直下型バックライト装置および液晶表示装置
【課題】エネルギー効率を高めることができる、輝度むらを低減でき、組み立てが容易なバックライト装置。
【解決手段】蛍光ランプと反射板と光拡散板とを備える直下型バックライト装置であって、蛍光ランプのフィラメント部はエミッタとを備え、エミッタを予熱する予熱回路を備え、蛍光管は直線な部分(a)、及びそれと非平行な部分(b)を有し、部分(a)の外寸を光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の面領域X上には、法線方向の光量を制御する、直線部と略平行方向な光制御部(A)が設けられ、領域Xにおける法線方向の透過率が、領域Xの中間位置の透過率より1%以上低く、部分(b)の外寸を光拡散板に垂直に投影した領域を含む光出射面に、法線方向に沿って出射する光の量を制御する、直線部と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、光制御部(A)が伝熱機能を有し、光制御部(B)が熱拡散機能を有する装置。
【解決手段】蛍光ランプと反射板と光拡散板とを備える直下型バックライト装置であって、蛍光ランプのフィラメント部はエミッタとを備え、エミッタを予熱する予熱回路を備え、蛍光管は直線な部分(a)、及びそれと非平行な部分(b)を有し、部分(a)の外寸を光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の面領域X上には、法線方向の光量を制御する、直線部と略平行方向な光制御部(A)が設けられ、領域Xにおける法線方向の透過率が、領域Xの中間位置の透過率より1%以上低く、部分(b)の外寸を光拡散板に垂直に投影した領域を含む光出射面に、法線方向に沿って出射する光の量を制御する、直線部と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、光制御部(A)が伝熱機能を有し、光制御部(B)が熱拡散機能を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型バックライト装置および液晶表示装置に関し、特に、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、かつ長寿命化を図ることができる直下型バックライト装置および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置用のバックライト装置としては、例えば、互いに略平行に配置された複数本の線状光源と、これらの線状光源からの光をその表面で反射する反射板と、線状光源からの直射光および反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板とを備えるものが広く用いられている。線状光源としては、バックライト自体の薄型化を図ることができる観点から、通常は、管の外径が小さい(外径が4mm未満)冷陰極管(CCFL)が利用されている。しかしながら、近年では、CCFLに比べてそのエネルギー効率が高いことから、CCFLに比べてその外径の大きな熱陰極管ランプ(HCFL)を線状光源として用いた直下型バックライト装置も開発されている。
【0003】
しかしながら、HCFLを用いた直下型バックライト装置では、線状光源の外径が従来に比べて大きくなるため、従来と同じ厚みの直下型バックライト装置を作成すると、HCFLと光拡散板の距離が近くなるため、光拡散板の光出射面において、HCFLを投影した箇所では他の箇所に比べてその輝度が大きくなり、発光面に輝度むらが生じるという問題があった。そこで、例えば、特許文献1には、直下型バックライト装置において、光入射面において線状光源(例えばHCFL)を投影した箇所に、他の箇所よりも厚みの大きい光抑制部を設けて、発光面の輝度むらを低減させる技術が開示されている。
【0004】
ところで、陰極管を直下型バックライト装置に用いる場合は、部品点数を減らし、組み立てを容易にするため、及び、発熱の大きい電極を減らし、バックライト全体の発熱量を小さくし、よりエネルギー効率を向上するため等の目的から、U字型やN字型など、直線部を屈曲部でつなぎ、複数本の直管状の線状光源を一本にまとめた形状の陰極管を使用することが知られている。これを、上記のHCFLに用いた場合にも、同様に組み立ての容易化、エネルギー効率の向上等の効果は得られるものの、屈曲部の発光体密度が、直線部より高くなることに基づく輝度むらが特に大きく発生してしまうという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特開2007−95484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、組み立てが容易なバックライト装置、およびそのバックライト装置を用いた液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意検討したところ、蛍光ランプの直線な部分の外形を光拡散板に垂直に投影した領域と、蛍光ランプの非平行な部分を光拡散板に投影した領域にそれぞれ機能の異なる光制御部を設けることにより、輝度むら低減と組み立ての容易さとを実現できることを見いだし、本願発明を完成した。
【0008】
本発明によれば、蛍光ランプと、前記蛍光ランプからの光をその表面で反射する反射板と、前記蛍光ランプからの直射光および前記反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板と、を備える直下型バックライト装置であって、
前記蛍光ランプは、蛍光管と、前記蛍光管の少なくとも一方の端部に設けられるフィラメント部とを備え、
前記フィラメント部は、フィラメントと、このフィラメントの外周部分に設けられるエミッタとを備え、
当該直下型バックライト装置は、前記エミッタを、その表面温度が常時700〜950℃に維持されるよう予熱する予熱回路をさらに備え、
前記蛍光管の各々は、直線な部分(a)、及び前記部分(a)と非平行な部分(b)を有し、
前記直下型バックライト装置においては、複数の前記部分(a)は略平行に配列され、
複数の前記部分(a)の外寸を前記光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の少なくともいずれかの面内の面領域X上には、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられ、
前記光拡散板において、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、互いに隣接する前記領域Xの中間位置を中心とし、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さの領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向の透過率より低く、
前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む、光出射面内の面領域Z1、光入射面内の面領域Z2、および前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2の少なくともいずれかの領域に、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、
前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有することを特徴とする直下型バックライト装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記直下型バックライト装置と、この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備え、前記液晶セルがVAモードまたはIPSモードである液晶表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の直下型バックライト装置は、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、組み立てが容易なバックライト装置とすることができ、エネルギー効率が高く、輝度むらが少なく、組み立てが容易な液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る直下型バックライト装置100の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示す装置100の断面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の直下型バックライト装置100は、複数本の蛍光ランプ102と、蛍光ランプ102から出射された光を表面101Aで反射する反射板101と、蛍光ランプ102からの直射光および反射板101からの反射光を拡散照射する光拡散板131と、蛍光ランプ102を発光させるための安定器140と、光拡散板131を支持する支持ピン2300(図1において不図示)とを備えている。
【0013】
(蛍光ランプ)
蛍光ランプ102は、熱陰極管ランプ(HCFL)であることが好ましい。このような構成とすることにより、エネルギー効率の高い直下型バックライト装置とすることができる。また、蛍光ランプ102は、発光効率が60(lm/W)以上であることが好ましい。発光効率をこの範囲とし、且つ隣り合う蛍光ランプ102の直線部の中心間の距離を、後述する好適な範囲とすることにより、蛍光ランプ102の使用本数が減ることから、直下型バックライト装置の消費電力を低減できるとともに、当該装置の組み立てを容易にできる。
【0014】
図3は、蛍光ランプおよび安定器の構成を模式的に示す上面図である。図3に示す通り、蛍光ランプ102は、U字型円筒状のガラス管である蛍光管110と、蛍光管110の両端部にそれぞれ設けられるフィラメント部(電極)120とを備えている。蛍光管110は、直線な部分(a)として、直線部110Sを有し、また、それらの一端同士連結する、部分(a)と非平行な部分(b)としての、屈曲部110Cを有している。蛍光管110は、直線部110Sでのガラス管の光線透過率(ガラス管の光出射側に印刷等の光透過抑制部が設けられている場合には、ガラス管と光透過抑制部の両方を含む部材の光線透過率を、「ガラス管の光線透過率」とする)が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。直線部110Sでのガラス管の光線透過率を前記好適な範囲とすることにより、ランプからの光を効率良く取り出すことができる利点がある。なお、蛍光管110の光線透過率は、同じ材質のガラスを板状にして、日本電色工業株式会社製 濁度計NDH2000により測定できる。また、蛍光管110の直線部110Sの長さは、700mm以上であることが好ましく、直線部の長さ700mmの蛍光管を用いた場合において、その直線部の両端を支持した際に撓みが2mm以上生じないことが好ましい。
【0015】
本発明において蛍光管の直線な部分(a)とは、バックライト装置における全ての蛍光管のうち、合計すると全長の50%以上を占める、略平行(±5°以内)に延びる直線部分とすることができる。又は、バックライト装置の長手方向に略平行な部分とすることができる。図3に示す蛍光管110の場合、その直線部110S(部分(a))と屈曲部110C(部分(b))との境界は、図4に示す通り、点116P1を通り110Sと垂直な面で区切ることができる。ここで、点116P1は直線部110Sの内側の線116Aと、蛍光管110の内側の湾曲の接線116Bとの交点であり、線116Aと116Bとがなす角θ110は5°である。
【0016】
本実施形態において、蛍光管110は、蛍光管の長さ方向に垂直な面で切断した断面が円状であるガラス管と、ガラス管の内面に設けられた蛍光層とを備えている。蛍光層としては、公知の蛍光材料を用いて塗布等により形成できる。
【0017】
蛍光管110は、蛍光管の長さ方向に垂直な面で切断した断面は、本実施形態の円状ものに限らず、例えば、輝度むらを低減させる観点から、円の一部を扁平化した形状や楕円形状等の扁平円形状とすることもできる。蛍光管の外径(管径)は、4.0〜25.5mmであることが好ましく、6.0〜20.0mmであることが好ましく、8mm〜15.5mmであることがさらに好ましい。外径を前記好適な範囲とすることにより、バックライト装置自体の薄型化を図ることができるとともに、フィラメント部120近傍(管壁温度)が高温(例えば150℃超)になることによる光拡散板131の熱劣化を抑えることができ、十分な輝度を奏することができるという利点がある。また、蛍光管110のガラス管の管厚(厚み)は、0.3〜1.5mmとすることが好ましく、0.4〜1.0mmとすることがより好ましく、0.5mm〜0.7mmとすることがさらに好ましい。管厚を前記好適な範囲とすることにより、蛍光管110の両端部近傍が暗くなることを防止できて、発光面の輝度むらを低減できる利点がある。
【0018】
フィラメント部120は、安定器140からの電流を受けて、一方のフィラメント部120から他方のフィラメント部120に向けて電子放出を行う部材である。フィラメント部120に供給される予熱電流は、100〜1000mAであることが好ましい。予熱電流を上記好ましい範囲とすることにより、フィラメントに塗布されているエミッタの消耗を抑制することができ、電極寿命を伸ばすことができる利点がある。
【0019】
フィラメント部120は、タングステン等からなるフィラメント122と、フィラメント122の外周部分に塗布等により設けられるエミッタ124とを備えている。
エミッタ124は、フィラメント122からの電子放出を容易にするための部材である。エミッタ124を構成する材料としては、例えばアルカリ土類金属の酸化物を用いることができ、具体的には、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、および酸化バリウム(BaO)等を挙げることができる。
【0020】
フィラメント部120は、常時、すなわち、液晶表示装置に画像が表示されている時に予熱されており、この際、エミッタ124の表面温度が常時700〜950℃に維持されている。バックライトの蛍光ランプは調光時やブリンキングモード時などの高速点滅(0.1秒以下の点滅)に対応し、消灯する時があるが、そのような時でもフィラメント部120は予熱されている。このような予熱を行うことにより、蛍光ランプ102の長寿命化を図ることができる。ここで、フィラメント部120を常時予熱した場合には、例えば、ガラス管の外径が8.0mmの場合には、フィラメント部が約140℃となり、蛍光管110の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。また、ガラス管の外径が15.5mmの場合には、フィラメント部が約120℃となり、直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となることが分かっている。このため、光拡散板には局所的な加熱が加わることなるが、この加熱による問題は後述するように光拡散板の構成を工夫し、光拡散板の別の領域に熱を逃がすことにより解決可能である。なお、前記予熱を行わない場合には、管径が8.0mmの場合には、フィラメント部が約100〜110℃となり、蛍光管の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。また、管径が15.5mmの場合には、フィラメント部が約80℃となり、蛍光管の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。
【0021】
上記フィラメント部の予熱を達成する構成として、本発明の直下型バックライト装置は、蛍光ランプを発光させる回路の一部として、予熱のための電流を供給するための回路を備える。
【0022】
また蛍光ランプの屈曲部を光拡散板に投影した領域では、光拡散板近傍の熱源が多くなるために、光拡散板の他の領域よりも、2〜10℃温度が高くなる場合がある。この加熱による問題は後述するように光拡散板の構成を工夫し、バックライトの別の部分に熱を逃がすことにより解決可能である。
【0023】
蛍光ランプ102の使用本数は、限定されない。例えば、本発明の直下型バックライト装置を32インチの液晶表示装置に用いる場合には、蛍光ランプの数としては、例えば、1〜16本とすることができ、目標輝度、目標消費電力に応じて適宜決めることができる。
【0024】
また蛍光ランプ102の形状も、限定されない。例えば、前記のU字状以外にも、一本の蛍光ランプ内に直線部が3個と屈曲部が2個あるN字状、直線部が4個と屈曲部が3個であるW字状などを使用することも出来る。具体的には、下記の形状の蛍光ランプを用いうる。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の直線部、及び前記部分(b)としての、前記2本の直線部の一端同士を連結する屈曲部を含むU字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の直線部(イ)及び(ロ)、及び前記直線部(イ)及び(ロ)と平行に延長し、前記直線部に平行な1本の部分(ハ);並びに前記部分(b)としての、前記直線部(イ)の一端と前記部分(ハ)の一端とを連結する屈曲部(ニ)、及び前記直線部(ロ)の一端と前記部分(ハ)の他の一端とを連結する屈曲部(ホ)を含むN字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長する2本の直線部(ヘ)及び(ト);並びに前記部分(b)としての、前記直線部(ヘ)の一端と直線部(ト)の一端とを連結する部分(チ)、及び前記直線部(ヘ)の他の一端と直線部(ト)の他の一端とを連結する部分(リ)とを含む、正方形の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(b)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の部分(ヌ)及び(ル);並びに前記部分(a)としての、前記2本の直線部の一端同士を連結する1本の部分(ヲ)を含むU字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
【0025】
本実施形態では、複数の蛍光ランプ102の直線部は、互いに略平行に配置されている。隣接する他の蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸間の平均距離は略一定である。なお、略平行とは、真に平行な状態から±5度以内の範囲内にあることをいう。ただし、複数の蛍光ランプの直線部は、その全てを平行に配置しなくてもよい。また、隣接する蛍光ランプの直線部の中心軸間の平均距離は、ランダムであってもよいし、特定の箇所に向かうに連れて連続的または段階的に大きくもしくは小さくなるような規則性を持たせてもよい。ここで、特定の箇所とは、例えば、矩形状の光拡散板の一方の長辺側や、対向する短辺の中心位置同士を結んだ線を含む中心箇所などである。
【0026】
隣接する蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸間の平均距離は、60mm〜300mmとすることができ、70mm〜250mmであることが好ましい。前記平均距離を上記範囲とすることにより、直下型バックライト装置での消費電力を低減でき、当該装置の組み立てが容易で、かつ発光面の輝度むらを抑えることができる。
【0027】
蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸116Gと、光拡散板131の光入射面131Bとの平均距離b(mm)(図2中の矢印bの長さに相当する距離)は、直下型バックライト装置の厚みや蛍光ランプの径、輝度均斉度を考慮して設計すればよいが、2mm〜35mmとすることができ、3mm〜30mmであることが好ましい。前記平均距離bを上記範囲とすることにより、輝度むらを低減でき、かつランプの発光効率の低下を防ぐことができて、直下型バックライト装置を薄型化できる。本実施形態では、複数の蛍光ランプ102は、光入射面131Bとの平均距離bがすべての蛍光ランプでほぼ一定となるように配置されている。なお、ほぼ一定とは、それぞれのランプにおいて平均距離bを求めた場合において、それら全ての平均距離bについて、平均距離bの最大値/平均距離bの最小値≦1.3である。ただし、一部の蛍光ランプが他の蛍光ランプよりも光入射面131Bに近接するように、複数の蛍光ランプを配置してもよい。例えば、ランダムであってもよいし、特定の箇所に向かうに連れて大きくもしくは小さくなるような規則性を持たせてもよい。ここで、特定の箇所とは、例えば、矩形状の光拡散板の長辺側や、対向する短辺の中心位置同士を結んだ線を含む中心箇所などである。
【0028】
安定器140は、商用電源からの交流電流を整流してフィラメント部120に所定の電流を供給し、フィラメント部120からの電子放出を促す部材である。本実施形態の安定器140は、瞬時の発光を可能にするバラストチョークインバータ(図示略)である。
【0029】
本発明の装置において、蛍光ランプを複数配置する場合は、その直線な部分(a)が平行となるよう配置される。各蛍光ランプから光拡散板への距離及び各蛍光ランプから反射板への距離が等しくなるよう配置することが好ましい。さらに、図6に示す態様のように、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の長辺と略平行であり、電極はバックライト装置の短辺のどちらか一方にそろっている状態とすることにより、装置の製造を容易にしたり、配線を簡略化することによる装置の小型化を達成したりすることが可能となる。一方、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の長辺と略平行であり、電極が交互になるように蛍光管を配置した場合は、放熱がより容易であるという観点から好ましい。また、図25に示す態様のように、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の短辺と略平行であり、電極はバックライト装置の長辺のどちらか一方にそろっている状態とした場合は、蛍光ランプの本数が多くなるが、電極を有する辺が、ディスプレイ装置を使用するに当たり上側に来るようにバックライト装置を配置することで、装置外への放熱がより容易になるという観点から好ましい。
【0030】
(支持ピン)
支持ピン2300は、反射板101と光拡散板131との間に、すなわち反射板101上に配置され、光拡散板131が撓まないように支持するピン状の部材である。支持ピン2300の配置のより詳細な例を、図6に示す。図6においては、本実施形態では、あるフィラメント部120Aの近傍に2つの支持ピン2330A及び2330Bが配置されている。一本の支持ピン2300のより詳細な例を、図23に示す。本実施形態では、支持ピン2300は、底部直径2332より上部直径が若干小さい円錐台形状にさらに半球を載せた形状の当接面としている。これに限定されず、球の一部、楕円の回転体やそれの一部、多面体等の他の形状とすることができる。また、支持ピン2300の高さ2331は、反射板と光拡散板との所望の距離に合わせて適宜調整することができる。
【0031】
ここで、エミッタに最も近い支持ピン2330Aと前記フィラメント部120を構成するエミッタとの距離は、250mm以内であることが好ましく、200mm以内であることがより好ましい。その理由について以下に説明する。ここで、前記エミッタを常時予熱することにより、蛍光管のフィラメント部近傍でのガラス管の表面温度が100℃以上となる。このため、フィラメント部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。従って、上記好適な範囲で支持ピンを配置することにより、フィラメント部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生を抑えることができる。
【0032】
さらに、装置内の支持ピンのうち任意の1つの支持ピンを選んだ際に、この支持ピンと、この支持ピンに最も近接する他の支持ピンとの距離は200mm以内であることが好ましく、150mm以内であることがより好ましい。前述したように、フィラメント部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。このため、フィラメント部近傍において、支持ピン間の距離を上記好適な範囲とすることにより、フィラメント部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生をさらに抑えることができる。
【0033】
なお、支持ピン2300とエミッタとの距離とは、光拡散板の光入射面に当接する支持ピン先端の当接面における重心位置(図23に示す例では、円2333の中心)と、エミッタを光入射面に垂直に投影した位置との最短距離のことである。また、支持ピン間の距離とは、各支持ピン先端の当接面の重心位置同士の距離のことである。なお、図6に示す本実施形態では、19個の支持ピン2300を備えて直下型バックライト装置を構成したが、支持ピンはこれより多くても少なくてもよい。また、支持ピンは蛍光管の撓みを防止する蛍光管ホルダーの機能を同時に有していても良いし、有していなくてもよい。
【0034】
さらに、前記屈曲部の重心と、前記屈曲部に最も近いピンとの距離は、250mm以内であることが好ましく、200mm以内であることがより好ましい。その理由について以下に説明する。ここで、屈曲部では光拡散板近傍の熱源が増えることにより、光拡散板の表面温度が100℃以上となる。このため、屈曲部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。従って、上記好適な範囲で支持ピンを配置することにより、屈曲部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生を抑えることができる。
【0035】
前記屈曲部重心と、前記屈曲部に最も近いピンとの距離とは、光拡散板131の光入射面に当接する支持ピン先端の当接面における重心位置と、屈曲部重心を光入射面に垂直に投影した位置との最短距離のことである。
【0036】
(反射板)
反射板101の形状としては、通常平板状であるが、発光面の輝度むらをより一層低減する観点から、反射板101における蛍光ランプの直線部間に相当する領域に、光拡散板側へ突出する突起部が設けられていてもよい。この突起部は、複数の蛍光ランプの長手方向に沿って延びていてもよい。この際、突起部は、隣接する蛍光ランプの略中間の位置に設けられることが好ましいが、蛍光ランプ102の背面に設けてもよい。さらに、突起部の短手方向における断面形状は特に限定されないが、二等辺三角形、等脚台形、円形を切断した形状、楕円形を短軸に平行な線分で切断した形状、楕円形を長軸に平行な線分で切断した形状、下に凸の曲線を線対象になるように連ねた形状、上に凸の曲線を線対称になるように連ねた形状等を挙げることができる。これらの形状の頂点部分は、尖っていてもよいし、丸みを帯びていてもよい。輝度むらを低減できる観点、および製造の簡便さの観点からは三角形状であることが好ましい。また、突起部の断面形状は、光拡散板の厚み方向に垂直な線分に対して線対称であることが好ましい。このような構成とすることにより、光拡散板の光出射面での輝度むらを抑えることができる。前記突起部は畝状に連続的でも、垂体の連なりのように断続的でもよいが、輝度均斉度がより向上できることから連続的であることが好ましい。
【0037】
前記突起部の設置方法としては、突起部の付いた金属フレームを白色または銀色で塗装する方法、突起部の付いた金属フレームに白色または銀色の反射シートを貼り付ける方法、白色または銀色の平坦な反射シートを折り曲げて平坦な金属フレームに設置する方法、白色または銀色の樹脂を所定の形状の金型を用いて成形する方法、等を挙げることができる。
【0038】
反射板101を構成する材質としては、白色または銀色に着色された樹脂、および金属等を用いることができ、軽量化の観点から樹脂が好ましい。また、反射板101の色は、輝度均斉度を向上できる観点から、白色であることが好ましいが、輝度と輝度均斉度を高度にバランスさせるため、白色と銀色とを混合したものとしてもよい。
【0039】
(光拡散板)
光拡散板131は、蛍光ランプ102からの直射光および反射板101の表面からの反射光を拡散して出射させる板材である。光拡散板131を構成する材質としては、ガラス、混合しにくい2種以上の樹脂の混合物、透明樹脂に光拡散剤を分散させたもの、および1種類の透明樹脂等を用いることができる。これらの中で、軽量であること、成形が容易であることから樹脂が好ましく、輝度向上が容易である点からは1種類の透明樹脂が好ましく、全光線透過率とヘーズの調整が容易である点からは透明樹脂に光拡散剤を分散させたものが好ましい。
【0040】
