説明

眼寸法測定装置

【課題】 測定時間を短縮し、被検者の負担を軽減する。
【解決手段】 測定光源と、光路長変更部材と、受光素子と、を有し、被検眼からの反射光を干渉光として受光素子で受光する干渉光学系と、光路長変更部材を移動させる駆動部と、被検眼の所定部位の寸法を測定す眼寸法測定装置において、前記駆動部の駆動を制御して、前記光路長変更部材を往復して移動させ、前記光路長変更部材が第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される第1の干渉信号を取得すると共に、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記光路長変更部材が移動されたときに前記受光素子から出力される第2の干渉信号を取得し、前記第1の干渉信号と前記第2の干渉信号の各干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を各々測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検眼の所定部位の寸法を測定する眼寸法測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検眼の所定部位の軸方向寸法(例えば、眼軸長、前房深度)を測定する眼寸法測定装置としては、光源から出射された低コヒーレント光を被検眼の異なる軸方向位置に存在する2つの部位に向けて照射する照射光学系と、2つの部位からの反射光を干渉光として受光素子で受光する受光光学系と、を有し、光路分割部材によって分割された第1の光と第2の光との間の光路差を調整可能な光路長変更部材を光軸方向に移動させ、受光素子によって干渉光が検出されたときの光路長変更部材の移動位置に基づいて眼寸法を測定する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−297332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の装置の場合、測定開始のトリガ信号が出力されると、光路長変更部材が原点位置から所定方向に向けて移動され、第1の光と第2の光との光路長が一致されたときに受光素子から干渉信号が出力される。そして、この干渉信号が検出されたときの光路長変更部材の移動位置に基づいて眼寸法が測定される。なお、光路長変更部材は、移動限界位置に達した後、反対方向に移動され、原点位置に復帰される。
【0005】
しかしながら、従来の装置の場合、眼寸法を2回以上測定するためには光路長変更部材を2回以上往復して移動させている構成であったため、測定時間が長く、被検者にとって負担となっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を鑑み、測定時間を短縮し、被検者の負担を軽減できる眼寸法測定装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0008】
(1)
低コヒーレント光を出射する測定光源と、該測定光源から出射された光の一部の光路長を変化させるために移動可能に配置された光路長変更部材と、受光素子と、を有し、被検眼に低コヒーレント光を照射し、被検眼からの反射光を干渉光として前記受光素子で受光する干渉光学系と、
前記光路長変更部材を移動させる駆動部と、
該駆動部の駆動を制御すると共に、前記受光素子から出力された干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を測定する演算制御手段と、を備える眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記駆動部の駆動を制御して、前記光路長変更部材を往復して移動させ、
前記光路長変更部材が第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される第1の干渉信号を取得すると共に、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記光路長変更部材が移動されたときに前記受光素子から出力される第2の干渉信号を取得し、
前記第1の干渉信号と前記第2の干渉信号の各干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を各々測定することを特徴とする。
(2) (1)の眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記第1の干渉信号の取得後に前記光路長変更部材が前記第2の方向に移動されるとき、前記第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置と前記第1の方向の移動の原点位置との中間位置、より好ましくは前記第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,前記光路長変更部材の前記第2の方向の移動の限界位置を設定することを特徴とする。
