監視カメラ用レンズ装置
【課題】移動レンズの調整位置をロックする際の移動レンズの調整のズレを防止し、好ましいフォーカス調整やズーム調整等が維持される監視カメラ用レンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置10は、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするためのロック機構を備えている。該ロック機構は、第1のロックつまみ26によって略C形状の第1の止め輪28の一方の縁部28Aと他方の縁部とを連結する構造を有し、第1のロックつまみ26を締め付けると第1の止め輪28が半径方向に縮められ、第1の止め輪28の内周に挿入されたフォーカスリング16の回転方向の位置がロックされる。ズームリング22についても同様の構成により回転方向の位置がロックされる。フォーカスリング16及びズームリング22は半径方向からロックされることで歪みが小さくなり、調整位置のロックに起因するフォーカス調整及びズーム調整のズレが防止される。
【解決手段】レンズ装置10は、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするためのロック機構を備えている。該ロック機構は、第1のロックつまみ26によって略C形状の第1の止め輪28の一方の縁部28Aと他方の縁部とを連結する構造を有し、第1のロックつまみ26を締め付けると第1の止め輪28が半径方向に縮められ、第1の止め輪28の内周に挿入されたフォーカスリング16の回転方向の位置がロックされる。ズームリング22についても同様の構成により回転方向の位置がロックされる。フォーカスリング16及びズームリング22は半径方向からロックされることで歪みが小さくなり、調整位置のロックに起因するフォーカス調整及びズーム調整のズレが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視カメラ用レンズ装置に係り、特にフォーカスリングやズームリング等の操作リング(回転筒)を所望の位置でロックする構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、金融機関、各種店舗等において小型の監視カメラ(監視用CCTVカメラ)が広く用いられている。この種の監視カメラに使用される監視カメラ用のレンズ装置は、鏡筒(固定筒)の外周部にフォーカス位置を調整するためのフォーカスリングと、焦点距離を調整するためのズームリングとが設けられており、監視カメラの設置時等において、フォーカスリング、ズームリングをマニュアル操作してフォーカス位置、焦点距離の調整が行われる。
【0003】
また、監視カメラは、ケース内に収容された状態で壁面などに設置され、ケースに設けられた開口から監視カメラ用のレンズ装置の前面が臨むようにして外部の撮影が行なえるようになっている。
【0004】
特許文献1には、監視カメラ用レンズ装置の鏡筒の外周部において、前方側(被写体側)にフォーカスリングが配置されるとともに、その外周部にズームリングが配置され、ケースに設けられた開口からフォーカスリングとズームリングの操作を容易に行なえるようにした監視カメラ用レンズ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−310228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された監視カメラ用レンズ装置は、調整されたフォーカスリング、ズームリングの位置を固定するためのロック機構が設けられている。このロック機構は、フォーカスリングにネジ孔が設けられるとともに、フォーカスリングの外周部に配置されたズームリングは、フォーカスリングのネジ孔の位置に対応して周方向に沿う長孔形状の開口部が設けられ、フランジ部を有するロックつまみがズームリングの開口部を介してフォーカスリングのネジ孔に係合される構造を有している。
【0007】
フォーカスリング及びズームリングを操作してフォーカス位置、焦点距離を調整した後に、ロックつまみを締め付けるとフォーカスリングのネジ孔を挿通したロックつまみの先端がレンズ鏡筒の外周に当接してフォーカスリングの位置が固定されるとともに、ロックつまみのフランジ部がズームリングの開口部周辺に当接してズームリングがフランジ部に押圧されて位置が固定される。
【0008】
しかしながら、上記のようなロック機構を用いてフォーカスリング及びズームリングを固定すると、ロックつまみを締め付けたときにレンズ鏡筒を変形させてしまうことがあり、調整されたフォーカス調整やピント調整にズレが生じてしまう。近年では、監視カメラの高画質化、高精細化に伴いピント合わせや画角調整が厳格に行われるようになっており、このようなフォーカス調整やピント調整のズレを適切に防止する必要がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、移動レンズの調整位置をロックする際の移動レンズの調整のズレを防止し、好ましいフォーカス調整やズーム調整等が維持される監視カメラ用レンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る監視カメラ用レンズ装置は、第1の移動レンズと、円筒形状を有し、内部に前記第1の移動レンズが軸方向に沿って移動可能に支持される第1のレンズ鏡筒と、前記第1のレンズ鏡筒に対応する円筒形状を有し、前記第1のレンズ鏡筒の外周部に支持されるとともに前記第1のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持され、回転動作に応じて前記第1の移動レンズを前記軸方向に沿って移動させる構造を有する第1の回転筒と、前記第1の回転筒の回転方向の位置を固定するロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記第1の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第1のロックつまみと、前記第1の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第1の回転筒の外周面に配設される第1の止め輪と、前記第1の止め輪を支持するカバー部材と、を具備し、前記第1のロックつまみを締め付けることにより前記第1の止め輪を半径方向に縮めて、前記第1の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、第1の回転筒の外周面に配設された略C形状の第1の止め輪は、ロックつまみを締め付けることで半径方向に縮められ、第1の回転筒の回転方向の位置がロックされるので、第1の回転筒をロックする際の第1のレンズ鏡筒の歪み変形が抑制され、第1の移動レンズの調整位置のズレを防止し得る。
【0012】
すなわち、第1の回転筒は略全周からの押圧によりロックされるので、一方向からの押圧によりロックされる場合と比較して、円形状のゆがみが抑制される。
【0013】
「略C形状」とは、円環の一部が切断されて分離した形状である。なお、両端部が他の部材(例えば、第1のロックつまみ)により結合されていてもよい。
【0014】
本発明において、移動レンズの前側又は後側の少なくともいずれかに固定レンズを備える態様も可能である。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、一方の端部に前記第1のロックつまみが挿入される穴部が設けられ、他方の端部にネジ穴部が設けられる構造を有し、前記第1のロックつまみは前記ネジ穴部に対応するネジ部が設けられ、前記ネジ穴部は前記穴部を介して前記第1のロックつまみのネジ部が係合されることを特徴とする。
【0016】
かかる態様によれば、第1の止め輪の両端部が第1のロックつまみにより連結されるので、第1のロックつまみを締め付けることにより第1の止め輪の両端部間の距離を可変させて、第1の止め輪を半径方向に容易に変形させることができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持されるとともに、前記カバー部材の内周面に設けられた突起部又は穴部と嵌合する形状が設けられることを特徴とする。
【0018】
かかる態様によれば、カバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置、及び軸方向の相対位置が固定される。
【0019】
カバー部材と第1の止め輪との嵌合形状を円周方向について複数設けることで、より確実にカバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置、及び軸方向の相対位置を固定させることが可能となる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持された状態で前記穴部及び前記ネジ穴部が前記カバー部材の外周面から突出する形状を有し、前記カバー部材は、前記穴部及び前記ネジ穴部に対応する切り欠き部が設けられることを特徴とする。
【0021】
かかる態様によれば、前記穴部及び前記ネジ穴部をカバー部材の外周面(当該レンズ装置の外周面)から突出させることで、カバー部材の外周面から突出した位置に第1のロックつまみが配設されるので、第1のロックつまみの操作性の向上が見込まれる。
【0022】
また、第1の止め輪に対応する切り欠き部がカバー部材に設けられることで、第1の止め輪をカバー部材に組み付けるときの位置決めが容易になる。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記カバー部材は、内部に前記第1の止め輪を支持する構造を有するとともに、前記ロックつまみが係合されるネジ穴部を有し、前記カバー部材の内部に支持された第1の止め輪は、前記ネジ穴部に係合された前記第1のロックつまみを締め付けたときの先端により一方の端部が押圧されると、半径方向に縮められるように変形することを特徴とする。
【0024】
かかる態様によれば、第1の止め輪によって第1の回転筒をロックする性能を確保しつつ、第1の止め輪をより簡単な構造とすることが可能となる。
【0025】
かかる態様において、第1の止め輪の他方の端部を所定の位置に固定することで、カバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置がより確実に固定される。
