発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラム
【課題】色鮮やかで高コントラストな表示画像を得る。
【解決手段】発光装置10は、画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調部3を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、光変調部3に照射される照明光を発する複数の発光部7と、分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定部4と、分割部分毎に、彩度の判定結果と、輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御する発光制御データ生成部5と、を備える。
【解決手段】発光装置10は、画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調部3を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、光変調部3に照射される照明光を発する複数の発光部7と、分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定部4と、分割部分毎に、彩度の判定結果と、輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御する発光制御データ生成部5と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルなどの受光型光変調素子と、当該光変調素子に照明光を照射する光源とを備え、入力された画像データに応じて光変調素子により光源からの照明光を変調して画像を表示する表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された表示装置は、画像データにより表される画像の有彩色成分の量を検出し、有彩色成分の量に基づいて光源の輝度を制御している。この表示装置によれば、彩度の高い色についてはより明るく表示することで、カラーフィルタの色純度を上げることなく色鮮やかな表示画像を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3922306号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光変調手段を用いる表示装置では、より色鮮やかで高コントラストな表示画像を得たいという要望がある。
【0006】
本発明は、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光装置は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段と、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る表示装置は、
前記発光装置と、
前記発光装置からの照明光を変調して画像を表示する前記光変調手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る制御装置は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を備える表示装置に用いられる制御装置であって、
前記光変調手段を分割した複数の分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る制御方法は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御方法であって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明に係る制御プログラムは、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御プログラムであって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の検出結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る発光装置を含む表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光変調部の分割の例を示す図である。
【図3】光変調部の分割の他の例を示す図である。
【図4】光変調部の分割の他の例を示す図である。
【図5】輝度推定機能付き彩度判定部の構成例を示すブロック図である。
【図6】輝度推定機能付き彩度判定部の処理例を示すフローチャートである。
【図7】発光制御データ生成部の処理を説明するための、彩度判定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。
【図8】発光制御データ生成部の処理を説明するための、輝度推定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図12】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図13】輝度推定機能付き彩度判定部の他の構成例を示すブロック図である。
【図14】輝度推定機能付き彩度判定部の他の処理例を示すフローチャートである。
【図15】輝度推定機能付き彩度判定部の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】輝度推定機能付き彩度判定部の他の処理例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態2に係る発光装置を含む表示装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態2に係る発光装置の発光制御データ調整部の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る発光装置10を含む表示装置100の構成を示すブロック図である。この表示装置100は、入力された画像データに基づいて光を変調することにより画像を表示する装置である。図1において、表示装置100は、入力端子1、受信部2、光変調部3、および発光装置10を備えている。
【0014】
入力端子1は、テレビやコンピュータなどで用いられる所定の形式の画像信号の入力を受ける端子である。
【0015】
受信部2は、入力端子1を介して上記画像信号を受信し、受信した画像信号を、R(赤)、G(緑)、B(青)の色データ(または階調値)からなる画像データ、あるいは輝度と色差データからなる画像データに変換して出力する。例えば、受信部2は、アナログ形式の画像信号が入力される場合にはA/D変換器などで構成され、また、アナログあるいはデジタルの変調された画像信号が入力される場合は所定の復調器により構成される。受信部2から出力された画像データは、光変調部3および発光装置10に供給される。
【0016】
光変調部3は、受信部2からの画像データに基づいて、発光装置10からの照明光を変調して画像を画面に表示するものであり、画像表示部とも呼ばれる。具体的には、光変調部3は、液晶パネルや、微小なミラー素子が配列されたDMD(デジタルミラーデバイス)などの表示デバイスにより構成される。
【0017】
発光装置10は、光変調部3に対して照明光を照射する装置であり、発光モジュールとも呼ばれる。発光装置10は、複数の発光部7と、制御装置8とを有する。
【0018】
発光部7は、光変調部3(またはその画面)を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、光変調部3に照射され変調される照明光を発する。図2、図3、および図4には、それぞれ、光変調部3の分割の例が示されている。図2では、光変調部3の矩形状の画面は、m行n列(m及びnは2以上の整数であり、図2ではm=8,n=12)の升目状(マトリクス状)に分割されており、例えば、各升目の直下に少なくとも一つの発光部7が配置される。図3では、光変調部3の矩形状の画面は、水平方向の中心で2領域に分割され、垂直方向にj個(jは1以上の整数であり、図3ではj=5)の領域に分割されており、例えば、光変調部3の水平方向の両端(左右端)に発光部7が垂直方向に並べて配置される。図4では、光変調部3の矩形状の画面は、垂直方向の中心で2領域に分割され、水平方向にk個(kは1以上の整数であり、図4ではk=9)の領域に分割されており、例えば、光変調部3の垂直方向の両端(上下端)に発光部7が水平方向に並べて配置される。
【0019】
制御装置8は、上記分割部分毎に、上記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分(すなわち当該分割部分で表示される画像)の彩度(または有彩色成分の量)を判定するとともに、当該部分の輝度を推定し、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、光変調部3の当該分割部分に照射される照明光の輝度を制御する。図1の例では、制御装置8は、輝度推定機能付き彩度判定部4、発光制御データ生成部5、および発光駆動制御部6を有する。
【0020】
輝度推定機能付き彩度判定部(以下、「彩度判定部」と称す)4は、受信部2からの画像データに基づき、光変調部3の分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定する。具体的には、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分の色成分を検出し、彩度の判定結果を示す彩度判定データを生成するとともに、輝度の推定結果を示す輝度推定データを生成する。彩度判定部4により生成された分割部分毎の彩度判定データおよび分割部分毎の輝度推定データは、発光制御データ生成部5に供給される。
【0021】
発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、彩度判定部4による彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する。具体的には、発光制御データ生成部5は、上記分割部分毎の彩度判定データと分割部分毎の輝度推定データとに基づいて、複数の発光部7の輝度を制御するための分割部分毎の発光制御データを生成して出力する。例えば、発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、当該分割部分の彩度判定データと輝度推定データとに基づき、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御するための発光制御データを生成する。発光制御データ生成部5から出力された分割部分毎の発光制御データは、発光駆動制御部6に供給される。
【0022】
発光駆動制御部6は、発光制御データ生成部5からの発光制御データに基づき、複数の発光部7を発光制御データに応じた輝度で駆動および制御する。具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎の発光制御データに基づき、各発光部7を発光させるための発光駆動信号を生成し、各発光部7に供給する。より具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する一つ以上の発光部7の各々に対し、当該分割部分の発光制御データに応じた発光駆動信号を出力する。発光駆動信号は、例えば、発光部7に流れる駆動電流を変調する信号や、発光部7をパルス幅駆動する信号である。
【0023】
複数の発光部7は、それぞれ、発光駆動制御部6からの発光駆動信号により駆動され、当該発光駆動信号に応じた輝度で発光し、照明光を光変調部3に照射する。
【0024】
上記の構成例では、発光制御データ生成部5によって、または発光制御データ生成部5および発光駆動制御部6によって、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて照明光の輝度(具体的には発光部7の輝度)を制御する制御手段が実現されている。
【0025】
一つの態様では、色鮮やかな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の彩度が大きいほど明るくなるように制御する。また、黒が浮くことを抑制して高コントラストな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が低いほど暗くなるように制御する。また、白に近い部分を明るく表示して高コントラストな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が高いほど明るくなるように制御する。
【0026】
具体的には、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分(すなわち画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分)が、彩度が所定レベルよりも大きい高彩度部分(または有彩色部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データとして発光制御データ生成部5に出力する。また、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分(または低彩色低輝度部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データおよび輝度推定データとして発光制御データ生成部5に出力する。例えば、彩度判定部4は、低彩度低輝度部分であると判定した場合、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。また、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分(または低彩色高輝度部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データおよび輝度推定データとして発光制御データ生成部5に出力する。例えば、彩度判定部4は、低彩度高輝度部分であると判定した場合、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0027】
そして、発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、当該分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データに基づき、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御する。具体的には、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が高彩度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を高くする。また、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が低彩度低輝度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を低くする。また、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が低彩度高輝度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を高くする。
【0028】
例えば、発光制御データ生成部5は、注目中の分割部分に対応する画像部分が高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもない部分(または低彩度中輝度部分)である場合には、当該注目中の分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データを出力し、高彩度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、低彩度低輝度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を暗く光らせる発光制御データを出力し、低彩度高輝度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力する。
【0029】
図5は、彩度判定部4の構成例を示すブロック図である。以下、図5を参照して、彩度判定部4の構成例を説明する。図5に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値平均値算出部13、最小値平均値算出部14、減算部15、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0030】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値平均値算出部13に出力する。最大値平均値算出部13は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの平均値を最大値平均値として算出する。算出された最大値平均値は、減算部15および分割部分成分判定部19に供給される。
【0031】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値平均値算出部14に出力する。最小値平均値算出部14は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの平均値を最小値平均値として算出する。算出された最小値平均値は、減算部15および分割部分成分判定部19に供給される。
【0032】
減算部15は、最大値平均値算出部13の出力から最小値平均値算出部14の出力を減じることにより、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との差分値を算出し、分割部分成分判定部19に出力する。
