説明

登録用ターミナル、精算用ターミナル、プログラム及び商品販売処理装置

【課題】二人制の商品販売処理装置において、販売データの変更を効率的に処理することが可能な登録用ターミナル、精算用ターミナル及びプログラムを提供する。
【解決手段】登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における登録用ターミナルであって、商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、取引の取引内容を変更する変更指示を受け付ける受付手段と、前記精算用ターミナルに登録された精算中又は未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた取引に対応する取引番号のレコードに含まれる販売データを、前記変更指示に従って変更する変更手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二人制の商品販売処理装置に係る登録用ターミナル、精算用ターミナル、プログラム及び商品販売処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店では、一台の商品販売処理装置を二人のオペレータが操作する所謂二人制と呼ばれる商品販売処理装置が用いられている。係る商品販売処理装置は、各取引の取引内容を示した販売データを生成する登録用ターミナルと、販売データに基づいて各取引の精算を行う精算用ターミナルとから構成され、二人のオペレータが各ターミナルを夫々操作することで、役割を分担して処理を進めることが可能となっている。
【0003】
ところで、従来の商品販売処理装置では、一の取引について登録用ターミナルから精算用ターミナルへ販売データを引き渡した後、この販売データを登録用ターミナルでは変更することができなかった。このような理由により、例えば精算中や精算待ちの状態で商品の追加や削除を行うような場合には精算用ターミナル側で対応する必要があるため、変更に係る操作が煩雑であるという問題があった。この問題に対し、特許文献1には、精算中の取引について商品の取り消しや追加購入が指示された場合、この指示内容に応じた訂正情報(商品コード)を登録用ターミナルで生成し精算用ターミナルに通知することで、販売データを訂正する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、精算中の取引に対してしか処理することができないため、精算待ちの取引に変更が発生した場合には即時対応することができず、販売データの変更を効率的に処理できないという問題がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、二人制の商品販売処理装置において、販売データの変更を効率的に処理することが可能な登録用ターミナル、精算用ターミナル、プログラム及び商品販売処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における登録用ターミナルであって、商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、特定の取引の取引内容を変更する変更指示を受け付ける受付手段と、前記精算用ターミナルに登録された精算中又は未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた特定の取引に対応する取引番号のレコードに含まれる販売データを、前記変更指示に従って変更する変更手段と、を備える。
【0007】
また、本発明は、登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における登録用ターミナルのコンピュータを、商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、特定の取引の取引内容を変更する変更指示を受け付ける受付手段と、前記精算用ターミナルに登録された精算中又は未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた特定の取引に対応する取引番号のレコードに含まれる販売データを、前記変更指示に従って変更する変更手段と、して機能させる。
【0008】
また、本発明は、登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における精算用ターミナルであって、前記登録用ターミナルから商品の購入に係る取引毎に送信される当該取引の取引内容を記録した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして順次格納する格納手段と、前記登録用ターミナルから精算中又は未精算の取引に係る特定の取引番号について販売データの変更が指示される毎に、この取引番号のレコードに含まれる販売データを通知された変更内容に基づいて更新する更新手段と、を備える。
【0009】
