説明

監視制御装置

【課題】パネルブロックの落下を防止できるとともに、施工工事およびメンテナンス作業が容易である監視制御装置を提供する。
【解決手段】監視制御装置は、壁に固定された埋込ブロック10の前面に、液晶表示器51を有するパネルブロック20が、埋込ブロック10に形成された係止孔13に嵌まる係止爪24aにより着脱自在に取着され、パネルブロック20の周囲に枠状の化粧プレート30が配設される構成を有する。化粧プレート30は、プレート用ねじにより埋込ブロック10に固定されたプレート枠31と、プレート枠31に前方より嵌着されるプレートカバー32とを備える。プレートカバー32の前壁32aには、パネルブロック10が隙間なく嵌まるカバー側露出窓61bが開設され、パネルブロック10の上下両面における前壁32aの後方となる部位には、落下防止突起25がそれぞれ突設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信によって負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、負荷の遠隔監視制御を行うために信号線を通してスイッチのオンオフ情報を含む伝送信号を伝送し、負荷の電源を入切するリレーの開閉などの負荷の制御を伝送信号によって行う遠隔監視制御システムが知られている。
【0003】
図5に示す遠隔監視制御システムは、負荷Lの制御を行う制御端末器72と、負荷Lの制御の指示を入力するための操作端末器71と、伝送ユニット70とを備え、各操作端末器71および各制御端末器72と伝送ユニット70とを2線式の信号線Lsで接続している。
【0004】
図示例では、負荷Lは白熱灯や蛍光灯であり、制御端末器72は、負荷Lの点灯制御や調光制御を行う。白熱灯である負荷Lには調光制御を行う制御端末器72が接続され、蛍光灯である負荷Lには、点灯制御を行う制御端末器72と、調光制御を行う制御端末器72との2台の制御端末器72が接続されている。負荷Lは、白熱灯や蛍光灯のほか、電動カーテン、電動スクリーン、空調機のファンコイル、スピーカなどであってもよい。
【0005】
操作端末器71と制御端末器72とには、端末アドレスが設定されている。また、操作端末器71には複数回路のスイッチがそれぞれ設けられ、各スイッチにはアドレスが割り振られ、同様に、各負荷Lにもアドレスが割り振られている。伝送ユニット70は、スイッチのアドレスと負荷のアドレスとを対応付けた制御テーブルが格納されたメモリを備えている。
【0006】
伝送ユニット70は、商用電源から電源が供給されて伝送信号を定期的に送出する。伝送信号には、双極性のパルス幅変調信号が用いられ、操作端末器71および制御端末器72は、この伝送信号を全波整流することによって内部電源を確保している。
【0007】
伝送信号には、時分割多重伝送信号が用いられ、信号送出開始を示すスタートパルス、信号モードを示すモードデータ、アドレスを伝送するアドレスデータ、負荷Lを制御するための制御データを伝送する制御データ、伝送エラーを検出するためのチェックサムデータ、操作端末器71や制御端末器72からの返送信号を受信するタイムスロットである信号返送期間が伝送信号に含まれている。
【0008】
各操作端末器71および各制御端末器72は、適当なインピーダンスで信号線Ls(2本)を短絡することで送出される電流モード信号を用いて、上述した信号返送期間において伝送ユニット70に返送を行う。
【0009】
伝送ユニット70は、常時、端末アドレスをサイクリックに変更した伝送信号を周期的に信号線に送出する常時ポーリングを行う。いずれかの操作端末器71においてスイッチ操作等による監視入力が発生すると、当該操作端末器71は伝送信号のスタートパルスに同期する割込信号を信号線Lsに送出する。割込信号を発生した操作端末器71は、割込フラグを設定したラッチ状態になる。
【0010】
一方、伝送ユニット70は、割込信号を検出するとモードデータをサーチモードとした伝送信号を送出する。ラッチ状態になっている操作端末器71は、サーチモードの伝送信号を受信すると信号返送期間において端末アドレスを返送し、端末アドレスを受け取った伝送ユニット70は、当該端末アドレスの操作端末器71にラッチ状態の返送を要求する伝送信号を伝送し、ラッチ状態か否かを確認することによって割込信号を発生した操作端末器71であることを確認する。割込信号を発生した操作端末器71であることが確認されると、ラッチ状態を解除させる伝送信号を伝送し、当該操作端末器71のラッチ状態を解除させる。
