説明

眼用レンズ

【課題】回折部分を含む眼用レンズと、そのようなレンズの設計方法とを提供する。
【解決手段】本発明によれば、この眼用レンズは、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償するように構成された少なくとも1つの表面を含む屈折部分をさらに含んでいる。前記回折部分は、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された色収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償することができる。さらに、前記屈折部分と回折部分とが相まって、レンズに必要な能力に寄与している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回折部分を含む眼用レンズに関する。
【0002】
さらに本発明は、前記眼用レンズを設計する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
眼を通過する波面が眼の光学部分の影響を受けると、波面に、例えば色収差が発生する。それは、異なる波長では、眼の光学部分にある材料の屈折率が異なるからである。したがって、異なる波長を有する光は、異なる量だけ屈折し、網膜上の異なる位置に到達する。すなわち、異なる色を同一の焦点に合わせることはできない。これは、色収差と呼ばれている。
【0004】
近年、眼の単色収差の補正に多大な関心がもたれている。ヒトの視覚系ですべての単色収差が補正されれば、それが眼の色収差を明らかなものにする働きをすることが明示された。したがって、眼の光学的な質を最適化するには、単色収差と色収差との組合せを補正する必要がある。回折パターンは、眼からの色収差と反対の符号の色収差を通過波面に与えるように構成することができる。したがって、回折パターンを使用して、眼の光学部分によって波面に誘発された色収差を補正することができる。色収差の背景理論の一部を、例えば、David A.AtchisonおよびGeorge Smith著「Optics of the Human Eye」の第17章に見ることができる。回折パターンの理論的背景は、Applied Optics、31(19)(1992)のAllen L.Cohenの論文「Practical design of a bifocal hologram contact lens or intraocular lens」に見ることができる。少なくとも一方の表面上に色収差を補正する回折パターンを含む眼用レンズが、例えば、米国特許第5,895,422号明細書、米国特許第5,117,306号明細書、および米国特許第5,895,422号明細書で知られている。しかし、これらのレンズは、眼の表面からもたらされる他の収差を補償しない。スウェーデン国特許出願第0000614−4号明細書では、球面収差を補償するための非球面レンズが設計されている。用途によっては、これらのレンズが眼の色収差を増加させることがある。したがって、屈折異常を補正し、さらに単色収差および色収差も補正できる眼用レンズが必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、患者の視覚の質を改善することである。
【0006】
本発明の他の目的は、色収差と少なくとも1つのタイプの単色収差とを補正する眼用レンズを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、色収差と球面収差とを補正する眼用レンズを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、標準化ゼルニケ(Zernike)多項式の第11項で表される球面収差を補正することである。
【0009】
他の目的は、球面収差を補正でき、回折部分を備えてレンズに屈折力を加え、眼の光学表面と非球面のレンズ表面とによって誘発された色収差を補償する、非球面レンズを提供することである。本書では、非球面という用語は、回転対称、非対称、および/または不規則表面、すなわち、球面と異なるすべての表面を指す。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的は、初めに「発明の技術分野」で記載した眼用レンズによって達成され、このレンズは、本発明によれば、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償するように構成された少なくとも1つの表面を含む屈折部分をさらに含んでいる。本発明によれば、回折部分は、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された色収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償することができる。前記屈折部分と回折部分とが相まって、レンズに必要な能力(power)に寄与している。本書では、「眼の光学部分」とは、眼の、入射光の屈折に寄与する部分を指す。眼の角膜、ならびに自然のレンズまたは埋込型レンズが、眼の光学部分である。ただし、例えば硝子体中の不均質体も眼の光学部分と見なされる。回折/屈折光学を組み合わせた光学要素は、ハイブリッド要素と呼ばれている。単色収差は、例えば、非点収差、コマ収差、球面収差、トリフォイル(trifoil)、テトラフォイル(tetrafoil)、またはさらに高次の項の収差にすることができる。
【0011】
