説明

看板装置

【課題】液晶表示装置を利用した看板装置において、高い機動性を実現した看板装置を提供する。
【解決手段】看板装置1は、画像の表示を行う液晶表示装置10と、使用者の背中に背負うように装着される背負子部14と、一端部に液晶表示装置10を固定し、他端部に背負子部14を固定し、液晶表示装置10を使用者の頭上に位置付けるアーム12と、液晶表示装置10に電源を供給するバッテリと、液晶表示装置10とバッテリとを接続する電源ケーブルとを備えており、背負子部14は、バッテリを収納する収納部を有し、アーム12は、内部に電源ケーブルを挿通可能なパイプ状部材からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置を利用した看板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、大きなイベントが開催される場合、最寄りの駅からイベント会場までの経路に、イベント会場に案内する情報が描かれている看板を持ったスタッフを数人配置することによって、顧客誘導を行っている。
【0003】
案内用に使用される看板は、木製の棒の先端部に板を取り付けてなるものが一般的である。この板面に矢印や「50m先左」といった文字が描かれた紙を貼付し、スタッフは、棒を持って板面を頭上に掲げることにより、板面に表示された情報が周囲の人々に目立つようにしている。
【0004】
また、看板を宣伝用に使用する場合には、集客効果を向上させるために、店舗情報やサービス情報が描かれた紙を板面に貼付し、スタッフが棒を持って板面を頭上に掲げながら移動することにより、不特定多数の多くの人々に板面の情報が見えるようにすることが、一般的に行われている。
【0005】
さらに、近年、液晶表示装置の薄型化及び大画面化が進んでおり、液晶表示装置を看板として利用する技術が提案されている。例えば、液晶表示装置を、キャスター付きの補助広告具に設置して移動可能にしたものが提案されている(特許文献1参照)。また、店員が着用するTシャツに、有機ELフィルムからなるディスプレイが取り付けられたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3150668号公報
【特許文献2】特開2004−12837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術においては、補助広告具の移動が可能であるとはいえ、補助広告具を押しながら移動させるために、目的の位置に補助広告具をすばやく移動させることは困難である。
【0008】
また、特許文献2の技術を応用して、木製の棒の先端部に板を取り付けてなる看板の表示に有機ELフィルムを用いることが考えられる。しかし、この場合には、使用者は、表示装置及びバッテリを携帯しながら移動することになる。また、表示装置自体の重量やバッテリの重量等を考慮すると、前述した看板のように手軽に持ち運び可能にすることは困難であり、まして、広告面を高い位置に掲げながら移動することは、使用者にとって大きな負担となる。したがって、電気的に画像の表示を行う薄型の表示装置を看板として利用する場合には、前述した木製の棒の先端部に板を取り付けてなる看板のような高い機動性を得ることが困難であった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決し、薄型の表示装置を利用した看板装置において、高い機動性を実現した看板装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するため、次に記載する構成を備えている。
【0011】
(1) 電気的に画像の表示を行う画像表示部と、使用者の背中に背負うように装着される背負子部と、一端部に前記画像表示部を固定し、他端部に前記背負子部を固定し、使用者が前記背負子部を背中に装着した場合に前記画像表示部を使用者の頭上に位置付けるアーム部と、前記画像表示部に電源を供給するバッテリと、前記画像表示部と前記バッテリとを電気的に接続する電源ケーブルと、を備え、前記背負子部は、前記バッテリを収納する収納部を有し、前記アーム部は、内部に前記電源ケーブルを挿通可能なパイプ状部材からなることを特徴とする看板装置。
【0012】
(1)によれば、使用者が背負子部を背負うことにより、画像表示部を頭上に位置付けられるようになる。これにより、使用者による画像表示部の持ち運びが容易となり、画像表示部が画像の表示を行っている状態で、使用者が移動することによって、周囲の不特定多数の人々に画像表示部の表示画面を視認させることが可能になる。このように、高い機動性を実現した看板装置を提供することが可能になる。また、アーム部の内部に電源ケーブルが挿通されているため、電源ケーブルにおいて外部に露出する部分が少なくなるため、電源ケーブルが引っかかり、電源ケーブルが画像表示部あるいはバッテリから抜けてしまうことが防止される。
