説明

発光素子への光学要素の結合

【課題】1以上の発光素子ダイへ光学要素を結合する技術を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの発光素子(LED)ダイがサブマウント上に装着され、次に光学要素がこのLEDダイに熱結合された素子。LEDダイ104は、光学要素102をLEDダイ104に熱結合するのに用いる温度よりも高温の融点を有する接点バンプを通じてサブマウント106に電気的に結合される。一実施例では、サブマウントに装着された複数のLEDダイに単一光学要素が結合され、サブマウント106と光学要素102は、ほぼ同じ熱膨張係数を有する。代替的に、いくつかの光学要素を使用することもできる。光学要素又はLEDダイは、波長変換材料のコーティングで覆うことができる。一実施例では、素子は、発生した波長を判断するために検査され、望ましい波長が生じるまで波長変換材料の付加的な層が追加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に発光素子に関し、より詳細には、1以上の発光素子ダイへの光学要素の結合に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(LED)は、半導体構造を保護し、光抽出効率を高め、かつ放射光の集束を助けるために光学要素で通常覆われる。LEDを封入するために使用する材料の1つの種類はエポキシである。しかし、エポキシは、低屈折率材料であるので、半導体/低屈折率封入材料境界面での内部全反射に起因する損失の低減には、より高い屈折率の材料ほど有効ではない。更に、エポキシ及び他の有機封入材料は、高温及び/又は短波長で作動するLEDと共に使用される時に黄変作用を通常受ける。その上、エポキシ封入材料は、LED内の半導体材料の熱膨張係数とあまりよく一致しない熱膨張係数を通常有する。その結果、エポキシ封入材料は、加熱又は冷却された時に機械的応力をLEDに加え、LEDを損傷する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願番号第10/840,459号
【特許文献2】米国特許出願番号第09/880,204号
【特許文献3】米国特許公告番号第2002/0030194号
【特許文献4】米国特許出願番号第10/633,054号
【特許文献5】米国特許出願番号第09/660,317号
【特許文献6】米国特許出願番号第09/823,841号
【特許文献7】米国特許第5,502,316号
【特許文献8】米国特許第5,376,580号
【特許文献9】米国特許出願番号第10/863,980号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、高められた光抽出効率を有し、黄変及び他の劣化に抵抗性のある改良された光学要素、及びLEDにそのような光学要素を結合する方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの発光素子(LED)ダイをサブマウント上に装着し、続いてLEDダイに光学要素を結合することにより素子が生成される。LEDダイは、LEDダイに光学要素を結合するのに使用されるものよりも高い融点を有する半田バンプ又は半田パッドのような接点要素を通じてサブマウントに電気的に結合される。一実施例では、サブマウントに装着された複数のLEDダイに単一光学要素が結合され、サブマウントと光学要素は、ほぼ同じ熱膨張係数を有する。代替的に、いくつかの光学要素を使用することもできる。LED又は光学要素は、波長変換材料のコーティングで覆うことができる。一実施例において、素子は、発生した波長を判断するために検査され、波長変換材料の厚みは変更され、すなわち、望ましい波長が生じるまで増大又は場合によっては低減される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】サブマウント上に装着されたLEDダイとLEDダイに結合される光学要素とを示す側面図である。
【図1B】LEDダイに結合された光学要素を示す図である。
【図2】複数のLEDダイがサブマウントに装着され、別々の光学要素が各LEDダイに結合されている実施形態を示す図である。
【図3】複数のLEDダイがサブマウントに装着され、単一光学要素がLEDダイに結合されている実施形態を示す図である。
【図4】波長変換材料が光学要素を覆うこのようなLED素子を生成する一実施例の流れ図である。
【図5】波長変換材料の層が結合層と光学要素の間に配置されている実施形態を示す図である。
【図6】波長変換材料の層がLEDダイ上に堆積されている実施形態を示す図である。
【図7】基板上に装着されているLEDのアレイを示す図である。
【図8】燐光体変換青色LEDによって生じる広いスペクトルのグラフである。
【図9】図8に示すスペクトルに関するCIE色度図である。
【図10】ほぼ連続なスペクトルを生成するために組み合された、燐光体変換LED及びカラーLEDによって生じたスペクトルのグラフである。
【図11】カラーLEDの輝度を変化させることによって生成することができるCCTの変動を示すCIE色度図の一部分である。
【図12】29個の燐光体変換LED及び12個のカラーLEDのアレイに関する可変CCT値を示す別のCIE色度図の一部分である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1Aは、透明光学要素102及びサブマウント106に装着した発光ダイオード(LED)ダイ104の側面図を示している。光学要素102は、本発明の実施形態に従ってLED104に結合されることになる。図1Bは、LEDダイ104に結合した光学要素102を示している。
用語「透明」は、「透明光学要素」のように説明した要素が、LEDの放射波長で、吸収又は散乱による単一パス損失の約50%未満、好ましくは約10%未満で光を透過させることを示すのに本明細書で用いられる。LEDの放射波長は、電磁スペクトルの赤外線、可視、又は紫外線領域にあるであろう。「単一パス損失の50%未満」及び「単一パス損失の10%未満」という条件は、透過経路長及び吸光係数の様々な組合せによって達成することができることを当業者は認識するであろう。
【0008】
図1A及び図1Bに示すLEDダイ104は、n型導電性(n層)の第1の半導体層108と、p型導電性(p層)の第2の半導体層110とを含む。半導体層108及び110は、活性領域112に電気的に結合される。活性領域112は、例えば、層108及び110の境界面に関連するp−nダイオード接合である。代替的に、活性領域112は、n型又はp型にドープされるか又はドープされない1以上の半導体層を含む。LEDダイ104は、半導体層108及び110にそれぞれ結合するn接点114及びp接点116を含む。接点114及び接点116は、「フリップチップ」配列においてLEDダイ104の同じ側に配置される。n層108に結合する透明上部基板118は、例えば、サファイア、SiC、GaN、GaP、ダイヤモンド、キュービック・ジルコニア(ZrO2)、酸窒化アルミニウム(AlON)、AlN、スピネル、ZnS、テルルの酸化物、鉛の酸化物、タングステンの酸化物、多結晶酸化アルミニウム(透明アルミナ)、及びZnOのような材料で形成される。
