説明

画素化した照明パターンを投影する装置

照明装置であって、見られるべき画素化した照明パターンを、前記装置に面する面上に投影する照明装置が提供される。前記装置は、各照明ユニットが少なくとも1つの発光ダイオードを有する複数の独立して制御可能な照明ユニットと、前記照明ユニットからの発光を制御するコントローラとを有する。本発明による装置は、面のアンビエント照明と、画像及びパターンの投影とを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置であり、見られるべき画素化した照明パターン(pixelated lighting pattern)を、前記装置に面する面上に投影する照明装置であって、各照明ユニットが少なくとも1つの発光ダイオードを有する複数の照明ユニットと、前記照明ユニットからの発光を制御するコントローラとを有する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、オフィス、家、店舗、自動車及び飛行機などの中のような屋内の照明のために、発光ダイオードをベースにした照明装置が考えられている。
【0003】
従来は、このような照明装置の光源としては、蛍光灯及び白熱灯が用いられていた。
【0004】
最近、このタイプの照明装置のための光源として、発光ダイオード(LED)が提案されている。発光ダイオードをベースにした照明装置は魅力的である。なぜなら、一般的に、発光ダイオードの寿命は、蛍光灯及び白熱電球の寿命よりずっと長いからである。更に、発光ダイオードは、白熱電球より電力消費が少なく、将来においては蛍光灯より効率的になると期待されている。
【0005】
非常に高い輝度の光を発する発光ダイオードを供給する高出力LEDの開発が、この進展を早めている。
【0006】
部屋を照明する複数の非常に明るい埋め込まれたLEDを備える天井パネルを特徴とする、LEDをベースにしたオーバーヘッド照明システムの一例が、Baileyに対する米国特許番号第6,764,196号公報に記載されている。しかしながら、米国特許番号第6,764,196号公報に記載されている照明システムは、照明される面上に視覚的に鮮明な情報を表示するのには適していない。
【0007】
従来のデータプロジェクタは、英数字符号、画像、模様及びビデオシーケンスなどの、視覚的に鮮明なユーザインタラクティブ情報(user interactive information)を投影するのには適している。
【0008】
しかしながら、従来のデータプロジェクタは、一般的に、絶えず動作する高輝度放電バルブ及び個々の画素をオン又はオフに切り換えるためのプログラマブルフィルタをベースにしている。従って、従来のデータプロジェクタは、屋内照明用にしては非常に電力を消費する装置であろう。
【0009】
従って、電力消費が少なく、アンビエント照明と、情報投影との両方に用いられ得る照明装置のニーズがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、これらの問題を解決し、アンビエント照明と、情報投影との両方に適する照明源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、或る態様においては、本発明は、照明装置であり、見られるべき画素化した照明パターンを、前記装置に面する面上に投影する照明装置であって、各照明ユニットが少なくとも1つの発光ダイオードを有する複数の照明ユニットと、前記照明ユニットからの発光を制御するコントローラとを有する照明装置を提供する。本発明の照明装置においては、前記照明ユニットは、前記コントローラによって独立して制御可能であり、各発光ダイオードは、限定されたパターンエリア部分(limited pattern area portion)を担当する。
【0012】
画素化した照明パターンは、各照明ユニットが、投影される前記パターンの限定されたエリアを担当する照明ユニットのアレイを用いて面上に投影され得る。これは、光源として発光ダイオードを使用することを可能にする。その一方で、前記照明装置は、面の均一な照明にも用いられ得る。
【0013】
本発明の実施例においては、照明ユニットは、少なくとも、第1の色の、独立して制御可能な第1発光ダイオードと、第2の色の、独立して制御可能な第2発光ダイオードとを有し得る。
【0014】
幾つかの独立して制御可能な異なる色のLED、例えば、赤色、緑色及び青色のダイオードを1つの照明ユニットとして用いることによって、前記光の色は、色の可変な照明装置を供給するよう容易に制御され得る。
