説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】電源オン・オフ時や省エネモード移行・復帰時に、アナログ信号処理部(AFE)に過大電圧が入力されるのを確実に防止する。
【解決手段】スキャナリセット制御部229と信号発生源228は、電源オン時又は省エネモード復帰時には、画像読取装置内電源生成部221が生成する電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がったときにリセット信号を論理レベルHに立ち上げて、遅延回路230及びAFE227のリセットを解除し、遅延回路230の遅延時間後にバッファ回路225が動作し、CCD223の出力信号をAFE227へ入力させる。電源オフ時又は省エネモード移行時には、直ちに又は極く短時間後に、リセット信号を論理レベルLに立ち下げて、遅延回路230及びAFE227をリセット状態にし、バッファ回路225への給電を断つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル複写機やデジタル複合機、多機能周辺装置(MFP)等の画像形成装置に搭載される画像読取装置、及びその画像読取装置を本体に搭載した上記のような画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複写機やデジタル複合機のような画像形成装置では、原稿画像を読み取る画像読取装置としてのスキャナ機能と、読み取った画像等の情報を電子写真方式(静電写真方式)で画像形成(印刷)して出力するプリンタ機能などを備えている。
【0003】
図12は、そのような画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図12に示す画像形成装置は、本体100と、その上部に設置された画像読取装置(スキャナ部)200と、さらにその上に装着された自動原稿給送装置(ADF:Auto Document Feeder)300と、本体100の図示の右側に配置された大容量給紙装置400と、本体100の図示の左側に配置された用紙後処理装置500とから基本的に構成されている。
【0004】
本体100は、画像書込部110、作像部120、定着部130、両面搬送部140、給紙部150、垂直搬送部160、および手差し部170を備えている。
画像書込部110は、画像読取装置200で読み取った原稿の画像情報(画像データ)に基づいて発光源であるレーザダイオードの発光をを変調し、そのレーザ光をポリゴンミラーによって走査し、fθレンズなどの走査光学系を介して感光体ドラム121の帯電された表面に照射して露光し、静電潜像を形成するものである。
【0005】
作像部120は、感光体ドラム121と、その感光体ドラム121の外周に沿って設けられた帯電ユニット(図示省略)、現像ユニット122、転写ユニット123、クリーニングユニット124、および除電ユニット(図示省略)などの公知の電子写真方式の作像要素からなる。
定着部130は、転写ユニット123で転写紙に転写されたトナー画像を転写紙に定着させるためのものである。
【0006】
両面搬送部140は、第1面(表面)に画像が形成された転写紙を再度画像書込部110へ送り込み、第2面(裏面)にも画像を形成させるためのものであり、定着部130の転写紙搬送方向下流側の下方に設けられている。そして、転写紙の搬送方向を用紙後処理装置500側あるいは両面搬送部140側に切り換える第1の切換爪141と、第1の切換爪141によって導かれる反転搬送路142と、その反転搬送路142で反転した転写紙を再度転写ユニット123側に搬送する画像形成側搬送路143と、反転した転写紙を用紙後処理装置500側に搬送する後処理側搬送路144とを含む。さらに、画像形成側搬送路143と後処理側搬送路144との分岐部には第2の切換爪145が配されている。
【0007】
給紙部150は、この例では4段の給紙段を備えており、各給紙段に収容された転写紙は、それぞれピックアップローラによって引き出され、給紙ローラによって垂直搬送部160へ送り出される。
垂直搬送部160では、給紙部150の各給紙段から送り込まれた転写紙を垂直上方へ搬送して、転写ユニット123の手前に設けられているレジストローラ161まで搬送する。レジストローラ161は、感光体ドラム121上の顕像の画像先端の移動とタイミングを取って転写紙を転写ユニット123に送り込む。
【0008】
手差し部170は、開閉自在な手差しトレイ171を備え、ユーザが必要に応じて手差しトレイ171を開いてセットした転写紙を給送する。この場合もレジストローラ161で転写紙の搬送タイミングが取られて、転写ユニット123へ搬送される。
【0009】
大容量給紙装置400は、同一サイズの転写紙を大量にスタックして供給するもので、転写紙が消費されるにしたがって底板402が上昇し、常にピックアップローラ401から転写紙のピックアップが可能に構成されている。ピックアップローラ401と給紙ローラによって給紙される転写紙は、垂直搬送部160の上部からレジストローラ161まで搬送される。
【0010】
用紙後処理装置500は、画像が定着された転写紙に対して、孔明けやステイプル止め、仕分けなどの所定の処理(後処理)を行うもので、この例では、これらの後処理機能のためにパンチ501、ステイプルトレイ502、ステイプラ503、およびシフトトレイ504を備えている。
【0011】
そして、画像形成装置の本体100から用紙後処理装置500に搬入された転写紙は、孔明けを行う場合にはパンチ501で1枚ずつ孔明けが行われ、その後、特に処理の必要がなければプルーフトレイ505へ排出され、仕分けを行う場合にはシフトトレイ504に排紙される。この場合の仕分けは、シフトトレイ504が用紙搬送方向に直交する方向に所定量往復動し、転写紙を積載する位置を振り分けることにより行われる。
【0012】
また、ステイプル止めをする場合には、孔明けが行われたかあるいは孔明けが行われていない転写紙が下搬送路506に導かれ、ステイプルトレイ502において後端フェンスで用紙搬送方向と直交する方向が揃えられ、ジョガーフェンスで用紙搬送方向と平行な方向が揃えられる。そして、揃えられた用紙束の所定位置、例えば角部、側部2個所など所定の位置がステイプラ503によってステイプル止めされて綴じられ、放出ベルトによってシフトトレイ504に排紙される。
【0013】
また、この場合、下搬送路506にはプレスタック搬送路507が設けられ、画像形成されて送り込まれた転写紙をスタックし、後処理中に画像形成装置本体100側の画像形成動作の中断を避けることができるようになっている。
【0014】
画像読取装置200については、詳細な構成の図示を省略するが、ADF300によって原稿台210上に導かれ、停止した原稿を光学的にスキャンし、図示していないミラー群を経て結像レンズで結像された原稿の画像をCCD(Charge Coupled device)やCMOS素子などの光電変換素子(図示略)によって読み取る、周知の縮小光学系を備えた画像読取手段である。
【0015】
また、ADF300は両面給送機能を有するもので、画像読取装置200の原稿台210の設置面に開閉自在に取り付けられている。
画像読取装置200は、ADF300により原稿台210上に載置された原稿を読み取る際、あるいはユーザによって原稿台210上に載置された原稿を読み取る際、移動光学系のキャリッジを副走査方向に移動させることによって、光源からの主走査方向に1ラインの光の照射位置を原稿の読取面の副走査方向へ移動しながら原稿を照射し、原稿からの反射光をレンズを介して光電変換素子上に結像させ、光電変換素子によって原稿の画像情報がアナログ電気信号に変換される。
【0016】
その光学変換素子から出力されるアナログ電気信号は、後述するように、前段のアナログ信号処理部により所定のアナログ信号処理がなされた後デジタル信号の画像データに変換され、後段の画像データ処理装置へ送られ、例えば、記憶装置に一旦記憶される。そして、画像形成時に画像書込部110によってその記憶装置から画像データが読み出され、発光源であるレーザダイオードの発光を画像データに応じて変調し、光書き込みが行われる。
【0017】
次に、このような従来の画像形成装置における電源オン・オフ時に生じる不具合について説明する。
図13は、従来の画像読取装置を備えた画像形成装置の電源供給系の構成例を示すブロック図であり、200はその画像読取装置の回路構成例を示している。
また、図14は図13に示した画像形成装置における電源オン時の各電源の立ち上がりシーケンスが正常な場合の各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートであり、図15はその電源オン時の各電源の立ち上がりシーケンスが異なる場合の各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【0018】
図13において、電源スイッチ1は、外部電源を電源生成部2に対してオン・オフ(供給/遮断)するスイッチであり、電源スイッチ1がオンされて電源生成部2に外部電源が供給されると、電源生成部2は電源VccEを生成してシステム制御部3に供給する。それにより、システム制御部3が起動して電源生成部2へ出力する電源制御信号PON_ENGを論理レベルH(アクティブ)にする。
【0019】
システム制御部3から入力する電源制御信号PON_ENGが論理レベルHになると、電源生成部2は電源Vcc1,Vcc2をそれぞれ生成して画像読取装置200の画像読取装置内電源生成部221へ供給すると共に、他回路用の電源も生成して、画像形成装置内の各回路へ供給する。
【0020】
なお、電源スイッチ1がオンのままでも低消費電力モード(「省エネモード」ともいう)の時には、システム制御部3が電源制御信号PON_ENGを論理レベルL(非アクティブ)にすることによって、電源生成部2は画像読取装置200や他回路に供給する電源をオフにする。
【0021】
電源VccEはこの省エネモードでもオフしない待機電源であり、システム制御部3のほかに、図12に示したADF300や図示しない操作部など、省エネモードから通常動作モードへの復帰(以下、これを「省エネモード復帰」という)のためのイベント等を検出するための要素にも供給される。例えば、省エネモードではシステム制御部3が省エネモード復帰の命令(圧板開閉、操作部のいずれかのボタン押下等)を監視しており、いずれかの省エネモード復帰の命令を検知すると、システム制御部3が電源制御信号PON_ENGを論理レベルHになる。