【0009】
活性領域112は、接点114と116に亘る適切な電圧の印加によって光を放射する。代替的実施例では、層108及び110の導電型は、それぞれの接点114及び116と共に反転される。すなわち、層108がp型層であり、接点114がp接点であり、層110がn型層であり、かつ接点116がn接点である。
半導体層108及び110並びに活性領域112は、以下に限定はしないが、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbを含むIII−V族半導体、以下に限定はしないが、ZnS、ZnSe、CdSe、ZnO、CdTeを含むII−VI族半導体、以下に限定はしないが、Ge、Si、SiCを含むIV族半導体、及びそれらの混合物又は合金で形成することができる。
【0010】
接点114及び116は、一実施例においては、以下に限定はしないが、金、銀、ニッケル、アルミニウム、チタン、クロム、白金、パラジウム、ロジウム、レニウム、ルテニウム、タングステン、及びそれらの混合物又は合金を含む金属で形成される金属接点である。
図1A及び図1Bは、LEDダイ104の特定の構造を示しているが、本発明は、LEDダイの構造と無関係である。従って、他の型のLED構成を図示の特定の構成の代わりに使用することができる。更に、LED104内の半導体層の数及び活性領域112の細部構造は異なるものとしてもよい。様々な図に示すLEDダイ104の各種の要素の寸法は、正確な比率ではないことに注意すべきである。
【0011】
LEDダイ104は、半田バンプ、半田パッド、又は半田の層のような他の適切な要素である接点要素120を通じてサブマウント106に装着される。接点要素120は、便宜上本明細書ではバンプ120とも称される場合がある。バンプ120は、Au、Sn、Ag、Sb、Cu、Pb、Bi、Cd、In、Zn、又は、AuSn、SnSb、SnCu、SnAg、SnAgBi、InSn、BiPbSn、BiPbCd、BiPbIn、InCd、BiPb、BiPb、BiSn、InAg、BiCd、InBi、InGaを含むそれらの合金、又は、LEDダイ104に光学要素102を結合するために使用される温度よりも高い融点を有する他の適切な材料で生成されるが、好ましくはAu又はAuSnである。一実施例では、バンプ120の融点は、250℃を超え、好ましくは300℃を超える。サブマウント106は、例えば、シリコン、アルミナ、又はAlNとすることができ、背面接続用のバイアを含むことができる。
【0012】
LEDダイ104は、例えば熱音波結合を用いて、サブマウント106に装着される。例えば、熱音波結合処理中には、バンプ120を有するLEDダイ104がサブマウント106に関して希望位置に合せられ、同時にサブマウント106が約150−160℃に加熱される。例えば、約50−100gm/バンプの結合力が結合ツールによってサブマウント106に加えられ、同時に超音波振動が印加される。必要に応じて、熱圧着法のような他の処理をLEDダイ104をサブマウント106に結合するために使用することができる。当業技術で公知のように、熱圧着法を用いる時は、より高い温度及びより大きい結合力が通常必要である。
【0013】
一部の実施形態では、LEDダイ104及びサブマウント106と共にアンダーフィルを使用することができる。アンダーフィル材料は、良好な熱伝導性を有することができ、かつLEDダイ104及びサブマウント106にほぼ一致する熱膨張係数を有することができる。別の実施形態では、例えば、シリコーン又は他の適切な材料の保護側面コーティングを、LEDダイ104及びサブマウント106の側面に付加することができる。保護側面コーティングは、シーラントとして作用し、汚染及び周囲環境へのLED104及びバンプ120の露出を制限する。
【0014】
Au又はAu/Snからのバンプ120の生成に関する更なる情報に関して並びに背面バイアを有するサブマウント及びAu又はAu/Snバンプを用いるサブマウントへのLEDダイの結合に関しては、本開示と同じ出願人を有し、本明細書において引用により組み込まれている、Ashim S.Haqueによる2004年5月5日申請の米国特許出願番号第10/840,459号を参照されたい。しかし、ここで理解すべきは、本発明がどの型のサブマウントにも限定されず、必要に応じて何れもの望ましいサブマウント構成を使用することができることである。
【0015】
LEDダイ104がサブマウント106に装着された後、光学要素102は、LEDダイ104に熱結合される。一実施形態では、結合材料の層が光学要素102の底面に付加され、光学要素102をLEDダイ104に結合するのに用いる透明結合層122が形成される。一部の実施形態では、透明結合層122は、例えば上部基板118であるLEDダイ104の上面に付加することができる(図1Aで点線122で示すように)。結合層122は、サブマウント106にLEDダイ104が装着される前に又は装着された後にLEDダイ104に付加することができる。代替的に、結合層が使用されなくてもよく、光学要素102は、LEDダイ104、例えば、上部基板118に直接結合することができる。透明結合層122は、例えば、約10オングストローム(Å)から約100ミクロン(μm)の厚みであり、好ましくは約1000Åから約10μmの厚み、より詳細には約0.5μmから約5μmの厚みである。結合材料は、例えば、以下に限定はしないが、スピン法、溶射法、スパッタリング、蒸発法、化学気相蒸着(CVD)、又は、例えば、有機メタライズ学気相蒸着(MOCVD)、気相エピタキシ(VPE)、液相エピタキシ(LPE)、又は分子線エピタキシ(MBE)による材料成長を含む従来型の堆積技術によって付加される。一実施形態では、光学要素102は、以下でより詳細に説明される波長変換材料124で覆うことができる。
【0016】
一実施例において、透明結合層122を形成する結合材料は、SF59、LaSF3、LaSFN18、SLAH51、LAF10、NZK7、NLAF21、LASFN35、SLAM60、又はそれらの混合物のようなガラスからのものであり、それらは、例えば、米国ペンシルベニア州ドリエー所在のショット・ガラス・テクノロジース・インコーポレーテッド及び米国ニュージャージー州サマービル所在のオハラ・コーポレーションのような製造会社から市販されている。結合層122は、例えば、(Ge、As、Sb、Ga)(S、Se、Te、Cl、Br)カルコゲニド又はカルコゲン−ハロゲニド・ガラスのような高屈折率ガラスでも形成することができる。
