説明

異なるコンピュータ援用設計アプリケーション間の図面相互運用

本発明の実施形態は単一の複合図面ファイルを使って2つの製図プログラム間のデータファイル相互運用を実現する。ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される図面ファイルを生成する方法は、CAD図面はソースアプリケーションが使用する図面フォーマットに従って、コンピュータ援用設計(CAD)図面のコピーを複合図面ファイルに格納するステップを含む。また、この方法は、ターゲットアプリケーションが使用する図面フォーマットに従って書式設定された、CAD図面の可視表現を生成するステップも含む。また、この方法は可視表現を複合図面ファイルに格納するステップも含み、ターゲットアプリケーションによって生成される可視表現の表示は、ソースアプリケーションによって生成されるCAD図面の表示と実質的に類似のものである。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2006年8月22日に出願した仮出願第60/839,442号に対する米国特許法第119条(e)による利益を主張するものである。
【発明の分野】
【0002】
[0001]本発明は一般にコンピュータソフトウェアに関する。より詳細には、本発明は、異なるドキュメントフォーマットを用いる異なるコンピュータ援用設計(CAD)アプリケーション間の図面相互運用に関する。
【関連技術の説明】
【0003】
[0002]目下、ユーザが2次元(2D)オブジェクトおよび3次元(3D)オブジェクトの電子図面を作成することのできるコンピュータ援用設計(CAD)アプリケーションを利用することができる。図面はデータファイルとして格納されてもよく、その場合データファイルの内容、フォーマットおよび構造は図面を作成するのに使用されるCADアプリケーションによって理解される。異なるCADアプリケーションを使用して、同一ではないにしても類似の図面を作成してもよいが、ファイルを格納するのに使用されるフォーマットは大きく異なることもある。よって、多くのCADアプリケーションが提供する1つの装備は、あるフォーマットから別のフォーマットに、典型的にはソースアプリケーションのフォーマットからターゲットアプリケーションにドキュメントを変換できる能力である。同様に、別のCADアプリケーションが作成した図面にアクセスするときにも、図面ファイルが外部フォーマットから固有フォーマットに変換され得る。
【0004】
[0003]例えば、産業用機械装置の設計者が、ある製図プログラム(「ソースアプリケーション」)を使って作成した図面を、異なる製図プログラム(「ターゲットアプリケーション」)を使ってその図面を閲覧する設計技師と共有しようとする場合がある。そうした場合、図面はまず、ソースアプリケーションのフォーマットからターゲットアプリケーションのフォーマットに変換される。しかし、図面の変換により多くの問題が生じる可能性がある。1つの問題は、変換プロセスが通常は不完全であり、原図に忠実でないコピーをもたらすことである。その結果、変換先図面の可視表現がしばしば変換元図面の可視表現と異なるものになる。不完全な変換は、典型的には、図面を作成するのに使用されるソースアプリケーションが、ターゲットアプリケーションで利用できない装備を有することによるものである。すなわち、ターゲットアプリケーションによって使用される図面フォーマットは、ソースアプリケーションの図面フォーマットに含まれるものすべてを表わすことができるとは限らない可能性がある。よって、図面が変換されるときに、変換元図面のいくつかの要素が失われることもある。この問題は、ターゲットアプリケーションを使って図面を変更し、後で再度ソースアプリケーションを使ってその図面を閲覧するときに悪化する。そうした場合、図面は基本的に、ソースフォーマットからターゲットフォーマットへとターゲットフォーマットからソースフォーマットへの「往復」の変換処理を経る。この往復の各変換処理に際して、変換プロセスは図面に誤差または不一致を持ち込む可能性がある。
【0005】
[0004]別の問題は、図面ドキュメントのあらゆる部分を変換することが複雑なものとなり、大量のコンピュータ処理時間を食う可能性があることである。そうした遅延は、製図プログラムのユーザにとって不都合であり、または許容できないこともある。さらに、図面の複数のコピー(すなわち、原図またはソースフォーマットのコピーとターゲットフォーマットのコピー)が作成されるとき、原図と変換先の図とが同期しなくなることもある。例えば、原図と変換先の図とが異なるプログラムを使って変更される場合、一方の図面がもはや他方の図面と一致しなくなるほどに変更される可能性もある。そうした場合、変更された図面を照合して単一バージョンにすることが必要になり、時間のかかる、誤りを犯しやすい手作業のプロセスが求められることになる。
【0006】
[0005]以上の理由で説明されるように、当分野では異なるコンピュータ援用設計アプリケーション間の図面相互運用性の改善が求められている。
【発明の概要】
【0007】
[0006]本発明の一実施形態は、ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される図面ファイルを生成する方法を提供する。この方法は一般に、コンピュータ援用設計(CAD)図面のコピーを複合図面ファイルに格納するステップを含む、ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される図面ファイルの生成を含み、このCAD図面はソースアプリケーションが使用する図面フォーマットに従って複合図面ファイルに格納される。すなわち、複合図面ファイルは、ターゲットアプリケーションの図面ファイルフォーマットを使って作成され、ソースアプリケーションのフォーマットのCAD図面のコピーを格納するのに使用されてもよい。また、この方法は、ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定されたCAD図面の可視表現を生成するステップも含む。また、この方法は可視表現を複合図面ファイルに格納するステップも含み、ターゲットアプリケーションによって生成される可視表現の表示は、ソースアプリケーションによって生成されるCAD図面の表示と実質的に類似のものである。
【0008】
