発光装置
【課題】気密性・止水性の向上を図って、EL素子等の発光素子の劣化を抑えられるようにする。
【解決手段】発光装置60は、発光パネル30と、発光パネル30の一面側に設けられ、複数の発光素子8が配列されてなる発光領域31と、発光パネル30の一面側に一面側が対向して設けられた対向基板40と、対向基板40の一面側に、発光領域31を囲むように設けられる第一の凹部42と、対向基板40の一面側に、凹部42を囲んで枠状に設けられ、発光パネル30の一面側に接合される凸部41と、対向基板40の一面側の、対向基板40の周縁と凸部41との間に設けられた第二の凹部43と、第二の凹部43内に充填され、発光パネル30の一面側と対向基板40の一面側との間に挟持されて、発光パネル30と対向基板40とに固着されたシール材53と、を備える。
【解決手段】発光装置60は、発光パネル30と、発光パネル30の一面側に設けられ、複数の発光素子8が配列されてなる発光領域31と、発光パネル30の一面側に一面側が対向して設けられた対向基板40と、対向基板40の一面側に、発光領域31を囲むように設けられる第一の凹部42と、対向基板40の一面側に、凹部42を囲んで枠状に設けられ、発光パネル30の一面側に接合される凸部41と、対向基板40の一面側の、対向基板40の周縁と凸部41との間に設けられた第二の凹部43と、第二の凹部43内に充填され、発光パネル30の一面側と対向基板40の一面側との間に挟持されて、発光パネル30と対向基板40とに固着されたシール材53と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの電子機器の表示デバイスとして、自発光素子である複数のEL(Electro Luminescence)素子をマトリクス状に配列したELパネルを適用したものが知られている。
EL素子は水分と接触すると、EL素子にダークスポットやダークエリアが発生し、EL素子の発光特性が劣化してしまう。そこで、EL素子をガラス板及び封止枠によって封止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載されているように、有機EL層(3)が基板(1)の表面側にマトリクス状に配列され、ガラス板(9)が基板(1)の表面側に対向し、枠状の封止枠(10)が基板(1)とガラス板(9)との間に挟持され、封止枠(10)が封着材(8)によって基板(1)及びガラス板(9)に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−335365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術の場合でも、水分等が封止枠(10)や封着材(8)を透過し、内側のEL素子が劣化してしまう。
このような問題点に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、気密性・止水性の向上を図って、EL素子等の発光素子の劣化を抑えられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、第一基板と、前記第一基板の一面側に設けられ、複数の発光素子が配列されてなる発光領域と、前記第一基板の前記一面側に一面側が対向して設けられた第二基板と、前記第二基板の前記一面側に、少なくとも前記第一基板の前記発光領域を囲むように設けられる第一の凹部と、前記第二基板の前記一面側に、前記第一の凹部を囲んで枠状に設けられ、前記第一基板の一面側に接合される凸部と、前記第二基板の前記一面側の、該第二基板の周縁と前記凸部との間に設けられた第二の凹部と、前記第二の凹部内に充填され、前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間に挟持されて、前記第一基板と前記第二基板とに固着されたシール材と、を備える。
【0006】
好ましくは、前記発光装置は、前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域に充填されて、前記発光領域を覆うフィル材を備える。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記フィル材を介して接着されている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されている。
好ましくは、前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域が空洞となっている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記シール材を介して接着されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、気密性・止水性が向上し、発光素子の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図2】発光装置を製造する際の一工程を示す説明図である。
【図3】図2に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図4】図3に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図5】図4に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図11】発光パネルの画素の配置構成を示す平面図である。
【図12】発光パネルの概略構成を示す平面図である。
【図13】発光パネルの1つの画素の周辺回路の一例を示した回路図である。
【図14】発光パネルの1つの画素及びその周辺を示した平面図である。
【図15】図14に示されたXV−XV線に沿った面の矢視断面図である。
【図16】図14に示されたXVI−XVI線に沿った面の矢視断面図である。
【図17】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用した携帯電話機の一例を示す正面図である。
【図18】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用したデジタルカメラの一例を示す正面側斜視図(a)と、後面側斜視図(b)である。
【図19】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用したパーソナルコンピュータの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置60を示した断面図である。
この発光装置60は、パッケージ付発光パネルである。この発光装置60は、ドットマトリクスディスプレイに用いられるディスプレイパネルであったり、ページプリンタに用いられる露光装置であったりする。なお、発光装置60の用途は、ディスプレイパネルや露光装置に限るものではない。
【0011】
この発光装置60は、発光パネル30と対向基板40を対向させて、これらを貼り合わせたものである。発光パネル30が第一基板であり、対向基板40が第二基板である。
発光パネル30の表面側(一面側)には、各種の素子を保護するパッシベーション膜が成膜されている。また、発光パネル30の表面側の中央部には、発光領域31が設けられている。この発光領域31は、複数の発光ドット(後述する画素P)を発光パネル30の表面側に沿ってマトリクス状に配列したものであり、詳しくは後述する。つまり、発光領域31は、表示領域でもある。これら発光ドットは別個に発光し、発光強度若しくは発光時間又はそれらの両方が発光ドットごとに制御される。発光ドットには、有機EL(electro luminescence:エレクトロルミネッセンス)素子、無機EL素子、発光ダイオードその他の半導体発光素子が用いられる。発光ドットが有機EL素子又は無機EL素子である場合、発光パネル30はELパネルであり、発光装置60がパッケージ付EL装置である。
【0012】
以下の説明において、トップエミッション型とは、発光領域31の各発光ドットから発した光が対向基板40の表面側(他面側)から外部に放射されるように構成されたものをいい、ボトムエミッション型とは、発光領域31の各発光ドットから発した光が発光パネル30の裏面側(他面側)から外部に放射されるように構成されたものをいう。
【0013】
対向基板40の裏面側(一面側)には、凸部41が凸設されている。凸部41は、対向基板40と一体に成形されている。凸部41は、対向基板40の裏面側の縁に沿って枠状に設けられているとともに、対向基板40の裏面側の縁よりも中央部寄りに位置している。対向基板40の裏面側であって凸部41の内側には、凹部(第一の凹部)42が凹設されている。凹部42の深さは10〜50μmであることが好ましい。更に、対向基板40の裏面側であって凸部41の外側と対向基板40の周縁との間に、凹部(第二の凹部)43が凹設されている。ここで、凸部41の内側から凹部43の外側、つまり対向基板40の周縁までの距離を封止幅Lとする。
【0014】
対向基板40の裏面側が発光パネル30の表面側に向いた状態で、対向基板40と発光パネル30が貼り合わせられている。対向基板40と発光パネル30が貼り合わせられた状態では、発光パネル30の発光領域31が凸部41の内側に配置されているとともに、その発光領域31が凹部42に収められている。すなわち、凸部41は発光パネル30の発光領域31を囲むように設けられている。
【0015】
トップエミッションの場合、対向基板40及び凸部41は、透明な材料(例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネート)からなる。ボトムエミッションの場合、対向基板40及び凸部41が透明であってもよいし、不透明であってもよい。対向基板40及び凸部41が無機材料(例えば、ガラス材料)からなるものであれば、発光領域31をより良く保護することができ、耐湿性・保存性が向上する。
【0016】
凸部41が発光パネル30の表面側に突き当てられて、凸部41と発光パネル30が接合されている。具体的には、凸部41の頭頂部と発光パネル30との間に接着剤(封着材)51が挟まれ、凸部41と発光パネル30が接着剤51によって接着されている。接着剤51は、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を接着時に硬化したものである。
【0017】
凸部41の内側の凹部42内には、フィル材52が充填されている。フィル材52が凸部41の内側において対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側との間に挟まれ、フィル材52によって発光パネル30の表面側及び発光領域31が覆われている。フィル材52は紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を硬化したものであり、フィル材52の硬化によってフィル材52が対向基板40及び発光パネル30に固着される。トップエミッションの場合、フィル材52が透明である。ボトムエミッションの場合、フィル材52が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0018】
凸部41の外側に設けられた凹部43内における、対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間には、シール材53が充填されている。シール材53が、凹部43内において対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側との間に挟まれている。シール材53は紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を硬化したものであり、シール材53の硬化によってシール材53が対向基板40及び発光パネル30に固着される。
【0019】
この発光装置60では、対向基板40の裏面側に凸設された凸部41が発光パネル30の表面側に接合されているので、水分が発光装置60の側面から発光領域31へ侵入することを抑制することができる。特に、凸部41と対向基板40が一体成形されているから、凸部41と対向基板40との間に接合界面等が存在しないので、水分の侵入をより効率よく抑えることができる。
【0020】
対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間隔が凸部41によって保たれる。そのため、対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間隔を保つためのギャップ材(例えば、球状のガラスビーズ)をシール材53に含有させなくても済む。ギャップ材が含まれていないシール材53を用いることで、コストの削減が図れるとともに、シール材53の密閉性・止水性が向上する。
【0021】
また、凸部41の外側では、対向基板40と発光パネル30がシール材53によって接着されているから、凹部43を有さず、凹部43に対応する部分にも凸部41が設けられて、凸部41と発光パネル30とがシール材を介して接着されている場合と比べて、対向基板40とシール材53との接着面積が増加するため、対向基板40がシール材53から剥がれにくくなる。これによって、封止幅Lを増加させることなく、発光装置60の密閉性・止水性を向上させることができる。更には、密閉性・止水性が凹部43を有さない場合と同程度でよいとすれば、凹部43を有さない場合と比べて、封止幅Lを狭くすることができる。