【0017】
一実施例において、結合層122は、以下に限定はしないが、GaP、InGaP、GaAs、及びGaNを含むIII−V族半導体、以下に限定はしないが、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、及びCdTeを含むII−VI族半導体;以下に限定はしないが、Si及びGeを含むIV族半導体及び化合物:有機半導体;以下に限定はしないが、アンチモン、ビスマス、ホウ素、銅、ニオブ、タングステン、チタン、ニッケル、鉛、テルル、リン、カリウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、ジルコニウム、インジウム、錫、又はクロムの酸化物を含む金属酸化物;以下に限定はしないが、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、及びフッ化亜鉛を含む金属フッ化物;以下に限定はしないが、Zn、In、Mg、及びSnを含む金属;イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、ホスフィド化合物、アルセニド化合物、アンチモニド化合物、ニトリド化合物、高屈折率有機化合物;及びそれらの混合物又は合金で形成することができる。
【0018】
LEDダイ104が、ダイ104の両側にn接点及びp接点を有して構成される実施例では、透明結合層122又は122は、例えば、従来型のホトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いてパターン加工することができ、上面接点が結合材料によってコーティングされないようにして、接点の光学要素102上のメタライズ層への電気的接触が可能にされ、メタライズ層は、リードとして機能することができ、そのことは、本明細書において引用により組み込まれている、Michael D.Camras他による2001年6月12日申請の「向上した光抽出効率を有する発光ダイオード」という名称の公告番号2002/0030194を有する米国特許出願番号第09/880,204号に説明されている。
【0019】
一実施例において、光学要素102は、シエンナ・テクノロジース・インコーポレーテッドによる光学ガラス、高屈折率ガラス、GaP、CZ、ZnS、SiC、サファイア、ダイヤモンド、キュービック・ジルコニア(ZrO2)、AlONと、米国ニューヨーク州オンタリオ所在のオプチマックス・システムズ・インコーポレーテッドから市販されている多結晶酸化アルミニウム(透明アルミナ)、スピネル、ショットガラスLaFN21、ショットガラスLaSFN35、LaF2、LaF3、及びLaF10と、Pb、Te、Zn、Ga、Sb、Cu、Ca、P、La、Nb、又はWの酸化物と、又は、金属の厚い層を除き透明結合層122における結合材料として使用するための先に説明した材料の何れかで形成される。
【0020】
透明光学要素102は、LEDダイ104から光学要素102に入る光が直角入射に近い入射角度で光学要素102の表面102aに交差することになる形状及び寸法を有することができる。表面102aと通常空気である周辺媒体との界面での全反射がそれによって低減される。加えて、入射角度の範囲が狭いので、表面102aでのフレネル反射損失は、表面102aへの従来型の反射防止コーティングの付加によって低減することができる。光学要素102の形状は、例えば、半球のような球の一部分、ワイヤシュトラス球(切頭球)、又は半球よりも小さい球の一部分である。代替的に、光学要素102の形状は、切頭楕円のような楕円の一部分である。LEDダイ104から光学要素102に入る光に関する表面102aでの入射角は、光学要素102の寸法が増大する時に直角入射により近く接近する。従って、透明光学要素102の基部の長さのLEDダイ104の表面の長さに対する比率は、1よりも大きいことが好ましく、2よりも大きいことがより好ましい。
【0021】
LEDダイ104がサブマウント106に装着された後、光学要素102がLEDダイ104に熱結合される。例えば、光学要素102をLEDダイ104に結合するために、結合層122の温度は、ほぼ室温と接点バンプ120の融点との間の温度、例えば、約150℃から450℃、より詳細には、約200℃から約400℃に高められ、光学要素102及びLED104は、この結合温度で約1秒から約6時間、好ましくは約30秒から約30分の一定期間に亘って約1ポンド/平方インチ(psi)から6000psiの圧力で一緒に押圧される。一例として、約700psiから3000psiの圧力を約3から15分に亘り印加することができる。
【0022】
LEDダイ104への光学要素102の熱結合は、高温での付加を必要とする。高融点、すなわち、熱結合処理で使用されるこの高温よりも高い融点を有するバンプ120を用いれば、光学要素102がLEDダイ104に結合される前にLEDダイ104をサブマウント106に装着することができ、LEDダイ/サブマウントの接続は損傷されない。光学要素102を結合する前でのLED104へのサブマウント106の装着は、ピック・アンド・プレース処理を単純化する。
【0023】
LEDダイ104への光学要素102の結合は、米国特許公告番号第2002/0030194号、2003年6月31日出願のMichael D.Camras他による「向上した光抽出効率を有する発光素子」という名称の米国特許出願番号第10/633,054号、2000年9月12日出願のMichael D.Camras他による「向上した光抽出効率を有する発光ダイオード」という名称の米国特許出願番号第09/660,317号、及び2001年5月30日出願のDouglas Pociusによる「向上した光抽出のための発光素子表面上の光学要素の形成」という名称の公告番号2002/0141006を有する米国特許出願番号第09/823,841号に説明されており、これらは本出願と同じ出願人を有し、本明細書において引用により組み込まれている。更に、上述のLEDダイ104に光学要素を結合する処理は、本明細書において引用により組み込まれている米国特許第5,502,316号及び第5,376,580号に開示された素子を用いて実施することができ、この素子は、以前に半導体ウェーハを高温高圧で相互に結合させるために使用されている。これらの開示された素子は、LEDダイ及び光学要素に適応させるために必要であれば修正することができる。代替的に、上述の結合処理は、従来型の垂直プレスを用いて実施することができる。
【0024】
