発酵器
【課題】 複数の載置台を載置可能な発酵器において、それぞれの載置台の温度差を低減することができる発酵器を提供する。
【解決手段】 被発酵物が格納される発酵室1aと、発酵室1aの内部を加熱する熱源3と、を有してなる発酵器1であって、発酵室1aは、熱源3が設けられる底部4と、底部4に隣接する周壁部5および扉6と、周壁部5および扉6に隣接する天井部7と、を備え、発酵室1a内には、被発酵物が載置される複数の載置台8が配置可能で、発酵室1a内に配置される複数の載置台8のうち熱源に最も近い載置台8と、熱源3と、の間に配置される対流制御板14を有してなる。
【解決手段】 被発酵物が格納される発酵室1aと、発酵室1aの内部を加熱する熱源3と、を有してなる発酵器1であって、発酵室1aは、熱源3が設けられる底部4と、底部4に隣接する周壁部5および扉6と、周壁部5および扉6に隣接する天井部7と、を備え、発酵室1a内には、被発酵物が載置される複数の載置台8が配置可能で、発酵室1a内に配置される複数の載置台8のうち熱源に最も近い載置台8と、熱源3と、の間に配置される対流制御板14を有してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵器に関し、例えば、自家製パンの調理に用いることができる家庭用の発酵器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用の発酵器としては、複数の載置台が配置可能な発酵室と、発酵室の下方に発酵室内を加温するヒーターを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発酵器では、発酵させるパン生地が複数の載置台に載置されて、発酵室内の温度を検知する温度センサの情報により制御回路がヒーターの加温動作を制御する。この構成により、特許文献1記載の発酵器では、発酵室内の温度が適切に制御されて、パン生地を発酵させることができる。
なお、食品を格納する庫内の温度差を解消する他の技術として、セラミックパネルヒーターから発生する熱が、空隙、遮蔽用パネル、断熱紙を介して側壁の断熱材に伝達されるようにする温蔵庫(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3170536号公報
【特許文献2】特開平7−231855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発酵器では、発酵室内で複数の載置台のそれぞれについて適切な温度制御がなされているとは言い難かった。つまり、特許文献1記載の発酵器では、上述の通り温度センサと制御回路によりヒーターを制御して発酵室内の温度を制御している。ここで、特許文献1記載の発酵器では、ヒーターの上方にヒーターからの距離が異なる位置に複数の載置台が配置される。このため、特許文献1記載の発酵器において、ヒーターに近い載置台と遠い載置台とでは温度差が生じていた。このような発酵室内の温度差は、発酵される生地の品質に大きな影響を与える。
【0005】
しかし、特許文献1記載の発酵器は、発酵室内の温度差、つまり、発酵室内のそれぞれの載置台の温度差について考慮されていない。
【0006】
また、特許文献2記載の温蔵庫は、庫内の上下方向の温度差を解消しようとしているものの、セラミックパネルヒーターを上下方向に分割して、それぞれの温度を制御するというものである(特許文献2の[0017]参照。)ため、構造及び温度制御方法が複雑でコストアップの要因となる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の載置台を載置可能な発酵器において、簡易な構造で、それぞれの載置台の温度差を低減することができる発酵器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる発酵器は、被発酵物が格納される発酵室と、上記発酵室の内部を加熱する熱源と、を有してなる発酵器であって、上記発酵室は、上記熱源が設けられる底部と、上記底部に隣接する周壁部および扉と、上記周壁部および扉に隣接する天井部と、を備え、上記発酵室内には、上記被発酵物が載置される複数の載置台が配置可能で、上記発酵室内に配置される上記複数の載置台のうち上記熱源に最も近い載置台と、上記熱源と、の間に配置される対流制御板を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の載置台を載置可能な発酵器において、簡易な構造で、それぞれの載置台の温度差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる発酵器の実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の全体斜視図から扉を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる発酵器の天井部を取り外した状態の平面図である。
【図4】本発明にかかる発酵器の側断面図である。
【図5】本発明にかかる発酵器の底部の斜視図である。
【図6】本発明にかかる発酵器から扉を取り外し、対流制御板を載置した状態を示す斜視図である。
【図7】図6の対流制御板の、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【図8】本発明にかかる発酵器の天井部を取り外し、対流制御板を載置した状態の平面図である。