また、本発明は、登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における精算用ターミナルのコンピュータを、外部の登録用ターミナルから商品の購入に係る取引毎に送信される当該取引の取引内容を記録した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして順次格納する格納手段と、前記登録用ターミナルから精算中又は未精算の取引に係る特定の取引番号について販売データの変更が指示される毎に、この取引番号のレコードに含まれる販売データを通知された変更内容に基づいて更新する更新手段と、して機能させる。
【0010】
また、本発明は、登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有する二人制の商品販売処理装置において、前記登録用ターミナルは、商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、前記取引内容の変更要求を受け付ける第1受付手段と、前記第1受付手段が前記変更要求を受け付けると、前記精算用ターミナルに登録された精算中及び未精算の取引に係るレコードを要求する要求手段と、前記要求手段の要求により前記精算用ターミナルから提供されたレコードのうち、特定のレコードに含まれる販売データへの変更指示を受け付ける第2受付手段と、前記特定のレコードに含まれる販売データを、前記第2受付手段で受け付けた変更指示に従って変更する変更手段と、前記特定のレコードに含まれる取引番号と、前記変更手段で変更された販売データとを更新データとして前記精算用ターミナルに通知する通知手段と、を備え、前記精算用ターミナルは、前記登録手段により登録された前記レコードを順次格納する格納手段と、前記要求手段からの要求に応じて、前記格納手段に格納された精算中又は未精算のレコードを前記登録用ターミナルに提供する提供手段と、前記更新データに含まれる取引番号に対応するレコードの販売データを、当該更新データに含まれる販売データに更新する更新手段と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二人制の商品販売処理装置において、販売データの変更を効率的に処理することが可能な登録用ターミナル、精算用ターミナル、プログラム及び商品販売処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、商品販売処理装置の外観構成の一例を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した商品販売処理装置の制御構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2に示したPLUテーブルを構成するデータ項目の一例を示す図である。
【図4】図4は、登録用ターミナルの表示器に表示された取引選択画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、図2に示した精算テーブルを構成するデータ項目の一例を示す図である。
【図6】図6は、精算用ターミナルの表示器に表示された精算画面の一例を示す図である。
【図7】図7は、精算用ターミナルの表示器に表示された精算画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、図1に示した商品販売処理装置で実行される販売データ変更処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る登録用ターミナル、精算用ターミナル、プログラム及び商品販売処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係る商品販売処理装置の外観構成の一例を概略的に示す斜視図である。同図に示すように、商品販売処理装置1は、二人制の商品販売処理装置であって、商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを生成する登録用ターミナル2と、前記販売データと当該販売データに係る取引を識別する取引番号とを一のレコードとして順次格納し、この格納した順序で各取引の精算を行う精算用ターミナル3とを有する。ここで、登録用ターミナル2は顧客の流れFの入口側に配置され、精算用ターミナル3は顧客の流れFの出口側に配置される。
【0015】
登録用ターミナル2には、オペレータ(以下、チェッカーという)により操作されるキーボード21、商品コードや商品単価等を表示する表示器22、商品に付されたバーコードや二次元コード等のデータコードを光学的に読み取るためのコードスキャナ23が設けられている。なお、キーボード21には、各商品の販売点数等の数値データを入力する置数キー、合計金額を算出する合計キー、取引内容の変更要求を受け付けるための取引呼戻キー等の各種のキーが配列されている。
【0016】
一方、精算用ターミナル3には、筐体31にオペレータ(以下、キャッシャーという)により操作されるキーボード32、合計金額や預り金額等を表示するキャッシャー用の表示器33及び顧客用の表示器34が設けられている。また、筐体31にはレシートやジャーナルを印字するプリンタ35が設けられている。また、筐体31の下部には引出し可能に現金を収納するドロワ36が設けられている。なお、キーボード32には、置数キーや取引(精算)の完了を指示する現計キー等の各種のキーが配列されている。
