説明

皮膚疾患の非侵襲性の治療又は不必要な毛の除去のための治療用装置

【課題】皮膚疾患の非侵襲性の治療又は不必要な毛の除去のための治療用装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係る治療用装置は、反射器ユニット内に配置された、インコヒーレント光を放射するための1個以上の光源を含み、更に、(i)光源へ電流を供給するためのエネルギー源と、(ii)光源への電流の供給にトリガをかけるためのトリガ機構と、(iii)少なくとも1個の光源が一連の光パルスを放射するように構成され、それぞれの光源の強度、及び/あるいはパルス長、及び/あるいはシーケンスを制御するための手段と、を含んでおり、光源を含む反射器ユニットは、使い果たした後の置き換え及び置き換え後の廃棄が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、褪色、アクネ、しわ、血管、セリュライト及び妊娠線のような皮膚疾患の、非侵襲性の治療のための治療装置に関するものである。さらに、本装置は、不必要な毛、瘢痕組織の軟化、及び他の皮膚疾患の除去に使用できる。
【背景技術】
【0002】
皮膚疾患の治療に使用されるような医学の用途に、電磁放射を使用することは、従来公知である。例えば、ムーザス(Mutzhas)への米国特許第4,298,005号では、連続的な紫外線ランプの化粧、光植物学、光化学への適用について、言及されている。スペクトラムのUV部分の使用に基づく治療、及び及びその皮膚との光化学的相互作用が記載されている。ムーザスのランプを使用する際の皮膚への出力は150W/mと記載されており、それは皮膚の温度に意味のある効果を有しない。
【0003】
UV光を含む従来の治療に加えて、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、ネオジュウム(ヤグ)レーザ、銅蒸気レーザ、ルビーレーザ、及びダイレーザを含むレーザが、皮膚科の治療に使用されてきた。例えば、フルモト(Furumoto)への米国特許第4,829,262号では、皮膚科への適用で使用されるダイレーザの構成方法が述べられている。レーザ照射によって治療される二つの皮膚の条件は、皮膚の組織あるいは色素沈着において局部的に相違するような皮膚の外側の不整(irregularity)であり、ポートワインステイン(火炎状母斑)、毛細管拡張症、脚静脈、及びチェリー及びスパイダ血管腫を含む各種の皮膚異常を起す皮膚下のより深いところにある血管障害である。これら皮膚障害でのレーザ治療は、一般的にレーザ放射の吸収による治療領域での局部加熱を含む。皮膚を加熱することは、皮膚障害を変化させ、全てのあるいは部分的な皮膚異常を消失させる。
【0004】
色素疾患の病巣のような外側の異常は、皮膚の部分を蒸発させるための十分な高温度に、非常に早く加熱することによって治療できる。深部の血管異常は、より典型的には、その部分を凝固するのに十分な高温で、血管を加熱することによって治療される。これら異常は、それから次第に消失するであろう。治療の深さを制御するために、パルス放射源がしばしば用いられている。熱が血管内に浸透する深さは、放射源のパルス波バンド幅を制御することで制御される。皮膚の吸収及び分散係数は、また、熱の浸透に影響する。これら係数は、皮膚の成分及び放射波長の関数である。特に、表皮及び真皮での光の吸収係数は、徐々に変わり、単調に波長の関数を減少する傾向がある。このように光の波長は、治療される血管によって、制御されねばならない。
【0005】
レーザが単色光であるので、入れ墨の除去や、母斑の除去のようなものへのレーザ適用の効果は少ない。与えられた波長のレーザは、皮膚の色素沈着の、第一のタイプを治療するために効率的に用いられるが、もし、レーザの特殊な波長が第二のタイプの皮膚に効率的に吸収されなければ、皮膚疾患の第二のタイプに対して非効率的である。また、レーザは、通常、複雑で製造費が高価であり、出力量に比較して大きく、信頼性に欠け、メインテナンスが困難である。
【0006】
血管疾患の付近で血液の内容が変わるので、光の波長はまた、血管疾患の治療に影響し、そして、血液の内容は治療領域の吸収係数に影響する。オキシヘモグロビンは、血液の光学特性を制御し、可視領域で強い吸収バンドを有する主な発色団である。特に、オキシヘモグロビンの最も強い吸収は、418nmで発生し、60nmのバンド幅を有する。弱い吸収係数を持つ付加的な吸収ピークは、542nm及び577nmで発生する。これら二つのピークの全バンド幅は、100nmのオーダーである。加えて、血管によって吸収され、血管を浸透するので、500〜550nmの波長の範囲での光は、皮膚の血管疾患の治療に望ましい。1000nm以上の波長は、皮膚中により深く浸透し、熱伝導によって血管を加熱するので、また、効率的である。長波長は、より低い吸収係数が血管内のより長い光路によって補償されるので、より大径の血管の治療に効率的である。