【0011】
伝送ユニット70は、上述の動作によって操作端末器71からの要求を受け取ると、制御テーブルに従って当該操作端末器71に対応付けられた制御端末器72に対して負荷Lの制御を要求する。次に、制御対象である負荷Lの状態を確認するための伝送信号を送出し、制御端末器72から負荷状態を返送させる。制御端末器72から受け取った負荷状態は、伝送ユニット70で確認され、現状の負荷状態がオフであれば負荷状態をオンに反転させる内容の伝送信号を操作端末器71に送信する。
【0012】
ところで、図5に示した遠隔監視制御システムは、各操作端末器71に代わって各負荷Lの制御の指示を行うことができるとともに負荷状態を表示器に表示する監視制御装置1を備えている。監視制御装置1は、各操作端末器71がそれぞれ有するスイッチの合計数と同数の回路数のスイッチを備え、信号線Lsで伝送装置70に接続されて全負荷Lの制御の指示を入力することができる。
【0013】
負荷が、たとえば、ホテルの客室に設置された電動カーテンである場合、監視制御装置を集中管理室などの他の部屋に設置すると、電動カーテンは、客室に設置された操作端末器で操作できるとともに、集中管理室に設置された監視制御装置でも操作することができる。なお、図5に示した遠隔監視制御システムでは、監視制御装置1には、商用電源を降圧して出力する降圧トランスであるリモコントランス73から電源が供給されている。
【0014】
ところで、監視制御装置には、壁などに取り付けられて使用されるものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、壁に取り付けられた場合の監視制御装置の占有面積を小さくするため、液晶表示器と液晶表示器の画面に重ねて配置された透明なタッチスイッチとで構成されるタッチパネルディスプレイを備えた多機能スイッチを監視制御装置として用いている。タッチスイッチの操作により液晶表示器に表示される表示内容が切り替わり、表示内容とタッチスイッチの操作との組み合わせにより、種々の指示を入力することができる。
【0015】
特許文献1に記載された監視制御装置(多機能スイッチ)は、図6に示すように、取付部材(図示せず)を用いて壁に固定された埋込ブロック10の前面に、液晶表示器(図示せず)およびタッチスイッチ(図示せず)を有するパネルブロック20が着脱自在に取着される構成を有している。
【0016】
埋込ブロック10とパネルブロック20とは、図7に示すように、フラットケーブル56により電気的に接続されるとともに、パネルブロック20が埋込ブロック10から脱落してもパネルブロック20が床に衝突して破損することがないように落下防止紐57で繋がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平10−243478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
特許文献1に記載された監視制御装置では、パネルブロック20と埋込ブロック10とを落下防止紐57で繋ぐから、監視制御装置を壁に取り付ける施工工事に手間がかかる。また、パネルブロック20の点検、修理などのメンテナンスにおいて、落下防止紐57をパネルブロック20から外す必要があるから、メンテナンス作業に手間がかかる。
【0019】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、パネルブロックの落下を防止できるとともに、施工工事およびメンテナンス作業が容易である監視制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1の発明は、通信によって複数の負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、表示画面を有する表示器と、操作入力を受け付け複数種類の入力情報を入力できる操作入力部と、負荷の状態を表示器に表示させるとともに入力情報を負荷の制御を指示する制御情報とする制御部と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路部とを備えた監視制御装置であって、施工面に形成された施工孔に後部を収める形態で施工面に固定された埋込ブロックと、表示画面が前面側に露出するように表示器を保持し埋込ブロックに設けられた被係合部と前後方向において重なる係合部を有し前方より埋込ブロックの前面に近づけて埋込ブロックに着脱自在に取着されるパネルブロックと、パネルブロックの前面を露出させる枠側露出窓が開設された前板とパネルブロックにおける前面に交差する周面を囲む保持片とを有し施工面に対して定位置に固定されるプレート枠と、プレート枠の前板の前面を覆うとともにパネルブロックの前面を露出させるカバー側露出窓が開設された前壁と保持片に対向する形態でプレート枠を囲む周壁とを有しプレート枠に前方より嵌着されるプレートカバーとを備え、カバー側露出窓は、パネルブロックが隙間なく嵌まる形状に形成され、パネルブロックの周面におけるプレートカバーの前壁の後方となる部位には、落下防止突起が突設されていることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの上下の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする。
【0022】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの左右の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの上下および左右の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの周面に全周に亘って形成されることを特徴とする。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項の発明において、前記落下防止突起の前面は、前記プレートカバーの前壁の後面に当接していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載された構成では、カバー側露出窓は、パネルブロックが隙間なく嵌まる形状でプレートカバーの前壁に形成され、パネルブロックの周面におけるプレートカバーの前壁の後方となる部位には、落下防止突起が突設されているから、係合部が被係合部から外れたとしても、落下防止突起がプレートカバーの前壁に当接することでパネルブロックの落下を防止できるという利点がある。また、パネルブロックは、前方より埋込ブロックの前面に近づけて埋込ブロックに着脱自在に取着され、プレートカバーはプレート枠に嵌着されるから、施工工事が容易であり、また、プレートカバーをプレート枠から外してパネルブロックを前方に引っ張るだけでパネルブロックを埋込ブロックから取り外すことができ、パネルブロックの点検、修理などのメンテナンスを容易に行うことができるという利点がある。
【0027】
請求項2に記載された構成では、落下防止突起は、パネルブロックの上下の周面にそれぞれ突設されているから、パネルブロックの上下両部において落下防止突起がプレートカバーの前壁に当接し、パネルブロックの落下を確実に防止することができるという利点がある。
【0028】
請求項3に記載された構成では、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの左右の周面にそれぞれ突設されているから、係合部が被係合部から外れてパネルブロックの上部が前方に倒れてきた場合において、左右の周面にそれぞれ形成された落下防止突起が、パネルブロックが前方に倒れ掛かる力を分散して支えることができ、上面に形成された落下防止突起でパネルブロックが前方に倒れ掛かる力を主に支える請求項2の構成よりも、確実にパネルブロックの落下を防止することができるという利点がある。
【0029】
請求項4に記載された構成では、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの上下および左右の周面にそれぞれ突設されているから、前記パネルブロックの上下の周面と左右の周面との一方に落下防止突起を形成した場合に比べ、パネルブロックが前方に倒れ掛かる力をより分散して受けることができ、請求項2または請求項3の構成よりも、確実にパネルブロックの落下を防止することができるという利点がある。
【0030】
請求項5に記載された構成では、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの周面に全周に亘って形成されるから、前記パネルブロックの上下および左右の周面に落下防止突起をそれぞれ形成した場合に比べ、パネルブロックが前方に倒れ掛かる力をより分散して受けることができ、請求項4の構成よりも、確実にパネルブロックの落下を防止することができるという利点がある。
