説明

監視システム及びプログラム

【課題】監視領域を監視対象者が所定方向に通過するのを監視する監視システムにおいて、監視対象者の通過を誤検出することのないよう、検出精度を高める。
【解決手段】監視装置40は、出入り口に設けられた検出装置20a、20b内の人感センサによる検出結果に基づき、一定時間△T1内に、誰かが、第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過したか否かを判定する。そして、誰かが通過したと判定すると、第1検出装置20aの人感センサによる検知時刻Taから一定時間△T2前までの期間内、及び、第2検出装置20bの人感センサによる検知時刻Tbから一定時間△T3経過するまでの期間内に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bにて検出された送信タグ10からの送信信号の受信レベルを読み出し、その読み出した受信レベルの各期間内での大小関係から、施設の外に出たのは監視対象者2であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象者が所定の監視領域を所定方向に通過するのを監視する監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、老人ホームでは、痴呆老人が施設の外に出て行くのを防止するために、監視対象者となる痴呆老人に、識別情報を送信可能な送信機を付与し、その送信機からの送信信号を受信して識別情報を復号する受信機を老人ホームの出入り口に設けることで、監視対象者が老人ホームの外に出たことを検出する監視システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この種の監視システムには、老人ホーム等の施設の出入り口に、施設内に居た人が施設の外に出たことを検出する移動方向検出手段を設け、移動方向検出手段にて、人が施設の外に出たことが検出されると、監視対象者に付与した送信機からの送信信号を受信機にて受信することで、外に出た人(監視対象者)を特定するように構成されたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
そして、この提案の監視システムによれば、移動方向検出手段にて人が施設の外に出たことを検出してから、監視対象者を特定することから、上記前者の監視システムのように、受信装置にて送信機からの送信信号が受信されたときに、監視対象者が施設内に居るにもかかわらず、監視対象者が外に出たと誤判断するようなことはなく、監視対象者が施設の外に出たことを正確に検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−25376号公報
【特許文献2】特許第3336300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記後者の監視システムにおいて、移動方向検出手段は、監視対象領域となる施設の出入り口を、人の通過方向に沿って複数の監視範囲に分割し、各監視範囲内に居る人をそれぞれ検知することで、その検知結果の時系列変化から、人が施設内から施設外に移動したことを判定する。
【0007】
このため、移動方向検出手段は、監視対象者ではない人が施設の外に出たときにも、人の移動を検出してしまい、その検出時に、受信装置付近に監視対象者が居ると、その監視対象者が施設の外に出たと誤判断されてしまうことになる。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、所定の監視領域を監視対象者が所定方向に通過するのを監視する監視システムにおいて、監視対象者の通過を誤検出することのないよう、その検出精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の監視システムは、
識別情報を周期的に送信する送信タグからの送信信号を受信する受信手段、監視範囲内の人を検知する検知手段、及び、前記受信手段による受信信号のレベルを検出するレベル検出手段を備えた第1検出装置及び第2検出装置と、
前記第1検出装置及び前記第2検出装置を構成する前記受信手段、前記検知手段、及び前記レベル検出手段による検出結果に基づき、前記送信タグを所持する監視対象者が、前記第1検出装置の検知手段による第1監視範囲、及び、前記第2検出装置の検知手段による第2監視範囲を順に通過するのを検出する監視装置と、
を備え、
前記監視装置は、
前記第1検出装置の検知手段及び前記第2検出装置の検知手段が、一定の判定時間内に順に人を検知したとき、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定する通過判定手段と、
前記通過判定手段にて、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定されると、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に前記第1検出装置及び前記第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する第1レベル判定手段と、
前記通過判定手段にて、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定されると、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に前記第1検出装置及び前記第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する第2レベル判定手段と、
