説明

発熱組成物及びこれを用いた発熱具

【課題】塗工性能を向上させつつ発熱特性が良好な発熱体組成物を提供する。
【解決手段】(A)被酸化性金属と、(B)炭素成分と、(C)増粘剤と、(D)水と、(E)オキシモノカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、及びその塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有する発熱組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱組成物及びこれを用いた発熱具に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱組成物及びこれを用いた発熱具として、例えば特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1には、発熱物質と、吸水性ポリマー及び/又は増粘剤と、炭素成分及び/又は金属の塩化物と水を必須成分とし、全体としてインキ状ないしクリーム状に形成されていることを特徴とするインキ状ないしクリーム状の発熱組成物及び本インキ状ないしクリーム状の発熱組成物をシート状包材内に積層、封入した発熱体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−75388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような発熱組成物を包材に積層、封入させた発熱体では、安定した発熱を得るため、適量の発熱組成物が均一に積層されていることが重要となる。
【0006】
しかしながら、発熱組成物の粘度が高くなりすぎると、流動性が不十分なため、積層すべき発熱組成物の計量が困難になったり、安定的に塗工できなかったりして、適量の発熱組成物が均一に積層されることが困難なことがある。
【0007】
この場合、発熱組成物の水分量を増やし粘度を下げて対応する方法もあるが、塗工性能は向上するものの、発熱組成物に離水が生じる等の問題が生じて安定に分散させることができなかったり、熱容量の増加により発熱特性が低下したりすることがある。この場合、所望の発熱特性を得るため、発熱組成物の塗工後に過剰な水分を除去する工程を増やして対応する方法もあるが、工程数が増えてプロセスが煩雑になることもあり、依然改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記事情に鑑み、塗工性能を向上させつつ発熱組成物の安定分散や発熱特性が良好な発熱組成物の調製技術について、鋭意検討を行った結果、発熱組成物に特定の酸又はその塩を含有させることで、上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
本発明によれば、下記成分(A)〜(E)を含有する発熱組成物が提供される。
(A)被酸化性金属、
(B)炭素成分、
(C)増粘剤、
(D)水、
(E)オキシモノカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、及びその塩から選ばれる1種又は2種以上
【0010】
また、本発明によれば、上記の発熱組成物をシート状基材に積層してなる発熱体を有する、発熱具が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば塗工性能を向上させつつ発熱組成物の安定分散や発熱特性が良好な発熱組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】発熱具の一例を模式的に示した断面図である。
【図2】図1に示す発熱具が備える発熱体を説明する模式図である。
【図3】発熱具の製造方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
<発熱組成物>
本発明は、(A)被酸化性金属と、(B)炭素成分と、(C)増粘剤と、(D)水と、(E)オキシモノカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、及びその塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有する、発熱組成物である。
【0015】
成分(A)の被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム、これらのうち2種以上を混合した混合金属等の粉末や繊維が挙げられる。中でも、取り扱い性、安全性、製造コスト、保存性及び安定性の点から鉄粉が好ましい。
【0016】
被酸化性金属が粉末である場合、酸化反応が効率的に行われるという観点から、その平均粒径が10〜200μmであることが好ましく、平均粒径が20〜150μmであることがより好ましい。なお、被酸化性金属の粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、篩による分級、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
【0017】
