説明

眼科装置

【課題】上下方向のマニュアルアライメント操作性を向上させることにより、検者及び被検者双方の負担を軽減することができると共に、装置の持つオートアライメント機能を有効に活用することができる眼科装置を提供すること。
【解決手段】オートアライメント機能付きの非接触式眼圧計Sにおいて、オートアライメントに先行し、オートアライメントを開始可能な状態まで手動にて装置本体4を移動させるマニュアルアライメント操作を行う操作ノブ5と、装置本体4を上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構と、顎受け1aを上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構と、を設け、操作ノブ5に、手動操作により本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1回転操作リング5bと、手動操作により受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2回転操作リング5cを設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科検査するための光学系を装置本体に備え、装置本体と被検眼との三次元方向の相対位置関係を正規位置とするアライメントを自動で行うことが可能なオートアライメント機能付きの眼科装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作ノブ(「ジョイスティック」ともいう。)を備えた眼科装置としては、マニュアルアライメント時、検者により操作ノブの外周に設けられている回転操作リングを回転させると、回転センサから回転信号を出力し、回転信号により判断される回転速度と回転方向にしたがって、装置本体を上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構を動作させるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特許第3676053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の眼科装置にあっては、装置本体のみについて操作ノブの外周に設けられている回転操作リングを回転操作させることで上下動させることができる。一方、被検眼を有する被検者は、子供・大人の違いや性別の違い等により、顔の顎の位置から眼の位置までの高さが様々で、装置本体に対する眼の高さ位置を平準化するには、顎を受ける受台を装置ベースに対し上下動させる操作を要する。しかし、受台の上下動操作は、装置ベースに設けられた調整ノブを手動にて回転させたり、または、架台のパネルに設けられた受台上下動スイッチを操作したりすることで行われていた。このように、受台の上下動操作は、操作ノブとは別の位置に設けられた部材に対し行う必要があるため、例えば、前回の被検者と今回の被検者の顎の位置から眼の位置までの高さが大きく異なる場合、受台の上下動操作によるマニュアルアライメントを行った後、操作ノブを把持してのマニュアルアライメントを開始せざるを得なく、マニュアルアライメント操作性が低く、未熟な検者の場合には、マニュアルアライメント操作に多大な時間を要する、という問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、上下方向のマニュアルアライメント操作性を向上させることにより、検者及び被検者双方の負担を軽減することができると共に、装置の持つオートアライメント機能を有効に活用することができる眼科装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明では、眼科検査するための光学系を装置本体に備え、前記装置本体と被検眼との三次元方向の相対位置関係を正規位置とするアライメントを自動で行うことが可能なオートアライメント機能付きの眼科装置において、
前記オートアライメントに先行し、オートアライメントを開始可能な状態まで手動操作にて前記装置本体を移動させるマニュアルアライメント操作を行う操作ノブと、
前記装置本体を前記被検眼に対し上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構と、
前記被検眼を有する被検者の顎を受ける受台を装置ベースに対し上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構と、を設け、
前記操作ノブに、手動操作により前記本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1上下動操作部材と、手動操作により前記受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2上下動操作部材を設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明の眼科装置にあっては、マニュアルアライメント操作を行う際、操作ノブの第1上下動操作部材に対する手動操作により、装置本体を上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号が出力される。また、操作ノブの第2上下動操作部材に対する手動操作により、受台を上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号が出力される。
したがって、マニュアルアライメント操作を行う際、操作ノブに設けられた第1上下動操作部材に対する手動操作により装置本体を上下動させることができるばかりでなく、第2上下動操作部材に対する手動操作により受台を上下動させることができる。このように、2つの上下動操作部材を操作ノブに設けたため、検者の手を操作ノブの位置に置いたままで、受台の上下動操作に引き続き、装置本体の上下動操作ができるというように、上下方向のマニュアルアライメント操作性が高くなり、未熟な検者の場合であっても、短時間にてマニュアルアライメント操作を完了することができる。
このため、検者のマニュアルアライメント操作負担を軽減することができるし、迅速なアライメント完了により、目を見開いたままでの被検者の待ち時間が短縮され、被検者の姿勢を保ったままでの待ち負担を軽減することができる。
加えて、マニュアルアライメント操作性が向上することで、マニュアルアライメントに続き開始されるオートアライメント駆動制御の開始タイミングが迅速となり、オートアライメントへ切り替えるのが非効率的であることにより装置に備わっているオートアライメント機能を使わないということが解消され、装置の持つオートアライメント機能を有効に活用することができることができる。
この結果、上下方向のマニュアルアライメント操作性を向上させることにより、検者及び被検者双方の負担を軽減することができると共に、装置の持つオートアライメント機能を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の眼科装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の非接触式眼圧計(眼科装置の一例)を示す図であり、(a)は非接触式眼圧計の正面図を示し、(b)は非接触式眼圧計の側面図を示す。
【0009】
実施例1の非接触式眼圧計Sは、被検者の頭部を支持する受台1を有する装置ベース2と、装置ベース2の上部に設けられて前後左右方向に移動可能な架台3と、架台3の上部に設けられて前後左右上下方向に移動可能な装置本体4と、を備えている。ここでは、非接触式眼圧計Sの前後方向をZ方向とし、左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0010】
前記架台3には、撮影ボタン5aを有する操作ノブ5と、液晶表示画面等によるモニタ6と、各種の操作スイッチ群7とが設けられている。架台3は検者が操作ノブ5を操作することにより装置ベース2に対して移動し、これに伴い装置本体4も前後左右方向に移動する。また、装置本体4の前面には、被検者の被検眼と対向するようにノズル部8が設けられている。
【0011】
図2は実施例1の非接触式眼圧計におけるアライメント駆動機構を示す概略側面図である。図3は実施例1の非接触式眼圧計におけるアライメント駆動機構を示す概略平面図である。
【0012】
実施例1の非接触式眼圧計Sには、マニュアルアライメントやオートアライメントを行うため、装置本体4を三次元方向に移動させるアライメント駆動機構が設けられている。このアライメント駆動機構は、図2及び図3に示すように、本体上下アライメント駆動機構と、受台上下アライメント駆動機構と、左右アライメント駆動機構と、前後アライメント駆動機構により構成されている。
【0013】
前記本体上下アライメント駆動機構は、図2に示すように、架台3に設けられたYアライメントモータ104と、架台3に上下に移動可能に保持された支柱105とによって構成されている。Yアライメントモータ104と支柱105は、図示しないピニオン及びラックにより結合されている。支柱105は、Yアライメントモータ104によって上下に移動し、支柱105の上端にはテーブル106が設けられている。
【0014】
前記受台上下アライメント駆動機構は、図2に示すように、装置ベース2に設けられたY’アライメントモータ116と、受台1に上下に移動可能に保持された支柱117とによって構成されている。Y’アライメントモータ116と支柱117は、図示しないピニオン及びラックにより結合されている。支柱117は、Y’アライメントモータ116によって上下に移動し、支柱117の上端には顎受け1aが設けられている。
【0015】
前記左右アライメント駆動機構は、図2及び図3に示すように、テーブル106上に設けられた支柱107及びXアライメントモータ108と、支柱107の上端に左右に摺動可能に保持されたテーブル109と、テーブル109の一端に設けられたラック110と、Xアライメントモータ108の出力軸に設けられてラック110に噛合するピニオン111と、によって構成されている。
【0016】
