説明

画像転写印刷方法

【課題】常温フィルム転写方法を、より厚い層が転写可能になるように改良する。
【解決手段】本発明は、オフセット印刷機によって移送される印刷シートに転写フィルムの画像モチーフが移転される、様々な転写印刷方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉紙輪転印刷機で使用される画像転写印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷産業における転写方法としていわゆる熱フィルムエンボスが広く普及している。熱フィルムエンボスでは、通常は分離層としてワックス層を備える転写フィルムが使用される。次に、このような分離層上に、通常は金属層である結像層が展着される。加熱されたプレスダイによって、金属層が部分的に担持材料から印刷材へと移転される。
【0003】
画像構造の解像度が比較的低く、加工速度が速いので、印刷産業では常温転写方法が第一線で広く実施されている。このように、欧州特許出願公開第0569520号明細書には印刷材およびこの材料を使用した印刷方法が記載されている。そこには給紙装置と排紙装置とを備え、これらの双方のユニットの間に印刷機構とコーティング機構が配置された、枚葉紙加工印刷機が示されている。少なくとも1つの印刷機構内で、平版印刷方法によって接着剤パターンが塗布される。この接着剤パターンは常温印刷方法で展着され、特定の画像形成主題を備えている。印刷機構の後の圧胴とプレスロールとを備えたコーティング機構には、フィルムガイドが設けられている。これは、当技術分野では、フィルム貯蔵ローラからフィルムストリップもしくは転写フィルムが圧胴とプレスロールの間の印刷スリットを通って案内される構成になっている。シートが印刷機構を通って移送される際に、各シートに接着剤パターンが形成される。その後、印刷シートはコーティング機構を通って案内され、圧胴上に載置された印刷シートはプレスローラによってフィルム材料と結合される。その際に、下方にある大抵は金属の層が、接着剤を備えた領域と密着状態になる。印刷シートをさらに移送した後、移転された層は、パターンの接着剤を備えた領域だけで粘着する。したがって担持フィルムは、接着剤パターンの領域の転写層だけが取り除かれる。このように使用された転写フィルムは再び巻回される。このようなコーティング機構を例えば印刷機の印刷機構内で使用することは公知である。さらに、プレスローラとして例えば印刷機構のゴム胴または圧胴を使用することも公知である。
【0004】
このような装置の欠点は、2つの印刷機構で動作することである。したがって、国際公開第2005/10028号パンフレットには、印刷機構内の個々の要素を利用して実施される、常温転写方法の一発展形態が記載されている。第1の実施形態では、接着剤パターンが印刷材に直接移転される。その後、所望の主題の画像形成層が、プレススリットにより印刷材に直接移転される。前記特許明細書では、画像形成層もしくは金属化層の移転が行われない場合は転写フィルムが停止されるように、フィルム送りを制御することも提案されている。どちらの欧州特許出願公開第0569520B1号明細書および国際公開第2005/100028号パンフレットも、画像の構造化が接着剤の塗布によって行われ、転写フィルムが画像形成された接着剤塗布部分と接触する位置で、転写層が転写フィルムの担持フィルムから引き剥がされることが共通している。
【0005】
しかし、常温フィルム転写方法では、そうでないと移転される層を引き剥がすための接着力が不充分であるので、比較的薄い転写層しか移転できないことは誰にも明らかである。さらに、層がより厚いことは転写層の内部の結合関係がより強いことを意味している。したがって、印刷領域で必要とされるような、縁部が尖鋭な剥離は、大抵の材料では得ることができない。それだけではなく、接着剤の接着力が転写層を剥離するのに一般に充分である場合は、より大きい範囲の剥離が予想される。それによって、縁部の尖鋭さに欠けるだけではなく、接着剤塗布領域の外側で印刷基板と固着しない粒子が生ずる。それによって印刷画像の障害および機械の汚れが生ずる恐れがある。
【0006】
しかし、より厚い層が必要な応用範囲も多数知られている。一例は、触覚的表面の転写、くじ欄を見えないように被覆するための擦り欄の転写、または低コスト電子部品の用途での導電層である。
