説明

盗難防止装置

【課題】 盗難防止装置の磁吸係止爪の磁石を用いた係合関係の解除を困難にする。
【解決手段】 陳列ケースKの挿入口9からガイド手段10により案内して挿入部材11を挿入すると共に、この挿入部材と上記陳列ケースの箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合装置Nを設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前後挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪21と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部22とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ショップに陳列してある販売やレンタルの例えば音楽や映像を記録したディスクやビデオテープ或いはブックその他の盗難防止対象物の盗難防止装置で、施錠の係止爪の磁吸による係合関係の解除が困難になるようにすること及びショップ側での係合関係の解除が容易になる解除具に関する。
【背景技術】
【0002】
ショップに盗難防止対象物の例えばディスクを収納したケースを陳列すると、ケースに開放阻止の手立てがないと、ケースを開放して盗難防止対象物の取り出しができて、盗難に遭う。
【0003】
そこで、上述のような盗難を防止するために、盗難防止対象物(例えば、ディスク)を収納する陳列ケースにショップ側による開放阻止の錠装置を設けることで解決することができる。
【0004】
上記の既存の錠装置としては、図37及び図38に示すように、盗難防止対象物Xの収納陳列ケース200を構成するヒンジ201を介し開閉する箱体202と蓋体203とのヒンジ201の反対側辺に7字状などの並列係合溝204を設けて、この両係合溝204に係合状態に断面H型などの施錠部品205としてのスライダ206を挿入して、挿入スライダ206を介し陳列ケース200の開放を阻止する。
【0005】
そして、陳列ケース200や並列係合溝204とスライダ206との対向面に設けてある係合部207と磁吸される係止爪208との係合関係(この係合関係は、スライダ206の挿入終了にともない自動的に係合する)になり、上記の係合関係の解除は、磁吸される係止爪208にショップ側の解除具の磁石209を近づけることで係止爪208が磁吸されて、係合部207から係止爪208が外れる。
【0006】
なお、磁吸される係止爪208は、スライダ206の挿入方向の前後に複数並べて設けてある。
【0007】
また、上記以外に、図39から図44に示すように、盗難防止対象物Xの収納陳列ケース210を構成するヒンジ211を介し開閉する箱体212と蓋体213とのヒンジ211の反対側に挿入口214を有する挿入路215を設けて、この挿入口214から挿入路215にスライダ216を挿入して、スライダ216を介し陳列ケース210の開放を阻止する。
【0008】
この挿入したスライダ216が閂としての役目をするように、挿入路215が箱体212と蓋体213とに千鳥状の配列で噛み合い状に嵌り込む(図43、図44に示す)ように設けてある。
【0009】
そして、スライダ216の両側面に磁吸される係止爪217を、挿入路215のスライダ216の両側面と対向する面にスライダ216の挿入終了にともない係止爪217が係合関係になる係合部218を設け、上記の係合関係の解除は、図42に示すように、陳列ケース210の両側、すなわち、箱体212と蓋体213との外側にショップ側の解除具の磁石219を近づけることで係止爪217が磁吸されて係合部218から係止爪217が外れる。
【0010】
なお、図中220は係止爪208、217に設けた鉄片である。
【0011】
さらに、上記以外に、陳列用の盗難防止ケースの一側面の開口から商品の収納ケースを嵌装すると共に、嵌装下に上記開口から上向きに突出する脱出防止部の内側に上記収納ケースの下部を位置させ、上記盗難防止ケースの上辺側に設けてあるショップ側の解錠具による解錠可能な錠装置により収納ケースの上辺に突出部を係合関係にして、盗難防止ケースに対し収納ケースの抜き取りを阻止するようにしたものがある(特許文献1)。
【0012】
また、上記以外に、周囲一面の開口から陳列用のケースに販売や貸し出し用の物品を挿入したのち、ガイドによって案内されるスライダを挿入して、スライダのストッパにより開口を閉鎖すると共に、スライダの挿入終了時点にケース或いはガイドとスライダとの対向面に設けてある係止手段としての係止部と磁吸される係止片との係合関係(図10参照)によってスライダの脱出方向のスライドを止めて、ケースから物品の抜き取りを阻止するようにしたものがある(特許文献2)。
【0013】
さらに、図45から図48に示すように筒状の保持部材231に表裏紙の少なくとも片方を除いてブック232を貫通させたのち、保持部材231の案内部233により案内させて備え部材234を装備すると共に、備え部材234のストッパ235をブック232の背表紙の表面側に位置させ、この状況下で備え部材234の磁吸される係止爪236と案内部233の係合部237との係合関係によって保持部231に対するブック232の抜き取りや立ち読みを防止するものや、ブック232の綴じ込み紙240間に介在する介在部材241の一端に抜け止めやブック232の捲りを防止する抱き込み片242を設け、介在部材241の他端の案内部233に備え部材234を装備すると共に、備え部材234のストッパ235をブック232の背表紙の表面側に位置させ、この状況下で備え部材234の磁吸される係止爪236と案内部材233の係合部237との係合関係によって保持部231に対するブック232の抜き取りや立ち読みを防止するものがある。
【0014】
なお、係合部237に対する係止爪236の係合関係の解除は、ショップ側の解除具の磁石239で係止爪236を磁吸することにより行なう。
【0015】
図中251は鉄片、252はヒンジ、253はブック232の抱き込み片、Tは盗難防止タグである。
【特許文献1】特開2004−249069号公報
【特許文献2】特開2004−345736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、図29、30に示す磁吸される係止爪のみをスライダの一面に直列状で、かつ同一レベル(係止爪の自由端や鉄片が同じ高さ)に並べてあるので、顧客の持参した永久磁石を係止爪の配列線上に近づけることで、複数の各係止爪を同時に磁吸して係合関係を解除することができる問題があった。
【0017】
また、図31から図36に示すスライダの両側面に磁吸される係止爪のみを配置した場合であっても、スライダの両側にそれぞれ顧客の持参した永久磁石を近づけることで、各係止爪を磁吸して係合関係を解除することができる問題があった。
【0018】
さらに、特許文献1の錠装置として直列状で、かつ同一レベル(係止爪の自由端や鉄片が同じ高さ)に磁吸される係止爪を並べたとしても、又特許文献2の磁吸される係止爪の場合でも、顧客の持参した永久磁石により係止爪を磁吸して係合関係を解除することができる問題があった。
【0019】
