画像読取装置、画像読取方法及びプログラム
【課題】ユーザによるファイル編集の手間を省き、作業効率を向上させること。
【解決手段】ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る画像読取部26と、画像読取部26により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、識別子から保存先データを生成する制御を行い、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する制御を行うCPU21と、を備える。
【解決手段】ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る画像読取部26と、画像読取部26により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、識別子から保存先データを生成する制御を行い、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する制御を行うCPU21と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿をスキャナにより読み取って画像データを生成し、該生成した画像データを有効に活用するための技術が知られている。
【0003】
例えば、スキャナから複数ページの原稿を読み取り、各原稿の画像データを生成し、該生成した画像データからページ番号を抽出し、該抽出したページ番号の順序が不規則である場合は、適切な順序にページの並べ替えを行うことで不規則なページ順序となった状態で画像データが出力されることを防ぐ技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−81841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、原稿をスキャナにより読み取って画像データを生成し、該生成した画像データをワード(登録商標)やエクセル(登録商標)等のアプリケーションに直接保存する方式が広まりつつある。以下、複数のシートで構成されるエクセルファイルに画像データを直接保存する場合の例について説明する。
【0006】
ここで、画像データの保存先は、エクセルファイルのシートであり、予め決定されているものとする。例えば、複数の画像データを1つのシートに保存するように保存先が予め決定されている場合、図20に示すように、3つの画像データ、すなわちスキャンデータ1〜3がエクセルファイルの1つのシートに連続して保存される。これにより、図20に示すエクセルファイルが生成される。
また、1つの画像データを1つのシートに保存するように予め保存先が決定されている場合、図21に示すように、スキャンデータ1〜3がシート1〜3にそれぞれ1つずつ保存される。これにより、図21に示すエクセルファイルが生成される。
【0007】
図20又は図21で説明したようなエクセルファイルが生成されると、ユーザは、生成されたエクセルファイルを編集したり利用することが可能となる。例えば、エクセルファイルを用紙に印刷して配布用の資料として利用することが可能となる。
【0008】
しかしながら、図20又は図21に示すエクセルファイルにおいて、スキャンデータの保存先がユーザの所望する保存先でない場合、ユーザはエクセルファイルの編集に手間を要していた。例えば、図20に示すエクセルファイルが生成された場合であって、ユーザの所望する保存先が、スキャンデータ1及びスキャンデータ2はシート1、スキャンデータ3はシート2であった場合、ユーザは、スキャンデータ2をシート1に配置させ、且つ、スキャンデータ3をシート2に配置しなおす作業を行う必要がある。このため、エクセルファイル(ファイル)を編集する手間を要していた。
【0009】
また、上述の特許文献1は、ページ番号に基づいて、適切な順序にページの並べ替えを行う技術であって、スキャンデータをユーザの所望する保存先に保存する技術は記載されていない。このため、スキャンデータがユーザの所望する保存先に保存されてない場合、ユーザはファイルを編集する手間を要するという問題があった。
【0010】
本発明の課題は、ユーザによるファイル編集の手間を省き、作業効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像読取装置は、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記読取部は、
前記保存用画像と前記識別子とが1枚にまとめて記載された1枚以上の原稿又は前記保存用画像と前記識別子とが別々の原稿に記載された複数の原稿を読み取る。
【0013】
請求項3に記載の発明の画像読取装置は、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える。
【0014】
請求項4に記載の発明の画像読取装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記ファイルは、
OOXML形式のファイルである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像読取装置において、
前記OOXML形式のファイルは、
エクセル(登録商標)ファイルであって、
前記保存先のデータは、
前記保存先として前記エクセルファイルのシートを指定するデータである。
【0016】
請求項6に記載の発明の画像読取方法は、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む。
【0017】
請求項7に記載の発明の画像読取方法は、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む。
【0018】
請求項8に記載の発明のプログラムは、
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させる。
【0019】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザによるファイル編集の手間を省き、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る画像読取装置を有する画像形成装置を含むネットワーク構成図である。
【図2】コンピュータの主要構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図4】スキャンデータの保存先をエクセルファイルのシートとした一例を示した図である。
【図5】(A)はシート1にスキャンデータが保存されたエクセルファイルを示した図である(B)は、シート2にスキャンデータが保存されたエクセルファイルを示した図である。
【図6】(A)は、原稿画像と、識別子とが1枚ごとに記載された原稿を読み取る場合の例である。(B)は、識別子Data、No及びabcが記載された原稿と、原稿画像とが1ページずつに記載された原稿を読み取る場合の例である。(C)は、表面に原稿画像が記載され、裏面に識別子が記載された原稿を読み取る場合の例である。
【図7】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図8】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図9】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図10】保存先指定処理を示す図である。
【図11】スキャンデータ保存処理を示す図である。
【図12】¥docProps¥core.xmlを示す図である。
【図13】OOXML構成ファイルの1データ更新処理を示す図である。
【図14】¥xl¥mediaフォルダを示す図である。
【図15】(A)は[Content_Type].xmlファイルを示す図である。(B)は、画像データのコンテンツタイプ(ContentType)とパーツファイル名(PartName)とが追記されることを示した図である。
【図16A】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図16B】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図16C】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図17】(A)は、drawing1.xml.relsファイルを示す図である。(B)は、drawing2.xml.relsファイルを示す図である。
【図18】(A)は、sheet1.xml.relsファイルを示す図である。(B)は、sheet2.xml.relsファイルを示す図である。
【図19】¥sheet1.xmlファイル及び¥sheet2.xmlファイルを示す図である。
【図20】3つの画像データがエクセルファイルの1つのシートに連続して保存されることを示す図である。
【図21】、スキャンデータがシートにそれぞれ1つずつ保存されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して本発明の実施の形態の例を詳細に説明する。
図1は、本発明による画像読取装置を有する画像形成装置1を含むネットワーク構成図である。
【0023】
画像形成装置1、1、1は、回線3を介してコンピュータ2、2と通信可能に接続されている。
回線3は、画像形成装置1、1、1及びコンピュータ2、2によるネットワークを構成する。回線3は、コンピュータ2、2及び画像形成装置1、1、1を通信可能に接続するものであればその形態を問わない。例えば、回線3は、イーサネット(登録商標)、同軸ケーブル、光ファイバー等の有線接続回線や、無線通信を実現するための各種規格等、そのいずれか又は複数の組み合わせによってよい。また、回線3は、LAN(Local Area Network)、インターネット、その他のネットワーク規模を問わない。
【0024】
図2は、コンピュータ2の主要構成を示すブロック図である。
コンピュータ2、2はそれぞれ、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶部14、入力インタフェース(I/F)15、出力I/F16及び通信装置17を備え、これらの各構成はバス20により接続される。
【0025】
CPU11は、ROM13内に記憶されたプログラムと協働し、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従ってコンピュータ2の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0026】
記憶部14は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部14は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶部であって、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0027】
入力I/F15は、外部入力装置18による入力を受け付けるインタフェースである。外部入力装置18は、例えばキーボードやマウス等であり、ユーザの手動操作により入力指示が行われる。
【0028】
