説明

真空インタラプタ

【課題】中央アーク遮蔽板を半径方向に偏ることなく位置合わせして容易に設置することのできる真空インタラプタを提供する。
【解決手段】本発明による真空インタラプタ100は、固定側シールカップ10’’から垂直方向に突設され、中央アーク遮蔽板11が半径方向に位置合わせされて設置されるように案内する突出案内部10’’aを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空インタラプタに関し、特に、真空インタラプタに中央アーク遮蔽板を設置する際に半径方向の一側に偏らないように位置合わせを案内するための突出案内部を有する固定側シールカップを含む真空インタラプタに関する。
【背景技術】
【0002】
真空インタラプタは、内部が真空状態の容器内に接点を配設して高電圧又は超高電圧の電力回路を開閉する際に発生するアークを迅速に消弧する電力機器であって、可動接点を開閉駆動する開閉機構、アクチュエータ、トリップ制御部などと共に真空回路遮断器の中核部品として組み込まれ、発電所、変電所、又は大口電力需要家の配電盤などで使用される。
【0003】
以下、図6を参照して従来の真空インタラプタの構成及び作用を説明する。
【0004】
図6に示すように、真空インタラプタ100は、固定電極1、固定接点2、可動電極3、可動接点4、セラミック容器8、固定側蓋板9、固定側シールカップ10、可動側蓋板13、可動側シールカップ7、蛇腹管(ベローズ)5、及び中央アーク遮蔽板11を含む。
【0005】
真空インタラプタ100は、蛇腹管保護用の第1遮蔽板6、蛇腹管保護用の第2遮蔽板7a、及びスプラッシュ遮蔽板12をさらに含んでもよい。
【0006】
固定電極1は、位置が固定されている電極であって、導電材からなる棒で構成され、電力回路において電源側と電気的に接続できるようになっている。
【0007】
固定接点2は、溶接などの接続方法により固定電極1の先端部に結合され、導電材からなるディスクで構成されてもよい。
【0008】
可動接点4は、固定接点2に接触する位置と固定接点2から分離される位置とに移動可能な接点であり、導電材からなるディスクで構成されてもよい。
【0009】
可動電極3は、溶接などの接続方法により可動接点4に結合されて可動接点4を支持し、可動接点4と共に移動可能である。可動電極3は、導電材で構成され、電力回路において負荷側と電気的に接続できるようになっている。
【0010】
セラミック容器8は、固定接点2及び可動接点4を内部に収容する外箱部であって、上部と下部が開放された管状の構造を有する。
【0011】
固定側蓋板9は、固定電極1が貫通する中央貫通口を有する環状の部材であって、固定電極1側に設けられてセラミック容器8の上部又は下部の開放面を密閉する。
【0012】
固定側シールカップ10は、セラミック容器8と固定側蓋板9との間を密閉するように接続される手段であって、一断面がL字状で全体として環状である金属材で構成されてもよい。固定側シールカップ10は、溶接によりセラミック容器8と固定側蓋板9にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0013】
可動側蓋板13は、可動電極3が軸方向に移動できるように可動電極3の外径より大きい直径の中央貫通口を有する環状の部材であって、可動電極3側に設けられてセラミック容器8の上部又は下部の開放面を密閉する。
【0014】
可動側シールカップ7は、セラミック容器8と可動側蓋板13との間を密閉するように接続される手段であって、一断面がL字状で全体として環状である金属材で構成されてもよい。可動側シールカップ7は、溶接によりセラミック容器8と可動側蓋板13にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0015】
蛇腹管5は、可動側蓋板13と可動電極3に両端部がそれぞれ接続されて可動側蓋板13と可動電極3との間を密閉する手段である。蛇腹管5は、複数段の金属製蛇腹で構成され、可動電極3の軸方向移動によって伸張又は収縮する。
【0016】
中央アーク遮蔽板11は、セラミック容器8と接点(すなわち、固定接点2及び可動接点4)との間に固定され、接点開閉時に固定接点2と可動接点4との間から発生するアークがセラミック容器8の内壁側に直接当たらないように遮蔽する。
【0017】
蛇腹管保護用の第1遮蔽板6は、U字状の縦断面を有して上部と下部が開放された管状の遮蔽板であって、一開放端部が溶接により可動電極3に接続され、蛇腹管5の外側でアークから蛇腹管5のうち可動接点4に隣接する部分を遮蔽して保護する。
【0018】
