発熱具
【課題】一度衣類に貼り付けたものを再度貼り直した場合であっても、十分な粘着力をもって衣類に貼り付けることができる発熱具を提供することを課題とする。
【解決手段】空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物Aが収納され、一方面に通気性を有する袋体2と、袋体2の他方面に形成された粘着層3と、粘着層3を覆うように粘着層3上に配置された第1剥離シート4と、第1剥離シート4を覆うように第1剥離シート4上に配置された第2剥離シート5と、を備え、第1剥離シート4は、第2剥離シート5を第1剥離シート4から剥離した際に、第2剥離シート5とともに剥離される剥離部41と、粘着層3側に残る残存部42とを有する。
【解決手段】空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物Aが収納され、一方面に通気性を有する袋体2と、袋体2の他方面に形成された粘着層3と、粘着層3を覆うように粘着層3上に配置された第1剥離シート4と、第1剥離シート4を覆うように第1剥離シート4上に配置された第2剥離シート5と、を備え、第1剥離シート4は、第2剥離シート5を第1剥離シート4から剥離した際に、第2剥離シート5とともに剥離される剥離部41と、粘着層3側に残る残存部42とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱具に関するものであり、より詳細には一度衣類に貼り付けたものを再度貼り直すことができる発熱具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、通気面を有する偏平状の袋体の内部に、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物を充填した使い捨てカイロを衣類などに対して貼り付ける、いわゆる貼るタイプの使い捨てカイロが広く使用されている(例えば特許文献1)。このような貼るタイプの使い捨てカイロは、袋体の通気面と対向する面に粘着層を形成し、この粘着層を用いて衣類などに貼り付けて使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−208031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の貼るタイプの使い捨てカイロは、その発熱時間が長時間となっているため、例えば、通勤や通学時に使用したものを家に帰ってからも使用することが可能である。このように貼るタイプの使い捨てカイロを帰宅してからも使用する場合、通常、帰宅してからは通勤や通学時の服装から着替えるため、貼るタイプの使い捨てカイロも着替えた後の衣類に貼り直す必要がある。しかしながら、このように一度衣類に貼り付けたものを一旦剥がして再度貼り直す場合は、粘着層に衣類の繊維や埃などが付着するため粘着層の粘着力が弱くなり、衣類から剥がれやすくなるという問題がある。そこで、本発明は、一度衣類に貼り付けたものを再度貼り直した場合であっても、十分な粘着力をもって衣類に貼り付けることができる発熱具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の発熱具は、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、前記袋体の他方面に形成された粘着層と、前記粘着層を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、前記第1剥離シートを覆うように前記第1剥離シート上に配置された第2剥離シートと、を備え、前記第1剥離シートは、前記第2剥離シートを前記第1剥離シートから剥離した際に、前記第2剥離シートとともに剥離される剥離部と、前記粘着層側に残る残存部とを有する。
【0006】
このように構成された発熱具は、まず、第2剥離シートを剥離することで、第2剥離シートとともに第1剥離シートの剥離部も一緒に剥離され、粘着層の剥離部によって覆われていた部分が露出し、この露出した部分を用いて1回目の貼り付けが行われる。次に、このように一度貼り付けられた発熱具を新たな衣類や異なる場所に貼り直ししたい場合は、発熱具を一旦衣類から剥がし、粘着層上に残っている第1剥離シートの残存部を剥離する。これにより、1回目の貼り付けに使用されなかった粘着層の新たな部分が露出し、この粘着層の新たに露出した部分と1回目の貼り付けに使用した部分とを使用して、新たな衣類に2回目の貼り付けを行う。これにより、2回目の貼り付けであっても、十分な粘着力をもって発熱具を衣類に貼り付けることができる。
【0007】
上記第1剥離シートは、易切断線により、剥離部と残存部とに分かれているような構成とすることが好ましい。このように易切断線により容易に切断できる程度に剥離部と残存部とを連結させておくことにより、袋体に貼り付ける前の第1剥離シート及び第2剥離シートを一体的に取り扱うことができ、その取り扱いを容易にすることができる。なお、易切断線とは、剥離部と切断部とを連結しつつ容易に切断することができるよう形成された線のことであり、例えばハーフカットやミシン目などによって形成することができる。また、易切断線は、第2剥離シートを剥離する際に、剥離部が第2剥離シートとともに剥離されることで残存部と分離する程度に容易に切断することができる。
【0008】
また、上記剥離部は、粘着層の外周縁部の全周に亘って形成されていることが好ましい。この構成によれば、1回目の貼り付けの際に剥離部が剥離されることで、粘着層の外周縁部が全て露出され、この部分において1回目の貼り付けを行うことができる。このように粘着層の外周縁部によって1回目の貼り付けを行うことができるため、1回目の貼り付けを安定したものとすることができる。
【0009】
また、上記残存部は、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有するような構成とすることができる。この構成によれば、残存部が、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有しているため、2回目の貼り付けを行うために残存部を粘着層から剥離すると、各突起部によって覆われていた粘着層の外周縁部が露出し、2回目の貼り付けの際にも粘着層の外周縁部を用いて貼り付けを行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る第2の発熱具は、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、前記袋体の他方面に形成された粘着層と、前記粘着層の一部を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、前記粘着層を覆うよう、前記第1剥離シートを介して前記粘着層上に配置された第2剥離シートと、を備えている。
【0011】
この第2の発熱具によれば、まず、1回目の貼り付けとして第2剥離シートを剥離し、粘着層の第1剥離シートによって覆われていない部分を露出させ、その部分を使用して1回目の貼り付けを行う。次に、この一度貼り付けを行った発熱具を新たな衣類や異なる場所などに貼り直ししたい場合は、一旦、発熱具を衣類から取り外し、第1剥離シートを剥離して粘着層を新たに露出させ、この粘着層の未使用部分と、1回目の貼り付けに使用した使用済み部分とを使用して、新たな衣類などに貼り付ける。これにより、2回目の貼り付けであっても十分な粘着力をもって発熱具を衣類に貼り付けることができる。
【0012】
