説明

画像送受信装置

【課題】 DVI規格に準拠するディスプレイ装置をAVアンプに接続した際にも、DVDプレーヤの解像度設定画面において、ディスプレイ装置が表示可能な解像度の種類を表示することができるAVアンプを提供すること。
【解決手段】 AVアンプ20は、HDMI受信部と、HDMI送信部と、DVDプレーヤ10が読み出す解像度の種類を記憶するためのPROM25と、解像度の種類が予め記憶されているROM23aと、ディスプレイ装置30に予め記憶されている解像度の種類をディスプレイ装置30から読み出す読出手段と、ディスプレイ装置30がDVI規格に準拠しているか否かを判断する判断手段と、ディスプレイ装置30がDVI規格に準拠していると判断された場合に、ROM23aに記憶されている解像度の種類の全てをPROMに登録する解像度登録手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置から読み取った解像度の種類と、自身に予め記憶された解像度の種類とに基づいて、画像再生装置が出力可能な解像度の種類を記憶手段に登録する画像送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図3(a)に示すとおり、HDMI(High Definition Multimedia Interface)規格に準拠した、DVDプレーヤ、AVアンプおよびディスプレイ装置がHDMIケーブルを介して接続されるシステムが提案されている。DVDプレーヤで再生された画像データは、AVアンプを介してディスプレイ装置に出力される。
【0003】
ディスプレイ装置は複数の解像度で画像を表示することができ、表示可能な解像度の種類(例えば、XGA)がEDID(Extended Display Identification Data)として内部に設けられた図示しないPROMに予め記憶されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
AVアンプも、内部に設けられたROMに、解像度の種類(これらの解像度はHDMI規格に対応している)が予め記憶されている。AVアンプは、接続されているディスプレイ装置からEDIDを読み出して、EDIDからディスプレイ装置が表示可能な解像度の種類を読み出す。AVアンプは、自身のROMに予め記憶されている複数の解像度の中で、ディスプレイ装置から読み出した解像度に一致する解像度を含むEDIDを、図示しないPROMに登録する。
【0005】
DVDプレーヤは、AVアンプのPROMからEDIDを読み出して、AVアンプおよびディスプレイ装置が共通して記憶する解像度の種類を解析する。DVDプレーヤは、読み出した解像度の種類に基づいて、AVアンプに出力する画像の解像度をユーザの操作に基づいて設定する。具体的には、解像度設定は、DVDプレーヤの解像度設定画面を表示させ、当該画面中に表示される複数の解像度の中から所望の解像度を選択することにより実行される。解像度設定画面中に表示される解像度の種類は、DVDプレーヤに予め記憶された解像度の種類の中から、AVアンプのPROMから読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類である。従って、解像度設定画面には、AVアンプおよびディスプレイ装置で共通して記憶されている解像度の種類のみを表示することができる。
【0006】
同様に、図3(b)に示すとおり、AVアンプは、HDMI規格と互換性のあるDVI規格に準拠したディスプレイ装置とDVIケーブル介して接続することができる。この場合にも、AVアンプはディスプレイ装置からEDIDを読み出して、EDIDに含まれる解像度の種類と、AVアンプのROMに予め記憶されている解像度の種類とに共通する解像度の種類を含むEDIDをPROMに登録する。DVDプレーヤは、AVアンプのPROMからEDIDを読み出して、EDIDに含まれる解像度の種類を解像度設定画面に表示する。
【0007】
【特許文献1】特開平11−15425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
HDMI規格では、HDMIシンク機器であるディスプレイ装置は表示可能な解像度の種類を全て正確にその内部のPROM内に予め記憶しておく必要がある。従って、AVアンプがディスプレイ装置から読み出したEDIDに基づいてDVDプレーヤが解像度設定画面を表示する場合、ディスプレイ装置が表示可能な解像度の種類が正確に解像度設定画面に表示され、ユーザはディスプレイ装置が表示可能な複数の解像度の中から所望の解像度を選択することができる。
【0009】
しかし、DVI規格では、ディスプレイ装置は表示可能な解像度の種類を正確にPROMに記憶しておく必要がない。そのため、DVI規格に準拠したディスプレイ装置は、PROMの容量の都合上、表示可能な解像度の種類の一部しかPROMに記憶していなかったり、解像度の種類を全く記憶していない場合がある。つまり、ディスプレイ装置で表示可能であるにもかかわらず、PROMに記憶されていない解像度が存在する。このようなディスプレイ装置をAVアンプに接続し、ディスプレイ装置のEDIDに基づいてDVDプレーヤが解像度設定画面を表示すると、解像度設定画面にはディスプレイ装置が表示可能な解像度を正確に表示することができない。その結果、ディスプレイ装置が表示可能であるにもかかわらず、DVDプレーヤが画像データを出力する際の解像度として設定することができず、DVDプレーヤから当該解像度で画像データを出力できないという問題を有する。
