説明

真水化装置

【課題】原水蒸発室などを減圧するポンプを効率良く動かして省エネルギー化を図ることが可能な真水化装置を提供する。
【解決手段】この真水化装置1は、原水Wを原水貯留室20に貯留する原水貯留部2と、原水貯留部2から輸送されてくる原水Wを原水蒸発室30で蒸発させて水蒸気Sにする原水蒸発部3と、原水蒸発部3で生じた水蒸気Sを凝縮させて真水Wtを得るよう冷却室40で冷却する冷却部4と、冷却部4から輸送されてくる真水Wtを真水貯留室50に貯留する真水貯留部5と、真空ポンプ61とエゼクター62を有し、そのいずれかが作動することによって原水蒸発室30の空気を冷却室40と真水貯留室50を介して吸引することで原水蒸発室30を減圧する減圧部6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水の真水化に好適な蒸留方式の真水化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、淡水の水源による飲料水等の供給が困難な地域などのために、海水を真水化する真水化装置が提供されている。海水の真水化装置は、これから将来に向けて、わが国のみならず世界中においてその需要が拡がって行くと考えられている。海水の真水化装置の主な方式の一つとして、海水を蒸発させ、その水蒸気を冷やして凝縮させることにより真水を得る蒸留方式が有る。この蒸留方式による真水化装置は、装置を稼働させるのに必要な電力消費が特に大きくなり易いため、省エネルギー化を図ることが非常に重要である。
【0003】
特許文献1に記載のものは、海面付近から取った比較的高温の海水(温海水)を原水蒸発室でノズルにより噴霧することによって蒸発させ、この水蒸気を深海部から取った比較的低温の海水で冷やされた冷却室に導いて凝縮させることにより、真水化を行っている。また、真空ポンプで負圧を発生させ、水蒸気が通る配管を介して原水蒸発室を減圧している。
【0004】
特許文献2に記載のものは、太陽熱集熱器を設けることにより、塩水を加熱し、かつ、自然循環をさせてポンプを省略している。また、ポンプの駆動のための他の手段として、太陽電池を設けることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−214585号公報
【特許文献2】特開2000−325946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、太陽エネルギーや風力エネルギーだけを用いたり、化石燃料を最小限にしたりして真水化装置を稼働することが望まれる場合も多く、特許文献1や特許文献2も含めこれまでの公知技術では、省エネルギー化の達成度合いが不十分な場合も少なくない。このため、蒸留方式による真水化装置では、加熱・冷却の効率化とともに、電力消費が大きいポンプをより効率良く動かすことが重要である。
【0007】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、原水蒸発室などを減圧するポンプを効率良く動かして省エネルギー化を図ることが可能な真水化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の真水化装置は、原水を原水貯留室に貯留する原水貯留部と、原水貯留部から輸送されてくる原水を原水蒸発室で蒸発させて水蒸気にする原水蒸発部と、原水蒸発部で生じた水蒸気を凝縮させて真水を得るよう冷却室で冷却する冷却部と、冷却部から輸送されてくる真水を真水貯留室に貯留する真水貯留部と、真空ポンプとエゼクターを有し、そのいずれかが作動することによって原水蒸発室の空気を冷却室と真水貯留室を介して吸引することで原水蒸発室を減圧する減圧部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の真水化装置は、請求項1に記載の真水化装置において、前記エゼクターは、真水貯留室に貯留された真水を駆動水とするものであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の真水化装置は、請求項1又は2に