【0033】
有彩色成分判定閾値記憶部16は、予め設定された有彩色成分判定閾値を記憶しており、低輝度成分判定閾値記憶部17は、予め設定された低輝度成分判定閾値を記憶しており、高輝度成分判定閾値記憶部18は、予め設定された高輝度成分判定閾値を記憶している。
【0034】
分割部分成分判定部19は、最大値平均値算出部13からの最大値平均値と、最小値平均値算出部14からの最小値平均値と、減算部15からの差分値と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0035】
図6は、彩度判定部4の処理例を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、彩度判定部4の処理例を説明する。図6は、特に、図5のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0036】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値、最小値平均値、および両平均値の差分値の入力を受ける(ST1)。
【0037】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値が有彩色成分判定閾値以上であるかどうかを判定する(ST2)。分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値は、当該分割部分に対応する画像部分の有彩色成分の量(または彩度)を表し、差分値が大きいほど彩度(または最大値を示す色の純度)が高いと考えられる。
【0038】
差分値が有彩色成分判定閾値以上である場合(ST2:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を高彩度部分として判定し、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST3)。
【0039】
一方、差分値が有彩色成分判定閾値よりも小さい場合(ST2:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST4)。
【0040】
判定の結果、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST4:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST5)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0041】
一方、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST4:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST6)。
【0042】
判定の結果、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST6:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST7)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0043】
一方、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST6:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST8)。具体的には、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0044】
彩度判定部4は、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎に彩度判定データおよび輝度推定データを出力する。また、例えば、彩度判定部4は、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを、1画面(1フレーム)単位など、所定の周期で生成して出力する。
【0045】
なお、彩度判定部4は、高彩度部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。例えば、彩度判定部4は、高彩度部分であることを示す情報に加えて、最大値平均値と最小値平均値の差分値と有彩色成分判定閾値との差を示す程度情報を、彩度判定データに含めてもよい。また、彩度判定部4は、低輝度部分であることを示す情報に加えて、最大値平均値と低輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を、輝度推定データに含めてもよい。また、彩度判定部4は、高輝度部分であることを示す情報に加えて、最小値平均値と高輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を、輝度推定データに含めてもよい。
【0046】
また、低輝度成分判定閾値と高輝度成分判定閾値とを同じ値に設定して、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。
【0047】
また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。また、分割部分成分判定部19は、ステップST4において、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定し、ステップST6において、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定してもよい。この場合、分割部分成分判定部19は、ステップST1からステップST4に移行し、ステップST4の判定結果がYESの場合にはステップST5に進み、NOの場合にはステップST6に進む。そして、ステップST6の判定結果がYESの場合にはステップST7に進み、NOの場合にはステップST2に進む。そして、ステップST2の判定結果がYESの場合にはステップST3に進み、NOの場合にはステップST8に進む。
【0048】
図7は、発光制御データ生成部5の処理を説明するための、彩度判定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。図8は、発光制御データ生成部5の処理を説明するための、輝度推定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。以下、図7および図8を参照して、発光制御データ生成部5の処理の一例を説明する。
【0049】
発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの彩度判定データが高彩度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも明るく光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも大きい発光制御データbを出力する。ここで、彩度判定データが最大値平均値と最小値平均値の差分値と有彩色成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとbの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図7に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が高くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからbへなだらかに変化させてもよい。
【0050】
一方、注目している分割部分について、彩度判定部4からの彩度判定データが高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す場合には、発光制御データ生成部5は、以下のように輝度推定データに基づいて発光制御データを決定する。
【0051】
発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが低輝度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を暗く光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも暗く光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも小さい発光制御データcを出力する。ここで、輝度推定データが最大値平均値と低輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとcの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図8に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が低くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからcへなだらかに変化させてもよい。
【0052】
また、発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが高輝度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも明るく光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも大きい発光制御データdを出力する。ここで、輝度推定データが最小値平均値と高輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとdの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図8に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が高くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからdへなだらかに変化させてもよい。
【0053】
また、発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す場合には、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度で光らせる。
【0054】
発光制御データ生成部5は、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎に発光制御データを出力する。また、例えば、発光制御データ生成部5は、分割部分毎の発光制御データを、1画面(1フレーム)単位など、所定の周期で生成して出力する。
【0055】
なお、図8の発光制御データdは、図7の発光制御データbと異なる値に設定されてもよいし、同じ値に設定されてもよい。また、図8の発光制御データc、dのうちどちらか一方は、発光制御データaと同じ値に設定されてもよい。
【0056】
図9、図10、図11、および図12は、それぞれ、本実施の形態に係る表示装置100の作用を説明するための、表示装置100の色再現範囲を示す図である。以下、図9〜図12を参照して、表示装置100の作用を説明する。
【0057】
図9は、発光制御データaに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準的な輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。図9について説明すると、光変調部3のR,G,Bの3色のサブ画素の輝度レベルが0である場合、明度(または明るさ)も彩度も0となり、黒色が得られる。この状態から3色のうち単色のサブ画素の輝度レベルを上げていくと、彩度および明度が上がっていき、当該サブ画素を一杯に光らせると純色(彩度が最も高い色)が得られる。この状態から残り2色のサブ画素の輝度レベルを同時に上げていくと、明度が上がっていく一方、彩度が下がっていき、当該2色のサブ画素を一杯に光らせると白色が得られる。この状態から3色のサブ画素の輝度を同時に下げていくと、彩度0のまま明度が下がっていき、中間輝度レベルの白色が得られ、3色のサブ画素の輝度レベルが0になると、黒色が得られる。常に発光制御データaで発光部7を駆動する場合には、色再現範囲は、図9のラインで囲まれている範囲で一定となる。
【0058】
図10は、発光制御データbに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より明るい輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図7に示されるように、彩度が高い(または有彩色成分の量が多い)分割部分、すなわち高彩度部分である分割部分では、発光制御データが標準の値aより大きい値bとなり、照明光の輝度が上昇する。これにより、図10の実線で示されるように、図10の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、彩度の高い高彩度部分(有彩色領域)がより明るく表示され、表示画像の視覚上の色再現範囲を広げることができる。つまり、R,G,B,C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)といった純色が多く含まれるような画像、すなわち画像の彩度が高い(または有彩色成分の量が多い)画像をより明るく表示することで、より色鮮やかに知覚される画像を表示できるようになる。
【0059】
表示画像の明度が高くなるとより色鮮やかに知覚されることは経験的に知られている。また、同じ色度の色であっても、その明るさが変化することにより知覚される彩度が変化する現象はHunt効果として知られている。これに対し、白黒の画像といった彩度が低い(有彩色成分の量が少ない)画像においては、知覚される平均輝度レベルは変化しない。したがって、画像の彩度に応じて光源の輝度を上げることにより、白黒の画像から純色の画像にかけての輝度差がより大きく表現されるので、色鮮やかな表示画像を得ることができる。
【0060】
図11は、発光制御データcに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より暗い輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図8に示されるように、低彩度で低輝度な分割部分では、発光制御データが標準の値aより小さい値cとなり、照明光の輝度が減少する。これにより、図11の実線で示されるように、図11の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、黒に近い低彩度で低輝度な部分がより暗く表示され、黒が浮くことを抑制し、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0061】
図12は、発光制御データdに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より明るい輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図8に示されるように、低彩度で高輝度な分割部分では、発光制御データが標準の値aより大きい値dとなり、照明光の輝度が上昇する。これにより、図12の実線で示されるように、図12の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、白に近い低彩度で高輝度な部分がより明るく表示され、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0062】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(4)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、光変調部の分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定し、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する。このため、本実施の形態によれば、分割部分毎に、画像の彩度および輝度に応じて照明光の輝度を調整することができ、彩度(または有彩色成分の量)だけに基づいて画面全体の明るさを調整する場合よりも、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる。また、色成分を検出するだけでも、上記のような処理を実施することで、注目している分割部分を色鮮やかにするとともに、画像の輝度を推定して照明光の輝度を制御することで高コントラスト化することが可能になる。
【0063】
(2)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の彩度が大きいほど明るくなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも大きい高彩度部分であるか否かを判定し、高彩度部分であると判定された場合には、彩度が上記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を高くする。本態様によれば、画像の彩度が高い部分をより明るく表示することができ、より色鮮やかに知覚される画像を表示することができる。
【0064】
特許文献1に記載された表示装置では、高彩度部分が存在していても、低彩度部分が広く存在する場合、光源が高い輝度で制御されず、高彩度部分が色鮮やかに表示されないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、高彩度部分に対応する照明光の輝度を選択的に高く制御することができ、高彩度部分を色鮮やかに表示することができる。
【0065】
