説明

直線キュベット配列、それにより組み立てられた2次元キュベット配列及びそのような2次元キュベット配列を含むシステム

【課題】プラスチック材料製のキュベットが一体に組み立てられ、配列内のすべてのキュベットが同一の形状及び寸法を有し、隣接するキュベットが単一の腕で相互に連結している直線キュベット配列、当該直線キュベット配列を含む2次元キュベット配列、及び2つ以上の当該2次元キュベット配列を含むシステムを提供する。
【解決手段】直線キュベット配列は、個々の単一の腕(15、16)が湾曲した形状を有し、個々のキュベット(12)と一体構造を形成し、かつ上記キュベット(12)をキュベットホルダーの開口に正確に位置付ける役目をする手段(19、29)及び上記キュベット(12)を上記キュベットホルダーに取り外し可能なように結合するための手段(21、22)を有する。個々のキュベット(12)は、両チャンバーの中心を通る共通の対称軸(Y−Y)を有する実質的に円筒状の上部チャンバー(17)及び下部チャンバー(18)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料製のキュベットが一体に組み立てられ、配列内のすべてのキュベットが同一の形状及び寸法を有し、隣接するキュベットが単一の腕で、相互に連結している直線キュベット配列に関する。
【0002】
本発明は、又、2次元キュベット配列に関する。
【0003】
本発明は、又、2つ以上の2次元キュベット配列を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
試料の化学分析、遺伝子及び遺伝子フラグメントの示差表示分析(differential expression analysis,プロファイリング)の分野、特に、医薬品のスクリーニングの分野、及び、このような薬品及び試料の生物学的診断学においては、多数のこのような化合物をできるだけ迅速に分析しなければならない。従って、これらの試料の高処理量スクリーニングを達成するためには、多数の液体試料に対し、分析測定だけでなく、拡散又は濾過工程をも同時に又は連続的に行うことを可能にするキュベット配列のシステムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の第1の目的は、このようなシステムの基本要素として使用するのに適切な、直線キュベット配列を提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、このようなシステムの要素として使用するのに適切な、2次元キュベット配列を提供することである。
【0007】
本発明の第3の目的は、多数の試料に対して、分析測定だけでなく拡散又は濾過工程をも同時に又は連続的に行うこと、及び、これらの試料を最適の方法で、所望の高処理量スクリーニングを達成するために、最適の方法で行うことを可能にするキュベット配列のシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の第1の目的は、以下に記載の直線キュベット配列で達成される。すなわち、一体に組み立てられた、プラスチック材料製の直線キュベット配列で、配列内のすべてのキュベットが同一の形状及び寸法を有し、隣接するキュベットが単一の腕で相互に連結しており、上記キュベット配列が:
(a)個々の上記単一の腕が湾曲した形状を有し;
(b)個々のキュベットが、それと一体構造を形成し、かつ、キュベットホルダーの開口に上記キュベットを正確に位置づける役目をする手段、及び、上記キュベットを取り外し可能なように、上記キュベットホルダーに取り付けるための手段を有し;
(c)個々のキュベットが、両チャンバーの中心を通る共通の対称軸(Y−Y)を有する上部チャンバー、及び下部チャンバーを有し、上記上部及び下部チャンバーの各々が、実質上、円筒形を有し、そして上記上部チャンバーの、その中央部での断面が、上記下部チャンバーの断面より大きく;
(d)上記下部チャンバーが、開口した下端を有し;
(e)上記上部チャンバーが、開口した上端及び、上記上部チャンバーを上記下部チャンバーに結合している円形の開口を中央に有する環状の底面壁を有し、上記底面壁の内面は、その断面が上記キュベットの対称軸(Y−Y)に対して約80度の角度を形成している円錐面の一部であり、この結果、上記上部チャンバーと上記下部チャンバーの間で、断面の急激な変化があり;そして、
