説明

病変組織摘出装置に用いる吸引管

【課題】病変組織摘出装置に用いる吸引管として安全なバイポーラ電気メス機能を持つ吸引管を提供する。
【解決手段】吸引管100は、絶縁材料で構成された円筒状の吸引管本体1を有する。吸引管本体1の内面には出力電極2と帰還電極3が形成されており、それぞれに電流を供給するための出力電極への配線4と帰還電極への配線5とが接続されている。出力電極への配線4および帰還電極への配線5は吸引管本体1の上面でコネクタを介して外部電源である電気メス装置に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病変組織摘出装置に用いる吸引管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発明者らは、病変組織の摘出手術における安全かつ正確な摘出技術として、特許文献1の病変組織摘出装置を先に出願した。この特許文献1では吸引管をモノポーラ電気メスの電極として用いることで病変組織の正確な摘出を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2010−13214号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしモノポーラ電気メスは、電気メス電流が摘出対象の病変組織以外にも広範囲に流れるため、正常細胞を傷つける危険性がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑み、病変組織摘出装置に用いる吸引管として安全なバイポーラ電気メス機能を持つ吸引管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、吸引管本体と、前記吸引管本体に形成され、摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、前記出力電極および帰還電極をそれぞれ外部電源に接続する配線と、を備え、前記出力電極および帰還電極が前記吸引管本体の内面に露出しており、前記吸引管本体と前記出力電極および帰還電極とが絶縁されており、かつ前記吸引管本体と前記配線とが絶縁されていることを第1の特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記した第1の特徴において、前記吸引管本体には内面と側面を貫通する配線用開口部が形成されており、前記出力電極および帰還電極をそれぞれ外部電源に接続する配線は、前記吸引管本体の側面に露出し前記配線用開口部を介して前記出力電極および帰還電極にそれぞれ接続されていることを第2の特徴とする。
【0008】
また、本発明は、摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、前記出力電極と前記帰還電極との間を絶縁する絶縁体と、を備え、前記出力電極と前記帰還電極と前記絶縁体とにより多角形の筒状または円筒の当該吸引管が構成されており、当該吸引管を摘出部位に接触させる側の前記出力電極と前記帰還電極の面が絶縁材料で被覆されていることを第3の特徴とする。
【0009】
また、本発明は、多角形の筒状または円筒の絶縁体と、摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、を備え、前記出力電極および帰還電極の一方が前記絶縁体の外側に形成され、他方が前記絶縁体の内側に形成されており、当該吸引管を摘出部位に接触させる側の端部において、前記出力電極および帰還電極の一方は前記出力電極および帰還電極の他方より突出し、前記出力電極および帰還電極の一方は前記絶縁体より突出していることを第4の特徴とする。
【0010】
上記した各特徴によれば、電極が双極で作られていることで電極に流す電流が双電極に挟まれた摘出対象組織のみに流れるため、周辺組織に流れず、周辺組織を傷つける危険性が低く、病変組織の安全な摘出を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸引管の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る吸引管の構成を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る吸引管の構成を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る吸引管の構成を示す図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る吸引管の構成を示す図である。
