説明

画像除去により再利用可能な媒体用のプロセスおよび装置

【課題】紙媒体または他の媒体から、印刷された情報を除去する方法および装置を提供する。
【解決手段】印刷画像を除去するために、印刷画像を有する媒体を光学的に走査して、前記印刷画像の複数の画像画素位置を電子画像データ群としてマッピングするステップと、前記電子画像データ群から走査線画像データ群を生成するステップと、前記走査線画像データ群に従って前記媒体上の複数の画像画素位置で1つ以上の光アブレーションを行って、前記媒体から前記印刷画像を除去するステップとを含み、1つ以上の光アブレーションによって、媒体の少なくとも一面から印刷画像および/または印刷画像の画像部分を除去して、媒体が再利用できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
パーマネントインクを使用した紙媒体は、再利用できずに、読み取られた後しばしば廃棄される。使用済みの再利用不可の紙媒体を取り扱う従来の方法には、同媒体を埋立地に処分する方法が含まれる。廃棄される紙媒体の量が莫大となるため、この処分では、かなりのコストおよび環境問題が引き起こされる。
【0002】
使用済みの再利用不可紙媒体を取り扱う従来の方法には、リサイクル(再生利用)して紙製造のエネルギを節約する方法もある。しかしながら、紙リサイクルプロセスは、材料および設備用に新たなコストを必要とする。例えば、使用済みの再利用不可紙媒体は、中央処理施設へ搬送する必要があり、リサイクルプロセスの後、リサイクルされた紙媒体は、エンドユーザへ供給するために梱包する必要がある。場合によっては、再利用不可紙媒体のバッチ処理が、リサイクル不可能な、受け入れできない紙またはインクを含むことがあるので、再処理が機能しなくなる。
【0003】
使用済みの再利用不可紙媒体に関するさらなる問題は、使用済みの再利用不可紙に印刷された、特に政府または軍事活動などの機密情報のセキュリティ問題に関係するが、これは、これらの再利用不可紙が、くずかご、リサイクル用回収容器、焼却用回収容器内で、またはシュレッダ内でさえも入手可能となるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、さらにどんな処置を行っても、その前に使用済みの再利用不可紙から機密情報を局所的に除去することが望ましい。紙媒体または他の媒体から、印刷された情報を除去する方法および装置を提供することも望ましい。紙媒体または他の媒体を、処分するまたはリサイクルする代わりに、再利用することがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
種々の実施形態によれば、本教示は、印刷画像を除去する方法を含む。印刷画像を除去するために、その上に印刷画像を有する媒体を走査して、印刷画像の複数の画像画素位置を電子画像データ群としてマッピングすることができ、電子画像データ群から走査線画像データ群を生成することができる。走査線画像データ群によって媒体上の複数の画像画素位置で1つ以上の光アブレーションを行って、媒体から印刷画像を除去することができる。
【0006】
種々の実施形態によれば、本教示は、走査機器および画像除去ステーションを含む印刷除去装置も含む。走査機器は、媒体の少なくとも一面上にある印刷画像を、画素ベースで電子画像データ群としてマッピングするように構成することができる。画像除去ステーションは、光コントローラおよび1つ以上の光源を含むことができる。光コントローラは、電子画像データ群を走査線画像データ群に変換するとともに、走査線画像データ群に基づいて印刷画像上で光アブレーションを選択的に制御するように構成することができる。1つ以上の光源は、光アブレーションを提供するように構成することができる。
【0007】
種々の実施形態によれば、本教示は、電子画像データ群を供給する走査機器を通じて、媒体の少なくとも一面上で印刷画像の複数の画像画素位置を検出することによって、印刷画像を除去する方法をさらに含む。領域編集コントローラは、印刷画像から1つ以上の画像部分を選択して、走査機器が供給する電子画像データ群を修正するのに用いることができ、修正された電子画像データ群は、1つ以上の画像部分の複数の選択された画像画素位置に対応する。修正された電子画像データ群に基づいて、走査線画像データ群は、光コントローラによって生成することができる。走査線画像データ群に従って、光アブレーションはスイッチをオンされて、複数の選択された画像画素位置に照射するとともに、媒体から印刷画像の1つ以上の画像部分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本教示の種々の実施形態によって、媒体から印刷画像を除去する典型的な方法を示す図である。