【0007】
欧州特許出願公開第0569520号明細書および国際公開第2005/100028号パンフレットに開示されているような常温転写方法は、公知の常温転写方法の簡単な要素では表現できない、高コストの製造方法を必要とするので、高価な安全要素の転写には条件付きでしか適していない。しかしホログラムは、多くの応用例に見られるように、基板への転写方法で転写可能である。通常は、このようなホログラムおよびその他の高価な安全要素の転写用には、加熱フィルムエンボス方法が採用される。公知の加熱フィルムエンボス方法は静的印刷方法であり、すなわち可変の画像データの転写は不可能である。可変の画像データは、例えばナンバリング、さらにはパーソナライズされたテキストまたは変化する画像である。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0569520号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/100028号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、公知の常温フィルム転写方法を、このような方法でより厚い層が転写可能になるように改良することにある。1つの発展形態では、例えばホログラムのような安全要素も転写できる方法が開発される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
常温転写方法での厚い層の転写は、基本的に、画像モチーフ、例えば画像、回路、アンテナ、英数字テキスト、または触覚構造が転写ベルトに刻印され、この外側に刻印されたモチーフがプレスローラの周囲に巻回されることによって行われる。刻印されたモチーフの転写は、印刷基板に接着剤を塗布した後に、プレスローラと圧胴の間のプレススリット内で行われる。印刷基板への接着剤およびフィルム施与は、印刷機構、または例えばスプレーノズルのようなその他の適切な装置によってプレスローラと圧胴の間のプレススリットの前で行われ、接着剤は全面、一部の面またはモチーフに沿って展着される。本発明のその他の特徴においては、前記の例示的実施形態のように接着剤が印刷基板に塗布されるのではなく、接着剤は、転写ベルトがプレススリットを通る前に転写ベルトに直接塗布される。転写ベルトに接着剤を塗布するために、ローラ機構、フレキソ印刷機構、スプレーノズルのような公知の装置、および適切な全ての装置が使用される。
【0010】
転写ベルトへの画像モチーフの展着は、フレキソ機構、特にチャンバドクターブレードおよびラスタローラを有するフレキソ印刷機構、またはフラットスクリーン印刷機構、回転スクリーン印刷機構もしくは凹版印刷機構を有する1つまたは複数のインクジェット装置によって行われる。プレスローラは、転写動作中に印刷機の圧胴に接する別個のローラでもよく、あるいはプレスローラは印刷機構のゴム胴またはニスコーティング機構の版胴である。
【0011】
本発明のこの請求項の有利な改良形態では、転写ベルト上の刻印されたモチーフが乾燥または硬化されて転写ベルトから印刷基板へと移転される。これは、プレスローラと圧胴の間のプレススリット内で印刷層が圧壊されないという利点を有している。乾燥した印刷モチーフは、速乾性インキまたはコーティングを使用することによって実現することができる。このようなインキまたはコーティングは、例えばワックス状の印刷インキまたはコーティング、もしくは溶剤を含む印刷インキまたはコーティングでよい。または、印刷モチーフを転写ベルトに転写した後に乾燥または硬化装置によって乾燥または硬化させてもよい。このような乾燥装置の例は、熱風乾燥機(対流乾燥機)、赤外線乾燥機、紫外線または電子ビーム乾燥機もしくはマイクロ波乾燥機のような放射乾燥機であろう。
【0012】
転写ベルトは、本発明においては印刷モチーフを転写ベルトから印刷基板へと転写後に、プレスローラと圧胴の間のプレススリット内で再び巻回される。したがって転写ベルトは使い捨てで使用され、転写後に廃棄される。本発明による特許請求の発展形態では、転写ベルトは循環式でも使用される。すなわち、転写ベルトは転写後に場合によっては洗浄され、新たにモチーフが備えられる。いずれの場合も、印刷機で印刷される印刷画像と転写される画像とが一致するように、転写ベルトと印刷機を同期化させると有利である。同期化は、適切なセンサ、例えば光学センサによって転写ベルト上の1つまたは複数の測定マークを利用することによって実現することができる。検知された誤差は、浮動ローラまたは電気駆動装置によって調整し補正することができる。転写ベルトが横方向の穴の列を備え、そこに同期ローラのピンが嵌合することによる機械的同期化も考えられる。
