説明

監視制御盤およびその製造方法

【課題】 トンネル防災装置における監視制御盤のイニシャルコストを安く抑えることができ、また、監視制御盤の印刷の製作期間を短縮することができるトンネル防災設備における監視制御盤およびその製造方法を提供することを目的とするものである。

【解決手段】 トンネル防災設備における監視制御盤において、上記監視制御盤の筐体と、上記筐体に取り付けられている板金と、上記板金に貼り着けられているシートであって、グラフィックデータが直接印刷されているシートとを有するトンネル防災設備における監視制御盤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル防災設備等における監視制御盤およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示部に隣接して配設されている筐体に、数字等の文字がシルク印刷されている入力指示部が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、トンネル防災設備における従来の監視制御盤200を示す断面図である。
【0004】
図4は、上記特許文献1の具体的な内容を示す図であり、従来の監視制御盤200は、図示しない筐体に塗装板金120が取り付けられ、塗装板金120に、直接シルク印刷が行われている。また、塗装板金120に透孔が設けられ、この透孔にLED50が取り付けられ、LED50の頭部に、LEDホルダ51が固着されている。
【0005】
なお、シルク印刷が行われた塗装板金120は、防災受信盤にトンネル内の防災設備や配水系の情報を表示するためのグラフィックパネルや、スイッチ操作を行うためのスイッチプレートである。
【0006】
図5は、従来の監視制御盤200の製造方法を示すフローチャートである。
【0007】
まず、グラフィックパネル等の図面を作成し(S11)、その図面からシルク印刷用版を作成する(S12)。そして、版を使用して板金120にシルク印刷し(S13)、板金120を監視制御盤200に取り付ける(S14)。
【特許文献1】特開平6−348414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来例において、シルク印刷する場合、その印刷用の版を作成する必要があり、イニシャルコストが高いと言う問題があり、また、製作期間が長いという問題がある。さらに、一度版を作成すると、その後は、その版を変更することができないという問題がある。
【0009】
本発明は、監視制御盤のイニシャルコストを安く抑えることができ、また、監視制御盤の印刷の製作期間を短縮することができる監視制御盤およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、設備における監視制御盤において、上記監視制御盤の筐体と、上記筐体に取り付けられている板金と、上記板金に貼り着けられているシートであって、グラフィックデータが直接印刷されているシートとを有することを特徴とするトンネル防災設備における監視制御盤である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ダイレクト印刷はシルク印刷のような版が不要であるので、イニシャルコストを安く抑えることができ、パソコンの図面データを直接印刷できるので、製作期間を短縮することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明によれば、印刷内容に変更があっても、版を変更するのではなく、パソコン上の図面データを変更するだけであるので、シルク印刷に比べると容易に変更することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1である監視制御盤100のパネルプレート40の断面図である。
【0015】
監視制御盤100は、トンネル防災設備における監視制御盤であり、図示しない筐体と、パネルプレート40と、LED50とを有する。
【0016】
筐体は、外形が板金加工等されている監視制御盤100の筐体であり、パネルプレート40は、板金20と、シート30とを有する。
【0017】
板金20は、筐体に取り付けられている板金である。シート30は、板金20の表側に貼り着けられているシートであって、グラフィックデータが直接印刷されているシートである。
【0018】
さらに、シート30は、板金20と貼着される貼着面SF1と、貼着面SF1と反対側の面である反貼着面SF2とを有し、貼着面SF1を印刷面として使用している。つまり、シート30は、板金20に貼り着けられている面に、印刷されているシートである。また、シート30が貼り着けられる板金20に、所定の孔20aを具備するようにしてもよい。この孔20aは、たとえばLED50や図示しない操作スイッチ等を設置する孔である。
【0019】
次に、監視制御盤100の製造方法について説明する。
【0020】
図2は、監視制御盤100の製造方法を示すフローチャートである。
【0021】
