説明

真空コンデンサ

【課題】静電容量を微調整するとともに、小型化し、かつ静電容量のバラツキ範囲を小さくする。
【解決手段】絶縁筒25の一端に固定側フランジ26を取り付けるとともに、絶縁筒25の他端に封着金具27を介して可動側フランジ28を取り付け、固定側フランジ26の内面側に固定電極支持板30を取り付けるとともに、可動側フランジ28の内面側に可動電極支持板32を静電容量調整ねじ31により固定電極支持板30に対して移動可能に取り付け、かつ可動電極支持板32と可動側フランジ28との間を断面波形状のダイヤフラム33により密封する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、大電力発振器の発振回路、半導体製造装置用の高周波電源回路、あるいは誘導加熱装置のタンク回路等に用いられる真空コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
真空コンデンサの構造を大別すると、静電容量値が固定されている真空固定コンデンサと静電容量値が可変の真空可変コンデンサとがある。図6は従来の真空可変コンデンサの縦断正面図を示し、1はセラミックス等からなる絶縁筒であり、その一端には固定側フランジ2を取り付けるとともに、他端には封着金具3を介して可動側フランジ4を取り付け、真空容器5を形成する。2a,4aはフランジ2,4に外部接続導体を取り付けるための雌ねじ部である。固定側フランジ2の内面上には径が異なる複数の円筒状電極板を同心状に一定間隔をもって立設し、固定電極6を形成する。又、固定側フランジ2の内面の中心には固定ガイド7を介して絶縁材からなるセンターピン8を立設し、センターピン8に筒状の可動リード9を摺動自在に嵌合する。可動リード9には可動電極支持板10を取り付け、可動電極支持板10には固定電極6を形成する各円筒状電極板間に非接触で挿出入される径が異なる複数の円筒状電極板を立設し、可動電極11を形成する。又、可動リード9の下端には可動リードボルト部9aを一体的に取り付ける。
【0003】
一方、可動側フランジ4の中央には孔4bが設けられ、孔4bの周辺部の内面には筒状のヒートパイプ12が立設され、ヒートパイプ12の内周にはナット受け部13が取り付けられ、ナット受け部13には軸受14を介して調整ナット15が回転自在に取り付けられる。調整ナット15は、内周に可動リードボルト部9aの雄ねじ部9bと螺合する雌ねじ部15aを有するとともに、雌ねじ部15aから段部15bを介して径大孔部15cを有する。可動リードボルト部9aの下端には軸方向の雌ねじ部9cが設けられ、雌ねじ部9cには調整ねじ16が螺合され、調整ねじ16の頭部16aは調整ナット15の段部15bと係合する。17は伸縮自在の導電体からなり、真空側と大気側を区分するベローズであり、その一端は可動電極支持板10に取り付けられ、他端は可動側フランジ4に取り付けられる。
【0004】
上記構成において、真空コンデンサの最大静電容量値を調整する場合は、まず調整ナット15を若干右に回してセンターピン8の先端と可動リードボルト部9aの上端とが突き当たる最大静電容量の位置より可動リード9を下方に移動させ、定義した最大静電容量値に調節する。次に、調整ねじ16の頭部16aが段部15bに当接するまで調整ねじ16を雌ねじ部9cに螺入し、調整ねじ16を可動リードボルト部9aの雌ねじ部9cに接着剤等により固定する。この結果、最大静電容量値の位置より調整ナット15を左に回そうとしても調整ねじ16の頭部16aが段部15bに当たり、左に回らない。
【0005】
真空コンデンサの静電容量の調整は、調整ナット15を右に回せば可動リードボルト部9aが下方に移動し、左に回せば上方に移動し、これによって可動電極11が上下動し、固定電極6との対向総面積が可変して静電容量が調整される。
【0006】
可動リード9には、真空との差圧により上方に押し上げられる力が作用し、調整ナット15も同様の力を受け、ナット受け部13には面圧が生じ、調整ナット15を回転するには大きな回転トルクを必要とするが、ナット受け部13と調整ナット15との間に軸受14を設けたので、調整ナット15の回転は容易である。又、ヒートパイプ12を設けたので、通電によるベローズ17の発熱がヒートパイプ12、可動側フランジ4及び外部接続導体を介して吸収放熱され、ベローズ17やその他の部材の寿命を長くすることができる。
【0007】