【図2A】本教示の種々の実施形態によって、2重媒体経路を用いて媒体から印刷画像を除去する典型的な方法を示す図である。
【図2B】本教示の種々の実施形態によって、2重媒体経路を用いて媒体から印刷画像を除去する典型的な方法を示す図である。
【図3】本教示の種々の実施形態によって、媒体から印刷画像の選択された画像部分を除去する典型的な方法を示す図である。
【図4A】本教示の種々の実施形態によって、図3に示される方法を用いて印刷画像の逆画像を発生させる典型的な方法を示す図である。
【図4B】本教示の種々の実施形態によって、図3に示される方法を用いて印刷画像の逆画像を発生させる典型的な方法を示す図である。
【図4C】本教示の種々の実施形態によって、図3に示される方法を用いて印刷画像の逆画像を発生させる典型的な方法を示す図である。
【0009】
図面の一部の詳細は、構造的正確さ、細部、および縮小/拡大比率を厳密に維持するよりも、むしろ実施形態の理解を容易にするように、単純化されて描かれたことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の実施形態は、1つ以上の光アブレーションによって、媒体の少なくとも一面から印刷画像および/もしくは印刷画像の画像部分を除去して、媒体が再利用可能となる、または少なくとも部分的に再利用可能となるようにする方法ならびに装置を提供する。実施形態では、印刷画像および/または画像部分の除去は、媒体から除去する必要がある印刷画像/画像部分の画像画素位置で、正確な光学的制御を備えた典型的な光アブレーションによって、成し遂げることができる。画像画素位置は、走査機器が、光コントローラに電子画像データを供給して光アブレーションを制御することによって、検出することができる。
【0011】
図1は、本教示の種々の実施形態によって、媒体から印刷画像を除去する例示的な方法100を示す。図示されるように、図1は、ユーザインターフェース102、媒体経路制御部108、入力容器105、走査機器110、画像除去ステーション130、および出力容器150を含む。
【0012】
ユーザインターフェース102は、例えば、媒体の少なくとも一面上に印刷画像を含む印刷媒体を供給するのに用いることができる。媒体は、例えば、紙シートなどの印刷基板とすることができる。
【0013】
本明細書で開示されるように、印刷画像は、トナー画像、インク画像、手書きメモ、漂遊マークおよび/または媒体上にある任意のマークのうちの1つ以上を含むことができる。媒体上の印刷画像は、モノクロとすることができ、または種々のカラーを含むことができる。実施形態では、媒体の1つ以上の面のうちの各面は、印刷媒体を含むことができ、次いで印刷媒体は、その媒体から同時にもしくは連続して処理しまたは除去することができる。実施形態では、媒体の1つ以上の面のうちの各面上で印刷画像から選択された画像部分が、その媒体から同時にもしくは連続して処理しまたは除去することができる。
【0014】
媒体経路制御部108は、印刷媒体、すなわち印刷画像をその上に有する媒体の物理的経路を提供することができる。例えば印刷媒体は、入力容器105に送られ、走査機器110および画像除去ステーション130を通過し、その後で出力容器150で受け取る(例えば積み重ねられて)ことができる。
【0015】
走査機器110は、媒体上の印刷画像を、例えば画素ベースでマッピングするのに用いることができる。すなわち、印刷画像を形成する各画像画素の正確な位置が、印刷媒体を光学的に走査することによって検出することができる。次いで走査機器110は、印刷画像の画像画素位置を決定する電子画像データを生成するとともに、この情報を、例えばシート当たりの電子画像データの形式で画像除去ステーション130へ回すことができる。
【0016】
実施形態では、発生した電子画像データは、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)情報および/またはRGB(レッド、グリーン、およびブルー)情報を含むことができる。例えば走査機器110は、グレーレベルで描かれたモノクロの電子画像データを生成することができ、および/またはCMYKインク用にグレーレベルで電子画像データの多重チャンネルを生成することができる。実施形態では、ペンまたは鉛筆による媒体上の手書きメモまたは漂遊マークに対しては、走査機器110は、これらのマークも検出するとともに、電子画像データ内にそれらを含むことができる。
【0017】
実施形態では、電子画像データ群は、例えばUSB接続、無線通信などによって、ネットワークを通じて入力して、走査機器110の必要性を回避することができる。これは、用紙のスタックが処理されることになるとき、役立つことができ、この場合、そのスタックの各画像は同一となる。
【0018】