(f)上記キュベット配列が、第1の選ばれたプラスチック材料から作られ、この第1の材料は、箔状層の第2の選ばれた材料と組み合わせて使用されるのに、特に適切であり、上記膜は個々のキュベットの少なくとも一方の開口を塞ぐために、上記キュベット配列の個々のキュベットに密接に取り付けられるのに適している;
ことを特徴とする直線キュベット配列である。
【0009】
本発明によれば、上記の第2の目的は、以下に記載の2次元キュベット配列で達成される。すなわち、(a)キュベットを受け入れるための開口のマトリックス配列を有するキュベットホルダー;及び、
(b)少なくとも1個の上記キュベット配列の個々のキュベットが、上記キュベットホルダーの上記開口の1個に、ぴったりと収まる形状及び寸法を有する、前述した第1の目的を達成する直線キュベット配列;を少なくとも1つ含む2次元キュベット配列である。
【0010】
本発明によれば、上記の第3の目的は、多数の液体試料に対して、分析測定だけでなく拡散又は濾過プロセスをも同時に又は連続的に行うことに関して、前述の第1の目的を達成する直線キュベット配列を含む、前述した第2の目的を達成する2次元キュベット配列を有するシステムで達成される。すなわち、第1及び第2の上記2次元キュベット配列を含む、多数の液体試料に対して、分析測定だけでなく拡散又は濾過プロセスをも同時に又は連続的に行うためのシステムであって、上記キュベット配列は相互に積み重ねられており、そして、キュベットホルダー及び上記2次元キュベット配列のキュベットは、各々のホルダー内で同一の相対的位置を占めるキュベットが、両者の対称軸を一致させて、上下に正確に位置づけされ、上記キュベットの1個が上側キュベットに位置し、他のキュベットが下側キュベットに位置するように、及び、上側キュベットの下部の一部が下側キュベットの上部チャンバー内にあり、かつ、上側キュベットの下端が、下側キュベットの上部チャンバーの底面壁からの予め決められた距離にあるように、上記2次元キュベット配列が積み重ねられることができるような形状及び寸法を有するシステムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の主な利点は、本発明が所望のプロセスを効率的に、高い柔軟性をもって、比較的低コストで行うことを可能にし、同時に、従来の装置で遭遇した問題を克服することを可能にすることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による直線キュベット配列11の平面図を示す。
【図2】図1の直線キュベット配列11の、A−A平面で切り取った断面を示す。
【図3】図1の直線キュベット配列11のキュベット12の1個の断面図を示す。
【図4】図1の直線キュベット配列11のキュベット12の1個の断面図を示し、このキュベットは、キュベットの下端に取り付けられた箔状層61を含む。
【図5】本発明による2次元キュベット配列の一部を形成するキュベットホルダー32の平面図を示す。
【図6】図5のキュベットホルダー32の、平面B−Bで切り取った断面を示す。
【図7】本発明による2次元キュベット配列31の平面図を示す。
【図8】図7の2次元キュベット配列31の、平面C−Cで切り取った断面を示す。
【図9】積み重ねられた2次元キュベット配列31及び41の断面図を示す。
【図10】標準分析用マルチウェルプレート38の上に積み重ねられた2次元キュベット配列31の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施態様は、以下に、添付の図面を参照して説明される。
【0014】
図1及び2は、プラスチック材料製のキュベット12、13、14等が一体に組み立てられた直線キュベット配列11を示す。
【0015】
配列11のすべてのキュベットは、同一の形状及び寸法を有し、隣接するキュベットは、単一の腕15、16によって相互に連結している。これらの単一の腕15,16は湾曲した形状を有する。
【0016】
キュベット配列11を構成しているすべてのキュベット12の対称軸Y−Yは、キュベット配列11の対称面である平面A−Aと実質的に同一の平面内にある。配列11の中間キュベット12の上部は、中間キュベット12の一方の側に隣接するキュベット13に、第1の単一の腕15によって連結しており、更に中間キュベット12の反対側に隣接するキュベット14に、第2の単一の腕16によって連結している。第1の単一の腕15及び第2の単一の腕16は、上記対称平面A−Aを介して反対側にある。
【0017】
