説明

病室用医療看護設備ユニット

【課題】病室内に設置され、患者に医療看護行為を行う為の病室用医療看護設備ユニットに関するもので、簡単な構造で、操作性に優れた病室用医療設備ユニットを提供する。
【解決手段】医療用ガス取出し部11と医療用電気設備部10の前面を開閉装置を介して前面カバー2で開閉自在とした病室用医療看護設備ユニット100において、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置5と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置3と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置7を有し、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材8よりなり、押圧部材は、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病室内に設置され、患者に医療看護行為を行う為の病室用医療看護設備ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記病室用医療看護設備ユニットは、ベッド側方の頭部側壁面に固定され、前面上部に医療用ガス取り出し部を有し、ベッド側の側面に電気設備を有し、医療用ガス取り出し部は、上昇して前面を開放し、下降して前面を閉鎖する、昇降機構を介して昇降自在の前面カバーにて開放閉塞自在に構成され、昇降機構は、レール装置と定荷重バネ装置よりなり、
定荷重バネ装置は、前面カバーの荷重に相当する定荷重に設定されているものであった。(例えば特許文献1参照。)
そのため、前面カバーは開放位置、閉鎖位置で停止状態とすることはできるが、前面カバーを閉鎖位置から開放位置に移動させる場合、あるいはその逆の場合、前面カバーの上端面あるいは下端面に手を添えて、上方あるいは下方向きの力を手先に加える必要がある。この時、その力加減が合わず、急激に前面カバーを押し上げたり、あるいは押し下げたりすることによる衝突音、あるいは衝撃による振動が患者に不快感を与えるだけでなく、看護師等が医療看護用器具等を保持した状態で上記操作を行うと、予測する開閉作業時(特に押し下げる時)の予測感覚と、実際の開閉作業の感覚が大きく乖離することによって、姿勢をくずし、器具を患者の顔面に落下させる等、非常に危険でもあった。
すなわち、前面カバーを開放状態から閉鎖状態にする場合は、指先の押し下げ力に前面カバーの荷重が付加されるので、患者の神経に触らない程度(衝突音が発生しない程度)の降下スピードで降下させるのは非常に困難であり、使い勝手が悪かった。
【0003】
【特許文献1】特開平10−85276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の問題点に鑑みて、簡単な構造で、操作性に優れた病室用医療看護設備ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、開閉装置を介して、正面側の少なくとも一部を前面カバーで開閉自在とした病室用医療看護設備ユニットにおいて、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有し、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材よりなり、押圧部材は、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜しているものである。
【0006】
次に、上記課題を解決する為、本発明が第2の手段として構成したところは、正面側の少なくとも一部を開閉装置を介して、前面カバーで開閉自在とした病室用医療看護設備ユニットにおいて、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置と、前面カバーの開閉操作を補助する定荷重バネ装置と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有し、定荷重バネ装置は、前面カバーが降下する荷重に設定され、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材よりなり、押圧部材は、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜しているものである。
【0007】
次に、上記課題を解決するため本発明が手段とする第3の特徴は、上記第1、又は、第2の特徴に加え、押圧部材は、前面カバーの裏面側に上部を回動自在に連結し、下端部を左右方向で連結位置変更可能としたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によると、ラッチ装置は前面カバーの開放状態を維持し、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有しているので、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置を解除すれば、前面カバーはゆっくりと降下して閉鎖状態となるので、使い勝手が非常に良く、医療看護器具を持っていても安全にしようすることができる。