記載の真水化装置において、前記原水蒸発室の底面及び側面下部の内壁の少なくとも一部は、炭素が黒鉛化して結晶構造により一体になった炭素成型品であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の真水化装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の真水化装置において、前記冷却室には、原水貯留室から原水蒸発室までつながった原水輸送パイプが通過しており、冷却室の内部の原水輸送パイプの少なくとも一部が、炭素が黒鉛化して結晶構造により一体になった炭素成型品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る真水化装置によれば、真水化装置の動作に応じて真空ポンプとエゼクターの作動を切り換え、原水蒸発室の空気を冷却室と真水貯留室を介して吸引することにより原水蒸発室を減圧するので、省エネルギー化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る真水化装置1の全体構成を示す模式図である。
【図2】同上の真水化装置1のエゼクター62を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好ましい形態を説明する。本発明の実施形態に係る真水化装置1は、図1に示すように、海水を真水化するものであって、原水貯留部2と原水蒸発部3と冷却部4と真水貯留部5と減圧部6とを備えている。なお、図1中、原水W、水蒸気S、真水Wtを破線で示している。
【0015】
原水貯留部2は、原水Wを貯留する原水貯留室20を有している。海水である原水Wは、原水汲上パイプ2Aを介して海から原水貯留室20に汲み上げて取り込まれる。原水汲上パイプ2Aの途中には、原水汲上ポンプ2Bが設けられている。原水貯留室20は、後述の真水貯留室50を構成する上部真水貯留室50aを内包し、取り込まれた原水Wにて包囲するような形状になっている。この原水貯留室20に貯留される原水Wは、後述の原水蒸発部3の原水蒸発室30が減圧部6によって減圧状態になると、原水輸送パイプ2Cを介して原水蒸発室30に輸送される。なお、原水輸送パイプ2Cは原水蒸発部3までに冷却部4を通過しているが、これについては後述する。
【0016】
原水蒸発部3は、原水貯留部2から輸送されてくる原水Wを原水蒸発室30で蒸発させて水蒸気Sにする部分である。原水蒸発室30は、作動状態では減圧されかつ加温される。原水輸送パイプ2Cは、原水蒸発室30の内部まで延長しており、その端部2Caはノズル形状になっている。原水蒸発室30が減圧加温されておれば、原水輸送パイプ2Cの中の原水Wは、端部2Caから噴出し、蒸発して水蒸気Sとなる。このとき、原水蒸発室30がよく減圧されていれば、その温度はかなり低いものとなる。例えば、原水蒸発室30の気圧が約0.9気圧程度で、元々の原水Wの温度にもよるが、原水蒸発室30の温度は約40℃程度が可能である。水蒸気Sは、原水蒸発室30の中を上昇し、水蒸気輸送パイプ3Aを介して冷却部4に輸送される。なお、水蒸気輸送パイプ3Aにはバルブ3Bが設けられているが、通常、これは開いた状態である。
【0017】
原水蒸発室30の底部30aには、バルブ3Cを介して濃縮液排出口3aが設けられている。これは、原水蒸発室30の底部30aには、海水である原水Wの濃縮液が溜まるので、これを定期的に回収するためである。この濃縮液には、ミネラル、レアメタルなどの有効な成分が豊富に含まれる場合が少なくないので、それの有効利用が可能である。回収には、回収ボンベ7(図1の右側参照。)が用いられる。回収ボンベ7の上方開口部を原水蒸発部3の濃縮液排出口3aに接続し、そのバルブ3Cを開いて濃縮液を回収し、その後回収ボンベ7の上方開口部に設けたバルブ7Aを閉じる。この接続の前に、後述の真空ポンプ61により、原水蒸発室30と同程度に回収ボンベ7の内部を減圧しておくのが好ましく、こうすると、濃縮液が回収し易く、かつ、原水蒸発室30の減圧状態に影響を与えないようにすることができる。
【0018】