(3)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が低いほど暗くなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定し、低彩度低輝度部分であると判定された場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を低くする。本態様によれば、黒に近い低彩度低輝度部分をより暗く表示することができ、黒が浮くことを抑制し、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0066】
特許文献1に記載された表示装置では、低彩度低輝度部分が存在していても、高彩度部分が広く存在する場合、高彩度部分に応じた高い輝度で光源が制御され、低彩度低輝度部分の黒が浮いてしまい、高コントラストな表示画像が得られないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、低彩度低輝度部分に対応する照明光の輝度を選択的に低く制御することができ、黒が浮くことを抑制し、高コントラストな表示画像を得ることができる。
【0067】
(4)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が高いほど明るくなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定し、低彩度高輝度部分であると判定された場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を高くする。本態様によれば、白に近い低彩度高輝度部分をより明るく表示することができ、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0068】
特許文献1に記載された表示装置では、低彩度高輝度部分が存在する場合、光源が高い輝度で制御されず、高コントラストな表示画像が得られないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、低彩度高輝度部分に対応する照明光の輝度を選択的に高く制御することができ、高コントラストな表示画像を得ることができる。
【0069】
なお、上記の説明では、彩度判定部4が、最大値平均値と、最小値平均値と、両平均値の差分値とに基づいて彩度判定データおよび輝度推定データを生成する構成を例示したが、彩度判定データおよび輝度推定データは、以下のように、他の構成により生成されてもよい。
【0070】
図13は、彩度判定部4の他の構成例を示すブロック図である。以下、図13を参照して、彩度判定部4の他の構成例を説明する。図13に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値度数分布情報算出部20、最小値度数分布情報算出部21、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0071】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値度数分布情報算出部20に出力する。最大値度数分布情報算出部20は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの度数分布を最大値度数分布情報として算出する。最大値度数分布情報は、最大値データの値(色データ値)毎の出現度数を示す情報である。算出された最大値度数分布情報は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0072】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値度数分布情報算出部21に出力する。最小値度数分布情報算出部21は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの度数分布を最小値度数分布情報として算出する。最小値度数分布情報は、最小値データの値(色データ値)毎の出現度数を示す情報である。算出された最小値度数分布情報は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0073】
分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報算出部20からの最大値度数分布情報と、最小値度数分布情報算出部21からの最小値度数分布情報と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0074】
図14は、彩度判定部4の他の処理例を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、図13に示される彩度判定部4の処理例を説明する。図14は、特に、図13のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0075】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報および最小値度数分布情報の入力を受ける(ST11)。
【0076】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報および最小値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の有彩色成分の量(または彩度)を表す値を求め、当該値を有彩色成分判定閾値と比較することにより、注目している分割部分に対応する画像部分が高彩度部分であるかどうかを判定する(ST12)。例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報における所定値以上の色データ値の度数の合計値(すなわち所定値以上の色データ値のデータ数)と、最小値度数分布情報における所定値以下の色データ値の度数の合計値(すなわち所定値以下のデータ値のデータ数)との差の絶対値を求め、当該差の絶対値が有彩色成分判定閾値以下であるときに、高彩度部分であると判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和と、最小値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和との差を求め、当該差が有彩色成分判定閾値以上であるときに、高彩度部分であると判定する。この場合、最大値度数分布情報または最小値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)と、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値との差を求め、当該差が有彩色成分判定閾値以上であるときに、高彩度部分であると判定する。
【0077】
高彩度部分であると判定された場合(ST12:YES)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST13)。
【0078】
一方、高彩度部分でないと判定された場合(ST12:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の輝度を表す値を求め、当該値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST14)。例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報において度数が1以上である色データ値のうちの最小値を求め、当該最小値が低輝度成分判定閾値として設定されている色データ値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和を求め、当該総和が低輝度成分判定閾値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。この場合、低輝度成分判定閾値は、例えばある低輝度データ値とデータ数との積によって設定される。また、最大値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)を求め、当該代表値が低輝度成分判定閾値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。
【0079】
判定の結果、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST14:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST15)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0080】
一方、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST14:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最小値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の輝度を表す値を求め、当該値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST16)。例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報において度数が1以上である色データ値のうちの最大値を求め、当該最大値が高輝度成分判定閾値として設定されている色データ値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和を求め、当該総和が高輝度成分判定閾値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。この場合、高輝度成分判定閾値は、例えばある高輝度データ値とデータ数との積によって設定される。また、最小値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)を求め、当該代表値が高輝度成分判定閾値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。
【0081】
判定の結果、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST16:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST17)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0082】
一方、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST16:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST18)。具体的には、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0083】
彩度判定部4は、図6の場合と同様に、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを所定の周期で生成して出力する。また、彩度判定部4は、図6の場合と同様に、有彩色部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。また、図6の場合と同様に、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。
【0084】
図15は、彩度判定部4の他の構成例を示すブロック図である。以下、図15を参照して、彩度判定部4の他の構成例を説明する。図15に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値平均値算出部13、最小値平均値算出部14、減算部15、中間平均値算出部22、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0085】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値平均値算出部13に出力する。最大値平均値算出部13は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの平均値を最大値平均値として算出する。算出された最大値平均値は、減算部15および中間平均値算出部22に供給される。
【0086】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値平均値算出部14に出力する。最小値平均値算出部14は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの平均値を最小値平均値として算出する。算出された最小値平均値は、減算部15および中間平均値算出部22に供給される。
【0087】
減算部15は、最大値平均値算出部13の出力から最小値平均値算出部14の出力を減じることにより、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との差分値を算出し、分割部分成分判定部19に出力する。
【0088】
中間平均値算出部22は、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との平均値を中間平均値として算出する。算出された中間平均値は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0089】
分割部分成分判定部19は、減算部15からの差分値と、中間平均値算出部22からの中間平均値と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0090】
図16は、彩度判定部4の他の処理例を示すフローチャートである。以下、図16を参照して、彩度判定部4の他の処理例を説明する。図16は、特に、図15のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0091】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値と、最大値平均値と最小値平均値の平均値である中間平均値との入力を受ける(ST21)。
【0092】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値が有彩色成分判定閾値以上であるかどうかを判定する(ST22)。
【0093】
差分値が有彩色成分判定閾値以上である場合(ST22:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を高彩度部分として判定し、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST23)。
【0094】
一方、差分値が有彩色成分判定閾値よりも小さい場合(ST22:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST24)。
【0095】
判定の結果、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST24:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST25)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0096】
一方、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST24:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST26)。
【0097】
判定の結果、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST26:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST27)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0098】
一方、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST26:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST28)。具体的には、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0099】
彩度判定部4は、図6の場合と同様に、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを所定の周期で生成して出力する。また、彩度判定部4は、図6の場合と同様に、有彩色部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。また、図6の場合と同様に、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。また、分割部分成分判定部19は、ステップST24において、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定し、ステップST26において、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定してもよい。この場合、分割部分成分判定部19は、ステップST21からステップST24に移行し、ステップST24の判定結果がYESの場合にはステップST25に進み、NOの場合にはステップST26に進む。そして、ステップST26の判定結果がYESの場合にはステップST27に進み、NOの場合にはステップST22に進む。そして、ステップST22の判定結果がYESの場合にはステップST23に進み、NOの場合にはステップST28に進む。
【0100】
実施の形態2.
