説明

画像読取装置

【課題】スペクトラム拡散クロックのクロック数を用いて前記点灯期間または前記読取期間を設定する画像読取装置において、点灯期間または読取期間を所望の期間長とした場合であっても、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による前記点灯期間または前記読取期間の期間長の変動を抑制すること。
【解決手段】SSCの周波数は、一定の変調周期Tで変化する。その変調周期Tを例えば(1)〜(8)の8つの位相に区切る。画像の読取期間を、変調周期Tの3.25倍に設定した場合、読取期間の始点が各期間(A)〜(H)のいずれかの始点と同じ位相である場合毎に、その期間を所望の期間長とするために加算すべき補正係数を記憶しておき、その補正後の期間(クロック数)に読取期間を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定方向に一定速度で相対移動する原稿の画像を読み取る読取部を備えた画像読取装置に関し、詳しくは、スペクトラム拡散クロックを利用して前記原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像読取装置を含めた各種電子機器では、EMI(電磁波干渉)対策の一環として、一定の変調周期で周波数が変動するスペクトラム拡散クロックを使用することが提案されている。ところが、このスペクトラム拡散クロックの所定のクロック数に基づいて、画像読取装置における光源の点灯期間や読取部の読取期間を設定すると、当該スペクトラム拡散クロックの周波数の変動によって前記点灯期間や前記読取期間が変動する。これに対して、原稿は読取部に対して一定速度で相対移動するので、前記点灯期間や前記読取期間が変動すると原稿の画像を正確に読み取れない。そこで、前記点灯期間や前記読取期間を、スペクトラム拡散クロックの前記変調周期の整数倍に設定することで、前記点灯期間や前記読取期間がスペクトラム拡散クロックの周波数の変動によらず一定となるようにすることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−332924号公報
【特許文献2】特開2002−281252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、光源の点灯期間や読取期間をスペクトラム拡散クロックの周波数の変動によらず一定とするには、スペクトラム拡散クロックの変調周期の整数倍に設定する必要があるため、その点灯期間や読取期間を所望の期間長に自由に設定することができないという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、スペクトラム拡散クロックのクロック数を用いて前記点灯期間または前記読取期間を設定する画像読取装置において、点灯期間または読取期間を所望の期間長とした場合であっても、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による前記点灯期間または前記読取期間の期間長の変動を抑制することを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達するためになされた本発明の画像読取装置は、光を照射する光源を備え、一定方向に一定速度で相対移動する原稿に対して、前記原稿を読取期間毎に読み取る読取部と、一定の変調周期で周波数が変動するスペクトラム拡散クロックを生成するスペクトラム拡散クロック生成部と、前記スペクトラム拡散クロック生成部が生成したスペクトラム拡散クロックのクロック数を計数するカウント部と、前記読取期間若しくは前記光源が光を照射する前記読取期間内の点灯期間の少なくともいずれかの期間における所望の期間長の基準となる基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する比較部と、前記カウント部が計数を開始してから前記比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を前記期間の期間長として決定する期間長決定部と、前記変調周期を複数の位相に分割し、前記スペクトラム拡散クロックが前記位相のいずれに該当するかを検出する位相検出部と、前記期間長決定部によって決定される前記期間が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記比較部によって比較される前記基準クロック数または前記計数値を補正する補正部と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明の画像読取装置では、読取部は、一定方向に一定速度で相対移動する原稿を、読取期間毎に、その読取期間内の点灯期間に光源から光を照射することによって読み取る。また、スペクトラム拡散クロック生成部は、一定の変調周期で周波数が変動するスペクトラム拡散クロックを生成する。
【0008】
カウント部は、前記スペクトラム拡散クロック生成部が生成したスペクトラム拡散クロックのクロック数を計数し、比較部は、前記読取期間若しくは点灯期間の少なくともいずれかの期間における所望の期間長の基準となる基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する。そして、期間長決定部は、前記カウント部が計数を開始してから前記比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記期間の期間長として決定する。但し、このように決定された期間長は、前記カウント部の計数時における前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動によって、前記所望の期間長からずれる場合がある。そのずれ量は、前記カウント部の計数時におけるスペクトラム拡散クロックの位相に依存する。
