説明

発熱具

【課題】十分な温感を持続的に使用者に付与し得る発熱具を提供すること。
【解決手段】発熱具はJIS S4000に準拠して測定された発熱温度が37〜60℃である。発熱具は、一般式(1)で表わされる温感剤が0.1〜100μg/cm2、及び水が0.1〜50μg/cm2保持されている吸水性繊維シートを肌当接面に備える。前記吸水性繊維シートの保水率は200〜2000質量%であることが好適である。前記吸水性繊維シートが坪量10〜100g/m2であることも好適である。発熱組成物を内包する発熱部と、該発熱部を収容し、かつ少なくとも一部が通気性を有する収容体とを備えた本体部、及び前記収容体の一部を構成し、かつ該収容体の肌当接面側に位置する第1のシートの外面に配置された前記吸水性繊維シートを具備することも好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発熱具に関し、更に詳しくは温感剤が保持された発熱具に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱具に種々の有効成分を保持させて、該有効成分を使用者に付与する技術が知られている。例えば、通気面と非通気面とを有するシート状温熱体及びキャリアシートを含み、該キャリアシートに医薬成分を含有する水性組成物を担持させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また特許文献2には、空気と接して発熱する発熱材が封入された通気性の袋体の皮膚との接触面に、膏薬層を設けた温熱用具が記載されている。
【0004】
更に特許文献3には、空気と接触して発熱する非粘稠性発熱性成形物が、一部に通気性を有する収納袋に封入された美顔用発熱体が記載されている。収納袋の片面には固着層が積層されており、該固着層には水及び/又は化粧剤が配合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−198325号公報
【特許文献2】特開2007−136053号公報
【特許文献3】特開2003−334212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の各文献に記載の発熱具には、医薬成分や膏薬や化粧料として、温感成分であるショウキョウチンキ、唐辛子エキスやノニル酸ワニリルアミドなどが含まれている。しかし、温感成分特有の刺激を弱めるために発熱具における温感成分の含有量を減らすと、使用者に温感を十分に付与できなくなってしまうなど、依然検討の余地があった。
【0007】
したがって本発明の課題は、温感剤の含有量が非常に少ないにもかかわらず、使用者に十分な温感を付与することができる発熱具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、JIS S4000に準拠して測定された発熱温度が37〜60℃であり、
一般式(1)で表される温感剤が0.1〜100μg/cm2、及び水が0.1〜50μg/cm2保持されている吸水性繊維シートを肌当接面に備える発熱具を提供するものである。
【0009】
【化1】

【発明の効果】
【0010】
本発明の発熱具は、温感剤の含有量が非常に少ないにもかかわらず、十分な温感を長時間にわたり使用者に付与し得るものである。従って、皮膚への温感剤の刺激等の好ましくない影響が最小限に留まる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の発熱具の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の発熱具は、JIS S4000に準拠して測定された発熱温度が、発熱開始から1時間後から6時間後までの平均で37〜60℃である。このような発熱特性を有する発熱具を肌へ当接すると、当接した部位の皮膚表面温度は36〜43℃となる。発熱温度がこの範囲であることと、後述する特定量の温感剤を特定量の水と共に特定シートに保持させて用いることとによって、本発明の発熱具は、温感剤の含有量が非常に少ないにもかかわらず、使用者に十分な温感を付与することができる。
特に、本発明の発熱具の発熱温度を、従来の発熱具よりも低く設定しても、長時間にわたり使用者に十分な温感を付与することができる。もちろん発熱温度を従来の発熱具と同様に設定すれば、更に十分な温感を使用者に付与することができる。本発明の発熱具の発熱温度を低く設定する場合、該発熱温度は37〜50℃であることが好ましく、38〜45℃であることが更に好ましい。このような発熱具を肌へ当接すると、皮膚表面温度が36〜42℃、更に好ましくは37〜41℃となる。発熱温度を低く設定できることは、発熱具の安全性の点から有利である。また、発熱材料の使用量の低減につながるので、発熱具の薄型化や、発熱具の製造経費の低減にも有利である。
【0013】