本発明の発熱組成物中の(A)被酸化性金属の含有量は、15〜70質量%であることが好ましく、35〜60質量%であることがより好ましい。これにより、本発明の発熱組成物から得られる発熱体の発熱温度を所望の温度に上昇させることができる。ここで、発熱組成物中の鉄粉の含有量は、JIS P8128に準じる灰分試験や、熱重量測定器で求めることができる。他に外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
【0018】
成分(B)の炭素成分は、保水能、酸素供給能、及び、触媒能を有するものであり、例えば、活性炭(椰子殻炭、木炭粉、暦青炭、泥炭、亜炭)、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等を用いることができる。炭素成分は、被酸化性金属との有効な接触状態を形成できる点から、平均粒径が3〜200μmのものを用いることが好ましく、平均粒径が5〜100μmのものを用いることがより好ましい。なお、炭素成分の平均粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。炭素成分は粉体状の形態のものを用いることが好ましいが、粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、繊維状の形態のものを用いることもできる。
【0019】
本発明の発熱組成物中の成分(B)の炭素成分の含有量は、成分(A)の被酸化性金属100質量部に対して、6〜15質量部が好ましく、8〜13質量部がより好ましい。こうすることで、本発明の発熱組成物から得られる発熱体中に、酸化反応を持続させるために必要な水分を蓄積できる。また、発熱体の通気性が十分に確保されるため、酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い発熱体が得られる。また、得られる発熱量に対する発熱体の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、所望の温度上昇が得られる。
【0020】
成分(C)の増粘剤には主として、水分を吸収して稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質を用いることができ、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガムなどの多糖類系増粘剤;デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系増粘剤;カルボキシメチルセルロース、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤;ステアリン酸塩などの金属石鹸系増粘剤;ベントナイトなどの鉱物系増粘剤等から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0021】
中でも、多糖類系増粘剤が好ましく、特に耐塩性を有する観点から、キサンタンガムが好ましい。
【0022】
本発明の発熱組成物中の成分(C)の増粘剤の含有量は、成分(A)の被酸化性金属100質量部に対して、0.1〜5質量部、特に0.2〜4質量部であることが好ましい。この範囲とすることで、成分(A)の被酸化性金属や成分(B)の炭素成分等の固形分を安定に分散させることができる。また、チキソトロピー性を付与し、塗工性能をさらに向上させることができる。
【0023】
成分(D)の水は、少なくとも成分(A)の被酸化性金属、及び、成分(B)の炭素成分を分散させることができればよいが、具体的には、成分(A)の被酸化性金属100質量部に対して、50〜90質量部が好ましく、60〜80質量部が発熱組成物をスラリー状とし塗工性を向上させるためさらに好ましい。成分(D)の水は、成分(A)の被酸化性金属等と組み合わせて使用されることで発熱源として機能する。また、発熱に伴う温度上昇により水蒸気になる。
【0024】
成分(E)のオキシモノカルボン酸とは、ヒドロキシ基を有するモノカルボン酸であり、具体的には、グリセリン酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、グルコン酸等であり、良好な粘度低下効果が得られ塗工性能を向上させつつ発熱特性を阻害しない点から分子量が100以上の300以下のオキシモノカルボン酸であるグリセリン酸、グルコン酸、ヒドロキシ酪酸等が好ましい。なお、より良好な粘度低下効果が得られつつ、発熱組成物の安定分散効果も得られ、且つ、成分(A)と反応して水素が発生してしまうという問題を防止する効果も鑑みると、ヒドロキシモノカルボン酸の塩が好ましい。塩を構成するための対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属などが挙げられる。ここでナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが汎用性の点から好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
【0025】
成分(E)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸としては、良好な粘度低下効果が得られ塗工性能を向上させつつ発熱特性を阻害しない点から、そのエチレンオキシド質量平均付加モル数(EO付加モル数)が、好ましくは0.5〜15であり、より好ましくは1〜5である。