また、図37から図40に示すブックの盗難や立ち読みを防止するものにあっても、単独に磁吸される係止爪のみを配置するので、前述と同様に永久磁石を用いて容易に係合関係を解除される問題があった。
【0020】
いずれも、単独に磁吸される係止爪を複数配置しても、永久磁石を用いて容易に係合関係を解除され、盗難防止対象物(品物)の盗難に遭う問題が発生した。
【0021】
なお、磁吸される係止爪に磁吸されない係止爪を併設することで、係合関係の解除を煩雑にすることができる。
【0022】
しかしながら、大幅なコストアップになる。
【0023】
そこで、この発明は、複数の磁吸される係止爪を配置しても、顧客の持参した永久磁石で係合関係の解除が困難になるようにした盗難防止装置及びショップ側で使用する解除具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記の課題を解決するために、この発明は、箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合装置を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0025】
また、周囲の一面に盗難防止対象物の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0026】
さらに、筒状の保持部材にブックの綴じ込み紙のみ或いは必要に応じ表裏紙の片方を貫通させ、この保持部材の上記ブックにより被われない露出表面に挿入路を設けて、この挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端に上記ブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0027】
また、ブックの綴じ込み紙間で、かつブック背表紙に沿って介在部材を介在し、この介在部材の末端に抜止め部を設け、上記介在部材の先端に設けた挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端にブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0028】
さらに、陳列ケースの一側面の開口から盗難防止対象物を嵌装すると共に、上記開口の下縁脱出防止部によって上記嵌装下の盗難防止対象物の下縁側の脱出を阻止し、上記陳列ケースの上面から上方に突出する案内部によって上下方向に案内される昇降体を設けると共に、この昇降体に降下にともない嵌装下の盗難防止対象物の上方移動を止めるストッパを設け、上記昇降体と案内部とに前記昇降体の降下にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記昇降体の降下終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記昇降体に前記昇降体の上面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0029】
すると、陳列ケースの周囲一面や挿入路の一面や昇降体の一面に顧客の持ち込んだ磁石を重ねて磁吸係止爪を磁吸しても、距離の近い方の磁吸係止のみが磁吸されて距離の遠い方の磁吸係止爪が磁吸されず、磁吸できない磁吸係止爪と係合部との係合関係が維持される。
【0030】
また、箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合装置を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前後挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記陳列ケースの周囲面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記陳列ケースの側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸する。
【0031】
さらに、周囲の一面に盗難防止対象物の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記陳列ケースの周囲面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記陳列ケースの側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸する。
【0032】
また、筒状の保持部材にブックの綴じ込み紙のみ或いは必要に応じ表裏紙の片方を貫通させ、この保持部材の上記ブックにより被われない露出表面に挿入路を設けて、この挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端に上記ブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記挿入路の上記係合部に対向する壁の外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記挿入路の上記磁吸係止爪の傾動方向に沿う壁の外側に位置する第2磁石で上記距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸する。
【0033】
さらに、ブックの綴じ込み紙間で、かつブック背表紙に沿って介在部材を介在し、この介在部材の末端に抜止め部を設け、上記介在部材の先端に設けた挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端にブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記挿入路の上記係合部に対向する壁の外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記挿入路の上記磁吸係止爪の傾動方向に沿う壁の外側に位置する第2磁石で上記距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸し、陳列ケースの一側面の開口から盗難防止対象物を嵌装すると共に、上記開口の下縁脱出防止部によって上記嵌装下の盗難防止対象物の下縁側の脱出を阻止し、上記陳列ケースの上面から上方に突出する案内部によって上下方向に案内される昇降体を設けると共に、この昇降体に降下にともない嵌装下の盗難防止対象物の上方移動を止めるストッパを設け、上記昇降体と案内部とに前記昇降体の降下にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記昇降体の降下終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記昇降体に前記昇降体の上面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記昇降体の上面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面案内部の側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸する。
【0034】