前記透明樹脂とは、JIS K7361−1に基づいて、両面平滑な2mm厚の板で測定した全光線透過率が70%以上の樹脂のことであり、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、芳香族ビニル単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、アクリル樹脂、および脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸のことである。
【0041】
光拡散板131の厚みは、0.4〜5.0mmであることが好ましく、0.8〜4.0mmであることがより好ましい。光拡散板の厚みを上記好適な範囲とすることにより、自重による撓みを抑えることができるとともに、成形の容易化を図ることができる。また、光拡散板131の光入射面131Bと反射板101の表面との距離は、直下型バックライト装置の薄型化の観点から、100mm以内であることが好ましく、40mm以内がより好ましく、25mm以内がさらに好ましい。
【0042】
光拡散板131は、その残留応力が10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、3MPa以下であることがさらに好ましい。ここで、光拡散板の残留応力は下記の通りに求めることができる。すなわち、まず、1枚の光拡散板から100×10mm短冊状のサンプルを切り出す。次に、前記サンプルの表面(例えば、面内にゲートを有する射出成形機により光拡散板を成形した場合には、そのゲート側の面)を水で冷やしながら、サンドペーパーで研磨する。1mm研磨した後に、下記式(1)を用いてその歪み量εを求める。歪み量の算出にあたり、サンプルの厚みt(mm)をダイヤルゲージによる3点測定により測定し、研磨後のたわみ量δ(mm)を測定し、サンプルの長手方向の長さl(mm)を測定する。残留応力は、前記歪み量εとサンプルの弾性率Eを用いて、下記式(2)により求めることができる。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】
前述した通り、エミッタを常時予熱することにより、光拡散板の光入射側の面の特にフィラメント部近傍が高温にさらされることになる。また屈曲部を有することで、光拡散板の光入射側の面の特に屈曲部近傍が高温にさらされることになる。ここで、光拡散板の残留応力が大きい場合には、熱によりフィラメント部近傍と、屈曲部近傍と、蛍光管の直線部分の中間位置との間とでは形状変化の仕方に差異が生じる可能性があり、この場合には光拡散板が波うち形状となって輝度むらが生じ得る。このため、光拡散板の残留応力を上記好適な範囲とすることにより、形状変化等による輝度むらの発生を抑えることができる。
【0046】
また、光拡散板131は、面内での残留応力の最大値Emaxと、当該面内での残留応力の最小値Eminとの差(Emax−Emin)が10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下がより好ましく、3MPa以下がさらに好ましい。前述した通り、光拡散板の光入射側の面が高温にさらされることになる。ここで、光拡散板の面内での残留応力差が大きい場合には、場所により変形の仕方が異なることにより光拡散板が波うち形状となって、輝度むらが生じ得る。このため、光拡散板の残留応力差を上記好適な範囲とすることにより、形状変化等による輝度むらの発生を抑えることができる。
【0047】
また、光制御部は、赤外線反射および/または屈折する機能をさらに有することが好ましい。本実施形態では、入射側光制御部として凹凸構造を用いているが、この凹凸構造によれば赤外線を屈折させることが可能である。
【0048】
前述した通り、エミッタを常時予熱することにより、フィラメント部近傍から発せられる赤外線の量が増加することとなる。このため、上記機能を有する入射側光制御部を用いることにより、直下型バックライト装置内で赤外線の量が均一化し、これにより、液晶パネルの温度分布を均一化し、表示むらを抑えることができる。なお、赤外線量の測定には、例えば、相馬光学社製Fastevert S−2400により求めることができる。具体的には、直下型バックライト装置の光出射側において、光拡散板の主面の法線方向における波長800〜900nmの赤外線の発光量を各箇所において測定して求めることができる。
【0049】
ここで、赤外線量が均一化されているとは、測定した波長800〜900nmの赤外線のうち、ピークを示す波長での発光強度をそれぞれ求め、蛍光ランプのフィラメント部を光入射面に垂直に投影した位置での前記発光強度αと、隣接する蛍光ランプの同じ側のフィラメント部の中間位置を光入射面に垂直に投影した位置での発光強度βとを比較し、β/α≧0.45、好ましくはβ/α≧0.50、より好ましくはβ/α≧0.55となることである。
【0050】
次に、光拡散板の入射面及び出射面に設けられる凹凸などの構成について説明する。
図6は、本実施形態の直下型バックライト装置を、出射面を水平に上向きに置いた状態を示す上面図である。蛍光管110の直線部(部分(a))と屈曲部(部分(a)と非平行な部分(b))との境界(図3における110Dに対応する線)は線610Dで示される。本実施形態の場合、屈曲部の外寸を光拡散板631の光入射面に垂直に投影した領域を含む、光入射面内の辺631W1及び線631Cで囲まれた矩形の領域(面領域Z2)、及び直線部の外寸を光入射面に垂直に投影した領域(面領域X:図6においては、蛍光管110を示す線で囲まれる領域のうち、線610Dより左側に図示される部分と一致する)の大部分を含む、辺631W2及び線631Cで囲まれた矩形の領域が規定される。
【0051】
面領域Xについて、図2を参照してさらに説明すると、本実施形態における面領域Xは、蛍光管直線部の軸116SAの外寸を光拡散板に垂直に投影した線116UA1及び116UA2で囲まれる領域、及び軸116SBの外寸を光拡散板に垂直に投影した線116UB1及び116UB2で囲まれる領域となる。
【0052】
図6に戻って、本実施例において、光拡散板の入射面内の辺631W2〜631Cの領域における前記面領域X上では、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記直線部と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられる。当該光制御部(A)の具体的構成としては、前記光入射面の表面に形成された、算術平均粗さRaが3〜1000μmの凹凸構造、又は前記光入射面上に設けられた印刷層とすることができる。かかる構成を有することにより、光拡散板から法線方向に沿って出射する光の量を制御することができる。
【0053】
光制御部(A)としての凹凸構造としては、より具体的には、蛍光管の部分(a)と略平行に延長するシリンドリカルレンズ成分、又は三角プリズム等の線状プリズム成分を並べたプリズム条列等の凹状または凸状の溝成分の構造を挙げることができる。そのようなプリズム条列の一例を、図7を参照して説明する。図7は、図6で示す光拡散板を、辺631W2側から観察した場合の部分立面断面図である。光拡散板の光入射面631Bにおいては、断面が二等辺三角形であり、隙間無く敷き詰められ辺631L方向と略平行(即ち蛍光管の部分(a)とほぼ平行)に延長するプリズム条列が形成されている。このプリズムの頂角662Tを、面領域X上とその他の領域とで異なるものとすることにより、光拡散板から法線方向に沿って出射する光の量を、制御部(A)を有しない拡散板のそれに比べて少なくするよう制御することができ、合わせて、光拡散板全体における輝度ムラをも低減することができる。
【0054】
光制御部(A)としての凹凸構造としては、上述のもののほかに、四角錘又は四角錘が反転した形状のくぼみ等の他の凹凸であって、その斜面の一部として前記プリズム条列が有するものと同様の向き及び角度を有するものを用いることもできる。
【0055】
一方、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さ(後述する通り、光制御部(A)の長さは、領域Xの長さより短いものとすることができる)の領域は、本発明において領域Yとされる。図2の例では、蛍光管直線部116SA及び116SBとの中点を通り光拡散板に垂直な線116Mと光拡散板の入射面との交点を中心とし、領域Xと同じ幅の領域が、本発明における領域Yとされる。
【0056】
本発明においては、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、前記領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向(図2に示す例においては矢印115Aの方向)の透過率より低く、1%以上低いことが好ましい。ここで、「1%以上低い」とは、領域Yの光線透過率の%値から、領域Xの光線透過率の%値を引いた差が1以上であることをいう。
【0057】
一方、本実施形態において、屈曲部の外寸を光拡散板631の光入射面に垂直に投影した領域を含む、光入射面内の辺631W1及び線631Cで囲まれた矩形の領域(面領域Z2)においては、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記直線部と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられる。
【0058】
本発明において、光制御部(A)は、必ずしも領域Xの全面に設けられていなくてもよく、その一部、好ましくは50%以上に設けられていればよい。具体的には例えば、図6に示す例においては、線610Dと線631Cで囲まれる領域中の領域Xには、光制御部(A)が設けられておらず、光制御部(B)が設けられているが、この場合でも本発明の効果を得ることができる。一方、光制御部(B)については、蛍光管の部分(b)(図3で示す例においては屈曲部110C)の外寸を光拡散板に垂直に投影した領域の全面を含んだ領域に設けることが好ましい。なお、光制御部(A)と光制御部(B)の境界部分には、光制御部(A)も(B)のどちらも設けられない箇所があってもよいが、この場合には、輝度むらを低減させる観点から、前記箇所の幅は5mm以下であることが好ましい。
【0059】
この点を、図5を参照して説明する。図5の点116P3は、図3における屈曲部110Cの直線状の部分116Xの軸116Fを側面から見た際の点に相当する。この点116P3を光拡散板131に垂直に投影した位置116P4を中心として、一方は線110D(直線部110Sと屈曲部110Cとの境界線)よりも直線部110S側まで達する位置まで、他方は光拡散板の縁までの領域を、光制御部(B)とすることができる。光制御部(B)が直線部110S側に延長する範囲は、例えば、116Cと角度θ116をなす線と、光拡散板との交点116P2まで光拡散部(B)を延長するものとして規定すると、θ116が45°までの範囲とすることができる。
【0060】
さらには、光制御部(A)及び(B)は、より輝度むらを低減させるために重なり合い存在していてもよい。その場合、その重なり合った領域では、その両方の性質を有する構造が設けられる。当該両方の性質を有する構造の一例として、例えば、後述する実施例5における、線1231C及び1231Dで囲まれる領域を挙げることができる。他の例として、後述する実施例20における領域2832、及び実施例21における光入光面の全面を挙げることができる。
【0061】
光制御部(B)の構造についても、光制御部(A)と同様の凹凸構造、又は前記光入射面上に設けられた印刷層等のうち、所定の機能を満たす構造を適宜選択することができる。
【0062】
光制御部(B)の一例について、図9を参照してさらに説明する。図3で示した蛍光管110の屈曲部の軸116Fを通り光拡散板に垂直な方向116Cと光拡散板とが交わる位置を中心として、長さ652A及び652Bの領域において、光制御部(B)としての三角プリズム663を構成することができる。ここで、三角プリズム663は、図7で説明したプリズム662と垂直な方向に延長している。
【0063】
本発明においては、前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有する。
【0064】
ここで、光制御部(A)の伝熱機能とは、当該制御部の延在方向の中心軸であって制御部の長さ全体にわたる線上で且つフィラメントに最も近い位置における光入射面の温度と、当該線上で装置の駆動時に最も温度が低い位置における光入射面の温度との差の値が、かかる光抑制部のない光拡散板(平板拡散板)を用いた場合における前記差の値よりも、0.5℃以上低くすることができる機能をいう。ここで、「フィラメント部を通り制御部の長さ方向全体にわたる線上で最も温度が低い位置」とは、具体的には例えば、図3に示すU字の蛍光管を用いる場合は、直線部110Sの長手方向の中央部分に対応する位置であり、図22に示すN字状の蛍光管を有する熱陰極管2210では、その直線部の軸2216G上であって、制御部(A)の長さ方向の端部を規定する線2231C1及び2231C2との中間の位置である。また、図28に示すように正方形状の蛍光ランプ2890を配置して用いる場合は軸2892B上の、図30に示すように正方形状の蛍光ランプ3090S1〜3090S5を配置して用いる場合は軸3091Q1〜3091Q10上のそれぞれにおける、フィラメントに最も近い場所及びフィラメントから最も遠い場所との温度の差を、上記温度差として測定することができる。
【0065】
蛍光管のフィラメント部近傍の温度は、120℃〜140℃と、光拡散板を構成する透明樹脂のガラス転移温度(Tg)を上回る温度であるため、フィラメント部近傍の板温度をわずかでも下げることにより、局所的なそりや黄変の防止、それらによる輝度むらの上昇を抑えることができる。
【0066】
一方、光制御部(B)の熱拡散機能とは、当該制御部の面内で装置の駆動時に最も温度が高い位置の温度が、光制御部(B)のない光拡散板(平板拡散板)を用いた場合における当該温度よりも0.5℃以上低くすることができる機能をいう。そのような最も温度が高い位置とは、例えば実施例1のようにU字管110(図3)を用いた場合であれば、屈曲部の軸116Fの中点116P3に対応する光拡散板上の位置が該当する。屈曲部近傍の光拡散板の熱を拡散することで蓄熱をわずかでも低減し、局所的な温度上昇を防止し、液晶パネルの局所的な表示不具合を解消することができる。さらに、本発明においては、このような伝熱機能を有する部分及び熱拡散機能を有する部分が互いに垂直に延在することにより、熱の発散をより効率的に行なうことが可能となる。
【0067】
上に述べた実施形態では、光制御部(B)を、光拡散板の光入射面内の面領域Z2に設けたが、本発明はこれに限られず、前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む光入射面内の面領域Z2、又は前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2に光制御部(b)を設ける(例えば、実施例10及び11に示すように、U字形の蛍光管の屈曲部に印刷を設ける)こともでき、またはこれらのうちの2以上に組み合わせて設けることもできる。
【0068】
光拡散板の光入射面及び光出射面のうち、光制御部(A)及び(B)を設けない側の面については、特に制限されないが、光制御部(A)及び(B)とは別に出射光の輝度及び輝度ムラを調整するプリズム条列、レンチキュラーレンズの条列等の凹凸構造などを設けることができる。
【0069】
(その他の好ましい要件)
本発明の直下型バックライト装置においては、蛍光ランプの外径、蛍光ランプの部分(a)(直線部)同士の間隔、及び反射板から拡散板までの距離は、上記の通りの好ましい範囲内で適宜調整することができるが、特に、(i)蛍光ランプの外径が10〜20mmであり、(ii)蛍光ランプの部分(a)(直線部)同士の間隔が60mm以上であり、かつ(iii)((蛍光ランプの外径)/(反射板から拡散板までの距離))の比が0.4以上0.9以下であるという3条件を全て満たした場合、消費電力に対するバックライトからの出光量の割合が特に高くなるため好ましい。蛍光ランプは単体で考えると、太いほうが、発光する面が多くなるため、発光効率(発光量/予熱分含む全消費電力)が高くなる。しかし直下型バックライト装置に組み込んだ場合、反射板および拡散板から反射される光が、蛍光ランプの蛍光体に吸収されてしまう。この吸収量はランプ径が小さい、ランプピッチが大きい、または反射板〜拡散板距離が大きい場合に少なくなる。それらの効果があいまった最適な範囲として、上記(i)〜(iii)の条件を満たす場合において、総合的な発光効率を特に高めることができる。
【0070】
(その他の構成要素)
本発明の直下型バックライト装置は、上記構成要素に加え、プリズムシート又は拡散シート等の光学シートを有することができる。これらの光学シートは、前記光出射面の光出射側に設けることができる。これらの光学シートにより、前記光出射面から出射した光の方向を当該光学シートの法線に平行となる方向へ近づけるように変換しうる。
【0071】
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、上記本発明の直下型バックライト装置と、この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備える。前記液晶セルは、VAモードまたはIPSモードのセルである。本発明の直下型バックライト装置は、放熱効果や耐久性に優れるため、本発明の液晶表示装置は、長期間駆動しても表示の乱れや装置の物理的歪みなどの不良が発生しにくい。
【実施例】
【0072】
以下において、実施例及び比較例を参照して本願発明をより詳細に説明するが、本願発明はこれらに限定されない。なお、以下において、物質の量比にかかわる「部」及び「%」は、別段断りがなければ質量比を表す。
【0073】
<実施例1>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0074】
(1−1:反射板)
内寸長さ1017mm、幅572mm、深さ25mmのアルミ製ケースの内面に反射シート(東レ社製、「E6SV」)を貼着することにより、反射板を作成した。
【0075】
(1−2:熱陰極管ランプ)
図3に概略的に示される形状の、コの字形のソーダライムガラスからなる蛍光管110及びフィラメント部120を有する熱陰極管ランプを準備した。蛍光管110は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。軸116G及び116Fに垂直な面における蛍光管110の断面は円形であった。蛍光管110の点線110Dより直線側の直線部110Sの管長は1020mmであり、これらは間隔116Gが90mmとなるように屈曲部110Cで接続されていた。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線116Fを有する直線状の部分116Xを有し、当該部分116Xの両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部110Sと連結されていた。蛍光管110の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント122上に、BaO、SrO、CaOを3:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)124を塗布付着した電極120を設置した。また、蛍光管110の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管110内には水銀と0.5kPaのアルゴンを封入した。
【0076】
(1−3:光拡散板)
所定形状の金型部品を射出成形機(型締め力9,810KN)に設置して、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」、(「ゼオノア」は登録商標、以下同じ))を原料として、シリンダー温度320℃、保圧50MPa、保圧時間3秒、金型温度130℃の条件下で射出成形し、図6中に概略的に示される光拡散板631を成形した。得られた光拡散板631は、厚み2mm、長さ(図6中の辺631L方向)1018mm×幅(図6中の辺631W1及び631W2方向)573mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、92%であった。
【0077】
図7は、図6に示す光拡散板631を、辺631W2側から見た部分側面図である。光拡散板631の一方の面631A(出射面として使用)には、頂角661Tが100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)661を、ピッチ(距離661W)70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、光拡散板631の長辺631Lの方向と略平行に形成した。
【0078】
一方、光拡散板631の他方の面631B(入射面として使用)には、辺631W1から60mmの線631Cを境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線631Cから辺631W2側には、図7に示すように、頂角662Tの異なる複数種類の三角プリズム662を、所定の混合割合で配置した。三角プリズム662はいずれも、光拡散板631の長辺631Lの方向と略平行に形成した。当該所定パターンについては後述する。
【0079】
光拡散板631の面631Bの、線631Cから辺631W1側には、図9に示す通り、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)663を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺631W1と略平行に形成した。後述する通り、バックライト装置を組み立てる際には、装置上面から見た際、辺631W1と線631Cとの中間に、蛍光管110の屈曲部110C中の直管部分110Xの中心線116Fが位置するよう(即ち距離652A及び652Bが均等になるよう)バックライト装置を構成した。
この光拡散板の面631Aを研磨し、残留応力を測定したところ、最大が1MPa、最小が0.3MPaであった。
【0080】
前記三角プリズム662のパターンについて、図8及び図34を参照して説明する。
光拡散板631を直下型バックライト装置に組み付けた状態において、熱陰極管ランプ610Aの中心616PAから隣接する熱陰極管ランプ610Bの中心616PBまでの距離の中間616Hと、点616PAとの間に相当する距離の区間を、17種のゾーンに分け、点616PAから近いものから順に616ZA〜616ZQとした。各ゾーンの範囲(図8における左右方向の距離)は図34に示す通りとした。光拡散板631の光入射面631Bの各ゾーンには、頂角140°から170°の三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を図34に示す混合割合で設けた。プリズムのピッチは全ゾーンいずれも70μmとした。なお、図8においては、簡略化のため線616Hの左側の領域のみについてゾーンわけを記載しているが、勿論線616の右側の領域にも、これと対称なゾーンが設けられる。
【0081】
図34中、A〜Qはそれぞれ領域616ZA〜616ZQを示す。図34の表記は、凹凸構造パターンの繰り返し単位における凸部の配置を示す。例えば領域616ZDの場合、頂角170°の三角形状の凸部が1つと、頂角160°の三角形状の凸部が3つ隣接している凹凸構造を一単位とし、この単位が繰り返されている構造を示す。
上記直下型バックライト装置において、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ、45%及び84%であった。
【0082】
(1−4:バックライト装置の組み立て)
前記(1−2)で得た熱陰極管ランプ3本を、前記反射板の内寸長さ方向に平行に取り付けた。屈曲部110Cは熱陰極管ランプ3本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部116Xの中心線116Fから直下型バックライト装置短辺側(図6に示す光拡散板631の辺631W1側に相当する側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離651A及び651B(図6)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心(610PA、610PB、図8)までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製、タフロンURZ2502、(「タフロン」は登録商標、以下同じ)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図6に示す位置に取り付けた。このときピンの位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部(図3における110S)の中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。
【0083】
図6において、これらのピン2300と、その他の部材の、上面から見た際の平面上の位置関係を示す。辺631W1と631W2との中間線671Dから線671Cへの距離及び線671Dから線671Eへの距離はいずれも100mmで、辺631W2と線671Gとの距離は100mm、辺631W2と線671Fとの距離は200mm、辺631W1と線671Aとの距離は100mm、辺631W1と線671Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンの距離616Kは約110mmである。またそのピンと一番近いピンの距離616Jは約134mmである。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図6に示す通り、辺631W1が熱陰極管ランプ110の屈曲部側に対応し、屈曲部110Cの直管部116Xの中心線116Fが、辺631W1と線631Cとのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板631を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプ110の中心と光拡散板631の光入射面631Bとの距離(図8における距離653)は15.25mmであった。
【0084】
さらに、この光拡散板631の光出射面631A側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0085】
次いで、得られた直下型バックライト装置について、予熱回路を調整して、フィラメント部に電流400mAで通電し、エミッタ表面温度を800℃となるように維持した。さらに点灯回路を調整し、両端のフィラメント間に400Vの電圧をかけて、熱陰極管ランプを点灯させた。点灯にかけた電圧による電流は150mAであった。
二次元色分布測定装置を用いて、図6の線671Dに沿って等間隔に100点の正面方向の輝度を測定し、下記に述べる輝度むら(縦)を求めた。中央の輝度の測定値は10000cd/m2であった。加えて、線116F上であって且つ屈曲部中の直管部116Xの中央部の輝度、及び当該部位から辺631W2に向かって50mm離れた位置の輝度を測定し、下記に述べる輝度むら(横)を測定した。
下記の数式1〜3に従って、正面方向の輝度平均値(正面輝度)LAと輝度むら(縦)LU1、輝度むら(横)LU2を得た。輝度むら(縦)は1.5%、輝度むら(横)は6.3%、であった。輝度が初期の50%になるまでの時間をバックライトの寿命としたとき、その寿命は60,000時間であった。それらの結果を図36に示す。
輝度平均値 LA=(L1+L2)/2 (数式1)
輝度むら(縦) LU1=((L1-L2)/LA)×100 (数式2)
L1:複数本設置された熱陰極管ランプ真上での輝度極大値の平均
L2:極大値に挟まれた極小値の平均
輝度むら(横) LU2=((L3-L4)/(L3+L4)/2)×100 (数式3)
L3:屈曲部の長さ方向の中間位置真上の輝度の平均
L4:屈曲部の長さ方向の中間位置から直線部と平行に50mm内側の真上の輝度の平均
【0086】
なお、輝度むらは、輝度の均一性を示す指標であり、輝度むらが悪いときは、その数値は大きくなる。
【0087】
光拡散板、プリズムシート、拡散シートを載せた状態で、赤外線の分布を相馬光学社製Fastevert S-2400により、測定した(波長843nm、熱陰極管ランプの電極より15mm離れたエミッタ直上位置での測定値αとし、その位置から光拡散板短辺に平行移動したランプとランプの中間位置での測定値βとする)。
α=0.040μW/(cm2・nm)、β=0.028μW/(cm2・nm)、β/α=0.70。このバックライトに液晶テレビ(シャープ社製 アクオスLC−46GX1W、(「アクオス」は登録商標、以下同じ))から取り出したVA型液晶パネルを載せて、100時間点灯しても特に表示に乱れはなかった。液晶テレビ(LG Electronics社製 HDTV Model :47LB5D)から取り出したIPS型液晶パネルでも100時間で表示に乱れはなかった。
