説明

発光素子駆動回路

【課題】発光素子を容易に増設することのできる発光素子の駆動回路を提供する。
【解決手段】LED列221〜224が並列に接続されたLED回路220を駆動するLED駆動回路10であって、LED列221〜224のそれぞれにコレクタ端子が接続され、エミッタ端子が接地されたトランジスタ111〜114を含む定電流ドライバ110と、トランジスタ111〜114のベース電流のうち、最大のベース電流に応じてLED列221〜224に共通に印加する電圧を設定するLED駆動制御部120と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)など高電圧で駆動される発光素子を駆動する発光素子駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)などの発光素子が、液晶ディスプレイのバックライトなどの面光源として用いられるようになってきている。LEDを面光源として用いる場合、通常、複数のLEDを直列に接続してLED列が構成され、更に、複数のLED列を並列に接続してLED行列が構成される。各LED列には、トランジスタが直列に挿入され、そのLED列を流れる電流は、このトランジスタによって定電流化される。
【0003】
しかしながら、LEDの順方向降下電圧にはばらつきがある。したがって、各LED列に挿入されたトランジスタに印加されるコレクタ−エミッタ間電圧にもばらつきが生じる。このため、面光源として用いられるLED行列においては、各LED列に挿入されたトランジスタが活性領域において定電流化作用を営むように、すなわち、各LED列に挿入されたトランジスタに印加される電圧(コレクタ−エミッタ間電圧)が確実に飽和電圧を超えるよう、各LED列に共通に印加する電圧を高めに設定する必要があった。
【0004】
このような問題に対し、特許文献1には、各LED列に印加する電圧を必要最低限に抑える発光素子駆動回路を備えた発光装置が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の発光装置について、図6を参照して説明する。図6は、特許文献1に記載の発光装置の回路図である。図6に示すように、この発光装置は、LED駆動回路50とLED光源回路60とを備えている。
【0006】
LED光源回路60は、図6に示すように、スイッチング回路61と、LED回路62とを含む。LED回路62は、4つのLED列621〜624が並列に接続されたものであり、上述したLED行列に相当する。スイッチング回路61は、4つのLED列621〜624に共通に印加する電圧を上下させるためのものであり、図6に示すように、電源電圧611、コイル612、トランジスタ613、ダイオード614、及び、コンデンサ615により構成される。
【0007】
LED駆動回路50は、図6に示すように、定電流ドライバ51と、LED駆動制御部52と、DCDCコントローラ53とを含む。定電流ドライバ51は、LED列621〜624の各々に直列に接続されたトランジスタ511〜514及び抵抗515〜518により構成される。トランジスタ514は、図6に示すように、エミッタ端子がオペアンプ521の一方の入力端子に接続され、ベース端子がオペアンプ521の出力端子に接続される。これにより、トランジスタ514のコレクタ−エミッタ間に飽和電圧以上の電圧が印加され、トランジスタ514が活性領域で動作する限り、LED列624を流れる電流が定電流化される。トランジスタ511〜513も、同様にオペアンプ(不図示)に接続され、LED列621〜623を流れる電流を定電流化する定電流回路を構成する。
【0008】
LED駆動制御部52は、上述したオペアンプ521を備え、定電流ドライバ51と協働して定電流化機能を実現すると共に、トランジスタ511〜514のコレクタ−エミッタ間電圧の最小値がトランジスタ511〜514の飽和電圧よりも少し大きな値に維持されるように、DCDCコントローラ53を制御する。具体的には、比較回路527によって、トランジスタ511〜514のコレクタ電圧の最小値Vminと、定電圧源522から供給される基準電圧Vrefとの差Δが生成され、DCDCコントローラ53によって、差ΔVが0になるようにスイッチング回路61に供給する直流電圧が制御される。
【0009】
特許文献1に係る発光装置は、上記の構成を備えることにより、LEDに必要以上に電圧を印加しないようにしつつ、LEDを駆動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−332624号公報(2003年11月21日公開)
【特許文献2】特開2008−130296号公報(2008年6月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、トランジスタを介して4列のLED列を接続可能なLED回路62を備える発光素子駆動装置に、新たにLED列を増設しようとする場合、図7に示すように、LED駆動制御部52’をさらに備える必要があった。図7は、特許文献1に記載のLED駆動制御部52を用いて、LED列を増設した場合の、発光装置の回路を示す回路図である。
【0012】
図7に示すように、LED列625を増設するためには、新たにLED駆動制御部52’、及び、トランジスタ541と抵抗542とを備える検出回路54を設ける必要がある。
【0013】
したがって、1列のLED列を増設するために、4列のLED列を制御することが可能なLED駆動制御部を設けなければならないため、回路規模が必要以上に大きくなり、かつ、コストが高くなってしまうという問題があった。
【0014】