【0026】
成分(E)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸は、良好な粘度低下効果が得られ塗工性能を向上させつつ発熱特性を阻害しない点から、アルキル鎖の炭素数が10〜22が好ましく、12〜15が更に好ましい。なお、より良好な粘度低下効果が得られつつ発熱組成物の安定分散効果も得られる点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸の塩が好ましい。塩を構成するための対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、その他リチウム、アミン等が挙げられる。ここでナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが汎用性の点から好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
【0027】
成分(E)のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸としては、例えば、NIKKOL DDP−2(ジPOE(2)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)、同DDP−4(ジPOE(4)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)、DDP−6(ジPOE(6)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)、DDP−8(ジPOE(8)(C12〜15)アルキルエーテルリン酸)、同DDP−10(ジPOE(10)(C12〜15)アルキルエーテルリン酸)、同TDP−2(トリPOE(2)(C12〜15)アルキルエーテルリン酸)、同TDP−6(トリPOE(6)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)、同TDP−8(トリPOE(8)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)、同TDP−10(トリPOE(10)(C12−15)アルキルエーテルリン酸)(以上、日光ケミカルズ(株)製)などを水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどで中和して使用しても良いし、エレクトロストリッパーF(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム、花王(株)製)などを用いても良い。
【0028】
本発明の発熱組成物中の成分(E)の含有量は、成分(A)100質量部に対して0.1質量部以上含むことが好ましく、2質量部以上がより好ましい。こうすることで、発熱組成物に対して良好な粘度低下効果が得られ塗工性能を向上させつつ発熱特性を阻害しない。また、成分(E)の含有量は、成分(A)100質量部に対して8質量部以下にすることが好ましく、7質量部以下にすることがより好ましい。これにより、良好な発熱特性を得ることができる。なお、本明細書でいう「発熱特性」は、JIS S4100に準拠した測定を行う。すなわち、通気面(両面通気の場合は通気度が低い面)を上に向け、その表面をメッシュ材(ポリエステル製、厚み8ミリのダブルラッセル生地)で覆いサーミスターを用いて温度測定を行う。最高温度を比較することで評価することができ、最高温度が40〜70℃の範囲にあれば、発熱具として、発熱特性が良好といえる。
【0029】
本発明の発熱組成物は、さらに、成分(F)反応促進剤を含んでいても良い。
【0030】
成分(F)反応促進剤は、本発明の発熱組成物から得られる発熱体において、成分(A)被酸化性金属の酸化反応を持続させる目的で用いられる。また、成分(F)反応促進剤を用いることにより、成分(A)の酸化被膜を破壊して、酸化反応を促進することができる。成分(F)反応促進剤には、従来この種の発熱体に用いられているものを特に制限無く用いることができるが、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の硫酸塩、塩化物等が挙げられる。中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、第1塩化鉄、第2塩化鉄等の各種塩化物を用いることが好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。本発明の発熱組成物中の成分(F)反応促進剤の含有量は、十分な発熱量が長時間持続する点から成分(A)の被酸化性金属100質量部に対して2〜12質量部とすることが好ましい。
【0031】
本発明の発熱組成物は、前述した成分を全て一度に混合することで調製されても良いが、予め、成分(A)被酸化性金属と成分(E)とを混合してから、その他成分を混合しても良い。なお、成分(F)の反応促進剤を発熱体に加える場合は、発熱組成物中の他の成分と同時に混合しても良いが、塗工後の発熱組成物に別途水等に溶解させた成分(F)を浸透、噴霧又は滴下等により添加しても良い。
【0032】