腕15、16は、柔軟性があり、従ってキュベット配列11の射出成形による製作に使用される異なった材料の異なった収縮率によって、キュベット配列11の長さが変化しても、キュベットホルダー、例えば下記のキュベットホルダー32へのキュベットの挿入を容易にする。
【0018】
キュベット配列11のキュベット2及び7(この数字は配列内のキュベットの相対的な位置を示す)の各々は、キュベットを下記のキュベットホルダー32の開口に、正確に位置づける役目を持つ3本の放射状リブ19、29を有する。
【0019】
キュベット配列11のキュベット1、3、6、8又は1、3〜6、8(この数字は配列内のキュベットの相対的な位置を示す)の各々は、例えばラッチ21及び22を有し、これらのラッチはキュベットと一体構造であり、下記のキュベットホルダー32へのキュベットの取り外し可能な取り付けに役立つ。
【0020】
図2は、キュベット配列11のキュベットの1個、例えばキュベット12の断面を示す。図2に示されるように、キュベットは上部チャンバー17及び下部チャンバー18を有し、これらは、両チャンバーの中心を通る共通の対称軸Y−Yを有する。上部チャンバー17及び下部チャンバー18は、各々実質的に円筒状の形状を有する。上部チャンバー17の、その中央部における断面は、下部チャンバー18の断面より大きい。
【0021】
下部チャンバー18は、開口した下端23を有する。上部チャンバー17は、開口した上端24及び環状の底面壁25を有する。この底面壁は、上記上部チャンバー17を下部チャンバー18に結合している円形の開口26を中央に有する。
【0022】
底面壁25の内面27は、その断面がキュベットの対称軸Y−Yに対して、約80度の角度を形成している円錐面の一部であり、この結果、上記上部チャンバー17と上記下部チャンバー18の間で、断面の急激な変化がある。
【0023】
キュベット配列11は、第1の選ばれたプラスチック材料から射出成形により作られ、この第1の材料は、箔状層を作る第2の選ばれた材料と組み合わせて使用されるのに特に適切である。この層は、個々のキュベットの少なくとも一方の開口を塞ぐために、キュベット配列の個々のキュベットに密接に取り付けられるのに適している。
【0024】
箔状層の個々のキュベットへの取り付けは、層とキュベットを例えば糊付けするか、又は溶接によるのが効果的である。個々のキュベットに取り付けられた箔は、該当する個々のキュベットにのみ取り付けられており、他のいずれのキュベット又は異なったキュベットに取り付けられた箔と連結していない。
【0025】
層のキュベットへの取り付けは、両部品の間で中位の密封性を有する接合(液密及び/又は気密接合)を確保する必要がある。
【0026】
このような箔状層の可能な用途は、例えばフィルターとしての用途及び/又は必ずしもフィルターの機能を有する必要がない透明な覆い(例えば、紫外線放射に対して透明である)としての用途を含む。
【0027】
箔状層が、フィルターとして使用される時は、濾過プロセスで、キュベット配列の個々のキュベットに入っている媒体に対して、真空又は圧力を適用することが効果的であり得る。
【0028】
フィルターとして使用でき、かつ、10から200ミクロンの範囲の厚さを有する箔状層の適切な材料は、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン(PSU)、再生セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PET及び濾紙である。
【0029】
図4に示すように、このような箔状層は、キュベットの下端に密接に取り付けるのに適している。図4は、キュベット12及び、その下端23にこのキュベットの開口を塞ぐために、キュベット12に密接に取り付けられている箔状層61を示す。
【0030】
キュベット配列を製作する射出成形装置は、異なった収縮率を有する異なった材料の射出成形が、全く同一の装置で行うことができるような形状及び寸法であることが好ましい。
【0031】
キュベット配列11及び上記の箔状層により形成されるアッセンブリーの高い安定性を確保するために、この層の材料は、層の物性がキュベットの材料と共に使用されるのに適するように選ばれる。
【0032】
他方では、キュベット配列及び箔状層の材料は、それらが特別に相性が良く、このことによりキュベット配列及び箔状層のアッセンブリーを使って行われる特定のプロセスの最適化を可能にするように選ばれる。このようなプロセスは、例えば濾過、拡散、濃度決定、「マイクロスポッティング(microspotting)」である。