このような問題に対し、例えば、特許文献2に記載のLED点灯回路に用いられるようなカレントミラー回路を単純に設けることによってLED列を増設することも考えられる。しかし、LED駆動制御部52にはカレントミラー回路を構成するトランジスタのコレクタ端子と接続される入力端子が備えられていないため、結局、LED駆動制御部を新たに設ける必要があり、問題を解決することはできない。
【0015】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光素子を容易に増設することのできる発光素子の駆動回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る発光素子駆動回路は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子が並列に接続された発光素子回路を駆動する発光素子駆動回路であって、上記複数の発光素子のそれぞれにコレクタ端子が接続され、エミッタ端子が接地された複数のトランジスタを含む定電流ドライバと、上記複数のトランジスタのベース電流のうち、最大のベース電流に応じて上記複数の発光素子に共通に印加する電圧を設定する制御回路と、を備えることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、上記制御回路は、上記トランジスタのコレクタ端子の電圧を参照することなく、低損失制御機能を実現することができる。これにより、入力端子を削減すると共に、回路規模を縮小することができる。また、高圧になる可能性のある上記トランジスタのコレクタ端子の電圧を参照する必要がないので、上記制御回路に対して高い耐圧性能が要求されることもなくなる。
【0018】
上記の構成によれば、上記並列に接続された発光素子に、さらに発光素子を並列接続して増設する場合に、ベース電流が共通する2つ以上のスイッチング素子を備えた回路を接続することによって、容易に増設することができる。これは、新たに設けられるスイッチング素子のベース端子が共通であるため、上記制御回路が、新たに設けられるスイッチング素子のベース端子と接続するための接続端子を新たに必要とせず、新たに比較回路を増設する必要がないためである。
【0019】
また、上記制御回路を新たに増設する必要がないため、上記発光素子を増設する場合であっても、回路規模の拡大を最小限に抑えることができ、上記制御回路の増設に必要なコストも削減することができる。
【0020】
本発明に係る発光素子駆動回路は、上記発光素子回路に含まれる発光素子と、該発光素子に並列に接続された新たな発光素子とに同一の電流を流すカレントミラー回路をさらに備え、上記制御回路は、上記複数のトランジスタのベース電流と、上記カレントミラー回路が備える1対のトランジスタの互いに短絡されたベース端子に流れるベース電流とのうち、最大のベース電流に応じて上記複数の発光素子に共通に印加する電圧を設定する、ことが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、上記カレントミラー回路により、上記何れかの発光素子に並列に接続された発光素子に、上記何れかの発光素子に流れる電流と略同一の電流を流すことができる。また、上記比較回路は、上記1対のトランジスタの互いに短絡されたベース端子に流れるベース電流を取得することで、ベース電流を取得する端子を増やすことなく、発光素子を増設することができる。
【0022】
本発明に係る発光素子駆動回路において、上記カレントミラー回路は、ウィルソン・カレントミラー回路である、ことが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、上記カレントミラー回路をウィルソン・カレントミラー回路とすることによって、温度によるカレントミラー回路の特性の変化を低減させることができる。これにより、上記何れかの発光素子に並列に接続された発光素子と、上記何れかの発光素子とに流れる電流を、より高精度に略同一とすることができる。
【0024】
本発明に係る発光素子駆動回路において、上記カレントミラー回路は、ワイドラー・カレントミラー回路である、ことが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、上記カレントミラー回路をワイドラー・カレントミラー回路とすることによって、回路構成をより簡単にし、より安価に製造可能な発光素子駆動回路を実現することができる。
【0026】
本発明に係る発光素子駆動回路において、上記カレントミラー回路は、上記1対のトランジスタにダーリントン接続されるもう1対のトランジスタを更に備えている、ことが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、ベース端子同士が短絡された上記1対のトランジスタに供給する電流を、ダーリントン接続される上記もう1対のトランジスタによって増幅させることができる。これによって、上記カレントミラーを構成する、ベース端子同士が短絡された上記1対のトランジスタを駆動するために上記制御回路から供給される電流を小さくすることができ、消費電力を削減することができる。
【0028】
なお、上記もう1対のトランジスタをダーリントン接続するカレントミラー回路は、1対のトランジスタにより構成されるワイドラー・カレントミラー回路であっても良いし、2対のトランジスタにより構成されるウィルソン・カレントミラー回路であってもよい。前者の場合、簡単かつ安価な発光素子駆動回路を実現することができる。後者の場合、より高精度は発光素子駆動回路を実現することができる。
【0029】