前記第1レベル判定手段及び前記第2レベル判定手段にて共に肯定判断されると、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を順に通過したのは、前記送信タグを所持する監視対象者であると判断して、所定の通知先に通知する監視対象者判定手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
次に、請求項2に記載の監視システムは、請求項1に記載の監視システムにおいて、
前記第1レベル判定手段は、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の受信手段にて、前記識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定し、
前記第2レベル判定手段は、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の受信手段にて、前記識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定し、
前記監視対象者判定手段は、前記第1レベル判定手段及び前記第2レベル判定手段にて肯定判断された受信信号の識別情報が同じであるとき、当該識別情報にて特定される監視対象者が前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を順に通過したと判断して、所定の通知先に通知することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の監視システムは、請求項2に記載の監視システムにおいて、
前記第1レベル判定手段は、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、前記識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、前記第1検出装置若しくは前記第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて前記信号レベルの比較・判定を行い、
前記第2レベル判定手段は、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、前記識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、前記第1検出装置若しくは前記第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて前記信号レベルの比較・判定を行うことを特徴とする。
【0012】
一方、請求項4に記載の発明は、コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れかに記載の通過判定手段、第1レベル判定手段、第2レベル判定手段、及び監視対象者判定手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の監視システムにおいては、識別情報を周期的に送信する送信タグからの送信信号を受信する受信手段、監視範囲内の人を検知する検知手段、及び、受信手段による受信信号のレベルを検出するレベル検出手段、を有する一対の検出装置(第1検出装置及び第2検出装置)を備える。
【0014】
そして、監視装置が、その一対の検出装置をそれぞれ構成する受信手段、検知手段、及びレベル検出手段による検出結果に基づき、送信タグを所持する監視対象者が、第1検出装置の検知手段による第1監視範囲、及び、第2検出装置の検知手段による第2監視範囲を順に通過するのを検出する。
【0015】
また、監視装置において、監視対象者の通過を検出する際には、まず、通過判定手段が、第1検出装置の検知手段及び第2検出装置の検知手段が一定の判定時間内に順に人を検知したとき、人(換言すれば監視対象者を含む誰か)が、第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したと判定する。
【0016】
そして、通過判定手段にて、第1監視範囲及び第2監視範囲を人が順に通過したと判定されると、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段が、それぞれ、レベル判定を行う。
【0017】
すなわち、第1レベル判定手段は、第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの期間内に、第1検出装置及び第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する。
【0018】
また、第2レベル判定手段は、第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの期間内に、第1検出装置及び第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する。
【0019】
そして、第1レベル判定手段及び前記第2レベル判定手段にて共に肯定判断されると、監視対象者判定手段が、第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したのは、送信タグを所持する監視対象者であると判断して、所定の通知先に通知する。
【0020】
つまり、本発明では、
(1)通過判定手段にて、第1監視範囲及び第2監視範囲を人が順に通過したと判定され、
(2)第1レベル判定手段にて、その通過判定された人が第1監視範囲内若しくは第1監視範囲近傍にいるときに第1検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルが、第2検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルよりも高いと判定され、