【0022】
従来の画像読取装置200において、画像読取装置内電源生成部221は、電源Vcc1の供給に基づいて電源PA,PCを生成するとともに、電源Vcc2の供給に基づいて電源PBを生成する。その電源PAは、電源電圧検出ICであるパワーオン・リセット回路(POR:Power On Reset回路)222と光電変換素子であるCCD223に供給されると共に、遅延回路224を介して、CCD223の出力信号を緩衝バッファ回路225にも供給される。
【0023】
電源PBは、信号発生源228に供給されると共に、POR222が出力するリセット信号XRESETをプルアップする。電源PCは、それ以外のアナログ信号処理部(AFE:Analog Front End)227等の回路に供給される。AFE227は通常、アナログ処理ICとして作られる。
【0024】
この画像読取装置200において、光電変換素子であり画像読取デバイスでもあるCCD223から出力されるアナログ電気信号CCD_outは、バッファ回路225及び結合コンデンサ226を介して、その交流成分のみが信号AFE_inとしてAFE227に入力する。なお、バッファ回路225は、エミッタフォロワ回路によって緩衝(インピーダンス低減)を行いっている。
【0025】
また、信号発生源228は、CCD223やAFE227に供給する各種信号(例えば、各種のクロック信号や同期信号など)を発生し、それらの各種信号をCCD223及びAFE227に供給するが、その信号線は図示を省略している。その信号発生源228はまた、AFEリセット信号XAFERSTを発生して、それをAFE227のリセット端子へ入力させる。
【0026】
AFE227は、入力する信号AFE_inに対して、ラインクランプ、サンプル/ホールド、ゲイン処理、A/D変換の順で処理を実施し、読み取り原稿から得られた画像情報に対応したデジタル画像データを得る。また、そのAFE227から出力されるデジタル画像データは、ノイズ低減などの目的からLVDS方式(低電圧差動伝送:Low Voltage Differential Signaling)のトランスミッタ(図示省略)により、後段の装置へ転送される。
【0027】
次に、この画像形成装置における電源オン時の動作について、図14(a)−(l)の波形図を参照して説明する。なお、この波形図において、横軸は時間を、縦軸は各信号の大きさを表わしている。
【0028】
図14における時刻t1に電源スイッチ1をオンにした場合、最初に図13に示した電源生成部2より出力される電源VccEが立ち上り(図14(a)参照)、次いで、システム制御部3が動作を開始して、時刻t2で電源制御信号PON_ENGを論理レベルHにする(図14(b)参照)。その後、電源生成部2が電源Vcc1,Vcc2及び他回路の電源の生成を開始する。この場合、電源Vcc2の立ち上がりタイミングが電源Vcc1の立ち上がりタイミングより早いものとする(図14(c),(d)参照)。
【0029】
また、電源Vcc1に基づいて図13に示した画像読取装置200内の画像読取装置内電源生成部221が生成する電源PA,PC(図14(e),(g)参照)は、電源Vcc1が規定電圧値にまで上昇するのに従って、それぞれが所定の電圧値にまで徐々に上昇し、また、電源Vcc2に基づいて画像読取装置内電源生成部221が生成する電源PB(図14(f)参照)は、電源Vcc2が規定電圧値にまで上昇するのに従って、所定の電圧値にまで徐々に上昇する。
【0030】
また、バッファ回路225へ供給されるバッファ電源(図14(j)参照)は、遅延回路224の遅延作用による遅延時間を経過した後に、電源PAの規定電圧値にまで上昇し、バッファ回路225の動作はその後に安定して行われる。
【0031】
一方、信号発生源228のリセット端子に電源PBを接続すれば、電源PBが立ち上がることによって信号発生源228がリセット解除となり、信号発生源228はCCD駆動用のクロック信号、AFE駆動用のクロック信号、AFEリセット信号XAFERST(図14(i)参照)などの出力を開始する。CCD駆動用のクロック信号の入力によりCCD223が読取動作を開始して、読取画像の明暗に応じたアナログ電気信号CCD_out(図14(k)参照)を出力し、それがバッファ回路225及び結合コンデンサ226を介して、その交流成分が信号AFE_in(図14(l)参照)としてAFE227に入力される。
【0032】
しかしながら、CCD223に供給される電源PAが立ち上がっていない状態で、CCD駆動用クロック信号がCCD223に入力すると、CCD223の不具合や破壊につながる。そこで、電源PAの立ち上がりをPOR222で監視し、電源PAが所定の電圧値(リセット電圧値)まで立ち上がった時点で、POR222が信号発生源228のリセット端子に出力するリセット信号XRESETの出力端をハイインピーダンス状態にするようにしている。また、信号発生源228のリセット端子を電源PBでプルアップしている。
【0033】
すなわち、CCD電源の電源PAがリセット電圧値に達するまでの期間では、POR222がリセット信号XRESETの出力端をローインピーダンスで接地状態にして、リセット信号XRESETが論理レベルLになっており(図14(h)参照)、信号発生源228はリセット状態を維持する。
そのため、CCD駆動用クロック信号は発生せず、AFEリセット信号XAFERSTは論理レベルLのままである。そのため、CCD223は読取動作を開始せず、AFEリセット信号XAFERSTがリセット端子に入力しているAFE227はリセット状態に維持されて動作しない。
【0034】
そして、電源PAがリセット電圧値に達すると(図14の時刻t3)、POR222がリセット信号XRESETの出力端をハイインピーダンス状態にするので、電源PBのプルアップによって、リセット信号XRESETが論理レベルHになる。
その結果、信号発生源228がリセット解除されて上記した信号発生源228の動作が開始され、CCD駆動用クロック信号が発生するとともに、AFEリセット信号XAFERSTを論理レベルHにする。それによって、CCD223が読取動作を開始し、AFE227もリセット解除状態になって動作を開始する。
【0035】
ここで、一般的には信号発生源228よりもCCD223の電源負荷が大きいため、電源の立上り順は電源PB→電源PAという順番となる。その結果、電源オン時は、電源PB→電源PA→リセット解除というシーケンスが成立している。
ところで、上記のようにCCD223が出力する信号CCD_outは結合コンデンサ226を介してAFE227に入力しており、その信号CCD_outの電圧変化である交流成分のみがAFE227に入力する。
【0036】
一方で、AFE227の入力端子に入力する信号の電圧は最大定格以内である必要があり、通電時の通常動作ではこの状態を満足するように、周辺回路等が設計されている。例えば、図14(l)では、AFE227への入力レベルは、上限値LUと下限値LDとの範囲の値に設定される。
【0037】
しかし、画像形成装置の電源オン・オフ時には、例えば、電源電位→GNDまたはGND→電源電位のような大きな直流電位の変化が生じたり、あるいは、電源投入時に蓄積された初期電荷がリセット解除のタイミングで一気に吐き出されることによって生じる過大電圧が発生し、上記最大定格を超えてしまう可能性がある。
【0038】
画像形成装置などの機器においては、機器本体の電源スイッチのオン・オフ動作は日に数回程度と少ないが、低消費電力モード(省エネモード)の機能を備えている場合には、通常動作モードから省エネモードへの移行と、省エネモードから通常動作モードへの復帰が、頻繁に起こり、その都度、実質的な電源のオン/オフ動作が行われる。
通常動作モードでは通常動作に必要な全ての部分に給電し、低消費電力モード(省エネモード)では、ユーザによる使用(いずれかのキーオン等)を検知して装置を起動させるために必要な最小限の部分にのみ給電する。
【0039】
そのため、上記した過大電圧により画像読取装置200を構成するデバイス(特に、AFE227)の特性劣化や、さらには破損といった障害を発生する可能性が大幅に大きくなってしまう。この電源オン・オフ時における過大電圧を制御する従来技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【0040】
この従来技術では、CCDから出力されるアナログ信号を入力するバッファ回路とその電源との間にRCフィルタからなる電源遅延回路を設けることによって、バッファ回路の電源の立上り時間をCCDの電源の立上り時間よりも遅らせて、電源オン→リセット解除時に、電源からバッファ回路に供給される電圧の立上り速度を遅くして、CCDから出力される過大電圧がAFEに入力されるのを抑えるようにしている。
図13に示した従来装置の回路例においては、この従来技術を適用し、電源PAを遅延回路224を介して遅延させてバッファ回路225に供給するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
しかしながら、この従来技術では、次のような不具合を生じる恐れがあった。
すなわち、近年では、画像形成装置の開発工数削減のため、画像形成装置の構成要素である画像読取装置をそのまま別の画像形成装置(複写機など)へ転用するケースが増えており、画像形成装置の電源生成部によって画像読取装置に供給される電源シーケンスが変わる可能性がある。
【0042】
まず、画像読取装置の電源をオンするときに生じる問題について説明する。
例えば、図13に示した例のように、電源オン時に画像読取装置200に2つの電源Vcc1、Vcc2を供給する場合に、その画像読取装置200が組み込まれる画像形成装置の機種によって、ある機種と別の機種とで、その2つの電源Vcc1,Vcc2の供給開始タイミングの前後関係が、電源仕様あるいは電源負荷の違いなどが原因となって、逆転することがある。
【0043】
すなわち、図14(a)−(l)に示した例では、電源Vcc2が電源Vcc1よりも先に供給され、その場合上記の通り、電源オン時には、電源PB→電源PA→リセット解除というシーケンスが成立し、図13の画像読取装置200は適切に起動する。
【0044】
