眼内移植物ならびに関連するキットおよび方法
眼内圧を低減するための、デバイス、方法、およびキットが記載される。上記デバイスは、シュレム管内に移植可能であって、上記管を横切る、経壁の、または経管の流体の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持し得る支持体を含む。上記デバイスは、眼の天然の排液プロセスを利用するものであり、眼に与える外傷が最小限で移植され得る。キットは、支持体および上記支持体をシュレム管内に移植するための導入器を含み得る。方法は、支持体をシュレム管内に移植する工程を含み得、ここで上記支持体は、上記管を横切る、経壁の、または経管の流体の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2010年2月5日に出願された、米国仮特許出願第61/301,874号の利益を主張し、その開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0002】
分野
本明細書中に記載されるデバイス、キット、および方法は、一般に、眼内圧低減に関する。より具体的には、上記デバイス、キット、および方法は、シュレム管を横切る流体の流れ、またはシュレム管内での流体の流れ(例えば、経管の(transluminal)流体の流れ、経壁の(transmural)流体の流れ、および長手方向の(longitudinal)流体の流れ)を実質的に妨げることなく、眼内圧を低減し得る、シュレム管に移植可能な眼内移植物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
緑内障は、世界中で何百万という人に影響を及ぼす潜在的な失明病である。代表的に、緑内障は、眼内圧の上昇によって特徴付けられる。眼圧の増加は、未処置のままにした場合、永久的な視力喪失をもたらし得る、視神経への損傷を引き起こし得る。眼内圧の一貫した低減は、緑内障に関連する視力の進行性の喪失を遅らせるか、または停止し得る。さらに、患者が、緑内障をもたらしそうな症状(例えば、多少上がった眼内圧)を示すが、まだ視神経損傷の兆候を示していないとき、彼らは、しばしば前緑内障および高眼圧症と診断される。緑内障、前緑内障、および高眼圧症のための処置は、主として眼内圧の低減に努めるものである。
【0004】
眼内圧の増加は、眼からの流体(房水)の最適以下の排出(efflux)または排液(drainage)によって引き起こされる。房水または流体は、眼において連続して補充される澄んだ無色の流体である。房水は、毛様体によって生じ、次に、主として眼の線維柱帯を介して流れ出る。上記線維柱帯は、前房隅角、または排液隅角(drainage angle)において眼を取り巻いて円周方向に(circumferentially)広がり、それは周辺虹彩(peripheral iris)または虹彩根部、前強膜(anterior sclera)または強膜岬と、周辺角膜(peripheral cornea)との間の交点(intersection)において形成される。上記線維柱帯は、一般に線維柱帯の外側の境界を取り囲んでいる狭い円周方向の(circumferential)通路であるシュレム管へと、外へ向かって供給する。シュレム管は、眼の主な排液管(drainage vessel)である。シュレム管を取り巻いて位置し、シュレム管から放射状に広がるのは、排液された流体を受ける、房水静脈または集合管である。房水の正味の排液または排出は、流出能の低下、線維柱帯およびシュレム排液装置(apparatus)の管を介した流出量の低下、上強膜静脈圧の増加、または場合により房水の産生の増大の結果として、低減され得る。眼からの房水の流出は、線維柱帯および/またはシュレム管における妨害物、または収縮によって制限され得る。このような流れが、遮断されるとき、眼圧(ocular pressure)の増加という結果になり得る。眼内圧の増加は、シュレム管の崩壊をもたらし得る。これは、次には、眼内圧の劇的なさらなる増加、および結局は、緑内障の発症をもたらし得る。
【0005】
緑内障、前緑内障、および高眼圧症は、現在、1つまたはそれより多くのモダリティ(投薬、切開手術、レーザー手術、冷凍手術、および手術の他の形態が挙げられる)を用いて眼内圧を低減することによって処置され得る。米国において、投薬および医学的療法は、代表的に、療法の第一線である。医学的療法が、十分に有効ではない場合、より侵襲的な外科的処置が使用され得る。他の国(例えば、社会化した医学的システムを有する、または国営化した健康管理システムを有する国)において、手術がより費用効果の高い処置と考えられる場合、それが療法の第一線であり得る。
【0006】
眼内圧を低減するための標準的な切開手術の手順は、トラベクレクトミー(trabeculectomy)、または濾過手術である。この手順は、房水のための新しい排液部位を作り出すことに関与する。線維柱帯を介して天然に排液する代わりに、新しい排液経路が、排液隅角における強膜および線維柱帯のある部分を除去することによって作り出される。これは、結膜の血管およびリンパ管によって排液される、前房と結膜下の空間との間に開口部または通路を作り出す。その新しい開口部は、強膜および/または結膜(conjuctiva)に覆われて、房水が流出できる濾過胞と呼ばれる新しいレザバーを作り出す。しかし、トラベクレクトミーは、長期および短期のリスクの両方を有する。これらのリスクとしては、瘢痕を介した、手術により作り出された開口部の妨害、または他のメカニズム、低眼圧または異常に低い眼内圧、駆逐性出血、前房出血、眼内感染または眼内炎、浅前房隅角、および他のものが挙げられる。
【0007】
バイパスステントはまた、遮断された線維柱帯を橋架けする(bridge)ために使用される。ステントは、眼の前房とシュレム管との間に挿入され得、線維柱帯をバイパスする。しかし、前房からシュレム管に、一貫して確実にバイパスステントを移植することは難しい。移植手順は挑戦的なものであり、ステントは時間の経過により詰まり、機能性を失い得る。他の例では、管状の細長い円柱状の中空ステントをシュレム管に長手方向に挿入している。円柱状の中空ステントは、上記管をまわる、円周方向の流体の流れを可能にするように配置され得る。これらも、閉塞または瘢痕の結果として、時間の経過により機能性を失い得る。
【0008】
シュレム管は、小さく(例えば、断面の直径が約100ミクロン〜300ミクロン)、環状である。従って、シュレム管を開けることにおける使用に適切な寸法の、中空管状ステントを設計および製造することは、難しいかまたは高価であり得る。さらに、中空管状ステントは、心臓血管のステントについて示されているように、時間の経過により、機能不全(failure)および崩壊(collapse)または閉塞の傾向があり得る。薄い壁を組み込んでいる中空管状ステントは、特に機能不全の傾向がある。さらに、シュレム管に沿って長い方向に(lengthwise)置かれる管状ステントの壁は、線維柱帯および/または集合管とのかなりの表面領域の接触を有し得、このことは、上記線維柱帯または集合管の妨害をもたらして、シュレム管の壁を横切って眼の集合管に入る経壁の流れ、およびシュレム管の管腔を横切る経管の流れを実質的に妨げ、それにより正常な眼の排液の修復を妨げ得る。
【0009】
上記のことを考慮して、眼内圧の有効な長期低減のための容易に製造可能な、最小限に侵襲的なデバイスが望ましい。さらに、このようなデバイスを組み込んでいる方法およびキットが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
眼内圧を低減するためのデバイス、キット、および方法が、ここで開示される。眼内の圧力を低減するための上記デバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において、円周方向に移植可能である支持体を含み、ここで上記支持体は、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために配置される。上記支持体は、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得る。これは、例えば、上記支持体が、上記管を横切る、経壁の、または経管の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することを可能にし得る。上記支持体は、線維柱帯を横切って、シュレム管を横切って、集合管に入る良好な房水の流れを可能にし得る。上記支持体は、シュレム管の管腔の内側(inner lumen)との接触またはその閉塞を最小限にすることによって房水の流れを実質的に妨げることを避け得、それにより、房水の最大限の経壁流出を可能にする。上記支持体は、それにより、眼の天然の排液経路を利用および修復し得る。
【0011】
上記支持体は、眼への最小限の外傷を伴う、最小限に侵襲的な手順でのシュレム管への移植が可能で有り得る。さらに、上記支持体は、例えば、緑内障の専門医によってであろうと一般の眼科医によってであろうと、比較的容易に眼に移植され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り(traverse)得る。
【0012】
上記支持体は、シュレム管の少なくとも1か所の壁部(wall portion)(例えば、2か所の壁部)と接触し得る。例として、上記支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し得、ここで上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界(outer peripheral boundary)と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、内側表面と接線でのみ(only tangentially)触れることによってシュレム管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得、その総量(mass)の大部分をシュレム管の中心コアに位置し得る。
【0013】
上記支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性材料を含み得る。例として、少なくとも、上記支持体の構成部分は、1つまたはそれより多くの生体適合性ポリマーを含み得る。適切であり得るポリマーの非限定的な例としては、アクリル、シリコーン、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、およびヒドロゲルが挙げられる。さらに、上記支持体の少なくとも一部分(例えば、上記支持体の全て)は、1つまたはそれより多くの生体適合性金属(例えば、金またはチタン)、および/あるいは1つまたはそれより多くの生体適合性金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体の少なくともある部分は、1つまたはそれより多くの形状記憶材料を含み得る。適切な形状記憶材料としては、形状記憶ポリマーまたは形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))が挙げられるが、これらに限定されない。特定のバリエーション(例えば、形状記憶材料が使用される特定のバリエーション)において、上記支持体は、シュレム管への移植前およびその移植の間に圧縮された状態、および移植後に拡大された状態(例えば、上記管を開けるため)を有し得る。これは、例えば、上記支持体のシュレム管への比較的容易かつ/または効率的な送達および配置(placement)を可能にし得る。
【0014】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性、生分解性ポリマーを含み得る。生分解性ポリマーは、例えば、コラーゲン、コラーゲン誘導体、ポリ(ラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(ラクチド−コ−グリコリド);ポリ(乳酸);ポリ(グリコール酸);ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(カプロラクトン);ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリオルトエステル;ポリ(ホスファゼン);ポリ(ヒドロキシブチレート)もしくはコポリマー(ポリ(ヒドロキシブチレート)が挙げられる);ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン);ポリカーボネート;ポリ(エステルアミド);ポリ酸無水物;ポリ(ジオキサノン);ポリ(アルキレンアルキレート);ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー;生分解性ポリウレタン;ポリ(アミノ酸);ポリエーテルエステル;ポリアセタール;ポリシアノアクリレート;ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー;またはそれらの混合物もしくはコポリマーであり得る。
【0015】
特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤を含み得る。例えば、支持体は、活性薬剤でコーティングされるか、または浸透させられ得る。あるいは、または加えて、活性薬剤は、上記支持体中に分散され得る(例えば、上記支持体中の空洞(cavity)を満たすことによって)。活性薬剤としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体(例えば、ラタノプラスト)、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子、代謝拮抗物質、化学療法剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、成長因子のアンタゴニスト、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。活性薬剤の放出は、徐放性(time−release)のシステムを用いて制御され得る(例えば、徐放性の組成物中に上記活性薬剤を包埋および/または被包することによって)。
【0016】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、中身が詰まっている(solid)場合があるが、他のバリエーションにおいて、上記支持体の少なくともある部分は、中空または有孔であり得る。上記支持体の表面は、滑らかである、ぎざぎざである、鋭く突き出た部分のある(spiked)、および/または溝がつけられた(fluted)ものであり得、そして/または1つまたはそれより多くの他の改変を有し得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体の少なくとも一部分は、メッシュを含み得る。上記支持体は、いくつかのバリエーションにおいて、少なくとも1つの穴(fenestration)および/または1つまたはそれより多くの棒のような部材を含み得る。
【0017】
特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、少なくとも2つの隣接するビーズおよび/または他のエレメントを含み得る。隣接するビーズまたは他のエレメントは、同じかまたは異なるサイズおよび/または形を有し得、同じかまたは異なる材料を含み得る。ビーズおよび他のエレメントは、球形、球状形、卵形、円柱状、立方形、立方体のような形、円錐形、円板形、螺旋形、またはそれらのセグメントで有り得るか、または任意の他の適切な形を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも2つの隣接するビーズおよび/または他のエレメントを一緒に繋いでいるコネクターを含み得る。上記コネクターは、堅くても可撓性であってもよい。コネクター、ビーズおよび/または他のエレメントは、互いに連結され(例えば、付着され(attached))得るか、または互いに一体形(integral)で有り得る。1つ超のコネクター(例えば、3つのビーズの間に挿入される2つのコネクター)がある場合、上記コネクターは、同じかまたは異なる長さのもので有り得る。上記コネクターは、それらが接続するビーズと同じ材料または材料(複数)を含み得るか、または上記コネクターおよびビーズは、異なる材料を含み得る。特定のバリエーションにおいて、コネクターは、隣接するビーズ間に間隔を提供するように配置されるスペーサーとして機能し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、コネクターで分離および接続される少なくとも2つのディスクを含み得る。上記ディスクは、穴を含み得る。上記コネクターはまた、ガイドワイヤーを含み得、そのワイヤーに通されて穴が開けられた(fenestrated)ビーズがシュレム管に差し込まれ得る。
【0018】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの構成部分(portion)(例えば、細長い部材)を含み得、それは、まっすぐなもの、湾曲させたもの、ねじられたもの、管状なもの、穴が開けられたもの、溝がつけられたもの、有孔なものなどであり得、そのうちの少なくともいくつかは、互いに一体形および/または互いに連結され得る。いくつかのこのようなバリエーションにおいて、上記構成部分は、穴が開けられたひれ状のもの、および/または鈍い(blunt)鋸歯状のものを有し得、そして/またはまっすぐなもの、溝がつけられたもの、曲がったもの、アーチ形に曲げられたもの、または同様のものであり得る1つまたはそれより多くのエッジを有し得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、まっすぐおよび/または種々の形状(configuration)に形作られ得る1つまたはそれより多くのワイヤーを含み得る。上記支持体におけるワイヤーの表面は、滑らかで有り得るか、または1つまたはそれより多くの改変を有し得る。
【0019】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、リボン部材を含む。
【0020】
いくつかのバリエーションにおいて、上記リボン部材は、少なくとも1つの穴(例えば、複数の穴(例えば、2個、3個、4個、5個、10個、15個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の穴)を含み得、そして/またはねじられ得、そして/もしくは湾曲させ得る。上記リボン部材は、第一の細長いエッジ、および第二の細長いエッジを含み得、ここで上記第一および第二の細長いエッジは、上記デバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管の内側表面と接触するように(例えば、連続して接触するように)配置される。上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管に沿う、シュレム管内での、またはシュレム管を横切る、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。上記リボン部材は、平らであり得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、金属(例えば、チタン)を含み得る。
【0021】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、少なくとも1つの穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ニッケル−チタン合金および複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ステンレス鋼および複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、チタンおよび複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたおよび湾曲させたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ニッケル−チタン合金および複数の穴を含むねじられたおよび湾曲させたリボン部材を含む。
【0022】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、少なくとも1つの穴を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴およびニッケル−チタン合金を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。
【0023】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、螺旋形の形状を有する。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、螺旋形の形状およびその支持体を送達するための導入器(introducer)(例えば、カニューレ)を有する。螺旋形の形状を有する支持体は、例えば、螺旋または二重螺旋の形態であり得る。特定のバリエーションにおいて、二重螺旋の螺旋は、その間に支柱またはコネクター(connecter)を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、キットは、そのキットを使用することについての指示をさらに含み得る。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に支持体を挿入する工程を含み得、ここで上記支持体は、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために配置され、そしてここで上記支持体は、螺旋形の形状を有する。上記支持体は、例えば、シュレム管内に挿入された後の上記螺旋形の形状を呈し得る(例えば、熱形成された上記支持体および/または1つまたはそれより多くの形状記憶材料を含む上記支持体の結果として)。
【0024】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、上記支持体は、表面領域を有する表面(例えば、外表面)を含む。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体が使用されるときに、その支持体の表面(例えば、外表面)の表面領域の約90%未満(例えば、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満)および/または約0.5%超(例えば、約1%超、約3%超、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超)が、シュレム管の内側表面と接触し得る。
【0025】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、第一のエッジを含む第一の細長い部材、および第二のエッジを含む第二の細長い部材を含み、上記第二の細長い部材は、上記第一の細長い部材に連結されるか、またはそれと一体形であり、そしてここで上記第一および第二のエッジは、上記支持体が、シュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と接触する。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、第三のエッジを含む第三の細長い部材をさらに含み得、その第三の細長い部材は、上記第一および第二の細長い部材に連結されるか、またはそれらと一体形であり得る。
【0026】
上記支持体は、その支持体がシュレム管の範囲(circumference)とほぼ等しい範囲を有する場合、ほぼシュレム管中に広がり得る。あるいは、上記支持体は、シュレム管の範囲の約95%以下(例えば、約85%以下、約75%以下、約65%以下、約50%以下、約25%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下)を付近に広がり得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管にわたって0°〜360°(例えば、360°未満、270°未満、180°未満、150°未満、120°未満、90°未満、60°未満、45°未満、30°未満、15°未満)に広がり得る。例えば、上記支持体は、上記管にわたって約30°〜約180°(例えば、約50°〜約150°、約80°〜約120°、約30°〜約120°、約100°〜約180°、約120°〜約180°)に広がり得る。上記支持体は、1つ、2つ、3つ、またはそれより多くの点で、シュレム管の壁の内表面と接触するように配置され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、組織に付着させ得る。上記支持体は、シュレム管の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を有する硬い弓形の部材を含み得る。
【0027】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、電磁放射線を用いて変更され得る。例えば、上記支持体の少なくとも1つの局在化部分によって吸収可能な波長を有するレーザーが、上記支持体を変更するために使用され得る。特定のバリエーションにおいて、電磁放射線は、上記支持体から活性薬剤を放出するために使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、蛍光またはりん光放射を用いて視覚的に高められ得る。例えば、上記支持体は、光源で励起すると蛍光を発するか、またはりん光を発する発色団を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、放射された蛍光またはりん光は、約300nm〜約800nmの波長範囲にあり得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記支持体の手術後のモニタリングを高める発色団を含み得る。
【0028】
眼内圧を低減するためのキットも提供される。シュレム管内に円周方向に移植され得、そしてシュレム管の少なくとも一部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る支持体を、上記キットは含み得る。上記支持体が、上記管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)ときに、上記支持体は、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得るが、また上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持し、上記管を横切る、または上記管内での、経壁の、経管の、および/または長手方向の、または円周方向の流れ実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得る。上記キットはまた、上記支持体を上記管内に移植するための導入器を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記キットは、上記管内で上記支持体を調整するための位置決めデバイス(positioning device)、使用のための指示、および/または1つもしくはそれより多くの活性薬剤を含み得る。いくつかのキットは、少なくとも2つの支持体を含み得る。1つ超の支持体が含まれるとき、上記キットは、上記支持体を送達するための少なくとも2つの導入器を含み得る。同じキット内の複数の支持体は、同じかまたは異なる形、サイズ、または組成を有し得る。同じキット内の複数の支持体は、一緒に接続され得るか、または分離したままであり得る。いくつかのバリエーションにおいて、キットは、支持体を組織に付着させるための固定デバイス(fixation device)を含み得る。他のバリエーションにおいて、キットは、上記支持体の出現(appearance)を視覚的に高めるためのシステムを含み得る。
【0029】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体はリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管内に送達するために配置される導入器を含み得る。上記導入器は、カニューレおよび/または押し出し部材(pushing member)を含み得る。上記キットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第二の支持体を含む第二のデバイスをさらに含み得る。上記第一および第二の支持体は、異なるサイズおよび/または形を有し得る。
【0030】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置される導入器を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置されるカニューレを含み得る。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、ならびに上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置されるカニューレおよび押し出し部材を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、第一の支持体を含む第一のデバイスおよび第二の支持体を含む第二のデバイス、ならびに上記第一および第二のデバイスをシュレム管に送達するために配置される導入器(例えば、カニューレ)を含み得、ここで上記第一および第二の支持体はそれぞれ、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であり、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され、上記第一および第二の支持体はそれぞれ、ねじられたリボン部材を含む。上記第一および第二のデバイスは、同じサイズを有し得るか、または異なるサイズを有し得る。上記第一および第二のデバイスは、同じ形を有し得るか、または異なるサイズを有し得る。
【0031】
眼内圧を低減するための方法も記載される。上記方法は、支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み得る。上記支持体は、上記管の少なくとも一部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよく、上記管を横切る、経壁の、および/もしくは経管の流れ、ならびに/または上記管内での上記長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。いくつかのバリエーションにおいて、上記方法はまた、上記支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体を組織にしっかり固定する工程を含み得る。上記方法は、少なくとも2つの支持体を移植する工程を含み得る。1つ超の支持体が、単一の眼内で移植されるとき、上記複数の支持体は、シュレム管内で、互いに隣接して円周方向に、または互いに向かい合わせて(すなわち、約180°離れて置かれる)円周方向に置かれる。単一の眼内での複数の支持体は、接続され得るか、または分離したままであり得る。上記方法のいくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、その支持体の場所を視覚的に高めるように光源で照らされ得る。上記方法の他のバリエーションにおいて、上記支持体は、電磁放射線を用いて変更され得る。例えば、上記支持体の少なくとも1つの局在化部分によって吸収されるレーザーが、上記支持体を変更するために使用され得る。上記変更は、上記支持体における孔(aperture)の作製または拡大を含み得る。電磁放射線が、支持体を変更するために使用される場合、上記変更は、移植前、または移植後に起こり得る。
【0032】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。
【0033】
上記方法は、上記第一の支持体がシュレム管内に完全に含まれるように、その第一の支持体を挿入する工程を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を通り得る。例えば、上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り得る。特定のバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し得、上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。上記第一の支持体は、シュレム管の内側表面に順応し(conform)得る。
【0034】
上記第一の支持体は、シュレム管内に挿入される前に第一の形状、およびシュレム管内に挿入された後に第二の形状を有し得、ここで上記第一の形状は、上記第二の形状と異なる。上記第一の支持体は、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。
【0035】
上記第一の支持体は、切り出しの(ab interno)アプローチまたは切り込みの(ab externo)アプローチを用いて、シュレム管内に挿入され得る。上記方法は、上記第一の支持体をシュレム管内に挿入するためのカニューレを使用する工程を含み得る。
【0036】
いくつかのバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、その第一の支持体が、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と接線でのみ接触し得る。特定のバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、その第一の支持体が、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と点でのみ接触し得る。上記第一の支持体が、内壁表面領域Cを有するシュレム管の円柱状セクション内に配置される(disposed)ときに、上記第一の支持体は、Cの30%未満(例えば、Cの25%未満、Cの20%未満、Cの15%未満、Cの10%未満、Cの5%未満、Cの1%未満)と接触し得る。上記第一の支持体は、シュレム管の範囲の約1/8と約1/2との間(例えば、約1/8と約1/3との間、約1/4と約1/2との間、約1/4と約1/3との間)を占め得る。
【0037】
いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、上記第一の支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程をさらに含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、第二の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程をさらに含み得る。任意の所望される数の支持体が、適宜、シュレム管の範囲の中の任意の所望される量を満たすために上記管内に挿入され得る。例えば、いくつかの場合において、上記第一の支持体は、シュレム管の範囲の約1/4と約1/2との間(例えば、約1/4と約1/3との間)を占め得る。
【0038】
特定のバリエーションにおいて、ここで記載される1つまたはそれより多くの支持体は、その支持体が、ある形状にある間にシュレム管に送達され得るが、次に、一旦その支持体がシュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)と、異なる形状を呈し得る。これにより、例えば、シュレム管内での支持体の比較的容易および効率的な送達および位置決めを与え得る。例として、1つまたはそれより多くの形状記憶合金から形成される、比較的まっすぐな細長い部材(例えば、ワイヤー)は、シュレム管に移植され得、一旦その細長い部材がシュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)と、螺旋形の形状を呈し得る。もちろん、支持体の特定のバリエーションは、シュレム管内であろうとシュレム管外であろうと同じ形状を維持し得る。
【0039】
いくつかのバリエーションにおいて、本明細書中に記載される支持体は、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性(例えば、全開通性)を修復または維持し得、その結果、上記管(またはその少なくともある部分)は、少なくとも約50ミクロン(例えば、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約125ミクロン、少なくとも約150ミクロン、少なくとも約175ミクロン、少なくとも約200ミクロン、少なくとも約225ミクロン、少なくとも約250ミクロン、少なくとも約275ミクロン、例えば約300ミクロン、少なくとも約350ミクロン、少なくとも約400ミクロン、少なくとも約450ミクロン)および/または多くて約500ミクロン(例えば、多くて約450ミクロン、多くて約400ミクロン、多くて約350ミクロン、多くて約300ミクロン、多くて約275ミクロン、多くて約250ミクロン、多くて約225ミクロン、多くて約200ミクロン、多くて約175ミクロン、多くて約150ミクロン、多くて約125ミクロン、多くて約100ミクロン、多くて約75ミクロン)の直径を有する。いくつかの場合において、本明細書中に記載される支持体は、シュレム管を引き伸ばすために使用され得る。
【0040】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、その結果、上記第一の支持体は、シュレム管内に完全に含まれ、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げず、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し、上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入するためにカニューレを使用する工程を含み、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、正常なヒトの眼の部分的な断面の側面図を提供する。
【図2】図2は、眼からの流体の正常な排液路の部分的な断面の側面図を提供する。
【図3】図3は、眼からの正常な流体排液の正面図を示す。
【図4A】図4Aは、眼からの正常な流体排液路の代替の正面図を示す。
【図4B】図4Bは、線I−I’に沿った断面図を示す。
【図5A】図5Aは、シュレム管が狭まるか、または崩壊した眼の正面図を提供する。
【図5B】図5Bは、シュレム管を横切る経壁の、および経管の流れを可能にする、上記管に挿入された支持体を含むデバイスの正面図を示す。
【図5C】図5Cは、シュレム管を横切る経壁の、および経管の流れを可能にする、上記管に挿入されたデバイスのための代わりのデザインを例示する。
【図6A】図6Aは、本明細書中に記載される支持体に使用され得る種々のエレメントまたはビーズの形状の側面図を示す。
【図6B】図6Bは、図6Aに示される上記エレメントまたはビーズの形状の対応する正面図を示す。
【図6C】図6Cは、穴を有するエレメントまたはビーズを例示する。
【図7A】図7Aは、複数の並べられたビーズを有する支持体を例示する。
【図7B】図7Bは、複数の並べられ接続されたビーズを有する支持体を例示する。
【図7C】図7Cは、複数の並べられ接続されたビーズを有する支持体の代わりの形状を示す。
【図7D】図7Dは、複数の、間隔が離れているが接続されたビーズを有する支持体を示す。
【図7E】図7Eは、コネクターに通されるビーズを示す。
【図8A】図8Aおよび8Bは、開いたネットワーク構造(open network structure)を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8B】図8Aおよび8Bは、開いたネットワーク構造(open network structure)を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8C】図8Cおよび8Dは、少なくとも3点(P1、P2、P3と標識される)でシュレム管の壁と接触し得る長手方向のジグザグ形状を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8D】図8Cおよび8Dは、少なくとも3点(P1、P2、P3と標識される)でシュレム管の壁と接触し得る長手方向のジグザグ形状を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8E】図8Eおよび8Fは、連続して溝がつけられたエッジおよび穴を伴う、棒のような部材を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8F】図8Eおよび8Fは、連続して溝がつけられたエッジおよび穴を伴う、棒のような部材を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8G】図8Gおよび8Hは、連続して溝がつけられたエッジを伴う、棒のような部材を有する支持体の別のバリエーションのそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8H】図8Gおよび8Hは、連続して溝がつけられたエッジを伴う、棒のような部材を有する支持体の別のバリエーションのそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図9A】図9Aおよび9Bは、シュレム管内に移植された支持体の拡大された断面図を示す。
【図9B】図9Aおよび9Bは、シュレム管内に移植された支持体の拡大された断面図を示す。
【図10A】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図10B】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図10C】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図11A】図11Aおよび11Bは、シュレム管よりも小さい曲率半径を有する支持体の2つの形状を例示する。
【図11B】図11Aおよび11Bは、シュレム管よりも小さい曲率半径を有する支持体の2つの形状を例示する。
【図11C】図11Cは、シュレム管よりも大きい曲率半径を有する支持体を示す。
【図12A】図12Aは、シュレム管の中心コアの中心を通る支持体のバリエーションを例示する。