出力I/F16は、外部出力装置19に対する出力を行うインタフェースである。外部出力装置19は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等の表示装置等であり、CPU11の処理結果に基づいた出力画面を表示する。
【0029】
通信装置17は、コンピュータ2を外部の通信回線(例えば回線3)と接続し、外部の機器との通信を可能とする。通信装置17は、例えばNIC(Network Interface Card)等であり、通信回線の種類に応じた接続を可能とする装置を用いることができる。
【0030】
図3は、画像形成装置1の主要構成を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置1、1、1は全て同じ構成によるので、以下一つの画像形成装置1について説明する。
画像形成装置1は、制御部としてのCPU21、RAM22、ROM23、記憶部24、入力I/F25、読取部としての画像読取部26、画像印刷部27、通信装置28を備え、これらの各構成はバス30により接続される。
【0031】
CPU21は、ROM23内に記憶されたプログラムと協働し、RAM22に展開されたプログラムやデータ等に従って画像形成装置1の動作制御を行う。
RAM22は、CPU21の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を記憶する。
ROM23は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0032】
記憶部24は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部24は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶部であって、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0033】
入力I/F25は、外部入力装置29等の入力装置による入力を受け付けるインタフェースである。外部入力装置29は、例えばタッチパネルディスプレイを有する入力パネル等であり、ユーザの手動操作により入力指示が行われる。
【0034】
画像読取部26は、自動原稿搬送部(ADF)、プラテンガラス、CCD等の光学系を備えて構成され、ADF又はプラテンガラスに載置された原稿の画像を光学系により読み取る機能を実現する。そして、画像読取部26は、読み取った原稿を表す画像データを生成する。原稿を表す画像データのうち保存用画像のアナログの画像データは、A/D変換され各種画像処理が施された後、保存用の画像データとして記憶部24に記憶されるとともに、画像印刷部27に出力される。
【0035】
画像印刷部27は、入力された画像データ(保存用の画像データ)に基づいて画像形成(印刷)処理を行う。画像印刷部27に採用可能な印刷方式としては、例えば電子写真方式やインクジェット方式、熱転写方式、オフセット等が挙げられる。本実施形態では、画像印刷部27は、電子写真方式による画像形成を行うための構成を有する。
【0036】
通信装置28は、画像形成装置1を外部の通信回線(例えば回線3)と接続し、外部の機器との通信を可能とする。通信装置28は、例えばNIC(Network Interface Card)等であり、通信回線の種類に応じた接続を可能とする装置を用いることができる。
【0037】
次に、図4を参照して、スキャンデータ1〜3の保存先としてエクセルファイルのシートを指定する場合の一例について説明する。スキャンデータは、エクセルファイルのシートに保存する保存用の画像データを示す。なお、本実施の形態では、エクセルファイルは、OOXMLフォーマットのエクセルファイル(拡張子がxlsx)であるものとして説明する。図4の場合、スキャンデータ1及びスキャンデータ2の保存先はエクセルファイルのシート1(Sample02.xlsx/sheet1)、スキャンデータ3の保存先はエクセルファイルのシート2(Sample02.xlsx/sheet2)となる。なお、「Sample02.xlsx」は、OOXML形式のエクセルファイルのファイル名を示す。
【0038】
図4に示す保存先とした場合、図5(A)に示すように、エクセルファイルのシート1にスキャンデータ1及びスキャンデータ2が保存される。また、図5(B)に示すようにエクセルファイルのシート2にスキャンデータ3が保存される。すなわち、図5(A)(B)に示すエクセルファイルが生成される。
【0039】
次に、図6(A)〜(C)を参照して、保存用画像と、識別子とが記載された原稿をスキャン、すなわち読み取り、図5に示すようなエクセルファイルを生成する例を説明する。保存用画像は、ファイルとして保存するための画像である。識別子は、保存用画像の保存先を指定するための情報である。
【0040】
図6(A)は、保存用画像としての原稿画像と、識別子とが1枚ごとに記載された原稿を読み取る場合の例である。原稿画像1〜3は、図形、写真等のイメージデータに限らず文字や記号等のテキストデータ等を含む画像である。識別子abc1、abc2は、原稿画像1〜3の保存先をエクセルファイルのシートに指定するための情報である。例えば、識別子abc1は、原稿画像1の保存先をエクセルファイルのシート1に指定するための情報である。
【0041】
図6(A)に示す原稿が画像読取部26により読み取られると、CPU21により、原稿に記載された原稿画像1〜3から保存用の画像データを生成する制御が行われ、識別子「abc」から保存先データを生成する制御が行われる。
具体的には、図6(A)に示す原稿が画像読取部26により読み取られると、原稿を表す画像データが画像読取部26により生成される。そして、CPU21により、画像データにOCR処理が施され、画像データから識別子が抽出され、該抽出された識別子から保存先データが生成される。具体的には、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ、原稿画像2の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ、原稿画像3の保存先としてエクセルファイルのシート2を保存先に指定する保存先データが生成される。
また、画像データのうち、原稿画像1〜3から生成された画像データについては、CPU21により各種画像処理が施されて保存用の画像データが生成される。
【0042】
そして、CPU21により、生成された保存用の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する制御が行われる。例えば、図6(A)に示す原稿画像1と識別子abc1とが記載された原稿が読み取られた場合、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0043】
なお、識別子は、原稿を読取る前に予めユーザにより原稿に記入される。識別子の原稿への記入は、ユーザが手動で直接記入することとしてもよいし、外部入力装置19又は外部入力装置29を介して原稿に記入することとしてもよい。
【0044】
図6(B)は、識別子Data、No及びabcが記載された原稿と、原稿画像1〜3のそれぞれが1ページずつに記載された原稿を読み取る場合の例である。図6(B)に示す原稿を読み取った場合におけるCPU21による制御は図6(A)に示す原稿を読み取った場合と同様である。以下、図6(A)の例と異なる部分を主として説明する。
【0045】
識別子Dataは、原稿画像1〜3がエクセルファイルに保存する画像であることを示す識別子である。識別子Noは、原稿画像1〜3を読み取る順番を示す識別子である。例えば、識別子No1は、1番目に読み取られた画像(原稿画像1)を示す識別子である。また、識別子Noと識別子abcとは関連付けられている。これは、例えば、1番目に読み取られた原稿画像1の保存先をエクセルファイルのシート1に指定することを示している。
【0046】
図6(B)に示す例では、識別子「Data」「No」及び「abc」が記載された原稿が最初に読み取られ、その後、原稿画像1が記載された原稿、原稿画像2が記載された原稿、原稿画像3が記載された原稿の順番で読み取られる。そして、例えば、CPU21により、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ及び原稿画像1から保存用の画像データが生成され、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0047】
図6(C)は、表面に原稿画像が記載され、裏面に識別子abcが記載された原稿を読み取る場合の例である。図6(C)に示す原稿を読み取った場合におけるCPU21による制御は図6(A)に示す原稿を読み取った場合と同様である。以下、図6(A)の例と異なる部分を主として説明する。
【0048】
図6(C)に示す例では、原稿の表面に記載された画像が読み取られ、その後、裏面の識別子abcが読み取られる。そして、例えば、CPU21により、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ及び原稿画像1から保存用の画像データが生成され、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0049】
また、本実施の形態では、保存先として、OOXMLファイル形式のエクセルファイルが指定されるものとする。OOXMLは、マイクロソフト・オフィス(登録商標)2007において、新たに採用されたファイルの保存形式である。
【0050】
また、OOXMLの拡張子は、エクセルの場合、「xlsx」で定義される。例えば、ファイル「サンプル.xlsx」の拡張子「xlsx」が「zip」に変更された後、「zip」に変更されたファイルが解凍ソフトにより解凍されると、ユーザは、OOXMLのファイル形式(OOXML形式)のファイル「サンプル.xlsx」を参照することが可能となる。このとき、エクセルファイル「サンプル.xlsx」は、複数のパーツファイル群で構成される。保存先としてOOXML形式のエクセルファイルを指定する場合、複数のパーツファイル群のうち、所定のパーツファイルに修正や追記が実行される。例えば、図7に示すパーツファイルに修正や追記が実行される。
【0051】
¥[Content_Type].xmlは、保存用の画像データのコンテンツタイプが定義されたパーツファイルである。¥docProps¥core.xmlは、ファイルの更新日時に関する情報が定義されたパーツファイルである。¥xl¥drawing¥_rels¥drawing1.xml.relsは、保存用の画像データの構成に関するリレーションシップ(関連性)が定義されたパーツファイルである。¥xl¥drawings¥drawing1.xmlは、保存用の画像データの位置情報が定義されたパーツファイルである。¥xl¥media¥image1.jpegは保存用の画像データを格納したパーツファイルである。
【0052】
また、保存先としてOOXMLファイル形式のエクセルファイルを指定する場合、エクセルファイルには、シートが3つしか存在しない。このため、保存用の画像データの保存先としてシート4、シート5・・・シート10等が指定された場合、シートを追加する必要がある。この場合、エクセルファイルの複数のファイル群のうち、所定のパーツファイルに修正や追記が実行される。例えば、図8に示すパーツファイルに修正や追記が実行される。以下、図7と異なる部分を主として説明する。