又、ブレーキ装置は、固定側に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの裏面側に配設され、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接する押圧部材よりなり、ブレーキダンパーは略水平方向で、押圧部材は上下方向に配設され、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜しているので、前面カバ―の昇降距離が大きくても、ストロークの小さいブレーキダンパーで対応することができ、全体の構造がコンパクトになる。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、上記効果に加え、定荷重バネ装置は、前面カバーの荷重よりやや軽めに設定されているので、前面カバーが不測に上昇することがなく、又、前面カバーを上昇させる動作に不要な力を必要とせず、使い勝手がよい。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、請求項1に記載の発明による効果、又は、請求項2に記載の発明による効果に加え、押圧部材は、前面カバーの裏面側に上部を回動自在に連結し、下端部を左右方向で連結位置変更可能としているので、押圧部材の傾斜角度の調節が可能となり、前面カバーの降下スピードを適宜選択できるので、医療看護設備ユニットの設置時に調整すれば、その後、ラッチ装置を操作するだけで、所望のスピードで前面カバーが降下するので、患者に不愉快な思いをさせることがなく、非常に使い勝手が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
開閉装置を介して、医療用ガス取出し部と医療用電気設備部の前面を前面カバーで開閉自在とした病室用医療看護設備ユニットにおいて、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置と、前面カバーの開閉操作を補助する定荷重バネ装置と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有し、定荷重バネ装置は、前面カバーの荷重よりやや軽めに設定され、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材よりなり、押圧部材は、前面カバーの裏面側に上部を回動自在に連結し、下端部を左右方向で連結位置変更可能とし、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜する傾斜角度を調節可能としていることを特徴とする病室用医療看護設備ユニット。
【実施例】
【0012】
以下、実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1において、符号100は、ベッドの頭部側壁面に設置された本発明の医療看護設備ユニットを示し、医療看護設備ユニット100は、基台1と、基台1の左右の前面側を開閉装置を介して開閉する左右の前面カバー2、2と、左右の前面カバー2、2間の前面側に設けられた固定カバー4より構成されている。
【0013】
基台1は、縦断面略コ字形の基枠13と、基枠13の左右端部に取付けられた左右閉塞板14、14と、左右閉塞板14、14間の所定位置に取り付けられた左右区画板15、15より左右方向で3分割され、前面が開口する横長箱状に形成されると共に、右閉塞板14と右区画板15間と基枠13の前面側に、取付座16に取付けられる医療用ガス取出金具の種類に応じたガス取出用化粧カバー17が着脱自在に取付けられ、内部が隠蔽された医療用ガス取出部11を有している。
【0014】
又、左閉塞板14と左区画板15間と基枠13の前面側に、取付座に取付けられる医療用電気設備金具の種類に応じた電気設備化粧カバー18が着脱自在に取付けられ、内部が隠蔽された医療用電気設備部10を有している。
さらに、基枠13の下面で左右区画板15、15間に開口部を形成し、この開口部にナースコールユニットと室内照明スイッチユニット等からなる患者用操作ユニット121が取付けられると共に、基枠13の前面の左右区画板15、15間に前記固定カバー4が取付けられ、内部が隠蔽された患者用操作部12を有している。
【0015】
左右の前面カバー2、2は、固定カバー4の左右上端部と前面カバー2、2間に設けられたラッチ装置3、3と、基台1と前面カバー2、2間に設けられたレール装置5・・・、定荷重バネ装置6、6、ブレーキ装置7、7よりなる開閉装置を介して昇降自在とし、上昇位置で、医療用電気設備部10、医療用ガス取出部11の前面を開放し、下降位置で、医療用電気設備部10、医療用ガス取出部11の前面を隠蔽している。
【0016】
左右の前面カバー2、2及びその開閉装置は、左右対称に配設されているので、以下、医療用ガス取出部11側の前面カバー2及びその開閉装置について説明する。