【0026】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、第2の移動レンズと、前記第1のレンズ鏡筒と同一の軸を有する円筒形状を有し、内部に前記第2のレンズが前記軸方向に沿って移動可能に支持され、前記第1の固定筒の前側又は後側に組みつけられる第2のレンズ鏡筒と、前記第2のレンズ鏡筒の外周面に支持されるとともに、前記第2のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持される第2の回転筒と、を備え、前記ロック機構は、前記第2の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第2のロックつまみと、前記第2の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第2の回転筒の外周面に配設される第2の止め輪と、を具備するとともに、前記第2の止め輪は前記カバー部材に支持され、前記第2のロックつまみを締め付けることにより前記第2の止め輪を半径方向に縮めて、前記第2の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする。
【0027】
かかる態様によれば、複数の移動レンズ群を備えるレンズ装置においても、各移動レンズ群の調整位置を固定する際の調整ズレが防止される。
【0028】
かかる態様における第1の移動レンズ及び第2の移動レンズの適用例として、第1の移動レンズをフォーカスレンズとし、第2の移動レンズをズームレンズとして、第1の移動レンズの後側に第2の移動レンズが配置される態様が挙げられる。
【0029】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1のロックつまみと前記第2のロックつまみは、周方向の位置がずらされて配設されることを特徴とする。
【0030】
かかる態様によれば、第1のロックつまみ及び第2のロックつまみの一方を操作するときに他方がじゃまにならず、両ロックつまみの操作性が向上する。当該レンズ装置を設置した状態で、前側(被写体側)に位置するロックつまみよりも後側に位置するロックつまみを外側に配設する態様が好ましい。
【0031】
かかる態様において、第1のロックつまみの操作部(つまみ部)の反対側に第2のロックつまみの操作部が位置するように、第1のロックつまみ及び第2のロックつまみが配置される態様が好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第1の回転筒の外周面に配設された略C形状の第1の止め輪を、ロックつまみを締め付けることで半径方向に縮められ、第1の回転筒の回転方向の位置がロックされるので、第1の回転筒をロックする際の第1のレンズ鏡筒の歪み変形が抑制され、第1の移動レンズの調整位置のズレを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレンズ装置の全体構造を示す斜視図
【図2】図1に示すレンズ装置の側面図
【図3】図1のA‐A線に沿う断面図
【図4】図1のレンズ装置に適用されるロック機構の止め輪の構造例を示す斜視図
【図5】図1に示すレンズ装置に適用されるロック機構の分解斜視図
【図6】本発明の第2実施形態に係るレンズ装置の全体構造を示す斜視図
【図7】図6に示すレンズ装置の側面図
【図8】図6に示すレンズ装置を前側から見た断面図(図7のB‐B線に沿う断面図)
【図9】図6に示すレンズ装置を後側から見た断面図(図7のC‐C線に沿う断面図)
【図10】図6のレンズ装置に適用されるロック機構の止め輪の構造例を示す斜視図
【図11】図6に示すレンズ装置に適用されるロック機構の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明に係る監視カメラ用レンズ装置の好ましい実施の形態について詳述する。
【0035】
〔全体構成〕
図1は、本発明に係るレンズ装置の斜視図であり、図2は、該レンズ装置の側面図である。図1及び2に示すレンズ装置10は、主として監視用のカメラに用いられるものであり、フォーカスレンズ12を内部に支持する第1の固定筒(レンズ鏡筒、図1、2中不図示、図3に符号14を付して図示)の外周部にフォーカスリング16が設けられるとともに、ズームレンズ(図1、2中不図示、図3に符号18を付して図示)が内部に支持される第2の固定筒(レンズ鏡筒、図1、2中不図示、図3に符号20を付して図示)の外周部にズームリング22が設けられ、さらに、ズームレンズ18及びズームリング22は後側(フォーカスレンズ12の反対側)からフォルダー24により支持されている。
【0036】
また、図1に示すレンズ装置10は、フォーカスリング16の回転方向の位置及びズームリング22の回転方向の位置をロックするためのロック機構を具備している。このロック機構は、フォーカスレンズを固定する際に操作される第1のロックつまみ26が係合される第1の止め輪28と、ズームレンズ18を固定する際に操作される第2のロックつまみ30が係合される第2の止め輪32と、第1の止め輪28及び第2の止め輪32が支持されるカバー34と、が設けられている。なお、以下の説明において、図3に図示した光軸Oと、第1の固定筒14及び第2の固定筒20の軸方向と、は一致しているものとする。
【0037】
第1のロックつまみ26が設けられる上側面の反対側面(下側面)には、アイリス装置36(図1中不図示、図3に符号36を付して図示)を駆動するためのモータ38が設けられ、モータ38はフランジ部40を介して第2の固定筒20に取り付けられている。
【0038】
図1及び図2に示すレンズ装置10は、第1のロックつまみ26を締め付けると、第1の止め輪28がその半径を小さくする方向に変形しフォーカスリング16がロックされる。また、第2のロックつまみ30を締め付けると、第2の止め輪32がその半径を小さくする方向に変形してズームリング22がロックされる。
【0039】
すなわち、フォーカスリング16及びズームリング22を略全周から押圧してロックすることで、フォーカスリング16をロックする際の第1の固定筒14の歪み変形(ゆがみ)が抑制され、ズームリング22をロックする際の第2の固定筒20の歪みが抑制される。かかる構造により、フォーカス調整のズレやズーム調整の調整ズレが防止される。
【0040】
図3は、図1及び図2に図示したレンズ装置10の詳細構造を示す断面図(図1のA−A線に沿う断面図)である。
【0041】
同図に示すように、ズームレンズ18が内部に支持される第2の固定筒20は、前側端部にフランジ部20Aが設けられ、フランジ部20Aの内部にアイリス装置36が組み付けられるとともに、アイリス装置36のさらに前側に、内部にフォーカスレンズ12が支持される第1の固定筒14が組み付けられた構造を有している。
【0042】
フォーカスレンズ12は外周部をレンズ枠42で固定されている。レンズ枠42は、第1の固定筒14の内部に配置され、その周面より突出した係合ピン(不図示)が装着されている。
【0043】
一方、第1の固定筒14は、光軸Oと略平行方向に直進溝(不図示)が形成されており、該係合ピンが該直進溝に係合されることによってレンズ枠42及びフォーカスレンズ12が直進溝にガイドされて、光軸Oの方向に沿って直進移動するように構成されている。
【0044】
フォーカスリング16の内周面は、光軸に対してらせん状のカム溝(不図示)が形成されている。レンズ枠42に装着された図示しない係合ピンは、第1の固定筒14の直進溝と係合した状態で第1の固定筒14の外周面から突出し、フォーカスリング16に設けられた該カム溝と係合する。したがって、フォーカスリング16が回転操作されると、フォーカスリング16のカム溝と第1の固定筒14の直進溝との交差位置が光軸Oの方向に沿って変位し、カム溝と直進溝との交差位置に従ってレンズ枠42の係合ピン、レンズ枠42、及びフォーカスレンズ12が光軸Oの方向に沿って変位する。
【0045】
このようにして、フォーカスリング16を回転操作することによって、フォーカスレンズ12の位置を調整してフォーカス調整(ピント調整)を行なうことができる。また、第1の固定筒14とフォーカスリング16との間には波形バネ44が挿入され、波形バネ44は第1の固定筒14とフォーカスリング16とを引き離すように作用する。かかる波形バネ44の作用によってフォーカスリング16には操作トルクが発生し、好ましい操作感を得ることができる。
【0046】
ズームレンズ18は外周部をレンズ枠42で固定されている。レンズ枠42は第2の固定筒20の内部に配置されており、その周面より突出した係合ピン(不図示)が装着されている。
【0047】
一方、第2の固定筒20は、光軸Oと略平行方向に直進溝(不図示)が形成されており、該係合ピンが該直進溝に係合されることによってレンズ枠42及びズームレンズ18が直進溝にガイドされて、光軸Oの方向に沿って直進移動するように構成されている。
【0048】
ズームリング22の内周面は、光軸に対してらせん状のカム溝(不図示)が形成されている。レンズ枠42に装着された係合ピンは、第2の固定筒20の直進溝と係合した状態で第2の固定筒20の外周面から突出し、ズームリング22に設けられたカム溝と係合する。したがって、ズームリング22を回転操作すると、ズームリング22のカム溝と第2の固定筒20の直進溝との交差位置が光軸Oの方向に沿って変位するとともに、その交差位置に従ってレンズ枠の係合ピン46、レンズ枠42、及びズームレンズ18が光軸Oの方向に沿って変位する。
【0049】
このようにして、ズームリング22を回転操作することによって、ズームレンズ18の位置を調整して焦点距離の調整(ズーム調整)を行うことができる。また、第2の固定筒20とズームリング22との間には、図示しない波形バネが挿入され、この波形バネは第2の固定筒20とズームリング22とを引き離すように作用する。かかる波形バネの作用によってズームリング22には操作トルクが発生し、好ましい操作感を得ることができる。
【0050】
フォーカスリング16は外周面に沿って一周にわたりつば部48が設けられ、ズームリング22は外周面の上側(アイリス装置36の反対側)に約半周にわたってつば部50が設けられている。このつば部48及びつば部50は、フォーカスリング16及びズームリング22を操作者が操作する際に手で持ちやすい構造となっており、フォーカスリング16及びズームリング22の操作性の向上に寄与している。
【0051】