【図9】発酵室内の対流の様子を示す、本発明にかかる発酵器の側断面図である。
【図10】本発明にかかる発酵器の別の実施の形態を示す平面図である。
【図11】本発明にかかる発酵器のさらに別の実施の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる発酵器の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる発酵器の全体斜視図である。本実施の形態にかかる発酵器1は、ケース2と、ケース2内を加熱する熱源の一例としてのヒーター部を備える底部4により構成される。ケース2と底部4とで構成される発酵器1の外観は、ほぼ直方体である。発酵器1の内部には、パン生地やパン種などの被発酵物が格納される発酵室が形成される。
【0013】
ケース2は、底部4に隣接する周壁部5および扉6と、周壁部5および扉6に隣接する天井部7と、により構成される。周壁部5は、さらにケース2の側面をなす右側壁5a,左側壁5bと、背面(扉6の反対側)をなす背面部5cとからなる。右側壁5aと左側壁5bと背面部5cのそれぞれは、ほぼ矩形の板状部材である。また、右側壁5aと左側壁5bと背面部5cは、それぞれ別部材として形成してもよく、また、一つの部材として形成しそれぞれの接続部分を薄肉化して折りたたみ可能なように形成してもよい。
【0014】
なお、周壁部5,扉6,天井部7は、発酵室内外の断熱が必要であるため、断熱性の材料により形成されている。周壁部5,扉6,天井部7の材質としては、例えば低発泡性のポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)があげられる。
【0015】
また、周壁部5,扉6,天井部7の材質としては、ポリプロピレンやこれに代替できる他の高分子化合物でもよい。また、周壁部5,扉6,天井部7はそれぞれ材質が違っていてもよい。
【0016】
図2は、図1の全体斜視図から扉6を取り外した状態を示す斜視図である。また、図3は、発酵器1の天井部7を取り外した状態の平面図である。発酵器1の内部に形成される空間である発酵室1aには、底部4の上面に設けられるヒーター部3の発熱面が配置されている。ヒーター部3は、例えば電熱性のヒーターを用いることができる。また、ヒーター部3は、底部4の筐体内部に収められる不図示の制御回路により発熱温度が制御される。ここで、図3に示すように、ケース2は断面形状が平面視多角形、より詳細には矩形状である。
【0017】
図4は、発酵器1の側断面図である。発酵室1aには、周壁部5の内壁に設けられる載置網受け9によって、載置網8が載置可能である。
【0018】
載置網8は、被発酵物(あるいは被発酵物を収めるトレイ)が載置される複数の載置台の一例である。載置網8は、網状のものに限らず、後述するように発酵器1の発酵室1a内の空気の対流を実現できる形状であれば、様々なものを利用することが可能である。
【0019】
載置網受け9は、被発酵物を発酵室1a内に格納する際に用いられる載置網8を載置するために、発酵室1aの内側に向けて突出するように周壁部5の右側壁5aおよび左側壁5bに設けられている。載置網受け9は、図2に示すように、載置網8が収納される際に水平位置を保つことができるように、右側壁5aおよび左側壁5bに設けられている。つまり、載置網受け9は、その上面(天井部7側の面)が天井部7と底部4とに略水平になるように、右側壁5aおよび左側壁5bの高さ方向において同一の位置に2つで1セットになるように設けられている。
【0020】
なお、載置網受け9の数としては、適宜の数を設計することができるが、ケース2の高さ方向の内のり寸法と想定される被発酵物の高さとから所定間隔で設けられる。発酵室1a内の寸法は、載置網8の寸法(不図示の一般的なトレイを設置できるような寸法)に合わせている。
【0021】
図5は、発酵器1の底部4の斜視図である。底部4には、ヒーター部3のほかに、温度センサ10、スイッチ部11、表示部12、結合部品13が設けられる。
【0022】
温度センサ10は、底部4の上面であって背面部5c側の周縁中央付近に設けられている。温度センサ10は、ヒーター部3により熱せられた発酵室1a内の空気の温度を測定し、ヒーター部3の温度制御および発酵室1a内の各載置網8の温度の推定に用いる。温度センサ10は、例えばサーミスタからなる。
【0023】
なお、温度センサ10の位置は、図5に示したように底部4の上面の背面部5c側の周縁中央付近に限らず、周壁部5の内壁に沿った位置である限り適宜の場所に配置することができる。温度センサ10の位置としては、例えば、右側壁5a側や左側壁5b側の底部4の上面の周縁であってもよい。ヒーター部3の温度制御の方法は、温度センサ10を用いて適宜の方法を選択することができ、発酵器1の使用時に、ケース2の内側の温度を一定に維持することができる。
【0024】
スイッチ部11は、ヒーター部3の電源の入/切、設定温度の上下などの操作入力を発酵器1の利用者などから受け付ける。
【0025】
表示部12は、例えばヒーター部3の電源の入/切や設定温度などといったヒーター部3の状態やケース2内の現在温度などのデータを表示する。
【0026】
結合部品13は、例えばねじ込み式ノブであり、ねじ込むことで周壁部5の右側壁5aと左側壁5bとが底部4に固定される。
【0027】
なお、結合部品13は、周壁部5を底部4に固定することができるものであればよく、上述のようにねじ込み式に限らず様々な方法を採用することができる。