【0009】
そこで、本発明の位相検出部は、前記変調周期を複数の位相に分割し、前記スペクトラム拡散クロックが前記位相のいずれに該当するかを検出する。そして、補正部は、前記期間長決定部によって決定される前記期間が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記比較部によって比較される前記基準クロック数または前記計数値を補正する。このため、本発明では、前記期間(点灯期間または読取期間)を、前記変調周期に拘わらず所望の期間長とした場合であっても、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による前記期間長の変動を抑制することができる。
【0010】
なお、前記補正部は、前記カウント部の計数開始時点に前記位相検出部が検出した位相、または、前記カウント部の計数開始より前記スペクトラム拡散クロックの所定クロック前に前記位相検出部が検出した位相、または、前記カウント部の計数開始より前記スペクトラム拡散クロックの所定クロック後に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記基準クロック数または前記計数値を補正してもよい。
【0011】
すなわち、前記いずれかの時点で検出された位相に基づき、カウント部が計数を開始してから前記比較部が一致したと判断するまでのスペクトラム拡散クロックの位相変化を推定することができる。そこで、このように前記いずれかの時点で検出された位相に応じて補正部が前記補正を行う場合、カウント部の計数中に随時位相を検出する場合に比べて、処理を簡略化することができる。
【0012】
また、その場合、前記位相検出部は、前記カウント部の計数開始時点に前記位相を検出し、前記補正部は、前記計数開始時に検出された前記位相を起点として計数された前記所望の期間長に対応するスペクトラム拡散クロックのクロック数となるように、前記比較部によって比較される前記基準クロック数を補正してもよい。その場合、処理を一層簡略化することができる。
【0013】
そして、更にその場合、前記補正部は、各位相毎に、該位相を起点として計数された前記所望の期間長に対応するスペクトラム拡散クロックのクロック数をそれぞれ記憶した記憶部を有し、前記比較部によって比較される前記基準クロック数を、前記計数開始時に検出された位相に対応して前記記憶部に記憶されたクロック数に補正してもよい。
【0014】
すなわち、前記計数開始時の位相が分かれば、その位相を起点として計数された前記所望の期間長に対応するスペクトラム拡散クロックのクロック数は一意に決定できる。そこで、そのような位相とクロック数との対応関係を記憶部に記憶しておけば、補正部は、前記基準クロック数を、前記計数開始時に検出された位相に対応して前記記憶部に記憶されたクロック数に補正するだけでよく、処理を一層簡略化することができる。
【0015】
また、本発明において、前記比較部は、前記読取期間における所望の期間長の基準となる読取基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する読取期間比較部と、前記点灯期間における所望の期間長の基準となる点灯基準クロック数と所定の計数値とが加算された値と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する点灯期間比較部と、を備え、前記期間長決定部は、前記カウント部が計数を開始してから前記読取期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記読取期間の期間長として決定する読取期間長決定部と、前記カウント部が前記所定の計数を計数してから、前記点灯期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記点灯期間の期間長として決定する点灯期間長決定部と、を備え、前記補正部は、前記読取期間長決定部によって決定される前記読取期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記読取期間比較部によって比較される前記読取基準クロック数または前記計数値を補正する読取補正部と、前記点灯期間長決定部によって決定される前記点灯期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記点灯期間比較部によって比較される前記加算された値または前記計数値を補正する点灯補正部と、を備えてもよい。
【0016】
この場合、読取期間を前記変調周期に拘わらず所望の期間長とした場合であっても、読取期間比較部,読取期間長決定部,読取補正部によって、前述のように、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による読取期間長の変動を抑制することができる。また、点灯期間を前記変調周期に拘わらず所望の期間長とした場合であっても、点灯期間比較部,点灯期間長決定部,点灯補正部によって、前述のように、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による点灯期間長の変動を抑制することができる。