すると、ショップ側の解除具の一面の磁石により距離の近い方の磁吸係止爪を、解除具の他面の磁石により距離の遠い方の磁吸係止爪を同方向に磁吸して、係合部に対するそれぞれの磁吸係止爪の係合関係を解除する。
【0035】
また、箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合手段を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前記挿入部材の挿入終了にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪及び陳列ケースの側面から磁吸される水平揺動の第2の磁吸係止爪を設けたことや周囲の一面に盗難防止対象の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪とが係合関係になる係合部を設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪及び陳列ケースの側面から磁吸され水平揺動の第2の磁吸係止爪を設けた構成を採用する。
【0036】
そして、L字状やコ字状の基材と、この基材の水平部分に垂直揺動する第1の磁吸係止爪に対向して前記第1の磁吸係止爪を解除方向に磁吸するように設けた第1磁石と、上記基材の垂直部分に水平揺動する第2の磁吸係止爪に対向して前記第2の磁吸係止爪を解除方向に磁吸するように設けた第2磁石とからなる解除具を使用する。
【0037】
すると、解除具の第1磁石により垂直揺動する第1の磁吸係止爪を、第2磁石により水平揺動する第2の磁吸係止爪をそれぞれ解除方向に磁吸して、係合部に対する第1、第2の磁吸係止爪の係合関係を解除する。
【発明の効果】
【0038】
以上のように、この発明の盗難防止装置によれば、挿入部材や昇降体に陳列ケースの周囲面や挿入路の一面や昇降体の一面から磁吸始動部位の距離を、一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けてあるので、顧客の持参した一つの永久磁石で磁吸係止爪を磁吸しても、距離の近い、遠い段差のある磁吸係止爪の片方が磁吸されてももう片方が磁吸されない。
【0039】
このため、磁吸されない方の磁吸係止爪と係合部との係合関係の維持によって盗難防止対象物やブックの盗難を防止する。
【0040】
かりに、顧客の持参した二つの永久磁石で段差のある磁吸係止爪をそれぞれ磁吸しようとしても、磁石同志の磁吸によって互いに引き寄せ、その引き寄せが強力なために引き寄せられた磁石間で指などが挟まれて傷を負い、解除を著しく困難になる効果がある。すなわち、顧客による磁石を用いた解除の操作を困難にする。
【0041】
また、ショップ側の解除具の一面第1磁石により段差のある片方距離の近い方の磁吸係止爪を、解除具の他面第2磁石によりもう片方距離の遠い方の磁吸係止爪をそれぞれ同方向に磁吸して、係合部に対する距離の近い、遠い磁吸係止爪の係合関係の解除を同時に行なうことができる。
【0042】
さらに、挿入部材に陳列ケースの周囲面から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪と、陳列ケースの側面から磁吸される水平揺動の第2の磁吸係止爪とを併設してあるので、陳列ケースの周囲面と側面との二面に磁石を重ね或いは近づけないかぎり係合関係を解除することができない。
【0043】
そこで、顧客の持参した二つの磁石を周囲面と側面に重ねて磁吸係止爪を磁吸しようとしても磁石同志の磁吸によって互いに引き寄せ、その引き寄せが強力なため引き寄せられた磁石間で指などが挟まれて傷を負うので、解除が困難になって盗難防止に極めて効果を発揮する。
【0044】
そして、ショップ側では、板面が水平な姿勢と垂直な姿勢になる第1、第2の磁石を設けた解除具によってスムーズに、かつ危険がなく係合関係を解除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0046】
この発明の第1の実施形態では、図1から図5に示すように、箱体1と、この箱体1の開口2を開閉するように箱体1の一辺にヒンジ3を介し設けた蓋体4とで盗難防止対象物Aを収納する陳列ケースKを形成する。
【0047】
上記の箱体1及び蓋体4は、図示の場合、主壁5と、この主壁5の辺縁から連なって主壁5の裏面方向に突出する周壁6とで構成され、蓋体4の周壁6が箱体1の周壁6の外側に嵌装するようにしたが、嵌装を逆にすること、或いは周壁6の開放縁を突き合わせることもある。
【0048】
上記のヒンジ3は、図示の場合、合成樹脂により陳列ケースKを成形する際、箱体1の一辺の周壁6の両端を切り離して、この両端切り離し周壁6と箱体1及び蓋体4の各主壁5との連成境に二条のハーフカットのヒンジ3を設けて形成したが、箱体1の両側の平行する二辺の周壁6の端に蓋体4の両側の平行する二辺の周壁6の端をピンを介し取付けてヒンジとすることもできる。
【0049】
上記の盗難防止対象物Aは、図示の場合ディスクを示し、箱体1の主壁5の裏面中央に設けてある支持爪8にディスクのセンタ孔を支持させて収納するようにしたが、ディスクにかえてその他の盗難防止対象物A、盗難を防止する物、例えばビデオテープなどであってもよい。
【0050】
また、陳列ケースKの所要位置に設けてある挿入口9から陳列ケースKに設けてあるガイド手段10により案内される挿入部材11を挿入すると共に、この挿入部材11と箱体1及び蓋体4とに掛合関係によって陳列ケースKの開放阻止の掛合手段Nが設けてある。
【0051】
上記挿入口9を有するガイド手段10は、例えば図示の場合、箱体1及び蓋体4の両主壁5のヒンジ3に対向する辺縁を周壁6よりも外方に突出させ、この突出縁からそれぞれ内方(周壁6に向く)に突出させて陳列ケースKの閉鎖に突き合わせるL形の連成壁12と周壁6とで一端に挿入口9を有する角筒を形成してガイドとなるようにしたが、周壁6の外側に限定されず、周壁6の内側に位置するよう周壁6に挿入口9を、箱体1と蓋体4の両主壁5の裏面にレール状の突条を設けて(いずれも図示省略)挿入部材11の挿入ガイドとすることもある。
【0052】
要するに、上記構成に限定されずその他の構成で挿入部材11の挿入をガイドするものであればよい。
【0053】
そして、ガイド手段10を設ける位置も、図示のヒンジ3に平行する辺縁に限定されず、陳列ケースKのヒンジ3の端側の辺に挿入口を有するガイド手段を設けることもある。
【0054】
上記の掛合手段Nは、図示の場合両連成壁12に挿入部材11側に突出する突出条13を設けて、この両突出条13を挿入部材11を構成する帯状の連結板14と、この連結板14の両側縁から連なって縦断面H状に連なる両側板15、15の縁で両突出条13を挿入部材11の挿入にともない図5に示すように抱き込んで、挿入部材11と箱体1及び蓋体4とが掛合関係になって陳列ケースKの開放を阻止するようになっているが、その他の掛合手段Nにより挿入した挿入部材11が、キーの役目をして陳列ケースKの開放を阻止してもよい。
【0055】
要するに、上記構成に限定されずその他の構成で挿入部材11の挿入によって、挿入部材11に対し箱体1側と蓋体4側とが掛合関係になって閉鎖状態の維持をはかるものであればよい。
