説明

直交伝送システムの直交関数を動的に選択する方法およびデバイス

本発明は、インターリービング方法(1)およびデータ記号周波数インターリーバ(EF)に関する。データ記号は、マルチキャリア送信デバイス(EM)の直交関数によって、多重化および変調ユニットの搬送波の組NFFTの搬送波に割り当てられる。本発明の方法は、時間変動する形で搬送波の組からのデータ記号を送信するのに使用される搬送波を選択することと、選択された搬送波および0搬送波からなる搬送波のブロックを動的にインターリーブすることとに存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔通信の分野に関する。この分野の中で、本発明は、より具体的には、いわゆるディジタル通信に関する。ディジタル通信は、特に無線通信を含むが、ワイヤによる通信をも含む。通信伝送媒体を、元々は無線チャネルに関して、拡張によりすべてのチャネルに関して、一般に伝送チャネルまたは伝搬チャネルと称する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、伝送システム内で有用な情報を伝送するのに使用される複数の関数から関数を選択する方法と組み合わされたインターリービング技法に関し、有用な情報は、いわゆる直交関数を基礎として射影される。外部判断基準を基礎とする1つまたは複数の関数の選択は、選択によってダイバーシティを入手する技法の拡張と考えることができる。通常実施されるダイバーシティ技法は、送信されなければならない情報を複製することと、その後、性能の改善につながる外部判断基準に依存して受信時に信号のうちの1つを選択することから進行する。本方法は、送信のために情報を複製するのではなく、送信されるべき信号の次元より高い次元の直交関数を基礎として、信号が分解される時に、データを伝えるのに適当な関数の事前選択を行う。信号は、情報を搬送する成分および情報を搬送しない成分からなる。周波数選択的な伝送チャネルにさらされるシステムでは、選択は、データを伝えるために、非常に雑音が多い関数を使用しないことに存する。本方法は、雑音の削減または受信時に関数のうちの1つに影響する干渉する信号の除去につながる。
【0003】
本発明は、具体的には、データ記号の形にされた情報(直交振幅変調(QAM)されたセル、quadrature phase shift key(QPSK)されたセル、…)が、次元NFFTの伝送システムの瞬間帯域幅の周波数サブディビジョンに対応するNFFT個の副搬送波の中からのNpm個の直交副搬送波に多重化される、複数の直交搬送波を有する任意のタイプの伝送システムに適用される。さまざまな副搬送波でのデータ記号多重化を実行するモジュールを、OFDMマルチプレックス(OFDM multiplex、直交周波数分割多重化モジュール)と称する。OFDMマルチプレックスは、システムの通過帯域内でデータ記号およびパイロット記号を分布させる。パイロット記号は、受信器に既知の、伝送媒体を推定するか周波数領域での同期化を得るのに使用される値を有する。ヌルガード搬送波が、オプションで、スペクトルのエッジに配置され、中心搬送波にも配置される。記号を変調するNFFT個の副搬送波を合計することから生じるOFDMマルチプレックスからの出力は、ガードインターバルなしの時間変動するOFDM信号を構成する。これは、サイズNFFTの逆フーリエ変換(IFT)をOFDMマルチプレックスに適用することによって得られる。OFDM変調器は、OFDMマルチプレックス、NFFT個の変調された記号を合計する動作、およびOFDMマルチプレックスからの出力の終りをコピーすることに対応するガードインターバルを挿入する動作を含む。類推によって、直交関数によって送信記号を多重化し変調するモジュールを、本文書では、下で、用語「直交マルチプレックス(orthogonal multiplex)」とも称する。
【0004】
送信される情報は、一般に、伝搬チャネルのマルチパス効果のゆえに強く彩色された伝達関数H(f,t)を有する伝送チャネルの影響と、環境内の経時的な変動から生じるまたは伝送システムの副搬送波の一部に影響する干渉する信号から生じる強いドップラ分散の影響とを表す時間選択的かつ周波数選択的な周波数妨害を受ける。この妨害は、経時的に可変の、OFDM変調器からの出力をフィルタリングする、周波数選択的フィルタによって表される。
【0005】
受信時に、ガードインターバルTcpを除去した後に、k個の副搬送波に関連するフーリエ成分へのOFDM信号の射影、およびOFDM信号(OFDMマルチプレックスから出力された)のサンプルのすべてにまたがる積分は、OFDMマルチプレックスのベースベクトルに射影されたチャネル伝達関数の第k成分(Hn,k)によって重みを付けられ、白色雑音成分に関連するOFDMマルチプレックスの搬送波kに割り当てられた記号C'n,kの推定値Yn,kをもたらす。
Yn,k=Hn,k・C'n,k+Bn,k (1)
【0006】
「zero-forcing」タイプのマルチキャリア等化は、周波数受信信号Yn,kを推定複素利得Hn,kで割って、H-1n,kによって彩色された雑音成分に関連するデータ記号C'n,kの値を抽出することに存する。次に、判断回路が、使用された変調(M-PSK、M-QAMなど…)に関連するアルファベットに属するM個の可能な値の中で、どの記号が送信されたかを推定するために判断を行う。
【0007】
ベースバンドでどの記号が送信されたかを判断する回路の性能は、検討中の記号C'n,kを変調する搬送波kに関連する伝送媒体の伝達関数の値に依存する。
【0008】
さらに、受信時に、伝送媒体は、周波数領域および時間領域で副搬送波間の相関を生成する。周波数相関は、副搬送波に影響し、時間相関は、チャネルのコヒーレンス時間程度の持続時間を有する観察ウィンドウにまたがってほぼ一定の振幅の副搬送波を誘導する。コヒーレンス時間は、伝送媒体を表す信号とその時間シフトされた版との間の非相関性を保証するのに必要な時間差の平均値に対応する。
【0009】
この2つの相関は、受信時の判断を行う回路の性能を制限する。
【0010】
時間相関は、伝送データ記号判断実行後および推定伝送ビットの復号後のエラーのバーストを誘導する。
【0011】
周波数相関は、フィルタリング効果を導入するマルチパス効果、ドップラ効果、および直交マルチプレックスの副搬送波間の直交性の消失を生じるラジオ周波数(RF)ステージでの位相雑音の同時の結果である。
【0012】
この2つの相関を軽減する方法は、2進データまたはデータ記号に対して伝送時にインターリービングを実行することに存する。
【0013】
本発明は、より具体的には、いわゆる「周波数」インターリービングすなわち、直交マルチプレックスの搬送波に割り当てられたデータ記号に対して周波数領域で実行されるインターリービングに関する。このタイプのインターリービングは、直交マルチプレックスへの入力で行われる。同等の形で、搬送波または副搬送波のインターリービングについて語ることが、一般的な実践である。
【0014】
直交マルチプレックスの副搬送波をインターリーブすることを含む既存のマルチキャリアシステムは、範囲0からNpm-1にわたって変化するkに関する静的法則I(k)を利用し、ここで、Npmは、特定の伝送モード(符号化、変調、フーリエ変換のサイズ)に関するOFDMマルチプレックスあたりのデータ記号の個数を指定する。文書ETSI 300 401 "Radio broadcasting systems; digital audio broadcasting (DAB) to mobile, portable and fixed receivers"、1977年5月、182ページに、DABマルチキャリアシステムの静的周波数インターリービングアルゴリズムの説明が与えられている。k=0からNpm-1までインデクシングされるデータ記号に適用されるインターリービング法則I(k)は、インターリービング動作から生じる記号Xn,k'を伝えるマルチプレックスの分岐k'が、インターリービング前に関係
Xn,k'=C'n,I(k), I(k)∈{0,…,Npm-1}
によって記号C'n,kに関連するようになっており、ここで、I(k)は、インターリービング後の搬送波の位置インデックスの入力シーケンスでの読み取り順序を記述する。
【0015】
OFDMマルチプレックスのデータ副搬送波がインターリーブされた後のそのマルチプレックスでの記号Xn,k'の位置インデックスのk'を書き込み、インターリーブの前の搬送波kに関連するデータ記号のC'n,kを書き込むことによって、OFDM復調後の、搬送波k'に関連する対応する受信記号は
【0016】
【数1】