それに対し、電源Vcc1が電源Vcc2よりも先に供給される場合には、例えば、図15(a)−(l)に示すように、電源PA(図15(e)参照)が電源PB(図15(f)参照)よりも先に立ち上がり、バッファ回路225の電源(図15(j)参照)が先に立ち上りきった後に、信号発生源228の電源PB(図15(f)参照)により、POR222から出力されるリセット信号XRESETが論理レベルHになって信号発生源228のリセットが解除される。
【0045】
それにより、信号発生源228からCCD駆動用クロック信号がCCD223へ入力されると、電源投入時に蓄積された電荷が一気に吐き出されることによって、CCD223から出力される信号CCD_outの変動が大きくなる。その出力が既に立ち上がったバッファ回路225及び結合コンデンサ226を介してAFE227に入力される信号AFE_inが、前述した信号の入力レベルの範囲の下限値LDを下回る(図15(l)参照)など、AFE227の入力端子に入力する信号の電圧が最大定格を逸脱し、その結果AFE227を破損するという事態が生じる恐れがある。
【0046】
次に、画像読取装置の電源をオフするときに生じる問題について説明する。
図16(a)−(l)は、図13に示した画像形成装置における電源オフ時における各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。この図を参照しながら、電源オフ時における画像読取装置の動作を説明する。
【0047】
電源スイッチ1が時刻t11でオフにされると、電源生成部2から生成される電源Vcc1,Vcc2,VccE(図16(a),(c),(d)参照)は、それぞれの電源負荷等に応じて異なる立ち下がり特性に従ってその電圧が各々下がり、それらの電源Vcc1,Vcc2,VccEが供給される各回路要素の動作が順次停止する。例えば、システム制御部3は、所定の電圧値にまで電源VccEの電圧が低下した時点で、電源制御信号PON_ENG(図16(b)参照)を立ち下げる。
【0048】
また、電源PA(図16(e)参照)の電圧値がPOR222に設定されたリセット電圧値まで低下すると、POR222は、リセット信号XRESET(図16(h)参照)を論理レベルLに立ち下げる。このリセット信号XRESETが論理レベルLに立ち下がると、信号発生源228は、AFE227に出力するAFEリセット信号XAFERST(図16(i)参照)を論理レベルLに立ち下げて、AFE227をリセットする。
【0049】
ここで、POR222は、リセット信号XRESETを形成する際の動作にヒステリシス特性を有しており、通常、リセット解除時の電圧の閾値がリセット検出時の電圧の閾値よりも高く設定されている。そのため、POR222が電源PAに基づいてリセット検出してリセット信号XRESETを論理レベルLに立ち下げる場合の検出タイミングは、遅くなる傾向になる。
【0050】
ところが、CCD223の構造によっては、電源PAの電圧値がPOR222のリセット検出の閾値にまで低下する前の状態で、定格のCCD駆動電圧で駆動していないことが原因となって一時的にCCD223の動作が不安定になり、突発的な出力が出ることがあり、その場合、CCD223から出力される信号CCD_out(図16(k)参照)として過大電圧が発生してしまい、バッファ回路225及び結合コンデンサ226を介して、AFE227に入力される信号AFE_inが上述した信号の入力レベルの範囲の下限値LDを下回る(図16(l)参照)など、AFE227の入力端子に入力する信号の電圧が最大定格を逸脱し、その結果AFE227を破損するという事態を生じる恐れがある。
【0051】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、画像読取装置をそのまま別の画像形成装置に転用しても、電源オン・オフ時、あるは通常動作モードから低消費電力モードでの移行時及び低消費電力モードから通常動作モードへの復帰時に、アナログ信号処理部(AFE)に最大定格を逸脱するような信号が入力されるのを確実に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0052】
この発明による画像読取装置は、原稿画像の反射光を対応するアナログ電気信号に変換する光電変換素子と、上記アナログ電気信号を緩衝するバッファ回路と、該バッファ回路から出力されるアナログ電気信号の交流成分を入力し、所定のアナログ信号処理を行った後デジタル画像データに変換して後段装置へ転送するリセット可能なアナログ信号処理部(AFE)とを備え、画像形成装置の本体に搭載される画像読取装置である。
【0053】
そして、上記画像形成装置の本体側からの給電により立ち上がり及び立ち下がり特性がそれぞれ異なる複数の電源(PA,PB,PC)を生成して前記画像読取装置の各部に給電する画像読取装置内電源生成部と、その画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の1つ(PA)を遅延させて上記バッファ回路の電源として供給するリセット可能な遅延回路と、上記アナログ信号処理部と遅延回路のリセット端子に入力して、それらをリセット状態とリセット解除状態のいずれかに制御するリセット信号(XAFERST)を生成するリセット制御手段とを設けている。
【0054】
そのリセット制御手段は、上記画像形成装置の電源スイッチがオフからオンになったとき又は該画像形成装置が低消費電力モードから通常動作モードに復帰したときには、上記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源(PA,PB,PC)の全てが所定電位に立ち上がったときに、上記リセット信号を上記アナログ信号処理部と遅延回路をリセット解除状態にする論理レベル(H)にしてそれを保持し、上記画像形成装置の電源スイッチがオンからオフになったとき又は該画像形成装置が通常動作モードから低消費電力モードに移行したときには、直ちに又は極めて短時間後に上記リセット信号を上記アナログ信号処理部と遅延回路をリセット状態にする論理レベル(L)にする。
【0055】
上記リセット制御手段は、上記画像形成装置が低消費電力モードに移行したときにも、上記本体側から待機電源(VccE)が供給されて動作状態を維持するようにするとよい。
【0056】
上記リセット制御手段は、上記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の全ての立ち上がりを検知するアンド回路と、そのアンド回路の出力をクロック端子(CLK)に入力し、上記画像形成装置が電源オンで通常動作モードのときにアクティブ(H)になり低消費電力モード又は電源オフのときに非アクティブ(L)になる電源制御信号(PON_ENG)をデータ端子(D)に入力するD形フリップフロップ回路(D−FF)と、そのD形フリップフロップ回路の出力端子(Q)をプルダウンする抵抗とからなるスキャナリセット制御部と、上記D形フリップフロップ回路の出力端子(Q)の出力信号に基づいて上記リセット信号(XAFERST)を生成する回路とによって構成することができる。
【0057】
この発明による画像形成装置は、原稿画像の反射光を対応するアナログ電気信号に変換する光電変換素子と、上記アナログ電気信号を緩衝するバッファ回路と、該バッファ回路から出力されるアナログ電気信号の交流成分を入力し、所定のアナログ信号処理を行った後デジタル画像データに変換して後段装置へ転送するリセット可能なアナログ信号処理部(AFE)とを備えた画像読取装置を本体に搭載した画像形成装置である。
【0058】
そして、上記本体側に、外部電源に供給をオン・オフする電源スイッチと、該電源スイッチを介して外部電源が供給され、通常動作モードのときには少なくとも待機電源(VccE)と複数の画像読取装置用電源(Vcc1,Vcc2)とを生成し、低消費電力モードのときには待機電源(VccE)のみを生成する電源生成部を設けている。
また、上記画像読取装置に、上記本体側の電源生成部からの複数の画像読取装置用電源(Vcc1,Vcc2)による給電により、立ち上がり及び立ち下がり特性がそれぞれ異なる複数の電源(PA,PB,PC)を生成して上記画像読取装置の各部に給電する画像読取装置内電源生成部と、前述した画像読取装置と同様な遅延回路とリセット制御手段とを設けている。
【0059】
そのリセット制御手段は上記待機電源によって動作し、上記電源スイッチがオフからオンになったとき又は上記低消費電力モードから通常動作モードに復帰したときには、上記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源(PA,PB,PC)の全てが所定電位に立ち上がったときに、上記リセット信号を上記アナログ信号処理部と遅延回路をリセット解除状態にする論理レベル(H)にしてそれを保持し、上記電源スイッチがオンからオフになったとき又は上記通常動作モードから低消費電力モードに移行したときには、直ちに又は極めて短時間後に上記リセット信号を上記アナログ信号処理部と遅延回路をリセット状態にする論理レベル(L)にする。
【0060】
上記画像形成装置において、上記本体側に、上記電源生成部から上記待機電源(VccE)を入力し、その待機電源(VccE)が供給されて上記通常動作モードのときにアクティブ(H)になり、上記低消費電力モード又は上記待機電源(VccE)が供給されないときに非アクティブ(L)になる電源制御信号(PON_ENG)を生成して、上記電源生成部とリセット制御手段に入力させるシステム制御部を設け、
上記電源生成部は、上記システム制御部から入力する電源制御信号(PON_ENG)がアクティブ(H)のときには上記待機電源(VccE)と複数の画像読取装置用電源(Vcc1,Vcc2)とを生成し、上記電源制御信号が非アクティブ(L)のときには待機電源(VccE)のみを生成し、
上記画像読取装置のリセット制御手段を、上記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源(PA,PB,PC)の全ての立ち上がりを検知するアンド回路と、そのアンド回路の出力をクロック端子(CLK)に入力し、上記電源制御信号(PON_ENG)をデータ端子(D)に入力するD形フリップフロップ回路と、そのD形フリップフロップ回路の出力端子(Q)をプルダウンする抵抗とからなるスキャナリセット制御部と、上記D形フリップフロップ回路の出力端子(Q)の出力信号に基づいて上記リセット信号(XAFERST)を生成する回路とによって構成するとよい。