【0053】
¥[Content_Type].xmlは、追加されたシート(追加シート)のコンテンツタイプが追記される。¥docProps¥app.xmlは、アプリケーション情報が定義されたパーツファイルであって、追加シートのアプリケーション情報が追加される。¥docProps¥core.xmlは、更新日時に関する情報が修正される。
【0054】
¥xl¥_rels¥worbook.xml.relsは、ワークブック(エクセルファイル)の構成に関するリレーションシップが定義されたパーツファイルであって、追加シートのワークブックの構成に関するリレーションシップが追記される。
¥xl¥workbook.xmlは、エクセルファイルの各シートが定義されたパーツファイルであって、追加シートの構成に関する情報が追記される。
¥xl¥worksheets¥sheet.xmlは、エクセルファイルのシートに関する情報(シート情報)が定義されたパーツファイルであって、追加シートのシート情報が追記される。具体的には、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートのシート情報が定義されたファイル(例えば、sheet1.xml)が作成される。
¥xl¥worksheets¥_rels¥sheet.relsは、シート情報ファイル(¥xl¥worksheets¥sheet.xmlファイル)のリレーションシップが定義されたパーツファイルであって、追加シートのシート情報ファイルのリレーションシップが追記される。具体的には、¥xl¥worksheets¥_relsフォルダにシート情報ファイルのリレーションシップが定義されたファイル(例えば、sheet1.xml.rels)が作成される。
【0055】
次に、図9〜図19を参照して、画像形成装置1で実行される保存先指定処理について説明する。保存先指定処理(図10参照)は、保存用の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する処理である。
【0056】
以下、保存用の画像データが3つあり、該3つの保存用の画像データのうち、エクセルファイルのシート1に2つの保存用の画像データ、シート2に1つの保存用の画像データを保存する場合について説明する。この場合、複数のファイル群のうち、図9に示す(1)〜(7)のパーツファイルが修正や追加の必要なファイルとなる。図7及び図8と重複するので図9に示す各パーツファイルの説明については省略する。
【0057】
保存先指定処理が実行される前に、予め、ユーザにより識別子(図6(A)〜(C)参照)が原稿に記載され、該原稿が画像読取部26のADFに載置されているものとする。識別子は、図6(A)〜(C)に示すいずれかの形式で原稿に記載されているものとする。なお、図6(A)に示す原稿を読み取る例を取得例1、図6(B)に示す原稿を読み取る例を取得例2、図6(C)に示す原稿を読み取る例を取得例3として、以下説明する。また、取得例1及び取得例3の場合は、矢印1に沿って処理が実行され、取得例2の場合は、矢印2に沿って処理が実行されるものとする。
【0058】
また、予め、画像形成装置1において、拡張子が「xlsx」であるエクセルファイルが新規作成され、該新規作成されたエクセルファイルの拡張子「xlsx」が「zip」に変更され、該変更されたエクセルファイルが解凍ソフトにより解凍されているものとする。
以上の前提条件の下、図10に示す保存先指定処理が実行される。
【0059】
先ず、原稿が読み取られ、該原稿を表す画像データの取り込みが開始される(ステップS1)。具体的には、原稿が読み取られて画像データの生成が開始される。そして、生成された画像データが参照され、該画像データ内にData識別子があるか否かが判別される(ステップS2)。例えば、取得例2(図6(B))に示す原稿が読み取られて画像データが生成された場合、画像データにはData識別子が存在するので、本ステップではYESと判別される。
【0060】
ステップS2において、Data識別子があると判別された場合(ステップS2;YES)、スキャンデータの保存先がメモリに格納される(ステップS3)。具体的には、画像データから識別子が抽出され、該抽出された識別子から保存先データが生成され、該生成された保存先データがROM23に記憶される。ステップS3の実行後、後述するステップS8に移行される。
【0061】
ステップS2において、Data識別子がないと判別された場合(ステップS2;NO)、生成された画像データが参照され、該画像データ内にabc識別子があるか否かが判別される(ステップS4)。ステップS4において、abc識別子があると判別された場合(ステップS4;YES)、スキャンデータ保存処理が実行される(ステップS5)。スキャンデータ保存処理については後述する。ステップS5の実行後、ステップS8に移行される。
【0062】
ステップS4において、abc識別子がないと判別された場合(ステップS4;NO)、スキャンデータについて保存先情報があるか否かが判別される(ステップS6)。すなわち、保存用の画像データの保存先を示す保存先情報(保存先データ)が指定されているか否かが判別される。
【0063】
ステップS6において、スキャンデータについて保存先情報があると判別された場合(ステップS6;YES)、ステップS5に移行される。ステップS6において、スキャンデータについて保存先情報がないと判別された場合(ステップS6;NO)、スキャンデータが標準の保存先に保存される(ステップS7)。ここで、標準の保存先とは、予め設定された保存先(例えば、図20又は図21で示した保存先)のことをいう。ステップS7の実行後、ステップS8に移行される。
【0064】
ステップS3、ステップS5又はステップS7の実行後、全画像データの読み取りが完了したか否かが判別される(ステップS8)。例えば、ADFに原稿が載置されているか否か、又は原稿の読み取りが所定の時間以上行われていないか否かにより本ステップの判別が実行される。
【0065】
ステップS8において、全画像データの読み取りが完了していないと判別された場合(ステップS8;NO)、ステップS1に移行される。ステップS8において、全画像データの読み取りが完了したと判別された場合(ステップS8;YES)、保存先指定処理は終了される。
【0066】
その後、OOXML形式のエクセルファイルがzip圧縮され、OOXML形式のエクセルファイルの拡張子がxlsxに変更される。なお、この処理は、ユーザによる外部入力装置18又は外部入力装置29を介しての手動操作によるものであってもよいし、画像形成装置1のソフトウエアによる自動処理であってもよい。
そして、ユーザにより、エクセルファイルを表示する指示が実行されると、エクセルファイルが外部入力装置29のタッチパネル上、又は外部入力装置19に表示される(図5(A)(B)参照)。これにより、ユーザは、エクセルファイルを編集したり利用することが可能となる。
【0067】
なお、図10に示した保存先指定処理は、取得例1〜3に応じて実行される処理の流れが異なる。例えば、取得例1(図6(A)参照)及び取得例3(図6(C)参照)に示す原稿が読み取られた場合は、ステップ1→ステップS2;NO→ステップS4→ステップS5→ステップS8の順に処理が実行される。一方、取得例2(図6(B)参照)に示す原稿が読み取られた場合は、ステップS1→ステップS2;YES→ステップS3→ステップS8;NO→ステップS1→ステップS2;NO→ステップS4;NO→ステップS6→ステップS5→ステップS8の順に処理が実行される。
【0068】
次に、図11を参照して、保存先指定処理のステップS5において実行されるスキャンデータ保存処理について説明する。
【0069】
先ず、Sheet4(シート4)以降への保存処理が有るか否かが判別される(ステップS11)。具体的には、生成された保存先データが参照され、保存先データにシート4以降の保存先を指定したデータがあるか否かが判別される。
【0070】
ステップS11において、シート4以降への保存処理がないと判別された場合(ステップS11;NO)、後述するステップS19に移行される。ステップS11において、シート4以降への保存処理が有ると判別された場合(ステップS11;YES)、シート4以降への保存処理は1度目であるか否かが判別される(ステップS12)。具体的には、後述するステップS13〜ステップS18の処理が既に実行されているか否かが判別される。
【0071】
ステップS12において、シート4以降への保存処理は1度目ではないと判別された場合(ステップS12;NO)、ステップS19に移行される。ステップS12において、シート4以降への保存処理は1度目であると判別された場合(ステップS12;YES)、[Content_Type].xmlファイルに追加シートのコンテンツタイプが追記される(ステップS13)。
【0072】
ステップS13の実行後、app.xmlファイルに追加シートの情報が追記される(ステップS14)。例えば、シート4が追記された場合、シート4のアプリケーション情報が¥docProps¥app.xmlファイルに追記される。
【0073】
ステップS14の実行後、workbook.xmlファイルに、ブック構成に関する情報が追記される(ステップS15)。例えば、シート4が追加された場合、ブック構成に関する情報として、ワークブックはシート1〜シート4で構成される情報が¥xl¥workbook.xmlファイルに追記される。
【0074】
ステップS15の実行後、workbook.xml.relsファイル内におけるブック構成ファイルのリレーションシップが追記される(ステップS16)。例えば、シート4が追加された場合、シート4のワークブックの構成に関するリレーションシップが¥xl¥_rels¥worbook.xml.relsファイルに追記される。
【0075】
ステップS16の実行後、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートの情報ファイルが作成される(ステップS17)。例えば、シート4が追加された場合、追加シートの情報ファイルとして¥xl¥worksheetsフォルダにシート4のシート情報が定義されたファイル(例えば、sheet4.xml)が作成される。
【0076】
ステップS17の実行後、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートのrels情報ファイルが作成される(ステップS18)。例えば、シート4が追加された場合、¥xl¥worksheets¥_relsフォルダに、rels情報ファイルとして、シート情報ファイルのリレーションシップが定義されたファイル(例えば、sheet4.xml.rels)が作成される。
【0077】
ステップS18の実行後、1度目の保存処理であるか否かが判別される(ステップS19)。具体的には、¥xl¥mediaフォルダ、¥xl¥drawingsフォルダ、¥xl¥drawings¥_relsフォルダ等が既に作成されているか否かが判別される。
【0078】
ステップS19において、1度目の保存処理でないと判別された場合(ステップS19;NO)、後述するステップS21に移行される。ステップS19において、1度目の保存処理と判別された場合(ステップS19;YES)、¥xl¥mediaフォルダ、¥xl¥drawingsフォルダ及び¥xl¥drawings¥_relsフォルダが作成される(ステップS20)。