【0010】
本発明の目的は、DVI規格に準拠するディスプレイ装置をAVアンプに接続した際にも、HDMIケーブルで接続されるDVDプレーヤの解像度設定画面において、ディスプレイ装置が表示可能な解像度の種類を表示することができるAVアンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態による画像送受信装置は、画像送受信装置外部に接続される画像再生装置から画像データを受信する画像受信手段と、外部に接続される画像表示装置に該画像データを送信する画像送信手段と、該画像再生装置が読み出す解像度の種類を記憶するための第1の記憶手段と、解像度の種類が予め記憶されている第2の記憶手段と、該画像表示装置に予め記憶されている解像度の種類を、該画像表示装置から読み出す読出手段と、接続されている該画像表示装置が第1の規格に準拠しているか否かを判断する判断手段と、該画像表示装置が該第1の規格に準拠していると判断された場合に、該第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の全てを該第1の記憶手段に登録する解像度登録手段とを備える。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記判断手段が、上記画像表示装置が第2の規格に準拠していると判断した場合、上記解像度登録手段は、上記第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の中で、上記画像表示装置から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類を、上記第1の記憶手段に登録する。
【0013】
好ましい実施形態においては、画像送受信装置は、第1モードまたは第2モードに設定可能なモード設定手段と、該モード設定手段によって設定されたモードを判断するモード判断手段とをさらに備える。上記画像表示装置が上記第1の規格に準拠し、かつ、設定されているモードが該第1モードであると判断された場合、上記解像度登録手段は、上記第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の全てを上記第1の記憶手段に登録する。該画像表示装置が該第1の規格に準拠し、かつ、設定されているモードが該第2モードであると判断された場合、該解像度登録手段は、該第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の中で、該画像表示装置から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類を、該第1の記憶手段に登録する。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記第1の規格はDVI規格であり、上記第2の規格はHDMI規格である。
【0015】
本発明の好ましい実施形態による画像送受信装置の動作プログラムは、外部に接続される画像再生装置から画像データを受信する画像受信ステップと、外部に接続される画像表示装置に該画像データを送信する画像送信ステップと、該画像再生装置が読み出す解像度の種類を記憶するための第1の記憶手段に、解像度の種類を登録する解像度登録ステップと、該画像表示装置に予め記憶されている解像度の種類を、該画像表示装置から読み出す読出ステップと、接続されている該画像表示装置が第1の規格に準拠しているか否かを判断する判断ステップとをコンピュータに実行させる。該画像表示装置が該第1の規格に準拠していると判断された場合に、該解像度登録ステップにおいて、画像送受信装置の第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の全てが該第1の記憶手段に登録される。
【発明の効果】
【0016】
接続されている画像表示装置が第1の規格に準拠している場合には、画像表示装置には表示可能な解像度の種類が正確に記憶されていないと判断される。そのため、画像送受信装置は、画像表示装置から読み出した解像度の種類を無視して、第2の記憶手段に予め記憶されている解像度の種類の全てを第1の記憶手段に登録する。画像再生装置は、第1の記憶手段から解像度の種類を読み出して、当該解像度の種類に基づいて、解像度設定画面を表示する。従って、画像表示装置に解像度の種類が正確に記憶されていない場合であっても、画像再生装置の解像度設定画面に画像送受信装置に記憶されている解像度の種類を全て表示して、ユーザに解像度を選択させることができる。従って、画像再生装置から画像データを送信できないという問題を解決できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態によるDVDプレーヤ(画像再生装置)、AVアンプ(画像送受信装置)およびディスプレイ装置(画像表示装置)について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0018】