本発明の発熱組成物の粘度は、20℃にて5,000mPa・s以上が好ましく、7,000mPa・s以上がより好ましい。これにより、成分(A)、(B)等の固形分の沈降がしにくくなり、スラリー内に均一に分散させることができる。粘度の上限は、25,000mPa・s以下が好ましく、20,000mPa・s以下がより好ましく、19,000mPa・s以下が更に好ましい。これにより、発熱組成物をシート状基材に均一に塗布することができる。本発明において、粘度は、TOKI SANGYO製(VISCOMETER BH型粘度計)で、#4のローターを用い、回転数6rpmとし、100mlトールビーカーを用いて、測定温度20℃で1分後の測定値である。
【0033】
<発熱具>
つづいて、上記の発熱組成物をシート状基材に塗布してなる発熱体を含む発熱具について説明する。図1は、発熱具の一例を示す模式的な断面図である。図示するように、この発熱具は、発熱組成物をシート状基材に積層してなる発熱体10と、通気袋103と、袋体104とを備える。
【0034】
より具体的には、この発熱具は、発熱層101と吸収層102とからなる発熱体10を、通気性を有する通気袋103に入れて通気袋103の周囲を熱シールにより密封し、これを袋体104で包囲した構造をとる。発熱体10は、熱を生じさせる部材であり、袋体104は、発熱体の全体を包囲し、発熱具の外面をなす部材である。
【0035】
まず、発熱体10について説明する。図2は、図1に示す発熱体10を拡大した図である。シート状基材に上述の発熱組成物が塗布されると、シート状基材に発熱組成物の水溶性成分が吸収されて吸収層102が形成される。発熱層101は、主には、成分(A)と成分(B)とシートに吸収されなかった残余の水溶性成分から構成される。
【0036】
シート状基材は、例えば、繊維材料102bを含む、繊維シートから構成されていても良い。シート状基材は、一層の繊維シートから構成されていてもよいし、二層以上が積層されていてもよい。シート状基材は、さらに高吸収性ポリマーの粒子102aを含んでいても良い。図2中では、高吸収性ポリマーの粒子102aと繊維材料102bとを含む繊維シートをシート状基材として用いた例が示されている。基材シートに高吸収性ポリマーの粒子102aを含む場合、基材シートの形態は、(i)高吸収性ポリマーの粒子102aと繊維材料102bとが均一に混合した状態の1枚のシートとした繊維シート、(ii)高吸収性ポリマーの粒子102aが、基材シートの厚み方向略中央域に主として存在しており、かつ基材シートの表面には粒子102aが実質的に存在していない構造を有するワンプライの繊維シート、(iii)繊維材料102bを含む同一の又は異なる繊維シート間に、高吸収性ポリマーの粒子102aが配置された2枚の繊維シートの重ね合わせ体を例示することができる。中でも、発熱層101の含水率のコントロールを容易に行い得るという観点から、(ii)または(iii)の形態のものを用いることが好ましい。
【0037】
繊維材料102bとしては、親水性繊維及び疎水性繊維のいずれをも用いることができるが、親水性繊維を用いることが好ましく、中でもセルロース繊維を用いることがより好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)及び天然繊維を用いることができる。
【0038】
親水性の化学繊維としては、例えばレーヨン及びアセテートを用いることができる。一方、天然繊維としては、各種の植物繊維、木材パルプ、非木材パルプ、木綿、麻、麦藁、ヘンプ、ジュート、カポック、やし、いぐさ等を用いることができる。これらのセルロース繊維のうち、木材パルプを用いることが好ましい。
【0039】
各種の親水性繊維は、その繊維長が0.5〜6mm、特に0.8〜4mmであることが好ましい。
【0040】
シート状基材には、親水性繊維に加え、必要に応じて疎水性繊維、特に熱融着性繊維を配合してもよい。熱融着性繊維の配合量は、シート状基材における繊維の全量に対して0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0041】
高吸収性ポリマーの粒子102aとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るヒドロゲル材料を用いることが好ましい。高吸収性ポリマーの粒子102aの形状としては、球状、塊状、ブドウ房状、繊維状等が挙げられる。高吸収性ポリマーの粒子102aの粒径は、1〜1000μm、特に10〜500μmであることが好ましい。なお、高吸収性ポリマー粒子の粒径は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
【0042】
高吸収性ポリマーの具体例としては、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体などが挙げられる。
【0043】
シート状基材に占める高吸収性ポリマーの粒子102aの割合は、10〜70質量%、特に20〜55質量%であることが好ましい。
【0044】
シート状基材は、その坪量が10〜200g/m、特に35〜150g/mであることが好ましい。シート状基材に含まれる高吸収性ポリマーの粒子102aの坪量は、5〜150g/m、特に10〜100g/mであることが好ましい。