【0017】
の形を有する。
関数I-1(k)によって指定される副搬送波をデインターリーブする動作は、
【0018】
【数2】

【0019】
になる信号を生成する。
チャネル伝達関数の複素利得Hn,k'上で実行されるデインターリービング動作は、伝送媒体の瞬間的周波数相関を減らすように働くが、この方法より上流に置かれた2進インターリービングの実行を制限する時間相関は減らさない。
【0020】
インターリービングの静的特性は、伝送媒体の時間選択的プロパティを変更しないので、インターリービング方法の非相関性プロパティを制限する。
【0021】
2005年12月7日出願のフランス国特許出願第FR 05 53763号、名称「Dynamic interleaving method and device」は、静的インターリービングアルゴリズムの改善を提案する。同出願は、OFDMマルチプレックスの搬送波に適用されるサイズKの時間変動するブロックインターリービング法則を提案する。特定のOFDMシステムを用いる方法の実施態様を、図1に概略的に示す。システムSYは、送信器デバイスEMおよび受信器デバイスREを含む。送信器デバイスは、チャネル符号化CC、2進インターリービングEB、記号2進符号化CBS、インターリーバES、フレーマMT、およびOFDM変調器MXを含む。送信信号Sn(t)は、伝送チャネルCNによって伝えられる。白色雑音Bが、伝送中に信号に加えられる。受信器REは、OFDM復調器DMX、デインターリーバDES、記号2進復号器DCBS、2進デインターリーバDEB、および復号器DCCを含む。実施された構成の1つでは、サイズKのインターリービング用のブロック(KはNpmの倍数である)が、1つまたは複数のOFDM記号に関連するデータ記号の組によって構成され、N個のOFDM記号おきに変化する。NN個のインターリービング法則が、ブロックサイズK(KはOFDMマルチプレックスあたりのデータ記号の個数Npmの倍数である)の関数として、および、インターリービング法則ならびにインターリーブされたデータ項目間のインターリービング幅(interleaving spreading)を指定するインターリービングアルゴリズムの最適パラメータの関数として定義される。
【0022】
好ましく選択されるインターリービングは、3つの整数パラメータK、p、およびqによって、また、アルゴリズムの反復jによって決定されるターボ構造を有する反復インターリービングである。そのようなターボ構造インターリービングは、第2880483号の下で2006年7月7日に発行されたフランス国特許出願の主題である。そのターボ構造インターリービングは、パラメータの変更またはアルゴリズムの反復が、インターリービングパターンを変更し、
ΔeffIp,q(j)(s)
と定義されるインターリービング幅をも変更するように働くようになっている。
【0023】
インターリービング幅は、インターリービングモジュールからの出力でs-1個のデータ項目だけ離された2つの入力データ位置インデックスの間のインターリービング後の最小距離と定義される。インターリービング幅は、関係
ΔIeff(s)=Mink,k∈S|I(k+s)-I(k)|
によって与えられる。関数|X|は、Xの絶対値を与える。インターリービング法則は、インターリービング幅に関して負わされる最小値の関数として選択され、選択されたインターリービング法則は、前記最小値より大きいインターリービング幅を入手することを可能にする。
【0024】
図2に示された特定の構成に関して、インターリービング方法は、OFDM記号のスケールで実行され、インターリービングプロセスでOFDMマルチプレックスのうちのガード搬送波の部分を組み込む。インターリービングブロックのサイズは、サイズN'pmであり、ここで、N'pmは、NpmからNFFTまでの範囲内にある。Npmは、OFDMマルチプレックスあたりのデータ搬送波の個数に対応する。N'pmの値は、Npm個のデータ搬送波とn0個のガード搬送波との合計である。通常、n0は、0と、データ記号の個数Npmの約10%または通常は(NFFT-Npm-Npilot)/2に対応する数nmaxとの範囲にまたがって変化する可能性があり、ここで、Npilotは、チャネル推定と、同期化またはシグナリングデバイスとに専用のOFDMマルチプレックスあたりのパイロット記号の個数に対応する。この限度nmaxは、経験的にセットされる。
【0025】
この方法は、OFDMマルチプレックスでの記号の多重化の前にデータ記号に適用されるインターリービングの動的プロパティを介して伝送媒体によって導入される周波数妨害を白化するように働く。動的インターリービング処理でn0個のヌル搬送波を考慮に入れることは、伝送システムの総合性能を改善するように働く。というのは、これが、N個のOFDM記号おきにインターリービング法則In(k)を変更することによってより高い振動のレートと組み合わされた、高められた周波数選択性を伝送媒体に導入するからである。この振動の概念的な追加レートは、追加のドップラ分散を全く生じない。さらに、これは、2つのデータ搬送波の間にヌル搬送波を挿入することによって副搬送波の間の直交性の消失を減らし、これによって、システムの総合スペクトル効率を低下させずに2つの隣接データ搬送波間の搬送波間間隔を増やす。
【0026】
それでも、ヌル搬送波の挿入を伴うこの動的インターリービングによって導入される搬送波の位置ダイバーシティは、非常に雑音が多いか伝送中に干渉する信号によって影響される搬送波を除去するのに十分ではない。ヌル搬送波は、置換法則を介してマルチプレックスに多重化されるのであって、マルチプレックスの各搬送波上の雑音の推定を介して多重化されるのではない。
【特許文献1】フランス国特許出願第FR 05 53763号
【特許文献2】第2880483号の下で2006年7月7日に発行されたフランス国特許出願
【特許文献3】フランス国特許出願第FR 04 14113号
【非特許文献1】ETSI 300 401 "Radio broadcasting systems; digital audio broadcasting (DAB) to mobile, portable and fixed receivers"、1977年5月、189ページ
【非特許文献2】「Physical layer submission to 802.15 task group 3a: multiband orthogonal frequency division multiplexing」、MBOA website、2004年11月14日
【非特許文献3】IEEE標準規格802.16-2004、IEEE standard for local and metropolitan area networks, part 16: Air interface for fixed broadband wireless access systems、2004年10月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