図1Aは、DVDプレーヤ10およびAVアンプ20の構成を、図1Bは、AVアンプ20(図1Aと同一)およびディスプレイ装置30の構成をそれぞれ示す概略ブロック図である。DVDプレーヤ10およびAVアンプ20は、HDMI規格に準拠しており、HDMIケーブルを介して接続されている。ディスプレイ装置30は、HDMI規格またはDVI規格に準拠しており、HDMI規格の場合にはHDMIケーブルを介して、DVI規格の場合にはDVIケーブルを介して、AVアンプ20に接続されている。
【0019】
まず、DVDプレーヤ10について説明する。DVDプレーヤ10は、再生部11と、解像度変換部12と、HDMI送信部13と、システム制御部14と、操作表示部15と、メモリ16と、コネクタ部17とを有している。
【0020】
再生部11は、DVDディスク(以下、単にディスク)に記録されている画像データをディスクから読み出して、デコードし、解像度変換部12に供給する。また、再生部11は、ディスクに記録されている音声データをディスクから読み出して、デコードし、HDMI送信部13に供給する。再生部11は、図示しない光ピックアップ、サーボ回路、MPEGデコーダ等を含む。
【0021】
解像度変換部12は、再生部11から供給された画像データの解像度を判別する。また、解像度変換部12は、判別した画像データの解像度を、システム制御部14からのコマンドにより、ユーザによって設定された解像度に変換する。解像度変換部12によって解像度が変換された画像データは、HDMI送信部13に供給される。
【0022】
HDMI送信部13は、解像度変換部12から供給された画像データ、および、再生部11から供給された音声データを、システム制御部14からのコマンドにより、HDMI規格のデータ(以下、HDMIデータ)に変換する。HDMI送信部13は、変換したHDMIデータを、コネクタ部17を介して、AVアンプ20に送信する。
【0023】
HDMI送信部13は、HDMIデータを送受信するTMDSライン(通常は複数存在するが図1、図2では簡単のため1本のラインのみを記載している)、および、接続の有無を判断するためのホットプラグを介して、AVレシーバ20のHDMI受信部21に接続される。
【0024】
システム制御部14は、再生部11、解像度変換部12、HDMI送信部13、操作表示部15、メモリ16等を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータである。システム制御部14は、操作表示部15からの操作入力または各部からの制御信号およびデータに基づいて各種処理を実行する。
【0025】
システム制御部14は、CECラインを介してAVアンプ20のシステム制御部23に接続され、システム制御部23とコマンドおよび/またはデータを送受信する。また、システム制御部14は、DDCラインを介して、AVアンプ20のPROM25に接続され、PROM25に記憶されたEDIDを読み出し、解像度の種類を読み出す。
【0026】
システム制御部14は、操作表示部15に、各種の初期設定を行うためのセットアップメニューを表示させる。セットアップメニューは、出力する画像データの解像度をユーザの操作によって設定する解像度設定画面を含む。解像度がユーザによって設定されると、システム制御部14は、解像度変換部12に対して、設定された解像度に画像を変換するコマンドを送信する。
【0027】
メモリ16(例えば、ROM)は、DVDプレーヤ10がAVアンプ20に出力可能な解像度の種類が予め記憶されている。
【0028】
システム制御部14は、AVアンプ20のPROM25に記憶されている解像度の種類を、DDCラインを介して読み出し、メモリ16に予め記憶されている解像度の種類と照合する。システム制御部14は、メモリに16に予め記憶されている解像度の種類の中から、AVアンプ20のPROM25から読み出したEDIDに含まれている解像度の種類と一致する解像度の種類を解像度選択画面に表示する。
【0029】
次に、AVアンプ20の構成を説明する。AVアンプ20は、HDMI受信部21と、HDMI送信部22と、システム制御部23と、操作表示部24と、メモリ(EDID PROM、以下、PROMとする)25と、音声処理部26と、コネクタ部27、28とを有している。
【0030】
HDMI受信部21は、DVDプレーヤ10から送信されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の画像データ(HDMI変換前の画像データ)を生成して、HDMI送信部22に供給する。また、HDMI受信部21は、受信したHDMIデータから元の音声データ生成して、音声処理部26に供給する。
【0031】