JIS S4000の測定方法は以下のとおりである。測定試験は、温度20±1℃、湿度55〜70%RHの環境下で行う。温熱器の温熱部に下敷材及び被覆材を重ねて、温熱部表面を30℃に昇温させ、30±1℃で保持する。周囲温度と同じ雰囲気中に2時間以上放置した発熱具を、通常の使用方法に基づいて発熱させた後、検温部を発熱具の肌当接面側における発熱部のほぼ中心となる部分に貼り付け、その部分を温熱器側にして、下敷材と被覆材の間に設置し、試料を軽く手で押さえて貼り付け、一度剥がして再度貼り付ける。被覆材の上から軽く手で押さえ、間の空気を出すように伸ばした後、木枠などで押さえて測定を行う。
【0014】
皮膚表面温度とは、接触型温度計、例えば熱電対を皮膚上に固定し、その上から発熱具の肌当接面側の発熱部の中心部が、熱電対中心部と接触するように固定して測定された温度をいう。
【0015】
本発明の発熱具は、熱を発生させるための発熱部を有している。発熱には各種の化学エネルギーを利用することができる。化学エネルギーとしては、例えば被酸化性金属の酸化熱、酸とアルカリとの中和熱、無機塩類の水和熱等を挙げることができる。
【0016】
化学エネルギーとして被酸化性金属の酸化熱を利用する場合、発熱部は、被酸化性金属粉(例えば鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、銅粉等)、触媒となる塩類(例えば、塩化ナトリウム及び塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム及び塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩化物等)、反応促進剤(例えば、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等)、及び水を含んだ発熱組成物が、少なくとも一部に通気性を有するシートによって被覆された形態のものである。また、この発熱組成物には必要に応じて、保水剤(例えば、バーミュキュライト、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、シリカ系多孔質物質、アルミナ、パルプ、天然又は合成の繊維状物、木紛、吸水ポリマー等)等を含有させることもできる。発熱組成物は、粉体状の形態でもよく、あるいはシート状等の成形体の形態でもよい。
【0017】
化学エネルギーとして酸とアルカリとの中和熱を利用する場合、発熱部は、例えば、塩酸と水酸化ナトリウムとを含んだ発熱組成物が、少なくとも一部に通気性を有するシートによって被覆された形態のものである。
【0018】
化学エネルギーとして無機塩類の水和熱を利用する場合、発熱部は、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ゼオライト等の水和熱の大きな無機塩類を含んだ発熱組成物が、少なくとも一部に通気性を有するシートによって被覆された形態のものである。
【0019】
化学エネルギーを利用した発熱部の具体的な態様は、利用する化学エネルギーの発生形態に応じて適宜定めることができる。例えば、被酸化性金属の酸化によって発生する化学エネルギーを利用する場合には、被酸化性金属を含む前記の発熱組成物を、少なくとも一部に通気性を有するシートにて被覆することで発熱部が構成される。酸とアルカリとの中和によって発生する化学エネルギーや、無機塩類の水和によって発生する化学エネルギーを利用する場合には、反応させる各反応物を仕切壁で分離して個別に収容し、熱を発生させるときに随時その仕切壁を破り、反応を進行させられるようにすればよい。
【0020】
本発明の発熱具は、熱を発生することと同時に、多量の水蒸気を発生するものであると、多量の水蒸気の発生によって、使用中、常に吸水性繊維シートへ水分が供給され続けるため、長時間にわたって本発明の効果が維持されるので、非常に好ましい。水蒸気の発生の程度としては、発熱開始から1.5時間経過するまでの間に継続して発生する水蒸気の積算量が1mg/cm2〜7mg/cm2であることが好ましく、特に1.5mg/cm2〜5mg/cm2であることが好ましい。このような多量の水蒸気を発生させるための発熱具の構成は、例えば化学エネルギーとして被酸化性金属の酸化熱を利用するときには、下記のとおりである。また、水蒸気発生量の測定方法及び装置は、特開2006−349529号公報に記載のものを用いる。
【0021】
化学エネルギーとして被酸化性金属の酸化熱を利用する場合には、発熱組成物として下記の成分を下記の配合量で含有したものを用い、且つ収容体として後述する通気度を有するものを用いることで、発熱部から水蒸気を多量に発生させることができる。
【0022】
発熱組成物には、被酸化性金属、反応促進剤、保水剤及び塩類の水溶液が含まれていることが好ましい。発熱組成物の質量に対する被酸化性金属の量は好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜85質量%である。反応促進剤の量は好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは7〜15質量%である。保水剤の量は好ましくは5〜35質量%、更に好ましくは7〜20質量%である。