【0015】
本発明の実施例においては、前記発光ダイオードは、約20°未満、又は約10°未満、例えば5°未満のコリメーション角度(collimation angle)で光を発するよう構成され得る。好ましくは、前記装置は、前記照明ユニットの各々によって発せられた光を受け取り、受け取った前記光の少なくとも一部を前記照明ユニットの各々の別々の光ビームのようにコリメートし、投影するよう構成されるコリメート手段(collimating means)を有する。
【0016】
各照明ユニットによって発せられた光を細くコリメートすることは、引き続き所望のパターンを投影する可能性を維持しながら、照明されるべき面から例えば約0.1乃至5mの範囲内の或る程度の距離を置いて前記照明装置を配設することを可能にする。幾つかのアプリケーションにおいては、隣接パターンエリア部分の間の滑らかな変化及び/又は均一な照明を得るために、隣接照明ユニットからの前記パターンエリア部分(「画素」)の幾らかの重複部分が必要であり得る。しかしながら、前記重複部分が大きすぎる場合には、面上に所望の画像を投影する可能性は、非常に低いコントラストを持つ画像に限られる。
【0017】
本発明の照明装置における2つの隣接照明ユニット間の距離は、約1mmより大きくてもよく、又は約1cmより大きくてもよく、例えば約10cmより大きくてもよく、又は更に大きくてもよい。これは、限られた数の照明ユニットで面を照明することを可能にする。
【0018】
一般的には、前記距離及び前記コリメーション角度は、前記装置と、前記パターンが投影されるべきである面との間の或る距離に対して所望の画像コントラストを得るために調節されるであろう。
【0019】
本発明の実施例においては、前記コントローラは、画素化したパターンを表わすデータを受け取り、前記照明装置のビーム経路内の面上に前記パターンを投影するよう前記照明ユニットを制御することが可能であり得る。前記パターンを表わすデータを適応させることによって、面上にはあらゆる照明パターンが投影され得る。
【0020】
前記画素化したパターンを表わすデータは、ビデオシーケンスを表わすデータ内に含まれ得る。投影される前記パターンを高い頻度で更新することによって、面上にはビデオシーケンスが投影され得る。
【0021】
本発明の照明装置は、画素化したパターンを表わすデータを前記コントローラに供給するデータプロバイダを有してもよく、又は前記データプロバイダに接続可能であってもよい。前記データプロバイダは、センサ及び処理ユニットを有してもよく、前記処理ユニットは、前記センサからデータを受け取り、前記センサからの前記データを処理して、パターンを表わすデータにするよう構成される。
【0022】
前記センサは、例えば、動き検出器、温度センサ、カメラ、光検出器、マイクなどであり得る。
【0023】
本発明の実施例においては、前記照明ユニットは、第1面と、反対側の第2面とを持つ支持体の第1面上に配設され、ここで、前記支持体は、前記第1面から前記第2面までの換気開口部を有する。
【0024】
高出力LEDは、動作中多くの熱を放散する。前記支持体中の換気のための開口部は、前記装置のより長い耐用年数を供給し得る。
【0025】
以下、本発明の現在好ましい実施例を示している添付図面を参照して、本発明のこれら及び他の様態をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に図示されている本発明の一例としての実施例は、2×1.6mという大きさの略々長方形のパネル2上に配設される色及び輝度を変えられる照明ユニット1の20×16個の長方形の行列を有する。照明ユニットは、10cmのピッチを持つ長方形格子内に配設される。
【0027】
各照明ユニットは、赤色ダイオード3、青色ダイオード4、緑色ダイオード5及び白色ダイオード6という4つの発光ダイオードのセットを有する。
【0028】
ダイオードの各々は、別々の照明ユニット1の各々の中のLEDの各々によって発せられる光の輝度を独立して制御することが出来るLEDコントローラ7に接続される。
【0029】
発光ダイオードの各々からの光をコリメートして、略々8°のコリメーション角度を持つ細い光ビームにするために、発光ダイオード3、4、5、6上にはコリメータ8が配設される。
【0030】
コリメータは、略々、パネルの面に対する垂線の中心方向(median direction)に、光を投影するよう構成される。
【0031】