【0028】
図6は、発酵器1から扉6を取り外し、対流制御板を載置した状態を示す斜視図である。対流制御板14は、本発明における支持部の一例としての載置網受け9を介して、発酵室1a内に配置される。また、対流制御板14は、発酵室1a内の複数の載置網8のうちヒーター部3に最も近い載置網8とヒーター部3との間に配置される。ここで、対流制御板14とヒーター部3との鉛直方向の距離は、後述のヒーター部3からの熱流を周壁部5側へ促す効果を考慮すると短いことが望ましいが、対流制御板14の耐熱性を考慮して適宜定められる。
【0029】
図7は、対流制御板14の、(A)は平面図、(B)は底面図である。対流制御板14は、所定の厚みを持った平面視多角形状の板状部材である。また、図8は、発酵器1の天井部7を取り外し、対流制御板14を載置した状態の平面図である。図8中、ハッチングを施した箇所は、本発明にかかる流路を示す。対流制御板14は、本体部14a、接触部14b、切欠部14c(14c1,14c2)を有する。対流制御板14は、ケース2の内部に対流制御板14を配置したときに、本体部14aが発酵室1aの平面視中央付近に位置するように配置される。
【0030】
本体部14aは、対流制御板14が発酵室1a内に載置された際にヒーター部3の熱流が直上(に載置される被発酵物)に上昇しないように整流するために、通気性を有しない(あるいは通気性の低い)材質や構成を有する。
【0031】
なお、本体部14aは、必要な強度を確保すれば被発酵物の載置部材としても利用可能である。
【0032】
接触部14bは、平面視で発酵室1aの断面形状(多角形状、矩形状)に対応して多角形状をなす対流制御板14の頂点(四隅)に設けられている。換言すれば、接触部14bは、本体部14aより延び出たような形状をしている。ここで、対流制御板14の寸法は、長手方向と短手方向いずれにおいても、両端間の長さが発酵室1aの幅方向内のり寸法近傍の(例えば、幅方向内のり寸法よりやや短い)値で、かつ、本発明における支持部の一例としての最下段の載置網受け9に載置可能な値となっている。対流制御板14の寸法をこのように設定することで、対流制御板14は、接触部14bと周壁部5に設けられる最下段の載置網受け9とが接触またはわずかな空隙を残して接近した状態になる(以下、このような状態を「接する」という)。接触部14bと周壁部5に設けられる最下段の載置網受け9とが接することで、対流制御板14は、発酵室1a内部で本体部14aが発酵室1aの平面視中央付近に位置決めされる。
【0033】
切欠部14cは、本発明において対流制御板14の縁に形成される。切欠部14cは、発酵室1a内の空間のうち、対流制御板14の下方の空間と対流制御板14の上方の空間とを連通させる流路を形成する構成の一例である。
【0034】
切欠部14cがある箇所の対流制御板14の長手方向の寸法L1および短手方向の寸法L2は、接触部14bが設けられている箇所の長手方向の寸法L3および短手方向の寸法L4より短い寸法で設定されている。本実施の形態において、長手方向切欠部14c1と短手方向切欠部14c2は、いずれもほぼ台形状に切欠かれているものの、長手方向と短手方向とで異なる形状をなしている。具体的には、長手方向切欠部14c1が上辺と下辺の長さの差が大きく扁平な台形のような形状をしているのに対し、短手方向切欠部14c2が上辺と下辺の長さの差が小さくほぼ長方形のような形状をしている。
【0035】
切欠部14cの形状が上述のように定められている理由は、温度センサ10によって対流する空気(対流層)の温度を正確に測定するには、長さのある周壁部5の背面部側と扉6側を幅広く対流させる必要があるためである。詳細には、周壁部5の背面部側と扉6側にあたる長手方向切欠部14c1を幅広くとることで、ヒーター部3により熱せられた空気(熱流)が層流となりやすく温度が安定するからである。
【0036】
なお、切欠部14cは、対流制御板14の2組の対向する2辺のうち、少なくとも一方の対向する2辺に設けられていればよい。
【0037】
また、対流制御板14について、対流制御板14の強度を高めるために、図7(A)の表面リブ14dや図7(B)の裏面リブ14eを施してもよい。
【0038】
対流制御板14の厚さは、採用した材質の断熱性を考慮して定めることができる。特に、対流制御板14に被発酵物を載置する機能を兼用させる場合には、想定される被発酵物の重量に対する撓み量を考慮して厚さを定めてもよい。
【0039】
対流制御板14の材質としては、断熱性を有するものが望ましく、例えば低発泡性のポリスチレンがあげられる。
【0040】
図9は、発酵室1a内の対流の様子を示す、発酵器1の側断面図である。切欠部14cを設けることで、本実施の形態にかかる発酵器1では、ヒーター部3によって熱せられた対流制御板14の下方の空間にある空気が、切欠部14cを通って周壁部5の内壁沿い(図8においてハッチングを施した箇所)を上昇する。上昇した空気は、図9の矢印で示したように、天井部7の内壁に当たった後に下降に転じ、載置網8の網目を抜けて対流制御板14の上面に反射されて再び上昇に転じることでケース2内を対流する。対流制御板14が以上のような空気の流れを促すことで、発酵器1では、発酵室1a内の温度を測定する温度センサ10が底部4にのみ設けられていても発酵室1a内の温度を正確に測定することができる。また、対流制御板14が以上のような空気の流れを促すことで、発酵器1では、各載置網8に載置される被発酵物の温度差を低減することができる。
