説明

異種数学モデル間データマッピング装置、異種数学モデル間データマッピングプログラムおよび異種数学モデル間データマッピング方法

【課題】異種数学モデル間におけるデータのマッピングを自動的に行う装置、プログラムおよび方法を提供することにより、数値解析作業の負荷を軽減することを目的とする。
【解決手段】熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は対象物を特定のメッシュに区分して各メッシュの温度または強度を解析する熱モデルと構造モデルとの間でデータマッピングを行う。まず、熱解析結果入力部110は熱モデル、熱モデル温度データおよび構造モデルデータを入力する。次に、交点算出部120は構造モデルの各メッシュ内の点における法線ベクトルと熱モデルとの各交点を算出する。次に、温度データ抽出部130は熱モデルにおける各交点を含む熱モデルの各メッシュの温度を熱モデル温度データから抽出する。そして、マッピング部140は構造モデルの各メッシュに対応する熱モデルの各温度に基づいて構造モデルの各メッシュの温度を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、異なる数値解析モデル間においてデータのマッピングを自動的に行う異種数学モデル間データマッピング装置、異種数学モデル間データマッピングプログラムおよび異種数学モデル間データマッピング方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数値解析において、メッシュサイズや外形形状・サイズが必ずしも等しくない異種の解析モデル間でデータの受け渡しおよび再配置が必要な場合、例えば、熱解析モデルによる温度解析結果を熱変形解析で使用するために構造解析モデル上にマッピングする場合や、あるいはCFD(Computational Fluid Dynamics)モデルによる空力加熱率の解析結果を熱解析モデル上にマッピングする場合などにおいて、手作業や、汎用のデータ編集ツールにより間接的な方法の組合せでマッピング作業を行うなど、作業が煩雑で非効率であった。
【0003】
特許文献1には、構造物の有限要素法モデルの特定箇所の熱的変位あるいは静的変位、振動振幅、周波数応答特性等の評価値を評価する評価値出力部と感度解析部とを有するソルバプログラム、構成要素を感度の値に従って視覚化する視覚化変数計算部と構成要素変換部とを有するプリ/ポストプロセッサ、マウスなどの二次元の位置情報を入力する入力装置、グラフィックスを表示可能なCRT装置、そして、上記の各装置の動作を制御するシステムの制御部を備え、CRT装置上で、構造物モデルの静的・動的挙動に対する各結合点の影響の度合いを把握できるよう該当箇所を色別に表示し、さらに、選択した構成要素の属性をクリックなどの簡単な入力操作により変えることについて記載されている。
【特許文献1】特開平9−212683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、衛星の軌道上における熱変形解析を行う場合、熱解析によって得られた温度分布を構造モデルメッシュに再配置(マッピング)する作業が必要となる。ところが、熱解析と構造解析とは、解析で扱う問題点や要求解析精度、解析ツールの採用しているモデル表現、解析を行う担当部門や解析の実施時期など多くの相違点があるため、メッシュ形状やサイズ、外形寸法を予め統一したモデルが作成されることは極めて少ない。
そのため従来技術では、双方のモデルのメッシュの位置対応関係を手作業やCADで調べ、その対応関係に基づいて構造モデル上に温度入力を設定する作業のみプログラムで行うなどの極めて非効率な手法が用いられている。また、従来技術における対応付けは、各構造メッシュに「最近傍と思われる」熱メッシュの温度を選択する方法によっており、双方のメッシュのサイズや形状が大きく異なる場合や温度の境界線が単一の構造メッシュ上を横切るような場合には、対応付けの基準が明確でないなどの課題もある。なお、熱モデルでは、熱メッシュのことを本来は節点(ノード)と呼び、重心などの1点を代表的な座標点とするが、構造モデルのようにメッシュの頂点を節点とする概念との混乱を避けるため、ここではあえてメッシュに統一して呼ぶことにする。また熱モデルでは、双曲面や、円錐など非常に多種類の幾何学形状要素が利用できるが、ここではこれらもすべてメッシュと呼ぶことにする。
【0005】
本発明は、例えば、異種数学モデル間におけるデータのマッピングを自動的に行う装置、プログラムおよび方法を提供することにより、数値解析作業の負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング装置であり、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力部と、前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出部と、前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出部と、前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出部と、前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出することを特徴とする。
【0008】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0009】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0011】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出することを特徴とする。
【0012】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0013】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0014】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記入力部は、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側に位置する第1の数学モデルの表特定面と第2の数学モデルの第2の特定面に対して裏側に位置する第1の数学モデルの裏特定面とについて第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データとを入力し、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる第1の数学モデルの表特定面の交点と第1の数学モデルの裏特定面の交点とのうちいずれか指定面の交点を算出し、前記物理量算出部は、第1の数学モデルの指定面の交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0015】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出することを特徴とする。
【0016】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0017】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0018】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング装置であり、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力部と、前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出部と、前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出部と、前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力部とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出することを特徴とする。
【0020】
本発明の異種数学モデル間データマッピング装置において、前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とすることを特徴とする。
【0021】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムは、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピングプログラムであり、入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理と、交点算出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出処理と、物理量抽出部が前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出処理と、物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理と、出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出することを特徴とする。
【0023】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0024】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0025】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0026】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出することを特徴とする。