HDMI送信部22は、HDMI受信部21から供給された画像データ、および、必要に応じて音声処理部26から供給された音声データを、HDMIデータに変換して、コネクタ部28を介して、ディスプレイ装置30に送信する。HDMI送信部22は、TMDSラインおよびホットプラグを介して、ディスプレイ装置30のHDMI受信部31に接続されている。
【0032】
音声処理部26は、HDMI受信部21から供給された音声データに対して、信号処理、増幅処理、D/A変換等の処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。また、必要に応じて、音声処理部26は、音声データをHDMI送信部22に供給する。
【0033】
システム制御部23は、HDMI受信部21、HDMI送信部22、操作表示部24、PROM25、音声処理部26等を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータである。システム制御部23は、操作表示部24からの操作入力または各部からの制御信号およびデータに基づいて各種処理を実行する。
【0034】
システム制御部23は、CECラインを介してDVDプレーヤ10のシステム制御部14に接続され、システム制御部14とコマンドおよびデータを送受信する。また、システム制御部23は、CECラインを介してディスプレイ装置30のシステム制御部33に接続され、システム制御部33とコマンドおよびデータを送受信する。また、システム制御部23は、DDCラインを介して、ディスプレイ装置30のPROM34に接続され、PROM34からディスプレイ装置30で表示可能な解像度の種類を含むEDIDを読み出す。
【0035】
システム制御部23には、ROM等のメモリ23aが内蔵(または接続)されており、ROM23a内にAVアンプ20が出力する解像度の種類が予め記憶されている(また、この解像度の種類は、ROM23aではなく、PROM25内に記憶されていてもよい)。通常、ROM23aには、HDMI規格に対応する複数の解像度の種類が記憶されている。
【0036】
PROM25は、DDCラインを介してDVDプレーヤ10のシステム制御部14に接続されている。PROM25にはシステム制御部23によって解像度の種類を含むEDIDが登録され、登録されたEDIDは、DVDプレーヤ10のシステム制御部14によってDDCラインを介して読み出される。
【0037】
システム制御部23は、DVDプレーヤ10が読み出すEDIDをPROM25に登録する際のモードとして、以下に説明する通常モードと、強制EDID設定モードとを有する。
【0038】
通常モードは、ROM23aに予め記憶されている解像度の種類の中で、ディスプレイ装置30のPROM34から読み出したEDIDに含まれる解像度の種類と一致する解像度の種類のみをPROM25に登録するモードである。つまり、AVアンプ20およびディスプレイ装置30が共通して記憶する解像度の種類がPROM25に登録される。
【0039】
具体的には、AVアンプ20のROM23aに予め記憶されている解像度の種類がa、b、c、dであり、ディスプレイ装置30のPROM34に記憶されているEDIDに含まれる解像度の種類がa、e、fである場合、通常モードではPROM25に解像度aを含むEDIDが登録される。
【0040】
強制EDID設定モードは、ディスプレイ装置30のPROM34から読み出した解像度の種類を無視して、ROM23aに記憶されている解像度の種類を全てPROM25に登録するモードである。つまり、ディスプレイ装置30の解像度の種類に関係なく、AVアンプ20に記憶された解像度の種類がPROM25に登録される。
【0041】
具体的には、AVアンプ20のROM23aに予め記憶されている解像度の種類がa、b、c、dであり、ディスプレイ装置30のPROM34から読み出したEDIDに含まれる解像度の種類がa、e、fである場合、強制EDID設定モードではPROM25に解像度a、b、c、dを含むEDIDが登録される。
【0042】
通常モードまたは強制EDID設定モードは、ユーザによって設定可能である。例えば、システム制御部23の図示しないRAM内にフラグが格納されており、強制EDIDモードに設定される場合フラグがセットされ、通常モードに設定される場合フラグがリセットされる。
【0043】
システム制御部23は、AVアンプ20に接続されているディスプレイ装置30がHDMI規格に準拠している場合、通常モードでPROM25に解像度の種類を登録する。一方、システム制御部23は、AVアンプ20に接続されているディスプレイ装置30がDVI規格に準拠している場合、強制EDID設定モードが設定されていれば、強制EDID設定モードでPROM25に解像度の種類を登録し、通常モードが設定されていれば、通常モードでPROM25に解像度の種類を登録する。
【0044】
次にディスプレイ装置30について説明する。ディスプレイ装置30は、HDMI規格に準拠したディスプレイ装置またはDVI規格に準拠したディスプレイ装置が採用され得る。HDMI規格のディスプレイ装置30を例に説明すると、ディスプレイ装置30は、HDMI受信部31と、表示部32と、システム制御部33と、メモリ(EDID PROM、以下、PROMとする)34と、操作部35と、音声処理部36と、スピーカー37と、コネクタ部38とを有する。
