説明

画像転送装置、および、その制御方法、プログラム、記憶媒体

【課題】 特別な組画像解析手段を持たない画像表示装置においても組画像であることを容易に判別できるように表示することができる画像転送装置を提供する。
【解決手段】 複数の画像データを画像表示装置に転送する画像転送装置が、所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、画像表示装置のファイルシステムにおける共通のファイル属性を持たせて転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを画像処理装置に転送するための画像転送装置、画像転送装置の制御方法および画像転送手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体における、組画像の扱いに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一つの対象を複数の画像データに分けて記録する場合、これらの複数の画像データをまとめて「組画像」として扱うことのできるシステムが存在する。このようなシステムにより、例えば一つの物体を複数回に分割してカメラで撮影したり、一つの物体を画質などの撮影パラメータを変更しながら複数回撮影したりした場合、このような複数の画像データをまとめて一つのものとして扱うことができる。
【0003】
上記のシステムを実現するためには、画像作成装置において、ある画像が組画像であるのかそうでないのかを指定するための手段が必要である。この画像作成装置は、記憶装置上に画像を作成する際、あるいは、画像を作成した後に、利用者の指定に応じて、その画像が組画像であるのかそうでないのかをこの画像データの一部に属性として記録する。その際に、一組の組画像全体に固有の識別子を記録するなどの方法で、一組の組画像を他の組画像と混じることなく識別できるようにしている画像作成装置もある。
【0004】
例えば、複眼撮影装置が撮影した複数の画像について、共通の文字列とそれぞれを識別する識別文字とを付加したファイル名を持たせて記録することが、特開平11−127369号公報に開示されていて公知である。
【0005】
また、デジタルカメラ製品で、「パノラマ撮影モード」を備えている製品が存在する。この製品では、利用者が「パノラマ撮影モード」に設定して撮影した画像には、パノラマ撮影情報が記録され、その他の画像と区別される。
【0006】
さらに、画像作成装置が、一組の組画像ごとに記録装置にディレクトリを分けて画像を記録する方法が考えられる。この方法により作成された画像データを、ディレクトリ構成も含めてそのまま表示すれば、組画像はそれぞれフォルダに分類されて表示されるため、利用者は画像データの内容を調べることなく、どの画像が組画像であるかを即座に判断することができる。つまり、画像処理装置において組画像の属性を解析する必要がないため、複数の画像作成装置で作成した組画像に対応した画像処理装置を、簡単な構成で実現できる。
【特許文献1】特開平11−127369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような、組画像ごとに共通の文字列を付加したファイル名をつける手法や別のディレクトリを作成する手法は、一部の画像作成装置においては、ファイル名やディレクトリ構成の制限により実現できなかったり、十分な効果が得られないことがある。例えば、デジタルカメラにおいてはDCF(Design rule for Camera File system)という規格によりディレクトリの構造や数が制限されている。この規格は、取り外しや交換が可能な記録媒体を、さまざまな種類の機器で使用するための互換性を重視したものである。この規格においては、ディレクトリの名称を、画像の撮影順序を示すシリアル番号の一部として使用するため、組画像のみを別のフォルダに分け、その他の画像を通常のフォルダにまとめて記録することができない。また、組画像のみを別のフォルダに記録する場合には、組画像を撮影するたびに通常の画像も新しいフォルダに記録する必要があり、フォルダが多数作成されることになる。この方法では、組画像のみを別のフォルダに記録することよる効果が十分に得られない。そのため、このような画像作成装置においては、組画像の属性を画像データ内のヘッダと呼ばれる特定の領域に書き込んだり、画像ファイルとは別ファイルに組画像情報を記載することによって、組画像ごとに別のディレクトリを作成する手段の代用としている。
【0008】
しかし、このような手法を用いると、画像処理装置においても利用者の意図通りに組画像として扱うためには、画像作成装置によって書き込まれた画像データ内のヘッダ、あるいは別ファイル内の組画像情報を解析する手段が画像処理装置に必要となる。
【0009】
さらに、組画像の情報記録手順は画像作成装置ごとに異なる可能性があるため、複数の画像作成装置で作成した組画像に対応できる画像処理装置を作成するためには、複雑な構成が必要となるという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するため、本発明における画像転送装置では、複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置であって、所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性を付加するファイル属性付加手段を備えること特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記画像転送装置が、前記画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記画像作成手段が、複数の組画像を区別するための属性を付加することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記ファイル属性付加手段が、複数の属性をもとに前記ファイル属性を付加することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記ファイル属性付加手段が、前記組画像としての属性および前記複数の組画像を区別するための属性をもとに前記ファイル属性を付加することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のその他の特徴とするところは、複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置であって、前記複数の画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段と、前記組画像としての属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、前記画像転送装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける転送すべき前記複数の画像データのファイル属性を、前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性に変更するファイル属性変更手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記画像作成手段が、複数の組画像を区別するための属性を付加することを特徴とする。