[0007]ある特定の実施形態では、可視表現は、ターゲットアプリケーションのフォーマットに変換されたCAD図面からの一連の非可視オブジェクトと、ターゲットアプリケーションのフォーマットに変換されたCAD図面からの一連の可視オブジェクトと、それぞれがCAD図面中の可視オブジェクトから可視表現中の対応する可視オブジェクトへのマッピングを提供する一連のオブジェクトマッピングとを含む。非可視オブジェクトの例には、少なくとも、CAD図面中の可視オブジェクトのうちの1つのために指定されたレイヤ定義、線種表示特性、線色表示特性が含まれる。さらに、一実施形態では、可視表現のいくつかの態様がターゲットアプリケーションを使って変更され得る。例えば、ユーザが可視表現から可視オブジェクトを削除してもよく、可視表現と関連付けられる表示特性を変更してもよい。ユーザがターゲットアプリケーションを使って変換元図面の可視表現を変更する場合、その変更は、ソースアプリケーションを使って複合図面ファイルにアクセスするときに変換元図面のコピーと同期される。
【0009】
[0008]また、ターゲットアプリケーションを使って固有オブジェクト(すなわちターゲットアプリケーションの図面フォーマットを使って作成されたオブジェクト)が図面に加えられてもよい。そうした場合、「ソースアプリケーション」と「ターゲットアプリケーション」の役割は事実上逆転する。そうしたオブジェクトはいずれも、元の「ソースアプリケーション」を使って閲覧される可視表現の基礎とすることができる。よって、複合図面ファイルは、ソースアプリケーションとターゲットアプリケーション両方と関連付けられる「固有」フォーマットでデータを含んでいてもよく、また、他方のアプリケーションを使って行われる閲覧/編集のためのその固有データの可視表現を含んでいてもよい。ソースアプリケーションとターゲットアプリケーション両方からの固有データが単一ドキュメントにおいて管理されるため、異なるCADアプリケーション間の同期問題がなくなり、両方のCADアプリケーションのユーザに多くの異なる目的でそのドキュメントを使用させることが可能になる。
【0010】
[0009]本発明の前述の特徴を詳細に理解することができるように、以上で簡単に要約した本発明を、実施形態を参照してより詳細に説明し、実施形態のいくつかを添付の図面に示す。しかし、添付の図面は本発明の典型的な実施形態を示すにすぎず、したがって、本発明は他の同様に有効な実施形態を許容するものであるため、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による、異なるCADアプリケーション間の図面相互運用を実現するように構成されたコンピュータシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による、ソースアプリケーションによって生成された画面表示を示す図である。
【図3】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態による、ターゲットアプリケーションによって生成された画面表示を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、図面がターゲットアプリケーションによって変更された後でソースアプリケーションによって生成された画面表示を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、異なるCADアプリケーション間の図面相互運用を実現する複合図面ファイルを生成する方法を示す図である。
【詳細な説明】
【0012】
[0015]本発明の実施形態は単一の複合図面ファイルを使った2つの製図プログラム間のデータファイル相互運用を実現する。前述のように、異なるコンピュータ援用設計(CAD)アプリケーションは通常、図面を閲覧し、または編集するためにデータ変換を用いる。変換プロセスはしばしば誤差を導入し、また、必ずしも相互に一致するとは限らない複数バージョンの図面を生じさせることもある。本発明の実施形態は、ソースアプリケーションが固有の図面データをCAD図面のきわめて正確な可視表現も含む(またはこの表現を生成するのに使用される)ファイルに埋め込みオブジェクトとして格納するように構成される改善された手法を提供する。ソースアプリケーションは、図面フォーマットをソースアプリケーションのフォーマットからターゲットアプリケーションのフォーマットに変換するのではなく、複合図面ファイル内にソースアプリケーションのフォーマットの図面のコピーを埋め込む。複合図面ファイルは、ターゲットアプリケーションの図面ファイルフォーマットに従って生成されてもよい。加えて、複合図面ファイルは、ターゲットアプリケーションによりCAD図面の可視表現を生成するように処理され得る図面のきわめて正確な可視表現も含む。両方のアプリケーションからのデータが単一ドキュメントにおいて管理されるため、同期問題がなくなり、ソースアプリケーションとターゲットアプリケーション両方のユーザが多くの異なる目的でドキュメントを使用することができる。
【0013】
[0016]一実施形態では、例えばオブジェクト削除や可視性/色制御など、可視表現のいくつかの態様がターゲットアプリケーションを使って編集されてもよい。加えて、ターゲットアプリケーションを使って、ターゲットアプリケーションに固有の図面要素またはデータオブジェクトが複合図面ファイルに追加されてもよい。そうした場合には、図面にオブジェクトを追加するのにターゲットアプリケーションが使用されるため、「ソースアプリケーション」と「ターゲットアプリケーション」の役割が事実上逆転する。ユーザがターゲットアプリケーションを使って図面を変更する場合、その変更は、後でソースアプリケーションを使って複合図面ファイルにアクセスするときに、ソースアプリケーションのフォーマットの図面の埋め込みコピーと同期される。
【0014】