本発明に係る発光素子の増設方法は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子が並列に接続された発光素子回路に新たな発光素子を増設する増設方法であって、上記複数の発光素子の何れかと上記新たな発光素子とを、これら2つの発光素子に同一の電流を流すカレントミラー回路を用いて接続することを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、上記並列に接続された発光素子に、さらに発光素子を並列接続して増設する場合に、上記カレントミラーを用いて接続することにより、上記複数の発光素子の何れかと上記新たな発光素子とに同一の電流を流すことができるため、上記新たな発光素子を容易に増設することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る発光素子駆動回路は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子が並列に接続された発光素子回路を駆動する発光素子駆動回路であって、上記複数の発光素子のそれぞれにコレクタ端子が接続され、エミッタ端子が接地された複数のトランジスタを含む定電流ドライバと、上記複数のトランジスタのベース電流のうち、最大のベース電流に応じて上記複数の発光素子に共通に印加する電圧を設定する制御回路と、を備えることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によって、発光素子を容易に増設することのできる発光素子の駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発光装置が備える比較回路の動作例を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の一実施形態の変形例に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例に係るLED駆動回路が備えるカレントミラー回路を示す回路図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。
【図6】特許文献1に係る発光装置の回路図である。
【図7】特許文献1に記載のLED駆動制御部を用いて、LED列を増設した場合の、発光装置の回路を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態1>
本実施形態に係る、発光素子のLED駆動回路について、図1から図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。なお、本実施形態では、発光素子としてLEDを用いる場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
【0035】
〔発光装置の構成〕
発光装置1は、図1に示すように、LED駆動回路10、及び、LED光源回路20を備えている。
【0036】
(LED光源回路の構成)
まず、LED光源回路20の構成について説明する。LED光源回路20は、図1に示すように、スイッチング回路210、及び、LED回路220を備えている。
【0037】
スイッチング回路210は、LED回路220に電圧を印加するか否かを切り替えるスイッチング機能と共に、LED回路220に印加する駆動電圧を制御する機能を有している。スイッチング回路210は、図1に示すように、電源211、コイル212、MOSトランジスタ213、ダイオード214、及び、コンデンサ215により構成することができる。
【0038】
電源211は、コイル212を介してダイオード214のアノード端子216に接続されている。MOSトランジスタ213は、ドレイン端子がダイオード214のアノード端子216に接続され、ドレイン端子が接地され、ベース端子がDCDCコントローラ130に接続されている。ダイオード214のカソード端子217は、コンデンサ215を介してMOSトランジスタ213のソース端子に接続され、接地されている。
【0039】
MOSトランジスタ213は、DCDCコントローラ130から供給される直流電圧に応じて、ONとOFFとが切り替えられる。また、MOSトランジスタ213は、ON状態である場合に、DCDCコントローラ130から供給される直流電圧に応じた増幅率で、電源211から供給される電圧を増幅する。
【0040】
LED回路220は、スイッチング回路210から供給された駆動電圧により発光する。LED回路220は、図1に示すように、複数のLEDが直列に接続されたLED列221〜224により構成することができる。
【0041】
LED列221〜224の各々において、末端のLEDの一方(アノード端子に他のLEDが接続されていない方)は、そのアノード端子が上述したスイッチング回路210が備えるダイオード214のカソード端子217に接続され、末端のLEDの他方(カソード端子に他のLEDが接続されていない方)は、そのカソード端子が後述する定電流ドライバ110が備えるトランジスタ111〜114のコレクタ端子に接続されている。このようにして、LED列221〜224は、互いに並列になるよう接続されている。
【0042】
なお、LED列221〜224を構成するLEDの順方向降下電圧は、LEDごとにばらつきがある。例えば,白色LEDでは、順方向降下電圧が3.4V〜4Vの範囲でばらつく。このため、LED列221〜224における電圧降下は、LED列毎に異なる。
【0043】
(LED駆動回路の構成)
次に、LED駆動回路10の構成について説明する。LED駆動回路10は、図1に示すように、定電流ドライバ110、LED駆動制御部120、及び、DCDCコントローラ130を備えている。
【0044】
定電流ドライバ110は、後述するLED駆動制御部120と協同して、LED列221〜224の各々を流れる電流を定電流化する定電流化機能を有する。定電流ドライバ110は、図1に示すように、トランジスタ111〜114、及び、抵抗115〜118により構成することができる。