【0013】
次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明においては、基本的に図1から3に記載の全ての装置で、前述の転写印刷方法が提供されることが重要である。
【0015】
図1に示された例示的実施形態では、本発明による実施形態を、使い捨ての転写ベルトを用いる形態で説明する。一方、本発明による循環式転写ベルトを用いる実施形態の図面は省いてあるが、この場合は、巻き出しステーション8および巻き取りステーション9はなく、転写ベルト5はガイドローラを介して循環式に作動できることは、どの当業者にも明白である。循環式転写ベルトには、フィルム貯蔵ロール8とフィルム回収ロール9とを省くことによって、フレキソまたはスクリーン印刷機構のような高価な印刷機構を、より組み込み易いという利点がある。図1に示されているように、転写ベルト5はフィルム貯蔵ローラ8から巻き出され、続いてここではインクジェット装置として示されている印刷装置27によって印刷される。印刷装置27による印刷工程後に、転写ベルトに塗布された印刷インキまたはコーティングが、場合によっては乾燥または硬化装置28によって乾燥または硬化される。ゴム胴3の胴位置に対する転写ベルトの位置は、この例では転写フィルム5の前側、後側または両側の位置を、測定マークまたはその他の特性に基づいて決定する1つ以上のセンサ29によって評価される。場合によっては、必要な転写ベルトの位置の補正は浮動ローラ制御によって行われ、浮動ローラは転写ベルトのベルト走行路の任意の位置に導入することができる。この位置はローラ駆動装置7とも同期化させることができる。転写スリット6のできるだけ近傍で補正を行うことができるように、ガイドローラ14を浮動ローラとして使用することも有利なはずである。機械的同期化の場合は、ガイドローラ14に転写ベルト5の横方向の穴の列に嵌合するボルトが、横方向に設けられることになる。転写ベルト5と接触する各ローラを、本発明において同期化のために利用することができる。
【0016】
本発明のさらなる発展形態では、転写ベルトは巻き取りおよび巻き出しによる使い捨てであり、または循環式に動作する転写ベルトが、加熱された印刷装置からのワックス状の印刷インキで印刷される。このワックス状の印刷インキには、比較的迅速に硬化し、したがって滲むことがないという利点がある。その後、圧胴に作用する送りローラが加熱され、インキが溶解することによって、転写ベルトに刻印された画像の転写を行うことができる。その代わりに、またはそれを補足して、転写ベルト上の印刷モチーフを加熱装置によって加熱することもできる。それによって、印刷画像を簡単に印刷材に移転することができる。この解決方法によって、可変データの印刷も優れた方式で可能になる。可変データ印刷機、例えばインクジェットプリンタを有する枚葉紙輪転印刷機で印刷シートを直接に印刷する場合には、曲げ強い印刷材ほどシートが外れることがあるという傾向があるので、印刷装置、例えばインクジェットプリンタの印刷ヘッドと印刷基板の間隔が、必ずしも一定に保たれないという問題がある。転写ベルトと、シートガイドの役割も同時に果たす押圧ロールとを有する選択された装置により、転写ベルトと印刷装置との間隔を簡単な装置によって一定に保つことができるので、この問題は回避できる。印刷モチーフのワックス状の印刷インキからの残滓も、印刷インキの残渣が洗浄ステーションの直前で1つ以上の加熱装置によって、または1つ以上の加熱されたローラとの接触によって加熱されることで、吸引スポンジローラまたはスクレーパによって転写ベルトから簡単に除去することができる。
【0017】
別の発展形態では、転写ベルトは1つ以上の昇華インキで印刷される。昇華印刷方法は、1つ以上の色素を含む印刷インキが熱および場合によっては圧力を利用して液化することなく固体から気体の状態に移行し、この気体状の色素が、装飾される製品に浸透する。この気体状の1種以上の色素は再び固体状態で装飾される製品または印刷基板へと移行し製品内に固着する。この方法は、昇華印刷または昇華方法として知られている。類似の方法は熱昇華印刷方法でも利用される。本発明によるこの場合、プレスローラ3が印刷基板と接触され、印刷材への色素の昇華が行えるように加熱される。転写ベルト5は、転写スリット6を通過する前に適切な加熱装置または乾燥装置28によって、昇華プロセスが開始する温度よりも僅かに低い温度に予熱することができる。