【0045】
シート状基材の少なくとも一方の面に、発熱組成物を塗布することで、塗布面側に発熱層101が形成される。発熱層101は、吸収層102の一方の面に設けられてもよいし、両面に設けられていてもよい。図1〜3には、片面に発熱層101が設けられている例を示す。発熱層101は、図1で示すように吸収層102上に存在していてもよいし、図2で示すように発熱層101の下部が吸収層102に少なくとも一部埋没していてもよい。つまり、発熱層101を構成する成分(A)、(B)などの固形分の一部が、繊維材料102bや高吸収性ポリマーの粒子102aにより形成される三次元ネットワーク中に担持されていてもよい。
【0046】
発熱体10における成分(A)の被酸化性金属の量は、坪量で表して、発熱層101一層あたり、100〜3000g/m、特に200〜1500g/mであることが好ましい。発熱体10における成分(B)の炭素成分の量は、発熱層101一層あたり、4〜80g/m、特に8〜60g/mであることが好ましい。
【0047】
発熱層101一層あたりの発熱前の含水率は、5〜50質量%、特に6〜40質量%が好ましく、よりは好ましくは10〜30質量%が良い。発熱層101の含水率は、吸収層102の表面よりも上側に位置する部位(吸収層102に埋没している部位を除く)の発熱層101を窒素環境下で取りだし、その質量を測定する。その後、真空状態の105℃の温度の乾燥炉に2時間入れて水分を取り除き、再度、質量を測定し、差分の質量を水分量として含水量を算出することで得られる。
【0048】
前述のとおり、吸収層102も含水しているので、発熱体10全体としては、発熱前の含水率は、10質量%以上が好ましく、更に20質量%以上が好ましい。これにより、十分な発熱特性を得ることができる。発熱体10中の含水率の上限は、60質量%以下が好ましく、特に50質量%以下が好ましい。こうすることで、保管環境時に包装袋105(図示せず)の内部に結露が発生することを防ぐことができる。結露が起こると、発熱組成物中の水分に移動が起こり、水分量の変化により発熱特性に悪影響が及ぼされるため、好ましくない。なお、発熱体10の含水率は、窒素環境下で発熱体10の発熱前の質量を測定した後、真空状態の105℃の温度の乾燥炉に2時間入れて水分を取り除き、再度、質量を測定し、差分の質量を水分量として含水量を算出することで得られる。
【0049】
通気袋103は、好ましくは、第1の被覆シート103aと第2の被覆シート103bとから構成される。第1の被覆シート103aは、発熱体10における発熱層101の側に配置されている。第2の被覆シート103bは、発熱体10における発熱層101が形成されていない側に配置されている。
【0050】
第1の被覆シート103aと第2の被覆シート103bとは、発熱体10の周縁から外方に延出する延出域をそれぞれ有し、各延出域において接合されていることが好ましい。この接合は周縁の連続した気密の接合であることが好ましい。第1の被覆シート103aと第2の被覆シート103bとの接合によって形成された通気袋103は、その内部に発熱体10を収容するための空間を有している。この空間内に発熱体10が収容されている。発熱体10は、通気袋103に対して固定された状態であってもよいし、非固定状態であってもよい。
【0051】
第1の被覆シート103aは、その一部又は全部が通気性を有している。第1の被覆シートの通気度(JIS P8117)は、100〜50,000秒/100mlが好ましく、1,000〜10,000秒/100mlがより好ましく、2,000〜5,000秒/100mlが特に好ましい。このような通気度を有する第1の被覆シート103aとしては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、発熱具の外面側にある多孔性シートの面にニードルパンチ不織布やエアスルー不織布、スパンボンド不織布等の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第1の被覆シート103aの風合いを高めてもよい。
【0052】
第2の被覆シート103bは、通気性を有する通気性シートであってもよいし、通気性を有しない非通気性シートであってもよいが、第1の被覆シート103aよりも通気性の低いシートであることが好ましい。
【0053】
第2の被覆シート103bを非通気性シートとする場合、一層又は多層の合成樹脂製のフィルムや、発熱具の外面側にあるフィルムの面にニードル不織布やエアスルー不織布等の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートした複合シートを用いることができる。例えば、ポリエチレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムからなる2層フィルム、ポリエチレンフィルムと不織布とからなるラミネートフィルム、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムなどが用いられるが、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムが特に好ましい。
【0054】