【0027】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0028】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記入力部は、第1の特定面の表側における各メッシュの物理量と第1の特定面の裏側における各メッシュの物理量とを含む第1の数学モデルの解析結果データを入力し、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量のうち表側と裏側とのいずれか指定側の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0029】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0030】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出することを特徴とする。
【0031】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0032】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0033】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムは、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピングプログラムであり、入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理と、物理量抽出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出処理と、物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理と、出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0034】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出することを特徴とする。
【0035】
本発明の異種数学モデル間データマッピングプログラムにおいて、前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とすることを特徴とする。
【0036】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング方法であり、入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理を行い、交点算出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出処理を行い、物理量抽出部が前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出処理を行い、物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理を行い、出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理を行うことを特徴とする。
【0037】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出することを特徴とする。
【0038】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0039】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0040】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出することを特徴とする。
【0041】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出することを特徴とする。
【0042】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とすることを特徴とする。
【0043】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記入力部は、第1の特定面の表側における各メッシュの物理量と第1の特定面の裏側における各メッシュの物理量とを含む第1の数学モデルの解析結果データを入力し、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量のうち表側と裏側とのいずれか指定側の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0044】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することを特徴とする。
【0045】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出することを特徴とする。
【0046】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0047】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出することを特徴とする。
【0048】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング方法であり、入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理を行い、物理量抽出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出処理を行い、物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理を行い、出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理を行うことを特徴とする。
【0049】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出することを特徴とする。
【0050】
本発明の異種数学モデル間データマッピング方法において、前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、異種数学モデル間において、第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出することによりデータのマッピングを自動的に行う装置、プログラムおよび方法を提供し、数値解析作業の負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下の各実施の形態において、ある対象物について熱解析モデル(以下、熱モデルとする)を用いた熱解析結果(温度データ)を、対象物の強度を解析する構造解析の入力データとするために、構造解析モデル(以下、構造モデルとする)上にマッピングする例について説明する。
熱モデル(第1の数学モデルの一例)および構造モデル(第2の数学モデルの一例)は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデル(数値解析モデル)の一例である。
以下、熱モデルを用いて熱解析された対象物の特定面を熱モデル解析面(第1の特定面の一例)、熱モデル解析面のメッシュを熱モデルメッシュ(第1の数学モデルのメッシュデータの一例)、熱モデルを用いて熱解析された対象物の各熱モデルメッシュ部分の温度を示すデータを熱モデル温度データ(第1の数学モデルの解析結果データの一例)とする。また、構造モデルを用いて構造解析される対象物の特定面を構造モデル解析面(第2の特定面の一例)、構造モデル解析面のメッシュを構造モデルメッシュ(第2の数学モデルのメッシュデータの一例)、構造モデルを用いて解析される対象物の各構造モデルメッシュ部分の温度を示すデータを構造モデル温度データとする。
熱モデルおよび構造モデルにより解析される対象物には人工衛星の外面を構成するパネルなどがある。
【0053】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の構成図である。
実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の構成について、図1に基づいて以下に説明する。
【0054】
熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング装置の一例である。
熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、以下の構成要素を備えて、熱モデルを用いた熱解析結果を、構造解析の入力データとするために、構造モデル上にマッピングする。
熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、マッピング先のモデルメッシュ(構造モデルメッシュ)から法線ベクトル方向に探索を行い、これと交差したマッピング元のモデルメッシュ(熱モデルメッシュ)上の温度をその法線ベクトルの位置の温度とすることを特徴とする。また、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は探索深さを法線ベクトルの長さで制限することを特徴とする。
【0055】
熱解析結果入力部110は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力部の一例である。
熱解析結果入力部110は入力機器から熱解析結果データおよび構造モデルデータを入力し、熱解析結果データに含まれる熱モデルデータを熱モデル記憶部191に記憶し、構造モデルデータを構造モデル記憶部193に記憶し、熱解析結果データに含まれる熱モデル温度データを熱モデル温度データ記憶部192に記憶する。
【0056】