【0056】
当然箱体1及び蓋体4の周壁6も、図示のように主壁5の辺縁全長に限定されず、辺縁の所要部分に設けることもある。
【0057】
さらに、挿入部材11には、挿入部材11の挿入にともない復元力に抗して同方向に押し戻される磁吸係止爪21が二つ或いは二つ以上設けてあり、陳列ケースKには、挿入部材11の挿入終了にともない押し戻し力により復帰する磁吸係止爪21が図3に示すように係合関係になって挿入部材11の引き抜きを阻止する係合部22が設けてある。
【0058】
上記の磁吸係止爪21は、図示の場合挿入部材11のスライド方向前後で、かつ挿入部材11の図1の下面に二つ配置したが、数や配置面は限定されず、また係合部22を図示の場合挿入部材11の磁吸係止爪21の配置位置の関係で外側の周壁6(図示の場合蓋体4側の)の外周面に設けたが、限定されず磁吸係止爪21の配置面によって、陳列ケースKに設けてあるガイド手段10の内面に設けることもある。
【0059】
上記陳列ケースKに係合部22を設ける記載は、陳列ケースKを構成する箱体1と蓋体4とに一体的にガイド手段10を形成する突出条13を有する連成壁12が設けてあるために、箱体1及び蓋体4の外周に位置する周壁6や連成壁12に係合部22を設けることができるためである。
【0060】
そして、上記挿入部材11に設ける少なくとも二つの磁吸係止爪21は、一方が陳列ケースKの周壁6から磁吸始動部位を近く、他方が陳列ケースKの周壁6から磁吸始動部位を遠くなるようにして設ける。
【0061】
上記の磁吸係止爪21は、図示の場合合成樹脂によって挿入部材11を成形の際、挿入部材11に対し係止爪を一体に成型して、連結元部が揺動支点部となると共に、復帰力が働き、係止爪に突出する脚部106を設けて、この脚部106に鉄片23を固着(ビス止や係止爪に対する端末の埋没方式などで)し、磁吸始動部位の役目をする鉄片23の位置を、一方が挿入部材11の一面(図示の場合、突出条13側の面)に対し近く、他方を遠くして段差をもつようにしてあると共に、同方向に磁吸されるようにしてある。
【0062】
勿論、上記の構成に限定されず鉄片23の具備しない磁吸係止爪21として、係止爪の全部を鉄製の板状体によって形成した場合の近い、遠いの段差を高低差によって設けるか、鉄製の板状体の所要位置に屈曲突出部を設けて、この屈曲突出部を磁吸始動部とすると共に、屈曲突出部の一方を近く、他方を遠くなるようにして段差をもつようにすることなどで目的を達成する。
【0063】
上記少なくとも二つの段差のある磁吸係止爪21の配置も図示の場合挿入部材11のスライド方向前後に二個設けたが、限定されず例えば挿入方向の両側に並設したり、また例えば挿入部材11のスライド方向に直列状に並べる複数の磁吸係止爪21を、距離の近い間に距離の遠いものを、又距離の遠い間に距離の近いものを配置するなど磁石を用いた磁吸による解除を困難にするため適宜決定すればよい。
【0064】
図中24は挿入部材11の末端両側に設けた箱体1と蓋体4との抱き込み片、Tは挿入部材11に設けた盗難防止タグ(この盗難防止タグTは、周知のように、固有のIDコードをもち、ショップの出入口を通過の際、出入口に設置の高周波電磁界の発生により共振回路が共振して固有のIDコードの発振にともない高周波電磁界を変調させるもので、陳列ケースKのショップ外への持ち出しを検出する)である。
【0065】
次に、挿入部材11の挿入状況下における磁吸係止爪21と係合部22との係合関係による開放阻止の陳列ケースKから開放を可能とするための挿入部材11の抜き取り解除方式を説明する。
【0066】
まず、図6に示すショップ側の解除具26の上面及び両端面が開放した溝27に図7及び図8に示すように挿入部材11が下側になるように把持した陳列ケースKの下辺側を嵌め込む。
【0067】
このとき、図8に示すように、溝27の底に板面が水平な姿勢の永久第1磁石28が配置してある。
【0068】
この配置した第1磁石28は、距離の近い磁吸係止爪21の磁吸始動部位(図示の場合鉄片23の直下で、距離の近い磁吸係止爪21を磁吸する位置になっている。
【0069】
なお、第1磁石28の上側の水平面は、溝27の底面と同一面か、或いは若干低くして陳列ケースKに対する解除具27は又は解除具27に対する陳列ケースKのスライドを阻害しないようにしてある。
【0070】
一方、溝27の底に距離の遠い永久磁石を配置しても距離の遠い磁吸係止爪21の(磁石に対する磁吸始動部位が遠いために)磁吸がない。
【0071】
このため、磁吸係止爪21と係合部22との係合関係の解除は、図8に示すように第1磁石28によって磁吸された近い距離の磁吸係止爪21のみとなる。すなわち、距離の遠い磁吸係止爪21の係合関係が解除されない。
【0072】
そこで、図6から図9に示すように、溝27内の側面に板面が垂直な姿勢の永久第2磁石29を配置する。
【0073】
この第2磁石29は、第1磁石28と同様に表面が溝27の側面から突出しないようになっていると共に、第2磁石29によって距離の遠い磁吸係止爪21を磁吸して、距離の遠い磁吸係止爪21と係合部22との係合関係が図8に示すように解除されるようになっている。
【0074】
磁吸係止爪21を磁吸する第2磁石29は、磁吸係止爪21の磁吸始動部位に第2磁石29の端や、或いは端部や途中が近づくことで磁吸され、この磁吸にともない係合部22から外れる方向に引き戻す。
【0075】
すると、ショップ側で距離の近い、遠い両磁吸係止爪21と係合部22との係合関係を解除したのち、図8の左方向に陳列ケースKをスライドさせる(又は図8の右方向に解除具26をスライドさせる)ことで、挿入部材11の末端の突片30が解除具26に引っかかって、挿入部材11を脱出方向にスライドする。
【0076】
引き抜いた挿入部材11は、ショップ側に回収され、再使用する。
【0077】
なお、挿入部材11の存在しない陳列ケースKは、周知のように貸し出しや販売ケースとして使用する。
【0078】
この発明の第2の実施形態では、図10から図14に示すように、周囲の一面に盗難防止対象物Aの出し入れ用の開口31を有する陳列ケースK′を形成する。
【0079】
上記の陳列ケースK′は、図10に示すように、対向する側壁32と、この側壁32の周囲一面に開口31を形成するように側壁32の並行する一辺縁を除く辺縁を連結する周壁33とで構成され、例えば合成樹脂により成型される。
【0080】
なお、側壁32に貫窓34を設けて、挿入してある盗難防止対象物Aが見えるようになっているが、限定されない。
【0081】
上記の盗難防止対象物Aとしては、例えばディスク(図示省略)を収納した収納ケースを示したが、限定されず、ビデオテープやその他の盗難を防止するものであってもよい。
【0082】
また、陳列ケースK′の周壁に開口31から前記開口31の反対方向にガイド手段35を設けて、このガイド手段35により案内される挿入部材36を挿入し、この挿入部材36の挿入先行端の反対側末端には、挿入部材36の挿入にともない開口31の一部を閉鎖して挿入(収納)してある盗難防止対象物Aの取り出しを阻止するストッパ37が設けてある。
【0083】