【0045】
トランジスタ111〜114のコレクタ端子は、それぞれ、LED列221〜224の末端のLED(カソード端子に他のLEDが接続されていないLED)のカソード端子に接続されている。また、トランジスタ111〜114のベース端子は、それぞれ、LED駆動制御部120に接続されている。また、トランジスタ111〜114のエミッタ端子は、それぞれ、LED駆動制御部120に接続されると共に、抵抗115〜118を介して接地されている。
【0046】
LED駆動制御部120は、トランジスタ111〜114における損失を低下させるよう、DCDCコントローラ130を制御する低損失制御機能を有している。また、LED駆動制御部120は、上述した定電流ドライバ110と協同して、LED列221〜224の各々を流れる電流を定電流化する定電流化機能を有している。
【0047】
LED駆動制御部120の定電流化機能は、図1に示すように、オペアンプ121、定電圧源122、及び、抵抗124により実現される。オペアンプ121は、一方の入力端子がトランジスタ114のコレクタ端子と接続され、他方の入力端子が定電圧源122と接続され、出力端子が抵抗124を介してトランジスタ114のベース端子と接続されている。
【0048】
なお、LED駆動制御部120は、トランジスタ111〜114のエミッタ端子及びベース端子と接続される4対の入力端子を備えている。そして、これら4対の入力端子の各々に、オペアンプ121、定電圧源122、及び、抵抗124が接続される(トランジスタ114に接続されるものを除いて図示を省略)。
【0049】
また、LED駆動制御部120の低損失制御機能は、電圧検出部126、比較回路127、及び、定電圧源128により実現される。電圧検出部126は、抵抗124の両端(端子123と端子125)に接続され、抵抗124における降下電圧を検出する。つまり、トランジスタ114のベース電流に比例する電圧を検出する。電圧検出部126が検出した電圧は、比較回路127に入力される。
【0050】
なお、LED駆動制御部120は、トランジスタ111〜114のベース電流に比例した電圧を検出する4つの電圧検出部126を備えている(トランジスタ111のベース電流に比例した電圧を検出するものを除いて図示を省略)。そして、4つの電圧検出部126により検出された電圧の各々が比較回路127に入力される。
【0051】
比較回路127は、4つの電圧検出部126の各々から入力された電圧をサンプリングクロック毎にサンプリングする。そして、サンプリングした4つの電圧値のうちで最も大きい最大電圧Vmaxを、定電圧源128から入力される基準電圧Vrefと比較し、その比較結果に応じた値をもつDCDC指令信号をDCDCコントローラ130に供給する。より具体的に言うと、(1)現クロックにおいて最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを上回っている場合には、現クロックにおけるDCDC指令信号の値を前クロックにおけるDCDC指令信号の値よりも一段階上の値に設定し、(2)現クロックにおいて最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを下回っている場合には、現クロックにおけるDCDC指令信号の値を前クロックにおけるDCDC指令信号の値よりも一段階下の値に設定する。ただし、DCDC指令信号の値には下限値が設定されており、最大値Vmaxが基準電圧Vrefを下回り続けたとしても、DCDC指令信号の値がこの下限値を下回ることはない。
【0052】
DCDC指令信号の値の設定例を図2に示す(図2における「ベース電流(電圧値に変換)」が上記の最大電圧Vmaxに対応する)。図2に示す例では、クロックt1以降、最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを上回っている。このため、比較回路127は、DCDC指令信号の値(図2における「DCD指令値」)を1段階ずつ上昇させる。また、クロックt2以降、最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを下回っている。このため、比較回路127は、DCDC指令信号の値を1段階ずつ下降させる。更に、クロックt3以降、最大電圧Vmaxが再び基準電圧Vrefを上回る。このため、比較回路127は、DCDC指令信号の値を再び1段階ずつ上昇させる。また、クロックt4以降、最大電圧Vmaxが再び基準電圧Vrefを下回っている。このため、比較回路127は、DCDC指令信号の値を再び1段階ずつ下降させる。
【0053】
DCDCコントローラ130は、比較回路127から入力されたDCDC指令信号の値に応じて、スイッチング回路210に印加する電圧を制御する。具体的には、DCDC指令信号の値が大きいときほどMOSトランジスタ213に印加する直流電圧を大きくし、DCDC指令信号の値が小さいときほどMOSトランジスタ213に印加する直流電圧を小さくする。
【0054】
なお、上述した例では、最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを上回る/下回るクロックにおいてDCDC指令信号の値を1段階上げる/下げる構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、最大電圧Vmaxが基準電圧Vrefを上回る/下回るクロックにおいてDCDC指令信号の値を2段階上げる/下げる構成としてもよいし、3段階上げる/下げる構成としてもよい。
【0055】