【0061】
上記電源生成部は、上記システム制御部から入力する電源制御信号(PON_ENG)を遅延させる遅延手段を有し、上記電源制御信号(PON_ENG)がアクティブ(H)になってから上記遅延手段による遅延時間後から上記複数の画像読取装置用電源(Vcc1,Vcc2)を順次生成するとよい。
上記電源生成部の上記遅延手段をRCフィルタで構成するとよい。
上記各画像読取装置及び画像形成装置において、上記光電変換素子がCCDであるとよい。
【発明の効果】
【0062】
この発明による画像読取装置及び画像形成装置によれば、電源オン時及び低消費電力モードから通常動作モードへの復帰時には、画像読取装置内の各部に給電する複数の電源(PA,PB,PC)が全て所定電圧まで立ち上がったときに上記リセット信号(XAFERST)によって上記遅延回路とアナログ信号処理部のリセット状態が解除されて動作状態になるので、所定の遅延時間後にバッファ回路が動作して光電変換素子からの出力信号を増幅してアナログ信号処理部へ入力させる。また、電源オフ時及び通常動作モードから低消費電力モードへの移行時には、直ちに又は極めて短時間後に上記リセット信号(XAFERST)によって上記遅延回路とアナログ信号処理部がリセット状態にされるので、上記バッファ回路が動作を停止し、光電変換素子からの出力信号を出力しなくなる。
したがって、いずれの場合にもアナログ信号処理部に最大定格を逸脱するような信号が入力されるのを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】この発明の一実施例である画像読取装置を備えた画像形成装置の電源供給系の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電源生成部4における電源Vcc1,Vcc2を生成する部分の構成例を示すブロック回路図である。
【図3】図1に示したスキャナリセット制御部229の構成例を示す回路図である。
【図4】図3におけるのD−FF229bの動作を説明するための各端子の論理値を示す図である。
【0064】
【図5】図1に示したスキャナリセット制御部229の他の構成例を示す回路図である。
【図6】図5におけるD−FF229fの動作を説明するための各端子の論理値を示す図である。
【図7】図1における遅延回路230の構成例を示す回路図である。
【図8】図1に示した実施例による電源オン開始から電源オン・リセット解除完了までの動作シーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図9】図1における電源スイッチ1がオンされた電源オン時における各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【0065】
【図10】図1に示した実施例による電源オフ開始からリセットオン・電源オフ完了までの動作シーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図11】図1における電源スイッチ1がオフされた電源オフ時における各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【図12】この発明を適用する画像形成装置の機構部全体の構成例を示す概略構成図である。
【0066】
【図13】従来の画像読取装置を備えた画像形成装置の電源供給系の構成例を示すブロック図である。
【図14】図13に示した画像形成装置における電源オン時の各電源の立ち上がりシーケンスが正常な場合の各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【図15】図13に示した画像形成装置における電源オン時の各電源の立ち上がりシーケンスが異なる場合の各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【図16】図13に示した画像形成装置における電源オフ時における各部の信号波形の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施例である画像読取装置を備えた画像形成装置の電源供給系の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す画像形成装置は、画像読取装置20におけるスキャナリセット制御部229及び遅延回路230を除いては、図13に示した従来の画像読取装置200と同様な構成を有しており、便宜上図13と対応する部分には同一符号を付している。この画像読取装置20も図12に示した画像形成装置の本体100に搭載される。
【0068】
図1において、電源スイッチ1は画像形成装置の本体100側に設けられており、外部電源を電源生成部4に対してオンオフするものであり、電源スイッチ1がオンされて外部電源が供給されると、電源生成部4は電源VccE(待機電源)を生成して、システム制御部3および画像読取装置20のスキャナリセット制御部229等の低消費電力モード(省エネモード)の待機状態でも動作している要素へ供給する。これにより、システム制御部3が起動し、電源生成部4及びスキャナリセット制御部229へ出力する電源制御信号PON_ENGを論理レベルHにすると共に、所定の初期化動作等を開始する。
【0069】
電源VccE(待機電源)は、図12に示したADF300や図示しない操作部など、省エネモードから通常動作モードへの復帰するためのイベント等を検出するためのセンサやスイッチ及びシステム制御部3内のCPUなどの最小限必要な要素にも供給される。例えば、省エネモードではシステム制御部3が省エネモード復帰の命令(圧板開閉、操作部のいずれかのボタン押下等)を監視しており、いずれかの省エネモード復帰の命令を検知すると、システム制御部3が電源制御信号PON_ENGを論理レベルHにする。
【0070】
通常モードから省エネモードへの移行は、システム制御部3が、待機ボタンが押されたことを検知するか、画像形成装置が予め設定した時間以上放置された(使用されなかった)と判断したときに行われる。省エネモードから通常モードへの復帰は、システム制御部3が、圧板開閉や操作部のいずれかのボタン押下がなされたと判断したときに行われる。
【0071】
図2は、図1に示した電源生成部4における電源Vcc1,Vcc2を生成する部分の構成例を示している。
この電源生成部4は、抵抗RとコンデンサCからなる遅延回路4aと画像読取装置用電源生成部4bからなる。そして、システム制御部3から入力する電源制御信号PON_ENGは、遅延回路4aを介して画像読取装置用電源生成部4bへ入力される。
【0072】
外部電源を入力した画像読取装置用電源生成部4bは、電源制御信号PON_ENGが論理レベルHに立ち上がったタイミングから遅延回路4aの遅延時間後に、電源Vcc1,Vcc2を順次生成して画像読取装置20の画像読取装置内電源生成部221へ給電する。
それ以外の電源の生成回路は図示していないが、信号PON_ENGが論理レベルHになるとすぐに、その電源を生成して対応する各回路へ出力する。
【0073】
図1の説明に戻り、画像読取装置20は、図13に示した従来の画像形成装置200と同様に画像読取装置内電源生成部221、光電変換素子(撮像デバイス)であるCCD223、バッファ回路225、結合コンデンサ226、リセット可能なアナログ信号処理部(AFEと略称する)227、および信号発生源228を備え、POR222に代わるスキャナリセット制御部229および遅延回路224に代わるリセット可能な遅延回路230を設けている。
【0074】
画像読取装置内電源生成部221は、電源生成部4から入力する電源Vcc1に基づいて電源PA,PCを生成するとともに、電源生成部4から入力する電源Vcc2に基づいて電源PBを生成する。
画像読取装置内電源生成部221が生成した電源PAは、スキャナリセット制御部229とCCD223に直接供給されると共に、遅延回路230を介して、CCD223の出力信号を緩衝(インピーダンス低減)するバッファ回路225に供給される。
【0075】
また、電源PBは信号発生源228に供給されると共にスキャナリセット制御部229に入力され、電源PCはそれ以外の回路要素へと供給されると共にスキャナリセット制御部229に入力される。
このように、画像読取装置内電源生成部221は、画像形成装置の本体側の電源生成部4から給電される電源Vcc1と電源Vcc2に基づいて、後述するように立ち上がり及び立ち下がり特性がそれぞれ異なる複数の電源である電源PA,PB,PCを生成して、画像読取装置20の各部に給電する。
【0076】
スキャナリセット制御部229は、電源PA,PB,PC及び電源制御信号PON_ENGに基づいて、リセット信号XRESETを出力するものであり、そのリセット信号XRESETは信号発生源228に入力する。
また、この画像読取装置20において、CCD223から出力されるアナログ電気信号CCD_outは、バッファ回路225及び結合コンデンサ226を介してその交流成分のみが信号AFE_inとしてAFE227に入力する。
【0077】
信号発生源228は、CCD223やAFE227に供給する各種駆動信号(例えば、各種のクロック信号、リセット信号、及び各種の同期信号など)を発生するものであり、それらの各種駆動信号は、CCD223及びAFE227の対応する入力端子に供給される。しかし、図1ではリセット信号以外の信号線の図示を省略している。
【0078】
この信号発生源228はまた、各種駆動信号の1つとしてAFE227をリセット状態にするAFEリセット信号XAFERSTを発生して、AFE227及び後述する遅延回路230のリセット端子に入力させる。そして、スキャナリセット制御部229より入力するリセット信号XRESETが論理レベルLの場合にはAFEリセット信号XAFERSTを論理レベルにL(入力した回路をリセット状態にする論理レベル)にし、リセット信号XRESETが論理レベルHの場合にはAFEリセット信号XAFERSTを論理レベルH(入力した回路をリセット解除状態にする論理レベル)にする。
【0079】
したがって、リセット信号XRESETとAFEリセット信号XAFERSTとは同じであり、リセット信号だけ見れば、リセット信号XRESETをそのままAFEリセット信号として使用してもよい。請求項に記載した「リセット信号」はこのいずれでもよい。
