説明

皮膚製剤塗布具用の塗布具先端部組立体を製造するための物品および方法

物品および対応する方法は、別の方法では成型するのが困難な皮膚製剤塗布具の部品用成型固定具を含む。成型固定具は、中央のカップ区分および2つの対向するはぎ取り式区分を有する。塗布具先端部組立体の堅固な基部はカップ区分の上部縁内に取り付けられ、液体シリコーン材料が、基部の下方のカップ区分部分内で画定された容積内に注がれる。シリコーンは硬化し、基部から延在する要素に固着して、成型先端部と基部の間の強固な結合を提供する。結合された部品は使用準備ができるとき、はぎ取り式区分が使用者によって除去され、その結果部品が容易に取り出され、次いで、使用者によって製剤塗布具に取り付けられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に、人間の体の顔領域に皮膚治療製剤を適用するための器具に関し、より具体的には、そのような器具で使用される塗布具先端部組立体を製造するための物品および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]皮膚製剤塗布具などの個人向け小型器具で使用される多くの部品は、型/固定具を使用する成型方法によって製造される。市場での製品の成功を確保するために、成型部品の費用を抑制することが重要である。型および成型工程の詳細の費用が双方とも、費用を抑制する際に重要である。成型工程は、時間がかかる可能性があり、大量生産の要求に対応するために、一般に費用がかかる多量の型空洞が必要である。加えて、成型部品、特に小さいデュロメータ硬さのシリコーン部品を固定具から除去する際に問題が生じることがある。加えて、シリコーン部品は空洞から除去された後、しばしば粘着性がある可能性があり、既存の部品の交換用に使用者に供給されるとき、部品が清浄な状態であることを確保するには特別な取り扱い技術が必要である。さらに加えて、小さいデュロメータ硬さのシリコーンを備える部品は、硬化した後、又は他の方法で使用準備ができた後、モータの駆動端など、他の要素に直接取り付けることが困難である。
【0003】
[0003]したがって、塗布具向けに所望の結合/組立体を製造する成型工程中に、安価に清浄な部品を確実に製造し、部品を対応する部品にしっかりと付着させるために、皮膚製剤塗布具で使用される成型固定具および特別な部品の成型方法の双方が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]したがって、一態様での本発明は部品成型用物品であり、成型区分と、はぎ取り式区分とを含む使い捨ての成型固定具を備え、成型区分が、塗布具先端部組立体部品の基部を受けるように適合された縁部を有し、成型区分が、皮膚製剤の塗布用に使用者の顔面の皮膚領域と接触するのに適した流動可能な成型材料を受ける縁部の下方に内部容積を有し、シリコーン材料が内部容積を満たし、固形に硬化したとき、基部から延在する要素に固着し、この要素と共に堅固な係合を形成し、その結果として生じる成型固定具と塗布具先端部組立体部品の結合が、使用準備ができるまで保存されることができ、はぎ取り式区分が部品を成型固定具から便利に除去することを可能にする、部品成型用物品である。
【0005】
[0005]本発明の別の態様は、皮膚製剤塗布具内で使用される先端部塗布具組立体の先端部分を成型するための方法であって、成型中に先端部分が先端部塗布具の基部に連結し、成型固定具内の先端部塗布具組立体の基部の位置を決めるステップであって、成型固定具が基部を受けるためのカップ区分と、少なくとも1つのはぎ取り式区分を有し、成型固定具が、成型後、部品の先端部分を備える成型材料から容易に分離することができ、成型材料に付着しない材料を備える、ステップと、位置決めされた基部の下方のカップ区分の容積内に成型材料を流し込むステップであって、成型材料が基部の延在する部分に係合し、固着するステップと、基部および先端部分が結合した一体を形成するように、成型材料を硬化させるステップであって、成型部品を中に含む成型固定具は、先端部塗布具組立体の使用の準備ができるまで、保存されることができる、ステップとを含む、先端部塗布具組立体の先端部分を成型するための方法である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】[0006]本発明で開示された製造方法の使用によって製造された塗布具先端部組立体の等角図である。
【図2】[0007]本発明で開示された成型固定具の斜視図である。
【図3】[0008]図2の成型固定具の上面図である。
【図4】[0009]図2および図3の成型固定具の側面の立面図である。
【図5】[0010]塗布具先端部組立体が成型固定具上の適所に受けられた図2から4に類似した成型固定具の斜視図である。
【図6】[0011]成型固定具にシリコーンまたは類似の材料を充填後の、図5の成型固定具を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0012]図1は、本発明で開示された成型物品および製造方法を使用して形成された器具部品10の実施例を示す。この実施例では部品10は、皮膚の顔面領域に皮膚製剤を塗布するための器具で使用される塗布具先端部組立体である。塗布具先端部組立体10は、本発明と同じ譲受人に譲渡された同時係属中の特許出願第12/474426号でより詳細に説明される。その特許出願の情報は本明細書に参照により取り入れられる。
【0008】
[0013]簡潔には、塗布具先端部組立体10は、塗布具の操作中に使用者と身体的な接触をする先端部分12を含む。先端部分12は非常に柔軟でなければならず、一実施例では、ショアタイプOOデュロメータ硬さ約30である。塗布具先端部組立体10はまた、塗布具モータの駆動端部に便利に取り付け、および除去されるために十分に剛性である基部14を有する。上記に示すように、基部14と先端部分12の非常に異なる性質のために、説明した塗布具先端部組立体を製造するために従来の成型固定具を使用することに困難な点がある。これらの困難な点には、大量の製造を得るための固定具費用が高価であること、および固定具から成型部品を除去し、最終の使用者に配送するまで結果として得られた部品を清浄に保つことが困難であることが含まれる。
【0009】
[0014]本発明の成型固定具が図2から6に示される。成型固定具16は、低密度ポリエチレンなどの平滑な材料から作成された使い捨て固定具である。成型固定具16は、中央のカップ状区分18および2つの対向する側のはぎ取り式翼区分20および22を有する。翼区分は、カップ区分18の側面に沿って下方に延在するはぎ取り線24を有する。はぎ取り線24は固定具の残りの部分よりも薄い。薄い区分は約0.0127cm(0.005インチ)の厚みであり、一方成型固定具16の残りの部分は、典型的には約0.0762cm(0.030インチ)であるが、これは変化することができる。固定具のサイズもまた、成型される部品に依存して変化することができる。図示された実施形態では、カップ区分18は、高さが約0.0762cm(0.300インチ)であり、直径が約1.27cm(0.500インチ)である。2つの翼区分20および22は、長さが約1.524cm(0.600インチ)であり、カップ区分18から外側に直接延在する。各翼区分は、略円形の外側/外部部分28およびカップ区分18の外側部分に結合するより狭い内側/内部部分30を有する。各外側部分は、翼区分のはぎ取りを促進するために、その周辺の部分に沿った小さい縁部32を有する。カップ区分18の上部縁部34は、翼区分20および22の内側部分30の縁部の間に、上部縁部34の部分の周囲に延在するリップ部36を有する。
【0010】
[0015]成型工程中に、外側壁42を有する剛性の基部14は、壁42の上方縁部40の外側に延在する小さい部分39(図6に反対に示す)がカップ区分18のリップ部36内にスナップ式に嵌ることができるように、固定具16内に配置される。これは、翼区分20および22の上面のリブ45―45をも示す図5および図6で最も明確に示される。これは、内側容積37を基部14の下方のカップ区分18内部に残す。
【0011】
[0016]この工程で、塗布具モータの駆動端部に嵌合する基部14の底部は、特許出願第12/474426号に詳細に開示されているように、成型固定具先端の上方に延在する。基部の要素44−44は、塗布具モータの駆動端部と嵌合することができる。しかし、この結果を達成するための様々な配置が可能であるが、本発明の一部ではない。図示された実施形態では、円筒型部材または分離した弓型要素であり得る係合部材50は、カップ区分の内部容積37内に下方に延在する。次に、塗布具組立体部品の実際の成型が開始する。
【0012】
[0017]シリコーンまたは他の類似の材料43が、液状で、基部14を通り、成型固定具のカップ区分の内部容積37内に注がれる。図6に示すように、材料が基部14の内部に短い距離で延在するように、十分な材料が内部容積37内に供給される。係合部材50−50が、シリコーン材料によって部分的に封入される。これは、塗布具組立体の柔らかい先端部を画定するシリコーン材料とより剛性の基部との信頼できる強固な結合を提供し、剛性の基部は、塗布具モータの駆動端部に所要の信頼できる強固な取り付け能力を提供する。
【0013】
[0018]本明細書で示す成型固定具は上述のように使い捨てである。カップがシリコーンで充填された後、成型固定具内で硬化し、次いで保存されることが可能である。中に部品を有する成型固定具は、顧客に直接発送され得る。塗布具組立体が交換されるとき、使用者は新しい組立体から細長片20および22を簡単にはぎ取り、成型シリコーン先端部は容易に清浄に成型固定具から外れる。次いで、塗布具組立体は塗布具モータの駆動端部に取り付けられる。次いで、成型固定具は廃棄される。
【0014】
[0019]上記に開示された成型固定具は、その容易さと低価格を含むいくつかの有利な点を有する。顧客は、組立体を固定具から容易に簡単に除去し、それを取り付けることができる。部品は、はぎ取り式細長片の補助で固定具から清浄に外れる。固定具の配置もまた、部品が既存の部品の取り換え用に使用者に供給されるとき、部品が清浄な状態であることを確保する。
【0015】