(3)第2レベル判定手段にて、その通過判定された人が第2監視範囲内若しくは第2監視範囲近傍にいるときに第2検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルが、第1検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルよりも高いと判定されると、
監視対象者判定手段にて、第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したのは、送信タグを所持する監視対象者であると判断して、所定の通知先に通知する。
【0021】
これは、通過判定手段にて、第1監視範囲及び第2監視範囲を人が順に通過したと判定されたとしても、その人が送信タグを所持した監視対象者でなければ、第1検出装置のレベル検出手段及び第2検出装置のレベル検出手段による検出レベルの大小関係が、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段で共に肯定されるように変化することはなく、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段の少なくとも一方で否定判定されるからである。
【0022】
従って、本発明の監視システムによれば、監視対象者が第1検出装置及び第2検出装置に近傍にいて、監視対象者が所持した送信タグからの送信信号が各検出装置の受信手段に届く場合に、監視対象者以外の人が第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したとしても、監視対象者が通過したと誤判定されることはなく、送信タグを所持した監視対象者が第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したときにだけ、その通過を正確に検出することができる。
【0023】
よって、例えば、本発明の監視システムを使って、老人ホームで痴呆老人が施設の外に出るのを監視する場合には、第1検出装置を、施設の出入り口の施設側に配置し、第2検出装置を、施設の出入り口の外側に配置し、これら各検出装置の検知手段による第1監視範囲及び第2監視範囲を、各設置位置にて出入り口の通路を横切るように設定すれば、監視対象者となる痴呆老人が施設の外に出たことを正確に検出して、その旨を所定の通知先に通知することができるようになる。
【0024】
なお、この通知は、周囲に警報音を発生するだけでもよく、監視者(ヘルパー等)が所持する携帯端末に無線送信するようにしてもよい。
ところで、本発明の監視システムにおいて、第1レベル判定手段は、第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの期間内に第1検出装置及び第2検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルを比較し、第2レベル判定手段は、第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの期間内に第1検出装置及び第2検出装置のレベル検出手段にて検出された信号レベルを比較する。
【0025】
これは、監視対象者が所持した送信タグが、識別情報を周期的に送信するように構成されており、第1検出装置或いは第2検出装置の検知手段にて人が検知されたときに、受信手段にて送信タグからの送信信号が受信されるとは限らないためである。
【0026】
しかし、このように第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段にて信号レベルを比較する受信信号の検出期間を一定時間に設定すると、その検出期間(時間)内に、第1検出装置及び第2検出装置の受信手段にて識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されることがある。
【0027】
そして、このように、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段による受信信号の信号レベルの検出期間(時間)内に、識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信され、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段が、その識別情報が異なる受信信号の信号レベルを比較すると、監視対象者が通過したか否かを正確に判断することができなくなる。
【0028】
そこで、本発明の監視システムは、より好ましくは、請求項2に記載のように構成するとよい。
すなわち、請求項2に記載の監視システムにおいて、第1レベル判定手段は、第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、第1検出装置及び第2検出装置の受信手段にて、識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する。
【0029】
また、第2レベル判定手段は、第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、第1検出装置及び第2検出装置の受信手段にて、識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する。
【0030】
そして、監視対象者判定手段は、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段にて肯定判断された受信信号の識別情報が同じであるとき、当該識別情報にて特定される監視対象者が第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過したと判断して、所定の通知先に通知する。
【0031】