かかる構造を有するレンズ装置10は、撮像装置を有する監視カメラの前面(被写体側の面)に取り付けられ、所定の設置場所に固定される。なお、図1〜3に図示したフォルダー24に撮像装置が内蔵される態様の可能である。例えば、フォルダー24に基板が装着され、該基板にCCD撮像素子が実装されるとともに、CCD撮像素子の前側にローパスフィルタやIRカットフィルタが装着された撮像装置を内蔵する態様が可能である。
【0052】
上記実施形態では、図1〜図3にはフォーカスレンズ12及びズームレンズ18をそれぞれ1つだけ図示したが、フォーカスレンズ12及びズームレンズ18を複数のレンズからなるレンズ群として構成してもよい。また、上記実施形態では、モータ38によって絞り機構が動作するアイリス装置36を例示したが、第1の固定筒14又は第2の固定筒20に対して回転可能に支持された回転筒を操作して絞り機構を動作させる態様も可能である。
【0053】
なお、上述したフォーカスレンズ12及びズームレンズ18の移動機構はあくまでも一例であり、本発明に係るレンズ装置には、他の構造を有する移動機構を適宜用いることも可能である。
【0054】
〔ロック機構の説明:第1実施形態〕
次に、レンズ装置10のフォーカスレンズ12及びズームレンズ18のロック機構(第1実施形態)について詳説する。
【0055】
図4は、第1のロックつまみ26が係合された状態の第1の止め輪28、及び第2のロックつまみ30が係合された状態の第2の止め輪32の斜視図である。同図に示す第1の止め輪28は、円環の一部が切り欠かれた略C形状を有するとともに、円環の円周から上側に突出した部分が設けられている。
【0056】
該突出部分は、切り欠き部28Aによって分断された構造を有し、一方側の縁部28Bに第1のロックつまみ26が挿入される穴(図4中不図示、図5に符号28Fを付して図示)が設けられ、他方側の縁部28Cに第1のロックつまみ26のネジ部(図4中不図示、図5に符号26Aを付して図示)が係合されるネジ穴部(不図示)が設けられている。
【0057】
第1の止め輪28は、図4中手前側の一方の側面から第1のロックつまみ26が挿入され、第1のロックつまみ26を締め付けると切り欠き部28Aの幅が小さくなり(縁部28Bと縁部28Cが近づいて)、第1のロックつまみ26は半径方向に縮められる。また、第1の止め輪28は、前側につば部28Dが設けられ、つば部28Dの後側に段差が設けられた構造を有している。
【0058】
第2の止め輪32は、略C形状を有する点及び突出部分が設けられる点では第1の止め輪28と共通する構造を有している。一方、第2の止め輪32は第2のロックつまみ30が挿入される穴(不図示)が図中奥側の他方の縁部32Cに設けられ、第2のロックつまみ30のネジ部(図5に符号30Aを付して図示)が係合されるネジ穴部32Dが図中手前側の一方の縁部32Bに設けられている。
【0059】
すなわち、第1のロックつまみ26が第1の止め輪28に挿入される方向と、第2のロックつまみ30が第2の止め輪32に挿入される方向と、は互いに反対となっている。また、第2の止め輪32は外周から内周に貫通する2つの穴部32E,32Fが設けられている。この穴部32E,32Fの配設位置は、カバー34の内周面に設けられた2つの突起部(図5に符号34Eを付して2つ突起部のうち1つを図示)に対応している。
【0060】
図5は、図1〜3に図示したレンズ装置10に適用されるロック機構を分解して図示した分解斜視図である。
【0061】
フォーカスリング16のつば部48の後側の筒部16Aと、第1の止め輪28の内周28Gは嵌合するように構成されている。また、第1の止め輪28のつば部28Dの後側の筒部28Eと、カバー34の前側の内周34Aは嵌合するように構成されている。さらに、カバー34の前側端部には、第1の止め輪28の縁部28B,28Cに対応する位置に切り欠き部34Bが形成されている。
【0062】
第1の止め輪28の内周28Gにフォーカスリング16の後側筒部16Aが組みつけられ、さらに、第1の止め輪28の後側筒部28Eがカバー34の前側の内周34Aに挿入されるとともに、カバー34の前側端面が第1の止め輪28のつば部28Dに近接するように、第1の止め輪28がカバー34の前側に組み付けられる。かかる構造によって、カバー34に対する第1の止め輪28の回転方向の位置が固定されるとともに、スラスト方向(軸方向)の位置が固定される。また、第1の止め輪28に係合されたロックつまみ26を締め付けると、第1の止め輪28に対するフォーカスリング16の回転方向の位置がロックされる。
【0063】
ズームリング22のつば部50の前側の筒部22Aと、第2の止め輪32の内周32Gは嵌合するように構成されている。また、第2の止め輪32の外周33Hと、カバー34の後側の内周34Cは嵌合するように構成されている。
【0064】
カバー34の後側の内周34Cは、第2の止め輪32の穴部32E,32Fに対応する位置に突起部34E及び不図示の突起部(この突起部を便宜上「突起部34F」と呼ぶ。)が形成され、カバー34の後側端部には第2の止め輪32の縁部32B,32Cに対応する位置に切り欠き部34Dが設けられている。ズームリング22の前側筒部22Aが第2の止め輪32の内周32Gに挿入され、さらに、第2の止め輪32の穴部32E,32Fにカバー34の内周34Cの突起部34E,34Fをはめ合わせるとともに、第2の止め輪32の縁部32B,32Cとカバー34の後側端部の切り欠き部34Dとの位置が合わせられて、第2の止め輪32がカバー34の後側に組み付けられる。
【0065】
かかる構造によって、カバー34に対する第2の止め輪32の回転方向の位置が固定されるともに、スラスト方向の位置が固定される。また、第2の止め輪32に係合された第2のロックつまみ30ロックつまみを締め付けると、第2の止め輪32に対するズームリング22の回転方向の位置がロックされる。
【0066】
なお、フォーカスリング16に内挿されるフォーカスレンズ12は、図5に図示したロック機構を組み立てる工程においてフォーカスリング16に組み付けられる。同様に、ズームリング22に内挿されるズームレンズ18も、ロック機構の組み立て前にズームリング22に組み付けられる。
【0067】
第1の止め輪28及び第2の止め輪32は、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30を締め付けたときに弾性変形し、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30を緩めたときにはほぼ元の形状に復元する材料(例えば、プラスチック)が適用される。本例の第1の止め輪28及び第2のロックつまみ30は、プラスチック成型品が適用される。
【0068】
上記の如く構成されたレンズ装置10によれば、フォーカスレンズ12及びズームレンズ18の調整後の位置をロックする際に、第1の止め輪28及び第2の止め輪32を用いてフォーカスリング16及びズームリング22が略全周から押圧されるように構成されるので、フォーカスレンズ12が内挿される第1の固定筒14及びズームレンズ18が内挿される第2の固定筒20の歪み変形が抑制され、フォーカス調整及びズーム調整のズレが抑制される。
【0069】
また、フォーカスリング16及びズームリング22を全周の一部で止める構成と比較して、より強い固定力を作用させることができるとともに、振動に対しても強い構成であるといえる。
【0070】
さらに、第1のロックつまみ26のつまみ部26Bと第2のロックつまみ30のつまみ部30Bは、当該レンズ装置10をはさんで反対側に配置されるので、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30のいずれか一方を操作したときに、誤って他方に触れてしまい、他方を動かしてしまうことが防止される。
【0071】
なお、かかる効果を得るための構成として、第1のロックつまみ26と第2のロックつまみ30とを同じ側の側面に配設することも可能である。例えば、第1のロックつまみ26の位置と第2のロックつまみ30の位置とを周方向についてずらす態様が考えられる(図7参照)。
【0072】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るロック機構について説明する。図6は第2実施形態に係るレンズ装置100の斜視図であり、図7はレンズ装置100の側面図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態に係るレンズ装置10と同一又は類似する部分の説明は省略されている。
【0073】
図6に示すレンズ装置100において、前側(被写体側)にフォーカスレンズ12が設けられ、後側にズームレンズ18(図6中不図示、図3参照)が設けられ、さらに、フォーカスレンズ12を移動させる際に操作されるフォーカスレンズ12が第1の固定筒14の外周に支持され、ズームレンズ18を移動させる際に操作されるズームリング22が第2の固定筒20の外周に支持される構成は、第1実施形態に示したレンズ装置10と共通している。
【0074】
一方、レンズ装置100は、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするロック機構の構成が、第1実施形態に示したレンズ装置10と相違している。
【0075】
図6に図示する第2実施形態に係るロック機構は、第1のロックつまみ126と第2のロックつまみ130がレンズ装置100の同じ側の側面に、周方向の位置をずらして配設されている点で相違している。また、図7に図示するレンズ装置100は、第1のロックつまみ126及び第2のロックつまみ130がカバー134の上側に設けられたネジ穴(図6,7中不図示、図11に符合134Cを付して図示)に係合されている点で相違している。さらに、図6には図示しないが(図8,9参照)、第1の止め輪128及び第2の止め輪132がカバー134の内部に支持され、かつ、カバー134の外部に露出しない点で相違している。
【0076】
図8は、図6及び図7に図示したレンズ装置100をフォーカスレンズ側(前側)から見た断面図(図7中、B−B線に沿う断面図)であり、図9はレンズ装置100をズームレンズ側(後側)から見た断面図(図7中、C−C線に沿う断面図)である。
【0077】
図8に示すように、円環の一部が切り欠かれた略C形状を有する第1の止め輪128はカバー134の内部に配設されるとともに、同形状を有する第2の止め輪132がカバー134の内部に配設されている。