原水蒸発室30の側部の外側には、加温のための熱源(ヒータ)31が設けられる。この熱源31は、原水蒸発室30の側部を介して内部を加温する。
【0019】
原水蒸発室30の底部30a及び/又は側部の一部30bは、好ましくは炭素成型品を用いる。炭素成型品は、焼成により炭素が黒鉛化して結晶構造により一体になったものである。炭素成型品は、金属成型品(ステンレス鋼や銅など)や樹脂成型品に比べて、原水Wによって腐食し難く、また、原水濃縮液がこびりつき難い。また、炭素成型品は、熱拡散率が高いために、原水蒸発室30の温度が噴霧された原水Wによって低下する状況にあっても、熱源31の熱が炭素成型品を迅速に拡散して原水蒸発室30に伝達される。従って、原水蒸発室30の温度を維持するための熱源31の温度を低く抑えることができる。
【0020】
炭素成型品は、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、黒鉛、又は竹炭などの炭化物の炭素粉にフェノール系接着剤、ピッチ又はタールなどのバインダを5重量%程度加えて固め、所定の塊(例えば方形もの)に加圧成形する。そして、酸素が欠乏した状態で加熱し、2000〜3000℃程度で焼成する。この状態で、原料の炭素粉同士は結合し結晶化(黒鉛化、定形炭素化)する。なお、フェノール成分、ピッチ又はタールは昇温途中の約1200℃程度で揮発している。その後、加熱を止め、温度を下げてから、所望の形状に加工する。この炭素成型品は、バインダが揮発しているので、ほぼ100%(99%以上)が炭素材となっている。
【0021】
冷却部4は、原水蒸発部3で生じた水蒸気Sを凝縮させて真水Wtを得るよう冷却室40で冷却する部分である。冷却室40は、長く伸びており、その中心軸のまわりに螺旋状の原水輸送パイプ2Cが通過している。冷却室40の原水蒸発室30側から流入した水蒸気Sは、冷却室40の長さ方向に移動しながら凝縮し、大部分は液体、すなわち真水Wtとなり、真水輸送パイプ4Aを介して後述する真水貯留部5に輸送される。冷却室40は、真水輸送パイプ4Aを接続する側が下方となるように斜めに傾いており、真水Wtが真水貯留部5に輸送され易いようになっている。また、冷却部4の内部で原水輸送パイプ2Cが螺旋状になっているのは、その中を通過する原水Wとその外側を通過する水蒸気Sとの熱交換の効率を良くし、水蒸気Sが冷却され易いようにするためである。
【0022】
また、冷却部4は、原水輸送パイプ2Cの原水Wによる冷却と合わせて、冷却室40の周壁の外側を冷やして、その内部を通過する水蒸気Sが更に冷却され易いようにすることも可能である。例えば、冷却室40の周壁の外側を外気に曝したり、風を当てたり、冷却機により強制的に冷やしたりすることが可能である。
【0023】
冷却室40の内部の原水輸送パイプ2Cの少なくとも一部は、原水蒸発室30の底部30a及び側部の一部30bと同様な炭素成型品を用いることが好ましい。炭素成型品は、上述のように、金属成型品(ステンレス鋼や銅など)や樹脂成型品に比べて、原水Wによって腐食し難い。また、炭素成型品は、熱拡散率が高いために、熱交換の効率が良くなる。また、冷却室40の周壁を炭素成型品にすることも可能である。そうすると、冷却室40の周壁の外側を冷やす場合に、熱拡散率が高いために内部の水蒸気Sが冷却され易く、また、冷却室40の周壁の外側を海辺の外気に曝す場合には、冷却室40の周壁が腐食し難くなる。
【0024】
真水貯留部5は、冷却部4から輸送されてくる凝縮により得られた真水Wtを真水貯留室50に貯留する部分である。真水貯留室50は、上部真水貯留室50aと下部真水貯留室50bに分かれている。前述したように上部真水貯留室50aは原水貯留室20に内包されているのに対し、下部真水貯留室50bは原水貯留室20に内包されず、原水貯留室20の下方に有って、真水連通部50cにより上部真水貯留室50aに連設されている。この真水連通部50cはバルブ5Aにより開閉される。
【0025】