【0079】
ステップS20の実行後、OOXML構成ファイルの1データ更新処理が実行される(ステップS21)。OOXML構成ファイルの1データ更新処理については後述する。ステップS21の実行後、core.xmlファイルの更新時間が修正される(ステップS22)。例えば、図12に示すように、¥docProps¥core.xmlの更新時間が修正される。ステップS22の実行後、スキャンデータ保存処理は終了され、保存先指定処理のステップS8に移行される。
【0080】
次に、図13を参照して、スキャンデータ保存処理のステップS21で実行されるOOXML構成ファイルの1データ更新処理について説明する。
【0081】
先ず、スキャンデータが¥xl¥mediaフォルダに保存される(ステップS31)。例えば、スキャンデータ、すなわち保存用の画像データがjpegデータであった場合、図14に示すように、image1.jpeg〜image3.jpegデータが¥xl¥mediaフォルダに保存される。
【0082】
ステップS31の実行後、[Content_Type].xmlファイルにコンテンツタイプの追記が行われる(ステップS32)。具体的には、画像データの拡張子、複数のパーツファイル群内におけるパーツファイル名及びコンテンツタイプの追記が行われる。例えば、画像データの拡張子がjpegの場合、図15(A)に示すように、画像データの拡張子が追記される。また、図15(B)に示すように、画像データのコンテンツタイプ(ContentType)とパーツファイル名(PartName)とが追記される。パーツファイル名には、任意のファイル名を設定できる。本実施の形態では、“drawing1”“drawing2”のように順番付けてパーツファイル名が設定されるものとする。また、コンテンツタイプは、コンテンツの種別により固定値が設定される。
【0083】
図13に戻り、ステップS32の実行後、N=スキャンデータの保存先シートNoに指定される(ステップS33)。スキャンデータの保存先シートNoは、保存用の画像データの保存先のシートの番号を示す。例えば、保存表の画像データのシートNoがシート1であった場合、N=1となる。
【0084】
ステップS33の実行後、シートNへのスキャンデータの保存は初めてか否かが判別される(ステップS34)。具体的には、シートNに保存用の画像データが既に保存されているか否かが判別される。例えば、ステップS33でN=1と設定された場合、シート1に保存用の画像データが既に保存されているか否かが判別される。
【0085】
ステップS34において、シートNへのスキャンデータの保存は初めてと判別された場合(ステップS34;YES)、¥xl¥drawingsフォルダにdrawingN.xmlファイルが追加され、スキャンデータの位置情報が追記される(ステップS35)。すなわち、¥xl¥drawingsフォルダにdrawingN.xmlファイルが追加され、該追加されたファイルにスキャンデータの位置情報が追記される。
【0086】
例えば、¥xl¥drawingsフォルダにdrawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルが追加されると、該追加されたファイルにスキャンデータの位置情報が追記される。図16A〜16Cは、追加されたdrawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。ここで、図16Aに示す1つ目のスキャンデータの取り込み位置格納要素とは、1つ目のスキャンデータ、すなわち1つ目の保存用の画像データを表示する位置を定義した情報である。また、図16Aに示す開始位置情報は、保存用の画像データを表示する位置の左上座標を示し、終了位置情報は、保存用の画像データを表示する位置の右下位置を示す。また、図16Aに示す固有IDは、保存用の画像データにそれぞれ割り振られる固有のIDである。ステップS35では、例えば、図16A〜16Cに示すように、スキャンデータの位置情報(開始位置情報、終了位置情報)が追記される。
【0087】
図13に戻り、ステップS35の実行後、¥xl¥drawings¥_relsフォルダにdrawingN.xml.relsファイルが追加され、スキャンデータとのリレーションシップ情報が追記される(ステップS36)。すなわち、¥xl¥drawings¥_relsフォルダにdrawingN.xml.relsファイルが追加され、該追加されたファイルにスキャンデータとのリレーションシップが追記される。
【0088】
例えば、¥xl¥drawing¥_relsフォルダ内にdrawing1.xml.rels、drawing2.xml.rels及びdrawing3.xml.relsが追加されると、該追加されたファイルにスキャンデータとのリレーションシップが追記される。図17(A)(B)は、追加されたdrawing1.xml.relsファイル及びdrawing2.xml.relsファイルのデータ構成を示した図である。ここで、図17(A)(B)に示すIdは各relsファイル(¥xl¥drawing¥_rels¥drawing1.xml.rels、¥xl¥drawing¥_rels¥drawing2.xml.rels)での固有のIdである。このIdは、各relsファイル内で有効な固有Idである。Typeは、relsファイルのファイルタイプを示す情報である。Targetは、保存用の画像データへのファイルパスを示す情報である。ステップS36では、例えば、図17(A)(B)に示すデータが生成される。図13に戻り、ステップS36の実行後、ステップS39に移行される。
【0089】
ステップS34において、シートNへのスキャンデータの保存は初めてではないと判別された場合(ステップS34;NO)、drawingN.xmlファイルにスキャンデータの位置情報が追記される(ステップS37)。ステップS37の実行後、drawingN.xml.relsファイルに、スキャンデータとのリレーションシップ情報が追記される(ステップS38)。ステップS38の実行後、ステップS39に移行される。
【0090】
ステップS36又はステップS38の実行後、sheetN.xml.relsファイルの対象シートのリレーションシップが追記される(ステップS39)。例えば、3つの画像データimage1.jpeg、image2.jpeg及びimage3.jpegのうち、image1.jpeg及びimage2.jpegをシート1、image3.jpegをシート2に保存する場合、図18(A)(B)に示すように、追記部分が追記される。
【0091】
図13に戻り、ステップS39の実行後、sheetN.xmlファイルの対象シートの情報が追記される(ステップS40)。例えば、図19に示すように、¥xl¥worksheetsフォルダ内における¥sheet1.xmlファイル及び¥sheet2.xmlファイルにおいて、追記部分が対象シートの情報として追記される。ステップS40の実行後、OOXML構成ファイルの1データ更新処理が終了され、スキャンデータ保存処理のステップS22に移行される。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、ユーザは、識別子としてユーザの所望する保存先を指定するための情報を原稿内に記入すれば、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存することができる。これにより、ユーザは、保存用の画像データを適切な位置に配置する作業を要しないので、エクセルファイルを編集する手間を省き、作業効率を向上させることができる。
【0093】
例えば、ユーザは、図6(A)〜(C)のいずれかに示す識別子を原稿内に記入すれば、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存できる。
【0094】
また、保存用の画像データをOOXML形式のファイルに保存することができる。また、エクセルファイルのシートを保存先とすることができる。
【0095】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0096】
例えば、上記実施の形態では、識別子が記載された原稿を画像読取部26により読み取ることとしたがこれに限定されるものではない。例えば、原稿画像のみが原稿に記載されており、識別子が記載されていない原稿を画像読取部26により読み取ることとしてもよい。この場合、例えば、ユーザにより外部入力装置19又は外部入力装置29を介して識別子が操作入力される。そして、CPU21により、入力された識別子から保存先データが生成される。そして、CPU21により、保存先の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先に保存する制御が実行される。これにより、ユーザは、外部入力装置19又は外部入力装置29を介して識別子を操作入力することができるので、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存させることができる。
【0097】
また、上記実施の形態では、保存先をエクセルファイルのシートとしたが、これに限定されるものではない。例えば、保存先をワードやパワーポイント(登録商標)におけるページ番号としてもよい。
【0098】
その他、本実施の形態における、画像形成装置の細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置(画像読取装置)
2 PC
3 回線
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
15 入力I/F
16 出力I/F
17 通信装置
18 外部入力装置(操作部)
19 外部出力装置
19 外部入力装置
20 バス
21 CPU(制御部)
22 RAM
23 ROM
24 記憶部
25 入力I/F
26 画像読取部(読取部)
27 画像印刷部
28 通信装置
29 外部入力装置(操作部)
30 バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿をスキャナにより読み取って画像データを生成し、該生成した画像データを有効に活用するための技術が知られている。
【0003】
例えば、スキャナから複数ページの原稿を読み取り、各原稿の画像データを生成し、該生成した画像データからページ番号を抽出し、該抽出したページ番号の順序が不規則である場合は、適切な順序にページの並べ替えを行うことで不規則なページ順序となった状態で画像データが出力されることを防ぐ技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−81841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、原稿をスキャナにより読み取って画像データを生成し、該生成した画像データをワード(登録商標)やエクセル(登録商標)等のアプリケーションに直接保存する方式が広まりつつある。以下、複数のシートで構成されるエクセルファイルに画像データを直接保存する場合の例について説明する。
【0006】
ここで、画像データの保存先は、エクセルファイルのシートであり、予め決定されているものとする。例えば、複数の画像データを1つのシートに保存するように保存先が予め決定されている場合、図20に示すように、3つの画像データ、すなわちスキャンデータ1〜3がエクセルファイルの1つのシートに連続して保存される。これにより、図20に示すエクセルファイルが生成される。
