説明

相乗的な殺鼠剤

本発明は、2種の成分のうちの少なくとも1種が非常に低濃度で使用される、抗凝血性殺鼠性活性物質とビタミンDの類似体との組合せに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、齧歯動物防除組成物における、低濃度の抗凝血剤と組み合わせたビタミンD類似体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
抗凝血剤、特にヒドロキシクマリンは、活性な殺鼠性化合物として、齧歯動物を防除するための餌および他の組成物中に、1950年代以来ずっと使用されている。これらの活性化合物は、酸化型ビタミンKをこの活性型であるビタミンKヒドロキノンに変換する酵素であるビタミンKエポキシド還元酵素の活性を阻害する。ビタミンKのこの型は、γ−カルボキシル化を必要とする。それ故に、ビタミンKの活性型が不足すると、結果的に、血液凝固因子Xを含む多数のタンパク質のカルボキシル化が不十分となる。このことが、血液凝固カスケードにおける1つの段階であるプロトロンビンからトロンビンへの変換を妨げ、次には、相当する用量のクマリンを摂取した動物を衰弱させ、ことによると死亡させることができる。第1世代のヒドロキシクマリンは、典型的には、餌中に0.02%から0.06%までの(他に特に指示がない限り、常に重量%として表される)濃度で使用されており、第2世代のものは、0.0025%または0.005%で使用されている。
【0003】
殺鼠剤として使用されている活性化合物の別のグループは、ビタミンDの2つの形、エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロール(ビタミンDおよびD)である。このビタミンを過量摂取すると、高カルシウム血症に至る。その状態において、カルシウムは、食物からの腸での吸収が増加し、骨塩から再吸収される。結果として生じた血流中の高いカルシウム濃度は、軟組織の硬化を引き起こし、心血管系に悪影響を及ぼす。カルシフェロールは、典型的には、餌中に0.1%から0.6%までの範囲の濃度で使用されている。
【0004】
両方のグループ由来の活性化合物はまた、殺鼠性餌中において、互いに組み合わせられる(GB 1 371 135)。活性化合物の混合物は、他の所にも記載されている(Greaves,J.H.;Redfern,R.;King,R.E.(1974)、J.Hyg.Cambridge 73、341−351頁またはKerins、G.M.;Endepols,S.;MacNicoll,A.D.(2002)、Comp.Clin.Path.11、59−64頁)。1970年代から1990年代には、抗凝血剤ワルファリンをエルゴカルシフェロールと組み合わせたもの(0.025%+0.1%)またはクマテトラリルをコレカルシフェロールと組み合わせたもの(0.0375%+0.025%)を含む製品が、市場に売り出された。
【0005】
第2世代のヒドロキシクマリンが世界中に出回ると、前述の組合せ製品は、これらのより新しい活性化合物を含む製品に取って代わられた。その上、カルシフェロールは、使用される濃度で、齧歯動物に対して餌警戒性を引き起こし、餌の魅力を低減させる(Prescott,C.V.;El−Amin,M.;Smith,R.H.(1992):Calciferols and bait shyness in the laboratory rat.Proc.15th Vertebrate Pest Conf.、Univ.Calif.、Davis、218−223頁)ため、組合せ製品は定着することができなかった。より低濃度のカルシフェロールの使用は、当時、カルシフェロールを含まない抗凝血剤と比較して、活性の十分な促進を保証することができない可能性があったため、有用であるように思われなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許出願公開第1371135号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Greaves,J.H.;Redfern,R.;King,R.E.(1974)、J.Hyg.Cambridge 73、341−351頁
【非特許文献2】Kerins、G.M.;Endepols,S.;MacNicoll,A.D.(2002)、Comp.Clin.Path.11、59−64頁