【0018】
本発明の別の特徴においては、いわゆる転写画像方法が用いられる。この場合は、モチーフが、水または水蒸気によって活性化可能な印刷インキを用いて転写ベルトに印刷される。この場合は、転写ベルト5を通過する前に印刷画像を転写スリット6内で適切な装置によって湿らせる。これは、水蒸気装置、噴霧装置、またはローラ機構によって行うことができる。
【0019】
しかし多くの応用例では、印刷機内で転写ベルト上の画像モチーフを、仕上げ技術的に経済的および技術的に有意義に作製することができない。例えば、製造のセキュリティのために使用されるホログラムの場合がそうである。このようなホログラムは、印刷機の製造環境では、使用が困難な多段の複雑な製造工程を経過する。別の例はRFID(無線周波数識別システム)応用例に使用できるアンテナである。このようなアンテナは、現在ではほとんどの場合はエッチングされるが、これはゆっくりと進行し、したがって現在の印刷機の高速の製造速度には適合しない工程である。湿式化学プラントも、印刷機の周辺における作業の安全性の理由から、とうてい考えられない。例えばラベルが拡張された機能性を有している場合に、ラベルを完全に転写することも全く意味がない。別の用途は、削ぎ落としくじで用いられるような、印刷された極めて見えにくい層の転写であろう。そのために使用される印刷インキは通常は大きな割合の溶剤を含んでおり、したがってこのような層の印刷は、溶剤の除去に例えば事後燃焼を伴う吸引に高い経費がかかる。このような場合は、このような層を特化された印刷機で事前印刷するのが有効である。
【0020】
本発明による前記の例示的実施形態では、転写ベルト上のフィルム貯蔵ローラ8は事前印刷または事前仕上げされたモチーフ、ホログラムまたはラベルである。様々な施与、事前印刷されたモチーフ、事前仕上げされたモチーフ、ホログラムまたはラベルの可能性について、以下に転写モチーフの概念により簡単に要約する。この転写モチーフは、プレスローラ3または送りローラ21によって転写スリット6内で印刷材に移転される。転写ベルト上にある転写モチーフは、圧力および/または熱によって活性化される接着剤を備えることができる。転写モチーフは、転写スリット6を通過する前に湿気を付与することによって活性化される接着剤(Leim)を備えることができる。この湿気の付与は、水蒸気を転写ベルト上に導き、あるいはローラ機構またはスプレーノズルのような適切な装置によって水を直接付与する装置を用いて行うことができる。あるいは転写スリット6を通過する前に、このような装置を用いて転写ベルト5上に任意の接着剤を展着することもできる。もちろん、印刷機のシート走行方向で転写ベルト6の前に配置されたオフセット印刷機構またはフレキソ印刷機構によって接着剤の展着を行うことができる。いずれの場合も、転写モチーフを印刷基板上の正しい位置に転写するために、転写ベルトが接触式に動作する溶剤が優先される。これは、理想的には、圧胴4の軸方向に並置され、それぞれが印刷幅の部分領域だけを覆う、互いに独立して駆動可能な1つまたは複数の転写ベルトである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】転写印刷方法を実施するための装置を有する枚葉紙加工機械の基本図である。
【図2】作業ユニット内の、転写印刷方法を実施するための装置を示す図である。
【図3】循環式転写ベルトを有する、転写印刷方法を実施するための装置を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 展着機構
2 コーティングモジュール
3 プレスローラ(ゴム胴)
4 圧胴
5 転写ベルト(転写フィルム)/フィルム連続シート
6 転写スリット
7 ローラ駆動装置
8 フィルム貯蔵ロール(巻き出しステーション)
9 フィルム回収ロール(巻き取りステーション)
10 プレスカバー
11 インキ/湿気機構
12 版胴
13 ゴム/圧胴
14 案内装置
15 汚れ
16 紫外線乾燥機
17 監視システム