図17は、実施の形態2に係る発光装置10を含む表示装置200の構成を示すブロック図である。この表示装置200は、実施の形態1の表示装置100に対し、制御装置8の構成が異なっており、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
【0101】
本実施の形態では、制御装置8は、光変調部3の複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、各分割部分に対応する照明光の輝度(具体的には複数の発光部7の輝度)を制御する。
【0102】
具体的には、図17に示されるように、制御装置8は、彩度判定部4、発光制御データ生成部5、および発光駆動制御部6に加えて、隣接制限基準値記憶部31および発光制御データ調整部32を有する。
【0103】
隣接制限基準値記憶部31は、予め設定された隣接制限基準値を記憶している。隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように発光制御データを調整するための基準値である。具体的には、隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が視認されない、照明光の輝度の差(または発光制御データの差)の限界の値である。例えば、隣接制限基準値は、光変調部3が一様な画像を表示している状態において、互いに隣接する分割部分間で発光部7が互いに異なる輝度で発光しているときに、光変調部3にて分割部分間の輝度差が認知されない、照明光の輝度の差(または発光制御データの差)の上限値である。隣接制限基準値は、例えば、発光部7の特性と、光変調部3の特性とによって決まる。分割部分同士が隣接する複数の隣接部が存在する場合、各隣接部に対応する隣接部毎の隣接制限基準値が設定されてもよいし、複数の隣接部に対応する共通の一つの隣接制限基準値が設定されてもよい。
【0104】
発光制御データ調整部32は、発光制御データ生成部5から出力された分割部分毎の発光制御データを、隣接制限基準値記憶部31に記憶されている隣接制限基準値に基づいて調整し、調整後の発光制御データを発光制御調整データとして出力する。具体的には、発光制御データ調整部32は、互いに隣接する分割部分間での発光制御データの差が、隣接制限基準値に応じた基準値以下となるように、分割部分毎の発光制御データの調整を行う。ここで、隣接制限基準値は、発光制御データと同じ単位のデータであってもよく、発光制御データ調整部32は、発光制御データの差が隣接制限基準値以下となるように発光制御データの調整を行ってもよい。あるいは、隣接制限基準値は、発光部7の輝度差値であってもよい。この場合、隣接制限基準値は、例えば、隣接制限基準値記憶部31または発光制御データ調整部32において発光制御データに応じた単位のデータに変換され、当該データが上記基準値として用いられる。
【0105】
発光駆動制御部6は、発光制御データ調整部32からの分割部分毎の発光制御調整データに基づき、各発光部7を発光させるための発光駆動信号を生成し、各発光部7に供給する。具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎に、当該分割部分の発光制御調整データに応じて、当該分割部分に対応する発光部7を光らせるための発光駆動信号を生成し、当該分割部分に対応する発光部7に出力する。これにより、各分割部分に対応する発光部7が、各分割部分の発光制御調整データに応じた輝度で発光する。
【0106】
図18は、実施の形態2に係る発光装置10の発光制御データ調整部32の処理例を示すフローチャートである。以下、図18を参照して、発光制御データ調整部32の処理例を説明する。
【0107】
まず、発光制御データ調整部32は、光変調部3の複数の分割部分の各々の発光制御データの入力を受ける(ST31)。
【0108】
ついで、発光制御データ調整部32は、分割部分同士が隣接する隣接部のそれぞれについて、当該隣接部で隣接する分割部分間での発光制御データの差分を隣接値として取得する(ST32)。
【0109】
ついで、発光制御データ調整部32は、取得された各隣接値が隣接制限基準値以下であるか否かを判定する(ST33)。そして、各隣接値が隣接制限基準値以下である場合には(ST33:YES)、発光制御データ調整部32は、ステップST31で入力された分割部分毎の発光制御データを、そのまま発光制御調整データとして発光駆動制御部6に出力する(ST36)。
【0110】
一方、少なくとも一つの隣接値が隣接制限基準値を超える場合には(ST33:NO)、発光制御データ調整部32は、隣接値が隣接制限基準値を超える隣接部について、当該隣接部で隣接する分割部分の発光制御データを、隣接値が隣接制限基準値以下となるように調整する(ST34)。
【0111】
上記調整の後、発光制御データ調整部32は、各隣接値が隣接制限基準値以下であるか否かを判定する(ST35)。そして、発光制御データ調整部32は、少なくとも一つの隣接値が隣接制限基準値を超える場合には(ST35:NO)、発光制御データの調整を再度行い(ST34)、各隣接値が隣接制限基準値以下である場合には(ST35:YES)、調整後の発光制御データを発光制御調整データとして発光駆動制御部6に出力する(ST36)。すなわち、発光制御データ調整部32は、各隣接値が隣接制限基準値以下となるまで、発光制御データの調整を繰り返す。この場合、ある分割部分について複数の隣接部で隣接制限基準値を超えているときには、例えば、発光制御データ調整部32は、最も大きく隣接制限基準値を超えている隣接部を優先して発光制御データの調整を行う。
【0112】
なお、上記の処理は一例であり、適宜変更されてもよい。例えば、隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分の画像成分に応じて変化する値であってもよい。例えば、人の目は画面が暗くなるほど感度が上がるため、暗い分割部分同士の隣接部に対応する隣接制限基準値は小さく、明るい分割部分同士の隣接部に対応する隣接制限基準値は大きく設定するなど、条件に応じた隣接制限基準値が複数存在してもよい。
【0113】
以上説明した本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果の他に、下記(5)の効果が得られ得る。
(5)本実施の形態では、複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、各分割部分に対応する照明光の輝度(具体的には複数の発光部の輝度)を制御する。このため、本実施の形態によれば、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差を所定レベル以下に抑制することができ、分割部分間の輝度差を視認されにくくすることができる。
【0114】
以上説明した実施の形態1、2において、制御装置8の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、制御装置8の機能は、例えば制御プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、制御装置8の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された制御プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。制御プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0115】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 入力端子、 2 受信部、 3 光変調部、 4 輝度推定機能付き彩度判定部、 5 発光制御データ生成部、 6 発光駆動制御部、 7 発光部、 8 制御装置、 10 発光装置、 11 最大値検出部、 12 最小値検出部、 13 最大値平均値算出部、 14 最小値平均値算出部、 15 減算部、 16 有彩色成分判定閾値記憶部、 17 低輝度成分判定閾値記憶部、 18 高輝度成分判定閾値記憶部、 19 分割部分成分判定部、 20 最大値度数分布情報算出部、 21 最小値度数分布情報算出部、 22 中間平均値算出部、 31 隣接制限基準値記憶部、 32 発光制御データ調整部、 100,200 表示装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルなどの受光型光変調素子と、当該光変調素子に照明光を照射する光源とを備え、入力された画像データに応じて光変調素子により光源からの照明光を変調して画像を表示する表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された表示装置は、画像データにより表される画像の有彩色成分の量を検出し、有彩色成分の量に基づいて光源の輝度を制御している。この表示装置によれば、彩度の高い色についてはより明るく表示することで、カラーフィルタの色純度を上げることなく色鮮やかな表示画像を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3922306号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光変調手段を用いる表示装置では、より色鮮やかで高コントラストな表示画像を得たいという要望がある。
【0006】
本発明は、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光装置は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段と、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る表示装置は、
前記発光装置と、
前記発光装置からの照明光を変調して画像を表示する前記光変調手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る制御装置は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を備える表示装置に用いられる制御装置であって、
前記光変調手段を分割した複数の分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る制御方法は、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御方法であって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明に係る制御プログラムは、
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御プログラムであって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の検出結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる発光装置、表示装置、制御装置、制御方法、および制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1に係る発光装置を含む表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光変調部の分割の例を示す図である。
【図3】光変調部の分割の他の例を示す図である。
【図4】光変調部の分割の他の例を示す図である。
【図5】輝度推定機能付き彩度判定部の構成例を示すブロック図である。
【図6】輝度推定機能付き彩度判定部の処理例を示すフローチャートである。
【図7】発光制御データ生成部の処理を説明するための、彩度判定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。
【図8】発光制御データ生成部の処理を説明するための、輝度推定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図10】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図12】実施の形態1に係る表示装置の作用を説明するための、表示装置の色再現範囲を示す図である。
【図13】輝度推定機能付き彩度判定部の他の構成例を示すブロック図である。
【図14】輝度推定機能付き彩度判定部の他の処理例を示すフローチャートである。
【図15】輝度推定機能付き彩度判定部の他の構成例を示すブロック図である。
【図16】輝度推定機能付き彩度判定部の他の処理例を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態2に係る発光装置を含む表示装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態2に係る発光装置の発光制御データ調整部の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る発光装置10を含む表示装置100の構成を示すブロック図である。この表示装置100は、入力された画像データに基づいて光を変調することにより画像を表示する装置である。図1において、表示装置100は、入力端子1、受信部2、光変調部3、および発光装置10を備えている。
【0014】
入力端子1は、テレビやコンピュータなどで用いられる所定の形式の画像信号の入力を受ける端子である。
【0015】
受信部2は、入力端子1を介して上記画像信号を受信し、受信した画像信号を、R(赤)、G(緑)、B(青)の色データ(または階調値)からなる画像データ、あるいは輝度と色差データからなる画像データに変換して出力する。例えば、受信部2は、アナログ形式の画像信号が入力される場合にはA/D変換器などで構成され、また、アナログあるいはデジタルの変調された画像信号が入力される場合は所定の復調器により構成される。受信部2から出力された画像データは、光変調部3および発光装置10に供給される。
【0016】
光変調部3は、受信部2からの画像データに基づいて、発光装置10からの照明光を変調して画像を画面に表示するものであり、画像表示部とも呼ばれる。具体的には、光変調部3は、液晶パネルや、微小なミラー素子が配列されたDMD(デジタルミラーデバイス)などの表示デバイスにより構成される。
【0017】
発光装置10は、光変調部3に対して照明光を照射する装置であり、発光モジュールとも呼ばれる。発光装置10は、複数の発光部7と、制御装置8とを有する。
【0018】
発光部7は、光変調部3(またはその画面)を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、光変調部3に照射され変調される照明光を発する。図2、図3、および図4には、それぞれ、光変調部3の分割の例が示されている。図2では、光変調部3の矩形状の画面は、m行n列(m及びnは2以上の整数であり、図2ではm=8,n=12)の升目状(マトリクス状)に分割されており、例えば、各升目の直下に少なくとも一つの発光部7が配置される。図3では、光変調部3の矩形状の画面は、水平方向の中心で2領域に分割され、垂直方向にj個(jは1以上の整数であり、図3ではj=5)の領域に分割されており、例えば、光変調部3の水平方向の両端(左右端)に発光部7が垂直方向に並べて配置される。図4では、光変調部3の矩形状の画面は、垂直方向の中心で2領域に分割され、水平方向にk個(kは1以上の整数であり、図4ではk=9)の領域に分割されており、例えば、光変調部3の垂直方向の両端(上下端)に発光部7が水平方向に並べて配置される。
【0019】