【0031】
請求項6に記載された構成では、前記落下防止突起の前面は、前記プレートカバーの前壁の後面に当接しているから、係合部と被係合部との係合に加え、落下防止突起とプレートカバーの前壁との当接により、パネルブロックの前方への移動が抑制され、その結果、埋込ブロックにおけるパネルブロックの保持強度を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態の前面側から見た分解斜視図である。
【図2】同上の後面側から見た分解斜視図である。
【図3】同上の垂直断面図である。
【図4】同上の水平断面図である。
【図5】従来例を用いた遠隔監視制御システムの構成を示す図である。
【図6】従来例の側面図である。
【図7】従来例の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本実施形態では、背景技術の欄で説明した遠隔監視制御システムに用いられる監視制御装置を例示する。監視制御装置は、図1に示すように、操作入力を受け付ける操作入力部であるタッチスイッチ51と、表示器である液晶表示器52と、種々の電子部品が実装されて内部回路を実現する基板53a,53b(図3参照)とを備える。内部回路には、負荷の状態を液晶表示器52に表示させるとともにタッチスイッチ51からの入力情報を負荷の制御を指示する制御情報とする制御部と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路部とが設けられ、制御情報が伝送ユニット(図示せず)に伝えられる。
【0034】
タッチスイッチ51には、透明なシート状部材に透明電極からなる接点部を多数個配列しシート状部材に指などが触れた際にどの部位に触れたのかを出力する抵抗感圧方式のものを用い、液晶表示器52の画面(前面)に重ねて配設する。液晶表示器52には、バックライトが一体化されるとともに多数の画素を縦横にマトリクス状に配列したマトリクス表示型のものを用い、画素の組み合わせによって文字や図形を表示する。液晶表示器52に表示される文字や図形の種類と、タッチスイッチ51における指が触れた場所との組み合わせにより、情報の入力が行われる。すなわち、タッチスイッチ51と液晶表示器52とでタッチパネルディスプレイが構成される。
【0035】
監視制御装置は、取付部材(図示せず)を用いて壁に取り付けられる。つまり、ここでは、壁面を取付対象の施工面としている。ただし、施工面は、壁面に限るものではなく、建具の一面や柱の一面などであってもよい。以下では、監視制御装置を壁に取り付けた状態における上下を上下として説明する。
【0036】
本実施形態では、取付部材には、壁面からの突出量を小さく抑え、且つ、一般に普及している埋込型の配線器具との外観上の統一感を出すとともに低コスト化を図るため、埋込型の配線器具用の埋込ボックスを用いる。埋込ボックスは、壁面に開設された施工孔(図示せず)の後方に配設されている。
【0037】
監視制御装置は、基板53b(図3参照)を有する埋込ブロック10と、タッチスイッチ51および液晶表示器52を有し後述する係合部により埋込ブロック10に着脱自在に取着されるパネルブロック20と、施工孔を隠すための枠状の化粧プレート30とを備える。
【0038】
埋込ブロック10は、基板53bを内部に収容する埋込ボディ11を備える。埋込ボディ11は、埋込ボックス内に収納可能な形状および寸法に形成され、施工孔の前方より壁内に挿入される。本実施形態では、埋込ボディ11は、1連用の取付枠(図示せず)を2個まで取付可能な埋込ボックスに対応する大きさに形成されている。ここでいう1連用の取付枠とは、埋込型の配線器具用にJISで規格化されている単位寸法の配線器具を幅方向(上下方向)に3個並べて取付可能な取付枠を意味しており、1連用の取付枠が左右方向に2個連接された寸法を「2連用」と呼ぶ。すなわち、本実施形態の埋込ボディ11は、2連用の埋込ボックスに取り付けが可能な寸法に設定される。
【0039】
埋込ボディ11には、電源供給用の給電線が接続される電源端子部(図示せず)と信号線が接続される信号端子部(図示せず)とが後面側に設けられる。また、埋込ボディ11の周面の前端部からは、後面が壁面に当接する一対の取付板40が上下方向に互いに離れる向きに延設される。一対の取付板40には、埋込ボックスに螺合する取付ねじ(図示せず)が前方より挿通される取付孔41が貫設される。取付ねじを埋込ボックスに螺合させて取付板40を壁面に押し付けることにより、埋込ブロック10が壁に固定される。