また、1つの画像データを1つのシートに保存するように予め保存先が決定されている場合、図21に示すように、スキャンデータ1〜3がシート1〜3にそれぞれ1つずつ保存される。これにより、図21に示すエクセルファイルが生成される。
【0007】
図20又は図21で説明したようなエクセルファイルが生成されると、ユーザは、生成されたエクセルファイルを編集したり利用することが可能となる。例えば、エクセルファイルを用紙に印刷して配布用の資料として利用することが可能となる。
【0008】
しかしながら、図20又は図21に示すエクセルファイルにおいて、スキャンデータの保存先がユーザの所望する保存先でない場合、ユーザはエクセルファイルの編集に手間を要していた。例えば、図20に示すエクセルファイルが生成された場合であって、ユーザの所望する保存先が、スキャンデータ1及びスキャンデータ2はシート1、スキャンデータ3はシート2であった場合、ユーザは、スキャンデータ2をシート1に配置させ、且つ、スキャンデータ3をシート2に配置しなおす作業を行う必要がある。このため、エクセルファイル(ファイル)を編集する手間を要していた。
【0009】
また、上述の特許文献1は、ページ番号に基づいて、適切な順序にページの並べ替えを行う技術であって、スキャンデータをユーザの所望する保存先に保存する技術は記載されていない。このため、スキャンデータがユーザの所望する保存先に保存されてない場合、ユーザはファイルを編集する手間を要するという問題があった。
【0010】
本発明の課題は、ユーザによるファイル編集の手間を省き、作業効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像読取装置は、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記読取部は、
前記保存用画像と前記識別子とが1枚にまとめて記載された1枚以上の原稿又は前記保存用画像と前記識別子とが別々の原稿に記載された複数の原稿を読み取る。
【0013】
請求項3に記載の発明の画像読取装置は、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える。
【0014】
請求項4に記載の発明の画像読取装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記ファイルは、
OOXML形式のファイルである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像読取装置において、
前記OOXML形式のファイルは、
エクセル(登録商標)ファイルであって、
前記保存先のデータは、
前記保存先として前記エクセルファイルのシートを指定するデータである。
【0016】
請求項6に記載の発明の画像読取方法は、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む。
【0017】
請求項7に記載の発明の画像読取方法は、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む。
【0018】
請求項8に記載の発明のプログラムは、
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させる。
【0019】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザによるファイル編集の手間を省き、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る画像読取装置を有する画像形成装置を含むネットワーク構成図である。
【図2】コンピュータの主要構成を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置の主要構成を示すブロック図である。
【図4】スキャンデータの保存先をエクセルファイルのシートとした一例を示した図である。
【図5】(A)はシート1にスキャンデータが保存されたエクセルファイルを示した図である(B)は、シート2にスキャンデータが保存されたエクセルファイルを示した図である。
【図6】(A)は、原稿画像と、識別子とが1枚ごとに記載された原稿を読み取る場合の例である。(B)は、識別子Data、No及びabcが記載された原稿と、原稿画像とが1ページずつに記載された原稿を読み取る場合の例である。(C)は、表面に原稿画像が記載され、裏面に識別子が記載された原稿を読み取る場合の例である。
【図7】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図8】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図9】修正や追記が実行されるパーツファイルを示す図である。
【図10】保存先指定処理を示す図である。
【図11】スキャンデータ保存処理を示す図である。
【図12】¥docProps¥core.xmlを示す図である。
【図13】OOXML構成ファイルの1データ更新処理を示す図である。
【図14】¥xl¥mediaフォルダを示す図である。
【図15】(A)は[Content_Type].xmlファイルを示す図である。(B)は、画像データのコンテンツタイプ(ContentType)とパーツファイル名(PartName)とが追記されることを示した図である。
【図16A】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図16B】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図16C】drawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。
【図17】(A)は、drawing1.xml.relsファイルを示す図である。(B)は、drawing2.xml.relsファイルを示す図である。
【図18】(A)は、sheet1.xml.relsファイルを示す図である。(B)は、sheet2.xml.relsファイルを示す図である。
【図19】¥sheet1.xmlファイル及び¥sheet2.xmlファイルを示す図である。
【図20】3つの画像データがエクセルファイルの1つのシートに連続して保存されることを示す図である。
【図21】、スキャンデータがシートにそれぞれ1つずつ保存されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照して本発明の実施の形態の例を詳細に説明する。
図1は、本発明による画像読取装置を有する画像形成装置1を含むネットワーク構成図である。
【0023】
画像形成装置1、1、1は、回線3を介してコンピュータ2、2と通信可能に接続されている。
回線3は、画像形成装置1、1、1及びコンピュータ2、2によるネットワークを構成する。回線3は、コンピュータ2、2及び画像形成装置1、1、1を通信可能に接続するものであればその形態を問わない。例えば、回線3は、イーサネット(登録商標)、同軸ケーブル、光ファイバー等の有線接続回線や、無線通信を実現するための各種規格等、そのいずれか又は複数の組み合わせによってよい。また、回線3は、LAN(Local Area Network)、インターネット、その他のネットワーク規模を問わない。
【0024】
図2は、コンピュータ2の主要構成を示すブロック図である。
コンピュータ2、2はそれぞれ、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶部14、入力インタフェース(I/F)15、出力I/F16及び通信装置17を備え、これらの各構成はバス20により接続される。
【0025】
CPU11は、ROM13内に記憶されたプログラムと協働し、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従ってコンピュータ2の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0026】
記憶部14は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部14は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶部であって、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0027】
入力I/F15は、外部入力装置18による入力を受け付けるインタフェースである。外部入力装置18は、例えばキーボードやマウス等であり、ユーザの手動操作により入力指示が行われる。
【0028】
出力I/F16は、外部出力装置19に対する出力を行うインタフェースである。外部出力装置19は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等の表示装置等であり、CPU11の処理結果に基づいた出力画面を表示する。
【0029】
通信装置17は、コンピュータ2を外部の通信回線(例えば回線3)と接続し、外部の機器との通信を可能とする。通信装置17は、例えばNIC(Network Interface Card)等であり、通信回線の種類に応じた接続を可能とする装置を用いることができる。
【0030】
図3は、画像形成装置1の主要構成を示すブロック図である。図1に示す画像形成装置1、1、1は全て同じ構成によるので、以下一つの画像形成装置1について説明する。
画像形成装置1は、制御部としてのCPU21、RAM22、ROM23、記憶部24、入力I/F25、読取部としての画像読取部26、画像印刷部27、通信装置28を備え、これらの各構成はバス30により接続される。
【0031】
CPU21は、ROM23内に記憶されたプログラムと協働し、RAM22に展開されたプログラムやデータ等に従って画像形成装置1の動作制御を行う。
RAM22は、CPU21の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を記憶する。
ROM23は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0032】
記憶部24は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部24は、プログラムやデータ等を書き換え可能な記憶部であって、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0033】
入力I/F25は、外部入力装置29等の入力装置による入力を受け付けるインタフェースである。外部入力装置29は、例えばタッチパネルディスプレイを有する入力パネル等であり、ユーザの手動操作により入力指示が行われる。
【0034】
画像読取部26は、自動原稿搬送部(ADF)、プラテンガラス、CCD等の光学系を備えて構成され、ADF又はプラテンガラスに載置された原稿の画像を光学系により読み取る機能を実現する。そして、画像読取部26は、読み取った原稿を表す画像データを生成する。原稿を表す画像データのうち保存用画像のアナログの画像データは、A/D変換され各種画像処理が施された後、保存用の画像データとして記憶部24に記憶されるとともに、画像印刷部27に出力される。