【0078】
第1の止め輪128は、一方の縁部128Aがカバー134の内部の所定位置に固定され、他方の縁部128Bが第1のロックつまみ126が締め付けられると、第1のロックつまみ126の先端によって一方の縁部128A側へ押されるように支持されている。また、図8,9に示すように、第2の止め輪132は一方の縁部130Aがカバー134の内部の所定位置に固定され、他方の縁部130Bは第2のロックつまみ130が締め付けられると、第2のロックつまみ130の先端によって一方の縁部130A側へ押されるように支持されている。
【0079】
図10は、本例に適用される第1の止め輪128及び第2の止め輪132の斜視図である。同図に示すように、第1の止め輪128と第2の止め輪132は類似する形状を有しているので、ここでは両者を代表して第1の止め輪128について説明する。
【0080】
図10に示す第1の止め輪128は、略C形状の一方の縁部128A及び他方の縁部128Bが外周の外側に折り曲げられた形状を有している。一方の折り曲げ部129Aは、カバー134の内部に設けられた溝に挿入されてカバー134に固定される。かかる構成によって、カバー134に対する第1の止め輪128の回転方向及びスラスト方向の位置が決められる。第1のロックつまみ126をある程度締め付けると、第1の止め輪128の他方の折り曲げ部129Bは第1のロックつまみ126の先端と当接する位置に支持される。
【0081】
もちろん、第1のロックつまみ126をカバー134に挿入した状態で第1のロックつまみ126の先端に他方の折り曲げ部129Bが当接するように、第1の止め輪128を支持してもよい。
【0082】
第1の止め輪128は、一方の折り曲げ部129Aの方へ他方の折り曲げ部129Bが押圧されると半径方向に縮められ、他方の折り曲げ部129Bの押圧を停止させると元の形状に復元する(半径方向に広げられる)。第1の止め輪128は、第1のロックつまみ126を用いた押圧により弾性変形をすることができる材料が適用される。本例では、第1の止め輪128の材料として、金属材料(例えば、SUS)が適用される。もちろん、樹脂等の成型部品を適用することも可能であるが、耐久性の観点から金属材料を適用する態様が好ましい。
【0083】
なお、図10に図示した第2のロックつまみ130の一方の折り曲げ部には符合133Aが付されて、他方の折り曲げ部には符合133Bが付されている。
【0084】
図11は、第2実施形態に係るロック機構の分解斜視図である。フォーカスリング16の外周面には外側に凸形状を有するつば部148が設けられている。つば部148の後側の筒部16Aの外周に第1の止め輪128が取り付けられる。言い換えると、第1の止め輪128の内周にフォーカスリング16の後側筒部16Aが挿入される。
【0085】
また、第1の止め輪128はカバー134の前側端部の内周面134Aに取り付けられる。つまり、フォーカスリング16に第1の止め輪128が挿入された状態で、カバー134の前側端部の内周面134Aの所定位置に取り付けられ、カバー134の前側端面とフォーカスリング16のつば部148の後側端面が近接するように、フォーカスリング16及び第1の止め輪128はカバー134に取り付けられる。さらに、カバー134の上側に形成された凸部134Bのネジ穴134Cに第1のロックつまみ126のネジ部126Aが係合される。
【0086】
第2の止め輪132は、ズームリング22の外周面から外側に凸形状を有するとともに、軸方向から見た形状が略半円の扇形形状を有するするつば部150が設けられ、つば部150の前側の筒部22Aの外周に第2の止め輪132が取り付けられる。言い換えると、第2の止め輪132の内周132Gにズームリング22の前側筒部22Aが挿入される。
【0087】
また、第2の止め輪132はカバー134の後側端部の内周面134Dに取り付けられる。つまり、第2の止め輪132にズームリング22が挿入された状態で、カバー134の後側端部の内周面134Dの所定位置に取り付けられ、カバー134の後側端面とズームリング22のつば部150の後側端面が近接するように、ズームリング22及び第2の止め輪132はカバー134に取り付けられる。さらに、カバー134の上側に形成された凸部134Eのネジ穴134Fに第2のロックつまみ130のネジ部132Aが係合される。
【0088】
上記の如く構成されたレンズ装置100によれば、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするための性能を維持したまま、第1の止め輪128及び第2の止め輪132をより簡単な形状及び構造とすることができる。
【0089】
第1のロックつまみ126が係合されるネジ穴134Cと第2のロックつまみ130が係合されるネジ穴134Fとは、周方向の位置をずらして配置されている。すなわち、前側から見て第1のロックつまみ126のつまみ部126Bよりも第2のロックつまみ130のつまみ部132Bが右側に位置しているので、後側に位置する第2のロックつまみ130を操作する際に前側に位置する第1のロックつまみ126がじゃまにならない。
【0090】
もちろん、第1実施形態に示すように、第1のロックつまみ126を一方の側面側、第2のロックつまみ130を他方の側面側に設ける態様も可能であり、かかる態様によっても、第1のロックつまみ126及び第2のロックつまみ130の本例と同様の操作性が確保される。
【0091】
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態では、複数の移動レンズを備えるとともに、各移動レンズについて操作リングを備えたレンズ装置を例示したが、本発明は移動レンズを1つだけ具備するレンズ装置にも適用することができる。例えば、上記実施形態におけるフォーカスレンズ12及びその移動機構が省略された態様も可能である。かかる態様において、レンズ鏡筒(第2の固定筒20)の前側端部や移動レンズの後側に固定レンズ(群)が設けられていてもよい。また、かかる態様における移動レンズは、フォーカスレンズでもズームレンズでもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、フォーカスリング及びズームリングをロックする構造を例示したが、本発明の適用範囲は、操作リング(回転筒)をロックする構造に広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0093】
10,100…レンズ装置、12…フォーカスレンズ、14…第1の固定筒、16…フォーカスリング、18…ズームレンズ、20…第2の固定筒、22…ズームリング、26,30,126,130…ロックつまみ、28、32,128,132…止め輪、34,134…カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は監視カメラ用レンズ装置に係り、特にフォーカスリングやズームリング等の操作リング(回転筒)を所望の位置でロックする構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、金融機関、各種店舗等において小型の監視カメラ(監視用CCTVカメラ)が広く用いられている。この種の監視カメラに使用される監視カメラ用のレンズ装置は、鏡筒(固定筒)の外周部にフォーカス位置を調整するためのフォーカスリングと、焦点距離を調整するためのズームリングとが設けられており、監視カメラの設置時等において、フォーカスリング、ズームリングをマニュアル操作してフォーカス位置、焦点距離の調整が行われる。
【0003】
また、監視カメラは、ケース内に収容された状態で壁面などに設置され、ケースに設けられた開口から監視カメラ用のレンズ装置の前面が臨むようにして外部の撮影が行なえるようになっている。
【0004】
特許文献1には、監視カメラ用レンズ装置の鏡筒の外周部において、前方側(被写体側)にフォーカスリングが配置されるとともに、その外周部にズームリングが配置され、ケースに設けられた開口からフォーカスリングとズームリングの操作を容易に行なえるようにした監視カメラ用レンズ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−310228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示された監視カメラ用レンズ装置は、調整されたフォーカスリング、ズームリングの位置を固定するためのロック機構が設けられている。このロック機構は、フォーカスリングにネジ孔が設けられるとともに、フォーカスリングの外周部に配置されたズームリングは、フォーカスリングのネジ孔の位置に対応して周方向に沿う長孔形状の開口部が設けられ、フランジ部を有するロックつまみがズームリングの開口部を介してフォーカスリングのネジ孔に係合される構造を有している。
【0007】
フォーカスリング及びズームリングを操作してフォーカス位置、焦点距離を調整した後に、ロックつまみを締め付けるとフォーカスリングのネジ孔を挿通したロックつまみの先端がレンズ鏡筒の外周に当接してフォーカスリングの位置が固定されるとともに、ロックつまみのフランジ部がズームリングの開口部周辺に当接してズームリングがフランジ部に押圧されて位置が固定される。
【0008】