18 浮動ローラ
19 胴溝
21 送りローラ
22 ガイドローラ
23 ガイドローラ
24 版胴
25 展着システム
26 配量システム
27 印刷システム
28 乾燥システム
29 見当マークを検知するためのセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフセット印刷機、好ましくは枚葉紙オフセット印刷機の転写印刷方法で使用される転写フィルムであって、
前記印刷機は、共通の転写スリット(6)を形成する少なくとも1つの圧胴(4)とプレス装置とを備えているコーティングモジュール(2)を含み、
転写フィルム(5)は、そのコーティングされた面が前記圧胴(4)上に案内された印刷シートに載った状態で該転写フィルムが該印刷シートと共に押圧されてプレス装置と圧胴(4)の間の前記転写スリット(6)を通って案内されるように、前記プレス装置の周囲を、または該プレス装置にほぼ接して案内され、前記印刷シートが前記転写スリット(6)から出た後に、前記転写フィルム上のコーティングまたはコーティングの成分が前記印刷シート上に残るようになされた転写フィルムにおいて、
前記転写フィルムが、画像的なモチーフ、例えば英数字、パターン、画像モチーフ、ホログラム、金属パターンまたは特別に部分的に展着されたコーティングを含み、全面にはコーティングされていないことを特徴とする転写フィルム。
【請求項2】
前記転写フィルムは、前記転写スリット(6)を通過する前に、少なくとも適切な印刷装置(27)によってモチーフを刻印され、該モチーフが、少なくとも部分的に前記転写スリット(6)内で前記印刷シートに転写されていることを特徴とする、請求項1に記載の転写フィルムを使用した転写印刷方法。
【請求項3】
前記印刷装置(27)は、1つもしくは複数のフラットスクリーン印刷装置、1つ以上の回転スクリーン印刷装置、1つ以上の凹版印刷装置、または1つ以上のインクジェット印刷装置、もしくは前記印刷装置の個々のまたは全ての組合せであることを特徴とする請求項2に記載の転写印刷方法。
【請求項4】
前記印刷装置(27)によって前記転写フィルム(5)に展着されるモチーフは、前記転写スリット(6)を通る前に適切な硬化または乾燥装置(28)によって硬化および/または乾燥されていることを特徴とする請求項2および3に記載の転写印刷方法。
【請求項5】
前記硬化または乾燥装置(28)が、対流乾燥装置、赤外線乾燥装置、紫外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、電子ビーム乾燥装置、または前記乾燥もしくは硬化装置の任意の組合せによって形成されていることを特徴とする請求項4に記載の転写印刷方法。
【請求項6】
フィルム貯蔵ロール(8)は、全ロールまたは前記圧胴(4)の軸方向に並置された複数の部分ロールに巻回された別の処理ステーションで、事前に転写モチーフを施された転写フィルム(5)として形成され、該転写フィルム(5)はその後、印刷動作中に前記フィルム貯蔵ロール(8)から巻き出され、前記転写スリット(6)へと送られ、その中で前記1つまたは複数の転写フィルム内にある前記転写モチーフがその後、印刷シートに転写されていることを特徴とする請求項1に記載の転写印刷方法。
【請求項7】
前記転写モチーフは、英数字記号および/または画像モチーフであることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項8】
前記転写モチーフはホログラムであることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項9】
前記転写モチーフがアンテナまたは導電層もしくは半導体層に関するものであることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項10】
前記転写モチーフはアンテナ、または、単層または多層ラベルに関するものであることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項11】
前記転写モチーフは、最も外側にあり転写スリット(6)中で前記圧胴(4)に向いた層として、前記転写フィルム(5)が前記転写スリット(6)を通る前に適切な装置によって活性化される接着剤層を備えていることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項12】
前記転写モチーフ上の前記接着剤層は、前記転写フィルムが前記転写スリット(6)を通る前に、前記転写フィルムに水蒸気が導入され、または噴射装置によって前記転写フィルムに水が噴霧され、ローラ機構との接触によって前記転写フィルムに水が導入されることで活性化される膠であることを特徴とする請求項6または11のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項13】
前記転写モチーフ上の前記接着剤層は、前記転写フィルムが前記転写スリット(6)を通る前に、1つ以上の適切な加熱装置、例えば赤外線ヒータによって、および/または加熱空気の導入によって活性化される熱活性化接着剤層であることを特徴とする請求項6または11に記載の転写印刷方法。
【請求項14】
前記転写スリット(6)中で前記圧胴(4)に向いた前記転写フィルム(5)の側において、前記転写フィルムには、転写スリットを通る前に適切な装置によって接着剤が部分的にまたは全面に塗布され、前記接着剤/膠が、前記転写モチーフを前記印刷シートに固着させる役割を果たすことを特徴とする、請求項7から10のうちいずれかの少なくとも一項と組み合わせた請求項4または6のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項15】
膠/接着剤塗布用の装置は、前記転写フォイルと接触するローラコーティング装置であることを特徴とする請求項14に記載の転写印刷方法。
【請求項16】
膠/接着剤塗布用の装置は、無接触噴霧装置であることを特徴とする請求項14に記載の転写印刷方法。
【請求項17】
前記印刷シートには、前記転写スリット(6)を通る前に、1つ以上の印刷機構によって全面または一部に、前記転写モチーフを前記転写フィルムから剥離し、前記転写モチーフを前記印刷シートに固着する接着剤が備えられていることを特徴とする、請求項7から10のうちいずれかの少なくとも一項と組み合わせた請求項4または6のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項18】
前記接着剤は、オフセット印刷機構によって前記印刷シートに塗布されていることを特徴とする請求項17に記載の転写印刷方法。
【請求項19】
前記接着剤は、フレキソまたはニスコーティング機構によって前記印刷シートに塗布されていることを特徴とする請求項17に記載の転写印刷方法。
【請求項20】
前記転写フィルムに刻印されるモチーフは、1種以上の昇華色素を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項21】
前記転写フィルム上にあるモチーフが1種以上の昇華色素を含むことを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項22】
前記プレス装置、例えば前記プレスローラ(3)または送りローラ(21)は、転写フィルム上で前記圧胴(4)に向いた側にある前記昇華色素層が昇華温度より高く加熱され、前記昇華色素が気体の状態に移行し、圧胴(4)上にある印刷シート内に浸透するように加熱されていることを特徴とする請求項20または21のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項23】
前記プレス装置は、加熱された装置中の貫流によって加熱されていることを特徴とする請求項22に記載の転写印刷方法。
【請求項24】
前記プレス装置は、電気的に加熱されていることを特徴とする請求項22に記載の転写印刷方法。
【請求項25】
前記プレス装置は、熱放射を介して間接的に加熱されていることを特徴とする請求項22に記載の転写印刷方法。
【請求項26】
前記転写スリット(6)の前の前記転写フィルムは、適切な加熱装置によって前記昇華温度よりやや低い温度に加熱されており、したがって昇華温度との温度差だけが前記加熱されたプレス装置に伝達されていることを特徴とする請求項20または21もしくは22のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項27】
前記転写フィルムに刻印されるモチーフは、湿気により活性化可能な1つ以上の印刷インキ(「転写画像方法用インキ」)からなっていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項28】