制御装置8は、上記分割部分毎に、上記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分(すなわち当該分割部分で表示される画像)の彩度(または有彩色成分の量)を判定するとともに、当該部分の輝度を推定し、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、光変調部3の当該分割部分に照射される照明光の輝度を制御する。図1の例では、制御装置8は、輝度推定機能付き彩度判定部4、発光制御データ生成部5、および発光駆動制御部6を有する。
【0020】
輝度推定機能付き彩度判定部(以下、「彩度判定部」と称す)4は、受信部2からの画像データに基づき、光変調部3の分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定する。具体的には、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分の色成分を検出し、彩度の判定結果を示す彩度判定データを生成するとともに、輝度の推定結果を示す輝度推定データを生成する。彩度判定部4により生成された分割部分毎の彩度判定データおよび分割部分毎の輝度推定データは、発光制御データ生成部5に供給される。
【0021】
発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、彩度判定部4による彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する。具体的には、発光制御データ生成部5は、上記分割部分毎の彩度判定データと分割部分毎の輝度推定データとに基づいて、複数の発光部7の輝度を制御するための分割部分毎の発光制御データを生成して出力する。例えば、発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、当該分割部分の彩度判定データと輝度推定データとに基づき、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御するための発光制御データを生成する。発光制御データ生成部5から出力された分割部分毎の発光制御データは、発光駆動制御部6に供給される。
【0022】
発光駆動制御部6は、発光制御データ生成部5からの発光制御データに基づき、複数の発光部7を発光制御データに応じた輝度で駆動および制御する。具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎の発光制御データに基づき、各発光部7を発光させるための発光駆動信号を生成し、各発光部7に供給する。より具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する一つ以上の発光部7の各々に対し、当該分割部分の発光制御データに応じた発光駆動信号を出力する。発光駆動信号は、例えば、発光部7に流れる駆動電流を変調する信号や、発光部7をパルス幅駆動する信号である。
【0023】
複数の発光部7は、それぞれ、発光駆動制御部6からの発光駆動信号により駆動され、当該発光駆動信号に応じた輝度で発光し、照明光を光変調部3に照射する。
【0024】
上記の構成例では、発光制御データ生成部5によって、または発光制御データ生成部5および発光駆動制御部6によって、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて照明光の輝度(具体的には発光部7の輝度)を制御する制御手段が実現されている。
【0025】
一つの態様では、色鮮やかな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の彩度が大きいほど明るくなるように制御する。また、黒が浮くことを抑制して高コントラストな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が低いほど暗くなるように制御する。また、白に近い部分を明るく表示して高コントラストな表示画像を得る観点より、制御装置8は、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が高いほど明るくなるように制御する。
【0026】
具体的には、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分(すなわち画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分)が、彩度が所定レベルよりも大きい高彩度部分(または有彩色部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データとして発光制御データ生成部5に出力する。また、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分(または低彩色低輝度部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データおよび輝度推定データとして発光制御データ生成部5に出力する。例えば、彩度判定部4は、低彩度低輝度部分であると判定した場合、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。また、彩度判定部4は、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分(または低彩色高輝度部分)であるか否かを判定し、その判定結果を彩度判定データおよび輝度推定データとして発光制御データ生成部5に出力する。例えば、彩度判定部4は、低彩度高輝度部分であると判定した場合、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0027】
そして、発光制御データ生成部5は、分割部分毎に、当該分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データに基づき、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を制御する。具体的には、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が高彩度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を高くする。また、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が低彩度低輝度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を低くする。また、発光制御データ生成部5は、分割部分に対応する画像部分が低彩度高輝度部分である場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光部7の輝度を高くする。
【0028】
例えば、発光制御データ生成部5は、注目中の分割部分に対応する画像部分が高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもない部分(または低彩度中輝度部分)である場合には、当該注目中の分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データを出力し、高彩度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、低彩度低輝度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を暗く光らせる発光制御データを出力し、低彩度高輝度部分である場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力する。
【0029】
図5は、彩度判定部4の構成例を示すブロック図である。以下、図5を参照して、彩度判定部4の構成例を説明する。図5に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値平均値算出部13、最小値平均値算出部14、減算部15、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0030】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値平均値算出部13に出力する。最大値平均値算出部13は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの平均値を最大値平均値として算出する。算出された最大値平均値は、減算部15および分割部分成分判定部19に供給される。
【0031】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値平均値算出部14に出力する。最小値平均値算出部14は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの平均値を最小値平均値として算出する。算出された最小値平均値は、減算部15および分割部分成分判定部19に供給される。
【0032】
減算部15は、最大値平均値算出部13の出力から最小値平均値算出部14の出力を減じることにより、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との差分値を算出し、分割部分成分判定部19に出力する。
【0033】
有彩色成分判定閾値記憶部16は、予め設定された有彩色成分判定閾値を記憶しており、低輝度成分判定閾値記憶部17は、予め設定された低輝度成分判定閾値を記憶しており、高輝度成分判定閾値記憶部18は、予め設定された高輝度成分判定閾値を記憶している。
【0034】
分割部分成分判定部19は、最大値平均値算出部13からの最大値平均値と、最小値平均値算出部14からの最小値平均値と、減算部15からの差分値と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0035】
図6は、彩度判定部4の処理例を示すフローチャートである。以下、図6を参照して、彩度判定部4の処理例を説明する。図6は、特に、図5のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0036】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値、最小値平均値、および両平均値の差分値の入力を受ける(ST1)。
【0037】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値が有彩色成分判定閾値以上であるかどうかを判定する(ST2)。分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値は、当該分割部分に対応する画像部分の有彩色成分の量(または彩度)を表し、差分値が大きいほど彩度(または最大値を示す色の純度)が高いと考えられる。
【0038】
差分値が有彩色成分判定閾値以上である場合(ST2:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を高彩度部分として判定し、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST3)。
【0039】
一方、差分値が有彩色成分判定閾値よりも小さい場合(ST2:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST4)。
【0040】
判定の結果、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST4:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST5)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0041】
一方、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST4:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST6)。
【0042】
判定の結果、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST6:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST7)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0043】
一方、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST6:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST8)。具体的には、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0044】
彩度判定部4は、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎に彩度判定データおよび輝度推定データを出力する。また、例えば、彩度判定部4は、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを、1画面(1フレーム)単位など、所定の周期で生成して出力する。
【0045】
なお、彩度判定部4は、高彩度部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。例えば、彩度判定部4は、高彩度部分であることを示す情報に加えて、最大値平均値と最小値平均値の差分値と有彩色成分判定閾値との差を示す程度情報を、彩度判定データに含めてもよい。また、彩度判定部4は、低輝度部分であることを示す情報に加えて、最大値平均値と低輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を、輝度推定データに含めてもよい。また、彩度判定部4は、高輝度部分であることを示す情報に加えて、最小値平均値と高輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を、輝度推定データに含めてもよい。
【0046】
また、低輝度成分判定閾値と高輝度成分判定閾値とを同じ値に設定して、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。
【0047】
また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。また、分割部分成分判定部19は、ステップST4において、最大値平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定し、ステップST6において、最小値平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定してもよい。この場合、分割部分成分判定部19は、ステップST1からステップST4に移行し、ステップST4の判定結果がYESの場合にはステップST5に進み、NOの場合にはステップST6に進む。そして、ステップST6の判定結果がYESの場合にはステップST7に進み、NOの場合にはステップST2に進む。そして、ステップST2の判定結果がYESの場合にはステップST3に進み、NOの場合にはステップST8に進む。
【0048】
図7は、発光制御データ生成部5の処理を説明するための、彩度判定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。図8は、発光制御データ生成部5の処理を説明するための、輝度推定データと発光制御データとの関係の一例を示す図である。以下、図7および図8を参照して、発光制御データ生成部5の処理の一例を説明する。