交点算出部120は、第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点をCPU(中央処理装置)を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出部の一例である。あるいは交点算出をグラフィック処理で行い、CPUではなくGPU(描画処理装置)やビデオチップを用いて計算を行っても良い。CPUやGPUやビデオチップは処理装置の一例である。
交点算出部120は、熱モデル記憶部191に記憶された熱モデルデータと構造モデル記憶部193に記憶された構造モデルデータとに基づいて、構造モデル解析面における構造モデルメッシュ内の点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点を算出して温度データ抽出部130に出力する。
【0057】
温度データ抽出部130は、当該交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第1の数学モデルの解析結果データからCPUを用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出部の一例である。あるいは物理量抽出を交点算出と併せてグラフィック処理で行っても良い。
温度データ抽出部130は、交点算出部120から入力した各構造モデルメッシュに対応する熱モデル解析面における各交点について、各交点を含む熱モデルメッシュの温度を熱モデル温度データ記憶部192に記憶された熱モデル温度データから抽出してマッピング部140に出力する。
【0058】
マッピング部140は、第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量をCPUを用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出部の一例であり、また、第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力部の一例である。
マッピング部140は、温度データ抽出部130から入力した各構造モデルメッシュに対応する各熱モデルメッシュの温度に基づいて、各構造モデルメッシュ部分の温度を算出して構造モデル温度データ記憶部194に記憶し、出力機器に出力する。
あるいは、物理量の出力は構造モデル温度データ記憶部194から行っても良い。
【0059】
熱モデル記憶部191は熱モデルを表す熱モデルデータを記憶する記憶機器である。
熱モデル温度データ記憶部192は熱モデルを用いて解析された対象物の各熱モデルメッシュ部分の温度を示す熱モデル温度データを記憶する記憶機器である。
構造モデル記憶部193は構造モデルを表す構造モデルデータを記憶する記憶機器である。
構造モデル温度データ記憶部194は構造解析の入力となる対象物の各構造モデルメッシュ部分の温度を示す構造モデル温度データを記憶する記憶機器である。
【0060】
図2は、実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100のハードウェア資源の一例を示す図である。
図2において、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、グラフィックボード916、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・ Drive)、CDD905(コンパクトディスク装置)、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶機器、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915、キーボード902、FDD904、CDD905などは入力機器の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、FDD904、CDD905などは出力機器の一例である。
【0061】
通信ボード915はLAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)などに接続されている。
グラフィックボード916はGPUやビデオチップを有する。
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムはCPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0062】
上記プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、実施の形態において、「〜部」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。「熱モデルデータ」、「構造モデルデータ」、「熱モデル温度データ」および「構造モデル温度データ」はファイル群924に記憶されるデータの一例である。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD(Digital・Versatile・Disc)等の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0063】
また、実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、「異種数学モデル間データマッピングプログラム」は、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0064】
図3は、実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング方法を示すフローチャートである。
実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング方法について、図3に基づいて以下に説明する。
実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピングプログラムは、以下に説明する方法をコンピュータに実行させる。
以下に説明する熱モデル−構造モデルデータマッピング方法は異種数学モデル間データマッピング方法の一例であり、熱モデル−構造モデルデータマッピングプログラムは異種数学モデル間データマッピングプログラムの一例である。
「〜部」で説明する熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の各構成要素は以下の処理をCPU911を用いて実行する。
【0065】
<S101〜S102:入力処理の一例>
まず、熱解析結果入力部110は熱解析結果データと構造モデルデータとを入力する(S101)。
例えば、熱解析結果入力部110はFDD904やCDD905から記憶媒体に記憶されている熱解析結果データと構造モデルデータとを入力する。
また例えば、熱解析結果入力部110は通信ネットワークを介して接続する熱解析装置から熱解析結果データを受信し、通信ネットワークを介して接続する構造解析装置から構造モデルデータを受信する。
熱解析結果データには熱モデルを表す熱モデルデータと、熱モデルを用いて解析された対象物の各熱モデルメッシュ部分の温度を示す熱モデル温度データとが含まれる。
熱モデルデータおよび構造モデルデータは、例えば、1つの部材(対象物)の断面または表面(熱モデル解析面、構造モデル解析面)を区分した多角形のメッシュ(ポリゴン、熱モデルメッシュ、構造モデルメッシュ)について、各メッシュを構成する節点(頂点)を特定の座標系の座標値で示す。熱モデルメッシュを表す座標値と構造モデルメッシュを表す座標値とは座標変換することにより同じ座標系で表すことができる。以下、熱モデルの座標系と構造モデルの座標系とを同じ座標系として説明する。
また、熱モデル温度データおよび構造モデル温度データは各メッシュ部分の温度を示す。
【0066】
次に、熱解析結果入力部110は熱解析結果データに含まれる熱モデルデータを熱モデル記憶部191に記憶し、熱解析結果データに含まれる熱モデル温度データを熱モデル温度データ記憶部192に記憶し、構造モデルデータを構造モデル記憶部193に記憶する(S102)。
【0067】
<S103〜S104:交点算出処理の一例>
次に、交点算出部120は熱モデル記憶部191から熱モデルデータを取得し、構造モデル記憶部193から構造モデルデータを取得する(S103)。
【0068】
次に、交点算出部120は、S103で取得した熱モデルデータと構造モデルデータとに基づいて、構造モデル解析面における構造モデルメッシュ内の点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点を各構造モデルメッシュについて算出する(S104)。
処理S104の詳細については後述する。
【0069】
次に、交点算出部120はS104で算出した各構造モデルメッシュに対応する熱モデル解析面における各交点を温度データ抽出部130に出力する(S105)。
【0070】
<S106〜S108:物理量抽出処理の一例>
次に、温度データ抽出部130は交点算出部120から各構造モデルメッシュに対応する熱モデル解析面における各交点を入力し、熱モデル温度データ記憶部192から熱モデル温度データを入力する(S106)。
【0071】
次に、温度データ抽出部130は、S106で入力した各構造モデルメッシュに対応する熱モデル解析面における各交点と熱モデル温度データとに基づいて、各交点を含む各熱モデルメッシュの温度を熱モデル温度データから抽出する(S107)。
処理S107の詳細については後述する。
【0072】
次に、温度データ抽出部130はS107で抽出した各構造モデルメッシュに対応する各熱モデルメッシュの温度をマッピング部140に出力する(S108)。
【0073】
<S109〜S111:物理量算出処理、出力処理の一例>
次に、マッピング部140は温度データ抽出部130から各構造モデルメッシュに対応する各熱モデルメッシュの温度を入力する(S109)。
【0074】
次に、マッピング部140は、S109で入力した各構造モデルメッシュに対応する各熱モデルメッシュ部分の温度に基づいて、各構造モデルメッシュの温度を算出する(S110)。
処理S110の詳細については後述する。
【0075】
そして、マッピング部140はS110で算出した各構造モデルメッシュ部分の温度を構造モデル温度データとして出力する(S111)。