【0017】
次に、図2を参照して、登録用ターミナル2及び精算用ターミナル3の制御構成について説明する。ここで、図2は、商品販売処理装置1の制御構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
登録用ターミナル2は、図2に示すように、各種の演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)41、CPU41が実行する各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)42、CPU41のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)43、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成される記憶部44、キーボード21からの信号を取り込む信号入力部45、表示器22に表示データを出力する表示制御部46、コードスキャナ23からの信号(データコード)を取り込むデータコード入力部47、伝送路Nを介して精算用ターミナル3に接続される通信部48を備える。
【0019】
記憶部44には、店舗内で販売される各商品について、その商品コード、商品名、商品単価等を対応付けて格納したPLU(プライスルックアップ)テーブル441が記憶されている。図3は、PLUテーブル441を構成するデータ項目の一例を示す図である。同図に示すように、PLUテーブル441は、「商品コード」、「商品名」、「商品単価」等のデータ項目によって構成されている。ここで、商品コードは、店舗で販売される各種商品品目を識別するために商品毎に予め設定された固有のコードである。また、商品名及び商品単価は、同一の商品コードによって特定される商品についての情報である。なお、本実施形態では、登録用ターミナル2が記憶部44を内蔵する形態としたが、これに限らず、登録用ターミナル2と通信可能な外部装置(例えば、サーバ装置等)が備える記憶装置を記憶部44とする形態としてもよい。
【0020】
登録用ターミナル2を操作するチェッカーは、商品に付されたデータコードをコードスキャナ23にかざすことでデータコードを読み取らせたり、値数キーを介して販売点数を入力したりすることで、顧客が購入対象とした商品の登録を行う。
【0021】
コードスキャナ23はデータコードを読み取ると、データコード入力部47を介してCPU41へ出力する。CPU41は、データコード入力部47を介してデータコードを受け付けると、このデータコードをデコードすることで当該データコードに保持された商品コードを取得する。そして、CPU41は、データコードから商品コードを取得する毎に、この商品コードに対応する商品名及び商品単価をPLUテーブル441から読み出し、販売点数と対応付けてRAM43のワークエリアに格納する。なお、販売点数の入力が明示的に行われない場合には、デフォルト値“1”が自動的に入力されるものとする。
【0022】
さらに、CPU41は、信号入力部45を介して合計キーの押下を検出すると、ワークエリアに格納された各商品についての商品単価及び販売点数に基づいて、これら購入対象となった商品の合計金額を算出する。CPU41は、ワークエリアに格納された商品コード、商品名、商品単価及び販売点数の各組を、一の取引の取引内容を示した販売データとして生成する。そして、CPU41は、生成した販売データを、この取引に係る取引番号と算出した合計金額とともに精算用ターミナル3へ通知することで、これらのデータを精算対象の取引に係るレコードとして後述する精算テーブル531(図2及び図5参照)に登録する。ここで、取引番号とは、各取引を識別するための識別情報であって、取引毎に固有の値が付与される。なお、CPU41は販売データの登録を完了すると、次の取引に備えるため当該販売データをワークエリアから削除する。
【0023】
また、CPU41は、信号入力部45を介してキーボード21の取引呼戻キーの押下を検出すると、精算用ターミナル3に登録した清算中又は未精算の取引に係る販売データを変更する販売データ変更処理を開始する。この販売データ変更処理において、CPU41は、精算用ターミナル3にレコードの読み出し要求を送信することで、後述する精算テーブル531に格納された各レコード、つまり登録済みの各取引についての取引番号、販売データ及び合計金額を精算用ターミナル3から取得する。なお、取引訂正処理は任意のタイミングで実行されてもよいが、上述した商品コードの読み取りの最中に実行された場合には、この商品コードの読み取りに係る取引が一時中断されるものとする。
【0024】
CPU41は、精算用ターミナル3からレコードを取得すると、当該レコードに含まれる各情報に基づき、変更の対象となる取引を選択させるための画面(以下、取引選択画面という)を、表示制御部46により表示器22に表示させる。
【0025】
