看板
【課題】 ＬＥＤを光源とし、薄型でありながら、光ムラを生じることのない看板を提供する。
【解決手段】 発光体１と、発光体１の一方側に設けた反射板２と、発光体１の他方側に設けた表面板３とを備え、発光体１は、ＬＥＤ１１と、光方向変換素子１２とを有し、光方向変換素子１２は、ＬＥＤ１１の光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体１をＬＥＤ１１が一方側を向くように反射板２に取り付けてある。
【解決手段】 発光体１と、発光体１の一方側に設けた反射板２と、発光体１の他方側に設けた表面板３とを備え、発光体１は、ＬＥＤ１１と、光方向変換素子１２とを有し、光方向変換素子１２は、ＬＥＤ１１の光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体１をＬＥＤ１１が一方側を向くように反射板２に取り付けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光源としてＬＥＤを内蔵する看板に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、発光体と、発光体の背面側に設けた反射板と、発光体の正面側に設けた表面板とを備え、表面板を背面側から照射する看板がある。そして最近では発光体の光源として、ＬＥＤが用いられるようになっている。ＬＥＤは、従来用いられていた電球や蛍光灯に比べて小さく、これにより看板の薄型化が可能となった。しかし、ＬＥＤの光は電球や蛍光灯の光に比べて指向性が強く、薄型化のために表面板を発光体に近づけると、光ムラが生じてしまう。すなわち、図４に示すように、ＬＥＤ１１１を正面側に向けて発光体１０１を反射板１０２に固定した場合、ＬＥＤ１１１から発せられた光が直接表面板１０３を照射するので、発光体１０１の正面の領域は明るく、それ以外の領域は暗くなってしまう。これを解消するには、表面板を発光体から離すか、発光体同士の間隔を狭めればよいが、前者は薄型化に反する方法であるし、後者は発光体の個数が増えてコストが高くなってしまうことが問題であった。そこで、特許文献１の発明のように、被照明体の背面側にＬＥＤを設け、さらにその背面側に反射面を設けて、ＬＥＤから発せられた光を反射面により被照明体側に反射するものや、特許文献２の発明のように、光方向変換素子によりＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものがある。これらはＬＥＤの光が直接表面板を照射しないようにすることで、光ムラの発生を防ごうとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−１３２１９０号公報
【特許文献２】特開２００８−２１６５４０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１の発明では、ＬＥＤ自体が反射光を遮り、被照明体に影が映ってしまう。また、特許文献２の発明では、光方向変換素子を設けても、全ての光が光軸に対して略垂直方向に拡散されるものではなく、ある程度の光は正面側へ向かうので、表面板と発光体の距離が近い場合には光ムラが完全に解消されるものではない。よって、これらの発明では、薄型であり且つ光ムラを生じることのない看板を実現することは難しい。
【０００５】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、ＬＥＤを光源とし、薄型でありながら、光ムラを生じることのない看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、発光体と、発光体の一方側に設けた反射板と、発光体の他方側に設けた表面板とを備え、発光体は、ＬＥＤと、光方向変換素子とを有し、光方向変換素子は、ＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体をＬＥＤが一方側を向くように反射板に取り付けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、通常とは逆に発光体のＬＥＤを反射板側に向けることで、ＬＥＤの光で直接表面板を照射せず、反射板による反射光で表面板の全域が均等に照射され、光ムラの発生を防ぐことができる。また、発光体が反射板に取り付けてあり、さらに光方向変換素子によってＬＥＤの光が光軸に対して略垂直方向に拡散するので、反射光が発光体により遮られることがなく、表面板の発光体正面の領域にも光が照射されるから、発光体の影が表面板に映らない。よって、簡易な構成で、発光体の個数を増やすことなく、看板を薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の看板の発光体部分の拡大図である。
【図２】看板の正面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】従来の看板の発光体部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下において上下左右とは図２における上下左右を示し、前後とは図２における手前側及び奥側を示すものとする。本発明の看板は、図２及び図３に示すように、四周枠組みした枠体４の前側及び後側に、表面板３を嵌め込んだ略直方体形である。枠体４の内側には、角パイプからなる補助材５が、上下位置に二本、それぞれ左右にわたって横架してある。補助材５は、枠体４の前後方向中央に位置しており、補助材５の前側及び後側それぞれに反射板２がネジ止めしてある。反射板２は、金属板の表面に反射フィルムを積層したものであり、前側の反射板２は左右端が前側へ湾曲しており、後側の反射板２は左右端が後側へ湾曲している。そして、反射板２の左右方向中央には、上下にわたって複数個の発光体１が列設してある（発光体１同士を接続する配線は図示省略）。また、看板の下部には、ＬＥＤの明滅の組み合わせにより文字を表す表示部６を設けてある。そして、この看板は、Ｌ型のブラケット７により垂直壁面に取り付けられている。なお、発光体１及び表示部６は、電源コード（図示省略）により外部の電源と接続してある。