例えば、マッピング部140は構造モデル温度データを構造モデル温度データ記憶部194に記憶し、また、FDD904やCDD905の記憶媒体に構造モデル温度データを記憶する。
また例えば、マッピング部140は通信ネットワークを介して接続する構造解析装置に構造モデル温度データを送信する。
各構造モデルメッシュの温度を示す構造モデル温度データは構造モデルの熱変形を解析する構造解析の入力データとなる。
【0076】
次に、交点算出部120が各構造モデルメッシュに対応する熱モデル解析面における各交点を算出するS104の処理、温度データ抽出部130が各構造モデルメッシュに対応する各熱モデルメッシュ部分の温度を抽出するS107の処理およびマッピング部140が各構造モデルメッシュ部分の温度を算出するS110の処理について説明する。
【0077】
図4、図5は、実施の形態1におけるS104の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理について図4および図5に基づいて以下に説明する。
図4および図5は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面202と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203とを対象物201の上方から表した平面図である。対象物201が平板状の構造物の場合、熱解析では対象物の表面位置でモデル化が行われることも多く、構造解析では対象物の中立面(対象物201の断面)でモデル化が行われるのが一般的である。図4および図5では、熱モデル解析面202が対象物201全体の外表面であり、構造モデル解析面203が対象物201の一部の内部断面であることを示している。熱モデルデータおよび構造モデルデータは熱モデル解析面202と構造モデル解析面203とが例えば図4や図5に示すような位置関係にあることを座標値で示すデータである。熱モデルデータが表す熱モデルメッシュの座標値と構造モデルデータが表す構造モデルメッシュの座標値とに基づいてCG(Computer Graphics)処理を行うと、複数の熱モデルメッシュで形成される熱モデル解析面202と複数の構造モデルメッシュで形成される構造モデル解析面203とを例えば図4や図5に示すように表示装置901に表示することができる。
交点算出部120は熱モデルデータと構造モデルデータとに基づいて構造モデル解析面203における構造モデルメッシュ内の点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面202との交点を各構造モデルメッシュについて算出する。このとき、図4に示すように、熱モデル解析面202からの法線ベクトルと構造モデル解析面203との交点の算出を行うと、α部分のように構造モデル解析面203が存在しない部分についての不要な算出処理が発生する。巨大な構造モデルを分割してマッピングを行いたい場合や部品の一部について熱変形解析を実施したい場合など、図4に示すように、熱モデルに対して構造モデルが一部分しか存在しないような場合もしばしばある。そこで、交点算出部120は、図5に示すように、構造モデル解析面203からの法線ベクトルと熱モデル解析面202との交点の算出を行うことを特徴とする。また、このようにマッピング先のメッシュから対応するマッピング元のメッシュを探索するようにすることで、後述する実施の形態5のようにグラフィック技術を用いて交点算出と物理量抽出とを行うことができ、処理の高速化が期待できる。
【0078】
図6は、実施の形態1におけるS104、S107およびS110の処理を示す図である。
図7は、実施の形態1におけるS104の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理、温度データ抽出部130が実行するS107の処理およびマッピング部140が実行するS110の処理について図6および図7に基づいて以下に説明する。
図6は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面202と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203との斜視図である。熱解析と構造解析との解析目的の違いなどを理由に、熱モデル解析面204と構造モデル解析面203とは図6に示すように異なる形状、大きさ、配置のメッシュで区分される。
図7は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面204と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203とを対象物201の上方から表した平面図である。
交点算出部120、温度データ抽出部130およびマッピング部140は、熱モデルデータおよび構造モデルデータに基いて、例えば、図6に示す節点A、節点Bおよび節点Cで形成される構造モデルメッシュMについて以下に説明するような処理を実行する。構造モデルデータには構造モデルメッシュMを表すデータとして節点A、節点Bおよび節点Cの座標値が含まれる。熱モデルデータには同様にして熱モデルメッシュm、m、m、mおよびmを表す座標値が含まれる。また、熱モデル温度データには熱モデルメッシュmの温度(30℃)、熱モデルメッシュmの温度(29℃)、熱モデルメッシュmの温度(28℃)、熱モデルメッシュmの温度(26℃)および熱モデルメッシュmの温度(25℃)が含まれる。
【0079】
S104において、交点算出部120は構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMから点aを選択し、点aを基点とする法線ベクトルVを算出し、法線ベクトルVと熱モデル解析面202との交点a’を算出する。同様に、交点算出部120は構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMから点b、c、dおよびeを選択し、点b、c、dおよびeを基点とする法線ベクトルV、V、VおよびVを算出し、熱モデル解析面202における交点b’、c’、d’およびe’を算出する。
【0080】
S107において、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点a’を含む熱モデルメッシュmを座標値に基づいて特定し、熱モデルメッシュmの温度(30℃)を熱モデル温度データから抽出する。同様に、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点b’を含む熱モデルメッシュmの温度(30℃)、熱モデル解析面202における交点c’を含む熱モデルメッシュmの温度(29℃)、熱モデル解析面202における交点d’を含む熱モデルメッシュmの温度(28℃)および熱モデル解析面202における交点e’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)を熱モデル温度データから抽出する。
【0081】
S110において、マッピング部140は熱モデル解析面202における交点a’を含む熱モデルメッシュmの温度(30℃)、熱モデル解析面202における交点b’を含む熱モデルメッシュmの温度(30℃)、熱モデル解析面202における交点c’を含む熱モデルメッシュmの温度(29℃)、熱モデル解析面202における交点d’を含む熱モデルメッシュmの温度(28℃)および熱モデル解析面202における交点e’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)の平均値「28.6℃(=(30+30+29+28+26)/5)」を構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMの温度として算出する。
【0082】
熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は交点算出部120が1つの構造モデルメッシュについて複数の点を選択し、各構造モデルメッシュの各点について法線ベクトルを算出し、各法線ベクトルについて熱モデル解析面202との交点を算出することを特徴とする。
これにより、マッピング部140が各交点部分の温度の平均値を当該構造モデルメッシュの温度として算出することができる。そして、マッピング部140が、平均値を採用することにより、一つの交点部分の温度を選択するよりも正確に構造モデルメッシュの温度を算出することができる。
また、図7に示すように、構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMの点fを基点とする法線ベクトルが熱モデル解析面204と交わらないような場合でも、マッピング部140が、構造モデルメッシュMの点g、点hおよび点iを基点とする各法線ベクトルと熱モデル解析面204との交点g’、h’およびi’部分の温度に基づいて、構造モデルメッシュMの温度を算出することができる。
【0083】
図8、図9は、実施の形態1におけるS104の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理について図8に基づいて以下に説明する。
図8、図9は、構造モデルデータが表す構造モデル解析面203の正面図である。通常、ボルト孔などの特別な構造を有する部分については特に詳細に構造解析が行われる。図8、図9では、構造モデル解析面203が詳細に構造解析を行うボルトの周辺において構造モデルメッシュ(例えば、M)により小さく区分され、ボルトが位置しない部分において構造モデルメッシュ(例えば、M)により大きく区分されていることを示す。
また、構造モデルでは構造モデルメッシュを表す多角形は必ず凸形状であり、対象物が平板の場合の構造モデルメッシュの形状は主に三角形と四角形となる。また、構造モデルでは熱モデルと異なり、解析面の辺の途中にメッシュの節点を設けることが一般的にできないという原則がある。