【0041】
接触部14bを設けることによって、発酵器1では、対流制御板14を載置する際に周壁部5の内壁と切欠部14c側端部との距離が適切に管理される。これにより、発酵器1では、特に温度センサ10上方の切欠部14cの開口面積が適切に確保(流路の断面積が確保)される。そのため、発酵器1によれば、温度センサ10による発酵室1a内の正確な温度検知がなされ、ひいてはヒーター部3による適切な温度制御を行うことができる。
【0042】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用を得ることができる。すなわち、対流制御板14の本体部14aが被発酵物を載置する載置網8のうちヒーター部3に最も近いものとヒーター部3との間に設けられていることにより、発酵器1では、ヒーター部3からの熱流が直上に向かわず周壁部5の内壁に沿って上昇するように整流される。また、対流制御板14に接触部14bが設けられていることにより、発酵器1では、対流制御板14による整流作用を得るための発酵室1a内での位置決めが容易になる。さらに、対流制御板14に切欠部14cが設けられていることにより、上述の整流されたヒーター部3からの熱流がより周壁部5の内壁に沿って流れる。
【0043】
また、以上説明した実施の形態によれば、以上のような対流制御板14の整流作用により、発酵室1a内の温度の均一化が図られるため、複数の載置網8を載置可能な発酵器1において、簡易な構造で、それぞれの載置網8の温度差を軽減することができる。
【0044】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、発酵室1a内の温度の均一化が図られるため、発酵室1a内の温度を測定する温度センサ10が熱流の流路()となる周壁部5の内壁付近(本実施の形態では底部4の背面部5c側)に少なくとも一つ設けられていれば、発酵室1a内全体の温度を正確に把握することができる。
【0045】
[変形例]
なお、以上説明した実施の形態は、対流制御板14の下方と上方とを連通するために対流制御板14に切欠部14cを設けるものであったが、本発明にかかる発酵器は、これ以外の形態によっても実現可能である。
【0046】
図10は、本発明にかかる発酵器の別の実施の形態を示す平面図である。図10にかかる発酵器は、対流制御板14を有し対流制御板14の縁と周壁部5の内壁とによりヒーター部3付近の温かい空気と発酵室1a内の空気とを流通させ流路を形成する点が上述の発酵器1と共通する。ここで、図10にかかる発酵器は、対流制御板14に切欠部を有しない点と周壁部5の右側壁5aと左側壁5bと背面部5cの平面視中央から所定範囲を薄肉化している点が上述の発酵器1と相違する。そして、図10にかかる発酵器は、このような対流制御板14と周壁部5の形状により流路を形成する。
【0047】
また、図11は、本発明にかかる発酵器のさらに別の実施の形態を示す平面図である。図11にかかる発酵器も、対流制御板14を有し対流制御板14の縁と周壁部5の内壁とにより流路を形成する点が上述の発酵器1と共通する。ここで、図11にかかる発酵器は、対流制御板14に切欠部を有しない点と右側壁5aと左側壁5bと背面部5cの平面視中央からの所定範囲を膨らませるようにしている点が上述の発酵器1と相違する。そして、図11にかかる発酵器は、このような対流制御板14と周壁部5の形状により流路を形成する。
【符号の説明】
【0048】
1 :発酵器
1a :発酵室
2 :ケース
3 :ヒーター部
4 :底部
5 :周壁部
5a :右側壁
5b :左側壁
5c :背面部
6 :扉
7 :天井部
8 :載置網
9 :載置網受け
10 :温度センサ
11 :スイッチ部
12 :表示部
13 :結合部品
14 :対流制御板
14a :本体部
14b :接触部
14c1 :長手方向切欠部
14c2 :短手方向切欠部
14d :表面リブ
14e :裏面リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、発酵器に関し、例えば、自家製パンの調理に用いることができる家庭用の発酵器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用の発酵器としては、複数の載置台が配置可能な発酵室と、発酵室の下方に発酵室内を加温するヒーターを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発酵器では、発酵させるパン生地が複数の載置台に載置されて、発酵室内の温度を検知する温度センサの情報により制御回路がヒーターの加温動作を制御する。この構成により、特許文献1記載の発酵器では、発酵室内の温度が適切に制御されて、パン生地を発酵させることができる。
なお、食品を格納する庫内の温度差を解消する他の技術として、セラミックパネルヒーターから発生する熱が、空隙、遮蔽用パネル、断熱紙を介して側壁の断熱材に伝達されるようにする温蔵庫(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3170536号公報