第2の被覆シート103bが通気性シートである場合には、第1の被覆シート103aと同様のものを用いることができる。この場合、第2の被覆シート103bの通気性は、第1の被覆シート103aの通気性よりも低いことを条件として、6,000〜150,000秒/100mlが好ましく、8,000〜100,000秒/100mlがより好ましい。第1の被覆シート103aの通気性を6000〜13,000秒/100mlとし、第2の被覆シート103bの通気性が8,000〜20,000秒/100mlとすると、特に好ましい。なお、発熱層101が吸水層102の両面に形成されている場合は、第2の被覆シート103bも通気性シートであることが好ましく、この場合、第2の被覆シート103bの通気性が、第1の被覆シート103aの通気性と同じ或いは第1の被覆シート103aの通気性よりも高くても良い。
【0055】
通気袋103に収容されている発熱体10は、1枚でもよく、複数枚を積層させた多層状態で収容してもよい。
【0056】
袋体104は、好ましくは、第1の外装シート104aと第2の外装シート104bとから構成される。第1の外装シート104aは、発熱体10における発熱層101の側に配置されている。第2の外装シート104bは、発熱体10における発熱層101が形成されていない側に配置されている。
【0057】
袋体104もまた通気袋103と同様に、第1の外装シート104aと第2の外装シート104bとは、発熱体10の周縁から外方に延出する延出域をそれぞれ有し、各延出域において接合されていることによって形成されていることが好ましい。袋体104の内部には、通気袋103で包囲された発熱体10を収容するための空間が形成され、この空間内に発熱体10が収容されている。通気袋103は、袋体104に対して固定された状態であってもよいし、非固定状態であってもよい。
【0058】
第1、第2の外装シート104a、104bは、不織布を始めとする各種の繊維シートであれば限定されないが、例えば、ニードルパンチ不織布やエアスルー不織布、スパンボンド不織布等を用いることができる。
【0059】
本発明の発熱組成物を有する発熱具は、少なくとも第1の被覆シート103aが通気性シートからなり、袋体104が繊維シートであるため、第1の被覆シート103aが配置されている側から水蒸気の発生が可能になっている。第1の被覆シート103a及び袋体104を通じて放出される水蒸気の量は、0.01〜0.8mg/(cm・分)、特に0.03〜0.4mg/(cm・分)であることが好ましい。第2の被覆シート103bも通気性シートからなる場合は、第2の外装シート104bからも水蒸気を発生させることができる。なお、第1の被覆シート103a及び袋体104を通じて放出される水蒸気の量は、20℃・65%RH下で発熱具を空気と接触させ発熱を開始させ、1mgの単位まで測定可能な上皿天秤に発熱具を直ちに載せ、その後15分間質量測定を行い、測定開始時の質量をWt0(g)とし、15分後の質量をWt15(g)とし、発熱具の水蒸気発生面積をS(cm)としたときに、以下の式から発生した蒸気の量を算出する。
水蒸気放出量〔mg/(cm・分)〕={(Wt0−Wt15)×1000}/15S
【0060】
袋体104は、その外面に、粘着剤が塗工されて形成された粘着層を有していてもよい。粘着層は、発熱具を人体の肌や衣類等に取り付けるために用いられる。粘着層を構成する粘着剤としては、ホットメルト粘着剤を始めとする当該技術分野において、これまで用いられてきたものと同じ物を用いることができる。通気性を阻害しない観点から、第1の外装シート104aの周縁部に粘着層を設けることが好ましい。
【0061】
つづいて、上述した発熱具の製造方法の一例について説明する。図3は、この製造方法を説明する図である。まず、塗工槽301に、本発明に係る発熱組成物302を用意する。発熱組成物302は、攪拌器303により攪拌して、成分(A)被酸化性金属、及び、成分(B)炭素成分等、成分(D)の水に不溶な成分をより均一に分散させてもよい。
【0062】
ついで、ポンプ304により発熱組成物302をダイヘッド305までくみ上げる。くみ上げた発熱組成物302は、ダイヘッド305を用いて、加圧して押し出しながらシート状基材306に塗工する。このとき、発熱組成物302の塗工坪量は、150〜4,600g/m、特に300〜2,200g/mとすることが好ましい。
【0063】
なお、図3では、ダイコーティングによる塗工を例示したが、これに塗工方法は、これに限定されず、例えば、ロール塗布、スクリーン印刷、ロールグラビア、ナイフコーディング、カーテンコーター等などを用いることもできる。
【0064】
また、塗工槽301には、成分(F)を含まない発熱組成物302が用意されていてもよい。この場合、(I)成分(F)の水溶液をシート状基材306に添加し、その後、成分(F)が添加された面に、成分(F)を含まない発熱組成物302を塗工する方法と、(II)成分(F)を含まない発熱組成物302を塗工した後に、発熱組成物302の塗工面に成分(F)の水溶液を添加する方法とがある。この方法において、成分(F)の水溶液の添加方法としては、ノズルによる摘下又は噴霧、ブラシによる塗布、ダイコーティング等が用いられるが、ノズルによる摘下もしくは噴霧が好ましい。この場合、添加する成分(F)の水溶液中において、成分(F)が3〜35質量%、特に5〜30質量%含まれていることが好ましい。成分(F)の水溶液の添加坪量は、30〜400g/m、特に50〜300g/mとすることが好ましい。添加する成分(F)は、成分(A)の被酸化性金属100質量部に対して2.4〜12質量部とすることが好ましい。