図1の画像除去ステーション130は、例えば光コントローラ132および1つ以上の光源135を含み、1つ以上の光アブレーションを提供することができる。
【0019】
光コントローラ132は、走査機器110またはUSB接続が供給する電子画像データ群を用いて、画像除去ステーション130内の光アブレーションゾーンで行われる光アブレーションを制御することができる。言い換えれば、光コントローラ132は、電子画像データ群を走査線画像データ群に変換するとともに、光アブレーションを制御可能にオン/オフスイッチングするように構成することができる。
【0020】
走査線画像データ群に基づく光アブレーションは、隣接する画像画素位置間の非画像領域が、光アブレーションによって処置されないものの、印刷画像の画像画素位置上に光アブレーションを向けることによって、画素ベースで印刷画像を除去することができる。同様に、光アブレーションの制御されたオン/オフスイッチングは、レーザなどの光源135が、その間ずっとレーザをオンにしておくのとは対照的に、少量の時間割合の間、導電されることを可能にすることができる。このように、媒体から印刷画像を除去するのに用いられるエネルギは、著しく削減することができる。例えば、典型的なモノクロ事務文書は、媒体の5%を含む印刷画像を有する。この場合、レーザは、印刷媒体のシート全部を処理する時間の5%、オンとすることができる。
【0021】
光源135は、1つ以上の波長で、例えばさまざまなモノクロおよびカラー印刷物から印刷画像を除去するのに用いることができる。一実施形態では、光源135は、約266nm、355nm、532nm、1064nmなどの波長を有するレーザを含むことができる。例えば、New Wave Research(Fremont,CA)が製造するQuikLaze 50ST2レーザは、印刷画像を除去するレーザアブレーションを行うのに用いることができる。
【0022】
実施形態では、光アブレーションを制御することによって、印刷画像の除去を制御することができる。例えば、光アブレーションの光パワー、光スポットサイズ、および/または光スポット形状のうちの1つ以上は、制御することができる。実施形態では、光パワーは、約0.1ミリジュール/パルスから約0.7ミリジュール/パルスまで、もしくは約0.2ミリジュール/パルスから約0.6ミリジュール/パルスまで、または約0.3ミリジュール/パルスから約0.5ミリジュール/パルスまでの範囲内で制御することができる。光スポットサイズは、直径で、約120μmから約180μmまで、もしくは約130μmから約170μmまで、または約140μmから約160μmまでの範囲内で制御することができる。実施形態では、光スポット形状は、均整のとれたまたは不均整とすることができる。例えば、光スポット形状は、円、長円体の形状、および/または適切な他の形状を含むことができる。
【0023】
実施形態では、画像除去プロセスは、アブレーションステーションを印刷媒体に合わせるレジストレーション(位置合わせ)を必要とすることがあり、これは、従来の電子写真式プリンタにおいて画像を紙に合わせるレジストレーションと同様とすることができる。例えば媒体は、制御アルゴリズム、センサ、ならびに媒体および/または画像除去ステーションの電気機械式調節器によって、画像除去ステーションにレジストレーションすることができる。例えば、光学焦点および光スポットサイズは、走査画素サイズよりも大きい光スポットサイズを有することによって、アブレーションステーションを印刷媒体に合わせるレジストレーションに対処することができ、それゆえにレジストレーションにある程度の自由度を可能にする。実施形態では、光アブレーションは、媒体から印刷画像を光学的に切除して除去するのに同一の走査線画像データ群を用いて、2回以上行うことができる。次いで媒体は、例えばプリンタまたは複合機(MFD)で、再利用の用意ができたとすることができる。
【0024】
実施形態では、図2A〜図2Bに示されるように、2重媒体経路280Aまたは280Bは、媒体の2つ以上の面が印刷画像をその面上に有するとき、図1に示される方法/装置に用いることができる。
【0025】
図2Aに図示される例では、図1に示されるように、画像除去ステーション130から媒体の第1面上の第1印刷画像を除去することに引き続いて、媒体は、2重媒体経路280Aを通して走査機器110へ戻って、図1に示される方法を繰り返すことによって、媒体の第2面上の第2印刷画像を除去することができる。例えば、媒体の第2面上の第2印刷画像は、画素ベースでマッピングされて、第2印刷画像に対応する第2電子画像データ群を提供することができる。次いで、走査機器110が発生する第2電子画像データ群に対応する第2走査線画像データ群は、例えば画像除去ステーション130の光コントローラによって生成することができ、さらに光源のスイッチをオンして、光アブレーションゾーン内の第2印刷画像上で光アブレーションを行うのに用いることができる。次いで第2印刷画像は、媒体の第2面から除去することができ、その媒体は出力容器150へ渡され、再利用の用意ができたとすることができる。