前面カバー2は横長長方形状の前面基板21と、前面基板21の右側端部を内方に横向き略L字形に折り曲げた右側片22と、左側端部を後端部が右側片22の中程まで達しない程度の奥行きで内方に折り曲げた左側片23と、左側片23と所定間隔を有して内側よりで上下方向に渡って設けられたラッチ受け取付用補強材24と、前面基板21の上端部を右側片22とほぼ同等の奥行きで、内方に横向き略L字形に折り曲げた上片25と、
前面基板21の下端部を左側片23とほぼ同等の奥行きで、内方に横向き略L字形に折り曲げた下片26より形成され、基台1と連結された状態で基台1と下片26間には所定の間隙20が形成される。
そして、前面基板21の左右端部側裏面の上下方向に渡って、レール取付座51、51が設けられ、下辺26の左右方向略中央部内側に定荷重バネ装置6のバネ連結座61が設けられている。
尚、固定カバー4側のレール取付座51はブレーキ装置7の一部が取付けられる関係上他方より左右方向に幅広に形成されている。
【0017】
レール装置5、5は左右対称に配設されているので右側についてのみ説明する。右側のレール装置5は、前面カバー2のレール取付座51に上下方向に渡って連結されるカバー側レール部材52と、基枠13の前面側左右端部に上下方向に渡って設けられた基台側レール取付座53、53の前面に上下方向に渡って配設された基台側レール部材54と、カバー側レール部材52と、基台側レール部材54を左右方向に連結するレール連結板55より構成されている。
符号56は、基台側レール部材54と、レール連結板55の基台側レール部材54側の前方に張り出して、基台側レール取付座53に上下方向に渡って設けられ、前面カバー2が最も上昇した状態で基台側レール部材54を前面側から隠蔽するレールカバーを示している。
【0018】
カバー側レール部材52は、前面カバー2のレール取付座51と連結される移動側アウターメンバー521と、移動側アウターメンバー521と、移動側ボールリテーナ522に回転自在に保持された複数個のボール523・・・を介して、移動側アウターメンバー521に摺動自在に保持された移動側インナーメンバー524より構成されている。
基台側レール部材54は、基台側レール取付座53と連結される固定側アウターメンバー541と、固定側アウターメンバー541と、固定側ボールリテーナ542に回転自在に保持された複数個のボール543・・・を介して、固定側アウターメンバー541に摺動自在に保持された固定側インナーメンバー544より構成されている。
【0019】
すなわち、カバー側レール部材52と基台側レール部材は対向した同系に形成されており移動側アウターメンバー521と固定側アウターメンバー541と移動側インナーメンバー524と固定側インナーメンバー544は、前面カバー2の高さ寸法とほぼ同等の長さに形成され、移動側ボールリテーナ522と固定側ボールリテーナ542はほぼその半分の長さに形成される事により、移動側インナーメンバー524と、レール連結板55を介して移動側インナーメンバー524と連結された固定側インナーメンバー544は移動側アウターメンバー521の移動距離の2分の1移動する。
【0020】
そして、前面カバー2が下降し、移動側アウターメンバー521、移動側インナーメンバー524、固定側インナーメンバー544が同じ高さに位置し、医療用ガス取出部11の前面を閉鎖したとき、それ以上の下降を停止させる下降時ストッパー(図示せず。)と、前面カバー2が最も上昇して、医療用ガス取出部11の前面を開放したとき、それ以上の上昇を阻止する上昇時ストッパー(図示せず。)が、カバー側レール部材52と基台側レール部材54間に構成されている。
【0021】
前面カバー2が最も上昇して、医療用ガス取出部11の前面を開放した状態を維持するためのラッチ装置3は、固定カバー4の左右上端部に設けられたラッチ金具31と、前面カバー2の固定カバー4側の下端部に設けられたラッチ受け部材32より構成されている。
ラッチ金具31は、ラッチ取付座33を介して固定カバー4の前面カバー2側の上端部内面にもうけられ、ラッチ取付座33と固定カバー4の折り曲げ側片41で保持されたラッチ金具本体35と、ラッチ金具本体35の上面から上方に突出し、固定カバー4の上端面から上方に突出する操作突部36と、操作突部36の上下動によって前面カバー側に出入自在となる係止部材37より構成され、操作突部36と係止部材37は操作用バネ361と係止用バネ371によって、常にラッチ金具本体35から突出する方向に弾性力が付勢されている。
【0022】
詳述すると、係止部材37は、左右方向略中央部に上端から前面カバー2側に向かって下方に傾斜する引き込み傾斜面372と、前面カバー2側端部に下面が前面カバー2側に向かって上方に傾斜する係止案内面373が形成された係止突部374を有し、左右方向で移動可能にラッチ金具本体35に保持されている。
【0023】
操作突部36は、前後方向でラッチ金具本体35を貫通し、前記引き込み傾斜面372の上面に当接する引き込み杆362を下端部に有し、上下方向で移動可能にラッチ金具本体35に保持されている。