また、上述した例では、1クロック毎に最大電圧Vmaxと基準電圧Vrefとの比較を行い、1クロック毎にDCDC指令信号の値を上下させる構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、2クロック毎に最大電圧Vmaxと基準電圧Vrefとの比較を行い、2クロック毎にDCDC指令信号の値を変化させる構成としてもよいし、3クロック毎に最大電圧Vmaxと基準電圧Vrefとの比較を行い、3クロック毎にDCDC指令信号の値を変化させる構成としてもよい。
【0056】
また、上述した例では、4つの電圧検出部126から入力された電圧をサンプリングして得られる4つの電圧値の最大値である最大電圧Vmaxを基準電圧Vrefと比較する構成としたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、これら4つの電圧値の各々を基準電圧Vrefと比較し、1つでも基準電圧Vrefを上回っている場合には、DCDC指令信号の値を1段階上げ、4つとも基準電圧Vrefを下回っている場合には、DCDC指令信号の値を1段階下げる構成としてもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、LED駆動制御部120は、定電流ドライバ110を介してLED列と接続するための端子群(以下、トランジスタ111〜114の各々に接続される1対の端子を「チャンネル」とも呼称する)を4チャンネル備えている場合を例に挙げて説明している。もちろん、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LED駆動制御部120が、チャンネルを10チャンネル備えていてもよい。
【0058】
DCDCコントローラ130は、LED駆動制御部120の比較回路127から供給される電圧ΔVが0になるように、スイッチング回路210に印加する電圧を調整する。
【0059】
〔LED駆動回路の低損失制御機能〕
次に、LED駆動制御部120の低損失制御機能について、もう少し詳しく説明する。
【0060】
LED駆動制御部120が備える電圧検出部126は、上述したとおり、トランジスタ114のベース電流に比例する電圧値Vを検出する。トランジスタ114においては、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが小さくなると、ベース電流が大きくなり、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが大きくなると、ベース電流が小さくなる。したがって、電圧検出部126は、トランジスタ114のコレクタ−エミッタ間電圧Vceと負の相関をもつ電圧値V(Vce)を検出していることになる。
【0061】
LED駆動制御部120が備える比較回路127は、上述したとおり、各電圧検出部から入力された電圧の最大値Vmaxと定電圧源128から入力された基準電圧Vrefとの比較結果に応じてDCDC指令信号の値を設定する。また、DCDCコントローラ130は、上述したとおり、LED駆動制御部120が備える比較回路127から供給されるDCDC指令信号の値に応じて、スイッチング回路210に供給する直流電圧を制御する。
【0062】
基準電圧Vrefは、トランジスタ111〜114が飽和領域から活性領域に入るときのコレクタ−エミッタ間電圧をVceoとして、V(Vceo)よりも少し小さな値に設定されている。これにより、トランジスタ111〜114のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの最小値をVceoよりも少し大きな値に維持することができる。つまり、トランジスタ111〜114を活性領域において動作させ、定電流化動作を営ませることができる。
【0063】
LED駆動制御部120は、上述した構成により、トランジスタ111〜114のコレクタ電圧を直接検出することなく、ベース電流からコレクタ電圧に対応する値を検出することができる。
【0064】
上述した構成によれば、LED駆動制御部120は、トランジスタ111〜114のコレクタ端子の電圧を参照することなく、低損失制御機能を実現することができる。これにより、入力端子を削減すると共に、回路規模を縮小することができる。また、高圧になる可能性のあるトランジスタ111〜114のコレクタ端子の電圧を参照する必要がないので、LED駆動制御部120に対して高い耐圧性能が要求されることもなくなる。
【0065】
また、上述した構成によれば、LED回路220へのLED列の増設も容易である。以下、本実施形態に係る発光装置1の変形例として、LED回路220にLED列が増設された発光装置について説明する。
【0066】
図3は、本変形例に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。図3に示すように、本実施形態に係る発光装置2は、LED駆動回路10aがカレントミラー回路140を備えており、LED光源回路20aがLED列225を備えていること以外は、実施形態1の発光装置1と同じ構成である。
【0067】
本変形例では、図3に示すように、LED光源回路20aにLED列225を増設してLED列を5列にしている。
【0068】
しかし、LED駆動制御部120は、LED列と接続するためのチャンネルを4チャンネルしか備えていないため、単純にLED列225を増設しても、LED列225を駆動させることはできない。
【0069】
そこで、LED駆動回路10は、LED列225をLED駆動制御部120に接続するため、カレントミラー回路140を備えている。
【0070】
(カレントミラー回路の構成)