しかしながら、上記のようなロック機構を用いてフォーカスリング及びズームリングを固定すると、ロックつまみを締め付けたときにレンズ鏡筒を変形させてしまうことがあり、調整されたフォーカス調整やピント調整にズレが生じてしまう。近年では、監視カメラの高画質化、高精細化に伴いピント合わせや画角調整が厳格に行われるようになっており、このようなフォーカス調整やピント調整のズレを適切に防止する必要がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、移動レンズの調整位置をロックする際の移動レンズの調整のズレを防止し、好ましいフォーカス調整やズーム調整等が維持される監視カメラ用レンズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る監視カメラ用レンズ装置は、第1の移動レンズと、円筒形状を有し、内部に前記第1の移動レンズが軸方向に沿って移動可能に支持される第1のレンズ鏡筒と、前記第1のレンズ鏡筒に対応する円筒形状を有し、前記第1のレンズ鏡筒の外周部に支持されるとともに前記第1のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持され、回転動作に応じて前記第1の移動レンズを前記軸方向に沿って移動させる構造を有する第1の回転筒と、前記第1の回転筒の回転方向の位置を固定するロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記第1の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第1のロックつまみと、前記第1の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第1の回転筒の外周面に配設される第1の止め輪と、前記第1の止め輪を支持するカバー部材と、を具備し、前記第1のロックつまみを締め付けることにより前記第1の止め輪を半径方向に縮めて、前記第1の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、第1の回転筒の外周面に配設された略C形状の第1の止め輪は、ロックつまみを締め付けることで半径方向に縮められ、第1の回転筒の回転方向の位置がロックされるので、第1の回転筒をロックする際の第1のレンズ鏡筒の歪み変形が抑制され、第1の移動レンズの調整位置のズレを防止し得る。
【0012】
すなわち、第1の回転筒は略全周からの押圧によりロックされるので、一方向からの押圧によりロックされる場合と比較して、円形状のゆがみが抑制される。
【0013】
「略C形状」とは、円環の一部が切断されて分離した形状である。なお、両端部が他の部材(例えば、第1のロックつまみ)により結合されていてもよい。
【0014】
本発明において、移動レンズの前側又は後側の少なくともいずれかに固定レンズを備える態様も可能である。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、一方の端部に前記第1のロックつまみが挿入される穴部が設けられ、他方の端部にネジ穴部が設けられる構造を有し、前記第1のロックつまみは前記ネジ穴部に対応するネジ部が設けられ、前記ネジ穴部は前記穴部を介して前記第1のロックつまみのネジ部が係合されることを特徴とする。
【0016】
かかる態様によれば、第1の止め輪の両端部が第1のロックつまみにより連結されるので、第1のロックつまみを締め付けることにより第1の止め輪の両端部間の距離を可変させて、第1の止め輪を半径方向に容易に変形させることができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持されるとともに、前記カバー部材の内周面に設けられた突起部又は穴部と嵌合する形状が設けられることを特徴とする。
【0018】
かかる態様によれば、カバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置、及び軸方向の相対位置が固定される。
【0019】
カバー部材と第1の止め輪との嵌合形状を円周方向について複数設けることで、より確実にカバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置、及び軸方向の相対位置を固定させることが可能となる。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持された状態で前記穴部及び前記ネジ穴部が前記カバー部材の外周面から突出する形状を有し、前記カバー部材は、前記穴部及び前記ネジ穴部に対応する切り欠き部が設けられることを特徴とする。
【0021】
かかる態様によれば、前記穴部及び前記ネジ穴部をカバー部材の外周面(当該レンズ装置の外周面)から突出させることで、カバー部材の外周面から突出した位置に第1のロックつまみが配設されるので、第1のロックつまみの操作性の向上が見込まれる。
【0022】
また、第1の止め輪に対応する切り欠き部がカバー部材に設けられることで、第1の止め輪をカバー部材に組み付けるときの位置決めが容易になる。
【0023】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記カバー部材は、内部に前記第1の止め輪を支持する構造を有するとともに、前記ロックつまみが係合されるネジ穴部を有し、前記カバー部材の内部に支持された第1の止め輪は、前記ネジ穴部に係合された前記第1のロックつまみを締め付けたときの先端により一方の端部が押圧されると、半径方向に縮められるように変形することを特徴とする。
【0024】
かかる態様によれば、第1の止め輪によって第1の回転筒をロックする性能を確保しつつ、第1の止め輪をより簡単な構造とすることが可能となる。
【0025】
かかる態様において、第1の止め輪の他方の端部を所定の位置に固定することで、カバー部材と第1の止め輪との回転方向の相対位置がより確実に固定される。
【0026】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、第2の移動レンズと、前記第1のレンズ鏡筒と同一の軸を有する円筒形状を有し、内部に前記第2のレンズが前記軸方向に沿って移動可能に支持され、前記第1の固定筒の前側又は後側に組みつけられる第2のレンズ鏡筒と、前記第2のレンズ鏡筒の外周面に支持されるとともに、前記第2のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持される第2の回転筒と、を備え、前記ロック機構は、前記第2の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第2のロックつまみと、前記第2の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第2の回転筒の外周面に配設される第2の止め輪と、を具備するとともに、前記第2の止め輪は前記カバー部材に支持され、前記第2のロックつまみを締め付けることにより前記第2の止め輪を半径方向に縮めて、前記第2の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする。
【0027】
かかる態様によれば、複数の移動レンズ群を備えるレンズ装置においても、各移動レンズ群の調整位置を固定する際の調整ズレが防止される。
【0028】
かかる態様における第1の移動レンズ及び第2の移動レンズの適用例として、第1の移動レンズをフォーカスレンズとし、第2の移動レンズをズームレンズとして、第1の移動レンズの後側に第2の移動レンズが配置される態様が挙げられる。
【0029】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の監視カメラ用レンズ装置の一態様に係り、前記第1のロックつまみと前記第2のロックつまみは、周方向の位置がずらされて配設されることを特徴とする。
【0030】
かかる態様によれば、第1のロックつまみ及び第2のロックつまみの一方を操作するときに他方がじゃまにならず、両ロックつまみの操作性が向上する。当該レンズ装置を設置した状態で、前側(被写体側)に位置するロックつまみよりも後側に位置するロックつまみを外側に配設する態様が好ましい。
【0031】
かかる態様において、第1のロックつまみの操作部(つまみ部)の反対側に第2のロックつまみの操作部が位置するように、第1のロックつまみ及び第2のロックつまみが配置される態様が好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第1の回転筒の外周面に配設された略C形状の第1の止め輪を、ロックつまみを締め付けることで半径方向に縮められ、第1の回転筒の回転方向の位置がロックされるので、第1の回転筒をロックする際の第1のレンズ鏡筒の歪み変形が抑制され、第1の移動レンズの調整位置のズレを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレンズ装置の全体構造を示す斜視図
【図2】図1に示すレンズ装置の側面図
【図3】図1のA‐A線に沿う断面図
【図4】図1のレンズ装置に適用されるロック機構の止め輪の構造例を示す斜視図
【図5】図1に示すレンズ装置に適用されるロック機構の分解斜視図
【図6】本発明の第2実施形態に係るレンズ装置の全体構造を示す斜視図
【図7】図6に示すレンズ装置の側面図
【図8】図6に示すレンズ装置を前側から見た断面図(図7のB‐B線に沿う断面図)
【図9】図6に示すレンズ装置を後側から見た断面図(図7のC‐C線に沿う断面図)
【図10】図6のレンズ装置に適用されるロック機構の止め輪の構造例を示す斜視図
【図11】図6に示すレンズ装置に適用されるロック機構の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明に係る監視カメラ用レンズ装置の好ましい実施の形態について詳述する。
【0035】
〔全体構成〕
図1は、本発明に係るレンズ装置の斜視図であり、図2は、該レンズ装置の側面図である。図1及び2に示すレンズ装置10は、主として監視用のカメラに用いられるものであり、フォーカスレンズ12を内部に支持する第1の固定筒(レンズ鏡筒、図1、2中不図示、図3に符号14を付して図示)の外周部にフォーカスリング16が設けられるとともに、ズームレンズ(図1、2中不図示、図3に符号18を付して図示)が内部に支持される第2の固定筒(レンズ鏡筒、図1、2中不図示、図3に符号20を付して図示)の外周部にズームリング22が設けられ、さらに、ズームレンズ18及びズームリング22は後側(フォーカスレンズ12の反対側)からフォルダー24により支持されている。
【0036】
また、図1に示すレンズ装置10は、フォーカスリング16の回転方向の位置及びズームリング22の回転方向の位置をロックするためのロック機構を具備している。このロック機構は、フォーカスレンズを固定する際に操作される第1のロックつまみ26が係合される第1の止め輪28と、ズームレンズ18を固定する際に操作される第2のロックつまみ30が係合される第2の止め輪32と、第1の止め輪28及び第2の止め輪32が支持されるカバー34と、が設けられている。なお、以下の説明において、図3に図示した光軸Oと、第1の固定筒14及び第2の固定筒20の軸方向と、は一致しているものとする。
【0037】
第1のロックつまみ26が設けられる上側面の反対側面(下側面)には、アイリス装置36(図1中不図示、図3に符号36を付して図示)を駆動するためのモータ38が設けられ、モータ38はフランジ部40を介して第2の固定筒20に取り付けられている。