【0035】
画像印刷部27は、入力された画像データ(保存用の画像データ)に基づいて画像形成(印刷)処理を行う。画像印刷部27に採用可能な印刷方式としては、例えば電子写真方式やインクジェット方式、熱転写方式、オフセット等が挙げられる。本実施形態では、画像印刷部27は、電子写真方式による画像形成を行うための構成を有する。
【0036】
通信装置28は、画像形成装置1を外部の通信回線(例えば回線3)と接続し、外部の機器との通信を可能とする。通信装置28は、例えばNIC(Network Interface Card)等であり、通信回線の種類に応じた接続を可能とする装置を用いることができる。
【0037】
次に、図4を参照して、スキャンデータ1〜3の保存先としてエクセルファイルのシートを指定する場合の一例について説明する。スキャンデータは、エクセルファイルのシートに保存する保存用の画像データを示す。なお、本実施の形態では、エクセルファイルは、OOXMLフォーマットのエクセルファイル(拡張子がxlsx)であるものとして説明する。図4の場合、スキャンデータ1及びスキャンデータ2の保存先はエクセルファイルのシート1(Sample02.xlsx/sheet1)、スキャンデータ3の保存先はエクセルファイルのシート2(Sample02.xlsx/sheet2)となる。なお、「Sample02.xlsx」は、OOXML形式のエクセルファイルのファイル名を示す。
【0038】
図4に示す保存先とした場合、図5(A)に示すように、エクセルファイルのシート1にスキャンデータ1及びスキャンデータ2が保存される。また、図5(B)に示すようにエクセルファイルのシート2にスキャンデータ3が保存される。すなわち、図5(A)(B)に示すエクセルファイルが生成される。
【0039】
次に、図6(A)〜(C)を参照して、保存用画像と、識別子とが記載された原稿をスキャン、すなわち読み取り、図5に示すようなエクセルファイルを生成する例を説明する。保存用画像は、ファイルとして保存するための画像である。識別子は、保存用画像の保存先を指定するための情報である。
【0040】
図6(A)は、保存用画像としての原稿画像と、識別子とが1枚ごとに記載された原稿を読み取る場合の例である。原稿画像1〜3は、図形、写真等のイメージデータに限らず文字や記号等のテキストデータ等を含む画像である。識別子abc1、abc2は、原稿画像1〜3の保存先をエクセルファイルのシートに指定するための情報である。例えば、識別子abc1は、原稿画像1の保存先をエクセルファイルのシート1に指定するための情報である。
【0041】
図6(A)に示す原稿が画像読取部26により読み取られると、CPU21により、原稿に記載された原稿画像1〜3から保存用の画像データを生成する制御が行われ、識別子「abc」から保存先データを生成する制御が行われる。
具体的には、図6(A)に示す原稿が画像読取部26により読み取られると、原稿を表す画像データが画像読取部26により生成される。そして、CPU21により、画像データにOCR処理が施され、画像データから識別子が抽出され、該抽出された識別子から保存先データが生成される。具体的には、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ、原稿画像2の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ、原稿画像3の保存先としてエクセルファイルのシート2を保存先に指定する保存先データが生成される。
また、画像データのうち、原稿画像1〜3から生成された画像データについては、CPU21により各種画像処理が施されて保存用の画像データが生成される。
【0042】
そして、CPU21により、生成された保存用の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する制御が行われる。例えば、図6(A)に示す原稿画像1と識別子abc1とが記載された原稿が読み取られた場合、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0043】
なお、識別子は、原稿を読取る前に予めユーザにより原稿に記入される。識別子の原稿への記入は、ユーザが手動で直接記入することとしてもよいし、外部入力装置19又は外部入力装置29を介して原稿に記入することとしてもよい。
【0044】
図6(B)は、識別子Data、No及びabcが記載された原稿と、原稿画像1〜3のそれぞれが1ページずつに記載された原稿を読み取る場合の例である。図6(B)に示す原稿を読み取った場合におけるCPU21による制御は図6(A)に示す原稿を読み取った場合と同様である。以下、図6(A)の例と異なる部分を主として説明する。
【0045】
識別子Dataは、原稿画像1〜3がエクセルファイルに保存する画像であることを示す識別子である。識別子Noは、原稿画像1〜3を読み取る順番を示す識別子である。例えば、識別子No1は、1番目に読み取られた画像(原稿画像1)を示す識別子である。また、識別子Noと識別子abcとは関連付けられている。これは、例えば、1番目に読み取られた原稿画像1の保存先をエクセルファイルのシート1に指定することを示している。
【0046】
図6(B)に示す例では、識別子「Data」「No」及び「abc」が記載された原稿が最初に読み取られ、その後、原稿画像1が記載された原稿、原稿画像2が記載された原稿、原稿画像3が記載された原稿の順番で読み取られる。そして、例えば、CPU21により、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ及び原稿画像1から保存用の画像データが生成され、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0047】
図6(C)は、表面に原稿画像が記載され、裏面に識別子abcが記載された原稿を読み取る場合の例である。図6(C)に示す原稿を読み取った場合におけるCPU21による制御は図6(A)に示す原稿を読み取った場合と同様である。以下、図6(A)の例と異なる部分を主として説明する。
【0048】
図6(C)に示す例では、原稿の表面に記載された画像が読み取られ、その後、裏面の識別子abcが読み取られる。そして、例えば、CPU21により、原稿画像1の保存先としてエクセルファイルのシート1を保存先に指定する保存先データ及び原稿画像1から保存用の画像データが生成され、原稿画像1から生成された保存用の画像データを、エクセルファイルのシート1に保存する制御が行われる。
【0049】
また、本実施の形態では、保存先として、OOXMLファイル形式のエクセルファイルが指定されるものとする。OOXMLは、マイクロソフト・オフィス(登録商標)2007において、新たに採用されたファイルの保存形式である。
【0050】
また、OOXMLの拡張子は、エクセルの場合、「xlsx」で定義される。例えば、ファイル「サンプル.xlsx」の拡張子「xlsx」が「zip」に変更された後、「zip」に変更されたファイルが解凍ソフトにより解凍されると、ユーザは、OOXMLのファイル形式(OOXML形式)のファイル「サンプル.xlsx」を参照することが可能となる。このとき、エクセルファイル「サンプル.xlsx」は、複数のパーツファイル群で構成される。保存先としてOOXML形式のエクセルファイルを指定する場合、複数のパーツファイル群のうち、所定のパーツファイルに修正や追記が実行される。例えば、図7に示すパーツファイルに修正や追記が実行される。
【0051】
¥[Content_Type].xmlは、保存用の画像データのコンテンツタイプが定義されたパーツファイルである。¥docProps¥core.xmlは、ファイルの更新日時に関する情報が定義されたパーツファイルである。¥xl¥drawing¥_rels¥drawing1.xml.relsは、保存用の画像データの構成に関するリレーションシップ(関連性)が定義されたパーツファイルである。¥xl¥drawings¥drawing1.xmlは、保存用の画像データの位置情報が定義されたパーツファイルである。¥xl¥media¥image1.jpegは保存用の画像データを格納したパーツファイルである。
【0052】
また、保存先としてOOXMLファイル形式のエクセルファイルを指定する場合、エクセルファイルには、シートが3つしか存在しない。このため、保存用の画像データの保存先としてシート4、シート5・・・シート10等が指定された場合、シートを追加する必要がある。この場合、エクセルファイルの複数のファイル群のうち、所定のパーツファイルに修正や追記が実行される。例えば、図8に示すパーツファイルに修正や追記が実行される。以下、図7と異なる部分を主として説明する。
【0053】
¥[Content_Type].xmlは、追加されたシート(追加シート)のコンテンツタイプが追記される。¥docProps¥app.xmlは、アプリケーション情報が定義されたパーツファイルであって、追加シートのアプリケーション情報が追加される。¥docProps¥core.xmlは、更新日時に関する情報が修正される。
【0054】
¥xl¥_rels¥worbook.xml.relsは、ワークブック(エクセルファイル)の構成に関するリレーションシップが定義されたパーツファイルであって、追加シートのワークブックの構成に関するリレーションシップが追記される。
¥xl¥workbook.xmlは、エクセルファイルの各シートが定義されたパーツファイルであって、追加シートの構成に関する情報が追記される。
¥xl¥worksheets¥sheet.xmlは、エクセルファイルのシートに関する情報(シート情報)が定義されたパーツファイルであって、追加シートのシート情報が追記される。具体的には、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートのシート情報が定義されたファイル(例えば、sheet1.xml)が作成される。
¥xl¥worksheets¥_rels¥sheet.relsは、シート情報ファイル(¥xl¥worksheets¥sheet.xmlファイル)のリレーションシップが定義されたパーツファイルであって、追加シートのシート情報ファイルのリレーションシップが追記される。具体的には、¥xl¥worksheets¥_relsフォルダにシート情報ファイルのリレーションシップが定義されたファイル(例えば、sheet1.xml.rels)が作成される。
【0055】
次に、図9〜図19を参照して、画像形成装置1で実行される保存先指定処理について説明する。保存先指定処理(図10参照)は、保存用の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先データにより指定された保存先に保存する処理である。
【0056】
以下、保存用の画像データが3つあり、該3つの保存用の画像データのうち、エクセルファイルのシート1に2つの保存用の画像データ、シート2に1つの保存用の画像データを保存する場合について説明する。この場合、複数のファイル群のうち、図9に示す(1)〜(7)のパーツファイルが修正や追加の必要なファイルとなる。図7及び図8と重複するので図9に示す各パーツファイルの説明については省略する。
【0057】