従って、請求項2に記載の監視システムによれば、第1レベル判定手段及び第2レベル判定手段による受信信号の信号レベルの検出期間(一定時間)内に、第1検出装置及び第2検出装置の受信手段にて識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されたとしても、識別情報が同じ受信信号の信号レベルに基づき、監視対象者の通過を正確に判定することができるようになる。
【0032】
一方、送信タグの送信周期や、監視対象者の通過速度によっては、第1レベル判定手段若しくは第2レベル判定手段による受信信号の信号レベルの検出期間(時間)内に、第1検出手段及び第2検出手段の少なくとも一方の受信手段にて、識別情報が同じ信号が複数回受信されることがある。
【0033】
そして、このように、識別情報が同じ信号(換言すれば一つの送信タグからの送信信号)が複数回受信された場合、第1レベル判定手段若しくは第2レベル判定手段では、その複数の受信信号の一つの受信レベルを、比較すべき受信レベルとして選択するようにしてもよい。
【0034】
これに対し、第1レベル判定手段若しくは第2レベル判定手段を、請求項3に記載のように構成すれば、監視対象者の通過をより精度よく判定することが可能となる。
すなわち、請求項3に記載の監視システムにおいて、第1レベル判定手段は、第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、第1検出装置及び第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、第1検出装置若しくは第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて信号レベルの比較・判定を行う。
【0035】
また、第2レベル判定手段は、第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、第1検出装置及び第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、第1検出装置若しくは第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて信号レベルの比較・判定を行う。
【0036】
つまり、請求項3に記載の監視システムにおいては、第1レベル判定手段若しくは第2レベル判定手段による受信信号の信号レベルの検出期間(時間)内に、第1検出手段若しくは第2検出手段の受信手段にて識別情報が同じ信号が複数回受信された際には、その受信された複数の受信信号の受信レベルの平均値を求め、その受信レベルの平均値を、比較すべき受信レベルとして選択するのである。
【0037】
そして、このようにすれば、ノイズ等によってレベル検出手段にて検出された信号レベルが一時的に変動した場合であっても、そのレベル変動の影響を受けることなく、監視対象者の通過を精度よく判定することができるようになる。
【0038】
次に、監視装置は、第1検出装置及び第2検出装置をそれぞれ構成する受信手段、検知手段、及びレベル検出手段による検出結果に基づき、送信タグを所持する監視対象者が第1監視範囲及び第2監視範囲を順に通過するのを検出するものであるため、監視専用のコンピュータ若しくはパーソナルコンピュータを用いて実現できる。
【0039】
そして、このように監視装置をコンピュータにて構成する場合には、請求項4に記載のプログラムを用いるようにすればよい。
つまり、請求項4に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れかに記載の監視装置を構成する、通過判定手段、第1レベル判定手段、第2レベル判定手段、及び監視対象者判定手段として機能させるためのプログラムであるため、このプログラムを用いれば、コンピュータを本発明の監視装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態の監視システム全体の構成を表す概略構成図である。
【図2】監視システムを構成する各部の内部構成を表すブロック図である。
【図3】監視装置にて実行される監視対象者の通過判定処理を表すフローチャートである。
【図4】監視対象者の通過時に変化する人感センサ出力及び送信タグからの送信信号の受信レベルを表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態の監視システムは、老人ホーム等の施設において、入居老人等の監視対象者2が、屋内から屋外に出たことを検出して、ヘルパー等の監視者6に通知するためのものであり、図1に示すように構成されている。
【0042】
すなわち、本実施形態の監視システムは、図1に示すように、監視対象者2毎に付与され、予め設定された固有の識別情報(所謂ID)を周期的に送信する複数の送信タグ10と、施設の屋内への出入り口に設けられた第1検出装置20a及び第2検出装置20bと、パーソナルコンピュータ(パソコン)からなる監視装置40と、監視者6が所持する報知端末60と、から構成されている。
【0043】
ここで、送信タグ10は、図2に示すように、アンテナを介して識別情報を送信するための無線送信部12と、無線送信部12から識別情報を所定時間間隔で周期的に送信させる制御部14と、これら各部12、14に電源供給を行う電池16と、から構成されている。
【0044】
そして、制御部14は、マイクロコンピュータ(マイコン)にて構成されており、電池16は、ボタン電池等、軽量で小型(薄型)の電池にて構成されている。また、制御部14が無線送信部12から識別情報を送信させる送信周期は、送信タイミングが他の送信タグ10と重複することのないよう、他の送信タグ10とは異なる周期に設定されている。
【0045】
次に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bは同一構成をしており、図2に示すように構成されている。