【0013】
(2) (1)において、前記アーム部の内部には、実質的に前記電源ケーブルのみが挿通されていることを特徴とする看板装置。
【0014】
(2)によれば、アーム部の内部に、例えば、画像表示部に画像表示させるための信号を送る信号ケーブルのように、画像表示に関わる部材が挿通されていない。このため、電源ケーブルからのノイズよる画像表示部の画像表示に与える影響を低減することが可能になる。
【0015】
(3) (1)、(2)において、前記背負子部を使用者の背中に装着した際に、使用者の背骨のライン上に前記画像表示部の重心が配置されることを特徴とする看板装置。
【0016】
(3)によれば、使用者が画像表示部をバランスよく支持することが可能になり、使用者が体感する重さを軽減することができる。
【0017】
(4) (1)〜(3)において、前記画像表示部は、液晶表示パネルと、当該液晶表示パネルの表示の制御を行う表示制御回路と、前記液晶表示パネルに表示させる画像データを記憶している記憶装置と、前記液晶表示パネル、前記表示制御回路、前記記憶装置及びこれらを接続する信号ケーブルを内部に収納する筐体と、を有することを特徴とする看板装置。
【0018】
(4)によれば、液晶表示パネル、表示制御回路及び記憶装置は、画像表示部の筐体の内部に収納されているため、これらを接続する信号ケーブルが短くて済むようになる。その結果、ノイズを発する信号ケーブル(例えば、LVDSケーブル)をできるだけ短くすることが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、薄型の表示装置を利用した看板装置において、高い機動性を実現した看板装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態における看板装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】図1の背面側の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態における看板装置の構成を示す側面図である。
【図4】液晶表示装置の背面図である。
【図5】液晶表示装置の側面図である。
【図6】背負子部の正面図である。
【図7】背負子部に電池が装着されていない状態を示す背負子部の背面図である。
【図8】背負子部に電池が装着された状態を示す背負子部の背面図である。
【図9】本発明の一実施形態における看板装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[看板装置の構成]
図1は本発明の一実施形態における看板装置の使用状態を示す斜視図である。図2は図1の背面側の斜視図である。図3は看板装置1の側面図である。図1、図2に示すように、看板装置1は、電気的に画像の表示を行う液晶表示装置10と、アーム12と、背負子部14とによって構成されている。アーム12の一端部には、液晶表示装置10が固定されており、他端部には、背負子部14が固定されている。そして、使用者が背負子部14を背中に背負うことにより、液晶表示装置10が使用者の頭上に位置付けられる。
【0023】
図3に示すように、アーム12において、使用者の後頭部近傍に位置する部位は後方に湾曲している。この湾曲形状は、使用者が背負子部14を背負った際に、液晶表示装置10の重心が、使用者の背骨のライン上に配置されるように設計されている。
【0024】
背負子部14には、ベルト22、22、ベルト23、23、ベルト24、24の一端部が固定されている。ベルト22、22は肩付近、ベルト23、23は脇腹付近、ベルト24、24は腰付近に配置されている。ベルト22、22の他端部には、連結具25a、25aが設けられている。ベルト23、23の他端部には、連結具25a、25aに対して着脱自在な連結具25b、25bが設けられている。また、一方のベルト24の他端部には、連結具26aが設けられている。他方のベルト23の他端部には、連結具26aに対して着脱自在な連結具26bが設けられている。そして、使用者は、背負子部14を背負って、連結具25aと連結具25b、連結具26aと連結具26bとを連結することにより、使用者の背中に背負子部14が装着される。
【0025】
また、背負子部14において、肩に当接する部位には肩当て27が取り付けられている。また、背負子部14には、バッテリ20(図3参照)やアーム12の他端との連結構造が見えないように、カバー28が掛けられている。
【0026】