【0023】
また、被酸化性金属に対する反応促進剤及び保水剤それぞれの質量比も水蒸気の発熱特性に影響を及ぼす。具体的には、被酸化性金属に対する反応促進剤の質量比は好ましくは0.01〜0.3であり、更に好ましくは0.05〜0.25である。また被酸化性金属に対する保水剤の質量比は好ましくは0.01〜0.3であり、更に好ましくは0.05〜0.25である。
【0024】
更に、発熱組成物における塩類の水溶液の濃度及び塩類の水溶液の添加量も水蒸気の発熱特性に影響を及ぼす。詳細には、塩類の水溶液の濃度は、好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%である。また塩類の水溶液は、発熱組成物の質量から塩類の水溶液の質量を差し引いた値100質量部に対して、好ましくは20〜80質量部、更に好ましくは30〜70質量部添加される。
【0025】
本発明の発熱具は温感剤が吸水性繊維シートに保持されている。温感剤としては、一般式(1)で表されるものを用いる。
【0026】
【化1】

【0027】
一般式(1)において、Xが−CH2CO−であるときには、Rは炭素数2〜15の直鎖アルケニル基又は炭素数2〜15の直鎖ヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数2〜15の直鎖アルケニル基としては、1−ヘキセニル、1−オクテニル又は1−デケニルが好ましい。とりわけショウガオールが好ましい。炭素数2〜15の直鎖ヒドロキシアルキル基としては、1−ヒドロキシノニルが好ましい。とりわけジンゲロールを用いることが好ましい。
【0028】
Xが−NHCO−であるときは、Rは炭素数2〜15の直鎖アルキル基又は炭素数2〜15の分岐アルケニル基が好ましい。炭素数2〜15の直鎖アルキル基としては、オクチルが好ましい。とりわけノニル酸ワニリルアミドを用いることが好ましい。炭素数2〜15の分岐アルケニル基としては、末端が分岐している炭素数2〜15の分岐アルケニル基が好ましく、特に7−メチル−5−オクテニルが好ましい。とりわけカプサイシンが好ましい。
【0029】
Xが−O−であるときには、Rは炭素数2〜15の直鎖アルキル、特にn−ブチルであることが好ましい。とりわけバニリルブチルエーテルが好ましい。
【0030】
前記の温感剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
本発明者らの検討の結果、特定の温度に肌を加温しながら、特定の温感剤と水とがそれぞれ特定量保持された特定のシートを肌に当接させると、該温感剤の温感が著しく増強されることが判明した。特に、温感剤が一般式(1)においてXが−CH2CO−のものであると、温感剤の刺激が抑えられているにもかかわらずその温感が著しく増強されることが判明した。これは、特定の温感剤は、特定の条件下で使用されると、使用者の皮膚に浸透しやすくなり、その結果、温感剤の温感が著しく増強されるためであると本発明者らは考えている。
【0032】
吸水性繊維シートに保持される温感剤の量は、不快な刺激を抑えつつ良好な温感を付与する観点から、0.1〜100μg/cm2であることが好ましく、更に0.15〜80μg/cm2であることが好ましく、特に0.2〜50μg/cm2であることが好ましく、とりわけ0.25〜30μg/cm2であることが好ましい。
【0033】
一方、吸水性繊維シートに保持される水の量は、これが少なすぎても多すぎても十分な温感を使用者に付与することができず、少ないと温感の立ち上がりが遅くなり、多いと温感が持続せず、多すぎると更に保存安定性も欠けることになるので、0.1〜50μg/cm2であることが好ましく、更に0.3〜40μg/cm2であることが好ましく、特に0.5〜30μg/cm2であることが好ましく、とりわけ3〜10μg/cm2であることが好ましい。
【0034】
以上の説明から明らかなように、本発明で用いている温感剤及び水の量は極めて微量である。このような微量の温感剤及び水の使用で、十分な温感を使用者に付与できることは意外なことであった。
【0035】
本発明の発熱具は、その肌当接面に、吸水性繊維シートを備えている。そして、温感剤及び水は、該吸水性繊維シートに保持されている。このようにすることで、十分な温感を使用者に付与することができる。
【0036】
吸水性繊維シートには、温感持続の観点から、更にポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコールが含まれていることが好ましい。これらの多価アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの多価アルコールのうち、ポリエチレングリコールを用いることが好ましい。ポリエチレングリコールとしては、数平均分子量が200〜600、特に250〜500のものを用いることが好ましい。