ラッチ金具本体35は、前記引き込み杆362が貫挿する上下方向に長い案内孔351を前後面に有し、後端面と係止部材37の後端内部で係止用バネ371保持し、上端面と操作突部36の内部で操作用バネ361を保持している。
【0024】
一方、ラッチ受け部材32は、ラッチ受け取付用補強材24の固定カバー4側の下端部に取付けられ、前面カバー2から固定カバー4側にやや突出する縦断面コ字形の係合突部321を上端部に有している。
【0025】
すなわち、前面カバー2が、医療用ガス取出部11の前面を閉鎖した状態で、ラッチ金具31の係止突部374は、係止用バネ371によって、ラッチ金具本体35(固定カバー4)から前面カバー2の左側片23の後方で、ラッチ受け取付用補強材24の固定カバー4側に突出し、操作突部36も操作用バネ361によって、固定カバー4の上方に突出した状態で維持されている。
そして、前面カバー2が上昇して、係合突部321が係止案内面373に当接すると、係合突部321は、係止用バネ371に抗して係止部材37を前面カバー2から一旦遠ざかる方向に押しやり、係合突部321が係止突部374に上方に位置すると、係止用バネ371によって、再びもとの状態に復帰し、係止突部374が係合突部321の下面に係止し、前面カバー2の上昇状態を維持する。(図7に示す状態。)
【0026】
この状態から、固定カバー4の上方に突出した操作突部36を操作用バネ361の弾性に抗して下方に押し下げると、操作突部36の下端部に設けられた引き込み杆362が引き込み傾斜面372に当接しながら下方に移動するので、係止部材37は、係止用バネ371に抗して固定カバー4内に引き込まれる方向に移動し、係止突部374と係合突部321の係止状態が解除される。(図8に示す状態。)
【0027】
このとき、前面カバー2が、自重によって急激に落下するのを防止し、手を添えなくても、医療用ガス取出部11を隠蔽する位置に安全に降下するよう、又、前面カバー2を軽い力で押し上げることができるよう、前面カバー2、2と基台1間にブレーキ装置7、7、定荷重バネ装置6、6が設けられている。
定荷重バネ装置6は、図5、図10に示すように、基枠13の上端縁で医療用ガス取出部11の左右方向略中央部の内面に設けられ、下端左右両端部側が前方に突出する連結用突片621、621を有する定荷重バネ取付座62に、ドラム部63を保持する保持片641、641を中央部側に対向して有する保持金具64、64を連結し、ドラム63に巻き取られるバネ部65の先端が、前面カバー2のバネ連結座61に連結されて構成され、レール装置5(カバー側レール部材52)と前面カバー2を合わせた荷重よりやや軽めの定荷重に設定され、前面カバー2の押し上げを補助(軽い力で上昇させることができる)している。
【0028】
ブレーキ装置7は、図11〜図14に示すように、基枠13の上端縁左側部前面に配設されたブレーキダンパー71と、前面カバー2の裏面側で、上部を左右方向中央部よりに、下部を左側端部よりに傾斜して、上下方向に配設された押圧部材8より構成されている。
ブレーキダンパー71は、ブレーキダンパー本体711と、常時はブレーキダンパー本体712より突出し、所定の負荷によってゆっくりとブレーキダンパー本体711内に押し込まれるシャフト712より構成されている。
【0029】
そして、ブレーキダンパー71は、基枠13の上端縁に取付けられたダンパー保持金具73と、ダンパー保持金具73に連結されるダンパー固定金具74で所定位置に保持されている。
ダンパー保持金具73は、基枠13の上端縁内面に連結される逆L字形の取付部731と、取付部731の左右端部から左右方向に所定間隔を有して前方に突出し、中央部分にブレーキダンパー本体711が貫挿する貫通支持孔732、732が形成された左右支持片733、733と、取付部731の下端部から左右支持片733、733の下端間に位置して前方に突出し、左右に所定間隔を有して連結用螺孔734、734が形成された固定金具連結座735より形成されている。
【0030】
ダンパー固定金具74は、固定金具連結座735の下面に連結される固定金具連結片741と、固定金具連結片741の右側端部から上方に突出し、右支持片733と所定間隔を有するダンパー支持突片742より形成され、固定金具連結片741には連結用螺孔734が対応する位置で左右方向に長い連結用長孔743が形成されている。
【0031】
すなわち、ブレーキダンパー71は、左右支持片733、733の貫通支持孔732、732を貫挿した状態で、ブレーキダンパー本体711のシャフト712と反対側の端面にダンパー支持突片742を当接し、所定の連結用螺孔734と連結用長孔742を挿通する連結ネジ744にて、固定金具連結片741が固定金具連結座735に連結される。
この状態で、シャフト712の先端は押圧部材8に当接するので、左右方向に移動することがなく所定の位置に保持される。
尚、連結用長孔742が左右方向に長く形成されているのは、ブレーキダンパー71の左右方向の取り付け位置を適宜選択する為であり、連結用螺孔734、734が左右に所定間隔を有して形成されているのは、医療用電気設備部10と、医療用ガス取出し部11側のダンパー保持金具73、73を兼用する為である。