また寿命試験中の光拡散板に反りは観察されず、電極付近での輝度むらが大きくなることもなかった。
【0088】
さらに、対照の光拡散板として、光入射面も光出射面も平板で凹凸構造も印刷も無い他は同一のものを作製し、上記光拡散板と置き換え、バックライト装置を駆動させ、表面の温度測定を行なったところ、本実施例の装置において光制御部は所定の伝熱機能及び熱拡散機能を有することが確認された。
【0089】
<実施例2>
予熱のためのフィラメント電流を500mAとし、エミッタ表面温度を820℃に維持した他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0090】
加えて、光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、エミッタ直上位置での温度が88℃であり、熱陰極管ランプ長手方向の中央部の直上位置では41℃であった。
光拡散板出射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、屈曲部の長さ方向の中間位置(図3における、軸116Fの中間点116P3を光拡散板出射面に投影した位置)での温度が35℃であった。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0091】
<実施例3>
予熱のためのフィラメント電流を600mAとし、エミッタ表面温度を850℃に維持した他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0092】
<実施例4>
光拡散板の凹凸構造パターンを下記に詳述する通りとし、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとし、反射板の深さ及びピンの高さ2331(図23参照)を32.5mmとし、蛍光管の中心616PA及び616PBから拡散板入射面631Bまでの距離を23.75mmとした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、ピンの配置の概略は図6に示す通りだが、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとしたのに合わせて、幅方向(図6における図面の上下方向)にピンをずらし、最寄の直線部の軸616Gからピンまでの距離を50mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンの距離616Kは約112mmである。またそのピンと一番近いピンの距離616Jは約141mmである。
【0093】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0094】
本実施例で用いた光拡散板上の凹凸構造について、図10を参照して説明する。図10に示すように、光拡散板1031を直下型バックライト装置に取り付けた状態で、熱陰極管ランプ1010Aの中心1016PAから隣接する熱陰極管ランプ1010Bの中心1016PBまでの距離の中間1016Hと、点1016PAとの間に相当する距離の区間を、3つのゾーンに分け、点1016PAから近いものから順に1016ZA(9mm)、1016ZB(17.5mm)及び1016ZC(23.5mm)の3つのゾーンに分けた。
【0095】
図10に示す光拡散板1031の光出射面1031Aには、その全面に、図11に示すように、頂角100°、底辺70μmの三角形状の断面を有するプリズム状の凸部1061を、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)設けた。
【0096】
一方、光拡散板1031の光入射面1031Bの各ゾーンのうち、ゾーン1016ZAは平坦な面とした。ゾーン1016ZBには図11に示すように三角形状の断面を有するプリズム状の凸部1064と、平坦な部分1065とを交互に設けた。ただし、凸部1064の頂角は130°、底辺1064Wは70μmとし、平坦な部分の幅1065Wは70μmとした。ゾーン1016ZCには、頂角130°、底辺70μmの三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を、平坦な部分のギャップ無く設けた。
【0097】
<実施例5>
光拡散板の入射面の凹凸構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0098】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の凹凸構造について、図12を参照して説明する。図12において、光拡散板1231における線1231Cの位置は図6における線631Cのそれと同一である。線1231Cから辺1231W2へ20mm離隔した位置の線1231Dから、辺1231W2までの間の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。一方、線1231W1から線1231Cまでの間の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W1までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。そして、線1231Cから線1231Dまでの間の領域には、両方の領域のプリズムと同じ角度を有する斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形するための金型において、線1231Cから線1231Dまでの領域には、辺1231Lと平行な方向に、領域1231D〜1231W2に設けたものと同様の溝を掘り、加えて辺1231W1及び1231W2と平行な方向に、領域1231W1〜1231Cに設けたものと同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、光拡散板1231の領域1231C〜1231Dに形成された。
【0099】
<実施例6>
光拡散板の入射面の凹凸構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0100】
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0101】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の凹凸構造について、図13を参照して説明する。本実施例では、光拡散板の入射面には凹凸構造を設けず、代わりに図13に示す印刷を施した。図13において、線1316Gは、蛍光管110の軸116Gを光拡散板上に投影した線を示す。線1316Fは、蛍光管110の軸116Fを光拡散板上に投影した線を示す。本実施例で用いた光拡散板1331の入射面には、図13に示す通り、蛍光管110に沿ったゾーン1371に印刷を施した。
【0102】
ゾーン1371を、図14を参照してより詳細に説明する。蛍光管の軸を投影した線(1316G及び1316F;図14では1316G)を中心に、矢印1371Aで示す距離までの領域を、ゾーン1371ZAとし、さらにそこから矢印1371Bで示す距離までの領域を、ゾーン1371ZBとした。矢印1371A及び1371Bで示す距離は、本実施例ではいずれも10mmとした。
【0103】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。ゾーン1371ZAにおいてはゾーン面積の50%が、ゾーン1371ZBにおいてはゾーン面積の20%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0104】
<実施例7>
光拡散板の原料として、脂環式オレフィンポリマーに代えて、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」)99.7部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.3部とを混合した樹脂組成物を用いるとともに、光拡散板及び光反射板の構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、85%であった。
【0105】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0106】
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0107】
本実施例で用いた光拡散板の構造について説明する。光拡散板の光出射面には、その全面に、幅70μm、深さ22.3μm、ピッチ70μmで、半径38.6μmの円の一部(半円よりもやや小さい部分)を断面(長手方向に垂直な面で切断した断面)として有する蒲鉾形状の凸部を、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記蒲鉾形状の底角部分同士が接するように)設けた。
【0108】
一方、光拡散板の光入射面は凹凸のない面とし、実施例6と同様の印刷を施した。
【0109】
本実施例で用いた反射板の構造について、図15及び図16を参照して説明する。本実施例では、貼付するシートとして、東レ社製E6SVに代えてMCPET(製品名、古河電気化学工業社)を用いた。そして、反射板1501上における、3本の蛍光管1510の6本の直線部で挟まれる位置5箇所のそれぞれに、三角柱状の突起1581を設け、それらの斜面にも同様に反射シートを設けた。突起1581の頂角θ1582は90°とし、高さ1582Hは20mmとし、突起の中心線1516Hが、隣接する蛍光管直線部(1510A、1510B)の中心1510PA及び1510PBの中間点に位置するよう位置決めした。蛍光管1510の屈曲部の軸1516Fから突起1581の端部1582Aまでの距離は20mmとした。
【0110】
<実施例8>
光拡散板の原料として、脂環式オレフィンポリマーに代えて、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」)97.4部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子2.6部とを混合した樹脂組成物を用いるとともに、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとし、光拡散板の構造を以下に示す態様とし、且つピン2300の位置を実施例4と同様とした他は、実施例7と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、55%であった。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0111】
本実施例で用いた光拡散板上の構造について説明する。光拡散板の光出射面は、その全面を平滑な面とし、印刷も凹凸も設けなかった。一方、光入射面は、凹凸を設けず平滑な面とし、下記の点を変更した以外は実施例6におけるものと同様の印刷を施した。変更点を図13及び図14を参照して説明すると、印刷を施す位置は、直線部の間隔が100mmである蛍光管の軸1316Gを光拡散板に投影した位置にゾーン1371の中心線が適合するようにした。ゾーン1371ZAにおいてはゾーン面積の65%が、ゾーン1371ZBにおいてはゾーン面積の30%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0112】
<実施例9>
光拡散板を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
【0113】
本実施例で用いた光拡散板について、図17を参照して説明する。光拡散板の出射面の全面には、実施例2における光拡散板の出射面と同様の凹凸を設けた。入射面の線1731C〜1731W2間の領域には、実施例2における線631C〜631W2(図6)間の領域と同様の凹凸を設けた。一方線1731C〜1731W1間の領域には、凹凸を設けず、蛍光管の屈曲部に沿ったゾーン1771において印刷を施した。線1731Cの位置は、辺1731W1から50mmの距離とした。
【0114】
ゾーン1771について、図24を参照してより詳細に説明する。ゾーン1771は、蛍光管110の屈曲部の軸116Fの中間点116P3を光拡散板に投影した位置を中心とした矩形の領域であり、内側のゾーン1771ZAは、軸116Fを光拡散板に投影した線からの距離(図24中の矢印1771A1)10mmの範囲内とし、外側のゾーン1771ZBは、そこからの距離(図24中の矢印1771B1)10mmの範囲内とした。また、中間点116P3を通り蛍光管110の直線部の軸116Gに平行な線116Eを光拡散板に投影した線から、ゾーン1771ZAの縁までの距離(図24中の矢印1771A2)は55mmとし、そこからさらにゾーン1771ZBの縁までの距離(図24中の矢印1771B2)は10mmとした。
【0115】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。ゾーン1771ZAにおいてはゾーン面積の50%が、ゾーン1771ZBにおいてはゾーン面積の20%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0116】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0117】
<実施例10>
光拡散板及び熱陰極管ランプを以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0118】
本実施例で用いた光拡散板及び熱陰極管ランプの構造について説明する。光拡散板の出射面の全面には、実施例2における光拡散板の出射面と同様の凹凸を設けた。入射面には、その全面に、実施例2における線631C〜631W2(図6)間の領域と同様の凹凸を設けた。一方蛍光管には、その屈曲部で且つ出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように、二酸化珪素粒子を付着させた。これを図18及び図19を参照してより詳細に説明すると、蛍光管の屈曲部1810Cであって、直線部1810Sの内側を延長した線1816A1及びA2で囲まれる領域1810R内のガラス面上であって、且つ出射面側(図19における上側)の領域1872に、二酸化珪素粒子を付着させた。
【0119】
<実施例11>
光拡散板の入射面の印刷及び熱陰極管ランプを以下に示す態様とした他は、実施例8と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
【0120】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の印刷の態様について、図20を参照して説明する。図20に示す光拡散板2031において、蛍光管の直線部の軸2016Gを光拡散板に投影した位置を中心として、直線の帯状のゾーン2073を設け、当該ゾーン内に印刷を施した。ゾーン2073は、図14に示すゾーン1371と同様に、さらに2つのゾーン(図14における1371ZA及び1371ZBに相当)に分けた。内側のゾーン縁から中心線までの距離(図14における矢印1371Aに相当)は10mmとし、外側のゾーンの幅(図14における矢印1371Bに相当)の10mmとした。
【0121】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。内側のゾーンにおいてはゾーン面積の65%が、外側のゾーンにおいてはゾーン面積の30%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0122】
また、熱陰極管ランプとしては、実施例10で用いたものと同様に、蛍光管の屈曲部で且つ出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように、二酸化珪素粒子を付着させたもの(ただし直線部の間隔は実施例8と同様100mm)を用いた。
【0123】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0124】
<実施例12>
熱陰極管ランプとして、蛍光管の外径が32.5mmであるものを用い、ピン高さ2331(図23参照)を変更して反射板と拡散板との距離を42.0mmとし、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離を18.25mmとした以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0125】
<実施例13>
熱陰極管ランプとして、蛍光管のガラス厚みが3mmであるものを用いた以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0126】
<実施例14>
インバータをトランス方式とした 以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0127】
<実施例15>
ピン高さ2131を変更して反射板と拡散板入射面との距離を200mmとし、蛍光管の中心から拡散板入射面まで距離を190.25mmとした以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0128】
<実施例16>
光拡散板の射出成形の際の条件を、シリンダー温度320℃、保圧75MPa、保圧時間6秒、金型温度120℃に変更した以外は実施例2と同様にして光拡散板及びバックライト装置を作製した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
この光拡散板の頂角100度の三角プリズム面を研磨し、残留応力を測定したところ、最大が15MPa、最小が2MPaであった。中央部での輝度むらは1.5%と小さかったが、電極付近では反りが発生し、輝度むらが6.3%と大き目の結果であった。
【0129】
<実施例17>
支持ピン2300の配置を、図21に示す通りとした以外は実施例2と同様にバックライト装置を作製した。図21において、線2171Dの位置は、辺2131Lの中点を通る位置、即ち辺2131W1及び2131W2とから等距離の位置である。辺2131W1から線2171Jまでの距離及び辺2131W2から線2171Kまでの距離はいずれも300mmである。熱陰極管ランプのエミッタの位置と一番近いピンの距離2116Kは302mmである。ピン2300から、最寄の直線部の軸2116Gまでの距離は、いずれも45mmである。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0130】
電極部近傍で熱陰極管ランプ側に凸の2.5mmの反りが発生し、中央部でも同じ向きの1.5mmの反りが発生していた。その結果、中央部付近の輝度むらが2.8%と少し大きめであり、電極付近では4.5%とさらに大きくなった。
【0131】
<実施例18>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0132】
(18−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0133】
(18−2:熱陰極管ランプ)
図3に概略的に示される形状であるが、実施例1で用いたものとは寸法が異なるコの字形のソーダライムガラスからなる蛍光管110及びフィラメント部120を有する熱陰極管ランプを準備した。図3を参照して説明すると、本実施例において、蛍光管110は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。軸116G及び116Fに垂直な面における蛍光管110の断面は円形であった。蛍光管110の点線110Dより直線側の直線部110Sの管長は580mmであり、これらは間隔116Gが90mmとなるように屈曲部110Cで接続されていた。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線116Fを有する直線状の部分116Xを有し、当該部分116Xの両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部110Sと連結されていた。蛍光管110の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント122上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)124を塗布付着した電極120を設置した。また、蛍光管110の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管110内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0134】
(18−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図25に概略的に示される光拡散板2531を成形した。得られた光拡散板2531は、厚み2mm、長さ(図25中の辺2531W1及び2531W2方向)1018mm×幅(図25中の辺2531L方向)573mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0135】
図26は、図25に示す光拡散板2531を、辺2531W2側から見た部分立面断面図である。光拡散板2531の一方の面2531A(出射面として使用)には、頂角2561Tが100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)2561を、ピッチ(距離2561W)70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、光拡散板2531の短辺2531Lの方向と略平行に形成した。
【0136】
一方、光拡散板2531の他方の面2531B(入射面として使用)には、辺2531W1から60mmの線2531Cを境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線2531Cから辺2531W2側には、図26に示すように、頂角2562Tの異なる複数種類の三角プリズム2562を、所定の混合割合で配置した。三角プリズム2562はいずれも、光拡散板2531の短辺631Lの方向と略平行に形成した。三角プリズム2562の配置及び混合割合は、実施例1における三角プリズム662のそれと同様とした。
【0137】
光拡散板2531の面2531Bの、線2531Cから辺2531W1側には、図27に示す通り、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)2563を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺2531W1と略平行に形成した。後述する通り、バックライト装置を組み立てる際には、装置上面から見た際、辺2531W1と線2531Cとの中間に、蛍光管110の屈曲部110C中の直管部分110Xの中心線116Fが位置するよう(即ち距離2552A及び2552Bが均等になるよう)バックライト装置を構成した。
【0138】
(18−4:バックライト装置の組み立て)
前記(18−2)で得た熱陰極管ランプ5本を、前記反射板に取り付けた。屈曲部110Cは熱陰極管ランプ5本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部116Xの中心線116Fから直下型バックライト装置長辺側(図25に示す光拡散板2531の辺2531W1側に相当する側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離2551A及び2551B(図25)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図25に示す位置に取り付けた。このときピンの位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部の軸2516Gの中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。
【0139】
図25において、これらのピン2300と、その他の部材の、上面から見た際の平面上の位置関係を示す。辺2531W2と線2571Gとの距離は100mm、辺2531W2と線2571Fとの距離は200mm、辺2531W1と線2571Aとの距離は100mm、辺2531W1と線2571Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンとの距離2516Kは約110mmである。またそのピンと一番近いピンの距離2516Jは約134mmである。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図25に示す通り、辺2531W1が熱陰極管ランプ110の屈曲部側に対応し、屈曲部110Cの直管部116Xの中心線116Fが、辺2531W1と線2531Cとのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板2531を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプ110の中心と光拡散板2531の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0140】
さらに、この光拡散板2531の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0141】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0142】
<実施例19>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0143】
(19−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0144】
(19−2:熱陰極管ランプ)
図22において概略的に示されるN字形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。2本の、端部を含む直線部の管長は1020mmであり、1本の、端部を含まない直線部の管長は490mmであった。これら3本の直線部を、図22において示す通り平行に並べ、屈曲部で連結されたN字形の構造とした。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線2216F1及び2216F2を有する直線状の部分を有し、当該部分の両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部と連結されていた。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0145】
(19−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図22に概略的に示される光拡散板2231を成形した。得られた光拡散板2231は、厚み2mm、幅(図22中の辺2231W1及び2231W2方向)573mm×長さ(図22中の辺2231L方向)1018mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0146】
光拡散板2231の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺2231Lの方向と略平行に形成した。
【0147】
一方、光拡散板2231の他方の面(入射面として使用)には、辺2231W1からの距離が60mmの線2231C1及び辺2231W2からの距離が60mmの線2231C2を境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線2231C1及び2231C2で囲まれる領域には、実施例1における拡散板631の入射面631Bの線631〜辺631W2の領域と同様の三角プリズムを配置した。一方、辺2231W1及び線2231C1で囲まれる領域並びに辺2231W2及び線2231C2で囲まれる領域には、実施例1における光拡散板631の入射面631Bの、線631Cから辺631W1側の領域と同様の三角プリズムを配置した。
【0148】
(19−4:バックライト装置の組み立て)