[0020]好ましい実施形態が図示の目的のために開示されてきたが、様々な変形形態、修正形態および代替形態が、以下に続く特許請求の範囲に定義された本発明の精神から離れることなく好ましい実施形態で作成され得ることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品成型用物品であって、成型区分と、はぎ取り式区分とを含む使い捨ての成型固定具を備え、前記成型区分が塗布具先端部組立体部品の基部を受け入れるように適合された縁部を有し、前記成型区分が、皮膚製剤の塗布用に使用者の顔面の皮膚領域と接触するのに適した流動可能な成型材料を受けるように前記縁部の下方に内部容積を有し、シリコーン材料が前記内部容積を満たし、固形に硬化したとき、前記基部から延在する要素に固着し、前記要素と共に堅固な係合を形成し、その結果として生じる前記成型固定具と前記塗布具先端部組立体の結合が、使用準備ができるまで保存されることができ、前記はぎ取り式区分が前記部品を前記成型固定具から便利に除去することを可能にする、物品。
【請求項2】
前記成型区分の互いに対向する側に2つのはぎ取り式区分を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記成型区分がカップ形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記成型材料がシリコーンである、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記はぎ取り式区分が前記成型区分から外側へ延在する部分を有し、使用者が前記部分を容易に把持することができる、請求項2に記載の物品。
【請求項6】
前記成型固定具が、前記成型材料が付着しない平滑な材料を備える、請求項3に記載の物品。
【請求項7】
前記シリコーンが前記基部の内部要素に固着する、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
前記成型区分の縁部が、前記基部の周辺縁部をスナップ式に留めることができる溝を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記はぎ取り式区分が、前記はぎ取り式区分の前記周辺縁部の部分の周り、および前記はぎ取り式区分の上面に延在するリブを有する、請求項5に記載の物品。
【請求項10】
前記はぎ取り式区分が、前記成型区分の隣接する部分よりも薄い部分を有する、請求項2に記載の物品。
【請求項11】
皮膚製剤塗布具内で使用される先端部塗布具組立体の先端部分を成型するための方法であって、成型中に前記先端部分が前記先端部塗布具の基部に連結し、前記方法は、
成型固定具内の先端部塗布具組立体の前記基部を位置決めするステップであって、前記成型固定具が前記基部を受け入れるためのカップ区分と、少なくとも1つのはぎ取り式区分とを有し、前記成型固定具が、成型後、部品の前記先端部分を備える成型材料から容易に分離することができ、前記成型材料に付着しない材料を備える、ステップと、
位置決めされた前記基部の下方の前記カップ区分の容積内に前記成型材料を流し込むステップであって、前記成型材料が前記基部の延在する部分に係合し、固着する、ステップと、
前記基部および前記先端部分が結合した一体を形成するように、前記成型材料を硬化させるステップであって、成型部品を中に含む前記成型固定具は、先端部塗布具組立体の使用の準備ができるまで、保存されることができる、ステップと
を含む、先端部塗布具組立体の先端部分を成型するための方法。
【請求項12】
前記成型材料がシリコーンである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記シリコーン材料が、ショアタイプOOデュロメータ硬さ30である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記成型固定具が、前記カップ区分の互いに対向する端部から延在する2つのはぎ取り式区分を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記成型固定具材料が平滑である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記はぎ取り式区分が前記カップ区分の隣接する部分よりも薄い、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記シリコーン材料が、成型中に前記固定具の前記カップ区分に固着することがないことを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−527963(P2012−527963A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513161(P2012−513161)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/035978
【国際公開番号】WO2010/138461
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(505359481)パシフィック・バイオサイエンス・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】