これによって、眼の光学部分によって通過波面に誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差と色収差とを補償できる眼用レンズが達成される。
【0012】
また、回折部分も、レンズの屈折部分によって誘発された色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償できることが好ましい。
【0013】
本発明の一実施形態では、補正される単色収差が球面収差である。
【0014】
眼の縦方向の色収差(longitudinal chromatic aberration)は、非常によく理解されており、対象ごとに非常に類似した値をとることが示されている(Thibosらの、「The chromatic eye:a new reduced eye model of ocular chromatic aberration in humans」、Applied Optic、31、3594〜3600(1992))。また、年齢と共に安定することも示されている(Mordiらの、「Influence of age on chromatic aberration of the human eye」、Amer.J.Optom.Physiol.Opt.、62、864〜869(1985))。これによって、眼の平均的な色収差を補正するための眼用レンズを設計することができる。
【0015】
回折表面は、いわゆる位相関数(phase function)によって特徴付けることができる。この位相関数は、回折表面を通過するときに光線に加わる付加位相(additional phase)を記述する。この付加位相は、光線が表面に当たる場所のレンズ半径に依存する。径方向に対称な回折表面の場合、この関数は、式1を用いて表すことができる。
【数1】

【0016】
式中、rは半径座標、λは波長であり、DF0、DF1などは、多項式の係数である。
【0017】
また、レンズの回折部分も、通過波面にいくらかの球面収差を誘発することがある。本発明によれば、屈折部分が、レンズの回折部分によって誘発された球面収差について通過波面を補償できるようにすることが好ましい。これによって、波面が眼の光学部分および前記レンズを通過した後で、球面収差を最小限に低減させることができる。
【0018】
球面収差を補償するために、側面の高さが式2によって表される非球面をレンズの屈折部分に導入することができる。非球面は、眼の光学部分とレンズの回折部分とによって誘発された球面収差を相殺するように構成することができる。必ずしも眼の光学部分すべてを考慮する必要はない。一実施形態では、十分に、眼の角膜によって誘発された球面収差が測定され、角膜によってもたらされた球面収差だけが補償され、さらに任意でレンズの回折部分によって誘発された球面収差も補償される。例えば、ゼルニケの多項式を用いて、眼の光学表面を記述することができ、したがって、さらに球面収差を補償するようになされたレンズの非球面を構成することもできる。表1は、標準化ゼルニケ多項式の最初の15項と、各項が表す収差とを示している。球面収差は、標準化ゼルニケ多項式の第11項である。ゼルニケ多項式で表される収差を補償するように適合されたレンズの設計については、本願で引用しているスウェーデン国特許出願SE0000614−4号明細書にさらに詳細に説明されている。
【数2】

【0019】
式中、Rはレンズの半径座標、ccは円錐定数(conic constant)、ADおよびAEは多項式の拡張係数である。
【表1】

【0020】
レンズの球面収差は、レンズの形状因子の影響を受ける。球面屈折レンズの球面収差は、平凸レンズによって最小限に抑えることができる(Atchison D.A.の、「Optical Design of Intraocular lenses I:On−axis Performance」、Optometry and Vision Science、66(8)、492〜506(1989))。本発明では、球面収差の補正量は、レンズの形状因子に依存する。また、色収差に加えて球面収差も補正できる回折パターンを使用することもできる。これは、回折プロファイルの位相関数の高次を修正することによって実施することができる(低次またはrの項(式1)は、レンズの近軸特性を表す)。
【0021】
また、非球面の屈折表面によって、他のタイプの単色収差も補正することができる。表面の形状が複雑になるほど、補正される収差の次数が高くなる。非球面によって一般的な収差を補償するために、側面の高さを式3によって表すことができる。ただし、他の記述も可能である。
【数3】

【0022】
式中、asiは、多項式の係数である。
【0023】
眼用レンズを眼と組み合わせると、多色像質が提供されることが好ましく、これは、MTF(50)(1ミリメートル当り50サイクルでの変調伝達関数(Modulation Transfer Function))として表したときに、本発明のレンズと同一の球面収差を補償するが色収差を補償しない非球面レンズよりも少なくとも約40%高い値をとる。多色像質が高い値であることは、色収差の量が少なく、さらに単色収差の量が少ないことを示している。
【0024】
このレンズは、モデル眼で定義される球面収差と色収差とを補正することができる。眼の球面収差は、0〜1.5ジオプトリに及ぶことがあり、色収差は、通常2.5ジオプトリまでに及ぶ(David A.AtchisonおよびGeorge Smith著、「Optics of the Human Eye」)。
【0025】
