説明

眼球トレーニング器

【課題】眼球のトレーニング器に視力判別の機能及び成果確認の手段を設ける事。
【解決手段】約1m〜5mの間の長さの糸(2)に目標となる目印を所定間隔で数個配置し、該糸の一端部を建物の一部等にほぼ目線に水平に固定し、他端部(5)を両目の中心の鼻上部にあてがって両眼運動をさせる、所謂ブロックストリングに於いて、前記数個の目印の少なくとも一つが円盤状(6)で少なくとも一方の平面部分(7)に少なくとも一つ以上のランドルト氏環(8)を設けて、且つ前記糸上を摺動可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックストリングと呼ばれる両眼の眼球のトレーニング器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、インターネット等で紹介され始めた、所謂ブロックストリングと言われる物は、図1のように約1m〜5mの長さの糸2の先端部を壁等に固定し、もう一方の端部5を鼻の中央に当て糸を張り、鼻から適宜位置に目印となるビーズ等(3a、3b‥)を前記糸に少なくとも一個以上設け、先ず、1m先の目標となる目印ビーズ(3c)を片眼だけで見、目印がハッキリと見え、糸も一本に見えたら、もう片一方の眼でも同じように見えることを確認し、次に両眼でその目印を見る。その場合、この二本の糸は目線を表しており、糸の交差点は両眼の向いている場所を表しているといわれる。そして、図2の様に目印3cの中心で糸2が交わるように見えれば両眼の眼球の動きが正常であるといわれている。又、図3の様に、目印3cの少し前で糸2が交わるように見えれば、眼球の外に向ける力がやや不足し内に寄せる力がやや過剰気味であり、図4の様に、目印3cの少し奥で交わる様に見えれば、外に向ける力がやや過剰気味で、内に向ける力がやや不足気味であると言われている。又、図5の様に糸2が目印3cのかなり手前で交わり目印が二つに見える場合は眼球の外側に向ける力が不足し、図6の様に糸2が目印3cのかなり奥で交わって見えれば、内に寄せる力が不足していると言われる。図7の様に片眼ならそれぞれ濃く見えるが、両眼になると一方が薄くなったり消えたりする場合は、両眼を同時に良く使うことが出来ないと言われている。
【0003】
これは両眼を近くに寄せる運動と力(輻輳力)、両眼を近くから遠くに向ける運動と力(開散力)、及び調節力が正常に働いているかを自己診断で調べ、トレーニングするためのものである。ここで言うトレーニングとは、糸の上を目印が動いているイメージで、手前から奥、奥から手前へと糸の端から端まで目線を移動させる。途中で糸の交差が消えたり揺れたりする事がない様にしながら、時間を徐々に短くしながら眼球の往復運動をする。これにより眼球の周りの筋肉が鍛えられる。特にこれは球技で速い球を眼で追うスポーツの場合に役に立つ眼球運動用の装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ブロックストリングは、両眼を近くに寄せる運動と力(輻輳力)、と両眼を近くから遠くに向ける運動と力(開散力)の自己診断及びトレーニングが可能であるが、眼の視力判別及び視力のトレーニングの成果を確認する事はできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、約1m〜5mの間の長さの糸に目標となる目印ビーズ等を所定間隔で数個配置し、該糸の一端部を建物の一部等にほぼ目線に水平に固定し、他端部を両目の中心の鼻上部にあてがって両眼運動をさせる、所謂ブロックストリングに於いて、前記数個の目印の少なくとも一つが円盤状で少なくとも一方の平面部分に少なくとも一つ以上のランドルト氏環が設けられて、前記糸上を摺動可能に設けられた事を特徴とする、眼球トレーニング器を提供する事により上記課題の解決を図った。
【0006】
更に、前記ランドルト氏環が設けられた円盤状体が、前記目標となる目印と別体に設けられて、前記糸上を摺動可能に且つ着脱可能に設けられた事を特徴とし、そして前記、約1m〜5mの長さの糸に、長さ又は距離を認識出来るように糸上又は糸自体に距離目印を設け上記課題の解決を図った。
【発明の効果】
【0007】
上記手段を採用することにより、両眼の近くから遠く、又は遠くから近くへの眼球の運動が出来、眼球の周りの筋肉に力(輻輳力、閑散力)が付くことのみならず、即座に自分での視力判断が出来、視力のトレーニングの成果も確かめることが出来る事になり、動体視力のトレーニング器として大いに役に立つ。。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