【0049】
発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの彩度判定データが高彩度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも明るく光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも大きい発光制御データbを出力する。ここで、彩度判定データが最大値平均値と最小値平均値の差分値と有彩色成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとbの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図7に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が高くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからbへなだらかに変化させてもよい。
【0050】
一方、注目している分割部分について、彩度判定部4からの彩度判定データが高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す場合には、発光制御データ生成部5は、以下のように輝度推定データに基づいて発光制御データを決定する。
【0051】
発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが低輝度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を暗く光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも暗く光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも小さい発光制御データcを出力する。ここで、輝度推定データが最大値平均値と低輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとcの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図8に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が低くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからcへなだらかに変化させてもよい。
【0052】
また、発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが高輝度部分であることを示す場合には、標準的な輝度よりも発光部7を明るく光らせる発光制御データを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度よりも明るく光らせる。具体的には、発光制御データ生成部5は、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaよりも大きい発光制御データdを出力する。ここで、輝度推定データが最小値平均値と高輝度成分判定閾値との差を示す程度情報を含む場合には、発光制御データ生成部5は、当該程度情報に基づいて発光制御データをaとdの間の値に決定してもよい。例えば、発光制御データ生成部5は、図8に示されるように、程度情報が大きくなるほど輝度が高くなるように、発光制御データを程度情報に応じてaからdへなだらかに変化させてもよい。
【0053】
また、発光制御データ生成部5は、注目している分割部分について、彩度判定部4からの輝度推定データが低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す場合には、発光部7を標準的な輝度で光らせる発光制御データaを出力し、注目している分割部分に対応する発光部7を標準的な輝度で光らせる。
【0054】
発光制御データ生成部5は、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎に発光制御データを出力する。また、例えば、発光制御データ生成部5は、分割部分毎の発光制御データを、1画面(1フレーム)単位など、所定の周期で生成して出力する。
【0055】
なお、図8の発光制御データdは、図7の発光制御データbと異なる値に設定されてもよいし、同じ値に設定されてもよい。また、図8の発光制御データc、dのうちどちらか一方は、発光制御データaと同じ値に設定されてもよい。
【0056】
図9、図10、図11、および図12は、それぞれ、本実施の形態に係る表示装置100の作用を説明するための、表示装置100の色再現範囲を示す図である。以下、図9〜図12を参照して、表示装置100の作用を説明する。
【0057】
図9は、発光制御データaに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準的な輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。図9について説明すると、光変調部3のR,G,Bの3色のサブ画素の輝度レベルが0である場合、明度(または明るさ)も彩度も0となり、黒色が得られる。この状態から3色のうち単色のサブ画素の輝度レベルを上げていくと、彩度および明度が上がっていき、当該サブ画素を一杯に光らせると純色(彩度が最も高い色)が得られる。この状態から残り2色のサブ画素の輝度レベルを同時に上げていくと、明度が上がっていく一方、彩度が下がっていき、当該2色のサブ画素を一杯に光らせると白色が得られる。この状態から3色のサブ画素の輝度を同時に下げていくと、彩度0のまま明度が下がっていき、中間輝度レベルの白色が得られ、3色のサブ画素の輝度レベルが0になると、黒色が得られる。常に発光制御データaで発光部7を駆動する場合には、色再現範囲は、図9のラインで囲まれている範囲で一定となる。
【0058】
図10は、発光制御データbに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より明るい輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図7に示されるように、彩度が高い(または有彩色成分の量が多い)分割部分、すなわち高彩度部分である分割部分では、発光制御データが標準の値aより大きい値bとなり、照明光の輝度が上昇する。これにより、図10の実線で示されるように、図10の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、彩度の高い高彩度部分(有彩色領域)がより明るく表示され、表示画像の視覚上の色再現範囲を広げることができる。つまり、R,G,B,C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)といった純色が多く含まれるような画像、すなわち画像の彩度が高い(または有彩色成分の量が多い)画像をより明るく表示することで、より色鮮やかに知覚される画像を表示できるようになる。
【0059】
表示画像の明度が高くなるとより色鮮やかに知覚されることは経験的に知られている。また、同じ色度の色であっても、その明るさが変化することにより知覚される彩度が変化する現象はHunt効果として知られている。これに対し、白黒の画像といった彩度が低い(有彩色成分の量が少ない)画像においては、知覚される平均輝度レベルは変化しない。したがって、画像の彩度に応じて光源の輝度を上げることにより、白黒の画像から純色の画像にかけての輝度差がより大きく表現されるので、色鮮やかな表示画像を得ることができる。
【0060】
図11は、発光制御データcに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より暗い輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図8に示されるように、低彩度で低輝度な分割部分では、発光制御データが標準の値aより小さい値cとなり、照明光の輝度が減少する。これにより、図11の実線で示されるように、図11の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、黒に近い低彩度で低輝度な部分がより暗く表示され、黒が浮くことを抑制し、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0061】
図12は、発光制御データdに基づいて発光部7を発光させた場合、すなわち発光部7が標準より明るい輝度で発光した場合における表示装置100の色再現範囲を示す。本実施の形態に係る表示装置100においては、図8に示されるように、低彩度で高輝度な分割部分では、発光制御データが標準の値aより大きい値dとなり、照明光の輝度が上昇する。これにより、図12の実線で示されるように、図12の破線で示される標準的な輝度の場合と比べて、白に近い低彩度で高輝度な部分がより明るく表示され、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0062】
以上説明した本実施の形態1によれば、下記(1)〜(4)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、光変調部の分割部分毎に、画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、当該部分の輝度を推定し、彩度の判定結果と輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する。このため、本実施の形態によれば、分割部分毎に、画像の彩度および輝度に応じて照明光の輝度を調整することができ、彩度(または有彩色成分の量)だけに基づいて画面全体の明るさを調整する場合よりも、色鮮やかで高コントラストな表示画像を得ることができる。また、色成分を検出するだけでも、上記のような処理を実施することで、注目している分割部分を色鮮やかにするとともに、画像の輝度を推定して照明光の輝度を制御することで高コントラスト化することが可能になる。
【0063】
(2)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の彩度が大きいほど明るくなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも大きい高彩度部分であるか否かを判定し、高彩度部分であると判定された場合には、彩度が上記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を高くする。本態様によれば、画像の彩度が高い部分をより明るく表示することができ、より色鮮やかに知覚される画像を表示することができる。
【0064】
特許文献1に記載された表示装置では、高彩度部分が存在していても、低彩度部分が広く存在する場合、光源が高い輝度で制御されず、高彩度部分が色鮮やかに表示されないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、高彩度部分に対応する照明光の輝度を選択的に高く制御することができ、高彩度部分を色鮮やかに表示することができる。
【0065】
(3)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が低いほど暗くなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定し、低彩度低輝度部分であると判定された場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を低くする。本態様によれば、黒に近い低彩度低輝度部分をより暗く表示することができ、黒が浮くことを抑制し、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0066】
特許文献1に記載された表示装置では、低彩度低輝度部分が存在していても、高彩度部分が広く存在する場合、高彩度部分に応じた高い輝度で光源が制御され、低彩度低輝度部分の黒が浮いてしまい、高コントラストな表示画像が得られないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、低彩度低輝度部分に対応する照明光の輝度を選択的に低く制御することができ、黒が浮くことを抑制し、高コントラストな表示画像を得ることができる。
【0067】
(4)一つの態様では、分割部分に対応する照明光の輝度を、当該分割部分に対応する画像の輝度が高いほど明るくなるように制御する。具体的には、分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定し、低彩度高輝度部分であると判定された場合には、彩度が所定レベルよりも小さく、かつ輝度が所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を高くする。本態様によれば、白に近い低彩度高輝度部分をより明るく表示することができ、表示画像のコントラストを向上させることができる。
【0068】
特許文献1に記載された表示装置では、低彩度高輝度部分が存在する場合、光源が高い輝度で制御されず、高コントラストな表示画像が得られないことがある。これに対し、本実施の形態に係る表示装置では、低彩度高輝度部分に対応する照明光の輝度を選択的に高く制御することができ、高コントラストな表示画像を得ることができる。
【0069】
なお、上記の説明では、彩度判定部4が、最大値平均値と、最小値平均値と、両平均値の差分値とに基づいて彩度判定データおよび輝度推定データを生成する構成を例示したが、彩度判定データおよび輝度推定データは、以下のように、他の構成により生成されてもよい。
【0070】
図13は、彩度判定部4の他の構成例を示すブロック図である。以下、図13を参照して、彩度判定部4の他の構成例を説明する。図13に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値度数分布情報算出部20、最小値度数分布情報算出部21、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0071】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値度数分布情報算出部20に出力する。最大値度数分布情報算出部20は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの度数分布を最大値度数分布情報として算出する。最大値度数分布情報は、最大値データの値(色データ値)毎の出現度数を示す情報である。算出された最大値度数分布情報は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0072】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値度数分布情報算出部21に出力する。最小値度数分布情報算出部21は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの度数分布を最小値度数分布情報として算出する。最小値度数分布情報は、最小値データの値(色データ値)毎の出現度数を示す情報である。算出された最小値度数分布情報は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0073】