図7は従来の真空固定コンデンサの縦断正面図を示し、18はセラミックス等からなる絶縁筒、19,20は銅製のフランジであり、フランジ19の外周には絶縁筒18の一端に取り付けられた環状縁部19aが形成され、フランジ20の外周には絶縁筒18の他端に取り付けられた環状縁部20aが形成され、絶縁筒18とフランジ19,20により真空容器24が形成される。フランジ19,20の内面側中心には凸部19b,20bが形成され、凸部19b,20bの先端には位置決めピン係合穴19c,20cが形成され、フランジ19,20の外面側中心には外部接続導体を取り付けるための雌ねじ部19d,20dが形成される。係合穴19c,20c間にはセラミックス製の位置決めピン21が設けられる。又、フランジ19の内面上には径が異なる複数の円筒状電極板を同心状に一定間隔をもって立設し、固定電極22を形成する。また、フランジ20の内面上には固定電極22を形成する各円筒状電極板間に非接触で挿出入される径が異なる複数の円筒状電極板が立設され、固定電極23が形成される。このように、位置決めピン21を設けたことにより、固定電極22,23の径方向、軸方向の間隔を均一にすることができる。
【0008】
図6及び図7に示した真空コンデンサにおいては、固定電極6,22,23及び可動電極11は複数の薄肉同軸の円筒状電極板からなり、各対向する円筒状電極板が形成する静電容量の和が真空コンデンサとしての静電容量となる。ここで、無限同軸円筒電極の単位長さL当たりの静電容量Cは(1)式で示されるが、この式は対向する有限同軸円筒電極にも概略適用できる。
【0009】
C=2πε0L/log(b/a) (1)
ここで、aは内側円筒状電極板の半径、bは外側円筒状電極板の半径、ε0は真空誘電率、Lは平行する円筒状電極板の長さである。電極6,11,22,23が複数の円筒状電極板から構成される場合には、(1)式の総和で真空コンデンサの静電容量が計算され、このときの耐電圧特性は内側円筒状電極板の半径aと外側円筒状電極板の半径bの間隔により決定される。
【0010】
この出願の発明に関連する先行技術文献としては、次のものがある。
【特許文献1】特開平6−204082号公報
【特許文献2】特開平7−211588号公報
【特許文献3】特開平8−97088号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記したように、真空コンデンサの静電容量の値は、内側円筒状電極板の半径a、外側円筒状電極板の半径b、及び平行する円筒状電極板の長さLにより決定される。ただし、円筒状電極板の真円度が悪かったり、あるいは製造組立精度が悪ければ、静電容量のバラツキΔCは式(2)に示すように大きくなる。
【0012】
ΔC=2πε0L(1+ΔL)/log(b(1+Δb)/a(1+Δa))(2)
ただし、Δbは外側円筒状電極板の半径のバラツキ、Δaは内側円筒状電極板の半径のバラツキ、ΔLは平行する円筒状電極板の長さLのバラツキである。
【0013】
真空コンデンサの静電容量のバラツキ精度を良くするためには、半径a、半径b及び平行する円筒状電極板の長さLの公差を厳しく決め、円筒状電極板の真円度を高め、部品寸法の精度及び制作組立精度を良くしなければならない。真空コンデンサの静電容量にはバラツキがあるものと認知されており、例えば真空固定コンデンサでは、一般的に50pF以下のものでは±10%、50pFを超えるものでは±5%のバラツキがあるとされている。しかし、近年、この静電容量のバラツキが許容されなくなっており、±10%から±5%、さらには±0%とバラツキを少なくすることが求められている。静電容量のバラツキをなくすためには、平行する円筒状電極板の長さLで調整するか、あるいは円筒状電極板の間隔を個別に変えて調整することが必要になる。しかし、真空固定コンデンサでは、静電容量を機械的に変化させる機構がないため、静電容量のバラツキ精度を小さくすることができない。即ち、真空固定コンデンサに静電容量を調整する機構がないため、作り込みでの精度が要求される。又は、バラツキ範囲で選別するしかない。あるいは、真空可変コンデンサの静電容量を調整することにより、真空固定コンデンサの静電容量のバラツキを無しととして利用することもできるが、真空封じきり可動部品であるベローズが全長方向に長いために、小型化できなかった。
【0014】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、小型で静電容量のバラツキのない真空固定コンデンサ及び真空可変コンデンサを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明の請求項1に係る真空コンデンサは、絶縁筒の両端に固定側フランジ及び可動側フランジを取り付け、固定側フランジの内面側に固定電極支持板を取り付けるとともに、可動側フランジの内面側に可動電極支持板を静電容量調整ねじにより固定電極支持板に対して移動可能に取り付け、かつ可動側フランジと可動電極支持板との間を真空側と大気側を区分する断面波形状のダイヤフラムにより密封したものである。