【図6】本発明に係る吸引管を用いる病変組織摘出装置の構成を示す図である。
【図7】病変組織摘出の手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明に係る吸引管を用いる病変組織摘出装置について説明する。図6は、その全体構成を示す模式図である。病変組織摘出装置は、吸引管(病変組織吸引管)100と、吸引管100に負圧を与える真空ポンプ105と、吸引管100内の圧力を調整する真空レギュレータ104と、吸引管100に接続された電気メス装置109と、吸引管100で摘出した病変組織を貯留する吸引瓶103と、真空レギュレータ104および電気メス装置109を制御するコンピュータ106と、からなる。
【0013】
吸引管100の後端はコネクタ101を介してチューブ102に接続されている。チューブ102は吸引瓶103に接続され、さらに真空レギュレータ104を経由し、真空ポンプ105に接続されている。
【0014】
吸引管100に設けられた一方の電極(出力電極)はコネクタ101を介して通電ケーブル110に接続され、吸引管100に設けられた他方の電極(帰還電極)はコネクタ101を介して通電ケーブル111に接続されている。通電ケーブル110、111は電気メス装置109に接続されている。
【0015】
チューブ102は吸引管100に負圧を与え、また吸引管100が摘出した病変組織を吸引瓶103まで移送する。
【0016】
真空レギュレータ104は真空レギュレータ制御ケーブル107を介して制御コンピュータ106に接続されており、制御コンピュータ106の制御信号によって設定圧が変化する。また電気メス装置109は電気メス装置制御ケーブル108を介して制御コンピュータ106に接続されており、制御コンピュータ106の制御信号によって、電気メス出力設定値が変化し、また電気メス出力の開始および停止が制御される。
【0017】
病変組織摘出装置に必要な負圧は真空ポンプ105によって与えられる。真空ポンプ105によって生じた負圧は、真空レギュレータ104によって設定された圧力に調整され、吸引管100に負圧を与える。真空レギュレータ104には圧力センサが取り付けられており、吸引管100の負圧を確認できるようになっていることが望ましいが、別途圧力センサを吸引瓶103またはチューブ102または吸引管100に取り付けても良い。
【0018】
病変組織摘出の手順は、次の通りである。
【0019】
病変組織摘出装置における病変組織の摘出量調整は吸引管100の負圧による引っ張り力を調整することで実現している。図7は病変組織摘出時の吸引管100の先端部分を示している。
【0020】
図7(a)のように吸引管100の先端を細胞組織200の摘出部位201に接触させる。このとき吸引管100には負圧を与えない。また吸引管100と摘出部位201の間にすき間ができないようにする。
【0021】
制御コンピュータ106からの制御信号により真空レギュレータ104を調整し、吸引管100に負圧を与えると吸引管100の内部に引っ張り力が発生し、図7(b)のように摘出部位201が吸い込まれる。吸い込まれる摘出部位201の量は、負圧により吸引管100に発生した引っ張り力によって変化する。
【0022】
図7(b)の状態で吸引管100の出力電極2と帰還電極3の間に電気メス装置109から高周波電流を流すと、吸引管100の内側に接触している摘出部位201が焼灼され、図7(c)のように細胞組織200と摘出部位201で分離される。
【0023】
吸引管100を細胞組織200から離すと、分離された摘出部位201は吸引管100の負圧によってチューブ102を移送されて吸引瓶103に貯留される。その結果、図7(a)において細胞組織200にあった摘出部位201は、図7(d)のように摘出による凹み202となる。
【0024】
このように上記した病変組織摘出装置では、病変組織を吸い上げる吸引管100と、吸引管100に負圧を与える真空ポンプ105と、吸引管内の圧力を調整する真空レギュレータ104と、吸引管100に接続された電気メス装置109と、吸引管100で摘出した病変組織を貯留する吸引瓶103と、真空レギュレータ104および電気メス装置109を制御するコンピュータ106と、を備え、吸引管100が電気メス電極としても機能し、さらに真空レギュレータ104の圧力調整および電気メス装置109の出力調整により、病変組織の摘出量を調節できるものとなっている。
【0025】