【0033】
例えば、親水性の材料で作られたキュベット、例えば酢酸セルロースから作られたキュベットは、限外濾過を最適な方法で行うための、限外濾過膜との適切な組み合わせとなる。人工膜を使っての拡散プロセスは、類似した疎水性を有するキュベット材料と溶融によって適切に結合する疎水性の濾過膜を使って、好ましくは行われる。濾過プロセスでは、キュベット及びそれに取り付けられる濾過膜が、親水性又は親油性を有することが必要であり、これらの部品の材料は濾過される物質の性質に応じて選択される。
【0034】
遺伝子又は遺伝子フラグメントに関連するプロセスでは、キュベット配列11のキュベットの下端に取り付けられた箔の上に、マイクロスポッティングによりこれらを沈積させる。
【0035】
次の材料は、キュベット配列11の製作に使用することができる材料の例である:酢酸アセテート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリプロピレン(PP)。類似した収縮率(射出成形に関連して)及び溶融特性を有する材料も、キュベット配列11の製作に使用してよい。
【0036】
図5は、多数の上記キュベット配列11を保持して、2次元キュベット配列31を形成するのに使用することができるキュベットホルダー32の平面図を示す。図6は、図5のキュベットホルダー32の、平面B−Bで切り取った断面を示す。
【0037】
好ましい実施態様では、キュベットホルダー32は、実質的に長方形の形状であり、キュベットホルダー32の隅の一つの外面上に各々が位置する、4本の心出しリブ(71、72、73、74)を有する。
【0038】
図7は、本発明による2次元キュベット配列31の平面図を示す。図8は、図7の2次元キュベット配列31の、平面C−Cで切り取った断面を示す。
【0039】
図7及び8から理解できるように、本発明による2次元キュベット配列31は、上記の特徴を有する少なくとも1つの直線キュベット配列11のキュベット12を受け入れるための、開口34のマトリックス配列33を有するキュベットホルダー32を含む。キュベット配列11の個々のキュベット12は、キュベットホルダー32の開口34の1個にぴったりと収まる形状及び寸法を有する。
【0040】
キュベットホルダー32は、2次元配列31が遠心分離機内で使用されるのに適合するような形状及び寸法を有する。図8に示すように、キュベットホルダー32は遠心分離機のホルダープレート39にぴったりと収まる。
【0041】
図9に示すように、図7及び8に関連して、各々が上記の構造を有する2個以上の2次元キュベット配列、例えば配列31及び41並びに各々のキュベットホルダー32及び42は相互に積み重ねられ、3次元キュベット配列を形成することができる。キュベットホルダー42は、ホルダープレート43の上に置かれる。本発明によれば、このような配列の部品は、各々のホルダー内で同一の相対的位置を占めるキュベットが、両者の対称軸を一致させて、上下に正確に位置づけされ、上記キュベットの1個が上側キュベット51に位置し、他のキュベットが下側キュベット52に位置するような形状及び寸法を有する。好ましい実施態様では、個々の上側キュベット51の下部の一部は、対応する下側キュベット52の上部チャンバー内にあり、かつ、上側キュベット51の下端が、下側キュベット52の上部チャンバーの底面壁から予め決められた距離にある。
【0042】
図9には、以下に説明する、キュベット内で適用できる容量が、対応する陰の部分によって示されている。
【0043】
すなわち、下側キュベット中の試料に適用できる容量62、対応する下側キュベットの上部の中にある、上側キュベットの下部の一部によって置換されている容量63、上側キュベットの上部中でオーバーフローしている液体に適用できる容量64、及び下側キュベットの上部中の過剰な液体に適用できる容量65である。
【0044】
図10に示すように、図7及び8に関連して、上記の構造を有する2次元キュベット配列31は、標準マルチウェルプレートのための標準ホルダープレート38の上にも積み重ねることができる。
【0045】
本発明によれば、上記構造を有するキュベットの1つ以上の2次元配列31、41等を含むシステムは、多数の液体試料に対して、拡散、濾過又は検出プロセスの工程を同時に行うのに使用される。ここでの上記試料は、例えば、遺伝子、遺伝子フラグメント、医薬品又は医薬の前駆体である。