S104において、交点算出部120が各構造モデルメッシュについて特定の長さlの間隔で法線ベクトルの基点を定める場合、法線ベクトルの基点の数は各構造モデルメッシュの大きさに依存する。例えば、図8に示すように、詳細に構造解析を行いたい構造モデルメッシュMにおける法線ベクトルの基点の数が少なくなる(図8では1つ)。そして、S110においてマッピング部140が複数の法線ベクトルが交わる熱モデル解析面の各交点部分の温度の平均値を当該構造モデルメッシュの温度として算出しているため、法線ベクトルの基点の数が少ないと構造モデルメッシュの温度の精度が落ちるということが考えられる。
【0084】
そこで、交点算出部120は、図9に示すように、大きさの異なる各構造モデルメッシュに対して法線ベクトルの基点の数を同数にすることを特徴とする。ここで、「同数」とは同程度の数も含み、特定の方法で定められる基点の数のことを示す。
交点算出部120は、各構造モデルメッシュに対して法線ベクトルの基点の数を同数にするため、各構造モデルメッシュを構成する短部の長さに対して特定数の法線ベクトルの基点を定める。例えば、当該構造モデルメッシュの形状が四角形の場合、交点算出部120は4辺のうち一番短い辺を特定数に分割した長さを当該構造モデルメッシュにおける法線ベクトルの基点の間隔とする。また例えば、当該モデルメッシュの形状が三角形の場合、交点算出部120は底辺と高さとの短い方を特定数に分割した長さを当該構造モデルメッシュにおける法線ベクトルの基点の間隔とする。
短辺を分割する特定数を「5」とすると、交点算出部120は、高さが「15mm」、底辺が「21mm」の三角形である構造モデルメッシュMにおける法線ベクトルの基点の間隔を「3mm(=15/5)」に設定し、図9に示すように法線ベクトルの基点を設定する。また、交点算出部120は、短辺の長さが「60mm」、長辺の長さが「66mm」の四角形である構造モデルメッシュMにおける法線ベクトルの基点の間隔を「12mm(=60/5)」に設定し、図9に示すように、短辺方向に4つ、長辺方向に5つの法線ベクトルの基点を設定する。
【0085】
図10は、実施の形態1におけるS104の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理について図10に基づいて以下に説明する。
図10は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面204と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203とを対象物201の上方から表した平面図である。
S107において、交点算出部120が構造モデル解析面203からの法線ベクトルと熱モデル解析面204との交点を算出する際、対象物201が図10に示すような形状である場合、構造モデル解析面203の基点jに対応する熱モデル解析面204における交点が交点βと交点γとの複数存在することになる。この場合に交点算出部120が算出したい交点は対象物201において基点jと同じ辺に位置する交点βである。そこで、交点算出部120は、既定の距離、例えば対象物201の厚さLの半分L/2を法線ベクトルの最大長として熱モデル解析面204における交点の算出を行うことを特徴とする。あるいは、複数の交点のうち基点から最近傍の点を選択するようにしても良い。これは、多数の面が重なり合った複雑な構造物において、適切な熱モデル解析面に対応付けを行うのに有効であり、後述する実施の形態5のようにグラフィック技術を利用して交点計算や物理量抽出を行う場合には、CGの隠面消去に用いるZバッファ(デプスバッファ)を利用して処理の高速化を図ることも可能である。
【0086】
本実施の形態では、熱解析モデル上の温度分布を構造メッシュの法線ベクトル方向に沿って平行投影することでデータマッピングを行った。
このような方法を採ることで、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、温度分布の境界線が単一の構造メッシュ上を横断するような場合でも、1つのメッシュ内に生じた温度分布に対し、一定の基準に基づいた定量的な処理を行うことができる。
さらに、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、データマッピングを手作業によらず自動的に行うことができ、異種の解析モデル間でデータの受け渡しおよび再配置を必要とする解析作業の負荷を軽減することができる。
なお、本実施の形態などに示した温度や寸法などの物理量の具体的な数値は、実施形態を具体的に説明するための例であり、本発明によって得られる効果がこれらの数値に対してのみ限定されるものではないことは言うまでもない。また、以降の文章においてもこの点は同様である。
【0087】
実施の形態2.
実施の形態2では、構造モデルメッシュの節点の温度を算出する熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100について説明する。
以下、前記実施の形態1と異なる事項について説明し、説明しない事項については前記実施の形態1と同様であるものとする。
【0088】
図11は、実施の形態2におけるS104、S107およびS110の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理、温度データ抽出部130が実行するS107の処理およびマッピング部140が実行するS110の処理について図11に基づいて以下に説明する。
図11は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面202と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203との斜視図である。
例えば、前記実施の形態1で説明した図6のように構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMについて、節点A、BおよびCを基点とする法線ベクトルが熱モデル解析面202と交わる場合には熱モデル解析面202における当該交点の温度を構造モデル解析面203の各節点の温度とすれば良い。しかし、図11に示すように、構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMの節点A、BまたはCを基点とする法線ベクトルが熱モデル解析面202と交わらない場合は同様にして構造モデル解析面203の各節点の温度を算出することはできない。
そこで、交点算出部120は、当該構造モデルメッシュの節点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点が存在しない場合に、当該構造モデルメッシュ内の節点以外の点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点を算出することを特徴とする。
そして、マッピング部140は当該構造モデルメッシュ内の節点以外の点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点の温度に基づいて当該構造モデルメッシュの節点の温度を算出することを特徴とする。
【0089】
例えば、交点算出部120、温度データ抽出部130およびマッピング部140は以下に説明するような処理を実行する。図11における節点Cについての処理を例に説明する。
S104において、交点算出部120は構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMと構造モデルメッシュMと構造モデルメッシュMとで共有する節点Cから特定の距離r内に位置する節点Cの近傍の点C、点C、点Cを選択し、点C、点C、点Cを基点とする法線ベクトルVC1、法線ベクトルVC2、法線ベクトルVC3を算出し、法線ベクトルVC1、法線ベクトルVC2、法線ベクトルVC3と熱モデル解析面202との交点C1’、交点C2’、交点C3’を算出する。点C、点C、点Cはそれぞれ構造モデルメッシュM、構造モデルメッシュM、構造モデルメッシュMに位置する。
S107において、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点C1’を含む熱モデルメッシュmを座標値に基づいて特定し、熱モデルメッシュmの温度(26℃)を熱モデル温度データから抽出する。同様に、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点C2’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)および熱モデル解析面202における交点C3’を含む熱モデルメッシュmの温度(25℃)を熱モデル温度データから抽出する。
S110において、マッピング部140は熱モデル解析面202における交点C1’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)、交点C2’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)、交点C3’を含む熱モデルメッシュmの温度(25℃)の平均値「25.7℃(=(26+26+25)/3)」を節点Cの温度として算出する。
【0090】
図12は、実施の形態2におけるS110の処理を示す図である。
マッピング部140が実行するS110の処理について図12に基づいて以下に説明する。
【0091】
マッピング部140は温度を算出する節点を共有する各構造モデルメッシュの温度の平均値を当該節点の温度として算出する。ここで、各構造モデルメッシュの温度は、例えば、前記実施の形態1のようにして算出されているものとする。
図12に示すように、節点Dを共有する構造モデルメッシュM1、構造モデルメッシュM2、構造モデルメッシュM3、構造モデルメッシュM4の温度が、それぞれ「29℃」、「27℃」、「30℃」、「28℃」である場合、マッピング部140は節点Dの温度を「28.5℃(=(29+27+30+28)/4)」と算出する。
【0092】
本実施の形態により、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、熱モデルを用いて解析された対象物の温度をマッピングして、構造モデルメッシュの各節点の温度を算出することができる。
【0093】
実施の形態3.