【非特許文献3】Prescott,C.V.;El−Amin,M.;Smith,R.H.(1992):Calciferols and bait shyness in the laboratory rat.Proc.15th Vertebrate Pest Conf.、Univ.Calif.、Davis、218−223頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ラットおよびマウスを対象とした給餌試験において、その後、ある特定の系統の動物において、両方の活性化合物が典型的に使用されるよりも低い濃度で使用された場合でも、上記組合せに対して思いがけなく良好な活性が見出された。驚くべき事実は、2種の活性化合物のうちの1種の濃度を、実際には、典型的な濃度未満に実質的に低減することができる、すなわち、例えば、コレカルシフェロールを0.01%または0.005%のみの含有量に低減することができるということであった。両方の活性化合物を、GB 1 371 135に開示されている濃度範囲の最小値付近の量で用いても、見出された活性は良好であった。GB 1 371 135に挙げられている例は、2種の成分のうちの少なくとも1種が比較的高い濃度、例えば0.1%で存在することを開示しているため、このことは期待されていなかった。それ故に、GB 1 371 135に開示されている教示内容を、最下限範囲において実施することは、当業者によって真剣に考えられていなかった。
【0009】
特に驚くべき事実は、2種の組み合わされた活性化合物のうちの1種の量が、さらにより低い濃度、すなわち、GB 1 371 135に特許請求されている最小濃度よりも実質的に低い濃度に低減することができるということであった。よって、活性化合物のクマテトラリル(第1世代のヒドロキシクマリン)およびコレカルシフェロール(ビタミンD)を、2種の活性化合物のうちの1種が餌中に0.0025%のみで存在し、それにもかかわらず、驚くほど良好な活性が示されるようなやり方で組み合わせることは可能であった。この濃度は、上記に引用された特許において請求されている最小濃度のわずか50%になる。
【0010】
GB 1 371 135は、いずれの場合にも0.005%を超える濃度を特許請求しているが、この中の例によっても実証されているように、実質的により高い濃度でようやく納得のいく活性が現れる。それ故に、0.0025%の濃度でも相乗効果を発揮することは予期されていなかったし、感受性のない野生系統のハツカネズミ(ムスムスクルス(Mus musculus))およびドブネズミ(ラットゥスノルヴェギクス(Rattus norvegicus))の場合には、特に予期されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、2種の成分のうちの少なくとも1種が非常に低濃度(0.0049%に等しいまたはこれ未満)で使用される、少なくとも1種の活性な抗凝血性殺鼠性化合物とビタミンDの類似体との組合せに関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の意味での抗凝血剤は、インダンジオン誘導体または第1世代および第2世代のヒドロキシクマリンのグループ由来の化合物である。これらの物質は、齧歯動物を防除するために、世界中で使用されている(例えば、DE 2506769;JP 48023942;CH 481580;Paposci(1974):Beihefte Z.Angew.Zool.155頁およびDE 2506769を参照のこと)。第1世代の抗凝血性物質の例として、4−ヒドロキシクマリン誘導体である(1−フェニル−2−アセチル)−3−エチル−4−ヒドロキシクマリン(「ワルファリン」)、3−(α−アセトニル−4−クロロベンジル)−4−ヒドロキシクマリン(「クマクロル」)、3−(1’,2’,3’,4’−テトラヒドロ−1’−ナフチル)−4−ヒドロキシクマリン(「クマテトラリル」)ならびにインダンジオン誘導体である1,1−ジフェニル−2−アセチルインダン−1,3−ジオン(「ジファシノン」)および(1’−p−クロロフェニル−1’−フェニル)−2−アセチルインダン−1,3−ジオン(「クロロジファシノン」)などが挙げられる。第2世代からは、3−[3−(4’−ヒドロキシ−3’−クマリニル)−3−フェニル−1−(4’−ブロモ−4’−ビフェニル)プロパン−1−オール(「ブロマジオロン」)、3−(3’−パラジフェニリル−1’,2’,3’,4’−テトラヒドロ−1’−ナフチル)−4−ヒドロキシクマリン(「ジフェナコウム(difenacoum)」)、3−[3−4’−ブロモビフェニル−4−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフチル]−4−ヒドロキシクマリン(「ブロディファコウム(brodifacoum)」)、4−ヒドロキシ−3−[1,2,3,4−テトラヒドロ−3−[4−(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)フェニル]−1−ナフチル]クマリン(「フロクマフェン」)およびヒドロキシ−4−ベンゾチオピラノン系、例えば「ジフェチアロン」が挙げられる。