【0007】
特に皮膚表面付近での血管疾患の治療が行われるとき、現在の装置の開発中、赤スペクトラムでの治療は、ヘモグロビンが即座にオキシヘモグロビンになるということがわかった。オキシヘモグロビンは、黒色素として、容易に検出できる。これは全治療領域で起り、血流で広がり、さらにある時間続くので、この効果は望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、スペクトラムの近紫外及び可視領域をカバーする広い領域の電磁放射は、皮膚の外側及び血管疾患の治療に望ましい。光源の全領域の波長は、多くの治療の何れに対しても、治療を最も効果的にするように十分であるべきである。そのような治療の電磁放射装置は、治療されるべき特殊な治療に対して、全領域内での最適な波長領域を提供することができる。光の強度は、必要な温度まで治療領域の内外を上昇させるが、痛みや皮膚の損傷を引き起こすことなしに、必要な内及び/あるいは外への熱的効果を引き起こすのに十分でなければならない。また、パルス幅は、各治療に対して最適な浸透深さを達成するために、十分に広い領域に対して可変である必要がある。
【0009】
それ故、必要とされる皮膚治療にしたがって、制御されるパルスバンド幅、及び治療の影響する領域に対して十分な高エネルギー密度が選択されるような、広い波長領域を有する1以上の光源を含む治療装置が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
それ故、本発明の目的は、トリガ機構を含む治療処置装置、及び光源にエネルギーを提供するための手段を提供することであり、上記装置は、少なくとも1個のインコヒーレント光源及び/又は1以上のコヒーレント光源を含む。上記皮膚の治療装置のいくつかのタイプでは、もし、褪色などが治療されるとき、あるいは、治療が、妊娠線、セルライトあるいはアクネを軽減する及び/あるいは消失する例で、光が皮膚の平坦層により深く浸透されなければならないならば、光エネルギーは、皮膚の着色層で活性であるために、皮膚下のある深さまで到達できることを要求される。
【0011】
また、皮膚のコラーゲン生成のためには、コラーゲン生成が刺激されるように、皮膚内のそれら領域に、特殊の波長で光エネルギーを与えることが必要である。コラーゲン生成が増加することは、皮膚を柔軟にし、しわを滑らかにし、あるいはしわの形成を遅らせる。異なる型の光源を組合せることによって、異なる特殊な波長で強度を可変にすることが可能であり、それによって最適な治療をする。
【0012】
さらに、試験によれば、コラーゲンを生成する血液の能力は、皮膚組織へエネルギーを導くことによって刺激されることが示された。コラーゲンは、より多くの柔軟な組織を得ることを助け、また、アクネなどの皮膚疾患を防ぐばかりでなく、瘢痕の治癒を促進する。治療サイクル中、毛細血管を損傷レベルまでストレスを与えることによって、コラーゲン生成を非常に促進することができる。それ故、適切な光源手段及び適当なフィルタ手段を含む装置での治療は、皮膚の治癒を促進できる。治療は、瘢痕の前後に実行されるべきである。
【0013】
さらに本発明の一実施形態では、装置は、各光源が他の光源に対して独立して制御できるように、構成されている。これによって、治療中、異なる光の連続するフラッシュを計画でき、皮膚へ届くエネルギーの効果を最適化するために、連続のフラッシュが計画される。
【0014】
また、本発明の一実施形態では、光源のうちの少なくとも一つは、一連の光パルスを照射するように設計されている。多くの治療で、皮膚に照射されるエネルギーの量は、連続する治療で決まる。特に、望ましくない毛の除去、及び他の疾患の治療の時、エネルギー強度が最大化するために、非常に短時間間隔での最大エネルギー量の照射は重要である。他方、熱傷としての欲しない効果、光治療から起きる褪色等は、避けることができるので、照射エネルギー量を制限することも、また、重要である。ちなみに、一つの装置あるいは一連の多くの装置を代わるがわる急速にフラッシュすることによって、治療されるべきゾーンでのエネルギー強度は、危険な効果なしに多いに増加させることができる。これによって、危険な効果なしで、効率的な治療を実行することが可能である。
【0015】
