説明

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体

【課題】臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法の提供。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関し、特に、魚函回収品などの臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリスチレン系樹脂発泡成形体は、魚函や食品トレーなどの容器類、緩衝材、断熱材、建築用資材、車両用構造部材などの各種分野で汎用されている。またそのリサイクルについても、一度使用した発泡成形体を加熱減容法やリモネン回収法などで再生処理して得られたリサイクル原料を用いて発泡成形体製造用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することが可能である。
【0003】
前記リサイクルにおいて、魚函や食品トレーなどの容器類は、年間を通じて膨大な量が使用されており、廃棄される発泡成形体の量も膨大であることから、使用済みの魚函や食品トレーなどの容器類を効率よくリサイクルする技術が求められている。
一般に、回収された魚使用済みの魚函や食品トレーなどの容器類は、加熱減容されて回収インゴットとし、さらに、必要に応じて該インゴットを押出機に投入してペレット状に成形している。
しかし、この使用済みの魚函や食品トレーなどの容器類の場合、魚臭などの強い臭気が残留していることが多く、前記インゴットやペレットなどのリサイクル原料を用いて発泡成形体製造用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、これを型内発泡成形して製造した発泡成形体にその臭気が残留してしまう可能性があることから、使用済みの魚函や食品トレーなどの容器類から得られたリサイクル原料の使用が制限されてしまう問題がある。
【0004】
従来、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に消臭機能を持たせるための技術として、例えば、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
【0005】
特許文献1(特開平8−120112号公報)には、発泡性スチレン系樹脂ビーズまたは発泡性ポリエチレン系樹脂ビーズの表面に、水性アクリル樹脂または水性ウレタン樹脂(樹脂固形分40〜50質量%、水60〜50質量%のエマルジョン)の樹脂固形分に対して、0.1〜5質量%の金属フタロシアニン誘導体が混入された塗膜が形成されていることを特徴とする消臭性発泡性スチレン系樹脂ビーズ、該ビーズを用いて製造された消臭性発泡成形物が開示されている。
【0006】
特許文献2(特開2001−181430号公報)には、発泡性スチレン系樹脂及び特定の4価金属リン酸塩、複合金属リン酸塩、ハイドロタルサイト化合物、ポリアミンを担持させた多孔質二酸化ケイ素などを含む4種の消臭剤のうち少なくとも1種以上からなる消臭性発泡性スチレン組成物と、該組成物を加熱下に成形してなる成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−120112号公報
【特許文献2】特開2001−181430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に記載された従来技術は、いずれも発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に消臭剤をコーティングするものであり、原料のポリスチレン系樹脂に臭気成分が含まれている場合の消臭効果を想定したものではない。
また、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に消臭剤をコーティングするだけでは、強い臭気を持つポリスチレン系樹脂を原料に製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に対しては、消臭効果が不十分である。特に、消臭剤をコーティングした発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造及び搬送時に該コーティングが剥離したり、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を蒸気加熱して予備発泡する際に、蒸気や凝集水によって該コーティングが剥離してしまうことから、強い臭気を持つポリスチレン系樹脂を原料に製造した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を無臭化することは困難であった。
さらに、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に消臭剤をコーティングする場合、消臭剤の量が多いと、該樹脂粒子を用い型内発泡成形により得られた発泡成形体は、発泡粒子同士の融着が悪くなって、発泡成形体の機械強度の低下や外観の悪化を招いてしまう問題がある。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を達成するため、本発明は、ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
【0011】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系樹脂発泡成形体回収樹脂であることが好ましい。
【0012】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂が臭気成分を含有していてもよい。
【0013】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量Mwが12〜28万の範囲であってもよい。
【0014】
また本発明は、ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と、消臭剤としてポリスチレン系樹脂100質量部に対しリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部とを混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
【0015】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系樹脂発泡成形体回収樹脂であることが好ましい。
【0016】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂が臭気成分を含有していてもよい。
【0017】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量Mwが12〜28万の範囲であってもよい。
【0018】
また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を提供する。
【0019】