前記前後アライメント駆動機構は、図2及び図3に示すように、テーブルl09の上部に設けられたZアライメントモータ112及び支柱113と、Zアライメントモータ112の出力軸に設けられたピニオン114と、支柱113の上部に設けられ、装置本体4の基体をなすケース115と、によって構成されている。ケース115は、前後に摺動可能に保持されるとともに装置本体4の筐体に覆われ、ケース115の側部にはラック116が設けられ、ラック116はピニオン114と噛合している。
【0017】
前記Yアライメントモータ104は、操作ノブ5に設けられた第1回転操作リング5bのノブ中心軸周りの回転操作により駆動されるほか、後述するコントロールユニット80から出力される制御信号によっても駆動され、装置本体4のY方向のアライメントを行うために用いられる。前記Y’アライメントモータ116は、操作ノブ5に設けられた第2回転操作リング5cのノブ中心軸周りの回転操作により駆動され、顎受け1aのY’方向のアライメント(=被検眼のY’方向アライメント)を行うために用いられる。Xアライメントモータ108とZアライメントモータ112は、操作ノブ5の傾倒操作により駆動されるほか、コントロールユニット80から出力される制御信号によって駆動される。また、Xアライメントモータ108は、装置本体4のX方向のアライメントを行うために用いられる。Zアライメントモー夕112は、装置本体4のZ方向のアライメントを行うために用いられる。なお、各アライメントモータ104,108,112としては、位置制御が可能な例えばステッピングモータ(パルスモータ)が用いられている。
【0018】
図4は実施例1の非接触式眼圧計における操作ノブを示す図で、(a)は正面図を示し、(b)はノブ上端部斜視図を示す。
実施例1の操作ノブ5は、図4(a)に示すように、マニュアルアライメント操作時、装置本体4を左右方向や前後方向に移動させたい場合、検者による接触状態で移動要求方向に傾倒し、ノブを角度θだけ傾倒した後、ノブから手を離すと駆動中立位置N(架台3に対し垂直な位置)まで自己復帰する自己復帰機能を有する。なお、自己復帰機構としては、例えば、ゲーム機のリモートコントローラの操作ノブ等に用いられるような、スプリングやゴム弾性等を用いて自己復帰する周知の機構が用いられる。
【0019】
実施例1の操作ノブ5には、手動操作により前記本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1回転操作リング5b(第1上下動操作部材)と、手動操作により前記受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2回転操作リング5c(第2上下動操作部材)を設定している。
【0020】
前記第1回転操作リング5bは、前記操作ノブ5の外周位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定している。この第1回転操作リング5bの内側位置には、リング回転によりリング回転信号を出力する第1回転センサ87aを有する。
【0021】
前記第2回転操作リング5cは、前記操作ノブ5の外周の前記第1回転操作リング5bとは隣接する位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定している。この第2回転操作リング5cの内側位置には、リング回転によりリング回転信号を出力する第2回転センサ87bを有する。
【0022】
そして、前記第1回転操作リング5bに、第1回転操作リング5bへの接触を検出する第1操作ノブ接触センサ82aを設定している。また、前記第2回転操作リング5cに、第2回転操作リング5cへの接触を検出する第2操作ノブ接触センサ82bを設定している。
【0023】
マニュアルアライメント操作時、図4(a)に示すように、操作ノブ5を傾倒させることでノブ傾きをノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号により検出すると、ノブ傾倒方向を判断し、傾倒方向に判断にしたがって左右方向アライメント駆動機構と前後方向アライメント駆動機構を駆動する。
【0024】
マニュアルアライメント操作時、図4(b)に示すように、第1操作ノブ接触センサ82aにより第1回転操作リング5bへの接触を検出したら、本体上下方向アライメント駆動機構を選択し、第2操作ノブ接触センサ82bにより第2回転操作リング5cへの接触を検出したら、受台上下方向アライメント駆動機構を選択する。そして、本体上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、第1回転操作リング5bを設定速度以上にて回転させていることを検出したら、例えば、右方向回転のときに上方向移動で左方向回転のときに下方向移動というように、回転方向により装置本体4の上下動を切り替える。また、受台上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、第2回転操作リング5cを設定速度以上にて回転させていることを検出したら、例えば、右方向回転のときに上方向移動で左方向回転のときに下方向移動というように、回転方向により受台の上下動を切り替える。
【0025】
図5は実施例1の非接触式眼圧計における圧縮空気噴射構造を含む光学系を示す側面図である。図6は実施例1の非接触式眼圧計における圧縮空気噴射構造を含む光学系を示す平面図である。
【0026】
前記ケース115の内部には、図5及び図6に示すように、前眼部観察光学系10と、XYアライメント指標投影光学系20と、固視標投影光学系30と、XYアライメント検出光学系40と、角膜変形量検出光学系50と、Zアライメント指標投影光学系60と、Zアライメント検出光学系70と、が設けられている。
【0027】
前記前眼部観察光学系10は、被検眼Eの前眼部を観察するための光学系である。
この前眼部観察光学系10は、被検眼Eの左右に位置して前眼部を直接照明する前眼部照明光源11a,11bと、ノズル部8に設けられて眼圧測定時に被検眼Eに空気を吹き付ける気流吹付けノズル12と、前眼部窓ガラス13と、チャンバー窓ガラス14と、ハーフミラー15と、対物レンズ16と、ハーフミラー17,18と、CCD19を有する。これらは光軸O1上に配置されている。
気流吹付けノズル12は、ピストン12aが設けられたシリンダ12bに接続され、ピストン12aが、ピストンソレノイド12cに駆動されることによって角膜Cに空気を吹き付けるようになっている。
この前眼部照明光源11a,11bによって照明された被検眼Eの前眼部像は、気流吹付けノズル12の外部を通過し、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつハーフミラー17,18を透過してCCD19上に形成される。
【0028】
前記XYアライメント指標投影光学系20は、XY方向(左右上下方向)のアライメント検出及び角膜変形量検出のための指標光(XYアライメント指標光)を被検眼Eの角膜Cに正面から投影する光学系である。
このXYアライメント指標投影光学系20は、XYアライメント検出と圧平検出を兼ねる赤外光を出射するXYアライメント用光源21と、集光レンズ22と、開口絞り23と、ピンホール板24と、ダイクロイックミラー25と、投影レンズ26と、ハーフミラー15と、チャンバー窓ガラス14と、気流吹付けノズル12を有する。前記投影レンズ26は、ピンホール板24に焦点が一致するように光路上に配置されている。
【0029】
前記固視標投影光学系30は、被検眼Eに固視標を提示する光学系である。
この固視標投影光学系30は、可視光を出射する固視標用光源31と、ピンホール板32と、ダイクロイックミラー25と、投影レンズ26と、ハーフミラー15と、チャンバー窓ガラス14と、気流吹付けノズル12を有する。
この固視標用光源31から出射された固視標光は、ピンホール板32、ダイクロイックミラー25を経て、投影レンズ26により平行光束となってハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過し、気流吹付けノズル12の内部を通過して被検眼Eに導かれる。そして、被検者がその固視標を固視目標として注視することにより、被検者の視線(すなわち被検眼E)が固定される。
【0030】
前記XYアライメント検出光学系40は、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光して装置本体4と角膜CのXY方向の位置関係を検出する光学系である。
このXYアライメント検出光学系40は、気流吹付けノズル12と、チャンバー窓ガラス14と、ハーフミラー15と、対物レンズ16と、ハーフミラー17,18と、XYアライメント輝点位置センサ41を有する。前記XYアライメント輝点位置センサ41としては、PSD(Position Sensitive Detector:半導体位置検出素子)センサのようなスポット状の輝点位置が検出可能な受光センサが用いられている。
【0031】
前記角膜変形量検出光学系50は、XYアライメント指標光の角膜Cによる反射光を受光して角膜Cの圧平変形量を検出する光学系である。
この角膜変形量検出光学系50には、前記XYアライメント検出光学系40のハーフミラー17によって反射された一部の光束が導かれ、ピンホール板51を通過して圧平検出受光センサ52に導かれる。この圧平検出受光センサ52としては、フォトダイオードのような光量検出可能な受光センサが用いられている。
【0032】
前記Zアライメント指標投影光学系60は、Z方向(前後方向)のアライメント検出のための指標光(Zアライメント指標光)を角膜Cに斜め方向から投影する光学系である。
このZアライメント指標投影光学系60は、赤外光を出射するZアライメント用光源61と、集光レンズ62と、開口絞り63と、ピンホール板64と、投影レンズ65を有する。これらは光軸O2上に配置されている。投影レンズ65は、ピンホール板64に焦点が一致するように光路上に配置されている。
【0033】
前記Zアライメント検出光学系70は、Zアライメント指標光の角膜Cによる反射光を前眼部観察光学系10の光軸O1に関し対称な方向から受光して装置本体4と角膜CのZ方向の位置関係を検出する光学系である。
このZアライメント検出光学系70は、結像レンズ71と、Y方向にパワーを持つシリンドリカルレンズ72と、Zアライメント輝点位置センサ73を有する。これらは光軸O3上に配置されている。Zアライメント輝点位置センサ73としては、ラインセンサやPSDセンサのような輝点位置検出が可能な受光センサが用いられている。
【0034】