熱結合処理が原因で、光学要素101とLEDダイ104の間の熱膨張係数(CTE)の不一致は、加熱又は冷却の時の光学要素102にLEDダイ104からの分離を引き起こす場合があることに注意すべきである。従って、光学要素102は、LEDダイ104のCTEとほぼ一致するCTEを有する材料で形成されるべきである。加えて、CTEをほぼ一致させることは、結合層122及び光学要素102によってLEDダイ104内に誘起される応力を低下させる。CTEが適切に一致すれば、光学要素に結合することができるLEDダイの寸法を熱膨張が制限することはなく、従って、光学要素102は、例えば16mm2まで又はそれ以上の大型LEDダイ104に結合することができる。
【0025】
図2は、複数のLEDダイ204a、204b、及び204c(集合的にLEDダイ204とも称する)がサブマウント206に装着されている実施形態を示している。図2においては、LEDダイ204が特定の半導体層を示さずに概略的に表されている。しかし、LEDダイ204は、上記で説明したLEDダイ104と同様なものとすることができることを理解すべきである。
LEDダイ204は、上述と同様にサブマウント206に各々装着される。LEDダイ204がサブマウント206に装着されると、個々の光学要素202a、202b、及び202cは、LEDダイ204a、204b、及び204cに上述のような様式でそれぞれ結合される。
【0026】
必要に応じて、LEDダイ204は、同種のLEDとすることができ、同じ波長の光を発生することができる。別の実施例では、1以上のLEDダイ204が様々な波長の光を発生することができ、それらは、混合した時に例えば白色光である望ましい相関色温度(CCT)の光を発生させるのに使用することができる。別の光学要素(図2に示されない)を用いて光学要素202a、202b、及び202cを覆い、光の混合を助けることができる。
【0027】
図3は、サブマウント306に装着された複数のLEDダイ304a、304b、及び304c(集合的にLEDダイ304とも称する)、及びLEDダイ304に結合した単一光学要素302を含むLED素子300の実施形態である。LEDダイ304は、上記で説明したLEDダイ104と同種のものとすることができる。
図3に示すような複数のLEDダイ304を有する単一光学要素302の使用は、LEDダイ304を相互に接近させてサブマウント306に装着することができるという点で有利である。光学構成要素は、それが結合されるLEDダイよりも大きい設置面積を通常有し、従って、別々の光学要素を有するLEDダイの配置は、光学要素の寸法によって制約される。
【0028】
LEDダイ304がサブマウントに装着された後、LEDダイ304の上面には、例えば、バンプ320の高さ及びダイの厚みの相違に基づく僅かな高さの変動がある場合がある。単一光学要素302がLEDダイ304に熱結合される時に、LEDダイ304の高さにおけるいかなる相違もバンプ320の柔軟性によって受容することができる。
LEDダイ304への光学要素302の熱結合処理中に、サブマウント306の加熱及び冷却に起因してLEDダイ304が側方に動く場合がある。Auのようないくつかのバンプ320を用いた時、バンプ320の柔軟性は、LEDダイ320の側方移動を受容するのには不十分である。従って、光学要素302の熱膨張係数(CTE302)は、サブマウント306の熱膨張係数(CTE306)とほぼ一致すべきである。CTE302とCTE306の間にほぼ一致があれば、サブマウント306の膨張及び収縮によって生じるLEDダイ304のいかなる移動も、光学要素302の膨張及び収縮によるものとほぼ一致することになる。これに対して、CTE302とCTE306の間の不一致は、熱結合処理の加熱及び冷却中に、光学要素302からのLEDダイ304の脱離及びLED素子300に対する他の損傷をもたらす可能性がある。
【0029】
十分に小型のLEDダイ304を用いた時は、熱結合処理中のLEDダイ304自体の熱膨張を最小にすることができる。しかし、大型のLEDダイ304を用いた時は、熱結合処理中のLEDダイ304の熱膨張は大きい場合があり、従って、LEDダイ304に関するCTEもまたサブマウント306のCTEに適切に一致させるべきである。
LEDダイ304は、例えば、InGaN、AlInGaP、又は、InGaN及びAlInGaPの組合せの素子とすることができる。一実施例において、サブマウント306は、AlNから生成することができ、一方、光学要素302は、例えば、オハラ・コーポレーションによるSLAM60、又はショット・グラス・テクノロジース・インコーポレーテッドから市販されているNZK7から生成することができる。別の実施例では、アルミナのサブマウント306を、サファイア、オハラガラスSLAH51、又はショットガラスNLAF21から生成された光学要素302と共に使用することができる。一部の実施例では、LEDダイ304とサブマウント306の間にバルク充填材305を使用することができる。バルク充填材305は、例えば、シリコーン又はガラスとすることができる。バルク充填材305は、良好な熱伝導性を有することができ、かつサブマウント306及びダイ304のCTEにほぼ一致させることができる。必要に応じて、保護側面コーティングをバルク充填材305の代替として又はそれに加えて付加することができる。
【0030】
一実施例においては、LEDダイ304は、同じ種類とすることができ、様々な波長又はほぼ同じ波長の光を発生することができる。代替的に、LEDダイ304及び/又は波長変換材料の適切な選択により、例えば、青色、緑色、及び赤色である様々な波長の光を発生させることができる。LEDダイ304が同じ種類である時は、LEDダイ304に関するCTEはほぼ同じであることになる。LEDダイ304のCTEが光学要素302及びサブマウント306の熱膨張係数とよく一致することは、熱結合処理中のLEDダイ304に対する脱離又は損傷の危険性をできるだけ少なくするために望ましいであろう。
【0031】
別の実施例では、LEDダイ304は、様々な種類とすることができ、様々な波長の光を発生することができる。様々な種類のLEDダイが使用されると、ダイのCTEが変化する可能性があり、それは、全てのLEDダイ304に関するCTEを光学要素302及びサブマウント306のCTEと一致させることを困難にする。それにも関わらず、LEDダイ304のCTEにできるだけ近いCTEを有する光学要素302及びサブマウント306の慎重な選択により、熱結合処理中のダイ304の脱離又は素子300に対する他の損傷に関連する問題を最小にすることができる。加えて、例えば、約1mm2未満の面積である比較的小型のLEDダイ304の使用により、複数のダイ304への単一光学要素302の熱結合に関連する問題もまた緩和される。バルク充填材305の使用もまた、熱結合処理又は作動中の素子に対する損傷を防止することができる。
【0032】