上記第2の発熱具は、種々の構成をとることができるが、例えば上記第1剥離シートは、粘着層の外周縁部には配置されていない構成とすることができる。これによれば、1回目の貼り付けの際に第2剥離シートを剥離すると、粘着層の外周縁部が露出される。このように1回目の貼り付けにおいて粘着層の外周縁部を衣類に貼り付けることができるため、安定した貼り付けとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一度衣類に貼り付けた発熱具を再度貼り直した場合であっても、十分な粘着力をもって衣類に再度貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本実施形態に係る発熱具の平面図である。
【図2】図2は図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の平面図である。
【図4】図4は本実施形態に係る第2剥離シートを剥離した発熱具の平面図である。
【図5】図5は本実施形態に係る発熱具の変形例を示す正面断面図である。
【図6】図6は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の変形例を示す平面図である。
【図7】図7は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図8】図8は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図9】図9は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図10】図10は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図11】図11は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図12】図12は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図13】図13は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る発熱具の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、発熱具1は、袋体2と、袋体2の上面に形成された粘着層3と、粘着層3を覆う第1剥離シート4と、第1剥離シート4を覆う第2剥離シート5と、を備えている。
【0017】
(袋体)
袋体2は、図2に示すように、平面視矩形状の第1シート21及び第2シート22の外周縁部同士をヒートシールなどで接着することによって偏平袋状に形成されており、その内部には発熱組成物Aが充填されている。第1シート21は、通気性を有するシートから構成されており、例えば、JIS K7129に規定されるA法(感湿センサー法)により測定した水蒸気透過度が100〜2000g/m2・day程度のシートが好ましく、200〜1000g/m2・day程度とすることがより好ましい。このような第1シート21は、単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。多層構成とする場合、例えば、第1シート21を、多孔質フィルムと不織布とを積層した積層シートとすることができ、この場合は多孔質フィルムを発熱組成物と接するように配置する。このような多孔質フィルムの材質としては、例えば、ウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができ、また、不織布の材質としては、ポリエステルやポリプレピレン、ナイロン、レーヨン、ポリオレフィンなどを挙げることができる。また、第2シート22は、非通気性のシートから構成されており単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。第2シート22を多層構成とする場合は、例えば、第1シート21と固着させるシーラント層にメタロセン触媒によって共重合させたポリエチレンを配置し、このシーラント層上面に乳白加工をして中間層を形成することで発熱組成物の隠蔽性を上げ、また、この中間層上面に粘着加工性を上げた積層状のポリエチレンを表面層として形成した構成することができる。
【0018】
(発熱組成物)
袋体2内に充填される発熱組成物Aとしては、空気との接触により発熱するものであればよく、例えば、鉄粉、保水剤、金属塩、及び水を含む組成物を使用することができる。なお、発熱組成物A中における鉄粉、保水剤、金属塩、及び水の合計質量は、80〜100質量%程度が好ましい。なお、鉄粉が空気中の酸素と反応して発熱することにより、本発熱具1は温熱効果を発揮できる。
【0019】
鉄粉としては、還元鉄、鋳鉄等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。鉄粉の形状としては、粒状、繊維状等が挙げられる。これらの形状の鉄粉を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。また、粒状の鉄粉の粒径は、通常10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度の範囲内を充足することが望ましい。なお、本明細書に記載の粒径は、測定対象となる試料(鉄粉等)100gを、700μm、650μm、500μm、400μm、300μm、250μm、100μm、50μm、10μmの篩を上から順に設けた電動振動篩機にかけ、15分間振動させた後、各篩に残った量及び通過した量を測定することにより算出できる。例えば、粒径が10〜300μmの鉄粉を使用する場合には、300μmの篩は全て通過し、且つ10〜250μmのいずれか又は全ての篩上に残る鉄粉を用いればよい。発熱中における前記鉄粉の含有量は、30〜80質量%程度が好ましく、45〜65質量%程度がより好ましい。
【0020】
上記発熱組成物中の保水剤とは、水を保持する機能を有する物質である。保水剤としては、例えば、多孔質物質、吸水性樹脂等を挙げることができる。多孔質物質としては、具体的には、活性炭、木粉、パーライト、バーミキュライト、ヒル石等が挙げられる。活性炭は、表面の微孔に空気を取り込んで酸素の供給を促したり、熱を保って放熱温度がばらつかないように保温することができる。活性炭は内部構造が非常に多孔性であり、そのため特に良好な水保持能を与える。さらに、活性炭は水を良く吸収するのみならず、発熱組成物の熱の発生により蒸発される水蒸気も吸収し、水蒸気の逃げの防止を助ける。従って、活性炭は水保持物質としても役立つことができる。さらに、活性炭は鉄粉の酸化により生ずる臭いも吸収することができる。前記活性炭としては、例えば、ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭等から調製された活性炭を好適に使用できる。前記活性炭の形状としては、粒状、繊維状等が挙げられる。これらの形状の活性炭を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。特に、本発明では、粒状の活性炭を使用することが好ましい。粒状の活性炭を使用する場合、その粒径は、10〜300μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好ましい。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。また、木粉、パーライト、バーミキュライト、及びヒル石についても、水を保持できる限り、その形状については特に制限されないが、発熱具の使用感を高めるために、粒状のものが好ましい。木粉、パーライト、バーミキュライト、及びヒル石について、粒状のものを使用する場合、その粒径は、通常300μm程度以下、好ましくは250μm程度以下である。当該粒径の測定方法についても、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。これらの多孔質物質の中でも、好ましくは、活性炭、ヒル石、バーミキュライトであり、更に好ましくは活性炭及びヒル石、特に好ましくは活性炭である。これらの多孔質物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