【特許文献2】特開平7−231855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発酵器では、発酵室内で複数の載置台のそれぞれについて適切な温度制御がなされているとは言い難かった。つまり、特許文献1記載の発酵器では、上述の通り温度センサと制御回路によりヒーターを制御して発酵室内の温度を制御している。ここで、特許文献1記載の発酵器では、ヒーターの上方にヒーターからの距離が異なる位置に複数の載置台が配置される。このため、特許文献1記載の発酵器において、ヒーターに近い載置台と遠い載置台とでは温度差が生じていた。このような発酵室内の温度差は、発酵される生地の品質に大きな影響を与える。
【0005】
しかし、特許文献1記載の発酵器は、発酵室内の温度差、つまり、発酵室内のそれぞれの載置台の温度差について考慮されていない。
【0006】
また、特許文献2記載の温蔵庫は、庫内の上下方向の温度差を解消しようとしているものの、セラミックパネルヒーターを上下方向に分割して、それぞれの温度を制御するというものである(特許文献2の[0017]参照。)ため、構造及び温度制御方法が複雑でコストアップの要因となる。
【0007】
そこで、本発明は、複数の載置台を載置可能な発酵器において、簡易な構造で、それぞれの載置台の温度差を低減することができる発酵器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる発酵器は、被発酵物が格納される発酵室と、上記発酵室の内部を加熱する熱源と、を有してなる発酵器であって、上記発酵室は、上記熱源が設けられる底部と、上記底部に隣接する周壁部および扉と、上記周壁部および扉に隣接する天井部と、を備え、上記発酵室内には、上記被発酵物が載置される複数の載置台が配置可能で、上記発酵室内に配置される上記複数の載置台のうち上記熱源に最も近い載置台と、上記熱源と、の間に配置される対流制御板を有してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の載置台を載置可能な発酵器において、簡易な構造で、それぞれの載置台の温度差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる発酵器の実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の全体斜視図から扉を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明にかかる発酵器の天井部を取り外した状態の平面図である。
【図4】本発明にかかる発酵器の側断面図である。
【図5】本発明にかかる発酵器の底部の斜視図である。
【図6】本発明にかかる発酵器から扉を取り外し、対流制御板を載置した状態を示す斜視図である。
【図7】図6の対流制御板の、(A)は平面図、(B)は底面図である。
【図8】本発明にかかる発酵器の天井部を取り外し、対流制御板を載置した状態の平面図である。
【図9】発酵室内の対流の様子を示す、本発明にかかる発酵器の側断面図である。
【図10】本発明にかかる発酵器の別の実施の形態を示す平面図である。
【図11】本発明にかかる発酵器のさらに別の実施の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる発酵器の実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる発酵器の全体斜視図である。本実施の形態にかかる発酵器1は、ケース2と、ケース2内を加熱する熱源の一例としてのヒーター部を備える底部4により構成される。ケース2と底部4とで構成される発酵器1の外観は、ほぼ直方体である。発酵器1の内部には、パン生地やパン種などの被発酵物が格納される発酵室が形成される。
【0013】
ケース2は、底部4に隣接する周壁部5および扉6と、周壁部5および扉6に隣接する天井部7と、により構成される。周壁部5は、さらにケース2の側面をなす右側壁5a,左側壁5bと、背面(扉6の反対側)をなす背面部5cとからなる。右側壁5aと左側壁5bと背面部5cのそれぞれは、ほぼ矩形の板状部材である。また、右側壁5aと左側壁5bと背面部5cは、それぞれ別部材として形成してもよく、また、一つの部材として形成しそれぞれの接続部分を薄肉化して折りたたみ可能なように形成してもよい。
【0014】
なお、周壁部5,扉6,天井部7は、発酵室内外の断熱が必要であるため、断熱性の材料により形成されている。周壁部5,扉6,天井部7の材質としては、例えば低発泡性のポリスチレン(いわゆる発泡スチロール)があげられる。
【0015】
また、周壁部5,扉6,天井部7の材質としては、ポリプロピレンやこれに代替できる他の高分子化合物でもよい。また、周壁部5,扉6,天井部7はそれぞれ材質が違っていてもよい。
【0016】
図2は、図1の全体斜視図から扉6を取り外した状態を示す斜視図である。また、図3は、発酵器1の天井部7を取り外した状態の平面図である。発酵器1の内部に形成される空間である発酵室1aには、底部4の上面に設けられるヒーター部3の発熱面が配置されている。ヒーター部3は、例えば電熱性のヒーターを用いることができる。また、ヒーター部3は、底部4の筐体内部に収められる不図示の制御回路により発熱温度が制御される。ここで、図3に示すように、ケース2は断面形状が平面視多角形、より詳細には矩形状である。
【0017】
図4は、発酵器1の側断面図である。発酵室1aには、周壁部5の内壁に設けられる載置網受け9によって、載置網8が載置可能である。
【0018】
載置網8は、被発酵物(あるいは被発酵物を収めるトレイ)が載置される複数の載置台の一例である。載置網8は、網状のものに限らず、後述するように発酵器1の発酵室1a内の空気の対流を実現できる形状であれば、様々なものを利用することが可能である。