図7は実施例1の非接触式眼圧計においてオートアライメント駆動制御処理や眼圧測定のための演算処理を行うコントロールユニット80とその入出力系を示す制御ブロック図である。
【0035】
前記コントロールユニット80は、演算制御回路80aと、Xアライメントモータ108を駆動するドライバ80bと、Yアライメントモータ104を駆動するドライバ80cと、Zアライメントモータ112を駆動するドライバ80dと、Y’アライメントモータ116を駆動するドライバ80eと、を備えている。
【0036】
前記演算制御回路80aへの入力系としては、図6に示すように、メインスイッチ81と、CCD19と、撮影ボタン5aと、XYアライメント輝点位置センサ41と、Zアライメント輝点位置センサ73と、第1操作ノブ接触センサ82aと、第2操作ノブ接触センサ82bと、被検者検出センサ83と、圧平検出受光センサ52と、チャンバー内圧センサ84と、ノブ傾倒位置センサ85と、第1回転センサ87aと、第2回転センサ87bと、他のセンサ・スイッチ類88と、を備えている。
【0037】
前記メインスイッチ81は、非接触式眼圧計により検査を行う際、イニシャライズ処理等を行うためにON操作される検査開始スイッチである。
【0038】
前記第1操作ノブ接触センサ82aおよび第2操作ノブ接触センサ82bは、検者が操作ノブ5に触れていることを検出する手段であり、図4(a),(b)に示すように、操作ノブ5のうち、マニュアルアライメント時に検者が把持する外周位置に設けられる。この操作ノブ接触センサ82a,82bとしては、例えば、静電容量検知型のタッチセンサ等が用いられる。
【0039】
前記被検者検出センサ83は、装置本体4の前に被検者が存在することを検出する手段であり、例えば、図1(b)に示すように、被検者の頭部を支持する受台1のうち、受台1に被検者が頭部を支持すると被検者が接触する受台1の前面位置に設定される。
【0040】
前記チャンバー内圧センサ84は、気流吹付けノズル12へ通じるチャンバー内の気圧変化を検出するセンサである。このチャンバー内圧情報は、眼圧測定情報として用いられる。
【0041】
前記ノブ傾倒位置センサ85は、図4(a)に示すように、操作ノブ5の下端部位置に設定され、操作ノブ5を傾倒し傾倒角度が設定角度θを超えると、傾倒方向に応じて傾倒方向を識別できるセンサ信号を出力する。
このノブ傾倒位置センサ85としては、例えば、操作ノブ5を任意の方向に傾倒させると、非接触磁界検出方式により傾倒方向に応じた座標データを出力すると共に、操作ノブ5から手を離すと、内蔵されたスプリングにより自動的に駆動中立位置Nに自己復帰させるポインティングデバイス等が用いられる。
【0042】
前記第1回転センサ87aおよび第2回転センサ87bは、操作ノブ5の内部に設定され、回転数と回転方向を識別できるセンサ信号を出力する。
この回転センサ87a,87bとしては、例えば、発光素子と受光素子を有し、第1回転操作リング5bや第2回転操作リング5cと共に回転する円盤に設けられた小孔やスリット孔等を光が透過するときと、光が遮断されるときとでON/OFFのパルス信号を出力するセンサが用いられる。回転速度はパルス数をカウントすることで測定され、回転方向は右方向回転と左方向回転とで、パルス波形特性を異ならせることで判断する。
【0043】
前記ドライバ80b,80c,80d,80eからの出力系としては、図7に示すように、Xアライメントモータ108と、Yアライメントモータ104と、Zアライメントモータ112と、Y’アライメントモータ116と、が設けられている。また、演算制御回路80aからの出力系としては、図7に示すように、ピストンソレノイド12cと、モニタ6と、発光制御回路86と、が設けられている。さらに、発光制御回路86からの出力系としては、図7に示すように、前眼部照明光源11a,11bと、XYアライメント用光源21と、固視標用光源31と、Zアライメント用光源61と、が設けられている。
【0044】
図8は実施例1のコントロールユニット80にて実行されるオートアライメント駆動制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、このフローチャートは、メインスイッチ81をONにすることで開始される。
【0045】
ステップS1では、フローチャートの開始、あるいは、ステップS1での被検者不在判断、あるいは、ステップS2での操作ノブ非接触判断に続き、被検者検出センサ83からのセンサ信号に基づき、装置本体4の前に被検者が存在しているか否かを判断し、YESの場合(被検者存在)はステップS2へ移行し、NOの場合(被検者不在)はステップS1での判断を繰り返す。
【0046】
ステップS2では、ステップS1での被検者検出との判断に続き、第1操作ノブ接触センサ82aまたは第2操作ノブ接触センサ82bからのセンサ信号に基づき、検者が操作ノブ5に触れているか否かを判断し、YESの場合(操作ノブ接触)はステップS3へ移行し、NOの場合(操作ノブ非接触)はステップS1へ戻る。
【0047】
ステップS3では、ステップS2での操作ノブ接触との判断、あるいは、ステップS8でのマニュアルアライメント、あるいは、ステップS13でのマニュアルアライメントに続き、前眼部照明光源11a,11bを点灯、あるいは、点灯を維持し、モニタ6から非検者の前眼部画像を取り込み、ステップS4へ移行する。なお、モニタ画像は、CCD19からの前眼部画像信号に基づき演算制御回路80aにて生成される。
【0048】
ステップS4では、ステップS3での前眼部照明および画像取り込みに続き、モニタ6に映し出された前眼部画像内に存在する前眼部照明光(アライメント視標)による輝点の検出動作を行い、ステップS5へ移行する。なお、輝点検出動作は、例えば、前眼部画像の光量分布を得る画像処理により行われる。
【0049】
ステップS5では、ステップS4での輝点検出に続き、前眼部照明光による少なくとも1個の輝点が前眼部画像内に存在することで、輝点検出に成功したか否かを判断し、YESの場合はステップS6へ移行し、NOの場合はステップS8へ移行する。なお、輝点検出の成功は、例えば、前眼部画像の光量分布特性を解析し、前眼部照明光領域に相当する高い光量部分が特性中に存在することにより行われる。
【0050】
ステップS6では、ステップS5での輝点検出の成功判断に続き、モニタ6を見ている検者から容易に視認できるように、「オートアライメント可」とモニタ表示する指令を出力し、ステップS7へ移行する。なお、モニタ6の画面には、「オートアライメント可」という表示以外に、「操作ノブから手を離したらオートアライメントが開始されます。」といった表示、あるいは、輝点の位置判断に基づき、「どの方向にアライメント操作したら正規位置に近づきます。」といった操作方向のガイド表示を併せて行っても良い。
【0051】
ステップS7では、ステップS6での「オートアライメント可」表示に続き、操作ノブ接触センサ82からのセンサ信号に基づき、検者が操作ノブ5から手を離しているか否かを判断し、YESの場合(操作ノブ非接触)はステップS9へ移行し、NOの場合(操作ノブ接触)はステップS8へ移行する。
【0052】
ステップS8では、ステップS5での輝点検出不成功の判断、あるいは、ステップS7での操作ノブ接触であるとの判断に続き、検者が操作ノブ5に対して手動操作するマニュアルアライメントを実行し、ステップS3へ戻る。なお、マニュアルアライメント操作制御については後述する。
【0053】
ステップS9では、ステップS7での操作ノブ非接触との判断、あるいは、ステップS12でのモータ駆動に続き、正規位置からのXYアライメント輝点の乖離量(以下、「輝点ズレ量」という。)が、予め設定された精密範囲から外れているか否かを判断し、精密範囲から外れている場合(精密範囲NG)にはステップS10へ移行し、精密範囲内である場合(精密範囲OK)にはステップS14へ移行する。
ここで、精密範囲は、アライメント輝点を正規位置に収束させるには、精密アライメントが要求される領域であり、正規位置の近傍領域に設定される。なお、この精密範囲は、例えば、特開平9−224912号公報等において、オートアライメントを開始する領域と一致する。
【0054】
ステップS10では、ステップS9での精密範囲NGであるとの判断に続き、モータ駆動速度が速く位置精度が低い粗アライメントによるモータ駆動指令値を演算し、ステップS11へ移行する。
なお、このオートアライメント駆動制御での粗アライメントは、例えば、特開平9−224912号公報等において、マニュアルアライメントによる粗アライメントに代えて行われる。
【0055】
ステップS11では、ステップS10での粗アライメントによるモータ駆動指令値の演算、あるいは、ステップS15での輝点ズレ量測定不可との判断、あるいは、ステップS17での輝点ズレ量>アライメント完了しきい値との判断に続き、操作ノブ接触センサ82からのセンサ信号に基づき、検者が操作ノブ5から手を離しているか否かを判断し、YESの場合(操作ノブ非接触)はステップS12へ移行し、NOの場合(操作ノブ接触)はステップS13へ移行する。
【0056】
ステップS12では、ステップS11での操作ノブ非接触であるとの判断に続き、ステップS10での粗アライメントによるモータ駆動指令値により、あるいは、ステップS14での精密アライメントによるモータ駆動指令値により各アライメントモータ108,104,112,116を駆動し、ステップS9へ戻る。
【0057】
ステップS13では、ステップS11での操作ノブ接触であるとの判断に続き、実行されているオートアライメント駆動制御を停止し、オートアライメント駆動制御から検者が操作ノブ5に対する手動操作でアライメントするマニュアルアライメントに切り替え、ステップS3へ移行する。
【0058】
ステップS14では、ステップS9での精密範囲OKであるとの判断に続き、モータ駆動速度が遅く位置精度が高い精密アライメントによるモータ駆動指令値を演算し、ステップS15へ移行する。
このオートアライメント駆動制御での精密アライメントは、例えば、特開平9−224912号公報等におけるオートアライメント駆動制御での微アライメントと一致する。
【0059】
ステップS15では、ステップS14での精密アライメントによるモータ駆動指令値の演算に続き、輝点ズレ量の測定が可能であるか否かを判断し、YESの場合(輝点ズレ量測定可)はステップS16へ移行し、NOの場合(輝点ズレ量測定不可)はステップS11へ移行する。