分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報算出部20からの最大値度数分布情報と、最小値度数分布情報算出部21からの最小値度数分布情報と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0074】
図14は、彩度判定部4の他の処理例を示すフローチャートである。以下、図14を参照して、図13に示される彩度判定部4の処理例を説明する。図14は、特に、図13のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0075】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報および最小値度数分布情報の入力を受ける(ST11)。
【0076】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報および最小値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の有彩色成分の量(または彩度)を表す値を求め、当該値を有彩色成分判定閾値と比較することにより、注目している分割部分に対応する画像部分が高彩度部分であるかどうかを判定する(ST12)。例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報における所定値以上の色データ値の度数の合計値(すなわち所定値以上の色データ値のデータ数)と、最小値度数分布情報における所定値以下の色データ値の度数の合計値(すなわち所定値以下のデータ値のデータ数)との差の絶対値を求め、当該差の絶対値が有彩色成分判定閾値以下であるときに、高彩度部分であると判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和と、最小値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和との差を求め、当該差が有彩色成分判定閾値以上であるときに、高彩度部分であると判定する。この場合、最大値度数分布情報または最小値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)と、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値との差を求め、当該差が有彩色成分判定閾値以上であるときに、高彩度部分であると判定する。
【0077】
高彩度部分であると判定された場合(ST12:YES)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST13)。
【0078】
一方、高彩度部分でないと判定された場合(ST12:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の輝度を表す値を求め、当該値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST14)。例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報において度数が1以上である色データ値のうちの最小値を求め、当該最小値が低輝度成分判定閾値として設定されている色データ値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和を求め、当該総和が低輝度成分判定閾値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。この場合、低輝度成分判定閾値は、例えばある低輝度データ値とデータ数との積によって設定される。また、最大値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最大値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)を求め、当該代表値が低輝度成分判定閾値よりも小さいときに、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さいと判定する。
【0079】
判定の結果、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST14:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST15)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0080】
一方、輝度を表す値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST14:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最小値度数分布情報から、当該分割部分に対応する画像部分の輝度を表す値を求め、当該値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST16)。例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報において度数が1以上である色データ値のうちの最大値を求め、当該最大値が高輝度成分判定閾値として設定されている色データ値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。また例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報の各色データ値とその度数(データ数)との積の総和を求め、当該総和が高輝度成分判定閾値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。この場合、高輝度成分判定閾値は、例えばある高輝度データ値とデータ数との積によって設定される。また、最小値度数分布情報が色データ値「0」を含むときには、分割部分成分判定部19は、度数分布情報のすべての色データ値に「1」を加算するなどして、色データ値「0」が存在しない度数分布情報に変換してから判定を行ってもよい。また例えば、分割部分成分判定部19は、最小値度数分布情報により示される度数分布の代表値(平均値、最頻値、中央値など)を求め、当該代表値が高輝度成分判定閾値よりも大きいときに、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きいと判定する。
【0081】
判定の結果、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST16:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST17)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0082】
一方、輝度を表す値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST16:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST18)。具体的には、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0083】
彩度判定部4は、図6の場合と同様に、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを所定の周期で生成して出力する。また、彩度判定部4は、図6の場合と同様に、有彩色部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。また、図6の場合と同様に、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。
【0084】
図15は、彩度判定部4の他の構成例を示すブロック図である。以下、図15を参照して、彩度判定部4の他の構成例を説明する。図15に示される彩度判定部4は、最大値検出部11、最小値検出部12、最大値平均値算出部13、最小値平均値算出部14、減算部15、中間平均値算出部22、有彩色成分判定閾値記憶部16、低輝度成分判定閾値記憶部17、高輝度成分判定閾値記憶部18、および分割部分成分判定部19を備えている。
【0085】
最大値検出部11は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最大となるものの値を最大値データとして最大値平均値算出部13に出力する。最大値平均値算出部13は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最大値データの平均値を最大値平均値として算出する。算出された最大値平均値は、減算部15および中間平均値算出部22に供給される。
【0086】
最小値検出部12は、受信部2から画像データを受け、当該画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素毎に、当該画素を構成するサブ画素のR,G,Bの色データのうち、最小となるものの値を最小値データとして最小値平均値算出部14に出力する。最小値平均値算出部14は、画像データの注目中の分割部分に対応する部分内の画素の最小値データの平均値を最小値平均値として算出する。算出された最小値平均値は、減算部15および中間平均値算出部22に供給される。
【0087】
減算部15は、最大値平均値算出部13の出力から最小値平均値算出部14の出力を減じることにより、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との差分値を算出し、分割部分成分判定部19に出力する。
【0088】
中間平均値算出部22は、注目中の分割部分の最大値平均値と最小値平均値との平均値を中間平均値として算出する。算出された中間平均値は、分割部分成分判定部19に供給される。
【0089】
分割部分成分判定部19は、減算部15からの差分値と、中間平均値算出部22からの中間平均値と、有彩色成分判定閾値記憶部16に記憶された有彩色成分判定閾値と、低輝度成分判定閾値記憶部17に記憶された低輝度成分判定閾値と、高輝度成分判定閾値記憶部18に記憶された高輝度成分判定閾値とに基づいて、注目中の分割部分の彩度判定データおよび輝度推定データを生成して出力する。
【0090】
図16は、彩度判定部4の他の処理例を示すフローチャートである。以下、図16を参照して、彩度判定部4の他の処理例を説明する。図16は、特に、図15のように構成されている彩度判定部4の分割部分成分判定部19の処理手順例を示したものである。
【0091】
まず、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値と、最大値平均値と最小値平均値の平均値である中間平均値との入力を受ける(ST21)。
【0092】
ついで、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の最大値平均値と最小値平均値の差分値が有彩色成分判定閾値以上であるかどうかを判定する(ST22)。
【0093】
差分値が有彩色成分判定閾値以上である場合(ST22:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を高彩度部分として判定し、高彩度部分であることを示す彩度判定データを出力し、低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す輝度推定データを出力する(ST23)。
【0094】
一方、差分値が有彩色成分判定閾値よりも小さい場合(ST22:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さいかどうかを判定する(ST24)。
【0095】
判定の結果、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST24:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度低輝度部分として判定し、低彩度低輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST25)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、低輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0096】
一方、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST24:NO)、分割部分成分判定部19は、注目している分割部分の中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きいかどうかを判定する(ST26)。
【0097】
判定の結果、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きい場合(ST26:YES)、分割部分成分判定部19は、その注目している分割部分に対応する画像部分を低彩度高輝度部分として判定し、低彩度高輝度部分であることを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST27)。具体的には、分割部分成分判定部19は、低彩度部分であることを示す彩度判定データと、高輝度部分であることを示す輝度推定データとを出力する。
【0098】
一方、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも小さい場合(ST26:NO)、分割部分成分判定部19は、高彩度部分でも低彩度低輝度部分でも低彩度高輝度部分でもないことを示す彩度判定データおよび輝度推定データを出力する(ST28)。具体的には、高彩度部分でないこと(または低彩度部分であること)を示す彩度判定データと、低輝度部分でも高輝度部分でもないこと(または中輝度部分であること)を示す輝度推定データとを出力する。
【0099】
彩度判定部4は、図6の場合と同様に、複数の分割領域の各々について上記の処理を行い、分割部分毎の彩度判定データおよび輝度推定データを所定の周期で生成して出力する。また、彩度判定部4は、図6の場合と同様に、有彩色部分等であるか否かの情報に加えて、どのくらい閾値を超えたか、またはどのくらい閾値に届いていないかを示す程度情報を、彩度判定データや輝度推定データに含めてもよい。また、図6の場合と同様に、低彩度部分と判定された部分は、常に低彩度低輝度部分か低彩度高輝度部分かのどちらかに含まれる設定にすることも可能である。また、上記の処理の順序は適宜変更されてもよい。例えば、有彩色成分判定閾値に基づく判定、低輝度成分判定閾値に基づく判定、および高輝度成分判定閾値に基づく判定の順序は、適宜変更されてもよい。また、分割部分成分判定部19は、ステップST24において、中間平均値が低輝度成分判定閾値よりも小さく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定し、ステップST26において、中間平均値が高輝度成分判定閾値よりも大きく、かつ最大値平均値と最小値平均値との差分値が有彩色成分判定閾値より小さいかどうかを判定してもよい。この場合、分割部分成分判定部19は、ステップST21からステップST24に移行し、ステップST24の判定結果がYESの場合にはステップST25に進み、NOの場合にはステップST26に進む。そして、ステップST26の判定結果がYESの場合にはステップST27に進み、NOの場合にはステップST22に進む。そして、ステップST22の判定結果がYESの場合にはステップST23に進み、NOの場合にはステップST28に進む。
【0100】
実施の形態2.