【００１０】
次に、この看板の発光体１及びその取付部分について詳述する。図１に示すように、発光体１は、略矩形の基板１３の一方側の面にＬＥＤ１１が設けてあり、このＬＥＤ１１を覆うようにして光方向変換素子１２が設けてある。光方向変換素子１２は、ＬＥＤ１１の光を、光軸（ＬＥＤ１１の光が照射される方向であり、図１中の上下方向）に対して略垂直方向に拡散させるものである。発光体１は、ＬＥＤ１１を設けた面が反射板２側を向いており、発光体１同士が配線１４により直列に接続してある。そして、配線１４を挟み込む固定具１５を反射板２に固定することで、発光体１を反射板２に取り付けてある。
【００１１】
このように構成した看板は、前側及び後側の表面板３が、発光体１により照射されて発光する。ここで、発光体１のＬＥＤ１１が反射板２側を向いているので、ＬＥＤ１１の光で直接表面板３を照射せず、反射板２による反射光で表面板３の全域が均等に照射され、光ムラが発生しない。また、発光体１が反射板２に取り付けてあり、さらに光方向変換素子１２によってＬＥＤ１１の光が光軸に対して略垂直方向に拡散するので、反射光が発光体１により遮られることがなく、表面板３の発光体１正面の領域にも光が照射されるから、発光体１の影が表面板３に映らない。よって、簡易な構成で、発光体１の個数を増やすことなく、看板を薄型化できる。また、通常は発光体１の基板１３を反射板２に固定するところ、本発明の看板では、基板１３が反射板２から離れているので、通常のように基板１３を固定しようとすれば、基板１３と反射板２を連結する部材が必要となり、それが光を妨げてしまう。しかし、本発明では配線１４を固定しているので、余計な部材は不要であり、ＬＥＤ１１の光が妨げられず、効率よく表面板３を照射できる。
【００１２】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、枠体の片側面のみに表面板を有するものでもよく、このような看板は、表面板が壁面と平行になるようにして壁面に取り付けられる。また、反射板の形状は、平板状のものや、椀状のものなど、発光体の特性や看板の外形等に合わせて自由に選択できる。さらに、発光体の配列についても、複数列並べるものや、文字や図柄に沿って並べるものなど、どのようなものであってもよい。
【符号の説明】
【００１３】
１ 発光体
２ 反射板
３ 表面板
１１ ＬＥＤ
１２ 光方向変換素子
【技術分野】
【０００１】
本発明は、光源としてＬＥＤを内蔵する看板に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、発光体と、発光体の背面側に設けた反射板と、発光体の正面側に設けた表面板とを備え、表面板を背面側から照射する看板がある。そして最近では発光体の光源として、ＬＥＤが用いられるようになっている。ＬＥＤは、従来用いられていた電球や蛍光灯に比べて小さく、これにより看板の薄型化が可能となった。しかし、ＬＥＤの光は電球や蛍光灯の光に比べて指向性が強く、薄型化のために表面板を発光体に近づけると、光ムラが生じてしまう。すなわち、図４に示すように、ＬＥＤ１１１を正面側に向けて発光体１０１を反射板１０２に固定した場合、ＬＥＤ１１１から発せられた光が直接表面板１０３を照射するので、発光体１０１の正面の領域は明るく、それ以外の領域は暗くなってしまう。これを解消するには、表面板を発光体から離すか、発光体同士の間隔を狭めればよいが、前者は薄型化に反する方法であるし、後者は発光体の個数が増えてコストが高くなってしまうことが問題であった。そこで、特許文献１の発明のように、被照明体の背面側にＬＥＤを設け、さらにその背面側に反射面を設けて、ＬＥＤから発せられた光を反射面により被照明体側に反射するものや、特許文献２の発明のように、光方向変換素子によりＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものがある。これらはＬＥＤの光が直接表面板を照射しないようにすることで、光ムラの発生を防ごうとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−１３２１９０号公報
【特許文献２】特開２００８−２１６５４０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１の発明では、ＬＥＤ自体が反射光を遮り、被照明体に影が映ってしまう。また、特許文献２の発明では、光方向変換素子を設けても、全ての光が光軸に対して略垂直方向に拡散されるものではなく、ある程度の光は正面側へ向かうので、表面板と発光体の距離が近い場合には光ムラが完全に解消されるものではない。よって、これらの発明では、薄型であり且つ光ムラを生じることのない看板を実現することは難しい。
【０００５】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、ＬＥＤを光源とし、薄型でありながら、光ムラを生じることのない看板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、発光体と、発光体の一方側に設けた反射板と、発光体の他方側に設けた表面板とを備え、発光体は、ＬＥＤと、光方向変換素子とを有し、光方向変換素子は、ＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体をＬＥＤが一方側を向くように反射板に取り付けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、通常とは逆に発光体のＬＥＤを反射板側に向けることで、ＬＥＤの光で直接表面板を照射せず、反射板による反射光で表面板の全域が均等に照射され、光ムラの発生を防ぐことができる。また、発光体が反射板に取り付けてあり、さらに光方向変換素子によってＬＥＤの光が光軸に対して略垂直方向に拡散するので、反射光が発光体により遮られることがなく、表面板の発光体正面の領域にも光が照射されるから、発光体の影が表面板に映らない。よって、簡易な構成で、発光体の個数を増やすことなく、看板を薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の看板の発光体部分の拡大図である。