適切には、回折部分が回折表面プロファイルである。このような回折表面のプロファイルは、いくつかの同心円状の輪から成る。輪と輪の間の距離は、レンズの中心から離れるほど小さくなる。2つの輪の間の領域は、輪帯(zone)と呼ばれている。第1輪帯の幅は、一定で、他のすべての輪帯の幅を画定する。さらなる背景技術については、本願で参照したAllen L.Cohenの論文を参照されたい。
【0026】
一実施形態では、プロファイル高さ(profile height)が、1つの設計波長に等しい。網膜が最大感度を有する波長であることから、設計波長として550nmが使用されることが多い。プロファイル高さが1つの設計波長に等しいときには、レンズは、その第1次に最大の効果を有する。他の実施形態では、プロファイル高さが2つの設計波長に等しく、したがってレンズがその第2次に最大の効果を有する。例えば、前述のAllen L.Cohenの論文、ならびに米国特許第5,895,422号明細書、米国特許第5,117,306号明細書、米国特許第5,895,422号明細書を参照されたい。プロファイル高さは、いずれかの整数の個数の設計波長にすることができる。
【0027】
発明の一実施形態では、レンズの前面が非球面で、その上に回折プロファイルが重ねられている。発明の他の実施形態では、レンズの前面が非球面であり、レンズの後面が平らで回折プロファイルを有する。また、他の組合せも可能である。例えば、前面および後面の両方に回折プロファイルを与えることができる。また、前面および後面の両方を非球面にすることもできる。本発明の色収差/単色収差低減レンズの設計に適している代替的なレンズ構成は、当業者には容易に識別することができる。
【0028】
またこの目的は、初めに記載した方法によっても達成され、この方法は、レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差と色収差とについて、レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償するステップを含んでおり、前記屈折部分および回折部分がレンズに必要な能力を与えるように寸法設定されている。
【0029】
一実施形態では、この方法がさらに、眼の少なくとも1つの光学部分から波面にもたらされた少なくとも1つのタイプの単色収差を測定し、レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、レンズの屈折部分と回折部分とが測定された単色収差を少なくとも部分的に補償することを含む。
【0030】
発明の一実施形態では、測定される単色収差が球面収差である。
【0031】
眼全体の球面収差は、波面センサを用いて測定することができる。角膜だけを考える場合、広く知られている解剖学的(topographical)測定方法を使用することができる。このような解剖学的方法は、例えば、Antonio GuiraoおよびPablo Artalの「Corneal wave aberration from videokeratography:accuracy and limitations of the procedure」、J.Opt.Soc.Am.Opt.Image Sci.Vis.、Jun、17(6)、955〜965(2000)に開示されている。波面センサについては、米国特許第5,777,719号(Williams他)に記載されている。
【0032】
適切には、この方法がさらに、眼の少なくとも1つの光学部分から波面にもたらされた色収差を測定し、レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、測定された、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された色収差について、レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む。眼の色収差は、Thibosらの、「Theory and measurement of ocular chromatic aberration」、Vision Res.、30、33〜49(1990)、ならびに、Marcosら、Vision Research、39、4309〜4323(1999)に概説されているのと同様の方法など、バーニヤ(vernier)法を用いて測定することができる。色収差を測定する代替的な方法は、Butterworth−Heinemann発行の、David A.AtchisonおよびGeorge Smithの教科書「Optics of the Human Eye」、ISBN 0−7506−3775−7に記載されている。
【0033】
この方法がさらに、眼の屈折異常を測定することと、レンズの屈折部分と回折部分とが相まって眼の屈折異常を少なくとも部分的に補償するようにレンズの屈折部分および回折部分を寸法設定することとを含むことが好ましい。
【0034】
この眼用レンズの設計方法によって、眼の色収差、球面収差、および屈折異常のすべてを考慮して補償することができる。レンズは、1つの屈折部分と1つの回折部分とを備えて設計されており、これらを組み合わせると、眼の光学部分によって誘発されたこれらの収差についてレンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を補償する。
【0035】