したがって、本発明の主題によって解決されるべき技術的問題は、非常に雑音が多いかチャネルによる伝送中に干渉する信号によって影響される搬送波を除去するために、直交マルチプレックス、特にOFDMマルチプレックスとして知られる直交関数によって多重化し、変調するモジュールを含む送信器デバイスの既知の方法より効率的な周波数インターリービングの方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
このために、本発明は、NFFT個の直交関数による多重化および変調のモジュールを含むマルチキャリア送信器デバイスの搬送波に割り当てられる記号をインターリーブする混合された方法であって、送信器デバイスは、データ搬送波およびヌル搬送波から構成される搬送波の組を実施し、方法は、
・多重化および変調のモジュールによってデータ記号から生成される変調された直交記号に対応する送信信号の伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として、データ記号を伝えること専用のNpm個の搬送波を搬送波の組から時間変動する形で選択するステップと、
・記号ブロックの送信専用のN'pm個の搬送波のブロックを形成するために、伝達関数の推定値の関数として決定される位置で先行する選択物内にn0個のヌル搬送波を挿入するステップと、
・Npm個のデータ搬送波を含む搬送波のブロックを動的にインターリーブするステップと
を含む、方法を提供する
【0029】
本発明は、NFFT個の直交関数による多重化および変調のモジュールを含むマルチキャリア送信器デバイスの搬送波に割り当てられる記号の混合されたインターリーバであって、インターリーバデバイスは、データ搬送波およびヌル搬送波から構成される搬送波の組を実施し、
・Npm個の搬送波を搬送波の組から時間変動する形で選択する手段であって、選択される搬送波は、データ記号を送信すること専用であり、多重化および変調のモジュールによってデータ記号から生成される変調された直交記号に対応する送信信号の伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として選択される、手段と、
・記号ブロックの送信専用のN'pm個の搬送波のブロックを形成するために、伝達関数の推定値の関数として決定される位置で先行する選択物内にn0個のヌル搬送波を挿入する手段と、
・Npm個のデータ搬送波を含む搬送波のブロックを動的にインターリーブする手段と
を含む、混合されたインターリーバをも提供する。
【0030】
本発明は、送信器デバイスおよび受信器デバイスを含むシステムをも提供する。この送信器デバイスは、上で定義された周波数インターリーバを含む。この受信器デバイスは、伝送チャネルの伝達関数を推定するために1と等しい実部および0と等しい虚部を有するエスティメータ記号を復調するのに適する、NFFT個の直交関数によって記号を多重化解除し、復調するモジュールと、送信器デバイスによって実施されるインターリービング法則の逆である法則の適用において復調された記号をデインターリーブするように働くデインターリーバであって、デインターリービング法則が所与の伝送モードについて経時的に変化するので、デインターリービング法則を決定された瞬間に計算するのに適するデインターリーバとを含む。
【0031】
混合されたインターリービングは、OFDMマルチプレックスの終りに置かれたガード搬送波の分数を利用して、OFDMマルチプレックスの有用な帯域内のある種の搬送波を除去し、これらをヌルガード搬送波に置換する。好ましい実施形態では、ガード搬送波は、システムの総合スペクトル効率の劣化を防ぐために、データ搬送波に変更される。OFDMマルチプレックスの有用な帯域内のヌル搬送波の位置は、以前に既知の方法とは異なって、これらの搬送波上のチャネルの伝達関数の複素利得の以前の推定値を考慮に入れたものである。
【0032】
したがって、OFDMマルチプレックス上でデータ記号を伝送する副搬送波を選択し、受信時に非常に雑音のある副搬送波をヌル搬送波に置換する、本発明の混合されたインターリービングは、受信時の判断実行回路の性能を改善するように働く。これらの搬送波は、データフレーミングMT中にOFDMマルチプレックス内で位置決めすることができる。
【0033】
所与の伝送モードについてデータ記号への適用に関して経時的に変化するインターリービング法則を使用することに存する、実行される動的インターリービングは、伝送チャネル内で概念的時間変動性を生成することを可能にし、これによって、ガウス雑音に向かう傾向がある統計的プロパティをそれに与える。これは、データ記号が多重化され、その後に変調される伝送システム、特にOFDMシステムに影響する時間相関を減らすことを可能にし、その結果、受信時の判断実行を改善するように働く。
【0034】
本発明によるインターリービングは、特に有利な形で、直交マルチプレックスの周波数領域に関係するコヒーレンス帯域(チャネルのコヒーレンス帯域は、伝送チャネルの伝達関数の2つの周波数成分の間の非相関性を保証するのに必要な周波数差の平均値に対応する)のリンクされた変更および伝送チャネルの時間領域または空間領域に関係するコヒーレンス長のリンクされた変更に対処することをも可能にし、RFステージの影響を減らすことをも可能にする。特にこのために、本方法は、フレーミングMT中に0をセットされる非常に雑音のある搬送波でのこれらの搬送波の多重化をすべて除去すると同時に、直交マルチプレックスのデータ記号およびブロックの終りに以前に挿入されたヌル記号から構成されるブロックの動的ブロックインターリービングを実行する。これは、特に、動的インターリービングのゆえに経時的に変化する位置で、直交マルチプレックス、通常はOFDM直交マルチプレックスの通過帯域にヌル記号を導入するという効果を有する。
【0035】
特定の実施形態で、リンクされた変更は、たとえば当の反復に依存して変化するインターリービング法則を使用して、ヌル記号およびデータ記号に適用される反復インターリービングアルゴリズムによって得られる。そのアルゴリズムは、フランス国特許出願第FR 04 14113号の主題を構成する。通常、N個の変調された直交記号の後に、このアルゴリズムは、伝送システムの全体的な最適化および制約に従って、反復の回数またはインターリービングパラメータにおいて異なるインターリービング法則を使用する。
【0036】
サイズKのブロックのインターリービング法則I(k)は、0からK-1まで変化するインデックスkによってインデクシングされるK個のデータ項目によって形成される入力シーケンスを出力で読み取るのに必要な順序を与える全単射関数である。インターリービング法則I(k)を有するインターリーバへの入力シーケンスを、X(k)と書く。このインターリーバからの出力でのシーケンスを、Y(k)と書く。すると、Y(k)=X(I(k))であり、位置インデックスk-1を有するインターリーブされたシーケンスの第kデータ項目は、入力シーケンスX(0),…,X(K-1)のインデックスI(k-1)のデータ項目に対応する。インターリーバに入力されるデータ項目および出力でのインターリーブされたデータ項目は、本文書では、下で、反対に指定されない限り、そのインデックスkによってのみ表される。