上記のガイド手段35は、図示の場合、周壁33の内側で、かつ周壁33に平行するように側壁32に側縁が連なるガイド壁38を設けて、このガイド壁38と周壁33及び両側壁32とで角筒のガイド手段35を形成したが、限定されず、例えば、ガイド壁38を片方の側壁32から連成したり、或いは周壁33の外側にコ字状のガイド壁を設けて、このガイド壁と周壁とで角筒のガイド手段(図示省略)を設けることもできる。
【0084】
上記のストッパ37は、図10から図12に示すように、ハーフカットやピンなどのヒンジ39を介し起伏自在に設け、挿入部材36の挿入終了にともないガイド手段35内にヒンジ39が納まって、ストッパ37の起立方向の回動を止めてストッパとしての機能を損なうことがないようにすると共に、挿入部材36の脱出方向のスライド後の停止(周知のように1ピッチのスライドにともなう停止)にともないガイド手段35からヒンジ39が脱出するので、ストッパ37を起立方向に回動させて陳列ケースK′から盗難防止対象物Aを取り出す(逆に挿入も)ことができる。
【0085】
このため、挿入部材36の完全な抜き取りが不要になる。
【0086】
勿論、ヒンジ39付のストッパ37に限定されず、図14に示すように、挿入部材36にストッパ37を一体に設けてもよい。
【0087】
その際、挿入部材36を完全に抜き取るか、或いは脱出方向の途中迄挿入部材36をスライドさせて、挿入部材36のストッパ37側を図14上方に引き上げて、盗難防止対象物Aに対するストッパ37の衝突を回避するようにしてもよい。
【0088】
また、挿入部材36とガイド手段35とには、挿入部材36の挿入にともない復元力に抗して押し戻されると共に、陳列ケースK′の周壁33からの磁吸始動部位の距離を近く、遠くなるように段差をもつ少なくとも二つの磁吸係止爪21と、挿入部材36の挿入終了にともないそれぞれの磁吸係止爪21が係合関係になる係合部22が設けてある。
【0089】
上記の段差のある磁吸係止爪21及び係合部22の構成及び配置、そして作用効果は、第1の実施形態と同様につき、又ショップ側の解除具を用いた解除方式(図15、16に示す)は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0090】
図中Tは第1の実施形態と同様の盗難防止タグ、40は鉄片23の衝突回避窓である。
【0091】
この発明の第3の実施形態では、図17から図20に示すように、筒状の保持部材41にブックBの綴じ込み紙bのみ、或いは綴じ込み紙bと表裏表紙Cの片方とを貫通させる。
【0092】
次に保持部材41のブックBにより被われない露出面に設けてある筒状の挿入路42に挿入部材43を挿入すると共に、この挿入部材43の挿入先行端の反対側端には、挿入部材43の挿入終了にともないブックBの背表紙Dの表面に位置するストッパ44が設けてあり、このストッパ44の存在によって保持部材41からブックBのストッパ44側への抜き取りを阻止する。
【0093】
勿論、ストッパ44の反対方向の抜き取りは、保持部材41の表面側に存在する表裏表紙Cの両方や片方によって阻止され、図示のように保持部材41を形成する左右の側壁45と上下の頂壁46及び底壁47とで角筒とする上記頂壁45及び底壁46の少なくとも片方から突出する突出片48を綴じ込み紙b間に食い込ませて、綴じ込み紙bと反転させた表裏表紙Cとがストッパ44の反対方向にスライドさせて保持部材41に対するブックBが抜けるのを阻止する。
【0094】
上記の挿入路42は、頂壁46の内側で、両側壁45の内面に側縁を連結して頂壁46に平行するガイド壁49を設けて角筒状としたが、限定されず、頂壁46の外側に筒状の挿入路46を設けてもよい。
【0095】
上記のストッパ44は、第2の実施形態と同様にピンヒンジ39を介し挿入部材43を介し設けたが(作用効果は、第2の実施形態と同様につき説明を省略する)、限定されない。
【0096】
また、挿入部材43と挿入路42には、挿入部材43の挿入にともない同方向に押し戻されると共に、挿入部材43の一面からの磁吸始動部位の距離を近く、遠くなるように段差をもって少なくとも二つの磁吸係止爪21と、挿入部材43の挿入にともない磁吸係止爪21が係合関係になる係合部22が設けてある。
【0097】
上記の段差をもつ近い遠いは、図示の場合挿入路53の介在部材51の突出部材51の突出方向の反対側の壁に対する距離である。
【0098】
上記の段差のある磁吸係止爪21及び係合部22の構成及び配置、そして作用効果は、第1の実施形態と同様につき、又ショップ側の解除具(図示省略)を用いた解除方式は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0099】
図中Tは、第1の実施形態と同様の盗難防止タグ、40は鉄片23の衝突回避窓である。
【0100】
なお、陳列時のブックBの盗難を防止する以外に立ち読みも防止することができる。
【0101】
この発明の第4の実施形態では、図21、22に示すように、ブックBの綴じ込み紙b間で、かつブックBの背表紙Dに沿って介在部材51を介在すると共に、この介在部材51の下端には、ブックBに対する介在部材51の上方への抜止め部52が設けてある。
【0102】
上記の抜止め部52は、介在部材50の下端から両側の方向に突出させて設けてあり、上記の介在部材51は、板状体により形成して、綴じ込み紙Bの厚みを極力増加させないようになっている。
【0103】
また、介在部材51の上端に挿入路53を設けて、この挿入路53に挿入部材54を挿入して、この挿入部材54の挿入先行端の反対側端には、挿入部材54の挿入終了時にブックBの背表紙Dの表面に臨むストッパ55が設けてある。
【0104】
そして、挿入部材54と挿入路53とには、挿入部材54の挿入にともない復元力に抗して同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪21と、挿入部材54の挿入終了にともない磁吸係止爪21が係合関係になる係合部22が設けてあって、陳列状況下でのブックBの取り外しができないようになっていると共に、挿入部材54に設けた第1の実施形態と同様のタグTによって店外への持ち出しを防止するようにしてある。
【0105】
上記のような周知のブックの盗難防止装置の上記の磁吸係止爪21を、挿入部材54の一面からの磁吸始動部位の距離を近く、遠くなるようにしてある。
【0106】
上記の磁吸始動部位の近い、遠い磁吸係止爪21及び係合部22の構成及び配置、そして作用効果は、第1の実施形態と同様につき、又ショップ側の解除具(図示省略)を用いた解除方式は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0107】
なお、挿入路53は、例えば合成樹脂による介在部材51と一体に角筒を成型して形成し、ストッパ55は、図示のようにヒンジ39を介し設けたが、ヒンジ39の有無は自由である。
【0108】
上記ヒンジ39による作用効果は、第2の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0109】
また、図示のように、挿入路53と抜止め部52との少なくとも片方の両側にブックBの全部或いは表裏表紙Cの両方又は片方を抱き込む抱き込み片56を設けておくと、ブックBの捲りを阻止して、立ち読みを防止することができる。
【0110】