収差の補正は、すべて完全補正または部分補正にすることができる。さらに、すべての補正を眼の1つまたはそれ以上の部分の収差に基づいたものにすることができる。また補正を、ある個体群の平均値、または個々の患者の測定値に基づいたものにすることができ、あるいは、平均値と個々の測定値との組合せに基づいたものにすることもできる。ある個体群とは、特定の年齢間隔の人の群、あるいは、例えば眼病を患っている人または角膜手術を受けた人の群にすることができる。色収差の場合、その値がすべての人でほぼ同一であるので、すべての種類の人の平均値を取ってレンズのこの色収差を補正することができる。言うまでもなく球面収差にも同じことを実施できるが、この場合、球面収差が色収差よりも眼によって異なるので、人の群を選択し、あるいはさらに各個人について球面収差を測定することが好ましい。
【0036】
眼用レンズは、有水晶体(phakic)または偽水晶体(pseudophakic)眼内レンズ(IOL:intraocular lens)、眼鏡のレンズ、またはコンタクトレンズに構成することができる。以下に記載する実施例では、レンズが偽水晶体IOLである。以下に記載する実施例のレンズで使用されている材料は、米国特許第5,444,106号明細書に記載の、高屈折率の折曲げ可能シリコン材料である。ただし、これらのレンズには他の材料も可能である。例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)およびヒドロゲルが適した材料である。実施例のレンズは、20Dの能力を有する。ただし、他のいずれかの適切な能力をもつようにレンズを設計することもできる。また、発散レンズ(negative lenses)も可能である。
【0037】
前述した眼用レンズの設計方法は、
i)所定の屈折力(refractive power)と所定の量の少なくとも1つの単色収差とを有する屈折性の非球面眼用レンズを備えたモデル眼を選択するステップと、
ii)様々な波長での前記モデル眼の能力を推定して、モデル眼の色収差を決定するステップと、
iii)モデル眼の前記色収差について理想的な補償にすべき波長によって能力がどのように変化するかに関する、補正関数を推定するステップと、
iv)前記補正関数を適切に近似する、波長によって能力がどのように変化するかに関する一次関数を求めるステップと、
v)この一次関数に対応する回折プロファイルの仮輪帯幅を計算し、さらにこの回折プロファイルの回折力を計算するステップと、
vi)回折プロファイルについて計算された能力の量の分だけ、屈折眼用レンズの屈折力を減少させるステップと、
vii)ステップiii)の新しい補正関数を推定し、ステップiv)の新しい一次関数を求め、この新しい一次関数に対応する新しい回折プロファイルについて新しい仮輪帯幅および新しい回折力を計算するステップと、
viii)屈折眼用レンズと回折プロファイルとを含む、モデル眼で屈折眼用レンズを置き換えるようになされたハイブリッドレンズの総合能力が所定の能力に等しくなるように、屈折眼用レンズの屈折力を調節するステップと、
ix)ハイブリッド眼用レンズの屈折部分と回折部分との適切な組合せが、モデル眼に所定の能力を与え、色収差を適切に減少させることがわかるまで、ステップvii)〜viii)を繰り返すステップとを含む。
【0038】
適切には、この方法が、最終ステップとして、眼と前述の方法のハイブリッド眼用レンズとの組合せの単色収差を測定し、測定結果に従って、眼と眼用レンズとの組合せについて単色収差が十分に低減されるように眼用レンズの屈折部分を補正するステップを含む。
【0039】
使用できるモデル眼の一例が、Navarroのモデル眼であるが、他のモデルも可能である。また、モデル眼を個々の患者の個々の眼にすることもできる。
【0040】
一実施形態では、屈折眼用レンズの少なくとも1つの単色収差が球面収差である。
【0041】
本発明によるレンズの設計には、様々な可能性がある。1つの可能性は、各個人にそれぞれのレンズを設計することである。この場合、患者の眼の色収差、球面収差、および屈折異常が測定され、これらの値から前述の方法によってレンズが設計される。他の可能性は、選択されたカテゴリの人の平均値を使用して、このカテゴリに属しているほとんどすべての人に適応するようになされたレンズを設計することである。これで、様々な能力を有するが、これらの人の群内の患者で球面収差および色収差を同じように減少させるレンズを設計することができる。人の群は、例えば、年齢群、あるいは特定の眼病を患っている人の群、または角膜手術を受けた人の群にすることができる。さらに、色収差の平均値と、各能力についてある範囲の様々な値の球面収差とを有するレンズ一式を提供することができる。これは、色収差がほとんどの人の眼でほぼ同一であるので、好ましい可能性がある。これにより、各個人の眼の屈折異常および球面収差を測定し、次いでこれらの測定値に従うように、このレンズ一式から1枚のレンズを選択する必要がある。
【0042】
以下の実施例は、例として与えるものにすぎず、本発明をいかようにも制限するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
2つの実施例は、偽水晶体眼の球面収差と色収差とを補正する眼内レンズ(IOL)について記載している。両方の実施例が、球面収差を補正するための非球面レンズ表面と、色収差を補正するための回折表面プロファイルとを使用している。非球面レンズ表面は、回折レンズのプロファイルによって引き起こされる球面収差に加えて、眼の表面の球面収差も補正する。
【0044】