【0060】
ステップS16では、ステップS15での輝点ズレ量測定可との判断に続き、XYアライメント輝点とZアライメント輝点の正規位置からの乖離量である輝点ズレ量を測定し、ステップS17へ移行する。
【0061】
ステップS17では、ステップS16での輝点ズレ量の測定に続き、測定したXYZ方向の輝点ズレ量がアライメント完了しきい値以下であるか否かを判断し、YESの場合(輝点ズレ量≦アライメント完了しきい値)はステップS18へ移行し、NOの場合(輝点ズレ量>アライメント完了しきい値)はステップS11へ移行する。
ここで、アライメント完了しきい値は、眼圧測定誤差を許容誤差範囲内に小さく抑えるために、ゼロに近い小さな値に設定される。
【0062】
ステップS18では、ステップS17での輝点ズレ量≦アライメント完了しきい値との判断に続き、直ちにノズル部8から空気を噴射して被検眼Eの角膜Cを圧平し、角膜Cが一定の形状に変形したときのチャンバー内圧から被検眼Eの眼圧値を測定する眼圧測定を実行する。なお、ステップS9〜ステップS17は、オートアライメント駆動制御手段に相当する。
【0063】
図9は実施例1のコントロールユニット80にて実行されるマニュアルアライメント操作制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、このフローチャートは、メインスイッチ81をONにすることで開始される(マニュアルアライメント操作制御手段)。
【0064】
ステップS21では、第1操作ノブ接触センサ82aまたは第2操作ノブ接触センサ82bからのセンサ信号に基づき、検者が操作ノブ5に触れているか否かを判断し、YESの場合(操作ノブ接触)はステップS22へ移行し、NOの場合(操作ノブ非接触)はエンドへ移行する。
すなわち、マニュアルアライメント操作制御処理は、操作ノブ5へ検者が接触しているあいだ実行されることになる。
【0065】
ステップS22では、ステップS21での操作ノブ接触であるとの判断に続き、操作ノブ5の第1回転操作リング5bまたは第2回転操作リング5cが回転しているか否かを判断し、YESの場合(回転操作リング回転中)はステップS30へ移行し、NOの場合(回転操作リング停止中)はステップS23へ移行する。なお、第1回転操作リング5bまたは第2回転操作リング5cの回転判断は、第1回転センサ87aまたは第2回転センサ87bから変化するセンサ信号の入力有無により行う。
【0066】
ステップS23では、ステップS22での両回転操作リング5b,5cが停止中であるとの判断に続き、操作ノブ5を傾倒しているか否かを判断し、YESの場合(ノブ傾倒操作中)はステップS24へ移行し、NOの場合(ノブ傾倒非操作中)はステップS29へ移行する。
なお、操作ノブ5の傾倒判断は、ノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号の入力有無により行う。
【0067】
ステップS24では、ステップS23でのノブ傾倒操作中であるとの判断に続き、ノブ傾倒操作の継続時間をあらわすタイマー値Tを、T+1の式により加算し、ステップS25へ移行する。
【0068】
ステップS25では、ステップS24でのT=T+1の加算処理に続き、ノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号に基づき、操作ノブ5の傾倒方向を判断し、ステップS26へ移行する。
【0069】
ステップS26では、ステップS25での操作ノブ5の傾倒方向判断に続き、ノブ傾倒操作の継続時間をあらわすタイマー値Tが、設定タイマー値To以上であるか否かを判断し、NOの場合(T<To)はステップS27へ移行し、YESの場合(T≧To)はステップS28へ移行する。
ここで、「設定タイマー値To」としては、検者がある程度大きな移動量を要求する場合に操作ノブ5を傾倒位置にて止める時間(例えば、1秒)に設定する。
【0070】
ステップS27では、ステップS26でのT<Toとの判断に続き、操作ノブ5の傾倒方向に装置本体4が微動するようにXアライメントモータ108とZアライメントモータ112に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
【0071】
ステップS28では、ステップS26でのT≧Toとの判断に続き、操作ノブ5の傾倒方向に装置本体4が粗動するようにXアライメントモータ108とZアライメントモータ112に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
なお、「微動」とは、精密アライメントに適するように、単位時間当たりの装置本体4の移動量が小さいモータ駆動をいい、「粗動」とは、粗アライメントに適するように、単位時間当たりの装置本体4の移動量が大きいモータ駆動をいう。
【0072】
ステップS29では、ステップS23での操作ノブ5が傾いていなく駆動中立位置であるとの判断に続き、タイマー値Tを、T=0の初期値にリセットし、ステップS21へ戻る。
【0073】
ステップS30では、ステップS22での第1回転操作リング5bまたは第2回転操作リング5cが回転中であるとの判断に続き、回転しているのは第1回転操作リング5bであるか否かを判断し、YESの場合(第1回転操作リング5bの回転)はステップS31へ移行し、NOの場合(第2回転操作リング5cの回転)はステップS36へ移行する。
【0074】
ステップS31では、ステップS30での第1回転操作リング5bの回転判断に続き、第1回転操作リング5bの回転方向を第1回転センサ87aからのセンサ信号に基づき判断し、右方向回転の場合はステップS32へ移行し、左方向回転の場合はステップS34へ移行する。
【0075】
ステップS32では、ステップS31での第1回転操作リング5bが右方向回転であるとの判断に続き、第1回転操作リング5bの右方向回転速度が設定速度以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS33へ移行し、NOの場合はステップS21へ戻る。
【0076】
ステップS33では、ステップS32での第1回転操作リング5bの右方向回転速度が設定速度以上であるとの判断に続き、上方向に装置本体4が移動するようにYアライメントモータ108に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
【0077】
ステップS34では、ステップS31での第1回転操作リング5bが左方向回転であるとの判断に続き、第1回転操作リング5bの左方向回転速度が設定速度以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS35へ移行し、NOの場合はステップS21へ戻る。
【0078】
ステップS35では、ステップS34での第1回転操作リング5bの左方向回転速度が設定速度以上であるとの判断に続き、下方向に装置本体4が移動するようにYアライメントモータ108に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
【0079】
ステップS36では、ステップS30での第2回転操作リング5cの回転判断に続き、第2回転操作リング5cの回転方向を第2回転センサ87bからのセンサ信号に基づき判断し、右方向回転の場合はステップS37へ移行し、左方向回転の場合はステップS39へ移行する。
【0080】
ステップS37では、ステップS36での第2回転操作リング5cが右方向回転であるとの判断に続き、第2回転操作リング5cの右方向回転速度が設定速度以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS38へ移行し、NOの場合はステップS21へ戻る。
【0081】
ステップS38では、ステップS37での第2回転操作リング5cの右方向回転速度が設定速度以上であるとの判断に続き、上方向に顎受け1aが移動するようにY’アライメントモータ116に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
【0082】
ステップS39では、ステップS36での第2回転操作リング5cが左方向回転であるとの判断に続き、第2回転操作リング5cの左方向回転速度が設定速度以上であるか否かを判断し、YESの場合はステップS40へ移行し、NOの場合はステップS21へ戻る。
【0083】
ステップS40では、ステップS39での第2回転操作リング5cの左方向回転速度が設定速度以上であるとの判断に続き、下方向に顎受け1aが移動するようにY’アライメントモータ116に対し駆動指令を出力し、ステップS21へ戻る。
【0084】
次に、作用を説明する。
まず、「アライメント技術について」の説明を行い、続いて、実施例1の非接触式眼圧計Sにおける作用を、「アライメント輝点の位置検出作用」、「オートアライメントの開始条件判断と開始報知作用」、「マニュアルアライメント操作制御作用」、「オートアライメント駆動制御作用」、「眼圧測定作用」に分けて説明する。
【0085】
[アライメント技術について]
従来から、非接触式眼圧計、眼屈折力測定装置、角膜内皮細胞撮影装置等の眼科装置においては、被検眼とのアライメント状態を自動的に調整するためのオートアライメント機構が設けられている。このような眼科装置は、例えば、設置面上に載置されるベースと、このベース上を前後左右方向に移動可能で操作ノブ(「ジョイスティック」ともいう。)により手動で移動制御される架台と、この架台に対して三次元方向に移動可能でアライメントずれ量の検出機構及び駆動機構により移動制御される装置本体とを備えている。
【0086】
また、この種の眼科装置では、まず測定に適した作動距離(例えば、非接触式眼圧計では11mm程度)よりも数mm程度後方に装置本体を位置させ、モニタに映った被検眼像を見ながら上下方向(Y方向)及び左右方向(X方向)についてのXYアライメントを行い、この後方位置でのXYアライメントが完了した後、装置本体を徐々に被検眼に近づけ、前後方向(Z方向)についてのZアライメントを完了させるように検者を誘導する。このような手順でアライメントを行う方法を「XY前置法」という。
【0087】
このXY前置法は、アライメント操作を容易かつ安全に行うことができるという理由のほか、Z方向についてのZアライメントズレ量の検出機構の検出精度が、XY方向についてのXYアライメントズレ量の大きさに比例して低下するため、XY方向についてのXYアライメントを先に行う方が迅速にアライメントを完了させることができるという理由により広く採用されている。