【図12B】図12Bは、線II−II’に沿った断面図を示す。
【図12C】図12Cは、上記管の中心コアを通る支持体のバリエーションを例示する。
【図12D】図12Dは、線III−III’に沿った断面図を示す。
【図12E】図12Eは、上記管の中心コアの大部分を占める支持体のバリエーションを例示する。
【図12F】図12Fは、線IV−IV’に沿った断面図を示す。
【図12G】図12Gは、上記管の中心コアのある部分を占める開いたネットワークを有する支持体のバリエーションを例示する。
【図12H】図12Hは、線V−V’に沿った断面図を示す。
【図13A】図13Aおよび13Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示である。
【図13B】図13Aおよび13Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示である。
【図14A】図14Aは、シュレム管内に移植可能である支持体の別のバリエーションの例示である。
【図14B】図14Bは、シュレム管のある部分内に置かれた、図14Aの上記支持体の例示的な描写である。
【図14C】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14D】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14E】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14F】図14Fは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る構成要素のバリエーションを描く。
【図15A】図15Aおよび15Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示的な描写である。
【図15B】図15Aおよび15Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示的な描写である。
【図16A】図16Aは、シュレム管内に移植可能である支持体の構成要素のバリエーションの斜視図である。
【図16B】図16Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの斜視図である。
【図17A】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17B】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17C】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17D】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17E】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図18】図18は、シュレム管内に移植可能である支持体の別のバリエーションの例示的な図である。
【図19A】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19B】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19C】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19D】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図20A】図20Aおよび20Bは、リングを含み、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図20B】図20Aおよび20Bは、リングを含み、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図21】図21は、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションを描く。
【図22A】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22B】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22C】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22D】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22E】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図23】図23は、電磁放射線を用いて改変され得る支持体の例示的な例を示す。
【図24A】図24Aは、支持体をシュレム管に挿入するために使用され得る注射器を例示する。
【図24B】図24Bは、支持体が、シュレム管における挿入および位置決めのためにガイドエレメント上に通されるバリエーションを例示する。
【図24C】図24Cは、ガイドエレメントを収容する中心穴(central bore)を有する支持体の断面図を例示する。
【図24D】図24Dは、注射器およびガイドエレメントが、シュレム管における支持体の挿入および位置決めのために使用されるバリエーションを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
シュレム管の少なくとも部分的な開通性(例えば、全開通性)を修復または維持し、その結果、上記管の少なくともある部分が開いているか、またはさえぎられていないことによって、眼内圧を低減するためのデバイス、キット、および方法が、ここで記載される。上記デバイス、キット、および方法は、シュレム管が崩壊しないように働くが、房水のための眼の天然の排液メカニズムを実質的に妨げない。ここでシュレム管に入る、シュレム管を横切る、シュレム管をまわる、およびシュレム管から出る、経壁の、経管の、および円周方向の、すなわち長手方向の流体の流れが起こる。いくつかのバリエーションにおいて、上記デバイスは、そのデバイスが、シュレム管内の少なくともある部分に移植されるとき、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得る。上記支持体は、上記管の開通性を最大限にし、他方、上記管の有孔の内壁および上記管の集合管ベースの外壁との接触を最小限にすることが可能であり得る。上記支持体は、経壁の流れ(シュレム管の内壁および外壁を横切る−すなわち、シュレム管に入る、およびシュレム管から出る)、経管の流れ(シュレム管を横切る)、および/または円周方向の、すなわち長手方向の流れ(シュレム管に沿った)を最小限に妨げるか、または一切妨げないことを示し得る。いくつかの場合において、上記デバイスは、眼への最小限の外傷で、シュレム管に移植可能であり得る。
【0043】
図に関して、図1は、正常なヒトの眼の解剖学的構造の部分的な断面図を示す。毛様体12は、小帯の原線維(zonular fibrils)14を介して虹彩18およびレンズ16に接続される。眼の前房20は、角膜24によって、その前(前方)表面に結合される。虹彩18の中心にあるのは、瞳孔22である。角膜24は、その周辺が強膜26に接続され、この強膜26は、眼の白い殻(white shell)を形成している丈夫な線維性の組織である。線維柱帯28は、前房20の外部周辺表面(outer peripheral surface)上にある。上記線維柱帯は、上記前房を取り巻いて360°円周方向に広がる。線維柱帯28の外部周辺表面にあるのは、シュレム管30である。シュレム管は、上記線維柱帯を取り巻いて360°円周方向に広がる。虹彩18、線維柱帯28と強膜26との間に形成される頂端に、隅角32がある。結膜34は、強膜26を覆う膜であり、眼瞼の内側を裏打ちしている(示されない)。
【0044】
図2は、正常に機能しているヒトの眼内での、およびそこから出る、房水の流れの部分的な断面図を示す。房水は、毛様体12において生じ、眼を介して出るその路は、方向を示す実線36によって示される。上記房水は、毛様体12から、レンズ16と虹彩18との間を通り、瞳孔22を介して前房20へ入り、線維柱帯28を横切り、シュレム管30を横切り、房水静脈または集合管へ(示されない)入り、そして最後に結膜の血管系を介して血流へと流れる。
【0045】
図3は、眼から出る房水の正常な流れの正面図を示す。房水は、瞳孔22を介して前房20に入る。その流体は、方向を示す実線36によって示される流れの一般の路で、眼の周辺へ向かって外へと流れる。上記流体は、線維柱帯28を横切り、シュレム管30を通り、房水静脈または集合管38に到着する。換言すると、上記流体は、経管性に(transluminally)シュレム管30を横切って、集合管38へと流れる。シュレム管の全360°を取り巻いて、代表的に25〜50(例えば、25〜30)個の集合管が、ヒトの眼にある。上記集合管は、例えば、それぞれ約25ミクロン〜約50ミクロンの直径を有し得る。集合管38は、血管系40に接続され、それにより、排液された房水は、血流に入る。正味または大部分の流体の流れの方向は、簡単にするために、方向を示す実線36によって、瞳孔22から放射状に外に向かうように描かれるが、眼における実際の流体の流れは、より様々な路をたどり得る。
【0046】
シュレム管における、およびシュレム管を横切る異なる流体の流路は、図4Aおよび4Bに例示される。図4Aは、眼の正面図を示し、図4Bは、線I−I’に沿った拡大された断面図を示す。環状の管30に沿った、および環状の管30をまわる、円周方向の(すなわち、長手方向の)流れは、方向を示す線50によって描かれる。管30を通らずに集合管38に到着する流体は、眼から効果的に排液され得ない。眼を効果的に排液し得る流体の流路の例(経管の流体の流路(すなわち、シュレム管の管腔を横切る流体の流路)が挙げられる)は、方向を示す線52、52’、および52’’によって例示される。これらの流路のそれぞれにおいて、流体は、線維柱帯の内部周辺表面(inner peripheral surface)60に沿って線維柱帯28に入り、線維柱帯の外部周辺表面62’に沿って線維柱帯を出て行く。線維柱帯の外部周辺表面62’は、シュレム管30の内部周辺表面または壁を提供する。シュレム管を横切る経壁の流体の流れは、壁または境界を横切る経壁の流れの2つの段階を含む。第一に、流体は、線維柱帯38から、シュレム管30の内部周辺表面または壁62’を介して流れて、上記管の管腔64に到着しなければならない。第二に、流体は、管腔64から、管の外部周辺壁62’’を介して、孔38’を介して流れて、集合管38に入らなければならない。従って、上記流体はまた、シュレム管の管腔を横切って、経管性に流れなければならない。最後に、上記集合管38は、排液された流体を血管系に供給する。管30の管腔64は、上記管腔の外部周辺を含まない中心コア領域67を含む。上にはっきりと示されるように、眼からの流体の流れは、流体は、管(vessel)に沿って長手方向に流れることのみを必要とする(例えば、静脈を介して流れる血液)、身体における他の管(vessel)における流体の流れと異なる。
【0047】
デバイス
眼内圧を低減するためのデバイスがここで記載され、ここで上記デバイスは、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように、上記管の円周方向に移植され得る支持体を含む。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよい。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管を横切る、経壁の、および/もしくは経管の流れ、ならびに/またはシュレム管内での、長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。
【0048】
上記管の少なくともある部分の「少なくとも部分的な開通性を修復または維持する」とは、上記管の少なくともある部分が、経壁の、または経管の流れに対して少なくとも部分的にさえぎられないように保持するように、上記支持体が働くことを意味し、その結果、流体は、1)線維柱帯を介して出て行き;2)上記管を通り;そして3)集合管を介して排液し得る。上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために、上記支持体が、円周方向の流れに関して、上記管をさえぎらないでおくことは必要ではない。しかし、ここで記載される支持体は、もちろん、上記管を円周方向の流れに対してさえぎられないでおくように配置され得る。
【0049】
経壁の流れを「実質的に妨げない」とは、上記支持体が、線維柱帯を横切る、および線維柱帯からの、流体の流出、または集合管への、および集合管を介した、流体の流出のいずれかを著しく遮断しないこと意味する。経管の流れを「実質的に妨げない」とは、上記支持体が、上記管の管腔を横切る流体の流れを著しく遮断しないこと意味する。多くのバリエーションにおいて、上記支持体は、線維柱帯および集合管を介した、眼からの1分間当たり約0.1マイクロリットルと1分間当たり約5マイクロリットルとの間の房水流出(aqueous outflux)を可能にし得る。
【0050】
上記「シュレム管の中心コア」は、上記管の管腔の内側空間において、上記管の断面の中心を取り巻く領域を指す(すなわち、上記管の周辺を含まない)。従って、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めるデバイスは、上記管の管腔の少なくともある部分を通り得る。いくつかの場合において、デバイスは、シュレム管の中心コアを完全に通り得る。
【0051】
さらに、シュレム管は、上記管を通して周期的に存在する構造である中隔(septum)(または、内皮の細管)を含む。理論によって縛られることを望まないが、中隔は、上記管の内壁(線維柱帯の外部周辺境界と一致する、上記管の内側表面のある部分)から上記管の外壁(上記管の内側表面のある部分であって、そこから広がる集合管を有する、ある部分)へと広がることによって、上記管の開存を保つことを助ける構造上の橋架けとして役立ち得ることが考えられる。このようにして、中隔は、橋架け支持体と同様に機能し得る。時間の経過により、中隔(例えば、構造上の完全性が弱くなった、または失われた、年数を経た、または欠陥のある中隔)は、正常圧または高圧の存在下で、シュレム管、またはシュレム管の一部の崩壊の一因を助長し得ることが考えられる。このような場合、本明細書中に記載されるデバイスは、失われた構造上の中隔機能を取り替える助けとなり得、それにより、上記管の開通性を修復または維持するのを助ける。
【0052】
いくつかの主題におけるシュレム管はまた、シュレム管を区画に分け、それにより長手方向の流れを制限または妨げる、本質的には、時間の経過により形成する瘢痕性の壁である、病的中隔を含み得ることが考えられる。このような場合において、本明細書中に記載される支持体は、鈍くされた(blunted)、病的中隔を突き抜けることができ得る先端部(tip portion)を有し得、病的中隔に穴を開ける(pierce)ことにより長手方向の流れを修復する。上記支持体が、あるいは、または加えて、病的中隔を破壊または除去することが可能であり得る1つまたはそれより多くの他の特徴を含み得ることが理解されるべきである。
【0053】
ここで記載されるデバイスは、シュレム管に沿って長手方向に置かれる先の開いた(open−ended)管状支持体を含む必要がない−換言すると、上記デバイスおよび支持体は、非管状であり得る。長手方向の、先の開いた管状支持体は、上記管に沿った長手方向の流れを可能にし得る。しかし、たとえ流体がシュレム管に沿って長手方向に(すなわち、円周方向に)流れ得ても、眼は、上記流体が、最終的に上記管を通るかまたは横切らない限り、効果的に排液され得ない。すなわち、2つの境界を横切る経壁の流体の流れが起こらなければならない:1)流体は、線維柱帯の外部周辺境界と一致する、管の内壁を通って線維柱帯から流れて、上記管の管腔に到着しなければならず;そして2)流体は、上記管の外部周辺壁における孔を通って上記管の管腔から流れて、上記集合管に到着しなければならない。概して、経管の流れが起こるはずである。上記集合管は、次に上記流体をさらに分散させ、天然の排液プロセスを完了させ得る。上記管に長手方向に挿入された管状支持体は、上記管の内側表面と重複するかなりの表面領域を有し得、その結果、上記管を横切る、経壁の流れ、および/または経管の流れは、著しく妨害(impede)され得る。シュレム管に置かれる長手方向の管状支持体は、上記線維柱帯から上記管への流れを遮断し、上記管から上記集合管への流れを遮断し得る。
【0054】
上昇した眼内圧を処置するための本明細書中に記載されるデバイスは、シュレム管に移植される支持体を含む。多くの例において、上記デバイスは、1〜40mmHg、例えば、少なくとも2mmHg、眼内圧を低減し得る。他の例において、上記デバイスは、少なくとも4mmHg、または少なくとも6mmHg、または少なくとも10mmHg、または少なくとも20mmHg、眼内圧を低減し得る。さらに他の例において、上記デバイスは、眼内圧を約8mmHg〜約22mmHgの範囲に至らせるように働き得る。上記支持体は、シュレム管を少なくとも部分的に開いたままにする(prop open)ように多様な手法で配置され得、それにより、シュレム管を横切る、経壁の、または経管の流体の流れを実質的に妨げることまたは妨害することなく、その開通性を修復または維持し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管に沿った、または上記管をまわる、長手方向の流れを妨げ得ないか、または遮断し得ず、他方、他のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管に沿った、または上記管をまわる、長手方向の流れを妨げ得るか、遮断し得る。多くの例において、上記支持体は、シュレム管内に完全に含まれ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管内に移植され得るが、部分的にシュレム管を超えて広がり得る(例えば、線維柱帯へとおよび/または前房へと)。
【0055】
特定のバリエーションにおいて、シュレム管の内壁と上記管の外壁との間の流体の流れを可能にするように、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持する支持体は、エレメントまたは構造(例えば、ビーズのようなエレメント、またはビーズ)を含み得る。上記エレメントまたは構造は、一緒に接続され得る(例えば、一連のビーズのように)。個々のエレメントもしくはビーズが、シュレム管に直接的に挿入され得るか、またはエレメントもしくはビーズの接続された群が、シュレム管に直接的に挿入され得る。エレメントまたはビーズを組み込んでいる支持体のより詳細な記載は、下に提供される。
【0056】
図5Aは、狭まるか、または崩壊したシュレム管30を有する眼の正面図を例示し、ここで管の外部周辺壁62’’は、管の内部周辺壁62’と非常に接近している。シュレム管30は、管の全範囲にわたって一様に狭いものとして図5Aに描かれるが、シュレム管のある部分のみが狭まるか、または崩壊することは可能である。シュレム管が崩壊または狭まっているとき、前房から集合管38への房水の正味の排出は減少し、それにより眼内圧が増加する。結果として、前緑内障、高眼圧症、または緑内障のリスクが増加し得る。
【0057】
図5Bは、切開部位74を介してシュレム管30に挿入されたデバイス70の例を例示する。この例におけるデバイス70は、切開部位74の片側に置かれる。デバイス70は、管の内壁62’および管の外壁62’’の両方を横切り、孔38’を介して集合管38に到着する経壁の流体の流れに対して、シュレム管が少なくとも部分的に開いたままになるように配置される支持体72を含む。支持体72は、上記管を横切る経管の流れを可能にし得る。図5Bに示される例において、支持体72は、コネクター78に接続されるエレメントまたはビーズ76を含む。このバリエーションにおいて、管の内壁62’と外壁62’’との間の距離は、支持体72の断面の寸法によって、おおよそ決定され、その距離は同様に、ビーズ76の最も大きい断面の直径によって決定される。従って、方向を示す線50によって示される、上記管30をまわる、および上記管30に沿った、円周方向の(すなわち、長手方向の)流体の流れは、上記管への支持体72の挿入によって阻害され得る。しかし、方向を示す線52、52’、52’’によって示される上記管の壁の両方または境界を横切る経壁の流れは、支持体72によって高められ得、流体は、集合管38に到着でき、眼から排液され得る。結果として、支持体72は、眼の天然の排液メカニズムを利用することによって眼内圧を効果的に低減し得る。切開74は、ビーズ76の直径に適応するのに十分に大きければよく、その結果、眼に対する外傷は、最小限にされる。ビーズまたは他のエレメントは、約50ミクロン〜約500ミクロン(例えば、約100ミクロン〜約400ミクロン、約200ミクロン〜約300ミクロン)の範囲にある断面の寸法を有し得る。比較的小さい断面の直径(例えば、約50ミクロン)を有する、ビーズまたは他のエレメントのシュレム管への挿入は、上記管の正常な断面の直径未満で上記管を開く(それは、例えば、断面の直径において約100ミクロン〜約300ミクロン)が、依然として上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持し得る。比較的大きい断面の直径(例えば、約300ミクロンより大きい)を有するビーズまたは他のエレメントの挿入は、上記管の正常な断面の直径と同じくらい大きく、または上記管の正常な断面の直径よりも大きく上記管を開き得、また上記線維柱帯を引き伸ばすために働き得る。上記線維柱帯を引き伸ばすことは、排液をさらに高め得る。
【0058】
図5Cは、切開部位84を介してシュレム管30に挿入されるデバイス80の、代わりの配置を例示する。デバイス80は、切開部位84の両側に広がる支持体82を含む。支持体82は、コネクター88および88’に接続されるエレメントまたはビーズ76を含む。この例において、コネクター88’は、コネクター88と異なる長さのものである。図5Bにおいてのように、ビーズ76は、方向を示す線50によって示される、管30をまわる、および管30に沿った、円周方向の(すなわち、長手方向の)流体の流れを妨害し得る。しかし、上記管を横切る、経壁の、および経管の流れは、上記管を横切る少なくとも部分的な開通性を修復または維持する支持体82によって高められ、流体が集合管38に到着するのを可能にする。上記ビーズは、穴が開けられるか、またはぎざぎざである、鋭く突き出た部分のある、および/もしくは溝がつけられたものである周界(perimeter)(または、他の同様の特徴)を含み、次に上記ビーズを介した、または上記ビーズを取り巻いた円周方向の流体の流れがまた、起こり得る。
【0059】
支持体において使用されるエレメントまたはビーズは、中空および閉じた構造、開いた構造、中身が詰まっている構造、有孔の構造、またはそれらの任意の組み合わせであり得、任意の適切な形のものであり得る。図6Aおよび6Bは、ここで記載され得る支持体において使用され得る例示的なエレメントまたはビーズの、側面図および正面図をそれぞれ例示する。示されるように、中身が詰まっている90もしくは中空91の、球形90、球状形92、卵形93、円錐形94、円板の形をした95、多面体96、棒のような97、または溝がつけられたエッジ98、ぎざぎざのエッジ89、または鋭く突き出た部分のあるエッジ88を伴うビーズが使用され得る。いくつかの例において、ビーズまたはエレメントの角またはエッジを囲むことが所望され得る。図6Cに示されるように、エレメントまたはビーズ76は、穴99および99’を含み得る。穴は、任意の適切な断面の形を有し得る(例えば、円形または四角形)。円板の形をしたビーズ76は、図6Cに示されるが、任意の形のビーズが、穴が開けられ得る。
【0060】
図7A〜7Eに示されるバリエーションにおいて例示されるように、支持体における2つまたはそれより多くのビーズ76は、互いに隣接し得る。隣接するビーズは、並べられ得(図7A)、接続され並べられ得(図7Bおよび7C)、またはコネクター100および100’と一緒に接続されてビーズ間に間隔を形成し得る(図7D)。さらに、ビーズは、コネクター101上に通され得る(図7E)。単一の支持体において使用される複数のビーズは、同じかまたは異なる形を有し得、同じかまたは異なる材料から作製され得る。
【0061】
図7Bに示される、ビーズ間または他のエレメント間の接合部102は、任意の適切な技術を用いて(例えば、接着剤、化学結合、機械的インターロック、および/または溶接を用いることによって)作製され得る。ビーズまたは他のエレメントはまた、ガイドエレメント104上に通されることによって、図7Cに示されるように、並べられ接続され得る。ガイドエレメント104は、繊維、縫合糸、ガイドワイヤー、固定具(fixture)、または同様のものを含み得る。上記ビーズまたは他のエレメントは、例えば、繊維の末端を結ぶことによって、またはエレメント104の末端108上に他の末端遮断(end−blocking)デバイス106(例えば、クリップ、キャップ、突出物(protrusion)、または同様のもの)を提供することによって、ガイドエレメント上の並べられた配置に固定され得る。任意の、または全ての上記ビーズまたは他のエレメントは、ガイドエレメント104に付着させ得る。例えば、末端位置を占めるビーズまたは他のエレメントは、エレメント104に付着させ得、遮断ビーズとして機能して、ビーズがエレメント104の末端108から滑り落ちないようにし得る。あるいは、ビーズは、エレメント104に沿って滑り得る。ガイドエレメント104は、可撓性であり得、例えば、細いポリマー糸(例えば、縫合糸)、または金属ワイヤーから形成され得る。あるいは、エレメント104は、可撓性であるが固定可能であり得る(例えば、所望される位置へと曲げられ得、いくらかの量の外的な応力または圧力に対してその位置を維持し得る、1つまたはそれより多くの形成可能な(shapeable)金属ワイヤー)。他のバリエーションにおいて、ガイドエレメント104は、堅い場合がある(例えば、成形されたポリマー要素(piece)、または硬い金属要素)。
【0062】
図7Dに示されるように、複数のコネクター100、100’が単一の支持体において使用され得、少なくとも1つのコネクターは隣接するビーズ76間または他のエレメント間に挿入される。複数のコネクターが使用される場合、それらは、同じかまたは異なる長さのものであり得る。さらに、同じ支持体内の複数のコネクターは、同じかまたは異なる材料から作製され得、上記コネクターおよびビーズは、同じかまたは異なる材料から作製され得る。別々のコネクター100および100’は、ビーズ76間に挿入され得、任意の適切な方法を用いて(接着剤、化学結合、溶接、機械的インターロック、結び目(knot)、またはそれらの任意の組み合わせを用いることが挙げられる)、隣接するビーズに付着させ得る。いくつかのバリエーションにおいて、ビーズ間のコネクター100および100’は、個々のビーズ間のスペーサーとして機能するように配置され得る。図7Eに示されるように、ビーズ76はまた、コネクター101上に通され得る。上記ビーズがコネクター上に通される場合、上記ビーズは、任意の適切な方法によって(接着剤、化学結合、溶接、クリップ、コネクター上の突出物、コネクターとビーズの間をロックする機械的インターロック、結び目、またはそれらの任意の組み合わせを用いることが挙げられる)、上記コネクター101に沿って、固定された位置に維持され得る。あるいは、いくつかの、または全てのビーズは、コネクター101に沿って滑り得る。コネクター100、100’および101は、可撓性であり得る(例えば、細いポリマー糸または金属ワイヤー)。コネクター100、100’、および101はまた、可撓性であるが固定可能であり得る(例えば、形成可能な金属ワイヤー)。あるいは、コネクター100、100’、および101は、堅い場合がある(例えば、成形されたポリマーコネクター、または硬い金属コネクター)。
【0063】
ここで記載されるデバイスの支持体は、ビーズを含む必要がない。例として、支持体は、1つもしくはそれより多くの他のエレメントを含み得るか、または固定された長さもしくは可変の長さの一体構造(unitary structure)であり得る。支持体は、中身が詰まっているか、中空か、もしくは有孔か、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、支持体は、部分的に中身が詰まっている場合、および部分的に中空である場合がある。支持体の形状の例は、図8A〜8Fにおける側面図および正面図において示される。図8Aおよび8Bに示されるように、支持体は、開いたネットワーク構造を有し得る。このような支持体は、例えば、形成可能な金属ワイヤーから作られ得る。図8Aおよび8Bに例示される支持体は、シュレム管の内側表面と最小限の表面領域の接触−すなわち、ワイヤーまたは繊維170の末端での点での接触のみを有し得る。あるいは、開いたネットワーク構造を有する支持体は、メッシュまたは発泡体(foam)から、少なくとも部分的に作製され得る。上記メッシュまたは発泡体は、任意の適切な材料から作製され得る(例えば、金属および/またはプラスチック)。図8Cおよび8Dに示されるように、上記支持体は、シュレム管の選択された長さに沿って広がる正弦曲線形状またはジグザグ形状を有し得る。図8Cに示される例について、上記支持体は、移植後に、P1、P2、およびP3と標識される少なくとも3点で、シュレム管の内側表面と接触し得る。図8E〜8Hにおいて、溝がつけられたエッジを有する棒のような支持体の例が示される。図8Eおよび8Fにおいて、溝がつけられたエッジ110は、上記支持体の末端114間の側面112に沿って長手方向に広がって構造116を形成する。構造116は、穴113を含み得る。上記支持体は、中心穴117を含み得る。図8G〜Hにおいて、溝がつけられたエッジ110’は、側面112’に沿って広がって構造116’を形成する。構造116’は、末端114’間に広がる鋸歯状の外表面115’を有する。上記支持体は、中心穴117’を含み得る。図8E〜8Hに例示されるバリエーションにおいて、上記支持体は、少なくとも4点で管の壁と接触し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、調整可能であり得る。上記支持体の表面は、例えば、ぎざぎざである、滑らかである、鋭く突き出た部分のある、または溝がつけられたものであり得る。
【0064】
ここで記載される上記支持体の形状の一般的な特徴は、それらが、シュレム管の内側表面との連続的または広範囲な接触を有する必要がないことである。確かに、記載されるデバイスおよび構造の多くは、内側表面との最小限の接線の、周期的な、もしくは散発的な接触を有し得、そして/または上記デバイスおよび構造の、特定の線に沿ってのみ、ならびに/もしくは特定の点において内側表面と接触し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体が使用されるとき、その支持体の外表面の表面領域の約90%未満(例えば、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満)および/または約0.5%超(例えば、約1%超、約3%超、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超)が、シュレム管の内側表面と接触し得る。ここで記載されるデバイスおよび構造は、例えば、中空の管状ステント(例えば、中空管状の心臓血管のステント)よりも、シュレム管の内側表面との平面接触を、例えば、著しく有さない場合がある。
【0065】
図8Aおよび8Bにおいて示される例によって実証されるように、いくつかの支持体は、管の壁の内側表面と点での接触のみを有し得る。図5Bおよび5Cに示される支持体について、各支持体のまるみをつけられたビーズは、管の壁の内側表面と接線でのみ接触し得る。ビーズの形は、シュレム管の内側表面と最小限の表面領域の接触を有するように選択または設計され得る。例えば、図6Aおよび6Bに示される溝がつけられたエッジを有するビーズ98は、上記管の内側表面と少ない表面領域で接触し得る。さらに、支持体は、広く間隔が離れたビーズを有し得、例えば、図7Dおよび7Eに例示されるコネクターは、所望される間隔でビーズを区切るように機能して、管の壁との接触を低減するが、上記管が開いたままにするように働き得る。図8Cおよび8Dに関して上で例示されるように、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも2点で、または少なくとも3点(例えば、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点など)で、上記管の内側表面と接触し得る。
【0066】
シュレム管の円周方向に移植された支持体152の拡大された断面図は、提供された図9Aおよび9Bである。支持体と接触する管の壁の表面領域の小部分(fraction)は、シュレム管の内側を調べることによって、支持体152の第一の末端X1から第二の末端X2に円周方向に広がる長さLおよび内側半径Riを有する、わずかに弓形の円柱Cとして見積もることができる。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上に記載されるように、円柱Cの表面領域の90%未満(例えば、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、1%未満、0.1%未満)と接触し得る。例えば、図9Aおよび9Bに示される支持体152は、ビーズ幅(BW)の範囲(distance)にわたって、E1〜E7におけるビーズの外部周辺エッジでのみ、上記管の壁62の内側表面と接触する。コネクター156がビーズ154と離れて間隔を置く場所では、上記管の内側表面との接触はなく、そしてビーズ154の溝がつけられた領域160での接触はない。上記管の内側表面との最小限の支持体の接触についてのデザインの特徴は、支持体が、上記管を横切る、経壁の、または経管の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することを可能にする。線維柱帯に隣接する上記管の内部周辺の表面領域、または集合管が位置する上記管の外部周辺の表面領域の実質的なある部分が遮断される場合、上記管を横切る、または上記管内での有効な流体の流れは、妨害され得る。
【0067】
支持体は、可変の長さおよび厚さを有し得る。例えば、ビーズを用いる支持体の長さは、ビーズの数、タイプ、もしくは間隔、またはそれらの任意の組み合わせを変えることによって調整され得る。支持体の厚さは、より大きい寸法を有する1つまたはそれより多くのビーズを加えることによって増加され得る。一体(unitary)支持体はまた、長さを変えるか、または調整可能な(例えば、整えることができる(trimmable))寸法を用いて作られ得る。例えば、図8Cおよび8Dに示されるような正弦曲線形状またはジグザグ形状を有する形成可能な金属から作られる支持体について、上記支持体の断面の寸法117は、例えば、寸法119に沿って張力を加えることによって縮小または増加し得る。
【0068】
図10Aに示されるように、支持体160は、シュレム管30の全範囲にわたって実質的に広がり得る。あるいは、支持体は、上記管の範囲のおおよそ半分にわたって広がり得る(示されない)。図10Bに示されるように、支持体162は、上記管の半分未満にわたって広がり得る。図10Cに示されるように、支持体164は、上記管の範囲の4分の1以下にわたって広がり得る。さらに、1つ超の支持体164、166、または168は、単一のシュレム管に挿入され得る。複数の支持体が、単一の管に挿入される場合、それらは、異なる形、長さ、材料、またはサイズのものであり得るか、または上記支持体の少なくとも2つは同じであり得る。
【0069】
支持体は、上記支持体自体の最大断面寸法を超えて管を開くように配置され得る。例えば、図11Aは、シュレム管30に挿入される支持体132を含むデバイス130を示す。支持体132は、最大断面寸法BDを有するビーズ134を含む。支持体132は、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも小さい曲率半径Rsuppを有する硬い弓形のエレメント135を含む。弓形の部材135の、より小さい固定した曲率半径Rsuppは、管30がBDよりも大きく開くように促す。図11Bに示される別のバリエーションにおいて、支持体179は、上記管の曲率半径RSC未満の曲率半径Rsuppを有する、ビーズを有さない弓形の部材180を含む。部材180は、上記管を開くように促すのに十分硬い。図11Cに示される別のバリエーションにおいて、支持体181は、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも大きい曲率半径Rsuppを有する弓形の部材182を含む。部材182はまた、上記管を開くように促すのに十分硬い。弓形の部材135、180、および182は、形状記憶材料(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。図11Cに示されるように、支持体181は、ビーズ184を含み得る。あるいは、または加えて、支持体は、1つまたはそれより多くの他のエレメントを含み得る。上記管を開くように促すために、弓形の部材の曲率半径Rsuppは、例えば、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも少なくとも約10%(例えば、約10%、20%、30%、40%、または50%)小さいか、または大きいものであり得る。例えば、弓形の部材は、約3mm〜約8mmの曲率半径を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体における弓形の部材の曲率半径(Rsupp)は、少なくとも約3mm(例えば、約3mm、または約4mm、または約5mm)であり得る。他のバリエーションにおいて、支持体における弓形の部材の曲率半径Rsuppは、少なくとも約6mm(例えば、約6mm、または約7mm、または約8mm)であり得る。
【0070】
上に言及されるように、ここで記載される支持体は、シュレム管の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を呈し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、線維柱帯の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を呈し得る。さらに、特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内に少なくとも部分的に置かれるとき、拡大または再構築し得る。このような拡大または再構築の際に、上記支持体は、上記管自体の直径を超えて拡大することによって、上記線維柱帯または上記管の内壁を破壊し得る。このことは、例えば、上記支持体が線維柱帯に押し入るか、または線維柱帯を引っ張って、それの破壊を引き起こし得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、拡大および/または再構築の際に、上記管の壁または上記線維柱帯に穿孔し得る。支持体はまた、標的部位に送達および/または置かれる際に上記管の壁または上記線維柱帯に穿孔し得る。
【0071】
ここで記載される支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得、いくつかの場合においては、上記中心コアを完全に通り得る。シュレム管の中心コアは、上記管の管腔の内側空間において、上記管の断面の中心を取り巻く領域である。上記管の中心コアの少なくともある部分を占める支持体は、上記管の管腔の少なくともある部分を通り得る。例えば、支持体のいくつかのバリエーションは、少なくとも1点で上記管の断面の中心を通り得る。図12Aに関して、コネクター224に接続されるビーズ222を有する支持体220の正面図が提供される。図12Bは、線II−II’に沿った拡大された断面図を示す。支持体220は、管の管腔64における、管の中心コア67のある部分を占める。線維柱帯28は、管30に隣接して示される。このバリエーションにおいて、支持体220は、上記管の断面の中心66を通る。他のバリエーションにおいて、支持体は、上記管の中心から外れた管腔を通り得る(例えば、断面において、上記管の管腔を横切る弦として現れる)。図12Cに関して、弓形の支持体210の正面図が示される。図12Dは、線III−III’に沿った拡大された断面図を示す。支持体210は、管の中心66を通過することなく、管30の管腔64における中心コア67のある部分を横切り、そこを占める。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管の中心コアの大部分を占め得る。図12Eに関して、円板のようなビーズ232を含む支持体230の正面図が示される。線IV−IV’に沿った断面図は、図12Fに示される。図12Fに示されるように、穴234を有するビーズ232は、管30の中心コア67の大部分を占める。他のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管の中心コアの小さい部分を占める。例えば、図12Gにおいて、開いたネットワーク構造を有する支持体240の正面図が示される。線V−V’に沿った断面図は、図12Hに示される。
【0072】
支持体の特定のバリエーションが記載されているが、任意の適切な形状を有する支持体の他のバリエーションが使用され得る。
【0073】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、比較的平らであり得るか、または1つまたはそれより多くの比較的平らな構成要素を含み得る。例えば、図13Aは、平らなリボン部材1302を含む支持体1300を示す。示されるように、リボン部材1302は、複数の穴1304を有するが、支持体の他のバリエーションは、より少ない穴を有するリボン部材か、異なるサイズもしくは形状を有する穴を有するリボン部材か、または穴を全く有すことさえしないリボン部材を含み得る。さらに、ここで示されないが、いくつかのバリエーションにおいて、リボン部材または他の支持体構成要素は、まるみをつけられた、比較的非外傷性のエッジを有し得る。さらに、ここで記載される支持体は、湾曲させるか、または別の方法で形作られる場合があり、その結果、それらは、必ずしもまっすぐおよび細長いというわけではない。例えば、図13Bは、穴1324を有する平らなリボン部材1322を含む支持体1320を示し、ここで上記平らなリボン部材1322は、外観が二重螺旋に類似した形状にねじられている。
【0074】