背負子部14は、金属板によって形成されており、人間の背中に密着する平面部15と、人間の肩に掛けるJ字型の肩掛け部16とを有している。肩掛け部16の先端部には、ベルト22の一端部が取り付けられている。また、背負子部14の背面における中央上部には、アーム12の他端部が溶接によって固定されている。また、背負子部14の背面におけるアーム12の他端部の下部には、バッテリ20を収納するための収納部18が設けられている。
【0027】
図4は液晶表示装置の背面図である。図4に示すように、液晶表示装置10を構成する各種の部材が収納される筐体30の後面の略中央部には、取付板32がねじ止めによって固定されている。この取付板32には、アーム12の一端部が溶接によって固定されている。このため、取付板32を筐体30に取り付けることにより、液晶表示装置10にアーム12が連結される。また、筐体30の後面の両側部には、複数のスリットからなる孔部36が形成されている。筐体30の内部に設けられたスピーカ38(図9参照)が孔部36に対向する。
【0028】
図5は液晶表示装置の側面図である。筐体30の前面には、液晶表示パネル52が配置される。液晶表示パネル52のサイズは、看板装置1の重さや持ち運びの利便性を考慮すると、20インチ程度が望ましい。また、筐体30の側面には、外部コネクタ部110(図9参照)が設けられている。外部コネクタ部110は、USBコネクタ40、DVIコネクタ42、カードスロット44、入力コネクタ46及び電源コネクタ48を有している。USBコネクタ40には、USB端子が接続される。DVIコネクタ42には、DVI端子が接続される。カードスロット44には、フラッシュメモリと称される外部カード112(図9参照)が挿入され、外部カード112(図9参照)がカードスロット44を介して制御回路100(図9参照)に接続される。入力コネクタ46は、外部装置からの接続端子が接続される。電源コネクタ48とバッテリ20とは、電源ケーブル50によって接続される。
【0029】
アーム12は、金属パイプ材によって構成されており、この金属パイプ材の内部には、電源ケーブル50が挿通されている。アーム12における電源コネクタ48の近傍の部位には、アーム12内の電源ケーブル50を外部に引き出すための孔部12aが形成されている。この孔部12aから引き出された電源ケーブル50の一端が電源コネクタ48に接続される。ここで、アーム12内には、電源ケーブル50のみ挿通されており、他のケーブルの類は挿通されていない。ここで、アーム12の内部には、実質的に電源ケーブル50のみ挿通されていればよく、例えば、導電性がないひもや、緩衝材といった軽量のものが挿通されていてもよい。
【0030】
図6は背負子部の正面図である。図7は背負子部の背面図である。背負子部14の平面部15は略矩形である。平面部15の縦幅は人間の背中を覆う程度に設定されている。平面部15の横幅は人間の肩幅程度に設定されている。平面部15の上部の両端部には、J字型に曲げ加工されてなる一対の肩掛け部16が、人間の首が入る程度の間隔を空けて形成されている。また、平面部15には、複数の孔部が形成されている。これら複数の孔部は、平面部15の平面の中心線に対して線対称となるように形成されている。
【0031】
平面部15の背面には、矩形で薄型のパネル状のバッテリ20を収納する収納部18が固定されている。収納部18は、背負子部14を構成する金属板と同一材料の金属板からなる。本実施形態においては、矩形のバッテリ20を使用しているため、収納部18も略矩形に構成されている。収納部18の下部には、バッテリ20を支持する支持部18aが形成されている。この支持部18aは側面視でJ字型のレール状に形成されている。また、収納部18の両側部の上部には、バッテリ20の両側部に係合しかつバッテリ20の水平方向の移動を規制する鉤部18bが形成されている。また、収納部18には、複数の孔部が形成されている。これら複数の孔部は、収納部18の平面の中心線に対して線対称となるように形成されている。
【0032】
平面部15において、平面部15の中心軸上でかつ収納部18の上部に、アーム12の他端部が溶接されている。また、アーム12の他端の近傍には、電源ケーブル50を平面部15に支持させるための止め具60が固定されている。アーム12内に挿通され、アーム12の他端の孔部から引き出された電源ケーブル50は、止め具60によって支持される。
【0033】
そして、図8に示すように、バッテリ20を収納部18に収納し、バッテリ20に設けられているケーブル接続用のソケットに電源ケーブル50が接続されることにより、バッテリ20と液晶表示装置10とが電気的に接続され、液晶表示装置10への電源の供給が可能となる。
【0034】
平面部15の下方の両側部には、縦に長い長孔14a、14aが形成されている。平面部15の中央の両側部には、縦に長い長孔14b、14bが形成されている。長孔14a、14aには、ベルト24、24の一端部が固定されている。なお、ベルト24、24に取り付けられている連結具26a、26bには、固定端から連結具26a、26bまでのベルト24の長さを調節する機能が備えられている。