前記(19−2)で得た熱陰極管ランプ2本を、前記反射板に、図22に示す態様で取り付けた。屈曲部中の直管部の中心線2216F1から直下型バックライト装置の辺2231W1側の壁までの距離は30mmとし、中心線2216F2から直下型バックライト装置の辺2231W1側の壁までの距離も30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離2251A〜2251C(図22)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、実施例1のバックライト装置と同じ位置に取り付けた。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図22に示す通り、蛍光管屈曲部の軸2216F1及び2216F2が、それぞれ辺2231W1と線2231C1とのちょうど中間、及び辺2231W2と線2231C2とのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板2231を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2231の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0149】
さらに、この光拡散板2231の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0150】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0151】
<実施例20>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0152】
(20−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0153】
(20−2:熱陰極管ランプ)
図28において概略的に示される、正方形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。蛍光管2890の、フィラメント部2890Tが設けられた辺2890A1及びそれと平行な辺2890A2の長さ(矢印2891Aの長さに相当)、及び辺2890A1及び2890A2に垂直な辺2890Bの長さ(矢印2891Bの長さに相当)は、いずれも90mmとした。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0154】
(20−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図29に概略的に示される光拡散板2831を成形した。得られた光拡散板2831は、厚み2mm、幅(図29中の辺2831W1及び2831W2方向)573mm×長さ(図29中の辺2831L方向)1018mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0155】
光拡散板2831の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺2831Lの方向と略平行に形成した。
【0156】
一方、光拡散板2831の他方の面(入射面として使用)には、熱陰極管ランプ2890の辺2890A1及び2890A2の軸2892A1及び2892A2に沿って、帯状の領域2832を設けた。領域2832の、辺2831W1側の縁2832B1と、軸2892A2との距離(矢印2833W1)、及び辺2831W2側の縁2832B2と、軸2892A1との距離(矢印2833W2)は、いずれも15mmとした。軸2892A1と2892A2との間隔2891Gは20mmとしたので、領域2832の幅は50mmである。
【0157】
光拡散板2831の入射面のうち、領域2832以外の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。一方、領域2832には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと、線631Cから辺631W1までの領域におけるパターンとの両方のプリズムと同じ角度を有する斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形するための金型において、領域2832に対応する領域には、辺2831Lと平行な方向に、図6の領域線631C〜631W2に設けたものと同様の溝を掘り、加えて辺2831W1及び2831W2と平行な方向に、図6の領域線631C〜631W1に設けたものと同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、領域2832に形成された。
【0158】
(20−4:バックライト装置の組み立て)
前記(20−2)で得た熱陰極管ランプ27本を、前記反射板に、図28に示す態様で取り付けた。3個ずつの熱陰極管ランプの列のそれぞれにおいて、蛍光管の部分2890A1の軸(2892A1)及び2890A2の軸(2892A2)のそれぞれを、一直線上に揃えた。一方、5個または4個の熱陰極管ランプの行のそれぞれにおいて、蛍光管の部分2890Bの軸(2892B)を一直線上に揃え、さらに、隣接する他の行の軸とも一致させた。軸2892A1と、隣接する他の列の軸2892A2とのギャップ2891Gは、20mmとした。
【0159】
それぞれの熱陰極管ランプは、適切な支持具(図示せず)で固定し、反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0160】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図28に示す通りそれぞれの熱陰極管ランプの中心に取り付けた。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図29を参照して上で説明した通り、軸2892A1及び2892A2が領域2832と整列するよう、前記光拡散板2831を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2831の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0161】
さらに、この光拡散板2831の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0162】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0163】
<実施例21>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0164】
(21−1:反射板)
内寸長さを1200m、幅を573mmとした他は実施例1の(1−1)と同様に、反射板を作成した。
【0165】
(21−2:熱陰極管ランプ)
図30において概略的に示される、正方形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する5種類の熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。正方形の蛍光管3090S1〜3090S5の一辺の長さ3091A1〜3091A5はそれぞれ、60mm、180mm、300mm、420mm及び540mmとした。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と0.5kPaのアルゴンを封入した。
【0166】
(21−3:光拡散板)
金型を変更して、寸法及び表面の凹凸の形状を変更した他は、実施例1の(1−3)と同様にして、光拡散板を成形した。得られた光拡散板は、厚み2mm、幅700mm×長さ1200mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0167】
光拡散板の一方の面(出射面として使用)には、実施例1の光拡散板の出射面のパターンが直交した斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形する金型において、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)がピッチ70μmで平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)形成されるような溝を光拡散板の長さ方向に掘り、さらに、幅方向にも同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、本実施例の光拡散板の出射面に形成された。
【0168】
光拡散板のもう一方の面(入射面として使用)には、以下に詳述する形状及び分布の三角プリズムのパターンが直交した斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形する金型において、以下に詳述する三角プリズムが形成されるような溝を光拡散板の長さ方向及び幅方向に掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、本実施例の光拡散板の出射面に形成された。
【0169】
光拡散板の入射面の長さ方向には、バックライト装置を構成した際に図30で示す熱陰極管ランプの軸3091Q1〜3091Q10が位置する場所を基準として、これらの軸の間(いずれも60mm)のそれぞれを、17種のゾーンに分け、三角プリズムを分布させた。具体的なゾーンの分け方及び三角プリズムの配置は、図8において軸616PA〜616PB間において行なったものと同様であるが、ゾーンA〜Qの範囲の広さ及び混合割合は、図35の通りに変更した。三角プリズムのピッチは、ゾーンQのみ65.2μmとしたが、他のゾーンA〜Pでは実施例1と同じ70μmとした。
【0170】
光拡散板の入射面の幅方向には、バックライト装置を構成した際に図30で示す熱陰極管ランプの軸3091R1〜3091R20が位置する場所を基準として、これらの軸の間(いずれも60mm)のそれぞれを、長さ方向と同様に17種のゾーンに分け、三角プリズムを分布させた。
【0171】
(21−4:バックライト装置の組み立て)
前記(21−2)で得た熱陰極管ランプ3090S1〜3090S5を2本ずつを、前記反射板に、図30に示す態様で取り付けた。熱陰極管ランプの軸3091Q1〜3091Q10の間隔、及び軸3091R1〜3091R20の間隔はいずれも60mmとした。隣接する3090S1同士〜3090S5同士のぞれぞれについて、装置の長さ方向の軸3091Q1〜3091Q10のそれぞれはいずれも一直線上に揃えた。
【0172】
それぞれの熱陰極管ランプは、適切な支持具(図示せず)で固定し、反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0173】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図23に図示する通り、線3071H1〜3071H7のいずれかと線3071J1〜3071J12のいずれかとの交点に対応する位置に取り付けた。ここで、線3071H1〜3071H7は軸3091Q1〜3091Q10と平行であり、線3071J1〜3071J12は軸3091R1〜3091R20と平行である。線3071H1〜3071H7のそれぞれは、軸3091Q1〜3091Q10のうちの最も近い2本の中間に位置し、線3071J1〜3071J12のそれぞれは、軸3091R1〜3091R20のうちの最も近い2本の中間に位置する。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図30を参照して上で説明した通り、軸3091Q1〜3091Q10、及び軸3091R1〜3091R20が光拡散板の所定の位置に対応するよう、光拡散板を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2831の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0174】
さらに、この光拡散板の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0175】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0176】
<実施例22>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0177】
(22−1:反射板)
内寸長さを1018m、幅を180mmとした他は実施例1の(1−1)と同様に、反射板を作成した。
【0178】
(22−2:熱陰極管ランプ)
図31において概略的に示される、U字型の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管3116は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。蛍光管3116の長尺の部分3116Lの長さ(矢印3116AL)は958mmで、短尺の部分3116Sの長さ(矢印3116AS)は45mmであった。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0179】
(22−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図32に概略的に示される光拡散板3131を成形した。得られた光拡散板3131は、厚み2mm、幅(図31中の辺3131W1及び3131W2方向)300mm×長さ(図31中の辺3131L方向)1200mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0180】
光拡散板3131の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺3131Lの方向と略平行に形成した。
【0181】
一方、光拡散板3131の他方の面(入射面として使用)の線3131A及び3131Bで囲まれる領域には、2本の熱陰極管ランプ3116の軸3116Gに対応する部分を、実施例1における軸616PA〜616PBと同様に17種のゾーンに分け、各ゾーンに頂角140°から170°の三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を図34に示す混合割合で設けた。一方辺3131W1〜3131Aの間の領域、及び辺3131W2〜3131Bの間の領域には、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺3131W1及び3131W2と略平行に形成した。
【0182】
(22−4:バックライト装置の組み立て)
前記(22−2)で得た熱陰極管ランプ3116を、前記反射板に、図31に示す態様で取り付けた。熱陰極管ランプの軸3116Gの間隔は90mmとした。また、図31中矢印3116AEで示す距離はいずれも30mmとした。
【0183】
反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0184】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、適宜取り付けた。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図32を参照して上で説明した通り、軸3116Gが光拡散板の所定の位置に対応するよう、光拡散板を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板3131の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0185】
さらに、この光拡散板の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0186】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0187】
<比較例1>
光拡散板の製造に用いる材料として、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.8部とゼオノア1420R99.2部とを混合した樹脂組成物を用い、光拡散板を入出射面とも凹凸構造および印刷のない平板とし、熱陰極管ランプを、その蛍光管表面に後述の通り二酸化珪素粒子を付着させたものとし、熱陰極管ランプの間隔を50mmとし、熱陰極管ランプ及びピンの配置を以下に述べる通りとした以外は、実施例2と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、65%であった。二酸化珪素は、蛍光管の全長(屈曲部及び直線部の両方)にわたり、出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように付着させた。
本比較例における熱陰極管ランプ及びピンの配置を、図33を参照して説明する。
熱陰極管ランプの屈曲部は6本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部の中心線116Fから直下型バックライト装置短辺側(図33に示す辺3331W1側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離3351A及び3351B(図33)は50mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。
支持ピン2300の位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部の軸3316Gの中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。辺3331W1と3331W2との中間線3371Dから線3371Cへの距離及び線3371Dから線3371Eへの距離はいずれも100mmで、辺3331W2と線3371Gとの距離は100mm、辺3331W2と線3371Fとの距離は200mm、辺3331W1と線3371Aとの距離は100mm、辺3331W1と線3371Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプのエミッタの位置120Aと一番近いピンとの距離3316Kは約103mmである。またそのピンと一番近いピンの距離3316Jは100mmである。
【0188】
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0189】
<比較例2>
光拡散板の製造に用いる材料として、比較例1で用いたものと同一の樹脂組成物を用い、光拡散板を入出射面とも凹凸構造および印刷のない平板とした以外は、実施例1と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。
【0190】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
このバックライトに実施例1と同じVA型の液晶パネルを載せて、100時間点灯したところ電極付近の表示に乱れが生じた。実施例1と同じIPS型液晶パネルでも100時間で乱れが生じた。
光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、フィラメント直上位置での温度が90℃であり、熱陰極管ランプ中央部の直上位置では41℃であった。寿命試験後フィラメント直上位置は黄変していた。
【0191】
<比較例3>
予熱のためのフィラメント電流を1200mAとし、エミッタ表面温度を1050℃に維持した他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0192】
<比較例4>
予熱のためのフィラメント電流を0mAとした他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。エミッタ表面温度は600℃程度となった。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0193】
<比較例5>
光拡散板の製造に用いる材料として、実施例7で用いたものと同一の樹脂組成物を用い、光拡散板の出射面における熱陰極管ランプを光拡散板に垂直に投影した領域のみに、頂角90°、ピッチ70μmで、その長手方向が熱陰極管ランプの軸方向に沿った、断面三角形のプリズムを形成した以外は、実施例2と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。
【0194】
光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、フィラメント直上位置での温度が90℃であり、熱陰極管ランプ中央部の直上位置では41℃であった。寿命試験後フィラメント直上位置は黄変していた。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。本比較例では輝度半減寿命は60,000時間であったが、初期の輝度むら5%が3000時間経過した時点で9%となり、輝度むらの観点からは輝度半減寿命より短い時間で劣化する結果となった。その他の結果は図37に示す。
【0195】
<比較例6>
タングステンフィラメント上にエミッタを塗布しない以外は、実施例2 と同様に、直下型バックライト装置を作成し、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むらの評価を試みた。熱陰極管ランプは2分で電極が切れてしまい、数値を評価できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態を概略的に示す立面断面図である。
【図3】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態において用いられる蛍光ランプ及び安定器を概略的に示す上面図である。
【図4】図3に示す蛍光ランプをより詳細に示す部分上面図である。
【図5】図6に示す光拡散板及び蛍光ランプの関係をより詳細に示す部分側面断面図である。
【図6】本発明の直下型パックライト装置の一実施形態にかかる光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図7】図6に示す光拡散板をより詳細に示す部分立面断面図である。
【図8】図6に示す光拡散板の表面の構造をより詳細に示す立面断面図である。
【図9】図6に示す光拡散板及び蛍光ランプをより詳細に示す部分立面断面図である。
【図10】本願実施例4で用いた光拡散板の表面の構造を概略的に示す立面断面図である。
【図11】本願実施例4で用いた光拡散板の表面の構造を概略的に示す立面部分断面図である。
【図12】本願実施例5で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図13】本願実施例6及び8で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図14】図13に示す光拡散板のゾーン1371の構造をより詳細に示す平面図である。
【図15】本願実施例7で用いた反射板と蛍光ランプとの関係を概略的に示す部分上面図である。
【図16】本願実施例7で用いた反射板と蛍光ランプとの関係を概略的に示す部分立面断面図である。
【図17】本願実施例9で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図18】本願実施例10で用いた蛍光ランプを概略的に示す部分上面図である。
【図19】本願実施例10で用いた蛍光ランプを概略的に示す部分立面断面図である。
【図20】本願実施例11で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図21】本願実施例17における支持ピンの配置を概略的に示す上面図である。
【図22】本願実施例19で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図23】本発明の直下型バックライト装置に用いる支持ピンの例を示す図である。
【図24】図17で示すゾーン1771と蛍光ランプとの関係をより詳細に示す部分平面図である。
【図25】本願実施例18で用いた光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図26】図25に示す光拡散板をより詳細に示す部分立面断面図である。
【図27】図25に示す光拡散板及び蛍光ランプをより詳細に示す部分立面断面図である。
【図28】本願実施例20で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図29】本願実施例20で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図30】本願実施例21で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図31】本願実施例22で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図32】本願実施例22で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図33】本願比較例1で用いた光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図34】本願実施例1で用いた光拡散板の表面のパターンの混合割合を示す表である。
【図35】本願実施例21で用いた光拡散板の表面のパターンの混合割合を示す表である。
【図36】本願実施例1〜実施例15の条件及び結果を示す表である。
【図37】本願実施例16〜実施例22及び比較例1〜6の条件及び結果を示す表である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、直下型バックライト装置および液晶表示装置に関し、特に、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、かつ長寿命化を図ることができる直下型バックライト装置および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置用のバックライト装置としては、例えば、互いに略平行に配置された複数本の線状光源と、これらの線状光源からの光をその表面で反射する反射板と、線状光源からの直射光および反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板とを備えるものが広く用いられている。線状光源としては、バックライト自体の薄型化を図ることができる観点から、通常は、管の外径が小さい(外径が4mm未満)冷陰極管(CCFL)が利用されている。しかしながら、近年では、CCFLに比べてそのエネルギー効率が高いことから、CCFLに比べてその外径の大きな熱陰極管ランプ(HCFL)を線状光源として用いた直下型バックライト装置も開発されている。
【0003】
しかしながら、HCFLを用いた直下型バックライト装置では、線状光源の外径が従来に比べて大きくなるため、従来と同じ厚みの直下型バックライト装置を作成すると、HCFLと光拡散板の距離が近くなるため、光拡散板の光出射面において、HCFLを投影した箇所では他の箇所に比べてその輝度が大きくなり、発光面に輝度むらが生じるという問題があった。そこで、例えば、特許文献1には、直下型バックライト装置において、光入射面において線状光源(例えばHCFL)を投影した箇所に、他の箇所よりも厚みの大きい光抑制部を設けて、発光面の輝度むらを低減させる技術が開示されている。
【0004】
ところで、陰極管を直下型バックライト装置に用いる場合は、部品点数を減らし、組み立てを容易にするため、及び、発熱の大きい電極を減らし、バックライト全体の発熱量を小さくし、よりエネルギー効率を向上するため等の目的から、U字型やN字型など、直線部を屈曲部でつなぎ、複数本の直管状の線状光源を一本にまとめた形状の陰極管を使用することが知られている。これを、上記のHCFLに用いた場合にも、同様に組み立ての容易化、エネルギー効率の向上等の効果は得られるものの、屈曲部の発光体密度が、直線部より高くなることに基づく輝度むらが特に大きく発生してしまうという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特開2007−95484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、組み立てが容易なバックライト装置、およびそのバックライト装置を用いた液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意検討したところ、蛍光ランプの直線な部分の外形を光拡散板に垂直に投影した領域と、蛍光ランプの非平行な部分を光拡散板に投影した領域にそれぞれ機能の異なる光制御部を設けることにより、輝度むら低減と組み立ての容易さとを実現できることを見いだし、本願発明を完成した。
【0008】
本発明によれば、蛍光ランプと、前記蛍光ランプからの光をその表面で反射する反射板と、前記蛍光ランプからの直射光および前記反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板と、を備える直下型バックライト装置であって、
前記蛍光ランプは、蛍光管と、前記蛍光管の少なくとも一方の端部に設けられるフィラメント部とを備え、
前記フィラメント部は、フィラメントと、このフィラメントの外周部分に設けられるエミッタとを備え、