【0080】
AFE227は、入力端子に入力する信号AFE_inに対して、ラインクランプ、サンプル/ホールド、ゲイン処理、A/D変換の順で処理を実施し、読み取り原稿から得られた画像情報に対応したデジタルデータを得る。また、AFE227から出力されるデジタルデータは、ノイズ低減などの目的からLVDS方式(低電圧差動伝送:Low Voltage Differential Signaling)のトランスミッタ(図示略)により、後段の装置へ転送される。
【0081】
また、AFE227は、リセット端子に入力するAFEリセット信号XAFERSTが論理レベルHになっているときには所定のリセット解除動作を行って動作状態になり、AFEリセット信号XAFERSTが論理レベルLになっているときには所定のリセット動作を行ってリセット状態(非動作状態)になる。
【0082】
図3は、図1に示したスキャナリセット制御部229の構成の一例を示す回路図である。
このスキャナリセット制御部229は、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がっていることを検出するためのアンド回路229aと、アンド回路229aの出力がクロック入力端子CLKに加えられるD形フリップフロップ回路であるD−FF229bと、そのD−FF229bのデータ入力端子Dに加えられる電源制御信号PON_ENGを反転してD−FF229bのアウトプットイネーブル入力端子OE(負論理)に入力させるための反転回路229cと、及びD−FF229bの出力端子Qをプルダウンする抵抗229dとからなる。
【0083】
また、D−FF229b及び反転回路229cには、電源VccEが供給されており、D−FF229bの出力端子Qからの出力信号がリセット信号XRESETとして次段回路である信号発生源228へ出力される。
【0084】
アンド回路229aは、電源PAを分圧する分圧抵抗R1,R2とその分圧電圧がベースに印加されるエミッタフォロワ接続されたPNPトランジスタQ1、電源PBを分圧する分圧抵抗R3,R4とその分圧電圧がベースに印加されるエミッタフォロワ接続されたPNPトランジスタQ2、および電源PCを分圧する分圧抵抗R5,R6とその分圧電圧がベースに印加されるエミッタフォロワ接続されたPNPトランジスタQ3からなる。
そして、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3の各エミッタが相互接続され、その相互接続点Pには抵抗R7を介して電源VccEが印加されると共に、その相互接続点PがD−FF229bのクロック端子CLKに接続されている。
【0085】
ここで、各分圧抵抗R1〜R6の抵抗値は、電源PA,PB,PC及び分圧抵抗R1〜R6の抵抗値のバラツキ等を考慮した上で、それぞれできるだけ高い電圧(閾値)でPNPトランジスタQ1〜Q3をオフするように分圧率(分圧比)を決め、その分圧率に対応した抵抗値に設定している。理想的には、電源PA,PB,PCがそれぞれ完全に所定電位に立ち上がったときに、電源VccEの電圧とベース電圧との電位差がPNPトランジスタQ1〜Q3のベース−エミッタ間電圧Vbe以下になるように設定するのが望ましい。
【0086】
ここで、各PNPトランジスタQ1〜Q3をオフにするベース電圧を「閾値電圧」という。そして、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3の各閾値電圧をTHa、THb、THcとする。
なお、図3に示したアンド回路229aは、トランジスタと分圧抵抗を用いた簡単なワイヤードアンド回路の例を示したが、消費電力を懸念しなければ、電源VccEで駆動される3入力のアンド回路のIC(集積回路)を使ってもよい。
【0087】
次に、このアンド回路229aの動作について説明する。電源PA,PB,PCの立ち上がり期間を考えると、前述したように電源VccEは省エネモードの待機状態でも供給されているから、電源PA,PB,PCが全て立ち上がる前の段階で定常状態に立ち上がっている。しかし、電源PA,PB,PCが全て所定電圧に立ち上がる前の段階では、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3のベースに加えられる電圧が各々閾値電圧THa,THb,THcよりも低く、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3が全てオンになるので、その電源VccEは抵抗R7とPNPトランジスタQ1,Q2,Q3の各エミッタの相互接続点Pは接地レベルである。すなわち、アンド回路229aの出力は論理レベルLになっている。
【0088】
それとともに、電源制御信号PON_ENGが論理レベルHに立ち上がっているので、D−FF229bのデータ入力端子Dには論理レベルHが入力され、アウトプットイネーブル入力端子OEには論理レベルLが入力される。
【0089】
また、電源PA,PB,PCのいずれか1つ以上の電源が立ち上がっていない状態では、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3のうちその電源に対応した1つ以上のPNPトランジスタのベース電圧が閾値電圧よりも低く、そのPNPトランジスタがオンになっているので相互接続点Pは接地レベルのままであり、アンド回路229aの出力は論理レベルLのままとなる。
【0090】
そして、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がった状態では、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3のベースに印加される電圧がそれぞれ閾値電圧THa,THb,THcよりも高くなり、PNPトランジスタQ1,Q2,Q3が全てオフになるので、その各エミッタの相互接続点Pが電源VccEのレベルとなる。すなわち、アンド回路229aの出力が論理レベルHになる。
したがって、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がったタイミングで、アンド回路229aの出力が論理レベルLから論理レベルHへ変化する立ち上がりエッジが形成される。
【0091】
図4は、D−FF229bの動作を説明するための各端子の論理値をを示す。この図において、Lはローレベル、Hはハイレベル、↑は立ち上がりエッジ、↓は立ち下がりエッジ、Xは不定、Q0は前の状態のQ,Zはハイインピーダンスの状態を示す。
この図4によれば、D−FF229bは、クロック入力端子CLKに立ち上がりエッジが加えられた場合には、データ入力端子Dの値を保持して出力端子Qより出力する。
【0092】
前述のように、電源PA,PB,PCの立ち上がり期間において、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がったタイミングでアンド回路229aにより立ち上がりエッジが生成される。その立ち上がりエッジがD−FF229bのクロック入力端子CLKに加えられたときに、データ入力端子Dに入力されている電源制御信号PON_ENGは論理レベルHになっているので、D−FF229bの出力端子Qから出力されるリセット信号XRESETは論理レベルHの信号となる。
【0093】
また、D−FF229bの出力端子Qは抵抗229dによりプルダウンされているので、出力端子Qが論理レベルHに立ち上がっているときには、リセット信号XRESETは論理レベルHになるが、出力端子Qが論理レベルH以外の場合には、リセット信号XRESETは論理レベルLになる。
【0094】
すなわち、電源PA,PB,PCの立ち上がり期間において、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がるまでの間は、リセット信号XRESETは論理レベルLである。また、省エネモードへ移行するために、システム制御部3が電源制御信号PON_ENGを論理レベルLに立ち下げた場合、アウトプットイネーブル入力端子OEが論理レベルHになり、出力端子Qがハイインピーダンス状態になるので、出力端子Qは抵抗229dによりプルダウンされているから、リセット信号XRESETは論理レベルLになる。
【0095】
また、電源スイッチ1がオフにされて、図1に示した電源生成部4からの電源VccEの出力が停止した場合には、D−FF229bの動作が停止してその出力が不定となるが、この場合も、出力端子Qが抵抗229dによりプルダウンされているので、リセット信号XRESETは論理レベルLに規定されるので、リセット信号XRESETの値が不定になることはない。
【0096】
そして、このように電源PA,PB,PCが立ち上がっている定常時において、不意に電源にノイズが乗った場合、電源電圧が下がり、瞬間的に閾値電圧以下になって、アンド回路229aの出力が一瞬論理レベルLになることがある。このときには、D−FF229bのクロック入力端子CLKには立下りエッジが入力されるが、D−FF229bは、立ち下がりエッジ入力後の出力端子Qの状態として、その前の出力端子Qの状態を保持するので(図4参照)、出力端子Qの出力は論理レベルHに保持され、それにより、例えば、意図しないタイミングでリセット信号XRESETが論理レベルLになって次段回路をリセット動作させるような不具合を生じることがない。
【0097】
図5は、図1に示したスキャナリセット制御部229の他の構成例を示す回路図であり、図3と同じ部分にには同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この例では、図3に示したアウトプットイネーブル入力端子OEを備えたD−FF229bに代えて、クリア端子CLR(負論理)及びプリセット端子PR(負論理)を備えたD−FF229fを用いている。なお、図3に示したD−FF229b及び図5に示したD−FF229fは、それぞれ汎用的なICを使用することができる。
【0098】
このスキャナリセット制御部229のD−FF229fのクロック入力端子CLKには、アンド回路229aのPNPトランジスタQ1,Q2,Q3の各エミッタの相互接続点Pの出力が入力し、データ入力端子D及びクリア端子CLRには電源制御信号PON_ENGが入力し、プリセット端子PRには電源VccEが入力している。