【0088】
ここで、「XYアライメント」とは、被検眼角膜の装置本体に対する左右上下方向(XY軸による二次元座標系)の位置関係をいう。また、「Zアライメント」とは、被検眼角膜の装置本体に対する前後方向(Z軸による一次元座標系)の位置関係をいう。さらに、「アライメント」とは、被検眼角膜の装置本体に対する左右上下方向と前後方向の位置関係を正規位置に調整することをいう。
【0089】
そして、「オートアライメント」は、被検眼に対し正面から光を投影し、被検眼角膜による反射光を受光し、二次元センサ上の輝点の移動としてXYアライメント輝点位置を検出する。被検眼に対し斜めから光を投影し、被検眼角膜による反射光を受光し、一次元センサの輝点の移動としてZアライメント輝点位置を検出する。そして、これらの検出信号に基づいて、装置本体を三次元方向に駆動制御し、自動的に被検眼角膜の装置本体に対する左右上下方向と前後方向の位置関係を正規位置に調整することで行われる。
【0090】
そこで、モード切替スイッチやオートアライメント開始スイッチ等を用い、オートアライメントを行う従来の眼科装置での検査手順を説明する。
まず、被検者の顔を額当てと顎受けにより固定し、被検眼により固視標投影系による固視標を注視してもらう。この状態で、被検眼の位置が前回の検査時に比べて高過ぎる場合や低過ぎる場合には、装置ベースに設けられた調整ノブを手動にて回転させたり、または、架台のパネルに設けられた受台上下動スイッチを操作したりすることで顎受けの上下動操作を行う。その後、検者は操作ノブを把持し、操作ノブを傾ける手動操作により、モニタに映った被検眼像と輝点を見ながら左右方向(X方向)と前後方向(Z方向)についてのアライメント操作を行い、Xアライメント操作やZアライメント操作を止めるときは傾けている操作ノブを元の駆動中立位置まで戻す。検者は操作ノブ外周の操作リングに対する回転操作より、モニタに映った被検眼像と輝点を見ながら上下方向(Y方向)のYアライメント操作を行う。また、このようなXYZアライメント操作を繰り返すことで、モニタ画面上に表示されている前眼部画像の精密範囲内に明瞭なXYアライメント輝点が存在することを検者の目視により確認し、オートアライメント開始スイッチへのON操作によりオートアライメントを開始する。
【0091】
しかしながら、従来の眼科装置による検査手順の場合、マニュアルアライメント操作において、Xアライメント操作やZアライメント操作の際には、所望の移動量に合わせた傾倒角度に操作ノブを傾ける必要があるし、傾けている操作ノブを元の駆動中立位置まで必ず戻す操作を要する。また、顎受けを上下動させるY’アライメント操作の際には、操作ノブとは別の位置に設けられた部材に対し行う必要があるため、例えば、前回の被検者と今回の被検者の顎の位置から眼の位置までの高さが大きく異なる場合、顎受けの上下動操作によるマニュアルアライメントを行った後、操作ノブを把持してのマニュアルアライメントを開始せざるを得なく、マニュアルアライメント操作性が低く、未熟な検者の場合には、マニュアルアライメント操作に多大な時間を要する。
上記のように、マニュアルアライメント操作性が低いという問題を有するため、眼科検査時、操作慣れした熟練の検者ではない限り、迅速にマニュアルアライメント操作を終了することができないし、その結果として、オートアライメントを開始も遅れることになる。
【0092】
すなわち、眼科装置自体にオートアライメント機能を備えていても、使い勝手の面から見れば、充分に満足できるものではなく、例えば、未熟の検者であっても自然な操作感によりオートアライメント機能を使いこなせるように、装置のマニュアルアライメント操作性をより向上したい。さらに、検者の熟練度に左右されることなく、オートアライメントを円滑に動作させ、オートアライメントによる安定した調整精度を確保したい、という要求がある。
【0093】
本発明者は、オートアライメント機能を備えた眼科装置の問題点や要求に対し、現状の操作ノブ以外の部材に対する操作を要するマニュアルアライメント操作性は煩雑であり改善の余地がある点に着目した。この着目点にしたがって、操作ノブに、装置本体を上下動する第1回転操作リングと、顎受けを上下動する第2回転操作リングを共に備えた構成を採用した。
【0094】
[アライメント輝点の位置検出作用]
オートアライメントの入力情報として用いられるアライメント用光源21,61からのアライメント輝点の位置検出作用を説明する。
【0095】
XYアライメント用光源21から出射された赤外光は、図5に示すように、集光レンズ22により集束されつつ開口絞り23を通過して、ピンホール板24に導かれる。ピンホール板24を通過した光束は、ダイクロイックミラー25で反射され、投影レンズ26により平行光束となってハーフミラー15で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過して気流吹付けノズル12の内部を通過する。そして、図10に示すように、XYアライメント視標光Kを形成する。XYアライメント視標光Kは、図10に示すように、角膜Cの頂点Pと角膜Cの曲率中心の中間位置に輝点像Rを形成するようにして角膜表面Tで反射される。なお、開口絞り23は、投影レンズ26に関して角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0096】
そして、XYアライメント視標投影光学系20により角膜Cに投影され、角膜表面Tで反射された光束は、気流吹付けノズル12の内部を通過してチャンバー窓ガラス14及びハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつその一部がハーフミラー17を透過し、さらにその一部がハーフミラー18で反射される。ハーフミラー18で反射された光束は、XYアライメント輝点位置センサ41上に輝点像を形成する。演算制御回路80aは、XYアライメント輝点位置センサ41の出力に基づいて輝点像の光量重心位置を求め、装置本体4と角膜CのXY方向の位置関係を演算する。この演算によって、XYアライメント輝点の位置が検出される。
【0097】
Zアライメント用光源61から出射された赤外光は、集光レンズ62により集光されつつ開口絞り63を通過して、ピンホール板64に導かれる。ピンホール板64を通過した光束は、投影レンズ65により平行光束となって角膜Cに導かれる。平行光束は、図11に示すように、輝点像Qを形成するようにして角膜表面Tにおいて反射される。なお、開口絞り63は投影レンズ65に関して角膜Cの頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0098】
Zアライメント指標投影光学系60によって投影されたZアライメント指標光の角膜表面Tにおける反射光束は、結像レンズ71によって集束されつつシリンドリカルレンズ72を介してZアライメント輝点位置センサ73上に輝点像Q’を形成する。このZアライメント輝点位置センサ73の出力は、演算制御回路80aに入力される。演算制御回路80aは、Zアライメント輝点位置センサ73の出力に基づいて輝点像の光量重心位置を求め、装置本体4と角膜CのZ方向の位置関係を演算する。この演算によって、Zアライメント輝点の位置が検出される。
【0099】
[オートアライメントの開始条件判断と開始報知作用]
実施例1の非接触式眼圧計Sで被検者の眼圧を測定する場合、まず、被検者の顔を受台1の額当てと顎受けにより固定し、被検眼Eにより固視標投影系による固視標を注視してもらう。この状態で、検者は操作ノブ5から手を離していると、図8のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2を繰り返す流れとなる。
【0100】
その後、検者が操作ノブ5を把持すると、ステップS1の被検者検出条件と、ステップS2の操作ノブ接触条件が成立し、図8のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む。そして、検者が操作ノブ5を把持しただけで、前眼部照明光源11a,11bによる輝点をモニタ6の画面上で1個も検出できないと、輝点検出不成功として、ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS8へと進む流れが繰り返され、検者は、装置本体4を被検眼Eに対しほぼ正対し、少なくとも前眼部照明光源11a,11bによる輝点をモニタ6の画面上で1個検出する位置までマニュアルアライメントを行う。
【0101】
そして、ステップS5での輝点検出が成功すると、図8のフローチャートにおいて、ステップS5からステップS6へと進み、ステップS6において、モニタ6を見ている検者から容易に視認できるように、「オートアライメント可」とモニタ表示する指令が出力され、次のステップS7において、検者が操作ノブ5から手を離していると判断されると、自動的にオートアライメント駆動制御が開始される。なお、検者が操作ノブ5を握っている間は、マニュアルアライメントの操作意図があると判断し、ステップS7からステップS8へ進み、ステップS3へ戻って上記動作が繰り返されることになる。
【0102】
ステップS5での輝点検出成功は、モニタ6の画面上に前眼部照明光による輝点が少なくとも1個検出されることで判断される。すなわち、前眼部観察光学系10のハーフミラー18を透過した角膜Cによる反射光束は、CCD19上に前眼部照明光による輝点を形成する。そして、CCD19は、演算制御回路80aを介してモニタ6に画像信号を出力し、例えば、図12に示すように、被検眼Eの前眼部像E’と前眼部照明光による輝点FL,FLとがモニタ6の画面G上に表示される。
【0103】
[マニュアルアライメント操作制御作用]
上記のように、検者が操作ノブ5に接触した時点から操作ノブ5から手を離した時点まで操作ノブ5を用いたマニュアルアライメント操作制御が実行される。
【0104】
まず、被検眼の位置が標準位置より低いことで顎受け1aの上方向への移動を意図し、操作ノブ5に設けられた第2回転操作リング5cを右方向に回転させると、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS30→ステップS36→ステップS37→ステップS38へと進み、ステップS38にて、上方向に顎受け1aが移動するようにY’アライメントモータ116に対し駆動指令が出力される。