【0037】
動的インターリービングは、非ヌルデータ記号およびヌル記号によって構成されるN'pm個の記号のブロックに対して実行され、ブロックは、直交マルチプレックスで、変調された直交記号、通常はOFDM記号のN'pm個の副搬送波に対応する。N'pmは、Npmすなわちデータ搬送波の個数とNFFTすなわち直交マルチプレックスのサイズとの範囲内にある。これらのN'pm個の記号は、変調された直交記号、通常はOFDM記号を搬送するデータ搬送波および変調された直交記号スペクトル、通常はOFDMの終りに配置されるヌル搬送波の分数から構成されるグループの搬送波に割り当てられる。
【0038】
特定の実施形態で、インターリービング法則の時間変動は、直交マルチプレックスの記号の時間インデックスに依存する。これらの記号のそれぞれが、直交マルチプレックス内の搬送波の位置に関連するインデックスと、時間パターン内の直交信号の伝送の瞬間に関連するインデックスとを有する。この信号を、下で、本明細書で、用語「変調された直交記号」と称する。具体的に言うと、インターリービング法則は、N個の変調された直交記号、通常はOFDM記号のブロックを変調した後に変化する可能性があり、ここで、Nは、通常は伝送チャネルのプロパティの関数としておよびデータフレーミングの関数として決定されるパラメータであり、N≧1である。もう1つの特定の実施形態で、インターリービングは、M個の記号のブロックに適用され、インターリービング法則の時間変動は、M個の記号のブロックがインターリーブされた後に行われる。より具体的には、Mは、直交マルチプレックスの搬送波の個数N'pmの倍数であり(N'pm≦NFFT)、Nの約数である。
【0039】
ヌル搬送波を挿入することは、システムの通過帯域内の変化する位置にヌル搬送波をシフトすることによって、動的インターリービングによって既に入手されている伝送チャネルのプロパティを変更するという効果を強化する。
【0040】
実施される動的周波数インターリービングに対するこれらの搬送波の位置の最適化は、選択ダイバーシティ技法を動的インターリービングと組み合わせることを可能にする。システムの総合スペクトル効率すなわち、システムの総帯域幅に対する有用なデータレートの比率は、この方法がスペクトルのエッジに配置されたヌル搬送波を利用するので、変化しない。したがって、ドップラ変動の前で悪い有効性を与えられて、実際に伝送のための有用なデータに適用され、シグナリング、伝送チャネル推定、または同期化に専用のデータには適用されない既知のインターリービングデバイスとは異なって、本発明の方法は、有用でないデータすなわち直交マルチプレックスのヌル搬送波の一部を利用することができる。
【0041】
システムの通過帯域内で、決定され経時的に変化する位置でヌル搬送波を組み込むことは、特に伝送チャネルが分散的である時に、特に直交マルチプレックス内のヌル搬送波の付近での搬送波間間隔を増やすことによって、搬送波の非相関性を改善し、搬送波の直交性の消失を減らす。そのような方法は、干渉信号によって影響される搬送波または非常に雑音のある搬送波を除去することを可能にし、時間領域および周波数領域で伝送チャネルのプロパティを変更することおよびシステム、特にOFDMタイプのシステムに影響する周波数相関および時間相関を共同で減らすことを可能にする。この方法は、高データレートを与え、したがって本発明の上流で実行される浅いインターリービング深さを必要とする短距離システムに特に有利であることがわかっている。これは、参考文献「Physical layer submission to 802.15 task group 3a: multiband orthogonal frequency division multiplexing」、MBOA website、2004年9月14日を有する、MBOAアライアンスによって設立されたワーキンググループ802.15.3a TGによって定義されたシステムなどのultra widebandシステムに、ミリメータ帯で定義されたシステム(広帯域およびultra wideband)に、または、実際に、IEEE標準規格802.16-2004、IEEE standard for local and metropolitan area networks, part 16: Air interface for fixed broadband wireless access systems、2004年10月で定義された無線ローカルループタイプのシステムに適用される。この方法は、大量のドップラ分散によって影響されるシステムに適切であることもわかっている。経時的に変化する位置にヌル搬送波を導入することは、通信信号に対して伝送チャネルによって生成される妨害の白化を保証すると同時に搬送波の間の直交性の消失を減らすことを可能にする。通常、周波数インターリービング中に追加されるヌル記号の個数は、伝送チャネルの相関プロパティの先験的知識およびOFDM変調中に従来追加されるヌル搬送波の個
数を基礎として調整される。
【0042】
追加される記号がヌルであるという事実は、追加雑音の追加を回避するように働く。
【0043】
一実施形態で、伝送チャネルの伝達関数は、エスティメータ変調直交記号によって推定される。これは、範囲NpmからNFFTまでにある搬送波の個数N"pmによって変調から導出され、Npmは、送信器デバイスでの非ヌル搬送波の初期個数である。エスティメータ変調直交記号のN"pm個のデータ記号は、1と等しい実部および0と等しい虚部を有する。したがって、この実施形態では、この方法は、NN0個のOFDM記号からなるフレーム構造にエスティメータOFDM記号を周期的に挿入し、ここで、最初のOFDM記号は、エスティメータOFDM記号として知られ、続くNN0-1個のOFDM記号は、情報を伝えるためのものである。対応するエスティメータOFDMマルチプレックスは、N"pm個の記号からなり、ここで、実部は1と等しく、虚部は0である。エスティメータOFDM記号は、フレームの持続時間にわたるチャネルの伝達関数の複素利得を推定するのに使用される。この推定は、記号の選択物をインターリーブする前に、OFDMマルチプレックス内のデータ記号の伝送に割り当てられるNpm個の搬送波を選択することを可能にする。N"pmは、経験的にセットされ、範囲N'pm=Npm+n0+NpilotおよびNFFTすなわちマルチキャリアモデムのフーリエ変換のサイズにあり、ここで、n0は、インターリービングの前に挿入されるヌル搬送波の個数である。
【0044】
データ記号を伝えるために割り当てられる搬送波およびOFDMマルチプレックス内のn0個のヌル搬送波の位置の時間変動する選択は、エスティメータ記号のOFDM復調から演繹される伝搬チャネルの雑音のある伝達関数の複素利得に適用される判断しきい値S'を利用する。このしきい値S'は、チャネルの伝達関数の複素利得の絶対値の二乗の移動調和平均MHの調和平均S0と算術平均S1との間にある。チャネルの伝達関数の複素利得は、エスティメータOFDMマルチプレックスに対応する受信された記号
【0045】
【数3】