【0017】
また、本発明において、前記比較部は、前記読取期間における所望の期間長の基準となる読取基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する読取期間比較部と、前記点灯期間における始期の基準となる始期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する第1点灯期間比較部と、前記点灯期間における終期の基準となる終期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する第2点灯期間比較部と、を備え、前記期間長決定部は、前記カウント部が計数を開始してから、前記読取期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記読取期間の期間長として決定する読取期間長決定部と、前記第2点灯期間比較部が前記一致したと判断した終期のタイミングから、前記第1点灯期間比較部が前記一致したと判断した始期のタイミングを差し引いた間隔を、前記点灯期間の期間長として決定する第2点灯期間決定部と、を備え、前記補正部は、前記読取期間長決定部によって決定される前記読取期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記読取期間比較部によって比較される前記読取基準クロック数または前記計数値を補正する読取補正部と、前記第2点灯期間決定部によって決定される前記点灯期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記始期基準クロック数と前記終期基準クロック数とをそれぞれ補正する第2点灯補正部と、を備えてもよい。
【0018】
この場合も、読取期間比較部,読取期間長決定部,読取補正部によって、前述のように、読取期間を前記変調周期に拘わらず所望の期間長とした場合であっても、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による読取期間長の変動を抑制することができる。
【0019】
また、第1点灯期間比較部は、前記点灯期間における始期の基準となる始期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する。更に、第2点灯期間比較部は、前記点灯期間における終期の基準となる終期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する。そして、第2点灯期間決定部は、前記第2点灯期間比較部が前記一致したと判断した終期のタイミングから、前記第1点灯期間比較部が前記一致したと判断した始期のタイミングを差し引いた間隔を、前記点灯期間の期間長として決定する。
【0020】
このように決定された点灯期間の期間長も、前記カウント部の計数時における前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動によって、前記所望の期間長からずれる場合がある。そのずれ量は、前記カウント部の計数時におけるスペクトラム拡散クロックの位相に依存する。そこで、第2点灯補正部は、前記第2点灯期間決定部によって決定される前記点灯期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記始期基準クロック数と前記終期基準クロック数とをそれぞれ補正する。このため、点灯期間を前記変調周期に拘わらず所望の期間長とした場合であっても、スペクトラム拡散クロックの周波数の変動による前記期間長の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が適用された画像読取装置の構成を表す断面図である。
【図2】その画像読取装置の制御系の構成を表すブロック図である。
【図3】その制御系の制御ブロック第1実施例の構成を表すブロック図である。
【図4】前記画像読取装置における拡散クロックの周波数変化を表す説明図である。
【図5】前記制御ブロックによる読取期間長の制御を表すタイムチャートである。
【図6】その制御ブロックによる点灯期間長の制御を表すタイムチャートである。
【図7】その制御ブロックによる制御の効果を表す説明図である。
【図8】前記制御系の制御ブロック第2実施例の構成を表すブロック図である。
【図9】その制御ブロックによる各期間長の制御を表すタイムチャートである。
【図10】前記制御系の制御ブロック第3実施例の構成を表すブロック図である。
【図11】その制御ブロックによる各期間長の制御を表すタイムチャートである。
【図12】前記制御系の制御ブロック第4実施例の構成を表すブロック図である。
【図13】前記制御系の制御ブロック第5実施例の構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[画像読取装置の外観]
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された画像読取装置910の構成を表す断面図である。図1に示すように、この画像読取装置910は、フラットベッド機構(FB)及び自動給紙機構(ADF:Automatic Document Feed)の双方を備えたタイプのものであり、この画像読取装置910は、フラットベッド部910aに対してカバー部910bを開閉可能に取り付けてなるクラムシェル構造となっている。