次に、上記した病変組織摘出装置に用いる吸引管100について説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に係る吸引管(電極付き吸引管)100の構成を示す。図1(a)、(b)、(c)はそれぞれ吸引管100の正面図、上面図、立体図である。図1(d)は吸引管100の展開図であり、手前の面が吸引管100の内面である。
【0027】
吸引管100は、絶縁材料で構成された円筒状の吸引管本体1を有する。吸引管本体1の内面には出力電極2と帰還電極3が形成されており、それぞれに電流を供給するための出力電極への配線4と帰還電極への配線5とが接続されている。出力電極への配線4および帰還電極への配線5は吸引管本体1の上面でコネクタ101を介して外部電源である電気メス装置109に接続される。
【0028】
出力電極2と帰還電極3と出力電極への配線4と帰還電極への配線5は導電性の箔を用いても、導電性のメッキを用いても、導電性のワイヤーを用いても良い。これらの導電性部分を除く吸引管本体1は絶縁材料で作るか、絶縁材料で被覆することで、出力電極2と帰還電極3が短絡しないようにする必要がある。
【0029】
吸引管本体1は円筒状に限らず、多角形の筒状でも良い。また、出力電極2と帰還電極3の形状は多角形のほか円形や網目状でも良い。また、出力電極2と帰還電極3と出力電極への配線4と帰還電極への配線5はそれぞれ複数個に分割して配置することも可能である。その場合、出力電極4と帰還電極5を交互に配置しても良いし、出力電極4を連続して配置し、帰還電極5を連続して配置しても良いし、出力電極4と帰還電極5の個数を異なものとして配置しても良い。
【0030】
なお、吸引管本体1の底面と出力電極2の底辺あるいは帰還電極3の底辺は接しないことが望ましい。
【0031】
出力電極2と帰還電極3をらせん状に配置することも可能である。図2は電極をらせん状に配置した場合の吸引管100の展開図である。図2に示す展開図の手前の面が吸引管本体1の内面であり、出力電極6と帰還電極7が平行に並んでおり、それぞれに電流を供給する出力電極への配線8と帰還電極への配線9が接続されている。出力電極への配線8と帰還電極への配線9は吸引管本体1の上面で外部電源に接続される。
【0032】
この場合も、吸引管本体1の底面と帰還電極7の底辺は接しないことが望ましい。
【0033】
出力電極6と帰還電極7を逆に配置し、出力電極6が帰還電極7の下側にあっても良い。この場合、出力電極への配線8と帰還電極への配線9もそれぞれ出力電極6と帰還電極7に接続するように配置しなければならない。また、出力電極6と帰還電極7は短絡しなければ必ずしも平行に並んでいる必要はない。
【0034】
この実施形態によれば、出力電極6および帰還電極7が吸引管本体1の内面に露出しており、吸引管本体1と出力電極6および帰還電極7とが絶縁されており、かつ吸引管本体1と配線5、5(又は8、9)とが絶縁されている。
【0035】
このような構成によって次の効果が得られる。出力電極への配線4(又は8)および帰還電極への配線5(又は9)のほとんどが吸引管本体1の内面にあり、吸引管本体1の上面のみで外面に露出しているため、他の器具との接触により電極への配線が切断される危険性が少ない。また電流が吸引管本体1の側面を流れないため漏電の危険性が少ない。
【0036】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。図3(a)(b)(c)はそれぞれ吸引管100の立体図と展開図と断面図である。図3(b)の展開図において手前の面が吸引管100の内面である。
【0037】
吸引管100は、絶縁材料で構成された円筒状の吸引管本体10を有する。吸引管本体10の内面には出力電極11と帰還電極12が形成されている。さらに、吸引管本体10には内面と側面を貫通する配線用開口部15と配線用開口部16が形成されている。出力電極11へ電流を供給する出力電極への配線13は吸引管本体10の側面に露出しており、配線用開口部15を経由して出力電極11と接続されている。同様に、帰還電極12へ電流を供給する帰還電極への配線14は吸引管本体10の側面に露出しており、配線用開口部16を経由して帰還電極12と接続されている。
【0038】
出力電極11と帰還電極12と出力電極への配線13と帰還電極への配線14は導電性の箔を用いても、導電性のメッキを用いても、導電性のワイヤーを用いても良い。これらの導電性部分を除く吸引管本体10は絶縁材料で作るか、絶縁材料で被覆することで、出力電極11と帰還電極12が短絡しないようにする必要がある。
【0039】