【0038】
図1及び図2に示すレンズ装置10は、第1のロックつまみ26を締め付けると、第1の止め輪28がその半径を小さくする方向に変形しフォーカスリング16がロックされる。また、第2のロックつまみ30を締め付けると、第2の止め輪32がその半径を小さくする方向に変形してズームリング22がロックされる。
【0039】
すなわち、フォーカスリング16及びズームリング22を略全周から押圧してロックすることで、フォーカスリング16をロックする際の第1の固定筒14の歪み変形(ゆがみ)が抑制され、ズームリング22をロックする際の第2の固定筒20の歪みが抑制される。かかる構造により、フォーカス調整のズレやズーム調整の調整ズレが防止される。
【0040】
図3は、図1及び図2に図示したレンズ装置10の詳細構造を示す断面図(図1のA−A線に沿う断面図)である。
【0041】
同図に示すように、ズームレンズ18が内部に支持される第2の固定筒20は、前側端部にフランジ部20Aが設けられ、フランジ部20Aの内部にアイリス装置36が組み付けられるとともに、アイリス装置36のさらに前側に、内部にフォーカスレンズ12が支持される第1の固定筒14が組み付けられた構造を有している。
【0042】
フォーカスレンズ12は外周部をレンズ枠42で固定されている。レンズ枠42は、第1の固定筒14の内部に配置され、その周面より突出した係合ピン(不図示)が装着されている。
【0043】
一方、第1の固定筒14は、光軸Oと略平行方向に直進溝(不図示)が形成されており、該係合ピンが該直進溝に係合されることによってレンズ枠42及びフォーカスレンズ12が直進溝にガイドされて、光軸Oの方向に沿って直進移動するように構成されている。
【0044】
フォーカスリング16の内周面は、光軸に対してらせん状のカム溝(不図示)が形成されている。レンズ枠42に装着された図示しない係合ピンは、第1の固定筒14の直進溝と係合した状態で第1の固定筒14の外周面から突出し、フォーカスリング16に設けられた該カム溝と係合する。したがって、フォーカスリング16が回転操作されると、フォーカスリング16のカム溝と第1の固定筒14の直進溝との交差位置が光軸Oの方向に沿って変位し、カム溝と直進溝との交差位置に従ってレンズ枠42の係合ピン、レンズ枠42、及びフォーカスレンズ12が光軸Oの方向に沿って変位する。
【0045】
このようにして、フォーカスリング16を回転操作することによって、フォーカスレンズ12の位置を調整してフォーカス調整(ピント調整)を行なうことができる。また、第1の固定筒14とフォーカスリング16との間には波形バネ44が挿入され、波形バネ44は第1の固定筒14とフォーカスリング16とを引き離すように作用する。かかる波形バネ44の作用によってフォーカスリング16には操作トルクが発生し、好ましい操作感を得ることができる。
【0046】
ズームレンズ18は外周部をレンズ枠42で固定されている。レンズ枠42は第2の固定筒20の内部に配置されており、その周面より突出した係合ピン(不図示)が装着されている。
【0047】
一方、第2の固定筒20は、光軸Oと略平行方向に直進溝(不図示)が形成されており、該係合ピンが該直進溝に係合されることによってレンズ枠42及びズームレンズ18が直進溝にガイドされて、光軸Oの方向に沿って直進移動するように構成されている。
【0048】
ズームリング22の内周面は、光軸に対してらせん状のカム溝(不図示)が形成されている。レンズ枠42に装着された係合ピンは、第2の固定筒20の直進溝と係合した状態で第2の固定筒20の外周面から突出し、ズームリング22に設けられたカム溝と係合する。したがって、ズームリング22を回転操作すると、ズームリング22のカム溝と第2の固定筒20の直進溝との交差位置が光軸Oの方向に沿って変位するとともに、その交差位置に従ってレンズ枠の係合ピン46、レンズ枠42、及びズームレンズ18が光軸Oの方向に沿って変位する。
【0049】
このようにして、ズームリング22を回転操作することによって、ズームレンズ18の位置を調整して焦点距離の調整(ズーム調整)を行うことができる。また、第2の固定筒20とズームリング22との間には、図示しない波形バネが挿入され、この波形バネは第2の固定筒20とズームリング22とを引き離すように作用する。かかる波形バネの作用によってズームリング22には操作トルクが発生し、好ましい操作感を得ることができる。
【0050】
フォーカスリング16は外周面に沿って一周にわたりつば部48が設けられ、ズームリング22は外周面の上側(アイリス装置36の反対側)に約半周にわたってつば部50が設けられている。このつば部48及びつば部50は、フォーカスリング16及びズームリング22を操作者が操作する際に手で持ちやすい構造となっており、フォーカスリング16及びズームリング22の操作性の向上に寄与している。
【0051】
かかる構造を有するレンズ装置10は、撮像装置を有する監視カメラの前面(被写体側の面)に取り付けられ、所定の設置場所に固定される。なお、図1〜3に図示したフォルダー24に撮像装置が内蔵される態様の可能である。例えば、フォルダー24に基板が装着され、該基板にCCD撮像素子が実装されるとともに、CCD撮像素子の前側にローパスフィルタやIRカットフィルタが装着された撮像装置を内蔵する態様が可能である。
【0052】
上記実施形態では、図1〜図3にはフォーカスレンズ12及びズームレンズ18をそれぞれ1つだけ図示したが、フォーカスレンズ12及びズームレンズ18を複数のレンズからなるレンズ群として構成してもよい。また、上記実施形態では、モータ38によって絞り機構が動作するアイリス装置36を例示したが、第1の固定筒14又は第2の固定筒20に対して回転可能に支持された回転筒を操作して絞り機構を動作させる態様も可能である。
【0053】
なお、上述したフォーカスレンズ12及びズームレンズ18の移動機構はあくまでも一例であり、本発明に係るレンズ装置には、他の構造を有する移動機構を適宜用いることも可能である。
【0054】
〔ロック機構の説明:第1実施形態〕
次に、レンズ装置10のフォーカスレンズ12及びズームレンズ18のロック機構(第1実施形態)について詳説する。
【0055】
図4は、第1のロックつまみ26が係合された状態の第1の止め輪28、及び第2のロックつまみ30が係合された状態の第2の止め輪32の斜視図である。同図に示す第1の止め輪28は、円環の一部が切り欠かれた略C形状を有するとともに、円環の円周から上側に突出した部分が設けられている。
【0056】
該突出部分は、切り欠き部28Aによって分断された構造を有し、一方側の縁部28Bに第1のロックつまみ26が挿入される穴(図4中不図示、図5に符号28Fを付して図示)が設けられ、他方側の縁部28Cに第1のロックつまみ26のネジ部(図4中不図示、図5に符号26Aを付して図示)が係合されるネジ穴部(不図示)が設けられている。
【0057】
第1の止め輪28は、図4中手前側の一方の側面から第1のロックつまみ26が挿入され、第1のロックつまみ26を締め付けると切り欠き部28Aの幅が小さくなり(縁部28Bと縁部28Cが近づいて)、第1のロックつまみ26は半径方向に縮められる。また、第1の止め輪28は、前側につば部28Dが設けられ、つば部28Dの後側に段差が設けられた構造を有している。
【0058】
第2の止め輪32は、略C形状を有する点及び突出部分が設けられる点では第1の止め輪28と共通する構造を有している。一方、第2の止め輪32は第2のロックつまみ30が挿入される穴(不図示)が図中奥側の他方の縁部32Cに設けられ、第2のロックつまみ30のネジ部(図5に符号30Aを付して図示)が係合されるネジ穴部32Dが図中手前側の一方の縁部32Bに設けられている。
【0059】
すなわち、第1のロックつまみ26が第1の止め輪28に挿入される方向と、第2のロックつまみ30が第2の止め輪32に挿入される方向と、は互いに反対となっている。また、第2の止め輪32は外周から内周に貫通する2つの穴部32E,32Fが設けられている。この穴部32E,32Fの配設位置は、カバー34の内周面に設けられた2つの突起部(図5に符号34Eを付して2つ突起部のうち1つを図示)に対応している。
【0060】
図5は、図1〜3に図示したレンズ装置10に適用されるロック機構を分解して図示した分解斜視図である。
【0061】
フォーカスリング16のつば部48の後側の筒部16Aと、第1の止め輪28の内周28Gは嵌合するように構成されている。また、第1の止め輪28のつば部28Dの後側の筒部28Eと、カバー34の前側の内周34Aは嵌合するように構成されている。さらに、カバー34の前側端部には、第1の止め輪28の縁部28B,28Cに対応する位置に切り欠き部34Bが形成されている。
【0062】
第1の止め輪28の内周28Gにフォーカスリング16の後側筒部16Aが組みつけられ、さらに、第1の止め輪28の後側筒部28Eがカバー34の前側の内周34Aに挿入されるとともに、カバー34の前側端面が第1の止め輪28のつば部28Dに近接するように、第1の止め輪28がカバー34の前側に組み付けられる。かかる構造によって、カバー34に対する第1の止め輪28の回転方向の位置が固定されるとともに、スラスト方向(軸方向)の位置が固定される。また、第1の止め輪28に係合されたロックつまみ26を締め付けると、第1の止め輪28に対するフォーカスリング16の回転方向の位置がロックされる。
【0063】
ズームリング22のつば部50の前側の筒部22Aと、第2の止め輪32の内周32Gは嵌合するように構成されている。また、第2の止め輪32の外周33Hと、カバー34の後側の内周34Cは嵌合するように構成されている。
【0064】
カバー34の後側の内周34Cは、第2の止め輪32の穴部32E,32Fに対応する位置に突起部34E及び不図示の突起部(この突起部を便宜上「突起部34F」と呼ぶ。)が形成され、カバー34の後側端部には第2の止め輪32の縁部32B,32Cに対応する位置に切り欠き部34Dが設けられている。ズームリング22の前側筒部22Aが第2の止め輪32の内周32Gに挿入され、さらに、第2の止め輪32の穴部32E,32Fにカバー34の内周34Cの突起部34E,34Fをはめ合わせるとともに、第2の止め輪32の縁部32B,32Cとカバー34の後側端部の切り欠き部34Dとの位置が合わせられて、第2の止め輪32がカバー34の後側に組み付けられる。