【0017】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記ファイル属性変更手段が、複数の属性をもとに前記ファイル属性を変更することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記ファイル属性変更手段が、前記組画像としての属性および前記複数の組画像を区別するための属性をもとに前記ファイル属性を変更することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記複数の画像データに付加される属性を、前記画像データに含まれるヘッダ情報として記録することを特徴とする。
【0020】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記複数の画像データに付加される属性を、前記画像データとは別のファイルに記録することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記画像処理装置において、前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイルの存在するディレクトリ名であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記画像処理装置において。前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイル名の先頭の文字列であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のその他の特徴とするところは、前記画像処理装置において、前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイルの時間属性であることを特徴とする。
【0024】
上記の問題を解決するため、本発明における画像転送装置の制御方法では、複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置の制御方法であって、所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性を付加するファイル属性付加手段を有することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の他の特徴とするところは、前記画像転送装置の制御方法が、前記画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段を有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明のその他の特徴とするところは、複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置の制御方法であって、前記複数の画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段と、前記組画像としての属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、前記画像転送装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける転送すべき前記複数の画像データのファイル属性を、前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性に変更するファイル属性変更手段とを有することを特徴とする。
【0027】
上記の問題を解決するため、本発明における前記画像転送装置が前記複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、
複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置が、所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、画像処理装置のファイルシステムにおける共通のファイル属性を持たせて転送することによって、ファイル名やフォルダ構成に制限があったり、組画像を個別のディレクトリでなく、他の画像と共通のディレクトリに記録する画像作成装置で作成した組画像であっても、特別な組画像解析手段を持たない画像処理装置において、組画像であることを容易に判別できるように表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施例1)
図1に、本実施例の画像転送システムにおける構成を示す。
【0030】
デジタルカメラ101とコンピュータ装置103がケーブル102で接続されている。画像作成装置として機能するデジタルカメラ101は、撮影装置104、メモリーカード105、画像データを転送するための画像転送装置106から構成されている。コンピュータ装置103にはディスク装置107およびディスプレイ装置108が接続され、画像処理装置として機能する。コンピュータ装置103上では画像表示ソフトウェア109が動作しており、ディスク装置107に記録されている画像ファイルをディスプレイ装置108に表示する。
【0031】
図2に、デジタルカメラ101によって記録された画像ファイルにおけるデータ構造の例を示す。
【0032】
画像ファイルのデータは、ヘッダ部分201と画像データ部分202から構成される。ヘッダ部分201には、組画像情報として、組番号203と組内シリアル番号204が記録されている。組内シリアル番号204は、同じ組番号を持つ組画像内で一意の番号である。
【0033】
本実施例のデジタルカメラでは、画像を撮影する前に利用者が組画像撮影モードに設定する必要がある。組画像撮影モードで撮影された画像には、上記の情報がヘッダ部分201に自動的に書き込まれる。
【0034】
図3に、画像表示ソフトウェア109がディスプレイ装置108に表示している画面の表示例を示す。
【0035】