【0032】
押圧部材8は、シャフト712の先端部分が当接する押圧面81と、固定カバー4側のレール取付座51に連結される取付面82よりなり、取付面82の下端部には後方に突出する(押圧面81と同じ方向に突出する)連結突片831を有する略L字形の連結用調整金具83が取付けられ、連結突片831には連結螺孔832形成されている。一方、連結突片831に対向して、連結突片831と同じ方向に突出する調節用突片841を有する略逆L字形の調節金具84が前面カバー2の下端部内面に取付けられている。そして、調節用突片841には連結螺孔832に対応して左右方向に長い調節孔842が形成されている。
【0033】
押圧部材8は上記の如く形成され、固定カバー4側のレール取付座51の所定位置に設けられた上部連結螺孔821に取付面82の上端部が、連結されて回動自在となり、連結突片831の連結螺孔832に、調節用突片841の調節孔842を下方から挿通する連結ネジ85を螺合させ、押圧部材8を下端部が上端部より固定カバー4側に近づく方向に傾斜させる。尚、この時、押圧部材8が最も傾斜した状態で、前面カバー2が上昇して開放姿勢となったときでも、ブレーキダンパー71のシャフト712の先端部は押圧面81に当接するよう、連結用長孔742によって調節された位置で、ダンパー固定金具74はダンパー保持金具73に連結される。
【0034】
すなわち、前面カバー2の開放姿勢からラッチ装置3を解除して、前面パネル2を降下させる場合、基台1と前面カバー2の下片26間には所定の間隙20が形成されているので、前面カバー2を上昇させた状態で、上記間隙からドライバーで、連結ネジ85を緩めて、押圧部材8の傾斜角度を調節できるから、調整作業が非常に容易である。
最適な降下スピードを得ることができる。
このとき、押圧部材8の傾斜角度が垂直に近づくほど降下スピードは速くなる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の医療看護設備ユニットの正面図
【図2】左右の前面カバーを開放(上昇)させた状態の医療看護設備ユニットの正面図
【図3】図1のA−A線要部拡大断面図
【図4】図1のB−B線要部拡大断面図
【図5】医療用ガス取出部の要部拡大横断面図
【図6】図5のE部拡大図
【図7】ラッチ装置の係止状態の要部拡大正面図
【図8】ラッチ装置の係止解除状態の要部拡大正面図
【図9】図7のF―F線要部断面図
【図10】図5のD−D線要部拡大断面図
【図11】図5のC−C線要部拡大断面図
【図12】図11のH−H線要部拡大断面図
【図13】図11のG−G線要部拡大断面図
【図14】図11のJ−J線要部拡大断面図
【符号の説明】
【0036】
1 基台
10 医療用電気設備
100 医療看護設備ユニット
11 医療用ガス取出部
2、2 左右の前面カバー
3 ラッチ装置
4 固定カバー
5 レール装置
6 定加重バネ装置
7 ブレーキ装置
71 ブレーキダンパー
711 ブレーキダンパー本体
712 シャフト
8 押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉装置を介して、正面側の少なくとも一部を前面カバーで開閉自在とした病室用医療看護設備ユニットにおいて、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有し、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材よりなり、押圧部材は、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜していることを特徴とする病室用医療看護設備ユニット。
【請求項2】
開閉装置を介して、正面側の少なくとも一部を前面カバーで開閉自在とした病室用医療看護設備ユニットにおいて、開閉装置は、前面カバーの昇降を案内するレール装置と、前面カバーの開放状態を維持するラッチ装置と、前面カバーの開閉操作を補助する定荷重バネ装置と、前面カバーの降下動作を緩和するブレーキ装置を有し、定荷重バネ装置は、前面カバーが降下する荷重に設定され、ブレーキ装置は、固定側に略水平方向に配設されたブレーキダンパーと、前面カバーの降下時、ブレーキダンパーのシャフト先端部分に当接し、前面カバーの裏面側に上下方向に渡って配設された押圧部材よりなり、押圧部材は、前面カバーの降下にともなって、シャフトをブレーキダンパー本体に押し込む方向に傾斜していることを特徴とする病室用医療看護設備ユニット。
【請求項3】
押圧部材は、前面カバーの裏面側に上部を回動自在に連結し、下端部を左右方向で連結位置変更可能とした事を特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載の病室用医療看護設備ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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