図3に示すように、一実施例においては、光学要素302は、燐光体コーティングのような波長変換材料310によって覆うことができる。一実施形態では、波長変換材料310はYAGである。図4は、そのような素子を製造する一実施例の流れ図である。図4に示すように、LEDダイ304がサブマウント306に装着され(段階402)、光学要素302がLEDダイ304に結合される(段階404)。光学要素302がLEDダイ304に結合された後、波長変換材料310の層は、光学要素302の上に堆積される(段階406)。次に、素子は、例えば、LEDダイ304の活性領域に亘る電圧の印加及び素子によって発生する光の検出によって試験される。素子が望ましい波長を発生しない時(段階410)、波長変換材料の厚みは、例えば、光学要素302の上への追加の波長変換材料310の堆積又はエッチング又は溶解による波長変換材料の一部の除去によって変更され(段階411)、素子が再び試験される(段階408)。望ましい波長の光が発生したらこの処理は終了する。
【0033】
従って、波長変換材料310コーティングの厚みは、LEDダイ304によって発生する光に応じて制御され、高度に再現性のある相関色温度がもたらされる。更に、波長変換材料310の堆積がLEDダイ304によって発生する特定の波長に応じているので、LEDダイ304によって発生する光の波長の変動を適合させることが可能となる。従って、有用な波長範囲外の波長を有する光を発生するとして棄却されるLEDダイ304は僅かになることになる。
光学要素を波長変換材料で覆う処理は、図1B及び図2に示す実施形態にも同様に適用することができることを理解すべきである。
【0034】
別の実施例では、波長変換材料のコーティングは、LEDダイと光学要素の間の例えば結合層322の内部、その上、又はその下に置かれる。一例として、図5は、サブマウント504に装着されて、光学要素506に結合層508を通じて結合したダイ502を示し、波長変換材料510は、結合層508と光学要素506との間に配置される。波長変換材料510は、LEDダイ502への光学要素506の結合の前又はその間に光学要素506の底面に結合層509によって結合することができる。波長変換材料510は、例えば、燐光体含浸ガラス又は波長変換セラミックとすることができ、この材料は、独立して成形され、次にLEDダイ502及び光学要素506に結合される。一部の実施形態では、波長変換材料は、LEDダイ502及び光学要素506の一方又は両方に直接に結合することができる。一実施形態では、光学要素506、LEDダイ502、及び波長変換材料510は、同時に一緒に結合させることができる。別の実施形態では、波長変換材料510は、例えば結合層509が結合層508よりも高い結合温度を有する時には、最初に光学要素506に結合させることができ、次に、LEDダイ502に結合させることができる。燐光体含浸ガラスのような適切な波長変換材料は、本出願と同じ出願人を有して本明細書において引用により組み込まれている、Paul S.Martin他による2004年6月9日申請の「予め作成された波長変換要素を有する半導体発光素子」という名称の米国特許出願番号第10/863,980号により詳細に説明されている。
【0035】
図6は、波長変換材料520が光学要素506の結合の前に又はその間にLEDダイ502に直接(及び、任意的に、LEDダイ502の縁部の上に)結合される以外は図5に示す実施形態と同様の別の実施形態を示している。従って、図6に示すように、波長変換材料520は、LEDダイ502と結合層509の間に置かれている。必要に応じて、波長変換材料の追加層を上述のような図5及び図6の光学要素506の上に堆積させることができる。
別の実施例においては、波長変換材料のコーティングは、LEDダイの上に、例えば、ガラス、エポキシ、又はシリコーンの外皮上に外皮とLEDダイの間に中空空間がある状態で、遠隔に設置することができる。必要に応じて、中空空間は、シリコーン又はエポキシのような材料で充填することができる。
【0036】
図7は、基板604上に装着されたLED602のアレイ600を示している。基板604は、LED602への電気接触を提供するために使用される電気トレース606を含む。LED602は、例えば、上述のように生成された燐光体変換方式の素子とすることができる。LED602は、様々なCCTを有する白色光を各々が発生することができる。アレイ600内の様々なCCTを有する白色光を混合することにより、望ましいCCTを有する光を発生させることができる。必要に応じて、LED602は、例えば、ガラス、プラスチック、エポキシ、又はシリコーンの透明要素608で覆うことができる。透明要素608は、例えば、エポキシ又はシリコーンで充填することができ、この要素は、光の抽出及び混合に役立ち、かつLED602を保護するものである。アレイ600があらゆる数のLED602を含むことができ、必要であれば1以上のLEDが非白色光を発生することができることを理解すべきである。更に、必要に応じて、複数のLED602は、単一光学要素603に結合することができ、又は1以上のLED602は、光学要素603を含まなくてもよい。
【0037】
図7に示すように、個々の又は群のLED602は、例えば、基板604上のトレース606に電気的に接続したコントローラ610によって独立に制御することができる。LED602又はLED602の群の独立制御により、例えば85を超える高い演色性を一定の輝度で実現することができる。更に、アレイ600によって発生する白色点は、例えば、3000Kから6000Kの大きい範囲に亘って調整することができる。一例として、白色光を発生するいくつかの燐光体変換(PC)青色LEDを青色、シアン色、アンバー色、及び赤色のような様々な色のLEDと組合せて使用することができ、望ましいCCTを有する光が形成される。図8のグラフに示すように、燐光体変換青色LEDは、青色領域内のピークと共に緑色領域内に広いスペクトル(702)を有する光を発生する。燐光体の厚みは、スペクトルの緑色部分及び青色部分の両方に対してほぼ等しいピーク値が発生するように調整することができる。図9は、図8に示すスペクトルに関するCIE色度図を示し、黒体線754の上方のx及びy色座標752が表されている。言うまでもなく、必要に応じて他の領域にピークを有するスペクトルを発生するPCのLEDを使用することもできる。代替的に、必要に応じて様々なスペクトル、すなわち、様々なCCTを有する白色光を発生するPCのLEDを一緒に使用することができる。
【0038】
図7のアレイ600内のLED602の大部分は、図8に示すスペクトルを発生するPCのLEDとすることができる。図7に示す残りのLED602は、例えば、青色、シアン色、アンバー色、及び赤色を発生するLEDであるカラーLEDとすることができる。カラーLEDの輝度は、コントローラ610によって調整することができる。全パワーPCのLEDとカラーLEDとの組合せは、図10に表されるようなほぼ連続のスペクトルを発生する。図10は、PCのLEDからのスペクトル702が青色、シアン色、アンバー色、及び赤色LEDからのスペクトル704、706、708、及び710と共に結合してスペクトル720を形成していることを示すグラフである。図11に示されているCIE色度図の一部分に表されるように、カラーLEDの輝度を変化させることにより、黒体線764の一部を覆う区域を取得することができる。一例として、29個のPCのLED及び12個のカラーLEDを含む一実施形態は、85から95の演色性及び3200Kから5800KのCCTを有する800ルーメンの輝度を発生することができる。図12は、29個のPCのLED及び12個のカラーLEDのアレイに関する可変CCTを表すCIE色度図の一部分を示している。言うまでもなく、あらゆる数のPCのLED及びカラーLEDを使用することができる。