また、保水剤として使用される吸水性樹脂としては、具体的には、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体、ポリアクリル酸塩架橋物、アクリル酸塩−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリアクリルニトリル酸塩架橋物等が挙げられる。これらの吸水性樹脂の中でも、好適なものとして、ポリアクリル酸塩架橋物が挙げられる。吸水性樹脂の粒径は、通常100〜500μm程度、好ましくは250〜400μm程度である。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。これらの吸水性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。保水剤は、多孔質物質及び吸水性樹脂のいずれか一方を使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。発熱組成物に使用される保水剤として、好ましくは、多孔質物質、多孔質物質と吸水性樹脂の組合せ;更に好ましくは活性炭、活性炭と他の多孔質物質(活性炭以外の多孔質物質)と吸水性樹脂の組合せ、より好ましくは活性炭とヒル石とポリアクリル酸塩架橋物の組合せが例示される。
【0022】
前記発熱組成物中における前記保水剤の含量は、2〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。より具体的には、前記保水剤として、多孔質物質を単独で使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、10〜30質量%が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。また、前記保水剤として、吸水性樹脂を単独で使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、2〜10質量%が好ましく、2〜7質量%程度がより好ましい。また、前記保水剤として、多孔質物質と吸水性樹脂を組み合わせて使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、多孔質物質5〜20質量%、吸水性樹脂1〜10質量%が好ましく、多孔質物質7〜20質量%、吸水性樹脂1〜5質量%がより好ましい。特に、保水剤として、活性炭と他の多孔質物質と吸水性樹脂の組合せを使用する場合であれば、活性炭3〜20質量%、他の多孔質物質1〜10質量%、吸水性樹脂1〜10質量%が好ましく、活性炭5〜15質量%、他の多孔質物質1〜5質量%、吸水性樹脂1〜5質量%がより好ましい。
【0023】
金属塩は、空気との酸化反応を容易にするために、鉄粉の表面を活性化させて、鉄の酸化反応を促進させることができる。このような金属塩としては、公知の発熱組成物に使用されている金属塩を使用すればよく、例えば、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;塩化第二銅、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム、塩化第一銅等の塩化物等が挙げられる。また、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩及び他の塩も使用することができる。これら金属塩については、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。なお、金属塩の粒径は、通常100〜700μm程度、好ましくは250〜650μm程度である。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。また、発熱組成物A中における金属塩の含有量は、0.5〜10質量%程度が好ましく、1〜3質量%程度がより好ましい。
【0024】
水としては、例えば、蒸留水、水道水等を使用できる。発熱組成物中における水の含有量は、1〜40質量%程度が好ましく、20〜30質量%程度がより好ましい。
【0025】
また、発熱組成物Aは、上記成分以外にも、必要に応じて、発熱組成物に配合可能な他の添加剤を含有してもよい。以上の各成分を混合することにより、発熱組成物Aを調製することができる。混合は、必要に応じて、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、例えば、米国特許第4,649,895号に記載された方法に従って混合すればよい。
【0026】
(粘着層)
粘着層3は、第2シート22の外側面に形成されており、例えば、アクリル系粘着剤や、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、松脂などを第2シート22に塗布することによって形成することができる。この粘着剤の塗布量は、粘着剤の厚みが40〜70μm程度となるように塗布することが好ましい。この粘着層3を長手方向若しくは短手方向に端から端まで延びるように非粘着部を形成してもよい。この非粘着部は、例えば、粘着層3をその部分だけ形成しないことによって形成したり、若しくは一旦粘着層3を形成した後に非粘着性の物質を粘着層3上に塗布したりすることで形成することができる。このように非粘着部が形成されることによって、この非粘着部から後述する第1剥離シート4の残存部42を剥離し易くなり、また、2回目の貼り付けのために一度貼り付けた発熱具1を衣服から剥がす際に、非粘着部の部分から指を差し込むことができ、発熱具を剥がしやすくすることができる。なお、ゴム系の粘着剤の具体例としては、例えば、天然ゴムや、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)系、SBR(スチレン・ブタジエンラバー)系などの合成ゴム等を挙げることができる。
【0027】
(第1剥離シート)
図3に示すように、第1剥離シート4は、粘着層3と同様の矩形状をしており、粘着層3全体を覆っている。この第1剥離シート4は、ハーフカットにより剥離部41と残存部42とに分かれおり、残存部42にのみ、上面、すなわち後述する第2剥離シート5と対向する面に、シリコーン樹脂を塗布するなどして、第2剥離シート5と粘着しづらくしている。これにより、第2剥離シート5を剥離すると、剥離部41のみが第2剥離シート5と一緒に剥離され、残存部42は第2剥離シート5と十分に粘着していないため、粘着層3側に残る。なお、第1剥離シート4の材質としては、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどを単独又は複数組み合わせて積層したもの等を挙げることができる。
【0028】
剥離部41及び残存部42の形状は、種々の形状とすることができるが、1回目の貼り付けの際に発熱具1の外周縁部を隙間無く衣類へと貼り付けるために、剥離部41は、粘着層3の外周縁部の全周に亘って形成された枠状とすることが好ましい。このように枠状に形成することによって、剥離部41が一体的に形成されているために、後述する第2剥離シート5を剥離する際に、剥離部41が第2剥離シート5とともによりスムーズに剥離されるという利点も有している。
【0029】
残存部42は、2回目の貼り付けの際に粘着層3の新たに露出される部分を粘着層3の外周縁部にも残すよう、外周縁に向かって延びる複数の突起部421を有していることが好ましい。また、残存部42は、外周縁の角部が全て湾曲するような輪郭を有することによって、後述する第2剥離シート5の剥離の際に、残存部42が部分的に一緒に剥離されてしまうことを防止することができる。また、残存部42には、その中央に長手方向(図3の左右方向)に端から端まで延びるスリットを入れてもよく、これによって、スリットから残存部42を容易に剥離することができる。なお、粘着層3に非粘着部を形成する場合は、残存部42のスリットが非粘着部上に配置されるような位置関係とすることが好ましい。