【0019】
載置網受け9は、被発酵物を発酵室1a内に格納する際に用いられる載置網8を載置するために、発酵室1aの内側に向けて突出するように周壁部5の右側壁5aおよび左側壁5bに設けられている。載置網受け9は、図2に示すように、載置網8が収納される際に水平位置を保つことができるように、右側壁5aおよび左側壁5bに設けられている。つまり、載置網受け9は、その上面(天井部7側の面)が天井部7と底部4とに略水平になるように、右側壁5aおよび左側壁5bの高さ方向において同一の位置に2つで1セットになるように設けられている。
【0020】
なお、載置網受け9の数としては、適宜の数を設計することができるが、ケース2の高さ方向の内のり寸法と想定される被発酵物の高さとから所定間隔で設けられる。発酵室1a内の寸法は、載置網8の寸法(不図示の一般的なトレイを設置できるような寸法)に合わせている。
【0021】
図5は、発酵器1の底部4の斜視図である。底部4には、ヒーター部3のほかに、温度センサ10、スイッチ部11、表示部12、結合部品13が設けられる。
【0022】
温度センサ10は、底部4の上面であって背面部5c側の周縁中央付近に設けられている。温度センサ10は、ヒーター部3により熱せられた発酵室1a内の空気の温度を測定し、ヒーター部3の温度制御および発酵室1a内の各載置網8の温度の推定に用いる。温度センサ10は、例えばサーミスタからなる。
【0023】
なお、温度センサ10の位置は、図5に示したように底部4の上面の背面部5c側の周縁中央付近に限らず、周壁部5の内壁に沿った位置である限り適宜の場所に配置することができる。温度センサ10の位置としては、例えば、右側壁5a側や左側壁5b側の底部4の上面の周縁であってもよい。ヒーター部3の温度制御の方法は、温度センサ10を用いて適宜の方法を選択することができ、発酵器1の使用時に、ケース2の内側の温度を一定に維持することができる。
【0024】
スイッチ部11は、ヒーター部3の電源の入/切、設定温度の上下などの操作入力を発酵器1の利用者などから受け付ける。
【0025】
表示部12は、例えばヒーター部3の電源の入/切や設定温度などといったヒーター部3の状態やケース2内の現在温度などのデータを表示する。
【0026】
結合部品13は、例えばねじ込み式ノブであり、ねじ込むことで周壁部5の右側壁5aと左側壁5bとが底部4に固定される。
【0027】
なお、結合部品13は、周壁部5を底部4に固定することができるものであればよく、上述のようにねじ込み式に限らず様々な方法を採用することができる。
【0028】
図6は、発酵器1から扉6を取り外し、対流制御板を載置した状態を示す斜視図である。対流制御板14は、本発明における支持部の一例としての載置網受け9を介して、発酵室1a内に配置される。また、対流制御板14は、発酵室1a内の複数の載置網8のうちヒーター部3に最も近い載置網8とヒーター部3との間に配置される。ここで、対流制御板14とヒーター部3との鉛直方向の距離は、後述のヒーター部3からの熱流を周壁部5側へ促す効果を考慮すると短いことが望ましいが、対流制御板14の耐熱性を考慮して適宜定められる。
【0029】
図7は、対流制御板14の、(A)は平面図、(B)は底面図である。対流制御板14は、所定の厚みを持った平面視多角形状の板状部材である。また、図8は、発酵器1の天井部7を取り外し、対流制御板14を載置した状態の平面図である。図8中、ハッチングを施した箇所は、本発明にかかる流路を示す。対流制御板14は、本体部14a、接触部14b、切欠部14c(14c1,14c2)を有する。対流制御板14は、ケース2の内部に対流制御板14を配置したときに、本体部14aが発酵室1aの平面視中央付近に位置するように配置される。
【0030】
本体部14aは、対流制御板14が発酵室1a内に載置された際にヒーター部3の熱流が直上(に載置される被発酵物)に上昇しないように整流するために、通気性を有しない(あるいは通気性の低い)材質や構成を有する。
【0031】
なお、本体部14aは、必要な強度を確保すれば被発酵物の載置部材としても利用可能である。
【0032】
接触部14bは、平面視で発酵室1aの断面形状(多角形状、矩形状)に対応して多角形状をなす対流制御板14の頂点(四隅)に設けられている。換言すれば、接触部14bは、本体部14aより延び出たような形状をしている。ここで、対流制御板14の寸法は、長手方向と短手方向いずれにおいても、両端間の長さが発酵室1aの幅方向内のり寸法近傍の(例えば、幅方向内のり寸法よりやや短い)値で、かつ、本発明における支持部の一例としての最下段の載置網受け9に載置可能な値となっている。対流制御板14の寸法をこのように設定することで、対流制御板14は、接触部14bと周壁部5に設けられる最下段の載置網受け9とが接触またはわずかな空隙を残して接近した状態になる(以下、このような状態を「接する」という)。接触部14bと周壁部5に設けられる最下段の載置網受け9とが接することで、対流制御板14は、発酵室1a内部で本体部14aが発酵室1aの平面視中央付近に位置決めされる。
【0033】
切欠部14cは、本発明において対流制御板14の縁に形成される。切欠部14cは、発酵室1a内の空間のうち、対流制御板14の下方の空間と対流制御板14の上方の空間とを連通させる流路を形成する構成の一例である。
【0034】