各照明ユニット1からの光ビームは、細くコリメートされ、パネルから離れる方向に平行に方向づけられるので、異なる照明ユニット1からの異なる光ビームは、照明装置によって照明される面の異なる限定されたエリア、「画素」を照明する。
【0032】
これは、面の照明のために、装置のビーム経路内に配置される面上に、20×16画素の解像度(照明ユニットの数と同じ解像度)を持つ照明パターンを投影することを可能にする。従って、各照明ユニットは、限定されたパターンエリア部分を担当する。
【0033】
本願明細書で用いられているような、「投影照明パターン」という用語及び関連用語は、本発明の装置によって面上に投影され、面を照明する光の領域を指す。投影パターンは、光の単一の点若しくは単一の離散点、略々一様な白色若しくは有色領域などの光の均一な領域、テキスト若しくは画像のような任意の情報を表わすパターン、又はアブストラクトパターン(abstract pattern)であってもよい。
【0034】
投影照明パターンは、ビデオシーケンス内の単一のフレームを表わしてもよく、投影パターンを高い頻度で更新することによって、ビデオシーケンスのような動画の印象(impression)が、面上に投影されてもよい。
【0035】
各照明ユニットは、パターンエリアの限定された一部の照明を担当する。従って、投影照明パターンは、各照明ユニットがパターンの一画素を担当する「画素化したパターン」と呼ばれるものである。しかしながら、隣接画素、即ち、隣接パターンエリア部分は、場合によっては、パターンの隣接画素間の滑らかな変化を供給するために、少なくとも部分的に重なり合ってもよい。
【0036】
上記の実施例の構成においては、装置から面までの距離が約1乃至1.20mである場合に、隣接照明ユニットによって照明されるエリア(画素)は部分的に重なり合う。これは、画素間の滑らかな変化を与える個々に制御可能な画素をもたらす。従って、全照明ユニットが同じ色及び輝度で動作している場合には、均一に照明された面という印象が与えられる。更に、隣接照明ユニットが異なる輝度及び/又は色で動作する場合には、投影パターンの隣接画素間の輝度/色の滑らかな変化が与えられる。
【0037】
更に、或る画素の輝度が、(輝度が、一方から他方へ徐々に移るように)補間アルゴリズムを用いて隣接画素へ移される場合には、観察者にとっての知覚解像度は、画素ピッチによって期待され得る解像度よりずっと高い。
【0038】
動作モードにおいては、照明ユニット1の発光ダイオード3、4、5、6からの様々な光ビームは、略々同じエリアを照明する。1つのユニットの様々なダイオードの輝度を変えることによって、様々な色の光ビームがこのエリアを照明し、可変色光源を形成する。
【0039】
コントローラ7は、各照明ユニット内の発光ダイオードの各々を制御することにより、照明ユニット1の各々によって発せられる光の色及び/又は輝度を制御する。
【0040】
照明ユニットは、1つ以上の発光ダイオードを有し得る。一般的な可変色照明ユニットは、少なくとも2つの、異なる色の発光ダイオード、一般的には、赤色、緑色及び青色の発光ダイオード、並びに随意に、白色の発光ダイオードを有する。可変色照明ユニット内の様々な色のLEDは、輝度を独立して制御可能である。ダイオードの各々からの光ビームは、照明される面の略々同じエリアを照明するので、様々な色が混ぜ合わさって可変の色を供給する。モノクロの照明ユニットは、一般的に、1つ以上の、同じ色の発光ダイオードを有する。
【0041】
本願明細書で用いられているような、青色又は赤色発光ダイオードなどの発光ダイオードの色は、発光ダイオードによって発せられる光の知覚される色を指す。
【0042】
本願明細書で用いられているような、発光ダイオードは、従来の無機ベースのLED、有機ベースのLED(OLED)及びポリマをベースにしたLED(polymeric based LEDs)(polyLED)を含む全てのタイプの発光ダイオードを含む。ここで言及されている発光ダイオードは、或る色の光を供給するために発光色変換化合物を具備する発光ダイオードであり、紫外線から赤外線までの範囲内の任意の色の光を発することが可能である。例えば、白色光のLEDは、青色光のLEDと、黄色放射化合物とを用いて供給されてもよく、前記白色光のLEDにおいては、色が変換された黄色光と、色が変換されなかった青色光とが混ぜ合わさって、略々白色の光になる。更に、発光ダイオードは、レーザーダイオード、即ち、レーザー光を発する発光ダイオードも含む。
【0043】
本願の照明装置において用いられ得る発光ダイオードは、高輝度発光ダイオードに分類される発光ダイオードを含むが、これに限定されない。
【0044】