ここで、図4は、表示器22に表示された取引選択画面の一例を示す図である。同図において、タブ画像G11は、変更の対象となる取引を選択させるためのGUIであって、精算用ターミナル3から取得した各レコード(取引番号)、即ち各取引と夫々対応付けられている。図4では、精算用ターミナル3から3つのレコードを取得した例を想定しているため、各レコードに夫々対応する3つのタブ画像G11が表示されている。なお、タブ画像G11とレコードとの対応付けは、精算用ターミナル3から送信されたレコードの順序に応じて行うことが好ましく、この場合、精算が行われる順序で取引01〜03のタブ画像G11とレコードとの対応付けが行われることになる。
【0026】
キーボード21を介し何れか一つのタブ画像G11が選択されると、CPU41は、このタブ画像G11に対応付けられたレコードに含まれる情報(取引番号、販売データ、合計金額)を、表示領域G12に表示させる。なお、図4では、「取引02」のタブ画像G11が選択された例を示している。チェッカーは、この表示領域G12に表示された取引内容に基づき、キーボード21を介して購入商品の取り消しや新たな商品の追加購入等の変更を指示する。これにより、特定の取引の取引内容を変更する変更指示が、信号入力部45を介してCPU41に通知される。
【0027】
ここで、CPU41は、特定のタブ画像G11が選択された状態で、信号入力部45を介して取引内容を変更する変更指示を受け付けると、このタブ画像G11の取引に対応するレコードに含まれた販売データを、変更指示に従って変更する。
【0028】
また、CPU41は、販売データを変更した後、信号入力部45を介して合計キーの押下を検出すると、変更した販売データに含まれる各商品についての商品単価及び販売点数に基づいて、これら商品の合計金額を算出する。CPU41は、算出した合計金額、変更の対象となった取引(レコード)の取引番号及び変更済みの販売データを含んだ更新データを生成する。そして、CPU41は、更新データを精算用ターミナル3へ通知することで、変更の対象となった取引の取引番号に対応するレコードに含まれた販売データ及び合計金額を更新させる。
【0029】
一方、精算用ターミナル3は、図2に示すように、各種の演算処理を行うCPU51、CPU51が実行する各種制御プラグラムを格納するROM52、CPU51のワークエリアとして機能するRAM53、キーボード32からの信号を取り込む信号入力部54、表示器33及び表示器34に表示データを出力する表示制御部55、プリンタ35に印字データを出力するプリンタ制御部56、伝送路Nを介して登録用ターミナル2に接続される通信部57等を備えている。
【0030】
RAM53には、登録用ターミナル2から送信される取引番号、販売データ及び合計金額の組を登録・管理するための精算テーブル531が設けられている。ここで、図5は、精算テーブル531を構成するデータ項目の一例を示す図である。同図に示すように、精算テーブル531は、取引番号を格納する「取引番号」、販売データ(商品コード、商品名、商品単価及び販売点数)を格納する「販売データ」、販売した商品の合計金額を格納する「合計金額」等のデータ項目を有して構成されている。
【0031】
CPU51は、通信部57を介し登録用ターミナル2から取引番号、販売データ及び合計金額の組を受け付ける毎に、これらを精算対象の取引に係るレコードとして精算テーブル531に格納する。即ち、精算テーブル531には清算中及び未精算の取引に係るレコードが格納される。なお、本実施形態では、図5に示すように、3つの取引分のレコードを格納可能な領域(#01〜#03)が精算テーブル531に確保されているものとし、精算テーブル531を構成する上位の領域(#01)から順次格納されるものとする。
【0032】
CPU51は、精算テーブル531からレコードを読み出すと、当該レコードを精算画面として表示制御部55を介して表示器33に表示させる。キャッシャーは精算画面を確認し、登録用ターミナル2で登録を済ませた顧客の精算を行う。
【0033】
図6は、表示器33に表示された精算画面の一例を示す図である。同図において、表示領域G21は、現在精算中の取引内容が表示される表示領域であって、精算テーブル531の最上位の領域(図5の#01)に格納されたレコード内容が表示される。また、表示領域G22は、次に精算が行われる精算待ちの取引内容が表示される表示領域であって、精算テーブル531の第2位の領域(図5の#02)に格納されたレコード内容が表示される。さらに、表示領域G23は、次の次に精算が行われる精算待ちの取引内容が表示される表示領域であって、精算テーブル531の第3位の領域(図5の#03)に格納されたレコード内容が表示される。つまり、精算画面には、各取引の精算が行われる精算順序と、当該取引に係るレコードの内容とが対応付けて表示されている。なお、CPU51は、精算テーブル531の更新に応じて表示領域G21〜G23に表示する内容を切り替える。
【0034】
精算用ターミナル3を操作するキャッシャーは、表示領域G21を参照することで、現在精算中の取引内容を確認し、この表示画面に表示された合計金額を顧客に請求する。そして、キャッシャーは、顧客から支払われた金額を受け取り、この金額に応じた数値を置数キーにより入力した後、現計キーを押下する。なお、図6の例では、値数キーにより入力された金額(預り金額)を表示領域G21に表示する形態としている。