【0013】
本発明の餌を製造するのに適したさらなる抗凝血剤として、以下の2−アザシクロアルキルメチル置換されたベンズヒドリルケトンおよびベンズヒドリルカルビノールが挙げられる:DT−OS 2 417 783に記載されている、1−フェニル−3−(2−ピペリジル)−1−(p−トリル)−2−プロパノン、3,3−ジフェニル−1−(2−ピロリジニル)−2−ペンタノン、1,1−ジフェニル−3−[2−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピニル)]−2−プロパノン、1−(4−フルオロフェニル)−1−フェニル−3−(2−ピペリジル)−2−プロパノン、1−(4−メチルチオフェニル)−1−フェニル−3−(5,5−ジメチル−2−ピロリジニル)−2−プロパノン、1−(p−クメニル)−1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−2−ピペリジニル)−2−プロパノン、3,3−ジフェニル−1−[2−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピニル]−2−ブタノン、3−(2,4−ジクロロフェニル)−3−フェニル−1−(2−ピペリジル)−2−ヘプタノン、1,1−ジフェニル−3−(5−メチル−2−ピロリジニル)−2−プロパノン、3,3−ジフェニル−1−(2−ピペリジル)−2−ブタノン、α−(α−メチル−α−フェニルベンジル)−2−ピペリジンエタノール、α−(α−エチル−α−フェニルベンジル)−2−ピロリジンエタノール、(2,5−ジメチル−α−フェニルベンジル)−2−ピペリジンエタノールおよびα−(ジフェニルメチル)−2−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン)エタノールおよびこれらの塩ならびに4’−(フルオロフェニル)−2−(2−ピロリジニル)アセトフェノン、4’−フェニル−2−(5,5−ジメチル−2−ピロリジニル)−アセトフェノン、4’−[p−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−(p−ブトキシフェニル)−2−(4−tert−ブチル−2−ピペリジル)アセトフェノン、2’−フェノキシ−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−(p−フルオロフェノキシ)−2−(5,5−ジメチル−2−ピロリジニル)アセトフェノン、4’−(p−クロロフェノキシ)−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−[m−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−(p−ブトキシフェノキシ)−2−(2−ピロリジニル)アセトフェノン、2−(2−ピペリジル)−4’−(trans−p−トリルビニレン)−アセトフェノン、2−(2−ヘキサヒドロ−1H−アゼピニル)−4’−(trans−スチリル)アセトフェノン、4’−(m−メトキシ−フェニルビニレン)−2−(2−ピロリジニル)アセトフェノン、2−(2−ピペリジル)−4’−[(p−メチルチオ)フェニル−ビニレン]アセトフェノン、4’−(3−フェノキシプロポキシ)−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−(4−フェニルブチル)−2−(2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−(α,α−ジメチルベンジル)−2−(ピペリジル)アセトフェノン、4’−フェネチル−2−(3,5−ジエチル−2−ピペリジル)アセトフェノン、4’−フェニル−2−(2−ピロリジニル)アセトフェノン、α−[2−(2−フェニルエトキシ)フェニル]−2−ピペリジンエタノール、α−(p−フェノキシフェニル)−2−ピロリジンエタノール、α−[4−(4−ブロモフェノキシ)フェニル]−6−メチル−2−ピペリジンエタノール、α−(p−フェネチル)フェニル−2−ピロリジンエタノール、α−p−ビスフェニル−2−ヘキサンヒドロ−1H−アゼピンエタノール、α−[3−(4−フェノキシブトキシ)−フェニル]−2−ピペリジンエタノールおよびα−(4−ベンジル)フェニル−2−ピペリジンエタノールおよびこれらの塩(DE−A−2 418 480を参照のこと)。
【0014】
以下の希土類金属塩も同様に、抗凝血剤として使用され得る:二ネオジムジヒドロキシベンゼンジスルホネート(Acta physiol.Acad.Sci.Hungar.24、373)、二ネオジム3−スルホナトピリジン−4−カルボキシレートおよびセリウム(III)トリス(4−アミノベンゼンスルホネート)。