この発明の第5の実施形態では、図23から図28に示すように、陳列ケースK″の一側面に設けてある開口61から盗難防止対象物Aを、盗難防止対象物Aの上縁側を先行させて嵌入し、次いで盗難防止対象物Aの下縁を嵌入(障子の立て込み手順のように)して嵌装すると共に、開口61の下縁から上方に突出する下縁脱出防止部62と盗難防止対象物Aの下縁部との引っかかりによって、嵌装下の盗難防止対象物Aの脱出が阻止される。
【0111】
嵌装下の盗難防止対象物Aの上部は、開口61の上縁よりも上方に位置する。
【0112】
上記の盗難防止対象物Aとしては、例えば商品のディスクを収納した収納ケースなどで、上記以外のものであってもよい。
【0113】
また、陳列ケースK″の上面から上方に突出する案内部63を設けて、この案内部63によって昇降体64を上下方向にスライド自在に案内する。
【0114】
上記の案内部63は、図示の場合合成樹脂成形の陳列ケースK′と一体に上面が開放する角筒を用い、この角筒に合成樹脂成形の中空のボックス状の昇降体64を嵌入したが、その他の構成で目的を達成するようにしてもよい。
【0115】
さらに、昇降体64の降下にともない共に降下するストッパ65によって盗難防止対象物Aの上方への移動を止めると共に、昇降体64と案内部63とに昇降体64の降下にともない押し戻される磁吸係止爪21と、昇降体54の降下終了にともない磁吸係止爪21が係合関係になる係合部22とが設けられ、上記の磁吸係止爪22を二つ或いは二つ以上同方向に押し戻されるように設けると共に、昇降体64の上面からの磁吸始動部位の距離を近く、遠くなるように段差をもって設ける。
【0116】
上記の段差のある磁吸係止爪21及び係合部22の構成及び配置、そして作用効果は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0117】
又ショップ側の解除具26は、第1の実施形態と同様に解除具26の一面に設けた板面が水平な第1磁石28により磁吸始動部位(図示鉄片23)の距離の近い磁吸係止爪21を磁吸して係合関係を解除し、解除具26の他面に設けた板面が垂直な第2磁石29により磁吸始動部位(図示鉄片23)の距離の遠い磁吸係止爪21を磁吸して(図28に示すように)係合関係を解除する。
【0118】
すると、バネ67によって昇降体54を上昇復帰させて、ストッパ65による盗難防止対象物Aの押し上げが可能になる。
【0119】
上記のように第1から第5の実施形態の段差のある少なくとも二つの磁吸係止爪21を配置することで、解除具26の第1磁石28で挿入部材11、36、43、54や昇降体64の一面からの磁吸始動部位の近い磁吸係止爪21のみを磁吸して係合関係を解除する。
【0120】
なお、図15、16に示すように、解除具26に撮み101を把持してスライダ102を引き寄せ、この引き寄せにともないスライダ102の突起103とストッパ37の突部104との引っかかりによって挿入部材36を脱出方向にスライドさせることができる。
【0121】
また、昇降体64の磁吸係止爪21は、昇降体64を形成する周壁にU字状の切り込み110を入れて、この切り込み110の内側に係止爪を設けると共に、第1の実施形態と同様の脚部106に鉄片23を取付けたが、限定されない。
【0122】
その際、磁吸始動部位の距離の遠い磁吸係止爪21の係合関係は、解除されない。
【0123】
そこで、解除具26の第2磁石29により上記磁吸始動部位の距離の遠い磁吸係止爪21を磁吸することで係合関係を解除する。
【0124】
その要因は、解除具26の異なる面に第1磁石28、第2磁石29を配置(第2磁石29の配置は、図示片側だけではなく、遠い磁吸係止爪21の数によって両側にも設けることもある)により解除(係合関係の)を煩雑にすることにある。
【0125】
そして、かりに顧客の持ち込んだ複数の磁石を用いて解除しようとしても、磁吸しあう磁石同志の端面で指などが強く挟まれていたみを与え、解除操作を大変困難にする。
【0126】
この発明の第6の実施形態では、図29から、図31に示すように、第1の実施形態と同様の陳列ケースKの所要位置に設けてある挿入口9から陳列ケースKに設けてあるガイド手段10により案内される挿入部材11を挿入すると共に、この挿入部材11と陳列ケースKを構成する箱体1及び蓋体4とに掛合関係によって陳列ケースKの開放阻止の掛合手段Nが設けてある。
【0127】
上記の陳列ケースKの構成、挿入口9を有するガイド手段10、挿入部材11と箱体1及び蓋体4との掛合手段Nの構成は、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0128】
また、挿入部材11には、挿入部材11の挿入にともない復元力に抗して押し戻され、一方が陳列ケースKの周囲面(図5連成壁12の突出条13を有する面)から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪161と、陳列ケースKの側面(図3の主壁5の表面)から磁吸される水平揺動の第2の磁吸係止爪162とが設けてある。
【0129】
さらに、陳列ケースK或いはガイド手段10には、挿入部材11の挿入終了にともない復元力により復帰して第1の磁吸係止爪161と第2の磁吸係止爪162とが係合関係になる係合部163が設けてある。
【0130】
上記の第1及び第2の磁吸係止爪161、162は、第1の実施形態の磁吸係止爪21(鉄片23付の脚部106を設けた)と、又係合部163は、第1の実施形態の係合部22と同様につき説明を省略する。
【0131】
すると、挿入口9からガイド手段10により案内させて挿入部材11を挿入することで、挿入終了にともない係合関係になる第1の磁吸係止爪161及び第2の磁吸係止爪162と係合部163とで挿入部材11の引き抜きが阻止されると共に、掛合手段Nの係合関係によって陳列ケースKの開放が阻止されるため、陳列ケースK内の盗難防止対象物Aの盗難を防止する。
【0132】
上記の陳列ケースKの開放阻止を解除するには、図32及び図33に示すように、L字状やコ字状の基材181の水平部182に陳列ケースKの周壁から第1の磁吸係止爪161を磁吸する第1の磁石183を設け、基材181の垂直部184に陳列ケースKの側面から第2の磁吸係止爪162を磁吸する第2の磁石185を設けた解除具186を用いる。
【0133】
そして、磁吸にともなう第1、第2の磁吸係止爪161、162と係合部163との係合関係の解除したのち、図32に示すように陳列ケースK矢符方向にスライドさせて、陳列ケースKから挿入部材11を抜き取る。
【0134】
なお、挿入部材11の突片30が解除具186の端面に引っかかって陳列ケースKのみがスライドする。
【0135】
この発明の第7の実施形態では、図34から図36に示すように、第2の実施形態と同様の陳列ケースK′の周壁に周囲一面の開口31から反対方向にガイド手段35を設けて、このガイド手段35により案内される挿入部材36を挿入し、この挿入部材36の挿入先行端の反対側末端には、挿入部材36の挿入終了にともない開口31を閉鎖して、陳列ケースK′に挿入(収納)してある盗難防止対象物Aの取り出しを阻止するストッパ37が設けてある。
【0136】