【0022】
また、フィル材52が凹部42内に充填されているから、密閉性・止水性が向上する。特に、凹部42の深さによってフィル材52の厚さを確保することができ、発光領域31をより良く保護することができる。フィル材52が凹部42内に充填されているからこそ、フィル材52が厚くなっても、発光装置60の厚みが増さない。フィル材52の充填量が凹部42によって増えるため、発光装置60の製造の際にフィル材52の充填量の制御が容易になる。
【0023】
また、接着剤51によって凸部41と発光パネル30が接着されているから、凸部41と発光パネル30の接合界面における密閉性・止水性が向上する。
【0024】
発光装置60の製造方法について説明する。
図2に示すように、平板状のマザー対向基板40Aを準備する。マザー対向基板40Aのサイズは対向基板40のサイズよりも大きく、一枚のマザー対向基板40Aから複数枚の対向基板40を取れる。
【0025】
図3に示すように、マザー対向基板40Aの裏面側に対して掘り込み加工をする。つまり、複数の矩形状の凹部(第1の凹部)42を格子状に配列させるようにこれら凹部42をマザー対向基板40Aの裏面側に凹設するとともに、これら凹部42を囲うような格子状の溝(第2の凹部)43をマザー対向基板40Aの裏面側に形成する。これにより、マザー対向基板40Aの裏面側のうち掘り込まれていない部分が残留して、複数の矩形枠状の凸部41が形成される。凹部42や溝43の掘り込み加工は、エッチング法又はサンドブラスト法を用いる。エッチング法の場合、マザー対向基板40Aがガラス製であるときには、フッ酸でマザー対向基板40Aをエッチングする。サンドブラスト法の場合、シリカ又はアルミナの粉をマザー対向基板40Aに吹き付けることによって、凹部42や溝43を形成する。
【0026】
次に、図4に示すように、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂をフィル材52として凹部42内に充填するとともに、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂をシール材53とし溝43内に充填する。また、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を接着剤51として凸部41の頭頂部に塗布する。接着剤51、フィル材52及びシール材53は同じ素材でもよいし、異なった素材でもよい。シール材53が紫外線硬化性樹脂であれば、接着剤51とフィル材52も紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、シール材53が熱硬化性樹脂であれば、接着剤51とフィル材52も熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0027】
次に、図5に示すように、マザー発光パネル30Aの表面側をマザー対向基板40Aの裏面側に向けて、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aを貼り合わせる。ここで、マザー発光パネル30Aの表面側には複数の発光領域31が形成され、これら発光領域31が格子状に配列されており、一枚のマザー発光パネル30Aから複数枚の発光パネル30を取れる。マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aとの貼り合わせに際しては、発光領域31を凹部42に対向させ、発光領域31を凹部42の内側に位置させ、発光領域31をフィル材52によって覆う。マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせは、真空圧となった真空チャンバー内で行うことが好ましい。真空状態でマザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせを行うと、接着剤51、フィル材52及びシール材53を脱泡することができるためである。
【0028】
その後、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aを平行に保った状態で、マザー発光パネル30Aの裏面側及びマザー対向基板40Aの表面側からマザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aに対して均等に圧力をかける。そして、接着剤51、フィル材52及びシール材53に紫外線を照射することによって、又は接着剤51、フィル材52及びシール材53を加熱することによって、接着剤51、フィル材52及びシール材53を硬化させる。接着剤51、フィル材52及びシール材53の硬化は、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aに対して押圧力をかけた状態で行うことが好ましい。
【0029】
次に、溝43の中心線に沿ってマザー発光パネル30A、マザー対向基板40A及びシール材53を切断する。これにより、複数の発光装置60が完成する。マザー発光パネル30Aの分断によって得られたものが発光パネル30であり、マザー対向基板40Aの分断によって得られたものが対向基板40である。
【0030】
上述の製造方法では、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせ後に、マザー発光パネル30A及びマザー対向基板40Aを切断したが、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの切断後に、発光パネル30と対向基板40を貼り合わせてもよい。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置160を示した断面図である。図6に示された発光装置160と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0032】
図6に示すように、凹部42内にフィル材が充填されておらず、凹部42内が空洞となっている。凹部42内には、不活性ガスが充填されていることが好ましい。また、乾燥剤が、凹部42内のうち発光領域31を避ける位置に配置されていることが好ましい。
【0033】
以上に説明したことを除いて、図6に示された発光装置160と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0034】
この発光装置160の製造方法は、凹部42内にフィル材を注入せずに、マザー発光パネル30A(又は発光パネル30)とマザー対向基板40A(又は対向基板40)の貼り合わせることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0035】
〔第3の実施の形態〕
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置260を示した断面図である。図7に示された発光装置260と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0036】
図7に示すように、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部が凸部41と発光パネル30との間にはみ出て、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部によって凸部41と発光パネル30が接着されている。以上に説明したことを除いて、図7に示された発光装置260と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0037】
この発光装置260の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、未硬化のフィル材52若しくはシール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布する際に、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部を凸部41の頭頂部にはみ出させることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0038】
〔第4の実施の形態〕
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置360を示した断面図である。図8に示された発光装置360と、図2に示された発光装置160との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0039】
図8に示すように、シール材53の一部が凸部41と発光パネル30との間にはみ出て、シール材53の一部によって凸部41と発光パネル30が接着されている。以上に説明したことを除いて、図8に示された発光装置360と、図6に示された発光装置160との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0040】
この発光装置360の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、シール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布する際に、シール材53の一部を凸部41の頭頂部にはみ出させることを除いて、第2実施形態に係る発光装置160の製造方法と同様である。
【0041】
〔第5の実施の形態〕
図9は、本発明の第5の実施の形態に係る発光装置460を示した断面図である。図9に示された発光装置460と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0042】
図9に示すように、凸部41と発光パネル30が接着剤によって接着されておらず、凸部41が発光パネル30に直接突き当てられている。つまり、発光パネル30と対向基板40がフィル材52及びシール材53によって接着されており、凸部41の頭頂部と発光パネル30の表面側がフィル材52及びシール材53の接着力によって接合している。以上に説明したことを除いて、図9に示された発光装置460と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0043】
この発光装置460の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、フィル材52及びシール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布した後に、マザー対向基板40A(又は対向基板40)とマザー発光パネル30A(又は発光パネル30)を貼りあわせることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0044】
〔第6の実施の形態〕
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る発光装置560を示した断面図である。図10に示された発光装置560と、図9に示された発光装置460との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0045】
図10に示すように、凹部42内にフィル材が充填されておらず、凹部42内が空洞となっており、発光パネル30と対向基板40がシール材53によって接着されている。凹部42内には、不活性ガスが充填されていることが好ましい。また、乾燥剤が、凹部42内のうち発光領域31を避ける位置に配置されていることが好ましい。
【0046】
この発光装置560の製造方法は、凹部42内にフィル材を注入せずに、マザー発光パネル30A(又は発光パネル30)とマザー対向基板40A(又は対向基板40)の貼り合わせることを除いて、第5実施形態に係る発光装置460の製造方法と同様である。
【0047】
〔具体例〕
発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネルである場合、発光パネル30及び発光領域31の具体例について説明する。以下に説明する具体例は、上記第1〜第6の何れの実施の形態にも適用することができる。
【0048】
図11は、発光パネル30における複数の画素(発光ドット)Pの配置構成を示す平面図であり、図12は、発光パネル30の概略構成を示す平面図である。
【0049】
図11、図12に示すように、発光パネル30の表面側には、R(赤),G(緑),B(青)でそれぞれ発光する複数の画素Pが所定のパターンでマトリクス状に配置されている。
【0050】
この発光パネル30の表面側には、隔壁であるバンク13が設けられている。バンク13は例えば格子状に設けられ、バンク13によって囲われてなる略長方形状の複数の開口部13a内に画素Pが設けられている。このバンク13によって画素Pが区画されることによって複数の画素Pが配列された領域が、発光領域31である。画素Pの構成については、後に詳細に後述するが、画素Pは発光素子であるEL素子8(図14参照)である。
【0051】