画面は、メニュー301、ディレクトリエリア302、サムネイルエリア303から構成される。ディレクトリエリア302には、ディスク装置107内のディレクトリが階層状に表示される。
【0036】
ディレクトリエリア302に表示されているディレクトリのいずれかを選択すると、ディスク装置107の当該ディレクトリに存在する画像ファイルを縮小したサムネイル画像の一覧が、サムネイルエリア303に表示される。図3においては、ディレクトリ0001が選択されている。
【0037】
この画像表示ソフトウェア109では、ディスク装置107に存在する画像ファイルのヘッダ部分書き込まれている組画像情報の解析は行わず、ディスク装置107に存在するファイルを、ファイル名やディレクトリ名を利用して整理した後に表示している。
【0038】
コンピュータ装置103が備えるファイルシステムは、例えば、既存のオペレーションシステムが提供する汎用ファイルシステムなどが利用可能である。
【0039】
図4に、画像転送装置106が、メモリーカード105に記録されている画像ファイルを、ディスク装置107に転送する際の処理の流れ図を示す。
【0040】
この流れ図の内容は、プログラムコードとしてデジタルカメラ内の図示していない任意の記憶媒体に格納されており、デジタルカメラ内のCPU等によって読み出されて実行される。
【0041】
最初に、ステップS401で、メモリーカード105に記録されている、転送対象の全画像のリスト一覧を取得する。画像のリスト一覧には、少なくとも画像のファイル名と画像のファイル名に対応した通し番号が記述されている。転送対象の画像が存在しない場合は処理を終了する。
【0042】
次に、ステップS402で、画像の転送後に保存する、ディスク装置107上のディレクトリ名Dを決定する。このディレクトリ名は、利用者の設定内容や日付などによって決定される。本実施例の場合、ディレクトリ名DはDLImagesとなる。
【0043】
続いて、ステップS403で、最初の画像、すなわち画像のリスト一覧の中から通し番号nが1である画像を現在の転送対象として指定する。
【0044】
ステップS404で、現在の転送対象の画像のメモリーカード内でのファイル名Fを取得したのち、ステップS405では、現在の転送対象の画像が、組画像として撮影されたものであるかどうかを調べ、組画像であればステップS406へ、組画像でなければステップS408へ進む。通し番号1の画像の場合、例えば、ファイル名FをSTA_0234.JPGとする。
【0045】
ステップS406では、現在の転送対象画像ファイルのヘッダ部分201から、組番号203と組内シリアル番号204を取得し、それぞれG、Nとして記憶する。通し番号1の画像の場合は、第2図に示され、組番号Gは00001、組内シリアル番号Nは001となる。
【0046】
続くステップS407では、組画像を転送した場合の転送先でのファイル名を決定する。G(組番号203)とN(組内シリアル番号204)、画像の保存先ディレクトリ名D、画像のメモリーカード内でのファイル名Fから、転送先のディスク装置107における、ディレクトリを含むファイル名を、D¥G¥NF と決定する。ここで「¥」はディレクトリを表す区切り記号である。通し番号1の画像の場合、ディレクトリを含むファイル名D¥G¥NFは、DLImages¥00001¥001STA_0234.JPGである。
【0047】
また同様に、ステップS408では、組画像以外を転送した場合の転送先のディスク装置107における。ディレクトリを含むファイル名を、D¥Fと決定する。
【0048】
上記の手順で、転送先のディスク装置107におけるファイル名が決定されたら、ステップS409で、メモリーカード内の画像をディスク装置107に、決定されたファイル名で転送する。
【0049】
転送処理が終了したら、ステップS410で、現在の転送対象の画像が、メモリーカード105に記録されている転送対象の画像の最後であるかどうかを調べる。最後の画像の転送が終了したのであれば、処理を終了し、最後でなければ、ステップS411で、次の画像を現在の転送対象として指定した後、ステップS404に戻る。
【0050】
画像転送装置106が、上記手順に従って転送することで、メモリーカード105に記録されている画像ファイルのヘッダ部分201に記録されている組画像情報を、ディスク装置107上でのディレクトリ名やファイル名に対応させることができる。これにより、画像表示ソフトウェア109は、画像ファイルのヘッダ部分201に記録されている組画像情報を解析しなくとも、組画像を分類した状態で利用者に提示することができる。これは、図3の表示例でも示されているとおりである。
【0051】
(実施例2)
図5に、第2の実施例の画像転送システムにおける構成を示す。
【0052】
デジタルカメラ501とコンピュータ装置503がケーブル502で接続されている。
【0053】
画像作成装置として機能するデジタルカメラ501は、撮影装置504、内蔵フラッシュメモリ505、画像データを転送するための画像転送装置506から構成されている。
【0054】
コンピュータ装置503にはディスク装置507およびディスプレイ装置508が接続され、画像処理装置として機能する。
【0055】
コンピュータ装置503上では画像表示ソフトウェア509が動作しており、ディスク装置507に記録されている画像ファイルをディスプレイ装置508に表示する。
【0056】
図6に、本実施例における内蔵フラッシュメモリ505におけるファイル構成の例を示す。
【0057】
フラッシュメモリ505には、DCIMディレクトリ601とMISCディレクトリ602が存在し、DCIMディレクトリ内のサブディレクトリとして100CANONディレクトリ603が存在する。
【0058】
100CANONディレクトリ603の中には、撮影装置504で撮影した画像がJPEGファイル形式で保存されている。
【0059】
MISCディレクトリ602には、組画像情報を記録したマークファイル604が存在する。
【0060】
図7に、マークファイル604の内容の例を示す。
【0061】
マークファイルには、画像の組ごとに1つの組画像セクション701が存在し、複数の組画像がある場合、組画像セクションも複数存在する。組画像セクション701の最初には組番号702が記載され、それ以降、その組に属する画像のディレクトリを含むファイル名703が、一画像ずつ並べて記載される。
【0062】
本実施例のデジタルカメラでは、画像の撮影後に、利用者が内蔵フラッシュメモリ505に存在する画像を複数選択して、それらを新たな組画像として指定する操作が行なえる。この操作を行うと、マークファイル604に組画像セクションが追加され、その中に指定した画像のファイル名が記載される。このようにして追加された組画像セクション704には、組番号705が記載され、その組に属する画像のディレクトリを含むファイル名706が一画像ずつ並べて記載される。