[0017]本明細書では本発明の実施形態を、Autodesk, Inc.から提供されているAutoCAD(登録商標)というアプリケーションとAutodesk Inventor(登録商標)というアプリケーションとの関連で説明する。AutoCAD(登録商標)アプリケーションとAutodesk Inventor(登録商標)アプリケーションは、CAD機能を実行するのに使用される一般的なソフトウェア設計ツール一式を提供する。AutoCAD(登録商標)はしばしば2D設計製図ツールとして使用され、Autodesk Inventor(登録商標)は、ユーザが2Dドキュメントを作成することも可能な、機械設計製図向けの3D部品組立品モデリングツールである。AutoCAD(登録商標)アプリケーションとAutodesk Inventor(登録商標)アプリケーションとは、その市場ニーズが異なるため、普通、2D設計ドキュメントを格納するのに同じフォーマットを使用しない。また、これらのアプリケーションは、2D幾何学ビューおよび注釈を作成し、編集するための同一の機能も提供しない。AutoCAD(登録商標)ドキュメントは、多くの企業において設計をやり取りするための事実上の標準であり、そのため、Autodesk Inventor(登録商標)製品で作成された2D設計ドキュメントをAutoCAD(登録商標)ドキュメントに変換する必要が頻繁に生じる。そうした変換では前述したのと同様の問題が多く発生する。例えば、変換はしばしば繰り返される必要があり、ターゲットアプリケーションを使って図面に加えられた変更が失われ、やり直しが必要になることもある。しかし、当分野の技術者は、本発明の教示を、現在利用可能なものであれ、将来開発されるものであれ、様々な他の製図アプリケーションと共に使用するために適合させることができることを理解するであろう。
【0015】
[0018]図1は、本発明の一実施形態による、異なるCADアプリケーション間の図面相互運用を実現するように構成されたコンピュータシステム100を示すブロック図である。システム100に示す各構成要素は、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータなどといった既存のコンピュータシステム上で実行されるコンピュータソフトウェアアプリケーションを表わすものとして含まれている。しかし当然ながら本明細書で説明するソフトウェアアプリケーションは、どんな特定のコンピューティングシステムにも限定されるものではなく、新しいコンピューティングシステムが利用可能になる際にそれらのシステムを利用するようになっていてもよい。
【0016】
[0019]加えて、システム100に示す各構成要素は、単一のコンピュータシステム上で、または、ローカルエリアネットワークやインターネットのような大規模な広域ネットワークなどのコンピュータネットワークを介して通信する分散システム上で実行されるソフトウェアアプリケーションとして実施されてもよい。例えば、システム100は、ある物理的場所にあって別の物理的場所にあるターゲットアプリケーション105と通信するクライアントコンピュータシステム上で実行されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)150を含んでいてもよい。また、ターゲットアプリケーション105およびGUI150は、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリモジュール、その他の有形記憶媒体などといったコンピュータ可読媒体上に格納された(1つまたは複数の)アプリケーションプログラムとして設けられてもよい。
【0017】
[0020]図示のように、システム100は、無制限に、ソースアプリケーション102、ターゲットアプリケーション105、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)110、GUI150、複合図面ファイル120、表示装置一式115、入力装置一式130、および出力装置一式140を含む。ソースアプリケーション102とターゲットアプリケーション105は、コンピュータベースの図面を作成するのに使用される任意の2つのソフトウェアアプリケーションとすることができる。例えば、ソースアプリケーション102をAutodesk Inventor(登録商標)製図プログラムとし、ターゲットアプリケーション105をAutoCAD(登録商標)製図プログラム(またはその逆)としてもよく、これらは共にAutodesk, Inc.から提供されている。
【0018】
[0021]GUI110はユーザにソースアプリケーション102の機能および装備へのグラフィカルインターフェースを提供する。同様に、GUI150もユーザにターゲットアプリケーション105の機能および装備へのグラフィカルインターフェースを提供する。GUI110およびGUI150は、ウィンドウ、メニューボタン、リボン、ダイアログボックスなどといったグラフィック要素の任意の組み合わせを含んでいてもよい。一実施形態では、GUI110およびGUI150は、複合図面ファイル120に格納されたCAD図面の可視表現を生成するように構成されていてもよい。ソースアプリケーション102とGUI110を使って閲覧されるとき、CAD図面の可視表示は変換元図面データ122を使って生成され、ターゲットアプリケーション105とGUI150を使って閲覧されるとき、CAD図面の可視表示は可視表現124を使って生成される。ユーザ入力装置130には典型的にはマウスとキーボードが含まれ、表示装置115にはコンピュータモニタが含まれていてもよく、出力装置140にはコンピュータ印刷装置が含まれていてもよい。
【0019】
[0022]図示のように、ソースアプリケーション102は変換元図面103を含む。変換元図面103は、ソースアプリケーション102を使って生成され、または変更された図面要素またはデータの任意の集合体を含んでいてもよい。例えば、ソースアプリケーション102は、Autodesk Inventor(登録商標)製図プログラムを使って作成された図面とすることができる。一実施形態では、ソースアプリケーション102は、複合図面ファイル120を生成するように構成され得る。当然ながら、複合図面ファイル120が他の手段、例えば別のアプリケーションによって生成されることも企図されている。ソースアプリケーション102は、ターゲットアプリケーション105の図面ファイルフォーマットに従って複合図面ファイル120を生成するように構成されていてもよい。ターゲットアプリケーションの図面ファイルフォーマットは、図面ファイル内の任意のデータオブジェクトの埋め込みを、たとえターゲットアプリケーションがそうしたデータオブジェクトの内部フォーマットを理解しなかったとしてもサポートするように構成されていてもよい。言い換えると、ターゲットアプリケーション105の使用する図面ファイルフォーマットは、図面ファイルを、(情報を格納し、図面ファイルから取り出す以外の目的で)ターゲットアプリケーションが直接使用し、処理することのない情報のためのコンテナとして使用させることができる。
【0020】