蛇腹管保護用の第2遮蔽板7aは、一断面がフック状で全体として環状である金属部材であって、溶接により可動側シールカップ7に接続される一端部と、当該一端部から蛇腹管5の外側で可動接点4側に延びる他端部とを有する。
【0019】
スプラッシュ遮蔽板12は、中央に可動電極3の先端部が貫通できるように通孔が設けられた、例えば金属材からなるディスク状の遮蔽板であって、溶接により可動電極3の先端部に接続され、可動電極3の後方部及び蛇腹管5をアークによる金属蒸気から遮蔽して保護する。
【0020】
一方、図7及び図8を参照して従来の中央アーク遮蔽板の設置のための構成及び方法をより具体的に説明する。
【0021】
従来の一例による中央アーク遮蔽板11は、図7に示すように、固定側蓋板9上で固定側シールカップ10に密着させて溶接することにより設置される。
【0022】
また、従来の他の例による中央アーク遮蔽板11は、図8に示すように、固定側蓋板9上に位置合わせ板14を設けた状態で位置合わせ板14に密着させて溶接することにより設置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかし、従来の一例による中央アーク遮蔽板11の設置方法は、中央アーク遮蔽板11が固定側蓋板9上で半径方向の一側に偏らないように案内する手段が提供されないため、中央アーク遮蔽板11の設置時の位置合わせが容易でないという問題があった。
【0024】
また、従来の他の例による中央アーク遮蔽板11の設置方法は、位置合わせ板14という別途の構成部品を必要とするため、部品点数の増加による真空インタラプタの製造コストの上昇、生産工程の追加による生産性の低下、溶接箇所の増加とそれによる溶接不良箇所の増加の問題があった。
【0025】
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、中央アーク遮蔽板を設置する際に半径方向の一側に偏らないように位置合わせを案内できるように、固定側シールカップに突出案内部を備えた真空インタラプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の本発明の目的は、真空インタラプタにおいて、固定電極と、固定電極に結合される固定接点と、固定接点に接触する位置と固定接点から分離される位置とに移動可能な可動接点と、可動接点に結合されて可動接点を支持し、可動接点と共に移動可能な可動電極と、固定接点及び可動接点を内部に収容し、上部と下部が開放されたセラミック容器と、固定電極側に設置され、固定電極が貫通する中央貫通口を有する固定側蓋板と、セラミック容器と固定側蓋板との間を密閉するように接続される固定側シールカップと、可動電極側に設置され、可動電極が軸方向に移動できるように可動電極の外径より大きい直径の中央貫通口を有する可動側蓋板と、セラミック容器と可動側蓋板との間を密閉するように接続される可動側シールカップと、可動側蓋板と可動電極に両端部がそれぞれ接続されて可動側蓋板と可動電極との間を密閉し、可動電極の軸方向移動によって伸張又は収縮可能な蛇腹管と、セラミック容器と固定接点及び可動接点との間に固定される中央アーク遮蔽板と、固定側シールカップから垂直方向に突設され、中央アーク遮蔽板が半径方向に位置合わせされて設置されるように案内する突出案内部とを含むことを特徴とする、本発明による真空インタラプタを提供することにより達成される。
【0027】
本発明の好ましい一態様によれば、突出案内部は、1つの円形の突出案内部で構成されてもよい。
【0028】
本発明の好ましい他の一態様によれば、突出案内部は、1つの円周に沿って形成される複数の円弧状の突出案内部で構成されてもよい。
【0029】
本発明の好ましいさらに他の一態様によれば、突出案内部は、1つの円周に沿って形成される複数の突起案内部で構成されてもよい。
【0030】
本発明の好ましいさらに他の一態様によれば、1つの円形の突出案内部の直径、又は複数の円弧状の突出案内部が形成する1つの円周の直径は、中央アーク遮蔽板の内部に圧入可能に、中央アーク遮蔽板の内径に対応するように決定されてもよい。
【0031】
本発明の好ましいさらに他の一態様によれば、突出案内部は、プレスによりエンボス形成された突出案内部であってもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明による真空インタラプタは、固定側シールカップから垂直方向に突設される突出案内部を含むことにより、中央アーク遮蔽板を設置する際に、突出案内部を中央アーク遮蔽板の内径部に接触するように嵌めるだけで中央アーク遮蔽板が位置合わせされるので、中央アーク遮蔽板の半径方向の位置合わせを案内することができ、中央アーク遮蔽板が半径方向の一側に偏って設置される現象が防止され、設置が容易になるという効果が得られる。
【0033】