【0046】
好ましい実施態様では、このようなシステムは、第1の2次元キュベット配列31及び第2の2次元キュベット配列41を含み、上記キュベット配列31、41は相互に積み重ねられ、キュベットホルダー32、42及び上記2次元キュベット配列31、41のキュベット12は、各々のホルダー内で同一の相対的位置を占めるキュベットが、両者の対称軸を一致させて、上下に正確に位置づけされ、キュベットの1個が上側キュベット51に位置し、他のキュベットが下側キュベット52に位置するような形状及び寸法を有する。好ましい実施態様では、上側キュベット51の下部の一部は、下側キュベット52の上部チャンバー内にあり、かつ、上側キュベット51の下端が、下側キュベット52の上部チャンバーの底面壁からの予め決められた距離にある。この配置では、上側キュベット51の下部内に入っている液体と下側キュベット52の上部チャンバー内に入っている液体の間には、毛管現象が生じる隙間はない。
【0047】
本発明の変更した及び代替の態様は、前述の説明を考慮すれば、当業者には明白であると思われる。従って、この説明は単に例示と解釈されるべきであり、本発明を実施する上での、最良の方式を当業者に教示するという目的のためである。本発明の精神から逸脱しない範囲で、説明された装置及びシステムの詳細を変更してもよく、付属の特許請求の範囲内にあるすべての変更を独占的に使用することは、留保される。
【符号の説明】
【0048】
参照付番表
11 直線キュベット配列
12 キュベット
13 キュベット
14 キュベット
15 腕
16 腕
17 上部チャンバー
18 下部チャンバー
19 リブ
21 ラッチ
22 ラッチ
23 開口した下端
24 開口した上端
25 底面壁
26 開口
27 底面壁25の内面
28
29 リブ
31 2次元キュベット配列
32 キュベットホルダー
33 開口のマトリックス配列
34 開口(キュベット受け入れのための)
35
36
37
38 標準マルチウェルプレートのための標準ホルダープレート
39 遠心分離機のホルダープレート
41 2次元キュベット配列
42 キュベットホルダー
43 ホルダープレート
51 上側キュベット
52 下側キュベット
61 箔状層
62 試料に適用できる容量
63 置換されている容量
64 オーバーフローしている液体に適用できる容量
65 過剰な液体に適用できる容量
71 心出しリブ
72 心出しリブ
73 心出しリブ
74 心出しリブ
75 変遷部
76 変遷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体に組み立てられた、プラスチック材料製の直線キュベット配列で、配列内のすべてのキュベットが同一の形状及び寸法を有し、隣接するキュベットが単一の腕で相互に連結しており、上記キュベット配列が:
(a)個々の上記単一の腕が湾曲した形状を有し;
(b)個々のキュベットが、それと一体構造を形成し、かつ、キュベットホルダーの開口に上記キュベットを正確に位置づける役目をする手段、及び、上記キュベットを取り外し可能なように、上記キュベットホルダーに取り付けるための手段を有し;
(c)個々のキュベットが、両チャンバーの中心を通る共通の対称軸(Y−Y)を有する上部チャンバー、及び下部チャンバーを有し、上記上部及び下部チャンバーの各々が、実質上、円筒形を有し、そして上記上部チャンバーの、その中央部での断面が、上記下部チャンバーの断面より大きく;
(d)上記下部チャンバーが、開口した下端を有し;
(e)上記上部チャンバーが、開口した上端及び、上記上部チャンバーを上記下部チャンバーに結合している円形の開口を中央に有する環状の底面壁を有し、上記底面壁の内面は、その断面が上記キュベットの対称軸(Y−Y)に対して約80度の角度を形成している円錐面の一部であり、この結果、上記上部チャンバーと上記下部チャンバーの間で、断面の急激な変化があり;そして、
(f)上記キュベット配列が、第1の選ばれたプラスチック材料から作られ、この第1の材料は、箔状層の第2の選ばれた材料と組み合わせて使用されるのに、特に適切であり、上記膜は個々のキュベットの少なくとも一方の開口を塞ぐために、上記キュベット配列の個々のキュベットに密接に取り付けられるのに適している;
ことを特徴とする直線キュベット配列。
【請求項2】