実施の形態3では、前記実施の形態2と同様に、構造モデルメッシュの節点の温度を算出する熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100について説明する。
以下、前記実施の形態1と異なる事項について説明し、説明しない事項については前記実施の形態1と同様であるものとする。
【0094】
図13は、実施の形態3におけるS104、S107およびS110の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理、温度データ抽出部130が実行するS107の処理およびマッピング部140が実行するS110の処理について図13に基づいて以下に説明する。
図13は、熱モデルデータが表す対象物201の熱モデル解析面202と構造モデルデータが表す対象物201の構造モデル解析面203との斜視図である。
交点算出部120は、図13に示すように、当該構造モデルメッシュの節点を基点とする法線ベクトルと熱モデル解析面との交点が存在しない場合に、当該構造モデルメッシュの節点を基点とする法線に対して特定の角度を持つ特定線と熱モデル解析面との交点を算出することを特徴とする。
【0095】
例えば、交点算出部120、温度データ抽出部130およびマッピング部140は以下に説明するような処理を実行する。
S104において、交点算出部120は構造モデル解析面203の構造モデルメッシュMの節点Aを基点として法線ベクトルVに対して角度θを持つ特定線ベクトルVA’を算出し、特定線ベクトルVA’と熱モデル解析面202との交点A’を算出する。同様に、交点算出部120は節点Bを基点として法線ベクトルVに対して角度θを持つ特定線ベクトルVB’および節点Cを基点として法線ベクトルVに対して角度θを持つ特定線ベクトルVC’を算出し、熱モデル解析面202における交点B’および交点C’を算出する。
S107において、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点A’を含む熱モデルメッシュmを座標値に基づいて特定し、熱モデルメッシュmの温度(30℃)を熱モデル温度データから抽出する。同様に、温度データ抽出部130は熱モデル解析面202における交点B’を含む熱モデルメッシュmの温度(29℃)および熱モデル解析面202における交点C’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)を熱モデル温度データから抽出する。
S110において、マッピング部140は熱モデル解析面202における交点A’を含む熱モデルメッシュmの温度(30℃)を構造モデルメッシュMの節点Aの温度、熱モデル解析面202における交点B’を含む熱モデルメッシュmの温度(29℃)を構造モデルメッシュMの節点Bの温度および熱モデル解析面202における交点C’を含む熱モデルメッシュmの温度(26℃)を構造モデルメッシュMの節点Cの温度として算出する。
【0096】
本実施の形態により、熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100は、熱モデルを用いて解析された対象物の温度をマッピングして、構造モデルメッシュの各節点の温度を算出することができる。
【0097】
実施の形態4.
実施の形態4では、構造モデルメッシュの表側の面と裏側の面とのそれぞれの温度を算出する熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100について説明する。
以下、前記実施の形態1と異なる事項について説明し、説明しない事項については前記実施の形態1と同様であるものとする。
【0098】
図14は、実施の形態4におけるS104の処理を示す図である。
交点算出部120が実行するS104の処理について図14に基づいて以下に説明する。
前記実施の形態1で述べたように、対象物201が平板状の構造物の場合、熱解析では対象物の表面位置でモデル化が行われることも多く、構造解析では対象物の中立面でモデル化が行われるのが一般的である。そのため、図14に示すように、対象物201の内部断面である構造モデル解析面203に対して対象物201の表側の外表面である熱モデル解析面202や対象物201の裏側の外表面である熱モデル解析面204のように、面位置が一致しない熱解析モデルが使用されることも多い。また、面の表側と裏側が構造モデルと熱モデルとで逆になっているようなケースも珍しくない。
そこで、交点算出部120は構造モデル解析面203の表側と裏側とのそれぞれの面において構造モデルメッシュ内の点を選択し、選択した点を基点とする法線ベクトルを算出し、法線ベクトルと熱モデル解析面202または熱モデル解析面204との交点を算出することを特徴とする。
これにより、マッピング部140が構造モデル解析面203の表側と裏側とのそれぞれの面について構造モデルメッシュ部分の温度を算出することができる。
【0099】
例えば、図14(1)において、交点算出部120は構造モデル解析面203の表側において点aを選択し、点aを基点とする法線ベクトルが熱モデル解析面202に交わる表側の点bと裏側の点bとを算出する。また、構造モデル解析面203の裏側において点aを選択し、点aを基点とする法線ベクトルが熱モデル解析面204に交わる表側の点cと裏側の点cとを算出する。ここで、熱モデル解析面202における表側の点bの温度は「101℃」、裏側の点bの温度は「100℃」、熱モデル解析面204における表側の点cの温度は「90℃」、裏側の点cの温度は「89℃」とする。マッピング部140は熱モデル解析面における利用者に指定された側の温度に基づいて構造モデル解析面203の温度を算出する。例えば、利用者の指定が、構造モデル解析面203の表側の点aの温度として構造モデル解析面203の表側に位置する熱モデル解析面202の表側の温度、構造モデル解析面203の裏側の点aの温度として構造モデル解析面203の裏側に位置する熱モデル解析面204の裏側の温度である場合、マッピング部140は構造モデル解析面203の表側の点aの温度として熱モデル解析面202の表側の点bの温度「101℃」を設定し、構造モデル解析面203の裏側の点aの温度として熱モデル解析面204の表側の点cの温度「90℃」を設定する。
【0100】
また例えば、図14(2)に示すように、マッピング部140は、利用者の指定に基づいて、構造モデル解析面203の裏側の温度を構造モデル解析面203の表側に位置する熱モデル解析面202の温度に基づいて算出してもよい。同様に、図14(3)に示すように、マッピング部140は、利用者の指定に基づいて、構造モデル解析面203の表側の温度を構造モデル解析面203の裏側に位置する熱モデル解析面204の温度に基づいて算出してもよい。
熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100はキーボード902やマウス903などの入力機器から利用者の指定値を入力し、磁気ディスク装置920などの記憶機器に利用者の指定値を記憶し、交点算出部120や温度データ抽出部130やマッピング部140は記憶機器に記憶された利用者の指定値に基づいて処理するものとする。
【0101】
実施の形態5.