【0063】
図8に、画像表示ソフトウェア509がディスプレイ装置508に表示している画面の表示例を示す。
【0064】
画面は、メニュー801、ディレクトリエリア802、並べ替えエリア803、サムネイルエリア804から構成される。ディレクトリエリア802には、ディスク装置507内のディレクトリが階層状に表示される。
【0065】
ディレクトリエリア802に表示されているディレクトリのいずれかを選択すると、ディスク装置507の当該ディレクトリに存在する画像ファイルを縮小したサムネイル画像の一覧が、サムネイルエリア804に表示される。図8においては、ディレクトリTripが選択されている。
【0066】
並べ替えエリア803には、複数の並べ替えボタンが配置されている。ファイル名順並べ替えボタン805をクリックすると、サムネイルエリア804に表示されている画像ファイルをファイル名の昇順に並べ替えて表示する。さらにファイル名順並べ替えボタン805を再度クリックすると、サムネイルエリア804に表示されている画像ファイルをファイル名の降順に並べ替えて表示する。
【0067】
同様に、日時順並べ替えボタン806、種類順並び替えボタン807が存在し、それぞれサムネイルエリア804のサムネイルをファイルの更新日時順、画像ファイル形式の種類の順に並び替えることができる。
【0068】
この画像表示ソフトウェア509では、ディスク装置507に存在する画像ファイルのヘッダ部分書き込まれている組画像情報の解析は行なわず、ディスク装置507に存在するファイルを、ファイル名やファイル日時などの属性を利用して整理した後に表示している。
【0069】
図9に、画像転送装置506が、内蔵フラッシュメモリ505に記録されている画像ファイルを、ディスク装置507に転送する際の処理の流れ図を示す。
【0070】
この流れ図の内容は、プログラムコードとしてデジタルカメラ内の図示していない任意の記憶媒体に格納されており、デジタルカメラ内のCPU等によって読み出されて実行される。
【0071】
最初に、ステップS901で、内蔵フラッシュメモリ505に記録されている、転送対象の全画像のリスト一覧を取得する。画像のリスト一覧には、少なくとも画像のファイル名と画像のファイル名に対応した通し番号が記述されている。転送対象の画像が存在しない場合は処理を終了する。
【0072】
次に、ステップS902で、画像の転送後に保存する、ディスク装置507上のディレクトリ名Dを決定する。このディレクトリ名は、利用者の設定内容や日付などによって決定される。本実施例の場合、ディレクトリ名DはTripとなる。
【0073】
続いて、ステップS903で、最初の画像、すなわち画像のリスト一覧の中から通し番号nが1である画像を現在の転送対象として指定する。
【0074】
ステップS904で、現在の転送対象の画像の内蔵フラッシュメモリ内でのファイル名F、およびファイルの更新日時Tを取得したのち、ステップS905では、ファイル名Fが、マークファイル604に含まれているかどうかを調べる。
【0075】
ステップS905でファイル名Fがマークファイル604に含まれている場合には、まずステップS906で、マークファイル604の中のファイル名Fが含まれている組画像セクションの先頭に記録されているファイル名Lを取得する。続いてステップS907で、ファイルLの更新日時を取得し、S904で取得した更新日時Tの値を、この値で書き換える。その後、ステッップS908で、ファイルFが含まれている組画像セクションの組番号Gをマークファイルから取得する。続いてステップS909で、S904で取得したファイル名Fに対して、先頭に文字列「ST」+組番号を追加し、ST<組番号>_Fの形式に書き換えた後、ステップS910に進む。
【0076】
ステップS905でファイル名Fがマークファイル604に含まれていなかった場合には、そのままステップS910に進む。
【0077】
ステップS910で、内蔵フラッシュメモリ505からディスク装置507にファイルを転送した後、ステップS911で、ディスク装置507上の先ほど転送したファイルの更新日時をTに変更する。また、ステップS912の処理で、転送後のファイル名がFとなるように変更する。通し番号1の画像が、内蔵フラッシュメモリ内でのファイル名IMG_0001.JPG、組番号001の場合、転送後のファイル名Fは、ST001_IMG_0001.JPGとなる。
【0078】
続いて、ステップS913で、現在の転送対象の画像が、内蔵フラッシュメモリ505に記録されている転送対象の画像の最後であるかどうかを調べる。最後の画像の転送が終了したのであれば、処理を終了し、最後でなければ、ステップS914で、次の画像を現在の転送対象として指定した後、ステップS904に戻る。
【0079】
画像転送装置506が、上記手順に従って転送することで、内蔵フラッシュメモリ505に記録されているマークファイル604に記録されている組画像情報を、ディスク装置507上でのファイル名およびファイル更新日時に対応させることができる。画像表示ソフトウェア509でファイルをファイル名あるいはファイル更新日時順に並べなおすことで、組になっている画像は必ず連続した位置に表示される。これは、図8の表示例でも示されているとおりである。
【0080】
つまり、画像表示ソフトウェア509は、マークファイル604に記録されている組画像情報を解析しなくとも、組画像を分類した状態で利用者に提示することができる。
【0081】
なお、本実施例では、マークファイルに記録されている組画像情報を、ディスク装置上でのファイル名とファイル更新日時に対応させているが、ファイル名あるいはファイル更新日時のいずれか一方だけでも、同様の効果が得られる。
【0082】
本発明の目的は前述したように、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0083】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれる。
【0084】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第一の実施形態における組画像転送システムにおける構成の図である。
【図2】第一の実施例における画像ファイルのデータの例である。
【図3】第一の実施例のモニタ装置に表示される画像表示ソフトウェアの画面の例である。
【図4】第一の実施例における画像転送装置の処理の流れ図である。
【図5】本発明の第二の実施形態における組画像転送システムにおける構成の図である。
【図6】第二の実施例における内蔵フラッシュメモリ内のファイル構成の例である。