図6は、このD−FF229fの動作を説明するための各端子の論理値を示す図である。
この図6における各記号の意味は図4について説明したのと同じである。
【0099】
この場合、D−FF229fは、クロック入力端子CLKに立ち上がりエッジが加えられた場合には、データ入力端子Dの値を保持して出力端子Qに出力し、また、クロック入力端子CLKに立ち下がりエッジが加えられた場合には、立ち下がりエッジ入力後の出力端子Qの状態として、その前の出力端子Qの状態を保持する。
【0100】
したがって、電源PA,PB,PCの立ち上がり期間においては、既に電源VccEが定常状態に立ち上がっており、電源制御信号PON_ENGも論理レベルHになっているので、クリア端子CLR及びプリセット端子PRにはそれぞれ論理レベルHが入力された状態になっている。
【0101】
そして、電源PA,PB,PCが全て立ち上がったタイミングで、アンド回路229aの出力が立ち上がり、その立ち上がりエッジがD−FF229fのクロック入力端子CLKに印加されたときのデータ入力端子Dの値は、電源制御信号PON_ENGの論理レベルHであるから、D−FF229fには論理レベルHが保持され、出力端子Qから出力されるリセット信号XRESETは論理レベルHになる(図6参照)。
【0102】
ここで、D−FF229fの出力端子Qは抵抗229dによりプルダウンされているので、出力端子Qが論理レベルHに立ち上がっているときには、リセット信号XRESETは論理レベルHとなるが、それ以外の場合はリセット信号XRESETは論理レベルLになる。
【0103】
すなわち、図1に示した電源スイッチ1がオンになって、電源制御信号PON_ENGの論理レベルHになり、D−FF229fのデータ入力端子Dが論理レベルHになっても、電源PA,PB,PCの立ち上がり期間において、電源PA,PB,PCが全て所定電位に立ち上がるまでの間は、アンド回路229aの出力が立ち上がらないのでリセット信号XRESETは論理レベルLになっている。
【0104】
また、省エネモードへ移行するために、システム制御部3が電源制御信号PON_ENGを論理レベルLに立ち下げた場合、クリア端子CLRが論理レベルLになり、かつプリセット端子PRが論理レベルHになっているので、D−FF229fの出力端子Qは論理レベルLになり、リセット信号XRESETが論理レベルLになる。
【0105】
そして、電源スイッチ1がオフにされて、電源生成部4が電源VccEの出力が停止した場合には、図5におけるD−FF229fの動作が停止してその出力が不定となるが、この場合、出力端子Qの信号は抵抗229dによりプルダウンされ、リセット信号XRESETは論理レベルLに規定されるので、信号XRESETの値が不定になることはない。
【0106】
また、電源PA,PB,PCが立ち上がっている定常時において、不意に電源にノイズが乗った場合、アンド回路229aの出力が一瞬論理レベルLになることがある。このときには、D−FF229fのクロック入力端子CLKには立下りエッジが入力されるが、D−FF229fは、立ち下がりエッジ入力後の出力端子Qの状態として、その前の出力端子Qの状態を保持するので(図6参照)、出力端子Qの出力は論理レベルHに保持される。したがって、この場合も、図3の回路と同様に、例えば、意図しないタイミングでリセット信号XRESETが論理レベルLになって、図1の信号発生源228にリセット動作をさせるような不具合を生じることがない。
【0107】
図7は、図1における遅延回路230の構成の一例を示す回路図である。
この遅延回路230は、図示していないリセット端子に接続された電流制限用の抵抗R11、トランジスタQ5,Q6、及び抵抗R12からなり、リセット端子からAFEリセット信号XAFERSTを入力する入力段230aと、抵抗R13とコンデンサC11からなり、入力段230aから出力される信号を所定時間遅延させるRCフィルタ230bと、ダーリントン接続されたトランジスタQ7,Q8及び抵抗R14からなり、バッファ回路225に電源PAを供給する出力段230cとから構成されている。
【0108】
図1の信号発生源228から入力するリセット信号XAFERSTが論理レベルL(リセットレべル)のときは、入力段230aの初段のトランジスタQ5がオフしているのでトランジスタQ6のベースには電源PAが抵抗R12を介して加わり、トランジスタQ6がオンし、RCフィルタ230bの抵抗R13とコンデンサC11と出力段230cの初段のトランジスタQ7のベースとの相互接続端aは接地レベルになっており、出力段230cを介してバッファ回路225には電源PAが供給されない。この状態が遅延回路230のリセット状態である。
【0109】
そして、AFEリセット信号XAFERSTが論理レベルH(リセット解除レべル)になると、入力段230aの初段のトランジスタQ5がオンするので、トランジスタQ6がオフしてリセット解除状態(遅延動作状態)になる。それにより、RCフィルタ230bのコンデンサC11への充電が開始し、RCフィルタ230bのコンデンサC11の端子電圧(接続点aの電圧)が、出力段230cのトランジスタQ7のベース−エミッタ間電圧よりも大きくなると、コンデンサC11の端子電圧に比例した電圧が出力段230cからバッファ回路225へ供給され、その供給電圧がバッファ回路225の動作電圧に達した時点で、バッファ回路225の動作が開始される。
【0110】
したがって、バッファ回路225には、AFEリセット信号XAFERSTが論理レベルHになってから、遅延回路230のRCフィルタ230bの時定数に対応した遅延時間tt(後述)を経過した時点で、電源PAが徐々に供給されてバッファ回路225の動作が開始され、それ以降、CCD223が出力する信号CCD_outが、バッファ回路225を介して出力され、結合コンデンサ226を介して信号AFE_inとしてAFE227に入力する。
【0111】
次に、上述したこの発明による画像形成装置における電源スイッチのオン又は省エネモード(低消費電力モード)から通常動作モードに復帰する際の動作について、図8及び図9によって説明する。
図8は、図1に示した実施例による電源オン開始から電源オン・リセット解除完了までの動作シーケンスについて説明するためのフローチャートであり、図9は、電源スイッチ1がオフからオンになった場合の電源オン時における各部の信号変化の一例を示す信号波形図である。なお、以下の説明では、スキャナリセット制御部229として図3に示した回路構成のものを用いた場合の例について説明する。
【0112】
図8に示す電源オン開始時の動作において、図1における電源スイッチ(メインSW)1がオフからオンになったときと、省エネモードから通常モードに復帰したとき(省エネモード復帰)とで、最初の動作が異なる(ステップS101)。時刻ta(図9参照)において電源スイッチ1がオフからオンになった場合には、電源生成部4は、電源VccEを生成して(図9(a)参照)システム制御部3とスキャナリセット制御部229に供給する(ステップS102)。これにより、システム制御部3が起動する。省エネモードから通常モードに復帰した場合は、既に電源VccE(待機電源)は立ち上がっているので、ステップS102の動作は行わない。
【0113】
次いで、システム制御部3は、時刻tbにおいてシステムを起動するために電源制御信号PON_ENGを論理レベルHに立ち上げる(ステップS103;図9(b)参照)。このステップS103以降のシーケンスは、電源スイッチ1がオンにされた場合と、省エネモードからの復帰の場合の両方において実行する。
【0114】
それにより、スキャナリセット制御部229の図3に示したD−FF229bのアウトプットイネーブル入力端子OEがイネーブルにすると共に、データ入力端子Dに論理レベルHが加えられる(ステップS104)。また、電源制御信号PON_ENGは、電源生成部4の図2に示した遅延回路4aにより遅延され(図9(c)参照)、その遅延後の時刻tcで画像読取装置用電源生成部4bが電源Vcc1,Vcc2を生成して、画像読取装置内電源生成部221へ供給する(ステップS105)。ここでは、電源Vcc1が先に立ち上がり、電源Vcc2が遅れて立ち上がるものとする(図9(d),(e)参照)。
【0115】
これにより、画像読取装置20の画像読取装置内電源生成部221は、電源Vcc1に基づいて電源PA,PCを生成し、電源Vcc2に基づいて電源PBを生成する。上記のように、電源Vcc1が電源Vcc2よりも先に立ち上がるので、この場合、画像読取装置内電源生成部221は、例えば、電源PC,PA,PBの順に生成する(ステップS106、図9(f),(g),(h)参照)。すなわち、複数の電源である電源PC,PA,PBの立ち上がり特性はそれぞれ異なる。
【0116】
これらの電源PA,PB,PCは画像読取装置の各部に給電するが、スキャナリセット制御部229にも入力するので、図3に示したアンド回路229aのPNPトランジスタQ3,Q1,Q2が電源PC,PA,PBの立ち上がり順にオフになる。そして、最後に電源PBは所定電位に立ち上がってPNPトランジスタQ2がオフになると、そのタイミングの時刻tdで、アンド回路229aの出力(P点の電位)が論理レベルHに立ち上がり、その立ち上がりエッジでD−FF229bの出力端子Qの状態が論理レベルHに変化して、リセット信号XRESETが論理レベルHに立ち上がる(図9(i)参照)。
【0117】
このようにして、リセット信号XRESETが論理レベルHに立ち上がると、信号発生源228はAFEリセット信号XAFERSTを論理レベルHに立ち上げて、AFE227をリセット解除する(ステップS107)。それとともに、AFEリセット信号XAFERSTは遅延回路230に入力され、バッファ回路225に供給される電源は、図9(k)に示すように、電源PAが供給された遅延回路230によりRCフィルタ230b(図7参照)の時定数に対応した遅延時間ttを経過した時点で、バッファ回路225の動作に必要な電圧となり、それ以降バッファ回路225の動作が開始する(ステップS108)。
【0118】
すなわちこの場合には、リセット信号XRESETが立ち上がると、信号発生源228がAFEリセット信号XAFERSTを立ち上げると共にCCD駆動用クロック信号を発生する。そのため、CCD223が読取動作を開始し、電源投入時に蓄積された電荷が一気に吐き出されることによりCCD223から出力される信号CCD_outに大きなレベル変動が生じることがあるが、そのレベル変動が収束した後の状態で、信号CCD_outをAFE227に出力するバッファ回路225の動作が開始するので、AFE227には電源オン直後のレベルが大きく変動した信号CCD_outは印加されないことになる。その結果、AFE227に過大な入力が印加されることを防止することができる。