【0046】
から決定される。受信された記号
【0047】
【数4】

【0048】
の各成分kは、伝送チャネルの伝達関数の複素利得Hn',kの成分kおよびガウス雑音Bn',kの成分kからなり、n'Tsは、
【0049】
【数5】

【0050】
になるエスティメータ記号の伝送の瞬間を指定する。しきい値S'は、N'pm個の副搬送波のうちのNpm個の副搬送波が、前記しきい値を超える出力を有し、n0個の副搬送波がしきい値未満の出力を有するように選択されるようになるように、調整される。調和平均は、観察の逆数の算術平均の逆数と等しい。エスティメータ記号の複素利得の絶対値の二乗に対して推定される移動調和平均は、次の式によって与えられる。
【0051】
【数6】

【0052】
調和平均は、n0個のサンプルを有する観察ウィンドウにわたってN'pm個のサンプルについて計算される。エスティメータ記号の雑音のある伝達関数の最も最近のn0個のサンプルについて、移動平均は、n0と等しい初期値から始めて、ステップサイズ-1の負の増分を有する可変観察ウィンドウにわたって計算される。
【0053】
インターリービングの最適化を伴う好ましい実施態様では、データの伝送に割り当てられる搬送波の動的選択およびヌル搬送波の動的位置決めは、副搬送波の間のインターリービング幅が伝送システムに対して相対的に最適化される形で、サイズN'pmの直交マルチプレックスの記号の動的周波数インターリービングを生成するためにインターリービング法則を選択することと共同で実行される。Npm個のデータ搬送波およびn0個のヌル搬送波を組み込んだ指定されたインターリービングサイズN'pmについて、NN'個のインターリービング法則が、2つの隣接搬送波の間またはs-1個の副搬送波によって分離された2つの搬送波の間のターゲットインターリービング幅を制約として使用して実施されるインターリービングアルゴリズムに対して相対的に生成される。上のNN'個の法則の中で、この方法は、NN個の法則を次のように選択する。NN'個の法則の中からとられた法則ごとに、この方法は、エスティメータ記号のOFDM復調器からの出力でのエスティメータ記号の雑音のある伝達関数の複素利得のサイズN'pmのデインターリービングに進む。次に、しきい値S'をエスティメータ記号のデインターリーブされた複素利得の絶対値の二乗の分布と比較する。その複素利得の絶対値の二乗がしきい値より小さく、スペクトル内に配置されているサンプルが、インターリーブされるブロック内で0にされる搬送波の位置を決定する。ヌル搬送波の間の最小距離は、この信号を基礎として計算される。インターリービング法則は、デインターリービングの後に比Npm/n0より大きいエスティメータ信号のヌル搬送波の間のインターリービング幅を保証するならば、選択に適する。
【0054】
本発明は、OFDMマルチプレックスのN'pm個の記号にまたがってヌル搬送波を位置決めするアルゴリズムによって与えられる位置にヌル搬送波を挿入した後に、NN個の周波数インターリービング法則を実施する。直交マルチプレックスでのヌル搬送波の挿入および位置決めは、判断しきい値と、受信時のマルチキャリア等化に対して相対的にマルチプレックスの有用な部分で最適の形でこれらのガード搬送波を位置決めするインターリービングアルゴリズムとに頼る。直交マルチプレックスの記号に対するインターリービング動作の最適化は、2つの隣接する搬送波またはs-1個の副搬送波だけ離された2つの搬送波の間のターゲットインターリービング幅を有するNN'個のインターリービング法則を選択することによって前もって実行される。伝送時に実施される法則の個数NNは、NN0-1の約数である。
【0055】
本発明の他の特性および利益は、非限定的な例として与えられる添付図面に関する次の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
図3は、本発明の混合された記号インターリービング方法の流れ図である。記号は、NFFT個の直交関数による多重化および変調のモジュールを含むマルチキャリア送信器デバイスの搬送波への割当用である。このデバイスは、データ搬送波およびヌル搬送波によって形成される1組の搬送波を実施する。
【0057】
第1ステップで、方法1は、搬送波の組から時間変動する形でNpm個の搬送波を選択し2、選択される搬送波は、マルチプレクサおよび変調器モジュールによってデータ記号から生成される変調された直交記号に対応する送信される信号の伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数としてデータ記号を伝えることに専用される。
【0058】
第2ステップでは、この方法は、記号のブロックを伝えること専用のN'pm個の搬送波のブロックを形成するために、伝達関数の推定値の関数として決定される、以前の選択物内の位置にn0個のヌル搬送波を挿入する3。
【0059】
第3ステップでは、この方法は、Npm個のデータ搬送波を含む搬送波のブロックを動的にインターリーブする(4)。
【0060】
図4は、本発明のインターリービング方法を実施する送信器システムSYの例を示す図である。この送信システムは、マルチキャリア送信器デバイスEMおよび受信器デバイスREを含む。送信器デバイスEMは、ソースデータを生成するモジュールSC、チャネル符号化のモジュールCC、2進インターリービングのモジュールEB、記号2進符号化のモジュールCBS、周波数インターリーバEF、フレーマデバイスMT、エスティメータ記号を生成するモジュールSE、およびOFDM変調器MXを含む。
【0061】
周波数インターリーバEFは、送信専用の搬送波を選択するモジュールSPM、決定された位置にヌル搬送波を挿入するモジュールIPN、および周波数インターリーバモジュールMEFを含む。
【0062】