前述した真水輸送パイプ4Aは、原水貯留室20を通過して、上部真水貯留室50aの天頂部に出口が設けられるように取り付けられている。凝縮により得られた真水Wtは、真水輸送パイプ4Aから上部真水貯留室50aに落下する。真水Wtは、バルブ5Aが開いているときは、下部真水貯留室50bから溜まり、やがて上部真水貯留室50aにも溜まるようになる。バルブ5Aが閉じているときは、上部真水貯留室50aに溜まる。なお、上部真水貯留室50aが原水貯留室20に貯留される原水Wに包囲されるようになっているのは、凝縮されきれずに上部真水貯留室50aに到達した水蒸気Sをここでも凝縮させるためである。
【0026】
上部真水貯留室50aと下部真水貯留室50bには、それぞれに貯留された真水Wtを排出する取水栓51、52が設けられている。これらの取水栓51、52から外部に、飲料水や農業用水などとして真水Wtを供給することができる。
【0027】
下部真水貯留室50bの天頂部の一部には、外部との連通を断続(開閉)するバルブ5Bが設けられ、バルブ5Bが開いたときには下部真水貯留室50bの気圧は大気圧と等しくなる。後述する水循環ポンプ64を作動させるときは、真水連通部50cのバルブ5Aを閉じ、下部真水貯留室50bのバルブ5Bを開いておくようにする。
【0028】
上部真水貯留室50aの天頂部には、空気排出パイプ5Cが取り付けられており、その途中に空気排出パイプ5Cを開閉するバルブ5Dが設けられている。なお、上部真水貯留室50aの天頂部よりも僅かに下側に、液面検知器(図示せず)を設けて満水近くになれば、自動的にバルブ5Dを閉じ、また、後述の水循環ポンプ64を止めるのが好ましい。
【0029】
減圧部6は、原水蒸発室30の空気を冷却室40と真水貯留室50を介して吸引することで原水蒸発室30を減圧する部分である。減圧部6は、原水蒸発室30を減圧するとともに、原水貯留室20から原水蒸発室30への原水Wの流れ、原水蒸発室30から冷却室40への水蒸気Sの流れ、冷却室40から真水貯留室50への真水Wtの流れ、を生じさせる。
【0030】
減圧部6は、真空ポンプ61とエゼクター62を有しており、そのいずれかが作動することによって、負圧が生じ、空気排出パイプ5Cを介して真水貯留室50等の空気が吸引される。空気排出パイプ5Cは、減圧部6の中で分岐しており、第1吸引路6Aがバルブ6Cを介して真空ポンプ61まで延び、第2吸引路6Bがバルブ6Dを介してエゼクター62まで延びている。また、バルブ6Cから真空ポンプ61までの途中に分岐があって、その先にバルブ6Eを介して、前述の回収ボンベ7の上方開口部が接続可能な回収ボンベ取付口6aが設けられている。真水貯留室50等の空気を真空ポンプ61により吸引するときは、バルブ6Cは開いてバルブ6Eは閉じており、回収ボンベ7の内部を真空ポンプ61により減圧するときには、バルブ6Cを閉じバルブ6Eを開くようにする。
【0031】
真空ポンプ61は、例えば、ロータリーポンプなどであり、空気を外部に強制的に排出することによって吸引力(負圧)を生じさせる。真空ポンプ61は、エゼクター62よりも吸引力が大きいものである。
【0032】
エゼクター62は、水循環パイプ63の一部を構成している。水循環パイプ63の途中に水循環ポンプ64が設けられており、水循環ポンプ64は、真水貯留室50に貯留された真水Wtを吸引し水循環パイプ63の中を循環させる。真水Wtは、下部真水貯留室50bから水循環パイプ63に入り、駆動水としてエゼクター62を通過し、再度、下部真水貯留室50bに吐出される。
【0033】
エゼクター62は、図2に示すように、T字管の形状であり、縦管62aに第2吸引路6Bが接続されている。エゼクター62では、駆動水(真水Wt)の速度は大きく、その速度に応じた負圧が生じて第2吸引路6Bの空気が吸引される。駆動水に吸い込まれた空気は、下部真水貯留室50bの上方に位置するバルブ5Bを通して排出される。
【0034】
このように、エゼクター62は、駆動水として真水Wtを用いており、その水流を作る水循環ポンプ64が異物による抵抗力や損傷を受けることがないので耐久性が高くなり、また、第2吸引路6Bが異物により汚染されることもない。また、駆動水を別に用意する必要もない。
【0035】