保存先指定処理が実行される前に、予め、ユーザにより識別子(図6(A)〜(C)参照)が原稿に記載され、該原稿が画像読取部26のADFに載置されているものとする。識別子は、図6(A)〜(C)に示すいずれかの形式で原稿に記載されているものとする。なお、図6(A)に示す原稿を読み取る例を取得例1、図6(B)に示す原稿を読み取る例を取得例2、図6(C)に示す原稿を読み取る例を取得例3として、以下説明する。また、取得例1及び取得例3の場合は、矢印1に沿って処理が実行され、取得例2の場合は、矢印2に沿って処理が実行されるものとする。
【0058】
また、予め、画像形成装置1において、拡張子が「xlsx」であるエクセルファイルが新規作成され、該新規作成されたエクセルファイルの拡張子「xlsx」が「zip」に変更され、該変更されたエクセルファイルが解凍ソフトにより解凍されているものとする。
以上の前提条件の下、図10に示す保存先指定処理が実行される。
【0059】
先ず、原稿が読み取られ、該原稿を表す画像データの取り込みが開始される(ステップS1)。具体的には、原稿が読み取られて画像データの生成が開始される。そして、生成された画像データが参照され、該画像データ内にData識別子があるか否かが判別される(ステップS2)。例えば、取得例2(図6(B))に示す原稿が読み取られて画像データが生成された場合、画像データにはData識別子が存在するので、本ステップではYESと判別される。
【0060】
ステップS2において、Data識別子があると判別された場合(ステップS2;YES)、スキャンデータの保存先がメモリに格納される(ステップS3)。具体的には、画像データから識別子が抽出され、該抽出された識別子から保存先データが生成され、該生成された保存先データがROM23に記憶される。ステップS3の実行後、後述するステップS8に移行される。
【0061】
ステップS2において、Data識別子がないと判別された場合(ステップS2;NO)、生成された画像データが参照され、該画像データ内にabc識別子があるか否かが判別される(ステップS4)。ステップS4において、abc識別子があると判別された場合(ステップS4;YES)、スキャンデータ保存処理が実行される(ステップS5)。スキャンデータ保存処理については後述する。ステップS5の実行後、ステップS8に移行される。
【0062】
ステップS4において、abc識別子がないと判別された場合(ステップS4;NO)、スキャンデータについて保存先情報があるか否かが判別される(ステップS6)。すなわち、保存用の画像データの保存先を示す保存先情報(保存先データ)が指定されているか否かが判別される。
【0063】
ステップS6において、スキャンデータについて保存先情報があると判別された場合(ステップS6;YES)、ステップS5に移行される。ステップS6において、スキャンデータについて保存先情報がないと判別された場合(ステップS6;NO)、スキャンデータが標準の保存先に保存される(ステップS7)。ここで、標準の保存先とは、予め設定された保存先(例えば、図20又は図21で示した保存先)のことをいう。ステップS7の実行後、ステップS8に移行される。
【0064】
ステップS3、ステップS5又はステップS7の実行後、全画像データの読み取りが完了したか否かが判別される(ステップS8)。例えば、ADFに原稿が載置されているか否か、又は原稿の読み取りが所定の時間以上行われていないか否かにより本ステップの判別が実行される。
【0065】
ステップS8において、全画像データの読み取りが完了していないと判別された場合(ステップS8;NO)、ステップS1に移行される。ステップS8において、全画像データの読み取りが完了したと判別された場合(ステップS8;YES)、保存先指定処理は終了される。
【0066】
その後、OOXML形式のエクセルファイルがzip圧縮され、OOXML形式のエクセルファイルの拡張子がxlsxに変更される。なお、この処理は、ユーザによる外部入力装置18又は外部入力装置29を介しての手動操作によるものであってもよいし、画像形成装置1のソフトウエアによる自動処理であってもよい。
そして、ユーザにより、エクセルファイルを表示する指示が実行されると、エクセルファイルが外部入力装置29のタッチパネル上、又は外部入力装置19に表示される(図5(A)(B)参照)。これにより、ユーザは、エクセルファイルを編集したり利用することが可能となる。
【0067】
なお、図10に示した保存先指定処理は、取得例1〜3に応じて実行される処理の流れが異なる。例えば、取得例1(図6(A)参照)及び取得例3(図6(C)参照)に示す原稿が読み取られた場合は、ステップ1→ステップS2;NO→ステップS4→ステップS5→ステップS8の順に処理が実行される。一方、取得例2(図6(B)参照)に示す原稿が読み取られた場合は、ステップS1→ステップS2;YES→ステップS3→ステップS8;NO→ステップS1→ステップS2;NO→ステップS4;NO→ステップS6→ステップS5→ステップS8の順に処理が実行される。
【0068】
次に、図11を参照して、保存先指定処理のステップS5において実行されるスキャンデータ保存処理について説明する。
【0069】
先ず、Sheet4(シート4)以降への保存処理が有るか否かが判別される(ステップS11)。具体的には、生成された保存先データが参照され、保存先データにシート4以降の保存先を指定したデータがあるか否かが判別される。
【0070】
ステップS11において、シート4以降への保存処理がないと判別された場合(ステップS11;NO)、後述するステップS19に移行される。ステップS11において、シート4以降への保存処理が有ると判別された場合(ステップS11;YES)、シート4以降への保存処理は1度目であるか否かが判別される(ステップS12)。具体的には、後述するステップS13〜ステップS18の処理が既に実行されているか否かが判別される。
【0071】
ステップS12において、シート4以降への保存処理は1度目ではないと判別された場合(ステップS12;NO)、ステップS19に移行される。ステップS12において、シート4以降への保存処理は1度目であると判別された場合(ステップS12;YES)、[Content_Type].xmlファイルに追加シートのコンテンツタイプが追記される(ステップS13)。
【0072】
ステップS13の実行後、app.xmlファイルに追加シートの情報が追記される(ステップS14)。例えば、シート4が追記された場合、シート4のアプリケーション情報が¥docProps¥app.xmlファイルに追記される。
【0073】
ステップS14の実行後、workbook.xmlファイルに、ブック構成に関する情報が追記される(ステップS15)。例えば、シート4が追加された場合、ブック構成に関する情報として、ワークブックはシート1〜シート4で構成される情報が¥xl¥workbook.xmlファイルに追記される。
【0074】
ステップS15の実行後、workbook.xml.relsファイル内におけるブック構成ファイルのリレーションシップが追記される(ステップS16)。例えば、シート4が追加された場合、シート4のワークブックの構成に関するリレーションシップが¥xl¥_rels¥worbook.xml.relsファイルに追記される。
【0075】
ステップS16の実行後、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートの情報ファイルが作成される(ステップS17)。例えば、シート4が追加された場合、追加シートの情報ファイルとして¥xl¥worksheetsフォルダにシート4のシート情報が定義されたファイル(例えば、sheet4.xml)が作成される。
【0076】
ステップS17の実行後、¥xl¥worksheetsフォルダに追加シートのrels情報ファイルが作成される(ステップS18)。例えば、シート4が追加された場合、¥xl¥worksheets¥_relsフォルダに、rels情報ファイルとして、シート情報ファイルのリレーションシップが定義されたファイル(例えば、sheet4.xml.rels)が作成される。
【0077】
ステップS18の実行後、1度目の保存処理であるか否かが判別される(ステップS19)。具体的には、¥xl¥mediaフォルダ、¥xl¥drawingsフォルダ、¥xl¥drawings¥_relsフォルダ等が既に作成されているか否かが判別される。
【0078】
ステップS19において、1度目の保存処理でないと判別された場合(ステップS19;NO)、後述するステップS21に移行される。ステップS19において、1度目の保存処理と判別された場合(ステップS19;YES)、¥xl¥mediaフォルダ、¥xl¥drawingsフォルダ及び¥xl¥drawings¥_relsフォルダが作成される(ステップS20)。
【0079】
ステップS20の実行後、OOXML構成ファイルの1データ更新処理が実行される(ステップS21)。OOXML構成ファイルの1データ更新処理については後述する。ステップS21の実行後、core.xmlファイルの更新時間が修正される(ステップS22)。例えば、図12に示すように、¥docProps¥core.xmlの更新時間が修正される。ステップS22の実行後、スキャンデータ保存処理は終了され、保存先指定処理のステップS8に移行される。
【0080】
次に、図13を参照して、スキャンデータ保存処理のステップS21で実行されるOOXML構成ファイルの1データ更新処理について説明する。
【0081】
先ず、スキャンデータが¥xl¥mediaフォルダに保存される(ステップS31)。例えば、スキャンデータ、すなわち保存用の画像データがjpegデータであった場合、図14に示すように、image1.jpeg〜image3.jpegデータが¥xl¥mediaフォルダに保存される。
【0082】
ステップS31の実行後、[Content_Type].xmlファイルにコンテンツタイプの追記が行われる(ステップS32)。具体的には、画像データの拡張子、複数のパーツファイル群内におけるパーツファイル名及びコンテンツタイプの追記が行われる。例えば、画像データの拡張子がjpegの場合、図15(A)に示すように、画像データの拡張子が追記される。また、図15(B)に示すように、画像データのコンテンツタイプ(ContentType)とパーツファイル名(PartName)とが追記される。パーツファイル名には、任意のファイル名を設定できる。本実施の形態では、“drawing1”“drawing2”のように順番付けてパーツファイル名が設定されるものとする。また、コンテンツタイプは、コンテンツの種別により固定値が設定される。
【0083】
図13に戻り、ステップS32の実行後、N=スキャンデータの保存先シートNoに指定される(ステップS33)。スキャンデータの保存先シートNoは、保存用の画像データの保存先のシートの番号を示す。例えば、保存表の画像データのシートNoがシート1であった場合、N=1となる。
【0084】
ステップS33の実行後、シートNへのスキャンデータの保存は初めてか否かが判別される(ステップS34)。具体的には、シートNに保存用の画像データが既に保存されているか否かが判別される。例えば、ステップS33でN=1と設定された場合、シート1に保存用の画像データが既に保存されているか否かが判別される。
【0085】