また本発明は、前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれている構成としたことによって、臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供できる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法によれば、臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用い、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれていることを特徴としている。
【0023】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
【0024】
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
【0025】
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
【0026】
原料となるポリスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚函、食品トレー、家電緩衝材などを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料の中から、質量平均分子量Mwが12万〜28万の範囲となる原料を適宜選択し、又は質量平均分子量Mwが異なる複数のリサイクル原料を適宜組み合わせて用いることができる。原料となるポリスチレン系樹脂の質量平均分子量が12万〜28万の範囲であれば、発泡成形体を製造する際の成形性に優れ、外観に優れた発泡成形体を得ることができる。
【0027】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、樹脂粒子内に消臭剤としてリン酸ジルコニウムを分散させた状態で含むものなので、臭気成分を含んだポリスチレン系樹脂を用いることができ、このような臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供することができる。前記臭気成分は、種々の臭気物質の中の1種又は2種以上であってよく、具体的には、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に添加する添加剤の発する臭気、発泡性ポリスチレン系樹脂自体やポリフェニレンエーテルなどのブレンドする樹脂の発する臭気、前記リサイクル原料に含まれている臭気などである。
【0028】
前記リサイクル原料の中でも、使用済みの魚函や食品トレーなどの回収品を再生したリサイクル原料は、強い魚臭(生臭さや腐敗臭を含む)等の臭気成分を含んでいる場合が多い。これらの臭気成分は、リサイクル原料を溶融押出法により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とし、これを予備発泡し、さらに型内発泡成形して得られる発泡成形体にも残留し易い。臭気成分を含む発泡成形体は、臭気に対する基準が厳しい用途、例えば、食品包装用、住宅用断熱材、車両用内装材などの多くの分野での使用が困難であるため、前記臭気成分を含んだリサイクル原料は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造には不向きとされていた。本発明では、魚函や食品トレー回収品などの臭気成分が残留しているリサイクル原料であっても、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供することができる。
【0029】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に消臭剤として添加されるリン酸ジルコニウムは、前記臭気成分を吸着する多孔質リン酸ジルコニウム微粒子である。該リン酸ジルコニウムの粒径や比表面積などは特に限定されないが、例えば、平均粒子径0.01〜10μmのリン酸ジルコニウム微粒子が好ましい。この種のリン酸ジルコニウムの市販品としては、ケスモンNS−10(商品名、東亞合成社製)が挙げられる。
【0030】
前記リン酸ジルコニウムの添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、リン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部の範囲が好ましく、0.1〜5質量部の範囲がより好ましく、0.2〜4.0質量部の範囲がさらに好ましい。リン酸ジルコニウムの添加量が0.05質量部未満であると、リン酸ジルコニウムの添加によるポリスチレン系樹脂の消臭効果が十分に得られなくなる。リン酸ジルコニウムの添加量が5.0質量部を超えると、発泡成形体の成形性が悪くなり、得られる発泡成形体の外観が悪くなってしまう。
【0031】
さらに、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、前記リン酸ジルコニウムとともに、他の無機消臭剤、例えば、シリカ、ゼオライト、酸化亜鉛などを共添加してもよい。また、前記シリカとして、各種の臭気成分を選択的に吸着可能なように、多孔質構造の表面に、水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの官能基を含有させたシリカを用いることもできる。さらに、異なる官能基を持った複数種類のシリカを適宜混合して、複数の臭気成分の吸収力を高めたものを用いることもできる。
前記リン酸ジルコニウムをポリスチレン系樹脂に添加する際、樹脂中にリン酸ジルコニウムを予め均一に分散させた状態のマスターバッチを添加すると、リン酸ジルコニウムの樹脂粒子内での分散性が向上し、同量の粉末リン酸ジルコニウムを樹脂に直接添加した場合よりも消臭性能を向上させることができるので、前記マスターバッチを使用することが好ましい。
【0032】
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に配合する発泡剤は、一般の熱可塑性樹脂発泡体の製造に用いられている炭素数5以下の脂肪族炭化水素、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。この発泡剤の含有量は、樹脂100質量部に対し3〜8質量部の範囲が好ましく、4〜7質量部の範囲がより好ましい。
【0033】
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、結合防止剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよく、又、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記発泡性スチレン樹脂粒子の表面に塗布しておけば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡工程においてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