さらに、他の有利な実施形態において、照射光はフィルタを介して進行するように、フィルタが配置される。このようにすると、治療されるべき疾患にしたがって、最も効率的な治療ができる波長の、最適なバンドを選択することが可能である。例えば、水は波長1015nmで、エネルギーを吸収することが知られている。皮膚内の加熱を避けるために、この波長で皮膚内へ多すぎる光エネルギーをパルスすることを、避けることが望ましい。それによって、エネルギーの水への吸収による過熱を避けることができ、それ故、疾患のより効果的な治療は、皮膚の水分を加熱するエネルギーを消費する代りに達成され得る。同様な関係は、皮膚あるいはしゅさ(アクネのような病気で、しばしば顔の中央部にできる)直下の血管の治療に適用可能である。これらの種類の疾患の治療に対して、皮膚下の血管の治療及びコラーゲン生成を刺激するための、特別な波長を使用可能であることは興味深い。
【0016】
さらに他の実施形態では、全ての別個の光源に関して、異なるフィルタが配置されるかあるいはフィルタなしである。これによって、特別な目的のための光治療が設計可能である。例えば、試験では、もし、レーザ治療より前の皮膚が予熱されたなら、レーザ治療の効率は増加することを示しており、利点としていくつかの疾患に対して、試験が示すように、レーザ光はインコヒーレント光より良い、という事実が得られる。例えば予熱は、皮膚への損傷をより少なくするインコヒーレント光へ曝すことによって実行できる。
【0017】
光は皮膚の状況に影響するので、特に皮膚の最外層において、皮膚の効果的特性が、また変化する。これは次に、エネルギー源の波長及び皮膚の成分にしたがって、放射されたエネルギーの変化を吸収する皮膚の能力において、光治療の効率に影響する。皮膚特性のこれらの変化のいくつかは、ほとんど、瞬間に起る。
【0018】
本発明の実施形態において、異なるセクション/エリアを含むフィルタが使用される。各エリア/セクションは、特別の波長領域で光をろ過し、光の連続照射中、光源を横切って移動される。光照射体を横断して適当なフィルタを適切な速度で移動させることによって、たとえ皮膚の吸収特性及び反射特性が変化する時でも、皮膚内へエネルギーを高レベルおよび一定のレベルで、伝播できる。皮膚のタイプ、治療のタイプ及び選択された光照射手段/シーケンスによって、フィルタを知られている皮膚の変化に応じて設計できる。
【0019】
上述の特徴と、各光源は、強度、パルス長、他の光源に関して各光源を発光するための波長遅延時間、あるいは、マルチ−フラッシュ装置での各フラッシュ間の経過時間に関して独立に制御できをるという特徴を組み合わせることによって、光治療は完全に制御でき、最適治療にしたがって設計される。
【0020】
皮膚をより黒く治療する時、特別の問題が起きる。これらの皮膚のタイプは、典型的には、皮膚内の色成分である、高いメラニン成分を含む。また、より黒い皮膚のタイプは、通常、より黒い毛を持っている。これらの皮膚や毛の治療に対し、皮膚に照射されるエネルギーは、より多く必要である。これによって、火傷を起す危険、痛み、あるいは他の形式の洗浄が、発生する。これら皮膚のタイプは、光治療前に摂氏50度〜60度あるいは80度にさえ、予熱できれば有利である。温度測定手段、例えば、赤外線温度計が適宜配置されてよく、治療領域内の皮膚及び/あるいは組織の温度を制御するため、装置内の制御回路に接続される。
【0021】
組織に損傷を起す皮膚内の温度に違いがあるということが、試験でわかっている。それ故、治療領域の周囲を予熱することによって、加熱されない組織と治療領域間の温度勾配ばかりでなく温度の違いが、最小にできる。一方、同じ時間で、連続する治療のために、毛の小胞あるいは所望の皮膚層へ十分なエネルギーが達するのは可能である。
【0022】
本発明の他の実施形態では、4個〜10個の光源が反射器ユニット内に配置され、レンズ手段が、反射器の前に配置される。この実施形態において、まず第1に光照射手段が1個のシングルユニットとして、すなわちレンズ要素、また、同一ユニット内に必要な光源によって、閉じられた反射器としてあるということは、特に有利なことである。完全な治療は、この完成したユニットによって、容易に達成される。レンズ要素は、単独であるいは反射器と協働して、治療されるべき1個の決められた目標領域へ、照射光を向けるように設計されている。
【0023】
さらに、光スペクトラムを制限するために、1個以上の光源が、レーザダイで被覆されてもよい。レーザダイは、光源に適用される特殊なフィルタの1種であり、それによって光源は、あるスペクトラム、すなわち、光源に適用されているレーザダイの型によって、ある一定の波長でのみ光を照射する。
【0024】