実施例2は、拡張型の回折表面プロファイルを有する。このタイプのレンズは、しばしばスーパーゾーン(super−zone)回折レンズと呼ばれており、このようなレンズについては、J.C.Marronらの、「Higher−Order Kinoforms」、Computer and optically formed holographic optics、I.Cindrich他編、Proc.SPIE 1211、62〜66(1990)に記載されている。
【0045】
実施例のIOLの構成については、文献(Navarroら、「Accommodation dependent model of the human eye with aspherics.」、JOSA A、2(8)、1273〜1281(1985))のモデル眼、ならびにシリコン材料のデータに基づいて、以下でさらに説明する。光学的評価は、OSLO光学設計ソフトウェア(Lambda Research Corporation、米国マサチューセッツ州リトルトン)を用いて光線追跡法(ray tracing)によって実施する。
【実施例1】
【0046】
背景理論
角膜および屈折眼内レンズ(IOL)は、収斂性(positive)の色収差を有しており、これは、波長が長くなるほど焦点距離が増加することを意味する。回折プロファイルは、発散性(negative)の色収差を有する。プロファイルは、いくつかの輪(輪帯)から成る。第1次の回折に作用する回折レンズの場合、レンズの能力は、次式で定義することができる。
【数4】

【0047】
式中、Pはレンズの能力、λは設計波長(m)、wは第1輪帯の半分の幅(半径)である。
【0048】
色収差(CA:chromatic aberration)は、次式で表すことができる。
【数5】

【0049】
回折レンズの能力は、波長と線形関係にある。屈折系では、屈折レンズの能力と波長との関係は、一般に線形ではない。このことは、モデル眼および回折レンズの屈折力と波長との関係を示す図1に示されている。モデル眼は、非線形関係を有し、回折レンズは、線形関係を有する。また、理想補正を表す曲線も示されている。したがって回折レンズで完全に補正することができない。それでも、線形補正によって、光学的性能を大きく改善することができる。
【0050】
Navarro(1985)のモデル眼を、自然のレンズの代わりに20ジオプトリのシリコン屈折眼内レンズと併せて使用すると、モデル眼の能力を様々な波長で計算することによって色収差を推定することができる。その結果は、図1と同様のグラフになる。回折レンズがどのように機能すべきか決定するには、理想補正曲線を通じて線形近似を実施する。その結果は、次の通りである。
【数6】

【0051】
これが、色補正レンズの屈折IOL能力と回折IOL能力との比を与える。
【0052】
屈折IOLを備えるモデル眼では、
【数7】

【0053】
したがって、
【数8】

Pd=IOL回折力
【0054】
回折IOL能力が9.24ジオプトリであるので、屈折IOL能力を同じ量だけ削減しなければならない。屈折IOL能力が削減されると、モデル眼の色収差も減少する。実際には、繰返し設計プロセスによって屈折IOL能力と回折IOL能力との間の平衡を見つけなければならず、この場合、回折IOL能力は、最終的に約0〜9.24ジオプトリになる。
【0055】
レンズの説明
実施例のレンズは、シリコン材料製である。その形状は、両等凸形である。レンズの前面は、非球面の屈折レンズを含んでおり、その上に回折プロファイルが重ねられている。回折プロファイルは、レンズの能力の41%(8.25D)を担い、非球面屈折レンズが残りの59%(11.75D)を担っている。第1輪帯の幅は、0.365mmであり、6.0mmのIOL光学系を完全に埋めるには67個の輪が必要である。レンズの周辺部では、回折輪の間隔は、22ミクロンである。
【0056】
IOLは、Navarro(1985)のモデル眼について最適化されている。Navarroのモデル眼は、非球面の角膜を有し、眼の中膜の散乱を含む。モデル眼およびレンズの表面の情報が、表2に与えられている。設計されるレンズは、選択されたモデル眼によって決まる。患者から得られる実際の生理学的データの他のモデル眼を使用してレンズを設計できることに留意しなければならない。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0057】
レンズの挙動
離散した4つの波長を使用して、屈折/回折IOLを含むモデル眼を評価した。焦点は、50サイクル/mmで多色MTF(変調伝達関数)が最大値となる点として定義される。多色MTFは、使用した4つの波長での4つのMTFの重量測定平均値(weighed average)によって決定される。明所視光条件下で眼の標準輝度を使用して、波長に重みを加えた。これは、様々な波長についての網膜の相対感度を表している。異なる4つの波長についての実際の後側焦点距離(ABFL:actual back focal length)は、縦方向の色収差の量の定義からも、焦点を合わせている色の差異の存在を示している。差異を最大にするために、計算は、5.0mm孔で実施する。表3に示す数値から、回折限界性能に近いことが示されているので、既に球面収差が事実上なくなっているものと結論することができる。IOLは、色収差について最適化されているが、既に理論上予想されるように、依然として残っているものもある。
【0058】
色補正されていない、対応する非球面屈折設計についての表4の数値から、実に、MTF(50)に比べ、球面収差が球面屈折IOLについて各波長で十分に補正されており、MTFが回折限界に達していることを示している。異なる波長の焦点がうまく協働しないので、多色MTFは、回折/屈折IOLで見られるものよりも低い。