【0023】
そして、この画像読取装置910において、フラットベッド部910aには、読取デバイス1(読取部の一例)や第1プラテンガラス914等が設けられており、カバー部910bには、原稿供給トレイ916、原稿搬送装置918、原稿搬出トレイ920等が設けられている。
【0024】
読取デバイス1は、光電変換素子の一例としてのCIS(Contact Image Sensor)3,セルフォックレンズ5,光源7を備えており、読取位置に存在する原稿に対してLEDからなる光源7から光を照射し、原稿からの反射光をセルフォックレンズ5によってCIS3に結像することで画像を読み取るように構成されている。
【0025】
また、読取デバイス1は、図示しない駆動機構により図1における左右方向に駆動されるようになっており、実際に原稿を読み取る際には、CIS3が読取位置の真下となる位置へ移動する。
【0026】
[画像読取装置の制御系の構成]
次に、図2は、画像読取装置910の読取デバイス1に係る制御系の構成を表すブロック図である。なお、本実施の形態の画像読取装置910は、1チャンネルのCIS3を使用した画像読取装置である。
【0027】
図2に示すように、読取デバイス1を制御する制御ブロック10は、バス90を介してCPU91,ROM92,RAM93に接続されている。なお、制御ブロック10は、後に詳述するが、主走査方向(図1の奥行き方向)に複数配列されてCIS3を構成する受光素子に受光量に応じて蓄積された電荷の放出を指示するTG信号や、LEDからなる光源7の点灯を指示するLED_ON信号等を読取デバイス1に入力する。また、この制御ブロック10には、図2に示すように、一定の変調周期T(図4参照)で周波数が変動するスペクトラム拡散クロックSSCと、周波数が一定の基準クロック非SSCとが、クロック生成部95(スペクトラム拡散クロック生成部の一例)から入力され、このクロック生成部95もバス90に接続されている。
【0028】
読取デバイス1のCIS3が読み取った画像に応じて出力するアナログ出力AOは、AFE97にてデジタル出力DOに変換された後、バス90に接続されたインタフェース(I/F)98に入力される。更に、バス90には、原稿搬送装置918を駆動するモータ950を一定速度で回転駆動するモータ制御部99や、読取デバイス1を左右方向に移動させるモータ(図示省略)を一定速度で回転駆動するモータ制御部(図示省略)も接続されている。
【0029】
[制御ブロックの構成及び動作(第1実施例)]
次に、図3は、前述の制御ブロック10の第1実施例の構成を詳細に表すブロック図である。図3に示すように、制御ブロック10は、前述のTG信号,LED_ON信号を出力するデバイス制御信号生成ブロック11(期間長決定部,読取期間長決定部の一例)と、その信号出力タイミングを決定するためのカウンタ値を当該デバイス制御信号生成ブロック11に入力するカウンタブロック13(カウント部の一例)とを備えている。ここで、カウンタブロック13は、IN端子に入力されたSSCのクロック数を計数する。SSCの周波数は、前述のように変動するので、何の対策も施さずにカウンタブロック13のカウンタ値を利用してTG信号,LED_ON信号等を出力すると、その信号周期もSSCの位相(図4の(1)〜(8)参照)に応じて変動する。そこで、制御ブロック10は、次のような位相検出回路15(位相検出部の一例),比較器17(比較部,読取期間比較部の一例),補正回路20(補正部,読取補正部の一例)を備えている。
【0030】
位相検出回路15は、SSCと非SSCとを比較することによってSSCの位相を常時検出し、比較器17からSET端子にHレベルの信号が入力されたタイミングで検出された位相番号を継続的に出力する。補正回路20は、レジスタ21とデコーダ23と加算器25とを備えており、前記位相番号は補正回路20のデコーダ23に入力されて、次のような制御に利用される。
【0031】
図4に示すように、SSCの周波数は、一定の変調周期Tで190MHzから210MHzまで変化する。その周波数領域を5MHz毎に4つの周波数領域に区切ると、変調周期Tは、カウンタ値(クロック数)で1250クロック毎の8つの位相に区切られる。本実施の形態では、周波数が190MHzから195MHzまで増加する期間を位相(1)、195MHzから200MHzまで増加する期間を位相(2)、…、195MHzから190MHzまで減少する期間を位相(8)と定義するものとする。
【0032】
TG信号の立ち上がりタイミングの間隔で定義される読取期間を、変調周期Tの整数倍に設定すれば、どの位相から読取期間が始まっても期間長は一定になる。ところが、前記期間長を任意の所望値、例えば、変調周期Tの3.25倍(すなわち32500クロック)に設定した場合、次の表1に示すように、前記期間長は162.09μsから163.03μsまで変化する。なお、表1に示した各期間(A)〜(H)は、図4にも図示したので参照されたい。また、表1には、読取期間の始点が各期間(A)〜(H)のいずれかの始点と同じ位相である場合に、所望の期間長としての162.54μsとなるクロック数(小数点以下四捨五入)と、前記32500クロックをそのクロック数に補正するための補正係数も併せて記載した。
【0033】
【表1】

【0034】