当該直下型バックライト装置は、前記エミッタを、その表面温度が常時700〜950℃に維持されるよう予熱する予熱回路をさらに備え、
前記蛍光管の各々は、直線な部分(a)、及び前記部分(a)と非平行な部分(b)を有し、
前記直下型バックライト装置においては、複数の前記部分(a)は略平行に配列され、
複数の前記部分(a)の外寸を前記光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の少なくともいずれかの面内の面領域X上には、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられ、
前記光拡散板において、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、互いに隣接する前記領域Xの中間位置を中心とし、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さの領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向の透過率より低く、
前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む、光出射面内の面領域Z1、光入射面内の面領域Z2、および前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2の少なくともいずれかの領域に、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、
前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有することを特徴とする直下型バックライト装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、前記直下型バックライト装置と、この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備え、前記液晶セルがVAモードまたはIPSモードである液晶表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の直下型バックライト装置は、エネルギー効率を高めることができるとともに、輝度むらを低減でき、組み立てが容易なバックライト装置とすることができ、エネルギー効率が高く、輝度むらが少なく、組み立てが容易な液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る直下型バックライト装置100の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示す装置100の断面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の直下型バックライト装置100は、複数本の蛍光ランプ102と、蛍光ランプ102から出射された光を表面101Aで反射する反射板101と、蛍光ランプ102からの直射光および反射板101からの反射光を拡散照射する光拡散板131と、蛍光ランプ102を発光させるための安定器140と、光拡散板131を支持する支持ピン2300(図1において不図示)とを備えている。
【0013】
(蛍光ランプ)
蛍光ランプ102は、熱陰極管ランプ(HCFL)であることが好ましい。このような構成とすることにより、エネルギー効率の高い直下型バックライト装置とすることができる。また、蛍光ランプ102は、発光効率が60(lm/W)以上であることが好ましい。発光効率をこの範囲とし、且つ隣り合う蛍光ランプ102の直線部の中心間の距離を、後述する好適な範囲とすることにより、蛍光ランプ102の使用本数が減ることから、直下型バックライト装置の消費電力を低減できるとともに、当該装置の組み立てを容易にできる。
【0014】
図3は、蛍光ランプおよび安定器の構成を模式的に示す上面図である。図3に示す通り、蛍光ランプ102は、U字型円筒状のガラス管である蛍光管110と、蛍光管110の両端部にそれぞれ設けられるフィラメント部(電極)120とを備えている。蛍光管110は、直線な部分(a)として、直線部110Sを有し、また、それらの一端同士連結する、部分(a)と非平行な部分(b)としての、屈曲部110Cを有している。蛍光管110は、直線部110Sでのガラス管の光線透過率(ガラス管の光出射側に印刷等の光透過抑制部が設けられている場合には、ガラス管と光透過抑制部の両方を含む部材の光線透過率を、「ガラス管の光線透過率」とする)が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。直線部110Sでのガラス管の光線透過率を前記好適な範囲とすることにより、ランプからの光を効率良く取り出すことができる利点がある。なお、蛍光管110の光線透過率は、同じ材質のガラスを板状にして、日本電色工業株式会社製 濁度計NDH2000により測定できる。また、蛍光管110の直線部110Sの長さは、700mm以上であることが好ましく、直線部の長さ700mmの蛍光管を用いた場合において、その直線部の両端を支持した際に撓みが2mm以上生じないことが好ましい。
【0015】
本発明において蛍光管の直線な部分(a)とは、バックライト装置における全ての蛍光管のうち、合計すると全長の50%以上を占める、略平行(±5°以内)に延びる直線部分とすることができる。又は、バックライト装置の長手方向に略平行な部分とすることができる。図3に示す蛍光管110の場合、その直線部110S(部分(a))と屈曲部110C(部分(b))との境界は、図4に示す通り、点116P1を通り110Sと垂直な面で区切ることができる。ここで、点116P1は直線部110Sの内側の線116Aと、蛍光管110の内側の湾曲の接線116Bとの交点であり、線116Aと116Bとがなす角θ110は5°である。
【0016】
本実施形態において、蛍光管110は、蛍光管の長さ方向に垂直な面で切断した断面が円状であるガラス管と、ガラス管の内面に設けられた蛍光層とを備えている。蛍光層としては、公知の蛍光材料を用いて塗布等により形成できる。
【0017】
蛍光管110は、蛍光管の長さ方向に垂直な面で切断した断面は、本実施形態の円状ものに限らず、例えば、輝度むらを低減させる観点から、円の一部を扁平化した形状や楕円形状等の扁平円形状とすることもできる。蛍光管の外径(管径)は、4.0〜25.5mmであることが好ましく、6.0〜20.0mmであることが好ましく、8mm〜15.5mmであることがさらに好ましい。外径を前記好適な範囲とすることにより、バックライト装置自体の薄型化を図ることができるとともに、フィラメント部120近傍(管壁温度)が高温(例えば150℃超)になることによる光拡散板131の熱劣化を抑えることができ、十分な輝度を奏することができるという利点がある。また、蛍光管110のガラス管の管厚(厚み)は、0.3〜1.5mmとすることが好ましく、0.4〜1.0mmとすることがより好ましく、0.5mm〜0.7mmとすることがさらに好ましい。管厚を前記好適な範囲とすることにより、蛍光管110の両端部近傍が暗くなることを防止できて、発光面の輝度むらを低減できる利点がある。
【0018】
フィラメント部120は、安定器140からの電流を受けて、一方のフィラメント部120から他方のフィラメント部120に向けて電子放出を行う部材である。フィラメント部120に供給される予熱電流は、100〜1000mAであることが好ましい。予熱電流を上記好ましい範囲とすることにより、フィラメントに塗布されているエミッタの消耗を抑制することができ、電極寿命を伸ばすことができる利点がある。
【0019】
フィラメント部120は、タングステン等からなるフィラメント122と、フィラメント122の外周部分に塗布等により設けられるエミッタ124とを備えている。
エミッタ124は、フィラメント122からの電子放出を容易にするための部材である。エミッタ124を構成する材料としては、例えばアルカリ土類金属の酸化物を用いることができ、具体的には、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウム(SrO)、および酸化バリウム(BaO)等を挙げることができる。
【0020】
フィラメント部120は、常時、すなわち、液晶表示装置に画像が表示されている時に予熱されており、この際、エミッタ124の表面温度が常時700〜950℃に維持されている。バックライトの蛍光ランプは調光時やブリンキングモード時などの高速点滅(0.1秒以下の点滅)に対応し、消灯する時があるが、そのような時でもフィラメント部120は予熱されている。このような予熱を行うことにより、蛍光ランプ102の長寿命化を図ることができる。ここで、フィラメント部120を常時予熱した場合には、例えば、ガラス管の外径が8.0mmの場合には、フィラメント部が約140℃となり、蛍光管110の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。また、ガラス管の外径が15.5mmの場合には、フィラメント部が約120℃となり、直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となることが分かっている。このため、光拡散板には局所的な加熱が加わることなるが、この加熱による問題は後述するように光拡散板の構成を工夫し、光拡散板の別の領域に熱を逃がすことにより解決可能である。なお、前記予熱を行わない場合には、管径が8.0mmの場合には、フィラメント部が約100〜110℃となり、蛍光管の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。また、管径が15.5mmの場合には、フィラメント部が約80℃となり、蛍光管の直線部110Sの中間位置では約50〜55℃となる。
【0021】
上記フィラメント部の予熱を達成する構成として、本発明の直下型バックライト装置は、蛍光ランプを発光させる回路の一部として、予熱のための電流を供給するための回路を備える。
【0022】
また蛍光ランプの屈曲部を光拡散板に投影した領域では、光拡散板近傍の熱源が多くなるために、光拡散板の他の領域よりも、2〜10℃温度が高くなる場合がある。この加熱による問題は後述するように光拡散板の構成を工夫し、バックライトの別の部分に熱を逃がすことにより解決可能である。
【0023】
蛍光ランプ102の使用本数は、限定されない。例えば、本発明の直下型バックライト装置を32インチの液晶表示装置に用いる場合には、蛍光ランプの数としては、例えば、1〜16本とすることができ、目標輝度、目標消費電力に応じて適宜決めることができる。
【0024】
また蛍光ランプ102の形状も、限定されない。例えば、前記のU字状以外にも、一本の蛍光ランプ内に直線部が3個と屈曲部が2個あるN字状、直線部が4個と屈曲部が3個であるW字状などを使用することも出来る。具体的には、下記の形状の蛍光ランプを用いうる。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の直線部、及び前記部分(b)としての、前記2本の直線部の一端同士を連結する屈曲部を含むU字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の直線部(イ)及び(ロ)、及び前記直線部(イ)及び(ロ)と平行に延長し、前記直線部に平行な1本の部分(ハ);並びに前記部分(b)としての、前記直線部(イ)の一端と前記部分(ハ)の一端とを連結する屈曲部(ニ)、及び前記直線部(ロ)の一端と前記部分(ハ)の他の一端とを連結する屈曲部(ホ)を含むN字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(a)としての、互いに平行に延長する2本の直線部(ヘ)及び(ト);並びに前記部分(b)としての、前記直線部(ヘ)の一端と直線部(ト)の一端とを連結する部分(チ)、及び前記直線部(ヘ)の他の一端と直線部(ト)の他の一端とを連結する部分(リ)とを含む、正方形の蛍光管を有する蛍光ランプ。
・前記部分(b)としての、互いに平行に延長し、それぞれが前記蛍光管の端部を含む2本の部分(ヌ)及び(ル);並びに前記部分(a)としての、前記2本の直線部の一端同士を連結する1本の部分(ヲ)を含むU字型の蛍光管を有する蛍光ランプ。
【0025】
本実施形態では、複数の蛍光ランプ102の直線部は、互いに略平行に配置されている。隣接する他の蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸間の平均距離は略一定である。なお、略平行とは、真に平行な状態から±5度以内の範囲内にあることをいう。ただし、複数の蛍光ランプの直線部は、その全てを平行に配置しなくてもよい。また、隣接する蛍光ランプの直線部の中心軸間の平均距離は、ランダムであってもよいし、特定の箇所に向かうに連れて連続的または段階的に大きくもしくは小さくなるような規則性を持たせてもよい。ここで、特定の箇所とは、例えば、矩形状の光拡散板の一方の長辺側や、対向する短辺の中心位置同士を結んだ線を含む中心箇所などである。
【0026】
隣接する蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸間の平均距離は、60mm〜300mmとすることができ、70mm〜250mmであることが好ましい。前記平均距離を上記範囲とすることにより、直下型バックライト装置での消費電力を低減でき、当該装置の組み立てが容易で、かつ発光面の輝度むらを抑えることができる。
【0027】
蛍光ランプ102の直線部110Sの中心軸116Gと、光拡散板131の光入射面131Bとの平均距離b(mm)(図2中の矢印bの長さに相当する距離)は、直下型バックライト装置の厚みや蛍光ランプの径、輝度均斉度を考慮して設計すればよいが、2mm〜35mmとすることができ、3mm〜30mmであることが好ましい。前記平均距離bを上記範囲とすることにより、輝度むらを低減でき、かつランプの発光効率の低下を防ぐことができて、直下型バックライト装置を薄型化できる。本実施形態では、複数の蛍光ランプ102は、光入射面131Bとの平均距離bがすべての蛍光ランプでほぼ一定となるように配置されている。なお、ほぼ一定とは、それぞれのランプにおいて平均距離bを求めた場合において、それら全ての平均距離bについて、平均距離bの最大値/平均距離bの最小値≦1.3である。ただし、一部の蛍光ランプが他の蛍光ランプよりも光入射面131Bに近接するように、複数の蛍光ランプを配置してもよい。例えば、ランダムであってもよいし、特定の箇所に向かうに連れて大きくもしくは小さくなるような規則性を持たせてもよい。ここで、特定の箇所とは、例えば、矩形状の光拡散板の長辺側や、対向する短辺の中心位置同士を結んだ線を含む中心箇所などである。
【0028】
安定器140は、商用電源からの交流電流を整流してフィラメント部120に所定の電流を供給し、フィラメント部120からの電子放出を促す部材である。本実施形態の安定器140は、瞬時の発光を可能にするバラストチョークインバータ(図示略)である。
【0029】
本発明の装置において、蛍光ランプを複数配置する場合は、その直線な部分(a)が平行となるよう配置される。各蛍光ランプから光拡散板への距離及び各蛍光ランプから反射板への距離が等しくなるよう配置することが好ましい。さらに、図6に示す態様のように、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の長辺と略平行であり、電極はバックライト装置の短辺のどちらか一方にそろっている状態とすることにより、装置の製造を容易にしたり、配線を簡略化することによる装置の小型化を達成したりすることが可能となる。一方、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の長辺と略平行であり、電極が交互になるように蛍光管を配置した場合は、放熱がより容易であるという観点から好ましい。また、図25に示す態様のように、蛍光管1本中の屈曲部の数が奇数であり、蛍光管の直線部分はバックライト装置の短辺と略平行であり、電極はバックライト装置の長辺のどちらか一方にそろっている状態とした場合は、蛍光ランプの本数が多くなるが、電極を有する辺が、ディスプレイ装置を使用するに当たり上側に来るようにバックライト装置を配置することで、装置外への放熱がより容易になるという観点から好ましい。
【0030】
(支持ピン)
支持ピン2300は、反射板101と光拡散板131との間に、すなわち反射板101上に配置され、光拡散板131が撓まないように支持するピン状の部材である。支持ピン2300の配置のより詳細な例を、図6に示す。図6においては、本実施形態では、あるフィラメント部120Aの近傍に2つの支持ピン2330A及び2330Bが配置されている。一本の支持ピン2300のより詳細な例を、図23に示す。本実施形態では、支持ピン2300は、底部直径2332より上部直径が若干小さい円錐台形状にさらに半球を載せた形状の当接面としている。これに限定されず、球の一部、楕円の回転体やそれの一部、多面体等の他の形状とすることができる。また、支持ピン2300の高さ2331は、反射板と光拡散板との所望の距離に合わせて適宜調整することができる。
【0031】
ここで、エミッタに最も近い支持ピン2330Aと前記フィラメント部120を構成するエミッタとの距離は、250mm以内であることが好ましく、200mm以内であることがより好ましい。その理由について以下に説明する。ここで、前記エミッタを常時予熱することにより、蛍光管のフィラメント部近傍でのガラス管の表面温度が100℃以上となる。このため、フィラメント部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。従って、上記好適な範囲で支持ピンを配置することにより、フィラメント部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生を抑えることができる。
【0032】
さらに、装置内の支持ピンのうち任意の1つの支持ピンを選んだ際に、この支持ピンと、この支持ピンに最も近接する他の支持ピンとの距離は200mm以内であることが好ましく、150mm以内であることがより好ましい。前述したように、フィラメント部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。このため、フィラメント部近傍において、支持ピン間の距離を上記好適な範囲とすることにより、フィラメント部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生をさらに抑えることができる。
【0033】
なお、支持ピン2300とエミッタとの距離とは、光拡散板の光入射面に当接する支持ピン先端の当接面における重心位置(図23に示す例では、円2333の中心)と、エミッタを光入射面に垂直に投影した位置との最短距離のことである。また、支持ピン間の距離とは、各支持ピン先端の当接面の重心位置同士の距離のことである。なお、図6に示す本実施形態では、19個の支持ピン2300を備えて直下型バックライト装置を構成したが、支持ピンはこれより多くても少なくてもよい。また、支持ピンは蛍光管の撓みを防止する蛍光管ホルダーの機能を同時に有していても良いし、有していなくてもよい。
【0034】
さらに、前記屈曲部の重心と、前記屈曲部に最も近いピンとの距離は、250mm以内であることが好ましく、200mm以内であることがより好ましい。その理由について以下に説明する。ここで、屈曲部では光拡散板近傍の熱源が増えることにより、光拡散板の表面温度が100℃以上となる。このため、屈曲部近傍の光拡散板の光入射面が加熱され、蛍光管側に凸となる等の変形を起こし輝度むらが発生し得る。従って、上記好適な範囲で支持ピンを配置することにより、屈曲部近傍の局所的な変形を抑えて、輝度むらの発生を抑えることができる。
【0035】
前記屈曲部重心と、前記屈曲部に最も近いピンとの距離とは、光拡散板131の光入射面に当接する支持ピン先端の当接面における重心位置と、屈曲部重心を光入射面に垂直に投影した位置との最短距離のことである。
【0036】
(反射板)
反射板101の形状としては、通常平板状であるが、発光面の輝度むらをより一層低減する観点から、反射板101における蛍光ランプの直線部間に相当する領域に、光拡散板側へ突出する突起部が設けられていてもよい。この突起部は、複数の蛍光ランプの長手方向に沿って延びていてもよい。この際、突起部は、隣接する蛍光ランプの略中間の位置に設けられることが好ましいが、蛍光ランプ102の背面に設けてもよい。さらに、突起部の短手方向における断面形状は特に限定されないが、二等辺三角形、等脚台形、円形を切断した形状、楕円形を短軸に平行な線分で切断した形状、楕円形を長軸に平行な線分で切断した形状、下に凸の曲線を線対象になるように連ねた形状、上に凸の曲線を線対称になるように連ねた形状等を挙げることができる。これらの形状の頂点部分は、尖っていてもよいし、丸みを帯びていてもよい。輝度むらを低減できる観点、および製造の簡便さの観点からは三角形状であることが好ましい。また、突起部の断面形状は、光拡散板の厚み方向に垂直な線分に対して線対称であることが好ましい。このような構成とすることにより、光拡散板の光出射面での輝度むらを抑えることができる。前記突起部は畝状に連続的でも、垂体の連なりのように断続的でもよいが、輝度均斉度がより向上できることから連続的であることが好ましい。
【0037】
前記突起部の設置方法としては、突起部の付いた金属フレームを白色または銀色で塗装する方法、突起部の付いた金属フレームに白色または銀色の反射シートを貼り付ける方法、白色または銀色の平坦な反射シートを折り曲げて平坦な金属フレームに設置する方法、白色または銀色の樹脂を所定の形状の金型を用いて成形する方法、等を挙げることができる。
【0038】
反射板101を構成する材質としては、白色または銀色に着色された樹脂、および金属等を用いることができ、軽量化の観点から樹脂が好ましい。また、反射板101の色は、輝度均斉度を向上できる観点から、白色であることが好ましいが、輝度と輝度均斉度を高度にバランスさせるため、白色と銀色とを混合したものとしてもよい。
【0039】
(光拡散板)
光拡散板131は、蛍光ランプ102からの直射光および反射板101の表面からの反射光を拡散して出射させる板材である。光拡散板131を構成する材質としては、ガラス、混合しにくい2種以上の樹脂の混合物、透明樹脂に光拡散剤を分散させたもの、および1種類の透明樹脂等を用いることができる。これらの中で、軽量であること、成形が容易であることから樹脂が好ましく、輝度向上が容易である点からは1種類の透明樹脂が好ましく、全光線透過率とヘーズの調整が容易である点からは透明樹脂に光拡散剤を分散させたものが好ましい。
【0040】
前記透明樹脂とは、JIS K7361−1に基づいて、両面平滑な2mm厚の板で測定した全光線透過率が70%以上の樹脂のことであり、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、芳香族ビニル単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、アクリル樹脂、および脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸のことである。
【0041】
光拡散板131の厚みは、0.4〜5.0mmであることが好ましく、0.8〜4.0mmであることがより好ましい。光拡散板の厚みを上記好適な範囲とすることにより、自重による撓みを抑えることができるとともに、成形の容易化を図ることができる。また、光拡散板131の光入射面131Bと反射板101の表面との距離は、直下型バックライト装置の薄型化の観点から、100mm以内であることが好ましく、40mm以内がより好ましく、25mm以内がさらに好ましい。
【0042】
光拡散板131は、その残留応力が10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、3MPa以下であることがさらに好ましい。ここで、光拡散板の残留応力は下記の通りに求めることができる。すなわち、まず、1枚の光拡散板から100×10mm短冊状のサンプルを切り出す。次に、前記サンプルの表面(例えば、面内にゲートを有する射出成形機により光拡散板を成形した場合には、そのゲート側の面)を水で冷やしながら、サンドペーパーで研磨する。1mm研磨した後に、下記式(1)を用いてその歪み量εを求める。歪み量の算出にあたり、サンプルの厚みt(mm)をダイヤルゲージによる3点測定により測定し、研磨後のたわみ量δ(mm)を測定し、サンプルの長手方向の長さl(mm)を測定する。残留応力は、前記歪み量εとサンプルの弾性率Eを用いて、下記式(2)により求めることができる。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
【0045】
前述した通り、エミッタを常時予熱することにより、光拡散板の光入射側の面の特にフィラメント部近傍が高温にさらされることになる。また屈曲部を有することで、光拡散板の光入射側の面の特に屈曲部近傍が高温にさらされることになる。ここで、光拡散板の残留応力が大きい場合には、熱によりフィラメント部近傍と、屈曲部近傍と、蛍光管の直線部分の中間位置との間とでは形状変化の仕方に差異が生じる可能性があり、この場合には光拡散板が波うち形状となって輝度むらが生じ得る。このため、光拡散板の残留応力を上記好適な範囲とすることにより、形状変化等による輝度むらの発生を抑えることができる。
【0046】
また、光拡散板131は、面内での残留応力の最大値Emaxと、当該面内での残留応力の最小値Eminとの差(Emax−Emin)が10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下がより好ましく、3MPa以下がさらに好ましい。前述した通り、光拡散板の光入射側の面が高温にさらされることになる。ここで、光拡散板の面内での残留応力差が大きい場合には、場所により変形の仕方が異なることにより光拡散板が波うち形状となって、輝度むらが生じ得る。このため、光拡散板の残留応力差を上記好適な範囲とすることにより、形状変化等による輝度むらの発生を抑えることができる。
【0047】
また、光制御部は、赤外線反射および/または屈折する機能をさらに有することが好ましい。本実施形態では、入射側光制御部として凹凸構造を用いているが、この凹凸構造によれば赤外線を屈折させることが可能である。
【0048】
前述した通り、エミッタを常時予熱することにより、フィラメント部近傍から発せられる赤外線の量が増加することとなる。このため、上記機能を有する入射側光制御部を用いることにより、直下型バックライト装置内で赤外線の量が均一化し、これにより、液晶パネルの温度分布を均一化し、表示むらを抑えることができる。なお、赤外線量の測定には、例えば、相馬光学社製Fastevert S−2400により求めることができる。具体的には、直下型バックライト装置の光出射側において、光拡散板の主面の法線方向における波長800〜900nmの赤外線の発光量を各箇所において測定して求めることができる。
【0049】
ここで、赤外線量が均一化されているとは、測定した波長800〜900nmの赤外線のうち、ピークを示す波長での発光強度をそれぞれ求め、蛍光ランプのフィラメント部を光入射面に垂直に投影した位置での前記発光強度αと、隣接する蛍光ランプの同じ側のフィラメント部の中間位置を光入射面に垂直に投影した位置での発光強度βとを比較し、β/α≧0.45、好ましくはβ/α≧0.50、より好ましくはβ/α≧0.55となることである。
【0050】
次に、光拡散板の入射面及び出射面に設けられる凹凸などの構成について説明する。
図6は、本実施形態の直下型バックライト装置を、出射面を水平に上向きに置いた状態を示す上面図である。蛍光管110の直線部(部分(a))と屈曲部(部分(a)と非平行な部分(b))との境界(図3における110Dに対応する線)は線610Dで示される。本実施形態の場合、屈曲部の外寸を光拡散板631の光入射面に垂直に投影した領域を含む、光入射面内の辺631W1及び線631Cで囲まれた矩形の領域(面領域Z2)、及び直線部の外寸を光入射面に垂直に投影した領域(面領域X:図6においては、蛍光管110を示す線で囲まれる領域のうち、線610Dより左側に図示される部分と一致する)の大部分を含む、辺631W2及び線631Cで囲まれた矩形の領域が規定される。
【0051】
面領域Xについて、図2を参照してさらに説明すると、本実施形態における面領域Xは、蛍光管直線部の軸116SAの外寸を光拡散板に垂直に投影した線116UA1及び116UA2で囲まれる領域、及び軸116SBの外寸を光拡散板に垂直に投影した線116UB1及び116UB2で囲まれる領域となる。
【0052】
図6に戻って、本実施例において、光拡散板の入射面内の辺631W2〜631Cの領域における前記面領域X上では、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記直線部と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられる。当該光制御部(A)の具体的構成としては、前記光入射面の表面に形成された、算術平均粗さRaが3〜1000μmの凹凸構造、又は前記光入射面上に設けられた印刷層とすることができる。かかる構成を有することにより、光拡散板から法線方向に沿って出射する光の量を制御することができる。