図4を参照して、本変形例に係るカレントミラー回路140の構成について説明する。図4は、本変形例に係るLED駆動回路10aが備えるカレントミラー回路140を示す回路図である。
【0071】
図4に示すように、カレントミラー回路140は、トランジスタ141〜146、及び、抵抗147〜149を備えている。本変形例に係る定電流ドライバ110aは、図4に示すカレントミラー回路140を、実施形態1の定電流ドライバ110が備えるトランジスタ114及び抵抗118の代わりに設けることにより、LED列225の増設を可能にしている。
【0072】
トランジスタ141及びトランジスタ143は、トランジスタ141のコレクタ端子とトランジスタ143のコレクタ端子とが接続され、トランジスタ141のエミッタ端子とトランジスタ143のベース端子とが接続されることにより、ダーリントン接続されている。また、トランジスタ141及びトランジスタ143のコレクタ端子はLED列224のカソード端子に接続され、トランジスタ141のベース端子はベース出力端子150に接続され、トランジスタ143のエミッタ端子はトランジスタ145のコレクタ端子に接続されている。
【0073】
トランジスタ142及びトランジスタ144は、トランジスタ142のコレクタ端子とトランジスタ144のコレクタ端子とが接続され、トランジスタ142のエミッタ端子とトランジスタ144のベース端子とが接続されることにより、ダーリントン接続されている。また、トランジスタ142及びトランジスタ144のコレクタ端子はLED列225のカソード端子に接続され、トランジスタ142のベース端子はベース出力端子150に接続され、トランジスタ144のエミッタ端子はトランジスタ146のコレクタ端子に接続されている。
【0074】
トランジスタ145及びトランジスタ146は、トランジスタ145のコレクタ端子と、トランジスタ145のベース端子及びトランジスタ146のベース端子が接続されることにより、カレントミラーを形成している。トランジスタ145のコレクタ端子はトランジスタ143のエミッタ端子に接続され、エミッタ端子は抵抗147の一端に接続されている。また、トランジスタ146のコレクタ端子はトランジスタ144のエミッタ端子に接続され、エミッタ端子は抵抗148の一端に接続されている。
【0075】
また、ダーリントン接続されたトランジスタ141及びトランジスタ143と、トランジスタ142及びトランジスタ144とをそれぞれ1つのトランジスタとみなすと、トランジスタ141〜146は、ウィルソン・カレントミラー(高精度ウィルソン・カレントミラー)回路を構成するよう接続されている。
【0076】
このように、トランジスタを2段に組み合わせてウィルソン・カレントミラーを構成することにより、カレントミラー回路140は、より高精度な定電流化動作を維持することができる。
【0077】
また、抵抗147及び抵抗148の他端は、共に抵抗149の一端及びエミッタ出力端子151に接続され、抵抗149の他端は接地されている。
【0078】
なお、ベース出力端子150は、トランジスタ141及びトランジスタ142に流れる電流が供給される端子である。エミッタ出力端子151は、抵抗147及び抵抗148をそれぞれ介して接続されるトランジスタ145及びトランジスタ146のエミッタ端子の電圧値を出力する端子である。
【0079】
また、カレントミラー回路140は、LED列224、225にかかる電圧Vfが異なる場合にも、定電流化動作を維持することができるよう、いわゆる、エミッタフォロア回路を形成している。
【0080】
なお、本実施形態においては、カレントミラー回路140として、2対のトランジスタにより構成されるウィルソン・カレントミラー回路に1対のトランジスタをダーリントン接続して得られる回路を用いているが、これに限定されない。すなわち、カレントミラー回路140として、1対のトランジスタにより構成されるワイドラー・カレントミラー回路に1対のトランジスタをダーリントン接続して得られる回路を用いてもよい。後者の構成を採用した場合、前者の構成を採用する場合と比べて、回路構成が簡単になるというメリットがある。
【0081】
〔LED駆動回路の制御動作〕
次に、カレントミラー回路140を備えるLED駆動回路10aの制御動作について、図3を参照して説明する。なお、トランジスタ141及びトランジスタ142の共通するベース端子(図4に示す、ベース出力端子150)を、カレントミラー回路140のベース端子とも呼称する。また、トランジスタ145及びトランジスタ146の、抵抗147及び抵抗148を介して接続されるエミッタ端子(図4に示す、エミッタ出力端子151)を、カレントミラー回路140のエミッタ端子とも呼称する。
【0082】
〔LED駆動回路の低損失制御機能〕
次に、LED駆動制御部120の低損失制御機能について、もう少し詳しく説明する。
【0083】
LED駆動制御部120が備える電圧検出部126は、上述したとおり、カレントミラー回路140のベース端子に流れるベース電流に比例する電圧値Vを検出する。カレントミラー回路140においては、トランジスタ145及び146のコレクタ−エミッタ間電圧Vceが小さくなると、ベース電流が大きくなり、コレクタ−エミッタ間電圧Vceが大きくなると、ベース電流が小さくなる。したがって、電圧検出部126は、カレントミラー回路140が備えるトランジスタ145及び146のコレクタ−エミッタ間電圧Vceと負の相関をもつ電圧値V(Vce)を検出していることになる。
【0084】
LED駆動制御部120が備える比較回路127は、上述したとおり、各電圧検出部から入力された電圧の最大値Vmaxと定電圧源128から入力された基準電圧Vrefとの比較結果に応じてDCDC指令信号の値を設定する。また、DCDCコントローラ130は、上述したとおり、LED駆動制御部120が備える比較回路127から供給されるDCDC指令信号の値に応じて、スイッチング回路210に供給する直流電圧を制御する。