【0065】
かかる構造によって、カバー34に対する第2の止め輪32の回転方向の位置が固定されるともに、スラスト方向の位置が固定される。また、第2の止め輪32に係合された第2のロックつまみ30ロックつまみを締め付けると、第2の止め輪32に対するズームリング22の回転方向の位置がロックされる。
【0066】
なお、フォーカスリング16に内挿されるフォーカスレンズ12は、図5に図示したロック機構を組み立てる工程においてフォーカスリング16に組み付けられる。同様に、ズームリング22に内挿されるズームレンズ18も、ロック機構の組み立て前にズームリング22に組み付けられる。
【0067】
第1の止め輪28及び第2の止め輪32は、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30を締め付けたときに弾性変形し、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30を緩めたときにはほぼ元の形状に復元する材料(例えば、プラスチック)が適用される。本例の第1の止め輪28及び第2のロックつまみ30は、プラスチック成型品が適用される。
【0068】
上記の如く構成されたレンズ装置10によれば、フォーカスレンズ12及びズームレンズ18の調整後の位置をロックする際に、第1の止め輪28及び第2の止め輪32を用いてフォーカスリング16及びズームリング22が略全周から押圧されるように構成されるので、フォーカスレンズ12が内挿される第1の固定筒14及びズームレンズ18が内挿される第2の固定筒20の歪み変形が抑制され、フォーカス調整及びズーム調整のズレが抑制される。
【0069】
また、フォーカスリング16及びズームリング22を全周の一部で止める構成と比較して、より強い固定力を作用させることができるとともに、振動に対しても強い構成であるといえる。
【0070】
さらに、第1のロックつまみ26のつまみ部26Bと第2のロックつまみ30のつまみ部30Bは、当該レンズ装置10をはさんで反対側に配置されるので、第1のロックつまみ26及び第2のロックつまみ30のいずれか一方を操作したときに、誤って他方に触れてしまい、他方を動かしてしまうことが防止される。
【0071】
なお、かかる効果を得るための構成として、第1のロックつまみ26と第2のロックつまみ30とを同じ側の側面に配設することも可能である。例えば、第1のロックつまみ26の位置と第2のロックつまみ30の位置とを周方向についてずらす態様が考えられる(図7参照)。
【0072】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るロック機構について説明する。図6は第2実施形態に係るレンズ装置100の斜視図であり、図7はレンズ装置100の側面図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態に係るレンズ装置10と同一又は類似する部分の説明は省略されている。
【0073】
図6に示すレンズ装置100において、前側(被写体側)にフォーカスレンズ12が設けられ、後側にズームレンズ18(図6中不図示、図3参照)が設けられ、さらに、フォーカスレンズ12を移動させる際に操作されるフォーカスレンズ12が第1の固定筒14の外周に支持され、ズームレンズ18を移動させる際に操作されるズームリング22が第2の固定筒20の外周に支持される構成は、第1実施形態に示したレンズ装置10と共通している。
【0074】
一方、レンズ装置100は、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするロック機構の構成が、第1実施形態に示したレンズ装置10と相違している。
【0075】
図6に図示する第2実施形態に係るロック機構は、第1のロックつまみ126と第2のロックつまみ130がレンズ装置100の同じ側の側面に、周方向の位置をずらして配設されている点で相違している。また、図7に図示するレンズ装置100は、第1のロックつまみ126及び第2のロックつまみ130がカバー134の上側に設けられたネジ穴(図6,7中不図示、図11に符合134Cを付して図示)に係合されている点で相違している。さらに、図6には図示しないが(図8,9参照)、第1の止め輪128及び第2の止め輪132がカバー134の内部に支持され、かつ、カバー134の外部に露出しない点で相違している。
【0076】
図8は、図6及び図7に図示したレンズ装置100をフォーカスレンズ側(前側)から見た断面図(図7中、B−B線に沿う断面図)であり、図9はレンズ装置100をズームレンズ側(後側)から見た断面図(図7中、C−C線に沿う断面図)である。
【0077】
図8に示すように、円環の一部が切り欠かれた略C形状を有する第1の止め輪128はカバー134の内部に配設されるとともに、同形状を有する第2の止め輪132がカバー134の内部に配設されている。
【0078】
第1の止め輪128は、一方の縁部128Aがカバー134の内部の所定位置に固定され、他方の縁部128Bが第1のロックつまみ126が締め付けられると、第1のロックつまみ126の先端によって一方の縁部128A側へ押されるように支持されている。また、図8,9に示すように、第2の止め輪132は一方の縁部130Aがカバー134の内部の所定位置に固定され、他方の縁部130Bは第2のロックつまみ130が締め付けられると、第2のロックつまみ130の先端によって一方の縁部130A側へ押されるように支持されている。
【0079】
図10は、本例に適用される第1の止め輪128及び第2の止め輪132の斜視図である。同図に示すように、第1の止め輪128と第2の止め輪132は類似する形状を有しているので、ここでは両者を代表して第1の止め輪128について説明する。
【0080】
図10に示す第1の止め輪128は、略C形状の一方の縁部128A及び他方の縁部128Bが外周の外側に折り曲げられた形状を有している。一方の折り曲げ部129Aは、カバー134の内部に設けられた溝に挿入されてカバー134に固定される。かかる構成によって、カバー134に対する第1の止め輪128の回転方向及びスラスト方向の位置が決められる。第1のロックつまみ126をある程度締め付けると、第1の止め輪128の他方の折り曲げ部129Bは第1のロックつまみ126の先端と当接する位置に支持される。
【0081】
もちろん、第1のロックつまみ126をカバー134に挿入した状態で第1のロックつまみ126の先端に他方の折り曲げ部129Bが当接するように、第1の止め輪128を支持してもよい。
【0082】
第1の止め輪128は、一方の折り曲げ部129Aの方へ他方の折り曲げ部129Bが押圧されると半径方向に縮められ、他方の折り曲げ部129Bの押圧を停止させると元の形状に復元する(半径方向に広げられる)。第1の止め輪128は、第1のロックつまみ126を用いた押圧により弾性変形をすることができる材料が適用される。本例では、第1の止め輪128の材料として、金属材料(例えば、SUS)が適用される。もちろん、樹脂等の成型部品を適用することも可能であるが、耐久性の観点から金属材料を適用する態様が好ましい。
【0083】
なお、図10に図示した第2のロックつまみ130の一方の折り曲げ部には符合133Aが付されて、他方の折り曲げ部には符合133Bが付されている。
【0084】
図11は、第2実施形態に係るロック機構の分解斜視図である。フォーカスリング16の外周面には外側に凸形状を有するつば部148が設けられている。つば部148の後側の筒部16Aの外周に第1の止め輪128が取り付けられる。言い換えると、第1の止め輪128の内周にフォーカスリング16の後側筒部16Aが挿入される。
【0085】
また、第1の止め輪128はカバー134の前側端部の内周面134Aに取り付けられる。つまり、フォーカスリング16に第1の止め輪128が挿入された状態で、カバー134の前側端部の内周面134Aの所定位置に取り付けられ、カバー134の前側端面とフォーカスリング16のつば部148の後側端面が近接するように、フォーカスリング16及び第1の止め輪128はカバー134に取り付けられる。さらに、カバー134の上側に形成された凸部134Bのネジ穴134Cに第1のロックつまみ126のネジ部126Aが係合される。
【0086】
第2の止め輪132は、ズームリング22の外周面から外側に凸形状を有するとともに、軸方向から見た形状が略半円の扇形形状を有するするつば部150が設けられ、つば部150の前側の筒部22Aの外周に第2の止め輪132が取り付けられる。言い換えると、第2の止め輪132の内周132Gにズームリング22の前側筒部22Aが挿入される。
【0087】
また、第2の止め輪132はカバー134の後側端部の内周面134Dに取り付けられる。つまり、第2の止め輪132にズームリング22が挿入された状態で、カバー134の後側端部の内周面134Dの所定位置に取り付けられ、カバー134の後側端面とズームリング22のつば部150の後側端面が近接するように、ズームリング22及び第2の止め輪132はカバー134に取り付けられる。さらに、カバー134の上側に形成された凸部134Eのネジ穴134Fに第2のロックつまみ130のネジ部132Aが係合される。
【0088】
上記の如く構成されたレンズ装置100によれば、フォーカスリング16及びズームリング22をロックするための性能を維持したまま、第1の止め輪128及び第2の止め輪132をより簡単な形状及び構造とすることができる。
【0089】
第1のロックつまみ126が係合されるネジ穴134Cと第2のロックつまみ130が係合されるネジ穴134Fとは、周方向の位置をずらして配置されている。すなわち、前側から見て第1のロックつまみ126のつまみ部126Bよりも第2のロックつまみ130のつまみ部132Bが右側に位置しているので、後側に位置する第2のロックつまみ130を操作する際に前側に位置する第1のロックつまみ126がじゃまにならない。
【0090】
もちろん、第1実施形態に示すように、第1のロックつまみ126を一方の側面側、第2のロックつまみ130を他方の側面側に設ける態様も可能であり、かかる態様によっても、第1のロックつまみ126及び第2のロックつまみ130の本例と同様の操作性が確保される。
【0091】