すなわち、第1検出装置20a及び第2検出装置20bは、それぞれ、送信タグ10からの送信信号(以下、タグ信号ともいう)を受信する無線受信部22、無線受信部22にて受信された受信信号(つまりタグ信号)の受信レベルを検出するレベル検出部24、及び、第1検出装置20a若しくは第2検出装置20bの前方の所定の監視範囲(図1に示す第1監視範囲A、第2監視範囲B)内にいる人を検知する人感センサ26、を備える。
【0046】
また、これら無線受信部22、レベル検出部24及び人感センサ26は、それぞれ、マイコンからなる制御部30に接続されており、制御部30は、これら各部22,24,26から、無線受信部22が受信したタグ信号に含まれている識別情報、そのタグ信号の受信レベル、及び、監視範囲内での人の動き等の検知結果を取り込み、その検知結果を監視装置40に定期的に無線送信する、送信処理を実行する。
【0047】
このため、第1検出装置20a及び第2検出装置20bには、それぞれ、監視装置40との間でデータ通信を行うための無線通信部28が設けられており、制御部30は、この無線通信部28を介して、監視装置40に、上記各検出結果を送信する。なお、第1検出装置20a及び第2検出装置20bにおいて、無線通信部28からの送信タイミングは、異なる送信タイミングに設定されている。
【0048】
また、第1検出装置20a及び第2検出装置20bには、上記各部22,24,26,28,30に電源供給を行うための電源部32も備えられている。そして、この電源部32は、乾電池や充電可能な二次電池、若しくは外部電源(商用電源等)から電源供給を受けて、電源電圧を生成し、上記各部に電源電圧を供給する。
【0049】
また次に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bは、それぞれ、施設の出入り口に設置されるドア4の室内側及び室外側で、出入り口の側壁に配置されている(図1参照)。
【0050】
そして、第1検出装置20a及び第2検出装置20bの人感センサ26は、それぞれ、監視範囲(第1監視範囲A、第2監視範囲B)が、ドア4の屋内側及び屋内側で出入り口の通路を横切るように設置されている。
【0051】
次に、監視装置40は、図2に示すように、パソコン本体50と、パソコン本体50にそれぞれ接続された、ディスプレイ42、キーボードやマウス等の入力装置44、ハードディスクや携帯型のメモリからなる外部記憶装置46、及び、無線通信部48と、これら各部に電源供給を行う電源部52と、から構成されている。
【0052】
なお、無線通信部48は、第1検出装置20a、第2検出装置20b、及び、監視者6が所持する報知端末60、との間で無線通信を行うためのものである。つまり、監視装置40は、無線通信部48を介して上記各部と無線通信を行う通信機能を備えたパソコンにて構成されている。
【0053】
また、電源部52は、二次電池若しくは外部電源(商用電源等)から電源供給を受けて、電源電圧を生成し、上記各部に電源電圧を供給するものである。
そして、本実施形態の監視システムにおける監視装置40としての機能は、パソコン本体50に内蔵された記憶媒体(ハードディスク、シリコンディスク等)若しくは外部記憶装置46に記憶されたプログラムを、パソコン本体50を構成するマイクロプロセッサ(MPU)が実行することにより実現される。
【0054】
次に、監視者6が所持する報知端末60は、図2に示すように、監視装置40の無線通信部48から報知端末60に向けて送信された送信信号を受信するための無線通信部62、表示部64、ブザー66、制御部70、及び、これら各部に電源供給を行う電池72にて構成されている。
【0055】
制御部70は、マイクロコンピュータ(マイコン)にて構成されており、無線通信部62にて受信された受信信号が後述の警報信号であるか報知信号であるかを判定し、その判定結果に応じて表示部64及びブザー66を駆動することで、表示部64への表示及びブザー66の鳴動により、監視対象者若しくは監視対象者以外の人が出入り口を通って屋外に出たことを監視者6に通知する、通知処理を実行する。
【0056】
次に、図3は、監視装置40を構成するパソコン本体50のMPUにおいて、監視対象者2の出入り口の通過(詳しくは施設の屋内から屋外方向への通過)を監視するために繰り返し実行される監視処理(プログラム)を表すフローチャートである。
【0057】
なお、監視装置40は、以下に説明する監視処理とは別に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bの無線通信部28から送信された検出結果を受信し、メモリ(RAM等)に記憶する受信処理を実行し、その受信処理にて受信した検出結果の内、少なくとも、レベル検出部24にて検出されたタグ信号の受信レベルについては、後述の平均値計算に必要な時間△T2、△T3以上保持する。
【0058】
図3に示すように、監視装置40にて実行される監視処理では、まずS110(Sはステップを表す)にて、ドア4の屋内側に配置された第1検出装置20aから定期的に送信されてくる検知結果に基づき、第1検出装置20aの人感センサ26にて、第1監視範囲A内での人の動きが検知されたか否かを判断する。
【0059】
S110にて、第1監視範囲A内での人の動きは検知されていないと判断されると、再度S110の処理を実行することで、第1監視範囲A内で人の動きが検知されるのを待機し、S110にて、第1監視範囲A内で人の動きが検知された判断されると、S120に移行する。
【0060】
そして、S120では、第1検出装置20aから送信されてきた検知結果から、人感センサ26による第1監視範囲A内での人の動きの検知時刻を読み取り、その検知時刻を時刻Taとして、メモリ(RAM等)に記憶する。
【0061】
次に、S130では、ドア4の屋外側に配置された第2検出装置20bから定期的に送信されてくる検知結果に基づき、第2検出装置20bの人感センサ26にて、第2監視範囲B内での人の動きが検知されたか否かを判断する。