ステップS34において、シートNへのスキャンデータの保存は初めてと判別された場合(ステップS34;YES)、¥xl¥drawingsフォルダにdrawingN.xmlファイルが追加され、スキャンデータの位置情報が追記される(ステップS35)。すなわち、¥xl¥drawingsフォルダにdrawingN.xmlファイルが追加され、該追加されたファイルにスキャンデータの位置情報が追記される。
【0086】
例えば、¥xl¥drawingsフォルダにdrawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルが追加されると、該追加されたファイルにスキャンデータの位置情報が追記される。図16A〜16Cは、追加されたdrawing1.xmlファイル及びdrawing2.xmlファイルのデータ構成を示した図である。ここで、図16Aに示す1つ目のスキャンデータの取り込み位置格納要素とは、1つ目のスキャンデータ、すなわち1つ目の保存用の画像データを表示する位置を定義した情報である。また、図16Aに示す開始位置情報は、保存用の画像データを表示する位置の左上座標を示し、終了位置情報は、保存用の画像データを表示する位置の右下位置を示す。また、図16Aに示す固有IDは、保存用の画像データにそれぞれ割り振られる固有のIDである。ステップS35では、例えば、図16A〜16Cに示すように、スキャンデータの位置情報(開始位置情報、終了位置情報)が追記される。
【0087】
図13に戻り、ステップS35の実行後、¥xl¥drawings¥_relsフォルダにdrawingN.xml.relsファイルが追加され、スキャンデータとのリレーションシップ情報が追記される(ステップS36)。すなわち、¥xl¥drawings¥_relsフォルダにdrawingN.xml.relsファイルが追加され、該追加されたファイルにスキャンデータとのリレーションシップが追記される。
【0088】
例えば、¥xl¥drawing¥_relsフォルダ内にdrawing1.xml.rels、drawing2.xml.rels及びdrawing3.xml.relsが追加されると、該追加されたファイルにスキャンデータとのリレーションシップが追記される。図17(A)(B)は、追加されたdrawing1.xml.relsファイル及びdrawing2.xml.relsファイルのデータ構成を示した図である。ここで、図17(A)(B)に示すIdは各relsファイル(¥xl¥drawing¥_rels¥drawing1.xml.rels、¥xl¥drawing¥_rels¥drawing2.xml.rels)での固有のIdである。このIdは、各relsファイル内で有効な固有Idである。Typeは、relsファイルのファイルタイプを示す情報である。Targetは、保存用の画像データへのファイルパスを示す情報である。ステップS36では、例えば、図17(A)(B)に示すデータが生成される。図13に戻り、ステップS36の実行後、ステップS39に移行される。
【0089】
ステップS34において、シートNへのスキャンデータの保存は初めてではないと判別された場合(ステップS34;NO)、drawingN.xmlファイルにスキャンデータの位置情報が追記される(ステップS37)。ステップS37の実行後、drawingN.xml.relsファイルに、スキャンデータとのリレーションシップ情報が追記される(ステップS38)。ステップS38の実行後、ステップS39に移行される。
【0090】
ステップS36又はステップS38の実行後、sheetN.xml.relsファイルの対象シートのリレーションシップが追記される(ステップS39)。例えば、3つの画像データimage1.jpeg、image2.jpeg及びimage3.jpegのうち、image1.jpeg及びimage2.jpegをシート1、image3.jpegをシート2に保存する場合、図18(A)(B)に示すように、追記部分が追記される。
【0091】
図13に戻り、ステップS39の実行後、sheetN.xmlファイルの対象シートの情報が追記される(ステップS40)。例えば、図19に示すように、¥xl¥worksheetsフォルダ内における¥sheet1.xmlファイル及び¥sheet2.xmlファイルにおいて、追記部分が対象シートの情報として追記される。ステップS40の実行後、OOXML構成ファイルの1データ更新処理が終了され、スキャンデータ保存処理のステップS22に移行される。
【0092】
以上、本実施の形態によれば、ユーザは、識別子としてユーザの所望する保存先を指定するための情報を原稿内に記入すれば、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存することができる。これにより、ユーザは、保存用の画像データを適切な位置に配置する作業を要しないので、エクセルファイルを編集する手間を省き、作業効率を向上させることができる。
【0093】
例えば、ユーザは、図6(A)〜(C)のいずれかに示す識別子を原稿内に記入すれば、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存できる。
【0094】
また、保存用の画像データをOOXML形式のファイルに保存することができる。また、エクセルファイルのシートを保存先とすることができる。
【0095】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0096】
例えば、上記実施の形態では、識別子が記載された原稿を画像読取部26により読み取ることとしたがこれに限定されるものではない。例えば、原稿画像のみが原稿に記載されており、識別子が記載されていない原稿を画像読取部26により読み取ることとしてもよい。この場合、例えば、ユーザにより外部入力装置19又は外部入力装置29を介して識別子が操作入力される。そして、CPU21により、入力された識別子から保存先データが生成される。そして、CPU21により、保存先の画像データ及び保存先データに基づいて、保存用の画像データを保存先に保存する制御が実行される。これにより、ユーザは、外部入力装置19又は外部入力装置29を介して識別子を操作入力することができるので、ユーザの所望する保存先に保存用の画像データを保存させることができる。
【0097】
また、上記実施の形態では、保存先をエクセルファイルのシートとしたが、これに限定されるものではない。例えば、保存先をワードやパワーポイント(登録商標)におけるページ番号としてもよい。
【0098】
その他、本実施の形態における、画像形成装置の細部構造及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置(画像読取装置)
2 PC
3 回線
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
15 入力I/F
16 出力I/F
17 通信装置
18 外部入力装置(操作部)
19 外部出力装置
19 外部入力装置
20 バス
21 CPU(制御部)
22 RAM
23 ROM
24 記憶部
25 入力I/F
26 画像読取部(読取部)
27 画像印刷部
28 通信装置
29 外部入力装置(操作部)
30 バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記読取部は、
前記保存用画像と前記識別子とが1枚にまとめて記載された1枚以上の原稿又は前記保存用画像と前記識別子とが別々の原稿に記載された複数の原稿を読み取る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項4】
前記ファイルは、
OOXML形式のファイルである請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記OOXML形式のファイルは、
エクセル(登録商標)ファイルであって、
前記保存先のデータは、
前記保存先として前記エクセルファイルのシートを指定するデータである請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む画像読取方法。
【請求項7】
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む画像読取方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させるプログラム。
【請求項1】
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記読取部は、
前記保存用画像と前記識別子とが1枚にまとめて記載された1枚以上の原稿又は前記保存用画像と前記識別子とが別々の原稿に記載された複数の原稿を読み取る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取部と、
前記読取部により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項4】
前記ファイルは、
OOXML形式のファイルである請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記OOXML形式のファイルは、
エクセル(登録商標)ファイルであって、
前記保存先のデータは、
前記保存先として前記エクセルファイルのシートを指定するデータである請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む画像読取方法。
【請求項7】
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取工程と、
前記読取工程により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御工程と、
を含む画像読取方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像と、該保存用画像の保存先を指定するための識別子とが記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された前記保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、前記識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
ファイルとして保存するための保存用画像が記載された原稿を読み取る読取機能、
前記読取機能により読み取られた原稿に記載された保存用画像から保存用の画像データを生成する制御を行い、情報を操作入力するための操作部から前記保存用画像の保存先を指定するための識別子が入力された場合、該入力された識別子から保存先データを生成する制御を行い、前記保存用の画像データを前記保存先データにより指定された前記保存先に保存する制御を行う制御機能、
を実現させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−146102(P2012−146102A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3520(P2011−3520)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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