本発明の一実施形態による真空インタラプタによれば、突出案内部が1つの円形の突出案内部で構成されることにより、当該円形の突出案内部を中央アーク遮蔽板の内径部に接触するように嵌めるだけで中央アーク遮蔽板が位置合わせされるので、中央アーク遮蔽板の半径方向の位置合わせを案内することができ、中央アーク遮蔽板が固定側蓋板上で半径方向の一側に偏って設置される現象が防止され、設置が容易になるという効果が得られる。
【0034】
本発明の他の実施形態による真空インタラプタによれば、突出案内部が1つの円周に沿って形成される複数の円弧状の突出案内部で構成されることにより、当該複数の円弧状の突出案内部を中央アーク遮蔽板の内径部に接触するように嵌めるだけで中央アーク遮蔽板が位置合わせされるので、中央アーク遮蔽板の半径方向の位置合わせを案内することができ、中央アーク遮蔽板が固定側蓋板上で半径方向の一側に偏って設置される現象が防止され、設置が容易になるという効果が得られる。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態による真空インタラプタによれば、突出案内部が1つの円周に沿って形成される複数の突起案内部で構成されることにより、当該複数の突起案内部を中央アーク遮蔽板の内径部に接触するように嵌めるだけで中央アーク遮蔽板が位置合わせされるので、中央アーク遮蔽板の半径方向の位置合わせを案内することができ、中央アーク遮蔽板が固定側蓋板上で半径方向の一側に偏って設置される現象が防止され、設置が容易になるという効果が得られる。
【0036】
本発明による真空インタラプタによれば、1つの円形の突出案内部の直径、又は複数の円弧状の突出案内部が形成する1つの円周の直径は、中央アーク遮蔽板の内部に圧入可能に、中央アーク遮蔽板の内径に対応するように決定されるので、当該突出案内部を中央アーク遮蔽板の内径部に接触するように嵌めることができるという効果が得られる。
【0037】
本発明による真空インタラプタは、固定側シールカップの突出案内部の円形、円周状、突起状に対応して突設された型枠上に固定側シールカップを載置してプレスすることにより、簡単にエンボス形成を行うことができ、その構成方法が簡便になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による真空インタラプタの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分縦断面図である。
【図3】本発明の好ましい第1実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。
【図4】本発明の好ましい第2実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。
【図5】本発明の好ましい第3実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。
【図6】従来の真空インタラプタの全体構成を示す縦断面図である。
【図7】従来の一例による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分縦断面図である。
【図8】従来の他の例による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
上記の本発明の目的とそれを達成する本発明の構成及び作用効果は、添付の図面を参照した本発明の好ましい実施形態の後述する詳細な説明によりさらに明確に理解できるであろう。
【0040】
以下、図1〜図5を参照して本発明による真空インタラプタの構成及び作用効果を説明する。
【0041】
図1に示すように、本発明による真空インタラプタ100は、固定電極1、固定接点2、可動電極3、可動接点4、セラミック容器8、固定側蓋板9、固定側シールカップ10’’、可動側蓋板13、可動側シールカップ7、蛇腹管(ベローズ)5、中央アーク遮蔽板11、及び突出案内部10’’aを含む。
【0042】
本発明による真空インタラプタ100は、蛇腹管保護用の第1遮蔽板6、蛇腹管保護用の第2遮蔽板7a、及びスプラッシュ遮蔽板12をさらに含んでもよい。
【0043】
固定電極1は、位置が固定されている電極であって、導電材からなる棒で構成され、電力回路において電源側と電気的に接続できるようになっている。
【0044】
固定接点2は、溶接などの接続方法により固定電極1の先端部に結合され、導電材からなるディスクで構成されてもよい。
【0045】
可動接点4は、固定接点2に接触する位置と固定接点2から分離される位置とに移動可能な接点であり、導電材からなるディスクで構成されてもよい。
【0046】