そこで、補正回路20は、比較器17に前記162.54μsとなるクロック数を入力すべく、次のように構成されている。すなわち、デコーダ23は、位相番号(1)〜(8)と、その位相から始まる前記期間(A)〜(H)に対応する補正係数とを表1のように対応付けたテーブル(記憶部の一例)を内蔵し、位相検出回路15から入力された位相番号に対応する位相から読取期間が始まった場合の前記補正係数を出力する。また、レジスタ21は、基準クロック数及び読取基準クロック数としてのレジスタ設定値1_1(この場合32500)を記憶しており、随時出力する。
【0035】
そして、レジスタ21に記憶されたレジスタ設定値1_1とデコーダ23から出力された前記補正係数とが加算器25で加算されることにより、比較器17には、表1における「162.54μsとなるクロック数」が入力される。なお、前記所望の期間長やSSCの変動幅が異なる場合は、レジスタ設定値1_1やデコーダ23の出力値が前記以外の数値になることはいうまでもない。比較器17は、その加算器25から入力されたクロック数とカウンタブロック13のカウンタ値とを比較し、両者が一致したとき、Hレベルの信号を位相検出回路15のSET端子に入力する。また、このHレベルの信号は、カウンタブロック13のRES端子にも、カウンタクリア信号として入力される。
【0036】
その結果、カウンタブロック13の動作は、図5に例示するようになる。すなわち、時刻T1にて比較器17からHレベルの信号がカウンタクリア信号として出力されると、カウンタブロック13のカウンタ値(計数値)は0にクリアされる。また、前記Hレベルの信号は、位相検出回路15のSET端子にも入力されるので、その時点の位相(図5の例では位相(3))に応じた位相番号(3)がデコーダ23に継続的に入力される。すると、デコーダ23は、その位相番号(3)に応じて前記テーブルに記憶された補正係数(3)、すなわち表1に示す66を継続的に出力する。そして、カウンタブロック13はSSCの計数を続行し、そのカウンタ値が、レジスタ設定値1_1と前記補正係数との和である所定値M(この例では32566)に達した時刻T2で、再び比較器17からHレベルの信号が出力される。
【0037】
このため、本実施例では、SSCの周波数の変動による、カウンタブロック13がクリアされるタイミング同士の期間長の変動を抑制することができる。デバイス制御信号生成ブロック11は、カウンタ値が0にクリアされたタイミングでTG信号を出力する。従って、本実施例では、SSCの周波数の変動による読取期間の変動を抑制することができる。すなわち、比較器17がレジスタ設定値1_1とカウンタ値とを直接比較した場合、SSCの周波数の変動により、図6(A)に示すように、一定速度で搬送される原稿に対する読取位置RPの間隔が不均一になり、原稿のモータ送り間隔Tmに対して位置ずれΔが生じる。これに対して、本実施例では、前述のように読取期間の変動を抑制することができるので、図6(B)に示すように、読取位置RPの間隔を均一にして、モータ送り間隔Tmに揃えることができる。
【0038】
一方、本実施例では、デバイス制御信号生成ブロック11は、図7に示すように、カウンタ値が0にクリアされた時刻T1でLED_ON信号を立ち上げ(LEDON_SET)、そのカウンタ値が所定の点灯期間に対応するカウンタ値に達した時刻T3で、LED_ON信号を立ち下げる(LEDOFF_SET)。このため、平均的な周波数が低い期間(H)では、図7(C)に示すようにLED_ON信号がHレベルの期間(LED_ON期間)が長くなり、図7(D),(E),(F)に示すように、期間BまたはF,期間CまたはE,期間Dと、順次LED_ON期間は短くなる。なお、図7には、期間Hに対応するLED_ON期間に対する他のLED_ON期間の減少分を、DLで示した。
【0039】
このため、本実施例では、光源7の点灯期間TLが図6(B)に示すように変動する。これに対して、図6(C)に示すように、点灯期間TLの変動も抑制できるように構成したのが次の第2実施例である。
【0040】
[制御ブロックの構成及び動作(第2実施例)]
図8は、制御ブロック10の第2実施例の構成を詳細に表すブロック図である。図8に示すように、第1実施例と同様のカウンタブロック13,位相検出回路15,比較器17,補正回路20に加えて、比較器37(点灯期間比較部の一例)と補正回路40(点灯補正部の一例)とを更に備えると共に、デバイス制御信号生成ブロック11の構成も後述のように異なっている。
【0041】
補正回路40は、レジスタ41とデコーダ43と加算器45とを備えている。レジスタ41は、レジスタ設定値1_2を出力し、デコーダ43は位相検出回路15から出力される前述の位相番号に応じた補正係数を出力し、加算器45は両出力の和を比較器37に入力する。比較器37は、その和の値と前記カウンタ値とが一致したときにLEDOFF_SET信号を出力する。なお、レジスタ設定値1_2は、点灯期間における所望の期間長の基準となる点灯基準クロック数に、後述のレジスタ設定値3_1(所定の計数値の一例)が加算された値である。
【0042】
デバイス制御信号生成ブロック11は、前述のTG信号を生成して出力するTG周期生成回路111と、前述のLED_ON信号を出力するLED点灯生成回路112(点灯期間決定部の一例)とを有している。LED点灯生成回路112は、比較器37からLEDOFF_SET信号が入力されたとき、LED_ON信号を立ち下げる。このため、前述の比較器37,補正回路40を設けたことにより、SSCの周波数の変動による、カウンタブロック13が計数を開始してから光源7が消灯するまでの期間長の変動が抑制される。
【0043】