【0045】
HDMI受信部31は、AVアンプ20のHDMI送信部22から送信されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の画像データを生成し、表示部32に供給する。また、HDMI受信部31は、HDMIデータから元の音声データを生成して、音声処理部36に供給する。
【0046】
表示部32は、HDMI受信部31から画像データが供給され、当該画像データに基づいて画像を表示するものであり、例えば、LCDまたはCRT等である。
【0047】
音声処理部36は、HDMI受信部31から供給された音声データを、信号処理、増幅処理、D/A変換等の処理を実行し、スピーカー37に供給する。
【0048】
システム制御部33は、HDMI受信部31、表示部32、PROM34、音声処理部36等を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータである。システム制御部33は、操作部35からの操作入力または各部からの制御信号およびデータに基づいて各種処理を実行する。
【0049】
PROM34には、表示部32で表示可能な解像度の種類を含むEDIDが予め記憶されている。このEDIDは、DDCラインを介して、AVアンプ23のシステム制御部23によって読み出される。
【0050】
ディスプレイ装置30がDVI規格に準拠したものである場合には、HDMI受信部31の代わりにDVI受信部が設けられている。このDVI受信部は、DVIデータ(DVIデータは音声データを含まない)を受信して、画像データを表示部32に供給する。また、DVI規格のディスプレイ装置は、表示部32が表示可能な解像度の種類の全てをPROM34に記憶しているとは限らず、通常、一部の解像度の種類のみが記憶されているか、解像度の種類が全く記憶されていない。また、DVI規格に準拠したディスプレイ装置にはDVIケーブルが接続され、当該DVIケーブルは、AVアンプに接続されたHDMIケーブルに変換コネクタを介して接続される。
【0051】
以上の構成を有するシステムについて、図2を参照してその動作および作用を説明する。図2は、AVアンプ20の処理を説明するフローチャートである。まず、AVアンプ20の電源がオン状態になると(S1)、システム制御部23は、コネクタ部27にDVDプレーヤ10が接続されているか否かを判断する(S2)。DVDプレーヤ10が接続されていると判断されると(S2:YES)、システム制御部23は、コネクタ部28にディスプレイ装置30が接続されているか否かを判断する(S3)。
【0052】
ディスプレイ装置30が接続されていると判断されると(S3:YES)、システム制御部23は、DDCラインを介してディスプレイ装置30のPROM34からEDIDを読み出す(S4)。システム制御部23は、読み出したEDIDの中から解像度の種類を読み出して解析する。
【0053】
次に、システム制御部23は、接続されているディスプレイ装置30がHDMI規格に準拠した装置であるか、または、DVI規格に準拠した装置であるかを判断する(S5)。すなわち、PROM34から読み出したEDIDの中にディスプレイ装置の規格を示す情報が含まれているので、システム制御部23はこの情報を解析することによって、ディスプレイ装置30の規格を判断する。
【0054】
ディスプレイ装置30がDVI規格に準拠すると判断されると(S5:DVI)、システム制御部23は、強制EDID設定モードが設定されているか否かをフラグを確認することによって判断する(S6)。
【0055】
強制EDID設定モードが設定されていると判断されると(S6:YES)、システム制御部23は、ROM23aに予め記憶されている解像度の種類を全て抽出して、当該解像度の種類を含むEDIDをPROM25に登録する。つまり、S4でディスプレイ装置30のPROM34から読み出した解像度の種類は無視して、AVアンプ20に記憶されている解像度の種類がPROM25に登録される。
【0056】
その後、システム制御部23は、コネクタ部27(DVDプレーヤ10)側のホットプラグをハイレベルに設定することにより、DVDプレーヤ10にEDIDの読み出し処理を促す(S9)。つまり、DVDプレーヤ10のシステム制御部14は、ホットプラグがハイレベルに設定されたことを確認すると、DDCラインを介して、PROM25からEDIDを読み出し、PROM25に記憶されている解像度の種類を解析する。
【0057】
ユーザから解像度設定画面の表示指示が入力されると、DVDプレーヤ10のシステム制御部14は、メモリ16に予め記憶されている解像度の種類の中でAVアンプ20のPROM25に記憶されている解像度の種類と一致するものを選択して、解像度設定画面に表示する。一般的に、DVDプレーヤ10には接続される装置が対応していると考えられる全ての解像度がメモリ16に予め記憶されているので、解像度設定画面にはAVアンプ20のPROM25に記憶されている解像度の種類が全て表示される。ユーザは、解像度設定画面に表示されている解像度の中から、所望の解像度を1つ選択する。システム制御部14は、ユーザによって選択された解像度の種類を解像度変換部12に通知することにより、解像度変換部12にユーザが設定した解像度に画像を変換し、出力させる。