[0023]また図示のように、複合図面ファイル120は、変換元図面データ122と可視表現124も含む。一実施形態では、変換元図面データ122は変換元図面103のコピーであり、変換元図面データのフォーマットはソースアプリケーション102が使用するフォーマットと同じである。言い換えると、変換元図面103も変換元図面データ122もソースアプリケーション102の固有フォーマット(「ソースフォーマット」)で書式設定される。また、可視表現124もソースアプリケーション102によって生成され得る。しかし、可視表現124は、ターゲットアプリケーション105に適したデータフォーマット(「ターゲットフォーマット」)の変換元図面データ122のきわめて正確なバージョンを提供する。例えば、可視表現124は、Autodesk Inventor(登録商標)プログラムの図面フォーマットに従って定義された固有の図面データセットからAutoCAD(登録商標)アプリケーションが使用する図面フォーマットで生成される。よって、複合図面ファイル120は、(変換元図面オブジェクト122に格納された)ソースフォーマットの第1のコピーと、(可視表現124に格納された)ターゲットフォーマットの別のコピーという変換元図面103の2つのコピーを含む。変換元図面103の2つのコピーを含むことにより、ソースアプリケーション102とターゲットアプリケーション105のどちらを使っても複合図面ファイル120を閲覧することが可能になる。代替として、可視表現124は、複合図面ファイル120にアクセスするときに図面データ122から生成されてもよい。
【0021】
[0024]一実施形態では、可視表現124は、ターゲットCADアプリケーション105の類似オブジェクトに変換された、変換元図面データ122からの非可視オブジェクトの一部を含んでいてもよい。非可視オブジェクトの例は、例えば、変換元図面データ122中の可視オブジェクトの表示表現を作成するのに使用されるレイヤおよび破線パターン定義などである。加えて、変換元図面データ122中の可視オブジェクトごとに、可視表現124の対応する可視オブジェクトが作成されてもよい。可視オブジェクトは、その幾何学的記述およびオブジェクトの表示に影響を及ぼす、色など他の属性に関して、きわめて正確に作成される。可視オブジェクトは、適宜、非可視オブジェクト(レイヤ、線種定義など)を参照してもよい。また、複合図面ファイル120は、ターゲットCADアプリケーションオブジェクトと、それらが作成される元となったソースCADアプリケーションオブジェクトとの間の一連のマッピングを格納するために作成された一連の非可視オブジェクトを含んでいてもよい。例えば、マッピング対は、ソースCADドキュメントフォーマットのレイヤオブジェクト識別子とターゲットCADドキュメントフォーマットのレイヤオブジェクト識別子とを含むこともできる。一実施形態では、マッピングが、後でソースアプリケーション102を使って図面にアクセスするときに、可視表現124に加えられた変更と変換元データ122を同期させるのに使用される。
【0022】
[0025]前述のように、ユーザは、ターゲットアプリケーション105と対話して可視表現124に変更を加えてもよい。すなわち、ユーザは複合図面ファイル120によって格納されたCAD図面を変更してもよい。そうした場合、ユーザは、GUI150およびターゲットアプリケーション105と対話して、可視表現124に含まれる可視および/または非可視オブジェクトにいくつかの変更を加えてもよい。例えば、一実施形態では、ターゲットアプリケーション105のユーザは、可視表現124から要素を削除したり、可視表現124に含まれる図面要素の色属性を変更したり、可視表現124の表示を生成するのに使用される線種のレイヤ特性を変更したりする。よって、ターゲットアプリケーション105は、ユーザが(ソースアプリケーション102によって使用される)変換元図面データ122を変更せずに(ターゲットアプリケーション図面ファイルフォーマットに固有の)固有図面および/または非図面オブジェクトを追加することができるように構成され得る。ターゲットアプリケーション105を使って固有データ(すなわち、ターゲットアプリケーション105の図面フォーマットを使って生成されたデータオブジェクト)が追加されると、複合図面ファイル120は両方のアプリケーションからの「固有データ」を含み、ソースアプリケーション102とターゲットアプリケーション105とに、そのアプリケーションの「固有データ」(変換元図面データ122など)を処理するか、それとも他方のアプリケーションの固有データの可視表現(可視表現124など)を処理するかに応じて、それぞれ「ソース」と「ターゲット」の役割を担わせることが可能になる。
【0023】
[0026]よって、可視表現124は、ターゲットアプリケーション105における使用(CAD図面の閲覧、削除など)のためにソースアプリケーションによって生成された変換元図面データ122の複写を提供する。しかし、ターゲットアプリケーション105によって加えられる可視表現124への変更も、可視表現124と変換元図面データ122との差異を生じ得る。よって、一実施形態では、後でソースアプリケーション102により複合図面ファイル120にアクセスするときに、変換元図面データ122が可視表現124に加えられた変更を含めるように更新される。これにより変換元図面データ122と可視表現124とを相互に同期させることができる。変換元図面データ122への変更は、複合図面ファイル120を表示する前にソースアプリケーション102において行われてもよい。
【0024】
[0027]一実施形態では、可視表現124の要素を、個々に、またはグループとして選択し、ターゲットアプリケーション105を使ってこのデータを閲覧するユーザがこれらの要素を削除することができる。例えば、あるレイヤが非表示にされた場合、そのレイヤに割り当てられている図面要素は表示されなくなる。同様に、色や破線パターンといったレイヤの特性が変更された場合、そのレイヤ上の可視表現124中のあらゆる幾何学図形の特性もこれと一致するように変更され得る。複合図面ファイル120がターゲットアプリケーション105によって保存され、次いでソースアプリケーション102によってアクセスされるときに、ターゲットアプリケーション105によって加えられた変更が変換元図面データ122と同期される。これには個々の場合に必要とされる可視要素の削除や特性の変更が含まれ得る。
【0025】