【0105】
また、被検眼の位置が標準位置より高いことで顎受け1aの下方向への移動を意図し、操作ノブ5に設けられた第2回転操作リング5cを左方向に回転させると、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS30→ステップS36→ステップS39→ステップS40へと進み、ステップS40にて、下方向に顎受け1aが移動するようにY’アライメントモータ116に対し駆動指令が出力される。
【0106】
次に、装置本体4を左右方向や前後方向への移動を意図し、検者が移動要求方向に操作ノブ5を角度θだけ傾けると、操作ノブ5の傾きをノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号により検出し、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む。そして、ステップS25にて、センサ信号に基づいて操作ノブ5の傾倒方向が判断され、次のステップS26にて、タイマー値Tが設定タイマー値To未満であると判断されると、ステップS27へ進む。ステップS27では、傾倒方向に判断にしたがってXアライメントモータ108への駆動指令、あるいは、前後方向アライメント駆動機構のZアライメントモータ112への駆動指令によりアライメント微動調整が行われる。
【0107】
一方、移動量を確保するために操作ノブ5の傾倒状態を所定時間維持していることで、ステップS26にて、タイマー値Tが設定タイマー値To以上であると判断されると、ステップS28へ進む。ステップS28では、傾倒方向に判断にしたがってXアライメントモータ108への駆動指令、あるいは、前後方向アライメント駆動機構のZアライメントモータ112への駆動指令によりアライメント粗動調整が行われる。
【0108】
このように、操作ノブ5をモータ駆動のための電気信号出力手段として用い、Xアライメントモータ108とZアライメントモータ112の駆動により架台3をX方向やZ方向に移動させるようにしたため、架台3を検者の操作力により移動する場合に比べ、迅速で、かつ、精度の高いアライメント調整を行うことができる。
【0109】
その後、意図する移動量だけ動いたことを確認し、検者が操作ノブ5から手を離すと、操作ノブ5は、駆動中立位置N(架台3に対し垂直な位置)まで自己復帰する。
このように、操作ノブ5を自己復帰型としたため、検者による操作ノブの戻し操作力を要しないし、また、操作ノブの戻し過ぎや戻し足らずにより、架台3が検者の所望位置に停止することがないといったことも避けることができる。
【0110】
被検眼に対して装置本体4の位置が低いことで装置本体4の上方向への移動を意図し、操作ノブ5に設けられた第1回転操作リング5bを右方向に回転させると、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS30→ステップS31→ステップS32→ステップS33へと進み、ステップS33にて、上方向に装置本体4が移動するようにYアライメントモータ104に対し駆動指令が出力される。
【0111】
また、被検眼に対して装置本体4の位置が高いことで装置本体4の下方向への移動を意図し、操作ノブ5に設けられた第1回転操作リング5bを左方向に回転させると、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS30→ステップS31→ステップS34→ステップS35へと進み、ステップS35にて、下方向に装置本体4が移動するようにYアライメントモータ104に対し駆動指令が出力される。
【0112】
このように、マニュアルアライメント時、操作ノブ5に設けられた第1回転操作リング5bを、右方向または左方向に回転させるだけで装置本体4を上下動させることができるし、また、操作ノブ5に設けられた第2回転操作リング5cを、右方向または左方向に回転させるだけで顎受け1aを上下動させせることができる。
【0113】
そして、上記マニュアルアライメント操作制御を繰り返すことにより、輝点検出を成功し、検者が操作ノブ5から手を離したら、図9のフローチャートにおいて、ステップS21→エンドへと進み、マニュアルアライメント操作制御を終了する。
【0114】
[オートアライメント駆動制御作用]
オートアライメント開始条件成立との判断に基づく「オートアライメント可」とのモニタ表示にしたがって、検者が操作ノブ5から手を離すと、図8のフローチャートにおいて、ステップS7から、ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進み、自動的に「粗アライメント」によるオートアライメント駆動制御が開始される。
【0115】
すなわち、オートアライメント開始条件が成立したことを判断した後、検者が操作ノブ5に触れていないことにより、検者がオートアライメント駆動制御への移行を意図していると判断し、自動的にオートアライメント駆動制御を開始することで、スイッチ操作を要することなく、オートアライメント駆動制御を実行することができる。
【0116】
そして、アライメント指標光による輝点が精密範囲に入っていなく、操作ノブ5から手を離している状態が維持される限り、図8のフローチャートにおいて、ステップS9→ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進む流れが繰り返され、モータ駆動速度が速く位置精度が低い粗アライメントが実行される。
したがって、オートアライメントによる粗アライメントの実行により、マニュアルアライメントによって粗アライメントを行う場合に比べ、迅速、かつ、精度良く、アライメント指標光による輝点を精密範囲に入れて粗アライメントを終了させることができる。
【0117】
次に、粗アライメントの実行により、アライメント指標光による輝点が精密範囲に入ると、輝点ズレ量が測定可である限り、図8のフローチャートにおいて、ステップS9→ステップS14→ステップS15→ステップS16→ステップS17→ステップS11→ステップS12へと進む流れが繰り返され、モータ駆動速度が遅く位置精度が高い精密アライメントが実行される。
ここで、アライメント指標光による輝点が精密範囲に入るとは、例えば、図13に示すように、モニタ6の画面G上において、XY方向の粗アライメントにより、輝点R’2が、図13の仮想線位置から正規位置CMの方向に向かって進み、正規位置CMからは外れているが、精密範囲H内に表示され、かつ、Z方向の粗アライメントによるピント合わせ動作により、XYアライメント指標光による輝点R’2がモニタ画面上で明瞭に表示される状態をいう。
このように、オートアライメント駆動制御において、粗アライメントの実行により、XYアライメント指標光による輝点R’2を、応答良く正規位置CMに近づけ、かつ、精密アライメントの実行により、XYアライメント指標光による輝点R’2を、精度良く正規位置CMに一致させるアライメントを行うことができる。
【0118】
そして、ステップS17において、XYZ方向の輝点ズレ量がアライメント完了しきい値以下であると判断されると、図8のフローチャートにおいて、ステップS17からステップS18へ進み、眼圧測定が行われる。これによって、アライメントが完了した後、被検眼Eが固視微動等により動くことによる測定誤差影響を受けないうちに、即座に空気を被検眼Eの角膜Cに吹き付けての眼圧測定が行われる。
ここで、XYアライメント指標光による輝点ズレ量がアライメント完了しきい値以下であるとは、例えば、図14に示すように、XYアライメント指標光の輝点R’2が、モニタ6の画面G上において、正規位置CMとほぼ一致していて、かつ、Z方向の輝点ズレ量がアライメント完了しきい値以下である状態をいう。
【0119】
なお、粗アライメントの実行中に検者が操作ノブ5に接触した場合には、図8のフローチャートにおいて、ステップS10→ステップS11→ステップS13→ステップS3〜ステップS8へと進む。また、精密アライメントの実行中に検者が操作ノブ5に接触した場合には、図8のフローチャートにおいて、ステップS14→ステップS15→ステップS16→ステップS17→ステップS11→ステップS13→ステップS3〜ステップS8へと進む。さらに、精密アライメントの途中であって、輝点ズレ量の測定不可のとき、検者が操作ノブ5に接触した場合には、図8のフローチャートにおいて、ステップS8→ステップS9→ステップS14→ステップS11→ステップS13→ステップS3〜ステップS8へと進む。
そして、いずれの場合も、ステップS13において、オートアライメント駆動制御を停止し、オートアライメント駆動制御から操作ノブ5により検者が手動でアライメントするマニュアルアライメントに切り替えられる。
すなわち、オートアライメント駆動制御中に操作ノブ5に検者が触れることにより、検者のマニュアルアライメントを行いたいという意図を判断し、検者の意図を優先、言い換えると、オートアライメントよりもマニュアルアライメントを優先し、オートアライメントからマニュアルアライメントへの切り替えが行われる。
【0120】
[眼圧測定作用]
XYアライメント視標投影光学系20により角膜Cに投影され、角膜表面Tで反射された光束は、気流吹付けノズル12の内部を通過してチャンバー窓ガラス14及びハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束されつつその一部が、ハーフミラー17によって反射された一部の光束は、角膜変形量検出光学系50に導かれ、ピンホール板51を通過して圧平検出受光センサ52に導かれる。この圧平検出受光センサ52としては、フォトダイオードのような光量検出可能な受光センサが用いられている。
【0121】
眼圧測定は、XYZ全てのアライメントの合致が確認されると、ピストンソレノイド12cを駆動し、被検眼Eの角膜Cに気流吹付けノズル12から空気を噴射する。この際、圧平検出系の圧平検出受光センサ52に入射する光量と、チャンバー内圧センサ84による内部気圧の時間的な変化を記憶する。
【0122】
圧平検出系は、被検眼角膜Cが平面に圧平した際に圧平検出受光センサ52に入射する光量が最大になるように構成されている。このため、被検眼Eの角膜Cに空気を噴射すると、被検眼Eの角膜Cの圧平にしたがって圧平検出受光センサ52に入射する光量は増加し、平面になった時点で最大となる。さらに、圧平が進み、被検眼Eの角膜Cが凹面になると、再び光量は減少する。