可動電極3は、溶接などの接続方法により可動接点4に結合されて可動接点4を支持し、可動接点4と共に移動可能である。可動電極3は、導電材で構成され、電力回路において負荷側と電気的に接続できるようになっている。
【0047】
セラミック容器8は、固定接点2及び可動接点4を内部に収容する外箱部であって、上部と下部が開放された管状の構造を有する。
【0048】
固定側蓋板9は、固定電極1が貫通する中央貫通口を有する環状の部材であって、固定電極1側に設けられてセラミック容器8の上部又は下部の開放面を密閉する。
【0049】
固定側シールカップ10’’は、セラミック容器8と固定側蓋板9との間を密閉するように接続される手段であって、一断面がL字状で全体として環状である金属材で構成されてもよい。固定側シールカップ10’’は、溶接によりセラミック容器8と固定側蓋板9にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0050】
図1及び図2に示すように、突出案内部10’’aは、固定側シールカップ10’’から垂直方向に突設され、中央アーク遮蔽板11が半径方向に位置合わせされて設置されるように案内する。
【0051】
可動側蓋板13は、可動電極3が軸方向に移動できるように可動電極3の外径より大きい直径の中央貫通口を有する環状の部材であって、可動電極3側に設けられてセラミック容器8の上部又は下部の開放面を密閉する。
【0052】
可動側シールカップ7は、セラミック容器8と可動側蓋板13との間を密閉するように接続される手段であって、一断面がL字状で全体として環状である金属材で構成されてもよい。可動側シールカップ7は、溶接によりセラミック容器8と可動側蓋板13にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0053】
蛇腹管5は、可動側蓋板13と可動電極3に両端部がそれぞれ接続されて可動側蓋板13と可動電極3との間を密閉する手段である。蛇腹管5は、複数段の金属製蛇腹で構成され、可動電極3の軸方向移動によって伸張又は収縮する。
【0054】
中央アーク遮蔽板11は、セラミック容器8と接点(すなわち、固定接点2及び可動接点4)との間に固定され、接点開閉時に固定接点2と可動接点4との間から発生するアークがセラミック容器8の内壁側に直接当たらないように遮蔽する。
【0055】
蛇腹管保護用の第1遮蔽板6は、U字状の縦断面を有して上部と下部が開放された管状の遮蔽板であって、一開放端部が溶接により可動電極3に接続され、蛇腹管5の外側でアークから蛇腹管5のうち可動接点4に隣接する部分を遮蔽して保護する。
【0056】
蛇腹管保護用の第2遮蔽板7aは、一断面がフック状で全体として環状である金属部材であって、溶接により可動側シールカップ7に接続される一端部と、当該一端部から蛇腹管5の外側で可動接点4側に延びる他端部とを有する。
【0057】
スプラッシュ遮蔽板12は、中央に可動電極3の先端部が貫通できるように通孔が設けられた、例えば金属材からなるディスク状の遮蔽板であって、溶接により可動電極3の先端部に接続され、可動電極3の後方部及び蛇腹管5をアークによる金属蒸気から遮蔽して保護する。
【0058】
以下、図1を参照して本発明による真空インタラプタ100の接点開閉動作を簡単に説明する。
【0059】
図1の可動電極3には、真空インタラプタ100の接点を開放(開路)又は閉鎖(閉路)する駆動力を与える駆動手段が接続される。駆動手段は、電動機、アクチュエータ、スプリングなどの駆動源、及び当該駆動源に接続される動力伝達手段であるリンクなどから構成される。
【0060】
駆動手段から可動電極3に真空インタラプタ100の接点を開放する駆動力が伝達されると、可動電極3は図1の位置から上昇する。
【0061】
従って、可動電極3の先端に取り付けられた可動接点4が対応する固定接点2から分離されることにより、電力回路の開放動作が完了する。ここで、可動電極3に電力回路の負荷側が電気的に接続され、固定電極1に電力回路の電源側が電気的に接続されていると仮定すると、当該電力回路は電気的に遮断される。
【0062】
そして、駆動手段から可動電極3に真空インタラプタ100の接点を閉鎖する駆動力が伝達されると、可動電極3は前述した開放位置から図1の位置に下降する。
【0063】
従って、可動電極3の先端に取り付けられた可動接点4が対応する固定接点2に接触することにより、電力回路の閉鎖動作が完了する。ここで、可動電極3に電力回路の負荷側が電気的に接続され、固定電極1に電力回路の電源側が電気的に接続されていると仮定すると、当該電力回路は電気的に接続される。
【0064】
次に、図2〜図5を参照して本発明の好ましい実施形態による真空インタラプタの構成及び作用効果を説明する。
【0065】
図2〜図5は、本発明の好ましい実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分縦断面図及び部分横断面図であり、本発明の特徴的な構成及び作用効果の理解をより明確にするために、セラミック容器8、中央アーク遮蔽板11、及び固定側シールカップ10’’以外の構成は図示及び説明を省略する。
【0066】
図3は、本発明の好ましい第1実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。図3に示すように、本発明の好ましい第1実施形態によれば、固定側シールカップ10’’は、突出案内部10’’aとして、1つの円周に沿って形成される複数の突起案内部10’’a−1を含む。図2及び図3に示すように、本発明の好ましい第1実施形態による固定側シールカップ10’’は、セラミック容器8に溶接される垂直部と、垂直部から直角に折り曲げられて水平方向に延びる水平部と、水平部から垂直方向に突設された複数の突起案内部10’’a−1と、固定電極1が貫通できるように中心に形成される中心通孔10’’bとを含む。
【0067】
図3に示すような本発明の好ましい第1実施形態による固定側シールカップ10’’に中央アーク遮蔽板11を設置する方法を説明する。
【0068】
固定側シールカップ10’’の複数の突起案内部10’’a−1が中央アーク遮蔽板11の内径部に接触するように、中央アーク遮蔽板11の内部に複数の突起案内部10’’a−1を嵌めると、中央アーク遮蔽板11が半径方向の一側に偏ることなく位置合わせされる。
【0069】
その後、中央アーク遮蔽板11の底面と固定側シールカップ10’’の水平部とを溶接することにより、中央アーク遮蔽板11の設置を完了することができる。
【0070】
図4は、本発明の好ましい第2実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。図4に示すように、本発明の好ましい第2実施形態によれば、固定側シールカップ10’’は、突出案内部10’’aとして、1つの円形の突出案内部10’’a−2を含む。図2及び図4に示すように、本発明の好ましい第2実施形態による固定側シールカップ10’’は、セラミック容器8に溶接される垂直部と、垂直部から直角に折り曲げられて水平方向に延びる水平部と、水平部から垂直方向に突設された1つの円形の突出案内部10’’a−2と、固定電極1が貫通できるように中心に形成される中心通孔10’’bとを含む。
【0071】
図4に示すような本発明の好ましい第2実施形態による固定側シールカップ10’’に中央アーク遮蔽板11を設置する方法を説明する。
【0072】
固定側シールカップ10’’の1つの円形の突出案内部10’’a−2が中央アーク遮蔽板11の内径部に接触するように、中央アーク遮蔽板11の内部に1つの円形の突出案内部10’’a−2を嵌めると、中央アーク遮蔽板11が半径方向の一側に偏ることなく位置合わせされる。
【0073】
その後、中央アーク遮蔽板11の底面と固定側シールカップ10’’の水平部とを溶接することにより、中央アーク遮蔽板11の設置を完了することができる。
【0074】
図5は、本発明の好ましい第3実施形態による中央アーク遮蔽板の設置のための構成を示す真空インタラプタの部分横断面図である。図5に示すように、本発明の好ましい第3実施形態によれば、固定側シールカップ10’’は、突出案内部10’’aとして、1つの円周に沿って形成される複数の円弧状の突出案内部10’’a−3を含む。図2及び図5に示すように、本発明の好ましい第3実施形態による固定側シールカップ10’’は、セラミック容器8に溶接される垂直部と、垂直部から直角に折り曲げられて水平方向に延びる水平部と、水平部から垂直方向に突設された1つの円周に沿って形成される複数の円弧状の突出案内部10’’a−3と、固定電極1が貫通できるように中心に形成される中心通孔10’’bとを含む。
【0075】
図5に示すような本発明の好ましい第3実施形態による固定側シールカップ10’’に中央アーク遮蔽板11を設置する方法を説明する。
【0076】
固定側シールカップ10’’の複数の円弧状の突出案内部10’’a−3が中央アーク遮蔽板11の内径部に接触するように、中央アーク遮蔽板11の内部に複数の円弧状の突出案内部10’’a−3を嵌めると、中央アーク遮蔽板11が半径方向の一側に偏ることなく位置合わせされる。
【0077】
その後、中央アーク遮蔽板11の底面と固定側シールカップ10’’の水平部とを溶接することにより、中央アーク遮蔽板11の設置を完了することができる。
【0078】