【0035】
また、長孔14b、14bには、ベルト23、23の一端部が固定されている。ベルト23、23の他端には、連結具25bが設けられている。
【0036】
肩掛け部16には、肩当て27が取り付けられている。肩掛け部16は、肩当て27によって覆われている。また、肩掛け部16、16の先端部には、ベルト22、22の一端部が固定されている。ベルト22、22の他端部には、連結具25bが設けられている。
【0037】
そして、使用者は、使用者の背中に背負子部14を装着する前、あるいは装着した後に、ベルト23における固定端から連結具25b、25bまでの長さ、及びベルト24、24における固定端から連結具26a、26bまでの長さを適宜調節することにより、使用者にとって適した装着状態とすることが可能になる。特に、本実施形態においては、背負子部14が使用者の背中にできるだけ密着するように、ベルト23の長さを調節することにより、背骨のライン上に液晶表示装置10を位置付けることが可能になる。これにより、使用者は、体の一部(例えば、腰や腕)に負担をかけることなく、体全体を使って液晶表示装置10を持ち上げた状態を維持することが可能になる。その結果、液晶表示装置10によって体感する重さを軽減することが可能になる。
【0038】
[看板装置の電気的構成]
図9は、本実施形態の制御系を示すブロック図である。看板装置1は、制御回路100を備える。この制御回路100は、液晶表示装置10の全体の制御を行うCPU102及び内蔵メモリ104を備えたLSIチップからなる。また、制御回路100には、液晶駆動回路106、外部コネクタ部110が接続されている。
【0039】
制御回路100は、外部コネクタ部110からの入力信号を解析したり、液晶表示パネル52に表示させる画像データを作成し、液晶駆動回路106に送信する等の処理を行う。このように、制御回路100は、液晶表示パネル52の表示の制御を行う表示制御回路に相当する。
【0040】
内蔵メモリ104には、液晶表示装置10を動作させるための各種のプログラムが記憶されている。また、内蔵メモリ104は、画像データを作成するための作業フィールドとして使用される。
【0041】
液晶駆動回路106は、制御回路100から送信された画像データに基づいて液晶表示パネル52の駆動制御を行い、液晶表示パネル52に画像データに基づく画像を表示させる。
【0042】
無線通信回路108は、アンテナ109を介してインターネット網200に接続し、センタ・サーバ150との間で無線通信を行うものである。
【0043】
外部コネクタ部110には、図5を用いて前述したように、USBコネクタ40、DVIコネクタ42、外部カード112を挿入するカードスロット44、入力コネクタ46及び電源コネクタ48が設けられている。なお、液晶駆動回路106あるいは外部コネクタ部110と制御回路100とを接続する信号ケーブル及び液晶駆動回路106と液晶表示パネル52とを接続する信号ケーブルは、全て筐体30の内部に収納されている。
【0044】
[コンテンツの導入方法]
液晶表示装置10に表示する画像(コンテンツ)は、外部カード112から導入される。外部カード112に記憶するデータは、液晶表示装置10に表示させる画像データを作成するためのWebサイトを利用することによって作成することが可能である。具体的には、インターネット網に接続可能な端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて、液晶表示装置10に表示させる画像データを作成するためのWebサイトに接続し、端末装置のディスプレイに、Webサイトの画面を表示させる。そして、端末装置の操作者が、端末装置のディスプレイを見ながら端末装置を操作することによって、液晶表示装置10に表示させるコンテンツのデータが作成される。例えば、操作者が、動画データあるいは静止画データを編集したり、あるいは動画データあるいは静止画データに文字データを挿入したり、画面分割といった表示形式を指定する、といった作業を行う。そして、作成したコンテンツのデータは、外部カード112に記憶されるか、あるいは、センタ・サーバ150にアップロードされる。
【0045】
コンテンツのデータを外部カード112に記憶した場合には、この外部カード112をカードスロット44に挿入することにより、制御回路100は、スタンド・アローンで作動する。そして、制御回路100は、外部カード112に記憶されているデータを読み取り、このデータに基づく画像を、液晶表示パネル52に表示させる。
【0046】
なお、別のコンテンツを表示させたい場合には、表示させたいコンテンツのデータが記憶された外部カード112を用意し、外部カード112を交換することによってコンテンツを切り換えることが可能である。また、1枚のカードに複数のコンテンツのデータを記憶し、その中から使用者に選択させることも可能である。
【0047】
具体的には、予めUSBコネクタ40に切り換えスイッチ(図示せず)を接続する。切り換えスイッチとしては、例えば、一般にテンキーと称される入力機器が利用可能である。複数のコンテンツのデータが記憶されている外部カード112がカードスロット44に挿入されると、制御回路100は、自動的に外部カード112に記憶されているデータを読み取る。これにより、例えば、複数のコンテンツのデータに対応したサムネイル画像が液晶表示装置10に表示される。そして、使用者は、切り換えスイッチを操作して、表示させたいコンテンツを選択する。これにより、制御回路100は、選択されたコンテンツのデータに基づいて画像の表示を開始させる。
【0048】
コンテンツのデータをセンタ・サーバ150にアップロードした場合には、予めUSBコネクタ40に切り換えスイッチ(図示せず)を接続する。この時、外部カード112はカードスロット44に挿入しない。次に、液晶表示装置10に電源を投入することにより、最初に表示されるブラウザ画面から、センタ・サーバ150にアクセスするという項目を、切り換えスイッチの操作によって選択する。そして、インターネット網200を介してセンタ・サーバ150との通信が確立されると、コンテンツの選択画面が表示される。そして、アップロードしておいたコンテンツを選択し、外部カード112をカードスロット44に挿入することにより、選択したコンテンツのデータがダウンロードされ、ダウンロード終了後、外部カード112のデータが、ダウンロードされたデータに更新される。そして、制御回路100は、外部カード112に記憶されたコンテンツのデータに基づいて画像の表示を開始させる。
【0049】
なお、別のコンテンツを表示させたい場合には、再度、センタ・サーバ150にアクセスして、新たにコンテンツのデータをダウンロードすることによってコンテンツを切り換えることが可能である。
【0050】
そして、使用者は、外部カード112をカードスロット44に挿入したのち、背負子部14を背負うことにより、使用者の頭上において、液晶表示装置10は、画像の表示を行うようになる。また、使用者が、看板装置1を背負った状態で移動することにより、周囲の不特定多数の人々に液晶表示装置10の表示画面を視認させることが可能になる。
【0051】
具体的な使用例としては、屋内競技場においてイベントを行う場合において、複数人に本実施形態の看板装置1を背負わせ、隊列を組んで通路を移動させることにより、パレード風にイベント告知を行うことが可能になる。また、イベントに向かう人々を誘導したり、イベントの案内をしたり、さらに、屋内競技場内外において目立つ宣伝を行うことができる。また、例えば、イベントに向かう人々を駅から屋内競技場まで誘導する際に、看板装置1を背負った作業員が所定区間だけ誘導してから、次の作業員に誘導してもらう、というリレー誘導を目立つように行うことができるため、イベントに向かう人々が道に迷うことが低減される。特に、夕方や夜において、液晶表示装置10が見えるようになるため、イベントに向かう人々をより確実に誘導することができる。
【0052】
なお、屋内競技場のイベントにおける使用例を説明したが、これは一例であって、他にも、チラシ配り、観光地の宣伝や案内、店舗のセールの宣伝や案内に利用してもよい。また、使用者が看板装置1を背負って使用しない場合には、看板装置1を専用スタンドに設置したり、あるいは、重量物や固定物に背負わせたりすることにより、ディスプレイとして使用することが可能となる。
【0053】
以上、説明したように、本実施形態によれば、使用者が背負子部14を背負うことにより、液晶表示装置10を頭上に位置付けられるようになる。これにより、使用者による液晶表示装置10の持ち運びが容易となり、液晶表示装置10が画像の表示を行っている状態で、使用者が移動することによって、周囲の不特定多数の人々に液晶表示装置10の表示画面を視認させることが可能になる。このように、高い機動性を実現した看板装置を提供することが可能になる。さらに、複数人に本実施形態の看板装置1を背負わせ、隊列を組んで移動させることにより、より目立つようになるため、不特定多数の人々に看板を見せるという看板の本来の目的を効率よく達成することが可能になる。
【0054】
また本実施形態によれば、アーム12の内部を電源ケーブル50が通っているため、電源ケーブル50において看板装置本体外に露出する部分が低減される。そのため、電源ケーブル50が引っかかり、電源ケーブル50が液晶表示装置10の電源コネクタ48あるいはバッテリ20から抜けてしまうことが防止される。
【0055】