【0059】
ここから使用している球面レンズは、はるかに低い値を与える。これらのレンズに対応する数値を表5に示す。
【表7】

【表8】

【表9】

【0060】
これら3つのレンズの多色変調伝達関数を、回折限界と併せて図2に示す。
【実施例2】
【0061】
背景理論
例えば製造上の理由から、輪の数がより少なく、したがって輪の間の距離もより大きいレンズが好ましい場合、回折プロファイルについて異なるステップ高さを使用することができる。市販の回折レンズである、ファルマシア(Pharmacia)製のCeeOn(商標)811Eは、回折部分4D、輪帯幅0.5mmで、32個の環を有する。
【0062】
輪の間隔が既存の811Eと同一の8.25Dの回折レンズは、輪のステップ高さを2倍にすることによって達成することができる。ステップ高さが2倍になると、回折レンズの相飛び(phase jump)が2λになり、その結果最大効率が第2次に得られる。8.25Dのレンズの場合、輪帯幅が0.516mmになり、6mm光学系には33個の輪が必要になる。輪と輪の間の最小距離(周辺部)は、45ミクロンである。
【0063】
実施例のレンズは、シリコン材料製である。その形状は、平凸形である。レンズの前面は、非球面である。平らな後面は、相飛び2の回折プロファイルを有する。異なる回折次数間の配光は、図3で与えられる。このグラフから、可視光範囲で関係があるのは1〜3次だけであることがわかる。また、475nmでいくらか2焦点挙動があることもわかるが、眼は、この波長の光にはほとんど感応しない(やはり図3に示されている眼の分光感度から示唆される)。
【0064】
レンズの説明
実施例1のように、回折プロファイルは、レンズの能力の41%(8.25D)を担い、非球面屈折レンズが残りの59%(11.75D)を担っている。
【0065】
IOLは、Navarro(1985)のモデル眼について最適化されている。Navarroのモデル眼は、非球面の角膜を有し、眼の中膜の散乱を含む。モデル眼およびレンズの表面の情報が、表6に与えられている。
【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【0066】
レンズの挙動
実施例1と同じ波長を使用し、回折レンズの効率変化を無視すると、50c/mmでの多色変調が0.81(限界=0.90)になり、これは実施例1のレンズと同様である。さらに回折レンズの第1次および第3次も計算に含め、それらの対応する効率を考慮すると、50c/mmでの多色変調が0.79になる。
【0067】
様々なレンズの第1次および第3次を含む多色MTFを図4に示す。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】モデル眼および回折レンズの屈折力と波長との関係を示す線図である。
【図2】ハイブリッド屈折/回折レンズおよび他の2つのレンズの多色変調伝達関数を示す図である。
【図3】2つの設計波長のプロファイル高さを備える回折レンズについて様々な回折次数の配光を示し、さらに眼の分光感度も示すプロットである。
【図4】図3のレンズおよび他の2つの非回折レンズの第1次および第3次を含む多色変調伝達関数を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回折部分を含む眼用レンズであって、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償するように構成された少なくとも1つの表面を含む屈折部分をさらに含んでおり、前記回折部分が、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償でき、前記屈折部分と回折部分とが相まってレンズに必要な能力に寄与することを特徴とする眼用レンズ。
【請求項2】
前記回折部分が、また、レンズの屈折部分によって誘発された色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償できる請求項1に記載の眼用レンズ。
【請求項3】
前記屈折部分が、また、レンズの回折部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償できる請求項1または2に記載の眼用レンズ。
【請求項4】
前記レンズが、個々の患者の眼で測定された単色収差および色収差の値を少なくとも部分的に補償するように設計されている請求項1から3のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項5】
前記レンズが、ある群の人の測定結果によって決定される単色収差および/または色収差の平均値について少なくとも部分的に補償するように設計されている請求項1から3のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項6】
前記屈折部分が、眼の少なくとも1つの光学部分と、さらに任意で前記レンズの回折部分とによって誘発された球面収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償するように構成された少なくとも1つの表面を含む請求項1から5のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項7】
前記屈折部分が、眼の少なくとも1つの光学部分と、さらに任意で前記レンズの回折部分とによって誘発された球面収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償する非球面を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項8】
前記非球面が、標準化ゼルニケ(Zernike)多項式の第11項で表される球面収差を少なくとも部分的に補償できる請求項7に記載の眼用レンズ。
【請求項9】
前記レンズを眼と組み合わせると、多色像質が提供され、これが、MTF(50)(1ミリメートル当り50サイクルでの変調伝達関数(Modulation Transfer Function))として表したときに、本発明のレンズと同一の球面収差を補償するが色収差を補償しない非球面レンズよりも少なくとも約40%高い値をとる請求項1から8のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項10】
前記回折部分が回折表面プロファイルである請求項1から9のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項11】
前記回折表面プロファイルがいくつかの同心円状の輪から成る請求項10に記載の眼用レンズ。
【請求項12】
前記回折表面プロファイルのプロファイル高さが設計波長の整数個に等しい請求項11に記載の眼用レンズ。
【請求項13】
前記回折表面プロファイルのプロファイル高さが1つの設計波長である請求項11に記載の眼用レンズ。
【請求項14】
前記前面が非球面で、その上に回折プロファイルが重ねられている請求項1から13のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項15】
前記回折プロファイルの第1輪帯の径方向幅が20Dのレンズで0.365mmである請求項13および14に記載の眼用レンズ。
【請求項16】
前記回折表面プロファイルのプロファイル高さが2つの設計波長である請求項11に記載の眼用レンズ。
【請求項17】
前記レンズの前面が非球面であり、前記レンズの後面が平らで回折プロファイルを有する、請求項14を除く、請求項1から16のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項18】
前記回折プロファイルの第1輪帯の径方向幅が20Dのレンズで0.516mmである請求項16および17に記載の眼用レンズ。
【請求項19】
前記レンズの形状が両等凸形である、請求項17を除く、請求項1から18のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項20】
前記レンズの形状が平凸形である請求項1から18のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項21】
前記レンズの材料がシリコンである請求項1から20のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項22】
前記レンズの材料がPMMAまたはヒドロゲルである請求項1から21のいずれか一項に記載の眼用レンズ。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の眼用レンズの設計方法であって、
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された少なくとも1つのタイプの単色収差および色収差について、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償するステップを含んでおり、前記屈折部分および回折部分がレンズに必要な能力を与えるように寸法設定されている方法。
【請求項24】
眼の少なくとも1つの光学部分から波面にもたらされた少なくとも1つのタイプの単色収差を測定するステップと、
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、前記レンズの屈折部分と回折部分とが測定された単色収差を少なくとも部分的に補償するステップとをさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
眼の少なくとも1つの光学部分から波面にもたらされた球面収差を測定するステップと、
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、測定された、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された球面収差について、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償するステップとを含む請求項23または24に記載の眼用レンズの設計方法。
【請求項26】
眼の少なくとも1つの光学部分から波面にもたらされた色収差を測定し、前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、測定された、眼の少なくとも1つの光学部分によって誘発された色収差について、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、一般的な人の眼または特定の群の人の眼の平均色収差について、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、一般的な眼または特定の群の人の眼の平均単色収差について、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、前記回折部分により、前記レンズの屈折部分によって誘発された色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む請求項23から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記レンズの屈折部分と回折部分とを組み合わせて、前記屈折部分により、前記レンズの回折部分によって誘発された単色収差について通過波面を少なくとも部分的に補償することを含む請求項23から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
眼の屈折異常を測定することと、前記レンズの屈折部分と回折部分とが相まって眼の屈折異常を少なくとも部分的に補償するように前記レンズの屈折部分および回折部分を寸法設定することとを含む請求項23から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記屈折部分に、眼の少なくとも1つの光学部分と、さらに任意で前記レンズの回折部分とによって誘発された球面収差について、通過波面を少なくとも部分的に補償する非球面を設けることを含む請求項23から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記屈折部分に、標準化ゼルニケ多項式の第11項で表される球面収差を少なくとも部分的に補償するように適合された非球面を設けることを含む請求項23から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記レンズに回折表面プロファイルを与えることを含む請求項23から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記回折表面プロファイルにいくつかの同心円状の輪を設けることを含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記回折表面プロファイルに、設計波長の整数個に等しいプロファイル高さを与えることを含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記レンズの前面に非球面屈折レンズを設けることと、その上に回折プロファイルを重ねることとを含む請求項23から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
請求項1から22のいずれか一項に記載の眼用レンズを設計する方法であって、
i)所定の屈折力と所定の量の少なくとも1つの単色収差とを有する屈折性の非球面眼用レンズを備えるモデル眼を選択するステップと、
ii)様々な波長での前記モデル眼の能力を推定して、モデル眼の色収差を決定するステップと、
iii)前記モデル眼の前記色収差について理想的な補償にすべき波長によって能力がどのように変化するかに関する、補正関数を推定するステップと、
iv)前記補正関数を適切に近似する、波長によって能力がどのように変化するかに関する一次関数を求めるステップと、
v)この一次関数に対応する回折プロファイルの仮輪帯幅を計算し、さらにこの回折プロファイルの回折力を計算するステップと、
vi)回折プロファイルについて計算された能力の量の分だけ、屈折眼用レンズの屈折力を減少させるステップと、
vii)ステップiii)の新しい補正関数を推定し、ステップiv)の新しい一次関数を求め、この新しい一次関数に対応する新しい回折プロファイルについて新しい仮輪帯幅および新しい回折力を計算するステップと、
viii)屈折眼用レンズと回折プロファイルとを含む、モデル眼で屈折眼用レンズを置き換えるようになされたハイブリッドレンズの総合能力が所定の能力に等しくなるように、屈折眼用レンズの屈折力を調節するステップと、
ix)ハイブリッド眼用レンズの屈折部分と回折部分との適切な組合せが、モデル眼に所定の能力を与え、色収差を適切に減少させることがわかるまで、ステップvii)〜viii)を繰り返すステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項39】
最終ステップとして、眼と請求項38のハイブリッド眼用レンズとの組合せの単色収差を測定し、測定結果に従って、眼と眼用レンズとの組合せについて単色収差が十分に低減されるように眼用レンズの屈折部分を補正するステップをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記屈折眼用レンズの少なくとも1つの単色収差が球面収差である請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
使用される前記モデル眼がNavarro(1985)のモデル眼である請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記回折プロファイルのプロファイル高さが設計波長の整数個に等しい請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−246225(P2008−246225A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−169967(P2008−169967)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【分割の表示】特願2002−582070(P2002−582070)の分割
【原出願日】平成14年3月20日(2002.3.20)
【出願人】(501149673)
【Fターム(参考)】