【0062】
S130にて、第2監視範囲B内での人の動きは検知されていないと判断されると、S140に移行し、S120にて記憶した時刻Taから一定時間△T1が経過したか否かを判断する。
【0063】
そして、S140にて、時刻Taから一定時間△T1が経過していないと判断されると、再度S130の処理を実行することで、第2監視範囲B内で人の動きが検知されるのを待ち、S140にて、時刻Taから一定時間△T1が経過したと判断されると、S110に移行する。
【0064】
一方、S130にて、第2監視範囲B内での人の動きが検知されたと判断されると、S150に移行する。そして、S150では、第2検出装置20bから送信されてきた検知結果から、人感センサ26による第2監視範囲B内での人の動きの検知時刻を読み取り、その検知時刻を時刻Tbとして、メモリ(RAM等)に記憶する。
【0065】
つまり、誰かが施設の出入り口を通って屋外に出る場合、第1監視範囲A内を人が通過し、次に、第2監視範囲B内を人が通過することになる。従って、この場合には、図4に示すように、まず、第1検出装置20aの人感センサ26からの出力が変動し、次に、第2検出装置20bの人感センサ26からの出力が人の移動に伴い変動する。
【0066】
そこで、上記S110〜S150では、第1検出装置20aの人感センサ26及び第2検出装置20bの人感センサ26にて、一定時間△T1内に、順に人の動きが検出されたか否かを判断することにより、施設の出入り口を通って誰かが屋外に出たことを検出するのである。
【0067】
次に、S150の処理が終了すると、今度は、S160に移行し、S120にてメモリに記憶された時刻Ta(つまり、第1検出装置20aの人感センサ26が人の動きを検知した検知時刻)から、一定時間△T2前までの期間内(図4参照)に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bのレベル検出部24で検出されたタグ信号の受信レベルを読み出し、各検出装置20a、20b毎に、その読み出した受信レベルの平均値Va1、Vb1を算出する。
【0068】
なお、S160にて、各検出装置20a、20b毎に受信レベルの平均値Va1、Vb1を算出する際、時刻Taから一定時間△T2前までの期間内に、各検出装置20a、20bの無線受信部22で種類の異なるタグ信号(つまり、異なる送信タグ10からのタグ信号)が受信されている場合、同一種類のタグ信号(つまり同じ送信タグ10から送信されたタグ信号)毎に平均値を算出する。
【0069】
これは、施設の出入り口付近に複数の監視対象者2がいる場合、第1検出装置20a及び第2検出装置20bの無線受信部22にて、複数の送信タグ10からの送信信号が受信され、レベル検出部24にてその受信レベルが検出されることが考えられるためである。
【0070】
そして、続くS170では、S160にて算出された平均値Va1、Vb1の内、第1検出装置20aのレベル検出部24で検出された受信レベルの平均値Va1の方が、第2検出装置20bのレベル検出部24で検出された受信レベルの平均値Vb1よりも大きいか否かを判断し、「Va1>Vb1」であれば、S180に移行し、「Va1>Vb1」でなければ、S210に移行する。
【0071】
なお、S170では、S160にて算出された平均値Va1、Vb1が、種類の異なるタグ信号毎に複数存在する場合には、種類が同じタグ信号毎に、平均値Va1、Vb1を比較し、「Va1>Vb1」となるタグ信号があれば、S180に移行し、全てのタグ信号で、「Va1≦Vb1」となっていれば、S210に移行する。
【0072】
つまり、図4から明らかなように、時刻Taから一定時間△T2前までの期間内に第1検出装置20a付近に存在する送信タグ10からの送信信号の受信レベルは、第1検出装置20aでは高く、第2検出装置20bでは低くなる。
【0073】
そこで、本実施形態では、S170にて、受信レベルの平均値が「Va1>Vb1」となるタグ信号があるか否かを判断することにより、第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過して施設の外に出た可能性のある送信タグ10(延いては監視対象者2)が存在するか否かを判断し、施設の外に出た可能性のある送信タグ10が存在する場合には、S180に移行し、そうでなければ、S210に移行するのである。
【0074】
次に、S180では、S150にてメモリに記憶された時刻Tb(つまり、第2検出装置20bの人感センサ26が人の動きを検知した検知時刻)から、一定時間△T3が経過するまでの期間内(図4参照)に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bのレベル検出部24で検出されたタグ信号の受信レベルを読み出し、各検出装置20a、20b毎に、その読み出した受信レベルの平均値Va2、Vb2を算出する。
【0075】
なお、S180にて、各検出装置20a、20b毎に受信レベルの平均値Va2、Vb2を算出する際に読み出す受信レベルは、S170にて「Va1>Vb1」となっていると判定されたタグ信号(換言すれば、第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過して施設の外に出た可能性のある送信タグ10からのタグ信号)の受信レベルである。
【0076】
そして、続くS190では、S180にて算出された平均値Va2、Vb2の内、第2検出装置20bのレベル検出部24で検出された受信レベルの平均値Vb2の方が、第1検出装置20aのレベル検出部24で検出された受信レベルの平均値Va2よりも大きいか否かを判断し、「Vb2>Va2」であれば、S200に移行し、「Vb2>Va2」でなければ、S210に移行する。
【0077】