切欠部14cがある箇所の対流制御板14の長手方向の寸法L1および短手方向の寸法L2は、接触部14bが設けられている箇所の長手方向の寸法L3および短手方向の寸法L4より短い寸法で設定されている。本実施の形態において、長手方向切欠部14c1と短手方向切欠部14c2は、いずれもほぼ台形状に切欠かれているものの、長手方向と短手方向とで異なる形状をなしている。具体的には、長手方向切欠部14c1が上辺と下辺の長さの差が大きく扁平な台形のような形状をしているのに対し、短手方向切欠部14c2が上辺と下辺の長さの差が小さくほぼ長方形のような形状をしている。
【0035】
切欠部14cの形状が上述のように定められている理由は、温度センサ10によって対流する空気(対流層)の温度を正確に測定するには、長さのある周壁部5の背面部側と扉6側を幅広く対流させる必要があるためである。詳細には、周壁部5の背面部側と扉6側にあたる長手方向切欠部14c1を幅広くとることで、ヒーター部3により熱せられた空気(熱流)が層流となりやすく温度が安定するからである。
【0036】
なお、切欠部14cは、対流制御板14の2組の対向する2辺のうち、少なくとも一方の対向する2辺に設けられていればよい。
【0037】
また、対流制御板14について、対流制御板14の強度を高めるために、図7(A)の表面リブ14dや図7(B)の裏面リブ14eを施してもよい。
【0038】
対流制御板14の厚さは、採用した材質の断熱性を考慮して定めることができる。特に、対流制御板14に被発酵物を載置する機能を兼用させる場合には、想定される被発酵物の重量に対する撓み量を考慮して厚さを定めてもよい。
【0039】
対流制御板14の材質としては、断熱性を有するものが望ましく、例えば低発泡性のポリスチレンがあげられる。
【0040】
図9は、発酵室1a内の対流の様子を示す、発酵器1の側断面図である。切欠部14cを設けることで、本実施の形態にかかる発酵器1では、ヒーター部3によって熱せられた対流制御板14の下方の空間にある空気が、切欠部14cを通って周壁部5の内壁沿い(図8においてハッチングを施した箇所)を上昇する。上昇した空気は、図9の矢印で示したように、天井部7の内壁に当たった後に下降に転じ、載置網8の網目を抜けて対流制御板14の上面に反射されて再び上昇に転じることでケース2内を対流する。対流制御板14が以上のような空気の流れを促すことで、発酵器1では、発酵室1a内の温度を測定する温度センサ10が底部4にのみ設けられていても発酵室1a内の温度を正確に測定することができる。また、対流制御板14が以上のような空気の流れを促すことで、発酵器1では、各載置網8に載置される被発酵物の温度差を低減することができる。
【0041】
接触部14bを設けることによって、発酵器1では、対流制御板14を載置する際に周壁部5の内壁と切欠部14c側端部との距離が適切に管理される。これにより、発酵器1では、特に温度センサ10上方の切欠部14cの開口面積が適切に確保(流路の断面積が確保)される。そのため、発酵器1によれば、温度センサ10による発酵室1a内の正確な温度検知がなされ、ひいてはヒーター部3による適切な温度制御を行うことができる。
【0042】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用を得ることができる。すなわち、対流制御板14の本体部14aが被発酵物を載置する載置網8のうちヒーター部3に最も近いものとヒーター部3との間に設けられていることにより、発酵器1では、ヒーター部3からの熱流が直上に向かわず周壁部5の内壁に沿って上昇するように整流される。また、対流制御板14に接触部14bが設けられていることにより、発酵器1では、対流制御板14による整流作用を得るための発酵室1a内での位置決めが容易になる。さらに、対流制御板14に切欠部14cが設けられていることにより、上述の整流されたヒーター部3からの熱流がより周壁部5の内壁に沿って流れる。
【0043】
また、以上説明した実施の形態によれば、以上のような対流制御板14の整流作用により、発酵室1a内の温度の均一化が図られるため、複数の載置網8を載置可能な発酵器1において、簡易な構造で、それぞれの載置網8の温度差を軽減することができる。
【0044】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、発酵室1a内の温度の均一化が図られるため、発酵室1a内の温度を測定する温度センサ10が熱流の流路()となる周壁部5の内壁付近(本実施の形態では底部4の背面部5c側)に少なくとも一つ設けられていれば、発酵室1a内全体の温度を正確に把握することができる。
【0045】
[変形例]
なお、以上説明した実施の形態は、対流制御板14の下方と上方とを連通するために対流制御板14に切欠部14cを設けるものであったが、本発明にかかる発酵器は、これ以外の形態によっても実現可能である。
【0046】
図10は、本発明にかかる発酵器の別の実施の形態を示す平面図である。図10にかかる発酵器は、対流制御板14を有し対流制御板14の縁と周壁部5の内壁とによりヒーター部3付近の温かい空気と発酵室1a内の空気とを流通させ流路を形成する点が上述の発酵器1と共通する。ここで、図10にかかる発酵器は、対流制御板14に切欠部を有しない点と周壁部5の右側壁5aと左側壁5bと背面部5cの平面視中央から所定範囲を薄肉化している点が上述の発酵器1と相違する。そして、図10にかかる発酵器は、このような対流制御板14と周壁部5の形状により流路を形成する。