【0123】
したがって、時間的に変化する光量の重心位置を検出し、このときのチャンバー内圧値を求める。ここで、チャンバー内圧と被検眼Eの角膜Cに噴射している空気の圧力には、一定の相関関係があるため、チャンバー内圧値から被検眼眼圧値を得ることができる。
【0124】
次に、効果を説明する。
実施例1の非接触式眼圧計Sにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0125】
(1) 眼科検査するための光学系を装置本体4に備え、前記装置本体4と被検眼Eとの三次元方向の相対位置関係を正規位置とするアライメントを自動で行うことが可能なオートアライメント機能付きの非接触式眼圧計Sにおいて、前記オートアライメントに先行し、オートアライメントを開始可能な状態まで手動操作にて前記装置本体4を移動させるマニュアルアライメント操作を行う操作ノブ5と、前記装置本体4を前記被検眼Eに対し上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構と、前記被検眼Eを有する被検者の顎を受ける受台1を装置ベース2に対し上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構と、を設け、前記操作ノブ5に、手動操作により前記本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1上下動操作部材と、手動操作により前記受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2上下動操作部材を設定したため、上下方向のマニュアルアライメント操作性を向上させることにより、検者及び被検者双方の負担を軽減することができると共に、装置の持つオートアライメント機能を有効に活用することができる。
【0126】
(2) 前記第1上下動操作部材は、前記操作ノブ5の外周位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定した第1回転操作リング5bであり、該第1回転操作リング5bの回転によりリング回転信号を出力する第1回転センサ87aを有し、前記第2上下動操作部材は、前記操作ノブ5の外周の前記第1回転操作リング5bとは隣接する位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定した第2回転操作リング5cであり、該第2回転操作リング5cの回転によりリング回転信号を出力する第2回転センサ87bを有するため、装置本体4を上下動させる際に検者が使い慣れている回転操作リングに対する回転操作と同じ操作により、顎受け1aの上下動を行うことができる。
【0127】
(3) 前記第1回転操作リング5bに、第1回転操作リング5bへの接触を検出する第1操作ノブ接触センサ82aを設定し、前記第2回転操作リング5cに、第2回転操作リング5cへの接触を検出する第2操作ノブ接触センサ82bを設定し、前記第1操作ノブ接触センサ82aにより前記第1回転操作リング5bへの接触を検出したら(ステップS30でYES)、前記本体上下方向アライメント駆動機構を選択し、前記第2操作ノブ接触センサ82bにより前記第2回転操作リング5cへの接触を検出したら(ステップS30でNO)、前記受台上下方向アライメント駆動機構を選択するマニュアルアライメント操作制御手段(図9のステップS31〜ステップS40)を設けたため、マニュアルアライメント操作時、第1回転操作リング5bに手を触れるだけで本体上下方向アライメント駆動機構を選択でき、第2回転操作リング5cに手を触れるだけで受台上下方向アライメント駆動機構を選択できる。
【0128】
(4) 前記マニュアルアライメント操作制御手段(図9)は、前記本体上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、前記第1回転操作リング5bを設定速度以上にて回転させていることを検出したら(ステップS32,ステップS34でYES)、その回転方向により前記装置本体4の上下動を切り替え(ステップS33,ステップS35)、前記受台上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、前記第2回転操作リング5cを設定速度以上にて回転させていることを検出したら(ステップS37,ステップS39でYES)、その回転方向により前記受台1の上下動を切り替える(ステップS38,ステップS40)ため、マニュアルアライメント操作時、第1回転操作リング5bへの回転操作方向により装置本体4の上下動を選択でき、第2回転操作リング5cへの回転操作方向により顎受け1aの上下動を選択できる。
【0129】
(5) 前記操作ノブ5は、検者による把持状態で移動要求方向に設定角度θまで傾倒すると左右方向と前後方向のアライメント駆動機構を動作させる電気信号を出力し、検者がノブから手を離すと駆動中立位置まで自己復帰する自己復帰型であるため、駆動中立位置まで手動操作力により戻す必要が無く、左右方向および前後方向のマニュアルアライメント操作性を向上させることができる。
【0130】
(6) 前記操作ノブ5は、ノブ傾倒とノブ傾倒方向を検出するノブ傾倒位置センサ85を有し、前記マニュアルアライメント操作制御手段(図9)は、前記ノブ傾倒位置センサ85により操作ノブ5の傾倒を検出すると(ステップS23でYES)、前記ノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号により操作ノブ5の傾倒方向を判断し(ステップS25)、傾倒方向判断にしたがって左右方向アライメント駆動機構と前後方向アライメント駆動機構を用いたアライメント操作制御を行う(ステップS27,28)ため、装置本体4を移動させたい方向に操作ノブ5を傾倒させ、装置本体4が要求移動量となるまで操作ノブ5の傾倒を維持するだけで、モータ駆動により左右方向と前後方向のアライメントを行うことができる。
【0131】
(7) 前記マニュアルアライメント操作制御手段(図9)は、前記操作ノブ5を傾倒させることで前記ノブ傾倒位置センサ85からのセンサ信号を入力すると(ステップS23でYES)、センサ信号入力時間を計測し(ステップS24)、センサ信号入力時間計測値が設定時間以下であると(ステップS26でNO)、左右・前後方向へのアライメント微動指令を左右・前後方向アライメント駆動機構に出力し(ステップS27)、センサ信号入力時間計測値が設定時間を超えると(ステップS26でYES)、左右・前後方向のアライメント粗動指令を左右・前後方向アライメント駆動機構に出力するため、未熟な検者にとっては傾倒量や傾倒角度の大小よりも扱いやすい操作ノブ5の傾倒時間のコントロールにより、大きな移動量を短時間にて得る粗動と、微妙な移動量により精密調整する微動による左右・前後方向のマニュアルアライメント操作を行うことができる。
【0132】
(8) 前記マニュアルアライメント操作制御手段(図9)は、前記操作ノブ5に対して検者の接触を検出しているあいだマニュアルアライメント操作制御を実行し、前記オートアライメントを開始可能な状態で前記操作ノブ5から手を離すと(ステップS7でYES)、マニュアルアライメント操作制御を停止し、アライメント輝点位置センサ41,73により検出されたアライメント輝点位置情報に基づき、前記装置本体4を装置ベース2に対して三次元方向にアクチュエータ駆動させることにより、アライメント輝点を正規位置とするオートアライメント駆動制御を開始するオートアライメント駆動制御手段(ステップS9〜ステップS17)を設けたため、操作ノブ5から手を離すことでオートアライメントの開始が判断されると、直ちにオートアライメント駆動制御が開始され、マニュアルアライメントの操作性向上と併せて、迅速にアライメントを完了することができる。
【0133】
以上、本発明の眼科装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0134】
実施例1では、操作ノブに設定した第1上下動操作部材と第2上下動操作部材として、第1回転操作リングと第2回転操作リングの例をした。しかし、第1上下動操作部材と第2上下動操作部材としては、スライド操作スイッチやボタン操作スイッチ等、回転操作リング以外の操作部材を用いるようにしても良い。
【0135】
実施例1では、操作ノブ接触センサを2つ設け、どちらの接触センサに触れているかにより、本体上下方向アライメント駆動機構と受台上下方向アライメント駆動機構を選択する例を示した。しかし、操作ノブ接触センサを1つ設け、2つのアライメント駆動機構の選択を操作ノブに設けた切替スイッチへの操作により行う例としても良い。また、操作ノブの形状を工夫し、ある特定の部分に触れていることを検出し、2つのアライメント駆動機構の選択を行う例としても良い。
【0136】
実施例1では、オートアライメント開始条件判断手段として、前眼部照明光による輝点が前眼部画像を映し出すモニタの画像領域内に少なくとも1個存在することによりオートアライメント開始条件を判断する例を示した。しかし、例えば、CCD等の画素領域にアライメント用光源による輝点画像信号が存在することによりオートアライメント開始条件を判断しても良い。さらに、正規位置からの輝点ズレ量のしきい値を設定しておき、正規位置からの輝点ズレ量がしきい値内(オートアライメントによる駆動制御範囲内)に存在することでオートアライメント開始条件を判断する例であっても良い。
【0137】
実施例1では、オートアライメント開始報知手段として、モニタの画面上にオートアライメントが可能であることを知らせる表示を行う例を示した。しかし、モニタの画面表示と、音声による報知と、ランプの点灯や点滅による報知等のうち、1つや複数の組み合わせにより知らせるようにしても良い。
【0138】
実施例1では、モニタの画面上にオートアライメントが可能であることを知らせる表示を行った後、操作ノブの非接触を検出することによって、自動的にオートアライメント駆動制御を開始する例を示した。しかし、モニタの画面上にオートアライメントが可能であることを知らせる表示を行った後、オートアライメント開始スイッチへのスイッチ操作によりオートアライメント駆動制御を開始する例としても良いし、操作ノブの非接触検出とスイッチ操作の何れか一方が成立することにより、オートアライメント駆動制御を開始する例としても良い。