【0026】
図2Bに図示される例では、走査機器110は、画像除去ステーション130を通して印刷媒体を通過させる前に、1回の通過で、印刷媒体の第1面および第2面を連続してまたは同時に走査することができる。次いで対応する電子画像データ群は、走査機器110によって発生することができ、次いで電子画像データ群に基づいてそれぞれ対応する走査線画像データ群は、図1に示されるのと同様に、光コントローラ132によって同時にまたは連続して発生することができる。第1印刷画像が、第1走査線画像データ群に基づいて1つ以上の光アブレーションによって媒体の第1面から除去された後、媒体は、光アブレーションを行うために経路280Bを通して戻り、第2走査線画像データ群に従って媒体の第2面から第2印刷画像を除去することができる。
【0027】
図3は、本教示の種々の実施形態によって、除去領域を編集する典型的な方法を示す。例えば、媒体の1つ以上の面のうちの各面上における印刷画像の1つ以上の画像部分は、印刷画像の非選択領域が媒体上に残存している可能性がある限り、編集しまたは選択することができ、次いで画素ベースで媒体から除去することができる。
【0028】
具体的には、図3は、図1に示される方法または装置へ組み込むことができる領域編集コントローラ320を含むことができる。典型的な除去プロセスでは、印刷媒体は、その媒体の少なくとも一面上に印刷画像を有し、入力容器105に送られ、走査機器110を通過して、画素ベースで印刷画像をマッピングするとともに、印刷画像全部の電子画像データ群を提供することができる。
【0029】
領域編集コントローラ320は、媒体上の印刷画像から1つ以上の画像部分を選択するとともに、走査機器110が印刷画像全部に供給する電子画像データ群を修正するのに用いることができる。修正された電子画像データ群は、選択された画像部分の選択された画像画素位置に対応することができる。一部の実施形態では、選択された画像部分は、例えば、カラーがさらに重ね合わされないブラックテキストだけの領域とすることができる。
【0030】
例えば、領域編集コントローラ320は、選択された画像部分の領域の範囲を定める任意選択のユーザインターフェース322と、選択された画像部分の形状に関するテンプレート情報を外部アプリケーションから受ける任意選択のインターフェース324と、選択された画像部分を走査された電子画像データと統合するとともに、画像除去ステーション130と通信するハードウェア/ソフトウェア制御部326とを含む。画像除去プロセスは、選択された画像部分の外側の領域または画像画素に対しては、作動されないようになることに留意されたい。
【0031】
実施形態では、選択された画像部分は、領域編集コントローラ320によるテンプレートを用いた、長方形、正方形、長円体、円、および/または自由形状を含むがこれらに限定されない、種々の2次元形状を有することができる。媒体の一面上の選択された画像部分は、同一のまたは異なる形状を有することができる。領域編集コントローラ320を用いて、種々のテンプレート/形状が画像部分を選択するのに用いることができる。例えば、図4Aは、領域編集コントローラ320の外部入力からの、典型的な星画像テンプレート400Aを示す。この画像テンプレートが、図4Bの印刷領域400Bなどの印刷画像に組み込まれると、画像テンプレート400Aは、図4Cに示されるように、印刷領域上に逆画像を作成するのに用いることができる。
【0032】
図3を再び参照すると、領域編集コントローラ320を通過した後、印刷媒体は、図1に描かれるのと同様に、除去ステーション130を通過することができ、修正された電子画像データ群は、除去ステーション130において光コントローラによって走査線画像データ群に変換することができる。次いで光コントローラは、走査線画像データ群に基づいて、媒体上の印刷画像の選択された画像部分上で、画素ベースで光アブレーションを制御するのに用いることができる。印刷画像の選択された画像部分上の光アブレーションによって、部分的に再利用可能な媒体を得ることができ、および/または出力容器150で受け取ることができる。
【0033】
実施形態では、図3に示される方法は、本教示の種々の実施形態に従って図2A〜図2Bに示されるのと同様に、種々の2重媒体経路も含むことができる。
【0034】
例えば、図3に示されるように、媒体の第1面上の第1印刷画像の画像部分を除去することに引き続いて、図3の走査機器110へ媒体を戻して第1印刷画像に関するプロセスを繰り返すことによって、第2印刷画像の1つ以上の画像部分から成る第2群を選択し、媒体の第2面から除去することができる。