本発明の実施例においては、照明ユニットはコリメータを具備してもよい。このようなコリメータは、LEDによって発せられた光を受け取り、受け取った光を、コリメートされた光ビームとして投影するよう構成される。
【0045】
本願明細書で用いられているような、「コリメーション角度」という用語は、光円錐の中心と、最大ビーム輝度の半分のビーム輝度の場所との間の角度の2倍の角度として決定される。
【0046】
一般的には、所望のコリメーション角度は、20°未満、又は10°未満、例えば5°未満である。
【0047】
しかしながら、本発明の装置のための適切なコリメーション角度は、照明ユニットの行列のピッチ、即ち、隣接照明ユニット間の距離と、照明ユニットから照明されるべき面までの距離とに依存するであろう。
【0048】
2つの隣接画素間に作成され得るコントラストを増大させ、ぼけ(blur)を減らすためには、距離が大きければ大きいほど、コリメーション角度は小さくなければならないであろう。この情報を与えられた適切なコリメーション角度は、当業者には容易に導き出せるであろう。
【0049】
大きいコリメーション角度は、より多くのぼけと、より低いコントラストとをもたらし、画像が投影される面から非常に短い距離のところに照明源を配置すること、又は隣接照明ユニットを互いから遠く離して配設することを必要とする。
【0050】
本発明の実施例においては、各発光ダイオードは、その発光ダイオードによって発せられた光をコリメートする別々のコリメータを具備する。
【0051】
当業者には分かるであろうように、所望のコリメート効果及び投影効果を達成するために幾つかの異なるタイプのコリメータが用いられてもよい。
【0052】
本発明の実施例においては、低プロファイル(low profile)を持つコリメータ、「フラットコリメータ(flat collimators)」を用いることは有利であり得る。図2a及び2bには、このようなフラットコリメータを備える照明ユニットの構成の一例が示されており、ここでは、赤色LED21、緑色LED22及び青色LED23が、各々、別々のコリメータ24、25及び26を具備する。
【0053】
LEDコントローラ7は、好ましくは、照明装置内の各LEDによって発せられる光の輝度を独立して制御することが可能であるLEDコントローラである。他の例においては、LEDコントローラ7は、各々が、装置内のLEDのサブ部分を制御するが、一緒に1つのLEDコントローラの役割を果たす2つ以上の協働するLEDコントローラのネットワークを有してもよい。
【0054】
当業者には明らかであろうように、LEDコントローラは、アクティブ及びパッシブマトリックスアドレッシングなどであるが、これらに限定されない様々なアドレッシング方法によって、個々のLEDを制御してもよい。
【0055】
本発明の実施例においては、LEDコントローラは、パターンを表わすデータを受け取り、装置のビーム経路内の面上にこのパターンを投影するために、このデータを処理して、装置のLEDの各々のための個々の制御信号にすることが可能である。
【0056】
有利なことには、パターンデータは、照明ユニットのアレイの解像度と同じ解像度の画素化した画像を表わしてもよく、ここでは、受け取られる画像内の各画素は、対応する照明ユニットによって発せられるべき光の色及び/又は輝度を表わす。
【0057】
本発明の実施例においては、パターンを表わすデータは、ビデオシーケンス内に含まれる画像フレームである。LEDのオン・オフ応答時間は非常に短い。従って、照明装置によって投影されるパターンは、照明される面上にビデオシーケンスを投影するために、毎秒数回更新され得る。これは、従来のビデオプロジェクタに匹敵する。
【0058】
本発明の実施例においては、照明装置は、データプロバイダを具備する、又はデータプロバイダに接続される。データプロバイダは、面上に投影されるべきパターンを表わすデータをコントローラに供給する。
【0059】
所定の画像、パターン又はビデオシーケンスのプロバイダ、及び様々なタイプのセンサを有するプロバイダのようなインタラクティブデータプロバイダを含む、幾つかのこのようなデータプロバイダは、本発明における使用に適すると考えられる。
【0060】
センサの例は、動き検出器、温度センサ、カメラ、光検出器、マイクなどを含むがこれらに限定されない。ここで、センサからの、検出されるプロパティ(property)の変化に対する応答は、照明装置によって発せられる光パターンの変化をもたらす。
【0061】