図14Aは、外観が二重螺旋に類似した形状にねじられているリボン部材1402を含む支持体1400の、別のバリエーションを描く。そこで示されるように、リボン部材1402は、穴1404を含み、エッジ1406および1408を含む。図14Bは、エッジ1406および1408がシュレム管1410の内側表面と接触して、上記管内に配置される(disposed)支持体1400を示す。シュレム管1410の任意の所定の断面について、支持体1400は、2点で(すなわち、エッジ1406および1408が上記壁に接触する場所)、上記管の内壁と接触する。もちろん、支持体1400は、支持体の1つのバリエーションにすぎず、支持体の他のバリエーションは、任意の所定の断面について、異なる数の点でシュレム管と接触し得る。支持体1400についての、その2つの接触点は、支持体1400のねじれの結果として回転し、最終的には、次の反復ユニット(repeating unit)上の同じ位置に360o戻ってくる。いくつかの場合において、支持体(例えば、支持体1400)は、支持体の長さの0.5ミリメートル〜2ミリメートル毎について(例えば、1ミリメートル〜1.5ミリメートル毎に)、全360oの回転を完了し得る。例えば、支持体(例えば、支持体1400)は、支持体の長さの約1ミリメートル毎に全360oの回転を完了し得る。支持体は、一様なねじれを有し得るか、または支持体のねじれの度合いは、支持体の長さに沿って変わり得る。
【0075】
支持体(例えば、支持体1400)は、任意の適切な方法を用いて形成され得、そのうちの1つは、図14C〜14Eに描かれる。
【0076】
第一に、図14Cに関して、リボン部材1420(例えば、チタン、ステンレス鋼、ニチノールなどから形成される)が提供される(例えば、その材料のシートを個々のリボン部材へと切断することによって)。リボン部材1420は、幅1422、長さ1426、および厚さ1424を有する。いくつかのバリエーションにおいて、幅1422は、約10ミクロン〜約750ミクロン(例えば、約10ミクロン〜約600ミクロン、例えば300ミクロン)であり得、長さ1426は、約1ミリメートル〜約50ミリメートル(例えば、約1ミリメートル〜約40ミリメートル、例えば10ミリメートルまたは15ミリメートル)であり得、および/または厚さ1424は、約10ミクロン〜約150ミクロン(例えば、約25ミクロン〜約100ミクロン、例えば50ミクロン)であり得る。比較的大きい幅を有するリボン部材は、例えば、シュレム管を拡張する工程を含む手順における使用に適している場合がある。比較的長い長さを有するリボン部材は、例えば、先天性の緑内障状態の結果として肥大した、眼のシュレム管における使用に適している場合がある。リボン部材の長さは、得られる支持体がシュレム管の範囲のうちの所望される量を占めるように選択され得る(例えば、シュレム管の範囲の1/8〜1/2(例えば、1/8〜1/3、1/4〜1/2、1/4〜1/3))。
【0077】
次に、そして図14Dに示されるように、上記リボン部材の末端は、上記支持体に対する第一の前駆体1428を形成するために、鈍くされるか、またはまるみをつけられ、ここで上記第一の前駆体は、まるみをつけられた末端1430および1434を有する。上記末端は、例えば、レーザーを用いて、鈍くされるか、またはまるみをつけられ得る。上記リボン部材の末端を鈍くする工程、またはまるみをつける工程は、例えば、上記リボン部材を非外傷性にし得る。結局は、これは送達に際して、比較的より外傷性ではない支持体をもたらし得る。さらに、鈍くされたか、またはまるみをつけられた末端は、シュレム管を通って上記支持体を容易に導く助けとなり得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、半円、または楕円である、まるみをつけられた末端を含み得、その末端は、約10ミクロン〜約750ミクロン(例えば、約10ミクロン〜約600ミクロン、例えば300ミクロン)の直径を有する。
【0078】
特定のバリエーションにおいて、リボン部材はまた、デバリングされ得る(例えば、スラグ、切断材料、および酸化物を除去するために)。
【0079】
次に具体的に図14Eに関して、穴1442は、次に上記第一の前駆体において形成され(例えば、レーザーを用いて)、それにより上記支持体に対する第二の前駆体1440を形成する。上記穴は、例えば、上記支持体がシュレム管内に置かれるとき、シュレム管を介した、およびシュレム管を横切る、房水の高められた流れを提供し得る。穴1442はそれぞれ、幅1444および長さ1446を有し、各穴は、距離1448によって、その隣の穴から分離される。特定のバリエーションにおいて、幅1444は、約1ミクロン〜約600ミクロン(例えば、125ミクロン、150ミクロン)であり得、長さ1446は、約1ミクロン〜約5000ミクロン(例えば、約1ミクロン〜約500ミクロン、例えば300ミクロン)であり得、および/または距離1448は、約1ミクロン〜約5000ミクロン(例えば、約1ミクロン〜約300ミクロン、例えば、150ミクロン)であり得る。もちろん、穴1442は、それぞれが同じサイズを有し、次の穴から同じ距離に位置しているとして描かれるが、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、異なるサイズの穴および/または異なる距離によって互いに分離される穴を含み得る。さらに、任意の適切な数の穴が使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、穴を一切有さなくてもよく、またはたった1つの穴を有してもよい。特定のバリエーションにおいて、支持体は、複数の穴(例えば、2個、3個、4個、5個、8個、10個、15個、20個 23個、24個、または25個の穴)を有し得る。
【0080】
第二の前駆体1440が形成された後、上記第二の前駆体は、ねじられ得(例えば、マンドレルのまわりに、熱処理を用いて、およびまたは万力もしくは万力のような道具類を用いて)、それにより、支持体1440を形成する。いくつかのバリエーションにおいて、そのねじられた支持体は、次に、例えば、おおよそシュレム管の曲率まで湾曲させ得る。いくつかの場合において、その湾曲は、上記支持体にヒートセット(heat−set)され得る(例えば、上記支持体を、所望する曲率を有する型に置き、上記支持体を熱処理して上記湾曲を固定することによって)。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、約2ミリメートル〜約12ミリメートル(例えば、約3ミリメートル〜約9ミリメートル、または約4ミリメートル〜約8ミリメートル、例えば、6ミリメートル)の曲率半径まで湾曲させ得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させ得ない(すなわち、上記支持体は、まっすぐであり得る)。
【0081】
さらなるステップは、上記支持体を電解研摩する工程(例えば、その表面およびエッジを滑らかにし、それを非外傷性にするために)、および/または上記支持体にコーティングを施す工程(例えば、ヘパリン)を含み得る。
【0082】
本明細書中に記載される特定の支持体の特徴または特徴づけ(上記支持体を作製および使用する方法が挙げられる)のうちのいずれかは、適宜、他の支持体にも適用され得ることが理解されるべきである。
【0083】
リボン部材が支持体を形成するために使用されるバリエーションにおいて、上記リボン部材は、任意の適切なサイズ、形、および形状を有し得る。例えば、リボン部材は、1つまたはそれより多くの穴を含んでいても含んでいなくてもよく、上記リボン部材が少なくとも1つの穴を含む場合、上記穴は、任意の適切な形(例えば、三角形、長方形、正方形、長円形(oval)、楕円形、円形(circular)など)を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、穴は、線またはスリット(slit)の形態であり得る。穴のサイズおよび/または形は、例えば、シュレム管内に置かれるときに上記支持体の長手方向の強度を高めるように選択され得る(例えば、円形および/または楕円形の穴を用いることによって)。図14Fは、非外傷性のまるみをつけられた末端1452および1454を含み、千鳥状の(staggered)ひし形をした穴1456を有する、リボン部材1450を示す。リボン部材1450の任意の1つの断面について、リボン材料(例えば、金属)の量および穴の量は、上記リボン部材の任意の他の断面についてのそれと同じである。これは、例えば、上記支持体の形成の間に上記リボン部材の対称的なねじれを提供し得る。もちろん、いくつかの場合において、リボン部材は、穴(例えば、ひし形をした穴および/または千鳥状の穴)を含み得、その穴は、上に記載された特徴を上記リボン部材に提供しないもの、および上記リボン部材の対称的なねじれを提供しないものである。さらに、リボン部材1450は、全てが同じサイズであるひし形をした穴を含むが、リボン部材の他のバリエーションは、異なる形および/またはサイズの穴を含み得る。さらに、穴は、任意の適切な形状で準備され得る。
【0084】
支持体の特定のバリエーションは、鎖のような形状を有し得る。個々の鎖の「輪(link)」は、互いに連結され得るか、または上記個々の鎖の「輪」の少なくともいくつかは、互いに一体形であり得る。例として、図15Aは、一体形の鎖の「輪」の構成要素を含む支持体1500を示す(例えば、中心開口部1504を有する構成要素1502)。もちろん、上に記載されるように、いくつかのバリエーションにおいて、このような支持体は、ねじられ得、図15Bにおける支持体1510の場合がそうであるように、これは一体形の鎖の「輪」の構成要素(例えば、中心開口部1514を有する構成要素1512)を含み、ねじられた形状を有する。
【0085】
任意の適切な支持体構成要素が、使用され得る。例えば、図16Aは、例えば、成形プロセスまたは機械加工プロセス(例えば、レーザー機械加工プロセス)を用いて形成され得る種々の切り抜き(例えば、1604および1606)を有する本体1602を含む、支持体構成要素1600を示す。構成要素1600は、例えば、支持体の全体を形成し得るか、あるいは、1つ以上の同一の構成要素および/もしくは1つ以上の異なる構成要素に連結されるかまたは1つ以上の同一の構成要素および/もしくは1つ以上の異なる構成要素と一体形に形成されて、支持体を形成し得る。いくつかのバリエーションにおいて、そして上に記載されるように、支持体の種々の構成部分は、異なる面に沿って存在し得る。例として、図16Bは、コネクター1616によって、互いに一体形に連結される同一の構成要素1612および1614を含む支持体1610を示し、ここで各構成要素は、異なる面に沿って存在している構成部分を含む(例えば、構成要素1612の構成部分1618および1620)。
【0086】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも1つの細長い部材を含み得る。上記細長い部材は、まっすぐなもの、湾曲させたもの、曲げられたものなどであり得る。特定のバリエーションにおいて、上記細長い部材は、第一の形状(例えば、まっすぐ)で、シュレム管に送達され得、次に、上記管の少なくともある部分内に初めに置かれる間および/または上記管の少なくともある部分内に初めに置かれた後に、第二の形状(例えば、湾曲させたもの、螺旋形、二重螺旋形など)を呈し得る。例えば、図17Aは、まっすぐな形状での細長い部材1702を含む支持体1700を示す。細長い部材1702は、例えば、単一のワイヤーから形成され得る。シュレム管は、直径が比較的小さい(例えば、約150〜200マイクロメートル)ので、支持体が小さいワイヤーまたは複数のワイヤーから形成されることは、有益であり得る。
【0087】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、上記管に挿入され、そして上記管の路を受動的にたどる、まっすぐまたは湾曲させたワイヤーから形成され得る。あるいは、支持体は、まっすぐなワイヤーとして上記管に挿入され得、次に再構築して上記管を拡張し、開通性を修復し得るか、または異なる曲率半径を有するように上記管を膨張させ得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させたワイヤーとして上記管に挿入され得、次に再構築して上記管を拡張し、開通性を修復し得るか、または異なる曲率半径を有するように上記管を膨張させ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上に記載されるのと同じ効果が、互いに接続されていてもされていなくてもよい、または一体形もしくは一体であってもそうでなくてもよい、複数のワイヤーを含む支持体を用いて、達成され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、管に挿入され得、再構築することなく、上記管を拡張し得る。例えば、支持体は、上記管に押し込まれて上記管を拡張し得る。
【0088】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、連続ワイヤーの形態であり得、その形態は、シュレム管を開いたままにするか、または単独で線維柱帯を膨張させる。あるいは、支持体は、連続ワイヤーを含むコア、ならびに1つもしくはそれより多くのさらなるワイヤーおよび/または上記コアから派生する他の特徴を含み得、ここで上記さらなるワイヤー(複数可)および/または他の特徴は、上記管を開いたままにするか、または上記線維柱帯を膨張させる。例えば、支持体は、泡立て器(whisk)の形を有する1つまたはそれより多くの構成要素またはエレメントを含み得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管を拡張するか、または上記線維柱帯を膨張させる、非コアエレメントによって周期的に中断されるコアエレメントの伸張(stretch)を含む、不連続ワイヤーを含み得る。例えば、支持体は、一連のリングエレメントと交替する一連のコアワイヤーエレメントを含み得る。ワイヤーコア含む支持体の任意のバリエーションにおいて、上記ワイヤーコアは、穴が開けられ得ること、および/またはそうでなければ改変され得ることが理解されるべきである。
【0089】
ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、任意の適切なサイズおよび形の断面を有し得る。例えば、ワイヤーまたは他の支持体構成要素の断面は、アーチ形に曲げられたエッジを有する円形、卵形、平面、正方形、三角形であり得るか、または任意の他の適切な形を有し得る。さらに、ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、滑らかなで連続した表面、滑らかで不連続な表面(例えば、その長さに沿って異なる直径、その長さに沿って異なる形を有するもの(例えば、特定のセグメントにおいて平面になる、円形の断面を有するワイヤー)、あるいは対照的もしくは非対照的な形、湾曲、および/または直径を有するもの)、または滑らかではない表面を含み得る。上記表面が滑らかではないバリエーションにおいて、上記ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、例えば、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って平行である連続して溝がつけられたエッジまたは複数のエッジ(例えば、1つ、2つ、または3つのエッジ)、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って平行である不連続に溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に垂直である連続して溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に垂直である不連続に溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って渦を巻いたまたは角をなす、連続して溝がつけられたエッジ、あるいは上記ワイヤーまたは構成要素に沿って渦を巻いたまたは角をなす、不連続に溝がつけられたエッジを有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記溝がつけられたエッジの周辺は、鈍く鋸歯状であっても波打っていてもよい。さらに、特定のバリエーションにおいて、支持体は、溝もつけられ、穴も開けられたひれ状のものを含み得る。
【0090】
ワイヤーが使用されるバリエーションにおいて、上記ワイヤーは、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、ワイヤーは、約500マイクロメートルまで(例えば、約400マイクロメートルまで、約300マイクロメートルまで、約200マイクロメートルまで、約100マイクロメートルまで、約50マイクロメートルまで、約25マイクロメートルまで、約10マイクロメートルまで)の直径を有し得る。上記ワイヤーは、あるいは、または加えて、少なくとも約10マイクロメートル(例えば、少なくとも約25マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約200マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約400マイクロメートル)の直径を有し得る。特定のバリエーションにおいて、ワイヤーは、比較的太い直径を有し得、任意の適切な場所(例えば、そのコアに、そのエッジに沿って、またはその両方)に穴を含み得る。
【0091】
いくつかのバリエーションにおいて、細長い部材は、上記支持体が上記管内に置かれるときに、例えば、高められた経壁の、および経管の流れを可能にし得る、1つまたはそれより多くの表面の特徴または他の改変を含み得る。例として、図17Bは、複数の穴1714を有する細長い部材1712を含む支持体1710を示す。穴1714は、同じサイズおよび形を有し、互いに関して均等に間隔を置くが、支持体のいくつかのバリエーションは、異なるサイズおよび/もしくは形を有する、ならびに/または互いに関して均等に間隔を置かない、1つもしくはそれより多くの穴および/または他の特徴を含み得る。図17Cは、支持体1720を描き、この支持体1720は、そこに形成される複数の孔1724を有する細長い部材1722を含む。細長い部材およびその構成部分は、中身が詰まっているもの、管状なもの、もしくは有孔なものであり得るか、または任意の他の適切な形状を有し得る。特定のバリエーションにおいて、細長い部材は、少なくとも1つの中身が詰まっている構成部分、少なくとも1つの管状な構成部分、および/または少なくとも1つの有孔な構成部分を含み得る。
【0092】
上で議論されるように、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させた細長い部材を含み得る。上記細長い部材は、たった1つの湾曲を有し得るか、または複数の湾曲を有し得る。例として、図17Dは、湾曲させた細長い部材1732を含む支持体1730を示す。そこで示されるように、細長い部材1732は、たった1つの広範な湾曲を有する。しかし、図17Eは、互いに連結される(例えば、溶接、接着剤などを介して)複数の湾曲させた部材(例えば、湾曲させた部材1742および1744)を含む支持体1740を示す。もちろん、湾曲させた部材1742および1744は、互いに連結されるが、特定のバリエーションにおいて、支持体は、あるいは、加えて、互いに一体形である複数の湾曲させた構成部分を含み得る。例えば、支持体は、正弦曲線に形作られた単一のニチノールのワイヤーを含み得る。支持体の湾曲させた構成部分は、図17Eに示されるように同じ面に沿って、または異なる面に沿って、存在し得る。さらに、いくつかの支持体は、上記湾曲のいくつかまたは全てが同じ面に沿って存在する状態にある、または上記湾曲のいくつかまたは全てが異なる面に沿って存在する状態にある、複数の湾曲を含み得る。支持体1740は、正弦形状を本質的に有するが、他の適切な形状(複数の湾曲が挙げられる)も使用され得る。例として、図18は、複数の連結された、または一体形の弧(arc)またはアーチ(例えば、アーチ1802)を含む支持体1800を示す。上記アーチは全て、同じ面に沿って存在するが、支持体の他のバリエーションは、異なる面に沿って存在するアーチを含み得る。さらに、アーチまたは弧は、サイズ、曲率半径などにおいて同一であってもそうでなくてもよい。
【0093】
他の適切な形および形状が、シュレム管の少なくともある部分に移植可能である支持体に使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、螺旋形の形状が使用され得る。上記形状は、たった1つの螺旋形の形を含み得るか、または複数の螺旋形の形(例えば、二重螺旋)を含み得る。上記螺旋形の形は、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、上記管の内側表面に、まさしく接線に触れ得る。このようにして、それらは、上記管を横切る、経壁の、および経管の流れを実質的に妨げることをも避けながら、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するのに十分な支持体を提供し得る。結果として、上記管の天然の排液通路は、修復され得る。
【0094】
図19Aは、螺旋形の形状を有する例示的な支持体を示す。そこで示されるように、支持体1900は、一重螺旋(single helix)の形態であり得る。図19Bは、シュレム管1901内の支持体1900を示し、ここで上記支持体は、上記管の内側表面1902と接線でのみ触れる(例えば、点1903および1904で)。もちろん、上で議論されるように、他の螺旋形の形状は、あるいは、または加えて、シュレム管内で使用され得る。例として、図19Cは、二重螺旋の形態である支持体1920を描き、図19Dは、シュレム管1922内に配置される(disposed)支持体1920を示す。螺旋は、いくつかの場合において、その間に支柱および/または他のコネクターを有し得る。例えば、二重螺旋は、第一および第二の螺旋を含み得、それらの螺旋は、それらの間に広がる支柱によって互いに接続される。
【0095】
螺旋形の形状を有する支持体、ならびにここで記載される支持体の他のバリエーションは、最小限の接線の接触で、シュレム管の少なくともある部分(例えば、上記管の全体)の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することができ得る。例えば、支持体は、上記管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)とき、接線の点でのみ上記管の内側表面と接触し得る。さらに、支持体の大部分は、シュレム管のまさに周辺よりもむしろ、上記管の中心コアを占め得、上記管の内側表面と接触することを避け得る。結果として、重要な(valuable)、有孔の内部および外部の管壁での房水の流れの閉塞は、最小限にされ得るか、または防がれ得る。管の開通性の修復および最小限の壁の閉塞により、房水は、再び、容易に上記管を通り得る(例えば、螺旋形の形状を有する支持体の場合、開いた螺旋形ネットワークを介して)。
【0096】
いくつかのバリエーションにおいて、螺旋形の形状を有する支持体、またはここで記載される支持体の別のバリエーションは、少なくとも部分的にシュレム管に送達され、一旦上記支持体が、シュレム管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)と、その最終形状へと拡大され得る。支持体が送達および拡大されると、3つの主要および重要な排液構造の拡張が修復され得る:(1)小管近傍(juxtacanalicular)組織の膨張および細孔(pore)の拡張(内壁)、(2)シュレム管の拡張、ならびに(3)集合管の拡張(外壁)。もちろん、このような修復はまた、ここで記載される他の支持体ならびに/または送達および位置決めメカニズムで達成され得る。最小限の壁の閉塞により、房水は、上記開いた螺旋形ネットワークを介して、その拡張された管の管腔および壁を再び容易に通り得る。
【0097】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、互いに連結される複数のリングか、または互いに一体形である複数のリングを含み得る。例えば、図20Aは、全て同じ面に沿って存在している複数のリング(例えばリング2002)を含む支持体2000を示す。上記リングは、全て同じサイズを有するが、支持体のいくつかのバリエーションは、異なるサイズを有する複数のリングを含み得る。さらに、リングは、異なる形を有し得る。例えば、いくつかのリングは、まるみをつけられ得、円形であり得るが、他のリングは、長円形であり、多少斜めに切られたエッジを有する。さらに、支持体のいくつかのバリエーションは、同じ面に沿って存在しないリングを含み得る。例として、図20Bは、互いに連結される複数のリング(例えば、リング2012)を含む支持体2010を示し、ここで隣接するリングは、互いに対して90oの角度で置かれる。
【0098】
さらに、支持体のさらなるバリエーションが、使用され得る。例えば、図21は、中心開口部2104を有し、泡立て器(egg beater)または泡立て器(whisk)と同様の形を有する複数の連結された構成要素(例えば、構成要素2102)を含む、支持体2100を示す。各構成要素は、4つの湾曲された構成部分(例えば、構成要素2102の湾曲された構成部分2106、2108、2110、および2112)を含むが、支持体の他のバリエーションは、同様の形だが異なる数の湾曲された構成部分を有する構成要素を含み得る。
【0099】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、使用の間に上記シュレム管の内側表面と接触するように配置される1つまたはそれより多くのエッジを含み得る。例えば、図22Aは、3つの一体形の細長い部材2202、2204、および2205を含む支持体2200を示す。その隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2202と2204との間の接合部2206)において一緒になる。支持体2200が、シュレム管内に配置される(disposed)とき、上記支持体の大部分は、上記管の中心コア内に位置し得、上記支持体のエッジは、上記管の内側表面に接線で触れる。
【0100】
もちろん、支持体のエッジは、直線であることに限る必要はない。例えば、図22Bは、3つの一体形の細長い部材2212、2216、および2217を含む支持体2210を示し、ここで隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2212と2216との間の接合部2218)において一緒になる。図22Bに示されるように、細長い部材2212は、曲がったエッジ2214を有する。このようなエッジは、例えば、シュレム管の内側表面との比較的少ない接触を有し得るが、依然として、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性の修復または維持の助けとなるのに十分な接触を有する。
【0101】
支持体の異なる構成部分はまた、1つまたはそれより多くの改変(例えば、孔、穴、細孔など)を含み得る。例えば、図22Cは、3つの一体形の細長い部材2222、2226、および2227を含む支持体2220を示し、ここで隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2222と2226との間の接合部2228)において一緒になる。図22Cに示されるように、細長い部材2222は、複数の孔2224を含む。上記孔は、同じ一般サイズおよび形を有するように全てが描かれるが、支持体の他のバリエーションは、異なるサイズおよび/または形を有する孔を含み得る。さらに、支持体のいくつかのバリエーションは、上に記載される特徴、ならびに任意の他の適切な特徴のうちの1つまたはそれより多くの組み合わせを含み得る。例えば、図22Dは、中心管状部材2236、ならびにその中心管状部材から放射状に広がる3つの一体形の細長い部材2232、2234、および2235を含む、支持体2230を示す。一体形の細長い部材2232は、曲がったエッジ2233を含むが、中心管状部材2236は、複数の孔2238を含む。中心管状部材2236は、例えば、ワイヤーの形態であり得、そのワイヤーは、それを通る管腔を有する。もちろん、支持体2230は、単一の中心管状部材を含むが、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、あるいは複数の管状部材を含み得るか、または少なくとも1つの非管状の細長い部材(例えば、中心の非管状の細長い部材(例えば、中心の中身が詰まっているワイヤー))をあるいは、もしくは加えて含み得る。上記管状部材または非管状の細長い部材は、1つまたはそれより多くの特徴(例えば、孔、穴、または同様のもの)を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0102】
上に記載される支持体は、3つの一体形の細長い部材を含むが、支持体は、任意の適切な数の細長い部材および/または他の構成要素を含み得ることが理解されるべきである。例えば、支持体は、2つの細長い部材および/もしくは他の構成要素を含み得るか、または3つ超の細長い部材および/もしくは他の構成要素を含み得る。上記細長い部材および/または他の構成要素はまた、任意の数のエッジを含み得る。さらに、上記細長い部材および/または他の構成要素のうちの少なくともいくつかは、互いに一体形でなくてもよい。例えば、上記細長い部材のうちの少なくとも2つは、互いに連結され(例えば、溶接される、接着結合されるなど)得る。さらに、支持体における任意の数の細長い部材および/または他の構成要素(例えば、上記細長い部材および他の構成要素の全て)は、特徴(例えば、溝がつけられたエッジ、曲がったエッジ、穴、孔、細孔、もしくは同様のもの、またはそれらの任意の組み合わせ)を含み得る。例えば、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、4つの細長い部材を含み得、ここで各細長い部材は、溝がつけられたエッジおよび/または穴を有する。支持体はまた、互いに異なる特徴を有する細長い部材および/または他の構成要素を含み得る。
【0103】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、1つもしくはそれより多くのねじられた構成部分、またはそうでなければ非直線の構成部分を含み得る。例えば、図22Eは、互いに対してねじられた3つの構成部分2242、2244、および2246を含む支持体2240を示し、その結果、それらは、多少螺旋形の形状を形成する。本明細書中に示される任意の他の支持体の形状が、最終組み立ての際に、適宜、ねじられ得ることに留意すべきである。示されるように、上記構成部分は、まっすぐなエッジを少なくとも部分的に含み得、および/またはまっすぐではないエッジ(例えば、構成部分2246の曲がったエッジ2247)を少なくとも部分的に含み得る。
【0104】
ここで記載される支持体は、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、いくつかの場合において、単一の支持体は、10ミリメートルの長さ(湾曲させたときの、弧の長さ)を有し得る。支持体の寸法(例えば、その長さ)は、臨床的必要性に依存し得る。例えば、幾人かの患者(例えば、より重度の緑内障患者)は、より大きな流出量の修復のために、複数の支持体、またはより長い支持体を必要とし得る。複数の支持体が、同時に、または異なる時に移植され得ることに留意すべきである。いくつかのバリエーションにおいて、1つのより長い支持体よりもむしろ、複数のより小さい支持体を挿入することがより容易であり得るので、複数の支持体が、処置(procedure)において使用され得る。例として、いくつかのバリエーションにおいて、それぞれが10ミリメートルの長さを有する2つの支持体は、シュレム管内に挿入され得る。あるいは、特定のバリエーションにおいて、1つのより長い支持体が使用され得る。いくつかの場合において、単一の支持体が、シュレム管の全範囲に沿って使用され得る。
【0105】
支持体(例えば、1つまたはそれより多くのワイヤーを含む支持体)は、多様な異なる材料のいずれかを含み得る。一般に、支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性材料(例えば、生体適合性ポリマーまたはプラスチック、ポリマー複合材、セラミックまたはセラミック複合材、ガラスまたはガラス複合材、金属、合金(例えば、形状記憶合金、超弾性合金)、またはこれらの材料の組み合わせもしくは誘導体)を含み得る。生体適合性金属および金属合金の例としては、ステンレス鋼、金、銀、チタン、タンタル、白金、およびそれらの合金、コバルトおよびクロム合金、ならびにニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール)が挙げられる。生体適合性ポリマーの例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸ブチル、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、エチルビニルアセテート、コラーゲン、コラーゲン誘導体、可撓性溶融シリカ、ポリオレフィン、NYLON(登録商標)ポリマー、ポリイミド、ポリアクリルアミド、フッ化エラストマー(fluorinated elastomer)、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。さらに、本明細書中に記載される支持体およびデバイスにおいて、生体適合性ヒドロゲルが使用され得る。下でより詳細に議論されるように、生体適合性ポリマーは、生分解性であり得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体の構成要素(例えば、ワイヤー)は、1つまたはそれより多くの親水性材料(例えば、コンタクトレンズに使用されるもの)を含み得る。上記支持体に組み込まれるとき、上記親水性材料(複数可)は、シュレム管の少なくとも部分的な開通性を修復および維持すること、および/または線維柱帯を膨張させること、房水を吸収すること、ならびに/あるいはシュレム管から房水を移動させることができ得る。支持体は、単一の材料、または材料の組み合わせから作製され得る。いくつかのバリエーションにおいて、第一の材料から作製される支持体は、第二の材料でコーティングされ得る(例えば、その生体適合性を高めるまたは改善するために)。
【0106】
いくつかの例において、支持体は、1つまたはそれより多くの生分解性ポリマーを含み得る。適切な生分解性ポリマーの例としては、コラーゲン、コラーゲン誘導体、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)/ポリエチレングリコール)コポリマー、ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリオルトエステル、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、またはコポリマー(ポリ(ヒドロキシブチレート(hdroxybutyrate))が挙げられる)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリカーボネート、ポリ(エステルアミド)、ポリ酸無水物、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー、生分解性ポリウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー、ならびにそれらの混合物およびコポリマーが挙げられる。
【0107】
支持体の少なくともある部分は、形状記憶材料から作製され得る。例えば、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金)が使用され得る。さらに、形状記憶ポリマー(例えば、モノマーのオリゴ(e−カプロラクトン)ジメタクリレートとモノマーのn−ブチルアクリレートとを共重合することから作製されるポリマー、またはスチレンアクリレート、シアネートエステルおよびエポキシドに基づくポリマー)が使用され得る。上記支持体において形状記憶材料が使用されるいくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、移植前および移植の間に圧縮された状態、および移植後に拡大された状態を有し得る。形状記憶材料を含む圧縮された状態の支持体の使用は、より小さい切開を可能にし、狭まるかまたは圧縮されたシュレム管への挿入を容易にし得る。一旦移植されると、上記支持体は、任意の適切な方法(例えば、体温または代わりの熱源によって、熱により活性化される)を用いて拡大されて、拡大された状態を取ることができ、それにより上記管を開ける。
【0108】
上記支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤(例えば、薬(pharmaceutical))を含み得る。例えば、支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤のための貯蔵所(depot)として機能する1つまたはそれより多くの材料を含み得る。このような材料の例としては、眼内レンズについて、眼において試験されたもの(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、シリコーンポリマー、ヒドロゲル、アクリルポリマー、金属(例えば、金)、および合金(例えば、形状記憶合金(例えば、ニチノール)、超弾性合金など)が挙げられる。例示的な活性薬剤としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子(例えば、組織成長因子および血管内皮成長因子)、代謝拮抗物質、化学療法剤(例えば、マイトマイシン−C)、5−フルオロウラシル、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、成長因子のアンタゴニスト(例えば、血管内皮成長因子のアンタゴニスト)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。活性薬剤は、支持体の少なくともある部分上のコーティングとして提供され得る。活性薬剤は、溶解または他の分散メカニズムによって、眼の至るところに送達され得る。あるいは、支持体の少なくともある部分は、活性薬剤で浸透させられ得る。いくつかのバリエーションにおいて、活性薬剤は、支持体の少なくともある部分中に分散され得る。例えば、上記支持体中の空洞が、上記活性薬剤で満たされ得る。
【0109】
活性薬剤の送達は、徐放によって制御され得る。例えば、活性薬剤を含む、支持体の構成部分は、上記活性薬剤を特定の期間にわたって徐々に放散するように設計された徐放性のコーティングまたは徐放性の処方物を含み得る。活性薬剤の徐放のための生分解性のコーティングおよび処方物は、当該分野において公知である。特定のバリエーションにおいて、支持体は、複数の層を含み得、ここで上記層はそれぞれ、活性薬剤を含む。例えば、支持体の層は、一連の異なる薬剤、または同じ薬剤の一連の用量を放出するために使用され得る。このような層は、支持体または支持体本体の一部分に適用されるコーティングの一部分であり得る。さらに、支持体は、活性薬剤を一切含まない1つまたはそれより多くの生分解性の層を含み得、そしてその層は、他の層間に適用されるか、または他の層の間を占めて、眼への活性薬剤の送達をさらに制御し得る。
【0110】
いくつかのバリエーションにおいて、電磁放射線を用いて支持体を変化させるかまたは変更することが望ましい場合がある。例えば、支持体の少なくともある部分は、穴が開けられ、穿孔され、曲げられ、形作られ、またはレーザーを用いて整形されて、眼内圧の低減を高め得る。図23に例示されるように、支持体122の予め決められた局在化構成部分120は、特定の波長または波長範囲の光を吸収するように設計され得る。優先吸収は、例えば、材料選択によって、および/または発色団でドーピングすることによって、達成され得る。選択された波長または波長範囲における十分なエネルギーで照射すると、模様のある(patterned)領域120は、剥離または融解し得、上記支持体において新しいまたは細長い、穿孔またはへこみがもたらされる。例えば、約750nmと約800nmとの間で働く、パルス(pulsed)チタンサファイアレーザーが、金の領域(gold region)を剥離するために使用され得る。支持体120中のビーズ126が中空である場合、次いで照射および剥離後、形体(feature)120は、穴になり得る。上記穴は、現実には支持体122をより有孔にするために、および/または支持体内から(例えば、ビーズ126内から)活性薬剤の放出を可能にするために作り出され得る。あるいは、または加えて、支持体を変更するために電磁放射線と組み合わせてマスクを使用することは可能であり得る(例えば、パターン加工、または機械加工によって)。電磁放射線を用いる支持体の改変は、挿入の前および/または挿入の後に実施され得る。
【0111】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体の視覚的出現は、上記支持体の配置(placement)を容易にするため、または位置および/もしくは状態をモニターするために、特定の条件下で高められ得る。視覚的強化は、上記支持体内または上記支持体上に、光源で励起すると蛍光を発するか、またはりん光を発する発色団を組み込むことによって達成され得る。発色団はまた、例えば、隅角鏡を用いて、手術後に上記支持体の位置を確かめることにおいて、臨床医を援助し得る。光源は、レーザー、ランプ、および発光ダイオードを含み得る。いくつかの例において、励起源の波長を選択するため、または放射を検出もしくは調べるために透過フィルターまたは吸収フィルターが使用され得る。視覚的強化が可能である支持体からの放射は、約300nm〜約800nmの波長範囲にあり得る。上記発色団は、上記支持体を構成し、支持体材料にドーピングされ、または上記支持体上にコーティングされるか、もしくはスプレーされる、上記材料の一体形の構成要素であり得る。視覚的に高める発色団は、一時的な基準で、または永久的な基準で適用され得る。適切な発色団の例は、約400nm〜約500nmで放射する任意のレーザーまたはランプで励起され得るフルオレセインである。さらに、りんベースの化学発光または光輝性の色素が使用され得、それは可視スペクトルにわたる種々の波長で吸収するように選択され得る。
【0112】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、組織に付着させることが可能であり得る。例えば、上記支持体は、容易に組織に付着させ得るフック、ループ、クリップ、継足し(extension)または同様のものを含み得る。上記支持体はまた、縫合糸または接着剤を用いて、組織に付着させ得る。上記支持体は、1つ超の付着方法を用いて組織に付着させ得る。例えば、縫合する工程がループと組み合わせて使用され得、そして/または接着剤がフックと組み合わせて使用され得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管における自己の位置決め(self−position)を可能にし得る。例えば、支持体(例えば、螺旋形またはねじられた支持体)は、上記支持体が、1つの形状(例えば、実質的にまっすぐおよび細長い)で上記管に挿入されること、および上記管内でそれ自体を再配置するように調整する(例えば、螺旋形またはねじられた形状へ)ことを可能にする、1つまたはそれより多くの材料(例えば、形状記憶材料)を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内で可動性であり得る。
【0113】
キット
眼内圧を低減するためのキットが提供され、ここで上記キットは、シュレム管内に円周方向に移植することが可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る、少なくとも1つの支持体を含む。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得、そして/あるいは上記管を横切る、経壁の、もしくは経管の流れ、ならびに/または上記管内での長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。上記キットはまた、上記管に上記支持体を移植するための導入器または送達デバイスを提供し得る。上記支持体および導入器は、上記キットにおいて包装された組み合わせで提供され得る。上記キットはまた、使用のための指示を含み得る(例えば、上記支持体を移植および検査するための)。
【0114】
導入器は、眼に挿入され得、シュレム管内の所望される移植位置に支持体を移植することが可能であり得る。例えば、導入器は、支持体が通り抜け得る管状のカニューレを含み得る。カニューレの他に、導入器は、シュレム管内および/またはシュレム管にわたって、上記支持体を押し出すかまたは前進させるために使用され得る管状または中身が詰まった押し出し棒(pusher rod)を含み得る。あるいは、上記管に支持体を導入するためのカニューレなしで、押し出し棒またはプランジャーが使用され得る。支持体は、挿入前にカニューレの管腔内に取り付けられ得、カニューレの遠位末端は、所望される支持体の場所に置かれるか、またはその近くに置かれ得、上記押し出し棒が近位末端から操作されて、上記支持体を、上記カニューレの遠位末端から遠位方向に押し出し、そして上記管に押し込む。上記カニューレおよび/または押し出し棒は可撓性であって、上記管にわたって少なくとも部分的に広がるのに十分に直径が小さくてよい。いくつかのバリエーションにおいて、縫合糸の近位末端は、カニューレを介して上記管に導入され得、上記縫合糸は、上記管にわたって円周方向に広がり得る。上記縫合糸の遠位の構成部分は、上記支持体と接続され得、上記縫合糸の近位末端に、上記支持体を上記管に引っ張るための力がかけられる。上記支持体は、次に、遠位または近位方向に上記縫合糸を引っ張ることによって、上記管内に置かれ得る。上記縫合糸は、上記支持体を上記管内にしっかり固定するために使用され得る。他のバリエーションにおいて、上記支持体は、外科用鉗子または同様のものを用いて、直接的に上記管に導入され得る。
【0115】
図24A〜24Dは、支持体をシュレム管に導入するためのさらなるバリエーションを例示する。図24Aに示されるように、支持体200は、注射器202およびプランジャー204を用いて、上記管内に導入され得る。注射器202は、上記管中の開口部に少なくとも部分的に挿入され得る遠位末端206、またはその開口部に隣接して置かれ得る遠位末端206を有する。遠位方向の力は、プランジャー204にかけられ得、それにより支持体200を上記管に押し込むことができる。図24Bおよび24Cに関して、ガイドエレメント210の遠位末端208は、上記管内に少なくとも部分的に導入され得る。ガイドエレメント210は、ガイドワイヤーを含み得る。ガイドエレメント210は、上記管に沿って円周方向に広がって、上記支持体の位置決めを手助けし得る。支持体212は、ガイドエレメント210を収容することが可能な中心穴218を含み、その結果、支持体212は、ガイドエレメント210上に通され、上記ガイドエレメントに沿って滑ることができるように置かれ得る。一旦支持体212の遠位末端209がガイドエレメント210上に通されると、支持体212は、ガイドエレメント210に沿って遠位方向に押し出されて、支持体212を上記管内に挿入し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体212は、ガイドエレメント210上に通されたままであり得、ガイドエレメント210は、上記管中に残り得る。他のバリエーションにおいて、支持体212は、ガイドエレメント210の遠位末端208から滑って外れ得、上記ガイドエレメントは、除去するために、近位方向に引っ張られ得る。図24Cおよび24Dに関して、プランジャー204を有する注射器202が、ガイドエレメント210と組み合わせて使用され得る。このバリエーションにおいて、ガイドエレメント210の遠位末端208は、少なくとも部分的にシュレム管内に挿入され得る。ガイドエレメント210は、上記管に沿って円周方向に広がって、上記支持体の位置決めを手助けし得る。支持体212は、ガイドエレメント210を収容することが可能な中心穴218を含む。ガイドエレメント210の近位末端211は、穴(bore)218に挿入され得る。プランジャー204は、支持体212を上記管に押し込み、エレメント210に沿って支持体212を滑らせるために遠位方向に押し下げられ(depressed)得る。ガイドエレメント210は、上記管中に残り得るか、または上記支持体の挿入後に除去され得る。支持体200および212は、それらが上記管に押し込まれるときに遭遇する力によく耐えるのに十分弾力があり得る。
【0116】
いくつかのバリエーションにおいて、位置決めデバイスが、上記管内に上記支持体を位置させるため、または調整するために上記導入器とともに使用され得る。位置決めデバイスは、棒、グリッパー、クランプ、フック、または同様のものを含み得る。特定のバリエーションにおいて、支持体の挿入を容易にするために上記管を拡張することが可能なデバイスまたはシステムが、上記キットに含まれ得る(例えば、流体を上記管内に注入することが可能な注射器または他のデバイス)。
【0117】
いくつかのバリエーションにおいて、上記キットは、少なくとも2つの支持体を含み得る。複数の支持体は、1つの眼内に、または複数の眼内に移植され得る。上記キットが複数の支持体を含む場合、上記キットはまた、複数の導入器を含み得る。あるいは、特に複数の支持体が単一の眼に送達されつつある場合、同じ導入器が、上記複数の支持体を移植するために使用され得る。複数の支持体が同じ導入器で送達されるべき場合、次いで上記複数の支持体は、滅菌性のために導入器に予め入れられ得る。1つ超の支持体がキットに含まれる場合、上記支持体は、異なる形、サイズ、長さ、または材料のものであり得る。上記キットが、単一の眼に移植されるべき1つ超の支持体を含む場合、上記支持体は、一緒に接続され得る。
【0118】
上記キットは、1つまたはそれより多くの活性薬剤(例えば、薬学的薬剤)を含み得る。上記活性薬剤(複数可)は、上記支持体の一体形の一部分として含まれ得るか、または移植の間もしくは移植後に上記支持体もしくは眼への適用するためのキット中に供給され得る。上記キットの一部分として供給され得る活性薬剤の例としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子(例えば、組織成長因子または血管内皮成長因子)、代謝拮抗物質、化学療法剤(例えば、マイトマイシン−C)、5−フルオロウラシル、ステロイド、成長因子のアンタゴニスト(例えば、血管内皮成長因子のアンタゴニスト)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0119】
上記キットは、支持体を組織に付着させるための固定デバイスを含み得る。このような固定デバイスは、縫合糸、フック、とがった部分(barb)、クリップ、接着剤、およびそれらの組み合わせを含み得る。さらに、上記キットは、支持体の調査(viewing)、位置決め、およびモニタリングを容易にするために、上記支持体を視覚的に高めるためのシステムを含み得る。上記支持体を視覚的に高めるためのシステムは、光源、透過フィルターもしくは吸収フィルター、鏡、上記支持体に適用され得る蛍光を発するか、もしくはりん光を発することが可能な発色団を含む組成物、またはそれらの組み合わせを含み得る。発色団は、例えば、隅角鏡を用いて、手術後に上記支持体の位置を確かめることにおいて、臨床医を援助し得る。上記光源は、上記支持体内または上記支持体上に含まれる発色団を励起することが可能であり得、その結果、上記発色団は、蛍光またはりん光を放射する。上記放射は、好ましくは約300nm〜約800nmの波長範囲内にある。このようなシステムのための適切な光源は、レーザー、発光ダイオード、またはランプを含み得る。いくつかの例において、透過フィルターまたは吸収フィルターが、上記励起源の波長範囲をさらに選択するため、または発色団からの放射を調べるもしくは検出するために使用され得る。1つもしくはそれより多くの鏡が、光源もしくは放射された光を導くため、または上記支持体を調べるために使用され得る。
【0120】
使用方法
眼内圧を低減するための方法がまた提供される。一般に、上記方法は、支持体をシュレム管内の少なくともある部分に円周方向に挿入する工程を含み得、その結果、上記支持体は、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持する。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよい。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管を横切る、経壁の、もしくは経管の流れ、および/または上記管に沿った長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。
【0121】
上記方法は、導入器および/または位置決めデバイスを用いて、支持体をシュレム管内に、円周方向に挿入する工程を含み得る。上記導入器は、カニューレ、および管状もしくは中空の押し出し棒、または前進ワイヤー(advancing wire)を含み得る。上記カニューレは、例えば、上記カニューレが上記線維柱帯を切り抜けること(例えば、切り出しの場合)および/またはシュレム管内に導入されること(例えば、切り出しのアプローチおよび切り込みのアプローチについて)を可能にする、鋭利な(cutting)、斜めに切られたおよび/または先細になった(tapered)先端を有する遠位の出口ポート(exit port)を含み得る。上記支持体は、上記カニューレの管腔内にその遠位末端において取り付けられ得、上記押し出し棒は、上記カニューレの管腔内にその近位末端において挿入されて、遠位方向に広がって、上記支持体を上記管中の位置に押し込み得る。いくつかの例において、上記カニューレおよび/または上記押し出し棒は可撓性であって、上記管にわたって円周方向に少なくとも部分的に広がるのに十分に直径が小さくてよい。上記方法のいくつかのバリエーションにおいて、導入器の他に位置決めデバイスが使用され得る。上記位置決めデバイスは、第二の棒、グリッパー、フック、クランプ、または同様のものを含み得る。シュレム管への送達または前進の制御は、眼の外側から操作可能であり得るより近位の制御を介し得る。
【0122】
特定のバリエーションにおいて、上記方法は、支持体が蛍光を発するか、またはりん光を発することを引き起こすために上記支持体を光源で照らし、従って上記支持体の視覚的出現を手助けする工程を含み得る。上記支持体の照明(illumination)は、上記支持体を検査するために(例えば、その位置、状態および/または性能をモニターするために)、移植の間および/または移植後に実施してよい。
【0123】
いくつかの例において、上記方法はまた、上記支持体の挿入前および/または上記支持体の挿入の間にシュレム管を拡張する工程を含み得る。上記管の拡張は、流体を上記管内に注入することによって達成され得る。例えば、高粘性の流体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、または他の粘弾性物質、または当該分野において公知である他の拡張流体(dilating fluid)が、上記管を拡張するために使用され得る。例として、いくつかのバリエーションにおいて、流体(例えば、粘弾性流体)が、まずシュレム管を拡張するために使用され得、次に上記支持体は、上記管内に送達され得る。別の例として、特定のバリエーションにおいて、支持体は、流体(例えば、粘弾性流体)中にパッケージされ得、上記流体と同時にシュレム管内に送達され(例えば、注入され)得る。さらなる例として、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内に送達され得、流体(例えば、粘弾性流体)は、上記支持体の送達後に上記管内に送達され(例えば、注入され)得る。これらの場合において、上記流体は、例えば、シュレム管の内部に沿って上記支持体を押す助けとなり得る。
【0124】
上記方法は、1つ超の支持体を眼に移植する工程を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、2つまたはそれより多くの支持体を、上記管内で互いに円周方向に隣接して移植する工程を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、支持体を上記管内で円周方向に互いに向かい合わせて移植する工程を含み得る(例えば、シュレム管の範囲にわたって約180°離れて集まる2つの支持体)。上記方法のいくつかのバリエーションは、単一の眼において複数の支持体を一緒に接続する工程を含み得る。
【0125】
いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体をシュレム管を取り囲んでいる組織にしっかり固定する工程を含み得る。上記支持体を組織にしっかり固定する工程は、多様な手法(例えば、縫合することによって、接着剤の適用、フック、クリップ、もしくは同様のものの取り付け、またはそれらの組み合わせ)で達成され得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体のサイズを選択する工程を含み得、その結果、上記支持体は、摩擦ばめによって上記管内にしっかりと合う。摩擦ばめで移植され得る弓形の支持体の例は、図11A〜11Cに例示される。
【0126】
ここで記載される上記方法はまた、電磁放射線を用いて上記支持体を変更する工程を含み得る。例えば、支持体は、特定の波長範囲を優先的に吸収することが可能な領域を含み得る。十分なエネルギーを有する適切な波長範囲の電磁放射線が、上記支持体上に投射されるとき、優先的に吸収する領域における材料は、融解または剥離し得、上記支持体におけるそれらの領域において穿孔またはへこみをもたらす。例えば、金の上に投射する約750nm〜約800nmにおけるパルスチタンサファイアレーザーの放射は、上記金の融解または剥離を引き起こし得る。電磁放射線を用いる支持体の変更は、上記支持体の移植前または上記支持体の移植後に実施してよい。例えば、支持体が、排液を高めるためにある期間、眼に残った後に、上記支持体に穴が作られるか、または拡大され得る。
【0127】
ここで記載される上記支持体の送達は、適宜、内側のアプローチ(切り出し)または外側のアプローチ(切り込み)を含み得る。
【0128】
いくつかのバリエーションにおいて、外側のアプローチは、シュレム管が直接的に可視化されるまで、強膜からそこまで切り下げることによって、シュレム管へのアクセスを達成する工程を含み得る。上記支持体は、次に、移植され得る。例えば、結膜は、切開され得、強膜の弁が作り出され得る。シュレム管は、露出され得、直接的に可視化され得る(例えば、顕微鏡下で)。内側のアプローチについて、記載されたのと同じ送達システムが使用され得る;しかし、上記外側のアプローチは、線維柱帯を切り抜くことを必要としないことがある。
【0129】
特定のバリエーションにおいて、内側のアプローチは、角膜、最も前方の強膜、または角強膜接合部(すなわち、角膜輪部)において、全層切開を作り出すことによって、シュレム管へのアクセスを達成する工程を含み得る。内視鏡的可視化、隅角鏡的可視化および顕微鏡的可視化の組み合わせ、または顕微鏡的可視化だけにおいて、鋭利な刃または針、および支持体または支持体を含む送達デバイスは、前房を通過して線維柱帯に至り得る。上記線維柱帯は、次に、穴を開けられるか、または切開されて、シュレム管の基礎をなす管腔へ最終的に入ることを可能にし得る(例えば、針または刃で穴(hole)を切り出すこと、レーザーで穴(hole)を作り出すこと、電流で穴(hole)を作り出すこと(すなわち、電気電気焼灼)、上記支持体および/もしくは送達デバイスの先端で穴(hole)を作り出すこと、ならびに/または送達カニューレであって、その遠位の先端に鋭利な表面を有する、送達カニューレを用いることによって)。例として、鋭利な表面を有するトロカールが、線維柱帯に穿孔するために使用され得、ガードまたは止め具が、過度の挿入を防ぐために使用され得る。別の例として、移植物の送達のためのカニューレは、支持体移植のため、上記管内で上記カニューレを部分的または完全に前進させる前に、線維柱帯に穴を開けるための鋭利な、先細になったおよび/または斜めに切られた先端を同様に有し得る。カニューレが使用される場合において、上記カニューレは、任意の適切な量(上記支持体の0ミリメートルから全長またはそれより多く)で、シュレム管内に挿入され得る。上記支持体は、次いで、移植され得る。レーザーが用いられる場合は、任意の適切なレーザーまたは複数のレーザーが使用され得、このレーザーとしては、308nm Xenon Chlorideエキシマーレーザー(例えば、光ファイバーを介して送達される)が挙げられるが、これに限定されない。
【0130】
上記管へのアクセスを達成すると、直接的な可視化(すなわち、外側のアプローチを用いる)によって、または線維柱帯に穴を開ける(すなわち、内側のアプローチを用いる)ことによってのいずれかで、上記支持体の移植は進行し得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、比較的容易な送達を提供する比較的まっすぐな形態で送達され得る。上記支持体は、異なる形(例えば、記憶および温度によって指示される)を後に呈し得る。移植は、多様な異なるアプローチのうちのいずれか、またはそれらの組み合わせを用いて達成され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、上記支持体をつかむが、それを損傷しないために鉗子または専門の器械を用いて、直接的にシュレム管に押し込まれ得る。特定のバリエーションにおいて、および前に言及されるように、支持体は、シュレム管内を部分的または完全に前進させられ得る、カニューレに含まれ得る。
【0131】
支持体の送達は、例えば、カニューレが使用される場合に、眼に対して外側であって、外科医および/または外科スタッフによって操作される、手動制御または近位送達制御を用いて達成され得る。上記制御は、例えば、ハンドヘルドアクチュエーター(handheld actuator)メカニズムの形態であり得る。支持体が、カニューレから送達されるとき、いくつかのバリエーションにおいて、上記カニューレの丁度先端が、シュレム管に置かれ、上記支持体は押し出される。特定のバリエーションにおいて、カニューレから支持体を送達するために、押し出し−引っ張り(push−pull)メカニズムが使用され得、ここで上記カニューレは、引っ張られ、上記支持体は、同時に押し出される。支持体を送達するために使用され得る道具の他の非限定的な例としては、注射器または押し出しワイヤーと組み合わせた注射器が挙げられる。カニューレおよび/または送達された支持体は、上記管にわたって0o〜360oに広がり得る。
【0132】
上記支持体は、次に、その支持体を上記管中のその静止場に押し出す、押し出しワイヤーによって送達され得、上記カニューレは、ゆっくり引き抜かれ得るが、上記押し出しワイヤーは、上記支持体をその場に保持し得、結局は、上記支持体が露出され、上記管内での静止をもたらす。あるいは、または加えて、カニューレから上記支持体を強制的に出すために、流体圧力が使用され得る。上記支持体は、例えば、流体の方向圧力(directional pressure)を捕捉するために(例えば、帆のように)、遮断エレメントをその末端に有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、押し出しワイヤーは、ねじのメカニズムを有し得、それにより、単純な押し出しよりもむしろ、ねじる動きを用いて上記支持体が押し込まれるのを可能にする(例えば、比較的制御された送達を提供する)。特定のバリエーションにおいて、カニューレから支持体を放出するために解放メカニズムが使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、カニューレまたは支持体は、送達を容易にするため、シュレム管の狭まった領域を拡張するため、および上記管を遮断する中隔を通して穴を開けるために、先細になった先端を有し得る。
【0133】
カニューレが使用される送達方法の特定のバリエーションにおいて、粘弾性または他のタイプの溶液、または薬物、または色素(例えば、蛍光色素)が上記カニューレから注入され得る。
【0134】
本明細書中に記載される支持体の送達に使用されるカニューレは、いくつかの場合において、鈍い、鋭くされた、先細になった、もしくは斜めに切られた先端、または鋭利な表面もしくは部分的に鋭利な表面を有する先端、あるいはこれらおよび/もしくは任意の他の適切な特徴の組み合わせを有し得る(例えば、シュレム管内への挿入を容易にするために)。カニューレは、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))および/またはポリマー(例えば、透明なポリカーボネートもしくはポリプロピレン、または任意の他の適切なポリマー)から作製され得る。特定のバリエーションにおいて、カニューレは、上記カニューレが過剰に入ることを防ぐように配置される1つまたはそれより多くのエレメントを(例えば、上記カニューレの遠位末端に)含み得る。換言すると、上記エレメントまたは複数のエレメントは、上記カニューレが上記線維柱帯に穿孔するが、シュレム管を超えて行かないこと、およびシュレム管に損傷を引き起こさないことを可能にする(基本的に、シュレム管内へ入ることのみを可能にする)。例えば、斜めに切られた先端を有するカニューレが、上記線維柱帯を通して穴を開けるために使用され得、その結果、その斜角部(bevel)は、完全にシュレム管内にある。しかし、上記カニューレ上のくぎ、ピン、またはこぶ(または他のエレメント(例えば、大きく開く特徴または先細の特徴))は、さらなる挿入を防ぎ得る。いくつかの場合において、カニューレは、挿入の程度を示すための印を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、エレメントまたは複数のエレメントは、上記カニューレが、制御された挿入の長さまでだが、さらに前進するのを可能にし得る(例えば、それは上記支持体の長さと同等である)。特定のバリエーションにおいて、カニューレは、染められるか、または色をつけられ得、そして/または蛍光を発し得る(例えば、可視性を高めるために)。カニューレは、任意の適切な寸法を有し得、いくつかの場合において、2インチもしくは3インチまでの長さ、10ミクロン〜800ミクロンの外径、および/または20ミクロン〜780ミクロンの内径を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、カニューレは、予め湾曲させられ得る。ここで記載される上記方法での使用のためのカニューレはまた、可撓性であり得る。
【0135】
送達の間のいくつかの場合において、支持体は、上記支持体の管腔に適合し得るガイドワイヤー上か、または上記支持体の長さに沿った周期的な穴を通り得るガイドワイヤー上を通され得る。上記ガイドワイヤーおよび支持体は、一緒に同時に挿入され得るか、または上記ガイドワイヤーが、まず挿入された後、その上を上記支持体が移動し得る。支持体を送達するために使用され得る道具および技術のさらなる非限定的な例としては、鉗子およびプルスルー(pullthrough)技術が挙げられる。
【0136】
方法のいくつかのバリエーションにおいて、シュレム管の内側表面と接触するように配置される支持体のエレメントまたは形体は、上記エレメントまたは形体の1つもしくはそれより多くが上記管の集合管の1つもしくはそれより多くを遮断する見込みを低減するような様式で間隔を置き得る。特定のバリエーションにおいて、シュレム管内に送達する間および/またはシュレム管内に送達した後、支持体は、集合管の妨害を制限または防ぐために、回転されるか、またはそうでなければ動かされ得る。送達の正確さおよび配置(placement)は、1つまたはそれより多くの画像化技術(例えば、超音波検査法、X線撮影技術、X線蛍光透視法、および/または他の高分解能画像化技術(例えば、高分解能超音波検査法)、ならびにインターベンション(interventional)技術(例えば、コントラスト材料もしくはコントラスト色素、または蛍光材料もしくは蛍光色素を用いること)を用いてモニターされ得る。
【0137】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、いくつかの利益を提供し得る、1つまたはそれより多くの生体適合性材料、溶解可能材料、または生体吸収性材料を用いて少なくとも部分的にコーティングされ(例えば、埋め込まれ)得る。可能性のある利益としては、眼への外傷をより少なくして上記支持体を送達すること(例えば、上記支持体の挿入に関連し得る任意の外傷を最小限にするためにシリコーンコーティングを提供すること)、移植の間、繊細な支持体構造を保護すること、ならびに押し出しおよび/または挿入に対する、より大きな送達円柱強度(delivery column strength)を提供すること、ならびに/または送達の間の上記支持体の可視性を高めること(例えば、上記材料は、色がつけられ得るか、発色団を含み得るか、蛍光を発し得る)が挙げられ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記コーティングは、1つまたはそれより多くの物質のためのキャリアまたは貯蔵所として役立ち得る。特定のバリエーションにおいて、上記コーティング材料(複数可)は、抗緑内障薬剤(例えば、圧力を低減するため)、抗線維化薬および/または代謝拮抗物質(例えば、瘢痕を低減するため)、または抗炎症剤(例えば、炎症および/または痛みを低減するため)のような治療剤(例えば、薬物)を含み得る。抗炎症剤の例としては、ヘパリン、マイトマイシン、5−フルオロウラシル、代謝拮抗物質、および非ステロイド性抗炎症剤が挙げられる。抗緑内障薬剤の例としては、プロスタグランジン、β遮断薬、α−アドレナリン作用性アゴニスト、炭酸脱水酵素インヒビター、および縮瞳薬が挙げられる。上記材料(複数可)は、自前で、または加速された様式(例えば、外部のエネルギー源を用いて)で吸収し得る。特定のバリエーションにおいて、支持体の先端またはコーティングは、挿入後、特定の期間内に(例えば、数時間、数日、数週間、または数ヶ月)吸収され得る薬物を含む1つまたはそれより多くの生体吸収性材料を含み得る。
【0138】
複数の支持体がシュレム管内に送達される場合において、上記支持体のうちのいくつか、もしくは全ては、同じ手順で送達され得るか、または支持体は、2つもしくはそれより多くの異なる手順で送達され得る。例えば、1つまたはそれより多くの支持体は、第一の手順を用いて眼に送達され得、1つまたはそれより多くの支持体は、後の日付(例えば、1日後、1週間後、1ヶ月後、1年後、2年後、3年後、4年後、5年後など)に実施される第二の手順を用いて同じ眼に送達され得る。
【0139】
いくつかの場合において、本明細書中に記載される1つまたはそれより多くの支持体は、シュレム管に移植され得、後の日付に1つまたはそれより多くの他の処置(例えば、手術、薬(medicine))が続き得る。本明細書中に記載される支持体の使用は、後の手順(例えば、後のエキシマーレーザートラベクロストミー(trabeculostomy)、レーザートラベクロプラスティ、および他の手術)の効力を有利に改善し得、また、後の日付に使用される薬剤の効力を改善し得ることが考えられる。
【0140】
作製方法
任意の適切な方法が、本明細書中に記載されるデバイスを作製するために使用され得る。例えば、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、基材をねじることによって形成され得る(例えば、リボン部材)。上記基材は、例えば、マンドレルを取り巻いてねじられ得る。いくつかの場合において、上記基材の一方の末端は、道具(例えば、万力)によって保持され得るが、上記基材の他方の末端は、上記基材をねじるために回転する別の道具(例えば、同様の万力)によって保持されるか、またはつかまれる。本明細書中に記載されるデバイスを形成するために使用され得る方法の他の非限定的な例としては、レーザーエッチング、リソグラフィー、および射出成形が挙げられる。例として、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、リソグラフィー金属析出プロセス(lithography metal deposition process)を用いて作り出され得る。別の例として、特定のバリエーションにおいて、支持体は、ポリマーを前もって造られた型に射出することによって形成され得る。
【0141】
シュレム管での使用のためのデバイス、方法、およびキットはまた、例えば、米国特許出願第11/475,523号(US2007/0298068A1として公開された)において記載され、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0142】
本発明のデバイス、方法、およびキットが、例示として、いくらかの詳細において記載されているが、このような例示は、理解の明快さの目的のためのみである。添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲から外れることなく、特定の変化および改変がそれになされ得ることが、本明細書中の教示に照らして、当業者に容易に明らかである。
【0143】
例として、上記デバイス、方法、およびキットは、眼内圧を低減するために非ヒトの目に適用され得ることが想定される(例えば、イヌ、ネコ、霊長類、またはウマにおいて)。
【0144】
別の例として、本明細書中に記載されるデバイスは、シュレム管内全体またはシュレム管内に部分的にのみに置かれ得る。いくつかのバリエーションにおいて、デバイスは、眼の前房内に広がるか、または突出するように置かれ得る。例えば、特定のバリエーションにおいて、デバイスは、図14Aおよび14Bの支持体1400のような形状を有し得るが、使用の間に上記支持体が、眼の前房内に突出することを可能にする、曲げられた、または湾曲させた領域をさらに含み得る。本明細書中に記載されるデバイスは、任意の適切な様式で上記デバイスを置くために使用され得る、任意の適切な数の曲げられた、または湾曲させた領域を含み得る。
【0145】
いくつかのバリエーションにおいて、以前に記載されたものと同様であるか、または同一である支持体を含むデバイスが、バイパス機能を提供するために使用され得る(例えば、房水の、経壁の、経管のおよび/または長手方向の流れを維持または修復することの他に)。いくつかのこのようなバリエーションにおいて、術者(例えば、外科医)は、上記支持体を完全には挿入しない場合があり、それにより、上記支持体の近位の構成部分が前房に置かれることを可能にし得る(それにより、バイパスとして役立つ)。特定のバリエーションにおいて、支持体の送達後、上記支持体の遠位末端(それは、シュレム管の内側である)は、フックまたは握りデバイス(grasping device)に係合し(上に重なっている線維柱帯の小さい一部分を裂いて)、前房に対して内に曲げられて、上記支持体にバイパス機能を提供し得る。上記支持体の近位末端は、シュレム管内に完全には挿入されてない場合があり、それにより、すでにバイパス機能の働きをし得る。あるいは、上記近位末端は、完全に挿入されている場合がある。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、0°と180°との間の角度(例えば、90°)で、線維柱帯を横切って、前房内へと、シュレム管から突出するように配置される、近位末端および/または遠位末端を含み得る。例えば、上記支持体は、「L」の形を有し得る。上記支持体の近位末端は、バイパス機能を果たし得、例えば、約10ミクロンと約3ミリメートルとの間の寸法があり得る。上記近位末端は、上記支持体の本体と同じ形もしくは形状を有し得るか、または異なる形もしくは形状を有し得る。いくつかの場合において、上記近位末端は、コイルの形態であり得るか、または管状もしくは部分的に管状であり得る。上記支持体が「L」の形もしくは同様の形を有するバリエーションにおいて、上記支持体は、本明細書中に記載されるカニューレもしくは他の送達デバイスのうちの1つもしくはそれより多くを用いてパッケージされ得、そして/または送達され得る(例えば、形状記憶の結果として、カニューレまたは送達デバイスを出ると曲がって)、あるいはカニューレもしくは他の送達デバイスは、上記支持体の近位のバイパス構成部分を収容するために切り開かれ得る。
【0146】
さらなる例として、いくつかの場合において、シュレム管を引き伸ばすことが望ましい場合がある。このような場合は、デバイスは、上記管内に置かれるときに、このような引き伸ばしを達成するように、配置され(例えば、ある寸法に作られ、形作られ)得る。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2010年2月5日に出願された、米国仮特許出願第61/301,874号の利益を主張し、その開示は、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0002】
分野
本明細書中に記載されるデバイス、キット、および方法は、一般に、眼内圧低減に関する。より具体的には、上記デバイス、キット、および方法は、シュレム管を横切る流体の流れ、またはシュレム管内での流体の流れ(例えば、経管の(transluminal)流体の流れ、経壁の(transmural)流体の流れ、および長手方向の(longitudinal)流体の流れ)を実質的に妨げることなく、眼内圧を低減し得る、シュレム管に移植可能な眼内移植物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
緑内障は、世界中で何百万という人に影響を及ぼす潜在的な失明病である。代表的に、緑内障は、眼内圧の上昇によって特徴付けられる。眼圧の増加は、未処置のままにした場合、永久的な視力喪失をもたらし得る、視神経への損傷を引き起こし得る。眼内圧の一貫した低減は、緑内障に関連する視力の進行性の喪失を遅らせるか、または停止し得る。さらに、患者が、緑内障をもたらしそうな症状(例えば、多少上がった眼内圧)を示すが、まだ視神経損傷の兆候を示していないとき、彼らは、しばしば前緑内障および高眼圧症と診断される。緑内障、前緑内障、および高眼圧症のための処置は、主として眼内圧の低減に努めるものである。
【0004】
眼内圧の増加は、眼からの流体(房水)の最適以下の排出(efflux)または排液(drainage)によって引き起こされる。房水または流体は、眼において連続して補充される澄んだ無色の流体である。房水は、毛様体によって生じ、次に、主として眼の線維柱帯を介して流れ出る。上記線維柱帯は、前房隅角、または排液隅角(drainage angle)において眼を取り巻いて円周方向に(circumferentially)広がり、それは周辺虹彩(peripheral iris)または虹彩根部、前強膜(anterior sclera)または強膜岬と、周辺角膜(peripheral cornea)との間の交点(intersection)において形成される。上記線維柱帯は、一般に線維柱帯の外側の境界を取り囲んでいる狭い円周方向の(circumferential)通路であるシュレム管へと、外へ向かって供給する。シュレム管は、眼の主な排液管(drainage vessel)である。シュレム管を取り巻いて位置し、シュレム管から放射状に広がるのは、排液された流体を受ける、房水静脈または集合管である。房水の正味の排液または排出は、流出能の低下、線維柱帯およびシュレム排液装置(apparatus)の管を介した流出量の低下、上強膜静脈圧の増加、または場合により房水の産生の増大の結果として、低減され得る。眼からの房水の流出は、線維柱帯および/またはシュレム管における妨害物、または収縮によって制限され得る。このような流れが、遮断されるとき、眼圧(ocular pressure)の増加という結果になり得る。眼内圧の増加は、シュレム管の崩壊をもたらし得る。これは、次には、眼内圧の劇的なさらなる増加、および結局は、緑内障の発症をもたらし得る。
【0005】
緑内障、前緑内障、および高眼圧症は、現在、1つまたはそれより多くのモダリティ(投薬、切開手術、レーザー手術、冷凍手術、および手術の他の形態が挙げられる)を用いて眼内圧を低減することによって処置され得る。米国において、投薬および医学的療法は、代表的に、療法の第一線である。医学的療法が、十分に有効ではない場合、より侵襲的な外科的処置が使用され得る。他の国(例えば、社会化した医学的システムを有する、または国営化した健康管理システムを有する国)において、手術がより費用効果の高い処置と考えられる場合、それが療法の第一線であり得る。
【0006】
眼内圧を低減するための標準的な切開手術の手順は、トラベクレクトミー(trabeculectomy)、または濾過手術である。この手順は、房水のための新しい排液部位を作り出すことに関与する。線維柱帯を介して天然に排液する代わりに、新しい排液経路が、排液隅角における強膜および線維柱帯のある部分を除去することによって作り出される。これは、結膜の血管およびリンパ管によって排液される、前房と結膜下の空間との間に開口部または通路を作り出す。その新しい開口部は、強膜および/または結膜(conjuctiva)に覆われて、房水が流出できる濾過胞と呼ばれる新しいレザバーを作り出す。しかし、トラベクレクトミーは、長期および短期のリスクの両方を有する。これらのリスクとしては、瘢痕を介した、手術により作り出された開口部の妨害、または他のメカニズム、低眼圧または異常に低い眼内圧、駆逐性出血、前房出血、眼内感染または眼内炎、浅前房隅角、および他のものが挙げられる。
【0007】
バイパスステントはまた、遮断された線維柱帯を橋架けする(bridge)ために使用される。ステントは、眼の前房とシュレム管との間に挿入され得、線維柱帯をバイパスする。しかし、前房からシュレム管に、一貫して確実にバイパスステントを移植することは難しい。移植手順は挑戦的なものであり、ステントは時間の経過により詰まり、機能性を失い得る。他の例では、管状の細長い円柱状の中空ステントをシュレム管に長手方向に挿入している。円柱状の中空ステントは、上記管をまわる、円周方向の流体の流れを可能にするように配置され得る。これらも、閉塞または瘢痕の結果として、時間の経過により機能性を失い得る。
【0008】
シュレム管は、小さく(例えば、断面の直径が約100ミクロン〜300ミクロン)、環状である。従って、シュレム管を開けることにおける使用に適切な寸法の、中空管状ステントを設計および製造することは、難しいかまたは高価であり得る。さらに、中空管状ステントは、心臓血管のステントについて示されているように、時間の経過により、機能不全(failure)および崩壊(collapse)または閉塞の傾向があり得る。薄い壁を組み込んでいる中空管状ステントは、特に機能不全の傾向がある。さらに、シュレム管に沿って長い方向に(lengthwise)置かれる管状ステントの壁は、線維柱帯および/または集合管とのかなりの表面領域の接触を有し得、このことは、上記線維柱帯または集合管の妨害をもたらして、シュレム管の壁を横切って眼の集合管に入る経壁の流れ、およびシュレム管の管腔を横切る経管の流れを実質的に妨げ、それにより正常な眼の排液の修復を妨げ得る。
【0009】
上記のことを考慮して、眼内圧の有効な長期低減のための容易に製造可能な、最小限に侵襲的なデバイスが望ましい。さらに、このようなデバイスを組み込んでいる方法およびキットが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
眼内圧を低減するためのデバイス、キット、および方法が、ここで開示される。眼内の圧力を低減するための上記デバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において、円周方向に移植可能である支持体を含み、ここで上記支持体は、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために配置される。上記支持体は、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得る。これは、例えば、上記支持体が、上記管を横切る、経壁の、または経管の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することを可能にし得る。上記支持体は、線維柱帯を横切って、シュレム管を横切って、集合管に入る良好な房水の流れを可能にし得る。上記支持体は、シュレム管の管腔の内側(inner lumen)との接触またはその閉塞を最小限にすることによって房水の流れを実質的に妨げることを避け得、それにより、房水の最大限の経壁流出を可能にする。上記支持体は、それにより、眼の天然の排液経路を利用および修復し得る。
【0011】
上記支持体は、眼への最小限の外傷を伴う、最小限に侵襲的な手順でのシュレム管への移植が可能で有り得る。さらに、上記支持体は、例えば、緑内障の専門医によってであろうと一般の眼科医によってであろうと、比較的容易に眼に移植され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り(traverse)得る。
【0012】
上記支持体は、シュレム管の少なくとも1か所の壁部(wall portion)(例えば、2か所の壁部)と接触し得る。例として、上記支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し得、ここで上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界(outer peripheral boundary)と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、内側表面と接線でのみ(only tangentially)触れることによってシュレム管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得、その総量(mass)の大部分をシュレム管の中心コアに位置し得る。
【0013】
上記支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性材料を含み得る。例として、少なくとも、上記支持体の構成部分は、1つまたはそれより多くの生体適合性ポリマーを含み得る。適切であり得るポリマーの非限定的な例としては、アクリル、シリコーン、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、およびヒドロゲルが挙げられる。さらに、上記支持体の少なくとも一部分(例えば、上記支持体の全て)は、1つまたはそれより多くの生体適合性金属(例えば、金またはチタン)、および/あるいは1つまたはそれより多くの生体適合性金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体の少なくともある部分は、1つまたはそれより多くの形状記憶材料を含み得る。適切な形状記憶材料としては、形状記憶ポリマーまたは形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))が挙げられるが、これらに限定されない。特定のバリエーション(例えば、形状記憶材料が使用される特定のバリエーション)において、上記支持体は、シュレム管への移植前およびその移植の間に圧縮された状態、および移植後に拡大された状態(例えば、上記管を開けるため)を有し得る。これは、例えば、上記支持体のシュレム管への比較的容易かつ/または効率的な送達および配置(placement)を可能にし得る。
【0014】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性、生分解性ポリマーを含み得る。生分解性ポリマーは、例えば、コラーゲン、コラーゲン誘導体、ポリ(ラクチド);ポリ(グリコリド);ポリ(ラクチド−コ−グリコリド);ポリ(乳酸);ポリ(グリコール酸);ポリ(乳酸−コ−グリコール酸);ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリ(カプロラクトン);ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー;ポリオルトエステル;ポリ(ホスファゼン);ポリ(ヒドロキシブチレート)もしくはコポリマー(ポリ(ヒドロキシブチレート)が挙げられる);ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン);ポリカーボネート;ポリ(エステルアミド);ポリ酸無水物;ポリ(ジオキサノン);ポリ(アルキレンアルキレート);ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー;生分解性ポリウレタン;ポリ(アミノ酸);ポリエーテルエステル;ポリアセタール;ポリシアノアクリレート;ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー;またはそれらの混合物もしくはコポリマーであり得る。
【0015】
特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤を含み得る。例えば、支持体は、活性薬剤でコーティングされるか、または浸透させられ得る。あるいは、または加えて、活性薬剤は、上記支持体中に分散され得る(例えば、上記支持体中の空洞(cavity)を満たすことによって)。活性薬剤としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体(例えば、ラタノプラスト)、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子、代謝拮抗物質、化学療法剤、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、成長因子のアンタゴニスト、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。活性薬剤の放出は、徐放性(time−release)のシステムを用いて制御され得る(例えば、徐放性の組成物中に上記活性薬剤を包埋および/または被包することによって)。
【0016】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、中身が詰まっている(solid)場合があるが、他のバリエーションにおいて、上記支持体の少なくともある部分は、中空または有孔であり得る。上記支持体の表面は、滑らかである、ぎざぎざである、鋭く突き出た部分のある(spiked)、および/または溝がつけられた(fluted)ものであり得、そして/または1つまたはそれより多くの他の改変を有し得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体の少なくとも一部分は、メッシュを含み得る。上記支持体は、いくつかのバリエーションにおいて、少なくとも1つの穴(fenestration)および/または1つまたはそれより多くの棒のような部材を含み得る。
【0017】
特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、少なくとも2つの隣接するビーズおよび/または他のエレメントを含み得る。隣接するビーズまたは他のエレメントは、同じかまたは異なるサイズおよび/または形を有し得、同じかまたは異なる材料を含み得る。ビーズおよび他のエレメントは、球形、球状形、卵形、円柱状、立方形、立方体のような形、円錐形、円板形、螺旋形、またはそれらのセグメントで有り得るか、または任意の他の適切な形を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも2つの隣接するビーズおよび/または他のエレメントを一緒に繋いでいるコネクターを含み得る。上記コネクターは、堅くても可撓性であってもよい。コネクター、ビーズおよび/または他のエレメントは、互いに連結され(例えば、付着され(attached))得るか、または互いに一体形(integral)で有り得る。1つ超のコネクター(例えば、3つのビーズの間に挿入される2つのコネクター)がある場合、上記コネクターは、同じかまたは異なる長さのもので有り得る。上記コネクターは、それらが接続するビーズと同じ材料または材料(複数)を含み得るか、または上記コネクターおよびビーズは、異なる材料を含み得る。特定のバリエーションにおいて、コネクターは、隣接するビーズ間に間隔を提供するように配置されるスペーサーとして機能し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、コネクターで分離および接続される少なくとも2つのディスクを含み得る。上記ディスクは、穴を含み得る。上記コネクターはまた、ガイドワイヤーを含み得、そのワイヤーに通されて穴が開けられた(fenestrated)ビーズがシュレム管に差し込まれ得る。
【0018】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、1つまたはそれより多くの構成部分(portion)(例えば、細長い部材)を含み得、それは、まっすぐなもの、湾曲させたもの、ねじられたもの、管状なもの、穴が開けられたもの、溝がつけられたもの、有孔なものなどであり得、そのうちの少なくともいくつかは、互いに一体形および/または互いに連結され得る。いくつかのこのようなバリエーションにおいて、上記構成部分は、穴が開けられたひれ状のもの、および/または鈍い(blunt)鋸歯状のものを有し得、そして/またはまっすぐなもの、溝がつけられたもの、曲がったもの、アーチ形に曲げられたもの、または同様のものであり得る1つまたはそれより多くのエッジを有し得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、まっすぐおよび/または種々の形状(configuration)に形作られ得る1つまたはそれより多くのワイヤーを含み得る。上記支持体におけるワイヤーの表面は、滑らかで有り得るか、または1つまたはそれより多くの改変を有し得る。
【0019】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、リボン部材を含む。
【0020】
いくつかのバリエーションにおいて、上記リボン部材は、少なくとも1つの穴(例えば、複数の穴(例えば、2個、3個、4個、5個、10個、15個、20個、21個、22個、23個、24個、または25個の穴)を含み得、そして/またはねじられ得、そして/もしくは湾曲させ得る。上記リボン部材は、第一の細長いエッジ、および第二の細長いエッジを含み得、ここで上記第一および第二の細長いエッジは、上記デバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管の内側表面と接触するように(例えば、連続して接触するように)配置される。上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管に沿う、シュレム管内での、またはシュレム管を横切る、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。上記リボン部材は、平らであり得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、金属(例えば、チタン)を含み得る。
【0021】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、少なくとも1つの穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ニッケル−チタン合金および複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ステンレス鋼および複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、チタンおよび複数の穴を含むねじられたリボン部材を含む。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたおよび湾曲させたリボン部材を含む。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、ニッケル−チタン合金および複数の穴を含むねじられたおよび湾曲させたリボン部材を含む。
【0022】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、少なくとも1つの穴を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、複数の穴およびニッケル−チタン合金を含むねじられたリボン部材を含み、そして上記デバイスは、そのデバイスがシュレム管に移植されるときに、シュレム管を横切る、シュレム管内での、またはシュレム管に沿う、経壁の、経管の、および/または長手方向の流れを実質的に妨げない。
【0023】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、螺旋形の形状を有する。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、螺旋形の形状およびその支持体を送達するための導入器(introducer)(例えば、カニューレ)を有する。螺旋形の形状を有する支持体は、例えば、螺旋または二重螺旋の形態であり得る。特定のバリエーションにおいて、二重螺旋の螺旋は、その間に支柱またはコネクター(connecter)を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、キットは、そのキットを使用することについての指示をさらに含み得る。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に支持体を挿入する工程を含み得、ここで上記支持体は、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために配置され、そしてここで上記支持体は、螺旋形の形状を有する。上記支持体は、例えば、シュレム管内に挿入された後の上記螺旋形の形状を呈し得る(例えば、熱形成された上記支持体および/または1つまたはそれより多くの形状記憶材料を含む上記支持体の結果として)。
【0024】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、上記支持体は、表面領域を有する表面(例えば、外表面)を含む。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体が使用されるときに、その支持体の表面(例えば、外表面)の表面領域の約90%未満(例えば、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満)および/または約0.5%超(例えば、約1%超、約3%超、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超)が、シュレム管の内側表面と接触し得る。
【0025】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのデバイスは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み得、ここで上記支持体は、第一のエッジを含む第一の細長い部材、および第二のエッジを含む第二の細長い部材を含み、上記第二の細長い部材は、上記第一の細長い部材に連結されるか、またはそれと一体形であり、そしてここで上記第一および第二のエッジは、上記支持体が、シュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と接触する。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、第三のエッジを含む第三の細長い部材をさらに含み得、その第三の細長い部材は、上記第一および第二の細長い部材に連結されるか、またはそれらと一体形であり得る。
【0026】
上記支持体は、その支持体がシュレム管の範囲(circumference)とほぼ等しい範囲を有する場合、ほぼシュレム管中に広がり得る。あるいは、上記支持体は、シュレム管の範囲の約95%以下(例えば、約85%以下、約75%以下、約65%以下、約50%以下、約25%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下)を付近に広がり得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管にわたって0°〜360°(例えば、360°未満、270°未満、180°未満、150°未満、120°未満、90°未満、60°未満、45°未満、30°未満、15°未満)に広がり得る。例えば、上記支持体は、上記管にわたって約30°〜約180°(例えば、約50°〜約150°、約80°〜約120°、約30°〜約120°、約100°〜約180°、約120°〜約180°)に広がり得る。上記支持体は、1つ、2つ、3つ、またはそれより多くの点で、シュレム管の壁の内表面と接触するように配置され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、組織に付着させ得る。上記支持体は、シュレム管の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を有する硬い弓形の部材を含み得る。
【0027】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、電磁放射線を用いて変更され得る。例えば、上記支持体の少なくとも1つの局在化部分によって吸収可能な波長を有するレーザーが、上記支持体を変更するために使用され得る。特定のバリエーションにおいて、電磁放射線は、上記支持体から活性薬剤を放出するために使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、蛍光またはりん光放射を用いて視覚的に高められ得る。例えば、上記支持体は、光源で励起すると蛍光を発するか、またはりん光を発する発色団を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、放射された蛍光またはりん光は、約300nm〜約800nmの波長範囲にあり得る。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記支持体の手術後のモニタリングを高める発色団を含み得る。
【0028】
眼内圧を低減するためのキットも提供される。シュレム管内に円周方向に移植され得、そしてシュレム管の少なくとも一部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る支持体を、上記キットは含み得る。上記支持体が、上記管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)ときに、上記支持体は、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得るが、また上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持し、上記管を横切る、または上記管内での、経壁の、経管の、および/または長手方向の、または円周方向の流れ実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得る。上記キットはまた、上記支持体を上記管内に移植するための導入器を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記キットは、上記管内で上記支持体を調整するための位置決めデバイス(positioning device)、使用のための指示、および/または1つもしくはそれより多くの活性薬剤を含み得る。いくつかのキットは、少なくとも2つの支持体を含み得る。1つ超の支持体が含まれるとき、上記キットは、上記支持体を送達するための少なくとも2つの導入器を含み得る。同じキット内の複数の支持体は、同じかまたは異なる形、サイズ、または組成を有し得る。同じキット内の複数の支持体は、一緒に接続され得るか、または分離したままであり得る。いくつかのバリエーションにおいて、キットは、支持体を組織に付着させるための固定デバイス(fixation device)を含み得る。他のバリエーションにおいて、キットは、上記支持体の出現(appearance)を視覚的に高めるためのシステムを含み得る。
【0029】
いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体はリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管内に送達するために配置される導入器を含み得る。上記導入器は、カニューレおよび/または押し出し部材(pushing member)を含み得る。上記キットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第二の支持体を含む第二のデバイスをさらに含み得る。上記第一および第二の支持体は、異なるサイズおよび/または形を有し得る。
【0030】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置される導入器を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、および上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置されるカニューレを含み得る。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第一の支持体(上記第一の支持体は、ねじられたリボン部材を含む)を含む第一のデバイス、ならびに上記第一のデバイスをシュレム管に送達するために配置されるカニューレおよび押し出し部材を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するためのキットは、第一の支持体を含む第一のデバイスおよび第二の支持体を含む第二のデバイス、ならびに上記第一および第二のデバイスをシュレム管に送達するために配置される導入器(例えば、カニューレ)を含み得、ここで上記第一および第二の支持体はそれぞれ、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であり、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され、上記第一および第二の支持体はそれぞれ、ねじられたリボン部材を含む。上記第一および第二のデバイスは、同じサイズを有し得るか、または異なるサイズを有し得る。上記第一および第二のデバイスは、同じ形を有し得るか、または異なるサイズを有し得る。
【0031】
眼内圧を低減するための方法も記載される。上記方法は、支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み得る。上記支持体は、上記管の少なくとも一部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよく、上記管を横切る、経壁の、および/もしくは経管の流れ、ならびに/または上記管内での上記長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。いくつかのバリエーションにおいて、上記方法はまた、上記支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体を組織にしっかり固定する工程を含み得る。上記方法は、少なくとも2つの支持体を移植する工程を含み得る。1つ超の支持体が、単一の眼内で移植されるとき、上記複数の支持体は、シュレム管内で、互いに隣接して円周方向に、または互いに向かい合わせて(すなわち、約180°離れて置かれる)円周方向に置かれる。単一の眼内での複数の支持体は、接続され得るか、または分離したままであり得る。上記方法のいくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、その支持体の場所を視覚的に高めるように光源で照らされ得る。上記方法の他のバリエーションにおいて、上記支持体は、電磁放射線を用いて変更され得る。例えば、上記支持体の少なくとも1つの局在化部分によって吸収されるレーザーが、上記支持体を変更するために使用され得る。上記変更は、上記支持体における孔(aperture)の作製または拡大を含み得る。電磁放射線が、支持体を変更するために使用される場合、上記変更は、移植前、または移植後に起こり得る。
【0032】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。
【0033】
上記方法は、上記第一の支持体がシュレム管内に完全に含まれるように、その第一の支持体を挿入する工程を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を通り得る。例えば、上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り得る。特定のバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し得、上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。上記第一の支持体は、シュレム管の内側表面に順応し(conform)得る。
【0034】
上記第一の支持体は、シュレム管内に挿入される前に第一の形状、およびシュレム管内に挿入された後に第二の形状を有し得、ここで上記第一の形状は、上記第二の形状と異なる。上記第一の支持体は、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。
【0035】
上記第一の支持体は、切り出しの(ab interno)アプローチまたは切り込みの(ab externo)アプローチを用いて、シュレム管内に挿入され得る。上記方法は、上記第一の支持体をシュレム管内に挿入するためのカニューレを使用する工程を含み得る。
【0036】
いくつかのバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、その第一の支持体が、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と接線でのみ接触し得る。特定のバリエーションにおいて、上記第一の支持体は、その第一の支持体が、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、シュレム管の内側表面と点でのみ接触し得る。上記第一の支持体が、内壁表面領域Cを有するシュレム管の円柱状セクション内に配置される(disposed)ときに、上記第一の支持体は、Cの30%未満(例えば、Cの25%未満、Cの20%未満、Cの15%未満、Cの10%未満、Cの5%未満、Cの1%未満)と接触し得る。上記第一の支持体は、シュレム管の範囲の約1/8と約1/2との間(例えば、約1/8と約1/3との間、約1/4と約1/2との間、約1/4と約1/3との間)を占め得る。
【0037】
いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、上記第一の支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程をさらに含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、第二の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程をさらに含み得る。任意の所望される数の支持体が、適宜、シュレム管の範囲の中の任意の所望される量を満たすために上記管内に挿入され得る。例えば、いくつかの場合において、上記第一の支持体は、シュレム管の範囲の約1/4と約1/2との間(例えば、約1/4と約1/3との間)を占め得る。
【0038】
特定のバリエーションにおいて、ここで記載される1つまたはそれより多くの支持体は、その支持体が、ある形状にある間にシュレム管に送達され得るが、次に、一旦その支持体がシュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)と、異なる形状を呈し得る。これにより、例えば、シュレム管内での支持体の比較的容易および効率的な送達および位置決めを与え得る。例として、1つまたはそれより多くの形状記憶合金から形成される、比較的まっすぐな細長い部材(例えば、ワイヤー)は、シュレム管に移植され得、一旦その細長い部材がシュレム管内で少なくとも部分的に配置される(disposed)と、螺旋形の形状を呈し得る。もちろん、支持体の特定のバリエーションは、シュレム管内であろうとシュレム管外であろうと同じ形状を維持し得る。
【0039】
いくつかのバリエーションにおいて、本明細書中に記載される支持体は、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性(例えば、全開通性)を修復または維持し得、その結果、上記管(またはその少なくともある部分)は、少なくとも約50ミクロン(例えば、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、少なくとも約125ミクロン、少なくとも約150ミクロン、少なくとも約175ミクロン、少なくとも約200ミクロン、少なくとも約225ミクロン、少なくとも約250ミクロン、少なくとも約275ミクロン、例えば約300ミクロン、少なくとも約350ミクロン、少なくとも約400ミクロン、少なくとも約450ミクロン)および/または多くて約500ミクロン(例えば、多くて約450ミクロン、多くて約400ミクロン、多くて約350ミクロン、多くて約300ミクロン、多くて約275ミクロン、多くて約250ミクロン、多くて約225ミクロン、多くて約200ミクロン、多くて約175ミクロン、多くて約150ミクロン、多くて約125ミクロン、多くて約100ミクロン、多くて約75ミクロン)の直径を有する。いくつかの場合において、本明細書中に記載される支持体は、シュレム管を引き伸ばすために使用され得る。
【0040】
特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、その結果、上記第一の支持体は、シュレム管内に完全に含まれ、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。特定のバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入する工程を含み得、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の中心コアを完全に通り、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げず、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し、上記第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、上記第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する。いくつかのバリエーションにおいて、眼内圧を低減するための方法は、ねじられたリボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内に円周方向に挿入するためにカニューレを使用する工程を含み、ここで上記第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、正常なヒトの眼の部分的な断面の側面図を提供する。
【図2】図2は、眼からの流体の正常な排液路の部分的な断面の側面図を提供する。
【図3】図3は、眼からの正常な流体排液の正面図を示す。
【図4A】図4Aは、眼からの正常な流体排液路の代替の正面図を示す。
【図4B】図4Bは、線I−I’に沿った断面図を示す。
【図5A】図5Aは、シュレム管が狭まるか、または崩壊した眼の正面図を提供する。
【図5B】図5Bは、シュレム管を横切る経壁の、および経管の流れを可能にする、上記管に挿入された支持体を含むデバイスの正面図を示す。
【図5C】図5Cは、シュレム管を横切る経壁の、および経管の流れを可能にする、上記管に挿入されたデバイスのための代わりのデザインを例示する。
【図6A】図6Aは、本明細書中に記載される支持体に使用され得る種々のエレメントまたはビーズの形状の側面図を示す。
【図6B】図6Bは、図6Aに示される上記エレメントまたはビーズの形状の対応する正面図を示す。
【図6C】図6Cは、穴を有するエレメントまたはビーズを例示する。
【図7A】図7Aは、複数の並べられたビーズを有する支持体を例示する。
【図7B】図7Bは、複数の並べられ接続されたビーズを有する支持体を例示する。
【図7C】図7Cは、複数の並べられ接続されたビーズを有する支持体の代わりの形状を示す。
【図7D】図7Dは、複数の、間隔が離れているが接続されたビーズを有する支持体を示す。
【図7E】図7Eは、コネクターに通されるビーズを示す。
【図8A】図8Aおよび8Bは、開いたネットワーク構造(open network structure)を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8B】図8Aおよび8Bは、開いたネットワーク構造(open network structure)を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8C】図8Cおよび8Dは、少なくとも3点(P1、P2、P3と標識される)でシュレム管の壁と接触し得る長手方向のジグザグ形状を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8D】図8Cおよび8Dは、少なくとも3点(P1、P2、P3と標識される)でシュレム管の壁と接触し得る長手方向のジグザグ形状を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8E】図8Eおよび8Fは、連続して溝がつけられたエッジおよび穴を伴う、棒のような部材を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8F】図8Eおよび8Fは、連続して溝がつけられたエッジおよび穴を伴う、棒のような部材を有する支持体のそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8G】図8Gおよび8Hは、連続して溝がつけられたエッジを伴う、棒のような部材を有する支持体の別のバリエーションのそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図8H】図8Gおよび8Hは、連続して溝がつけられたエッジを伴う、棒のような部材を有する支持体の別のバリエーションのそれぞれ側面図および正面図を示す。
【図9A】図9Aおよび9Bは、シュレム管内に移植された支持体の拡大された断面図を示す。
【図9B】図9Aおよび9Bは、シュレム管内に移植された支持体の拡大された断面図を示す。
【図10A】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図10B】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図10C】図10A〜10Cは、シュレム管に移植された支持体の種々の形状を例示する。
【図11A】図11Aおよび11Bは、シュレム管よりも小さい曲率半径を有する支持体の2つの形状を例示する。
【図11B】図11Aおよび11Bは、シュレム管よりも小さい曲率半径を有する支持体の2つの形状を例示する。
【図11C】図11Cは、シュレム管よりも大きい曲率半径を有する支持体を示す。
【図12A】図12Aは、シュレム管の中心コアの中心を通る支持体のバリエーションを例示する。
【図12B】図12Bは、線II−II’に沿った断面図を示す。
【図12C】図12Cは、上記管の中心コアを通る支持体のバリエーションを例示する。
【図12D】図12Dは、線III−III’に沿った断面図を示す。
【図12E】図12Eは、上記管の中心コアの大部分を占める支持体のバリエーションを例示する。
【図12F】図12Fは、線IV−IV’に沿った断面図を示す。
【図12G】図12Gは、上記管の中心コアのある部分を占める開いたネットワークを有する支持体のバリエーションを例示する。
【図12H】図12Hは、線V−V’に沿った断面図を示す。
【図13A】図13Aおよび13Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示である。
【図13B】図13Aおよび13Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示である。
【図14A】図14Aは、シュレム管内に移植可能である支持体の別のバリエーションの例示である。
【図14B】図14Bは、シュレム管のある部分内に置かれた、図14Aの上記支持体の例示的な描写である。
【図14C】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14D】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14E】図14C〜14Eは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る方法のバリエーションを描く。
【図14F】図14Fは、シュレム管内に移植可能である支持体を作製するために使用され得る構成要素のバリエーションを描く。
【図15A】図15Aおよび15Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示的な描写である。
【図15B】図15Aおよび15Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のさらなるバリエーションの例示的な描写である。
【図16A】図16Aは、シュレム管内に移植可能である支持体の構成要素のバリエーションの斜視図である。
【図16B】図16Bは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの斜視図である。
【図17A】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17B】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17C】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17D】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図17E】図17A〜17Eは、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図18】図18は、シュレム管内に移植可能である支持体の別のバリエーションの例示的な図である。
【図19A】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19B】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19C】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図19D】図19A〜19Dは、シュレム管内に移植可能である螺旋形の支持体のバリエーションを描く。
【図20A】図20Aおよび20Bは、リングを含み、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図20B】図20Aおよび20Bは、リングを含み、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションの例示的な描写である。
【図21】図21は、シュレム管内に移植可能である支持体のバリエーションを描く。
【図22A】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22B】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22C】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22D】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図22E】図22A〜22Eは、シュレム管内に移植可能である支持体の異なるバリエーションを示す。
【図23】図23は、電磁放射線を用いて改変され得る支持体の例示的な例を示す。
【図24A】図24Aは、支持体をシュレム管に挿入するために使用され得る注射器を例示する。
【図24B】図24Bは、支持体が、シュレム管における挿入および位置決めのためにガイドエレメント上に通されるバリエーションを例示する。
【図24C】図24Cは、ガイドエレメントを収容する中心穴(central bore)を有する支持体の断面図を例示する。
【図24D】図24Dは、注射器およびガイドエレメントが、シュレム管における支持体の挿入および位置決めのために使用されるバリエーションを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
詳細な説明
シュレム管の少なくとも部分的な開通性(例えば、全開通性)を修復または維持し、その結果、上記管の少なくともある部分が開いているか、またはさえぎられていないことによって、眼内圧を低減するためのデバイス、キット、および方法が、ここで記載される。上記デバイス、キット、および方法は、シュレム管が崩壊しないように働くが、房水のための眼の天然の排液メカニズムを実質的に妨げない。ここでシュレム管に入る、シュレム管を横切る、シュレム管をまわる、およびシュレム管から出る、経壁の、経管の、および円周方向の、すなわち長手方向の流体の流れが起こる。いくつかのバリエーションにおいて、上記デバイスは、そのデバイスが、シュレム管内の少なくともある部分に移植されるとき、上記管の内側表面との最小限の表面領域の接触を有し得る。上記支持体は、上記管の開通性を最大限にし、他方、上記管の有孔の内壁および上記管の集合管ベースの外壁との接触を最小限にすることが可能であり得る。上記支持体は、経壁の流れ(シュレム管の内壁および外壁を横切る−すなわち、シュレム管に入る、およびシュレム管から出る)、経管の流れ(シュレム管を横切る)、および/または円周方向の、すなわち長手方向の流れ(シュレム管に沿った)を最小限に妨げるか、または一切妨げないことを示し得る。いくつかの場合において、上記デバイスは、眼への最小限の外傷で、シュレム管に移植可能であり得る。
【0043】
図に関して、図1は、正常なヒトの眼の解剖学的構造の部分的な断面図を示す。毛様体12は、小帯の原線維(zonular fibrils)14を介して虹彩18およびレンズ16に接続される。眼の前房20は、角膜24によって、その前(前方)表面に結合される。虹彩18の中心にあるのは、瞳孔22である。角膜24は、その周辺が強膜26に接続され、この強膜26は、眼の白い殻(white shell)を形成している丈夫な線維性の組織である。線維柱帯28は、前房20の外部周辺表面(outer peripheral surface)上にある。上記線維柱帯は、上記前房を取り巻いて360°円周方向に広がる。線維柱帯28の外部周辺表面にあるのは、シュレム管30である。シュレム管は、上記線維柱帯を取り巻いて360°円周方向に広がる。虹彩18、線維柱帯28と強膜26との間に形成される頂端に、隅角32がある。結膜34は、強膜26を覆う膜であり、眼瞼の内側を裏打ちしている(示されない)。
【0044】
図2は、正常に機能しているヒトの眼内での、およびそこから出る、房水の流れの部分的な断面図を示す。房水は、毛様体12において生じ、眼を介して出るその路は、方向を示す実線36によって示される。上記房水は、毛様体12から、レンズ16と虹彩18との間を通り、瞳孔22を介して前房20へ入り、線維柱帯28を横切り、シュレム管30を横切り、房水静脈または集合管へ(示されない)入り、そして最後に結膜の血管系を介して血流へと流れる。
【0045】
図3は、眼から出る房水の正常な流れの正面図を示す。房水は、瞳孔22を介して前房20に入る。その流体は、方向を示す実線36によって示される流れの一般の路で、眼の周辺へ向かって外へと流れる。上記流体は、線維柱帯28を横切り、シュレム管30を通り、房水静脈または集合管38に到着する。換言すると、上記流体は、経管性に(transluminally)シュレム管30を横切って、集合管38へと流れる。シュレム管の全360°を取り巻いて、代表的に25〜50(例えば、25〜30)個の集合管が、ヒトの眼にある。上記集合管は、例えば、それぞれ約25ミクロン〜約50ミクロンの直径を有し得る。集合管38は、血管系40に接続され、それにより、排液された房水は、血流に入る。正味または大部分の流体の流れの方向は、簡単にするために、方向を示す実線36によって、瞳孔22から放射状に外に向かうように描かれるが、眼における実際の流体の流れは、より様々な路をたどり得る。
【0046】
シュレム管における、およびシュレム管を横切る異なる流体の流路は、図4Aおよび4Bに例示される。図4Aは、眼の正面図を示し、図4Bは、線I−I’に沿った拡大された断面図を示す。環状の管30に沿った、および環状の管30をまわる、円周方向の(すなわち、長手方向の)流れは、方向を示す線50によって描かれる。管30を通らずに集合管38に到着する流体は、眼から効果的に排液され得ない。眼を効果的に排液し得る流体の流路の例(経管の流体の流路(すなわち、シュレム管の管腔を横切る流体の流路)が挙げられる)は、方向を示す線52、52’、および52’’によって例示される。これらの流路のそれぞれにおいて、流体は、線維柱帯の内部周辺表面(inner peripheral surface)60に沿って線維柱帯28に入り、線維柱帯の外部周辺表面62’に沿って線維柱帯を出て行く。線維柱帯の外部周辺表面62’は、シュレム管30の内部周辺表面または壁を提供する。シュレム管を横切る経壁の流体の流れは、壁または境界を横切る経壁の流れの2つの段階を含む。第一に、流体は、線維柱帯38から、シュレム管30の内部周辺表面または壁62’を介して流れて、上記管の管腔64に到着しなければならない。第二に、流体は、管腔64から、管の外部周辺壁62’’を介して、孔38’を介して流れて、集合管38に入らなければならない。従って、上記流体はまた、シュレム管の管腔を横切って、経管性に流れなければならない。最後に、上記集合管38は、排液された流体を血管系に供給する。管30の管腔64は、上記管腔の外部周辺を含まない中心コア領域67を含む。上にはっきりと示されるように、眼からの流体の流れは、流体は、管(vessel)に沿って長手方向に流れることのみを必要とする(例えば、静脈を介して流れる血液)、身体における他の管(vessel)における流体の流れと異なる。
【0047】
デバイス
眼内圧を低減するためのデバイスがここで記載され、ここで上記デバイスは、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように、上記管の円周方向に移植され得る支持体を含む。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよい。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管を横切る、経壁の、および/もしくは経管の流れ、ならびに/またはシュレム管内での、長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。
【0048】
上記管の少なくともある部分の「少なくとも部分的な開通性を修復または維持する」とは、上記管の少なくともある部分が、経壁の、または経管の流れに対して少なくとも部分的にさえぎられないように保持するように、上記支持体が働くことを意味し、その結果、流体は、1)線維柱帯を介して出て行き;2)上記管を通り;そして3)集合管を介して排液し得る。上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するために、上記支持体が、円周方向の流れに関して、上記管をさえぎらないでおくことは必要ではない。しかし、ここで記載される支持体は、もちろん、上記管を円周方向の流れに対してさえぎられないでおくように配置され得る。
【0049】
経壁の流れを「実質的に妨げない」とは、上記支持体が、線維柱帯を横切る、および線維柱帯からの、流体の流出、または集合管への、および集合管を介した、流体の流出のいずれかを著しく遮断しないこと意味する。経管の流れを「実質的に妨げない」とは、上記支持体が、上記管の管腔を横切る流体の流れを著しく遮断しないこと意味する。多くのバリエーションにおいて、上記支持体は、線維柱帯および集合管を介した、眼からの1分間当たり約0.1マイクロリットルと1分間当たり約5マイクロリットルとの間の房水流出(aqueous outflux)を可能にし得る。
【0050】
上記「シュレム管の中心コア」は、上記管の管腔の内側空間において、上記管の断面の中心を取り巻く領域を指す(すなわち、上記管の周辺を含まない)。従って、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めるデバイスは、上記管の管腔の少なくともある部分を通り得る。いくつかの場合において、デバイスは、シュレム管の中心コアを完全に通り得る。
【0051】
さらに、シュレム管は、上記管を通して周期的に存在する構造である中隔(septum)(または、内皮の細管)を含む。理論によって縛られることを望まないが、中隔は、上記管の内壁(線維柱帯の外部周辺境界と一致する、上記管の内側表面のある部分)から上記管の外壁(上記管の内側表面のある部分であって、そこから広がる集合管を有する、ある部分)へと広がることによって、上記管の開存を保つことを助ける構造上の橋架けとして役立ち得ることが考えられる。このようにして、中隔は、橋架け支持体と同様に機能し得る。時間の経過により、中隔(例えば、構造上の完全性が弱くなった、または失われた、年数を経た、または欠陥のある中隔)は、正常圧または高圧の存在下で、シュレム管、またはシュレム管の一部の崩壊の一因を助長し得ることが考えられる。このような場合、本明細書中に記載されるデバイスは、失われた構造上の中隔機能を取り替える助けとなり得、それにより、上記管の開通性を修復または維持するのを助ける。
【0052】
いくつかの主題におけるシュレム管はまた、シュレム管を区画に分け、それにより長手方向の流れを制限または妨げる、本質的には、時間の経過により形成する瘢痕性の壁である、病的中隔を含み得ることが考えられる。このような場合において、本明細書中に記載される支持体は、鈍くされた(blunted)、病的中隔を突き抜けることができ得る先端部(tip portion)を有し得、病的中隔に穴を開ける(pierce)ことにより長手方向の流れを修復する。上記支持体が、あるいは、または加えて、病的中隔を破壊または除去することが可能であり得る1つまたはそれより多くの他の特徴を含み得ることが理解されるべきである。
【0053】
ここで記載されるデバイスは、シュレム管に沿って長手方向に置かれる先の開いた(open−ended)管状支持体を含む必要がない−換言すると、上記デバイスおよび支持体は、非管状であり得る。長手方向の、先の開いた管状支持体は、上記管に沿った長手方向の流れを可能にし得る。しかし、たとえ流体がシュレム管に沿って長手方向に(すなわち、円周方向に)流れ得ても、眼は、上記流体が、最終的に上記管を通るかまたは横切らない限り、効果的に排液され得ない。すなわち、2つの境界を横切る経壁の流体の流れが起こらなければならない:1)流体は、線維柱帯の外部周辺境界と一致する、管の内壁を通って線維柱帯から流れて、上記管の管腔に到着しなければならず;そして2)流体は、上記管の外部周辺壁における孔を通って上記管の管腔から流れて、上記集合管に到着しなければならない。概して、経管の流れが起こるはずである。上記集合管は、次に上記流体をさらに分散させ、天然の排液プロセスを完了させ得る。上記管に長手方向に挿入された管状支持体は、上記管の内側表面と重複するかなりの表面領域を有し得、その結果、上記管を横切る、経壁の流れ、および/または経管の流れは、著しく妨害(impede)され得る。シュレム管に置かれる長手方向の管状支持体は、上記線維柱帯から上記管への流れを遮断し、上記管から上記集合管への流れを遮断し得る。
【0054】
上昇した眼内圧を処置するための本明細書中に記載されるデバイスは、シュレム管に移植される支持体を含む。多くの例において、上記デバイスは、1〜40mmHg、例えば、少なくとも2mmHg、眼内圧を低減し得る。他の例において、上記デバイスは、少なくとも4mmHg、または少なくとも6mmHg、または少なくとも10mmHg、または少なくとも20mmHg、眼内圧を低減し得る。さらに他の例において、上記デバイスは、眼内圧を約8mmHg〜約22mmHgの範囲に至らせるように働き得る。上記支持体は、シュレム管を少なくとも部分的に開いたままにする(prop open)ように多様な手法で配置され得、それにより、シュレム管を横切る、経壁の、または経管の流体の流れを実質的に妨げることまたは妨害することなく、その開通性を修復または維持し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管に沿った、または上記管をまわる、長手方向の流れを妨げ得ないか、または遮断し得ず、他方、他のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管に沿った、または上記管をまわる、長手方向の流れを妨げ得るか、遮断し得る。多くの例において、上記支持体は、シュレム管内に完全に含まれ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管内に移植され得るが、部分的にシュレム管を超えて広がり得る(例えば、線維柱帯へとおよび/または前房へと)。
【0055】
特定のバリエーションにおいて、シュレム管の内壁と上記管の外壁との間の流体の流れを可能にするように、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持する支持体は、エレメントまたは構造(例えば、ビーズのようなエレメント、またはビーズ)を含み得る。上記エレメントまたは構造は、一緒に接続され得る(例えば、一連のビーズのように)。個々のエレメントもしくはビーズが、シュレム管に直接的に挿入され得るか、またはエレメントもしくはビーズの接続された群が、シュレム管に直接的に挿入され得る。エレメントまたはビーズを組み込んでいる支持体のより詳細な記載は、下に提供される。
【0056】
図5Aは、狭まるか、または崩壊したシュレム管30を有する眼の正面図を例示し、ここで管の外部周辺壁62’’は、管の内部周辺壁62’と非常に接近している。シュレム管30は、管の全範囲にわたって一様に狭いものとして図5Aに描かれるが、シュレム管のある部分のみが狭まるか、または崩壊することは可能である。シュレム管が崩壊または狭まっているとき、前房から集合管38への房水の正味の排出は減少し、それにより眼内圧が増加する。結果として、前緑内障、高眼圧症、または緑内障のリスクが増加し得る。
【0057】
図5Bは、切開部位74を介してシュレム管30に挿入されたデバイス70の例を例示する。この例におけるデバイス70は、切開部位74の片側に置かれる。デバイス70は、管の内壁62’および管の外壁62’’の両方を横切り、孔38’を介して集合管38に到着する経壁の流体の流れに対して、シュレム管が少なくとも部分的に開いたままになるように配置される支持体72を含む。支持体72は、上記管を横切る経管の流れを可能にし得る。図5Bに示される例において、支持体72は、コネクター78に接続されるエレメントまたはビーズ76を含む。このバリエーションにおいて、管の内壁62’と外壁62’’との間の距離は、支持体72の断面の寸法によって、おおよそ決定され、その距離は同様に、ビーズ76の最も大きい断面の直径によって決定される。従って、方向を示す線50によって示される、上記管30をまわる、および上記管30に沿った、円周方向の(すなわち、長手方向の)流体の流れは、上記管への支持体72の挿入によって阻害され得る。しかし、方向を示す線52、52’、52’’によって示される上記管の壁の両方または境界を横切る経壁の流れは、支持体72によって高められ得、流体は、集合管38に到着でき、眼から排液され得る。結果として、支持体72は、眼の天然の排液メカニズムを利用することによって眼内圧を効果的に低減し得る。切開74は、ビーズ76の直径に適応するのに十分に大きければよく、その結果、眼に対する外傷は、最小限にされる。ビーズまたは他のエレメントは、約50ミクロン〜約500ミクロン(例えば、約100ミクロン〜約400ミクロン、約200ミクロン〜約300ミクロン)の範囲にある断面の寸法を有し得る。比較的小さい断面の直径(例えば、約50ミクロン)を有する、ビーズまたは他のエレメントのシュレム管への挿入は、上記管の正常な断面の直径未満で上記管を開く(それは、例えば、断面の直径において約100ミクロン〜約300ミクロン)が、依然として上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持し得る。比較的大きい断面の直径(例えば、約300ミクロンより大きい)を有するビーズまたは他のエレメントの挿入は、上記管の正常な断面の直径と同じくらい大きく、または上記管の正常な断面の直径よりも大きく上記管を開き得、また上記線維柱帯を引き伸ばすために働き得る。上記線維柱帯を引き伸ばすことは、排液をさらに高め得る。
【0058】
図5Cは、切開部位84を介してシュレム管30に挿入されるデバイス80の、代わりの配置を例示する。デバイス80は、切開部位84の両側に広がる支持体82を含む。支持体82は、コネクター88および88’に接続されるエレメントまたはビーズ76を含む。この例において、コネクター88’は、コネクター88と異なる長さのものである。図5Bにおいてのように、ビーズ76は、方向を示す線50によって示される、管30をまわる、および管30に沿った、円周方向の(すなわち、長手方向の)流体の流れを妨害し得る。しかし、上記管を横切る、経壁の、および経管の流れは、上記管を横切る少なくとも部分的な開通性を修復または維持する支持体82によって高められ、流体が集合管38に到着するのを可能にする。上記ビーズは、穴が開けられるか、またはぎざぎざである、鋭く突き出た部分のある、および/もしくは溝がつけられたものである周界(perimeter)(または、他の同様の特徴)を含み、次に上記ビーズを介した、または上記ビーズを取り巻いた円周方向の流体の流れがまた、起こり得る。
【0059】
支持体において使用されるエレメントまたはビーズは、中空および閉じた構造、開いた構造、中身が詰まっている構造、有孔の構造、またはそれらの任意の組み合わせであり得、任意の適切な形のものであり得る。図6Aおよび6Bは、ここで記載され得る支持体において使用され得る例示的なエレメントまたはビーズの、側面図および正面図をそれぞれ例示する。示されるように、中身が詰まっている90もしくは中空91の、球形90、球状形92、卵形93、円錐形94、円板の形をした95、多面体96、棒のような97、または溝がつけられたエッジ98、ぎざぎざのエッジ89、または鋭く突き出た部分のあるエッジ88を伴うビーズが使用され得る。いくつかの例において、ビーズまたはエレメントの角またはエッジを囲むことが所望され得る。図6Cに示されるように、エレメントまたはビーズ76は、穴99および99’を含み得る。穴は、任意の適切な断面の形を有し得る(例えば、円形または四角形)。円板の形をしたビーズ76は、図6Cに示されるが、任意の形のビーズが、穴が開けられ得る。
【0060】
図7A〜7Eに示されるバリエーションにおいて例示されるように、支持体における2つまたはそれより多くのビーズ76は、互いに隣接し得る。隣接するビーズは、並べられ得(図7A)、接続され並べられ得(図7Bおよび7C)、またはコネクター100および100’と一緒に接続されてビーズ間に間隔を形成し得る(図7D)。さらに、ビーズは、コネクター101上に通され得る(図7E)。単一の支持体において使用される複数のビーズは、同じかまたは異なる形を有し得、同じかまたは異なる材料から作製され得る。
【0061】
図7Bに示される、ビーズ間または他のエレメント間の接合部102は、任意の適切な技術を用いて(例えば、接着剤、化学結合、機械的インターロック、および/または溶接を用いることによって)作製され得る。ビーズまたは他のエレメントはまた、ガイドエレメント104上に通されることによって、図7Cに示されるように、並べられ接続され得る。ガイドエレメント104は、繊維、縫合糸、ガイドワイヤー、固定具(fixture)、または同様のものを含み得る。上記ビーズまたは他のエレメントは、例えば、繊維の末端を結ぶことによって、またはエレメント104の末端108上に他の末端遮断(end−blocking)デバイス106(例えば、クリップ、キャップ、突出物(protrusion)、または同様のもの)を提供することによって、ガイドエレメント上の並べられた配置に固定され得る。任意の、または全ての上記ビーズまたは他のエレメントは、ガイドエレメント104に付着させ得る。例えば、末端位置を占めるビーズまたは他のエレメントは、エレメント104に付着させ得、遮断ビーズとして機能して、ビーズがエレメント104の末端108から滑り落ちないようにし得る。あるいは、ビーズは、エレメント104に沿って滑り得る。ガイドエレメント104は、可撓性であり得、例えば、細いポリマー糸(例えば、縫合糸)、または金属ワイヤーから形成され得る。あるいは、エレメント104は、可撓性であるが固定可能であり得る(例えば、所望される位置へと曲げられ得、いくらかの量の外的な応力または圧力に対してその位置を維持し得る、1つまたはそれより多くの形成可能な(shapeable)金属ワイヤー)。他のバリエーションにおいて、ガイドエレメント104は、堅い場合がある(例えば、成形されたポリマー要素(piece)、または硬い金属要素)。
【0062】
図7Dに示されるように、複数のコネクター100、100’が単一の支持体において使用され得、少なくとも1つのコネクターは隣接するビーズ76間または他のエレメント間に挿入される。複数のコネクターが使用される場合、それらは、同じかまたは異なる長さのものであり得る。さらに、同じ支持体内の複数のコネクターは、同じかまたは異なる材料から作製され得、上記コネクターおよびビーズは、同じかまたは異なる材料から作製され得る。別々のコネクター100および100’は、ビーズ76間に挿入され得、任意の適切な方法を用いて(接着剤、化学結合、溶接、機械的インターロック、結び目(knot)、またはそれらの任意の組み合わせを用いることが挙げられる)、隣接するビーズに付着させ得る。いくつかのバリエーションにおいて、ビーズ間のコネクター100および100’は、個々のビーズ間のスペーサーとして機能するように配置され得る。図7Eに示されるように、ビーズ76はまた、コネクター101上に通され得る。上記ビーズがコネクター上に通される場合、上記ビーズは、任意の適切な方法によって(接着剤、化学結合、溶接、クリップ、コネクター上の突出物、コネクターとビーズの間をロックする機械的インターロック、結び目、またはそれらの任意の組み合わせを用いることが挙げられる)、上記コネクター101に沿って、固定された位置に維持され得る。あるいは、いくつかの、または全てのビーズは、コネクター101に沿って滑り得る。コネクター100、100’および101は、可撓性であり得る(例えば、細いポリマー糸または金属ワイヤー)。コネクター100、100’、および101はまた、可撓性であるが固定可能であり得る(例えば、形成可能な金属ワイヤー)。あるいは、コネクター100、100’、および101は、堅い場合がある(例えば、成形されたポリマーコネクター、または硬い金属コネクター)。
【0063】
ここで記載されるデバイスの支持体は、ビーズを含む必要がない。例として、支持体は、1つもしくはそれより多くの他のエレメントを含み得るか、または固定された長さもしくは可変の長さの一体構造(unitary structure)であり得る。支持体は、中身が詰まっているか、中空か、もしくは有孔か、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。例えば、支持体は、部分的に中身が詰まっている場合、および部分的に中空である場合がある。支持体の形状の例は、図8A〜8Fにおける側面図および正面図において示される。図8Aおよび8Bに示されるように、支持体は、開いたネットワーク構造を有し得る。このような支持体は、例えば、形成可能な金属ワイヤーから作られ得る。図8Aおよび8Bに例示される支持体は、シュレム管の内側表面と最小限の表面領域の接触−すなわち、ワイヤーまたは繊維170の末端での点での接触のみを有し得る。あるいは、開いたネットワーク構造を有する支持体は、メッシュまたは発泡体(foam)から、少なくとも部分的に作製され得る。上記メッシュまたは発泡体は、任意の適切な材料から作製され得る(例えば、金属および/またはプラスチック)。図8Cおよび8Dに示されるように、上記支持体は、シュレム管の選択された長さに沿って広がる正弦曲線形状またはジグザグ形状を有し得る。図8Cに示される例について、上記支持体は、移植後に、P1、P2、およびP3と標識される少なくとも3点で、シュレム管の内側表面と接触し得る。図8E〜8Hにおいて、溝がつけられたエッジを有する棒のような支持体の例が示される。図8Eおよび8Fにおいて、溝がつけられたエッジ110は、上記支持体の末端114間の側面112に沿って長手方向に広がって構造116を形成する。構造116は、穴113を含み得る。上記支持体は、中心穴117を含み得る。図8G〜Hにおいて、溝がつけられたエッジ110’は、側面112’に沿って広がって構造116’を形成する。構造116’は、末端114’間に広がる鋸歯状の外表面115’を有する。上記支持体は、中心穴117’を含み得る。図8E〜8Hに例示されるバリエーションにおいて、上記支持体は、少なくとも4点で管の壁と接触し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、調整可能であり得る。上記支持体の表面は、例えば、ぎざぎざである、滑らかである、鋭く突き出た部分のある、または溝がつけられたものであり得る。
【0064】
ここで記載される上記支持体の形状の一般的な特徴は、それらが、シュレム管の内側表面との連続的または広範囲な接触を有する必要がないことである。確かに、記載されるデバイスおよび構造の多くは、内側表面との最小限の接線の、周期的な、もしくは散発的な接触を有し得、そして/または上記デバイスおよび構造の、特定の線に沿ってのみ、ならびに/もしくは特定の点において内側表面と接触し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体が使用されるとき、その支持体の外表面の表面領域の約90%未満(例えば、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満)および/または約0.5%超(例えば、約1%超、約3%超、約5%超、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超)が、シュレム管の内側表面と接触し得る。ここで記載されるデバイスおよび構造は、例えば、中空の管状ステント(例えば、中空管状の心臓血管のステント)よりも、シュレム管の内側表面との平面接触を、例えば、著しく有さない場合がある。
【0065】
図8Aおよび8Bにおいて示される例によって実証されるように、いくつかの支持体は、管の壁の内側表面と点での接触のみを有し得る。図5Bおよび5Cに示される支持体について、各支持体のまるみをつけられたビーズは、管の壁の内側表面と接線でのみ接触し得る。ビーズの形は、シュレム管の内側表面と最小限の表面領域の接触を有するように選択または設計され得る。例えば、図6Aおよび6Bに示される溝がつけられたエッジを有するビーズ98は、上記管の内側表面と少ない表面領域で接触し得る。さらに、支持体は、広く間隔が離れたビーズを有し得、例えば、図7Dおよび7Eに例示されるコネクターは、所望される間隔でビーズを区切るように機能して、管の壁との接触を低減するが、上記管が開いたままにするように働き得る。図8Cおよび8Dに関して上で例示されるように、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも2点で、または少なくとも3点(例えば、4点、5点、6点、7点、8点、9点、10点など)で、上記管の内側表面と接触し得る。
【0066】
シュレム管の円周方向に移植された支持体152の拡大された断面図は、提供された図9Aおよび9Bである。支持体と接触する管の壁の表面領域の小部分(fraction)は、シュレム管の内側を調べることによって、支持体152の第一の末端X1から第二の末端X2に円周方向に広がる長さLおよび内側半径Riを有する、わずかに弓形の円柱Cとして見積もることができる。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上に記載されるように、円柱Cの表面領域の90%未満(例えば、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、1%未満、0.1%未満)と接触し得る。例えば、図9Aおよび9Bに示される支持体152は、ビーズ幅(BW)の範囲(distance)にわたって、E1〜E7におけるビーズの外部周辺エッジでのみ、上記管の壁62の内側表面と接触する。コネクター156がビーズ154と離れて間隔を置く場所では、上記管の内側表面との接触はなく、そしてビーズ154の溝がつけられた領域160での接触はない。上記管の内側表面との最小限の支持体の接触についてのデザインの特徴は、支持体が、上記管を横切る、経壁の、または経管の流れを実質的に妨げることなく、上記管の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することを可能にする。線維柱帯に隣接する上記管の内部周辺の表面領域、または集合管が位置する上記管の外部周辺の表面領域の実質的なある部分が遮断される場合、上記管を横切る、または上記管内での有効な流体の流れは、妨害され得る。
【0067】
支持体は、可変の長さおよび厚さを有し得る。例えば、ビーズを用いる支持体の長さは、ビーズの数、タイプ、もしくは間隔、またはそれらの任意の組み合わせを変えることによって調整され得る。支持体の厚さは、より大きい寸法を有する1つまたはそれより多くのビーズを加えることによって増加され得る。一体(unitary)支持体はまた、長さを変えるか、または調整可能な(例えば、整えることができる(trimmable))寸法を用いて作られ得る。例えば、図8Cおよび8Dに示されるような正弦曲線形状またはジグザグ形状を有する形成可能な金属から作られる支持体について、上記支持体の断面の寸法117は、例えば、寸法119に沿って張力を加えることによって縮小または増加し得る。
【0068】
図10Aに示されるように、支持体160は、シュレム管30の全範囲にわたって実質的に広がり得る。あるいは、支持体は、上記管の範囲のおおよそ半分にわたって広がり得る(示されない)。図10Bに示されるように、支持体162は、上記管の半分未満にわたって広がり得る。図10Cに示されるように、支持体164は、上記管の範囲の4分の1以下にわたって広がり得る。さらに、1つ超の支持体164、166、または168は、単一のシュレム管に挿入され得る。複数の支持体が、単一の管に挿入される場合、それらは、異なる形、長さ、材料、またはサイズのものであり得るか、または上記支持体の少なくとも2つは同じであり得る。
【0069】
支持体は、上記支持体自体の最大断面寸法を超えて管を開くように配置され得る。例えば、図11Aは、シュレム管30に挿入される支持体132を含むデバイス130を示す。支持体132は、最大断面寸法BDを有するビーズ134を含む。支持体132は、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも小さい曲率半径Rsuppを有する硬い弓形のエレメント135を含む。弓形の部材135の、より小さい固定した曲率半径Rsuppは、管30がBDよりも大きく開くように促す。図11Bに示される別のバリエーションにおいて、支持体179は、上記管の曲率半径RSC未満の曲率半径Rsuppを有する、ビーズを有さない弓形の部材180を含む。部材180は、上記管を開くように促すのに十分硬い。図11Cに示される別のバリエーションにおいて、支持体181は、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも大きい曲率半径Rsuppを有する弓形の部材182を含む。部材182はまた、上記管を開くように促すのに十分硬い。弓形の部材135、180、および182は、形状記憶材料(例えば、ニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))を含み得る。図11Cに示されるように、支持体181は、ビーズ184を含み得る。あるいは、または加えて、支持体は、1つまたはそれより多くの他のエレメントを含み得る。上記管を開くように促すために、弓形の部材の曲率半径Rsuppは、例えば、シュレム管の曲率半径(RSC)よりも少なくとも約10%(例えば、約10%、20%、30%、40%、または50%)小さいか、または大きいものであり得る。例えば、弓形の部材は、約3mm〜約8mmの曲率半径を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体における弓形の部材の曲率半径(Rsupp)は、少なくとも約3mm(例えば、約3mm、または約4mm、または約5mm)であり得る。他のバリエーションにおいて、支持体における弓形の部材の曲率半径Rsuppは、少なくとも約6mm(例えば、約6mm、または約7mm、または約8mm)であり得る。
【0070】
上に言及されるように、ここで記載される支持体は、シュレム管の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を呈し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、線維柱帯の曲率半径よりも小さいまたは大きい曲率半径を呈し得る。さらに、特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内に少なくとも部分的に置かれるとき、拡大または再構築し得る。このような拡大または再構築の際に、上記支持体は、上記管自体の直径を超えて拡大することによって、上記線維柱帯または上記管の内壁を破壊し得る。このことは、例えば、上記支持体が線維柱帯に押し入るか、または線維柱帯を引っ張って、それの破壊を引き起こし得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、拡大および/または再構築の際に、上記管の壁または上記線維柱帯に穿孔し得る。支持体はまた、標的部位に送達および/または置かれる際に上記管の壁または上記線維柱帯に穿孔し得る。
【0071】
ここで記載される支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得、いくつかの場合においては、上記中心コアを完全に通り得る。シュレム管の中心コアは、上記管の管腔の内側空間において、上記管の断面の中心を取り巻く領域である。上記管の中心コアの少なくともある部分を占める支持体は、上記管の管腔の少なくともある部分を通り得る。例えば、支持体のいくつかのバリエーションは、少なくとも1点で上記管の断面の中心を通り得る。図12Aに関して、コネクター224に接続されるビーズ222を有する支持体220の正面図が提供される。図12Bは、線II−II’に沿った拡大された断面図を示す。支持体220は、管の管腔64における、管の中心コア67のある部分を占める。線維柱帯28は、管30に隣接して示される。このバリエーションにおいて、支持体220は、上記管の断面の中心66を通る。他のバリエーションにおいて、支持体は、上記管の中心から外れた管腔を通り得る(例えば、断面において、上記管の管腔を横切る弦として現れる)。図12Cに関して、弓形の支持体210の正面図が示される。図12Dは、線III−III’に沿った拡大された断面図を示す。支持体210は、管の中心66を通過することなく、管30の管腔64における中心コア67のある部分を横切り、そこを占める。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管の中心コアの大部分を占め得る。図12Eに関して、円板のようなビーズ232を含む支持体230の正面図が示される。線IV−IV’に沿った断面図は、図12Fに示される。図12Fに示されるように、穴234を有するビーズ232は、管30の中心コア67の大部分を占める。他のバリエーションにおいて、上記支持体は、上記管の中心コアの小さい部分を占める。例えば、図12Gにおいて、開いたネットワーク構造を有する支持体240の正面図が示される。線V−V’に沿った断面図は、図12Hに示される。
【0072】
支持体の特定のバリエーションが記載されているが、任意の適切な形状を有する支持体の他のバリエーションが使用され得る。
【0073】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、比較的平らであり得るか、または1つまたはそれより多くの比較的平らな構成要素を含み得る。例えば、図13Aは、平らなリボン部材1302を含む支持体1300を示す。示されるように、リボン部材1302は、複数の穴1304を有するが、支持体の他のバリエーションは、より少ない穴を有するリボン部材か、異なるサイズもしくは形状を有する穴を有するリボン部材か、または穴を全く有すことさえしないリボン部材を含み得る。さらに、ここで示されないが、いくつかのバリエーションにおいて、リボン部材または他の支持体構成要素は、まるみをつけられた、比較的非外傷性のエッジを有し得る。さらに、ここで記載される支持体は、湾曲させるか、または別の方法で形作られる場合があり、その結果、それらは、必ずしもまっすぐおよび細長いというわけではない。例えば、図13Bは、穴1324を有する平らなリボン部材1322を含む支持体1320を示し、ここで上記平らなリボン部材1322は、外観が二重螺旋に類似した形状にねじられている。
【0074】
図14Aは、外観が二重螺旋に類似した形状にねじられているリボン部材1402を含む支持体1400の、別のバリエーションを描く。そこで示されるように、リボン部材1402は、穴1404を含み、エッジ1406および1408を含む。図14Bは、エッジ1406および1408がシュレム管1410の内側表面と接触して、上記管内に配置される(disposed)支持体1400を示す。シュレム管1410の任意の所定の断面について、支持体1400は、2点で(すなわち、エッジ1406および1408が上記壁に接触する場所)、上記管の内壁と接触する。もちろん、支持体1400は、支持体の1つのバリエーションにすぎず、支持体の他のバリエーションは、任意の所定の断面について、異なる数の点でシュレム管と接触し得る。支持体1400についての、その2つの接触点は、支持体1400のねじれの結果として回転し、最終的には、次の反復ユニット(repeating unit)上の同じ位置に360o戻ってくる。いくつかの場合において、支持体(例えば、支持体1400)は、支持体の長さの0.5ミリメートル〜2ミリメートル毎について(例えば、1ミリメートル〜1.5ミリメートル毎に)、全360oの回転を完了し得る。例えば、支持体(例えば、支持体1400)は、支持体の長さの約1ミリメートル毎に全360oの回転を完了し得る。支持体は、一様なねじれを有し得るか、または支持体のねじれの度合いは、支持体の長さに沿って変わり得る。
【0075】
支持体(例えば、支持体1400)は、任意の適切な方法を用いて形成され得、そのうちの1つは、図14C〜14Eに描かれる。
【0076】
第一に、図14Cに関して、リボン部材1420(例えば、チタン、ステンレス鋼、ニチノールなどから形成される)が提供される(例えば、その材料のシートを個々のリボン部材へと切断することによって)。リボン部材1420は、幅1422、長さ1426、および厚さ1424を有する。いくつかのバリエーションにおいて、幅1422は、約10ミクロン〜約750ミクロン(例えば、約10ミクロン〜約600ミクロン、例えば300ミクロン)であり得、長さ1426は、約1ミリメートル〜約50ミリメートル(例えば、約1ミリメートル〜約40ミリメートル、例えば10ミリメートルまたは15ミリメートル)であり得、および/または厚さ1424は、約10ミクロン〜約150ミクロン(例えば、約25ミクロン〜約100ミクロン、例えば50ミクロン)であり得る。比較的大きい幅を有するリボン部材は、例えば、シュレム管を拡張する工程を含む手順における使用に適している場合がある。比較的長い長さを有するリボン部材は、例えば、先天性の緑内障状態の結果として肥大した、眼のシュレム管における使用に適している場合がある。リボン部材の長さは、得られる支持体がシュレム管の範囲のうちの所望される量を占めるように選択され得る(例えば、シュレム管の範囲の1/8〜1/2(例えば、1/8〜1/3、1/4〜1/2、1/4〜1/3))。
【0077】
次に、そして図14Dに示されるように、上記リボン部材の末端は、上記支持体に対する第一の前駆体1428を形成するために、鈍くされるか、またはまるみをつけられ、ここで上記第一の前駆体は、まるみをつけられた末端1430および1434を有する。上記末端は、例えば、レーザーを用いて、鈍くされるか、またはまるみをつけられ得る。上記リボン部材の末端を鈍くする工程、またはまるみをつける工程は、例えば、上記リボン部材を非外傷性にし得る。結局は、これは送達に際して、比較的より外傷性ではない支持体をもたらし得る。さらに、鈍くされたか、またはまるみをつけられた末端は、シュレム管を通って上記支持体を容易に導く助けとなり得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、半円、または楕円である、まるみをつけられた末端を含み得、その末端は、約10ミクロン〜約750ミクロン(例えば、約10ミクロン〜約600ミクロン、例えば300ミクロン)の直径を有する。
【0078】
特定のバリエーションにおいて、リボン部材はまた、デバリングされ得る(例えば、スラグ、切断材料、および酸化物を除去するために)。
【0079】
次に具体的に図14Eに関して、穴1442は、次に上記第一の前駆体において形成され(例えば、レーザーを用いて)、それにより上記支持体に対する第二の前駆体1440を形成する。上記穴は、例えば、上記支持体がシュレム管内に置かれるとき、シュレム管を介した、およびシュレム管を横切る、房水の高められた流れを提供し得る。穴1442はそれぞれ、幅1444および長さ1446を有し、各穴は、距離1448によって、その隣の穴から分離される。特定のバリエーションにおいて、幅1444は、約1ミクロン〜約600ミクロン(例えば、125ミクロン、150ミクロン)であり得、長さ1446は、約1ミクロン〜約5000ミクロン(例えば、約1ミクロン〜約500ミクロン、例えば300ミクロン)であり得、および/または距離1448は、約1ミクロン〜約5000ミクロン(例えば、約1ミクロン〜約300ミクロン、例えば、150ミクロン)であり得る。もちろん、穴1442は、それぞれが同じサイズを有し、次の穴から同じ距離に位置しているとして描かれるが、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、異なるサイズの穴および/または異なる距離によって互いに分離される穴を含み得る。さらに、任意の適切な数の穴が使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、穴を一切有さなくてもよく、またはたった1つの穴を有してもよい。特定のバリエーションにおいて、支持体は、複数の穴(例えば、2個、3個、4個、5個、8個、10個、15個、20個 23個、24個、または25個の穴)を有し得る。
【0080】
第二の前駆体1440が形成された後、上記第二の前駆体は、ねじられ得(例えば、マンドレルのまわりに、熱処理を用いて、およびまたは万力もしくは万力のような道具類を用いて)、それにより、支持体1440を形成する。いくつかのバリエーションにおいて、そのねじられた支持体は、次に、例えば、おおよそシュレム管の曲率まで湾曲させ得る。いくつかの場合において、その湾曲は、上記支持体にヒートセット(heat−set)され得る(例えば、上記支持体を、所望する曲率を有する型に置き、上記支持体を熱処理して上記湾曲を固定することによって)。特定のバリエーションにおいて、上記支持体は、約2ミリメートル〜約12ミリメートル(例えば、約3ミリメートル〜約9ミリメートル、または約4ミリメートル〜約8ミリメートル、例えば、6ミリメートル)の曲率半径まで湾曲させ得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させ得ない(すなわち、上記支持体は、まっすぐであり得る)。
【0081】
さらなるステップは、上記支持体を電解研摩する工程(例えば、その表面およびエッジを滑らかにし、それを非外傷性にするために)、および/または上記支持体にコーティングを施す工程(例えば、ヘパリン)を含み得る。
【0082】
本明細書中に記載される特定の支持体の特徴または特徴づけ(上記支持体を作製および使用する方法が挙げられる)のうちのいずれかは、適宜、他の支持体にも適用され得ることが理解されるべきである。
【0083】
リボン部材が支持体を形成するために使用されるバリエーションにおいて、上記リボン部材は、任意の適切なサイズ、形、および形状を有し得る。例えば、リボン部材は、1つまたはそれより多くの穴を含んでいても含んでいなくてもよく、上記リボン部材が少なくとも1つの穴を含む場合、上記穴は、任意の適切な形(例えば、三角形、長方形、正方形、長円形(oval)、楕円形、円形(circular)など)を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、穴は、線またはスリット(slit)の形態であり得る。穴のサイズおよび/または形は、例えば、シュレム管内に置かれるときに上記支持体の長手方向の強度を高めるように選択され得る(例えば、円形および/または楕円形の穴を用いることによって)。図14Fは、非外傷性のまるみをつけられた末端1452および1454を含み、千鳥状の(staggered)ひし形をした穴1456を有する、リボン部材1450を示す。リボン部材1450の任意の1つの断面について、リボン材料(例えば、金属)の量および穴の量は、上記リボン部材の任意の他の断面についてのそれと同じである。これは、例えば、上記支持体の形成の間に上記リボン部材の対称的なねじれを提供し得る。もちろん、いくつかの場合において、リボン部材は、穴(例えば、ひし形をした穴および/または千鳥状の穴)を含み得、その穴は、上に記載された特徴を上記リボン部材に提供しないもの、および上記リボン部材の対称的なねじれを提供しないものである。さらに、リボン部材1450は、全てが同じサイズであるひし形をした穴を含むが、リボン部材の他のバリエーションは、異なる形および/またはサイズの穴を含み得る。さらに、穴は、任意の適切な形状で準備され得る。
【0084】
支持体の特定のバリエーションは、鎖のような形状を有し得る。個々の鎖の「輪(link)」は、互いに連結され得るか、または上記個々の鎖の「輪」の少なくともいくつかは、互いに一体形であり得る。例として、図15Aは、一体形の鎖の「輪」の構成要素を含む支持体1500を示す(例えば、中心開口部1504を有する構成要素1502)。もちろん、上に記載されるように、いくつかのバリエーションにおいて、このような支持体は、ねじられ得、図15Bにおける支持体1510の場合がそうであるように、これは一体形の鎖の「輪」の構成要素(例えば、中心開口部1514を有する構成要素1512)を含み、ねじられた形状を有する。
【0085】
任意の適切な支持体構成要素が、使用され得る。例えば、図16Aは、例えば、成形プロセスまたは機械加工プロセス(例えば、レーザー機械加工プロセス)を用いて形成され得る種々の切り抜き(例えば、1604および1606)を有する本体1602を含む、支持体構成要素1600を示す。構成要素1600は、例えば、支持体の全体を形成し得るか、あるいは、1つ以上の同一の構成要素および/もしくは1つ以上の異なる構成要素に連結されるかまたは1つ以上の同一の構成要素および/もしくは1つ以上の異なる構成要素と一体形に形成されて、支持体を形成し得る。いくつかのバリエーションにおいて、そして上に記載されるように、支持体の種々の構成部分は、異なる面に沿って存在し得る。例として、図16Bは、コネクター1616によって、互いに一体形に連結される同一の構成要素1612および1614を含む支持体1610を示し、ここで各構成要素は、異なる面に沿って存在している構成部分を含む(例えば、構成要素1612の構成部分1618および1620)。
【0086】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、少なくとも1つの細長い部材を含み得る。上記細長い部材は、まっすぐなもの、湾曲させたもの、曲げられたものなどであり得る。特定のバリエーションにおいて、上記細長い部材は、第一の形状(例えば、まっすぐ)で、シュレム管に送達され得、次に、上記管の少なくともある部分内に初めに置かれる間および/または上記管の少なくともある部分内に初めに置かれた後に、第二の形状(例えば、湾曲させたもの、螺旋形、二重螺旋形など)を呈し得る。例えば、図17Aは、まっすぐな形状での細長い部材1702を含む支持体1700を示す。細長い部材1702は、例えば、単一のワイヤーから形成され得る。シュレム管は、直径が比較的小さい(例えば、約150〜200マイクロメートル)ので、支持体が小さいワイヤーまたは複数のワイヤーから形成されることは、有益であり得る。
【0087】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、上記管に挿入され、そして上記管の路を受動的にたどる、まっすぐまたは湾曲させたワイヤーから形成され得る。あるいは、支持体は、まっすぐなワイヤーとして上記管に挿入され得、次に再構築して上記管を拡張し、開通性を修復し得るか、または異なる曲率半径を有するように上記管を膨張させ得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させたワイヤーとして上記管に挿入され得、次に再構築して上記管を拡張し、開通性を修復し得るか、または異なる曲率半径を有するように上記管を膨張させ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上に記載されるのと同じ効果が、互いに接続されていてもされていなくてもよい、または一体形もしくは一体であってもそうでなくてもよい、複数のワイヤーを含む支持体を用いて、達成され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、管に挿入され得、再構築することなく、上記管を拡張し得る。例えば、支持体は、上記管に押し込まれて上記管を拡張し得る。
【0088】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、連続ワイヤーの形態であり得、その形態は、シュレム管を開いたままにするか、または単独で線維柱帯を膨張させる。あるいは、支持体は、連続ワイヤーを含むコア、ならびに1つもしくはそれより多くのさらなるワイヤーおよび/または上記コアから派生する他の特徴を含み得、ここで上記さらなるワイヤー(複数可)および/または他の特徴は、上記管を開いたままにするか、または上記線維柱帯を膨張させる。例えば、支持体は、泡立て器(whisk)の形を有する1つまたはそれより多くの構成要素またはエレメントを含み得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管を拡張するか、または上記線維柱帯を膨張させる、非コアエレメントによって周期的に中断されるコアエレメントの伸張(stretch)を含む、不連続ワイヤーを含み得る。例えば、支持体は、一連のリングエレメントと交替する一連のコアワイヤーエレメントを含み得る。ワイヤーコア含む支持体の任意のバリエーションにおいて、上記ワイヤーコアは、穴が開けられ得ること、および/またはそうでなければ改変され得ることが理解されるべきである。
【0089】
ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、任意の適切なサイズおよび形の断面を有し得る。例えば、ワイヤーまたは他の支持体構成要素の断面は、アーチ形に曲げられたエッジを有する円形、卵形、平面、正方形、三角形であり得るか、または任意の他の適切な形を有し得る。さらに、ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、滑らかなで連続した表面、滑らかで不連続な表面(例えば、その長さに沿って異なる直径、その長さに沿って異なる形を有するもの(例えば、特定のセグメントにおいて平面になる、円形の断面を有するワイヤー)、あるいは対照的もしくは非対照的な形、湾曲、および/または直径を有するもの)、または滑らかではない表面を含み得る。上記表面が滑らかではないバリエーションにおいて、上記ワイヤーまたは他の支持体構成要素は、例えば、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って平行である連続して溝がつけられたエッジまたは複数のエッジ(例えば、1つ、2つ、または3つのエッジ)、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って平行である不連続に溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に垂直である連続して溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に垂直である不連続に溝がつけられたエッジ、上記ワイヤーまたは構成要素に沿って渦を巻いたまたは角をなす、連続して溝がつけられたエッジ、あるいは上記ワイヤーまたは構成要素に沿って渦を巻いたまたは角をなす、不連続に溝がつけられたエッジを有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記溝がつけられたエッジの周辺は、鈍く鋸歯状であっても波打っていてもよい。さらに、特定のバリエーションにおいて、支持体は、溝もつけられ、穴も開けられたひれ状のものを含み得る。
【0090】
ワイヤーが使用されるバリエーションにおいて、上記ワイヤーは、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、ワイヤーは、約500マイクロメートルまで(例えば、約400マイクロメートルまで、約300マイクロメートルまで、約200マイクロメートルまで、約100マイクロメートルまで、約50マイクロメートルまで、約25マイクロメートルまで、約10マイクロメートルまで)の直径を有し得る。上記ワイヤーは、あるいは、または加えて、少なくとも約10マイクロメートル(例えば、少なくとも約25マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約200マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約400マイクロメートル)の直径を有し得る。特定のバリエーションにおいて、ワイヤーは、比較的太い直径を有し得、任意の適切な場所(例えば、そのコアに、そのエッジに沿って、またはその両方)に穴を含み得る。
【0091】
いくつかのバリエーションにおいて、細長い部材は、上記支持体が上記管内に置かれるときに、例えば、高められた経壁の、および経管の流れを可能にし得る、1つまたはそれより多くの表面の特徴または他の改変を含み得る。例として、図17Bは、複数の穴1714を有する細長い部材1712を含む支持体1710を示す。穴1714は、同じサイズおよび形を有し、互いに関して均等に間隔を置くが、支持体のいくつかのバリエーションは、異なるサイズおよび/もしくは形を有する、ならびに/または互いに関して均等に間隔を置かない、1つもしくはそれより多くの穴および/または他の特徴を含み得る。図17Cは、支持体1720を描き、この支持体1720は、そこに形成される複数の孔1724を有する細長い部材1722を含む。細長い部材およびその構成部分は、中身が詰まっているもの、管状なもの、もしくは有孔なものであり得るか、または任意の他の適切な形状を有し得る。特定のバリエーションにおいて、細長い部材は、少なくとも1つの中身が詰まっている構成部分、少なくとも1つの管状な構成部分、および/または少なくとも1つの有孔な構成部分を含み得る。
【0092】
上で議論されるように、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、湾曲させた細長い部材を含み得る。上記細長い部材は、たった1つの湾曲を有し得るか、または複数の湾曲を有し得る。例として、図17Dは、湾曲させた細長い部材1732を含む支持体1730を示す。そこで示されるように、細長い部材1732は、たった1つの広範な湾曲を有する。しかし、図17Eは、互いに連結される(例えば、溶接、接着剤などを介して)複数の湾曲させた部材(例えば、湾曲させた部材1742および1744)を含む支持体1740を示す。もちろん、湾曲させた部材1742および1744は、互いに連結されるが、特定のバリエーションにおいて、支持体は、あるいは、加えて、互いに一体形である複数の湾曲させた構成部分を含み得る。例えば、支持体は、正弦曲線に形作られた単一のニチノールのワイヤーを含み得る。支持体の湾曲させた構成部分は、図17Eに示されるように同じ面に沿って、または異なる面に沿って、存在し得る。さらに、いくつかの支持体は、上記湾曲のいくつかまたは全てが同じ面に沿って存在する状態にある、または上記湾曲のいくつかまたは全てが異なる面に沿って存在する状態にある、複数の湾曲を含み得る。支持体1740は、正弦形状を本質的に有するが、他の適切な形状(複数の湾曲が挙げられる)も使用され得る。例として、図18は、複数の連結された、または一体形の弧(arc)またはアーチ(例えば、アーチ1802)を含む支持体1800を示す。上記アーチは全て、同じ面に沿って存在するが、支持体の他のバリエーションは、異なる面に沿って存在するアーチを含み得る。さらに、アーチまたは弧は、サイズ、曲率半径などにおいて同一であってもそうでなくてもよい。
【0093】
他の適切な形および形状が、シュレム管の少なくともある部分に移植可能である支持体に使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、螺旋形の形状が使用され得る。上記形状は、たった1つの螺旋形の形を含み得るか、または複数の螺旋形の形(例えば、二重螺旋)を含み得る。上記螺旋形の形は、シュレム管内に配置される(disposed)ときに、上記管の内側表面に、まさしく接線に触れ得る。このようにして、それらは、上記管を横切る、経壁の、および経管の流れを実質的に妨げることをも避けながら、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するのに十分な支持体を提供し得る。結果として、上記管の天然の排液通路は、修復され得る。
【0094】
図19Aは、螺旋形の形状を有する例示的な支持体を示す。そこで示されるように、支持体1900は、一重螺旋(single helix)の形態であり得る。図19Bは、シュレム管1901内の支持体1900を示し、ここで上記支持体は、上記管の内側表面1902と接線でのみ触れる(例えば、点1903および1904で)。もちろん、上で議論されるように、他の螺旋形の形状は、あるいは、または加えて、シュレム管内で使用され得る。例として、図19Cは、二重螺旋の形態である支持体1920を描き、図19Dは、シュレム管1922内に配置される(disposed)支持体1920を示す。螺旋は、いくつかの場合において、その間に支柱および/または他のコネクターを有し得る。例えば、二重螺旋は、第一および第二の螺旋を含み得、それらの螺旋は、それらの間に広がる支柱によって互いに接続される。
【0095】
螺旋形の形状を有する支持体、ならびにここで記載される支持体の他のバリエーションは、最小限の接線の接触で、シュレム管の少なくともある部分(例えば、上記管の全体)の少なくとも部分的な開通性を修復または維持することができ得る。例えば、支持体は、上記管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)とき、接線の点でのみ上記管の内側表面と接触し得る。さらに、支持体の大部分は、シュレム管のまさに周辺よりもむしろ、上記管の中心コアを占め得、上記管の内側表面と接触することを避け得る。結果として、重要な(valuable)、有孔の内部および外部の管壁での房水の流れの閉塞は、最小限にされ得るか、または防がれ得る。管の開通性の修復および最小限の壁の閉塞により、房水は、再び、容易に上記管を通り得る(例えば、螺旋形の形状を有する支持体の場合、開いた螺旋形ネットワークを介して)。
【0096】
いくつかのバリエーションにおいて、螺旋形の形状を有する支持体、またはここで記載される支持体の別のバリエーションは、少なくとも部分的にシュレム管に送達され、一旦上記支持体が、シュレム管内に少なくとも部分的に配置される(disposed)と、その最終形状へと拡大され得る。支持体が送達および拡大されると、3つの主要および重要な排液構造の拡張が修復され得る:(1)小管近傍(juxtacanalicular)組織の膨張および細孔(pore)の拡張(内壁)、(2)シュレム管の拡張、ならびに(3)集合管の拡張(外壁)。もちろん、このような修復はまた、ここで記載される他の支持体ならびに/または送達および位置決めメカニズムで達成され得る。最小限の壁の閉塞により、房水は、上記開いた螺旋形ネットワークを介して、その拡張された管の管腔および壁を再び容易に通り得る。
【0097】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、互いに連結される複数のリングか、または互いに一体形である複数のリングを含み得る。例えば、図20Aは、全て同じ面に沿って存在している複数のリング(例えばリング2002)を含む支持体2000を示す。上記リングは、全て同じサイズを有するが、支持体のいくつかのバリエーションは、異なるサイズを有する複数のリングを含み得る。さらに、リングは、異なる形を有し得る。例えば、いくつかのリングは、まるみをつけられ得、円形であり得るが、他のリングは、長円形であり、多少斜めに切られたエッジを有する。さらに、支持体のいくつかのバリエーションは、同じ面に沿って存在しないリングを含み得る。例として、図20Bは、互いに連結される複数のリング(例えば、リング2012)を含む支持体2010を示し、ここで隣接するリングは、互いに対して90oの角度で置かれる。
【0098】
さらに、支持体のさらなるバリエーションが、使用され得る。例えば、図21は、中心開口部2104を有し、泡立て器(egg beater)または泡立て器(whisk)と同様の形を有する複数の連結された構成要素(例えば、構成要素2102)を含む、支持体2100を示す。各構成要素は、4つの湾曲された構成部分(例えば、構成要素2102の湾曲された構成部分2106、2108、2110、および2112)を含むが、支持体の他のバリエーションは、同様の形だが異なる数の湾曲された構成部分を有する構成要素を含み得る。
【0099】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、使用の間に上記シュレム管の内側表面と接触するように配置される1つまたはそれより多くのエッジを含み得る。例えば、図22Aは、3つの一体形の細長い部材2202、2204、および2205を含む支持体2200を示す。その隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2202と2204との間の接合部2206)において一緒になる。支持体2200が、シュレム管内に配置される(disposed)とき、上記支持体の大部分は、上記管の中心コア内に位置し得、上記支持体のエッジは、上記管の内側表面に接線で触れる。
【0100】
もちろん、支持体のエッジは、直線であることに限る必要はない。例えば、図22Bは、3つの一体形の細長い部材2212、2216、および2217を含む支持体2210を示し、ここで隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2212と2216との間の接合部2218)において一緒になる。図22Bに示されるように、細長い部材2212は、曲がったエッジ2214を有する。このようなエッジは、例えば、シュレム管の内側表面との比較的少ない接触を有し得るが、依然として、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性の修復または維持の助けとなるのに十分な接触を有する。
【0101】
支持体の異なる構成部分はまた、1つまたはそれより多くの改変(例えば、孔、穴、細孔など)を含み得る。例えば、図22Cは、3つの一体形の細長い部材2222、2226、および2227を含む支持体2220を示し、ここで隣接する細長い部材は、接合部(例えば、隣接する細長い部材2222と2226との間の接合部2228)において一緒になる。図22Cに示されるように、細長い部材2222は、複数の孔2224を含む。上記孔は、同じ一般サイズおよび形を有するように全てが描かれるが、支持体の他のバリエーションは、異なるサイズおよび/または形を有する孔を含み得る。さらに、支持体のいくつかのバリエーションは、上に記載される特徴、ならびに任意の他の適切な特徴のうちの1つまたはそれより多くの組み合わせを含み得る。例えば、図22Dは、中心管状部材2236、ならびにその中心管状部材から放射状に広がる3つの一体形の細長い部材2232、2234、および2235を含む、支持体2230を示す。一体形の細長い部材2232は、曲がったエッジ2233を含むが、中心管状部材2236は、複数の孔2238を含む。中心管状部材2236は、例えば、ワイヤーの形態であり得、そのワイヤーは、それを通る管腔を有する。もちろん、支持体2230は、単一の中心管状部材を含むが、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、あるいは複数の管状部材を含み得るか、または少なくとも1つの非管状の細長い部材(例えば、中心の非管状の細長い部材(例えば、中心の中身が詰まっているワイヤー))をあるいは、もしくは加えて含み得る。上記管状部材または非管状の細長い部材は、1つまたはそれより多くの特徴(例えば、孔、穴、または同様のもの)を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0102】
上に記載される支持体は、3つの一体形の細長い部材を含むが、支持体は、任意の適切な数の細長い部材および/または他の構成要素を含み得ることが理解されるべきである。例えば、支持体は、2つの細長い部材および/もしくは他の構成要素を含み得るか、または3つ超の細長い部材および/もしくは他の構成要素を含み得る。上記細長い部材および/または他の構成要素はまた、任意の数のエッジを含み得る。さらに、上記細長い部材および/または他の構成要素のうちの少なくともいくつかは、互いに一体形でなくてもよい。例えば、上記細長い部材のうちの少なくとも2つは、互いに連結され(例えば、溶接される、接着結合されるなど)得る。さらに、支持体における任意の数の細長い部材および/または他の構成要素(例えば、上記細長い部材および他の構成要素の全て)は、特徴(例えば、溝がつけられたエッジ、曲がったエッジ、穴、孔、細孔、もしくは同様のもの、またはそれらの任意の組み合わせ)を含み得る。例えば、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、4つの細長い部材を含み得、ここで各細長い部材は、溝がつけられたエッジおよび/または穴を有する。支持体はまた、互いに異なる特徴を有する細長い部材および/または他の構成要素を含み得る。
【0103】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、1つもしくはそれより多くのねじられた構成部分、またはそうでなければ非直線の構成部分を含み得る。例えば、図22Eは、互いに対してねじられた3つの構成部分2242、2244、および2246を含む支持体2240を示し、その結果、それらは、多少螺旋形の形状を形成する。本明細書中に示される任意の他の支持体の形状が、最終組み立ての際に、適宜、ねじられ得ることに留意すべきである。示されるように、上記構成部分は、まっすぐなエッジを少なくとも部分的に含み得、および/またはまっすぐではないエッジ(例えば、構成部分2246の曲がったエッジ2247)を少なくとも部分的に含み得る。
【0104】
ここで記載される支持体は、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、いくつかの場合において、単一の支持体は、10ミリメートルの長さ(湾曲させたときの、弧の長さ)を有し得る。支持体の寸法(例えば、その長さ)は、臨床的必要性に依存し得る。例えば、幾人かの患者(例えば、より重度の緑内障患者)は、より大きな流出量の修復のために、複数の支持体、またはより長い支持体を必要とし得る。複数の支持体が、同時に、または異なる時に移植され得ることに留意すべきである。いくつかのバリエーションにおいて、1つのより長い支持体よりもむしろ、複数のより小さい支持体を挿入することがより容易であり得るので、複数の支持体が、処置(procedure)において使用され得る。例として、いくつかのバリエーションにおいて、それぞれが10ミリメートルの長さを有する2つの支持体は、シュレム管内に挿入され得る。あるいは、特定のバリエーションにおいて、1つのより長い支持体が使用され得る。いくつかの場合において、単一の支持体が、シュレム管の全範囲に沿って使用され得る。
【0105】
支持体(例えば、1つまたはそれより多くのワイヤーを含む支持体)は、多様な異なる材料のいずれかを含み得る。一般に、支持体は、1つまたはそれより多くの生体適合性材料(例えば、生体適合性ポリマーまたはプラスチック、ポリマー複合材、セラミックまたはセラミック複合材、ガラスまたはガラス複合材、金属、合金(例えば、形状記憶合金、超弾性合金)、またはこれらの材料の組み合わせもしくは誘導体)を含み得る。生体適合性金属および金属合金の例としては、ステンレス鋼、金、銀、チタン、タンタル、白金、およびそれらの合金、コバルトおよびクロム合金、ならびにニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール)が挙げられる。生体適合性ポリマーの例としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸ブチル、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、アクリルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、エチルビニルアセテート、コラーゲン、コラーゲン誘導体、可撓性溶融シリカ、ポリオレフィン、NYLON(登録商標)ポリマー、ポリイミド、ポリアクリルアミド、フッ化エラストマー(fluorinated elastomer)、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が挙げられる。さらに、本明細書中に記載される支持体およびデバイスにおいて、生体適合性ヒドロゲルが使用され得る。下でより詳細に議論されるように、生体適合性ポリマーは、生分解性であり得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体の構成要素(例えば、ワイヤー)は、1つまたはそれより多くの親水性材料(例えば、コンタクトレンズに使用されるもの)を含み得る。上記支持体に組み込まれるとき、上記親水性材料(複数可)は、シュレム管の少なくとも部分的な開通性を修復および維持すること、および/または線維柱帯を膨張させること、房水を吸収すること、ならびに/あるいはシュレム管から房水を移動させることができ得る。支持体は、単一の材料、または材料の組み合わせから作製され得る。いくつかのバリエーションにおいて、第一の材料から作製される支持体は、第二の材料でコーティングされ得る(例えば、その生体適合性を高めるまたは改善するために)。
【0106】
いくつかの例において、支持体は、1つまたはそれより多くの生分解性ポリマーを含み得る。適切な生分解性ポリマーの例としては、コラーゲン、コラーゲン誘導体、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(ラクチド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)/ポリエチレングリコール)コポリマー、ポリ(乳酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)/ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)ポリ(エチレングリコール)コポリマー、ポリオルトエステル、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ヒドロキシブチレート)、またはコポリマー(ポリ(ヒドロキシブチレート(hdroxybutyrate))が挙げられる)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリカーボネート、ポリ(エステルアミド)、ポリ酸無水物、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとのコポリマー、生分解性ポリウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリエーテルエステル、ポリアセタール、ポリシアノアクリレート、ポリ(オキシエチレン)/ポリ(オキシプロピレン)コポリマー、ならびにそれらの混合物およびコポリマーが挙げられる。
【0107】
支持体の少なくともある部分は、形状記憶材料から作製され得る。例えば、形状記憶合金(例えば、ニッケル−チタン合金)が使用され得る。さらに、形状記憶ポリマー(例えば、モノマーのオリゴ(e−カプロラクトン)ジメタクリレートとモノマーのn−ブチルアクリレートとを共重合することから作製されるポリマー、またはスチレンアクリレート、シアネートエステルおよびエポキシドに基づくポリマー)が使用され得る。上記支持体において形状記憶材料が使用されるいくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、移植前および移植の間に圧縮された状態、および移植後に拡大された状態を有し得る。形状記憶材料を含む圧縮された状態の支持体の使用は、より小さい切開を可能にし、狭まるかまたは圧縮されたシュレム管への挿入を容易にし得る。一旦移植されると、上記支持体は、任意の適切な方法(例えば、体温または代わりの熱源によって、熱により活性化される)を用いて拡大されて、拡大された状態を取ることができ、それにより上記管を開ける。
【0108】
上記支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤(例えば、薬(pharmaceutical))を含み得る。例えば、支持体は、1つまたはそれより多くの活性薬剤のための貯蔵所(depot)として機能する1つまたはそれより多くの材料を含み得る。このような材料の例としては、眼内レンズについて、眼において試験されたもの(例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、シリコーンポリマー、ヒドロゲル、アクリルポリマー、金属(例えば、金)、および合金(例えば、形状記憶合金(例えば、ニチノール)、超弾性合金など)が挙げられる。例示的な活性薬剤としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子(例えば、組織成長因子および血管内皮成長因子)、代謝拮抗物質、化学療法剤(例えば、マイトマイシン−C)、5−フルオロウラシル、ステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、成長因子のアンタゴニスト(例えば、血管内皮成長因子のアンタゴニスト)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。活性薬剤は、支持体の少なくともある部分上のコーティングとして提供され得る。活性薬剤は、溶解または他の分散メカニズムによって、眼の至るところに送達され得る。あるいは、支持体の少なくともある部分は、活性薬剤で浸透させられ得る。いくつかのバリエーションにおいて、活性薬剤は、支持体の少なくともある部分中に分散され得る。例えば、上記支持体中の空洞が、上記活性薬剤で満たされ得る。
【0109】
活性薬剤の送達は、徐放によって制御され得る。例えば、活性薬剤を含む、支持体の構成部分は、上記活性薬剤を特定の期間にわたって徐々に放散するように設計された徐放性のコーティングまたは徐放性の処方物を含み得る。活性薬剤の徐放のための生分解性のコーティングおよび処方物は、当該分野において公知である。特定のバリエーションにおいて、支持体は、複数の層を含み得、ここで上記層はそれぞれ、活性薬剤を含む。例えば、支持体の層は、一連の異なる薬剤、または同じ薬剤の一連の用量を放出するために使用され得る。このような層は、支持体または支持体本体の一部分に適用されるコーティングの一部分であり得る。さらに、支持体は、活性薬剤を一切含まない1つまたはそれより多くの生分解性の層を含み得、そしてその層は、他の層間に適用されるか、または他の層の間を占めて、眼への活性薬剤の送達をさらに制御し得る。
【0110】
いくつかのバリエーションにおいて、電磁放射線を用いて支持体を変化させるかまたは変更することが望ましい場合がある。例えば、支持体の少なくともある部分は、穴が開けられ、穿孔され、曲げられ、形作られ、またはレーザーを用いて整形されて、眼内圧の低減を高め得る。図23に例示されるように、支持体122の予め決められた局在化構成部分120は、特定の波長または波長範囲の光を吸収するように設計され得る。優先吸収は、例えば、材料選択によって、および/または発色団でドーピングすることによって、達成され得る。選択された波長または波長範囲における十分なエネルギーで照射すると、模様のある(patterned)領域120は、剥離または融解し得、上記支持体において新しいまたは細長い、穿孔またはへこみがもたらされる。例えば、約750nmと約800nmとの間で働く、パルス(pulsed)チタンサファイアレーザーが、金の領域(gold region)を剥離するために使用され得る。支持体120中のビーズ126が中空である場合、次いで照射および剥離後、形体(feature)120は、穴になり得る。上記穴は、現実には支持体122をより有孔にするために、および/または支持体内から(例えば、ビーズ126内から)活性薬剤の放出を可能にするために作り出され得る。あるいは、または加えて、支持体を変更するために電磁放射線と組み合わせてマスクを使用することは可能であり得る(例えば、パターン加工、または機械加工によって)。電磁放射線を用いる支持体の改変は、挿入の前および/または挿入の後に実施され得る。
【0111】
いくつかのバリエーションにおいて、支持体の視覚的出現は、上記支持体の配置(placement)を容易にするため、または位置および/もしくは状態をモニターするために、特定の条件下で高められ得る。視覚的強化は、上記支持体内または上記支持体上に、光源で励起すると蛍光を発するか、またはりん光を発する発色団を組み込むことによって達成され得る。発色団はまた、例えば、隅角鏡を用いて、手術後に上記支持体の位置を確かめることにおいて、臨床医を援助し得る。光源は、レーザー、ランプ、および発光ダイオードを含み得る。いくつかの例において、励起源の波長を選択するため、または放射を検出もしくは調べるために透過フィルターまたは吸収フィルターが使用され得る。視覚的強化が可能である支持体からの放射は、約300nm〜約800nmの波長範囲にあり得る。上記発色団は、上記支持体を構成し、支持体材料にドーピングされ、または上記支持体上にコーティングされるか、もしくはスプレーされる、上記材料の一体形の構成要素であり得る。視覚的に高める発色団は、一時的な基準で、または永久的な基準で適用され得る。適切な発色団の例は、約400nm〜約500nmで放射する任意のレーザーまたはランプで励起され得るフルオレセインである。さらに、りんベースの化学発光または光輝性の色素が使用され得、それは可視スペクトルにわたる種々の波長で吸収するように選択され得る。
【0112】
いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、組織に付着させることが可能であり得る。例えば、上記支持体は、容易に組織に付着させ得るフック、ループ、クリップ、継足し(extension)または同様のものを含み得る。上記支持体はまた、縫合糸または接着剤を用いて、組織に付着させ得る。上記支持体は、1つ超の付着方法を用いて組織に付着させ得る。例えば、縫合する工程がループと組み合わせて使用され得、そして/または接着剤がフックと組み合わせて使用され得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管における自己の位置決め(self−position)を可能にし得る。例えば、支持体(例えば、螺旋形またはねじられた支持体)は、上記支持体が、1つの形状(例えば、実質的にまっすぐおよび細長い)で上記管に挿入されること、および上記管内でそれ自体を再配置するように調整する(例えば、螺旋形またはねじられた形状へ)ことを可能にする、1つまたはそれより多くの材料(例えば、形状記憶材料)を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内で可動性であり得る。
【0113】
キット
眼内圧を低減するためのキットが提供され、ここで上記キットは、シュレム管内に円周方向に移植することが可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され得る、少なくとも1つの支持体を含む。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占め得、そして/あるいは上記管を横切る、経壁の、もしくは経管の流れ、ならびに/または上記管内での長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。上記キットはまた、上記管に上記支持体を移植するための導入器または送達デバイスを提供し得る。上記支持体および導入器は、上記キットにおいて包装された組み合わせで提供され得る。上記キットはまた、使用のための指示を含み得る(例えば、上記支持体を移植および検査するための)。
【0114】
導入器は、眼に挿入され得、シュレム管内の所望される移植位置に支持体を移植することが可能であり得る。例えば、導入器は、支持体が通り抜け得る管状のカニューレを含み得る。カニューレの他に、導入器は、シュレム管内および/またはシュレム管にわたって、上記支持体を押し出すかまたは前進させるために使用され得る管状または中身が詰まった押し出し棒(pusher rod)を含み得る。あるいは、上記管に支持体を導入するためのカニューレなしで、押し出し棒またはプランジャーが使用され得る。支持体は、挿入前にカニューレの管腔内に取り付けられ得、カニューレの遠位末端は、所望される支持体の場所に置かれるか、またはその近くに置かれ得、上記押し出し棒が近位末端から操作されて、上記支持体を、上記カニューレの遠位末端から遠位方向に押し出し、そして上記管に押し込む。上記カニューレおよび/または押し出し棒は可撓性であって、上記管にわたって少なくとも部分的に広がるのに十分に直径が小さくてよい。いくつかのバリエーションにおいて、縫合糸の近位末端は、カニューレを介して上記管に導入され得、上記縫合糸は、上記管にわたって円周方向に広がり得る。上記縫合糸の遠位の構成部分は、上記支持体と接続され得、上記縫合糸の近位末端に、上記支持体を上記管に引っ張るための力がかけられる。上記支持体は、次に、遠位または近位方向に上記縫合糸を引っ張ることによって、上記管内に置かれ得る。上記縫合糸は、上記支持体を上記管内にしっかり固定するために使用され得る。他のバリエーションにおいて、上記支持体は、外科用鉗子または同様のものを用いて、直接的に上記管に導入され得る。
【0115】
図24A〜24Dは、支持体をシュレム管に導入するためのさらなるバリエーションを例示する。図24Aに示されるように、支持体200は、注射器202およびプランジャー204を用いて、上記管内に導入され得る。注射器202は、上記管中の開口部に少なくとも部分的に挿入され得る遠位末端206、またはその開口部に隣接して置かれ得る遠位末端206を有する。遠位方向の力は、プランジャー204にかけられ得、それにより支持体200を上記管に押し込むことができる。図24Bおよび24Cに関して、ガイドエレメント210の遠位末端208は、上記管内に少なくとも部分的に導入され得る。ガイドエレメント210は、ガイドワイヤーを含み得る。ガイドエレメント210は、上記管に沿って円周方向に広がって、上記支持体の位置決めを手助けし得る。支持体212は、ガイドエレメント210を収容することが可能な中心穴218を含み、その結果、支持体212は、ガイドエレメント210上に通され、上記ガイドエレメントに沿って滑ることができるように置かれ得る。一旦支持体212の遠位末端209がガイドエレメント210上に通されると、支持体212は、ガイドエレメント210に沿って遠位方向に押し出されて、支持体212を上記管内に挿入し得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体212は、ガイドエレメント210上に通されたままであり得、ガイドエレメント210は、上記管中に残り得る。他のバリエーションにおいて、支持体212は、ガイドエレメント210の遠位末端208から滑って外れ得、上記ガイドエレメントは、除去するために、近位方向に引っ張られ得る。図24Cおよび24Dに関して、プランジャー204を有する注射器202が、ガイドエレメント210と組み合わせて使用され得る。このバリエーションにおいて、ガイドエレメント210の遠位末端208は、少なくとも部分的にシュレム管内に挿入され得る。ガイドエレメント210は、上記管に沿って円周方向に広がって、上記支持体の位置決めを手助けし得る。支持体212は、ガイドエレメント210を収容することが可能な中心穴218を含む。ガイドエレメント210の近位末端211は、穴(bore)218に挿入され得る。プランジャー204は、支持体212を上記管に押し込み、エレメント210に沿って支持体212を滑らせるために遠位方向に押し下げられ(depressed)得る。ガイドエレメント210は、上記管中に残り得るか、または上記支持体の挿入後に除去され得る。支持体200および212は、それらが上記管に押し込まれるときに遭遇する力によく耐えるのに十分弾力があり得る。
【0116】
いくつかのバリエーションにおいて、位置決めデバイスが、上記管内に上記支持体を位置させるため、または調整するために上記導入器とともに使用され得る。位置決めデバイスは、棒、グリッパー、クランプ、フック、または同様のものを含み得る。特定のバリエーションにおいて、支持体の挿入を容易にするために上記管を拡張することが可能なデバイスまたはシステムが、上記キットに含まれ得る(例えば、流体を上記管内に注入することが可能な注射器または他のデバイス)。
【0117】
いくつかのバリエーションにおいて、上記キットは、少なくとも2つの支持体を含み得る。複数の支持体は、1つの眼内に、または複数の眼内に移植され得る。上記キットが複数の支持体を含む場合、上記キットはまた、複数の導入器を含み得る。あるいは、特に複数の支持体が単一の眼に送達されつつある場合、同じ導入器が、上記複数の支持体を移植するために使用され得る。複数の支持体が同じ導入器で送達されるべき場合、次いで上記複数の支持体は、滅菌性のために導入器に予め入れられ得る。1つ超の支持体がキットに含まれる場合、上記支持体は、異なる形、サイズ、長さ、または材料のものであり得る。上記キットが、単一の眼に移植されるべき1つ超の支持体を含む場合、上記支持体は、一緒に接続され得る。
【0118】
上記キットは、1つまたはそれより多くの活性薬剤(例えば、薬学的薬剤)を含み得る。上記活性薬剤(複数可)は、上記支持体の一体形の一部分として含まれ得るか、または移植の間もしくは移植後に上記支持体もしくは眼への適用するためのキット中に供給され得る。上記キットの一部分として供給され得る活性薬剤の例としては、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、β遮断薬、α−2アゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬、炭酸脱水酵素インヒビター、成長因子(例えば、組織成長因子または血管内皮成長因子)、代謝拮抗物質、化学療法剤(例えば、マイトマイシン−C)、5−フルオロウラシル、ステロイド、成長因子のアンタゴニスト(例えば、血管内皮成長因子のアンタゴニスト)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0119】
上記キットは、支持体を組織に付着させるための固定デバイスを含み得る。このような固定デバイスは、縫合糸、フック、とがった部分(barb)、クリップ、接着剤、およびそれらの組み合わせを含み得る。さらに、上記キットは、支持体の調査(viewing)、位置決め、およびモニタリングを容易にするために、上記支持体を視覚的に高めるためのシステムを含み得る。上記支持体を視覚的に高めるためのシステムは、光源、透過フィルターもしくは吸収フィルター、鏡、上記支持体に適用され得る蛍光を発するか、もしくはりん光を発することが可能な発色団を含む組成物、またはそれらの組み合わせを含み得る。発色団は、例えば、隅角鏡を用いて、手術後に上記支持体の位置を確かめることにおいて、臨床医を援助し得る。上記光源は、上記支持体内または上記支持体上に含まれる発色団を励起することが可能であり得、その結果、上記発色団は、蛍光またはりん光を放射する。上記放射は、好ましくは約300nm〜約800nmの波長範囲内にある。このようなシステムのための適切な光源は、レーザー、発光ダイオード、またはランプを含み得る。いくつかの例において、透過フィルターまたは吸収フィルターが、上記励起源の波長範囲をさらに選択するため、または発色団からの放射を調べるもしくは検出するために使用され得る。1つもしくはそれより多くの鏡が、光源もしくは放射された光を導くため、または上記支持体を調べるために使用され得る。
【0120】
使用方法
眼内圧を低減するための方法がまた提供される。一般に、上記方法は、支持体をシュレム管内の少なくともある部分に円周方向に挿入する工程を含み得、その結果、上記支持体は、上記管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持する。上記支持体は、シュレム管の中心コアの少なくともある部分を占めていても占めていなくてもよい。いくつかのバリエーションにおいて、上記支持体は、シュレム管を横切る、経壁の、もしくは経管の流れ、および/または上記管に沿った長手方向の流れを実質的に妨げ得ない。
【0121】
上記方法は、導入器および/または位置決めデバイスを用いて、支持体をシュレム管内に、円周方向に挿入する工程を含み得る。上記導入器は、カニューレ、および管状もしくは中空の押し出し棒、または前進ワイヤー(advancing wire)を含み得る。上記カニューレは、例えば、上記カニューレが上記線維柱帯を切り抜けること(例えば、切り出しの場合)および/またはシュレム管内に導入されること(例えば、切り出しのアプローチおよび切り込みのアプローチについて)を可能にする、鋭利な(cutting)、斜めに切られたおよび/または先細になった(tapered)先端を有する遠位の出口ポート(exit port)を含み得る。上記支持体は、上記カニューレの管腔内にその遠位末端において取り付けられ得、上記押し出し棒は、上記カニューレの管腔内にその近位末端において挿入されて、遠位方向に広がって、上記支持体を上記管中の位置に押し込み得る。いくつかの例において、上記カニューレおよび/または上記押し出し棒は可撓性であって、上記管にわたって円周方向に少なくとも部分的に広がるのに十分に直径が小さくてよい。上記方法のいくつかのバリエーションにおいて、導入器の他に位置決めデバイスが使用され得る。上記位置決めデバイスは、第二の棒、グリッパー、フック、クランプ、または同様のものを含み得る。シュレム管への送達または前進の制御は、眼の外側から操作可能であり得るより近位の制御を介し得る。
【0122】
特定のバリエーションにおいて、上記方法は、支持体が蛍光を発するか、またはりん光を発することを引き起こすために上記支持体を光源で照らし、従って上記支持体の視覚的出現を手助けする工程を含み得る。上記支持体の照明(illumination)は、上記支持体を検査するために(例えば、その位置、状態および/または性能をモニターするために)、移植の間および/または移植後に実施してよい。
【0123】
いくつかの例において、上記方法はまた、上記支持体の挿入前および/または上記支持体の挿入の間にシュレム管を拡張する工程を含み得る。上記管の拡張は、流体を上記管内に注入することによって達成され得る。例えば、高粘性の流体(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム)、または他の粘弾性物質、または当該分野において公知である他の拡張流体(dilating fluid)が、上記管を拡張するために使用され得る。例として、いくつかのバリエーションにおいて、流体(例えば、粘弾性流体)が、まずシュレム管を拡張するために使用され得、次に上記支持体は、上記管内に送達され得る。別の例として、特定のバリエーションにおいて、支持体は、流体(例えば、粘弾性流体)中にパッケージされ得、上記流体と同時にシュレム管内に送達され(例えば、注入され)得る。さらなる例として、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、シュレム管内に送達され得、流体(例えば、粘弾性流体)は、上記支持体の送達後に上記管内に送達され(例えば、注入され)得る。これらの場合において、上記流体は、例えば、シュレム管の内部に沿って上記支持体を押す助けとなり得る。
【0124】
上記方法は、1つ超の支持体を眼に移植する工程を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、2つまたはそれより多くの支持体を、上記管内で互いに円周方向に隣接して移植する工程を含み得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、支持体を上記管内で円周方向に互いに向かい合わせて移植する工程を含み得る(例えば、シュレム管の範囲にわたって約180°離れて集まる2つの支持体)。上記方法のいくつかのバリエーションは、単一の眼において複数の支持体を一緒に接続する工程を含み得る。
【0125】
いくつかのバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体をシュレム管を取り囲んでいる組織にしっかり固定する工程を含み得る。上記支持体を組織にしっかり固定する工程は、多様な手法(例えば、縫合することによって、接着剤の適用、フック、クリップ、もしくは同様のものの取り付け、またはそれらの組み合わせ)で達成され得る。特定のバリエーションにおいて、上記方法は、上記支持体のサイズを選択する工程を含み得、その結果、上記支持体は、摩擦ばめによって上記管内にしっかりと合う。摩擦ばめで移植され得る弓形の支持体の例は、図11A〜11Cに例示される。
【0126】
ここで記載される上記方法はまた、電磁放射線を用いて上記支持体を変更する工程を含み得る。例えば、支持体は、特定の波長範囲を優先的に吸収することが可能な領域を含み得る。十分なエネルギーを有する適切な波長範囲の電磁放射線が、上記支持体上に投射されるとき、優先的に吸収する領域における材料は、融解または剥離し得、上記支持体におけるそれらの領域において穿孔またはへこみをもたらす。例えば、金の上に投射する約750nm〜約800nmにおけるパルスチタンサファイアレーザーの放射は、上記金の融解または剥離を引き起こし得る。電磁放射線を用いる支持体の変更は、上記支持体の移植前または上記支持体の移植後に実施してよい。例えば、支持体が、排液を高めるためにある期間、眼に残った後に、上記支持体に穴が作られるか、または拡大され得る。
【0127】
ここで記載される上記支持体の送達は、適宜、内側のアプローチ(切り出し)または外側のアプローチ(切り込み)を含み得る。
【0128】
いくつかのバリエーションにおいて、外側のアプローチは、シュレム管が直接的に可視化されるまで、強膜からそこまで切り下げることによって、シュレム管へのアクセスを達成する工程を含み得る。上記支持体は、次に、移植され得る。例えば、結膜は、切開され得、強膜の弁が作り出され得る。シュレム管は、露出され得、直接的に可視化され得る(例えば、顕微鏡下で)。内側のアプローチについて、記載されたのと同じ送達システムが使用され得る;しかし、上記外側のアプローチは、線維柱帯を切り抜くことを必要としないことがある。
【0129】
特定のバリエーションにおいて、内側のアプローチは、角膜、最も前方の強膜、または角強膜接合部(すなわち、角膜輪部)において、全層切開を作り出すことによって、シュレム管へのアクセスを達成する工程を含み得る。内視鏡的可視化、隅角鏡的可視化および顕微鏡的可視化の組み合わせ、または顕微鏡的可視化だけにおいて、鋭利な刃または針、および支持体または支持体を含む送達デバイスは、前房を通過して線維柱帯に至り得る。上記線維柱帯は、次に、穴を開けられるか、または切開されて、シュレム管の基礎をなす管腔へ最終的に入ることを可能にし得る(例えば、針または刃で穴(hole)を切り出すこと、レーザーで穴(hole)を作り出すこと、電流で穴(hole)を作り出すこと(すなわち、電気電気焼灼)、上記支持体および/もしくは送達デバイスの先端で穴(hole)を作り出すこと、ならびに/または送達カニューレであって、その遠位の先端に鋭利な表面を有する、送達カニューレを用いることによって)。例として、鋭利な表面を有するトロカールが、線維柱帯に穿孔するために使用され得、ガードまたは止め具が、過度の挿入を防ぐために使用され得る。別の例として、移植物の送達のためのカニューレは、支持体移植のため、上記管内で上記カニューレを部分的または完全に前進させる前に、線維柱帯に穴を開けるための鋭利な、先細になったおよび/または斜めに切られた先端を同様に有し得る。カニューレが使用される場合において、上記カニューレは、任意の適切な量(上記支持体の0ミリメートルから全長またはそれより多く)で、シュレム管内に挿入され得る。上記支持体は、次いで、移植され得る。レーザーが用いられる場合は、任意の適切なレーザーまたは複数のレーザーが使用され得、このレーザーとしては、308nm Xenon Chlorideエキシマーレーザー(例えば、光ファイバーを介して送達される)が挙げられるが、これに限定されない。
【0130】
上記管へのアクセスを達成すると、直接的な可視化(すなわち、外側のアプローチを用いる)によって、または線維柱帯に穴を開ける(すなわち、内側のアプローチを用いる)ことによってのいずれかで、上記支持体の移植は進行し得る。特定のバリエーションにおいて、支持体は、比較的容易な送達を提供する比較的まっすぐな形態で送達され得る。上記支持体は、異なる形(例えば、記憶および温度によって指示される)を後に呈し得る。移植は、多様な異なるアプローチのうちのいずれか、またはそれらの組み合わせを用いて達成され得る。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、上記支持体をつかむが、それを損傷しないために鉗子または専門の器械を用いて、直接的にシュレム管に押し込まれ得る。特定のバリエーションにおいて、および前に言及されるように、支持体は、シュレム管内を部分的または完全に前進させられ得る、カニューレに含まれ得る。
【0131】
支持体の送達は、例えば、カニューレが使用される場合に、眼に対して外側であって、外科医および/または外科スタッフによって操作される、手動制御または近位送達制御を用いて達成され得る。上記制御は、例えば、ハンドヘルドアクチュエーター(handheld actuator)メカニズムの形態であり得る。支持体が、カニューレから送達されるとき、いくつかのバリエーションにおいて、上記カニューレの丁度先端が、シュレム管に置かれ、上記支持体は押し出される。特定のバリエーションにおいて、カニューレから支持体を送達するために、押し出し−引っ張り(push−pull)メカニズムが使用され得、ここで上記カニューレは、引っ張られ、上記支持体は、同時に押し出される。支持体を送達するために使用され得る道具の他の非限定的な例としては、注射器または押し出しワイヤーと組み合わせた注射器が挙げられる。カニューレおよび/または送達された支持体は、上記管にわたって0o〜360oに広がり得る。
【0132】
上記支持体は、次に、その支持体を上記管中のその静止場に押し出す、押し出しワイヤーによって送達され得、上記カニューレは、ゆっくり引き抜かれ得るが、上記押し出しワイヤーは、上記支持体をその場に保持し得、結局は、上記支持体が露出され、上記管内での静止をもたらす。あるいは、または加えて、カニューレから上記支持体を強制的に出すために、流体圧力が使用され得る。上記支持体は、例えば、流体の方向圧力(directional pressure)を捕捉するために(例えば、帆のように)、遮断エレメントをその末端に有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、押し出しワイヤーは、ねじのメカニズムを有し得、それにより、単純な押し出しよりもむしろ、ねじる動きを用いて上記支持体が押し込まれるのを可能にする(例えば、比較的制御された送達を提供する)。特定のバリエーションにおいて、カニューレから支持体を放出するために解放メカニズムが使用され得る。いくつかのバリエーションにおいて、カニューレまたは支持体は、送達を容易にするため、シュレム管の狭まった領域を拡張するため、および上記管を遮断する中隔を通して穴を開けるために、先細になった先端を有し得る。
【0133】
カニューレが使用される送達方法の特定のバリエーションにおいて、粘弾性または他のタイプの溶液、または薬物、または色素(例えば、蛍光色素)が上記カニューレから注入され得る。
【0134】
本明細書中に記載される支持体の送達に使用されるカニューレは、いくつかの場合において、鈍い、鋭くされた、先細になった、もしくは斜めに切られた先端、または鋭利な表面もしくは部分的に鋭利な表面を有する先端、あるいはこれらおよび/もしくは任意の他の適切な特徴の組み合わせを有し得る(例えば、シュレム管内への挿入を容易にするために)。カニューレは、金属(例えば、チタン)、金属合金(例えば、ステンレス鋼またはニッケル−チタン合金(例えば、ニチノール))および/またはポリマー(例えば、透明なポリカーボネートもしくはポリプロピレン、または任意の他の適切なポリマー)から作製され得る。特定のバリエーションにおいて、カニューレは、上記カニューレが過剰に入ることを防ぐように配置される1つまたはそれより多くのエレメントを(例えば、上記カニューレの遠位末端に)含み得る。換言すると、上記エレメントまたは複数のエレメントは、上記カニューレが上記線維柱帯に穿孔するが、シュレム管を超えて行かないこと、およびシュレム管に損傷を引き起こさないことを可能にする(基本的に、シュレム管内へ入ることのみを可能にする)。例えば、斜めに切られた先端を有するカニューレが、上記線維柱帯を通して穴を開けるために使用され得、その結果、その斜角部(bevel)は、完全にシュレム管内にある。しかし、上記カニューレ上のくぎ、ピン、またはこぶ(または他のエレメント(例えば、大きく開く特徴または先細の特徴))は、さらなる挿入を防ぎ得る。いくつかの場合において、カニューレは、挿入の程度を示すための印を含み得る。いくつかのバリエーションにおいて、エレメントまたは複数のエレメントは、上記カニューレが、制御された挿入の長さまでだが、さらに前進するのを可能にし得る(例えば、それは上記支持体の長さと同等である)。特定のバリエーションにおいて、カニューレは、染められるか、または色をつけられ得、そして/または蛍光を発し得る(例えば、可視性を高めるために)。カニューレは、任意の適切な寸法を有し得、いくつかの場合において、2インチもしくは3インチまでの長さ、10ミクロン〜800ミクロンの外径、および/または20ミクロン〜780ミクロンの内径を有し得る。いくつかのバリエーションにおいて、カニューレは、予め湾曲させられ得る。ここで記載される上記方法での使用のためのカニューレはまた、可撓性であり得る。
【0135】
送達の間のいくつかの場合において、支持体は、上記支持体の管腔に適合し得るガイドワイヤー上か、または上記支持体の長さに沿った周期的な穴を通り得るガイドワイヤー上を通され得る。上記ガイドワイヤーおよび支持体は、一緒に同時に挿入され得るか、または上記ガイドワイヤーが、まず挿入された後、その上を上記支持体が移動し得る。支持体を送達するために使用され得る道具および技術のさらなる非限定的な例としては、鉗子およびプルスルー(pullthrough)技術が挙げられる。
【0136】
方法のいくつかのバリエーションにおいて、シュレム管の内側表面と接触するように配置される支持体のエレメントまたは形体は、上記エレメントまたは形体の1つもしくはそれより多くが上記管の集合管の1つもしくはそれより多くを遮断する見込みを低減するような様式で間隔を置き得る。特定のバリエーションにおいて、シュレム管内に送達する間および/またはシュレム管内に送達した後、支持体は、集合管の妨害を制限または防ぐために、回転されるか、またはそうでなければ動かされ得る。送達の正確さおよび配置(placement)は、1つまたはそれより多くの画像化技術(例えば、超音波検査法、X線撮影技術、X線蛍光透視法、および/または他の高分解能画像化技術(例えば、高分解能超音波検査法)、ならびにインターベンション(interventional)技術(例えば、コントラスト材料もしくはコントラスト色素、または蛍光材料もしくは蛍光色素を用いること)を用いてモニターされ得る。
【0137】
特定のバリエーションにおいて、支持体は、いくつかの利益を提供し得る、1つまたはそれより多くの生体適合性材料、溶解可能材料、または生体吸収性材料を用いて少なくとも部分的にコーティングされ(例えば、埋め込まれ)得る。可能性のある利益としては、眼への外傷をより少なくして上記支持体を送達すること(例えば、上記支持体の挿入に関連し得る任意の外傷を最小限にするためにシリコーンコーティングを提供すること)、移植の間、繊細な支持体構造を保護すること、ならびに押し出しおよび/または挿入に対する、より大きな送達円柱強度(delivery column strength)を提供すること、ならびに/または送達の間の上記支持体の可視性を高めること(例えば、上記材料は、色がつけられ得るか、発色団を含み得るか、蛍光を発し得る)が挙げられ得る。いくつかのバリエーションにおいて、上記コーティングは、1つまたはそれより多くの物質のためのキャリアまたは貯蔵所として役立ち得る。特定のバリエーションにおいて、上記コーティング材料(複数可)は、抗緑内障薬剤(例えば、圧力を低減するため)、抗線維化薬および/または代謝拮抗物質(例えば、瘢痕を低減するため)、または抗炎症剤(例えば、炎症および/または痛みを低減するため)のような治療剤(例えば、薬物)を含み得る。抗炎症剤の例としては、ヘパリン、マイトマイシン、5−フルオロウラシル、代謝拮抗物質、および非ステロイド性抗炎症剤が挙げられる。抗緑内障薬剤の例としては、プロスタグランジン、β遮断薬、α−アドレナリン作用性アゴニスト、炭酸脱水酵素インヒビター、および縮瞳薬が挙げられる。上記材料(複数可)は、自前で、または加速された様式(例えば、外部のエネルギー源を用いて)で吸収し得る。特定のバリエーションにおいて、支持体の先端またはコーティングは、挿入後、特定の期間内に(例えば、数時間、数日、数週間、または数ヶ月)吸収され得る薬物を含む1つまたはそれより多くの生体吸収性材料を含み得る。
【0138】
複数の支持体がシュレム管内に送達される場合において、上記支持体のうちのいくつか、もしくは全ては、同じ手順で送達され得るか、または支持体は、2つもしくはそれより多くの異なる手順で送達され得る。例えば、1つまたはそれより多くの支持体は、第一の手順を用いて眼に送達され得、1つまたはそれより多くの支持体は、後の日付(例えば、1日後、1週間後、1ヶ月後、1年後、2年後、3年後、4年後、5年後など)に実施される第二の手順を用いて同じ眼に送達され得る。
【0139】
いくつかの場合において、本明細書中に記載される1つまたはそれより多くの支持体は、シュレム管に移植され得、後の日付に1つまたはそれより多くの他の処置(例えば、手術、薬(medicine))が続き得る。本明細書中に記載される支持体の使用は、後の手順(例えば、後のエキシマーレーザートラベクロストミー(trabeculostomy)、レーザートラベクロプラスティ、および他の手術)の効力を有利に改善し得、また、後の日付に使用される薬剤の効力を改善し得ることが考えられる。
【0140】
作製方法
任意の適切な方法が、本明細書中に記載されるデバイスを作製するために使用され得る。例えば、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、基材をねじることによって形成され得る(例えば、リボン部材)。上記基材は、例えば、マンドレルを取り巻いてねじられ得る。いくつかの場合において、上記基材の一方の末端は、道具(例えば、万力)によって保持され得るが、上記基材の他方の末端は、上記基材をねじるために回転する別の道具(例えば、同様の万力)によって保持されるか、またはつかまれる。本明細書中に記載されるデバイスを形成するために使用され得る方法の他の非限定的な例としては、レーザーエッチング、リソグラフィー、および射出成形が挙げられる。例として、いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、リソグラフィー金属析出プロセス(lithography metal deposition process)を用いて作り出され得る。別の例として、特定のバリエーションにおいて、支持体は、ポリマーを前もって造られた型に射出することによって形成され得る。
【0141】
シュレム管での使用のためのデバイス、方法、およびキットはまた、例えば、米国特許出願第11/475,523号(US2007/0298068A1として公開された)において記載され、その全体が本明細書中で参考として援用される。
【0142】
本発明のデバイス、方法、およびキットが、例示として、いくらかの詳細において記載されているが、このような例示は、理解の明快さの目的のためのみである。添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲から外れることなく、特定の変化および改変がそれになされ得ることが、本明細書中の教示に照らして、当業者に容易に明らかである。
【0143】
例として、上記デバイス、方法、およびキットは、眼内圧を低減するために非ヒトの目に適用され得ることが想定される(例えば、イヌ、ネコ、霊長類、またはウマにおいて)。
【0144】
別の例として、本明細書中に記載されるデバイスは、シュレム管内全体またはシュレム管内に部分的にのみに置かれ得る。いくつかのバリエーションにおいて、デバイスは、眼の前房内に広がるか、または突出するように置かれ得る。例えば、特定のバリエーションにおいて、デバイスは、図14Aおよび14Bの支持体1400のような形状を有し得るが、使用の間に上記支持体が、眼の前房内に突出することを可能にする、曲げられた、または湾曲させた領域をさらに含み得る。本明細書中に記載されるデバイスは、任意の適切な様式で上記デバイスを置くために使用され得る、任意の適切な数の曲げられた、または湾曲させた領域を含み得る。
【0145】
いくつかのバリエーションにおいて、以前に記載されたものと同様であるか、または同一である支持体を含むデバイスが、バイパス機能を提供するために使用され得る(例えば、房水の、経壁の、経管のおよび/または長手方向の流れを維持または修復することの他に)。いくつかのこのようなバリエーションにおいて、術者(例えば、外科医)は、上記支持体を完全には挿入しない場合があり、それにより、上記支持体の近位の構成部分が前房に置かれることを可能にし得る(それにより、バイパスとして役立つ)。特定のバリエーションにおいて、支持体の送達後、上記支持体の遠位末端(それは、シュレム管の内側である)は、フックまたは握りデバイス(grasping device)に係合し(上に重なっている線維柱帯の小さい一部分を裂いて)、前房に対して内に曲げられて、上記支持体にバイパス機能を提供し得る。上記支持体の近位末端は、シュレム管内に完全には挿入されてない場合があり、それにより、すでにバイパス機能の働きをし得る。あるいは、上記近位末端は、完全に挿入されている場合がある。いくつかのバリエーションにおいて、支持体は、0°と180°との間の角度(例えば、90°)で、線維柱帯を横切って、前房内へと、シュレム管から突出するように配置される、近位末端および/または遠位末端を含み得る。例えば、上記支持体は、「L」の形を有し得る。上記支持体の近位末端は、バイパス機能を果たし得、例えば、約10ミクロンと約3ミリメートルとの間の寸法があり得る。上記近位末端は、上記支持体の本体と同じ形もしくは形状を有し得るか、または異なる形もしくは形状を有し得る。いくつかの場合において、上記近位末端は、コイルの形態であり得るか、または管状もしくは部分的に管状であり得る。上記支持体が「L」の形もしくは同様の形を有するバリエーションにおいて、上記支持体は、本明細書中に記載されるカニューレもしくは他の送達デバイスのうちの1つもしくはそれより多くを用いてパッケージされ得、そして/または送達され得る(例えば、形状記憶の結果として、カニューレまたは送達デバイスを出ると曲がって)、あるいはカニューレもしくは他の送達デバイスは、上記支持体の近位のバイパス構成部分を収容するために切り開かれ得る。
【0146】
さらなる例として、いくつかの場合において、シュレム管を引き伸ばすことが望ましい場合がある。このような場合は、デバイスは、上記管内に置かれるときに、このような引き伸ばしを達成するように、配置され(例えば、ある寸法に作られ、形作られ)得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内圧を低減するためのデバイスであって、該デバイスは:
シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み、
ここで該支持体は、リボン部材を含む、
デバイス。
【請求項2】
前記リボン部材が少なくとも1つの穴を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記リボン部材がねじられる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記リボン部材がねじられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記リボン部材が第一の細長いエッジおよび第二の細長いエッジを含み、該第一および第二の細長いエッジは、該デバイスがシュレム管に移植されるときにシュレム管の内側表面と接触するように配置される、デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスであって、ここで前記第一および第二の細長いエッジは、該デバイスがシュレム管に移植されるときにシュレム管の前記内側表面と連続して接触するように配置される、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで該デバイスがシュレム管に移植されるときに、該デバイスは、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない、デバイス。
【請求項8】
前記リボン部材が平らである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記支持体が形状記憶合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記形状記憶合金がニッケル−チタン合金を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記支持体が金属合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記金属合金がステンレス鋼を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持体が金属を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記金属がチタンを含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
眼内圧を低減するための方法であって、該方法は:
リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み、
ここで該第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない、
方法。
【請求項16】
前記方法が、前記第一の支持体がシュレム管内に完全に含まれるように、該第一の支持体を挿入する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第一の支持体がシュレム管の中心コアの少なくともある部分を通る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第一の支持体がシュレム管の前記中心コアを完全に通る、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、ここで前記第一の支持体が、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し、該第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、該第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する、方法。
【請求項20】
前記第一の支持体が、シュレム管の内側表面に順応する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、ここで前記第一の支持体が、シュレム管内に挿入される前に第一の形状、およびシュレム管内に挿入された後に第二の形状を有し、該第一の形状が、該第二の形状と異なる、方法。
【請求項22】
前記第一の支持体が形状記憶合金を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第一の支持体がニッケル−チタン合金を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第一の支持体が、切り出しのアプローチを用いてシュレム管内に挿入される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の支持体が、切り込みのアプローチを用いてシュレム管内に挿入される、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の支持体をシュレム管内に挿入するためにカニューレを使用する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の支持体がシュレム管内に配置されるときに、該第一の支持体は、シュレム管の内側表面と接線でのみ接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記第一の支持体がシュレム管内に配置されるときに、該第一の支持体は、シュレム管の内側表面と点でのみ接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の支持体が、内壁表面領域Cを有するシュレム管の円柱状セクション内に配置されるときに、該第一の支持体はCの30%未満と接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記第一の支持体がCの10%未満と接触する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第一の支持体がCの1%未満と接触する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第一の支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程さらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
第二の支持体をシュレム管内の円周方向に挿入する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記第一の支持体が、シュレム管の範囲の約1/8と約1/2との間を占める、請求項15に記載の方法。
【請求項35】
前記第一の支持体が、シュレム管の範囲の約1/4と約1/3との間を占める、請求項15に記載の方法。
【請求項36】
眼内圧を低減するためのキットであって、該キットは第一のデバイスおよび導入器を含み、
該第一のデバイスは、第一の支持体を含み、
該第一の支持体は、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され、リボン部材を含み、
該導入器は、該第一のデバイスをシュレム管内に送達するように配置される、
キット。
【請求項37】
前記導入器がカニューレを含む、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
前記導入器が、押し出し部材をさらに含む、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第二の支持体、を含む第二のデバイスをさらに含む、請求項36に記載のキット。
【請求項40】
前記第一のおよび第二の支持体が、異なるサイズを有する、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記第一のおよび第二の支持体が、異なる形を有する、請求項39に記載のキット。
【請求項1】
眼内圧を低減するためのデバイスであって、該デバイスは:
シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される支持体を含み、
ここで該支持体は、リボン部材を含む、
デバイス。
【請求項2】
前記リボン部材が少なくとも1つの穴を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記リボン部材がねじられる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記リボン部材がねじられる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで前記リボン部材が第一の細長いエッジおよび第二の細長いエッジを含み、該第一および第二の細長いエッジは、該デバイスがシュレム管に移植されるときにシュレム管の内側表面と接触するように配置される、デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスであって、ここで前記第一および第二の細長いエッジは、該デバイスがシュレム管に移植されるときにシュレム管の前記内側表面と連続して接触するように配置される、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、ここで該デバイスがシュレム管に移植されるときに、該デバイスは、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない、デバイス。
【請求項8】
前記リボン部材が平らである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記支持体が形状記憶合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記形状記憶合金がニッケル−チタン合金を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記支持体が金属合金を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記金属合金がステンレス鋼を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記支持体が金属を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記金属がチタンを含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
眼内圧を低減するための方法であって、該方法は:
リボン部材を含む第一の支持体をシュレム管内で円周方向に挿入する工程を含み、
ここで該第一の支持体は、シュレム管の少なくともある部分の開通性を維持し、シュレム管を横切る経壁の流れを実質的に妨げない、
方法。
【請求項16】
前記方法が、前記第一の支持体がシュレム管内に完全に含まれるように、該第一の支持体を挿入する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第一の支持体がシュレム管の中心コアの少なくともある部分を通る、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第一の支持体がシュレム管の前記中心コアを完全に通る、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法であって、ここで前記第一の支持体が、シュレム管の第一および第二の内側壁部と接触し、該第一の内側壁部は、線維柱帯の外部周辺境界と一致し、該第二の内側壁部は、そこから広がる集合管を有する、方法。
【請求項20】
前記第一の支持体が、シュレム管の内側表面に順応する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、ここで前記第一の支持体が、シュレム管内に挿入される前に第一の形状、およびシュレム管内に挿入された後に第二の形状を有し、該第一の形状が、該第二の形状と異なる、方法。
【請求項22】
前記第一の支持体が形状記憶合金を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第一の支持体がニッケル−チタン合金を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第一の支持体が、切り出しのアプローチを用いてシュレム管内に挿入される、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記第一の支持体が、切り込みのアプローチを用いてシュレム管内に挿入される、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の支持体をシュレム管内に挿入するためにカニューレを使用する工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の支持体がシュレム管内に配置されるときに、該第一の支持体は、シュレム管の内側表面と接線でのみ接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記第一の支持体がシュレム管内に配置されるときに、該第一の支持体は、シュレム管の内側表面と点でのみ接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
前記第一の支持体が、内壁表面領域Cを有するシュレム管の円柱状セクション内に配置されるときに、該第一の支持体はCの30%未満と接触する、請求項15に記載の方法。
【請求項30】
前記第一の支持体がCの10%未満と接触する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第一の支持体がCの1%未満と接触する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第一の支持体の挿入前にシュレム管を拡張する工程さらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項33】
第二の支持体をシュレム管内の円周方向に挿入する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項34】
前記第一の支持体が、シュレム管の範囲の約1/8と約1/2との間を占める、請求項15に記載の方法。
【請求項35】
前記第一の支持体が、シュレム管の範囲の約1/4と約1/3との間を占める、請求項15に記載の方法。
【請求項36】
眼内圧を低減するためのキットであって、該キットは第一のデバイスおよび導入器を含み、
該第一のデバイスは、第一の支持体を含み、
該第一の支持体は、シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置され、リボン部材を含み、
該導入器は、該第一のデバイスをシュレム管内に送達するように配置される、
キット。
【請求項37】
前記導入器がカニューレを含む、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
前記導入器が、押し出し部材をさらに含む、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
シュレム管内の少なくともある部分において円周方向に移植可能であって、シュレム管の少なくともある部分の少なくとも部分的な開通性を修復または維持するように配置される第二の支持体、を含む第二のデバイスをさらに含む、請求項36に記載のキット。
【請求項40】
前記第一のおよび第二の支持体が、異なるサイズを有する、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記第一のおよび第二の支持体が、異なる形を有する、請求項39に記載のキット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図8F】
【図8G】
【図8H】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図12G】
【図12H】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図17C】
【図17D】
【図17E】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図19D】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図22D】
【図22E】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図24C】
【図24D】
【公表番号】特表2013−518679(P2013−518679A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552089(P2012−552089)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/023643
【国際公開番号】WO2011/097408
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(511093328)サイト サイエンシーズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2011/023643
【国際公開番号】WO2011/097408
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(511093328)サイト サイエンシーズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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