また本実施形態によれば、アーム12の内部に、例えば、液晶表示装置10に画像表示させるための信号を送る信号ケーブルのように、画像表示に関わる部材が挿通されていない。このため、電源ケーブル50からのノイズによる液晶表示装置10の画像表示への影響が低減される。
【0056】
また本実施形態によれば、背負子部14を使用者に装着した際に、使用者の背骨のラインに液晶表示装置10の重心が配置されるため、使用者が液晶表示装置10をバランスよく支持することが可能になり、使用者が体感する重さを軽減することができる。
【0057】
また本実施形態によれば、液晶表示パネル52、制御回路100及び記憶装置に相当する外部カード112は、液晶表示装置10の筐体30の内部に収納されているため、これらを接続する電源ケーブル50以外のケーブルが短くて済むようになる。その結果、ノイズを発する信号ケーブル(例えば、LVDSケーブル)をできるだけ短くすることが可能になる。また、制御回路100は、LSIチップによって構成されているため、液晶表示装置10の軽量化が可能になる。
【0058】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は、上述したものに限るものではない。例えば、使用者の頭部とアーム12とを連結するベルト部材を設けることにより、使用者の頭上における液晶表示装置10の揺れを抑えることが可能になる。これにより、液晶表示装置10の重心の移動を小さくすることが可能になり、その結果、使用者が体感する重さを軽減することが可能になる。具体的には、使用者が着用する帽子あるいはヘルメットに、アーム12と連結するベルト部材を設ける。また、本実施形態によれば、アーム12は、金属パイプ材によって構成されており、断面形状が円形であるが、アーム12の断面形状は円形でなくてもよい。例えば、断面形状が略C字状であってもよく、電源ケーブル50が挿通できる程度の空間が確保されるのであれば、アーム12の断面形状は特に問うものではない。さらには、アーム12の一端部を扁平させ、アーム12と取付板32との接触面積を確保する。これにより、溶接による接合強度を高めるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 看板装置
10 液晶表示装置
12 アーム
12a 孔部
14 背負子部
14a、14b 長孔
15 平面部
16 肩掛け部
18 収納部
18a 支持部
18b 鉤部
20 バッテリ
22、23、24 ベルト
25a、25b、26a、26b 連結具
27 肩当て
28 カバー
30 筐体
32 取付板
36 孔部
40 USBコネクタ
42 DVIコネクタ
44 カードスロット
46 入力コネクタ
48 電源コネクタ
50 電源ケーブル
52 液晶表示パネル
60 止め具
100 制御回路
102 CPU
104 内蔵メモリ
106 液晶駆動回路
108 無線通信回路
109 アンテナ
110 外部コネクタ部
112 外部カード
150 サーバ
200 インターネット網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に画像の表示を行う画像表示部と、
使用者の背中に背負うように装着される背負子部と、
一端部に前記画像表示部を固定し、他端部に前記背負子部を固定し、使用者が前記背負子部を背中に装着した場合に前記画像表示部を使用者の頭上に位置付けるアーム部と、
前記画像表示部に電源を供給するバッテリと、
前記画像表示部と前記バッテリとを電気的に接続する電源ケーブルと、
を備え、
前記背負子部は、前記バッテリを収納する収納部を有し、
前記アーム部は、内部に前記電源ケーブルを挿通可能なパイプ状部材からなることを特徴とする看板装置。
【請求項2】
前記アーム部の内部には、実質的に前記電源ケーブルのみが挿通されていることを特徴とする請求項1記載の看板装置。
【請求項3】
前記背負子部を使用者の背中に装着した際に、使用者の背骨のライン上に前記画像表示部の重心が配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の看板装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、液晶表示パネルと、当該液晶表示パネルの表示の制御を行う表示制御回路と、前記液晶表示パネルに表示させる画像データを記憶している記憶装置と、前記液晶表示パネル、前記表示制御回路、前記記憶装置及びこれらを接続する信号ケーブルを内部に収納する筐体と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の看板装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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