約1m〜5mの間の長さの糸に目標となる目印を所定間隔で数個配置し、該糸の一端部を建物の一部等にほぼ目線に水平に固定し、他端部を両目の中心の鼻上部にあてがって両眼運動をさせる、所謂ブロックストリングに於いて、前記数個の目印の少なくとも一つが円盤状で少なくとも一方の平面部分に少なくとも一つ以上のランドルト氏環が設けられて且つ、前記糸上を着脱及び摺動可能に設けられ、前記糸部分には距離を認識できるように距離目印を設けた事を特徴とする、眼球トレーニング器。
【実施例】
【0009】
図1は上記したように、眼球トレーニング器の使用状態を表しており糸の端部4を壁等に水平に固定した状態を表しているが、これは時には水平より下又は上に固定して使用する事も可能である。
【0010】
図2から図7までは、上記した様に、眼で見える状態をイメージで表した図である。
【0011】
図8は本発明の実施例であって、一方の平面7にランドルト氏環(8、8a‥)が設けられた円盤状体6を少なくとも一つ以上、目標となる目印ビーズ等(3a、3b‥)代わりに糸2に通した場合の斜視図であって、こうすることにより、自分での視力判断が出来、視力のトレーニングの成果も確かめることが出来る。そしてこの場合円盤状体の中心に設けられた貫通孔9は中心を通る糸2をやっと通すぐらいで負荷がかかるくらいの大きさが好ましい。ここで円盤状体は円形のみならず、多角形状体や他の形状であっても勿論構わない。
【0012】
図9は本発明の他の実施例の正面図であり、この場合は、目標となる目印ビーズ等(3a、3b、‥)とは別体に設けられた円盤状体6aを糸の途中から好みの場所に挿入できるように縁から中心の貫通孔9aに向かってスリット10を設けたものであり、適宜箇所に適宜大きさのランドルト氏環を配置できる便利な効果がある。
【0013】
図10は本発明の他の実施例の部分拡大図であり、この場合は、約1m〜5mの長さの糸2に距離目印となるように糸に色11,12を付けて眼からの距離を瞬時に解るようにし、目印や円盤状体を適宜位置に即座に配置できるようにした。勿論糸に部分的に色を付けるたりしても良い。
【0014】
本発明のように、ランドルト氏環を設けた円盤状体を適宜位置に配することが出来るようになる事により、円盤状体の移動が簡単となり、位置を変えてランドルト氏環を凝視することも可能となり、眼球の周りの筋肉のみならず毛様体筋もトレーニングできる様になった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の使用状態図
【図2】図1の使用状態におけるイメージ図
【図3】図1の使用状態におけるイメージ図
【図4】図1の使用状態におけるイメージ図
【図5】図1の使用状態におけるイメージ図
【図6】図1の使用状態におけるイメージ図
【図7】図1の使用状態におけるイメージ図
【図8】本発明の実施例の円盤状体の斜視図
【図9】本発明の他の実施例の円盤状体の正面図
【図10】本発明の他の実施例の部分拡大図
【符号の説明】
1 眼球トレーニング器 2 糸 3a 目印 4 壁用固定具
5 糸端部 6 円盤状体 7 一方の平面 8 ランドルト氏環
9 中心貫通孔 10 スリット 11、12 糸の距離目印部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約1m〜5mの間の長さの糸に目標となる目印を所定間隔で数個配置し、該糸の一端部を建物の一部等にほぼ目線に水平に固定し、他端部を両目の中心の鼻上部にあてがって両眼運動をさせる、所謂ブロックストリングに於いて、前記数個の目印の少なくとも一つが円盤状で少なくとも一方の平面部分に少なくとも一つ以上のランドルト氏環が設けられて、前記糸上を摺動可能に設けられた事を特徴とする、眼球トレーニング器。
【請求項2】
前記ランドルト氏環が設けられた円盤状体が、前記目標となる目印とは別体に設けられて、前記糸上を摺動可能に且つ着脱可能に設けられた事を特徴とする、請求項1記載の眼球トレーニング器。
【請求項3】
前記、約1m〜5mの長さの糸に、長さ又は距離を認識出来るように糸上又は糸自体に距離目印を設けた事を特徴とする、請求項1記載の眼球トレーニング器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−110297(P2006−110297A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−329755(P2004−329755)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(593037058)