本発明は、説明目的のために特定的な実施形態に関連して示されたが、本発明はこれに限定されない。様々な適応及び修正を本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。従って、特許請求の精神及び範囲は、以上の説明に限定されるべきではない。
【0039】
以下に本発明の実施形態を記載する。
(実施形態1)少なくとも1つの発光素子ダイを接点要素を通じてサブマウントに装着する段階と、
光学要素を前記少なくとも1つの発光素子ダイに、該発光素子ダイが前記サブマウントに装着された後に結合する段階と、を含み、
前記少なくとも1つの発光素子ダイへの前記光学要素の結合は、該光学要素と該少なくとも1つの発光素子ダイとの間に配置された結合層によって達成される、ことを特徴とする方法。
(実施形態2)前記結合層は、無機材料を含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態3)結合する段階は、
前記光学要素、前記結合層、前記発光素子ダイ、及び前記サブマウントの温度を前記接点要素の融点よりも低い温度まで昇温させる段階と、
前記光学要素及び前記発光素子ダイを一緒に押圧するように圧力を印加し、それによって前記結合層を通じて該光学要素を該発光素子ダイに結合する段階と、
を含む、ことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態4)前記温度は、前記発光素子ダイと前記サブマウントを装着するのに使用される温度よりも高い温度に昇温されることを特徴とする実施形態3に記載の方法。
(実施形態5)前記接点要素は、前記発光素子ダイの底面及び前記サブマウントの上面の少なくとも一方に置かれ、該接点要素は、該発光素子ダイと該サブマウントの間の電気接触を提供することを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態6)前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成したバンプ及びパッドのうちの少なくとも1つであることを特徴とする実施形態5に記載の方法。
(実施形態7)前記少なくとも1つの発光素子ダイを前記サブマウントに装着するのに使用される温度は、約250℃未満であることを特徴とする実施形態4に記載の方法。
(実施形態8)前記光学要素を前記少なくとも1つの発光素子ダイに結合するのに使用される温度は、約400℃未満であることを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態9)前記光学要素と前記発光素子ダイの間の前記結合層は、テルルの酸化物、タングステンの酸化物、鉛の酸化物、及び亜鉛の酸化物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態10)前記光学要素と前記発光素子ダイの間の前記結合層は、ナトリウムの酸化物、カリウムの酸化物、リチウムの酸化物、及び亜鉛のフッ化物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態11)複数の発光素子ダイが、前記サブマウントに装着されることを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態12)1つの光学要素が、前記複数の発光素子ダイに結合されることを特徴とする実施形態11に記載の方法。
(実施形態13)ほぼ一致する熱膨張係数を有するように前記サブマウント及び前記1つの光学要素を選択する段階を更に含むことを特徴とする実施形態12に記載の方法。
(実施形態14)別々の光学要素が、前記複数の発光素子ダイの各々に結合されることを特徴とする実施形態11に記載の方法。
(実施形態15)前記光学要素の上に波長変換材料のコーティングを堆積させる段階を更に含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態16)前記光学要素の上に波長変換材料のコーティングを堆積させる段階は、
前記光学要素の上に前記変換材料の層を堆積させる段階と、
順方向バイアス電流を前記発光素子ダイに印加した時に素子によって発生する光の波長を判断する段階と、
望ましい波長の光が発生するまで、前記波長変換材料の層の厚みを繰返し変更し、前記素子によって発生する光の波長を判断する段階と、
を含む、ことを特徴とする実施形態15に記載の方法。
(実施形態17)前記少なくとも1つの発光素子ダイと前記光学要素の間に、該発光素子ダイに該光学要素を結合する前に、波長変換材料の層を配置する段階を更に含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態18)前記波長変換材料の層は、前記光学要素の底面及び前記発光素子ダイの上面の少なくとも一方に結合されることを特徴とする実施形態17に記載の方法。
(実施形態19)前記光学要素は、波長変換材料を含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
(実施形態20)前記発光素子ダイは、少なくとも1つが光を放射する活性領域である半導体層のスタックと、該活性領域に亘って電圧を印加するために電気的に結合され、該スタックの同じ側に配置された第1の接点及び第2の接点とを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
【0040】
(実施形態21)第1の熱膨張係数を有するサブマウントを準備する段階と、
複数の発光素子ダイを準備する段階と、
前記サブマウントに前記複数の発光素子ダイを装着する段階と、
前記第1の熱膨張係数とほぼ同じ第2の熱膨張係数を有する光学要素を準備する段階と、
前記複数の発光素子ダイに、該発光素子ダイが前記サブマウントに装着された後に、前記光学要素を結合する段階と、を含むことを特徴とする方法。
(実施形態22)前記複数の発光素子ダイを前記サブマウントに装着する段階は、熱圧着法及び熱音波結合法の一方を用いて実施されることを特徴とする実施形態21に記載の方法。