減圧部6は、真水化装置1の動作の初期には、真空ポンプ61を作動させる。真空ポンプ61は、真水貯留室50(上部真水貯留室50a、下部真水貯留室50b)、原水蒸発部3などの空気を排出してそれらの減圧状態を維持する。原水貯留部2の原水Wが原水蒸発部3で水蒸気Sとなって、冷却部4で冷却され、真水Wtが真水貯留室50に落下する。真水貯留室50に、水循環パイプ63で循環できる程度に真水Wtが溜まると、減圧部6のバルブ6Cを閉じてバルブ6Dを開き、真空ポンプ61を止めて水循環ポンプ64を作動させ、真水貯留部5のバルブ5Aを閉じてバルブ5Bを開く。そうすると、エゼクター62が作動し、上部真水貯留室50a、原水蒸発部3などの減圧状態を維持し、真水Wtを生成し貯留する安定動作となる。
【0036】
このように、真空ポンプ61とエゼクター62の作動を切り換えて用いている。消費電力の大きい真空ポンプ61が作動する期間を短くすることができるので、真水化装置1全体としての省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0037】
以上、本発明の実施形態に係る真水化装置1について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、バルブ5Bの上下の位置などを考慮して、真水貯留室50を上部真水貯留室50aと下部真水貯留室50bに分けないようにすることも可能である。また、殺菌性のある液体又は粉末を、原水貯留室20、原水蒸発室30、真水貯留室50などに添加することも可能である。また、湖沼などの淡水を原水Wとして、濾過装置の代わりに、真水化装置1を使用することも可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 真水化装置
2 原水貯留部
20 原水貯留室
3 原水蒸発部
30 原水蒸発室
4 冷却部
40 冷却室
5 真水貯留部
50 真水貯留室
50a 上部真水貯留室
50b 下部真水貯留室
6 減圧部
61 真空ポンプ
62 エゼクター
2C 原水輸送パイプ
W 原水
Wt 真水
S 水蒸気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を原水貯留室に貯留する原水貯留部と、
原水貯留部から輸送されてくる原水を原水蒸発室で蒸発させて水蒸気にする原水蒸発部と、
原水蒸発部で生じた水蒸気を凝縮させて真水を得るよう冷却室で冷却する冷却部と、
冷却部から輸送されてくる真水を真水貯留室に貯留する真水貯留部と、
真空ポンプとエゼクターを有し、そのいずれかが作動することによって原水蒸発室の空気を冷却室と真水貯留室を介して吸引することで原水蒸発室を減圧する減圧部と、
を備えることを特徴とする真水化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の真水化装置において、
前記エゼクターは、真水貯留室に貯留された真水を駆動水とするものであることを特徴とする真水化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の真水化装置において、
前記原水蒸発室の底面及び側面下部の内壁の少なくとも一部は、炭素が黒鉛化して結晶構造により一体になった炭素成型品であることを特徴とする真水化装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の真水化装置において、
前記冷却室には、原水貯留室から原水蒸発室までつながった原水輸送パイプが通過しており、冷却室の内部の原水輸送パイプの少なくとも一部が、炭素が黒鉛化して結晶構造により一体になった炭素成型品であることを特徴とする真水化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−605(P2012−605A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141076(P2010−141076)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(397029873)株式会社大木工藝 (21)
【出願人】(599089804)有限会社沼本商会 (1)
【Fターム(参考)】