【0085】
基準電圧Vrefは、トランジスタ111〜113と、カレントミラー回路140が備えるトランジスタ145及び146とが飽和領域から活性領域に入るときのコレクタ−エミッタ間電圧をVceoとして、V(Vceo)よりも少し小さな値に設定されている。これにより、トランジスタ111〜113と、カレントミラー回路140が備えるトランジスタ145及び146とのコレクタ−エミッタ間電圧Vceの最小値をVceoよりも少し大きな値に維持することができる。つまり、トランジスタ111〜113と、カレントミラー回路140が備えるトランジスタ145及び146とを活性領域において動作させ、定電流化動作を営ませることができる。
【0086】
LED駆動制御部120は、上述した構成により、トランジスタ111〜114のコレクタ電圧を直接検出することなく、ベース電流からコレクタ電圧に対応する値を検出することができる。
【0087】
上述した構成によって、並列に接続されたLED列221〜224に、さらにLED列を並列接続して増設する場合に、ベース電流が共通する2つ以上のスイッチング素子を備えた回路を接続することによって、容易に増設することができる。これは、新たに設けられるスイッチング素子のベース端子が共通であるため、上記比較回路が、新たに設けられるスイッチング素子のベース端子と接続するための接続端子を新たに必要とせず、新たに比較回路を増設する必要がないためである。
【0088】
また、上記比較回路を新たに増設する必要がないため、発光素子を増設する場合であっても、回路規模の拡大を最小限に抑えることができ、比較回路の増設に必要なコストも削減することができる。
【0089】
<実施形態2>
本発明の他の実施形態について、図5に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1に係る構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、実施形態1との相違点について説明するものとする。
【0090】
〔発光装置の構成〕
図5は、本発明の他の実施形態に係るLED駆動回路を備える発光装置の回路を示す回路図である。図5に示すように、本実施形態に係る発光装置3は、LED駆動回路10bがLED駆動制御部120b及びカレントミラー回路140bを備えていること以外は、実施形態2の発光装置2と同じ構成である。
【0091】
本実施形態では、図5に示すように、LED駆動制御部120bは、LED光源回路20bにLED列221〜223のカソード端子に接続されたトランジスタのコレクタ端子に接続されるコレクタ接続端子を備えている。LED駆動制御部120bは、コレクタ接続端子を介してトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧を取得する。
【0092】
比較回路127は、トランジスタから入力されたコレクタ−エミッタ間電圧Vceを比較する。そして、これらの電圧の最大値Vmaxと、定電圧源128から入力される基準電圧Vrefとの比較結果に応じた値をもつDCDC指令信号をDCDCコントローラ130に供給する。
【0093】
(カレントミラー回路の構成)
図5に示すように、カレントミラー回路140bは、トランジスタ141〜146、抵抗147〜149、比較回路152、及び、定電圧源153を備えている。本実施形態に係る定電流ドライバ110bは、このカレントミラー回路140bを、実施形態1の定電流ドライバ110が備えるトランジスタ114及び抵抗118の代わりに設けることにより、LED列225の増設を可能にしている。
【0094】
トランジスタ141及びトランジスタ143は、トランジスタ141のコレクタ端子とトランジスタ143のコレクタ端子とが接続され、トランジスタ141のエミッタ端子とトランジスタ143のベース端子とが接続されることにより、ダーリントン接続されている。また、トランジスタ141及びトランジスタ143のコレクタ端子はLED列224のカソード端子に接続され、トランジスタ141のベース端子はベース出力端子150に接続され、トランジスタ143のエミッタ端子はトランジスタ145のコレクタ端子に接続されている。
【0095】
トランジスタ142及びトランジスタ144は、トランジスタ142のコレクタ端子とトランジスタ144のコレクタ端子とが接続され、トランジスタ142のエミッタ端子とトランジスタ144のベース端子とが接続されることにより、ダーリントン接続されている。また、トランジスタ142及びトランジスタ144のコレクタ端子はLED列225のカソード端子に接続され、トランジスタ142のベース端子はベース出力端子150に接続され、トランジスタ144のエミッタ端子はトランジスタ146のコレクタ端子に接続されている。
【0096】
トランジスタ145及びトランジスタ146は、トランジスタ145のコレクタ端子と、トランジスタ145のベース端子及びトランジスタ146のベース端子が接続されることにより、カレントミラーを形成している。トランジスタ145のコレクタ端子はトランジスタ143のエミッタ端子に接続され、エミッタ端子は抵抗147の一端に接続されている。また、トランジスタ146のコレクタ端子はトランジスタ144のエミッタ端子に接続され、エミッタ端子は抵抗148の一端に接続されている。
【0097】
ダーリントン接続されたトランジスタ141及びトランジスタ143と、トランジスタ142及びトランジスタ144とをそれぞれ1つのトランジスタとみなすと、トランジスタ141〜146は、ウィルソン・カレントミラー(高精度ウィルソン・カレントミラー)回路を構成するよう接続されている。