【0058】
このように、AVアンプ20にDVI規格のディスプレイ装置30が接続され、かつ、強制EDID設定モードが設定されているときは、ディスプレイ装置30の解像度設定画面には、ディスプレイ装置30に記憶されている解像度の種類に関係なく、AVアンプ20に記憶されている解像度の種類が全て表示される。そのため、DVI規格のディスプレイ装置30が、表示可能な解像度の種類をPROM34に正確に(または全く)記憶していないときでも、DVDプレーヤ10の解像度設定画面に、AVアンプ20に記憶されている解像度の種類を表示することができる。AVアンプ20に記憶されている解像度の大半はディスプレイ装置30でも表示可能であるので、ディスプレイ装置30で表示可能な解像度の種類を解像度設定画面に表示して、DVDプレーヤ10から出力される解像度として選択することができる。
【0059】
具体的には、(DVI規格の)ディスプレイ装置30が表示可能な解像度がa、b、c、d、e、fであり、ディスプレイ装置30のPROM34には解像度a、e、fしか記憶されておらず、AVアンプ20のROM23aに予め記憶されている解像度の種類がa、b、c、dである場合、通常モードでは、共通の解像度の種類であるaしか解像度設定画面に表示されない。しかし、実際には解像度b、c、dもAVアンプ20に記憶され、ディスプレイ装置30が表示可能な解像度であるが、これらは解像設定画面に表示されず、これらの解像度で画像データを出力できない。
【0060】
ここで、強制EDID設定モードでは、解像度設定画面にはAVアンプ20のROM23aに予め記憶されている解像度a、b、c、dが表示されるが、これらの解像度は全てディスプレイ装置30でも表示可能な解像度である。従って、ディスプレイ装置30がDVI規格に準拠しており、解像度の種類が正確にPROM34に記憶されていない場合でも、ディスプレイ装置30が表示可能な解像度a、b、c、dの中から所望の解像度を選択することができる。
【0061】
なお、強制EDID設定モードが設定されていないと判断されると(S6:NO)、システム制御部23は、ROM23aに記憶されている解像度の種類の中で、ディスプレイ装置30のPROM34から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類のみを選択して、PROM25に登録する(S8)。
【0062】
また、S5において、ディスプレイ装置30がHDMI規格に準拠していると判断されると、システム制御部23は、ROM23aに記憶されている解像度の種類の中で、ディスプレイ装置30のPROM34から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類のみを選択して、PROM25に登録する(S8)。
【0063】
このようにHDMI規格のディスプレイ装置30が接続された場合には、自動的に通常モードで解像度の種類を含むEDIDがPROM25に登録される。これは、ディスプレイ装置30がHDMI規格であれば、ディスプレイ装置30が表示可能な解像度の種類の全てが、PROM34に必ず記憶されているので、強制EDIDモードで解像度の種類をPROM25に登録する必要がないからである。また、HDMI規格のディスプレイ装置30が接続された場合には、AVアンプは、ディスプレイ装置30およびAVアンプ20が共通して記憶する解像度で、画像データを出力しなければならいからである。
【0064】
具体的には、(HDMI規格の)ディスプレイ装置30が表示可能な解像度の種類がa、b、c、d、e、f(この場合、PROM34には解像度の種類a、b、c、d、e、fが記憶されている)、AVアンプ20のROM23aに予め記憶されている解像度の種類がa、b、c、dである場合、これらに共通の解像度であるa、b、c、dの中から選択された解像度で画像データが出力される。
【0065】
なお、S3でディスプレイ装置30が接続されていないと判断された場合(S3:NO)、システム制御部23はROM23aに記憶されているEDIDの全てをPROM25に登録し(S10)、S9に進む。
【0066】
以上のように、本実施形態のAVアンプ20は、DVI規格のディスプレイ装置30が接続された場合であっても、AVアンプ20に記憶された複数の解像度の中から設定された解像度でDVDプレーヤ10に画像データを出力させることができる。
【0067】