また、デバイス制御信号生成ブロック11は、次のような比較器113,レジスタ114,比較器115,レジスタ116,比較器117,レジスタ118を備えている。比較器113は、レジスタ114に記憶されたレジスタ設定値2_1と前記カウンタ値とを比較し、両者が一致したときTG_SET信号をTG周期生成回路111に出力する。比較器115は、レジスタ116に記憶されたレジスタ設定値2_2と前記カウンタ値とを比較し、両者が一致したときTG_OFF信号をTG周期生成回路111に出力する。TG周期生成回路111は、比較器113からTG_SET信号が入力されたときTG信号を立ち上げ、比較器113からTG_OFF信号が入力されたときTG信号を立ち下げる。
【0044】
また、比較器117は、レジスタ118に記憶されたレジスタ設定値3_1と前記カウンタ値とを比較し、両者が一致したときLEDON_SET信号をLED点灯生成回路112に出力する。LED点灯生成回路112は、比較器117からLEDON_SET信号が入力されたときLED_ON信号を立ち上げ、前述のLEDOFF_SET信号が入力されたときLED_ON信号を立ち下げる。
【0045】
図9は、この第2実施例の制御ブロック10による各期間長の制御を表すタイムチャートである。図9に示すように、本実施例では時刻T1にてカウンタ値がクリアされた後、カウンタ値がレジスタ設定値2_1となった時刻T2_1にてTG信号が立ち上がって読取期間が始まり、続いてカウンタ値がレジスタ設定値2_2となった時刻T2_2でTG信号が立ち下がる。この読取期間は、次にTG信号が立ち上がるまでの期間である。
【0046】
また、時刻T1にてカウンタ値がクリアされた後、カウンタ値がレジスタ設定値3_1となった時刻T3_1にてLED_ON信号が立ち上がって点灯期間が始まる。そして、レジスタ設定値1_2を補正回路40で前記位相番号に応じて補正した値に、カウンタ値が達するとLED_ON信号が立ち下がって点灯期間が終わる。
【0047】
ここで、カウンタ値がクリアされてからTG信号の立ち上がり,立ち下がり、及び、LED_ON信号の立ち上がりまでの期間には、レジスタ設定値2_1,2_2,3_1の値に応じたSSCの周波数の影響が現れるが、これらのレジスタ設定値はいずれも0〜7程度の小さい値に設定されているので、その影響は無視できる。
【0048】
従って、本実施の形態では、図6(C)に示すように、SSCの周波数の変動による読取期間の変動をほぼ抑制して読取位置RPの変動を抑制すると共に、SSCの周波数の変動による点灯期間TLの変動もほぼ抑制することができる。なお、レジスタ設定値2_1は0であってもよく、その場合、比較器17は読取期間比較部の一例に、補正回路20は読取補正部の一例に、TG周期生成回路111は読取期間長決定部の一例に、それぞれ相当する。また、レジスタ設定値3_1は0であってもよい。
【0049】
[制御ブロックの構成及び動作(第3実施例)]
図10は、制御ブロック10の第3実施例の構成を詳細に表すブロック図である。図10に示すように、この制御ブロック10は、次の点において第2実施例と異なり、他は同様に構成されている。すなわち、本実施例では、補正回路50(第1点灯補正部の一例)が出力する数値と前記カウンタ値とが一致したときに比較器57(第1点灯期間比較部の一例)がLED点灯生成回路112(第2点灯期間決定部の一例)にLEDON_SET信号を入力し、補正回路60(第2点灯補正部の一例)が出力する数値と前記カウンタ値とが一致したときに比較器67(第2点灯期間比較部の一例)がLED点灯生成回路112にLEDON_OFF信号を入力する。
【0050】
このため、第2実施例と同様に、前述の比較器67,補正回路60を設けたことにより、SSCの周波数の変動による、カウンタブロック13が計数を開始してから光源7が消灯するまでの期間長の変動が抑制される。なお、補正回路60は、レジスタ設定値1_2の値が異なる点を除いて、補正回路40と同様に構成されている。また、本実施の形態では、比較器57,補正回路50を設けたことにより、SSCの周波数の変動による、カウンタブロック13が計数を開始してから光源7が点灯するまでの期間長の変動が抑制される。
【0051】
従って、TG信号の立ち上がりと点灯期間の開始との間隔が離れている場合でも、点灯期間の期間長の変動を次のように良好に抑制することができる。すなわち、例えば図11に示すように、補正回路50のレジスタ設定値(所定の計数値の一例)を、100などの比較的大きい数値に設定したとしても、SSCの周波数の変動によって、カウンタ値がクリアされてから点灯期間の開始までの期間長が変動されるのを抑制することができる。従って、この場合、点灯期間TLの変動を一層良好に抑制すると共に、その点灯期間の読取期間内の配置も自由に設定することができる。
【0052】
[制御ブロックの構成及び動作(第4実施例)]
図12は、制御ブロック10の第4実施例の構成を詳細に表すブロック図である。図12に示すように、この制御ブロック10は、第2実施例と同様のカウンタブロック13,位相検出回路15,補正回路40,比較器37を備えている。また、本実施例のデバイス制御信号生成ブロック11は、第1実施例と同様に、カウンタ値が0にクリアされたタイミングでTG信号を出力する。また、このデバイス制御信号生成ブロック11は、前記カウンタ値が0にクリアされたタイミングでLED_ON信号を立ち上げ、比較器37からHレベルの信号(LEDOFF_SET信号)が入力されたタイミングでLED_ON信号を立ち下げる。このため、前記点灯期間は、カウンタブロック13が計数を開始してから比較器37が前記数値とカウンタ値との一致を判断するまでの期間となり、その点灯期間の変動を良好に抑制することができる。