上記キュベット配列を構成しているすべてのキュベットの対称軸(Y−Y)が、上記キュベット配列の対称面である平面(A−A)と実質的に同一の平面内にあり、配列内の中間にある個々のキュベットの上部が、上記中間キュベットの一方の側に隣接するキュベットに、第1の単一の腕によって連結され、上記中間キュベットの反対側にある隣接するキュベットに、第2の単一の腕によって連結され、上記第1及び第2の単一の腕が、上記対称平面(A−A)を介して反対側にある、請求項1記載の直線キュベット配列。
【請求項3】
(a)キュベットを受け入れるための開口のマトリックス配列を有するキュベットホルダー;及び、
(b)少なくとも1個の上記キュベット配列の個々のキュベットが、上記キュベットホルダーの上記開口の1個に、ぴったりと収まる形状及び寸法を有する、請求項1記載の少なくとも1つの直線キュベット配列;
を含む2次元キュベット配列。
【請求項4】
少なくとも1個の直線キュベット配列を各々保有する2個以上のキュベットホルダーが、各々のホルダー内で同一の相対的位置を占めるキュベットが、両者の対称軸を一致させて、上下に正確に位置づけされ、上記キュベットの1個が上側キュベットに位置し、他のキュベットが下側キュベットに位置するように、及び、上側キュベットの下部の一部が下側キュベットの上部チャンバー内にあり、かつ、上側キュベットの下端が、下側キュベットの上部チャンバーの底面壁からの予め決められた距離にあるように、積み重ねられることができるような形状及び寸法を、上記キュベットホルダー、及び、少なくとも1つの上記直線キュベット配列のキュベットが有する、請求項3記載の2次元キュベット配列。
【請求項5】
上記キュベットの、その下端にある開口を塞ぐために、個々のキュベットの下端に取り付けられた箔を更に含む、請求項3又は4記載の2次元キュベット配列。
【請求項6】
上記箔がフィルターである、請求項5記載の2次元キュベット配列。
【請求項7】
上記箔が透明である、請求項5記載の2次元キュベット配列。
【請求項8】
上記箔が、マイクロスポッティング(microspotting)により、上記箔上に沈積した遺伝子又は遺伝子フラグメントを保有する、請求項5記載の2次元キュベット配列。
【請求項9】
上記キュベットホルダーが、実質的に長方形の形状であり、かつ、上記キュベットホルダーの隅の1つの外面上に各々が位置する、4本の心出しリブを有する、請求項3又は4記載の2次元キュベット配列。
【請求項10】
上記キュベットホルダーが、上記2次元キュベット配列が遠心分離機内で使用されるのに適するような形状及び寸法を有する、請求項3又は4記載の2次元キュベット配列。
【請求項11】
多数の液体試料に対して、拡散又は濾過プロセスを同時に行うためのシステムであって、上記システムが、請求項3から10のいずれかに記載の1つ以上の2次元キュベット配列を含むシステム。
【請求項12】
請求項3記載の第1の2次元キュベット配列及び請求項3記載の第2の2次元キュベット配列を含む、請求項11記載のシステムであって、上記キュベット配列は相互に積み重ねられており、そして、キュベットホルダー及び上記2次元キュベット配列のキュベットは、各々のホルダー内で同一の相対的位置を占めるキュベットが、両者の対称軸を一致させて、上下に正確に位置づけされ、上記キュベットの1個が上側キュベットに位置し、他のキュベットが下側キュベットに位置するように、及び、上側キュベットの下部の一部が下側キュベットの上部チャンバー内にあり、かつ、上側キュベットの下端が、下側キュベットの上部チャンバーの底面壁からの予め決められた距離にあるように、上記2次元キュベット配列が積み重ねられることができるような形状及び寸法を有するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−261968(P2010−261968A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187884(P2010−187884)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【分割の表示】特願2002−41158(P2002−41158)の分割
【原出願日】平成14年2月19日(2002.2.19)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【出願人】(502059733)ヴァイトマン プラスチックス テクノロジー アクチエンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】