図3において概略的に示されているような一例においては、カメラ31が、画像処理ユニット32に接続され、画像処理ユニット32が、照明装置34を制御するLEDコントローラ33に接続される。
【0062】
カメラ31は、絶えず、画像処理ユニット32に、照明装置34のビーム経路内のエリアの画像を供給する。カメラによって取り込まれた画像は、画像処理ユニットによって分析される。画像又は画像のシーケンスから抽出されるデータに基づいて、表示されるパターンが適応され、所定のパターン又はパターンのシーケンスが生成される。
【0063】
或る例においては、画像処理装置32は、ビーム経路内に或るオブジェクト35が存在するかどうかを検出してもよい。これは、照明パターンを表わすデータをコントローラ33に送るよう、画像処理装置32を作動させて、オブジェクト35が置かれている面を照明するよう、照明装置34によってこの照明パターンが投影される場合に、オブジェクト35が目立たされるようにする。
【0064】
このようなアプリケーションの一例は、会議用テーブルの上に配設される、会議用テーブルの照明のための本発明の照明装置である。テーブルの或るエリアに紙が置かれている場合、会議用テーブルの、紙が置かれているエリアを目立たせるために、カメラ及び画像処理ユニットが、紙の存在及び位置を検出し、LEDコントローラにデータを送る。
【0065】
画像処理装置は、動きを検出し、照明装置からの照明パターンをこの動きに適応させることも可能であり得る。
【0066】
別の例においては、画像処理ユニットは、様々なオブジェクトを認識し、認識されるオブジェクトに依存して異なるデータをコントローラに供給するよう適応される。
【0067】
或る例においては、ホッケー用パックの存在が面上に検出される場合に、照明源は、光のビームでパックの動きを追跡しようとするであろう。
【0068】
別の例においては、照明装置のビーム経路内の、立方体などの特定の形状のオブジェクトが検出され、これは、立方体の姿勢に依存して照明装置に挙動を変化させるであろう。
【0069】
更に別の例においては、面上に置かれた棒の向き及び/又は位置が検出され、棒の向き及び/又は位置に依存して、投影照明パターンの色が変化する。
【0070】
更に別の例においては、例えば、顔の表情の画像解析、音声分析又は心拍数(heart pulse rate)の測定などによって、人の気分が検出され、その結果に基づいてパターンが適応される。嬉しそうな顔つきは、光を黄色にし、顔つきに表れているような気分を高め得るのに対して、悲しそうな顔つきは、光を青色にする、又は顔つきに表れているような気分を改善するために明るくきらめく照明スクリプト(lighting script)を開始する。
【0071】
一般的には、本発明の照明装置は、任意の種類の基板又はパネル上に配設される照明ユニットを有する。
【0072】
本発明の実施例においては、照明ユニットは、照明装置と略々同じ大きさのエリアを照明するために、基板の面に対する垂線に略々沿った方向に、平行に光を発するよう、略々平坦なパネル上に配設される。
【0073】
本発明の他の実施例においては、照明ユニットは、照明装置からの発光全体が、発散光束(diverging bundle)を形成し、斯くして、基本的に照明装置の面積より大きい面積を照明するように、光を発するよう配設される。或る例においては、照明ユニットは、凸状パネル上の行列内に配設され、各特定の照明ユニットは、特定の照明ユニットの位置におけるパネルの面の垂線に平行な方向に光を発するよう配設される。
【0074】
本発明の照明装置は、一般的に、天井内に配設され、又は天井から吊るされ、それの下又は上に位置する面を照明するよう設計され得る。しかしながら、本発明の照明装置は、壁に配設され、且つ/又は壁若しくは任意の他の面/オブジェクトを照明するようにも設計され得る。
【0075】
本発明の装置は、一般的に、店舗、オフィス、又はバス、自動車、飛行機若しくは電車などの乗り物の中のような屋内環境において用いられ得る。しかしながら、当業者には他の用途は明らかであろう。
【0076】
当業者には、本発明は、決して、上記の好ましい実施例に限定されないことは分かるであろう。それどころか、添付した特許請求の範囲内で、多くの修正例及び変形例が考えられる。例えば、高輝度発光ダイオードは、アクティブ状態にある場合に多くの熱を放散する。従って、本発明の照明装置の良好な換気を供給することは有利であり得る。従って、本発明の実施例においては、照明装置は、換気を供給するために、照明される面に面する基板の前面に、基板の裏面までの開口部を持っていてもよい。他の例においては、照明装置は、装置の換気を可能にするために、例えば、照明ユニットの行又は列ごとに1つの基板といったように、間隔をおいて配置された複数の別々の基板を有し得る。