多価アルコールは、温感剤の100質部量に対して100〜100000質量部、特に200〜3000質量部用いられることが好ましい。
【0037】
温感剤及び水並びに必要に応じて用いられる多価アルコールを、吸水性繊維シートに保持させるには、例えば次のようにすればよい。まず温感剤を揮発性の有機溶剤に溶解する。多価アルコールを用いる場合には、これも溶解する。有機溶剤としては、例えばエタノール等の低級飽和脂肪族モノアルコール、ヘキサン等の炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル等が挙げられる。有機溶剤の使用量は、温感剤や多価アルコールを溶解できる量であれば特に制限はない。このようにして得られた溶液を吸水性繊維シートに含浸又は塗布する。次いで乾燥によって吸水性繊維シートに添加された有機溶剤を除去する。その結果、吸水性繊維シートには温感剤及び多価アルコールが残留する。引き続き、吸水性繊維シートに所定量の水を含浸又は塗布する。このようにして、温感剤及び必要に応じて用いられる多価アルコールを吸水性繊維シートに保持させた後に水を保持させることで、本発明の効果を良好に発揮させることができる。
【0038】
本発明の発熱具は、温感剤や水を保持する吸水性繊維シートを肌当接面に備えるものである。つまり吸水性繊維シートは、発熱具の使用中、使用者の肌に当接する部材である。吸水性繊維シートは水を保持する能力を有し、その保水率が200〜2000質量%であることが好ましく、更に300〜1500%であることが好ましく、特に500〜1000%であることが好ましい。保水率がこの範囲内であることによって、吸水性繊維シートに保持されている温感剤及び水の保存安定性を良好にできるとともに、適正量の温感剤及び水を使用者の皮膚に移行させて浸透させることができ、十分な温感を使用者に付与できる。更に、吸水性繊維シートはその坪量が10〜100g/m2であることが好ましく、更に20〜80g/m2であることが好ましく、特に30〜60g/m2であることが好ましい。坪量がこの範囲内であると、温感を増強する水分を十分にシートに保持できるとともに、肌に対して違和感を与えることなく使用することができ、十分な温感を使用者に付与できる。
【0039】
保水率は次の方法で測定される。吸水性繊維シートを10cm×10cmに切り取りサンプルを作製し、サンプルの質量を計測する。サンプルを、20℃・40%RH環境下で、精製水に1分間含浸した後、10分間吊り下げた。10分間吊り下げた後のサンプルの質量を計測する。そして、浸漬前後の質量変化より保水率を算出する。具体的には、[(含浸後シート質量−含浸前シート質量)/含浸前シート質量]×100を保水率(%)とする。
【0040】
吸水性繊維シートは、十分な温感を使用者に付与する観点から、好ましくは親水性繊維を含む繊維シートである。親水性繊維としては、例えばパルプやコットンなどの天然セルロース繊維、レーヨンなどの再生セルロース繊維などが挙げられる。親水性繊維は、吸水性繊維シートの製造方法に応じて、短繊維の形態でもよく、あるいは長繊維の形態でも良い。
【0041】
吸水性繊維シートは、十分な温感を使用者に付与する観点から、親水性繊維、例えばレーヨン100%から構成されていてもよく、あるいは親水性繊維に加えて疎水性繊維を含んでいてもよい。すなわち、該親水性繊維は、吸水性繊維シートの質量に対して10〜95質量%含有されることが好ましく、更に50〜90質量%含有されることが好ましく、特に75〜85質量%含有されることが好ましい。疎水性繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる熱融着性繊維などが挙げられる。該熱融着性繊維は単一の熱可塑性樹脂からなる繊維でもよく、複数の熱可塑性樹脂のブレンドからなる繊維でもよい。あるいは複数の熱可塑性樹脂からなる複合繊維(芯鞘型、サイドバイサイド型、分割型)であってもよい。
【0042】
吸水性繊維シートは、例えば不織布、織布若しくは編み物地又はそれらの複合体などから構成されている。これらの材料のうち特に不織布を用いることが、微量の温感剤を良好に保持する点や、発熱具の加工のしやすさ等の点、ひいては十分な温感を使用者に付与する観点から好ましい。不織布としては、例えばスパンレース不織布、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布、レジンボンド不織布若しくはメルトブローン不織布又はそれらの複合体などを用いることが可能であり、肌への風合いや微量の温感剤を良好に保持し、ひいては十分な温感を使用者に付与する観点等から、スパンレース不織布、エアスルー不織布が好ましい。
【0043】
図1及び図2には、本発明の発熱具の一実施形態が模式的に示されている。これらの図に示すように、発熱具1は、本体部10と、吸水性繊維シート20とを具備している。吸水性繊維シート20には、先に述べたとおり所定量の温感剤及び水が保持されている。
【0044】
本体部10は発熱組成物14を内包する発熱部11を収容体12に収容したものである。発熱部11は、発熱具1の使用時に使用者の肌側を向く第1のシー11aと、使用時に外側を向く第2のシート11bとを有している。第1のシート11a及び/又は第2のシート11bは、少なくとも一部に通気性を有している。第1のシート11aと第2のシート11bとは略同形をしており、両シート11a,11bの周縁部が所定の手段によって密封接合され、発熱組成物14を内包し得る発熱組成物存在可能域が形成されている。発熱部11に含まれる発熱組成物14中の被酸化性金属が、シート11a及び/又はシート11bにおける通気性を有する部位を通じて透過してきた酸素と接触することによって、酸化発熱が生じる。また、第1のシート11aと第2のシート11bの通気度を適切に調整することで、第1のシート11aを通じて水蒸気が優先的に放出されるように構成されている。
【0045】
以上より、第1のシート11aの通気度(JIS P8117)は1000〜50000秒/(100ml・6.42cm2)、特に5000〜40000秒/(100ml・6.42cm2)であることが、発熱具1の発熱性及び発熱具1が多量の水蒸気を発生するものである場合には、該水蒸気の放出性の点から好ましい。一方、第1のシート11aが非通気性である場合には、第2のシート11bはその一部に通気性を有する。この場合、第2のシート11bの通気度(JIS P8117)は5000〜200000秒/(100ml・6.42cm2)、特に10000〜100000秒/(100ml・6.42cm2)であることが、発熱具1の発熱性の点から好ましい。
【0046】
第1のシート11a及び/又は第2のシート11bを通気性とするには、例えば第1のシート11a及び/又は第2のシート11bの構成材料として、例えば不織布若しくは填料を含む樹脂シートを延伸して得られた微多孔性シート又はそれらのラミネートなどを用いればよい。第1のシート11a又は第2のシート11bを非通気性となすには、例えば第1のシート11a又は第2のシート11bの構成材料として、非通気性の樹脂フィルムや、該樹脂フィルムの外面に不織布をラミネートして風合いを高めたものなどを用いればよい。
【0047】
発熱部11を収容している収容体12は第1のシート12aと第2のシート12bの周縁部どうしを接合することで形成されている。第1のシート12aは、発熱具1の使用時に使用者の肌側を向き、第2のシート12bは、使用時に外側を向く。本体部10は扁平なシート状の形状をしており、第1の面10aとそれに対向する第2の面10bを有している。第1の面10aは、発熱具1の使用時における肌当接面側に位置し、第2の面10bは、発熱具1の使用時に外方を向く面側に位置する。そして、収容体12の第1のシート12aの外面には吸水性繊維シート20が配置されている。
【0048】
発熱具1が多量の水蒸気を発生するものである場合、収容体12の第1のシート12a及び第2のシート12bも、発熱部11の第1のシート11a及び第2のシート11bと同様に、それらのうちの少なくとも一方が、その一部に通気性を有することが好ましい。中でも第1のシート12aが通気性を有することが好ましい。第1のシート12aが通気性を有すると、第1のシート12aを通じて発熱部11から生じた水蒸気が本体部10の内部から外部へ放出され、発熱具1の使用中常に吸水性繊維シート20へ水分が供給され続けるため、長時間にわたって本発明の効果が維持されるので、非常に好ましい。この場合、第2のシート12bは通気性でもよく、あるいは非通気性でもよい。
【0049】
第1のシート12a及び/又は第2のシート12bを通気性とするには、例えば第1のシート12a及び/又は第2のシート12bの構成材料として、例えば不織布若しくは填料を含む樹脂シートを延伸して得られた微多孔性シート又はそれらのラミネートなどを用いればよい。第1のシート12a又は第2のシート12bを非通気性となすには、例えば第1のシート12a又は第2のシート12bの構成材料として、非通気性の樹脂フィルムや、該樹脂フィルムの外面に不織布をラミネートして風合いを高めたものなどを用いればよい。
【0050】
収容体12の第1のシート12aが少なくとも通気性を有する場合、とりわけ、発熱部11の第1のシート11a及び収容体12の第1のシート12aが通気性を有する場合には、収容体12の第1のシート12aの構成材料として、疎水性のシート材料を用いることが好ましい。このような材料を用いることで、第1のシート12aの外面に配置されている吸水性繊維シート20に含浸されている水が、第1のシート12aを通じて発熱部11へ浸入しにくくなるので、該発熱部11の発熱特性が損なわれることが効果的に防止される。このような材料としては、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンテレフタレートが好ましく、形態としては不織布や、填料を含む樹脂シートを延伸して得られた微多孔性シートや、該微多孔性シートの外面に不織布をラミネートしたものが好ましい。
【0051】
図1に示すように、発熱具1においては、これを平面視したとき、発熱部11における発熱組成物存在可能域と吸水性繊維シート20とが重なり部を有するように、該発熱部11と該吸水性繊維シート20とが第1のシート12aを介して配置されている。このような配置状態を採用することで、発熱部11によって生じた熱が、吸水性繊維シート20に保持されている温感剤及び水に効率的に伝わり、温感剤及び水が使用者の皮膚に首尾良く移行・浸透するようになる。同図においては、平面視において、発熱組成物存在可能域の周縁の全域と吸収性繊維シート20とが同一の大きさで両者が重なり部を有している。尤も重なり部の態様はこれに限られず、平面視において、発熱組成物存在可能域の周縁の全域から吸収性繊維シート20が延出することで両者が重なり部を有していてもよく、あるいは、平面視において、吸収性繊維シート20の周縁の全域から発熱組成物存在可能域が延出することで両者が重なり部を有していてもよく、あるいは発熱組成物存在可能域の一部と吸収性繊維シート20の一部とが重なっていてもよい。なお、発熱組成物存在可能域とは、前述のとおり、第1のシート11aと第2のシート11bの周縁部が所定の手段によって密封接合されて形成された、発熱組成物14を内包し得る領域である。
【0052】
吸水性繊維シート20を第1のシート12aに固定するためには、例えば接着剤による接着や融着などの各種の接合手段を用いることができる。特に第1のシート12aを構成するシート材料が通気性を有する場合には、該シート材料の通気性が損なわれないような態様で吸水性繊維シート20を第1のシート12aに固定することが、水蒸気の放出性等が妨げられにくくなる点から有利である。例えば、散点状の接合部が多数形成されるように吸水性繊維シート20と第1のシート12aとを接合することや、周縁接合部のみで吸水性繊維シート20と第1のシート12aとを接合するが好ましい。あるいは接着剤を不連続に塗布したり、スパイラル状に塗布したりして、吸水性繊維シート20と第1のシート12aとを接合することも好ましい。
【0053】
図1及び図2に示すように、第1のシート12aの周縁部には、粘着剤層13が形成されていることが好ましい。粘着剤層13は、発熱具1を使用者の肌に貼付するためのものである。粘着剤層13は、発熱部11における発熱組成物存在可能域及び吸水性繊維シート20を囲繞するように、第1のシート12aの周縁部において連続して形成されていることが、十分な温感を使用者に持続的に付与する観点から好ましい。尤も、粘着剤層13の形成パターンはこれに限られず、第1のシート12aの周縁部において断続的に形成されていてもよい。
【0054】
本実施形態の発熱具1は、その使用前は、その全体が酸素バリア性を有する包装材(図示せず)によって包装されて、発熱部11が空気中の酸素と接触しないようになっている。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・day・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・day・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等のフィルム、又はそのようなフィルムにセラミック若しくはアルミニウム等を蒸着したフィルムが挙げられる。
【0055】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明はかかる実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、吸水性繊維シート20は、本体部10における収容体12とは別体のものであったが、これに代えて、吸水性繊維シート20を別体とせず、第1のシート12aの一部が吸水性繊維シートであってもよい。
【0056】
また、図1及び図2に示す実施形態においては、一つの収容体12内に一つの発熱部11が収容されて本体部10を形成していたが、これに代えて、一つの収容体12内に複数の発熱部11が収容されていてもよい。
【0057】
また、図1及び図2に示す実施形態においては、発熱具1の平面視での輪郭は略矩形であったが、発熱具1の具体的な適用部位に応じた種々の形状を採用することができる。
【0058】
本発明の発熱具は、これを人体に適用して温感を付与するために用いられるものである。具体的な適用部位としては、例えば肩、腰、頚、顔、臀部、足、頭皮、手又は腕等の身体部分の皮膚が挙げられる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」及び「部」はそれぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
【0060】
〔実施例1〕
化学エネルギーとして被酸化性金属の酸化熱を利用した発熱具を製造した。この発熱具は、図1及び図2に示す構造を有するものである。発熱具1は、発熱部11を有している。発熱部11は通気性シートからなる収容体12内に収容されて本体部10が形成されている。本体部10における第1のシート12aの外面に吸水性繊維シート(不織布)20を取り付けた。この構成の発熱具を以下の手順で製造した。
【0061】
(1)発熱部11に内包される発熱組成物14の製造
発熱部11に内包される発熱組成物14の原料組成物の配合は以下のとおりである。
・被酸化性金属:鉄粉、同和鉱業株式会社製、商品名「RKH」:83%
・保水剤:パルプ繊維(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名 NBKP「Mackenzi(CSF200mlに調整)」):8%
・活性炭:平均粒径45μm、(日本エンバイロケミカル株式会社製、商品名「カルボラフィン」)9%
【0062】
前記原料組成物の固形分(被酸化性金属、繊維状物及び活性炭の合計)100部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7部及びアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」0.18部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12%となるまで添加しスラリーを得た。このスラリーを用い、これを抄紙ヘッドの直前で0.3%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄83%、活性炭9%、パルプ8%であった。得られた成形シートに、該成形シート100部に対し、5%の食塩水を40部添加した。このようにして、略矩形のシート状の発熱組成物14(49mm×49mm)を得た。
【0063】
(2)発熱部11の製造
第1のシート11aとして、炭酸カルシウムを含む多孔質の延伸ポリエチレン透湿性フィルム(通気度30000秒/(100ml・6.42cm2))を用いた。第2のシート11bとして、ポリエチレン製の非通気性フィルムを用いた。両フィルム間に、先に得られたシート状の発熱組成物14を2枚配置し、両フィルムの周縁部どうしを接合して、発熱組成物14を被覆した。このようにして略矩形のシート状の発熱部11(63mm×63mm)を製造した。発熱組成物存在可能域の大きさは、50mm×50mmであった。
【0064】
(3)本体部10の製造
第1のシート12aとして、ポリエチレンテレフタレートからなる不織布(坪量38g/m2)を用いた。第2のシート12bとして、ポリプロピレン不織布からなる不織布(坪量50g/m2)を用いた。両不織布間に、先に得られた略矩形のシート状の発熱部11を1枚配置し、両不織布の周縁部どうしを接合して、発熱部11を収容体12中に収容した。このようにして略矩形の本体部10(85mm×89mm)を製造した。
【0065】
(3)発熱具1の製造
本体部10における第1のシート12aの外面に、略矩形の50mm×50mmの吸水性繊維シート(不織布)20を取り付けた。取り付けは、吸水性繊維シート(不織布)の四隅にのみホットメルト粘着剤を塗布することで行った。この吸水性繊維シート(不織布)は坪量38g/m2のスパンレース不織布であった。吸水性繊維シート(不織布)の構成繊維は、親水性繊維としてのレーヨン(繊維径18μm)80%及びポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維(繊維径20μm)20%であった。この吸水性繊維シート(不織布)に表1に示す量の温感剤、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)及び水を含浸させた。含浸は次の手順で行った。まず温感剤及びポリエチレングリコールをエタノールに溶解して溶液を調製した。この溶液を吸水性繊維シート(不織布)に含浸させ、次いでエタノールを乾燥除去した。その後、吸水性繊維シート(不織布)に水を含浸させた。吸水性繊維シート(不織布)における温感剤、ポリエチレングリコール及び水の保持量は以下の表1に示すとおりであった。このようにして発熱具1を得た。
【0066】
〔実施例2ないし9並びに比較例1及び2〕
発熱部11及び吸水性繊維シート(不織布)20として以下の表1に示すものを用いた。また温感剤の種類及び含有量、水の含有量並びにポリエチレングリコールの含有量を表1に示すとおりとした。これら以外は実施例1と同様にして発熱具1を得た。
【0067】
〔比較例3〕