[0028]図2に、本発明の一実施形態による、ソースアプリケーションによって生成された画面表示を示す。図示のように画面表示200は、部屋設計の平面図205を示すものである。図示ように平面図205は、家具210、壁220、ドア230、および注釈240を表す各要素を含む4グループの図面要素を含んでいる。注釈240は、平面図205によって示されている壁220の長さおよび幅の寸法を示している。前述のように、図面要素210、220、230、240は複合図面ファイル120に格納され得る。この例では、複合図面ファイル120は、ソースアプリケーション102によって使用されるフォーマットの図面要素210、220、230、240のコピーと、ターゲットアプリケーション105のフォーマットに従って作成された可視表現124としてこれらの図面要素のコピーとを含んでいる。よって、複合図面ファイル120がターゲットアプリケーション105を使って開かれる場合には、可視表現124を使って平面図205の表示が生成される。これに対して、複合図面ファイル120がソースアプリケーション102を使って開かれる場合には、変換元図面データ122を使って平面図205の表示が生成される。
【0026】
[0029]図3(A)及び(B)に、本発明の一実施形態による、ターゲットアプリケーション105によって生成された画面表示を示す。図示のように画面表示300は、図2に示した部屋設計の平面図305を示すものである。したがって、平面図305は、図2の平面図205に含まれる各図面要素の図形表現を含んでいる。具体的には、平面図305には、家具310、壁320、ドア330、注釈340を表す要素が示されている。よって、図3(A)に示す平面図305の可視表現は、図2の変換元図面205と外観上は同一である。しかし、変換元図面データ122から生成される平面図205とは異なり、平面図305は可視表現124から生成される。
【0027】
[0030]前述のように、一実施形態では、ターゲットアプリケーション105のユーザが平面図305にいくつかの変更を行ってもよい。例えば、図3(B)に、ユーザが図3(A)の平面図305を変更した後の平面図305’の画面表示300を示す。この例では、ユーザが平面図305から注釈340を削除している。この変更が許されるのは、対応する変更が変換元図面データ122についても行われ、両バージョンの図面の相互に対する同期を保持することができるからである。この例では、後でソースアプリケーション102により複合図面ファイル120にアクセスするときに、注釈240を記述する変換元図面データ122の図面要素も削除される。
【0028】
[0031]この結果は図4の、本発明の一実施形態による、図面がターゲットアプリケーション105によって変更された後でソースアプリケーション102によって生成された画面表示200に示されている。この例では、複合図面ファイル120の可視表現124が、(図3(B)に示すように)ターゲットアプリケーション105を使って閲覧される間に変更されている。後でソースアプリケーション102により複合図面ファイル120にアクセスするときに、可視表現124に加えられた変更は変換元データ122と同期され得る。したがって、図4に示すように、画面表示200に表示される平面図405は図2に示す平面図205と異なる。具体的には、平面図205を生成するのに使用された図面データ122がこの変更を組み込むように可視表現124と同期されているため、平面図405は注釈240を含まない。
【0029】
[0032]別の例として、ターゲットアプリケーション105を使って、図3(B)に示す可視表現305’にテキストノート(削除された注釈340の代わりのメッセージ「部屋寸法を18×24に変更する」など)を追加するものと仮定する。そうした場合、このテキストノートは、ターゲットアプリケーション105の固有フォーマットに従って複合図面ファイル120に追加される。後でソースアプリケーション102を使って複合図面ファイルにアクセスするときに、メッセージ「部屋寸法を18×24に変更する」のテキストノートが、変換元図面データ122の一部として最初に格納された寸法注釈340の代わりに表示されるはずである。
【0030】
[0033]図5に、本発明の一実施形態による、異なるCADアプリケーション間の図面相互運用を実現するのに使用される複合図面ファイルを生成し、これにアクセスする方法500を示す。当分野の技術者は、たとえこの方法を図1〜4のシステムとの関連で説明したとしても、方法500の各ステップを、任意の順序で実行するように構成された任意のシステムが本発明の範囲内に含まれることを理解するであろう。
【0031】
[0034]図示のように、方法500はステップ510から開始し、そこでユーザが所与のCAD図面の複合図面ファイルを作成するコマンドを呼び出す。例えば、ユーザは、Autodesk Inventor(登録商標)プログラムの提供するインターフェースと対話して「名前を付けて保存」メニュー項目を選択し、複合図面ファイルの名前を指定してもよい。そうした場合、ユーザは、システムが(ソースアプリケーションである)Autodesk Inventor(登録商標)プログラムおよび(ターゲットアプリケーションである)AutoCAD(登録商標)プログラムと互換性を有する複合図面ファイルを作成するものと指定してもよい。当然ながら、AutoCAD(登録商標)プログラムおよびAutodesk Inventor(登録商標)プログラムの使用は例として示すものであり、本発明の範囲内には他のCADアプリケーションまたは製図プログラムの使用も含まれる。
【0032】
[0035]呼び出しに応答して、ステップ520およびステップ530で、ソースアプリケーション102が複合図面ファイルを生成するように構成される。第1に、ステップ520で、ソースアプリケーション102(Autodesk Inventor(登録商標)アプリケーションなど)が、生成される複合図面ファイルに変換元図面データを格納するように構成される。一実施形態では、変換元データは、ソースアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って複合図面ファイルに格納される。第2に、ステップ530で、ソースアプリケーションは、ターゲットアプリケーションと互換性を有する図面の可視表現を生成するように構成される。前述のように、ターゲットアプリケーションは、可視表現124を使って変換元データのきわめて正確な表現を生成、表示することができ、図面をターゲットアプリケーションの使用する固有フォーマットに変換させる必要はない。個々の変換元図面データ122(すなわち個々のCAD図面)のために生成される可視表現124は、ターゲットアプリケーションのフォーマットに従って生成される可視オブジェクトの集合体とともに、レイヤ、線種などの表示特性を表す非可視オブジェクトの集合体を含んでいてもよい。可視オブジェクトは、ターゲットアプリケーション105により、ソースアプリケーション102が生成した図面の可視表示の外観と実質的に類似した外観を有する、複合図面ファイル120によって格納されるCAD図面の表示を生成するのに使用される。同様に、レイヤ、線種、およびその他のメタデータも、ターゲットアプリケーションにより、変換元図面データ122によって表わされる図面のきわめて正確な可視表示を生成するのに使用される。