【0015】
発明として好ましい抗凝血剤は、第1世代の抗凝血剤としてワルファリン、クマテトラリル、クロロファシノンおよびジファシノンならびに第2世代のものとしてブロマジオロン、ジフェナコウム、ブロディファコウム、フロクマフェンおよびジフェチアロンなどである。
【0016】
本発明の意味でのビタミンD類似体は、エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロールである。これらは、3β−ヒドロキシ−Δ5,7−17β置換されたステロイドの誘導体である。カルシフェロールは、エルゴステロールから放射線照射によって形成される。さらに、ビタミンDの他の類似体および代謝物質、例えば、ヒドロキシコレカルシフェロール、ジヒドロキシコレカルシフェロール、ヒドロキシエルゴカルシフェロールおよびジヒドロキシエルゴカルシフェロールなどが適している。好ましくは、エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロールである。
【0017】
本発明の組成物において、2種以上の抗凝血剤および/またはビタミンD類似体が存在することもある。(そのような場合には、濃度の数字は、それぞれ抗凝血剤の総量およびビタミンD類似体の総量と見なされる。)
【0018】
本発明の組成物において、少なくとも抗凝血剤またはビタミンD類似体のいずれかは、0.0049%に等しいまたはこれ未満の濃度で存在し、好ましくは0.001%と0.0045%との間の濃度で存在し、より好ましくは0.002%と0.004%との間の濃度で存在し、非常に好ましくは0.0025%と0.0035%との間の濃度で存在する。
【0019】
本発明の組成物における抗凝血剤が、最大0.0049%までで存在する、好ましくは0.001%と0.0045%との間で存在する、より好ましくは0.002%と0.004%との間で存在する、非常に好ましくは0.0025%と0.003%との間で存在する場合には、ビタミンD類似体は、通常通り、0.005%から1.0%までで存在し得る。
【0020】
本発明の組成物におけるビタミンD類似体が、最大0.0049%までで存在する、好ましくは0.001%と0.0045%との間で存在する、より好ましくは0.002%と0.004%との間で存在する、非常に好ましくは0.0025%と0.0035%との間で存在する場合には、抗凝血剤は、通常通り、0.005%から1.0%までで存在し得る。
【0021】
別の実施形態において、本発明の組成物中に、抗凝血剤およびビタミンD類似体のいずれも、0.0049%以下で存在し、好ましくは0.001%と0.0049%との間で存在し、より好ましくは0.001%と0.0045%との間で存在し、非常に好ましくは0.002%と0.004%との間で存在し、特に好ましくは0.025%と0.0035%との間で存在する。
【0022】
以下の組合せは、抗凝血剤およびビタミンD類似体の特に適した組合せの例である。
a)クマテトラリルおよびコレカルシフェロール
b)クマテトラリルおよびエルゴカルシフェロール
c)クロロファシノンおよびコレカルシフェロール
d)クロロファシノンおよびエルゴカルシフェロール
【0023】
以下の組合せは、抗凝血剤およびビタミンD類似体の特に適した組合せおよび濃度の数字の例である。
a)抗凝血剤(0.001%から0.0049%まで)+エルゴ/コレカルシフェロール(0.005%から0.5%まで);
b)抗凝血剤(0.005%から0.1%まで)+エルゴ/コレカルシフェロール(0.001%から0.0049%まで);
c)抗凝血剤(0.001%から0.0049%まで)+エルゴ/コレカルシフェロール(0.001%から0.0049%まで);
【0024】
以下の組合せは、活性化合物の組合せであるクマテトラリル+コレカルシフェロールの適した濃度の例である。
a)クマテトラリル(0.0025%)+コレカルシフェロール(0.025%);
b)クマテトラリル(0.0375%)+コレカルシフェロール(0.0025%);
c)クマテトラリル(0.004%)+コレカルシフェロール(0.004%);
【0025】
本発明の意味での殺鼠性防除組成物は、すべてのタイプの殺鼠性餌である。これらは、先行技術から十分によく知られている。推薦されるのは、ロールドオート、小麦、トウモロコシなどの穀物をベースとするものである。これらは、1種もしくは複数種の穀物成分を含む注ぐことができる餌、顆粒もしくはペレット、ワックスブロック、植物性脂肪および粗びき粉をベースとする軟混合物もしくはペースト状混合物などの押出成形された餌または油性もしくは水性の配合物をベースとするゲルであってよい。特に推薦に値するものは、穀物または粗びき粉および植物性脂肪からなるペースト状の餌である。非常に適した例は、10gから200gまでの分量ずつパッケージされたペースト状の餌を含む。