【0030】
なお、第1剥離シート4全体の面積に対する剥離部41の面積の割合、すなわち、粘着層3全体の面積に対する1回目の貼り付けの際に使用する粘着層3の面積の割合は、約62.5〜87.5%とすることが好ましく、約75.0〜87.5%とすることがさらに好ましい。このような面積比にすることによって、後述するように1回目に貼ったときの粘着力と、2回目に貼ったときの粘着力との差を小さくすることができ、この結果、粘着層3の粘着力を調整することによって、1回目及び2回目の両方の貼り付けにおいて、発熱具1を衣類に十分粘着させることができるとともに、発熱具1を衣類から剥がすときに衣類を損傷させることもない。なお、剥離部41によって覆われた部分における粘着層3の粘着力や、残存部42によって覆われた部分における粘着層3の粘着力は、10〜30Nとすることが好ましい。粘着力の範囲をこのようにすることによって、発熱具1を衣類に十分な粘着力をもって貼り付けるとともに、衣類から剥がすときに衣類を損傷させることもない。
【0031】
(第2剥離シート)
第2剥離シート5は、第1剥離シート4と同様の矩形状をしており、第1剥離シート4全体を覆っている。また、第2剥離シート5の下面、すなわち第1剥離シート4と対向する面は粘着面となっている。この第2剥離シート5の粘着面による剥離部41への粘着力は、粘着層3による剥離部41への粘着力よりも大きいため、第2剥離シート5を剥離すると、上述した第1剥離シート4の剥離部41は、第2剥離シート5と一緒に剥離される。なお、残存部42の上面には上述したようにシリコーン樹脂が塗布されているため、粘着層3による残存部42への粘着力の方が、第2剥離シート5の粘着面による残存部42への粘着力よりも大きく、第2剥離シート5を剥離しても残存部42は粘着層3側に残っている。なお、第2剥離シート5の材質としては、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどを単独又は複数組み合わせて積層したもの等を挙げることができ、また、粘着面はアクリル系粘着剤や、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、松脂などによって形成することができる。なお、第2剥離シート5にも、スリットを入れることで剥離しやすくすることができ、例えば、その中央において長手方向(図1の左右方向)に端から端まで延びるようにスリットを入れることができる。
【0032】
(使用方法)
次に、上述した発熱具1の使用方法について説明する。
【0033】
発熱具1は、発熱組成物Aが空気の存在下で発熱するため、使用前においては空気との接触を防ぐ必要があり、通常は、空気を通過させることのない気密性を有する包装体内に収容されており、使用に際し包装体を開封して発熱具1を取り出す。
【0034】
包装体から取り出された発熱具1を衣類に貼り付けるため、1回目の貼り付けとして、まず第2剥離シート5を剥がす。これにより、第1剥離シート4の剥離部41のみが第2剥離シート5と一緒に剥がれ、粘着層3の剥離部41によって覆われていた部分が露出する(図4参照)。そして、この露出した部分を使用して、発熱具1を衣類に貼り付ける。
【0035】
衣類を着替えることなどによって発熱具1を貼り直す必要があるときは、まず発熱具1を衣類から剥がし、第1剥離シート4の残存部42を剥離する。これにより、粘着層3は全て露出した状態となる。そして、2回目の貼り付けとして、残存部42を剥離することによって新たに露出した部分における粘着層3と、1回目の貼り付けの際に使用された部分における粘着層3とを使用して、発熱具1を衣類に貼り付ける。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る発熱具1によれば、1回目に貼るときは、第1剥離シート4の剥離部41によって覆われていた部分における粘着層3を使用して発熱具1を衣類に貼り付け、2回目に貼るときは第1剥離シート4の残存部42によって覆われていた部分における粘着層3を新たに露出させて衣類に貼り付けることができるため、2回目に貼るときであっても、十分な粘着力で発熱具1を衣類に貼り付けることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、第1剥離シート4は粘着層3の上面全体を覆っているが、例えば、図5及び図6に示すように、第1剥離シート4が粘着層3の一部のみを覆うような構成、例えば、粘着層3の外周縁部上には第1剥離シート4が配置されていないような構成とすることができる。そして、第2剥離シート5を粘着層3と同じ大きさとすることにより、第2剥離シート5で、第1剥離シート4及び第1剥離シート4により覆われていない粘着層3の外周縁部を覆っている。このように構成された発熱具1は、第2剥離シート5を剥離すると、第1剥離シート4によって覆われていない粘着層3の外周縁部が露出し、この露出した部分で1回目の貼り付けを行う。そして、発熱具1を貼り直す場合は、第1剥離シート4を剥離し、この新たなに露出した部分も使用して2回目の貼り付けを行う。
【0039】
また、上記実施形態では、第1剥離シート4は、剥離部41と残存部42とがハーフカットにより分かれているため部分的に連結されているが、特にこれに限定されるわけではなく、例えば、剥離部41と残存部42とを完全に分離していてもよい。その他にも、剥離部41と残存部42とをミシン目によって分離するなど、種々の方法で剥離部41と残存部42とを分離することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、第2剥離シート5の下面が粘着面となっていることにより、第2剥離シート5と剥離部41とが粘着していたが、第2剥離シート5の下面ではなく剥離部41の上面を粘着面とすることによって第2剥離シート5と剥離部41とを粘着させることができる。
【0041】
また、第1剥離シート4の剥離部41及び残存部42の形状は上記実施形態に限定されず、種々の形状とすることができる。例えば、図7に示すように、剥離部41を、粘着層3の外周縁部のみならず、残存部42内にも形成してもよい。また、第1剥離シート4の剥離部41及び残存部42の形状は、その他にも図8〜13に示すような形状にすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 発熱具
2 袋体
3 粘着層
4 第1剥離シート
41 剥離部
42 残存部
421 突起部
5 第2剥離シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱具に関するものであり、より詳細には一度衣類に貼り付けたものを再度貼り直すことができる発熱具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、通気面を有する偏平状の袋体の内部に、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物を充填した使い捨てカイロを衣類などに対して貼り付ける、いわゆる貼るタイプの使い捨てカイロが広く使用されている(例えば特許文献1)。このような貼るタイプの使い捨てカイロは、袋体の通気面と対向する面に粘着層を形成し、この粘着層を用いて衣類などに貼り付けて使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−208031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の貼るタイプの使い捨てカイロは、その発熱時間が長時間となっているため、例えば、通勤や通学時に使用したものを家に帰ってからも使用することが可能である。