この発光パネル30の表面側には、複数の走査線2が行方向に沿って互いに略平行となるよう配列され、複数の信号線3が平面視して走査線2と略直交するよう列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。また、隣り合う走査線2の間において電圧供給線4が走査線2に沿って設けられている。バンク13は、走査線2、信号線3及び電圧供給線4の上を覆っている。なお、バンク13が格子状に設けられている必要はなく、バンク13が信号線3の上を覆うように信号線3に沿ってストライプ状に設けられ、列方向一列の画素Pが隣り合うバンク13とバンク13との間で信号線3に沿って配列されていてもよい。また、バンク13が走査線2及び電圧供給線4の上を覆うように走査線2及び電圧供給線4に沿ってストライプ状に設けられ、行方向一列の画素Pが隣り合うバンク13とバンク13との間で走査線2に沿って配列されていてもよい。バンク13がストライプ状の場合、発光領域31の外縁に沿った枠状のバンクが発光パネル30の表面側に設けられ、ストライプ状のバンク13の両端部が枠状バンクに連なっていてもよい。
【0052】
図13は、アクティブマトリクス駆動方式で動作する発光パネル30の1つの画素Pの周辺回路の一例を示した回路図である。
図13に示すように、発光パネル30には、走査線2と、走査線2と交差する信号線3と、走査線2に沿う電圧供給線4とが設けられている。この発光パネル30の画素PがEL素子8であり、1画素Pにつき、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が設けられている。スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、薄膜トランジスタ(TFT)である。
【0053】
各画素Pにおいては、スイッチトランジスタ5のゲートが走査線2に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線3に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方がキャパシタ7の一方の電極及び駆動トランジスタ6のゲートに接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの一方が電圧供給線4に接続され、駆動トランジスタ6のソースとドレインのうち他方がキャパシタ7の他方の電極及びEL素子8のアノードに接続されている。なお、全ての画素PのEL素子8のカソードは、一定電圧Vcomに保たれている(例えば、接地されている)。
【0054】
また、この発光パネル30の周囲において各走査線2が走査ドライバに接続され、各電圧供給線4が一定電圧源又は適宜電圧信号を出力するドライバに接続され、各信号線3がデータドライバに接続され、これらドライバによって発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。電圧供給線4には、電圧源による一定電圧又は電圧ドライバによる電圧信号が供給される。
【0055】
次に、発光パネル30の発光領域31内の1つの画素P及びその周辺の回路構造について、図14〜図16を用いて説明する。ここで、図14は、発光パネル30の1画素P及びその周辺に相当する平面図である。図15は、図14のXV−XV線に沿った面の矢視断面図である。図16は、図14のXVI−XVI線に沿った面の矢視断面図である。なお、図14においては、電極及び配線を主に示す。
【0056】
図14に示すように、スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、信号線3に沿うように配列され、スイッチトランジスタ5の近傍にキャパシタ7が配置され、駆動トランジスタ6の近傍にEL素子8(画素P)が配置されている。また、走査線2と電圧供給線4の間に、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が配置されている。
【0057】
図14〜図16に示すように、ベース板10の上面側に信号線3とゲート電極5a、6aが設けられ、ベース板10の上面側に、信号線3とゲート電極5a、6aとを覆って、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6のゲート絶縁膜となる第一絶縁膜11が成膜されている。その第一絶縁膜11の上に走査線2及び電圧供給線4が形成され、そしてスイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及び信号線3を覆うように第二絶縁膜12が成膜されている。このため、信号線3は第一絶縁膜11とベース板10との間に形成され、走査線2及び電圧供給線4は第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間に形成されている。
【0058】
また、図14、図16に示すように、スイッチトランジスタ5は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。このスイッチトランジスタ5は、ゲート電極5a、半導体膜5b、保護絶縁膜5d、不純物半導体膜5f,5g、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものである。
【0059】
ゲート電極5aは、ベース板10と第一絶縁膜11の間に形成されている。このゲート電極5aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。また、ゲート電極5aの上に絶縁性の第一絶縁膜11が成膜されており、その第一絶縁膜11によってゲート電極5aが被覆されている。
ベース板10は、無機材料(例えば、ガラス)又は有機材料(例えば、アクリル、ポリカーボネート等)からなる。ボトムエミッションの場合、ベース板10が透明である。トップエミッションの場合、ベース板10が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
第一絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。ボトムエミッションの場合、第一絶縁膜11が透明である。トップエミッションの場合、第一絶縁膜11が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
この第一絶縁膜11上であってゲート電極5aに対応する位置に真性な半導体膜5bが形成されており、半導体膜5bが第一絶縁膜11を挟んでゲート電極5aと相対している。
半導体膜5bは、例えば、アモルファスシリコン若しくは結晶性シリコン又はそれらの両方を含んでなり、この半導体膜5bにチャネルが形成される。また、半導体膜5bの略中央部上のチャネル形成領域上には、チャネルをエッチングから保護する絶縁性の保護絶縁膜5dが形成されている。この保護絶縁膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜5bの一端部の上には、不純物半導体膜5fが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されており、半導体膜5bの他端部の上には、不純物半導体膜5gが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜5f,5gはそれぞれ半導体膜5bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜5f,5gはn型半導体であるが、これに限らず、スイッチトランジスタ5がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜5fの上には、ドレイン電極5hが形成されている。不純物半導体膜5gの上には、ソース電極5iが形成されている。ドレイン電極5h,ソース電極5iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護絶縁膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そして、スイッチトランジスタ5は、第二絶縁膜12によって覆われるようになっている。第二絶縁膜12は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0060】
また、図14、図15に示すように、駆動トランジスタ6は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。この駆動トランジスタ6は、ゲート電極6a、半導体膜6b、保護絶縁膜6d、不純物半導体膜6f,6g、ドレイン電極6h、ソース電極6i等を有するものである。
【0061】
ゲート電極6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなり、ゲート電極5aと同様にベース板10と第一絶縁膜11の間に形成されている。そして、ゲート電極6aは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる第一絶縁膜11によって被覆されている。
この第一絶縁膜11の上であって、ゲート電極6aに対応する位置に、チャネルが形成される半導体膜6bが設けられており、この半導体膜6bが第一絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。半導体膜6bは、例えば、アモルファスシリコン若しくは結晶性シリコン又はそれらの両方を含んでなる。
半導体膜6bの略中央部上のチャネル形成領域上には、チャネルをエッチングから保護する保護絶縁膜6dが形成されている。この保護絶縁膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されており、半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gはそれぞれ半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜6f,6gはn型半導体であるが、これに限らず、駆動トランジスタ6がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜6fの上には、ドレイン電極6hが形成されている。不純物半導体膜6gの上には、ソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護絶縁膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、第二絶縁膜12によって覆われるようになっている。
【0062】
キャパシタ7は、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ7の電極7aは、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに接続され、キャパシタ7の電極7bは、駆動トランジスタ6のソース電極6iに接続されている。そして、図14、図16に示すように、ベース板10と第一絶縁膜11との間にキャパシタ7の一方の電極7aが形成され、第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間にキャパシタ7の他方の電極7bが形成され、電極7aと電極7bが誘電体である第一絶縁膜11を挟んで相対している。
【0063】
なお、信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ5のゲート電極5a及び駆動トランジスタ6のゲート電極6aは、ベース板10に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成されたものである。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iは、第一絶縁膜11に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
【0064】
また、第一絶縁膜11には、ゲート電極5aと走査線2とが重なる領域にコンタクトホール11aが形成され、ドレイン電極5hと信号線3とが重なる領域にコンタクトホール11bが形成され、ゲート電極6aとソース電極5iとが重なる領域にコンタクトホール11cが形成されており、コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20aによってスイッチトランジスタ5のゲート電極5aと走査線2が電気的に導通し、コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ5のドレイン電極5hと信号線3が電気的に導通し、コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ5のソース電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともにスイッチトランジスタ5のソース電極5iと駆動トランジスタ6のゲート電極6aが電気的に導通する。なお、コンタクトプラグ20a〜20cを介することなく、走査線2が直接ゲート電極5aと接触し、ドレイン電極5hが信号線3と接触し、ソース電極5iがゲート電極6aと接触してもよい。
また、駆動トランジスタ6のゲート電極6aがキャパシタ7の電極7aに一体に連なっており、駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが電圧供給線4に一体に連なっており、駆動トランジスタ6のソース電極6iがキャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