【0098】
抵抗147及び抵抗148の他端は、共に抵抗149の一端及びエミッタ出力端子151に接続され、抵抗149の他端は接地されている。
【0099】
また、比較回路152の入力端子の一方はトランジスタ141のコレクタ端子に接続され、他方はトランジスタ142にコレクタ端子に接続され、さらに他方は定電圧源153に接続され、出力端子は、LED駆動制御部120bのコレクタ接続端子に接続されている。
【0100】
比較回路152は、トランジスタ143のコレクタ端子における電圧(トランジスタ143のコレクタ端子−トランジスタ145のエミッタ端子間の電圧)、及び、トランジスタ144のコレクタ端子における電圧から入力される電圧の値(トランジスタ144のコレクタ端子−トランジスタ146のエミッタ端子間の電圧)とを比較し、これら2つの電圧のうち大きい方の電圧をLED駆動制御部120bに出力する。
【0101】
〔LED駆動回路の低損失制御機能〕
次に、LED駆動制御部120bの低損失制御機能について、もう少し詳しく説明する。
【0102】
LED駆動制御部120bが備える比較回路127は、上述したとおり、比較回路152から入力された電圧、及び、トランジスタ111〜113のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの最大値Vmaxと、定電圧源128から入力された基準電圧Vrefとの比較結果に応じてDCDC指令信号の値を設定する。また、DCDCコントローラ130は、上述したとおり、LED駆動制御部120が備える比較回路127から供給されるDCDC指令信号の値に応じて、スイッチング回路210に供給する直流電圧を制御する。
【0103】
基準電圧Vrefは、トランジスタ111〜113及び141〜146が飽和領域から活性領域に入るときのコレクタ−エミッタ間電圧をVceoとして、V(Vceo)よりも少し小さな値に設定されている。これにより、トランジスタ111〜113及び141〜146のコレクタ−エミッタ間電圧Vceの最小値をVceoよりも少し大きな値に維持することができる。つまり、トランジスタ111〜113及び141〜146を活性領域において動作させ、定電流化動作を営ませることができる。
【0104】
LED駆動制御部120は、上述した構成により、トランジスタ111〜114のコレクタ電圧を直接検出することなく、ベース電流からコレクタ電圧に対応する値を検出することができる。
【0105】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態及び変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の発光素子駆動回路は、照明器具の光源、及び、テレビジョン受像機、及び携帯電話などのディスプレイのバックライト好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1、2、3 発光装置
10、10a、10b LED駆動回路
20、20a、20b LED光源回路
110、110a、110b 定電流ドライバ
111〜114、141〜146 トランジスタ
115〜117、124、147〜149 抵抗
120、120b LED駆動制御部
121、127、152 比較回路
122、128、153 定電圧源
126 電圧検出部
130 DCDCコントローラ
210 スイッチング回路
211 電源
212 コイル
213 MOSトランジスタ
214 ダイオード
215 コンデンサ
220 LED回路
221〜225 LED列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子が並列に接続された発光素子回路を駆動する発光素子駆動回路であって、
上記複数の発光素子のそれぞれにコレクタ端子が接続され、エミッタ端子が接地された複数のトランジスタを含む定電流ドライバと、
上記複数のトランジスタのベース電流のうち、最大のベース電流に応じて上記複数の発光素子に共通に印加する電圧を設定する制御回路と、
を備えていることを特徴とする発光素子駆動回路。
【請求項2】
上記発光素子回路に含まれる発光素子と、該発光素子に並列に接続された新たな発光素子とに同一の電流を流すカレントミラー回路をさらに備え、
上記制御回路は、上記複数のトランジスタのベース電流と、上記カレントミラー回路が備える1対のトランジスタの互いに短絡されたベース端子に流れるベース電流とのうち、最大のベース電流に応じて上記複数の発光素子に共通に印加する電圧を設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光素子駆動回路。
【請求項3】
上記カレントミラー回路は、ウィルソン・カレントミラー回路である
ことを特徴とする請求項2に記載の発光素子駆動回路。
【請求項4】
上記カレントミラー回路は、ワイドラー・カレントミラー回路である
ことを特徴とする請求項2に記載の発光素子駆動回路。
【請求項5】
上記カレントミラー回路は、上記1対のトランジスタにダーリントン接続されるもう1対のトランジスタを更に備えている、
ことを特徴とする請求項2から4までの何れか1項に記載の発光素子駆動回路。
【請求項6】
複数の発光素子が並列に接続された発光素子回路に新たな発光素子を増設する増設方法であって、
上記複数の発光素子の何れかと上記新たな発光素子とを、これら2つの発光素子に同一の電流を流すカレントミラー回路を用いて接続する、ことを特徴とする増設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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