(実施形態23)前記光学要素を前記複数の発光素子ダイに結合する段階は、該光学要素、該発光素子ダイ、及び前記サブマウントの温度を該複数の発光素子ダイと該サブマウントを装着するのに使用される温度よりも高い温度に昇温させる段階と、該光学要素及び該発光素子ダイを一緒に押圧するように圧力を印加する段階とを含むことを特徴とする実施形態22に記載の方法。
(実施形態24)前記発光素子ダイ及び前記サブマウントの少なくとも一方は、該発光素子ダイと該サブマウントの間の電気接触を提供する接点要素を含み、
前記光学要素を前記複数の発光素子ダイに結合する温度は、前記接点要素の融点よりも低い、ことを特徴とする実施形態23に記載の方法。
(実施形態25)前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成したバンプ及びパッドのうちの少なくとも1つであることを特徴とする実施形態24に記載の方法。
(実施形態26)前記複数の発光素子ダイの熱膨張係数は、前記第1の熱膨張係数とほぼ同じであることを特徴とする実施形態22に記載の方法。
(実施形態27)前記光学要素の上に波長変換材料のコーティングを堆積させる段階を更に含むことを特徴とする実施形態21に記載の方法。
(実施形態28)前記光学要素の上に波長変換材料のコーティングを堆積させる段階は、
前記光学要素の上に前記変換材料の層を堆積させる段階と、
順方向バイアス電流を前記発光素子ダイに印加した時に素子によって発生する光の波長を判断する段階と、
望ましい波長の光が発生するまで、前記波長変換材料の層の厚みを繰返し変更し、前記素子によって発生する光の波長を判断する段階と、
を含む、ことを特徴とする実施形態27に記載の方法。
(実施形態29)前記発光素子ダイの各々は、少なくとも1つが光を放射する活性領域である半導体層のスタックと、該活性領域に亘って電圧を印加するために電気的に結合され、該スタックの同じ側に配置された第1の接点及び第2の接点とを含むことを特徴とする実施形態21に記載の方法。
【0041】
(実施形態30)サブマウントと、
前記サブマウントに装着された複数の発光素子ダイと、
前記複数の発光素子ダイの各々の表面に結合した単一光学要素と、
を含むことを特徴とする装置。
(実施形態31)前記サブマウントの上面及び前記発光素子ダイの底面の少なくとも一方に置かれた接点要素を更に含み、該発光素子ダイは、該接点要素を通じて該サブマウントに電気的に結合されることを特徴とする実施形態30に記載の装置。
(実施形態32)前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成されることを特徴とする実施形態31に記載の装置。
(実施形態33)前記光学要素の上の波長変換材料のコーティングを更に含むことを特徴とする実施形態30に記載の装置。
(実施形態34)前記光学要素と少なくとも複数の前記発光素子ダイとの間の波長変換材料の層を更に含むことを特徴とする実施形態30に記載の装置。
(実施形態35)前記サブマウント及び前記光学要素は、ほぼ同じ熱膨張係数を有する材料で形成されることを特徴とする実施形態30に記載の装置。
(実施形態36)前記発光素子ダイは、前記サブマウントの熱膨張係数とほぼ同じ熱膨張係数を有することを特徴とする実施形態35に記載の装置。
(実施形態37)前記光学要素と前記発光素子ダイの各々との間の結合材料の層を更に含み、該結合層は、無機材料を含むことを特徴とする実施形態30に記載の装置。
(実施形態38)前記発光素子ダイの各々は、少なくとも1つが光を放射する活性領域である半導体層のスタックと、該活性領域に亘って電圧を印加するために電気的に結合され、該スタックの同じ側に配置された第1の接点及び第2の接点とを含むことを特徴とする実施形態30に記載の装置。
【0042】
(実施形態39)少なくとも1つの発光素子ダイを接点要素を用いて第1の温度でサブマウントに装着する段階と、
前記少なくとも1つの発光素子ダイに、該発光素子ダイが前記サブマウントに装着された後に、前記第1の温度よりも高い第2の温度で光学要素を結合する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
(実施形態40)前記発光素子ダイは、熱音波法によって前記サブマウントに装着されることを特徴とする実施形態39に記載の方法。
(実施形態41)前記第2の温度は、約150℃から450℃の間であることを特徴とする実施形態39に記載の方法。
(実施形態42)前記接点要素は、第3の温度で溶融し、
前記第2の温度は、前記第3の温度よりも低い、
ことを特徴とする実施形態39に記載の方法。
(実施形態43)前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成したバンプ及びパッドのうちの少なくとも1つであることを特徴とする実施形態39に記載の方法。
【0043】
(実施形態44)活性領域を有する半導体層のスタックを含む半導体発光素子と、
前記半導体発光素子に結合した光学要素と、
前記光学要素と前記半導体発光素子の間に配置された、テルルの酸化物を含む結合層と、
前記発光素子に電気的に接続したサブマウントと、
を含むことを特徴とする素子。
(実施形態45)前記サブマウントは、セラミックを含むことを特徴とする実施形態44に記載の素子。
(実施形態46)前記サブマウントは、AlN、アルミナ、及びSiの群から選択された材料を含むことを特徴とする実施形態44に記載の素子。
(実施形態47)前記サブマウントを前記発光素子に電気的に接続する接点要素を更に含み、
前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成される、
ことを特徴とする実施形態44に記載の素子。
(実施形態48)前記光学要素は、サファイア、SiC、酸窒化アルミニウム、ジルコニア酸化物、GaN、AlN、スピネル、GaP、ZnS、テルルの酸化物、鉛の酸化物、タングステンの酸化物、及び透明アルミナの群から選択された材料を含むことを特徴とする実施形態44に記載の素子。
(実施形態49)活性領域を有する半導体層のスタックを含む半導体発光素子と、
前記半導体発光素子に結合した光学要素と、
前記光学要素と前記半導体発光素子の間に配置された、鉛の酸化物、タングステンの酸化物、及び亜鉛の酸化物の群から選択された材料を含む結合層と、
を含むことを特徴とする素子。
(実施形態50)前記発光素子に電気的に接続したサブマウントを更に含むことを特徴とする実施形態49に記載の素子。
(実施形態51)前記サブマウントは、セラミックを含むことを特徴とする実施形態50に記載の素子。
(実施形態52)前記サブマウントは、AlN、アルミナ、及びSiの群から選択された材料を含むことを特徴とする実施形態50に記載の素子。
(実施形態53)前記サブマウントを前記発光素子に電気的に接続する接点要素を更に含み、
前記接点要素は、Au及びAuSnの少なくとも一方を含む材料で形成される、
ことを特徴とする実施形態50に記載の素子。