【0065】
画素電極8aは、第一絶縁膜11を介してベース板10上に設けられており、画素Pごとに独立して形成されている。ボトムエミッションの場合、この画素電極8aは透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)からなる。また、トップエミッションの場合、画素電極8aは、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層を下層として光反射性層とし、上層として上述の透明電極の積層構造とすることが好ましい。なお、画素電極8aの一部が駆動トランジスタ6のソース電極6iに重なり、画素電極8aとソース電極6iとが電気的に接続されている。
そして、図14、図15に示すように、第二絶縁膜12が、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び第一絶縁膜11を覆うように形成されている。つまり第二絶縁膜12には、マトリクス状に配列された複数の開口部12aが形成され、各開口部12a内では、各画素電極8aの中央部が第二絶縁膜12によって覆われていない。そのため、第二絶縁膜12は平面視して格子状に形成されている。
【0066】
バンク13が、第二絶縁膜12の上から、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び第一絶縁膜11を覆うように形成されている。つまりバンク13には、マトリクス状に配列された複数の開口部13aが形成され、各開口部13a内では、各画素電極8aの中央部がバンク13によって覆われていない。そのため、バンク13は平面視して格子状に形成されている。なお、上述のように、バンク13がストライプ状に設けられていてもよい。
【0067】
開口部13a内では、所定のキャリア輸送層と対向電極8dとが積層されている。開口部13aの内側で、画素電極8a、キャリア輸送層及び対向電極8dの積層体がEL素子8であり、そのEL素子8が画素Pとなる。EL素子8は発光素子である。キャリア輸送層とは、電圧が印加されることによって正孔又は電子を輸送する層である。
【0068】
具体的には、EL素子8は、図14、図15に示すように、アノードとなる第一電極としての画素電極8aと、画素電極8aの上に形成された化合物膜である正孔注入層8bと、正孔注入層8bの上に形成された化合物膜である発光層8cと、発光層8cの上に形成された第二電極としての対向電極8dとを備えている。対向電極8dは全画素Pに共通の単一電極であって、全画素Pに連続して形成されている。
【0069】
正孔注入層8bは、例えば、導電性高分子であるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)からなる層であって、画素電極8aから発光層8cに向けて正孔を注入するキャリア注入層である。
発光層8cは、画素P毎にR(赤),G(緑),B(青)のいずれかを発光する材料を含み、例えば、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料からなる層であって、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する。このため、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pは互いに発光層8cの発光材料が異なる。なお、画素PのR(赤),G(緑),B(青)は、例えば縦方向に同色画素が配列されるストライプパターンで配列される。なお、この配列パターンはストライプパターンに限らず、デルタ配列であってもよい。配列パターンがストライプパターンの場合に、バンク13の開口部13aは、各画素Pの配列パターンに沿った格子状又は列方向に沿って複数の画素Pの画素電極8aの中央部をまとめて露出するストライプ状に設けられる。
【0070】
対向電極8dは、画素電極8aよりも仕事関数の低い材料で形成されており、カソードとして適用される場合、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金の下層及びシート抵抗を下げるための上層の積層体で形成されている。トップエミッション構造の場合、対向電極8dの上層は、透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)からなる。ボトムエミッションの場合、対向電極8dの上層部分は、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層が好ましい。
この対向電極8dは全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8cなどの化合物膜とともに後述するバンク13を被覆している。
【0071】
このように、第二絶縁膜12及びバンク13によって発光部位となる発光層8cが画素Pごとに仕切られている。そして、開口部13a内において、キャリア輸送層としての正孔注入層8b及び発光層8cが、画素電極8a上に積層されている。
【0072】
バンク13は、正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により画素Pのバンク13で囲まれた所定の領域に形成するに際して、正孔注入層8bや発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体が、バンク13を介して隣接する画素Pに流出しないように堰き止める隔壁として機能する。
【0073】
例えば、図15に示すように、第二絶縁膜12の上に設けられたバンク13には、第二絶縁膜12の開口部12aより内側に開口部13aが形成されている。第二絶縁膜12をバンク13よりも幅広とした構造にすることによって、開口部13aが開口部12aより幅広となるようにしてもよい。
そして、各開口部13aに囲まれた各画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、ベース板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。
さらに、各開口部13aに囲まれた各正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、ベース板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。
なお、正孔注入層8bは、複数の画素Pに跨るように連続して形成されていてもよい。この場合、正孔注入性のある酸化ゲルマニウムが好ましい。また、この発光層8cとバンク13を被覆するように対向電極8dが設けられている。
【0074】
図15、図16に示すように、対向電極8d上には、電極を保護するための電極保護層(パッシベーション膜)14が成膜されている。電極保護層14は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。トップエミッションの場合、電極保護層14が透明である。ボトムエミッションの場合、電極保護層14が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0075】
この発光パネル30(ELパネル)においては、ボトムエミッションの場合、画素電極8a、ベース板10及び第一絶縁膜11が透明であり、発光層8cから発した光が画素電極8a、第一絶縁膜11及びベース板10を透過して出射する。そのため、ベース板10の裏面側が表示面となる。
トップエミッションの場合、対向電極8d、電極保護層14、フィル材52(但し、図1、図7、図9の場合)及び対向基板40(図1、図6〜図10に図示)が透明であり、発光層8cから発した光が対向電極8d、電極保護層14、フィル材52(但し、図1、図7、図9の場合)及び対向基板40を透過して出射する。そのため、対向基板40の表面側が表示面となる。トップエミッションの場合、画素電極8aを反射電極とすることが好ましい。
【0076】
図1、図6〜図10に示す発光領域31の最上層は、電極保護層14となっている。そのため、図1、図7、図9に示すフィル材52が電極保護層14に密着している。なお、電極保護層14が設けられずに、図1、図7、図9に示すフィル材52が対向電極8dに密着していてもよい。
【0077】
電極保護層14は発光パネル30の表面側の縁まで広がっており、接着剤51(図1、図6に図示)やシール材53(図1、図6〜図10に図示)が電極保護層14に密着している。電極保護層14が設けられていない場合、発光パネル30の表面側の周縁部では、第一絶縁膜11又は第二絶縁膜12が発光パネル30の最上層となっており、接着剤51(図1、図6に図示)やシール材53(図1、図6〜図10に図示)が第一絶縁膜11又は第二絶縁膜12に密着している。
【0078】
この発光パネル30は、次のように駆動されて発光する。
各電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。選択された走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5はオンになる。
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加されると、その選択されている走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その信号線3における電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された所定の階調に対応するレベルの電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなるので、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の輝度を維持するようになっている。
つまり、スイッチトランジスタ5によって、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される電圧が、信号線3に印加された所定階調レベルの電圧に切り替えられ、駆動トランジスタ6は、そのゲート電極6aに印加された電圧のレベルに応じた電流値のドレイン−ソース電流(駆動電流)を電圧供給線4からEL素子8に向けて流し、EL素子8を電流値(電流密度)にしたがった所定の階調で発光させる。
【0079】
上述の説明では、1つの画素Pに設けられる薄膜トランジスタの数が2であったが、3以上であってもよい。画素Pごとに画素Pの周囲に設けられる回路は、図13に示すようなものに限られるものではなく、適宜変更してもよい。
【0080】
上述の説明では、発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネルであるとしたが、発光パネル30がパッシブマトリクス(単純マトリクス)駆動方式で動作するELパネルであってもよい。
【0081】
〔応用例〕
上述した発光装置60,160,260,360,460,560は、各種電子機器の表示パネル(ディスプレイパネル)として用いられる。
例えば、図17に示した携帯電話機200の表示パネル1aや、図18(a)、(b)に示したデジタルカメラ300の表示パネル1bや、図19に示したパーソナルコンピュータ400の表示パネル1cが、発光装置60,160,260,360,460,560の何れかである。
【0082】
また、発光装置60,160,260,460,560は印刷機(例えばページプリンタ)の露光装置として用いることもできる。具体的には、発光装置60,160,260,460,560の何れかの発光領域31に形成された像(複数の画素Pからなる像)が光学系(例えばロッドレンズアレイ)によって感光材(例えば感光ドラム)に投影されることによって、感光材に静電潜像が形成される。その後、トナーが感光材に付着することによって静電潜像が顕在化する。その後、記録媒体(例えば紙)が感光材に押し当てられることによって、顕在化した静電潜像が記録媒体(例えば紙)に転写される。
【符号の説明】
【0083】
60,160,260,360,460,560 発光装置
30 発光パネル(第一基板)
31 発光領域
40 対向基板(第二基板)
41 凸部
42 凹部(第一の凹部)
43 凹部(第二の凹部)
51 接着剤
52 フィル材
53 シール材
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの電子機器の表示デバイスとして、自発光素子である複数のEL(Electro Luminescence)素子をマトリクス状に配列したELパネルを適用したものが知られている。
EL素子は水分と接触すると、EL素子にダークスポットやダークエリアが発生し、EL素子の発光特性が劣化してしまう。そこで、EL素子をガラス板及び封止枠によって封止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、特許文献1に記載されているように、有機EL層(3)が基板(1)の表面側にマトリクス状に配列され、ガラス板(9)が基板(1)の表面側に対向し、枠状の封止枠(10)が基板(1)とガラス板(9)との間に挟持され、封止枠(10)が封着材(8)によって基板(1)及びガラス板(9)に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−335365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術の場合でも、水分等が封止枠(10)や封着材(8)を透過し、内側のEL素子が劣化してしまう。