【図7】第二の実施例におけるマークファイルの記載例である。
【図8】第二の実施例のモニタ装置に表示される画像表示ソフトウェアの画面の例である。
【図9】第二の実施例における画像転送装置の処理の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置であって、
所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、
前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性を付加するファイル属性付加手段を備えることを特徴とする画像転送装置。
【請求項2】
前記画像転送装置が、
前記画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像転送装置。
【請求項3】
前記画像作成手段が、複数の組画像を区別するための属性を付加することを特徴とする請求項2に記載の画像転送装置。
【請求項4】
前記ファイル属性付加手段が、複数の属性をもとに前記ファイル属性を付加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項5】
前記ファイル属性付加手段が、前記組画像としての属性および前記複数の組画像を区別するための属性をもとに前記ファイル属性を付加することを特徴とする請求項3に記載の画像転送装置。
【請求項6】
複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置であって、
前記複数の画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段と、
前記組画像としての属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、
前記画像転送装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける転送すべき前記複数の画像データのファイル属性を、
前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性に変更するファイル属性変更手段とを備えることを特徴とする画像転送装置。
【請求項7】
前記画像作成手段が、複数の組画像を区別するための属性を付加することを特徴とする請求項6に記載の画像転送装置。
【請求項8】
前記ファイル属性変更手段が、複数の属性をもとに前記ファイル属性を変更することを特徴とする請求項6〜7のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項9】
前記ファイル属性変更手段が、前記組画像としての属性および前記複数の組画像を区別するための属性をもとに前記ファイル属性を変更することを特徴とする請求項7に記載の画像転送装置。
【請求項10】
前記複数の画像データに付加される属性を、前記画像データに含まれるヘッダ情報として記録することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項11】
前記複数の画像データに付加される属性を、前記画像データとは別のファイルに記録することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項12】
前記画像処理装置において、前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイルの存在するディレクトリ名であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項13】
前記画像処理装置において。前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイル名の先頭の文字列であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項14】
前記画像処理装置において、前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性が、ファイルの時間属性であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像転送装置。
【請求項15】
複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置の制御方法であって、
所定の属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、
前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性を付加するファイル属性付加手段を有することを特徴とする画像転送装置の制御方法。
【請求項16】
前記画像転送装置の制御方法が、
前記画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段を有することを特徴とする請求項15に記載の画像転送装置の制御方法。
【請求項17】
複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送装置の制御方法であって、
前記複数の画像データに組画像としての属性を付加することができる画像作成手段と、
前記組画像としての属性が付加されている複数の画像データを転送する際に、
前記画像転送装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける転送すべき前記複数の画像データのファイル属性を、
前記画像処理装置において前記画像データをファイルとして扱うファイルシステムにおける共通のファイル属性に変更するファイル属性変更手段とを有することを特徴とする画像転送装置の制御方法。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像転送装置が前記複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送手順をコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像転送装置が前記複数の画像データを画像処理装置に転送する画像転送手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−42029(P2006−42029A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220386(P2004−220386)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】