まず、パネルプレート40の外観に付すグラフィックデータを編集する(編集工程)(S1)。このときに、グラフィックデータの編集は、図示しないパソコンを用いて行われる。
【0022】
次に、図示しないプリンタによって、グラフィックデータをシート30に印刷する(印刷工程)(S2)。つまり、パソコンで製作した図面データを、インクジェットプリンタ等の要領でインクを、シート30に直接印刷する。
【0023】
印刷されたシート30を、板金20に貼り着けてパネルプレート40とする(貼着工程)(S3)。
【0024】
なお、上記貼着工程において、シート30の印刷面を、板金20に貼り着ける貼着面とする。また、上記貼着工程において、シート30の印刷面に、保護膜を形成した(ラミネート加工した)後に、上記印刷面の反対面を板金20に貼り着けるようにしてもよい。
【0025】
なお、板金20は、上記貼着工程の前に、シート30が貼り着けられる板金20に必要な孔20aを予め空けておかなければならない。
【0026】
そして、印刷されたシート30を板金20に貼り着けたパネルプレート40を、監視制御盤100の筐体に取り付ける(組立工程)(S4)。つまり、監視制御盤100の図示しない筐体に、情報表示用グラフィックパネル、操作用スイッチプレート等として、パネルプレート40をねじ止め等によって取り付ける。
【0027】
図3は、監視制御盤100をトンネル防災設備の防災受信盤として用いる場合の操作用スイッチプレートとして構成した場合のパネルプレート40を示す正面図である。
【0028】
ここで、図3のLL1〜LL25と表示されている丸の部分やLI、LD、LSR等の長丸の部分には、板金20に孔20aが形成され、シート30の背面側にはLED50が配置され、SI、SD、SR等の4本線の部分には、板金20に孔20aが形成され、シート30の背面側には図示しないスイッチ部材が配置されている。
【0029】
トンネル防災受信盤の情報表示用グラフィックパネル、操作用スイッチプレートの製作において、従来は、シルク印刷で製作しているが、実施例1によれば、印刷されたシート30を板金20に直接貼り着けるので、板金にシルク印刷する場合よりも、イニシャルコストを低減することができ、また、印刷内容を容易に変更することができる。
【0030】
なお、この実施例1では、シート30の印刷面が貼着面SF1とされて、外気に触れず色あせ等変色しにくくされているが、反貼着面SF2を印刷面とし、印刷が施された反貼着面SF2に保護膜を付着するようにしてもよい。つまり、シート30の印刷面が、板金20との貼着面と反対の面であり、この場合、印刷面に保護膜を付着するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1である監視制御盤100を示す断面図である。
【図2】監視制御盤100の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】監視制御盤100のパネルプレート40を示す正面図である。
【図4】トンネル防災設備における従来の監視制御盤200を示す断面図である。
【図5】従来の監視制御盤200の製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
100…監視制御盤、
20…板金、
30…シート、
SF1…貼着面、
SF2…反貼着面、
40…パネルプレート、
50…LED。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備における監視制御盤において、
上記監視制御盤の筐体と;
上記筐体に取り付けられている板金と;
上記板金に貼り着けられているシートであって、グラフィックデータが直接印刷されているシートと;
を有することを特徴とする監視制御盤。
【請求項2】
請求項1において、
上記シートは、上記板金に貼り着けられている面に、印刷されているシートであることを特徴とする監視制御盤。
【請求項3】
請求項1において、
上記シートが貼り着けられる板金は、所定の孔を具備している板金であり、上記シートで覆われている板金であることを特徴とする監視制御盤。
【請求項4】
設備における監視制御盤の製造方法において、
所定のパネルの外観に付すグラフィックデータを、パソコンで編集する編集工程と;
上記グラフィックデータを所定のシートに、プリンタで印刷する印刷工程と;
上記印刷されたシートを、所定の板金に貼り着けてパネルプレートとする貼着工程と;
上記パネルプレートを、上記監視制御盤の筐体に取り付ける組立工程と;
を有することを特徴とする監視制御盤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−119861(P2006−119861A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−306411(P2004−306411)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【出願人】(505387680)株式会社目黒工芸社 (2)
【Fターム(参考)】