このように貼るタイプの使い捨てカイロを帰宅してからも使用する場合、通常、帰宅してからは通勤や通学時の服装から着替えるため、貼るタイプの使い捨てカイロも着替えた後の衣類に貼り直す必要がある。しかしながら、このように一度衣類に貼り付けたものを一旦剥がして再度貼り直す場合は、粘着層に衣類の繊維や埃などが付着するため粘着層の粘着力が弱くなり、衣類から剥がれやすくなるという問題がある。そこで、本発明は、一度衣類に貼り付けたものを再度貼り直した場合であっても、十分な粘着力をもって衣類に貼り付けることができる発熱具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1の発熱具は、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、前記袋体の他方面に形成された粘着層と、前記粘着層を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、前記第1剥離シートを覆うように前記第1剥離シート上に配置された第2剥離シートと、を備え、前記第1剥離シートは、前記第2剥離シートを前記第1剥離シートから剥離した際に、前記第2剥離シートとともに剥離される剥離部と、前記粘着層側に残る残存部とを有する。
【0006】
このように構成された発熱具は、まず、第2剥離シートを剥離することで、第2剥離シートとともに第1剥離シートの剥離部も一緒に剥離され、粘着層の剥離部によって覆われていた部分が露出し、この露出した部分を用いて1回目の貼り付けが行われる。次に、このように一度貼り付けられた発熱具を新たな衣類や異なる場所に貼り直ししたい場合は、発熱具を一旦衣類から剥がし、粘着層上に残っている第1剥離シートの残存部を剥離する。これにより、1回目の貼り付けに使用されなかった粘着層の新たな部分が露出し、この粘着層の新たに露出した部分と1回目の貼り付けに使用した部分とを使用して、新たな衣類に2回目の貼り付けを行う。これにより、2回目の貼り付けであっても、十分な粘着力をもって発熱具を衣類に貼り付けることができる。
【0007】
上記第1剥離シートは、易切断線により、剥離部と残存部とに分かれているような構成とすることが好ましい。このように易切断線により容易に切断できる程度に剥離部と残存部とを連結させておくことにより、袋体に貼り付ける前の第1剥離シート及び第2剥離シートを一体的に取り扱うことができ、その取り扱いを容易にすることができる。なお、易切断線とは、剥離部と切断部とを連結しつつ容易に切断することができるよう形成された線のことであり、例えばハーフカットやミシン目などによって形成することができる。また、易切断線は、第2剥離シートを剥離する際に、剥離部が第2剥離シートとともに剥離されることで残存部と分離する程度に容易に切断することができる。
【0008】
また、上記剥離部は、粘着層の外周縁部の全周に亘って形成されていることが好ましい。この構成によれば、1回目の貼り付けの際に剥離部が剥離されることで、粘着層の外周縁部が全て露出され、この部分において1回目の貼り付けを行うことができる。このように粘着層の外周縁部によって1回目の貼り付けを行うことができるため、1回目の貼り付けを安定したものとすることができる。
【0009】
また、上記残存部は、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有するような構成とすることができる。この構成によれば、残存部が、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有しているため、2回目の貼り付けを行うために残存部を粘着層から剥離すると、各突起部によって覆われていた粘着層の外周縁部が露出し、2回目の貼り付けの際にも粘着層の外周縁部を用いて貼り付けを行うことができる。
【0010】
また、本発明に係る第2の発熱具は、空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、前記袋体の他方面に形成された粘着層と、前記粘着層の一部を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、前記粘着層を覆うよう、前記第1剥離シートを介して前記粘着層上に配置された第2剥離シートと、を備えている。
【0011】
この第2の発熱具によれば、まず、1回目の貼り付けとして第2剥離シートを剥離し、粘着層の第1剥離シートによって覆われていない部分を露出させ、その部分を使用して1回目の貼り付けを行う。次に、この一度貼り付けを行った発熱具を新たな衣類や異なる場所などに貼り直ししたい場合は、一旦、発熱具を衣類から取り外し、第1剥離シートを剥離して粘着層を新たに露出させ、この粘着層の未使用部分と、1回目の貼り付けに使用した使用済み部分とを使用して、新たな衣類などに貼り付ける。これにより、2回目の貼り付けであっても十分な粘着力をもって発熱具を衣類に貼り付けることができる。
【0012】
上記第2の発熱具は、種々の構成をとることができるが、例えば上記第1剥離シートは、粘着層の外周縁部には配置されていない構成とすることができる。これによれば、1回目の貼り付けの際に第2剥離シートを剥離すると、粘着層の外周縁部が露出される。このように1回目の貼り付けにおいて粘着層の外周縁部を衣類に貼り付けることができるため、安定した貼り付けとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一度衣類に貼り付けた発熱具を再度貼り直した場合であっても、十分な粘着力をもって衣類に再度貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は本実施形態に係る発熱具の平面図である。
【図2】図2は図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の平面図である。
【図4】図4は本実施形態に係る第2剥離シートを剥離した発熱具の平面図である。
【図5】図5は本実施形態に係る発熱具の変形例を示す正面断面図である。
【図6】図6は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の変形例を示す平面図である。
【図7】図7は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図8】図8は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図9】図9は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図10】図10は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図11】図11は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図12】図12は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【図13】図13は本実施形態に係る第2剥離シートの記載を省略した発熱具の他の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る発熱具の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、発熱具1は、袋体2と、袋体2の上面に形成された粘着層3と、粘着層3を覆う第1剥離シート4と、第1剥離シート4を覆う第2剥離シート5と、を備えている。
【0017】
(袋体)
袋体2は、図2に示すように、平面視矩形状の第1シート21及び第2シート22の外周縁部同士をヒートシールなどで接着することによって偏平袋状に形成されており、その内部には発熱組成物Aが充填されている。第1シート21は、通気性を有するシートから構成されており、例えば、JIS K7129に規定されるA法(感湿センサー法)により測定した水蒸気透過度が100〜2000g/m2・day程度のシートが好ましく、200〜1000g/m2・day程度とすることがより好ましい。このような第1シート21は、単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。多層構成とする場合、例えば、第1シート21を、多孔質フィルムと不織布とを積層した積層シートとすることができ、この場合は多孔質フィルムを発熱組成物と接するように配置する。このような多孔質フィルムの材質としては、例えば、ウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができ、また、不織布の材質としては、ポリエステルやポリプレピレン、ナイロン、レーヨン、ポリオレフィンなどを挙げることができる。また、第2シート22は、非通気性のシートから構成されており単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。第2シート22を多層構成とする場合は、例えば、第1シート21と固着させるシーラント層にメタロセン触媒によって共重合させたポリエチレンを配置し、このシーラント層上面に乳白加工をして中間層を形成することで発熱組成物の隠蔽性を上げ、また、この中間層上面に粘着加工性を上げた積層状のポリエチレンを表面層として形成した構成することができる。
【0018】
(発熱組成物)
袋体2内に充填される発熱組成物Aとしては、空気との接触により発熱するものであればよく、例えば、鉄粉、保水剤、金属塩、及び水を含む組成物を使用することができる。なお、発熱組成物A中における鉄粉、保水剤、金属塩、及び水の合計質量は、80〜100質量%程度が好ましい。なお、鉄粉が空気中の酸素と反応して発熱することにより、本発熱具1は温熱効果を発揮できる。
【0019】
鉄粉としては、還元鉄、鋳鉄等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。鉄粉の形状としては、粒状、繊維状等が挙げられる。これらの形状の鉄粉を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。また、粒状の鉄粉の粒径は、通常10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度の範囲内を充足することが望ましい。なお、本明細書に記載の粒径は、測定対象となる試料(鉄粉等)100gを、700μm、650μm、500μm、400μm、300μm、250μm、100μm、50μm、10μmの篩を上から順に設けた電動振動篩機にかけ、15分間振動させた後、各篩に残った量及び通過した量を測定することにより算出できる。例えば、粒径が10〜300μmの鉄粉を使用する場合には、300μmの篩は全て通過し、且つ10〜250μmのいずれか又は全ての篩上に残る鉄粉を用いればよい。発熱中における前記鉄粉の含有量は、30〜80質量%程度が好ましく、45〜65質量%程度がより好ましい。
【0020】
上記発熱組成物中の保水剤とは、水を保持する機能を有する物質である。保水剤としては、例えば、多孔質物質、吸水性樹脂等を挙げることができる。多孔質物質としては、具体的には、活性炭、木粉、パーライト、バーミキュライト、ヒル石等が挙げられる。活性炭は、表面の微孔に空気を取り込んで酸素の供給を促したり、熱を保って放熱温度がばらつかないように保温することができる。活性炭は内部構造が非常に多孔性であり、そのため特に良好な水保持能を与える。さらに、活性炭は水を良く吸収するのみならず、発熱組成物の熱の発生により蒸発される水蒸気も吸収し、水蒸気の逃げの防止を助ける。従って、活性炭は水保持物質としても役立つことができる。さらに、活性炭は鉄粉の酸化により生ずる臭いも吸収することができる。前記活性炭としては、例えば、ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭等から調製された活性炭を好適に使用できる。前記活性炭の形状としては、粒状、繊維状等が挙げられる。これらの形状の活性炭を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。特に、本発明では、粒状の活性炭を使用することが好ましい。粒状の活性炭を使用する場合、その粒径は、10〜300μm程度が好ましく、10〜100μm程度がより好ましい。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。また、木粉、パーライト、バーミキュライト、及びヒル石についても、水を保持できる限り、その形状については特に制限されないが、発熱具の使用感を高めるために、粒状のものが好ましい。木粉、パーライト、バーミキュライト、及びヒル石について、粒状のものを使用する場合、その粒径は、通常300μm程度以下、好ましくは250μm程度以下である。当該粒径の測定方法についても、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。これらの多孔質物質の中でも、好ましくは、活性炭、ヒル石、バーミキュライトであり、更に好ましくは活性炭及びヒル石、特に好ましくは活性炭である。これらの多孔質物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
また、保水剤として使用される吸水性樹脂としては、具体的には、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール−アクリル酸共重合体、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体、ポリアクリル酸塩架橋物、アクリル酸塩−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体、ポリアクリルニトリル酸塩架橋物等が挙げられる。これらの吸水性樹脂の中でも、好適なものとして、ポリアクリル酸塩架橋物が挙げられる。吸水性樹脂の粒径は、通常100〜500μm程度、好ましくは250〜400μm程度である。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。これらの吸水性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。保水剤は、多孔質物質及び吸水性樹脂のいずれか一方を使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。発熱組成物に使用される保水剤として、好ましくは、多孔質物質、多孔質物質と吸水性樹脂の組合せ;更に好ましくは活性炭、活性炭と他の多孔質物質(活性炭以外の多孔質物質)と吸水性樹脂の組合せ、より好ましくは活性炭とヒル石とポリアクリル酸塩架橋物の組合せが例示される。
【0022】
前記発熱組成物中における前記保水剤の含量は、2〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましい。より具体的には、前記保水剤として、多孔質物質を単独で使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、10〜30質量%が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。また、前記保水剤として、吸水性樹脂を単独で使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、2〜10質量%が好ましく、2〜7質量%程度がより好ましい。また、前記保水剤として、多孔質物質と吸水性樹脂を組み合わせて使用する場合であれば、発熱組成物中の含量として、多孔質物質5〜20質量%、吸水性樹脂1〜10質量%が好ましく、多孔質物質7〜20質量%、吸水性樹脂1〜5質量%がより好ましい。特に、保水剤として、活性炭と他の多孔質物質と吸水性樹脂の組合せを使用する場合であれば、活性炭3〜20質量%、他の多孔質物質1〜10質量%、吸水性樹脂1〜10質量%が好ましく、活性炭5〜15質量%、他の多孔質物質1〜5質量%、吸水性樹脂1〜5質量%がより好ましい。
【0023】
金属塩は、空気との酸化反応を容易にするために、鉄粉の表面を活性化させて、鉄の酸化反応を促進させることができる。このような金属塩としては、公知の発熱組成物に使用されている金属塩を使用すればよく、例えば、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム等の硫酸塩;塩化第二銅、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム、塩化第一銅等の塩化物等が挙げられる。また、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩及び他の塩も使用することができる。これら金属塩については、一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。なお、金属塩の粒径は、通常100〜700μm程度、好ましくは250〜650μm程度である。当該粒径の測定方法については、前記鉄粉の粒径の場合と同様である。また、発熱組成物A中における金属塩の含有量は、0.5〜10質量%程度が好ましく、1〜3質量%程度がより好ましい。
【0024】
水としては、例えば、蒸留水、水道水等を使用できる。発熱組成物中における水の含有量は、1〜40質量%程度が好ましく、20〜30質量%程度がより好ましい。
【0025】
また、発熱組成物Aは、上記成分以外にも、必要に応じて、発熱組成物に配合可能な他の添加剤を含有してもよい。以上の各成分を混合することにより、発熱組成物Aを調製することができる。混合は、必要に応じて、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、例えば、米国特許第4,649,895号に記載された方法に従って混合すればよい。
【0026】
(粘着層)
粘着層3は、第2シート22の外側面に形成されており、例えば、アクリル系粘着剤や、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、松脂などを第2シート22に塗布することによって形成することができる。この粘着剤の塗布量は、粘着剤の厚みが40〜70μm程度となるように塗布することが好ましい。この粘着層3を長手方向若しくは短手方向に端から端まで延びるように非粘着部を形成してもよい。この非粘着部は、例えば、粘着層3をその部分だけ形成しないことによって形成したり、若しくは一旦粘着層3を形成した後に非粘着性の物質を粘着層3上に塗布したりすることで形成することができる。このように非粘着部が形成されることによって、この非粘着部から後述する第1剥離シート4の残存部42を剥離し易くなり、また、2回目の貼り付けのために一度貼り付けた発熱具1を衣服から剥がす際に、非粘着部の部分から指を差し込むことができ、発熱具を剥がしやすくすることができる。なお、ゴム系の粘着剤の具体例としては、例えば、天然ゴムや、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)系、SBR(スチレン・ブタジエンラバー)系などの合成ゴム等を挙げることができる。
【0027】
(第1剥離シート)
図3に示すように、第1剥離シート4は、粘着層3と同様の矩形状をしており、粘着層3全体を覆っている。この第1剥離シート4は、ハーフカットにより剥離部41と残存部42とに分かれおり、残存部42にのみ、上面、すなわち後述する第2剥離シート5と対向する面に、シリコーン樹脂を塗布するなどして、第2剥離シート5と粘着しづらくしている。これにより、第2剥離シート5を剥離すると、剥離部41のみが第2剥離シート5と一緒に剥離され、残存部42は第2剥離シート5と十分に粘着していないため、粘着層3側に残る。なお、第1剥離シート4の材質としては、例えば、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどを単独又は複数組み合わせて積層したもの等を挙げることができる。
【0028】
剥離部41及び残存部42の形状は、種々の形状とすることができるが、1回目の貼り付けの際に発熱具1の外周縁部を隙間無く衣類へと貼り付けるために、剥離部41は、粘着層3の外周縁部の全周に亘って形成された枠状とすることが好ましい。このように枠状に形成することによって、剥離部41が一体的に形成されているために、後述する第2剥離シート5を剥離する際に、剥離部41が第2剥離シート5とともによりスムーズに剥離されるという利点も有している。
【0029】
残存部42は、2回目の貼り付けの際に粘着層3の新たに露出される部分を粘着層3の外周縁部にも残すよう、外周縁に向かって延びる複数の突起部421を有していることが好ましい。また、残存部42は、外周縁の角部が全て湾曲するような輪郭を有することによって、後述する第2剥離シート5の剥離の際に、残存部42が部分的に一緒に剥離されてしまうことを防止することができる。また、残存部42には、その中央に長手方向(図3の左右方向)に端から端まで延びるスリットを入れてもよく、これによって、スリットから残存部42を容易に剥離することができる。なお、粘着層3に非粘着部を形成する場合は、残存部42のスリットが非粘着部上に配置されるような位置関係とすることが好ましい。
【0030】
なお、第1剥離シート4全体の面積に対する剥離部41の面積の割合、すなわち、粘着層3全体の面積に対する1回目の貼り付けの際に使用する粘着層3の面積の割合は、約62.5〜87.5%とすることが好ましく、約75.0〜87.5%とすることがさらに好ましい。このような面積比にすることによって、後述するように1回目に貼ったときの粘着力と、2回目に貼ったときの粘着力との差を小さくすることができ、この結果、粘着層3の粘着力を調整することによって、1回目及び2回目の両方の貼り付けにおいて、発熱具1を衣類に十分粘着させることができるとともに、発熱具1を衣類から剥がすときに衣類を損傷させることもない。なお、剥離部41によって覆われた部分における粘着層3の粘着力や、残存部42によって覆われた部分における粘着層3の粘着力は、10〜30Nとすることが好ましい。粘着力の範囲をこのようにすることによって、発熱具1を衣類に十分な粘着力をもって貼り付けるとともに、衣類から剥がすときに衣類を損傷させることもない。
【0031】
(第2剥離シート)
第2剥離シート5は、第1剥離シート4と同様の矩形状をしており、第1剥離シート4全体を覆っている。また、第2剥離シート5の下面、すなわち第1剥離シート4と対向する面は粘着面となっている。この第2剥離シート5の粘着面による剥離部41への粘着力は、粘着層3による剥離部41への粘着力よりも大きいため、第2剥離シート5を剥離すると、上述した第1剥離シート4の剥離部41は、第2剥離シート5と一緒に剥離される。なお、残存部42の上面には上述したようにシリコーン樹脂が塗布されているため、粘着層3による残存部42への粘着力の方が、第2剥離シート5の粘着面による残存部42への粘着力よりも大きく、第2剥離シート5を剥離しても残存部42は粘着層3側に残っている。なお、第2剥離シート5の材質としては、紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどを単独又は複数組み合わせて積層したもの等を挙げることができ、また、粘着面はアクリル系粘着剤や、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、松脂などによって形成することができる。なお、第2剥離シート5にも、スリットを入れることで剥離しやすくすることができ、例えば、その中央において長手方向(図1の左右方向)に端から端まで延びるようにスリットを入れることができる。
【0032】
(使用方法)