【0053】
また、本実施の形態の制御ブロック10は、レジスタ71と比較器77とを備えており、レジスタ71に記憶されたレジスタ設定値0とカウンタ値とが一致したときにカウンタクリア信号をカウンタブロック13のRES端子と位相検出回路15のSET端子に入力する。レジスタ設定値0は、レジスタ設定値1_2より大きく設定されており、このカウンタクリア信号の出力間隔である読取期間は前記点灯期間を包含するが、その読取期間長にはSSCの周波数の影響が現れ、必ずしも読取期間長の変動を抑制することはできない。本発明はこのような形態も包含する。
【0054】
[制御ブロックの構成及び動作(第5実施例)]
図13は、制御ブロック10の第5実施例の構成を詳細に表すブロック図である。図13に示すように、この実施例の制御ブロック10は、次の点において第1実施例の制御ブロック10と異なり、他は同様に構成されている。すなわち、この制御ブロック10では、レジスタ21に記憶されたレジスタ設定値1_1がそのまま比較器17に入力され、そのレジスタ設定値1_1と比較されるカウンタ値が次のようにデコーダ80と加算器85とによって補正される。
【0055】
すなわち、デコーダ80は、位相検出回路15から出力される位相番号に応じて、カウンタブロック13がSSCを計数したカウンタ値を、例えばカウンタブロック13が非SSCを計数した場合と同様のカウンタ値に補正するための補正係数を出力する。カウンタブロック13のカウンタ値とその補正係数とが加算器85によって加算されることで、加算後のカウンタ値はSSCの変動の影響を抑制されている。従って、当該補正係数を加算後のカウンタ値をレジスタ設定値1_1と比較することで、第1実施例と同様の作用・効果が生じる。
【0056】
[本発明のその他の形態]
なお、本発明は前記各実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、前記各実施の形態では、カウンタ値を横軸にとって変調周期を複数の位相に分割しているが、時間を横軸にとって変調周期を複数の位相に分割しても同様の制御が実行可能である。また、前記各実施の形態では、原稿搬送装置918によって原稿を一定速度で一定方向に搬送しながら読取を行ういわゆるADF読取の制御について説明したが、本発明は、読取デバイス1を図1の右方向に一定速度で移動させながら読取を行ういわゆるFB読取の制御にも同様に適用することができる。
【0057】
更に、カウンタブロック13は、リセットされずにカウントアップし続けてもよい。この場合、前記各レジスタ設定値も、比較器がHレベルの信号を出力する毎に更新する必要があるが、そうすることによって前記と同様の制御が実行可能である。また、カウンタブロック13は、オーバーフローするとカウンタ値が0に戻るので、レジスタ設定値も利用したい桁数以上あればよい。
【0058】
また更に、前記各実施の形態では、カウンタブロック13の計数開始時の位相に基づいて補正値を取得しているが、必ずしも計数開始時でなくてもよく、計数開始の所定クロック後または所定クロック前の位相に基づいて補正値を取得することも可能である。また、カウンタブロック13の計数中に前記位相を常時取得し、各位相に対応するSSCの周波数レベルの累積値に基づいて補正値を取得してもよい。但し、前記実施の形態では、カウンタブロック13の計数開始時に、位相の検出及び補正量の取得を1度だけ実行すればよいので、処理を簡略化することができる。
【符号の説明】
【0059】
1…読取デバイス 7…光源
10…制御ブロック 11…デバイス制御信号生成ブロック
13…カウンタブロック 15…位相検出回路
17,37,57,67,77,113,115,117…比較器
20,40,50,60…補正回路
21,41,71,114,116,118…レジスタ
23,43,80…デコーダ 25,45,85…加算器
95…クロック生成部 99…モータ制御部
111…TG周期生成回路 112…LED点灯生成回路
910…画像読取装置 918…原稿搬送装置
950…モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する光源を備え、一定方向に一定速度で相対移動する原稿に対して、前記原稿を読取期間毎に読み取る読取部と、
一定の変調周期で周波数が変動するスペクトラム拡散クロックを生成するスペクトラム拡散クロック生成部と、
前記スペクトラム拡散クロック生成部が生成したスペクトラム拡散クロックのクロック数を計数するカウント部と、
前記読取期間若しくは前記光源が光を照射する前記読取期間内の点灯期間の少なくともいずれかの期間における所望の期間長の基準となる基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する比較部と、
前記カウント部が計数を開始してから前記比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を前記期間の期間長として決定する期間長決定部と、
前記変調周期を複数の位相に分割し、前記スペクトラム拡散クロックが前記位相のいずれに該当するかを検出する位相検出部と、