このような問題点に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、気密性・止水性の向上を図って、EL素子等の発光素子の劣化を抑えられるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、第一基板と、前記第一基板の一面側に設けられ、複数の発光素子が配列されてなる発光領域と、前記第一基板の前記一面側に一面側が対向して設けられた第二基板と、前記第二基板の前記一面側に、少なくとも前記第一基板の前記発光領域を囲むように設けられる第一の凹部と、前記第二基板の前記一面側に、前記第一の凹部を囲んで枠状に設けられ、前記第一基板の一面側に接合される凸部と、前記第二基板の前記一面側の、該第二基板の周縁と前記凸部との間に設けられた第二の凹部と、前記第二の凹部内に充填され、前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間に挟持されて、前記第一基板と前記第二基板とに固着されたシール材と、を備える。
【0006】
好ましくは、前記発光装置は、前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域に充填されて、前記発光領域を覆うフィル材を備える。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記フィル材を介して接着されている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されている。
好ましくは、前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域が空洞となっている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されている。
好ましくは、前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記シール材を介して接着されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、気密性・止水性が向上し、発光素子の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図2】発光装置を製造する際の一工程を示す説明図である。
【図3】図2に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図4】図3に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図5】図4に示す工程の後の工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態に係る発光装置を示した概略断面図である。
【図11】発光パネルの画素の配置構成を示す平面図である。
【図12】発光パネルの概略構成を示す平面図である。
【図13】発光パネルの1つの画素の周辺回路の一例を示した回路図である。
【図14】発光パネルの1つの画素及びその周辺を示した平面図である。
【図15】図14に示されたXV−XV線に沿った面の矢視断面図である。
【図16】図14に示されたXVI−XVI線に沿った面の矢視断面図である。
【図17】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用した携帯電話機の一例を示す正面図である。
【図18】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用したデジタルカメラの一例を示す正面側斜視図(a)と、後面側斜視図(b)である。
【図19】図1、図6、図7、図8、図9又は図10に示す発光装置を表示パネルに適用したパーソナルコンピュータの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置60を示した断面図である。
この発光装置60は、パッケージ付発光パネルである。この発光装置60は、ドットマトリクスディスプレイに用いられるディスプレイパネルであったり、ページプリンタに用いられる露光装置であったりする。なお、発光装置60の用途は、ディスプレイパネルや露光装置に限るものではない。
【0011】
この発光装置60は、発光パネル30と対向基板40を対向させて、これらを貼り合わせたものである。発光パネル30が第一基板であり、対向基板40が第二基板である。
発光パネル30の表面側(一面側)には、各種の素子を保護するパッシベーション膜が成膜されている。また、発光パネル30の表面側の中央部には、発光領域31が設けられている。この発光領域31は、複数の発光ドット(後述する画素P)を発光パネル30の表面側に沿ってマトリクス状に配列したものであり、詳しくは後述する。つまり、発光領域31は、表示領域でもある。これら発光ドットは別個に発光し、発光強度若しくは発光時間又はそれらの両方が発光ドットごとに制御される。発光ドットには、有機EL(electro luminescence:エレクトロルミネッセンス)素子、無機EL素子、発光ダイオードその他の半導体発光素子が用いられる。発光ドットが有機EL素子又は無機EL素子である場合、発光パネル30はELパネルであり、発光装置60がパッケージ付EL装置である。
【0012】
以下の説明において、トップエミッション型とは、発光領域31の各発光ドットから発した光が対向基板40の表面側(他面側)から外部に放射されるように構成されたものをいい、ボトムエミッション型とは、発光領域31の各発光ドットから発した光が発光パネル30の裏面側(他面側)から外部に放射されるように構成されたものをいう。
【0013】
対向基板40の裏面側(一面側)には、凸部41が凸設されている。凸部41は、対向基板40と一体に成形されている。凸部41は、対向基板40の裏面側の縁に沿って枠状に設けられているとともに、対向基板40の裏面側の縁よりも中央部寄りに位置している。対向基板40の裏面側であって凸部41の内側には、凹部(第一の凹部)42が凹設されている。凹部42の深さは10〜50μmであることが好ましい。更に、対向基板40の裏面側であって凸部41の外側と対向基板40の周縁との間に、凹部(第二の凹部)43が凹設されている。ここで、凸部41の内側から凹部43の外側、つまり対向基板40の周縁までの距離を封止幅Lとする。
【0014】
対向基板40の裏面側が発光パネル30の表面側に向いた状態で、対向基板40と発光パネル30が貼り合わせられている。対向基板40と発光パネル30が貼り合わせられた状態では、発光パネル30の発光領域31が凸部41の内側に配置されているとともに、その発光領域31が凹部42に収められている。すなわち、凸部41は発光パネル30の発光領域31を囲むように設けられている。
【0015】
トップエミッションの場合、対向基板40及び凸部41は、透明な材料(例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネート)からなる。ボトムエミッションの場合、対向基板40及び凸部41が透明であってもよいし、不透明であってもよい。対向基板40及び凸部41が無機材料(例えば、ガラス材料)からなるものであれば、発光領域31をより良く保護することができ、耐湿性・保存性が向上する。
【0016】
凸部41が発光パネル30の表面側に突き当てられて、凸部41と発光パネル30が接合されている。具体的には、凸部41の頭頂部と発光パネル30との間に接着剤(封着材)51が挟まれ、凸部41と発光パネル30が接着剤51によって接着されている。接着剤51は、紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を接着時に硬化したものである。
【0017】
凸部41の内側の凹部42内には、フィル材52が充填されている。フィル材52が凸部41の内側において対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側との間に挟まれ、フィル材52によって発光パネル30の表面側及び発光領域31が覆われている。フィル材52は紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を硬化したものであり、フィル材52の硬化によってフィル材52が対向基板40及び発光パネル30に固着される。トップエミッションの場合、フィル材52が透明である。ボトムエミッションの場合、フィル材52が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0018】
凸部41の外側に設けられた凹部43内における、対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間には、シール材53が充填されている。シール材53が、凹部43内において対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側との間に挟まれている。シール材53は紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を硬化したものであり、シール材53の硬化によってシール材53が対向基板40及び発光パネル30に固着される。
【0019】
この発光装置60では、対向基板40の裏面側に凸設された凸部41が発光パネル30の表面側に接合されているので、水分が発光装置60の側面から発光領域31へ侵入することを抑制することができる。特に、凸部41と対向基板40が一体成形されているから、凸部41と対向基板40との間に接合界面等が存在しないので、水分の侵入をより効率よく抑えることができる。
【0020】
対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間隔が凸部41によって保たれる。そのため、対向基板40の裏面側と発光パネル30の表面側の間隔を保つためのギャップ材(例えば、球状のガラスビーズ)をシール材53に含有させなくても済む。ギャップ材が含まれていないシール材53を用いることで、コストの削減が図れるとともに、シール材53の密閉性・止水性が向上する。
【0021】
また、凸部41の外側では、対向基板40と発光パネル30がシール材53によって接着されているから、凹部43を有さず、凹部43に対応する部分にも凸部41が設けられて、凸部41と発光パネル30とがシール材を介して接着されている場合と比べて、対向基板40とシール材53との接着面積が増加するため、対向基板40がシール材53から剥がれにくくなる。これによって、封止幅Lを増加させることなく、発光装置60の密閉性・止水性を向上させることができる。更には、密閉性・止水性が凹部43を有さない場合と同程度でよいとすれば、凹部43を有さない場合と比べて、封止幅Lを狭くすることができる。
【0022】
また、フィル材52が凹部42内に充填されているから、密閉性・止水性が向上する。特に、凹部42の深さによってフィル材52の厚さを確保することができ、発光領域31をより良く保護することができる。フィル材52が凹部42内に充填されているからこそ、フィル材52が厚くなっても、発光装置60の厚みが増さない。フィル材52の充填量が凹部42によって増えるため、発光装置60の製造の際にフィル材52の充填量の制御が容易になる。
【0023】
また、接着剤51によって凸部41と発光パネル30が接着されているから、凸部41と発光パネル30の接合界面における密閉性・止水性が向上する。
【0024】
発光装置60の製造方法について説明する。
図2に示すように、平板状のマザー対向基板40Aを準備する。マザー対向基板40Aのサイズは対向基板40のサイズよりも大きく、一枚のマザー対向基板40Aから複数枚の対向基板40を取れる。
【0025】
図3に示すように、マザー対向基板40Aの裏面側に対して掘り込み加工をする。つまり、複数の矩形状の凹部(第1の凹部)42を格子状に配列させるようにこれら凹部42をマザー対向基板40Aの裏面側に凹設するとともに、これら凹部42を囲うような格子状の溝(第2の凹部)43をマザー対向基板40Aの裏面側に形成する。これにより、マザー対向基板40Aの裏面側のうち掘り込まれていない部分が残留して、複数の矩形枠状の凸部41が形成される。凹部42や溝43の掘り込み加工は、エッチング法又はサンドブラスト法を用いる。エッチング法の場合、マザー対向基板40Aがガラス製であるときには、フッ酸でマザー対向基板40Aをエッチングする。サンドブラスト法の場合、シリカ又はアルミナの粉をマザー対向基板40Aに吹き付けることによって、凹部42や溝43を形成する。
【0026】
次に、図4に示すように、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂をフィル材52として凹部42内に充填するとともに、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂をシール材53とし溝43内に充填する。また、未硬化の紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂を接着剤51として凸部41の頭頂部に塗布する。接着剤51、フィル材52及びシール材53は同じ素材でもよいし、異なった素材でもよい。シール材53が紫外線硬化性樹脂であれば、接着剤51とフィル材52も紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、シール材53が熱硬化性樹脂であれば、接着剤51とフィル材52も熱硬化性樹脂であることが好ましい。