【0026】
他の投与形態は、液体またはゲル状の飲料であり、またいわゆる粉末または泡状物などの接触性組成物である。これらの組成物は、餌ではなく、代わりに齧歯動物の毛皮へ付着し、毛づくろいの際にようやく経口摂取されるように送達される。
【0027】
本発明の組成物は、ミクロトゥス(Microtus)属、アルヴィコラ(Arvicola)属、ラットゥス属およびムス属を代表として含むすべての種類の齧歯類有害生物を防除するのに適している。人口の多い地域において、特に注目に値するものは、ハツカネズミであるムスムスクルス/ドメスティクス(domesticus)、ドブネズミであるラットゥスノルヴェギクスおよびハツカネズミまたはクマネズミであるR.ラットゥスである。露地での使用が可能であり、動物小屋、貯蔵庫および生産場を含む建造物の中ならびに下水道の中での使用も同様に可能である。
【実施例】
【0028】
1)典型的な濃度(0.0375%w/w)の抗凝血剤クマテトラリルおよびビタミンD類似体コレカルシフェロール(0.0025%w/w)を含む、全粒小麦をベースとする餌。この組成物の試験は、野生系統のハツカネズミ(Mus musculus domesticus)を対象とした5日間の給餌試験を用いて行われた。死亡率は95%(n=20)であった。
2)抗凝血剤クマテトラリル(0.0045%w/w)およびビタミンD類似体コレカルシフェロール(0.005%w/w)を含む、全粒小麦をベースとする餌。この組成物の試験は、野生系統のドブネズミ(Rattus norvegicus)を対象とした4日間の給餌試験を用いて行われた。死亡率は100%(n=12)であった。
3)抗凝血剤クマテトラリル(0.0025%w/w)およびビタミンD類似体コレカルシフェロール(0.01%w/w)を含む、全粒小麦をベースとする餌。この組成物の試験は、野生系統のドブネズミ(Rattus norvegicus)を対象とした4日間の給餌試験を用いて行われた。死亡率は100%(n=12)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の抗凝血剤および少なくとも1種のビタミンD類似体を含み、前記成分のうちの少なくとも1種が0.0049重量%以下の割合で存在する、齧歯動物を防除するための組成物。
【請求項2】
抗凝血剤が、ヒドロキシクマリンまたはインダンジオン誘導体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ビタミンD類似体が、エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロールから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
抗凝血剤の含有量が0.0049重量%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
ビタミンD類似体の含有量が0.0049重量%以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
抗凝血剤の含有量およびビタミンD類似体の含有量が、0.0049重量%以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
抗凝血剤が0.001%と0.0045%との間で存在し、およびビタミンD類似体が0.005%から1.0%までで存在する、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
ビタミンD類似体が0.001%と0.0045%との間で存在し、および抗凝血剤が0.005%から1.0%までで存在する、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
抗凝血剤およびビタミンD類似体が、0.001%と0.0049%との間にある、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
齧歯動物のための餌の形である、請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−505259(P2012−505259A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531379(P2011−531379)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007177
【国際公開番号】WO2010/043322
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】