図17は、実施の形態2に係る発光装置10を含む表示装置200の構成を示すブロック図である。この表示装置200は、実施の形態1の表示装置100に対し、制御装置8の構成が異なっており、その他の部分については略同様である。以下の説明では、実施の形態1と同様の部分については説明を省略または簡略化し、実施の形態1と同一または対応する要素については同一の符号を付す。
【0101】
本実施の形態では、制御装置8は、光変調部3の複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、各分割部分に対応する照明光の輝度(具体的には複数の発光部7の輝度)を制御する。
【0102】
具体的には、図17に示されるように、制御装置8は、彩度判定部4、発光制御データ生成部5、および発光駆動制御部6に加えて、隣接制限基準値記憶部31および発光制御データ調整部32を有する。
【0103】
隣接制限基準値記憶部31は、予め設定された隣接制限基準値を記憶している。隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように発光制御データを調整するための基準値である。具体的には、隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が視認されない、照明光の輝度の差(または発光制御データの差)の限界の値である。例えば、隣接制限基準値は、光変調部3が一様な画像を表示している状態において、互いに隣接する分割部分間で発光部7が互いに異なる輝度で発光しているときに、光変調部3にて分割部分間の輝度差が認知されない、照明光の輝度の差(または発光制御データの差)の上限値である。隣接制限基準値は、例えば、発光部7の特性と、光変調部3の特性とによって決まる。分割部分同士が隣接する複数の隣接部が存在する場合、各隣接部に対応する隣接部毎の隣接制限基準値が設定されてもよいし、複数の隣接部に対応する共通の一つの隣接制限基準値が設定されてもよい。
【0104】
発光制御データ調整部32は、発光制御データ生成部5から出力された分割部分毎の発光制御データを、隣接制限基準値記憶部31に記憶されている隣接制限基準値に基づいて調整し、調整後の発光制御データを発光制御調整データとして出力する。具体的には、発光制御データ調整部32は、互いに隣接する分割部分間での発光制御データの差が、隣接制限基準値に応じた基準値以下となるように、分割部分毎の発光制御データの調整を行う。ここで、隣接制限基準値は、発光制御データと同じ単位のデータであってもよく、発光制御データ調整部32は、発光制御データの差が隣接制限基準値以下となるように発光制御データの調整を行ってもよい。あるいは、隣接制限基準値は、発光部7の輝度差値であってもよい。この場合、隣接制限基準値は、例えば、隣接制限基準値記憶部31または発光制御データ調整部32において発光制御データに応じた単位のデータに変換され、当該データが上記基準値として用いられる。
【0105】
発光駆動制御部6は、発光制御データ調整部32からの分割部分毎の発光制御調整データに基づき、各発光部7を発光させるための発光駆動信号を生成し、各発光部7に供給する。具体的には、発光駆動制御部6は、分割部分毎に、当該分割部分の発光制御調整データに応じて、当該分割部分に対応する発光部7を光らせるための発光駆動信号を生成し、当該分割部分に対応する発光部7に出力する。これにより、各分割部分に対応する発光部7が、各分割部分の発光制御調整データに応じた輝度で発光する。
【0106】
図18は、実施の形態2に係る発光装置10の発光制御データ調整部32の処理例を示すフローチャートである。以下、図18を参照して、発光制御データ調整部32の処理例を説明する。
【0107】
まず、発光制御データ調整部32は、光変調部3の複数の分割部分の各々の発光制御データの入力を受ける(ST31)。
【0108】
ついで、発光制御データ調整部32は、分割部分同士が隣接する隣接部のそれぞれについて、当該隣接部で隣接する分割部分間での発光制御データの差分を隣接値として取得する(ST32)。
【0109】
ついで、発光制御データ調整部32は、取得された各隣接値が隣接制限基準値以下であるか否かを判定する(ST33)。そして、各隣接値が隣接制限基準値以下である場合には(ST33:YES)、発光制御データ調整部32は、ステップST31で入力された分割部分毎の発光制御データを、そのまま発光制御調整データとして発光駆動制御部6に出力する(ST36)。
【0110】
一方、少なくとも一つの隣接値が隣接制限基準値を超える場合には(ST33:NO)、発光制御データ調整部32は、隣接値が隣接制限基準値を超える隣接部について、当該隣接部で隣接する分割部分の発光制御データを、隣接値が隣接制限基準値以下となるように調整する(ST34)。
【0111】
上記調整の後、発光制御データ調整部32は、各隣接値が隣接制限基準値以下であるか否かを判定する(ST35)。そして、発光制御データ調整部32は、少なくとも一つの隣接値が隣接制限基準値を超える場合には(ST35:NO)、発光制御データの調整を再度行い(ST34)、各隣接値が隣接制限基準値以下である場合には(ST35:YES)、調整後の発光制御データを発光制御調整データとして発光駆動制御部6に出力する(ST36)。すなわち、発光制御データ調整部32は、各隣接値が隣接制限基準値以下となるまで、発光制御データの調整を繰り返す。この場合、ある分割部分について複数の隣接部で隣接制限基準値を超えているときには、例えば、発光制御データ調整部32は、最も大きく隣接制限基準値を超えている隣接部を優先して発光制御データの調整を行う。
【0112】
なお、上記の処理は一例であり、適宜変更されてもよい。例えば、隣接制限基準値は、互いに隣接する分割部分の画像成分に応じて変化する値であってもよい。例えば、人の目は画面が暗くなるほど感度が上がるため、暗い分割部分同士の隣接部に対応する隣接制限基準値は小さく、明るい分割部分同士の隣接部に対応する隣接制限基準値は大きく設定するなど、条件に応じた隣接制限基準値が複数存在してもよい。
【0113】
以上説明した本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果の他に、下記(5)の効果が得られ得る。
(5)本実施の形態では、複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、各分割部分に対応する照明光の輝度(具体的には複数の発光部の輝度)を制御する。このため、本実施の形態によれば、互いに隣接する分割部分間での照明光の輝度の差を所定レベル以下に抑制することができ、分割部分間の輝度差を視認されにくくすることができる。
【0114】
以上説明した実施の形態1、2において、制御装置8の機能は、電子回路などのハードウェア資源のみにより実現されてもよいし、ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現されてもよい。ハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される場合、制御装置8の機能は、例えば制御プログラムがコンピュータにより実行されることによって実現される。より具体的には、制御装置8の機能は、ROM(Read Only Memory)等の記録媒体に記録された制御プログラムが主記憶装置に読み出されて中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により実行されることによって実現される。制御プログラムは、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の通信回線を介して提供されてもよい。
【0115】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 入力端子、 2 受信部、 3 光変調部、 4 輝度推定機能付き彩度判定部、 5 発光制御データ生成部、 6 発光駆動制御部、 7 発光部、 8 制御装置、 10 発光装置、 11 最大値検出部、 12 最小値検出部、 13 最大値平均値算出部、 14 最小値平均値算出部、 15 減算部、 16 有彩色成分判定閾値記憶部、 17 低輝度成分判定閾値記憶部、 18 高輝度成分判定閾値記憶部、 19 分割部分成分判定部、 20 最大値度数分布情報算出部、 21 最小値度数分布情報算出部、 22 中間平均値算出部、 31 隣接制限基準値記憶部、 32 発光制御データ調整部、 100,200 表示装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段と、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記輝度推定機能付き彩度判定手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定する機能を備え、
前記制御手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度低輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が低くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記輝度推定機能付き彩度判定手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定する機能を備え、
前記制御手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度高輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が高くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、前記複数の発光手段の輝度を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御するための発光制御データを生成する発光制御データ生成手段と、
前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記発光制御データの差が所定基準値以下となるように、前記分割部分毎の発光制御データの調整を行う発光制御データ調整手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置からの照明光を変調して画像を表示する前記光変調手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を備える表示装置に用いられる制御装置であって、
前記光変調手段を分割した複数の分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御方法であって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
前記判定工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定し、
前記制御工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度低輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が低くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記判定工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定し、
前記制御工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度高輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が高くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記制御工程では、前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、前記複数の発光手段の輝度を制御することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記制御工程は、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御するための発光制御データを生成する発光制御データ生成工程と、
前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記発光制御データの差が所定基準値以下となるように、前記分割部分毎の発光制御データの調整を行う発光制御データ調整工程と、
を有することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項13】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御プログラムであって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の検出結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項1】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段と、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記輝度推定機能付き彩度判定手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定する機能を備え、
前記制御手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度低輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が低くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記輝度推定機能付き彩度判定手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定する機能を備え、
前記制御手段は、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度高輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が高くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、前記複数の発光手段の輝度を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御するための発光制御データを生成する発光制御データ生成手段と、
前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記発光制御データの差が所定基準値以下となるように、前記分割部分毎の発光制御データの調整を行う発光制御データ調整手段と、
を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置からの照明光を変調して画像を表示する前記光変調手段と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段を備える表示装置に用いられる制御装置であって、
前記光変調手段を分割した複数の分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する輝度推定機能付き彩度判定手段と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する照明光の輝度を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御方法であって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
前記判定工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも小さい低彩度低輝度部分であるか否かを判定し、
前記制御工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度低輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも大きい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が低くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記判定工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が、前記彩度が所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が所定レベルよりも大きい低彩度高輝度部分であるか否かを判定し、
前記制御工程では、前記分割部分毎に、当該分割部分に対応する画像部分が前記低彩度高輝度部分であると判定された場合には、前記彩度が前記所定レベルよりも小さく、かつ前記輝度が前記所定レベルよりも小さい場合と比べて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度が高くなるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記制御工程では、前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記照明光の輝度の差が所定レベル以下となるように、前記複数の発光手段の輝度を制御することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記制御工程は、
前記分割部分毎に、前記彩度の判定結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御するための発光制御データを生成する発光制御データ生成工程と、
前記複数の分割部分のうち互いに隣接する分割部分間での前記発光制御データの差が所定基準値以下となるように、前記分割部分毎の発光制御データの調整を行う発光制御データ調整工程と、
を有することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項13】
画像データに基づいて照明光を変調して画像を表示する光変調手段と、前記光変調手段を分割した複数の分割部分の各々に対して少なくとも一つずつ配置され、前記光変調手段に照射される前記照明光を発する複数の発光手段とを備える表示装置に用いられる制御プログラムであって、
前記分割部分毎に、前記画像データにより表される画像のうち当該分割部分に対応する部分の彩度を判定するとともに、前記部分の輝度を推定する判定工程と、
前記分割部分毎に、前記彩度の検出結果と、前記輝度の推定結果とに基づいて、当該分割部分に対応する発光手段の輝度を制御する制御工程と、
をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−33088(P2013−33088A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168239(P2011−168239)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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