記号周波数インターリーバモジュールMEFは、特に、計算されるブロックインターリービング法則がマルチキャリア送信器デバイスEMの所与の伝送モードについて経時的に変化するようにインターリービング法則を計算するデバイスを含む。
【0063】
フレーマデバイスMTは、OFDM変調器MXのマルチプレックス内でデータ記号およびパイロット記号を分布させる。
【0064】
エスティメータ記号を生成するモジュールSEは、NN0個のOFDM記号から構成されるフレーム構造内に周期的に挿入されるエスティメータOFDM記号を構成するためにN"pm個のデータ記号を生成する。N"pm個のデータ記号は、1と等しい実部および0と等しい虚部を有する。
【0065】
OFDM変調器MXは、マルチプレックスを含む。この変調器は、NFFT個の搬送波を含み、Npm≦NFFTである。
【0066】
受信器デバイスREは、デマルチプレクサと、デインターリーバモジュールDMEFと、ヌル搬送波を除去するモジュールDIPNとを含むOFDM復調器を含む。デインターリーバモジュールDMEFは、インターリービング法則の逆である法則を使用して、復調された記号のデインターリービングを実行する。デインターリービングモジュールは、所与の伝送モードについて経時的に変化するデインターリービング法則を所与の瞬間に計算するのに適する。モジュールDIPNは、モジュールIPNによって送信時に挿入されたヌル搬送波を除去する。
【0067】
本発明のインターリービング方法1は、送信器デバイスEMの周波数インターリーバEFによって実施される。本発明のインターリービング方法1は、記号2進符号化CBSから来るデータ記号Sdに適用される。
【0068】
本発明の方法は、ベースバンド内でNpm個の連続するデータ記号Sdを選択し、これらの記号は、伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として、複素信号の形に変換されるm個のコードビットからなる。Npm個の記号の各ブロック内で、記号の位置は、0からNpm-1までの範囲にわたって変化し、搬送波インデックスに対応する、整数kによってインデクシングされる。
【0069】
本発明の方法は、Npm個の記号の各ブロックにインターリービング法則In(k)を適用する。インターリービング法則In(k)は、サイズNpmと範囲1からNNにわたって変化する時間インデックスnとを有し、ここで、NNは、この方法によって実施される異なるインターリービング法則の個数に対応する。使用される法則は、経時的に、たとえばN個のOFDM記号おきに1回変化する。
【0070】
この方法は、N'pm個の記号からなるブロックを形成するために、所与の分布を有するNpm個のインターリーブされたデータ記号の中にn0個のヌル記号を挿入する。n0は、通常、0から、データ記号の個数Npmの約10%に対応する、または通常は(NFFT-Npm-Npilot)/2に対応する数nmaxまでの範囲にわたって変化することができ、Npilotは、チャネル推定、同期化デバイス、もしくはシグナリングデバイス専用のOFDMマルチプレックスあたりのパイロット記号の個数に対応する。この限度nmaxは、経験的にセットされる。n0個のヌル記号の位置は、伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として決定され、n0個のヌル記号は、非常に雑音がある搬送波を0にするように位置決めされる。
【0071】
N'pm個の記号は、1フレームに置かれる。
【0072】
サイズNFFTの逆フーリエ変換によって実施される、経時的なOFDM信号の従来の生成によれば、パイロット記号は、任意選択でフレーミング中に追加され、n1個のヌル記号が、NFFT個の分岐を有するOFDMマルチプレックスを形成するためにN'pm+ Npilot個の分岐からなるマルチプレックスの終りに対称に挿入され、ここで、N'pm≦NFFTである。
【0073】
OFDMマルチプレックスのインデックスkの各搬送波fkは、フーリエ成分の助けを得て分岐kの記号を変調し、
【0074】
【数7】

【0075】
ここで、kは、範囲0からNFFT-1までにわたって変化し、サンプルが逆フーリエ変換からの出力で交互に(-1)mを乗算されることをもたらし、mは、OFDMマルチプレックスMXからの出力でのサンプルのインデックスに対応する。
【0076】
フレーミングの後でマルチプレックスの終りに追加されるヌル記号の個数n1は、逆フーリエ変換(IFT)のサイズNFFTと、データ記号のグループのサイズNpmと、N'pm個の記号のサイズのブロックを形成するために追加されるヌル記号の個数n0と、フレーミング中に追加されるパイロット記号の個数Npilotとに依存する。
n1=NFFT-N'pm-Npilot=NFFT-(Npm+n0)-Npilot
したがって、ヌル記号が適用される、いわゆるヌル搬送波の個数は、n0にn1を加えたものと等しい。
【0077】
この方法の変形形態では、n1個のヌル搬送波の分数n0'個が、動的インターリービングが実行される搬送波のブロックを形成するために、Npm個の選択された搬送波に追加される。
【0078】
図5は、経時的に変化するインターリービング法則を入手するように働く対話型インターリービングアルゴリズムを実施するインターリービングデバイスETの原理を示す図である。インターリービングデバイスETは、本発明のインターリービング方法に関して、このアルゴリズムのパラメータおよび/またはこのアルゴリズムの反復の回数を変更することによって、時間変動するインターリービング法則を入手するように働く。
【0079】
このアルゴリズムを実施するインターリーバデバイスETは、反復を有するのと同数のベースセルIを有する。第jベースセルIの出力Ijは、第j反復に対応するが、次の形で表されるインターリービングパターンをもたらす。
【0080】
【数8】