【0047】
また、図11は、本発明にかかる発酵器のさらに別の実施の形態を示す平面図である。図11にかかる発酵器も、対流制御板14を有し対流制御板14の縁と周壁部5の内壁とにより流路を形成する点が上述の発酵器1と共通する。ここで、図11にかかる発酵器は、対流制御板14に切欠部を有しない点と右側壁5aと左側壁5bと背面部5cの平面視中央からの所定範囲を膨らませるようにしている点が上述の発酵器1と相違する。そして、図11にかかる発酵器は、このような対流制御板14と周壁部5の形状により流路を形成する。
【符号の説明】
【0048】
1 :発酵器
1a :発酵室
2 :ケース
3 :ヒーター部
4 :底部
5 :周壁部
5a :右側壁
5b :左側壁
5c :背面部
6 :扉
7 :天井部
8 :載置網
9 :載置網受け
10 :温度センサ
11 :スイッチ部
12 :表示部
13 :結合部品
14 :対流制御板
14a :本体部
14b :接触部
14c1 :長手方向切欠部
14c2 :短手方向切欠部
14d :表面リブ
14e :裏面リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被発酵物が格納される発酵室と、
上記発酵室の内部を加熱する熱源と、
を有してなる発酵器であって、
上記発酵室は、上記熱源が設けられる底部と、上記底部に隣接する周壁部および扉と、上記周壁部および扉に隣接する天井部と、を備え、
上記発酵室内には、上記被発酵物が載置される複数の載置台が配置可能で、
上記発酵室内に配置される上記複数の載置台のうち上記熱源に最も近い載置台と、上記熱源と、の間に配置される対流制御板を有してなることを特徴とする発酵器。
【請求項2】
上記対流制御板は、接触部を備え、
上記接触部が、上記周壁部の内壁に設けられる支持部に接することで発酵室内に載置される、
請求項1記載の発酵器。
【請求項3】
上記接触部と上記支持部とが接して上記対流制御板が上記発酵室内で位置決めされているとき、
上記発酵室内の空間であって、上記対流制御板の下方の空間と上記対流制御板の上方の空間とを連通させる流路が、上記対流制御板と上記周壁部の内壁との間に形成される、
請求項2記載の発酵器。
【請求項4】
上記発酵室の断面形状は、平面視多角形で、
上記対流制御板は、多角形の頂点に上記接触部が設けられ、
上記多角形の辺のうち少なくとも1の辺には、上記流路を形成する切欠部が設けられている、
請求項3記載の発酵器。
【請求項5】
上記発酵室の断面形状は、平面視矩形状で、
上記対流制御板は、四隅に上記接触部が設けられる、
請求項4記載の発酵器。
【請求項6】
上記対流制御板の2組の対向する2辺のうち、少なくとも一方の対向する2辺に上記切欠部が設けられている、
請求項5記載の発酵器。
【請求項7】
上記対流制御板は、断熱素材で形成されている、
請求項1乃至6のいずれかに記載の発酵器。
【請求項1】
被発酵物が格納される発酵室と、
上記発酵室の内部を加熱する熱源と、
を有してなる発酵器であって、
上記発酵室は、上記熱源が設けられる底部と、上記底部に隣接する周壁部および扉と、上記周壁部および扉に隣接する天井部と、を備え、
上記発酵室内には、上記被発酵物が載置される複数の載置台が配置可能で、
上記発酵室内に配置される上記複数の載置台のうち上記熱源に最も近い載置台と、上記熱源と、の間に配置される対流制御板を有してなることを特徴とする発酵器。
【請求項2】
上記対流制御板は、接触部を備え、
上記接触部が、上記周壁部の内壁に設けられる支持部に接することで発酵室内に載置される、
請求項1記載の発酵器。
【請求項3】
上記接触部と上記支持部とが接して上記対流制御板が上記発酵室内で位置決めされているとき、
上記発酵室内の空間であって、上記対流制御板の下方の空間と上記対流制御板の上方の空間とを連通させる流路が、上記対流制御板と上記周壁部の内壁との間に形成される、
請求項2記載の発酵器。
【請求項4】
上記発酵室の断面形状は、平面視多角形で、
上記対流制御板は、多角形の頂点に上記接触部が設けられ、
上記多角形の辺のうち少なくとも1の辺には、上記流路を形成する切欠部が設けられている、
請求項3記載の発酵器。
【請求項5】
上記発酵室の断面形状は、平面視矩形状で、
上記対流制御板は、四隅に上記接触部が設けられる、
請求項4記載の発酵器。
【請求項6】
上記対流制御板の2組の対向する2辺のうち、少なくとも一方の対向する2辺に上記切欠部が設けられている、
請求項5記載の発酵器。
【請求項7】
上記対流制御板は、断熱素材で形成されている、
請求項1乃至6のいずれかに記載の発酵器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−102759(P2013−102759A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251279(P2011−251279)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(502354524)アシストV株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(502354524)アシストV株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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