実施の形態5では、構造モデルメッシュに対応する熱モデルメッシュの温度をグラフィック技術を利用して抽出する熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100について説明する。
以下、前記実施の形態1〜4と異なる事項について説明し、説明しない事項については前記実施の形態1〜4と同様であるものとする。
【0102】
図15は、実施の形態5における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の構成図である。
前記実施の形態1で説明した構成図(図1)に対して、温度データ抽出部130が熱モデルと構造モデルと熱モデル温度データとを入力して各構造モデルメッシュに対応する熱モデルメッシュの温度を出力する点が異なる。
温度データ抽出部130はGPUやビデオチップなどのグラフィック処理装置を用いて各構造モデルメッシュに対応する熱モデルメッシュの温度を抽出する。
【0103】
図16は、実施の形態5における熱モデル−構造モデルデータマッピング方法を示すフローチャートである。
実施の形態5におけるS101、S102、S108〜S111の処理内容は前記実施の形態1で説明した処理内容と同様である。
また、実施の形態5におけるS103a、S104a、S107aはそれぞれ前記実施の形態1で説明したS103、S104、S107に対応する処理である。
【0104】
まず、S103aにおいて、温度データ抽出部130は熱モデル記憶部191から熱モデルデータを取得し、構造モデル記憶部193から構造モデルデータを取得し、熱モデル温度データ記憶部192から熱モデル温度データを取得する。
【0105】
次に、S104aにおいて、温度データ抽出部130はGPUやビデオチップを用いて熱モデルと構造モデルとを同一空間上に配置する。
そして、S107aにおいて、温度データ抽出部130は構造モデルに投影した熱モデルメッシュの温度を熱モデル温度データから抽出する。
【0106】
図17、図18は、実施の形態5におけるS104aとS107aとの処理を示す図である。
温度データ抽出部130が実行するS104aの処理とS107aの処理とについて図17および図18に基づいて以下に説明する。
図17に示すように、温度データ抽出部130は3次元CGを用いて熱モデル解析面202と構造モデル解析面203とを同一の座標空間上に配置する。そして、温度を算出する対象とする構造モデルメッシュ(例えば、構造モデルメッシュ1)が投影面に平行になるように熱モデル解析面202と構造モデル解析面203とを回転する座標変換を行う。ここで、投影面とは、表示装置901に表示した際に利用者からの視線ベクトルと垂直な関係にある画面に対応する。実施の形態5における視線ベクトルは前記実施の形態1における法線ベクトルに対応する。
図18は図17を視線ベクトル方向から見た図である。
図18に示すように、温度データ抽出部130は熱モデルメッシュの温度をピクセル値として構造モデルメッシュ1に投影する。このとき、温度データ抽出部130は、背後にあるものを隠しより近くにあるものを表す陰面消去に用いるZバッファ(デプスバッファ)を用いることで、最近傍の熱モデルメッシュの温度を構造モデルメッシュ1に投影する。そして、温度データ抽出部130は構造モデルメッシュ1に投影した熱モデルメッシュの温度を示すピクセル値を構造モデルメッシュ1に対応する温度として抽出する。図18に示すピクセル値に基づいて、温度データ抽出部130が構造モデルメッシュ1に対応する温度として「30℃のピクセルが3個」であり「32℃のピクセルが12個」であることを出力した場合、マッピング部140は、例えば、その平均値「31.6℃(=((30×3)+(32×12))/15)」を構造モデルメッシュ1の温度として算出する。
実施の形態5におけるピクセル座標は前記実施の形態1における法線ベクトルの基点および交点に対応する。
また、温度データ抽出部130は、各構造モデルメッシュについて構造モデルメッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行い、各構造モデルメッシュに対応する熱モデルメッシュの温度を抽出する。例えば、図17において構造モデルメッシュ6に対応する熱モデルメッシュの温度を抽出する場合、温度データ抽出部130は熱モデルと構造モデルとを垂直軸周りに90度回転する座標変換を行う。
さらに、実施の形態4に示したように、熱モデルメッシュの温度は表面の温度に限定するものではなく、裏面の温度を指定しても良い。その場合は、熱モデルメッシュの裏面の温度をピクセル値として構造モデルメッシュに投影すれば良い。
本実施の形態により、温度データ抽出部130は前記実施の形態1における交点算出処理と物理量抽出処理とを一度に実行することができ処理の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の構成図。
【図2】実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100のハードウェア資源の一例を示す図。
【図3】実施の形態1における熱モデル−構造モデルデータマッピング方法を示すフローチャート。
【図4】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図5】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図6】実施の形態1におけるS104、S107およびS110の処理を示す図。
【図7】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図8】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図9】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図10】実施の形態1におけるS104の処理を示す図。
【図11】実施の形態2におけるS104、S107およびS110の処理を示す図。
【図12】実施の形態2におけるS110の処理を示す図。
【図13】実施の形態3におけるS104、S107およびS110の処理を示す図。
【図14】実施の形態4におけるS104の処理を示す図。
【図15】実施の形態5における熱モデル−構造モデルデータマッピング装置100の構成図。
【図16】実施の形態5における熱モデル−構造モデルデータマッピング方法を示すフローチャート。
【図17】実施の形態5におけるS104aとS107aとの処理を示す図。
【図18】実施の形態5におけるS104aとS107aとの処理を示す図。
【符号の説明】
【0108】
100 熱モデル−構造モデルデータマッピング装置、110 熱解析結果入力部、120 交点算出部、130 温度データ抽出部、140 マッピング部、191 熱モデル記憶部、192 熱モデル温度データ記憶部、193 構造モデル記憶部、194 構造モデル温度データ記憶部、201 対象物、202,204 熱モデル解析面、203 構造モデル解析面、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、916 グラフィックボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング装置であり、
第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力部と、
前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出部と、
前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出部と、
前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出部と、
前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項2】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出する
ことを特徴とする請求項1記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項3】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項4】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項5】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項3記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項6】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出する
ことを特徴とする請求項3記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項7】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項3記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項8】
前記入力部は、第1の特定面の表側における各メッシュの物理量と第1の特定面の裏側における各メッシュの物理量とを含む第1の数学モデルの解析結果データを入力し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量のうち表側と裏側とのいずれか指定側の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項7いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項9】
前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、
前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項8いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項10】
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項9いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項11】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項2または請求項6記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項12】
前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項2または請求項6記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項13】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング装置であり、
第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力部と、
前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出部と、
前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出部と、
前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力部と
を備えたことを特徴とする異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項14】
前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出する
ことを特徴とする請求項13記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項15】
前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とする
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング装置。
【請求項16】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピングプログラムであり、
入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理と、
交点算出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出処理と、
物理量抽出部が前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出処理と、
物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理と、
出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項17】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出する
ことを特徴とする請求項16記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項18】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項16〜請求項17いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項19】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項18記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項20】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項18記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項21】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出する