実際問題として、光源はフラッシュバルブ、エレクトロニックフラッシュチューブ、レーザダイオード等から選択される。レーザダイオードは、十分な強度で光を照射し、それによって、皮膚に伝播されるべき十分なエネルギーが得られる。われわれのレーザ光を使用する従来の装置は、製造し、使用するには非常に高価であったという点で、これは重要な観点である。さらに従来技術の装置は、非常に高エネルギー剤(dose)を与えるように選択されるものであった。それ故、この種の従来の装置を使用する時、治療ミスを避けるために、その操作をする資格のある人が必要である。
【0025】
しかし、レーザダイオードの技術水準は、教育されない人達によって安全に操作されるエネルギーレベルで光を放射している。さらに、使い捨てのフラッシュバルブから放射される特殊な光を、エレクトロニックフラッシュチューブ光およびレーザダイオードと組合せることによって、非常によい所定のスペクトラム、すなわち非常によい所定の波長での、制限されたエネルギーレベルで、エネルギーを発生することが可能になる。
【0026】
皮膚に到達するエネルギーは、約2ジュール/cm/フラッシュが望まれる。このエネルギー密度は、上記皮膚疾患に効果を生じるには十分に大きいが、しかし、通常の皮膚疾患あるいは皮膚のタイプで損傷を生じるには十分でない。異なったフィルタを組合せ、及び異なる強度を組合せることによって、治療されるべき皮膚のタイプ、すなわち、かなりの皮膚が、低い強度で黒くなることを、考慮することが可能である。治療装置は、治療用あるいはコスメティック用のどちらでも、多く適用できる。異なる波長及び強度を有する光源を選択及び/あるいは組合せること、特殊なシーケンス及びパルス長で上記光源を設計することによって、上記の皮膚疾患に対して光治療を計画することが可能である。毛の除去に対しては、最初に毛の小胞を加熱あるいはパルスすることが可能であり、重ねて、より強い光パルスで初期加熱し、それによってヘアサックが破壊される。毛の除去治療の方法の一つの特殊な例は、最初にフラッシュ装置を点灯し、100あるいは200ミリ秒内に、第二のフラッシュ装置を点灯し、その後、ヘアサックを破壊するために、より強力なレーザ光源を照射する。加えて、影響を受けた皮膚をゆっくりと冷却するために、第三のフラッシュ装置が点灯される。このように、多くの最適な治療にしたがって、フラッシュバルブ、エレクトロニックフラッシュ、レーザ光間で、完全に自由に、シーケンスを組合せ、そして変えることが可能である。
【0027】
本発明は、また、上記のような治療用装置の使用のため、少なくとも一つのインコヒーレント光源及び/あるいは少なくとも一つのコヒーレント光源からなる光照射装置を含む。
【0028】
光照射装置は、光源が置き換え自在/使い棄て可能である一つのユニット内に配置されるという点で特殊である。これは、装置自体が、エネルギー源及びトリガ機構を含み、特殊な治療のために設計された適切な光源の集合からなる光照射装置を、単に選択することによって、複数の疾患に対し、複数の治療のために使用できるという、本発明の特に有利な特徴である。装置は、モバイルハンドヘルド装置として設計され、それによって治療はどこでも実行可能である。光照射装置のみは、取替えられねばならない。
【0029】
本照射装置のさらに有利な実施形態では、装置内の異なる光源の配列は、完全な特殊治療を構成している。これによって、ユーザは繰返し治療あるいはより大きな領域の治療、そして特別な皮膚疾患のためのさらなる治療を得ることが可能である。上記のように、異なる皮膚疾患は、皮膚内あるいは脂肪組織内の異なる原因によるものであり、それらは異なる波長による治療の影響を受けやすい。光照射装置を光照射のシーケンス及び光照射の強度を制御するばかりでなく、最適な波長を照射するように設計することによって、特殊な治療を、一つの使い捨て可能なユニットで可能にした。
【0030】
さらに、より黒い皮膚と比較して白い皮膚を治療するために要求されるエネルギーレベルの知識を持つことによって、ユーザが完全な治療、特に皮膚のタイプにぴったり合う治療が達成できるように、使い捨ての光照射装置を設計することが可能である。
【0031】
さらに有利な実施形態において、光源は、置き換え可能/使い棄ての反射器ユニット内に配置される。これによって、光照射装置は通常の白熱電球と等しい。一度光照射装置が活性化され、使い果たされると、同じ種類の皮膚疾患の治療あるいは上述の異なる種類の皮膚疾患であっても、1以上の光源を含む全バルブを取替え、新しい光照射装置を装着することによって、容易に処理できる。
【0032】