【0033】
[0036]加えて、可視表現124は、変換元図面データと複合図面ファイル120のために生成された可視表現の各要素間の一連のマッピングを含んでいてもよい。このマッピングは、可視表現124が、複合図面ファイル120、ターゲットアプリケーション105、およびGUI150と対話するユーザによって変更された場合に、変換元図面データと可視表現124とを同期させるのに使用される。例えば、可視オブジェクトのうちの1つが、ターゲットアプリケーション105を使って複合図面ファイル120を閲覧するユーザによって削除される場合、そうした削除は、後でソースアプリケーション102により図面にアクセスするときに変換元データ122と同期される。
【0034】
[0037]生成された後、複合図面ファイルは保存され、ターゲットアプリケーション(AutoCAD(登録商標)プログラムなど)のユーザに提供される。ターゲットアプリケーションのユーザは、複合図面ファイルに含まれる図面にアクセスする(場合によっては編集する)ことができる。例えば、ユーザは、図1のGUI150と対話して、ターゲットアプリケーション105に複合図面ファイル120を開くよう指示する。指示に応答して、ターゲットアプリケーション105は、複合図面ファイルに含まれる可視表現に格納されたデータオブジェクトにアクセスし、そこに格納された図面の可視表示を生成する。ステップ540で、ユーザは、GUI150によって提供されるツールを使って図面の可視表現に1つまたは複数の許容される変更を加える。一実施形態では、許容される変更は、ソースアプリケーション102が識別し、変換元図面データ122と同期をとることのできる変更だけに限定される。そうした変更の例には、可視表現からの可視図面オブジェクトの削除や、可視表現内の図面オブジェクトの表現特性(線色や線種など)の変更が含まれる。当然ながら、可視表現中の図面オブジェクトにどんな編集機能を設けるかは、個々の事例の必要に合わせて調整されてもよい。
【0035】
[0038]ステップ550で、ターゲットアプリケーションのユーザが複合図面ファイルに含まれる図面の可視表現の閲覧および/または編集を完了した後、可視表現は保存され、ソースアプリケーションのユーザに提供される。次いで、ソースアプリケーションを使って複合図面ファイルにアクセスするときに、可視表現に加えられた変更があれば、それらの変更も変換元図面に反映されるように変換元図面データと同期される。
【0036】
[0039]有利には、本発明の実施形態は、異なるCADアプリケーション間の図面相互運用の技術を提供する。本発明は、図面フォーマットをソースアプリケーションのフォーマットからターゲットアプリケーションのフォーマットに変換するのではなく、ソースアプリケーションが、複合図面ファイル内にソースアプリケーションのフォーマットによる図面のコピーを埋め込むことを可能にする。加えて、本発明は、変換元図面のきわめて正確な可視表現を複合図面ファイルに格納させることも可能にする。この変換元図面の可視表現は、ターゲットアプリケーションにより、CAD図面のきわめて正確な可視表示を生成するように処理され得る。
【0037】
[0040]実施形態によっては、例えばオブジェクト削除や可視性/色制御など、可視表現のいくつかの態様がターゲットアプリケーションを使って編集されることもある。ユーザがターゲットアプリケーションを使って変換元図面の可視表現を変更する場合、その変更は、ソースアプリケーションを使って複合図面ファイルにアクセスするときに変換元図面と同期される。
【0038】
[0041]さらに、前述のように、ターゲットアプリケーションを使って固有オブジェクト(すなわちターゲットアプリケーションの図面フォーマットを使って作成されるオブジェクト)が図面に加えられてもよい。そうした場合、「ソースアプリケーション」と「ターゲットアプリケーション」の役割は事実上逆転する。そうしたオブジェクトはすべて元の「ソースアプリケーション」を使って閲覧される可視表現の基礎とすることができる。よって、複合図面ファイルは、ソースアプリケーションとターゲットアプリケーション両方と関連付けられた「固有データ」を含んでいてもよく、また、他方のアプリケーションを使って行われる閲覧/編集のためのその固有データの可視表現を含んでいてもよい。ソースアプリケーションとターゲットアプリケーション両方からの固有データが単一のドキュメントにおいて管理されるため、異なるCADアプリケーション間の同期問題がなくなり、両方のCADアプリケーションのユーザに多くの異なる目的でそのドキュメントを使用させることが可能になる。
【0039】
[0042]以上の説明は本発明の実施形態を対象とするものであるが、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく他の実施形態を考案することもでき、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される図面ファイルを生成する方法であって、
前記ソースアプリケーションの使用する図面フォーマットに従ってコンピュータ援用設計(CAD)図面のコピーを複合図面ファイルに格納するステップと、
前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定された前記CAD図面の可視表現を生成するステップと、
前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納するステップと
を備え、前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の表示と実質的に類似のものである方法。
【請求項2】