【0053】
光制御部(A)としての凹凸構造としては、より具体的には、蛍光管の部分(a)と略平行に延長するシリンドリカルレンズ成分、又は三角プリズム等の線状プリズム成分を並べたプリズム条列等の凹状または凸状の溝成分の構造を挙げることができる。そのようなプリズム条列の一例を、図7を参照して説明する。図7は、図6で示す光拡散板を、辺631W2側から観察した場合の部分立面断面図である。光拡散板の光入射面631Bにおいては、断面が二等辺三角形であり、隙間無く敷き詰められ辺631L方向と略平行(即ち蛍光管の部分(a)とほぼ平行)に延長するプリズム条列が形成されている。このプリズムの頂角662Tを、面領域X上とその他の領域とで異なるものとすることにより、光拡散板から法線方向に沿って出射する光の量を、制御部(A)を有しない拡散板のそれに比べて少なくするよう制御することができ、合わせて、光拡散板全体における輝度ムラをも低減することができる。
【0054】
光制御部(A)としての凹凸構造としては、上述のもののほかに、四角錘又は四角錘が反転した形状のくぼみ等の他の凹凸であって、その斜面の一部として前記プリズム条列が有するものと同様の向き及び角度を有するものを用いることもできる。
【0055】
一方、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さ(後述する通り、光制御部(A)の長さは、領域Xの長さより短いものとすることができる)の領域は、本発明において領域Yとされる。図2の例では、蛍光管直線部116SA及び116SBとの中点を通り光拡散板に垂直な線116Mと光拡散板の入射面との交点を中心とし、領域Xと同じ幅の領域が、本発明における領域Yとされる。
【0056】
本発明においては、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、前記領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向(図2に示す例においては矢印115Aの方向)の透過率より低く、1%以上低いことが好ましい。ここで、「1%以上低い」とは、領域Yの光線透過率の%値から、領域Xの光線透過率の%値を引いた差が1以上であることをいう。
【0057】
一方、本実施形態において、屈曲部の外寸を光拡散板631の光入射面に垂直に投影した領域を含む、光入射面内の辺631W1及び線631Cで囲まれた矩形の領域(面領域Z2)においては、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記直線部と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられる。
【0058】
本発明において、光制御部(A)は、必ずしも領域Xの全面に設けられていなくてもよく、その一部、好ましくは50%以上に設けられていればよい。具体的には例えば、図6に示す例においては、線610Dと線631Cで囲まれる領域中の領域Xには、光制御部(A)が設けられておらず、光制御部(B)が設けられているが、この場合でも本発明の効果を得ることができる。一方、光制御部(B)については、蛍光管の部分(b)(図3で示す例においては屈曲部110C)の外寸を光拡散板に垂直に投影した領域の全面を含んだ領域に設けることが好ましい。なお、光制御部(A)と光制御部(B)の境界部分には、光制御部(A)も(B)のどちらも設けられない箇所があってもよいが、この場合には、輝度むらを低減させる観点から、前記箇所の幅は5mm以下であることが好ましい。
【0059】
この点を、図5を参照して説明する。図5の点116P3は、図3における屈曲部110Cの直線状の部分116Xの軸116Fを側面から見た際の点に相当する。この点116P3を光拡散板131に垂直に投影した位置116P4を中心として、一方は線110D(直線部110Sと屈曲部110Cとの境界線)よりも直線部110S側まで達する位置まで、他方は光拡散板の縁までの領域を、光制御部(B)とすることができる。光制御部(B)が直線部110S側に延長する範囲は、例えば、116Cと角度θ116をなす線と、光拡散板との交点116P2まで光拡散部(B)を延長するものとして規定すると、θ116が45°までの範囲とすることができる。
【0060】
さらには、光制御部(A)及び(B)は、より輝度むらを低減させるために重なり合い存在していてもよい。その場合、その重なり合った領域では、その両方の性質を有する構造が設けられる。当該両方の性質を有する構造の一例として、例えば、後述する実施例5における、線1231C及び1231Dで囲まれる領域を挙げることができる。他の例として、後述する実施例20における領域2832、及び実施例21における光入光面の全面を挙げることができる。
【0061】
光制御部(B)の構造についても、光制御部(A)と同様の凹凸構造、又は前記光入射面上に設けられた印刷層等のうち、所定の機能を満たす構造を適宜選択することができる。
【0062】
光制御部(B)の一例について、図9を参照してさらに説明する。図3で示した蛍光管110の屈曲部の軸116Fを通り光拡散板に垂直な方向116Cと光拡散板とが交わる位置を中心として、長さ652A及び652Bの領域において、光制御部(B)としての三角プリズム663を構成することができる。ここで、三角プリズム663は、図7で説明したプリズム662と垂直な方向に延長している。
【0063】
本発明においては、前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有する。
【0064】
ここで、光制御部(A)の伝熱機能とは、当該制御部の延在方向の中心軸であって制御部の長さ全体にわたる線上で且つフィラメントに最も近い位置における光入射面の温度と、当該線上で装置の駆動時に最も温度が低い位置における光入射面の温度との差の値が、かかる光抑制部のない光拡散板(平板拡散板)を用いた場合における前記差の値よりも、0.5℃以上低くすることができる機能をいう。ここで、「フィラメント部を通り制御部の長さ方向全体にわたる線上で最も温度が低い位置」とは、具体的には例えば、図3に示すU字の蛍光管を用いる場合は、直線部110Sの長手方向の中央部分に対応する位置であり、図22に示すN字状の蛍光管を有する熱陰極管2210では、その直線部の軸2216G上であって、制御部(A)の長さ方向の端部を規定する線2231C1及び2231C2との中間の位置である。また、図28に示すように正方形状の蛍光ランプ2890を配置して用いる場合は軸2892B上の、図30に示すように正方形状の蛍光ランプ3090S1〜3090S5を配置して用いる場合は軸3091Q1〜3091Q10上のそれぞれにおける、フィラメントに最も近い場所及びフィラメントから最も遠い場所との温度の差を、上記温度差として測定することができる。
【0065】
蛍光管のフィラメント部近傍の温度は、120℃〜140℃と、光拡散板を構成する透明樹脂のガラス転移温度(Tg)を上回る温度であるため、フィラメント部近傍の板温度をわずかでも下げることにより、局所的なそりや黄変の防止、それらによる輝度むらの上昇を抑えることができる。
【0066】
一方、光制御部(B)の熱拡散機能とは、当該制御部の面内で装置の駆動時に最も温度が高い位置の温度が、光制御部(B)のない光拡散板(平板拡散板)を用いた場合における当該温度よりも0.5℃以上低くすることができる機能をいう。そのような最も温度が高い位置とは、例えば実施例1のようにU字管110(図3)を用いた場合であれば、屈曲部の軸116Fの中点116P3に対応する光拡散板上の位置が該当する。屈曲部近傍の光拡散板の熱を拡散することで蓄熱をわずかでも低減し、局所的な温度上昇を防止し、液晶パネルの局所的な表示不具合を解消することができる。さらに、本発明においては、このような伝熱機能を有する部分及び熱拡散機能を有する部分が互いに垂直に延在することにより、熱の発散をより効率的に行なうことが可能となる。
【0067】
上に述べた実施形態では、光制御部(B)を、光拡散板の光入射面内の面領域Z2に設けたが、本発明はこれに限られず、前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む光入射面内の面領域Z2、又は前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2に光制御部(b)を設ける(例えば、実施例10及び11に示すように、U字形の蛍光管の屈曲部に印刷を設ける)こともでき、またはこれらのうちの2以上に組み合わせて設けることもできる。
【0068】
光拡散板の光入射面及び光出射面のうち、光制御部(A)及び(B)を設けない側の面については、特に制限されないが、光制御部(A)及び(B)とは別に出射光の輝度及び輝度ムラを調整するプリズム条列、レンチキュラーレンズの条列等の凹凸構造などを設けることができる。
【0069】
(その他の好ましい要件)
本発明の直下型バックライト装置においては、蛍光ランプの外径、蛍光ランプの部分(a)(直線部)同士の間隔、及び反射板から拡散板までの距離は、上記の通りの好ましい範囲内で適宜調整することができるが、特に、(i)蛍光ランプの外径が10〜20mmであり、(ii)蛍光ランプの部分(a)(直線部)同士の間隔が60mm以上であり、かつ(iii)((蛍光ランプの外径)/(反射板から拡散板までの距離))の比が0.4以上0.9以下であるという3条件を全て満たした場合、消費電力に対するバックライトからの出光量の割合が特に高くなるため好ましい。蛍光ランプは単体で考えると、太いほうが、発光する面が多くなるため、発光効率(発光量/予熱分含む全消費電力)が高くなる。しかし直下型バックライト装置に組み込んだ場合、反射板および拡散板から反射される光が、蛍光ランプの蛍光体に吸収されてしまう。この吸収量はランプ径が小さい、ランプピッチが大きい、または反射板〜拡散板距離が大きい場合に少なくなる。それらの効果があいまった最適な範囲として、上記(i)〜(iii)の条件を満たす場合において、総合的な発光効率を特に高めることができる。
【0070】
(その他の構成要素)
本発明の直下型バックライト装置は、上記構成要素に加え、プリズムシート又は拡散シート等の光学シートを有することができる。これらの光学シートは、前記光出射面の光出射側に設けることができる。これらの光学シートにより、前記光出射面から出射した光の方向を当該光学シートの法線に平行となる方向へ近づけるように変換しうる。
【0071】
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、上記本発明の直下型バックライト装置と、この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備える。前記液晶セルは、VAモードまたはIPSモードのセルである。本発明の直下型バックライト装置は、放熱効果や耐久性に優れるため、本発明の液晶表示装置は、長期間駆動しても表示の乱れや装置の物理的歪みなどの不良が発生しにくい。
【実施例】
【0072】
以下において、実施例及び比較例を参照して本願発明をより詳細に説明するが、本願発明はこれらに限定されない。なお、以下において、物質の量比にかかわる「部」及び「%」は、別段断りがなければ質量比を表す。
【0073】
<実施例1>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0074】
(1−1:反射板)
内寸長さ1017mm、幅572mm、深さ25mmのアルミ製ケースの内面に反射シート(東レ社製、「E6SV」)を貼着することにより、反射板を作成した。
【0075】
(1−2:熱陰極管ランプ)
図3に概略的に示される形状の、コの字形のソーダライムガラスからなる蛍光管110及びフィラメント部120を有する熱陰極管ランプを準備した。蛍光管110は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。軸116G及び116Fに垂直な面における蛍光管110の断面は円形であった。蛍光管110の点線110Dより直線側の直線部110Sの管長は1020mmであり、これらは間隔116Gが90mmとなるように屈曲部110Cで接続されていた。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線116Fを有する直線状の部分116Xを有し、当該部分116Xの両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部110Sと連結されていた。蛍光管110の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント122上に、BaO、SrO、CaOを3:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)124を塗布付着した電極120を設置した。また、蛍光管110の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管110内には水銀と0.5kPaのアルゴンを封入した。
【0076】
(1−3:光拡散板)
所定形状の金型部品を射出成形機(型締め力9,810KN)に設置して、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」、(「ゼオノア」は登録商標、以下同じ))を原料として、シリンダー温度320℃、保圧50MPa、保圧時間3秒、金型温度130℃の条件下で射出成形し、図6中に概略的に示される光拡散板631を成形した。得られた光拡散板631は、厚み2mm、長さ(図6中の辺631L方向)1018mm×幅(図6中の辺631W1及び631W2方向)573mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、92%であった。
【0077】
図7は、図6に示す光拡散板631を、辺631W2側から見た部分側面図である。光拡散板631の一方の面631A(出射面として使用)には、頂角661Tが100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)661を、ピッチ(距離661W)70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、光拡散板631の長辺631Lの方向と略平行に形成した。
【0078】
一方、光拡散板631の他方の面631B(入射面として使用)には、辺631W1から60mmの線631Cを境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線631Cから辺631W2側には、図7に示すように、頂角662Tの異なる複数種類の三角プリズム662を、所定の混合割合で配置した。三角プリズム662はいずれも、光拡散板631の長辺631Lの方向と略平行に形成した。当該所定パターンについては後述する。
【0079】
光拡散板631の面631Bの、線631Cから辺631W1側には、図9に示す通り、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)663を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺631W1と略平行に形成した。後述する通り、バックライト装置を組み立てる際には、装置上面から見た際、辺631W1と線631Cとの中間に、蛍光管110の屈曲部110C中の直管部分110Xの中心線116Fが位置するよう(即ち距離652A及び652Bが均等になるよう)バックライト装置を構成した。
この光拡散板の面631Aを研磨し、残留応力を測定したところ、最大が1MPa、最小が0.3MPaであった。
【0080】
前記三角プリズム662のパターンについて、図8及び図34を参照して説明する。
光拡散板631を直下型バックライト装置に組み付けた状態において、熱陰極管ランプ610Aの中心616PAから隣接する熱陰極管ランプ610Bの中心616PBまでの距離の中間616Hと、点616PAとの間に相当する距離の区間を、17種のゾーンに分け、点616PAから近いものから順に616ZA〜616ZQとした。各ゾーンの範囲(図8における左右方向の距離)は図34に示す通りとした。光拡散板631の光入射面631Bの各ゾーンには、頂角140°から170°の三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を図34に示す混合割合で設けた。プリズムのピッチは全ゾーンいずれも70μmとした。なお、図8においては、簡略化のため線616Hの左側の領域のみについてゾーンわけを記載しているが、勿論線616の右側の領域にも、これと対称なゾーンが設けられる。
【0081】
図34中、A〜Qはそれぞれ領域616ZA〜616ZQを示す。図34の表記は、凹凸構造パターンの繰り返し単位における凸部の配置を示す。例えば領域616ZDの場合、頂角170°の三角形状の凸部が1つと、頂角160°の三角形状の凸部が3つ隣接している凹凸構造を一単位とし、この単位が繰り返されている構造を示す。
上記直下型バックライト装置において、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ、45%及び84%であった。
【0082】
(1−4:バックライト装置の組み立て)
前記(1−2)で得た熱陰極管ランプ3本を、前記反射板の内寸長さ方向に平行に取り付けた。屈曲部110Cは熱陰極管ランプ3本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部116Xの中心線116Fから直下型バックライト装置短辺側(図6に示す光拡散板631の辺631W1側に相当する側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離651A及び651B(図6)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心(610PA、610PB、図8)までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製、タフロンURZ2502、(「タフロン」は登録商標、以下同じ)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図6に示す位置に取り付けた。このときピンの位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部(図3における110S)の中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。
【0083】
図6において、これらのピン2300と、その他の部材の、上面から見た際の平面上の位置関係を示す。辺631W1と631W2との中間線671Dから線671Cへの距離及び線671Dから線671Eへの距離はいずれも100mmで、辺631W2と線671Gとの距離は100mm、辺631W2と線671Fとの距離は200mm、辺631W1と線671Aとの距離は100mm、辺631W1と線671Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンの距離616Kは約110mmである。またそのピンと一番近いピンの距離616Jは約134mmである。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図6に示す通り、辺631W1が熱陰極管ランプ110の屈曲部側に対応し、屈曲部110Cの直管部116Xの中心線116Fが、辺631W1と線631Cとのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板631を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプ110の中心と光拡散板631の光入射面631Bとの距離(図8における距離653)は15.25mmであった。
【0084】
さらに、この光拡散板631の光出射面631A側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0085】
次いで、得られた直下型バックライト装置について、予熱回路を調整して、フィラメント部に電流400mAで通電し、エミッタ表面温度を800℃となるように維持した。さらに点灯回路を調整し、両端のフィラメント間に400Vの電圧をかけて、熱陰極管ランプを点灯させた。点灯にかけた電圧による電流は150mAであった。
二次元色分布測定装置を用いて、図6の線671Dに沿って等間隔に100点の正面方向の輝度を測定し、下記に述べる輝度むら(縦)を求めた。中央の輝度の測定値は10000cd/m2であった。加えて、線116F上であって且つ屈曲部中の直管部116Xの中央部の輝度、及び当該部位から辺631W2に向かって50mm離れた位置の輝度を測定し、下記に述べる輝度むら(横)を測定した。
下記の数式1〜3に従って、正面方向の輝度平均値(正面輝度)LAと輝度むら(縦)LU1、輝度むら(横)LU2を得た。輝度むら(縦)は1.5%、輝度むら(横)は6.3%、であった。輝度が初期の50%になるまでの時間をバックライトの寿命としたとき、その寿命は60,000時間であった。それらの結果を図36に示す。
輝度平均値 LA=(L1+L2)/2 (数式1)
輝度むら(縦) LU1=((L1-L2)/LA)×100 (数式2)
L1:複数本設置された熱陰極管ランプ真上での輝度極大値の平均
L2:極大値に挟まれた極小値の平均
輝度むら(横) LU2=((L3-L4)/(L3+L4)/2)×100 (数式3)
L3:屈曲部の長さ方向の中間位置真上の輝度の平均
L4:屈曲部の長さ方向の中間位置から直線部と平行に50mm内側の真上の輝度の平均
【0086】
なお、輝度むらは、輝度の均一性を示す指標であり、輝度むらが悪いときは、その数値は大きくなる。
【0087】
光拡散板、プリズムシート、拡散シートを載せた状態で、赤外線の分布を相馬光学社製Fastevert S-2400により、測定した(波長843nm、熱陰極管ランプの電極より15mm離れたエミッタ直上位置での測定値αとし、その位置から光拡散板短辺に平行移動したランプとランプの中間位置での測定値βとする)。
α=0.040μW/(cm2・nm)、β=0.028μW/(cm2・nm)、β/α=0.70。このバックライトに液晶テレビ(シャープ社製 アクオスLC−46GX1W、(「アクオス」は登録商標、以下同じ))から取り出したVA型液晶パネルを載せて、100時間点灯しても特に表示に乱れはなかった。液晶テレビ(LG Electronics社製 HDTV Model :47LB5D)から取り出したIPS型液晶パネルでも100時間で表示に乱れはなかった。
また寿命試験中の光拡散板に反りは観察されず、電極付近での輝度むらが大きくなることもなかった。
【0088】
さらに、対照の光拡散板として、光入射面も光出射面も平板で凹凸構造も印刷も無い他は同一のものを作製し、上記光拡散板と置き換え、バックライト装置を駆動させ、表面の温度測定を行なったところ、本実施例の装置において光制御部は所定の伝熱機能及び熱拡散機能を有することが確認された。
【0089】
<実施例2>
予熱のためのフィラメント電流を500mAとし、エミッタ表面温度を820℃に維持した他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0090】
加えて、光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、エミッタ直上位置での温度が88℃であり、熱陰極管ランプ長手方向の中央部の直上位置では41℃であった。
光拡散板出射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、屈曲部の長さ方向の中間位置(図3における、軸116Fの中間点116P3を光拡散板出射面に投影した位置)での温度が35℃であった。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0091】
<実施例3>
予熱のためのフィラメント電流を600mAとし、エミッタ表面温度を850℃に維持した他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0092】
<実施例4>
光拡散板の凹凸構造パターンを下記に詳述する通りとし、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとし、反射板の深さ及びピンの高さ2331(図23参照)を32.5mmとし、蛍光管の中心616PA及び616PBから拡散板入射面631Bまでの距離を23.75mmとした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、ピンの配置の概略は図6に示す通りだが、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとしたのに合わせて、幅方向(図6における図面の上下方向)にピンをずらし、最寄の直線部の軸616Gからピンまでの距離を50mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンの距離616Kは約112mmである。またそのピンと一番近いピンの距離616Jは約141mmである。
【0093】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0094】
本実施例で用いた光拡散板上の凹凸構造について、図10を参照して説明する。図10に示すように、光拡散板1031を直下型バックライト装置に取り付けた状態で、熱陰極管ランプ1010Aの中心1016PAから隣接する熱陰極管ランプ1010Bの中心1016PBまでの距離の中間1016Hと、点1016PAとの間に相当する距離の区間を、3つのゾーンに分け、点1016PAから近いものから順に1016ZA(9mm)、1016ZB(17.5mm)及び1016ZC(23.5mm)の3つのゾーンに分けた。
【0095】
図10に示す光拡散板1031の光出射面1031Aには、その全面に、図11に示すように、頂角100°、底辺70μmの三角形状の断面を有するプリズム状の凸部1061を、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)設けた。
【0096】
一方、光拡散板1031の光入射面1031Bの各ゾーンのうち、ゾーン1016ZAは平坦な面とした。ゾーン1016ZBには図11に示すように三角形状の断面を有するプリズム状の凸部1064と、平坦な部分1065とを交互に設けた。ただし、凸部1064の頂角は130°、底辺1064Wは70μmとし、平坦な部分の幅1065Wは70μmとした。ゾーン1016ZCには、頂角130°、底辺70μmの三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を、平坦な部分のギャップ無く設けた。
【0097】
<実施例5>
光拡散板の入射面の凹凸構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0098】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の凹凸構造について、図12を参照して説明する。図12において、光拡散板1231における線1231Cの位置は図6における線631Cのそれと同一である。線1231Cから辺1231W2へ20mm離隔した位置の線1231Dから、辺1231W2までの間の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。一方、線1231W1から線1231Cまでの間の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W1までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。そして、線1231Cから線1231Dまでの間の領域には、両方の領域のプリズムと同じ角度を有する斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形するための金型において、線1231Cから線1231Dまでの領域には、辺1231Lと平行な方向に、領域1231D〜1231W2に設けたものと同様の溝を掘り、加えて辺1231W1及び1231W2と平行な方向に、領域1231W1〜1231Cに設けたものと同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、光拡散板1231の領域1231C〜1231Dに形成された。
【0099】
<実施例6>
光拡散板の入射面の凹凸構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0100】