【0077】
上記の実施例においては、照明装置によって照明されることが可能なエリアは、略々長方形の領域である。しかしながら、当業者には明らかであろうように、例えば、略々円形、楕円形又は三角形の領域などの他の形状の領域も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の照明ユニットの現在好ましい実施例を概略的に図示する。
【図2a】本発明の実施例の詳細の上面図を概略的に図示する。
【図2b】本発明の実施例の詳細の側面図を概略的に図示する。
【図3】本発明の実施例による構成を概略的に図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置であり、見られるべき画素化した照明パターンを、前記装置に面する面上に投影する照明装置であり、各照明ユニットが少なくとも1つの発光ダイオードを有する複数の照明ユニットと、前記照明ユニットからの発光を制御するコントローラとを有する照明装置であって、
前記照明ユニットが、前記コントローラによって独立して制御可能であり、各発光ダイオードが、限定されたパターンエリア部分を担当することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記照明ユニットが、少なくとも、第1の色の、独立して制御可能な第1発光ダイオードと、第2の色の、独立して制御可能な第2発光ダイオードとを有する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記発光ダイオードが、20°未満のコリメーション角度で光を発するよう構成される請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明ユニットの各々によって発せられた光を受け取り、受け取った前記光の少なくとも一部を、前記照明ユニットの各々のための別々の光ビームのようにコリメートし、投影するよう構成されるコリメート手段を有する請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
2つの隣接照明ユニット間の距離が1mmより大きい請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記コントローラが、画素化した照明パターンを表わすデータを受け取り、前記面上に前記パターンを投影するよう前記照明ユニットを制御することが可能である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記画素化した照明パターンを表わすデータが、ビデオシーケンスを表わすデータに含まれる請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記画素化した照明パターンを表わすデータを前記コントローラに供給するデータプロバイダを有する請求項6又は7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記データプロバイダが、センサ及び処理ユニットを有し、前記処理ユニットが、前記センサからデータを受け取り、受け取った前記データを処理して画素化した照明パターンを表わすデータにするよう構成される請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記データプロバイダが、カメラ、光検出器、温度センサ、動き検出器及びマイクから成るグループから選択される請求項8又は9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記照明ユニットが、第1面と、反対側の第2面とを持つ支持体の第1面上に配設され、前記支持体が、前記第1面から前記第2面までの換気開口部を有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−542989(P2008−542989A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512970(P2008−512970)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051472
【国際公開番号】WO2006/126122
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】