【図２】看板の正面図である。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】従来の看板の発光体部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下において上下左右とは図２における上下左右を示し、前後とは図２における手前側及び奥側を示すものとする。本発明の看板は、図２及び図３に示すように、四周枠組みした枠体４の前側及び後側に、表面板３を嵌め込んだ略直方体形である。枠体４の内側には、角パイプからなる補助材５が、上下位置に二本、それぞれ左右にわたって横架してある。補助材５は、枠体４の前後方向中央に位置しており、補助材５の前側及び後側それぞれに反射板２がネジ止めしてある。反射板２は、金属板の表面に反射フィルムを積層したものであり、前側の反射板２は左右端が前側へ湾曲しており、後側の反射板２は左右端が後側へ湾曲している。そして、反射板２の左右方向中央には、上下にわたって複数個の発光体１が列設してある（発光体１同士を接続する配線は図示省略）。また、看板の下部には、ＬＥＤの明滅の組み合わせにより文字を表す表示部６を設けてある。そして、この看板は、Ｌ型のブラケット７により垂直壁面に取り付けられている。なお、発光体１及び表示部６は、電源コード（図示省略）により外部の電源と接続してある。
【００１０】
次に、この看板の発光体１及びその取付部分について詳述する。図１に示すように、発光体１は、略矩形の基板１３の一方側の面にＬＥＤ１１が設けてあり、このＬＥＤ１１を覆うようにして光方向変換素子１２が設けてある。光方向変換素子１２は、ＬＥＤ１１の光を、光軸（ＬＥＤ１１の光が照射される方向であり、図１中の上下方向）に対して略垂直方向に拡散させるものである。発光体１は、ＬＥＤ１１を設けた面が反射板２側を向いており、発光体１同士が配線１４により直列に接続してある。そして、配線１４を挟み込む固定具１５を反射板２に固定することで、発光体１を反射板２に取り付けてある。
【００１１】
このように構成した看板は、前側及び後側の表面板３が、発光体１により照射されて発光する。ここで、発光体１のＬＥＤ１１が反射板２側を向いているので、ＬＥＤ１１の光で直接表面板３を照射せず、反射板２による反射光で表面板３の全域が均等に照射され、光ムラが発生しない。また、発光体１が反射板２に取り付けてあり、さらに光方向変換素子１２によってＬＥＤ１１の光が光軸に対して略垂直方向に拡散するので、反射光が発光体１により遮られることがなく、表面板３の発光体１正面の領域にも光が照射されるから、発光体１の影が表面板３に映らない。よって、簡易な構成で、発光体１の個数を増やすことなく、看板を薄型化できる。また、通常は発光体１の基板１３を反射板２に固定するところ、本発明の看板では、基板１３が反射板２から離れているので、通常のように基板１３を固定しようとすれば、基板１３と反射板２を連結する部材が必要となり、それが光を妨げてしまう。しかし、本発明では配線１４を固定しているので、余計な部材は不要であり、ＬＥＤ１１の光が妨げられず、効率よく表面板３を照射できる。
【００１２】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、枠体の片側面のみに表面板を有するものでもよく、このような看板は、表面板が壁面と平行になるようにして壁面に取り付けられる。また、反射板の形状は、平板状のものや、椀状のものなど、発光体の特性や看板の外形等に合わせて自由に選択できる。さらに、発光体の配列についても、複数列並べるものや、文字や図柄に沿って並べるものなど、どのようなものであってもよい。
【符号の説明】
【００１３】
１ 発光体
２ 反射板
３ 表面板
１１ ＬＥＤ
１２ 光方向変換素子
【特許請求の範囲】
【請求項１】
発光体と、発光体の一方側に設けた反射板と、発光体の他方側に設けた表面板とを備え、発光体は、ＬＥＤと、光方向変換素子とを有し、光方向変換素子は、ＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体をＬＥＤが一方側を向くように反射板に取り付けてあることを特徴とする看板。
【請求項１】
発光体と、発光体の一方側に設けた反射板と、発光体の他方側に設けた表面板とを備え、発光体は、ＬＥＤと、光方向変換素子とを有し、光方向変換素子は、ＬＥＤの光を光軸に対して略垂直方向に拡散させるものであって、発光体をＬＥＤが一方側を向くように反射板に取り付けてあることを特徴とする看板。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−２０９５４１（Ｐ２０１１−２０９５４１Ａ）
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−７７７９５（Ｐ２０１０−７７７９５）
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（０００２２２３４７）タテヤマアドバンス株式会社 (23)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年３月３０日（２０１０．３．３０）
【出願人】（０００２２２３４７）タテヤマアドバンス株式会社 (23)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]