前記複合図面ファイルが、前記ソースアプリケーションにより、前記ターゲットアプリケーションのために指定された図面ファイルフォーマットに従って生成される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可視表現が、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の非可視オブジェクトと、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の可視オブジェクトと、それぞれが前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの異なる1つから前記可視表現中の対応する可視オブジェクトへのマッピングを提供する一連のオブジェクトマッピングとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記非可視オブジェクトが、前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの1つのために指定されたレイヤ定義、線種表示特性、および線色表示特性のうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記可視表現の少なくとも1つの態様が前記ターゲットアプリケーションを使って変更可能なように構成される請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記可視表現の前記変更可能な態様が、前記可視表現から前記可視オブジェクトのうちの1つを削除することと、前記可視表現と関連付けられる表示特性を変更することのうちの少なくとも1つを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲットアプリケーションを使って前記CAD図面の前記可視表現にアクセスするステップと、
前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに従って構成された1つまたは複数の図面オブジェクトを前記複合図面ファイルに追加するステップと、
前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定された前記1つまたは複数の図面オブジェクトの可視表現を生成するステップと、
前記1つまたは複数の図面オブジェクトの前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納するステップと
をさらに備え、前記ソースアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記1つまたは複数の図面オブジェクトの表示と実質的に類似のものである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ソースアプリケーションを使って前記CAD図面の前記コピーにアクセスするステップと、
前記CAD図面の前記可視表現が前記ターゲットアプリケーションにより変更されていると判定するステップと、
前記CAD図面の前記コピーを前記変更された可視表現と同期させるステップと
をさらに備え、前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の前記同期されたコピーの表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記変更された可視表現の表示と実質的に類似のものである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される図面ファイルを生成する命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体であり、
前記ソースアプリケーションの使用する図面フォーマットに従ってコンピュータ援用設計(CAD)図面のコピーを複合図面ファイルに格納するステップと、
前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定された前記CAD図面の可視表現を生成するステップと、
前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納するステップと
を実行する命令を含み、前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の表示と実質的に類似のものであるコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記複合図面ファイルが、前記ソースアプリケーションにより、前記ターゲットアプリケーションのために指定された図面ファイルフォーマットに従って生成される請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記可視表現が、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の非可視オブジェクトと、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の可視オブジェクトと、それぞれが前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの異なる1つから前記可視表現中の対応する可視オブジェクトへのマッピングを提供する一連のオブジェクトマッピングとを含む請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記非可視オブジェクトが、前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの1つのために指定されたレイヤ定義、線種表示特性、および線色表示特性のうちの少なくとも1つを含む請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記可視表現の少なくとも1つの態様が前記ターゲットアプリケーションを使って変更可能なように構成される請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記可視表現の前記変更可能な態様が、前記可視表現から前記可視オブジェクトのうちの1つを削除することと、前記可視表現と関連付けられる表示特性を変更することのうちの少なくとも1つを含む請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記ターゲットアプリケーションが、
前記ターゲットアプリケーションを使って前記CAD図面の前記可視表現にアクセスするステップと、
前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに従って構成された1つまたは複数の図面オブジェクトを前記複合図面ファイルに追加するステップと、
前記1つまたは複数の図面オブジェクトの表現を生成するステップであり、前記可視表現が前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定される前記ステップと、