【0035】
CPU51は、信号入力部54を介して現計キーの押下を検出すると、値数キーにより入力された金額から合計金額を減算することで釣り銭額を算出し、この算出結果を表示領域G21に表示させる。なお、図6の例では、預り金額2000円から合計金額1990円を減算した10円を、釣り銭額として表示している。また、CPU51は、精算を行った取引の取引内容(取引番号、商品コード、商品名、販売点数、合計金額、預り金額、釣り銭額等)を、プリンタ制御部56を制御することでプリンタ35から出力させる。
【0036】
以上により、一の取引に対する精算処理は終了する。なお、CPU51は、精算処理の終了に伴い、精算の対象となった取引についてのレコード、即ち精算テーブル531の領域#01に格納されたレコードを、HDD等の他の記憶装置(図示せず)に格納したり、上位のサーバー装置(図示せず)に出力したりすることで、該レコードを販売実績として記録する。さらに、CPU51は、精算テーブル531の領域#01に格納されたレコードを削除する。これにより、精算テーブル531の第2位の領域(#02)及び第3位の領域(#03)に格納されていたレコードが一つ上の領域に夫々移動され、表示器33の精算画面が更新されることになる。
【0037】
また、CPU51は、登録用ターミナル2から読み出し要求を受け付けると、精算テーブル531に格納された各レコード(取引番号、販売データ、合計金額)を、当該精算テーブル531を構成する上位の領域から順次読み出し、登録用ターミナル2へ送信する。
【0038】
さらに、CPU51は、登録用ターミナル2から更新データが通知されると、この更新データに含まれる取引番号に対応するレコードが、精算テーブル531のどの領域に格納されているかを確認することで、更新対象のレコードが現在精算中の取引に係るものか否かを判定する。ここで、更新対象のレコードが最上位以外の領域に格納されている場合、CPU51はこのレコードに係る取引が精算待ちの状態にあると判定し、当該レコードの格納領域を一位下げることで精算順序を一つ繰下げる。そして、CPU51は、更新データに含まれた販売データ及び合計金額に基づき、当該更新データに含まれた取引番号に該当するレコードの販売データ及び合計金額を更新する。なお、更新対象のレコードが最上位の領域に格納されている場合には、CPU51はこのレコードに係る取引が現在精算中にあると判定し、更新データに基づいて該当するレコードを更新する。
【0039】
例えば、精算テーブル531の第2位の領域に格納されたレコードが更新対象となった場合、CPU51は、第2位の領域に格納されているレコードと、第3位の領域に格納されているレコードとを入れ替えることで、更新対象のレコードの精算順序を一つ繰下げる。これにより、図6の表示領域G22及びG23の表示内容は、図7に示すように入れ替わることになる。ここで、図7の例は、図6に示した取引番号:YYYYの販売データのうち、商品名:EEEの販売点数“2”を“1”に変更した際の結果を示している。なお、更新対象のレコードが最下位の領域(例えば、図5の#03)に格納されている場合には、精算順序の繰下げは行われないまま、レコードの更新が行われるものとする。
【0040】
以下、図8を参照して、商品販売処理装置1で実行される販売データ変更処理について説明する。なお、本処理のうちステップS11〜S19は、登録用ターミナル2のCPU41とROM42格納された制御プラグラムとの協働により実行される処理であって、ステップS21〜S27は、精算用ターミナル3のCPU51とROM52格納された制御プラグラムとの協働により実行される処理である。
【0041】
まず、登録用ターミナル2では、CPU41が信号入力部45を介して取引呼戻キーの押下を検出すると(ステップS11)、レコードの読み出し要求を精算用ターミナル3へ送信する(ステップS12)。
【0042】
一方、精算用ターミナル3では、CPU51が読み出し要求を受付けると(ステップS21)、精算テーブル531に格納されたレコードを上位の領域から順次読み出し(ステップS22)、通信部57を介して登録用ターミナル2へ送信する(ステップS23)。
【0043】
登録用ターミナル2では、CPU41が精算用ターミナル3からレコードを取得すると(ステップS13)、当該レコードに含まれる各種の情報に基づいて図4に示したような取引選択画面を表示器22に表示させる(ステップS14)。そして、CPU41は、取引選択画面により選択される特定の取引(レコード)に対して、取引内容の変更が指示されるまで待機する(ステップS15;No)。
【0044】
そして、CPU41は、特定の取引(レコード)に対する変更指示を受付けると(ステップS15;Yes)、このレコードに含まれる販売データを変更指示に従って変更する(ステップS16)。
【0045】