【0040】
パネルブロック20は、前面が矩形状に形成された薄箱状のパネルボディ21を備え、パネルボディ21内には、タッチスイッチ51と液晶表示器52とが収容される。パネルボディ21の前面には、図3に示すように、液晶表示器52の表示画面を露出させる表示窓21aが開設される。
【0041】
パネルボディ21の後面には、嵌合突部22が突設され、嵌合突部22内には、基板53aが収容される。埋込ボディ11には、嵌合突部22と嵌合する嵌合凹所12が前面側に設けられる。
【0042】
図1,2に示すように、嵌合突部22の左右の両側壁には、後方に向かって切りかかれた左右一対の切欠23が複数対形成される。本実施形態では、切欠23は、側壁の上部と下部とに1対づつ形成される。切欠23の底面からは、嵌合突部22とともに嵌合凹所12内に挿入されるスナップフィット嵌合用の係止片24が後方に向かってそれぞれ突設される。各対の係止片24の先端部には、係合部として、左右方向において互いに離れる向きに係止爪24aがそれぞれ突設される。係止爪24aは、水平断面において、前後方向の中央部で突出量が最大となる三角形状に形成される。
【0043】
嵌合凹所12の左右の内側面には、被係合部として、パネルボディ21の後面が取付板40の前面に当接したときに各係止爪24aがそれぞれ嵌まる複数個の係止孔13が凹設される。嵌合突部22を嵌合凹所12に挿入すると、係止爪24aが嵌合凹所12の内側面と摺接して係止片24が撓み、嵌合突部22が嵌合凹所12と嵌合するとともに、係止爪24aが係止孔13に嵌まる。すなわち、パネルブロック20が埋込ブロック10に支持される。
【0044】
また、係止爪24aは、上述したような三角形状に形成されるから、パネルボディ21を前方に引っ張ると、係止爪24aが撓んで係止孔13から外れる。すなわち、パネルボディ21を前方に引っ張ることでパネルブロック20を埋込ブロック10から取り外すことができる。
【0045】
パネルブロック20と埋込ブロック10とは、互いに接続する一対のコネクタ54a,54bの一方をそれぞれ備える。コネクタ54aは、パネルブロック20の嵌合突部22の後面側に露出する形で設けられ、コネクタ54bは、嵌合凹所12の底面から前方に突出する形で、パネルブロック20が埋込ブロック10に取着されたときにコネクタ54aと接続する位置に設けられる。すなわち、ケーブルなどの接続部材を用いることなく、パネルブロック20を埋込ブロック10に取着するだけでパネルブロック20と埋込ブロック10とを電気的に接続することができる。
【0046】
パネルブロック20の嵌合突部22の左側面には、外部記憶媒体としてのSDメモリカード(登録商標)からなるメモリカード(図示せず)が挿入されるスロット55が設けられる。
【0047】
パネルボディ21は、パネルブロック20が埋込ブロック10に取着された場合において、前後方向において一対の取付板40の先端部に重ならないように、上下方向の長さ寸法が一対の取付板40の先端間の長さ寸法より小さくなるように形成される。すなわち、取付板40の先端部はパネルボディ21に覆われない。
【0048】
取付板40におけるパネルボディ21に覆われない先端部には、化粧プレート30を取付板40に固定するためのプレート用ねじ(図示せず)がねじ込まれるプレート用ねじ込み孔42が貫設される。
【0049】
化粧プレート30は、プレート用ねじにより取付板40に固定されて施工孔および取付板40を覆い隠すプレート枠31と、プレート用ねじを隠すためのプレートカバー32とを備える。プレート枠31は金属材料からなり、プレートカバー32は合成樹脂材料からなる。
【0050】
プレート枠31は、前面が方形状に形成された前板31aと、前板31aの端面から後方に延設されてパネルボディ21の周面を囲む保持片31bとを備える。プレート枠31の前板31aには、パネルブロック20の前面を露出させるための枠側露出窓61aが開設されるとともに、プレート用ねじが前方より挿通される挿通孔60が貫設される。
【0051】
プレートカバー32は、プレート枠31の前面を覆う前壁32aと、保持片31bに対向する形でプレート枠31を囲む周壁32bとを備え、周壁32bをプレート枠31の保持片31bに摺接させながらプレート枠31の前面側よりプレート枠31に嵌着される。プレート枠31の保持片31bとプレートカバー32の周壁32bとの間の摩擦力により、プレートカバー32はプレート枠31に保持される。