【0027】
次に、図5に示すように、マザー発光パネル30Aの表面側をマザー対向基板40Aの裏面側に向けて、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aを貼り合わせる。ここで、マザー発光パネル30Aの表面側には複数の発光領域31が形成され、これら発光領域31が格子状に配列されており、一枚のマザー発光パネル30Aから複数枚の発光パネル30を取れる。マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aとの貼り合わせに際しては、発光領域31を凹部42に対向させ、発光領域31を凹部42の内側に位置させ、発光領域31をフィル材52によって覆う。マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせは、真空圧となった真空チャンバー内で行うことが好ましい。真空状態でマザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせを行うと、接着剤51、フィル材52及びシール材53を脱泡することができるためである。
【0028】
その後、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aを平行に保った状態で、マザー発光パネル30Aの裏面側及びマザー対向基板40Aの表面側からマザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aに対して均等に圧力をかける。そして、接着剤51、フィル材52及びシール材53に紫外線を照射することによって、又は接着剤51、フィル材52及びシール材53を加熱することによって、接着剤51、フィル材52及びシール材53を硬化させる。接着剤51、フィル材52及びシール材53の硬化は、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aに対して押圧力をかけた状態で行うことが好ましい。
【0029】
次に、溝43の中心線に沿ってマザー発光パネル30A、マザー対向基板40A及びシール材53を切断する。これにより、複数の発光装置60が完成する。マザー発光パネル30Aの分断によって得られたものが発光パネル30であり、マザー対向基板40Aの分断によって得られたものが対向基板40である。
【0030】
上述の製造方法では、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの貼り合わせ後に、マザー発光パネル30A及びマザー対向基板40Aを切断したが、マザー発光パネル30Aとマザー対向基板40Aの切断後に、発光パネル30と対向基板40を貼り合わせてもよい。
【0031】
〔第2の実施の形態〕
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置160を示した断面図である。図6に示された発光装置160と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0032】
図6に示すように、凹部42内にフィル材が充填されておらず、凹部42内が空洞となっている。凹部42内には、不活性ガスが充填されていることが好ましい。また、乾燥剤が、凹部42内のうち発光領域31を避ける位置に配置されていることが好ましい。
【0033】
以上に説明したことを除いて、図6に示された発光装置160と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0034】
この発光装置160の製造方法は、凹部42内にフィル材を注入せずに、マザー発光パネル30A(又は発光パネル30)とマザー対向基板40A(又は対向基板40)の貼り合わせることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0035】
〔第3の実施の形態〕
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置260を示した断面図である。図7に示された発光装置260と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0036】
図7に示すように、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部が凸部41と発光パネル30との間にはみ出て、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部によって凸部41と発光パネル30が接着されている。以上に説明したことを除いて、図7に示された発光装置260と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0037】
この発光装置260の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、未硬化のフィル材52若しくはシール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布する際に、フィル材52若しくはシール材53又はこれら両方の一部を凸部41の頭頂部にはみ出させることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0038】
〔第4の実施の形態〕
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置360を示した断面図である。図8に示された発光装置360と、図2に示された発光装置160との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0039】
図8に示すように、シール材53の一部が凸部41と発光パネル30との間にはみ出て、シール材53の一部によって凸部41と発光パネル30が接着されている。以上に説明したことを除いて、図8に示された発光装置360と、図6に示された発光装置160との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0040】
この発光装置360の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、シール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布する際に、シール材53の一部を凸部41の頭頂部にはみ出させることを除いて、第2実施形態に係る発光装置160の製造方法と同様である。
【0041】
〔第5の実施の形態〕
図9は、本発明の第5の実施の形態に係る発光装置460を示した断面図である。図9に示された発光装置460と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0042】
図9に示すように、凸部41と発光パネル30が接着剤によって接着されておらず、凸部41が発光パネル30に直接突き当てられている。つまり、発光パネル30と対向基板40がフィル材52及びシール材53によって接着されており、凸部41の頭頂部と発光パネル30の表面側がフィル材52及びシール材53の接着力によって接合している。以上に説明したことを除いて、図9に示された発光装置460と、図1に示された発光装置60との間で互いに対応する部分は、同様に設けられている。
【0043】
この発光装置460の製造方法は、接着剤を凸部41の頭頂部に塗布せずに、フィル材52及びシール材53をマザー対向基板40A(又は対向基板40)に塗布した後に、マザー対向基板40A(又は対向基板40)とマザー発光パネル30A(又は発光パネル30)を貼りあわせることを除いて、第1実施形態に係る発光装置60の製造方法と同様である。
【0044】
〔第6の実施の形態〕
図10は、本発明の第6の実施の形態に係る発光装置560を示した断面図である。図10に示された発光装置560と、図9に示された発光装置460との間で互いに対応する部分には、同一の符号を付す。
【0045】
図10に示すように、凹部42内にフィル材が充填されておらず、凹部42内が空洞となっており、発光パネル30と対向基板40がシール材53によって接着されている。凹部42内には、不活性ガスが充填されていることが好ましい。また、乾燥剤が、凹部42内のうち発光領域31を避ける位置に配置されていることが好ましい。
【0046】
この発光装置560の製造方法は、凹部42内にフィル材を注入せずに、マザー発光パネル30A(又は発光パネル30)とマザー対向基板40A(又は対向基板40)の貼り合わせることを除いて、第5実施形態に係る発光装置460の製造方法と同様である。
【0047】
〔具体例〕
発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネルである場合、発光パネル30及び発光領域31の具体例について説明する。以下に説明する具体例は、上記第1〜第6の何れの実施の形態にも適用することができる。
【0048】
図11は、発光パネル30における複数の画素(発光ドット)Pの配置構成を示す平面図であり、図12は、発光パネル30の概略構成を示す平面図である。
【0049】
図11、図12に示すように、発光パネル30の表面側には、R(赤),G(緑),B(青)でそれぞれ発光する複数の画素Pが所定のパターンでマトリクス状に配置されている。
【0050】
この発光パネル30の表面側には、隔壁であるバンク13が設けられている。バンク13は例えば格子状に設けられ、バンク13によって囲われてなる略長方形状の複数の開口部13a内に画素Pが設けられている。このバンク13によって画素Pが区画されることによって複数の画素Pが配列された領域が、発光領域31である。画素Pの構成については、後に詳細に後述するが、画素Pは発光素子であるEL素子8(図14参照)である。
【0051】
この発光パネル30の表面側には、複数の走査線2が行方向に沿って互いに略平行となるよう配列され、複数の信号線3が平面視して走査線2と略直交するよう列方向に沿って互いに略平行となるよう配列されている。また、隣り合う走査線2の間において電圧供給線4が走査線2に沿って設けられている。バンク13は、走査線2、信号線3及び電圧供給線4の上を覆っている。なお、バンク13が格子状に設けられている必要はなく、バンク13が信号線3の上を覆うように信号線3に沿ってストライプ状に設けられ、列方向一列の画素Pが隣り合うバンク13とバンク13との間で信号線3に沿って配列されていてもよい。また、バンク13が走査線2及び電圧供給線4の上を覆うように走査線2及び電圧供給線4に沿ってストライプ状に設けられ、行方向一列の画素Pが隣り合うバンク13とバンク13との間で走査線2に沿って配列されていてもよい。バンク13がストライプ状の場合、発光領域31の外縁に沿った枠状のバンクが発光パネル30の表面側に設けられ、ストライプ状のバンク13の両端部が枠状バンクに連なっていてもよい。
【0052】
図13は、アクティブマトリクス駆動方式で動作する発光パネル30の1つの画素Pの周辺回路の一例を示した回路図である。
図13に示すように、発光パネル30には、走査線2と、走査線2と交差する信号線3と、走査線2に沿う電圧供給線4とが設けられている。この発光パネル30の画素PがEL素子8であり、1画素Pにつき、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が設けられている。スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、薄膜トランジスタ(TFT)である。
【0053】
各画素Pにおいては、スイッチトランジスタ5のゲートが走査線2に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方が信号線3に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの他方がキャパシタ7の一方の電極及び駆動トランジスタ6のゲートに接続されている。駆動トランジスタ6のソースとドレインのうちの一方が電圧供給線4に接続され、駆動トランジスタ6のソースとドレインのうち他方がキャパシタ7の他方の電極及びEL素子8のアノードに接続されている。なお、全ての画素PのEL素子8のカソードは、一定電圧Vcomに保たれている(例えば、接地されている)。
【0054】
また、この発光パネル30の周囲において各走査線2が走査ドライバに接続され、各電圧供給線4が一定電圧源又は適宜電圧信号を出力するドライバに接続され、各信号線3がデータドライバに接続され、これらドライバによって発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。電圧供給線4には、電圧源による一定電圧又は電圧ドライバによる電圧信号が供給される。
【0055】
次に、発光パネル30の発光領域31内の1つの画素P及びその周辺の回路構造について、図14〜図16を用いて説明する。ここで、図14は、発光パネル30の1画素P及びその周辺に相当する平面図である。図15は、図14のXV−XV線に沿った面の矢視断面図である。図16は、図14のXVI−XVI線に沿った面の矢視断面図である。なお、図14においては、電極及び配線を主に示す。