続いて、CPU41は、合計キーの押下を検出するまでステップS16を実行し(ステップS17;No)、信号入力部45を介して合計キーの押下を検出すると(ステップS17;Yes)、変更した販売データに含まれる各商品についての商品単価及び販売点数に基づいて、これら商品の合計金額を算出する(ステップS18)。そして、CPU41は、算出した合計金額、変更の対象となった取引(レコード)の取引番号及び変更済みの販売データを含んだ更新データを生成し、精算用ターミナル3へ通知する(ステップS19)。
【0046】
一方、精算用ターミナル3では、CPU51が更新データを受け付けると(ステップS24)、精算テーブル531を参照し、更新データに含まれる取引番号に対応するレコードが最上位の領域に格納されているか確認することで、更新対象のレコードが現在精算中の取引に係るものか否かを判定する(ステップS25)。ここで、最上位の領域に格納されていた場合、CPU51は更新対象のレコードに係る取引が現在精算中にあると判定し(ステップS25;Yes)、このレコードに含まれる販売データ及び合計金額を、更新データに含まれた販売データ及び合計金額に更新した後(ステップS27)、本処理を終了する。
【0047】
また、ステップS25において、更新対象のレコードが最上位以外の領域に格納されている場合、CPU51は更新対象のレコードに係る取引が精算待ちの状態にあると判定する(ステップS25;No)。この場合、CPU51は、更新対象のレコードの格納領域を一位下げることで精算順序を一つ繰下げる(ステップS26)。そして、CPU51は、更新対象のレコードに含まれる販売データ及び合計金額を、更新データに含まれた販売データ及び合計金額に更新し(ステップS27)、本処理を終了する。
【0048】
以上のように、本実施形態の商品販売処理装置1によれば、精算用ターミナル3に登録された精算中及び精算待ちの取引に係る販売データを、登録用ターミナル2から任意のタイミングで変更することが可能であるため、販売データの変更を効率的に処理することができる。また、精算待ちの取引に係る販売データが変更の対象となった場合、この取引の精算順序を一つ繰り下げることで、取引を円滑に処理することができる。
【0049】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、精算待ちの取引に係る販売データが変更の対象となった場合に、この取引の精算順序を一つ繰り下げる形態としたが、これに限らず、従前の精算順序を維持したまま販売データを変更する形態としてもよい。具体的には、図8のステップS25の判定をスキップすることで、この形態を実現することができる。
【0051】
また、上記実施形態では、登録用ターミナル2にて取引番号を付与する形態としたが、これに限らず、販売データ及び合計金額の登録時に精算用ターミナル3側で付与する形態としてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、登録用ターミナル2は精算用ターミナル3に登録されている全てのレコードを取得した後、更新対象の取引(レコード)を選択する形態としたが、これに限らず更新対象の取引が選択された後、この更新対象の取引に対応するレコードのみを精算用ターミナル3から取得する形態としてもよい。
【0053】
また、上記実施形態のCPU41及びCPU51が実行するプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供されるものとするが、この形態に限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、上記プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 商品販売処理装置
2 登録用ターミナル
21 キーボード
22 表示器
23 コードスキャナ
3 精算用ターミナル
31 筐体
32 キーボード
33 表示器
34 表示器
35 プリンタ
36 ドロワ
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 記憶部
441 PLUテーブル
45 信号入力部
46 表示制御部
47 データコード入力部
48 通信部
51 CPU
52 ROM
53 RAM
531 精算テーブル
54 信号入力部
55 表示制御部
56 プリンタ制御部
57 通信部
N 伝送路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2000−48260公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における登録用ターミナルであって、
商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、
特定の取引の取引内容を変更する変更指示を受け付ける受付手段と、
前記精算用ターミナルに登録された精算中又は未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた特定の取引に対応する取引番号のレコードに含まれる販売データを、前記変更指示に従って変更する変更手段と、
を備えたこと特徴とする登録用ターミナル。
【請求項2】