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0101】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の凹凸構造について、図13を参照して説明する。本実施例では、光拡散板の入射面には凹凸構造を設けず、代わりに図13に示す印刷を施した。図13において、線1316Gは、蛍光管110の軸116Gを光拡散板上に投影した線を示す。線1316Fは、蛍光管110の軸116Fを光拡散板上に投影した線を示す。本実施例で用いた光拡散板1331の入射面には、図13に示す通り、蛍光管110に沿ったゾーン1371に印刷を施した。
【0102】
ゾーン1371を、図14を参照してより詳細に説明する。蛍光管の軸を投影した線(1316G及び1316F;図14では1316G)を中心に、矢印1371Aで示す距離までの領域を、ゾーン1371ZAとし、さらにそこから矢印1371Bで示す距離までの領域を、ゾーン1371ZBとした。矢印1371A及び1371Bで示す距離は、本実施例ではいずれも10mmとした。
【0103】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。ゾーン1371ZAにおいてはゾーン面積の50%が、ゾーン1371ZBにおいてはゾーン面積の20%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0104】
<実施例7>
光拡散板の原料として、脂環式オレフィンポリマーに代えて、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」)99.7部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.3部とを混合した樹脂組成物を用いるとともに、光拡散板及び光反射板の構造を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、85%であった。
【0105】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
【0106】
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0107】
本実施例で用いた光拡散板の構造について説明する。光拡散板の光出射面には、その全面に、幅70μm、深さ22.3μm、ピッチ70μmで、半径38.6μmの円の一部(半円よりもやや小さい部分)を断面(長手方向に垂直な面で切断した断面)として有する蒲鉾形状の凸部を、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記蒲鉾形状の底角部分同士が接するように)設けた。
【0108】
一方、光拡散板の光入射面は凹凸のない面とし、実施例6と同様の印刷を施した。
【0109】
本実施例で用いた反射板の構造について、図15及び図16を参照して説明する。本実施例では、貼付するシートとして、東レ社製E6SVに代えてMCPET(製品名、古河電気化学工業社)を用いた。そして、反射板1501上における、3本の蛍光管1510の6本の直線部で挟まれる位置5箇所のそれぞれに、三角柱状の突起1581を設け、それらの斜面にも同様に反射シートを設けた。突起1581の頂角θ1582は90°とし、高さ1582Hは20mmとし、突起の中心線1516Hが、隣接する蛍光管直線部(1510A、1510B)の中心1510PA及び1510PBの中間点に位置するよう位置決めした。蛍光管1510の屈曲部の軸1516Fから突起1581の端部1582Aまでの距離は20mmとした。
【0110】
<実施例8>
光拡散板の原料として、脂環式オレフィンポリマーに代えて、脂環式オレフィンポリマー(日本ゼオン社製、「ゼオノア1420R」)97.4部と、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子2.6部とを混合した樹脂組成物を用いるとともに、熱陰極管ランプの直線部の間隔を100mmとし、光拡散板の構造を以下に示す態様とし、且つピン2300の位置を実施例4と同様とした他は、実施例7と同様に、直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、55%であった。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0111】
本実施例で用いた光拡散板上の構造について説明する。光拡散板の光出射面は、その全面を平滑な面とし、印刷も凹凸も設けなかった。一方、光入射面は、凹凸を設けず平滑な面とし、下記の点を変更した以外は実施例6におけるものと同様の印刷を施した。変更点を図13及び図14を参照して説明すると、印刷を施す位置は、直線部の間隔が100mmである蛍光管の軸1316Gを光拡散板に投影した位置にゾーン1371の中心線が適合するようにした。ゾーン1371ZAにおいてはゾーン面積の65%が、ゾーン1371ZBにおいてはゾーン面積の30%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0112】
<実施例9>
光拡散板を以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
【0113】
本実施例で用いた光拡散板について、図17を参照して説明する。光拡散板の出射面の全面には、実施例2における光拡散板の出射面と同様の凹凸を設けた。入射面の線1731C〜1731W2間の領域には、実施例2における線631C〜631W2(図6)間の領域と同様の凹凸を設けた。一方線1731C〜1731W1間の領域には、凹凸を設けず、蛍光管の屈曲部に沿ったゾーン1771において印刷を施した。線1731Cの位置は、辺1731W1から50mmの距離とした。
【0114】
ゾーン1771について、図24を参照してより詳細に説明する。ゾーン1771は、蛍光管110の屈曲部の軸116Fの中間点116P3を光拡散板に投影した位置を中心とした矩形の領域であり、内側のゾーン1771ZAは、軸116Fを光拡散板に投影した線からの距離(図24中の矢印1771A1)10mmの範囲内とし、外側のゾーン1771ZBは、そこからの距離(図24中の矢印1771B1)10mmの範囲内とした。また、中間点116P3を通り蛍光管110の直線部の軸116Gに平行な線116Eを光拡散板に投影した線から、ゾーン1771ZAの縁までの距離(図24中の矢印1771A2)は55mmとし、そこからさらにゾーン1771ZBの縁までの距離(図24中の矢印1771B2)は10mmとした。
【0115】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。ゾーン1771ZAにおいてはゾーン面積の50%が、ゾーン1771ZBにおいてはゾーン面積の20%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0116】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0117】
<実施例10>
光拡散板及び熱陰極管ランプを以下に示す態様とした他は、実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0118】
本実施例で用いた光拡散板及び熱陰極管ランプの構造について説明する。光拡散板の出射面の全面には、実施例2における光拡散板の出射面と同様の凹凸を設けた。入射面には、その全面に、実施例2における線631C〜631W2(図6)間の領域と同様の凹凸を設けた。一方蛍光管には、その屈曲部で且つ出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように、二酸化珪素粒子を付着させた。これを図18及び図19を参照してより詳細に説明すると、蛍光管の屈曲部1810Cであって、直線部1810Sの内側を延長した線1816A1及びA2で囲まれる領域1810R内のガラス面上であって、且つ出射面側(図19における上側)の領域1872に、二酸化珪素粒子を付着させた。
【0119】
<実施例11>
光拡散板の入射面の印刷及び熱陰極管ランプを以下に示す態様とした他は、実施例8と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
【0120】
本実施例で用いた光拡散板の入射面の印刷の態様について、図20を参照して説明する。図20に示す光拡散板2031において、蛍光管の直線部の軸2016Gを光拡散板に投影した位置を中心として、直線の帯状のゾーン2073を設け、当該ゾーン内に印刷を施した。ゾーン2073は、図14に示すゾーン1371と同様に、さらに2つのゾーン(図14における1371ZA及び1371ZBに相当)に分けた。内側のゾーン縁から中心線までの距離(図14における矢印1371Aに相当)は10mmとし、外側のゾーンの幅(図14における矢印1371Bに相当)の10mmとした。
【0121】
印刷には、二酸化チタン25質量%を顔料として含む白インキを用い、直径100μmの円形のドットを、各ゾーン内において均一に並べて印刷した。内側のゾーンにおいてはゾーン面積の65%が、外側のゾーンにおいてはゾーン面積の30%が印刷面で覆われるよう、ドットの密度を調整した。
【0122】
また、熱陰極管ランプとしては、実施例10で用いたものと同様に、蛍光管の屈曲部で且つ出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように、二酸化珪素粒子を付着させたもの(ただし直線部の間隔は実施例8と同様100mm)を用いた。
【0123】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0124】
<実施例12>
熱陰極管ランプとして、蛍光管の外径が32.5mmであるものを用い、ピン高さ2331(図23参照)を変更して反射板と拡散板との距離を42.0mmとし、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離を18.25mmとした以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0125】
<実施例13>
熱陰極管ランプとして、蛍光管のガラス厚みが3mmであるものを用いた以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0126】
<実施例14>
インバータをトランス方式とした 以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0127】
<実施例15>
ピン高さ2131を変更して反射板と拡散板入射面との距離を200mmとし、蛍光管の中心から拡散板入射面まで距離を190.25mmとした以外は実施例2と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図36に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0128】
<実施例16>
光拡散板の射出成形の際の条件を、シリンダー温度320℃、保圧75MPa、保圧時間6秒、金型温度120℃に変更した以外は実施例2と同様にして光拡散板及びバックライト装置を作製した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
この光拡散板の頂角100度の三角プリズム面を研磨し、残留応力を測定したところ、最大が15MPa、最小が2MPaであった。中央部での輝度むらは1.5%と小さかったが、電極付近では反りが発生し、輝度むらが6.3%と大き目の結果であった。
【0129】
<実施例17>
支持ピン2300の配置を、図21に示す通りとした以外は実施例2と同様にバックライト装置を作製した。図21において、線2171Dの位置は、辺2131Lの中点を通る位置、即ち辺2131W1及び2131W2とから等距離の位置である。辺2131W1から線2171Jまでの距離及び辺2131W2から線2171Kまでの距離はいずれも300mmである。熱陰極管ランプのエミッタの位置と一番近いピンの距離2116Kは302mmである。ピン2300から、最寄の直線部の軸2116Gまでの距離は、いずれも45mmである。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0130】
電極部近傍で熱陰極管ランプ側に凸の2.5mmの反りが発生し、中央部でも同じ向きの1.5mmの反りが発生していた。その結果、中央部付近の輝度むらが2.8%と少し大きめであり、電極付近では4.5%とさらに大きくなった。
【0131】
<実施例18>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0132】
(18−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0133】
(18−2:熱陰極管ランプ)
図3に概略的に示される形状であるが、実施例1で用いたものとは寸法が異なるコの字形のソーダライムガラスからなる蛍光管110及びフィラメント部120を有する熱陰極管ランプを準備した。図3を参照して説明すると、本実施例において、蛍光管110は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。軸116G及び116Fに垂直な面における蛍光管110の断面は円形であった。蛍光管110の点線110Dより直線側の直線部110Sの管長は580mmであり、これらは間隔116Gが90mmとなるように屈曲部110Cで接続されていた。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線116Fを有する直線状の部分116Xを有し、当該部分116Xの両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部110Sと連結されていた。蛍光管110の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント122上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)124を塗布付着した電極120を設置した。また、蛍光管110の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管110内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0134】
(18−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図25に概略的に示される光拡散板2531を成形した。得られた光拡散板2531は、厚み2mm、長さ(図25中の辺2531W1及び2531W2方向)1018mm×幅(図25中の辺2531L方向)573mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0135】
図26は、図25に示す光拡散板2531を、辺2531W2側から見た部分立面断面図である。光拡散板2531の一方の面2531A(出射面として使用)には、頂角2561Tが100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)2561を、ピッチ(距離2561W)70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、光拡散板2531の短辺2531Lの方向と略平行に形成した。
【0136】
一方、光拡散板2531の他方の面2531B(入射面として使用)には、辺2531W1から60mmの線2531Cを境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線2531Cから辺2531W2側には、図26に示すように、頂角2562Tの異なる複数種類の三角プリズム2562を、所定の混合割合で配置した。三角プリズム2562はいずれも、光拡散板2531の短辺631Lの方向と略平行に形成した。三角プリズム2562の配置及び混合割合は、実施例1における三角プリズム662のそれと同様とした。
【0137】
光拡散板2531の面2531Bの、線2531Cから辺2531W1側には、図27に示す通り、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)2563を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺2531W1と略平行に形成した。後述する通り、バックライト装置を組み立てる際には、装置上面から見た際、辺2531W1と線2531Cとの中間に、蛍光管110の屈曲部110C中の直管部分110Xの中心線116Fが位置するよう(即ち距離2552A及び2552Bが均等になるよう)バックライト装置を構成した。
【0138】
(18−4:バックライト装置の組み立て)
前記(18−2)で得た熱陰極管ランプ5本を、前記反射板に取り付けた。屈曲部110Cは熱陰極管ランプ5本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部116Xの中心線116Fから直下型バックライト装置長辺側(図25に示す光拡散板2531の辺2531W1側に相当する側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離2551A及び2551B(図25)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図25に示す位置に取り付けた。このときピンの位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部の軸2516Gの中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。
【0139】
図25において、これらのピン2300と、その他の部材の、上面から見た際の平面上の位置関係を示す。辺2531W2と線2571Gとの距離は100mm、辺2531W2と線2571Fとの距離は200mm、辺2531W1と線2571Aとの距離は100mm、辺2531W1と線2571Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプ110のエミッタの位置と一番近いピンとの距離2516Kは約110mmである。またそのピンと一番近いピンの距離2516Jは約134mmである。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図25に示す通り、辺2531W1が熱陰極管ランプ110の屈曲部側に対応し、屈曲部110Cの直管部116Xの中心線116Fが、辺2531W1と線2531Cとのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板2531を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプ110の中心と光拡散板2531の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0140】
さらに、この光拡散板2531の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0141】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0142】
<実施例19>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0143】
(19−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0144】
(19−2:熱陰極管ランプ)
図22において概略的に示されるN字形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。2本の、端部を含む直線部の管長は1020mmであり、1本の、端部を含まない直線部の管長は490mmであった。これら3本の直線部を、図22において示す通り平行に並べ、屈曲部で連結されたN字形の構造とした。屈曲部は、長さ約60mmで前記直線部と90°の角度をなす中心線2216F1及び2216F2を有する直線状の部分を有し、当該部分の両端は、曲率半径13mmで屈曲した部分を介し、直線部と連結されていた。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0145】
(19−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図22に概略的に示される光拡散板2231を成形した。得られた光拡散板2231は、厚み2mm、幅(図22中の辺2231W1及び2231W2方向)573mm×長さ(図22中の辺2231L方向)1018mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0146】
光拡散板2231の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺2231Lの方向と略平行に形成した。
【0147】
一方、光拡散板2231の他方の面(入射面として使用)には、辺2231W1からの距離が60mmの線2231C1及び辺2231W2からの距離が60mmの線2231C2を境界として、方向の異なる三角プリズムを設けた。線2231C1及び2231C2で囲まれる領域には、実施例1における拡散板631の入射面631Bの線631〜辺631W2の領域と同様の三角プリズムを配置した。一方、辺2231W1及び線2231C1で囲まれる領域並びに辺2231W2及び線2231C2で囲まれる領域には、実施例1における光拡散板631の入射面631Bの、線631Cから辺631W1側の領域と同様の三角プリズムを配置した。
【0148】
(19−4:バックライト装置の組み立て)
前記(19−2)で得た熱陰極管ランプ2本を、前記反射板に、図22に示す態様で取り付けた。屈曲部中の直管部の中心線2216F1から直下型バックライト装置の辺2231W1側の壁までの距離は30mmとし、中心線2216F2から直下型バックライト装置の辺2231W1側の壁までの距離も30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離2251A〜2251C(図22)は90mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路140を取り付けた。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、実施例1のバックライト装置と同じ位置に取り付けた。
次に、図34に示すパターンが形成された面を熱陰極管ランプ側に向けて、図22に示す通り、蛍光管屈曲部の軸2216F1及び2216F2が、それぞれ辺2231W1と線2231C1とのちょうど中間、及び辺2231W2と線2231C2とのちょうど中間に位置するよう、前記光拡散板2231を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2231の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0149】
さらに、この光拡散板2231の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0150】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0151】
<実施例20>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0152】
(20−1:反射板)
実施例1の(1−1)と同一の反射板を作成した。
【0153】
(20−2:熱陰極管ランプ)
図28において概略的に示される、正方形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。蛍光管2890の、フィラメント部2890Tが設けられた辺2890A1及びそれと平行な辺2890A2の長さ(矢印2891Aの長さに相当)、及び辺2890A1及び2890A2に垂直な辺2890Bの長さ(矢印2891Bの長さに相当)は、いずれも90mmとした。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0154】
(20−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図29に概略的に示される光拡散板2831を成形した。得られた光拡散板2831は、厚み2mm、幅(図29中の辺2831W1及び2831W2方向)573mm×長さ(図29中の辺2831L方向)1018mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0155】
光拡散板2831の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺2831Lの方向と略平行に形成した。
【0156】
一方、光拡散板2831の他方の面(入射面として使用)には、熱陰極管ランプ2890の辺2890A1及び2890A2の軸2892A1及び2892A2に沿って、帯状の領域2832を設けた。領域2832の、辺2831W1側の縁2832B1と、軸2892A2との距離(矢印2833W1)、及び辺2831W2側の縁2832B2と、軸2892A1との距離(矢印2833W2)は、いずれも15mmとした。軸2892A1と2892A2との間隔2891Gは20mmとしたので、領域2832の幅は50mmである。
【0157】
光拡散板2831の入射面のうち、領域2832以外の領域には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと同一のパターンを設けた。一方、領域2832には、実施例1及び図6で説明した、線631Cから辺631W2までの領域におけるパターンと、線631Cから辺631W1までの領域におけるパターンとの両方のプリズムと同じ角度を有する斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形するための金型において、領域2832に対応する領域には、辺2831Lと平行な方向に、図6の領域線631C〜631W2に設けたものと同様の溝を掘り、加えて辺2831W1及び2831W2と平行な方向に、図6の領域線631C〜631W1に設けたものと同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、領域2832に形成された。
【0158】
(20−4:バックライト装置の組み立て)
前記(20−2)で得た熱陰極管ランプ27本を、前記反射板に、図28に示す態様で取り付けた。3個ずつの熱陰極管ランプの列のそれぞれにおいて、蛍光管の部分2890A1の軸(2892A1)及び2890A2の軸(2892A2)のそれぞれを、一直線上に揃えた。一方、5個または4個の熱陰極管ランプの行のそれぞれにおいて、蛍光管の部分2890Bの軸(2892B)を一直線上に揃え、さらに、隣接する他の行の軸とも一致させた。軸2892A1と、隣接する他の列の軸2892A2とのギャップ2891Gは、20mmとした。
【0159】
それぞれの熱陰極管ランプは、適切な支持具(図示せず)で固定し、反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0160】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図28に示す通りそれぞれの熱陰極管ランプの中心に取り付けた。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図29を参照して上で説明した通り、軸2892A1及び2892A2が領域2832と整列するよう、前記光拡散板2831を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2831の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0161】
さらに、この光拡散板2831の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0162】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0163】
<実施例21>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0164】
(21−1:反射板)
内寸長さを1200m、幅を573mmとした他は実施例1の(1−1)と同様に、反射板を作成した。
【0165】
(21−2:熱陰極管ランプ)