【0056】
図14に示すように、スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6は、信号線3に沿うように配列され、スイッチトランジスタ5の近傍にキャパシタ7が配置され、駆動トランジスタ6の近傍にEL素子8(画素P)が配置されている。また、走査線2と電圧供給線4の間に、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、キャパシタ7及びEL素子8が配置されている。
【0057】
図14〜図16に示すように、ベース板10の上面側に信号線3とゲート電極5a、6aが設けられ、ベース板10の上面側に、信号線3とゲート電極5a、6aとを覆って、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6のゲート絶縁膜となる第一絶縁膜11が成膜されている。その第一絶縁膜11の上に走査線2及び電圧供給線4が形成され、そしてスイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及び信号線3を覆うように第二絶縁膜12が成膜されている。このため、信号線3は第一絶縁膜11とベース板10との間に形成され、走査線2及び電圧供給線4は第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間に形成されている。
【0058】
また、図14、図16に示すように、スイッチトランジスタ5は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。このスイッチトランジスタ5は、ゲート電極5a、半導体膜5b、保護絶縁膜5d、不純物半導体膜5f,5g、ドレイン電極5h、ソース電極5i等を有するものである。
【0059】
ゲート電極5aは、ベース板10と第一絶縁膜11の間に形成されている。このゲート電極5aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。また、ゲート電極5aの上に絶縁性の第一絶縁膜11が成膜されており、その第一絶縁膜11によってゲート電極5aが被覆されている。
ベース板10は、無機材料(例えば、ガラス)又は有機材料(例えば、アクリル、ポリカーボネート等)からなる。ボトムエミッションの場合、ベース板10が透明である。トップエミッションの場合、ベース板10が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
第一絶縁膜11は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。ボトムエミッションの場合、第一絶縁膜11が透明である。トップエミッションの場合、第一絶縁膜11が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
この第一絶縁膜11上であってゲート電極5aに対応する位置に真性な半導体膜5bが形成されており、半導体膜5bが第一絶縁膜11を挟んでゲート電極5aと相対している。
半導体膜5bは、例えば、アモルファスシリコン若しくは結晶性シリコン又はそれらの両方を含んでなり、この半導体膜5bにチャネルが形成される。また、半導体膜5bの略中央部上のチャネル形成領域上には、チャネルをエッチングから保護する絶縁性の保護絶縁膜5dが形成されている。この保護絶縁膜5dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜5bの一端部の上には、不純物半導体膜5fが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されており、半導体膜5bの他端部の上には、不純物半導体膜5gが一部保護絶縁膜5dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜5f,5gはそれぞれ半導体膜5bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜5f,5gはn型半導体であるが、これに限らず、スイッチトランジスタ5がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜5fの上には、ドレイン電極5hが形成されている。不純物半導体膜5gの上には、ソース電極5iが形成されている。ドレイン電極5h,ソース電極5iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護絶縁膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜5d、ドレイン電極5h及びソース電極5iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そして、スイッチトランジスタ5は、第二絶縁膜12によって覆われるようになっている。第二絶縁膜12は、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
【0060】
また、図14、図15に示すように、駆動トランジスタ6は、逆スタガ構造の薄膜トランジスタである。この駆動トランジスタ6は、ゲート電極6a、半導体膜6b、保護絶縁膜6d、不純物半導体膜6f,6g、ドレイン電極6h、ソース電極6i等を有するものである。
【0061】
ゲート電極6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなり、ゲート電極5aと同様にベース板10と第一絶縁膜11の間に形成されている。そして、ゲート電極6aは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる第一絶縁膜11によって被覆されている。
この第一絶縁膜11の上であって、ゲート電極6aに対応する位置に、チャネルが形成される半導体膜6bが設けられており、この半導体膜6bが第一絶縁膜11を挟んでゲート電極6aと相対している。半導体膜6bは、例えば、アモルファスシリコン若しくは結晶性シリコン又はそれらの両方を含んでなる。
半導体膜6bの略中央部上のチャネル形成領域上には、チャネルをエッチングから保護する保護絶縁膜6dが形成されている。この保護絶縁膜6dは、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されており、半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部保護絶縁膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gはそれぞれ半導体膜6bの両端側に互いに離間して形成されている。なお、不純物半導体膜6f,6gはn型半導体であるが、これに限らず、駆動トランジスタ6がp型トランジスタであれば、p型半導体であってもよい。
不純物半導体膜6fの上には、ドレイン電極6hが形成されている。不純物半導体膜6gの上には、ソース電極6iが形成されている。ドレイン電極6h,ソース電極6iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護絶縁膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iの上には、絶縁性の第二絶縁膜12が成膜され、保護絶縁膜6d、ドレイン電極6h及びソース電極6iが第二絶縁膜12によって被覆されている。そして、駆動トランジスタ6は、第二絶縁膜12によって覆われるようになっている。
【0062】
キャパシタ7は、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間に接続されている。具体的には、キャパシタ7の電極7aは、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに接続され、キャパシタ7の電極7bは、駆動トランジスタ6のソース電極6iに接続されている。そして、図14、図16に示すように、ベース板10と第一絶縁膜11との間にキャパシタ7の一方の電極7aが形成され、第一絶縁膜11と第二絶縁膜12との間にキャパシタ7の他方の電極7bが形成され、電極7aと電極7bが誘電体である第一絶縁膜11を挟んで相対している。
【0063】
なお、信号線3、キャパシタ7の電極7a、スイッチトランジスタ5のゲート電極5a及び駆動トランジスタ6のゲート電極6aは、ベース板10に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成されたものである。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ7の電極7b、スイッチトランジスタ5のドレイン電極5h,ソース電極5i及び駆動トランジスタ6のドレイン電極6h,ソース電極6iは、第一絶縁膜11に一面に成膜された導電性膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
【0064】
また、第一絶縁膜11には、ゲート電極5aと走査線2とが重なる領域にコンタクトホール11aが形成され、ドレイン電極5hと信号線3とが重なる領域にコンタクトホール11bが形成され、ゲート電極6aとソース電極5iとが重なる領域にコンタクトホール11cが形成されており、コンタクトホール11a〜11c内にコンタクトプラグ20a〜20cがそれぞれ埋め込まれている。コンタクトプラグ20aによってスイッチトランジスタ5のゲート電極5aと走査線2が電気的に導通し、コンタクトプラグ20bによってスイッチトランジスタ5のドレイン電極5hと信号線3が電気的に導通し、コンタクトプラグ20cによってスイッチトランジスタ5のソース電極5iとキャパシタ7の電極7aが電気的に導通するとともにスイッチトランジスタ5のソース電極5iと駆動トランジスタ6のゲート電極6aが電気的に導通する。なお、コンタクトプラグ20a〜20cを介することなく、走査線2が直接ゲート電極5aと接触し、ドレイン電極5hが信号線3と接触し、ソース電極5iがゲート電極6aと接触してもよい。
また、駆動トランジスタ6のゲート電極6aがキャパシタ7の電極7aに一体に連なっており、駆動トランジスタ6のドレイン電極6hが電圧供給線4に一体に連なっており、駆動トランジスタ6のソース電極6iがキャパシタ7の電極7bに一体に連なっている。
【0065】
画素電極8aは、第一絶縁膜11を介してベース板10上に設けられており、画素Pごとに独立して形成されている。ボトムエミッションの場合、この画素電極8aは透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)からなる。また、トップエミッションの場合、画素電極8aは、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層を下層として光反射性層とし、上層として上述の透明電極の積層構造とすることが好ましい。なお、画素電極8aの一部が駆動トランジスタ6のソース電極6iに重なり、画素電極8aとソース電極6iとが電気的に接続されている。
そして、図14、図15に示すように、第二絶縁膜12が、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び第一絶縁膜11を覆うように形成されている。つまり第二絶縁膜12には、マトリクス状に配列された複数の開口部12aが形成され、各開口部12a内では、各画素電極8aの中央部が第二絶縁膜12によって覆われていない。そのため、第二絶縁膜12は平面視して格子状に形成されている。
【0066】
バンク13が、第二絶縁膜12の上から、走査線2、信号線3、電圧供給線4、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、画素電極8aの周縁部、キャパシタ7の電極7b及び第一絶縁膜11を覆うように形成されている。つまりバンク13には、マトリクス状に配列された複数の開口部13aが形成され、各開口部13a内では、各画素電極8aの中央部がバンク13によって覆われていない。そのため、バンク13は平面視して格子状に形成されている。なお、上述のように、バンク13がストライプ状に設けられていてもよい。
【0067】
開口部13a内では、所定のキャリア輸送層と対向電極8dとが積層されている。開口部13aの内側で、画素電極8a、キャリア輸送層及び対向電極8dの積層体がEL素子8であり、そのEL素子8が画素Pとなる。EL素子8は発光素子である。キャリア輸送層とは、電圧が印加されることによって正孔又は電子を輸送する層である。
【0068】
具体的には、EL素子8は、図14、図15に示すように、アノードとなる第一電極としての画素電極8aと、画素電極8aの上に形成された化合物膜である正孔注入層8bと、正孔注入層8bの上に形成された化合物膜である発光層8cと、発光層8cの上に形成された第二電極としての対向電極8dとを備えている。対向電極8dは全画素Pに共通の単一電極であって、全画素Pに連続して形成されている。
【0069】
正孔注入層8bは、例えば、導電性高分子であるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene;ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(polystyrene sulfonate;ポリスチレンスルホン酸)からなる層であって、画素電極8aから発光層8cに向けて正孔を注入するキャリア注入層である。
発光層8cは、画素P毎にR(赤),G(緑),B(青)のいずれかを発光する材料を含み、例えば、ポリフルオレン系発光材料やポリフェニレンビニレン系発光材料からなる層であって、対向電極8dから供給される電子と、正孔注入層8bから注入される正孔との再結合に伴い発光する。このため、R(赤)を発光する画素P、G(緑)を発光する画素P、B(青)を発光する画素Pは互いに発光層8cの発光材料が異なる。なお、画素PのR(赤),G(緑),B(青)は、例えば縦方向に同色画素が配列されるストライプパターンで配列される。なお、この配列パターンはストライプパターンに限らず、デルタ配列であってもよい。配列パターンがストライプパターンの場合に、バンク13の開口部13aは、各画素Pの配列パターンに沿った格子状又は列方向に沿って複数の画素Pの画素電極8aの中央部をまとめて露出するストライプ状に設けられる。
【0070】
対向電極8dは、画素電極8aよりも仕事関数の低い材料で形成されており、カソードとして適用される場合、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金の下層及びシート抵抗を下げるための上層の積層体で形成されている。トップエミッション構造の場合、対向電極8dの上層は、透明電極であって、例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)からなる。ボトムエミッションの場合、対向電極8dの上層部分は、高い光反射性のアルミ等の単体又は合金層が好ましい。
この対向電極8dは全ての画素Pに共通した電極であり、発光層8cなどの化合物膜とともに後述するバンク13を被覆している。
【0071】
このように、第二絶縁膜12及びバンク13によって発光部位となる発光層8cが画素Pごとに仕切られている。そして、開口部13a内において、キャリア輸送層としての正孔注入層8b及び発光層8cが、画素電極8a上に積層されている。
【0072】
バンク13は、正孔注入層8bや発光層8cを湿式法により画素Pのバンク13で囲まれた所定の領域に形成するに際して、正孔注入層8bや発光層8cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液状体が、バンク13を介して隣接する画素Pに流出しないように堰き止める隔壁として機能する。
【0073】
例えば、図15に示すように、第二絶縁膜12の上に設けられたバンク13には、第二絶縁膜12の開口部12aより内側に開口部13aが形成されている。第二絶縁膜12をバンク13よりも幅広とした構造にすることによって、開口部13aが開口部12aより幅広となるようにしてもよい。
そして、各開口部13aに囲まれた各画素電極8a上に、正孔注入層8bとなる材料が含有される液状体を塗布し、ベース板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第1のキャリア輸送層である正孔注入層8bとなる。
さらに、各開口部13aに囲まれた各正孔注入層8b上に、発光層8cとなる材料が含有される液状体を塗布し、ベース板10ごと加熱してその液状体を乾燥させ成膜させた化合物膜が、第2のキャリア輸送層である発光層8cとなる。
なお、正孔注入層8bは、複数の画素Pに跨るように連続して形成されていてもよい。この場合、正孔注入性のある酸化ゲルマニウムが好ましい。また、この発光層8cとバンク13を被覆するように対向電極8dが設けられている。
【0074】
図15、図16に示すように、対向電極8d上には、電極を保護するための電極保護層(パッシベーション膜)14が成膜されている。電極保護層14は、例えば、シリコン窒化物又はシリコン酸化物からなる。トップエミッションの場合、電極保護層14が透明である。ボトムエミッションの場合、電極保護層14が透明であってもよいし、不透明であってもよい。
【0075】
この発光パネル30(ELパネル)においては、ボトムエミッションの場合、画素電極8a、ベース板10及び第一絶縁膜11が透明であり、発光層8cから発した光が画素電極8a、第一絶縁膜11及びベース板10を透過して出射する。そのため、ベース板10の裏面側が表示面となる。
トップエミッションの場合、対向電極8d、電極保護層14、フィル材52(但し、図1、図7、図9の場合)及び対向基板40(図1、図6〜図10に図示)が透明であり、発光層8cから発した光が対向電極8d、電極保護層14、フィル材52(但し、図1、図7、図9の場合)及び対向基板40を透過して出射する。そのため、対向基板40の表面側が表示面となる。トップエミッションの場合、画素電極8aを反射電極とすることが好ましい。
【0076】
図1、図6〜図10に示す発光領域31の最上層は、電極保護層14となっている。そのため、図1、図7、図9に示すフィル材52が電極保護層14に密着している。なお、電極保護層14が設けられずに、図1、図7、図9に示すフィル材52が対向電極8dに密着していてもよい。
【0077】
電極保護層14は発光パネル30の表面側の縁まで広がっており、接着剤51(図1、図6に図示)やシール材53(図1、図6〜図10に図示)が電極保護層14に密着している。電極保護層14が設けられていない場合、発光パネル30の表面側の周縁部では、第一絶縁膜11又は第二絶縁膜12が発光パネル30の最上層となっており、接着剤51(図1、図6に図示)やシール材53(図1、図6〜図10に図示)が第一絶縁膜11又は第二絶縁膜12に密着している。
【0078】
この発光パネル30は、次のように駆動されて発光する。
各電圧供給線4に所定レベルの電圧が印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。選択された走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5はオンになる。
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって階調に応じたレベルの電圧が全ての信号線3に印加されると、その選択されている走査線2に対応する各画素Pのスイッチトランジスタ5がオンになっていることから、その信号線3における電圧が駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される。
この駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された所定の階調に対応するレベルの電圧に応じて、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6iとの間の電位差が定まって、駆動トランジスタ6におけるドレイン−ソース電流の大きさが定まり、EL素子8がそのドレイン−ソース電流に応じた明るさで発光する。その後、その走査線2の選択が解除されると、スイッチトランジスタ5がオフとなるので、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加された電圧にしたがった電荷がキャパシタ7に蓄えられ、駆動トランジスタ6のゲート電極6aとソース電極6i間の電位差は保持される。このため、駆動トランジスタ6は選択時と同じ電流値のドレイン−ソース電流を流し続け、EL素子8の輝度を維持するようになっている。
つまり、スイッチトランジスタ5によって、駆動トランジスタ6のゲート電極6aに印加される電圧が、信号線3に印加された所定階調レベルの電圧に切り替えられ、駆動トランジスタ6は、そのゲート電極6aに印加された電圧のレベルに応じた電流値のドレイン−ソース電流(駆動電流)を電圧供給線4からEL素子8に向けて流し、EL素子8を電流値(電流密度)にしたがった所定の階調で発光させる。
【0079】
上述の説明では、1つの画素Pに設けられる薄膜トランジスタの数が2であったが、3以上であってもよい。画素Pごとに画素Pの周囲に設けられる回路は、図13に示すようなものに限られるものではなく、適宜変更してもよい。
【0080】
上述の説明では、発光パネル30がアクティブマトリクス駆動方式で動作するELパネルであるとしたが、発光パネル30がパッシブマトリクス(単純マトリクス)駆動方式で動作するELパネルであってもよい。
【0081】
〔応用例〕
上述した発光装置60,160,260,360,460,560は、各種電子機器の表示パネル(ディスプレイパネル)として用いられる。
例えば、図17に示した携帯電話機200の表示パネル1aや、図18(a)、(b)に示したデジタルカメラ300の表示パネル1bや、図19に示したパーソナルコンピュータ400の表示パネル1cが、発光装置60,160,260,360,460,560の何れかである。
【0082】
また、発光装置60,160,260,460,560は印刷機(例えばページプリンタ)の露光装置として用いることもできる。具体的には、発光装置60,160,260,460,560の何れかの発光領域31に形成された像(複数の画素Pからなる像)が光学系(例えばロッドレンズアレイ)によって感光材(例えば感光ドラム)に投影されることによって、感光材に静電潜像が形成される。その後、トナーが感光材に付着することによって静電潜像が顕在化する。その後、記録媒体(例えば紙)が感光材に押し当てられることによって、顕在化した静電潜像が記録媒体(例えば紙)に転写される。
【符号の説明】
【0083】
60,160,260,360,460,560 発光装置
30 発光パネル(第一基板)
31 発光領域
40 対向基板(第二基板)
41 凸部
42 凹部(第一の凹部)
43 凹部(第二の凹部)
51 接着剤
52 フィル材
53 シール材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一基板と、
前記第一基板の一面側に設けられ、複数の発光素子が配列されてなる発光領域と、
前記第一基板の前記一面側に一面側が対向して設けられた第二基板と、
前記第二基板の前記一面側に、少なくとも前記第一基板の前記発光領域を囲むように設けられる第一の凹部と、
前記第二基板の前記一面側に、前記第一の凹部を囲んで枠状に設けられ、前記第一基板の一面側に接合される凸部と、
前記第二基板の前記一面側の、該第二基板の周縁と前記凸部との間に設けられた第二の凹部と、
前記第二の凹部内に充填され、前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間に挟持されて、前記第一基板と前記第二基板とに固着されたシール材と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域に充填されて、前記発光領域を覆うフィル材を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記フィル材を介して接着されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域が空洞となっていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記シール材を介して接着されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項1】
第一基板と、
前記第一基板の一面側に設けられ、複数の発光素子が配列されてなる発光領域と、
前記第一基板の前記一面側に一面側が対向して設けられた第二基板と、
前記第二基板の前記一面側に、少なくとも前記第一基板の前記発光領域を囲むように設けられる第一の凹部と、
前記第二基板の前記一面側に、前記第一の凹部を囲んで枠状に設けられ、前記第一基板の一面側に接合される凸部と、
前記第二基板の前記一面側の、該第二基板の周縁と前記凸部との間に設けられた第二の凹部と、
前記第二の凹部内に充填され、前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間に挟持されて、前記第一基板と前記第二基板とに固着されたシール材と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域に充填されて、前記発光領域を覆うフィル材を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記フィル材を介して接着されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第一の凹部内において対向する前記第一基板の前記一面側と前記第二基板の前記一面側との間の領域が空洞となっていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが接着剤を介して接着されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記凸部と前記第一基板の一面側とが、前記シール材を介して接着されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−69374(P2012−69374A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213105(P2010−213105)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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