前記期間長決定部によって決定される前記期間が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記比較部によって比較される前記基準クロック数または前記計数値を補正する補正部と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記補正部は、前記カウント部の計数開始時点に前記位相検出部が検出した位相、または、前記カウント部の計数開始より前記スペクトラム拡散クロックの所定クロック前に前記位相検出部が検出した位相、または、前記カウント部の計数開始より前記スペクトラム拡散クロックの所定クロック後に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記基準クロック数または前記計数値を補正することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記位相検出部は、前記カウント部の計数開始時点に前記位相を検出し、
前記補正部は、前記計数開始時に検出された前記位相を起点として計数された前記所望の期間長に対応するスペクトラム拡散クロックのクロック数となるように、前記比較部によって比較される前記基準クロック数を補正すること、
を特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記補正部は、
各位相毎に、該位相を起点として計数された前記所望の期間長に対応するスペクトラム拡散クロックのクロック数をそれぞれ記憶した記憶部を有し、
前記比較部によって比較される前記基準クロック数を、前記計数開始時に検出された位相に対応して前記記憶部に記憶されたクロック数に補正すること、
を特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記比較部は、
前記読取期間における所望の期間長の基準となる読取基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する読取期間比較部と、
前記点灯期間における所望の期間長の基準となる点灯基準クロック数と所定の計数値とが加算された値と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する点灯期間比較部と、
を備え、
前記期間長決定部は、
前記カウント部が計数を開始してから前記読取期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記読取期間の期間長として決定する読取期間長決定部と、
前記カウント部が前記所定の計数を計数してから、前記点灯期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記点灯期間の期間長として決定する点灯期間長決定部と、
を備え、
前記補正部は、
前記読取期間長決定部によって決定される前記読取期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記読取期間比較部によって比較される前記読取基準クロック数または前記計数値を補正する読取補正部と、
前記点灯期間長決定部によって決定される前記点灯期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記点灯期間比較部によって比較される前記加算された値または前記計数値を補正する点灯補正部と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記比較部は、
前記読取期間における所望の期間長の基準となる読取基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する読取期間比較部と、
前記点灯期間における始期の基準となる始期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する第1点灯期間比較部と、
前記点灯期間における終期の基準となる終期基準クロック数と、前記カウント部の計数値とを比較して、一致したか否か判断する第2点灯期間比較部と、
を備え、
前記期間長決定部は、
前記カウント部が計数を開始してから、前記読取期間比較部が前記一致したと判断するまでの間隔を、前記読取期間の期間長として決定する読取期間長決定部と、
前記第2点灯期間比較部が前記一致したと判断した終期のタイミングから、前記第1点灯期間比較部が前記一致したと判断した始期のタイミングを差し引いた間隔を、前記点灯期間の期間長として決定する第2点灯期間決定部と、
を備え、
前記補正部は、
前記読取期間長決定部によって決定される前記読取期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記読取期間比較部によって比較される前記読取基準クロック数または前記計数値を補正する読取補正部と、
前記第2点灯期間決定部によって決定される前記点灯期間の期間長が、前記スペクトラム拡散クロックの周波数の変動に拘わらず一定となるように、前記カウント部の計数時に前記位相検出部が検出した位相に応じて、前記始期基準クロック数と前記終期基準クロック数とをそれぞれ補正する第2点灯補正部と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−99957(P2012−99957A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244527(P2010−244527)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】