ポリアクリル酸部分中和物7部、カルボキシメチルセルロースナトリウム2部、ポリオキシエチレンモノステアレート0.5部、濃グリセリン35部、乾燥水酸化アルミニウムゲル0.1部、ショーガオール0.015部及び精製水55.385部を混合し均一に攪拌した。その後、50mm×50mmに裁断した不織布上に混合物2.0gを均一な厚みとなるよう塗布し、剥離シートで被覆することでパップ剤を作製した。実施例1と同様に、本体部10における第1のシート12aに、得られた50mm×50mmのパップ剤不織布を、パップ剤を塗布した面が肌と当接するように取り付けた。取り付けは、パップ剤不織布の四隅にのみホットメルト粘着剤を塗布することで行った。パップ剤不織布に保持されているショーガオール量は12μg/cm2であった。
【0068】
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた発熱具について、JIS S4000に準拠した発熱温度を測定した。
また、先に述べた方法で、発熱開始から1.5時間までの間に継続して発生する水蒸気の積算量を測定した。更に、以下の方法で使用感を評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
【0069】
〔使用感〕
発熱具1を5名のパネラーの肩に貼付し、貼付30分後及び2時間後の皮膚感覚を、以下の基準でパネラーに評価させた。最も人数の多い評価を使用感の評価とした。結果を表1に示す。
×強:肌刺激強い。
○強:良好な温感増強ではあるが、肌刺激がややあり。
◎ :不快な刺激が抑えられつつ、かつ温感増強あり。
○弱:不快な刺激は抑えられているが、やや弱めの温感増強。
△弱:不快な刺激は抑えられているが、温感増強もほとんどない。
×弱:温感増強なし。
【0070】
【表1】

【0071】
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の発熱具は、特定の含水量の場合、温感の増強効果が高いことが判る。また、不快な刺激が抑えられていることも判る。これに対して、不織布に温感剤及び水が保持されていても、発熱組成物中に食塩水が含まれていないことで発熱が起こらない場合(比較例1)には、温感の増強効果がないことが判る。また不織布に温感剤が多量に保持されていても、水が保持されていない場合(比較例2)にも、温感の増強効果がないことが判る。また、パップ剤を用いた場合(比較例3)でも発熱具の温感増強効果がないことが判る。この理由は、比較例3の発熱具には、各実施例の発熱具に比べて多量の水が保持されているため、このことに起因して気化熱が奪われ、温感増強効果が得られなかったからであると考察される。
【符号の説明】
【0072】
1 発熱具
10 本体部
11 発熱部
12 収容体
13 粘着剤層
14 発熱組成物
20 吸水性繊維シート(不織布)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS S4000に準拠して測定された発熱温度が37〜60℃であり、
一般式(1)で表される温感剤が0.1〜100μg/cm2、及び水が0.1〜50μg/cm2保持されている吸水性繊維シートを肌当接面に備える発熱具。
【化1】

【請求項2】
前記吸水性繊維シートの保水率が200〜2000質量%である請求項1に記載の発熱具。
【請求項3】
前記吸水性繊維シートが坪量10〜100g/m2である請求項2に記載の発熱具。
【請求項4】
発熱組成物を内包する発熱部と、該発熱部を収容し、かつ少なくとも一部が通気性を有する収容体とを備えた本体部、及び
前記収容体の一部を構成し、かつ該収容体の肌当接面側に位置する第1のシートの外面に配置された前記吸水性繊維シート、
を具備する請求項1〜3のいずれか一項に記載の発熱具。
【請求項5】
前記発熱部における発熱組成物存在可能域と前記吸水性繊維シートとが重なり部を有するように第1のシートを介して配置されている請求項4に記載の発熱具。
【請求項6】
前記収容体における肌当接面側に位置する第1のシートが通気性を有し、該第1のシートを通じて前記発熱部から生じた水蒸気が前記本体部の内部から外部へ放出可能になっている請求項4又は5に記載の発熱具。
【請求項7】
前記収容体における肌当接面側に位置する第1のシートが通気性を有し、かつ疎水性のシート材料からなる請求項4〜6のいずれか一項に記載の発熱具。
【請求項8】
前記吸水性繊維シートに、更に多価アルコールが保持されており、該多価アルコールが、前記温感剤の100質量部に対して100〜100000質量部用いられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の発熱具。
【請求項9】
前記温感剤を前記吸水性繊維シートに保持させた後に前記水を該吸水性繊維シートに保持させて形成されてなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の発熱具。

【図1】
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【図2】
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