吸引管100の使用時には、吸引力の低下を防ぐために配線用開口部15と配線用開口部16はふさがれていることが望ましい。
【0040】
出力電極11と帰還電極12と出力電極への配線13と帰還電極への配線14の形状と個数と配置位置は図3の形態にとどまらないことは第1の実施形態と同じである。配線用開口部15と配線用開口部16の形状についても多角形に限らず円形でも良く、またその個数を電極への配線の個数と一致させる必要はない。
【0041】
吸引管本体10の底面と出力電極15の底辺あるいは帰還電極16の底辺は接しないことが望ましい。
【0042】
この実施形態では、吸引管本体10には内面と側面を貫通する配線用開口部15、16が形成されており、出力電極および帰還電極をそれぞれ外部電源に接続する配線13、14は、吸引管本体10の側面に露出し配線用開口部15、16を介して出力電極11および帰還電極12にそれぞれ接続されている。
【0043】
このような構成によって、出力電極への配線13および帰還電極への配線14が吸引管本体10の側面に露出しているため、外部電源の接続が容易であるという効果が得られる。
【0044】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。図4(a)(b)(c)(d)(e)はそれぞれ吸引管100の正面図と側面図と上面図と底面図と立体図である。
【0045】
吸引管100は、各々が板状の、出力電極21と帰還電極22と絶縁体23aと絶縁体23bで構成されている。絶縁体23aと絶縁体23bは出力電極21と帰還電極22を絶縁するように配置されている。出力電極21と帰還電極22は全体が導電性材料で作られている。ただし、出力電極21と帰還電極22の底面は絶縁材料の被膜24aで絶縁されている。さらに出力電極21と帰還電極22の外面も外部電源を接続する部分を除いて絶縁材料の被膜24bで絶縁されている。第3の実施形態では出力電極21と帰還電極22はそれ自体が電極を外部電源へ接続する配線として機能する。
【0046】
吸引管100の形状は多角形の筒状だけでなく円筒でも良い。また出力電極21と帰還電極22の個数と配置は図4の形態にとどまらず、出力電極21と帰還電極22が短絡しなければ複数の出力電極21と複数の帰還電極22から構成されても良い。
【0047】
この実施形態では、出力電極21と帰還電極22と絶縁体23a、23bとにより多角形の筒状または円筒の吸引管100が構成されており、当該吸引管100を摘出部位に接触させる側の出力電極21と帰還電極22の面が絶縁材料24a、24bで被覆されている。
【0048】
このような構成によって次の効果が得られる。電極部分と外部電源の接続部分が一体化しているため摩擦による電極の切断が起きにくい。また導電性材料と絶縁性材料の接着で形成できるため製造が容易である。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図5を用いて説明する。図5(a)(b)(c)(d)はそれぞれ吸引管100の正面図と上面図と立体図と断面図である。吸引管100は出力電極31と帰還電極32と絶縁体33で構成されており、それぞれ異径の円筒で作られている。絶縁体33は出力電極31と帰還電極32に挟まれておりこれらの電極を絶縁している。出力電極31と帰還電極32は全体あるいは表面が導電性材料で作られている。ただし出力電極31の底面は絶縁材料で被覆されている。また出力電極31の外面は導電性材料が露出していても良いし、絶縁材料で被覆されていても良い。この第4の実施形態では出力電極31と帰還電極32はそれ自体が電極を外部電源へ接続する配線として機能する。
【0049】
出力電極31の底面は帰還電極32の底面よりも下方に突出していなければならない。また絶縁体33は出力電極31より下方に突出してはいけない。
【0050】
吸引管100の形状は円筒のほか多角形の筒状でも良い。また出力電極31と帰還電極32の配置が図5と逆、すなわち出力電極31が内側で帰還電極32が外側でも良く、この場合は帰還電極32が出力電極31よりも下方に突出しており、また帰還電極32の底面が絶縁材料で被覆されていなければならない。さらに出力電極31と帰還電極32の個数と配置は図5の形態にとどまらず、出力電極31と帰還電極32が短絡しなければ複数の出力電極31と帰還電極32で構成することもできる。
【0051】
この実施形態では、出力電極31および帰還電極32の一方が絶縁体33の外側に形成され、他方が絶縁体33の内側に形成されており、当該吸引管100を摘出部位に接触させる側の端部において、出力電極31および帰還電極32の一方は出力電極31および帰還電極32の他方より突出し、出力電極31および帰還電極32の一方は絶縁体33より突出している。