【0052】
プレートカバー32の前壁32aには、パネルブロック20の前面を露出させるカバー側露出窓61bが開設される。カバー側露出窓61bは、パネルボディ21の前面の寸法と略同一寸法に形成され、パネルボディ21は、隙間なくプレートカバー32のカバー側露出窓61bに嵌まる。
【0053】
プレート枠31の前板31aには、プレートカバー32の前壁32aの後面と当接するスペーサ63が前方に突設され、図4に示すように、プレートカバー32の前壁32aがパネルボディ21における前面に交差する周面の前端部を囲む位置でスペーサ63はプレートカバー32の前壁32aの後面に当接する。
【0054】
本実施形態では、図1,2に示すように、壁に取り付けられたドアの開閉などにより壁に衝撃が加えられ、衝撃により係止爪24aが係止孔13から外れてパネルブロック20が床に落下しないように、パネルボディ21の上下の周面に、落下防止突起25がそれぞれ突設される。落下防止突起25は、パネルボディ21の周面の後端部に形成される。すなわち、落下防止突起25は、プレートカバー32の前壁32aとの間に隙間を設けた形で前壁32aの後方に形成される。
【0055】
上述したように、パネルボディ21はプレートカバー32のカバー側露出窓61bに隙間なく嵌まるから、係止爪24aが係止孔13から外れてパネルブロック20が前方に移動すると、落下防止突起25の前面がプレートカバー32の前壁32aの後面に当接し、パネルブロック20の床への落下が防止される。
【0056】
ここに、パネルブロック20を埋込ブロック10に対して着脱する際に落下防止突起25がパネルブロック20の着脱を阻害しないように、プレート枠31の前板31aには、落下防止突起25に対応する位置に切欠孔62が形成される。すなわち、プレートカバー32をプレート枠31から取り外せば、プレート枠31を埋込ブロック10から外すことなく(プレート用ねじを外すことなく)、パネルブロック20を埋込ブロック10に対して着脱することができる。
【0057】
上述のように、本実施形態では、パネルブロック20を後方に移動させるだけでパネルブロック20を埋込ブロック10に取着することができ、落下防止紐を備える従来構成よりも監視制御装置を壁に取り付ける施工工事が容易である。また、プレートカバー32を前方に引っ張ってプレート枠31から取り外した後、パネルブロック20を前方に引っ張って埋込ブロック10から外すことで(プレート枠31を埋込ブロック10から外すことなく)パネルブロック20の点検、修理を行うことができ、メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0058】
上述の構成例では、落下防止突起25をパネルボディ21の上下の周面にそれぞれ突設した例を示したが、パネルボディ21の左右の周面にそれぞれ突設することもできる。係止爪24aが係止孔13から外れた場合、パネルブロック20は、上部がプレートカバー32に倒れかかるから、落防止突起24をパネルボディ21の上下の周面にそれぞれ突設する構成では、主に上面に形成した落下防止突起25によりパネルブロック20の落下が防止される。落下防止突起25をパネルボディ21の左右の周面にそれぞれ突設した場合、パネルブロック20が倒れ掛かる力を分散して受けることができ、より確実にパネルブロック20の落下を防止することができる。
【0059】
また、落下防止突起25をパネルボディ21の上下左右の周面にそれぞれ形成して、落下防止突起25をパネルボディ21の上下と左右の周面のうち一方に形成した構成よりも、パネルブロック20がプレートカバー32に倒れ掛かる力をより分散して受ける構成とすることもできる。
【0060】
さらに、落下防止突起25をパネルボディ21の周面に全周に亘って形成し、落下防止突起25をパネルボディ21の上下左右の周面にそれぞれ形成した構成よりも、パネルブロック20がプレートカバー32に倒れ掛かる力をより分散して受ける構成とすることもできる。
【0061】
また、上述の構成例では、落下防止突起25とプレートカバー32の前壁32aとの間に隙間を設け、係止爪24aが係止孔13から外れてパネルブロック20が前方に移動したときに落下防止突起25がプレートカバー32の前壁32aに当接する例を示した。これに対して、落下防止突起25の前面がプレートカバー32の前壁32aの後面に常に当接する構成を採用することもできる。この構成では、落下防止突起25とプレートカバー32の前壁32aとが当接することにより埋込ブロック10におけるパネルブロック20の保持が補助され、係止爪24aが係止孔13から外れることを抑制してパネルブロック20の落下を防止することができる。