本発明による真空インタラプタにおいて、1つの円形の突出案内部10’’a−2の直径、又は複数の円弧状の突出案内部10’’a−3が形成する1つの円周の直径は、中央アーク遮蔽板11の内部に圧入可能に、中央アーク遮蔽板11の内径に対応するように予め決定される。
【0079】
本発明による真空インタラプタにおいて、好ましい実施形態による固定側シールカップ10’’の円形、円周状、突起状の突出案内部10’’aは、次のように簡単に形成することができる。すなわち、各実施形態による固定側シールカップ10’’の突出案内部10’’aの円形、円周状、突起状に対応して突設された型枠上に固定側シールカップ10’’を載置してプレスすることにより、簡単にエンボス形成を行うことができる。
【0080】
前述したような本発明による真空インタラプタ100は、固定側シールカップ10’’から垂直方向に突設される突出案内部10’’aを含むことにより、中央アーク遮蔽板11を設置する際に、突出案内部10’’aを中央アーク遮蔽板11の内径部に接触するように嵌めるだけで中央アーク遮蔽板11が位置合わせされるので、中央アーク遮蔽板11の半径方向の位置合わせを案内することができ、中央アーク遮蔽板11が半径方向の一側に偏って設置される現象が防止され、設置が容易になる。
【符号の説明】
【0081】
1 固定電極
2 固定接点
3 可動電極
4 可動接点
5 蛇腹管
6 蛇腹管保護用の第1遮蔽板
7 可動側シールカップ
7a 蛇腹管保護用の第2遮蔽板
8 セラミック容器
9 固定側蓋板
10’’ 固定側シールカップ
10’’a−1 突起案内部
10’’a−2 円形の突出案内部
10’’a−3 円弧状の突出案内部
10’’b 中心通孔
11 中央アーク遮蔽板
12 スプラッシュ遮蔽板
13 可動側蓋板
100 真空インタラプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空インタラプタにおいて、
固定電極と、
前記固定電極に結合される固定接点と、
前記固定接点に接触する位置と前記固定接点から分離される位置とに移動可能な可動接点と、
前記可動接点に結合されて前記可動接点を支持し、前記可動接点と共に移動可能な可動電極と、
前記固定接点及び前記可動接点を内部に収容し、上部と下部が開放されたセラミック容器と、
前記固定電極側に設置され、前記固定電極が貫通する中央貫通口を有する固定側蓋板と、
前記セラミック容器と前記固定側蓋板との間を密閉するように接続される固定側シールカップと、
前記可動電極側に設置され、前記可動電極が軸方向に移動できるように前記可動電極の外径より大きい直径の中央貫通口を有する可動側蓋板と、
前記セラミック容器と前記可動側蓋板との間を密閉するように接続される可動側シールカップと、
前記可動側蓋板と前記可動電極に両端部がそれぞれ接続されて前記可動側蓋板と前記可動電極との間を密閉し、前記可動電極の軸方向移動によって伸張又は収縮可能な蛇腹管と、
前記セラミック容器と前記固定接点及び前記可動接点との間に固定される中央アーク遮蔽板と、
前記固定側シールカップから垂直方向に突設され、前記中央アーク遮蔽板が半径方向に位置合わせされて設置されるように案内する突出案内部と、
を含むことを特徴とする真空インタラプタ。
【請求項2】
前記突出案内部は、1つの円形の突出案内部で構成される、請求項1に記載の真空インタラプタ。
【請求項3】
前記突出案内部は、1つの円周に沿って形成される複数の円弧状の突出案内部で構成される、請求項1又は2に記載の真空インタラプタ。
【請求項4】
前記突出案内部は、1つの円周に沿って形成される複数の突起案内部で構成される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の真空インタラプタ。
【請求項5】
前記1つの円形の突出案内部の直径、又は前記複数の円弧状の突出案内部が形成する前記1つの円周の直径は、前記中央アーク遮蔽板の内部に圧入可能に、前記中央アーク遮蔽板の内径に対応するように決定される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の真空インタラプタ。
【請求項6】
前記突出案内部は、プレスによりエンボス形成された突出案内部である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の真空インタラプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62248(P2013−62248A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−201204(P2012−201204)
【出願日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】