つまり、図4から明らかなように、時刻Tbから一定時間△T3が経過するまでの期間内に第2検出装置20b付近に存在する送信タグ10からの送信信号の受信レベルは、第2検出装置20bでは高く、第1検出装置20aでは低くなる。
【0078】
そこで、本実施形態では、S190にて、受信レベルの平均値が「Vb2>Va2」となるタグ信号があるか否かを判断することにより、第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過して施設の外に出た送信タグ10(延いては監視対象者2)が存在するか否かを判断し、施設の外に出た送信タグ10が存在する場合には、S200に移行し、そうでなければ、S210に移行するのである。
【0079】
そして、S200では、S190にて「Vb2>Va2」と判定されたタグ信号の識別情報から、その識別情報の送信タグ10を所持する監視対象者2が施設の外に出たと判定し、その識別情報を含む警報信号を報知端末60に送信し、当該監視処理を一旦終了する。
【0080】
なお、S200にて、警報信号を報知端末60に送信すると、報知端末60側では、ブザー66から所定の警報音を発生させることで、監視対象者2が施設の外に出たことを監視者6に通知し、しかも、外に出た監視対象者2を特定する情報(識別情報、氏名等)を表示部64へ表示する。
【0081】
一方、S210では、S170、S190の判定処理にて、送信タグ10を所持する監視対象者2が施設の外に出たことが判定されていないので、誰かが施設の外に出たことを表す報知信号を報知端末60に送信し、当該監視処理を一旦終了する。
【0082】
なお、S210にて、報知信号を報知端末60に送信すると、報知端末60側では、ブザー66から上記警報音とは異なる報知音を発生させることで、誰かが施設の外に出たことを監視者6に通知し、しかも、表示部64には、施設の外に出たものは送信タグ10を所持していないことを表示する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の監視システムにおいては、監視装置40を構成するパソコン本体50のMPUが図3に示した監視処理を実行することにより、まず、一定時間△T1内に、誰かが、施設の出入り口の第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過したか否かを判定する(S110〜S150)。
【0084】
そして、誰かが第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過したと判定すると、第1検出装置20aの人感センサ26が人の動きを検知した時刻Taから一定時間△T2前までの期間内、及び、第2検出装置20bの人感センサ26が人の動きを検知した時刻Tbから一定時間△T3経過するまでの期間内に、第1検出装置20a及び第2検出装置20bのレベル検出部24で検出されたタグ信号の受信レベルをそれぞれ読み出し、その読み出した受信レベルの平均値Va1、Vb1及びVa2、Vb2をそれぞれ比較することで、出入り口を通って施設の外に出たのは、送信タグ10が付与された監視対象者2であるか否かを判定する(、S160〜S190)。
【0085】
そして、更に、その判定結果に基づき、監視対象者2が施設の外に出たこと、或いは、誰かが施設の外に出たことを、報知端末60を介して、監視者6に通知する(S200、S210)。
【0086】
従って、本実施形態の監視システムによれば、監視対象者2が施設の出入り口付近にいて、監視対象者2に付与した送信タグ10からの送信信号が第1検出装置20a及び第2検出装置20bに届く場合に、監視対象者2以外の人が第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過したとしても、監視対象者2が施設の外に出たと誤判定されることはない。
【0087】
つまり、本実施形態の監視システムによれば、送信タグ10を付与した監視対象者2が第1監視範囲A及び第2監視範囲Bを順に通過したときにだけ、監視対象者2が施設の外に出たと判定して、監視者6にその旨を通知することができる。
【0088】
また、監視装置40において、時刻Taから一定時間△T2前までの期間内、及び、時刻Tbから一定時間△T3経過するまでの期間内に、各検出装置20a、20bにて受信されたタグ信号の受信レベルの平均値を算出する際(S160、S180)には、同一種類のタグ信号(つまり同じ送信タグ10から送信されたタグ信号)毎に平均値を算出し、しかも、その平均値を大小比較する際(S170、S190)には、種類が同じタグ信号毎に平均値Va1、Vb1を比較する。
【0089】
従って、本実施形態の監視システムによれば、時刻Taから一定時間△T2前までの期間内、若しくは、時刻Tbから一定時間△T3経過するまでの期間内に、第1検出装置20a若しくは第2検出装置20bにて、識別情報が異なる複数の送信タグ10からの送信信号が受信されたとしても、監視対象者2が出入り口を通って施設の外に出たことを正確に判定することができる。
【0090】
なお、本実施形態の監視システムにおいては、監視装置40を構成するパソコン本体50のMPUにて実行される監視処理の内、S110〜S150の処理により、本発明の通過判定手段として機能が実現され、S160及びS170の処理により、本発明の第1レベル判定手段としての機能が実現され、S180及びS190の処理により、本発明の第2レベル判定手段としての機能が実現され、S200の処理により、本発明の監視対象者判定手段としての機能が実現される。
【0091】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、老人ホーム等の施設において、入居老人である監視対象者2に送信タグ10を付与することで、監視対象者2が施設の外に出るのを監視する監視システムについて説明したが、本発明は、例えば、商店等で送信タグ10を商品に付与し、その商品が商店の外に持ち出されるのを監視する、盗難防止用の監視システムに適用しても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0092】