【0016】
請求項2に係る真空コンデンサは、絶縁筒の両端に固定側フランジ及び可動側フランジを取り付け、固定側フランジの内面側に固定電極支持板を取り付けるとともに、可動側フランジの内面側に可動電極支持板を静電容量調整ねじにより固定電極支持板に対して移動可能に取り付け、固定電極支持板上に径が異なる複数の円筒状電極板を同心状に一定間隔をもって立設して固定電極を形成するとともに、可動電極支持板上に固定電極の各円筒状電極板間に非接触で挿出入される径が異なる複数の円筒状電極板を立設して可動電極を形成し、かつ可動側フランジと可動電極支持板との間を真空側と大気側を区分する断面波形状のダイヤフラムにより密封したものである。
【0017】
請求項3に係る真空コンデンサは、構成部材の真空ロー付けに際して、可動電極支持板が固定電極支持板又は固定電極と接触しないように可動電極支持板を支持する治具を設けたものである。
【0018】
請求項4に係る真空コンデンサは、断面波形状のダイヤフラムの波の数を一つとしたものである。
【0019】
請求項5に係る真空コンデンサは、ダイヤフラムを通電可能な材料により形成したものである。
【0020】
請求項6に係る真空コンデンサは、ダイヤフラムを複数枚設けたものである。
【0021】
請求項7に係る真空コンデンサは、真空部分に電子を吸着するゲッタを設けたものである。
【0022】
請求項8に係る真空コンデンサは、各フランジ、各電極支持板、各電極及びダイヤフラムの何れかをCu97.6wt%、Fe2.3wt%、Zn0.12wt%、P0.03wt%の銅系合金により形成したものである。
【発明の効果】
【0023】
以上のようにこの発明の請求項1によれば、静電容量調整ねじの回転により真空コンデンサの静電容量を微調整することができ、また軸方向に長いベローズに代って径方向に長いダイヤフラムを用いているので、真空コンデンサを小型化することができ、固定電極及び可動電極を設けないので、これによっても小型化することができ、静電容量のバラツキ範囲を小さくすることができる。又、ダイヤフラムはベローズと比べて通電経路が短くなるので、抵抗が小さくなって発熱が小さくなり、導電性の良い材料を使用すれば、さらに発熱を小さくすることができる。
【0024】
請求項2によれば、静電容量調整ねじの回転により静電容量の微調整が可能であり、また軸方向に長いベローズに代って径方向に長いダイヤフラムを用いているので、真空コンデンサを小型化することができる。又、ダイヤフロムは通電経路が短いので、発熱も抑制することができる。
【0025】
請求項3によれば、構成部材の真空ロー付けに際して、可動電極支持板を治具により支持して、固定電極支持板又は固定電極と接触しないようにしており、これらの部材の凝着を防止することができる。
【0026】
請求項4によれば、断面波形状のダイヤフラムの波数を一つにしており、ダイヤフラムの長さが短くなって、発熱量を抑制し、安価にすることができる。
【0027】
請求項5によれば、ダイヤフラムを通電可能な材料で形成しており、強度を保ちながら発熱を下げることができる。
【0028】
請求項6によれば、ダイヤフラムを複数枚設けており、ダイヤフラムの通電能力を高めることができる。
【0029】
請求項7によれば、真空部分に電子を吸着するゲッタを設けており、真空度が保たれ、静電容量及び耐電圧特性が安定する。
【0030】
請求項8によれば、各フランジ、各電極支持板、各電極及びダイヤフラムの何れかをCu97.6wt%、Fe2.3wt%、Zn0.12wt%、P0.03wt%の銅系合金により形成しており、導電率が高くなり、通電能力が向上し、また機械的強度も高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
実施最良形態1
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図1は
この発明の実施最良形態1による真空コンデンサの縦断正面図であり、絶縁筒25の一端に固定側フランジ26を取り付けるとともに、絶縁筒25の他端に封着金具27を介して可動側フランジ28を取り付け、真空容器29を形成する。固定側フランジジ26の内面側には平板状の固定電極支持板30を取り付け、固定側フランジ26の外面側中心には外部接続導体を取り付けるための雌ねじ部26aが設けられる。可動側フランジ28の中心に設けた挿通孔28aには静電容量調整ねじ31を挿通し、可動側端板28の内面側に固定電極支持板30と対向して配置した可動電極支持板32の中央に設けた雌ねじ部32aに静電容量調整ねじ31を螺合する。また、可動電極支持板32の下部には真空ロー付けの際に治具を取り付けるための治具取付部32bを設ける。又、可動側フランジ28の挿通孔28aの周囲には複数の通気孔28bを設け、可動側フランジ28と可動電極支持板32との間はダイヤフラム33により密封し、ダイヤフラム33の内面側を真空とし、ダイヤフラム33の外面側を大気側とする。又、固定側フランジ26の内面にポケット部26bが設けられ、ポケット部26bに電子を吸着するゲッタ34を収納する。
【0032】
図2(a),(b)はダイヤフラム33の正面図及び縦断側面図を示し、ダイヤフラム33は上下方向に交互に突出した断面波形状となっている。又、ダイヤフラム33の材質は通電の必要があるため、導電性を有することが必要であり、リン青銅、ベリリウム銅、ステンレス系に銅コーティングを施したもの、ステンレス系に銀コーティングを施したもの、その他の通電可能な材料が用いられる。
【0033】
上記構成において、ダイヤフラム33は可撓性を有するので、可動電極支持板32は上下に移動可能であり、静電容量調整ねじ31の回転により可動電極支持板32が上下に動き、可動電極支持板32と固定電極支持板30との距離が変化し、静電容量も変化する。従って、静電容量を固定とすることもでき、可変とすることもでき、また静電容量を微調整することもできる。
【0034】
各構成部材の真空ロー付けに際しては、図3に示すように、可動側フランジ28の通気孔28bから真空容器29内に治具35,36を挿入し、治具35は可動電極支持板32に設けた治具取付部32bに係合し、真空ロー付けの際に可動電極支持板32が固定電極支持板30に接触して凝着するのを防止する。又、治具36は可動電極支持板32及びダイヤフラム33を下方から支持し、可動電極支持板32が可動側フランジ28と凝着しないようにする。
【0035】
実施最良形態1においては、真空コンデンサの静電容量を微調整することができ、しかもダイヤフラム33は軸方向に長いベローズと違って径方向に長いので、真空コンデンサを全体として小型化することができる。又、固定電極及び可動電極を持たないので、これによっても小型化が可能であるとともに、静電容量のバラツキ範囲を小さくすることができる。また、真空ロー付けに際しては、治具35,36により可動電極支持板32が固定電極支持板30又は可動側フランジ28と接触しないようにして、これらの間の凝着を防止しているので、真空ロー付けを1回で行なうことができ、製造コストを安価にすることができる。又、ダイヤフラム33はベローズと比べて通電経路が短くなることから、抵抗が小さくなり、発熱を小さくすることができ、導電性の良い材料を使用することによって、強度を保ちながらさらに発熱を小さくすることができる。さらに、固定側フランジ26の内面のポケット部26bに電子を吸着するゲッタ34を設けたので、真空コンデンサ内部の真空度を保つことができ、静電容量のバラツキを小さくすることができ、耐電圧特性も安定する。
【0036】
なお、ダイヤフラム33の大きさ、厚み、波の形状、波数等は任意であり、例えば波数を1つにして長さを短くしたものであってもよく、この場合には発熱量を抑制し、かつ安価にすることができる。
【0037】
実施最良形態2
図4は実施最良形態2による真空コンデンサの縦断正面図であり、可動電極支持板32の形状を角部に丸みを付けたことと、ダイヤフラム33を複数枚重ねて配置したことが実施最良形態1と異なり、前者により耐電圧特性を向上し、後者により通電能力を高めることができる。
【0038】
実施最良形態3
図5は実施最良形態3による真空コンデンサの縦断正面図であり、固定電極支持板30上には径が異なる複数の円筒状電極板を同心状に一定間隔をもって立設して固定電極37を形成し、また可動電極支持板32上には固定電極37の各円筒状電極板間に非接触で挿出入される径が異なる複数の円筒状電極板を立設して可動電極38を形成する。その他の構成は、実施最良形態1と同様である。
【0039】
上記構成において、ダイヤフラム33は可撓性を有するので、可動電極支持板32は上下動可能であり、静電容量調整ねじ31の回転により可動電極支持板32を上下に動かすことにより、固定電極37と可動電極38の対向面積が変化し、静電容量が変化する。各構成部材の真空ロー付けに際しては、やはり治具35,36により可動電極支持板32を支持することにより、可動電極支持板32と固定電極37及び可動側フランジ28との接触を防止してその凝着を防止する。
【0040】
実施最良形態3においては、やはり静電容量の微調整が可能であり、ダイヤフラム33を用いることにより、小型化が可能となる。又、真空ロー付けに際しては、可動電極支持板32の固定電極37等との凝着を防止するので、製造コストを安価にすることができる。また、ダイヤフラム33は通電経路が短く、発熱が小さくなる。さらに、ゲッタ34を設けたので、真空度が保たれ、静電容量及び耐電圧特性が安定する。
【0041】
なお、上記各実施最良形態において、絶縁筒25以外の構成材料、例えば、各フランジ26,28、各電極支持板30,32、各電極37,38、及びダイヤフラム33に銅系合金である三菱伸銅株式会社製「TAMAC194」を用いてもよい。「TAMAC194」の導電率は68%IACS程度であり、通電能力が向上する。「TAMAC194」の化学成分代表数値はCu97.6wt%、Fe2.3wt%、Zn0.12wt%、P0.03wt%である。又、{TAMAC194」の機械的性質としては、引張強さが高く、縦弾性係数も高いことから、高温ロー付けにも耐え、長寿命化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施最良形態1による真空コンデンサの縦断正面図である。
【図2】実施最良形態1によるダイヤフラムの正面図及び縦断側面図である。
【図3】実施最良形態1による真空コンデンサの真空ロー付け時の縦断正面図である。
【図4】実施最良形態2による真空コンデンサの縦断正面図である。
【図5】実施最良形態3による真空コンデンサの縦断正面図である。
【図6】従来の真空可変コンデンサの縦断正面図である。
【図7】従来の真空固定コンデンサの縦断正面図である。
【符号の説明】
【0043】
25…絶縁筒
26…固定側フランジ
27…封着金具
28…可動側フランジ
28a…挿通孔
28b…通気孔
29…真空容器
30…固定電極支持板
31…静電容量調整ねじ
32…可動電極支持板
32b…治具取付部
33…ダイヤフラム
34…ゲッタ
35,36…治具
37…固定電極
38…可動電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁筒の両端に固定側フランジ及び可動側フランジを取り付け、固定側フランジの内面側に固定電極支持板を取り付けるとともに、可動側フランジの内面側に可動電極支持板を静電容量調整ねじにより固定電極支持板に対して移動可能に取り付け、かつ可動側フランジと可動電極支持板との間を真空側と大気側を区分する断面波形状のダイヤフラムにより密封したことを特徴とする真空コンデンサ。
【請求項2】
絶縁筒の両端に固定側フランジ及び可動側フランジを取り付け、固定側フランジの内面側に固定電極支持板を取り付けるとともに、可動側フランジの内面側に可動電極支持板を静電容量調整ねじにより固定電極支持板に対して移動可能に取り付け、固定電極支持板上に径が異なる複数の円筒状電極板を同心状に一定間隔をもって立設して固定電極を形成するとともに、可動電極支持板上に固定電極の各円筒状電極板間に非接触で挿出入される径が異なる複数の円筒状電極板を立設して可動電極を形成し、かつ可動側フランジと可動電極支持板との間を真空側と大気側を区分する断面波形状のダイヤフラムにより密封したことを特徴とする真空コンデンサ。
【請求項3】
構成部材の真空ロー付けに際して、可動電極支持板が固定電極支持板又は固定電極と接触しないように可動電極支持板を支持する治具を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の真空コンデンサ。
【請求項4】
断面波形状のダイヤフラムの波の数を一つにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の真空コンデンサ。
【請求項5】
ダイヤフラムを通電可能な材料により形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の真空コンデンサ。
【請求項6】
ダイヤフラムを複数枚設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の真空コンデンサ。
【請求項7】
真空部分に電子を吸着するゲッタを設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の真空コンデンサ。
【請求項8】
各フランジ、各電極支持板、各電極及びダイヤフラムの何れかをCu97.6wt%、Fe2.3wt%、Zn0.12wt%、P0.03wt%の銅系合金により形成したことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の真空コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−332485(P2006−332485A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−156650(P2005−156650)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)