【0035】
図2Bに示される別の実施例では、画像部分を除去する方法300は、例えば、走査機器110を用いて、電子画像データ群をそれぞれ第1印刷画像および第2印刷画像に、同時にまたは連続して供給するステップと、領域編集コントローラ320によって、第1印刷画像の1つ以上の画像部分から成る第1群に対応する、電子画像データから成る第1修正群、および第2印刷画像の1つ以上の画像部分から成る第2群に対応する、電子画像データから成る第2修正群を、同時にまたは連続して供給するステップと、光コントローラ132によって、第1印刷画像の1つ以上の画像部分から成る第1群用の第1走査線画像データ群、および第2印刷画像の1つ以上の画像部分から成る第2群用の第2走査線画像データ群を生成するステップと、光アブレーションによって、媒体の第1面から1つ以上の画像部分から成る第1群を除去するステップと、光アブレーションゾーンを通して画像除去ステーション130内へ媒体を戻して、第2走査線画像データ群に従って第2印刷画像から1つ以上の画像部分から成る第2群を除去するステップとを含むことができる。
【0036】
一部の実施形態では、図1、図2A〜図2B、および図3に示される装置は、本開示の装置からプリンタ/MFDへの媒体シートの自動搬送を備えたプリンタ/MFDと、一列に並んで構成することができる。別の実施形態では、図1、図2A〜図2B、および図3に示される装置を、本開示の装置からプリンタ/MFDへの媒体シートの自動搬送または手動搬送を備えたプリンタ/MFDとニアラインで構成することができる。
【0037】
実施形態では、図1、図2A〜図2B、および図3に示される装置は、空気処理、および廃液が事務環境内へ流出するのを防止するのに適切なフィルタを含むことができる。
【実施例】
【0038】
印刷画像の実施例には、Xerox WorkCentre Pro 5675トナー(従来のモノクロトナー)のインク/トナーサンプル、Xerox DocuColor 250のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックトナー(ケミカルトナー)、ならびにXerox Phaser 8860MFPのシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックインク(固体インク)が含まれた。媒体の実施例には、Xerox 4200の非コート紙およびXerox Color Xpressions Plusの非コート紙が含まれた。
【0039】
使用されたレーザは、New Wave Researchが製造した、532nmで出力するQuikLaze 50ST2であった。インク/トナーの除去は、15Hzのパルス周波数、150um/秒の走査速度で、約0.18ミリジュール/パルスから約0.54ミリジュール/パルスまでのレーザの下に、1回の通過で試験された。紙媒体上のこれらの画像サンプル間において、ブラックトナー/インクに対して処置された領域は、印のない白紙に対して、測定のエラーバー(誤差範囲)内で4から6のデルタE(色空間距離)を有し、もしあれば、わずかのトナー粒子が顕微鏡検査のもとで目に見える程度であった。例えば、イエロートナー/インクを除去すると、目に見える何らかの残留物を残した。カラートナー/インクの除去に対しては、シアンおよびマゼンタトナー/インクの除去は、約、ブラックトナー/インクの除去と同程度に効果的である。
【0040】
単一の紙経路にとっては、計算されたページ当たりの省エネルギは、再利用可能な紙シートを作成する本開示の方法を用いると、新たに製造されたシートを用いる場合と比較して(搬送の原因を伴わずに)、少なくとも約85%であった。2重の紙経路にとっては、計算されたページ当たりの省エネルギは、新たに製造されたシートを用いる場合と比較して(搬送の原因を伴わずに)、少なくとも約70%であった。これらの計算では、壁面コンセント電力からレーザ出力への変換を5%と仮定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷画像を除去する方法であって、
(a)印刷画像を有する媒体を光学的に走査して、前記印刷画像の複数の画像画素位置を電子画像データ群としてマッピングするステップと、
(b)前記電子画像データ群から走査線画像データ群を生成するステップと、
(c)前記走査線画像データ群に従って前記媒体上の複数の画像画素位置で1つ以上の光アブレーションを行って、前記媒体から前記印刷画像を除去するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記媒体は、前記媒体の第1面上に第1印刷画像を含み、かつ前記媒体の第2面上に第2印刷画像を含み、
前記媒体から印刷画像を除去する方法は、
前記ステップ(a)〜(c)を用いて、前記媒体の前記第1面から前記第1印刷画像を除去するステップと、
前記ステップ(a)〜(c)によって走査するために前記媒体を戻して、前記媒体の前記第2面から前記第2印刷画像を除去するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体は、前記媒体の第1面上に第1印刷画像を含み、かつ前記媒体の第2面上に第2印刷画像を含み、
前記媒体から印刷画像を除去する方法は、
前記ステップ(a)によって、前記媒体の前記第1面上の前記第1印刷画像および前記媒体の前記第2面上の前記第2印刷画像を光学的に走査するステップと、
前記ステップ(b)によって、前記第1印刷画像に対応する第1走査線画像データ群および前記第2印刷画像に対応する第2走査線画像データ群を生成するステップと、
前記ステップ(c)によって、前記1つ以上の光アブレーションによって、前記媒体の前記第1面から前記第1印刷画像を除去するステップと、
前記ステップ(c)によって前記1つ以上の光アブレーションを行うために前記媒体を戻して、前記第2走査線画像データ群に基づいて前記媒体から前記第2印刷画像を除去するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
印刷除去装置であって、
媒体の少なくとも一面上にある印刷画像を、画素ベースで電子画像データ群としてマッピングするように構成される走査機器と、
光コントローラおよび1つ以上の光源を含む画像除去ステーションとを含み、
前記光コントローラは、前記電子画像データ群を走査線画像データ群に変換するとともに、前記走査線画像データ群に基づいて前記印刷画像上で光アブレーションを制御するように構成され、
前記1つ以上の光源は、前記光アブレーションを提供するように構成される、装置。
【請求項5】
前記1つ以上の光源は、約266nm、約355nm、約532nm、および約1064nmから選択される1つ以上の波長で、前記光アブレーションを提供するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記媒体の少なくとも一面上に前記印刷画像を有する前記媒体を、前記走査機器に供給する入力容器をさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記画像除去ステーションから前記媒体を受け取る出力容器をさらに含み、
前記出力容器内の前記媒体は、再利用の用意ができている、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記媒体の第2面から第2印刷画像を、同時にまたは連続して除去する2重媒体経路をさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
印刷除去装置であって、
媒体の少なくとも一面から印刷画像を、画素ベースで電子画像データ群としてマッピングする走査機器と、
前記媒体上の前記印刷画像から1つ以上の画像部分を選択して、前記走査機器が供給する前記電子画像データ群を修正するように構成されるコントローラであって、前記修正された電子画像データ群は前記選択された1つ以上の画像部分に対応する、領域編集コントローラと、
前記修正された電子画像データ群を走査線画像データ群に変換するとともに、前記走査線画像データ群に基づいて前記印刷画像の前記選択された1つ以上の画像部分において、前記画素ベースで1つ以上の光アブレーションを制御するように構成される光コントローラを含む画像除去ステーションとを含む、装置。
【請求項10】
前記領域編集コントローラは、
前記選択された1つ以上の画像部分の範囲を定めるように構成される、任意選択のユーザインターフェースと、
外部アプリケーションから、前記1つ以上の画像部分の各形状に関するテンプレート情報を受けるように構成される、任意選択のインターフェースと、
前記選択された1つ以上の画像部分を、前記走査機器が供給する前記電子画像データ群と統合して、前記修正された電子画像データ群を供給するとともに、前記画像除去ステーションと通信する、ハードウェアおよびソフトウェア制御部とのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−228874(P2012−228874A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−84581(P2012−84581)
【出願日】平成24年4月3日(2012.4.3)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】