【0065】
発熱組成物302の塗工後(上記(II)の塗工後は、成分(F)の水溶液を添加した後)に、発熱体10の発熱層101が形成されていない面から吸引を行ってもよい。こうすることで、吸収層102と発熱層101との一体性を増加させることができる。このとき、吸引する場合の吸引力は、100〜10,000Pa、特に500〜5,000Paとすることが好ましい。吸引力は、サクションコンベア内のボックスにマノスターケージを取り付けて測定することができる。
【0066】
以上の操作により、吸収層102と発熱層101とを備える連続長尺物が得られるので、これを任意の大きさに裁断することで、発熱体10が形成される。その後、毎葉の発熱体10を所定の間隔をおいて一方向に走行させつつ、発熱層101が形成された側に連続長尺物からなる第1の被覆シート103aを配置するとともに、他方の側に、同じく連続長尺物からなる第2の被覆シート103bを配置する。次いで、第1の被覆シート103a及び第2の被覆シート103bにおける発熱体10からの延出域を所定の接合手段によって接合する。接合は、発熱体10における左右の側縁の外方及び前後の端縁の外方において行われる。接合手段としては、熱融着、超音波接合、接着剤による接着等が挙げられる。得られた連続長尺物を隣り合う発熱体10間において幅方向にわたって裁断し、通気袋103に包囲された発熱体10を得る。
【0067】
引き続き、通気袋103に包囲された発熱体10は、所定の間隔をおいて一方向に走行させつつ、発熱層101が形成された側に連続長尺物からなる第1の外装シート104aを配置するとともに、他方の側に、同じく連続長尺物からなる第2の外装シート104bを配置する。次いで、第1の外装シート104a及び第2の外装シート104bにおける通気袋103からの延出域を所定の接合手段によって接合する。接合は、通気袋103における左右の側縁の外方及び前後の端縁の外方において行われる。接合手段としては、前述の接合手段と同様のものを用いることができる。得られた連続長尺物を隣り合う通気袋103間において幅方向にわたって裁断し、発熱具を得る。
【0068】
得られた発熱具は、次工程において、酸素バリア性を有する包装袋(図示せず)内に密封収容される。
【0069】
なお、上述の方法においては、製造過程での成分(A)の被酸化性金属の酸化を抑制するために、必要に応じて非酸化性雰囲気に保つ手段を用いても良い。
【0070】
このようにして製造された発熱具は、人体に直接適用されるか、又は衣類に適用されて、人体の加温や水蒸気付与に好適に用いられる。人体における適用部位としては、例えば、肩、首、目、腰、肘、膝、大腿、下腿、腹、下腹部、手、足裏などが挙げられる。また、人体のほかに、各種の物品に適用されてその加温や保温等にも好適に用いられる。この場合、水蒸気が発生する第1の被覆シート103a側を加温したい部分に向けて適用する。
【0071】
なお、上記の発熱体10は、図1に示す以外の他の構成の発熱具や、他の用途に用いることもできる。
【0072】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り、以下の例中、「%」は「質量%」であり、「部」は「質量部」である。
【0074】
(実施例1〜18、比較例1〜6)
表1〜3で示す組成の発熱組成物を調製した。なお、実施例10−14において、用いたポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩(エレクトロストリッパーF、花王社製)はカリウム塩である。(グルコン酸NaはAlfa Aeacr社試薬、ヒドロキシ酪酸Naはワコーケミカル社製試薬を使用した)。比較例に用いたクエン酸は和光純薬(株)試薬特級、マレイン酸は和光純薬(株)試薬特級、クエン酸鉄和光純薬(株)製試薬一級を用いた。
【0075】
[粘度]
実施例1〜18、比較例1〜6の発熱組成物について、TOKI SANGYO製(VISCOMETER BH型粘度計)で、#4のローターを用い、回転数6rpmとし、100mlトールビーカーを用いて測定温度20℃で1分後の測定値を粘度とした。結果を表1〜3に示す。
【0076】
[塗料安定性]
塗料安定性を表1〜3に示す。
◎:発熱組成物中の固形分の分散性が非常に良好。
○:発熱組成物中の固形分の分散性が良好。
×:発熱組成物中の固形分が沈殿し流動性が不十分で粘土状を呈する。
【0077】
[発熱特性]
実施例1〜18、比較例1〜6の発熱組成物を用いて、図1で示す発熱具を作製し、下記(2)の発熱特性の評価に従って発熱特性を調べた。
【0078】
(1)発熱具の作製
実施例1〜18、比較例1〜6の発熱組成物をシート状基材(下記に示す、吸水紙又はポリマーシート)の片面にダイコーティング法を用いて塗工した。発熱組成物は、発熱具1個あたりの鉄粉が0.9gになるように塗布した(塗布量:1.6−1.7g)。塗工性を表1〜3に示す(◎:塗工性が非常に良好。○:塗工性が良好。×:塗工性が悪く塗布不可能。)。その後、シート状基材の幅方向に裁断(5cm×5cm)をし、発熱組成物の塗工面上に、塩水(局方塩化ナトリウム(大塚製薬社製)22.4gをイオン交換水77.6gで希釈したもの)を0.2gずつ摘下ノズルから摘下して、発熱体10を得た。得られた発熱体10全体を通気袋103で被覆した。第一の被覆シート103aとして、通気シート(コージンTSF−EU、興人社製、ポリエチレンと炭酸カルシウムとからなる延伸フィルム、通気度2000〜4000秒/100ml)、第二の被覆シート103bとして、非通気シート(坪量40g/mのポリエチレンフィルムと坪量30g/mのパルプシートとをラミネートした非通気性シート)を用いた。第一の外装シート104a、及び、第二の外装シート104bとして、坪量30g/mのエアースルー不織布(ポロプロピレン50%、ポリエチレン50%で構成される不織布、繊維径1dtex)を用いて通気袋103で被覆された発熱体10を包囲し、発熱具を作製した。
【0079】
(2)発熱特性の評価
JIS S4100に準拠した装置を作り、得られた各発熱具の発熱面(第一の被覆シート103aの側)を外側に、非通気面(第二の被覆シート103bの側)に温度センサーを設置して測定面に固定し、メッシュ材(ポリエステル製、厚み8ミリのダブルラッセル生地)で測定面に固定して温度を測定した。開封後、10秒間隔で温度を測定して40分間測定を行い、その最高温度を比較した。結果を表1〜3に示す。高粘度で作れない場合は表中に"−"で表記した。
【0080】
なお、用いたシート状基材について以下に示す。表1〜3中、ポリマーシートは、「PS」と示した。
【0081】
1.吸水紙
坪量30g/mの紙(パルプ100%)を3枚重ねて用いた。
【0082】
2.ポリマーシート
坪量50g/mのパルプと坪量50g/m高吸水性ポリマーの粒子とからなる坪量100g/mのポリマーシートである。パルプは、架橋嵩高セルロース繊維と針葉樹晒クラフトパルプと紙力増強剤(PVA)からなるセルロース繊維の層であり、このセルロース繊維の層の厚み方向略中央域にポリアクリル酸ナトリウム系の高吸収性ポリマーの粒子(平均粒径340μm)が存在している。
【0083】
【表1】

【0084】
【表2】

【0085】
【表3】

【0086】
実施例1−18の発熱組成物は、離水等もなく塗工性能は良好であり、シート状基材に均一に塗布することができた。また、発熱特性も良い結果であった。
【0087】
比較例1−6の発熱組成物では、粘度が高すぎて、シート状基材に塗布することができないか、あるいは、塗布できても不均一であった。
【符号の説明】
【0088】
10 発熱体
101 発熱層
102 吸収層
102a 高吸収性ポリマーの粒子
102b 繊維材料
103 通気袋
103a 第一の被覆シート
103b 第二の被覆シート
104 袋体
104a 第一の外装シート
104b 第二の外装シート
301 塗工槽
302 発熱組成物
303 攪拌器
304 ポンプ
305 ダイヘッド
306 シート状基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(E)を含有する、発熱組成物。
(A)被酸化性金属、
(B)炭素成分、
(C)増粘剤、
(D)水、及び、
(E)オキシモノカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、及びその塩から選ばれる1種又は2種以上
【請求項2】
前記成分(E)が、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸及びグルコン酸から選択される、1種又は2種以上のオキシモノカルボン酸及びその塩である、請求項1に記載の発熱組成物。
【請求項3】
前記成分(A)100質量部に対して前記成分(E)を0.1質量部以上8質量部以下含む、請求項1又は2に記載の発熱組成物。
【請求項4】
前記成分(E)が、EO付加モル数が0.5〜15であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の発熱組成物。
【請求項5】
前記成分(E)が、アルキル基の炭素数が12〜15であるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩である、請求項1乃至4いずれか1項に記載の発熱組成物。
【請求項6】
スラリー状である請求項1乃至5いずれか1項に記載の発熱組成物。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれか1項に記載の発熱組成物をシート状基材に積層してなる発熱体を有する、発熱具。
【請求項8】
前記シート状基材が、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料を含む繊維シートを有する、請求項7に記載の発熱具。
【請求項9】
前記発熱体は、前記発熱組成物を前記シート状基材に塗布してなる、請求項7又は8に記載の発熱具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−140537(P2012−140537A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294234(P2010−294234)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】