【0119】
次に、上述したこの発明による画像形成装置における電源オフ又は省エネモードへ移行する際の動作について、図10及び図11によって説明する。
図10は、図1に示した実施例による電源オフ開始からリセットオン・電源オフ完了までの動作シーケンスについて説明するためのフローチャートであり、図11は、電源スイッチ1がオンからオフになったとき(電源オフ時)における図1に示した各部の信号の変化の一例を示す信号波形図である。
【0120】
図10に示す電源オフ開始時の処理において、電源スイッチ1がオンからオフになった場合と、通常動作モードから省エネモードに移行する場合(省エネモード移行)とでは動作が異なる(ステップS201)。時刻te(図11参照)において電源スイッチ1がオンからオフになった場合には、図1の電源生成部4は電源VccEの生成を停止し、それにより電源VccEの電圧が極めて短時間で低下し、システム制御部3とスキャナリセット制御部229への電源供給がオフになる(ステップ202、図11(a)参照)。システム制御部3は、電源VccEの電圧値が所定のレベルまで低下すると、例えば、時刻tfで電源制御信号PON_ENGを論理レベルLに立ち下げる(図11(b)参照)。
【0121】
それにより、スキャナリセット制御部229の図3に示したD−FF229bのアウトプットイネーブル入力端子OEがディセーブルされるので、出力端子Qの出力がハイインピーダンス状態になり、抵抗229dによりプルダウンされているため論理レベルLに立ち下がる。そのため、D−FF229bから出力されるリセット信号XRESETが論理レベルLに立ち下がって(図11(i)参照)、図1における信号発生源228から出力されるAFEリセット信号XAFERSTが論理レベルLに立ち下がる(図11(j)参照)。
【0122】
それによって、遅延回路230及びAFE227の動作が短時間でリセットされる(ステップS203)。また、バッファ回路225への電源PAの供給も停止して、CCD駆動用クロック信号も停止するので、CCD223から出力される信号CCD_out(図11(l)参照)が停止されると共に、信号AFE_inが停止される(ステップ204、図11(m)参照)。
【0123】
また、電源生成部4は、電源VccEの生成停止と共に電源Vcc1,Vcc2の生成も停止するが、電源Vcc1,Vcc2の電圧はその負荷に応じて徐々に低下し(図11(d),(e)参照)、画像読取装置内電源生成部221から出力される電源PA,PB,PCの電圧も、その負荷に応じて徐々に低下する(ステップ205、図11(f),(g),(h)参照)。
【0124】
一方、通常動作モードから省エネモードへ移行する場合には、図1の電源生成部4は電源VccE(待機電源)は生成し続けるが、システム制御部3は電源制御信号PON_ENGを論理レベルLに立ち下げ、画像読取装置20のスキャナリセット制御部229にそれを入力する(ステップS206,S207)。
【0125】
それにより、スキャナリセット制御部229の図3に示したD−FF229bは、アウトプットイネーブル入力端子OEが論理レベルHになるためディセーブルにされるので(ステップS208)、出力端子Qの出力がハイインピーダンス状態になり、抵抗229dによりプルダウンされているため、出力端子Qの出力が論理レベルLに立ち下がり、リセット信号XRESETが論理レベルLに立ち下がる。それによって、図1の信号発生源228から出力されるAFEリセット信号XAFERSTが論理レベルLに立ち下がる。
【0126】
そのため、遅延回路230及びAFE227の動作が直ちにリセットされ(ステップS203)、バッファ回路225への電源PAの供給も停止する。
そして、CCD駆動用クロック信号も停止するので、CCD223から出力される信号CCD_outが停止されると共に、信号AFE_inが停止される(ステップ204)。
【0127】
また、電源生成部4は、電源Vcc1,Vcc2の生成を停止し(ステップS204)、電源Vcc1,Vcc2の電圧は、その負荷に応じて徐々に低下し、そして、画像読取装置内電源生成部221から出力される電源PA,PB,PCの電圧も、その負荷に応じて徐々に低下してオフになる(ステップ205)。すなわち、複数の電源である電源PA,PB,PCの立ち下り特性もそれぞれ異なる。
【0128】
このようにして、電源スイッチ1がオンからオフになったとき又は通常モードから省エネモードへ移行するときには、図1のシステム制御部3が信号PON_ENGを論理レベルLに立ち下げたタイミングで直ちに、リセット信号XRESET、AFEリセット信号XAFERSTにより、遅延回路230及びAFE227の動作がリセットされ、バッファ回路225への電源PAの供給も停止し、CCD駆動用クロック信号も停止するので、CCD223から出力される信号CCD_outが停止されると共に、信号AFE_inが停止される。
【0129】
それにより、電源オフ時あるいは省エネモードへの移行時に、一時的にCCD223の動作が不安定になるような事態を防止でき、その結果、AFE227に過大な電圧が入力されることを防止することができる。
なお、上述の電源オフ時の動作説明では、スキャナリセット制御部229が図3に示したD−FF229bを備えた場合について説明したが、スキャナリセット制御部229が図5に示したD−FF229fを備えた場合にも、同様の動作を行うことができる。
【0130】
上述した実施例において、図1におけるスキャナリセット制御部229と信号発生源228が、アナログ信号処理部(AFE)227と遅延回路230のリセット端子に入力して、それらをリセット状態とリセット解除状態のいずれかに制御するリセット信号を生成するリセット制御手段を構成している。
【0131】
そのリセット制御手段は、画像形成装置の電源スイッチ1がオフからオンになったとき又は画像形成装置が低消費電力モードから通常動作モードに復帰したときには、画像読取装置内電源生成部221が生成する複数の電源PA,PB,PCの全てが所定電位に立ち上がったときに、リセット信号(AFEリセット信号XAFERST)をアナログ信号処理部(AFE)227と遅延回路230をリセット解除状態にする論理レベルHにしてそれを保持し、画像形成装置の電源スイッチ1がオンからオフになったとき又は画像形成装置が通常動作モードから低消費電力モードに移行したときには、直ちに又は極めて短時間後に上記リセット信号(AFEリセット信号XAFERST)をAFE227と遅延回路230をリセット状態にする論理レベルLにする。
【0132】
この実施例では、AFEリセット信号XAFERSTによってCCD223も、AFE227及び遅延回路230と同時にリセット状態とリセット解除状態の制御を行うようにしているが、リセット可能な遅延回路230によってバッファ回路225への給電すなわち動作と非動作を制御しているので、それは必須ではなく、リセット制御のタイミングをずらしてもよいし、リセットが不要な光電変換素子を画像読み取りに使用してもよい。
【0133】
この実施例のリセット制御手段のスキャナリセット制御部229は、画像形成装置が低消費電力モードに移行したときにも、本体側の電源生成部4から待機電源VccEが供給されて動作状態を維持している。
【0134】
この実施例におけるリセット制御手段は、画像読取装置内電源生成部221が生成する複数の電源の全ての立ち上がりを検知するアンド回路229aと、そのアンド回路229aの出力をクロック入力端子CLKに入力し、画像形成装置が電源オンで通常動作モードのときにアクティブ(実施例では論理レベルH)になり低消費電力モードのときに非アクティブ(実施例では論理レベルL)になる電源制御信号PON_ENGをデータ入力端子Dに入力するD形フリップフロップ回路(D−FF)229b又は229fと、そのD形フリップフロップ回路の出力端子Qをプルダウンする抵抗とからなるスキャナリセット制御部229と、そのD−FF229b又は229fの出力端子Qの出力信号に基づいて上記リセット信号(AFEリセット信号XAFERST)を生成する回路(信号発生源228)とから構成されている。
【0135】
この発明による画像形成装置の機構部の一実施例は、図12に示した画像形成装置と同じ構成であり、本体100に画像読取装置200に代えて上述した画像読取装置20を搭載したものである。しかし、この発明による画像形成装置の機構部の構成はこれに限るものではなく、自動原稿給送装置(ADF)300、大容量給紙装置400、及び用紙後処理装置500のいずれかは必要なものだけを設ければよく、本体100の構成も種々に変更できる。また、画像読取装置20で読み取った画像データを通信回線を介して他のファクシミリ機能を有する画像形成装置に送信したり、ファクシミリ機能を有する画像形成装置から送信された画像データを受信して印刷するファクシミリ機能を備えてもよい。
【0136】
以上説明してきたように、この発明による画像読取装置及び画像形成装置によれば、電源オン時又は省エネモードから通常動作モードへの復帰時には、画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源が全て所定電位に立ち上がってからCCD223、遅延回路230及びAFE227のリセット状態を解除することによって、どんな電源オンシーケンスになってもAFE227に過大電圧がかからないようにすることが可能になる。
【0137】
また、電源オフ時又は通常動作モードから省エネモードへの移行時には、直ちに又は短時間でCCD223、遅延回路230及びAFE227をリセット状態にして、それらの駆動を停止させた後に各種電源が立ち下がるようにすることによって、どんなシーケンスやCCDを使用してもAFE227に過大電圧がかからないようにすることが可能になる。
【0138】
さらに、上述した実施例によれば、図1における画像読取装置20のシステム制御部3から出力されている既存の信号である電源制御信号PON_ENGを電源生成部4に入力させる前に分岐させて使用することによって、別途信号発生回路を追加ぜずに済み、それによってシステムの膨大化を防ぐことが可能になる。