前記転写フィルム上にあるモチーフは、湿気により活性化可能な1つまたは複数の印刷インキ(「転写画像方法用インキ」)からなることを特徴とする請求項6に記載の転写印刷方法。
【請求項29】
前記転写フィルムは、前記転写スリット(6)を通過する前に湿気が導入されることを特徴とする請求項27または28のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項30】
前記転写フィルムの前記湿気導入は、水蒸気の導入、前記転写フィルムの冷却による凝縮、または噴霧装置によって行われていることを特徴とする請求項29に記載の転写印刷方法。
【請求項31】
前記湿気導入は、ローラ塗布装置によって行われていることを特徴とする請求項29に記載の転写印刷方法。
【請求項32】
前記圧胴(4)上にある印刷シートには、前記転写スリット(6)を通過する前に一部または全面に湿気が導入され、湿気により活性化可能な印刷インキによって形成される転写画像が、前記転写スリット(6)内で印刷シートに転写されていることを特徴とする請求項27または28のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項33】
前記転写フィルムはフィルム貯蔵ロール(8)から巻き出され、前記転写スリット(6)に送られ、転写後に再びフィルム回収ロールに巻回されていることを特徴とする請求項1または2もしくは6のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項34】
前記転写フィルムは、循環ベルトを形成し、案内装置(14)および/またはガイドローラ(22/23)を介して、前記印刷装置(27)および場合によってはさらに別の装置を通過して前記転写スリット(6)に送られ、そこから前記案内装置(14)を介して前記印刷装置(27)による新たなコーティングのために送られていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項35】
前記転写フィルム(5)は、前記印刷範囲の外側に横向きに連続した穴の列またはその他の開口を備え、その中のピンまたはジャーナルは、前記印刷シート上の転写されたモチーフの位置合わせを確実にする役割を果たし、前記ピンまたはジャーナルは、1つ以上の案内装置上に、または1つ以上のガイドローラ(22)上に、または1つ以上のガイドローラ(22)または(23)上または前記プレスローラ上にあり、前記ピンまたはジャーナルは、前記フィルムの循環時に横方向の穴の列または開口に嵌合していることを特徴とする請求項34に記載の転写印刷システム。
【請求項36】
前記転写フィルムベルト(5)は、裏面および/または前面に見当マークを含み、該マークは、前記転写スリット(6)の直前で前記フィルム連続シートの片面または両面に配置されたセンサシステム(29)によって検出され、取得された信号は、前記転写スリット内の前記転写フィルム連続シート(5)の位置を制御するために利用され、前記転写スリットは、モータ制御装置に適合され、かつ/または浮動ローラ(18)を介して前記転写スリット(6)内の前記転写フィルム(5)の位置に適合されていることを特徴とする請求項34に記載の循環ベルトを有している転写印刷システム。
【請求項37】
前記転写フィルムは、転写動作中に連続的に前記転写スリット(6)を通って移送されていることを特徴とする請求項1または2もしく6のいずれか1つに記載の転写印刷方法。
【請求項38】
前記1つ以上の転写フィルムは、転写動作中にタイミング調整しながら前記転写スリット(6)を通って移送されていることを特徴とする請求項1または2もしくは6のいずれか1つに記載の転写印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−276466(P2007−276466A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93103(P2007−93103)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(599011584)エム・アー・エヌ・ローラント・ドルックマシーネン・アクチエンゲゼルシャフト (257)
【Fターム(参考)】