上記の陳列ケースK′の構成、ガイド手段35、挿入部材36、盗難防止対象物A、ストッパ37は、第2の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0137】
そして、ショップ側に回収する挿入部材36には、ショップ外への持ち出しを検出する盗難防止タグTが設けてある。
【0138】
上記の盗難防止タグTは、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0139】
また、挿入部材36を陳列ケースK′或いはガイド手段35とには、第6の実施形態と同様の第1の磁吸係止爪161及び第2の磁吸係止爪162と係合部163が設けてある。
【0140】
上記の第1の磁吸係止爪161及び第2の磁吸係止爪162、そして係合部163は、第6の実施形態と同様につき(構成は、第1の実施形態と同様)説明を省略する。
【0141】
さらに、ショップ側の解除具186を用いた係合部163に対する第1磁吸係止爪161及び第2の磁吸係止爪162の係合関係の解除(第1の磁石183、第2の磁石185による)は、第6の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0142】
勿論、解除具186の構成も、第6の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0143】
なお、第6及び第7の実施形態の第1、第2の磁吸係止爪161、162の数は、それぞれ図示の1個に限定されず、適宜数を決定すればよい。
【0144】
そして、解除具186の第1の磁石183及び第2の磁石185の表面を図示のように水平部182や垂直部184の表面に対しつらいちにしておくと、陳列ケースKのスライドが(逆に解除具186をスライドさせてもよい)スムーズになる。
【0145】
又挿入部材11に第1の実施形態と同様の盗難防止タグTを設けて、ショップ外への持ち出しを検出する。
【0146】
上記のタグTは、第1の実施形態と同様につき説明を省略する。
【0147】
なお、上述の解除具186は、第1の実施形態から第5の実施形態にも使用することができる。
【0148】
前述の第6、第7実施形態に記載の第2磁吸係止爪162は、挿入部材11、36の一側に限定されず、両側に設けることもある。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す分解斜視図
【図2】陳列ケースを解除した斜視図
【図3】陳列ケースの一部切欠側面図
【図4】同上の横断平面図
【図5】一部切欠正面図
【図6】解除具の一部切欠斜視図
【図7】解除前の一部切欠側面図
【図8】解除を示す一部切欠側面図
【図9】同上の縦断正面図
【図10】第2の実施形態を示す分解斜視図
【図11】同一部切欠側面図
【図12】挿入部材を脱出方向にスライドした一部切欠側面図
【図13】同上の縦断正面図
【図14】ストッパの他の例を示す一部切欠側面図
【図15】解除前の一部切欠側面図
【図16】解除を示す一部切欠側面図
【図17】第3の実施形態を示す分解斜視図
【図18】ブックをセットした斜視図
【図19】同上の縦断側面図
【図20】同縦断正面図
【図21】第4の実施形態を示す一部切欠側面図
【図22】同上の縦断正面図
【図23】第5の実施形態を示す斜視図
【図24】同上の縦断正面図
【図25】同上の要部を示す一部切欠側面図
【図26】同一部切欠正面図
【図27】同一部切欠平面図
【図28】解除を示す一部切欠平面図
【図29】第6の実施形態を示す斜視図
【図30】同上の一部切欠側面図
【図31】同横断平面図
【図32】解除を示す縦断側面図
【図33】同横断平面図
【図34】第7の実施形態を示す斜視図
【図35】同上の縦断側面図
【図36】同横断平面図
【図37】第1の従来例を示す分解斜視図
【図38】同上の一部切欠側面図
【図39】第2の従来例を示す側面図
【図40】同上の縦断側面図
【図41】同横断平面図
【図42】同上の解除を示す横断平面図
【図43】図32のY−Y線に沿う断面図
【図44】図32のZ−Z線に沿う断面図
【図45】第3の従来例を示す一部切欠側面図
【図46】同上の解除を示す一部切欠側面図
【図47】第4の従来例を示す一部切欠側面図
【図48】同上の縦断正面図
【符号の説明】
【0150】
A 盗難防止対象物
K、K′ 陳列ケース
N 掛合手段
1 箱体
2 開口
3 ヒンジ
4 蓋体
5 主壁
6 周壁
8 支持爪
9 挿入口
10 ガイド手段
11 挿入部材
12 連成壁
13 突出条
14 連結板
15 側板
21 磁吸係止爪
22 係合部
23 鉄片
26 解除具
27 溝
28 第1磁石
29 第2磁石
30 突片
31 開口
32 側壁
33 周壁
34 貫窓
35 ガイド手段
36 挿入部材
37 ストッパ
38 ガイド壁
39 ヒンジ
41 保持部材
42 挿入路
43 挿入部材
44 ストッパ
45 側壁
46 頂壁
47 底壁
48 突出片
49 ガイド壁
51 介在部材
52 抜止め部
53 挿入路
54 挿入部材
55 ストッパ
56 抱き込み片
61 開口
62 脱出防止部
63 案内部
64 昇降体
65 ストッパ
161 第1の磁吸係止爪
162 第2の磁吸係止爪
163 係合部
181 基材
182 水平部
183 第1の磁石
184 垂直部
185 第2の磁石
186 解除具


【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合装置を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項2】
周囲の一面に盗難防止対象物の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項3】
筒状の保持部材にブックの綴じ込み紙のみ或いは必要に応じ表裏紙の片方を貫通させ、この保持部材の上記ブックにより被われない露出表面に挿入路を設けて、この挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端に上記ブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項4】
ブックの綴じ込み紙間で、かつブック背表紙に沿って介在部材を介在し、この介在部材の末端に抜止め部を設け、上記介在部材の先端に設けた挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端にブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項5】
陳列ケースの一側面の開口から盗難防止対象物を嵌装すると共に、上記開口の下縁脱出防止部によって上記嵌装下の盗難防止対象物の下縁側の脱出を阻止し、上記陳列ケースの上面から上方に突出する案内部によって上下方向に案内される昇降体を設けると共に、この昇降体に降下にともない嵌装下の盗難防止対象物の上方移動を止めるストッパを設け、上記昇降体と案内部とに前記昇降体の降下にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記昇降体の降下終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記昇降体に前記昇降体の上面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項6】
箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合装置を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前後挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記陳列ケースの周囲面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記陳列ケースの側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸するようにしたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項7】
周囲の一面に盗難防止対象物の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記陳列ケースの周囲面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記陳列ケースの側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸するようにしたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項8】
筒状の保持部材にブックの綴じ込み紙のみ或いは必要に応じ表裏紙の片方を貫通させ、この保持部材の上記ブックにより被われない露出表面に挿入路を設けて、この挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端に上記ブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記挿入路の上記係合部に対向する壁の外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記挿入路の上記磁吸係止爪の傾動方向に沿う壁の外側に位置する第2磁石で上記距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸するようにしたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項9】
ブックの綴じ込み紙間で、かつブック背表紙に沿って介在部材を介在し、この介在部材の末端に抜止め部を設け、上記介在部材の先端に設けた挿入路に挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材の末端にブックの背表紙の表面に位置するストッパを設け、上記挿入部材と挿入路とに前記挿入部材の挿入にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記挿入路のブックにより被われない面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるような段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記挿入路の上記係合部に対向する壁の外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面上記挿入路の上記磁吸係止爪の傾動方向に沿う壁の外側に位置する第2磁石で上記距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸するようにしたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項10】
陳列ケースの一側面の開口から盗難防止対象物を嵌装すると共に、上記開口の下縁脱出防止部によって上記嵌装下の盗難防止対象物の下縁側の脱出を阻止し、上記陳列ケースの上面から上方に突出する案内部によって上下方向に案内される昇降体を設けると共に、この昇降体に降下にともない嵌装下の盗難防止対象物の上方移動を止めるストッパを設け、上記昇降体と案内部とに前記昇降体の降下にともない押し戻される磁吸係止爪と、上記昇降体の降下終了にともない上記磁吸係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記昇降体に前記昇降体の上面から磁吸始動部位の距離を一方が近く、他方が遠くなるように段差をもち、かつ同方向に押し戻される少なくとも二つの磁吸係止爪を設け、解除具の一面上記昇降体の上面外側に位置する第1磁石で上記の距離の近い磁吸係止爪を、上記解除具の他面案内部の側面外側に位置する第2磁石で上記の距離の遠い磁吸係止爪を同方向に磁吸するようにしたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項11】
箱体と、この箱体の開口を開閉するように前記箱体の一辺にヒンジを介し設けた蓋体とで盗難防止対象物の収納陳列ケースを形成し、この陳列ケースの所要位置に設けてある挿入口から前記陳列ケースに設けてあるガイド手段により案内される挿入部材を挿入すると共に、この挿入部材と上記箱体及び蓋体とに掛合関係によって上記陳列ケースの開放阻止の掛合手段を設け、上記挿入部材と陳列ケース或いはガイド手段とに前記挿入部材の挿入終了にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、前記挿入部材の挿入終了にともない上記係止爪が係合関係になる係合部とを設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪及び陳列ケースの側面から磁吸される水平揺動の第2の磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項12】
周囲の一面に盗難防止対象の出し入れ用の開口を有する陳列ケースを形成し、この陳列ケースの周壁に上記開口から前記開口の反対方向にガイド手段を設けて、このガイド手段により案内される挿入部材を挿入し、この挿入部材の末端に前記開口の一部を閉鎖するストッパを設け、上記挿入部材と上記陳列ケース或いはガイド手段に前記挿入部材の挿入にともない復元力に抗して押し戻される磁吸係止爪と、上記挿入部材の挿入終了にともない上記磁吸係止爪とが係合関係になる係合部を設けた盗難防止装置において、上記挿入部材に上記陳列ケースの周囲面から磁吸される垂直揺動の第1の磁吸係止爪及び陳列ケースの側面から磁吸され水平揺動の第2の磁吸係止爪を設けたことを特徴とする盗難防止装置。
【請求項13】
L字状やコ字状の基材と、この基材の水平部分に垂直揺動する第1の磁吸係止爪に対向して前記第1の磁吸係止爪を解除方向に磁吸するように設けた第1磁石と、上記基材の垂直部分に水平揺動する第2の磁吸係止爪に対向して前記第2の磁吸係止爪を解除方向に磁吸するように設けた第2磁石とからなる解除具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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