【0081】
ここで、pおよびqは、ベース関数Iを記述する2つの整数パラメータであり、jは、Iに関連する反復である。このアルゴリズムを実施することは、変数k=(0,…,K-1)によってインデクシングされるディジタル入力データに対してインデックスjのJ回の反復を有するサイズKのブロックインターリービングを実行するように働き、ここで、Jは1以上である。
【0082】
インターリーバデバイスETの各ベースセルIは、同一の構造すなわち、2つの入力、1つの出力、ならびに2つの個々のセルL0,pおよびL1,p,qを提示する。整数pおよびqは、所望の法則を生成するように働くインターリービング法則の2つのパラメータである。各個々のセルL0,pおよびL1,p,qは、2つの入力および1つの出力を有する。2つのセルL0,pおよびL1,p,qの2つの入力のうちの一方は、この2つの機能について同一であり、インターリービングの前のサンプルインデックスの変更に対応する。個々のセルL0,pの2つの入力は、それが属するベースセルIの2つの入力に対応し、個々のセルL1,p,qの出力は、それが属するベースセルIの出力に対応する。個々のセルL0,pからの出力は、個々のセルL1,p,qの第1入力に接続される。個々のセルL1,p,qの第2入力は、それが属するベースセルIの第1入力に接続され、ベースセルIのこの入力は、一般に0からK-1まで進むランプの形で表されるインターリービング用のインデックスkを供給される。ベースセルIの第2入力は、最初のベースセルを除いて、先行するベースセルIからの出力に接続され、最初のベースセルでは、両方の入力が、一緒に接続され、インデックスkに対応する。
【0083】
したがって、インターリービングアルゴリズム
【0084】
【数9】

【0085】
は、インターリービング法則が3つのパラメータ(K,p,Q)および検討中の反復jに依存する、反復構造に頼る。Kは、インターリーブされるブロックのサイズに対応し、pおよびqは、インターリーバデバイスのプロパティ、具体的にはインターリービング法則および
【0086】
【数10】

【0087】
と書かれるインターリービング幅を変更する2つのパラメータである。
【0088】
インターリービング幅は、s-1項目だけ離された入力データ項目の、位置インデックスのインターリービングの後の最小距離に対応する。反復は、サイズpのパターンを保存しながらインターリービング法則およびインターリービング幅を変更するように選択される。インターリービング法則の経時的な変動は、法則の最適化に関する判断基準または伝送システムに関連する制約に応じて、反復またはインターリーバデバイスのパラメータpおよびqのうちの1つのいずれかを変更することによって得られる。
【0089】
「ターボ構造」の2つの代数関数L0,pおよびL1,p,qを組み合わせることに頼るこのインターリービングは、パターンを保存するすなわち、インターリービングの後のp個のデータストリームの多重化順序を保存するというプロパティを有し、ここで、pは、ブロックインターリービングサイズKの約数であるインターリービングアルゴリズムのパラメータであり、qは、インターリービング法則およびインターリービング幅を変更することを可能にする整数パラメータである。通常の実施態様で、qには、単純さのために任意に2がセットされ、pには、パターンのサイズがセットされる。
【0090】
このパターン保存プロパティは、インターリービング動作の上流または下流で実行される、p個のデータ項目の多重化に頼る最適化動作を保存するのに非常に有利であることがわかる。
【0091】
反復(j)のインターリーバモジュールIからの出力によって与えられるインターリービング法則
【0092】
【数11】

【0093】
は、下で説明するように、2つの2入力1出力代数関数L0,pおよびL1,p,qを組み合わせた結果である。
L0,p(k,k1)=[-k-k1・p]k k={0,…,K-1}
L1,p,1(k,k2)=[K-p+k+q・p・k2]k,k={0,…,K-1} (5)
Ip,q(k,k1)=L1,p,q(k,L0,p(k,k1))
【0094】
反復j=1について、関数L0,pの入力kおよびk1は、同一であり、インターリービング方法への入力でのデータの位置インデックスに対応する。これから、サイズpのパターンおよびパラメータqに関する次の式が生じる。
L0,p(k,k)=[-k-p・k]K
Ip,q(k)=L1,p,q(k,L0,p(k))=[K-p+k+q・p・L0,p(k,k)]K k={0,…,K-1} (6)
Ip,q(k)=[K-p+k+q・p・[-k-p・k]K]K k={0,…,K-1}
反復(j)の代数関数L0,pおよびL1,p,qからの出力は、それぞれ法則
【0095】
【数12】

【0096】
および
【0097】
【数13】

【0098】
によって与えられ、これに関して、変数k1およびk2は、それぞれ、先行する反復のインターリービング法則
【0099】
【数14】

【0100】
および現在の反復(j)の関数L0,pの出力によって供給される。
【0101】
反復jについて、式ブロック(2)は、
【0102】
【数15】

【0103】
の形を有する。
【0104】
インターリーブされた出力データシーケンスY(k)は、次の関係によってインターリービングの前の入力データシーケンスX(k)に関連する。
【0105】
【数16】

【0106】
このアルゴリズムの擬似周期的な代数的構造は、s-1項目だけ離されたデータ項目の間のインターリービング幅
【0107】
【数17】

【0108】
を事前に計算することを可能にする。
【0109】
インターリービング幅は、インターリービングの後に入力シーケンス内でs-1項目だけ離されたデータ項目の位置インデックスの間の最小距離に対応する。
【0110】
インターリービング法則
【0111】
【数18】

【0112】
の反復(j)のインターリービング幅
【0113】
【数19】

【0114】
は、多項式
【0115】
【数20】

【0116】
から決定される。
この代数関数Pj,p,q,s(k)は、インターリービングパラメータpおよびqに依存し、ここで、pは、保存されるパターンのより大きいサイズに対応し、qは、インターリービング法則を変更するパラメータであり、(j)は、検討中の反復である。
【0117】
特定の実施態様で、本発明の方法は、そのような反復インターリービングアルゴリズムを含み、記号を周波数インターリーブする本発明のモジュールMEFは、ブロックあたりのインターリーブされる記号の個数NpmまたはNpm+n0'に対応するサイズKを有する、そのようなインターリービングデバイスETを含む。インターリービング法則は、反復の回数または所与の伝送モードのインターリービングデバイスETのパラメータpおよびqのうちの1つのいずれかを変更することによって、経時的に、たとえばN個の記号おきに1回変化する。次に、この反復インターリービングアルゴリズムのパラメータは、K個の記号のM個のブロックおきに増分される、異なるインターリービング法則の個数すなわちNN'-1に対応する最大値を有する、時間インデックスnによってインデクシングされ、ただしN=K×Mである。
【0118】
式ブロック(2)および(3)によって与えられるインターリービング法則は、次のように、この法則の動的性質を考慮に入れるために変更される。pn、qn、およびjnは、時間インデックスnを有する法則In(k)について選択されるパラメータであり、NN'は、検討中の法則の個数に対応する。
【0119】
【数21】