前記取引内容として前記販売データに示された商品単価及び販売点数に基づき、一の取引に係る商品の合計金額を算出する算出手段を更に備え、
前記登録手段は、前記算出手段で算出された合計金額を前記取引番号及び前記販売データと対応付けて前記精算用ターミナルに登録し、
前記変更手段は、前記精算用ターミナルに登録された精算中及び未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた取引に対応する取引番号のレコードに含まれる合計金額を、変更後の販売データに基づき前記算出手段が算出した合計金額に変更することを特徴とする請求項1に記載の登録用ターミナル。
【請求項3】
登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における登録用ターミナルのコンピュータを、
商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、
特定の取引の取引内容を変更する変更指示を受け付ける受付手段と、
前記精算用ターミナルに登録された精算中又は未精算の取引に係るレコードのうち、前記受付手段で受け付けた特定の取引に対応する取引番号のレコードに含まれる販売データを、前記変更指示に従って変更する変更手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項4】
登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における精算用ターミナルであって、
前記登録用ターミナルから商品の購入に係る取引毎に送信される当該取引の取引内容を記録した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして順次格納する格納手段と、
前記登録用ターミナルから精算中又は未精算の取引に係る特定の取引番号について販売データの変更が指示される毎に、この取引番号のレコードに含まれる販売データを通知された変更内容に基づいて更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする精算用ターミナル。
【請求項5】
前記更新手段は、前記登録用ターミナルから指示された取引番号の取引が精算中か否かを判定し、精算中でないと判定した場合に、この取引の精算順序を一つ繰り下げることを特徴とする請求項4に記載の精算用ターミナル。
【請求項6】
登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有した二人制の商品販売処理装置における精算用ターミナルのコンピュータを、
外部の登録用ターミナルから商品の購入に係る取引毎に送信される当該取引の取引内容を記録した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして順次格納する格納手段と、
前記登録用ターミナルから精算中又は未精算の取引に係る特定の取引番号について販売データの変更が指示される毎に、この取引番号のレコードに含まれる販売データを通知された変更内容に基づいて更新する更新手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項7】
登録用ターミナルと精算用ターミナルとを有する二人制の商品販売処理装置において、
前記登録用ターミナルは、
商品の購入に係る取引毎に、当該取引の取引内容を示した販売データを、当該取引を識別する取引番号と対応付け、精算対象の取引に係るレコードとして前記精算用ターミナルに登録する登録手段と、
前記取引内容の変更要求を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段が前記変更要求を受け付けると、前記精算用ターミナルに登録された精算中及び未精算の取引に係るレコードを要求する要求手段と、
前記要求手段の要求により前記精算用ターミナルから提供されたレコードのうち、特定のレコードに含まれる販売データへの変更指示を受け付ける第2受付手段と、
前記特定のレコードに含まれる販売データを、前記第2受付手段で受け付けた変更指示に従って変更する変更手段と、
前記特定のレコードに含まれる取引番号と、前記変更手段で変更された販売データとを更新データとして前記精算用ターミナルに通知する通知手段と、
を備え、
前記精算用ターミナルは、
前記登録手段により登録された前記レコードを順次格納する格納手段と、
前記要求手段からの要求に応じて、前記格納手段に格納された精算中又は未精算のレコードを前記登録用ターミナルに提供する提供手段と、
前記更新データに含まれる取引番号に対応するレコードの販売データを、当該更新データに含まれる販売データに更新する更新手段と、
を備えたことを特徴とする商品販売処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−54054(P2011−54054A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204031(P2009−204031)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】