【0062】
ところで、プレート枠31におけるプレートカバー32の保持力を高め、パネルブロック20の落下をより確実に防止できるように、プレートカバー32の周壁32bの内側面にスナップフィット嵌合用の装着爪を突設し、プレート枠31の保持片31bに装着爪が嵌まる装着孔を貫設した構成を採用することができる。この場合には、プレートカバー32を前方に引っ張ることでプレートカバー32をプレート枠31から取り外すことができるように、装着爪を、係止爪24aと同様な三角形状に形成する。
【0063】
なお、本実施形態では、プレート枠31を金属材料で形成し、プレートカバー32を合成樹脂材料で形成した例を示したが、プレート枠31を合成樹脂材料で形成することもできるし、また、プレートカバー32を金属材料で形成することもできる。
【符号の説明】
【0064】
10 埋込ブロック
13 係止孔(被係合部)
20 パネルブロック
24a 係止爪(係合部)
25 落下防止突起
31 プレート枠
31a 前板
31b 保持片
32 プレートカバー
32a 前壁
32b 周壁
51 タッチスイッチ(操作入力部)
52 液晶表示器(表示器)
61a 枠側露出窓
61b カバー側露出窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信によって複数の負荷の監視制御を行う遠隔監視制御システムに用いられ、表示画面を有する表示器と、操作入力を受け付け複数種類の入力情報を入力できる操作入力部と、負荷の状態を表示器に表示させるとともに入力情報を負荷の制御を指示する制御情報とする制御部と、複数の負荷を監視制御対象として通信コマンドを伝送する通信回路部とを備えた監視制御装置であって、施工面に形成された施工孔に後部を収める形態で施工面に固定された埋込ブロックと、表示画面が前面側に露出するように表示器を保持し埋込ブロックに設けられた被係合部と前後方向において重なる係合部を有し前方より埋込ブロックの前面に近づけて埋込ブロックに着脱自在に取着されるパネルブロックと、パネルブロックの前面を露出させる枠側露出窓が開設された前板とパネルブロックにおける前面に交差する周面を囲む保持片とを有し施工面に対して定位置に固定されるプレート枠と、プレート枠の前板の前面を覆うとともにパネルブロックの前面を露出させるカバー側露出窓が開設された前壁と保持片に対向する形態でプレート枠を囲む周壁とを有しプレート枠に前方より嵌着されるプレートカバーとを備え、カバー側露出窓は、パネルブロックが隙間なく嵌まる形状に形成され、パネルブロックの周面におけるプレートカバーの前壁の後方となる部位には、落下防止突起が突設されていることを特徴とする監視制御装置。
【請求項2】
前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの上下の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの左右の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記施工面は、壁面であって、前記落下防止突起は、前記パネルブロックの上下および左右の周面にそれぞれ突設されていることを特徴とする請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項5】
前記落下防止突起は、前記パネルブロックの周面に全周に亘って形成されることを特徴とする請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項6】
前記落下防止突起の前面は、前記プレートカバーの前壁の後面に当接していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の監視制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−199897(P2010−199897A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41511(P2009−41511)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】