取り入れる。
【0047】
また、図5に示すように、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々に施されている干渉透過膜は、分光プリズム110の緑色光に対する透過率に対応して、約500乃至約600nmの範囲の波長帯において、透過率が50%以上(具体的には約50乃至約70%)である3つの波長帯域G1、G2、G3を有している。すなわち、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々は、第一乃至第三ラインセンサを介して、3つの波長帯域G1、G2、G3にある波長を有する緑成分(G)の光を50%以上の透過率で取り入れる。
【0048】
さらに、図5に示すように、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々に施されている干渉透過膜は、分光プリズム110の赤色光に対する透過率に対応して、約600nm以上の波長帯において、透過率が50%以上(具体的には約50乃至約70%)である3つの波長帯域R1、R2、R3を有している。すなわち、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々は、第一乃至第三ラインセンサを介して、3つの波長帯域R1、R2、R3にある波長を有する赤成分(R)の光を50%以上の透過率で取り入れる。
【0049】
以上のような構造を有する本実施形態に係る画像読み取り装置100は以下のように動作する。
【0050】
計測対象物(例えば、印刷物)の画像パターンから反射した反射光500は第一プリズム111の入射面111Aを介して第一プリズム111に入射する。
【0051】
第一プリズム111に入射した反射光500のうち、第一の光501は第一透過膜114において反射し、第一プリズム111の第一の出射面111Bに向かう。第一の出射面111Bから出射した第一の光501は第一の4ラインCCD121に入射する。
【0052】
反射光500から第一の光501を除いた光504は第一透過膜114を透過し、第二プリズム112に入射する。
【0053】
第二プリズム112に入射した光504のうち、第二の光502のみが第二透過膜115において反射し、第二プリズム112の第一の出射面112Bに向かう。第一の出射面112Bから出射した第二の光502は第二の4ラインCCD122に入射する。
【0054】
第一の光501及び第二の光502を除く反射光500は第二の出射面112Cを介して第二透過膜115を透過し、第三の光503として、第三プリズム113に入射する。
【0055】
第三プリズム113に入射した反射光500(第三の光503)はそのまま出射面113Bから出射し、第三の4ラインCCD123に入射する。
【0056】
以上のように、本実施形態に係る画像読み取り装置100によれば、1個のラインセンサ(第一ラインセンサ、第二ラインセンサまたは第三ラインセンサ)につき、3波長のスペクトルに分光したカラー画像を取り出すことができるため、3個のラインセンサ(第一ラインセンサ、第二ラインセンサ及び第三ラインセンサ)によって、計9個のスペクトルを取り出すことができる。
【0057】
また、これら9個のスペクトルは第一ラインセンサ、第二ラインセンサ及び第三ラインセンサにおいてほぼ同時に取り込むことが可能である。
【0058】
さらに、干渉透過膜が施されていない第四ラインセンサを介して得ることができるカラー画像をも加えることにより、1個の4ラインCCDにつき4個のスペクトル、すなわち、3個の4ラインCCDによって計12個のスペクトルを取り出すことができる。
【0059】
また、各ラインセンサに使用される干渉透過膜を通過する光の波長としては、第一乃至第三の4ラインCCD121−123の各々の使用目的や使用分野に応じて、透過可能な波長を選択することができる。
【0060】
例えば、分光解析に必要なスペクトルは5本程度で足りることが多いため、本実施形態に係る画像読み取り装置100を用いることにより、分光解析に必要な数のスペクトルを確保することが可能である。
【0061】
第四ラインセンサは従来の三板式カメラにより得られるカラー画像と同様の画像を第一乃至第三ラインセンサによる画像取り込みと同時に取り込むものである。このため、第一乃至第三ラインセンサによる9波長のスペクトル画像の撮像位置が明確になる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
第一に、本発明に係る画像読み取り装置を色差計に用いることができる。
【0063】
色差計において、赤緑青(RGB)の3色から色差を計算すると、計算結果にマイナスが発生することがあり、実用上、不具合が起こることが知られている。これに対して、6色から色差を演算すると、マイナスが発生することなく、良好な結果が得られる。本発明に係る画像読み取り装置は9色を取り入れることが可能であるから、本発明に係る画像読み取り装置を色差計に用いることにより、良好に色差を計算することが可能になる。
【0064】
また、本発明に係る画像読み取り装置を、例えば、分光カメラとして使用することにより、取り込んだ画像データをメモリ上で展開することができる。このため、RGBの3色から求める色差に基づいて、2次元の色差をリアルタイムに精度よく演算することが可能になる。
【0065】
第二に、本発明に係る画像読み取り装置を蛍光物質の検出に利用することが可能である。
【0066】
自然界には蛍光発光するものが多々ある。また、物質が変質したときに、蛍光発光量や波長が変化するものも多い。また、印刷物にあまり色を付けたくない場合にも多くの蛍光物質を使用する。さらに、用途によっては、フィルムに蛍光物質を混ぜ込むことも多い。
【0067】
このような場合、本発明に係る画像読み取り装置を用いて、蛍光物質の蛍光波長と励起波長にあったスペクトルのデータを2次元スペクト画像として取り込むことによって、蛍光物質の計測及び制御を行うことが可能になる。
【0068】
第三に、本発明に係る画像読み取り装置により、光透過または吸光による色検査を実施することが可能になる。
【0069】
また、近赤外線の波長を考慮すれば、本発明に係る画像読み取り装置をフィルムの膜厚測定用に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0070】
100 本発明の第一の実施形態に係る画像読み取り装置
110 分光プリズム
111 第一プリズム
112 第二プリズム
113 第三プリズム
114 第一干渉膜
115 第二干渉膜
121 第一の4ラインCCD
122 第二の4ラインCCD
123 第三の4ラインCCD
121A 第一ラインセンサ
121B 第二ラインセンサ
121C 第三ラインセンサ
121D 第四ラインセンサ
500 反射光
501、502、503 分光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物の画像パターンを読み取る画像読み取り装置であって、
前記画像パターンから反射した反射光を3つの光に分光し、当該3つの光を相互に異なる方向に出力する分光プリズムと、
前記3つの光の各々を受光する第一乃至第三の4ラインCCDと、
を備え、
前記第一乃至第三の4ラインCCDの各々は、
予め指定された波長を有する光のみを通過させる干渉透過膜が施された3個のラインセンサと、
干渉透過膜が施されていない1個のラインセンサと、
を有するものである画像読み取り装置。
【請求項2】
前記分光プリズムは、
前記反射光の入射方向と直交する入射面と、前記反射光の入射方向と平行な第一の出射面と、前記反射光の入射方向に対して45度の角度をなす第二の出射面とを有する第一プリズムと、
前記反射光の入射方向に対して45度の角度をなす入射面と、前記反射光の入射方向と直交する第一の出射面と、前記反射光の入射方向に対して45度の角度をなす第二の出射面とを有し、前記入射面が前記第一プリズムの第二の出射面と接している第二プリズムと、
前記反射光の入射方向に対して45度の角度をなす入射面と、前記反射光の入射方向と直交する出射面とを有し、前記入射面が前記第二プリズムの第二の出射面と接している第三プリズムと、
前記第一プリズムの第二の出射面と前記第二プリズムの入射面との間に挟まれた第一干渉膜と、
前記第二プリズムの第二の出射面と前記第三プリズムの入射面との間に挟まれた第二干渉膜と、
からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−142407(P2011−142407A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−775(P2010−775)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000135254)株式会社ニレコ (41)
【Fターム(参考)】