さらなる実施形態において、光照射装置は、各光源のシーケンス及び/あるいはパルス長、及び/あるいは強度を、制御するための手段を含む。例えば、マイクロチップ及びマイクロスイッチの形式で制御手段を組み込むことによって、上記のように、異なる光源を異なる時間、点灯することが可能であり、それによって、多くの異なる治療が制御手段のプログラミングにしたがって実行される。
【0033】
試験によれば、使い捨てフラッシュバルブは、皮膚への効果を有するに十分なエネルギーを供給する強度の光を放射する。同様に、使い捨てカメラのそれに匹敵するエレクトロニックフラッシュ装置のテストは、本発明に使用のため、マルチ−フラッシュ装置を提供できるようにするために十分であることを証明した。確実に安くなっているレーザダイオードを使用すると、これによって異なるタイプの光源を、多くのユーザが達成することを可能にするフィナンシャルフレーム内の一つの使い捨て光照射装置に、組合せることが可能である。
【0034】
試験によれば、強度、パルス長及び波長を可変にする光照射を設計することによって、また、母斑ばかりでなく乾癬の治療に効果的である。
【0035】
プラスチックサージェリーと関連して、特に外科的侵襲後の瘢痕の治癒に対して、コラーゲン生成を刺激する光治療は、治癒過程を促進し、瘢痕組織を最小にし、それによって、プラスチックサージェリーあるいは通常の外科の痕であっても、最小にする。より柔軟で、刺激のある、高いコラーゲン成分を有する治療された領域内の皮膚を準備するために、治療は手術の前に実行される。
【0036】
本発明に従う治療の1例で、下肢領域にある可視静脈が治療された。本発明に従う装置が使用された。最初に、エレクトロニックフラッシュ装置によって、一連の「ウオーミングアップ」ショットが治療領域に向けられた。プロトタイプでは、1サイクルで約1600mmの領域を治療することが可能である。領域の初期加熱後、2J/cmまでのエネルギー強度フラッシュが、治療領域に照射された。
【0037】
皮膚内で起されるあるいは促進される過程は、ウオーミングアップ状態では血管が加熱され、「ブルーレスポンス」現象が現れる。これは酸素を含むヘモグロビンから酸素が除去されることによるものであり、これによって治療領域内にブルーカラー(青色)が現れる。実際の治療フラッシュドーズにさらすことによって、治療領域内の血液のヘモグロビンは、酸素分子を減らし、鉄分子をつなぎとめ、それによっていわゆるメトヘモグロビンが創られる。これは、治療領域内のブラックカラーリングとして検出される。
【0038】
患者に対して、フラッシュ治療は、皮膚表面の付近で静脈がそこなわれるものと考えられる。血管は凝固し、ひどい打ち身(黒色と青色)のようなものを生じた。静脈がそこなわれるが、治療領域での通常の血液循環は、治療領域からメトヘモグロビンを運び出し、所定時間後、通常の皮膚の調子を取り戻す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚疾患の非侵襲性の治療又は不必要な毛の除去のための治療用装置であって、反射器ユニット内に配置された、インコヒーレント光を放射するための1個以上の光源を含み、前記治療用装置は、更に、
(i)前記光源へ電流を供給するためのエネルギー源と、
(ii)前記光源への前記電流の供給にトリガをかけるためのトリガ機構と、
(iii)少なくとも1個の前記光源が一連の光パルスを放射するように構成され、それぞれの前記光源の強度、及び/あるいはパルス長、及び/あるいはシーケンスを制御するための手段と、を含んでおり、
前記光源を含む前記反射器ユニットは、使い果たした後の置き換え及び置き換え後の廃棄が可能であることを特徴とする治療用装置。
【請求項2】
4個〜10個の前記光源が前記反射器ユニット内に配置され、レンズ手段が反射器の前に配置され、前記反射器を前記レンズ手段によって閉じることにより前記反射器ユニットを形成することを特徴とする請求項1記載の治療用装置。
【請求項3】
治療のために、放射光がフィルタを介して進行するように、前記フィルタが装置内に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の治療用装置。

【公開番号】特開2010−131437(P2010−131437A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50884(P2010−50884)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【分割の表示】特願2004−518454(P2004−518454)の分割
【原出願日】平成15年5月27日(2003.5.27)
【出願人】(505011109)サイデン リミテッド (1)
【Fターム(参考)】