【0052】
このような構成によって次の効果が得られる。吸引管100の全周が出力電極31および帰還電極32を構成しているため、摘出組織に対して均等に電流を流すことができる。また帰還電極32の周囲に絶縁体33を形成し、さらにその周囲に出力電極31を形成すればよいため製造が容易である。あるいは導電性材料および絶縁性材料の異径管をはめ合わせることで形成でき製造が容易である。
【符号の説明】
【0053】
1 吸引管本体
2 出力電極
3 帰還電極
4 出力電極への配線
5 帰還電極への配線
6 出力電極
7 帰還電極
8 出力電極への配線
9 帰還電極への配線
10 吸引管本体
11 出力電極
12 帰還電極
13 出力電極への配線
14 帰還電極への配線
15 配線用開口部
16 配線用開口部
21 出力電極
22 帰還電極
23a 絶縁体
23b 絶縁体
24a 絶縁材料の被膜
24b 絶縁材料の被膜
31 出力電極
32 帰還電極
33 絶縁体
100 吸引管
101 コネクタ
102 チューブ
103 吸引瓶
104 真空レギュレータ
105 真空ポンプ
106 コンピュータ
107 真空レギュレータ制御ケーブル
108 電気メス装置制御ケーブル
109 電気メス装置
110 通電ケーブル
111 通電ケーブル
200 細胞組織
201 摘出部位
202 摘出による凹み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
病変組織の摘出を行う病変組織摘出装置に用いる吸引管であって、
吸引管本体と、
前記吸引管本体に形成され、摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、
前記出力電極および帰還電極をそれぞれ外部電源に接続する配線と、を備え、
前記出力電極および帰還電極が前記吸引管本体の内面に露出しており、前記吸引管本体と前記出力電極および帰還電極とが絶縁されており、かつ前記吸引管本体と前記配線とが絶縁されていることを特徴とする病変組織摘出装置に用いる吸引管。
【請求項2】
前記吸引管本体には内面と側面を貫通する配線用開口部が形成されており、前記出力電極および帰還電極をそれぞれ外部電源に接続する配線は、前記吸引管本体の側面に露出し前記配線用開口部を介して前記出力電極および帰還電極にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の病変組織摘出装置に用いる吸引管。
【請求項3】
病変組織の摘出を行う病変組織摘出装置に用いる吸引管であって、
摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、
前記出力電極と前記帰還電極との間を絶縁する絶縁体と、を備え、
前記出力電極と前記帰還電極と前記絶縁体とにより多角形の筒状または円筒の当該吸引管が構成されており、当該吸引管を摘出部位に接触させる側の前記出力電極と前記帰還電極の面が絶縁材料で被覆されていることを特徴とする病変組織摘出装置に用いる吸引管。
【請求項4】
病変組織の摘出を行う病変組織摘出装置に用いる吸引管であって、
多角形の筒状または円筒の絶縁体と、
摘出部位に電流を流すための出力電極および帰還電極と、を備え、
前記出力電極および帰還電極の一方が前記絶縁体の外側に形成され、他方が前記絶縁体の内側に形成されており、当該吸引管を摘出部位に接触させる側の端部において、前記出力電極および帰還電極の一方は前記出力電極および帰還電極の他方より突出し、前記出力電極および帰還電極の一方は前記絶縁体より突出していることを特徴とする病変組織摘出装置に用いる吸引管。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−167453(P2011−167453A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36210(P2010−36210)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年11月21日 日本コンピュータ外科学会発行の「日本コンピュータ外科学会誌 第11巻第3号」に発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「インテリジェント手術機器研究開発プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】