前記1つまたは複数の図面オブジェクトの前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納するステップと
を実行する命令を含み、前記ソースアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記1つまたは複数の図面オブジェクトの表示と実質的に類似のものである請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記命令が、
前記ソースアプリケーションを使って前記CAD図面の前記コピーにアクセスするステップと、
前記CAD図面の前記可視表現が前記ターゲットアプリケーションにより変更されていると判定するステップと、
前記CAD図面の前記コピーを前記変更された可視表現と同期させるステップと
を実行する命令をさらに備え、前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の前記同期されたコピーの表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記変更された可視表現の表示と実質的に類似のものである請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
ソースアプリケーションとターゲットアプリケーションによって共用される複合図面ファイルを作成する方法であって、
前記ソースアプリケーションを使ってコンピュータ援用設計図面(CAD)を作成するステップと、
前記CAD図面を複合図面ファイルに保存するように構成されたファイル作成ツールを呼び出すステップであり、前記ツールが、
コンピュータ援用設計(CAD)図面のコピーを、前記ソースアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って、前記ソースアプリケーションにより前記ターゲットアプリケーションのために指定された図面ファイルフォーマットに従って生成される複合図面ファイルに格納し、
前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定された前記CAD図面の可視表現を生成し、
前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納する
ように構成されており、前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の表示と実質的に類似のものである前記ステップと
を備える方法。
【請求項18】
前記可視表現が、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の非可視オブジェクトと、前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに変換された前記CAD図面からの一連の可視オブジェクトと、それぞれが前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの異なる1つから前記可視表現中の対応する可視オブジェクトへのマッピングを提供する一連のオブジェクトマッピングとを含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記非可視オブジェクトが、前記CAD図面中の前記可視オブジェクトのうちの1つのために指定されたレイヤ定義、線種表示特性、および線色表示特性のうちの少なくとも1つを含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記可視表現の少なくとも1つの態様が前記ターゲットアプリケーションを使って変更可能なように構成されている請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記可視表現の前記変更可能な態様が、前記可視表現から前記可視オブジェクトのうちの1つを削除することと前記可視表現と関連付けられる表示特性を変更することのうちの少なくとも1つを含む請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記ソースアプリケーションを使って前記CAD図面の前記コピーにアクセスするステップと、
前記CAD図面の前記可視表現が前記ターゲットアプリケーションにより変更されていると判定するステップと、
前記CAD図面の前記コピーを前記変更された可視表現と同期させるステップと
をさらに備え、前記ソースアプリケーションによって生成される前記CAD図面の前記同期されたコピーの表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記変更された可視表現の表示と実質的に類似のものである請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記ターゲットアプリケーションを使って前記CAD図面の前記可視表現にアクセスするステップと、
前記ターゲットアプリケーションの前記フォーマットに従って構成された1つまたは複数の図面オブジェクトを前記複合図面ファイルに追加するステップと、
前記ターゲットアプリケーションの使用する図面フォーマットに従って書式設定された前記1つまたは複数の図面オブジェクトの可視表現を生成するステップと、
前記1つまたは複数の図面オブジェクトの前記可視表現を前記複合図面ファイルに格納するステップと
をさらに備え、前記ソースアプリケーションによって生成される前記可視表現の表示が前記ターゲットアプリケーションによって生成される前記1つまたは複数のオブジェクトの表示と実質的に類似のものである請求項17に記載の方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−501944(P2010−501944A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525765(P2009−525765)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/076567
【国際公開番号】WO2008/024872
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(500280087)オートデスク,インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】