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態では、複数の移動レンズを備えるとともに、各移動レンズについて操作リングを備えたレンズ装置を例示したが、本発明は移動レンズを1つだけ具備するレンズ装置にも適用することができる。例えば、上記実施形態におけるフォーカスレンズ12及びその移動機構が省略された態様も可能である。かかる態様において、レンズ鏡筒(第2の固定筒20)の前側端部や移動レンズの後側に固定レンズ(群)が設けられていてもよい。また、かかる態様における移動レンズは、フォーカスレンズでもズームレンズでもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、フォーカスリング及びズームリングをロックする構造を例示したが、本発明の適用範囲は、操作リング(回転筒)をロックする構造に広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0093】
10,100…レンズ装置、12…フォーカスレンズ、14…第1の固定筒、16…フォーカスリング、18…ズームレンズ、20…第2の固定筒、22…ズームリング、26,30,126,130…ロックつまみ、28、32,128,132…止め輪、34,134…カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の移動レンズと、
円筒形状を有し、内部に前記第1の移動レンズが軸方向に沿って移動可能に支持される第1のレンズ鏡筒と、
前記第1のレンズ鏡筒に対応する円筒形状を有し、前記第1のレンズ鏡筒の外周部に支持されるとともに前記第1のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持され、回転動作に応じて前記第1の移動レンズを前記軸方向に沿って移動させる構造を有する第1の回転筒と、
前記第1の回転筒の回転方向の位置を固定するロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、前記第1の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第1のロックつまみと、前記第1の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第1の回転筒の外周面に配設される第1の止め輪と、前記第1の止め輪を支持するカバー部材と、を具備し、
前記第1のロックつまみを締め付けることにより前記第1の止め輪を半径方向に縮めて、前記第1の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする監視カメラ用レンズ装置。
【請求項2】
前記第1の止め輪は、一方の端部に前記第1のロックつまみが挿入される穴部が設けられ、他方の端部にネジ穴部が設けられる構造を有し、
前記第1のロックつまみは前記ネジ穴部に対応するネジ部が設けられ、前記ネジ穴部は前記穴部を介して前記第1のロックつまみのネジ部が係合されることを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項3】
前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持されるとともに、前記カバー部材の内周面に設けられた突起部又は穴部と嵌合する形状が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項4】
前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持された状態で前記穴部及び前記ネジ穴部が前記カバー部材の外周面から突出する形状を有し、
前記カバー部材は、前記穴部及び前記ネジ穴部に対応する切り欠き部が設けられることを特徴とする請求項3に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項5】
前記カバー部材は、内部に前記第1の止め輪を支持する構造を有するとともに、前記ロックつまみが係合されるネジ穴部を有し、
前記カバー部材の内部に支持された第1の止め輪は、前記ネジ穴部に係合された前記第1のロックつまみを締め付けたときの先端により一方の端部が押圧されると、半径方向に縮められるように変形することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項6】
第2の移動レンズと、
前記第1のレンズ鏡筒と同一の軸を有する円筒形状を有し、内部に前記第2のレンズが前記軸方向に沿って移動可能に支持され、前記第1の固定筒の前側又は後側に組みつけられる第2のレンズ鏡筒と、
前記第2のレンズ鏡筒の外周面に支持されるとともに、前記第2のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持される第2の回転筒と、
を備え、
前記ロック機構は、前記第2の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第2のロックつまみと、前記第2の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第2の回転筒の外周面に配設される第2の止め輪と、を具備するとともに、前記第2の止め輪は前記カバー部材に支持され、
前記第2のロックつまみを締め付けることにより前記第2の止め輪を半径方向に縮めて、前記第2の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項7】
前記第1のロックつまみと前記第2のロックつまみは、周方向の位置がずらされて配設されることを特徴とする請求項6に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項1】
第1の移動レンズと、
円筒形状を有し、内部に前記第1の移動レンズが軸方向に沿って移動可能に支持される第1のレンズ鏡筒と、
前記第1のレンズ鏡筒に対応する円筒形状を有し、前記第1のレンズ鏡筒の外周部に支持されるとともに前記第1のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持され、回転動作に応じて前記第1の移動レンズを前記軸方向に沿って移動させる構造を有する第1の回転筒と、
前記第1の回転筒の回転方向の位置を固定するロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、前記第1の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第1のロックつまみと、前記第1の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第1の回転筒の外周面に配設される第1の止め輪と、前記第1の止め輪を支持するカバー部材と、を具備し、
前記第1のロックつまみを締め付けることにより前記第1の止め輪を半径方向に縮めて、前記第1の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする監視カメラ用レンズ装置。
【請求項2】
前記第1の止め輪は、一方の端部に前記第1のロックつまみが挿入される穴部が設けられ、他方の端部にネジ穴部が設けられる構造を有し、
前記第1のロックつまみは前記ネジ穴部に対応するネジ部が設けられ、前記ネジ穴部は前記穴部を介して前記第1のロックつまみのネジ部が係合されることを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項3】
前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持されるとともに、前記カバー部材の内周面に設けられた突起部又は穴部と嵌合する形状が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項4】
前記第1の止め輪は、前記カバー部材の内周面に支持された状態で前記穴部及び前記ネジ穴部が前記カバー部材の外周面から突出する形状を有し、
前記カバー部材は、前記穴部及び前記ネジ穴部に対応する切り欠き部が設けられることを特徴とする請求項3に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項5】
前記カバー部材は、内部に前記第1の止め輪を支持する構造を有するとともに、前記ロックつまみが係合されるネジ穴部を有し、
前記カバー部材の内部に支持された第1の止め輪は、前記ネジ穴部に係合された前記第1のロックつまみを締め付けたときの先端により一方の端部が押圧されると、半径方向に縮められるように変形することを特徴とする請求項1に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項6】
第2の移動レンズと、
前記第1のレンズ鏡筒と同一の軸を有する円筒形状を有し、内部に前記第2のレンズが前記軸方向に沿って移動可能に支持され、前記第1の固定筒の前側又は後側に組みつけられる第2のレンズ鏡筒と、
前記第2のレンズ鏡筒の外周面に支持されるとともに、前記第2のレンズ鏡筒に対して回転可能に支持される第2の回転筒と、
を備え、
前記ロック機構は、前記第2の回転筒の回転位置をロックする際に操作される第2のロックつまみと、前記第2の回転筒の外周に対応する略C形状を有し、前記第2の回転筒の外周面に配設される第2の止め輪と、を具備するとともに、前記第2の止め輪は前記カバー部材に支持され、
前記第2のロックつまみを締め付けることにより前記第2の止め輪を半径方向に縮めて、前記第2の回転筒の回転方向の位置をロックすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の監視カメラ用レンズ装置。
【請求項7】
前記第1のロックつまみと前記第2のロックつまみは、周方向の位置がずらされて配設されることを特徴とする請求項6に記載の監視カメラ用レンズ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−154308(P2011−154308A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17177(P2010−17177)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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