【0139】
要するに、オートアライメントに先行し、オートアライメントを開始可能な状態まで手動操作にて装置本体を移動させるマニュアルアライメント操作を行う操作ノブと、装置本体を被検眼に対し上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構と、被検眼を有する被検者の顎を受ける受台を装置ベースに対し上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構と、を設け、操作ノブに、手動操作により本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1上下動操作部材と、手動操作により受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2上下動操作部材を設定したものであれば、実施例1に限られることはない。
【産業上の利用可能性】
【0140】
実施例1では、非接触式眼圧計(ノンコンタクトタイプトノメータ)を眼科装置の一例として適用する例を示したが、角膜内皮細胞を撮影・記録するスペキュラーマイクロスコープや、遠視度数・近視度数・乱視度数を測定するオートレフラクトメータや、オートレフラクトメータの機能に加えて波面収差測定機能を持つウェーブフロントアナライザ等の眼科装置に対しても適用することができる。要するに、眼科検査するための光学系を装置本体に備え、装置本体と被検眼との三次元方向の相対位置関係を正規位置とするアライメントを自動で行うことが可能なオートアライメント機能付きの眼科装置であれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1の非接触式眼圧計(眼科装置の一例)を示す図であり、(a)は非接触式眼圧計の正面図を示し、(b)は非接触式眼圧計の側面図を示す。
【図2】実施例1の非接触式眼圧計におけるアライメント駆動機構を示す概略側面図である。
【図3】実施例1の非接触式眼圧計におけるアライメント駆動機構を示す概略平面図である。
【図4】実施例1の非接触式眼圧計における操作ノブを示す図で、(a)は正面図を示し、(b)はノブ上端部斜視図を示す。
【図5】実施例1の非接触式眼圧計における圧縮空気噴射構造を含む光学系を示す側面図である。
【図6】実施例1の非接触式眼圧計における圧縮空気噴射構造を含む光学系を示す平面図である。
【図7】実施例1の非接触式眼圧計においてオートアライメント駆動制御処理や眼圧測定のための演算処理を行うコントロールユニット80とその入出力系を示す制御ブロック図である。
【図8】実施例1のコントロールユニット80にて実行されるオートアライメント駆動制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例1のコントロールユニット80にて実行されるマニュアルアライメント操作制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】被検眼の角膜に正面方向から投影されたXYアライメント用視標光の反射について示す説明図である。
【図11】被検眼の角膜に斜め方向から投影されたZアライメント用視標光の反射について示す説明図である。
【図12】オートアライメント開始条件が成立した時のモニタ画面の表示一例を示す図である。
【図13】オートアライメント駆動制御で精密アライメント制御を行う時のモニタ画面の表示一例を示す図である。
【図14】オートアライメントが完了した時のモニタ画面の表示一例を示す図である。
【符号の説明】
【0142】
S 非接触式眼圧計(眼科装置の一例)
1 受台
2 装置ベース
3 架台
4 装置本体
5 操作ノブ
5a 撮影ボタン
5b 第1回転操作リング(第1上下動操作部材)
5c 第2回転操作リング(第2上下動操作部材)
6 モニタ
10 前眼部観察光学系
11a,11b 前眼部照明光源
19 CCD
20 XYアライメント指標投影光学系
21 XYアライメント用光源
30 固視標投影光学系
31 固視標用光源
40 XYアライメント検出光学系
41 XYアライメント輝点位置センサ
50 角膜変形量検出光学系
60 Zアライメント指標投影光学系
61 Zアライメント用光源
70 Zアライメント検出光学系
73 Zアライメント輝点位置センサ
80 コントロールユニット
80a 演算制御回路
81 メインスイッチ
82a 第1操作ノブ接触センサ
82b 第2操作ノブ接触センサ
83 被検者検出センサ
85 ノブ傾倒位置センサ
87a 第1回転センサ
87b 第2回転センサ
104 Yアライメントモータ
108 Xアライメントモータ
112 Zアライメントモータ
116 Y’アライメントモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科検査するための光学系を装置本体に備え、前記装置本体と被検眼との三次元方向の相対位置関係を正規位置とするアライメントを自動で行うことが可能なオートアライメント機能付きの眼科装置において、
前記オートアライメントに先行し、オートアライメントを開始可能な状態まで手動操作にて前記装置本体を移動させるマニュアルアライメント操作を行う操作ノブと、
前記装置本体を前記被検眼に対し上下動させる本体上下方向アライメント駆動機構と、
前記被検眼を有する被検者の顎を受ける受台を装置ベースに対し上下動させる受台上下方向アライメント駆動機構と、を設け、
前記操作ノブに、手動操作により前記本体上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第1上下動操作部材と、手動操作により前記受台上下方向アライメント駆動機構に対し動作信号を出力する第2上下動操作部材を設定したことを特徴とする眼科装置。
【請求項2】
請求項1に記載された眼科装置において、
前記第1上下動操作部材は、前記操作ノブの外周位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定した第1回転操作リングであり、該第1回転操作リングの回転によりリング回転信号を出力する第1回転センサを有し、
前記第2上下動操作部材は、前記操作ノブの外周の前記第1回転操作リングとは隣接する位置に、ノブ中心軸の周りに回転可能に設定した第2回転操作リングであり、該第2回転操作リングの回転によりリング回転信号を出力する第2回転センサを有することを特徴とする眼科装置。
【請求項3】
請求項2に記載された眼科装置において、
前記第1回転操作リングに、第1回転操作リングへの接触を検出する第1操作ノブ接触センサを設定し、
前記第2回転操作リングに、第2回転操作リングへの接触を検出する第2操作ノブ接触センサを設定し、
前記第1操作ノブ接触センサにより前記第1回転操作リングへの接触を検出したら、前記本体上下方向アライメント駆動機構を選択し、前記第2操作ノブ接触センサにより前記第2回転操作リングへの接触を検出したら、前記受台上下方向アライメント駆動機構を選択するマニュアルアライメント操作制御手段を設けたことを特徴とする眼科装置。
【請求項4】
請求項3に記載された眼科装置において、
前記マニュアルアライメント操作制御手段は、前記本体上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、前記第1回転操作リングを設定速度以上にて回転させていることを検出したら、その回転方向により前記装置本体の上下動を切り替え、前記受台上下方向アライメント駆動機構を選択しているとき、前記第2回転操作リングを設定速度以上にて回転させていることを検出したら、その回転方向により前記受台の上下動を切り替えることを特徴とする眼科装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された眼科装置において、
前記操作ノブは、検者による把持状態で移動要求方向に設定角度まで傾倒すると左右方向と前後方向のアライメント駆動機構を動作させる電気信号を出力し、検者がノブから手を離すと駆動中立位置まで自己復帰する自己復帰型であることを特徴とする眼科装置。
【請求項6】
請求項5に記載された眼科装置において、
前記操作ノブは、ノブ傾倒とノブ傾倒方向を検出するノブ傾倒位置センサを有し、
前記マニュアルアライメント操作制御手段は、前記ノブ傾倒位置センサにより操作ノブの傾倒を検出すると、前記ノブ傾倒位置センサからのセンサ信号により操作ノブの傾倒方向を判断し、傾倒方向判断にしたがって左右方向アライメント駆動機構と前後方向アライメント駆動機構を用いたアライメント操作制御を行うことを特徴とする眼科装置。
【請求項7】
請求項6に記載された眼科装置において、
前記マニュアルアライメント操作制御手段は、前記操作ノブを傾倒させることで前記ノブ傾倒位置センサからのセンサ信号を入力すると、センサ信号入力時間を計測し、センサ信号入力時間計測値が設定時間以下であると、左右・前後方向へのアライメント微動指令を左右・前後方向アライメント駆動機構に出力し、センサ信号入力時間計測値が設定時間を超えると、左右・前後方向のアライメント粗動指令を左右・前後方向アライメント駆動機構に出力することを特徴とする眼科装置。
【請求項8】
請求項3乃至請求項7の何れか1項に記載された眼科装置において、
前記マニュアルアライメント操作制御手段は、前記操作ノブに対して検者の接触を検出しているあいだマニュアルアライメント操作制御を実行し、
前記オートアライメントを開始可能な状態で前記操作ノブから手を離すと、マニュアルアライメント操作制御を停止し、アライメント輝点位置センサにより検出されたアライメント輝点位置情報に基づき、前記装置本体を装置ベースに対して三次元方向にアクチュエータ駆動させることにより、アライメント輝点を正規位置とするオートアライメント駆動制御を開始するオートアライメント駆動制御手段を設けたことを特徴とする眼科装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−72513(P2009−72513A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246544(P2007−246544)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)