図30において概略的に示される、正方形の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する5種類の熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。正方形の蛍光管3090S1〜3090S5の一辺の長さ3091A1〜3091A5はそれぞれ、60mm、180mm、300mm、420mm及び540mmとした。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と0.5kPaのアルゴンを封入した。
【0166】
(21−3:光拡散板)
金型を変更して、寸法及び表面の凹凸の形状を変更した他は、実施例1の(1−3)と同様にして、光拡散板を成形した。得られた光拡散板は、厚み2mm、幅700mm×長さ1200mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0167】
光拡散板の一方の面(出射面として使用)には、実施例1の光拡散板の出射面のパターンが直交した斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形する金型において、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)がピッチ70μmで平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)形成されるような溝を光拡散板の長さ方向に掘り、さらに、幅方向にも同様の溝を掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、本実施例の光拡散板の出射面に形成された。
【0168】
光拡散板のもう一方の面(入射面として使用)には、以下に詳述する形状及び分布の三角プリズムのパターンが直交した斜面から構成される四角錘が反転した形状のパターンを設けた。即ち、この面を成形する金型において、以下に詳述する三角プリズムが形成されるような溝を光拡散板の長さ方向及び幅方向に掘ることにより四角錘を形成し、これを転写した形状が、本実施例の光拡散板の出射面に形成された。
【0169】
光拡散板の入射面の長さ方向には、バックライト装置を構成した際に図30で示す熱陰極管ランプの軸3091Q1〜3091Q10が位置する場所を基準として、これらの軸の間(いずれも60mm)のそれぞれを、17種のゾーンに分け、三角プリズムを分布させた。具体的なゾーンの分け方及び三角プリズムの配置は、図8において軸616PA〜616PB間において行なったものと同様であるが、ゾーンA〜Qの範囲の広さ及び混合割合は、図35の通りに変更した。三角プリズムのピッチは、ゾーンQのみ65.2μmとしたが、他のゾーンA〜Pでは実施例1と同じ70μmとした。
【0170】
光拡散板の入射面の幅方向には、バックライト装置を構成した際に図30で示す熱陰極管ランプの軸3091R1〜3091R20が位置する場所を基準として、これらの軸の間(いずれも60mm)のそれぞれを、長さ方向と同様に17種のゾーンに分け、三角プリズムを分布させた。
【0171】
(21−4:バックライト装置の組み立て)
前記(21−2)で得た熱陰極管ランプ3090S1〜3090S5を2本ずつを、前記反射板に、図30に示す態様で取り付けた。熱陰極管ランプの軸3091Q1〜3091Q10の間隔、及び軸3091R1〜3091R20の間隔はいずれも60mmとした。隣接する3090S1同士〜3090S5同士のぞれぞれについて、装置の長さ方向の軸3091Q1〜3091Q10のそれぞれはいずれも一直線上に揃えた。
【0172】
それぞれの熱陰極管ランプは、適切な支持具(図示せず)で固定し、反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0173】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、図23に図示する通り、線3071H1〜3071H7のいずれかと線3071J1〜3071J12のいずれかとの交点に対応する位置に取り付けた。ここで、線3071H1〜3071H7は軸3091Q1〜3091Q10と平行であり、線3071J1〜3071J12は軸3091R1〜3091R20と平行である。線3071H1〜3071H7のそれぞれは、軸3091Q1〜3091Q10のうちの最も近い2本の中間に位置し、線3071J1〜3071J12のそれぞれは、軸3091R1〜3091R20のうちの最も近い2本の中間に位置する。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図30を参照して上で説明した通り、軸3091Q1〜3091Q10、及び軸3091R1〜3091R20が光拡散板の所定の位置に対応するよう、光拡散板を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板2831の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0174】
さらに、この光拡散板の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0175】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0176】
<実施例22>
反射板、蛍光ランプ、および光拡散板を備える直下型バックライト装置を作成した。
【0177】
(22−1:反射板)
内寸長さを1018m、幅を180mmとした他は実施例1の(1−1)と同様に、反射板を作成した。
【0178】
(22−2:熱陰極管ランプ)
図31において概略的に示される、U字型の形状を有する、ソーダライムガラスからなる蛍光管及びフィラメント部を有する熱陰極管ランプを準備した。この熱陰極管ランプが有する蛍光管3116は外径が約15.5mm、ガラス厚みが0.7mm、ガラスの透過率が90%であった。蛍光管3116の長尺の部分3116Lの長さ(矢印3116AL)は958mmで、短尺の部分3116Sの長さ(矢印3116AS)は45mmであった。蛍光管の両端には、三重コイルのタングステンフィラメント上に、BaO、SrO、CaOを1:1:1の割合で含んでなるエミッタ(電子放射物質)を塗布付着した電極を設置した。また、蛍光管の内壁面には、3波長発光型蛍光体が形成されていて、蛍光管内には水銀と1kPaのアルゴンを封入した。
【0179】
(22−3:光拡散板)
金型を変更して、形状を下記の所定の形状とした他は、実施例1の(1−3)と同様にして、図32に概略的に示される光拡散板3131を成形した。得られた光拡散板3131は、厚み2mm、幅(図31中の辺3131W1及び3131W2方向)300mm×長さ(図31中の辺3131L方向)1200mmの長方形状の平板状であり、その両面に所定の凹凸構造を有していた。
【0180】
光拡散板3131の一方の面(出射面として使用)には、頂角が100°である断面を有する三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、長辺3131Lの方向と略平行に形成した。
【0181】
一方、光拡散板3131の他方の面(入射面として使用)の線3131A及び3131Bで囲まれる領域には、2本の熱陰極管ランプ3116の軸3116Gに対応する部分を、実施例1における軸616PA〜616PBと同様に17種のゾーンに分け、各ゾーンに頂角140°から170°の三角形状の断面を有するプリズム状の凸部を図34に示す混合割合で設けた。一方辺3131W1〜3131Aの間の領域、及び辺3131W2〜3131Bの間の領域には、断面が頂角80°の三角形状の線状プリズム(三角プリズム)を、ピッチ70μmで、平坦な部分のギャップ無く(平坦な部分が存在しないように、即ち、互いに隣接する前記三角形状の底角部分同士が接するように)、辺3131W1及び3131W2と略平行に形成した。
【0182】
(22−4:バックライト装置の組み立て)
前記(22−2)で得た熱陰極管ランプ3116を、前記反射板に、図31に示す態様で取り付けた。熱陰極管ランプの軸3116Gの間隔は90mmとした。また、図31中矢印3116AEで示す距離はいずれも30mmとした。
【0183】
反射板から熱陰極管ランプの軸までの距離は9.75mmとし、電極部近傍をシリコーンシーラントで固定し、動作回路を接続した。この動作回路(安定器に相当)は、それぞれバラストチョーク型インバータ回路を含む点灯回路と予熱回路とを備えている。
【0184】
さらにポリカーボネート樹脂(出光興産社製 タフロンURZ2502)で製造した、図23に示す、底部直径2332が2mm、上部直径2333が1mmの円錐台形状にさらに直径1mmの半球を載せた形状で、高さ2331が25mmの支持ピン2300を、適宜取り付けた。
次に、前記入射面を熱陰極管ランプ側に向けて、図32を参照して上で説明した通り、軸3116Gが光拡散板の所定の位置に対応するよう、光拡散板を反射シート貼付けアルミケースからなる反射板の上に設置した。この際、熱陰極管ランプの中心と光拡散板3131の光入射面との距離は15.25mmであった。
【0185】
さらに、この光拡散板の光出射面側に、それぞれ光学シートに相当する、プリズムシート(住友スリーエム社製、「BEFIII−10T」)、および拡散シート(きもと社製、「ライトアップ188GM3」)をこの順に設置し、直下型バックライト装置を得た。プリズムシートは、プリズムの長手方向を熱陰極管ランプの直線部と平行に設置した。
【0186】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
また、実施例1と同様に、VA型液晶パネルやIPS型液晶パネルを載せて100時間点灯試験、寿命試験中の光拡散板に反り試験、電極付近での輝度むら試験、光制御部の伝熱機能及び熱拡散機能の確認試験を実施したところ、実施例1と同様の結果であった。
【0187】
<比較例1>
光拡散板の製造に用いる材料として、平均粒径2μmのポリシロキサン重合体の架橋物からなる微粒子0.8部とゼオノア1420R99.2部とを混合した樹脂組成物を用い、光拡散板を入出射面とも凹凸構造および印刷のない平板とし、熱陰極管ランプを、その蛍光管表面に後述の通り二酸化珪素粒子を付着させたものとし、熱陰極管ランプの間隔を50mmとし、熱陰極管ランプ及びピンの配置を以下に述べる通りとした以外は、実施例2と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。なお、この拡散板と同一の材料で厚み2mmで凹凸構造を有しない平板を上記と同一の条件で製造し、その光線透過率を測定したところ、65%であった。二酸化珪素は、蛍光管の全長(屈曲部及び直線部の両方)にわたり、出射面側の領域に、ガラス面の光透過率70%となるように付着させた。
本比較例における熱陰極管ランプ及びピンの配置を、図33を参照して説明する。
熱陰極管ランプの屈曲部は6本とも同じ側に配置されるように設置し、屈曲部中の直管部の中心線116Fから直下型バックライト装置短辺側(図33に示す辺3331W1側)の壁までの距離は30mmとした。熱陰極管ランプの直線部の中心間距離3351A及び3351B(図33)は50mm、反射板から熱陰極管ランプの中心までの距離は9.75mmとした。
支持ピン2300の位置はすべて、直近の2本の蛍光管直線部の軸3316Gの中間の位置(即ち直近の2本の蛍光管直線部の両方から等しい距離の位置)である。辺3331W1と3331W2との中間線3371Dから線3371Cへの距離及び線3371Dから線3371Eへの距離はいずれも100mmで、辺3331W2と線3371Gとの距離は100mm、辺3331W2と線3371Fとの距離は200mm、辺3331W1と線3371Aとの距離は100mm、辺3331W1と線3371Bとの距離は200mmとした。熱陰極管ランプのエミッタの位置120Aと一番近いピンとの距離3316Kは約103mmである。またそのピンと一番近いピンの距離3316Jは100mmである。
【0188】
得られた直下型バックライト装置について、実施例1と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、光拡散板の残留応力を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0189】
<比較例2>
光拡散板の製造に用いる材料として、比較例1で用いたものと同一の樹脂組成物を用い、光拡散板を入出射面とも凹凸構造および印刷のない平板とした以外は、実施例1と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。
【0190】
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量、及び寿命を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
このバックライトに実施例1と同じVA型の液晶パネルを載せて、100時間点灯したところ電極付近の表示に乱れが生じた。実施例1と同じIPS型液晶パネルでも100時間で乱れが生じた。
光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、フィラメント直上位置での温度が90℃であり、熱陰極管ランプ中央部の直上位置では41℃であった。寿命試験後フィラメント直上位置は黄変していた。
【0191】
<比較例3>
予熱のためのフィラメント電流を1200mAとし、エミッタ表面温度を1050℃に維持した他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0192】
<比較例4>
予熱のためのフィラメント電流を0mAとした他は、実施例1と同様に、直下型バックライト装置を作成した。エミッタ表面温度は600℃程度となった。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様に輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、エミッタ直上位置と熱陰極管ランプ長手方向の中央部の光拡散板入射面の表面温度、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。その他の結果は図37に示す。
【0193】
<比較例5>
光拡散板の製造に用いる材料として、実施例7で用いたものと同一の樹脂組成物を用い、光拡散板の出射面における熱陰極管ランプを光拡散板に垂直に投影した領域のみに、頂角90°、ピッチ70μmで、その長手方向が熱陰極管ランプの軸方向に沿った、断面三角形のプリズムを形成した以外は、実施例2と同様に、光拡散板及び直下型バックライト装置を作成した。
【0194】
光拡散板入射面の表面温度を測定した。前記表面温度が平衡に達した1時間後で、フィラメント直上位置での温度が90℃であり、熱陰極管ランプ中央部の直上位置では41℃であった。寿命試験後フィラメント直上位置は黄変していた。
得られた直下型バックライト装置について、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むら、領域X及び領域Yに相当する部分の透過率、屈曲部の長さ方向の中間位置の光拡散板出射面の表面温度、光拡散板の残留応力、赤外線量を評価した。領域X及び領域Yに相当する部分の透過率はそれぞれ60%及び80%であった。本比較例では輝度半減寿命は60,000時間であったが、初期の輝度むら5%が3000時間経過した時点で9%となり、輝度むらの観点からは輝度半減寿命より短い時間で劣化する結果となった。その他の結果は図37に示す。
【0195】
<比較例6>
タングステンフィラメント上にエミッタを塗布しない以外は、実施例2 と同様に、直下型バックライト装置を作成し、実施例2と同様の条件で点灯させ、輝度と輝度むらの評価を試みた。熱陰極管ランプは2分で電極が切れてしまい、数値を評価できなかった。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態を概略的に示す立面断面図である。
【図3】本発明の直下型バックライト装置の一実施形態において用いられる蛍光ランプ及び安定器を概略的に示す上面図である。
【図4】図3に示す蛍光ランプをより詳細に示す部分上面図である。
【図5】図6に示す光拡散板及び蛍光ランプの関係をより詳細に示す部分側面断面図である。
【図6】本発明の直下型パックライト装置の一実施形態にかかる光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図7】図6に示す光拡散板をより詳細に示す部分立面断面図である。
【図8】図6に示す光拡散板の表面の構造をより詳細に示す立面断面図である。
【図9】図6に示す光拡散板及び蛍光ランプをより詳細に示す部分立面断面図である。
【図10】本願実施例4で用いた光拡散板の表面の構造を概略的に示す立面断面図である。
【図11】本願実施例4で用いた光拡散板の表面の構造を概略的に示す立面部分断面図である。
【図12】本願実施例5で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図13】本願実施例6及び8で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図14】図13に示す光拡散板のゾーン1371の構造をより詳細に示す平面図である。
【図15】本願実施例7で用いた反射板と蛍光ランプとの関係を概略的に示す部分上面図である。
【図16】本願実施例7で用いた反射板と蛍光ランプとの関係を概略的に示す部分立面断面図である。
【図17】本願実施例9で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図18】本願実施例10で用いた蛍光ランプを概略的に示す部分上面図である。
【図19】本願実施例10で用いた蛍光ランプを概略的に示す部分立面断面図である。
【図20】本願実施例11で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図21】本願実施例17における支持ピンの配置を概略的に示す上面図である。
【図22】本願実施例19で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図23】本発明の直下型バックライト装置に用いる支持ピンの例を示す図である。
【図24】図17で示すゾーン1771と蛍光ランプとの関係をより詳細に示す部分平面図である。
【図25】本願実施例18で用いた光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図26】図25に示す光拡散板をより詳細に示す部分立面断面図である。
【図27】図25に示す光拡散板及び蛍光ランプをより詳細に示す部分立面断面図である。
【図28】本願実施例20で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図29】本願実施例20で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図30】本願実施例21で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図31】本願実施例22で用いた光拡散板及び蛍光ランプの関係を概略的に示す上面図である。
【図32】本願実施例22で用いた光拡散板の光入射面の構造を概略的に示す平面図である。
【図33】本願比較例1で用いた光拡散板、蛍光ランプ及び支持ピンの関係を概略的に示す上面図である。
【図34】本願実施例1で用いた光拡散板の表面のパターンの混合割合を示す表である。
【図35】本願実施例21で用いた光拡散板の表面のパターンの混合割合を示す表である。
【図36】本願実施例1〜実施例15の条件及び結果を示す表である。
【図37】本願実施例16〜実施例22及び比較例1〜6の条件及び結果を示す表である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光ランプと、前記蛍光ランプからの光をその表面で反射する反射板と、前記蛍光ランプからの直射光および前記反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板と、を備える直下型バックライト装置であって、
前記蛍光ランプは、蛍光管と、前記蛍光管の少なくとも一方の端部に設けられるフィラメント部とを備え、
前記フィラメント部は、フィラメントと、このフィラメントの外周部分に設けられるエミッタとを備え、
当該直下型バックライト装置は、前記エミッタを、その表面温度が常時700〜950℃に維持されるよう予熱する予熱回路をさらに備え、
前記蛍光管の各々は、直線な部分(a)、及び前記部分(a)と非平行な部分(b)を有し、
前記直下型バックライト装置においては、複数の前記部分(a)は略平行に配列され、
複数の前記部分(a)の外寸を前記光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の少なくともいずれかの面内の面領域X上には、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられ、
前記光拡散板において、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、互いに隣接する前記領域Xの中間位置を中心とし、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さの領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向の透過率より低く、
前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む、光出射面内の面領域Z1、光入射面内の面領域Z2、および前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2の少なくともいずれかの領域に、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、
前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有することを特徴とする直下型バックライト装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直下型バックライト装置において、
前記光拡散板は、その残留応力が10MPa以下である直下型バックライト装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の直下型バックライト装置において、
前記光拡散板は、前記蛍光ランプの電極を前記光拡散板に垂直に投影した領域内の任意の1点、前記非平行な部分(b)を前記光拡散板に垂直に投影した領域内の任意の1点、及びそれ以外の領域内の任意の1点のうち、いずれか任意の2点を選んだ場合、それらの点における残留応力の差が10MPa以下である直下型バックライト装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記光制御部(A)及び光制御部(B)は、赤外線を反射及び/又は屈折する機能をさらに有する直下型バックライト装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記反射板と前記光拡散板との間には、前記光拡散板が撓まないように支持する1または2以上の支持ピンが設けられ、
各支持ピンと、この支持ピンに最も近接するエミッタとの距離が250mm以内である直下型バックライト装置。
【請求項6】
請求項5に記載の直下型バックライト装置において、
2以上の支持ピンを備え、
前記2以上の支持ピンのうち任意の1つの支持ピンを選んだ際に、この支持ピンと、この支持ピンに最も近接する他の支持ピンとの距離が200mm以内である直下型バックライト装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記光出射面には、出射する光の量を制御する出射側光制御部が設けられている直下型バックライト装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置と、
この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備え、
前記液晶セルがVAモードまたはIPSモードである液晶表示装置。
【請求項1】
蛍光ランプと、前記蛍光ランプからの光をその表面で反射する反射板と、前記蛍光ランプからの直射光および前記反射板の表面からの反射光が光入射面から入射し、光出射面から出射する光拡散板と、を備える直下型バックライト装置であって、
前記蛍光ランプは、蛍光管と、前記蛍光管の少なくとも一方の端部に設けられるフィラメント部とを備え、
前記フィラメント部は、フィラメントと、このフィラメントの外周部分に設けられるエミッタとを備え、
当該直下型バックライト装置は、前記エミッタを、その表面温度が常時700〜950℃に維持されるよう予熱する予熱回路をさらに備え、
前記蛍光管の各々は、直線な部分(a)、及び前記部分(a)と非平行な部分(b)を有し、
前記直下型バックライト装置においては、複数の前記部分(a)は略平行に配列され、
複数の前記部分(a)の外寸を前記光入射面に垂直に投影した、光入射面および光出射面の少なくともいずれかの面内の面領域X上には、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略平行方向に延在する光制御部(A)が設けられ、
前記光拡散板において、前記領域Xにおける当該光拡散板の法線方向の透過率が、互いに隣接する前記領域Xの中間位置を中心とし、前記蛍光管の外径と同じ幅であって、前記領域Xの前記光制御部(A)が設けられた部分の長さと同じ長さの領域Yにおける当該光拡散板へ前記蛍光ランプ中心から光が入射する方向の透過率より低く、
前記部分(b)の外寸を前記光拡散板に垂直に投影した領域を含む、光出射面内の面領域Z1、光入射面内の面領域Z2、および前記蛍光管の前記部分(b)における前記光拡散板側の表面の面領域T2の少なくともいずれかの領域に、当該光拡散板の法線方向に沿って出射する光の量を制御する、前記部分(a)と略垂直方向に延在する光制御部(B)が設けられ、
前記光制御部(A)が伝熱機能を有し、前記光制御部(B)が熱拡散機能を有することを特徴とする直下型バックライト装置。
【請求項2】
請求項1に記載の直下型バックライト装置において、
前記光拡散板は、その残留応力が10MPa以下である直下型バックライト装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の直下型バックライト装置において、
前記光拡散板は、前記蛍光ランプの電極を前記光拡散板に垂直に投影した領域内の任意の1点、前記非平行な部分(b)を前記光拡散板に垂直に投影した領域内の任意の1点、及びそれ以外の領域内の任意の1点のうち、いずれか任意の2点を選んだ場合、それらの点における残留応力の差が10MPa以下である直下型バックライト装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記光制御部(A)及び光制御部(B)は、赤外線を反射及び/又は屈折する機能をさらに有する直下型バックライト装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記反射板と前記光拡散板との間には、前記光拡散板が撓まないように支持する1または2以上の支持ピンが設けられ、
各支持ピンと、この支持ピンに最も近接するエミッタとの距離が250mm以内である直下型バックライト装置。
【請求項6】
請求項5に記載の直下型バックライト装置において、
2以上の支持ピンを備え、
前記2以上の支持ピンのうち任意の1つの支持ピンを選んだ際に、この支持ピンと、この支持ピンに最も近接する他の支持ピンとの距離が200mm以内である直下型バックライト装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置において、
前記光出射面には、出射する光の量を制御する出射側光制御部が設けられている直下型バックライト装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の直下型バックライト装置と、
この直下型バックライト装置の光出射側に配置される液晶セルとを備え、
前記液晶セルがVAモードまたはIPSモードである液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【公開番号】特開2010−102903(P2010−102903A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272466(P2008−272466)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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