なお、図2では、AVアンプ20の電源投入後の処理について説明しているが、ユーザが強制EDID設定モードと通常モードとを切り換えた際にも、同様に、S4〜S8の処理が実行される。さらに、AVアンプ20が複数の入力端子および複数の入力端子から入力される画像データの中から1つの画像データを選択して出力するセレクタ回路を備える場合に、当該セレクタの選択を切り換えた際に、S4〜S8の処理が実行されてもよい。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、DVDプレーヤ、AVアンプ、ディスプレイ装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、画像データを出力する際の解像度を変更可能な、DVDプレーヤ、AVアンプおよびディスプレイ装置等に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】本発明の好ましい実施形態によるDVDプレーヤ10およびAVアンプ20の構成を示すブロック図である。
【図1B】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20およびディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】AVアンプ20の動作を説明するフローチャートである。
【図3】従来の構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
10 DVDプレーヤ(画像再生装置)
20 AVアンプ(画像送受信装置)
21 HDMI受信部
22 HDMI送信部
23 システム制御部
23a ROM
25 PROM
30 ディスプレイ装置(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に接続される画像再生装置から画像データを受信する画像受信手段と、
外部に接続される画像表示装置に該画像データを送信する画像送信手段と、
該画像再生装置が読み出す解像度の種類を記憶するための第1の記憶手段と、
解像度の種類が予め記憶されている第2の記憶手段と、
該画像表示装置に予め記憶されている解像度の種類を、該画像表示装置から読み出す読出手段と、
接続されている該画像表示装置が第1の規格に準拠しているか否かを判断する判断手段と、
該画像表示装置が該第1の規格に準拠していると判断された場合に、該第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の全てを該第1の記憶手段に登録する解像度登録手段とを備える、画像送受信装置。
【請求項2】
前記判断手段が、前記画像表示装置が第2の規格に準拠していると判断した場合、前記解像度登録手段が、前記第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の中で、前記画像表示装置から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類を、前記第1の記憶手段に登録する、請求項1に記載の画像送受信装置。
【請求項3】
第1モードまたは第2モードに設定可能なモード設定手段と、
該モード設定手段によって設定されたモードを判断するモード判断手段とをさらに備え、
前記画像表示装置が前記第1の規格に準拠し、かつ、設定されているモードが該第1モードであると判断された場合、前記解像度登録手段が、前記第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の全てを前記第1の記憶手段に登録し、
該画像表示装置が該第1の規格に準拠し、かつ、設定されているモードが該第2モードであると判断された場合、該解像度登録手段が、該第2の記憶手段に記憶されている解像度の種類の中で、該画像表示装置から読み出した解像度の種類と一致する解像度の種類を、該第1の記憶手段に登録する、請求項1または2に記載の画像送受信装置。
【請求項4】
前記第1の規格がDVI規格であり、前記第2の規格がHDMI規格である、請求項2または3に記載の画像送受信装置。
【請求項5】
外部に接続される画像再生装置から画像データを受信する画像受信ステップと、
外部に接続される画像表示装置に該画像データを送信する画像送信ステップと、
該画像再生装置が読み出す解像度の種類を記憶するための第1の記憶手段に、解像度の種類を登録する解像度登録ステップと、
該画像表示装置に予め記憶されている解像度の種類を、該画像表示装置から読み出す読出ステップと、
接続されている該画像表示装置が第1の規格に準拠しているか否かを判断する判断ステップとをコンピュータに実行させ、
該画像表示装置が該第1の規格に準拠していると判断された場合に、該解像度登録ステップにおいて、画像送受信装置の第2の記憶手段に予め記憶されている解像度の種類の全てが該第1の記憶手段に登録される、画像送受信装置の動作プログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−79176(P2007−79176A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267698(P2005−267698)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【特許番号】特許第3861915号(P3861915)
【特許公報発行日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】