ことを特徴とする請求項18記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項22】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項18記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項23】
前記入力部は、第1の特定面の表側における各メッシュの物理量と第1の特定面の裏側における各メッシュの物理量とを含む第1の数学モデルの解析結果データを入力し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量のうち表側と裏側とのいずれか指定側の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項16〜請求項22いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項24】
前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、
前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項16〜請求項23いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項25】
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出する
ことを特徴とする請求項16〜請求項24いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項26】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項17または請求項21記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項27】
前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項17または請求項21記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項28】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピングプログラムであり、
入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理と、
物理量抽出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出処理と、
物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理と、
出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項29】
前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出する
ことを特徴とする請求項28記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項30】
前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とする
ことを特徴とする請求項16〜請求項17いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。
【請求項31】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング方法であり、
入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理を行い、
交点算出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する交点算出処理を行い、
物理量抽出部が前記交点算出部が算出した交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を前記入力部が入力した第1の数学モデルの解析結果データから処理装置を用いて抽出して記憶機器に記憶する物理量抽出処理を行い、
物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理を行い、
出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理を行う
ことを特徴とする異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項32】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの物理量として算出する
ことを特徴とする請求項31記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項33】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項31〜請求項32いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項34】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項33記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項35】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点近辺の点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量を算出する
ことを特徴とする請求項33記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項36】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の数学モデルの当該メッシュ内の節点以外の複数の点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出し、
前記物理量算出部は、各交点を含む第1の数学モデルの各メッシュの物理量の平均値を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量として算出する
ことを特徴とする請求項33記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項37】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における第2の特定面の法線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点が存在しない場合、第2の特定面の法線に対して特定の角度を持つ特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を算出し、
前記物理量算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュの節点における特定線と第1の数学モデルの第1の特定面との交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量を第2の数学モデルの当該メッシュの節点の物理量とする
ことを特徴とする請求項33記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項38】
前記入力部は、第1の特定面の表側における各メッシュの物理量と第1の特定面の裏側における各メッシュの物理量とを含む第1の数学モデルの解析結果データを入力し、
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量のうち表側と裏側とのいずれか指定側の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項31〜請求項37いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項39】
前記入力部は、第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定された面の解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータを入力し、
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュ内の点における第2の特定面の法線が交わる、第2の数学モデルの第2の特定面に対して表側と裏側と両側とのいずれか指定側に位置する第1の数学モデルの特定面の交点を算出し、
前記物理量算出部は、第1の数学モデルの交点を含む第1の数学モデルのメッシュの表側と裏側と両側とのいずれか指定面の物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を算出する
ことを特徴とする請求項31〜請求項38いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項40】
前記物理量算出部は、交点を含む第1の数学モデルのメッシュの物理量に基づいて第2の特定面の表側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量と第2の特定面の裏側における第2の数学モデルの当該メッシュの物理量とを算出する
ことを特徴とする請求項31〜請求項39いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項41】
前記交点算出部は、第2の数学モデルの当該メッシュを構成する短部の長さ当り特定数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項32または請求項36記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項42】
前記交点算出部は、第2の数学モデルにおいて大きさが異なる各メッシュに対して、同数の各点における第2の特定面の各法線と第1の数学モデルの第1の特定面との各交点を算出する
ことを特徴とする請求項32または請求項36記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項43】
対象物の断面と表面とのいずれかの特定面を複数のメッシュに区分して各メッシュの物理量を解析する数学モデルについて、第1の数学モデルで解析された第1の特定面における各メッシュの物理量を第2の数学モデルの第2の特定面における各メッシュにマッピングする異種数学モデル間データマッピング方法であり、
入力部が第1の数学モデルのメッシュデータと第1の数学モデルの解析結果データと第2の数学モデルのメッシュデータとを入力機器から入力して記憶機器に記憶する入力処理を行い、
物理量抽出部が前記入力部が入力した第1の数学モデルのメッシュデータと第2の数学モデルのメッシュデータとに基づいて第1の数学モデルの第1の特定面と第2の数学モデルの第2の特定面とを3次元CG(Computer Graphics)における同一の座標空間上に配置し、前記入力部が入力した第1の数学モデル解析結果データが示す第1の数学モデルの各メッシュの物理量を3次元CGにおけるピクセル値として第2の数学モデルの第2の特定面に投影し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を処理装置を用いて抽出する物理量抽出処理を行い、
物理量算出部が前記物理量抽出部が抽出した第1の数学モデルの物理量に基づいて第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を処理装置を用いて算出して記憶機器に記憶する物理量算出処理を行い、
出力部が前記物理量算出部が算出した第2の数学モデルの当該メッシュの物理量を出力機器に出力する出力処理を行う
ことを特徴とする異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項44】
前記物理量抽出部は、第1の数学モデルの特定面と第2の数学モデルの特定面とを3次元CGにおける同一の座標空間上に配置し、第1の数学モデルを第2の数学モデルの各メッシュが投影面に対して平行になるように順次座標変換を行って第1の数学モデルの各メッシュの物理量をピクセル値としてZバッファ(デプスバッファ)を用いて投影面に描画し、第2の数学モデルの各メッシュに投影した第1の数学モデルの物理量を抽出する
ことを特徴とする請求項43記載の異種数学モデル間データマッピング方法。
【請求項45】
前記物理量算出部は、算出した第2の数学モデルの各メッシュの物理量に基づいて、第2の数学モデルの各節点の物理量を当該節点を共有する各メッシュの物理量の平均値とする
ことを特徴とする請求項31〜請求項32いずれかに記載の異種数学モデル間データマッピングプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−33817(P2008−33817A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208995(P2006−208995)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】