次に、上述した発熱具1の使用方法について説明する。
【0033】
発熱具1は、発熱組成物Aが空気の存在下で発熱するため、使用前においては空気との接触を防ぐ必要があり、通常は、空気を通過させることのない気密性を有する包装体内に収容されており、使用に際し包装体を開封して発熱具1を取り出す。
【0034】
包装体から取り出された発熱具1を衣類に貼り付けるため、1回目の貼り付けとして、まず第2剥離シート5を剥がす。これにより、第1剥離シート4の剥離部41のみが第2剥離シート5と一緒に剥がれ、粘着層3の剥離部41によって覆われていた部分が露出する(図4参照)。そして、この露出した部分を使用して、発熱具1を衣類に貼り付ける。
【0035】
衣類を着替えることなどによって発熱具1を貼り直す必要があるときは、まず発熱具1を衣類から剥がし、第1剥離シート4の残存部42を剥離する。これにより、粘着層3は全て露出した状態となる。そして、2回目の貼り付けとして、残存部42を剥離することによって新たに露出した部分における粘着層3と、1回目の貼り付けの際に使用された部分における粘着層3とを使用して、発熱具1を衣類に貼り付ける。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る発熱具1によれば、1回目に貼るときは、第1剥離シート4の剥離部41によって覆われていた部分における粘着層3を使用して発熱具1を衣類に貼り付け、2回目に貼るときは第1剥離シート4の残存部42によって覆われていた部分における粘着層3を新たに露出させて衣類に貼り付けることができるため、2回目に貼るときであっても、十分な粘着力で発熱具1を衣類に貼り付けることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、第1剥離シート4は粘着層3の上面全体を覆っているが、例えば、図5及び図6に示すように、第1剥離シート4が粘着層3の一部のみを覆うような構成、例えば、粘着層3の外周縁部上には第1剥離シート4が配置されていないような構成とすることができる。そして、第2剥離シート5を粘着層3と同じ大きさとすることにより、第2剥離シート5で、第1剥離シート4及び第1剥離シート4により覆われていない粘着層3の外周縁部を覆っている。このように構成された発熱具1は、第2剥離シート5を剥離すると、第1剥離シート4によって覆われていない粘着層3の外周縁部が露出し、この露出した部分で1回目の貼り付けを行う。そして、発熱具1を貼り直す場合は、第1剥離シート4を剥離し、この新たなに露出した部分も使用して2回目の貼り付けを行う。
【0039】
また、上記実施形態では、第1剥離シート4は、剥離部41と残存部42とがハーフカットにより分かれているため部分的に連結されているが、特にこれに限定されるわけではなく、例えば、剥離部41と残存部42とを完全に分離していてもよい。その他にも、剥離部41と残存部42とをミシン目によって分離するなど、種々の方法で剥離部41と残存部42とを分離することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、第2剥離シート5の下面が粘着面となっていることにより、第2剥離シート5と剥離部41とが粘着していたが、第2剥離シート5の下面ではなく剥離部41の上面を粘着面とすることによって第2剥離シート5と剥離部41とを粘着させることができる。
【0041】
また、第1剥離シート4の剥離部41及び残存部42の形状は上記実施形態に限定されず、種々の形状とすることができる。例えば、図7に示すように、剥離部41を、粘着層3の外周縁部のみならず、残存部42内にも形成してもよい。また、第1剥離シート4の剥離部41及び残存部42の形状は、その他にも図8〜13に示すような形状にすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 発熱具
2 袋体
3 粘着層
4 第1剥離シート
41 剥離部
42 残存部
421 突起部
5 第2剥離シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、
前記袋体の他方面に形成された粘着層と、
前記粘着層を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、
前記第1剥離シートを覆うように前記第1剥離シート上に配置された第2剥離シートと、を備え、
前記第1剥離シートは、前記第2剥離シートを前記第1剥離シートから剥離した際に、前記第2剥離シートとともに剥離される剥離部と、前記粘着層側に残る残存部とを有する、発熱具。
【請求項2】
前記第1剥離シートは、易切断線により、前記剥離部と前記残存部とに分かれている、請求項1に記載の発熱具。
【請求項3】
前記剥離部は、前記粘着層の外周縁部の全周に亘って配置されている、請求項1又は2に記載の発熱具。
【請求項4】
前記残存部は、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の発熱具。
【請求項5】
空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、
前記袋体の他方面に形成された粘着層と、
前記粘着層の一部を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、
前記粘着層を覆うよう、前記第1剥離シートを介して前記粘着層上に配置された第2剥離シートと、を備えた、発熱具。
【請求項6】
前記第1剥離シートは、前記粘着層の外周縁部には配置されていない、請求項5に記載の発熱具。
【請求項1】
空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、
前記袋体の他方面に形成された粘着層と、
前記粘着層を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、
前記第1剥離シートを覆うように前記第1剥離シート上に配置された第2剥離シートと、を備え、
前記第1剥離シートは、前記第2剥離シートを前記第1剥離シートから剥離した際に、前記第2剥離シートとともに剥離される剥離部と、前記粘着層側に残る残存部とを有する、発熱具。
【請求項2】
前記第1剥離シートは、易切断線により、前記剥離部と前記残存部とに分かれている、請求項1に記載の発熱具。
【請求項3】
前記剥離部は、前記粘着層の外周縁部の全周に亘って配置されている、請求項1又は2に記載の発熱具。
【請求項4】
前記残存部は、粘着層の外周縁部に向かって延びる複数の突起部を有する、請求項1から3のいずれかに記載の発熱具。
【請求項5】
空気との接触により発熱可能な被酸化性金属を含む発熱組成物が収納され、一方面に通気性を有する袋体と、
前記袋体の他方面に形成された粘着層と、
前記粘着層の一部を覆うように前記粘着層上に配置された第1剥離シートと、
前記粘着層を覆うよう、前記第1剥離シートを介して前記粘着層上に配置された第2剥離シートと、を備えた、発熱具。
【請求項6】
前記第1剥離シートは、前記粘着層の外周縁部には配置されていない、請求項5に記載の発熱具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−9747(P2013−9747A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143334(P2011−143334)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(593029949)桐灰化学株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(593029949)桐灰化学株式会社 (11)
【Fターム(参考)】
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