【0034】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれている構成としたことによって、臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供できる。
【0035】
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法)
図1は、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に用いられる製造装置の一例を示す構成図であり、本例の製造装置は、樹脂供給装置としての押出機1と、押出機1の先端に取り付けられた多数の小孔を有するダイ2と、押出機1内に樹脂原料等を投入する原料供給ホッパー3と、押出機1内の溶融樹脂に発泡剤供給口5を通して発泡剤を圧入する高圧ポンプ4と、ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面に冷却水を接触させるように設けられ、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7と、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッティング室7内に回転可能に設けられたカッター6と、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して運ばれる発泡性樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥して発泡性樹脂粒子を得る固液分離機能付き脱水乾燥機10と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて分離された冷却水を溜める水槽8と、この水槽8内の冷却水をカッティング室7に送る高圧ポンプ9と、固液分離機能付き脱水乾燥機10にて脱水乾燥された発泡性樹脂粒子を貯留する貯留容器11とを備えて構成されている。
【0036】
なお、押出機1としては、スクリュを用いる押出機またはスクリュを用いない押出機のいずれも用いることができる。スクリュを用いる押出機としては、例えば、単軸式押出機、多軸式押出機、ベント式押出機、タンデム式押出機などが挙げられる。スクリュを用いない押出機としては、例えば、プランジャ式押出機、ギアポンプ式押出機などが挙げられる。また、いずれの押出機もスタティックミキサーを用いることができる。これらの押出機のうち、生産性の面からスクリュを用いた押出機が好ましい。また、カッター6を収容したカッティング室7も、樹脂の溶融押出による造粒方法において用いられている従来周知のものを用いることができる。
【0037】
図1に示す製造装置を用い、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するには、まず、原料のポリスチレン系樹脂、リン酸ジルコニウム、必要に応じて添加される難燃剤などの所望の添加剤を秤量し、原料供給ホッパー3から押出機1内に投入する。原料のポリスチレン系樹脂は、ペレット状や顆粒状にして事前に良く混合してから1つの原料供給ホッパーから投入してもよいし、あるいは例えば複数のロットを用いる場合は各ロットごとに供給量を調整した複数の原料供給ホッパーから投入し、押出機内でそれらを混合してもよい。また、複数のロットのリサイクル原料を組み合わせて使用する場合には、複数のロットの原料を事前に良く混合し、磁気選別や篩分け、比重選別、送風選別などの適当な選別手段により異物を除去しておくことが好ましい。
【0038】
押出機1内にポリスチレン系樹脂、リン酸ジルコニウム、その他の添加剤を供給後、樹脂を加熱溶融し、その溶融樹脂をダイ2側に移送しながら、発泡剤供給口5から高圧ポンプ4によって発泡剤を圧入して溶融樹脂に発泡剤を混合し、押出機1内に必要に応じて設けられる異物除去用のスクリーンを通して、溶融物をさらに混練しながら先端側に移動させ、発泡剤を添加した溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出す。
【0039】
ダイ2の小孔が穿設された樹脂吐出面は、室内に冷却水が循環供給されるカッティング室7内に配置され、且つカッティング室7内には、ダイ2の小孔から押し出された樹脂を切断できるようにカッター6が回転可能に設けられている。発泡剤添加済みの溶融物を押出機1の先端に付設したダイ2の小孔から押し出すと、溶融物は粒状に切断され、同時に冷却水と接触して急冷され、発泡が抑えられたまま固化して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子となる。
【0040】
形成された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、カッティング室7から冷却水の流れに同伴して固液分離機能付き脱水乾燥機10に運ばれ、ここで発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を冷却水と分離すると共に脱水乾燥する。乾燥された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、貯留容器11に貯留される。
【0041】
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒径は限定されないが、通常は0.5〜2.0mmの範囲が好ましく、0.7〜1.4mmの範囲がより好ましい。また、両者の粒子の形状は、球状に近いものであることが好ましい。
【0042】
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法によれば、臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用い、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
【0043】
(ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子、ポリスチレン系樹脂発泡成形体)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
【0044】
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積VcmをJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
【0045】
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm
【0046】
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)を製造する。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
【0047】
なお、本発明において発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
【0048】
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明の効果を実証するが、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明は以下の実施例の記載に限定されない。
【0050】
[実施例1]
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造)
まず、ポリスチレン系樹脂(商品名「HRM−10N」、東洋スチレン社製)及びリン酸ジルコニウム(商品名「ケスモンNS−10」、東亞合成社製)を、シリンダ温度が200〜220℃に保持された二軸押出機(口径:30mm、L/D=35)に供給して溶融混練し、二軸押出機の先端に取り付けられたダイ(直径3mm、孔数:4個)から押出量10kg/hにてストランド状に押し出して、リン酸ジルコニウムが10質量%含有されたマスターバッチを得た。
次に、魚函回収インゴットから得られた再生ペレット100質量部(分子量約24万)に対し、微粉末タルク0.3質量部と前記リン酸ジルコニウムマスターバッチ(リン酸ジルコニウム0.2質量部相当分を添加)を加え、これらを口径90mmの単軸押出機に、時間当たり130kgで連続供給した。押出機内温度としては、最高温度210℃に設定し、樹脂を溶解させた後、発泡剤として樹脂100質量部に対して5質量部のペンタン(イソペンタン:ノルマルペンタン=20:80(質量比))を押出機の途中から圧入した。押出機内で樹脂と発泡剤を混練するとともに冷却し、押出機先端部での樹脂温度を170℃、ダイの樹脂導入部の圧力を15MPaに保持して、直径0.6mmでランド長さが3.0mmの小孔が200個配置されたダイより、このダイの吐出側に連結され30℃の水が循環するカッティング室に、発泡剤含有溶融樹脂を押し出すと同時に、10枚の刃を有する高速回転カッターにて押出物を切断した。切断した粒子を循環水で冷却しながら、粒子分離器に搬送し、粒子を循環水と分離した。さらに、捕集した粒子を脱水・乾燥してペンタン含有発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。得られたペンタン含有発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(分子量23万)は、変形、ヒゲ等の発生もなく、ほぼ完全な球体であり、平均粒径は約1.1mmであった。
得られたペンタン含有発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、ポリエチレングリコール0.03質量部、ステアリン酸亜鉛0.15質量部、ステアリン酸モノグリセライド0.05質量部、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.05質量部を該樹脂粒子の表面全面に均一に被覆した。
【0051】
(発泡成形体の製造)
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃の保冷庫中に入れ、72時間に亘って放置した。その後、円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.020g/cm(嵩発泡倍数50倍)であった。
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間にわたって放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で10秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまで冷却し、その後成形型を開き、長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状の発泡成形体を取り出した。
得られた発泡成形体は、密度0.020g/cm(発泡倍数50倍)であった。
前述した通り製造した実施例1の発泡成形体について、以下の成形品外観、成形サイクル及び臭気判定試験を行った。また、原料樹脂及びペンタン含有発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の質量平均分子量Mwの測定方法も以下に記す。
結果を表1に記す。
【0052】
<分子量の測定方法>
押出機に投入する原料となるポリスチレン系樹脂、及び溶融押出法によって作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂について、それぞれの樹脂約4mgをTHF(テトラヒドロフラン)4mLに溶解し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、東ソー社製 HLC−8320GPC(RI検出器内臓)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。
その測定条件はカラムが東ソー社製TOSOH TSKgel SuperMultiporeHZ−H(φ4.6×150mm)2本、ガードカラムが東ソー社製TOSOH TSKguardSuperMP(HZ)−H(φ4.6×20mm)1本を用い、カラム温度(40℃)、移動相(THF)、移動相流量(0.2ml/min)、ポンプ温度・検出器(40℃)、検出(RI)、注入量(20μl)、検量線用標準PS(昭和電工社製(Shodex)分子量Mwが5,620,000と3,120,000と1,250,000と442,000と131,000と54,000と20,000と7,590と3,450と1,320)とした。
【0053】
<成形品外観>
発泡成形体(長さ400mm×幅300mm×高さ50mm)の長さ方向の中心に沿って、カッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形体を手で二分割し(長さ200mm×幅300mm×高さ50mm)、その破断面における発泡粒子について、100〜150個の任意の範囲について、発泡粒子内で破断している粒子の数(a)と発泡粒子同士の界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とし、次の判断基準で成形品外観を評価した。
良好(○)…融着率が70%以上
不良(×)…融着率が70%未満
【0054】
<成形サイクル>
長さ400mm×幅300mm×高さ50mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、その後、成形型のキャビティ内を水蒸気でゲージ圧0.08MPaの圧力で10秒間に亘って加熱し、その後、成形型のキャビティ内の圧力が0.01MPaになるまでの冷却時間を測定し、以下の判断基準で成形サイクルを評価した。
良好(○)…冷却時間が360秒未満
不良(×)…冷却時間が360秒以上
【0055】
<臭気判定試験>
発泡成形体を100mm×100mm×50mmの寸法にカットしてサンプルとし、このサンプルを臭気判定試験用缶に入れ、60℃のオーブンに入れ、1時間加熱し、30分間室温に放置後、臭気試験を実施した。10名のパネラーがサンプルの臭いを嗅ぎ、以下の臭気評価基準に基づいて臭気強度を評価、採点(無臭(0点)〜強烈な臭い(5点))した。10名のパネラーの採点結果の平均値を算出し、その値の小数点1桁を四捨五入し、臭気強度とした。
【0056】
(臭気評価基準)
5…強烈な臭い
4…強い臭い
3…楽に感知できる臭い
2…何の臭いかがわかる弱い臭い