【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】従来技術のインターリービング方法を示す図である。
【図2】従来技術のインターリービング方法を示す図である。
【図3】本発明の方法を示す流れ図である。
【図4】本発明の混合されたインターリービング方法を実施する送信器システムの例を示す図である。
【図5】本発明の方法に関する、経時的に変化するインターリービング法則を入手することを可能にする対話型インターリービングアルゴリズムを実施するインターリービングデバイスの原理を示す図である。
【符号の説明】
【0121】
1 方法
2 搬送波の組から時間変動する形でNpm個の搬送波を選択するステップ
3 以前の選択内の位置にn0個のヌル搬送波を挿入するステップ
4 搬送波のブロックを動的にインターリーブするステップ
B 白色雑音
CBS 記号2進符号化モジュール
CC チャネル符号化モジュール
CN 伝送チャネル
DCBS 記号2進復号器
DCC 復号器
DEB 2進デインターリーバ
DES デインターリーバ
DIPN ヌル搬送波を除去するモジュール
DMEF デインターリーバモジュール
DMX OFDM復調器
EB 2進インターリービングモジュール
EF 周波数インターリーバ
EM 送信器デバイス
ES インターリーバ
ET インターリービングデバイス
I ベースセル
IPN 決定された位置にヌル搬送波を挿入するモジュール
MEF 周波数インターリーバモジュール
MT フレーマデバイス
MX OFDM変調器
RE 受信器デバイス
SC ソースデータを生成するモジュール
Sd データ記号
SE エスティメータ記号を生成するモジュール
SPM 送信専用の搬送波を選択するモジュール
SY 送信器システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFFT個の直交関数による多重化および変調のモジュール(MX)を含むマルチキャリア送信器デバイス(EM)の搬送波に割り当てられる記号をインターリーブする混合された方法(1)であって、
前記送信器デバイスは、データ搬送波およびヌル搬送波から構成される搬送波の組を実施し、前記方法は、
多重化および変調の前記モジュール(MX)によってデータ記号から生成される変調された直交記号に対応する送信信号の伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として、データ記号を伝えること専用のNpm個の搬送波を搬送波の前記組から時間変動する形で選択するステップ(2)と、
記号ブロックの送信専用のN'pm個の搬送波のブロックを形成するために、伝達関数の前記推定値の関数として決定される位置で先行する選択物内にn0個のヌル搬送波を挿入するステップ(3)と、
Npm個のデータ搬送波を含む搬送波のブロックを動的にインターリーブするステップ(4)と
を含む、方法。
【請求項2】
伝送チャネルの伝達関数の前記推定値は、範囲NpmからNFFTまでにある搬送波の個数N"pmによる変調から来る、実部が1と等しく虚部が0と等しいN"pm個のデータ記号から生成されるエスティメータ変調直交記号によって入手される、請求項1に記載の混合記号インターリービング方法(1)。
【請求項3】
エスティメータ直交記号は、前記生成された直交記号の間に周期的に挿入される、請求項2に記載の混合記号インターリービング方法(1)。
【請求項4】
前記データ搬送波選択および決定された位置での前記ヌル搬送波挿入は、エスティメータ記号を復調することによって得られる伝達関数の前記推定値に適用される判断しきい値S'によって実行される、請求項2または3に記載の混合記号インターリービング方法(1)。
【請求項5】
前記データ搬送波選択および決定された位置での前記ヌル搬送波挿入は、搬送波の間の最適インターリービング幅の制約の下でインターリービング法則を選択することと一緒に実行される、請求項1から4のいずれかに記載の混合記号インターリービング方法(1)。
【請求項6】
インターリービングのための搬送波の前記ブロックは、Npm個のデータ搬送波に加えて、決定された個数n0'個のヌル搬送波を含む、請求項5に記載の混合記号インターリービング方法(1)。
【請求項7】
NFFT個の直交関数による多重化および変調のモジュールを含むマルチキャリア送信器デバイスの搬送波に割り当てられる記号の混合されたインターリーバであって、前記インターリーバデバイスは、データ搬送波およびヌル搬送波から構成される搬送波の組を実施し、
Npm個の搬送波を搬送波の前記組から時間変動する形で選択する手段であって、前記選択される搬送波は、データ記号を送信すること専用であり、多重化および変調の前記モジュールによってデータ記号から生成される変調された直交記号に対応する送信信号の伝送チャネルの伝達関数の推定値の関数として選択される、手段と、
記号ブロックの送信専用のN'pm個の搬送波のブロックを形成するために、伝達関数の前記推定値の関数として決定される位置で先行する選択物内にn0個のヌル搬送波を挿入する手段(3)と、
Npm個のデータ搬送波を含む搬送波のブロックを動的にインターリーブする手段と
を含む、混合されたインターリーバ。
【請求項8】
請求項7に記載の周波数インターリーバを含む送信器デバイス。
【請求項9】
請求項8に記載の送信器デバイスを含むシステム。
【請求項10】
NFFT個の直交関数によって記号を多重化解除し、復調するモジュールであって、伝送チャネルの伝達関数を推定するために1と等しい実部および0と等しい虚部を有するエスティメータ記号を復調するのに適するモジュールと、記号伝送中に実施されるインターリービング法則の逆である法則の適用において復調された記号のデインターリービングを実施し、所与の伝送モードについて経時的に変化する時間変動するデインターリービング法則を決定された瞬間に計算するのに適するデインターリーバとを含む受信器デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−522834(P2009−522834A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548023(P2008−548023)
【出願日】平成19年1月2日(2007.1.2)
【国際出願番号】PCT/FR2007/050601
【国際公開番号】WO2007/077403
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】