図2に示した電源生成部4は、別途電源が必要な遅延素子やIC装置などを必要とせず、RCフィルタによる遅延回路4aを用いることにより簡単な構成で遅延動作を実現し、システムの膨大化を防ぐことが可能になる。
【0139】
画像読取装置の電源とは別電源であるシステム制御部の既存の電源(VccE)を用いて画像読取装置のスキャナリセット制御部229を駆動することによって、システム電源の膨大化を防ぎ、省エネモード移行及び復帰時に画像読取装置のリセット動作を容易に制御することが可能になる。
また、スキャナリセット制御部229にD−FF回路を用いることによって、定常時に不意に電源にノイズがのった場合でもリセット信号XRESETの論理が切り替わらないようにすることが可能になる。
【0140】
さらに、画像形成装置の省エネモード(低消費電力モード)への移行時及び復帰時には、電源スイッチのオン・オフ時とは別に、D−FFのイネーブル端子もしくはクリア端子のみを制御して、省エネモード移行時でも電源オフ時と同様にCCD及びAFEに対して、リセットオン→電源オフの順番で処理を行い、省エネモード復帰時でも電源オン時と同じように、電源オン→リセットオフ(リセット解除)の順番で処理を行うことによって、省エネモード移行時及び復帰時に同様に発生する過大電圧を抑えることが可能になる。
【0141】
なお、この発明は、図12に示した画像形成装置及び画像読取装置に適用できるとともに、それ以外の構成を持つ画像形成装置及び画像読取装置についても、同様に適用することができる。
また、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0142】
この発明は、原稿の画像を読み取って画像データにする各種の画像読取装置、特にデジタル複写機やデジタル複合機、多機能周辺装置(MFP)等の種々の画像形成装置に搭載可能な画像読取装置、及びその画像読取装置を本体に搭載した各種の画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0143】
1:電源スイッチ 3:システム制御部 4:電源生成部
20,200:画像読取装置 100:画像形成装置の本体
221:画像読取装置内電源生成部 223:CCD(光電変換素子)
225:バッファ回路 226:結合コンデンサ
227:アナログ信号処理部(AFE) 228:信号発生源
229:スキャナリセット制御部 230:遅延回路
300:自動原稿給送装置(ADF)
VccE:待機電源 Vcc1,Vcc2:画像読取装置用電源
PA,PB,PC:画像読取装置内電源生成部が生成する電源
PON_ENG:電源制御信号 XRESET:リセット信号
XAFERST:AFEリセット信号
【先行技術文献】
【特許文献】
【0144】
【特許文献1】特開2007−214688号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像の反射光を対応するアナログ電気信号に変換する光電変換素子と、前記アナログ電気信号を緩衝するバッファ回路と、該バッファ回路から出力されるアナログ電気信号の交流成分を入力し、所定のアナログ信号処理を行った後デジタル画像データに変換して後段装置へ転送するリセット可能なアナログ信号処理部とを備え、画像形成装置の本体に搭載される画像読取装置であって、
前記画像形成装置の本体側からの給電により立ち上がり及び立ち下がり特性がそれぞれ異なる複数の電源を生成して前記画像読取装置の各部に給電する画像読取装置内電源生成部と、
該画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の1つを遅延させて前記バッファ回路の電源として供給するリセット可能な遅延回路と、
前記アナログ信号処理部と前記遅延回路のリセット端子に入力して、それらをリセット状態とリセット解除状態のいずれかに制御するリセット信号を生成するリセット制御手段とを設け、
該リセット制御手段は、前記画像形成装置の電源スイッチがオフからオンになったとき又は該画像形成装置が低消費電力モードから通常動作モードに復帰したときには、前記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の全てが所定電位に立ち上がったときに、前記リセット信号を前記アナログ信号処理部と前記遅延回路をリセット解除状態にする論理レベルにしてそれを保持し、前記画像形成装置の電源スイッチがオンからオフになったとき又は該画像形成装置が通常動作モードから低消費電力モードに移行したときには、直ちに又は極めて短時間後に前記リセット信号を前記アナログ信号処理部と前記遅延回路をリセット状態にする論理レベルにすることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記リセット制御手段は、前記画像形成装置が低消費電力モードに移行したときにも、前記本体側から待機電源が供給されて動作状態を維持することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記リセット制御手段が、前記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の全ての立ち上がりを検知するアンド回路と、該アンド回路の出力をクロック端子に入力し、前記画像形成装置が電源オンで通常動作モードのときにアクティブになり低消費電力モード又は電源オフのときに非アクティブになる電源制御信号をデータ端子に入力するD形フリップフロップ回路と、該D形フリップフロップ回路の出力端子をプルダウンする抵抗とからなるスキャナリセット制御部と、前記D形フリップフロップ回路の出力端子の出力信号に基づいて前記リセット信号を生成する回路とによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光電変換素子が、CCDであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
原稿画像の反射光を対応するアナログ電気信号に変換する光電変換素子と、前記アナログ電気信号を緩衝するバッファ回路と、該バッファ回路から出力されるアナログ電気信号の交流成分を入力し、所定のアナログ信号処理を行った後デジタル画像データに変換して後段装置へ転送するリセット可能なアナログ信号処理部とを備えた画像読取装置を本体に搭載した画像形成装置であって、
前記本体側に、
外部電源に供給をオン・オフする電源スイッチと、該電源スイッチを介して外部電源が供給され、通常動作モードのときには少なくとも待機電源と複数の画像読取装置用電源とを生成し、低消費電力モードのときには待機電源のみを生成する電源生成部を設け、
前記画像読取装置に、
前記本体側の電源生成部からの複数の画像読取装置用電源による給電により、立ち上がり及び立ち下がり特性がそれぞれ異なる複数の電源を生成して前記画像読取装置の各部に給電する画像読取装置内電源生成部と、
該画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の1つを遅延させて前記バッファ回路の電源として供給するリセット可能な遅延回路と、
前記アナログ信号処理部と前記遅延回路のリセット端子に入力して、それらをリセット状態とリセット解除状態のいずれかに制御するリセット信号を生成するリセット制御手段とを設け、
該リセット制御手段は前記待機電源によって動作し、前記電源スイッチがオフからオンになったとき又は前記低消費電力モードから前記通常動作モードに復帰したときには、前記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の全てが所定電位に立ち上がったときに、前記リセット信号を前記アナログ信号処理部と前記遅延回路をリセット解除状態にする論理レベルにしてそれを保持し、前記電源スイッチがオンからオフになったとき又は前記通常動作モードから前記低消費電力モードに移行したときには、直ちに又は極めて短時間後に前記リセット信号を前記アナログ信号処理部と前記遅延回路をリセット状態にする論理レベルにする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記本体側に、前記電源生成部から前記待機電源を入力し、該待機電源が供給されて前記通常動作モードのときにアクティブになり、前記低消費電力モード又は前記待機電源が供給されないときに非アクティブになる電源制御信号を生成して、前記電源生成部と前記リセット制御手段に入力させるシステム制御部を設け、
前記電源生成部は、前記システム制御部から入力する前記電源制御信号がアクティブのときには前記待機電源と前記複数の画像読取装置用電源とを生成し、前記電源制御信号が非アクティブのときには待機電源のみを生成し、
前記画像読取装置の前記リセット制御手段が、前記画像読取装置内電源生成部が生成する複数の電源の全ての立ち上がりを検知するアンド回路と、該アンド回路の出力をクロック端子に入力し、前記電源制御信号をデータ端子に入力するD形フリップフロップ回路と、該D形フリップフロップ回路の出力端子をプルダウンする抵抗とからなるスキャナリセット制御部と、前記D形フリップフロップ回路の出力端子の出力信号に基づいて前記リセット信号を生成する回路とによって構成されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記電源生成部は、前記システム制御部から入力する前記電源制御信号を遅延させる遅延手段を有し、前記電源制御信号がアクティブになってから前記遅延手段による遅延時間後から前記複数の画像読取装置用電源とを順次生成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電源生成部の前記遅延手段がRCフィルタで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記光電変換素子が、CCDであることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−166556(P2011−166556A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28437(P2010−28437)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】