1…やっと感知できる臭い
0…無臭
【0057】
[実施例2]
ポリスチレン系樹脂100質量部に対するリン酸ジルコニウム量を1.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0058】
[実施例3]
ポリスチレン系樹脂100質量部に対するリン酸ジルコニウム量を4.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0059】
[実施例4]
リン酸ジルコニウムを粉末のままポリスチレン系樹脂に添加(リン酸ジルコニウム量は1.0質量部)したこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0060】
[実施例5]
リン酸ジルコニウム1.0質量部と、シリカ0.2質量部とをポリスチレン系樹脂に添加したこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0061】
[実施例6]
ポリスチレン系樹脂100質量部に対するリン酸ジルコニウム量を0.1質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0062】
[比較例1]
リン酸ジルコニウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0063】
[比較例2]
ポリスチレン系樹脂100質量部に対するリン酸ジルコニウム量を0.03質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0064】
[比較例3]
ポリスチレン系樹脂100質量部に対するリン酸ジルコニウム量を7.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を製造し、臭気判定試験を行った。その結果を表1に記す。
【0065】
【表1】

【0066】
表1の結果から、リン酸ジルコニウムを添加せずに製造した比較例1の発泡成形体は、臭気強度5(強烈な臭い)であったが、ポリスチレン系樹脂100質量部に対しリン酸ジルコニウムを0.1〜4.0質量部加えた実施例1〜6の発泡成形体は、臭気強度0(無臭)〜3(楽に感知できる臭い)に改善された。特に、リン酸ジルコニウムを1.0〜4.0質量部加えた実施例2,3,5は、臭気強度0(無臭)〜1(やっと感知できる臭い)となり、各種分野で通常に使用し得る発泡成形体を製造可能であった。リン酸ジルコニウムをマスターバッチの状態で添加した実施例1は、同量のリン酸ジルコニウム粉末を添加した実施例4よりも臭気強度が低くなった。
また実施例1〜6は、発泡成形体の外観は良好であり、リン酸ジルコニウムの添加効果により成形サイクルも短縮することができた。
【0067】
一方、リン酸ジルコニウムを添加しなかった比較例1の発泡成形体は、原料樹脂(魚函回収品)に由来する臭気が強く残っており、臭気強度5(強烈な臭い)であった。また、比較例1では成形サイクルの短縮化は不良(×)であった。
ポリスチレン系樹脂100質量部に対しリン酸ジルコニウムを0.03質量部添加した比較例2の発泡成形体は、臭気強度4(強い臭い)となり、リン酸ジルコニウムによる消臭効果が不十分であった。また、成形サイクルの短縮化は不良(×)であった。
ポリスチレン系樹脂100質量部に対しリン酸ジルコニウムを7.0質量部添加した比較例3の発泡成形体は、臭気強度0(無臭)となったものの、得られた発泡成形体の発泡粒子同士が十分に融着せず、融着率が70%未満となり、外観不良(×)となった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関し、特に、魚函回収品などの臭気成分を含むポリスチレン系樹脂を用いた場合でも、使用時に臭気が問題とならないレベルの発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法に関する。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られた発泡成形体は、緩衝材、容器、断熱材などの用途に使用される。
【符号の説明】
【0069】
1…押出機(樹脂供給装置)、2…ダイ、3…原料供給ホッパー、4…高圧ポンプ、5…発泡剤供給口、6…カッター、7…カッティング室、8…水槽、9…高圧ポンプ、10…固液分離機能付き脱水乾燥機、11…貯留容器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
ポリスチレン系樹脂100質量部に対し、消臭剤としてリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部が該樹脂粒子中に分散された状態で含まれていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【請求項2】
前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系樹脂発泡成形体回収樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【請求項3】
前記ポリスチレン系樹脂が臭気成分を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【請求項4】
前記ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量Mwが12〜28万の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【請求項5】
ポリスチレン系樹脂を樹脂供給装置内で加熱溶融し、発泡剤と、消臭剤としてポリスチレン系樹脂100質量部に対しリン酸ジルコニウム0.05〜5.0質量部とを混合してダイの小孔から水中に押出し、切断して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項6】
前記ポリスチレン系樹脂が、ポリスチレン系樹脂発泡成形体回収樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項7】
前記ポリスチレン系樹脂が臭気成分を含有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項8】
前記ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量Mwが12〜28万の範囲であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して予備発泡して得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
【請求項10】
請求項9に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2012−72231(P2012−72231A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216951(P2010−216951)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】