(実施形態54)前記光学要素は、サファイア、SiC、酸窒化アルミニウム、ジルコニア酸化物、GaN、AlN、スピネル、GaP、ZnS、テルルの酸化物、鉛の酸化物、タングステンの酸化物、及び透明アルミナの群から選択された材料を含むことを特徴とする実施形態49に記載の素子。
【0044】
(実施形態55)活性領域を有する半導体層のスタックを含む半導体発光素子を準備する段階と、
光学要素を準備する段階と、
前記光学要素と前記半導体発光素子の間に配置された結合層によって達成される、該半導体発光素子を該光学要素に結合する段階と、を含み、
前記結合層は、テルルの酸化物、鉛の酸化物、タングステンの酸化物、及び亜鉛の酸化物の群から選択された材料を含む、ことを特徴とする方法。
(実施形態56)前記発光素子を前記光学要素に結合するのに使用される温度は、約200℃から400℃の間であることを特徴とする実施形態55に記載の方法。
(実施形態57)前記光学要素及び発光素子が結合温度にある時間は、約30秒から30分の間であることを特徴とする実施形態55に記載の方法。
(実施形態58)前記発光素子を前記光学要素に結合するのに使用される圧力は、約700から3000psiの間であることを特徴とする実施形態55に記載の方法。
(実施形態59)前記半導体発光素子を前記光学要素に結合する前に該半導体発光素子をサブマウントに結合する段階を更に含むことを特徴とする実施形態55に記載の方法。
【0045】
(実施形態60)活性領域を有する半導体層のスタックを含む半導体発光素子と、
前記半導体発光素子に結合した光学要素と、
前記光学要素と前記半導体発光素子の間に配置された、カルコゲニド及びカルコゲン−ハロゲニド・ガラスの群から選択された材料を含む結合層と、
を含むことを特徴とする素子。
【符号の説明】
【0046】
102 透明光学要素
104 発光ダイオード(LED)ダイ
106 サブマウント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLEDダイをサブマウントに装着する段階と、
光学要素を前記LEDダイに結合する段階と、
前記光学要素の上に波長変換層を堆積させる段階と、
前記LEDダイと前記波長変換層によって生成される光の波長を検出する段階と、
前記波長変換層の厚さを変更する段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記波長変換層の厚さを変更する段階は、付加的に波長変換材料を堆積する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記波長変換層の厚さを変更する段階は、波長変換材料を除去する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記除去する段階は、波長変換材料をエッチングする段階を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記除去する段階は、波長変換材料を溶解する段階を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記波長変換層の厚さを変更する段階の後に、前記LEDダイと前記波長変換層によって生成される光の波長を検出する段階を再び行う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
発光素子を準備する段階と、
前記発光素子の上に波長変換材料の層を堆積させる段階と、
前記発光素子と前記波長変換材料の組み合わせによって放射された光の波長スペクトルを判断する段階と、
前記発光素子上の波長変換材料の量を変更する段階と、を含む方法。
【請求項8】
望ましい波長スペクトルの光が生成されるまで、前記発光素子と前記波長変換材料の組み合わせによって放射された光の波長スペクトルを判断し、前記発光素子上の波長変換材料の量を変更することを繰り返し行う段階を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
望ましい波長スペクトルの光が発生されることは、望ましい相関色温度が生成されることである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記波長変換材料の量を変更する段階は、波長変換材料を除去する段階を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記波長変換材料の量を変更する段階は、付加的に波長変換材料を堆積する段階を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記発光素子の上に波長変換材料の層を堆積させる段階は、前記発光素子の上の光学要素に波長変換材料を堆積させる段階を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記発光素子は発光ダイオードである、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
光を放射する活性領域を有する半導体層のスタックを含む半導体発光素子と、
前記半導体発光素子に結合された、補正波長変換部材と、を備え、
前記補正波長変換部材は、最初に前記半導体発光素子に結合された波長変換材料の量とは異なった波長変換材料の量を有し、前記補正波長変換部材の波長変換材料の量が望ましい波長スペクトルを生成するのに十分であるように補正されている、素子。
【請求項15】
前記望ましい波長スペクトルを生成することは、望ましい相関色温度を生成することである、請求項14に記載の素子。
【請求項16】
前記補正波長変換部材は、前記半導体発光素子に最初に結合されたものよりも少ない波長変換材料を有するように補正された波長変換部材からなる、請求項14に記載の素子。
【請求項17】
前記補正波長変換部材は、前記半導体発光素子の上の光学要素に堆積されている、請求項14に記載の素子。
【請求項18】
前記補正波長変換部材は、前記半導体発光素子に最初に結合されたものよりも多い波長変換材料を有するように補正された波長変換部材からなる、請求項14に記載の素子。
【請求項19】
前記発光素子は、サブマウント上に装着されている、請求項14に記載の素子。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−238871(P2012−238871A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160350(P2012−160350)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2005−356915(P2005−356915)の分割
【原出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】