(3) (2)の眼寸法測定装置において、前記演算制御手段は、前記駆動部の駆動を制御して、前記第2の干渉信号の取得後に再度前記光路長変更部材を前記第1の方向に移動させ、前記光路長変更部材が再度前記第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される第3の干渉信号を取得し、前記第3の干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を測定することを特徴とする。
(4) (3)の眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記第2の干渉信号の取得後に前記光路長変更部材が前記第1の方向に再度移動されるとき、前記第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置と前記第2の方向の移動の原点位置との中間位置、より好ましくは前記第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,前記光路長変更部材の前記第1の方向の再度の移動の限界位置を設定することを特徴とする。
(5) (4)の眼寸法測定装置において、
測定開始のトリガ信号を出力するトリガ出力手段を有し、
前記演算制御手段は、トリガ信号が出力されると、前記駆動部の駆動を制御して前記光路長変更部材を少なくとも2回以上往復移動させ、前記光路長変更部材が前記第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される干渉信号と,前記光路長変更部材が前記第2の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される干渉信号と,を取得し、各干渉信号に基づいて被検眼の寸法を各々測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測定時間を短縮し、被検者の負担を軽減できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る眼寸法測定装置の光学系の概略構成図である。なお、以下の実施形態では、本発明を眼軸長測定装置に適用した場合について説明する。
【0011】
被検眼角膜と被検眼眼底に測定光を照射するために配置された照射光学系10は、低コヒーレント光を出射する測定光源1(例えば、SLD)と、測定光源1から出射された光束を平行光束とするコリメータレンズ3と、光源1から出射された光を分割するビームスプリッタ5と、ビームスプリッタ5の透過方向に配置された第1三角プリズム(コーナーキューブ)7と、ビームスプリッタ5の反射方向に配置された第2三角プリズム9と、偏光ビームスプリッタ11と、1/4波長板13と、検査窓17と、を有する。
【0012】
光源1から出射された光(直線偏光)は、コリメータレンズ3によってコリメートされた後、ビームスプリッタ5によって第1測定光(参照光)と第2測定光とに分割される。そして、分割された光は、三角プリズム7(第1測定光)及び三角プリズム9(第2測定光)によって反射されて各々折り返された後、ビームスプリッタ5によって合成される。そして、合成された光は、偏光ビームスプリッタ11によって反射され、1/4波長板13によって円偏光に変換された後、ダイクロイックミラー15及び検査窓17を介して少なくとも被検眼角膜と眼底に照射される。このとき、測定光束は、被検者眼の角膜と眼底にて反射されると、1/2波長分位相が変換される。
【0013】
照射光学系10によって照射された測定光による角膜反射光と眼底反射光による干渉光を受光するために配置された受光光学系20は、検査窓17と、1/4波長板13と、偏光ビームスプリッタ11と、集光レンズ19と、受光素子21と、を有する。
【0014】
角膜反射光及び眼底反射光は、検査窓17及びダイクロイックミラー15を介して、1/4波長板13によって直線偏光に変換される。その後、偏光ビームスプリッタ11を透過した反射光は、集光レンズ19によって集光された後、受光素子21によって受光される。
【0015】
なお、三角プリズム7は、光路長を変更させるための光路長変更部材として用いられ、駆動部71(例えば、モータ)の駆動によってビームスプリッタ5に対して光軸方向に直線的に移動される。この場合、光路長変更部材は、三角ミラーであってもよい。また、プリズム7の駆動位置は、位置検出センサ72(例えば、ポテンショメータ、エンコーダ、等)によって検出される。
【0016】
なお、以上の説明において、光路長変更部材は、光路分割部材によって分割される測定光路のいずれかに配置され、分割された測定光路間の光路差が調整されるように移動されればよい。具体的には、光路長変更部材及び光路分割部材は、図1のように照射光学系10の光路中に配置される他、受光光学系20の光路、又は照射光学系10と受光光学系20の共通光路に配置された構成であってもよい。
【0017】
ダイクロイックミラー15の反射方向には、被検眼の前眼部を撮像するために配置された前眼部撮像光学系30が設けられている。撮像光学系30は、光源1から出射された光を透過し前眼部照明光源40から出射された光を反射する特性を有するダイクロイックミラー15、対物レンズ31、全反射ミラー33、結像レンズ35、二次元撮像素子37、を有する。ここで、照明光源40によって赤外照明された前眼部像は、検査窓17、ダイクロイックミラー15、対物レンズ31、全反射ミラー33、結像レンズ35を介して、二次元撮像素子37に結像される。
【0018】
次に、本実施形態に係る装置の制御系について説明する。制御部80は、表示モニタ81、光源1、受光素子21、駆動部71、位置検出センサ72、コントロール部84、メモリ85、等が接続される。制御部80は、受光素子21から出力される干渉信号を用いて被検眼の眼寸法を演算により求める。また、メモリ85には、求められた測定値などが記憶される。また、コントロール部84には、測定開始のトリガ信号を発する測定開始スイッチ84a、等の各種スイッチが設けられている。
【0019】
以上のような構成を備える装置を用いて、被験者眼の眼軸長を測定する場合について説明する。検者は、モニタ81に表示される被験者眼のアライメント状態を見ながら、図示なきジョイスティック等の操作手段を用いて、装置を上下左右及び前後方向に移動させ、装置を被験者眼Eに対して所定の位置関係に置く。この場合、検者は、図示無き固視標を被験者眼に固視させる。
【0020】
図2は測定開始のトリガ信号が出力された後の動作の一例を示すフローチャートである。測定開始のトリガ信号が出力され、制御部80によって測定光源1が点灯されると、照射光学系10によって測定光が被検眼に照射されると共に、測定光による被検眼からの反射光が受光光学系20の受光素子21に入射される。
【0021】
また、制御部80は、駆動部71の駆動を制御し、第1三角プリズム7を往復移動させる。そして、制御部80は、受光素子21によって干渉光が検出されたタイミングを元に、眼軸長を算出する。
【0022】
この場合、制御部80は、第1三角プリズム7が第1の方向(A方向)に移動されたときに受光素子21から出力される第1の干渉信号を取得すると共に、第1の方向とは反対の第2の方向(B方向)に第1三角プリズム7が移動されたときに受光素子21から出力される第2の干渉信号を取得し、第1の干渉信号と第2の干渉信号の各干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を各々測定する。
【0023】
より具体的には、第1測定光の光路長が長くなる方向(A方向:ビームスプリッタ5から離れる方向)にプリズム7が基準位置から移動されていくと、角膜に照射された第1測定光の光路長と眼底に照射された第2測定光との光路長が一致されるとき、第1測定光による角膜反射光と第2測定光による眼底反射光との干渉光が受光素子21に受光される。この場合、受光素子21から第1の干渉信号が出力され、制御部80に入力される。この場合、制御部80は、確実に第1の干渉信号を得るため、プリズム7を原点位置P2まで移動させる。
【0024】
その後、制御部80は、プリズム7の移動方向を反転させ、第1測定光の光路長が短くなる方向(B方向:ビームスプリッタ5に近づく方向)にプリズム7を移動させる。ここで第1測定光による角膜反射光の光路長と第2測定光による眼底反射光との光路長が一致されるとき、第1測定光による角膜反射光と第2測定光による眼底反射光との干渉光が再び受光素子21に受光される。この場合、受光素子21から第2の干渉信号が出力され、制御部80に入力される。
【0025】
上記のように受光素子21から干渉信号が出力されるときのプリズム7の移動位置は、被検眼の眼軸長に応じて異なる。そして、干渉信号が出力されたときのプリズム7の移動位置は、位置検出センサ72から出力される信号に基づいて検出可能である。したがって、眼軸長値は、例えば、所定の演算式又はテーブル表等を用いてプリズム7の移動位置と被検眼の眼軸長との関係を予め求めておくことにより算出できる。なお、上記構成に限るものではなく、プリズム7の移動中において干渉信号が検出された時間に基づいて眼寸法を測定するようにしてもよい。
【0026】
制御部80は、プリズム7がA方向に移動されているときに受光素子21から出力される第1の干渉信号を取得し、第1の干渉信号が取得されたときのプリズム7の移動位置に基づいて第1の測定結果を得る。プリズム7がB方向に移動されているときに受光素子21から出力される第2の干渉信号を取得し、第2の干渉信号が取得されたときのプリズム7の移動位置に基づいて第2の測定結果を得る。これにより、プリズム7が1回往復移動される間に、被検者眼の眼軸長を2回測定できる。したがって、スムーズな連続測定が可能となる。
【0027】
取得された被験者眼の眼軸長の情報は、メモリ85に記憶されるとともに、モニタ81に表示される。また、制御部80は、所定回数の測定が完了したら(又は被検者の眼軸長値が所定数得られたら)、プリズム7の往復移動を終了し、プリズム7の移動位置を初期位置に復帰させる。なお、上記のように眼軸長の測定値が複数取得された場合、各測定値をそれぞれ出力するようにしてもよいし、複数取得された測定値の平均値を出力するようにしてもよい。
【0028】
上記動作において、第1の干渉信号の取得後にプリズム7がB方向に移動されるとき、制御部80は、第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置とA方向の移動の原点位置(P1)との中間位置、より好ましくは第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,プリズム7のB方向の移動の限界位置を設定するようにしてもよい。
【0029】
ここで、所定の測定結果が得られなかった場合、制御部80は、さらに、プリズム7の移動方向を反転させることにより3回以上の連続測定を行うこともできる。この場合、制御部80は、第2の干渉信号の取得後に再度プリズム7をA方向に移動させ、プリズム7が再度A方向に移動されたときに受光素子21から出力される第3の干渉信号を取得し、第3の干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する。ここで、制御部80は、上記のように設定されたプリズム7のB方向の移動の限界位置をプリズム7の折り返し位置として設定することにより、プリズム7の移動範囲が制限され、プリズム7の移動に要する時間を短縮できる。
【0030】
上記動作において、制御部80は、第2の干渉信号の取得後にプリズム7がA方向に再度移動されるとき、第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置とB方向の移動の原点位置P2との中間位置、より好ましくは第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,プリズム7のA方向の再度の移動の限界位置を設定するようにしてもよい。
【0031】
上記のようにして第3の干渉信号が得られたら、制御部80は、第3の干渉信号の取得後に再度プリズム7をB方向に移動させ、プリズム7が再度B方向に移動されたときに受光素子21から出力される第4の干渉信号を取得し、第4の干渉信号に基づいて被検眼の眼軸長を測定する。
【0032】
ここで、制御部80は、上記のように設定されたプリズム7のA方向の再度の移動の限界位置をプリズム7の折り返し位置として設定することにより、プリズム7の移動範囲が制限され、プリズム7の移動に要する時間を短縮できる。なお、第1の干渉信号の取得後プリズム7をB方向に移動させる場合においても、制御部80は、第1の干渉信号の取得位置と原点位置P2との中間位置、より好ましくは第1の干渉信号の取得位置の近傍に,プリズム7のA方向の移動の限界位置を設定するようにしてもよい。
【0033】
以上のような構成とすれば、少なくとも3回以上の連続測定がスムーズに行われる。また、測定が複数回行われることで、測定結果が安定し、良好な測定精度を得ることができる。
【0034】
なお、以上の説明においては、角膜反射光と眼底反射光との干渉光による干渉信号が検出される毎にプリズム7の折り返し位置が設定されるものとしたが、これに限るものではない。すなわち、角膜反射光と眼底反射光との干渉光による干渉信号が検出されたプリズム7の位置を基準に折り返し位置が設定されるものであればよい。
【0035】
例えば、制御部80は、前述のように第1の干渉信号が検出された後、第1の干渉信号が検出されたときのプリズム7の位置を基準位置とし、その基準位置を略中心とする所定の移動範囲をプリズム7の移動範囲として設定する。この場合、第1の干渉信号の検出後、プリズム7は、所定の移動範囲内を往復移動される。
【0036】
また、以上の説明においては、測定開始のトリガ信号が出力された後、制御部80によってプリズム7が自動的に往復移動されるものとしたが、これに限るものではない。例えば、第1の干渉信号(第2、第3、・・・の干渉信号)が検出された後、所定の折り返し位置にてプリズム7が停止され、トリガ信号が出力されると、プリズム7の移動が開始されるような手法であってもよい。
【0037】
なお、以上の説明においては、光路分割部材(例えば、ビームスプリッタ5)によって第1測定光が通過する第1測定光路と第2測定光路に分割し、分割された光路中に配置された光路長変更部材(プリズム7)によって第1測定光と第2測定光との光路差を生成するものとしたが、これに限るものではない。この場合、光源から出射された光を分割するビームスプリッタ(光分割部材)と、被検眼に測定光を照射するために配置されるサンプルアーム(照射光学系)と、参照光を生成するために配置されるレファレンスアーム(参照光光学系)と、干渉光を受光するための受光素子を有する受光光学系と、を有し、光路長変更部材の移動によって,サンプルアームを介して被検眼に照射された測定光とレファレンスアームからの参照光とによる干渉光が受光素子に受光されるような構成であってもよい。
【0038】
なお、以上の説明においては、眼軸長を測定するための構成について説明したが、これに限るものではなく、被検眼の軸方向において異なる位置に存在する2つの所定部位間の寸法を測定する構成であれば、これに限るものではない。例えば、被検者眼角膜と水晶体に測定光を照射し、その反射光を干渉光として受光して前房深度を測定する構成においても、適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る眼寸法測定装置の光学系の概略構成図である。
【図2】測定開始のトリガ信号が出力された後の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 測定光源
5 ビームスプリッタ
7 三角プリズム(光路長変更部材)
10 照射光学系
20 受光光学系
21 受光素子
71 駆動部
80 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低コヒーレント光を出射する測定光源と、該測定光源から出射された光の一部の光路長を変化させるために移動可能に配置された光路長変更部材と、受光素子と、を有し、被検眼に低コヒーレント光を照射し、被検眼からの反射光を干渉光として前記受光素子で受光する干渉光学系と、
前記光路長変更部材を移動させる駆動部と、
該駆動部の駆動を制御すると共に、前記受光素子から出力された干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を測定する演算制御手段と、を備える眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記駆動部の駆動を制御して、前記光路長変更部材を往復して移動させ、
前記光路長変更部材が第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される第1の干渉信号を取得すると共に、前記第1の方向とは反対の第2の方向に前記光路長変更部材が移動されたときに前記受光素子から出力される第2の干渉信号を取得し、
前記第1の干渉信号と前記第2の干渉信号の各干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を各々測定することを特徴とする眼寸法測定装置。
【請求項2】
請求項1の眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記第1の干渉信号の取得後に前記光路長変更部材が前記第2の方向に移動されるとき、前記第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置と前記第1の方向の移動の原点位置との中間位置、より好ましくは前記第1又は第2の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,前記光路長変更部材の前記第2の方向の移動の限界位置を設定することを特徴とする眼寸法測定装置。
【請求項3】
請求項2の眼寸法測定装置において、前記演算制御手段は、前記駆動部の駆動を制御して、前記第2の干渉信号の取得後に再度前記光路長変更部材を前記第1の方向に移動させ、前記光路長変更部材が再度前記第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される第3の干渉信号を取得し、前記第3の干渉信号に基づいて被検眼の所定部位の寸法を測定することを特徴とする眼寸法測定装置。
【請求項4】
請求項3の眼寸法測定装置において、
前記演算制御手段は、前記第2の干渉信号の取得後に前記光路長変更部材が前記第1の方向に再度移動されるとき、前記第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置と前記第2の方向の移動の原点位置との中間位置、より好ましくは前記第1〜第3の干渉信号の少なくともいずれかの取得位置の近傍に,前記光路長変更部材の前記第1の方向の再度の移動の限界位置を設定することを特徴とする眼寸法測定装置。
【請求項5】
請求項4の眼寸法測定装置において、
測定開始のトリガ信号を出力するトリガ出力手段を有し、
前記演算制御手段は、トリガ信号が出力されると、前記駆動部の駆動を制御して前記光路長変更部材を少なくとも2回以上往復移動させ、前記光路長変更部材が前記第1の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される干渉信号と,前記光路長変更部材が前記第2の方向に移動されたときに前記受光素子から出力される干渉信号と,を取得し、各干渉信号に基づいて被検眼の寸法を各々測定することを特徴とする眼寸法測定装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−184049(P2010−184049A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30487(P2009−30487)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)