2…監視対象者、4…ドア、6…監視者、10…送信タグ、12…無線送信部、14…制御部、16…電池、20a…第1検出装置、20b…第2検出装置、22…無線受信部、24…レベル検出部、26…人感センサ、28…無線通信部、30…制御部、32…電源部、40…監視装置、42…ディスプレイ、44…入力装置、46…外部記憶装置、48…無線通信部、50…パソコン本体、52…電源部、60…報知端末、62…無線通信部、64…表示部、66…ブザー、70…制御部、72…電池。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を周期的に送信する送信タグからの送信信号を受信する受信手段、監視範囲内の人を検知する検知手段、及び、前記受信手段による受信信号のレベルを検出するレベル検出手段を備えた第1検出装置及び第2検出装置と、
前記第1検出装置及び前記第2検出装置を構成する前記受信手段、前記検知手段、及び前記レベル検出手段による検出結果に基づき、前記送信タグを所持する監視対象者が、前記第1検出装置の検知手段による第1監視範囲、及び、前記第2検出装置の検知手段による第2監視範囲を順に通過するのを検出する監視装置と、
を備え、
前記監視装置は、
前記第1検出装置の検知手段及び前記第2検出装置の検知手段が、一定の判定時間内に順に人を検知したとき、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定する通過判定手段と、
前記通過判定手段にて、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定されると、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に前記第1検出装置及び前記第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する第1レベル判定手段と、
前記通過判定手段にて、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を人が順に通過したと判定されると、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に前記第1検出装置及び前記第2検出装置のレベル検出手段にてそれぞれ検出された信号レベルを比較し、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定する第2レベル判定手段と、
前記第1レベル判定手段及び前記第2レベル判定手段にて共に肯定判断されると、前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を順に通過したのは、前記送信タグを所持する監視対象者であると判断して、所定の通知先に通知する監視対象者判定手段と、
を備えたことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記第1レベル判定手段は、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の受信手段にて、前記識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定し、
前記第2レベル判定手段は、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の受信手段にて、前記識別情報が異なる複数の送信タグからの送信信号が受信されているときには、識別情報が同じ受信信号毎に信号レベルを比較し、前記第2検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルが、前記第1検出装置のレベル検出手段により検出された信号レベルよりも高いか否かを判定し、
前記監視対象者判定手段は、前記第1レベル判定手段及び前記第2レベル判定手段にて肯定判断された受信信号の識別情報が同じであるとき、当該識別情報にて特定される監視対象者が前記第1監視範囲及び前記第2監視範囲を順に通過したと判断して、所定の通知先に通知することを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記第1レベル判定手段は、前記第1検出装置の検知手段が人を検知したときから一定時間前までの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、前記識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、前記第1検出装置若しくは前記第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて前記信号レベルの比較・判定を行い、
前記第2レベル判定手段は、前記第2検出装置の検知手段が人を検知してから一定時間経過するまでの間に、前記第1検出装置及び前記第2検出装置の少なくとも一方の受信手段にて、前記識別情報が同じ信号が複数回受信されたときには、その複数回受信された同一識別情報の受信信号に対し、前記第1検出装置若しくは前記第2検出装置のレベル検出手段にて検出された複数の信号レベルの平均値を算出し、該平均値を用いて前記信号レベルの比較・判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れかに記載の通過判定手段、第1レベル判定手段、第2レベル判定手段、及び監視対象者判定手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate